説明

ゲージ抵抗が接続されて用いられる回路及びその回路を備えたセンサ

【課題】 ゲージ抵抗に加えられる応力と出力電圧の間の非直線的な関係を緩和する回路、及びその回路を備えたセンサを提供すること。
【解決手段】 センサ50は、ピエゾ抵抗効果を有しており、外部から圧力が印加されるゲージ抵抗10を備えている。センサ50は、そのゲージ抵抗10の抵抗値10Rを変数とする関数20Fで決定される電流20Iを生成する電流生成手段20を備えている。センサ50はさらに、その電流生成手段20からの電流20Iを電圧に変換し、出力電圧30Vを生成する電圧生成手段30を備えている。その関数20Fは、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rが応力に対して非直線的に変動するのを相殺して、応力に対して直線的に変動する電流に変換するものであることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピエゾ抵抗効果を有するゲージ抵抗が接続されて用いられる回路に関する。本発明はまた、そのような回路を備えたセンサにも関する。
【背景技術】
【0002】
ピエゾ抵抗効果を有するゲージ抵抗の抵抗値は、加えられる応力の増大に応じて増大する。この現象を利用して、ゲージ抵抗に印加される荷重をゲージ部で発生する応力として測定するセンサが開発されている。この種のセンサには、大気圧や各種機関の油圧などを測定するものが知られている。しかしながら、ゲージ抵抗の抵抗値は、加えられる応力の増大に応じて比例して増大しないことが知られている。図9に、一般的なゲージ抵抗において、加えられる応力と抵抗値の間の関係を示す。ゲージ抵抗の抵抗値は、加えられる応力が小さい範囲101において、下に凸の変動を示す。ゲージ抵抗の抵抗値は、加えられる応力が大きい範囲102において、上に凸の変動を示す。このため、ゲージ抵抗の抵抗値は、加えられる応力の増大に応じて非直線的に増大する。
【0003】
この種のセンサでは、ゲージ抵抗に対して定電流を印加し、ゲージ抵抗の抵抗値の変化を電圧の変化として出力している。このため、ゲージ抵抗の抵抗値が加えられる応力の増大に応じて非直線的に変動していると、得られる出力電圧も応力の増大に応じて非直線的に変動する。したがって、ゲージ抵抗に加えられる応力と出力電圧の間には、非直線的な関係が存在している。この非直線的な関係は、センサに対して測定誤差を生じさせる。
【0004】
特許文献1では、この非直線的な関係を補償するために、インスツルメンテーションアンプを利用する技術を開示している。この技術では、センシング用のゲージ抵抗とは別個に、補償用のゲージ抵抗をセンサの検出部に設け、そのゲージ抵抗の抵抗値をインスツルメンテーションアンプの増幅度設定抵抗として利用している。特許文献1の技術では、ゲージ抵抗からの非直線的な出力電圧に応じてインスツルメンテーションアンプの増幅度を増減させ、ゲージ抵抗からの出力電圧を直線的な出力電圧に補償する。
【0005】
【特許文献1】特開2001−255215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術は、ゲージ抵抗からの非直線的な出力電圧を、別個に設けられたインスツルメンテーションアンプを利用して補償している。特許文献1の技術は、ゲージ抵抗から非直線的な出力電圧を得た後に、インスツルメンテーションアンプを用いてその出力電圧を加工することによって、直線的に補償された出力電圧を得ている。即ち、ゲージ抵抗から非直線的な出力電圧を得る部分は、従来技術と変わらない。特許文献1の技術は、非直線的な出力電圧を補償するために、従来構造に対して別個の部品を追加で設けていると観念することができる。即ち、特許文献1の技術では、センサの検出部に補償用のゲージ抵抗を別個に設ける必要がある。さらに、特許文献1の技術では、複数のオペアンプを有するインスツルメンテーションアンプを別個に設ける必要もある。特許文献1の回路は、部品点数が多く、複雑な構成になってしまう。特許文献1の技術思想では、非直線的な出力電圧を加工するために、複雑な構成を必要とする。
本発明は、特許文献1の技術思想とは全く異なり、斬新な技術思想に基づいて創作されたものである。本発明は、より簡単な構成でありながら、ゲージ抵抗に加えられる応力と出力電圧の間の非直線的な関係を直線的な関係に変換する回路、及びその回路を備えたセンサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ゲージ抵抗の抵抗値を変数とする関数で決定される電流を生成する電流生成手段を備えていることを特徴としている。電流生成手段が生成する電流の関数は、ゲージ抵抗の抵抗値が応力に対して非直線的に変動するのを相殺して、応力に対して直線的に変動する電流に変換するものであることを特徴としている。本発明は、ゲージ抵抗から非直線的な出力電圧を得た後に、その出力電圧を加工することによって、ゲージ抵抗に加えられる応力と出力電圧の間の非直線的な関係を直線的な関係に変換するものではない。本発明の電流生成手段は、所定の関数に基づいて、ゲージ抵抗の抵抗値を電流に変換する。この変換する段階で、応力に対して非直線的な関係が相殺され、電流生成手段が生成する電流は、応力に対して直線的に変動する。得られた電流を電圧に変換することによって、ゲージ抵抗に加えられる応力と出力電圧の間の非直線的な関係を直線的な関係に変換することができる。
本発明によると、電流生成手段を利用することによって、ゲージ抵抗に加えられる応力と出力電圧の間の非直線的な関係を直線的な関係に変換する回路、及びその回路を備えたセンサを提供することができる。
