説明

ケーブル用コネクタの防水構造、それを用いたプラグコネクタ、および、レセプタクルコネクタ

【課題】モールド成形を要することなくケーブルの端部にケーブル用コネクタを容易に、かつ、十分な保持力で取付けることができ、しかも、ケーブル用コネクタ内部への液体の侵入を確実に防止することができること。
【解決手段】コンタクト/シール用シリンダー14は、導体接続部を保持するコンタクト収容部14Aと、係止用突起部を外周部に有する押圧片の内周部に形成されシール用チューブ16が装着される環状の凹部と、を有し、ケーブルCAがシール用チューブの孔を通じてプラグコンタクト端子20またはレセプタクルコンタクト端子40に接続される場合、段付押さえナット部材12の雌ねじ部が、プラグハウジング18およびレセプタクルハウジング38の雄ねじ部18MS、38MSにねじ込まれるとき、押圧片およびシール用チューブ16が押圧されることにより、プラグハウジングおよびレセプタクルハウジング内のケーブルの外周部が密封されるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル用コネクタの防水構造、それを用いたプラグコネクタ、レセプタクルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電用モジュール相互間、および、太陽光発電用モジュールと配電盤との間においては、一般に、その相互間を電気的に接続する防水型のケーブル用コネクタが実用に供されている。そのようなケーブル用コネクタは、例えば、特許文献1にも示されるように、コンタクト端子としての雄型端子金具と、その雄型端子金具の電線圧着部およびケーブルの絶縁外皮を覆う封止チューブと、そのケーブルの一端にモールドにより結合されるハウジングとを含んで構成されている。
【0003】
熱収縮性の合成樹脂で成形された筒状の封止チューブの一端は、ケーブルの絶縁外皮の端末に接着され、また、封止チューブの他端は、雄型端子金具の電線圧着部に接着されている。これにより、ケーブルの絶縁外皮の端末および雄型端子金具の電線圧着部が、封止チューブにより封止されることとなる。
【0004】
さらに、封止チューブにより封止されたケーブルの絶縁外皮の端末および雄型端子金具の電線圧着部は、モールドにより、上述のハウジングの内部に埋め込まれている。従って、外部の雨水等の液体がケーブルの絶縁外皮を伝わってハウジング内の雄型端子金具および電線圧着部へ侵入することが防止される。また、ケーブルの接続端部が、モールドにより、ハウジング内に十分な保持力によって確実に保持されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−298656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のようなケーブル用コネクタを用いて太陽光発電用モジュールの設置工事を行うにあたっては、例えば、所定の長さに設定されたケーブルの端部に上述のコネクタが接続されたものが予め準備されるもとで、その設置工事が実施されることとなる。
【0007】
しかしながら、設置工事において、現場で太陽光発電用モジュールの設置位置の変更等により、必要なケーブルの長さが、やむを得ず変更される場合がある。このような場合、上述のケーブル用コネクタにおいては、変更された長さのケーブルの端部に上述のコネクタが接続されたものをモールドによって作製する必要がある。従って、現場ではケーブルの端部に上述のコネクタが接続されたものを作製することは、困難となるので設置工事が新たなケーブルが準備されるまで中断するという問題を生じる。
【0008】
以上の問題点を考慮し、本発明は、ケーブル用コネクタの防水構造、それを用いたプラグコネクタ、および、レセプタクルコネクタであって、モールド成形を要することなくケーブルの端部にケーブル用コネクタを容易に、かつ、十分な保持力で取付けることができ、しかも、ケーブル用コネクタ内部への液体の侵入を確実に防止することができるケーブル用コネクタの防水構造、それを用いたプラグコネクタ、および、レセプタクルコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明に係るケーブル用コネクタの防水構造は、ケーブルの一端が接続されたコンタクト端子を着脱可能に収容するハウジングと、ハウジング内に配され複数の押圧片と、押圧片の外周部における共通の円周上に形成される複数の係合部とを有し、ハウジング内に挿入されたケーブルの外周部に装着されるシール用チューブを複数の押圧片の内側に保持するシール用シリンダーと、シール用シリンダーの複数の押圧片を収容する貫通孔を有し、ケーブルの一端が接続されたコンタクト端子がハウジングに収容される場合、シール用シリンダーの複数の押圧片をシール用チューブとともにハウジング内のケーブルの外周部に向けて押圧する押さえ部材と、を備え、シール用シリンダーの複数の係合部が、押さえ部材の貫通孔の周縁に形成される被係合部に対し移動可能に係合されることを特徴とする。
【0010】
押さえ部材の貫通孔は、一端に向けて開口する大径部と、一端に向き合う他端の壁部に形成される小径部と、大径部と該小径部との間に形成され円錐面を有する縮小部とを共通の中心軸線上に有し、シール用シリンダーの複数の係合部は、それぞれ、半径方向に突出する突起部とされ、大径部に形成される雌ねじ部の最端のねじ山に係合されてもよい。
【0011】
シール用シリンダーの複数の押圧片は、それぞれ、半径方向に延びる中心線を含む平面に対し所定のすくい角をなすすくい面を有しているものでもよい。
【0012】
シール用シリンダーは、コンタクト端子を収容するコンタクト収容部を有し、コンタクト端子は、ケーブルの内部導体が配される導体接続部と、導体接続部に回動可能に配され、ケーブルの内部導体を導体接続部に対し保持するロック位置、および、ケーブルの内部導体を導体接続部に対し解放するアンロック位置をとるクリップ片とを有し、コンタクト端子の導体接続部は、クリップ片の一端と協働してケーブルの内部導体を保持するロック用爪部をさらに備えてもよい。
【0013】
また、本発明に係るプラグコネクタは、ケーブルの一端が接続された棒状の接触端部を有するプラグコンタクト端子を着脱可能に収容するプラグハウジングと、プラグハウジング内に挿入されたケーブルの外周部に装着されるシール用チューブと、プラグハウジング内に配され複数の押圧片と、押圧片の外周部における共通の円周上に形成される複数の係合部とを有し、プラグハウジング内に挿入されたケーブルの外周部に装着されるシール用チューブを複数の押圧片の内側に保持するシール用シリンダーと、シール用シリンダーの複数の押圧片を収容する貫通孔を有し、ケーブルの一端が接続されたプラグコンタクト端子がプラグハウジングに収容される場合、シール用シリンダーの複数の押圧片をシール用チューブとともにプラグハウジング内のケーブルの外周部に向けて押圧する押さえ部材と、を備え、シール用シリンダーの複数の係合部が、押さえ部材の貫通孔の周縁に形成される被係合部に対し移動可能に係合されることを特徴とする。
【0014】
押さえ部材の貫通孔は、一端に向けて開口する大径部と、一端に向き合う他端の壁部に形成される小径部と、大径部と小径部との間に形成され円錐面を有する縮小部とを共通の中心軸線上に有し、シール用シリンダーの複数の係合部は、それぞれ、半径方向に突出する突起部とされ、大径部に形成される雌ねじ部の最端のねじ山に係合されてもよい。
【0015】
シール用シリンダーの複数の押圧片は、それぞれ、半径方向に延びる中心線を含む平面に対し所定のすくい角をなすすくい面を有してもよい。
【0016】
シール用シリンダーは、コンタクト端子を収容するコンタクト収容部を有し、コンタクト端子は、ケーブルの内部導体が配される導体接続部と、導体接続部に回動可能に配され、ケーブルの内部導体を導体接続部に対し保持するロック位置、および、ケーブルの内部導体を導体接続部に対し解放するアンロック位置をとるクリップ片とを有し、コンタクト端子の導体接続部は、クリップ片の一端と協働してケーブルの内部導体を保持するロック用爪部をさらに備えてもよい。
【0017】
さらに、本発明に係るレセプタクルコネクタは、ケーブルの一端が接続された円筒状の接触端部を有するレセプタクルコンタクト端子を着脱可能に収容するレセプタクルハウジングと、レセプタクルハウジング内に挿入されたケーブルの外周部に装着されるシール用チューブと、シール用シリンダーの複数の押圧片を収容する貫通孔を有し、レセプタクルハウジング内に配され複数の押圧片と、押圧片の外周部における共通の円周上に形成される複数の係合部とを有し、レセプタクルハウジング内に挿入されたケーブルの外周部に装着されるシール用チューブを複数の押圧片の内側に保持するシール用シリンダーと、ケーブルの一端が接続されたレセプタクルコンタクト端子がレセプタクルハウジングに収容される場合、シール用シリンダーの複数の押圧片をシール用チューブとともにレセプタクルハウジング内のケーブルの外周部に向けて押圧する押さえ部材と、を備え、シール用シリンダーの複数の係合部が、押さえ部材の貫通孔の周縁に形成される被係合部に対し移動可能に係合されることを特徴とする。
【0018】
押さえ部材の貫通孔は、一端に向けて開口する大径部と、一端に向き合う他端の壁部に形成される小径部と、大径部と小径部との間に形成され円錐面を有する縮小部とを共通の中心軸線上に有し、シール用シリンダーの複数の係合部は、それぞれ、半径方向に突出する突起部とされ、大径部に形成される雌ねじ部の最端のねじ山に係合されてもよい。
【0019】
シール用シリンダーの複数の押圧片は、それぞれ、半径方向に延びる中心線を含む平面に対し所定のすくい角をなすすくい面を有してもよい。
【0020】
シール用シリンダーは、コンタクト端子を収容するコンタクト収容部を有し、コンタクト端子は、ケーブルの内部導体が配される導体接続部と、導体接続部に回動可能に配され、ケーブルの内部導体を導体接続部に対し保持するロック位置、および、ケーブルの内部導体を導体接続部に対し解放するアンロック位置をとるクリップ片とを有し、コンタクト端子の導体接続部は、クリップ片の一端と協働してケーブルの内部導体を保持するロック用爪部をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るケーブル用コネクタの防水構造、それを用いたプラグコネクタ、および、レセプタクルコネクタによれば、ケーブルの一端が接続されたコンタクト端子を着脱可能に収容するハウジング、シール用チューブを複数の押圧片の内側に保持するシール用シリンダー、および、押さえ部材を備え、シール用シリンダーの複数の係合部が、押さえ部材の貫通孔の周縁に形成される被係合部に対し移動可能に係合されるのでモールド成形を要することなくケーブルの端部にケーブル用コネクタを容易に取付けることができ、しかも、押さえ部材が、ケーブルの一端が接続されたコンタクト端子がハウジングに収容される場合、シール用シリンダーの複数の押圧片をシール用チューブとともにハウジング内のケーブルの外周部に向けて押圧するのでケーブルが十分な保持力で取付けられた状態でケーブル用コネクタ内部への液体の侵入を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るケーブル用コネクタの防水構造の一例に用いられるコンタクト端子、コンタクト/シール用シリンダーおよび段付押さえナット部材をケーブルとともに示す断面図である。
【図2】本発明に係るケーブル用コネクタの防水構造の一例が適用されたプラグコネクタおよびレセプタクルコネクタを、離隔した状態で示す断面図である。
【図3】本発明に係るケーブル用コネクタの防水構造の一例が適用されたプラグコネクタおよびレセプタクルコネクタを接続した状態で示す外観図である。
【図4】図2に示されるプラグコネクタを分解して示す正面図である。
【図5】図2に示されるレセプタクルコネクタを分解して示す正面図である。
【図6】(A)は、図2に示される例に用いられるコンタクト/シール用シリンダーを示す斜視図であり、(B)は、(A)に示される例における正面図である。
【図7】図2に示される例に用いられる段付押さえナット部材の断面図である。
【図8】(A)は、図2に示される例に用いられるレセプタクルコンタクト端子の外観を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示される例における断面図である。
【図9】(A)は、図2に示される例に用いられるプラグコンタクト端子の外観を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示される例における断面図である。
【図10】図2に示される例における組み立ての説明に供される斜視図である。
【図11】図2に示される例における組み立ての説明に供される部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図3は、本発明に係るケーブル用コネクタの防水構造の一例が適用されたケーブル用コネクタの外観を示す。なお、そのケーブル用コネクタは、後述するレセプタクルコネクタおよびプラグコネクタを含んでなるものとされる。図3においては、レセプタクルコネクタおよびプラグコネクタが接続された状態を示す。
【0024】
図3に示されるケーブル用コネクタは、例えば、太陽光発電用モジュール相互間を接続するケーブルの両端部、あるいは、太陽光発電用モジュールと配電盤との間を接続するケーブルの端部、中継コネクタと太陽光発電用モジュールとの間を接続するケーブルの端部に取付けられるものとされる。
【0025】
図3において、ケーブルCAは、例えば、太陽光モジュール接続用ケーブル(型式KSK−、金子コード社製)とされ、1心の内部導体と、その内部導体を被覆する架橋ポリエチレン絶縁体と、内部導体および架橋ポリエチレン絶縁体を被覆する耐燃性架橋ポリエチレンシースとから構成されている。耐燃性架橋ポリエチレンシースは、例えば、約7mm程度の外径を有している。また、内部導体は、例えば、約2〜3mm程度の外径を有している。
【0026】
図3において、プラグコネクタ10およびレセプタクルコネクタ30は、互いに着脱可能に接続されている。プラグコネクタ10は、図2および図4に示されるように、ケーブルCAの一端の内部導体に接続されるプラグコンタクト端子20と、ケーブルCAの一端が挿入される貫通孔を有しプラグコンタクト端子20を保持する筒状のコンタクト/シール用シリンダー14と、ケーブルCAの一端の外周部とコンタクト/シール用シリンダー14の内周部との間を密封するシール用チューブ16と、シール用チューブ16が内側に挿入されたコンタクト/シール用シリンダー14、および、プラグコンタクト端子20を収容するプラグハウジング18と、プラグハウジング18の雄ねじ部18MSにねじ込まれる雌ねじ部12FSを有しコンタクト/シール用シリンダー14をプラグコンタクト端子20の中心軸線に沿って一方向に押圧するとともに、コンタクト/シール用シリンダー14の複数の押圧片14Piをシール用チューブ16の外周部に向けて押圧する段付押さえナット部材12と、を主な構成要素として含んで構成されている。
【0027】
プラグコンタクト端子20は、図9(A)および(B)に示されるように、例えば、薄板金属材料でプレス加工により一体に成形され、後述するレセプタクルコンタクト端子40の筒状の接触端部44の孔44aに嵌合される中空棒状の接触端部24と、後述するようにケーブルCAの一端の内部導体を選択的に押圧保持し接続する導体接続部26とを含んで構成されている。
【0028】
溝形の導体接続部26は、一端が開口し、ケーブルCAの一端の内部導体がその開口端部から挿入される導体収容部を内側に有している。導体収容部は、お互いに向かい合う平行な壁部相互間に形成されている。
【0029】
また、導体接続部26は、導体収容部内に挿入されたケーブルCAの一端の内部導体を導体接続部26に対しロック状態またはアンロック状態とするクリップ片28を回動可能に有している。なお、図9(A)および(B)において実線で示される状態は、クリップ片28のアンロック状態を示す。クリップ片28の下方位置となる導体収容部の底部を形成する部分には、ロック用爪部26Nが内側に向けて突出している。
【0030】
クリップ片28がロック状態となる場合、弾性変位可能な接触片28Pとしてのクリップ片28の一端とロック用爪部26Nとが、図9(B)において二点鎖線で示されるように、ケーブルCAの一端の内部導体を挟持し保持する。これにより、プラグコンタクト端子20におけるケーブルCAの一端の内部導体を保持する保持力が高められる。
【0031】
また、操作片としてのクリップ28の湾曲した他端は、略T字状に形成される一対の係合部28aを有する。導体接続部26における接触端部24側の各壁部に形成される鉤状部26Kと一対の係合部28aとがそれぞれ、係合されることにより、係合部28aを含むクリップ28の他端は、その弾性力によりロック状態に保持される。一方、クリップ28の湾曲した他端の一対の係合部28aが弾性力に抗して鉤状部26Kから取り外されることにより、ケーブルCAの一端の内部導体がクリップ片28の一端とロック用爪部26Nとの間から離脱可能とされる。
【0032】
従って、半田付け作業、かしめ作業等を要することなく、簡易な作業でプラグコンタクト端子20にケーブルCAの一端を着脱可能に接続することが可能とされる。
【0033】
プラグコンタクト端子20の導体接続部26は、コンタクト/シール用シリンダー14のコンタクト収容部14Aに配されている。導体接続部26の一対の端部26Eは、それぞれ、後述するコンタクト/シール用シリンダー14の各スリット14C(図4参照)に挿入される。また、導体接続部26の壁部における各鉤状部26Kに隣接した各切欠部26Sの周縁には(図9(B)参照)、コンタクト収容部14Aを形成する両壁部にそれぞれ、設けられる爪部14NA(図6(A)参照)が係合される。これにより、プラグコンタクト端子20がコンタクト収容部14Aに固定される。
【0034】
コンタクト/シール用シリンダー14は、例えば、樹脂材料で一体に成形され、図6(A)に示されるように、一端にプラグコンタクト端子20の導体接続部26を収容するコンタクト収容部14Aと、他端に筒状に形成されケーブルCAの一端部を着脱可能に把持するケーブル把持部14Bと、を含んで構成されている。
【0035】
内側に貫通孔14Hを有するケーブル把持部14Bは、複数の押圧片14Pi(i=1〜12)をその貫通孔14Hの周縁に有している。複数の押圧片14Piは、図6(B)に示されるように、それぞれ、互いに略同一の横断面形状を有し円周方向に沿って均等間隔で形成されている。各押圧片14Piの基端は、共通の円筒部に一体に形成されている。各押圧片14Piは、半径方向に延びる中心線を含む平面に対し所定のすくい角βをなすすくい面を有している。隣接する押圧片14Piは、所定の均等な隙間GAをもって貫通孔14Hの中心軸線に沿って延びている。また、押圧片14Piは、所定の横断面積を有するように上述のすくい面に対し所定の角度αをなす端面を有している。これにより、後述するように、段付押さえナット部材12により押圧片14Piが互いに近接するように押圧される場合、隣接した複数の押圧片14Piは、その内径を縮小し互いに重なり合うように収斂可能とされる。従って、図11に拡大されて示されるように、各押圧片14Piの先端部は、貫通孔14Hの周縁に配されるシール用チューブ16を、挿入されたケーブルCAの一端部の外周面に向けて押圧するとともに、ケーブルCAの一端部の外周部に食い込みケーブルCAを保持する。
【0036】
また、図6(A)および(B)に示されるように、複数の押圧片14Piのうちの4個の押圧片14Piの基端部における共通の円周上に係止用突起部14Bn1,14Bn2,14Bn3,および、14Bn4が、形成されている。係合部としての係止用突起部14Bn1〜14Bn4は、互いに同一形状を有し、半径方向外方に向けて放射状に突出している。係止用突起部14Bn1〜14Bn4は、それぞれ、後述するように、段付押さえナット部材12の雌ねじ部12FSのねじ山に移動可能に嵌め合わされる。これにより、図1に示されるように、押圧片14Piが大径部12bに収容される場合、係止用突起部14Bn1〜14Bn4は、被係合部としての段付押さえナット部材12の雌ねじ部12FSの最端のねじ山12fsbに係止される。従って、コンタクト/シール用シリンダー14と、段付押さえナット部材12とは、お互いに相対回転させない限り、お互い容易に外れない。その際、コンタクト/シール用シリンダー14が段付押さえナット部材12に対し脱落する虞がないのでケーブルCAの一端部をコンタクト/シール用シリンダー14の孔およびナット部材12の孔に一度に挿入する操作が容易となる。
【0037】
なお、押圧片14Piの数量は、斯かる例に限られるものではなく、例えば、12個未満、あるいは、12個を超える数量であってもよい。また、係止用突起部14Bn1〜14Bn4の数量も、斯かる例に限られるものではなく、例えば、2個〜3個、あるいは、4個を超える数量であっても良い。
【0038】
コンタクト/シール用シリンダー14のコンタクト収容部14Aの一方の端部は、複数の押圧片14Piの内側の貫通孔14Hに連通している。また、コンタクト収容部14Aの両側部を形成する双方の壁部14Wには、上述の導体接続部26を保持する爪部14NAが相対向して形成されている。
【0039】
ケーブル把持部14Bとコンタクト収容部14Aとの境界部分には、Oリング22が挿入される溝14G(図4参照)が形成されている。これにより、図2に示されるように、後述する段付押さえナット部材12の雌ねじ部12FSとプラグハウジング18の雄ねじ部18MSとの間を通じて流れ込む不所望な液体が、プラグハウジング18の内部に侵入することが回避される。
【0040】
また、押圧片14Piの内周部には、図11に部分的に拡大されて示されるように、シール用チューブ16が装着される環状の凹部14bが形成されている。
【0041】
例えば、ゴム材料で筒状に作られるシール用チューブ16の内径は、ケーブルCAの外周部が挿入可能とされるように、ケーブルCAの外径よりも若干大に設定されている。また、シール用チューブ16の外径は、上述のコンタクト/シール用シリンダー14の環状の凹部14bの直径と略同一に設定されている。
【0042】
6角面を外周部の一端に有する段付押さえナット部材12は、図7に拡大されて示されるように、例えば、樹脂材料で成形され、中心軸線に沿って貫通孔12Aを有している。
貫通孔12Aは、段付押さえナット部材12の他端の開口端に向けて開口する大径部12bと、段付押さえナット部材12の一端の壁部12Wに形成され、大径部12bの内径よりも小さい内径を有する小径部12eと、大径部12bと小径部12eとの間に形成され、小径部12e側に向かうにつれて徐々に内径が小さくなる縮小部12dとから形成されている。大径部12bは、所定の長さの雌ねじ部12FSを有している。大径部12bの内径は、雌ねじ部12FSの谷の径と略同一に設定されている。雌ねじ部12FSの谷の径は、上述のコンタクト/シール用シリンダー14の係止用突起部14Bn1〜14Bn4の最大外径寸法よりも若干大に設定されている。これにより、コンタクト/シール用シリンダー14の係止用突起部14Bn1〜14Bn4は、大径部12bの内周面に対し摺動可能とされるとともに、雌ねじ部12FSの最端のねじ山12fsbに係止されるのでコンタクト/シール用シリンダー14が段付押さえナット部材12に対し相対回転しない限り、脱落する虞がない。また、大径部12bにおける最端のねじ山12fsbの谷から縮小部12dの端までの寸法Laは、コンタクト/シール用シリンダー14の押圧片14Piの先端から係止用突起部14Bn1〜14Bn4までの寸法Lb(図4参照)に比して大に設定されている。
【0043】
縮小部12dは、挿入されたコンタクト/シール用シリンダー14の複数の押圧片14Piの先端を収斂させるように円錐面を有している。
【0044】
プラグハウジング18は、図2に示されるように、例えば、樹脂材料で成形され、段付押さえナット部材12の雌ねじ部12FSがねじ込まれる雄ねじ部18MSを一端に有している。雄ねじ部18MSは、雌ねじ部12FSに対向するようにプラグハウジング18の外周部に形成されている。プラグハウジング18の他端には、後述のレセプタクルコネクタ30のレセプタクルハウジング38の接続端部38Bの末端が挿入される小径部18Bと、接続端部38Bの基端が挿入される大径部18Eとが内側に形成されている。小径部18Bには、プラグコンタクト端子20の接触端部24が軸線方向に沿って突出している。
【0045】
雄ねじ部18MSの内側には、コンタクト/シール用シリンダー14のコンタクト収容部14Aおよびプラグコンタクト端子20の導体接続部26を収容する導体接続部収容部18Aが形成されている。導体接続部収容部18Aと小径部18Bとの間には、連通部18Cが形成されている。また、大径部18Eの周囲には、レセプタクルコネクタ30の一対のロック用爪部38NAおよび38NBがそれぞれ、挿入されるスリット18DAおよび18DBが相対向して形成されている。スリット18DAおよび18DBの端部には、それぞれ、孔18daおよび18dbが形成されている。これにより、レセプタクルコネクタ30とプラグコネクタ10とが接続される場合、孔18daおよび18dbの周縁には、図3に示されるように、一対のロック用爪部38NAおよび38NBの先端が係止される。レセプタクルコネクタ30とプラグコネクタ10とが引き離される場合、所定の治具(不図示)が孔18daおよび18dbに挿入されることによって、一対のロック用爪部38NAおよび38NBの先端が孔18daおよび18dbの周縁に対し離隔され、非係止状態とされる。
【0046】
斯かる構成において、ケーブルCAの一端が導体接続部26に接続されたプラグコンタクト端子20をプラグハウジング18に組み付けるにあたっては、先ず、シール用チューブ16が装着されたコンタクト/シール用シリンダー14のケーブル把持部14Bが、段付押さえナット部材12の雌ねじ部12FSに嵌め合わされた後、大径部12b内に挿入される。これにより、コンタクト/シール用シリンダー14と段付押さえナット部材12とが組み合わされ、一つの部品とされる。次に、プラグコンタクト端子20の導体接続部26がコンタクト/シール用シリンダー14のコンタクト収容部14Aに固定される。続いて、ケーブルCAの一端の内部導体が、段付押さえナット部材12の孔12A,シール用チューブ16の孔、および、コンタクト/シール用シリンダー14の孔14Hを通じて、クリップ片28がアンロック状態で、導体接続部26に挿入された後、クリップ片28がロック状態とされる。続いて、ケーブルCAが把持された状態で、ケーブルCAの一端に接続されたプラグコンタクト端子20が、プラグハウジング18の導体接続部収容部18A、連通部18Cを通じて挿入される。これにより、図2に示されるように、プラグコンタクト端子20の接触端部24が小径部18Bに突出することとなる。そして、段付押さえナット部材12の雌ねじ部12FSがプラグハウジング18の雄ねじ部18MSにねじ込まれ、その組み付けが終了する。
【0047】
これにより、図11に部分的に拡大されて示されるように、段付押さえナット部材12の縮小部12dが、コンタクト/シール用シリンダー14の各押圧片14Piの先端部を弾性力に抗して収斂するように押圧するとともに、プラグコンタクト端子20およびコンタクト/シール用シリンダー14全体を中心軸線に沿って連通部18Cに向けて押圧する。これにより、シール用チューブ16の内周部がケーブルCAの外周部に密着せしめられるとともに、シール用チューブ16の外周部が変位した凹部14bを形成する内周面に密着される。従って、不所望な外部からの液体がケーブルCAの外周部を伝わってプラグハウジング18内に侵入することがシール用チューブ16により防止される。また、コンタクト/シール用シリンダー14の各押圧片14Piの先端部がケーブルCAの外周部に食い込むのでプラグコネクタ10におけるケーブルCAの保持力が高められる。
【0048】
一方、レセプタクルコネクタ30は、図2および図5に示されるように、ケーブルCAの一端の内部導体に接続されるレセプタクルコンタクト端子40と(図8(A),(B)参照)、ケーブルCAの一端が挿入される貫通孔を有しレセプタクルコンタクト端子40を保持する筒状のコンタクト/シール用シリンダー14と、ケーブルCAの一端の外周部とコンタクト/シール用シリンダー14の内周部との間を密封するシール用チューブ16と、シール用チューブ16が内側に挿入されたコンタクト/シール用シリンダー14、および、レセプタクルコンタクト端子40を収容するレセプタクルハウジング38と、レセプタクルハウジング38の雄ねじ部38MSにねじ込まれる雌ねじ部12FSを有しコンタクト/シール用シリンダー14をレセプタクルコンタクト端子40の中心軸線に沿って一方向に押圧するとともに、コンタクト/シール用シリンダー14の押圧片14Piをシール用チューブ16の外周部に向けて押圧する段付押さえナット部材12と、を主な構成要素として含んで構成されている。
【0049】
なお、図2および図5においては、図4に示される例において構成する同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0050】
レセプタクルコンタクト端子40は、図8(A)および(B)に示されるように、例えば、薄板金属材料でプレス加工により一体に成形され、上述のプラグコンタクト端子20の筒状の接触端部24が嵌合される孔44aを有する円筒状の接触端部44と、ケーブルCAの一端の内部導体を選択的に押圧し接続する導体接続部46とを含んで構成されている。接触端部44の内周部には、密着用スリーブ34が嵌合されている。溝形の導体接続部46は、一端が開口し、ケーブルCAの一端の内部導体がその開口端部から挿入される導体収容部を内側に有している。その導体収容部は、お互いに向かい合う平行な壁部相互間に形成されている。
【0051】
また、導体接続部46は、導体収容部内に挿入されたケーブルCAの一端の内部導体を導体接続部46に対しロック状態またはアンロック状態とするクリップ片42を回動可能に有している。なお、図8(A)および(B)において実線で示される状態は、クリップ片42のロック状態を示す。クリップ片42の下方位置となる導体収容部の底部を形成する部分には、ロック用爪部46Nが内側に向けて突出している。
【0052】
クリップ片42がロック状態となる場合、弾性変位可能な接触片42Pとしてのクリップ片42の一端とロック用爪部46Nとが、ケーブルCAの一端の内部導体を挟持し保持する。これにより、レセプタクルコンタクト端子40におけるケーブルCAの一端の内部導体を保持する保持力が高められる。
【0053】
また、操作片としてのクリップ42の湾曲した他端は、略T字状に形成される一対の係合部42aを有する。導体接続部46における接触端部44側の各壁部に形成される鉤状部46Kと一対の係合部42aとがそれぞれ、係合されることにより、係合部42aを含むクリップ42の他端は、その弾性力によりロック状態に保持される。一方、クリップ42の湾曲した他端の一対の係合部42aが弾性力に抗して鉤状部46Kから取り外されることにより、ケーブルCAの一端の内部導体がクリップ片42の一端とロック用爪部46Nとの間から離脱可能とされる。
【0054】
従って、半田付け作業、かしめ作業等を要することなく、簡易な作業でレセプタクルコンタクト端子40にケーブルCAの一端を着脱可能に接続することが可能とされる。
【0055】
レセプタクルコンタクト端子40の導体接続部46は、コンタクト/シール用シリンダー14のコンタクト収容部14Aに配されている。導体接続部46の一対の端部46Eは、それぞれ、上述のコンタクト/シール用シリンダー14の各スリット14C(図4参照)に挿入される。また、導体接続部46の壁部における各鉤状部46Kに隣接した各切欠部46Sの周縁には(図8(B)参照)、コンタクト収容部14Aを形成する両壁部にそれぞれ、設けられる爪部14NA(図6(A)参照)が係合される。これにより、レセプタクルコンタクト端子40がコンタクト収容部14Aに固定される。
【0056】
レセプタクルハウジング38は、図2および図5に示されるように、例えば、樹脂材料で成形され、段付押さえナット部材12の雌ねじ部12FSがねじ込まれる雄ねじ部38MSを一端に有している。雄ねじ部38MSは、雌ねじ部12FSに対向するようにレセプタクルハウジング38の外周部に形成されている。レセプタクルハウジング38は、接続端部38Bを他端に有している。接続端部38Bは、他端から軸線方向に沿ってプラグコネクタ10のプラグハウジング18に向けて突出している。レセプタクルコネクタ30がプラグコネクタ10に対し接続される場合、接続端部38Bは、上述のプラグコネクタ10のプラグハウジング18の小径部18Bに挿入される。また、接続端部38Bの基端は、プラグハウジング18の大径部18Eに挿入される。その基端の外周部には、Oリング36が配される溝が形成されている。これにより、プラグハウジング18の端面と当接するレセプタクルハウジング38の端面との間を通じて外部から内部への液体の侵入が、Oリング36により回避される。
【0057】
Oリング36の周辺には、一対のロック用爪部38NAおよび38NBが、接続端部38Bに対し略平行に形成されている。一対のロック用爪部38NAおよび38NBは、上述したように、プラグハウジング18のスリット18DAおよび18DB内に挿入される。
【0058】
接続端部38B内には、レセプタクルコンタクト端子40の接触端部44が挿入される孔が形成されている。また、その孔の一端には、プラグコンタクト端子20の接触端部24が通過する孔38bが形成されている。
【0059】
雄ねじ部38MSの内側には、上述のコンタクト/シール用シリンダー14のコンタクト収容部14Aおよびレセプタクルコンタクト端子40の導体接続部46を収容する導体接続部収容部38Aが形成されている。導体接続部収容部38Aと接続端部38Bの孔との間には、連通部38Cが形成されている。
【0060】
斯かる構成において、ケーブルCAの一端が導体接続部46に接続されたレセプタクルコンタクト端子40をレセプタクルハウジング38に組み付けるにあたっては、先ず、シール用チューブ16が装着されたコンタクト/シール用シリンダー14のケーブル把持部14Bが、段付押さえナット部材12の雌ねじ部12FSに嵌め合わされた後、大径部12b内に挿入される。これにより、コンタクト/シール用シリンダー14と段付押さえナット部材12とが組み合わされ、一つの部品とされる。次に、図10に示されるように、レセプタクルコンタクト端子40の導体接続部46がコンタクト/シール用シリンダー14のコンタクト収容部14Aに固定される。続いて、ケーブルCAの一端の内部導体が、レセプタクルコンタクト端子40側から段付押さえナット部材12の貫通孔12A,シール用チューブ16の孔、および、コンタクト/シール用シリンダー14の孔14Hを通じて、クリップ片42がアンロック状態で、導体接続部46に挿入された後、図1に示されるように、クリップ片42がロック状態とされる。続いて、ケーブルCAが把持された状態で、ケーブルCAの一端に接続されたレセプタクルコンタクト端子40が、レセプタクルハウジング38の導体接続部収容部38A、連通部38Cを通じて挿入される。これにより、図2に示されるように、レセプタクルコンタクト端子40の接触端部44が接続端部38Bの内周部に突出することとなる。
【0061】
そして、段付押さえナット部材12の雌ねじ部12FSがレセプタクルハウジング38の雄ねじ部38MSにねじ込まれ、その組み付けが終了する。これにより、段付押さえナット部材12の縮小部12dが、コンタクト/シール用シリンダー14の各押圧片14Piの先端部を弾性力に抗して収斂するように押圧するとともに、レセプタクルコンタクト端子40およびコンタクト/シール用シリンダー14全体を中心軸線に沿って連通部38Cに向けて押圧する。これにより、シール用チューブ16の内周部がケーブルCAの外周部に密着せしめられるとともに、シール用チューブ16の外周部が変位した凹部14bを形成する内周面に密着される。従って、不所望な外部からの液体がケーブルCAの外周部を伝わってレセプタクルハウジング38内に侵入することがシール用チューブ16により防止される。また、コンタクト/シール用シリンダー14の各押圧片14Piの先端部がケーブルCAの外周部に食い込むのでレセプタクルコネクタ30におけるケーブルCAの保持力が高められる。
【0062】
なお、上述の本発明に係るケーブル用コネクタの防水構造の一例が適用されたケーブル用コネクタにおいては、コンタクト/シール用シリンダー14の係止用突起部14Bn1〜14Bn4が、段付押さえナット部材12の雌ねじ部12FSの最端のねじ山12fsbに係止されるように構成されているが、必ずしもこのようになされる必要がなく、例えば、コンタクト/シール用シリンダー14の係止用突起部14Bn1〜14Bn4の代わりに、コンタクト/シール用シリンダー14に環状の溝部が形成され、また、段付押さえナット部材12の雌ねじ部12FSの最端のねじ山12fsbに隣接した位置に、その環状の溝部に解放可能に係合するように半径方向内方に突出する突起部が段付押さえナット部材12の内周部に形成されてもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 プラグコネクタ
12 段付押さえナット部材
14 コンタクト/シール用シリンダー
14Pi 押圧片
14Bn1,14Bn2,14Bn3,14Bn4 係止用突起部
14A コンタクト収容部
16 シール用チューブ
18 プラグハウジング
20 プラグコンタクト端子
30 レセプタクルコネクタ
38 レセプタクルハウジング
40 レセプタクルコンタクト端子
CA ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルの一端が接続されたコンタクト端子を着脱可能に収容するハウジングと、
前記ハウジング内に配され複数の押圧片と、該押圧片の外周部における共通の円周上に形成される複数の係合部とを有し、該ハウジング内に挿入された前記ケーブルの外周部に装着されるシール用チューブを前記複数の押圧片の内側に保持するシール用シリンダーと、
前記シール用シリンダーの前記複数の押圧片を収容する貫通孔を有し、前記ケーブルの一端が接続されたコンタクト端子が前記ハウジングに収容される場合、前記シール用シリンダーの複数の押圧片を前記シール用チューブとともに該ハウジング内の該ケーブルの外周部に向けて押圧する押さえ部材と、を備え、
前記シール用シリンダーの複数の係合部が、前記押さえ部材の貫通孔の周縁に形成される被係合部に対し移動可能に係合されることを特徴とするケーブル用コネクタの防水構造。
【請求項2】
前記押さえ部材の貫通孔は、一端に向けて開口する大径部と、該一端に向き合う他端の壁部に形成される小径部と、該大径部と該小径部との間に形成され円錐面を有する縮小部とを共通の中心軸線上に有し、前記シール用シリンダーの前記複数の係合部は、それぞれ、半径方向に突出する突起部とされ、前記大径部に形成される雌ねじ部の最端のねじ山に係合されることを特徴とする請求項1記載のケーブル用コネクタの防水構造。
【請求項3】
前記シール用シリンダーの複数の押圧片は、それぞれ、半径方向に延びる中心線を含む平面に対し所定のすくい角をなすすくい面を有していることを特徴とする請求項1または請求項2記載のケーブル用コネクタの防水構造。
【請求項4】
前記シール用シリンダーは、前記コンタクト端子を収容するコンタクト収容部を有し、
前記コンタクト端子は、前記ケーブルの内部導体が配される導体接続部と、該導体接続部に回動可能に配され、該ケーブルの内部導体を該導体接続部に対し保持するロック位置、および、該ケーブルの内部導体を該導体接続部に対し解放するアンロック位置をとるクリップ片とを有し、
前記コンタクト端子の導体接続部は、クリップ片の一端と協働してケーブルの内部導体を保持するロック用爪部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載のケーブル用コネクタの防水構造。
【請求項5】
ケーブルの一端が接続された棒状の接触端部を有するプラグコンタクト端子を着脱可能に収容するプラグハウジングと、
前記プラグハウジング内に挿入されたケーブルの外周部に装着されるシール用チューブと、
前記プラグハウジング内に配され複数の押圧片と、該押圧片の外周部における共通の円周上に形成される複数の係合部とを有し、該プラグハウジング内に挿入された前記ケーブルの外周部に装着される前記シール用チューブを前記複数の押圧片の内側に保持するシール用シリンダーと、
前記シール用シリンダーの前記複数の押圧片を収容する貫通孔を有し、前記ケーブルの一端が接続されたプラグコンタクト端子が前記プラグハウジングに収容される場合、前記シール用シリンダーの複数の押圧片を前記シール用チューブとともに前記プラグハウジング内の該ケーブルの外周部に向けて押圧する押さえ部材と、を備え、
前記シール用シリンダーの複数の係合部が、前記押さえ部材の貫通孔の周縁に形成される被係合部に対し移動可能に係合されることを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項6】
前記押さえ部材の貫通孔は、一端に向けて開口する大径部と、該一端に向き合う他端の壁部に形成される小径部と、該大径部と該小径部との間に形成され円錐面を有する縮小部とを共通の中心軸線上に有し、前記シール用シリンダーの前記複数の係合部は、それぞれ、半径方向に突出する突起部とされ、前記大径部に形成される雌ねじ部の最端のねじ山に係合されることを特徴とする請求項5記載のプラグコネクタ。
【請求項7】
前記シール用シリンダーの複数の押圧片は、それぞれ、半径方向に延びる中心線を含む平面に対し所定のすくい角をなすすくい面を有していることを特徴とする請求項5記載のプラグコネクタ。
【請求項8】
前記シール用シリンダーは、前記コンタクト端子を収容するコンタクト収容部を有し、
前記コンタクト端子は、前記ケーブルの内部導体が配される導体接続部と、該導体接続部に回動可能に配され、該ケーブルの内部導体を該導体接続部に対し保持するロック位置、および、該ケーブルの内部導体を該導体接続部に対し解放するアンロック位置をとるクリップ片とを有し、
前記コンタクト端子の導体接続部は、クリップ片の一端と協働してケーブルの内部導体を保持するロック用爪部をさらに備えることを特徴とする請求項5記載のプラグコネクタ。
【請求項9】
ケーブルの一端が接続された円筒状の接触端部を有するレセプタクルコンタクト端子を着脱可能に収容するレセプタクルハウジングと、
前記レセプタクルハウジング内に挿入されたケーブルの外周部に装着されるシール用チューブと、
前記シール用シリンダーの前記複数の押圧片を収容する貫通孔を有し、前記レセプタクルハウジング内に配され複数の押圧片と、該押圧片の外周部における共通の円周上に形成される複数の係合部とを有し、該レセプタクルハウジング内に挿入された前記ケーブルの外周部に装着されるシール用チューブを前記複数の押圧片の内側に保持するシール用シリンダーと、
前記ケーブルの一端が接続されたレセプタクルコンタクト端子が前記レセプタクルハウジングに収容される場合、前記シール用シリンダーの複数の押圧片を前記シール用チューブとともに該レセプタクルハウジング内の該ケーブルの外周部に向けて押圧する押さえ部材と、を備え、
前記シール用シリンダーの複数の係合部が、前記押さえ部材の貫通孔の周縁に形成される被係合部に対し移動可能に係合されることを特徴とするレセプタクルコネクタ。
【請求項10】
前記押さえ部材の貫通孔は、一端に向けて開口する大径部と、該一端に向き合う他端の壁部に形成される小径部と、該大径部と該小径部との間に形成され円錐面を有する縮小部とを共通の中心軸線上に有し、前記シール用シリンダーの前記複数の係合部は、それぞれ、半径方向に突出する突起部とされ、前記大径部に形成される雌ねじ部の最端のねじ山に係合されることを特徴とする請求項9記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項11】
前記シール用シリンダーの複数の押圧片は、それぞれ、半径方向に延びる中心線を含む平面に対し所定のすくい角をなすすくい面を有していることを特徴とする請求項9記載の
レセプタクルコネクタ。
【請求項12】
前記シール用シリンダーは、前記コンタクト端子を収容するコンタクト収容部を有し、
前記コンタクト端子は、前記ケーブルの内部導体が配される導体接続部と、該導体接続部に回動可能に配され、該ケーブルの内部導体を該導体接続部に対し保持するロック位置、および、該ケーブルの内部導体を該導体接続部に対し解放するアンロック位置をとるクリップ片とを有し、
前記コンタクト端子の導体接続部は、クリップ片の一端と協働してケーブルの内部導体を保持するロック用爪部をさらに備えることを特徴とする請求項9記載のレセプタクルコネクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−69550(P2013−69550A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207491(P2011−207491)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】