【0008】
ここで、本明細書で用いられる用語に関して説明する。
「非直線的な関係が緩和される」と「非直線的な関係を直線的な関係に変換する」は、同義の意味で用いられる。非直線的な関係が緩和されたとしても、まだ非直線的な関係が持続していることは多い。そのような場合でも、非直線的な関係が少しでも緩和されれば、直線的な関係に変換されたと評価することができる。本発明の技術は、非直線的な関係を完全に直線的な関係に変換する場合の他に、非直線的な関係が少しでも緩和される場合も含む。
また、「電流生成手段」と「電圧生成手段」は、回路及びセンサが有する作用効果の一部を機能的に表現したものである。このため、「電流生成手段」の一部が「電圧生成手段」の一部を担う場合や、「電圧生成手段」の一部が「電流生成手段」の一部を担う場合もある。即ち、回路内のどの回路素子が、「電流生成手段」と「電圧生成手段」のどちらに属するかを区別できないことも多い。本発明では、回路全体が、「電流生成手段」と「電圧生成手段」に係る作用効果を発揮していると観念することができる。
【0009】
本発明は、ピエゾ抵抗効果を有するゲージ抵抗が接続されて用いられ、そのゲージ抵抗に加えられる応力にほぼ比例する電圧を出力する回路に具現化することができる。本発明の回路は、ゲージ抵抗の抵抗値を変数とする関数で決定される電流を生成する電流生成手段を備えている。本発明の回路はさらに、その電流生成手段で生成された電流を電圧に変換し、出力電圧を生成する電圧生成手段を備えている。本発明の電流生成手段が生成する電流の関数は、ゲージ抵抗の抵抗値が応力に対して非直線的に変動するのを相殺して、応力に対して直線的に変動する電流を生成するものであることを特徴としている。
本発明の電流生成手段は、所定の関数に基づいて、ゲージ抵抗の抵抗値を電流に変換する。この変換する段階で、応力に対して非直線的な関係が相殺され、電流生成手段が生成する電流は、応力に対して直線的に変動する。電圧生成手段は、その得られた電流を出力電圧に変換して出力する。本発明の回路によると、電流生成手段を利用することによって、ゲージ抵抗に加えられる応力と出力電圧の間の非直線的な関係を直線的な関係に変換することができる。
【0010】
本発明の電流生成手段は、応力に対するゲージ抵抗の抵抗値の変化率が、応力と出力電圧の間の比例係数よりも小さいときに、その比例係数よりも大きな変化率で変動する電流を生成することを特徴としている。
ゲージ抵抗の抵抗値が応力の増大に対して緩慢に増加するときは、電流生成手段は、ゲージ抵抗の抵抗値に対して急峻に変動する電流を生成する。これにより、電流生成手段がゲージ抵抗の抵抗値を電流に変換したときに、加えられる応力と電流生成手段からの電流の間に直線的な関係が得られる。得られた電流を電圧に変換することによって、加えられる応力と出力電圧の間にも直線的な関係が得られる。
【0011】
本発明の電流生成手段は、応力に対するゲージ抵抗の抵抗値の変化率が、応力と出力電圧の間の比例係数よりも大きいときに、その比例係数よりも小さな変化率で変動する電流を生成することを特徴としている。
ゲージ抵抗の抵抗値が応力の増大に対して急峻に増加するときは、電流生成手段は、ゲージ抵抗の抵抗値に対して緩慢に変動する電流を生成する。これにより、電流生成手段がゲージ抵抗の抵抗値を電流に変換したときに、加えられる応力と電流生成手段からの電流の間に直線的な関係が得られる。得られた電流を電圧に変換することによって、加えられる応力と出力電圧の間にも直線的な関係が得られる。
【0012】
本発明の電流生成手段は、応力に対するゲージ抵抗の抵抗値の変動が、応力の増加に対して下に凸に変動するときに、そのゲージ抵抗の抵抗値に対して反比例する項を含む関数で変動する電流を生成することを特徴としている。
ゲージ抵抗の抵抗値が下に凸に変動するときは、そのゲージ抵抗の抵抗値の変化率には、応力の増大に対して緩慢に変化する前半の範囲と、応力の増大に対して急峻に変化する後半の範囲が含まれていると観念できる。これに対して、電流生成手段は、ゲージ抵抗の抵抗値に対して反比例する項を含む関数で変動する電流を生成する。反比例する項を含む関数は、前半の範囲において急峻に変動し、後半の範囲において緩慢に変動していると観念することができる。したがって、電流生成手段がゲージ抵抗の抵抗値を電流に変換すると、前半の範囲と後半の範囲の全体に亘って、加えられる応力と電流生成手段からの電流値の間に直線的な関係が得られる。得られた電流を電圧に変換することによって、加えられる応力と出力電圧の間にも直線的な関係が得られる。
【0013】
本発明では、電流生成手段が生成する電流の関数には、応力に対するゲージ抵抗の抵抗値の変動パターンに応じて、複数の種類が用意されていることを特徴としている。
図9に示すように、一般的なゲージ抵抗の応力と抵抗値の間には、加えられる応力が小さい範囲101において、下に凸の変動を示す関係が得られる。また、加えられる応力が大きい範囲102において、上に凸の変動を示す関係が得られる。また、小さい範囲101と大きい範囲102の間において、ほぼ直線的な変動を示す関係が得られる。本発明の電流生成手段は、これらの3つの変動パターンのうちのいくつかや、その他の変動パターンに応じて、所定の関数で変動する複数の種類の電流パターンを用意している。これにより、本発明の回路を利用すると、測定可能な応力の範囲を広くすることができる。
【0014】
本発明の電流生成手段は、ゲージ抵抗に対して定電圧を印加する定電圧供給源を備えていることを特徴としている。
定電圧供給源を利用することによって、簡単な構成でありながら、ゲージ抵抗に加えられる応力と出力電圧の間の非直線的な関係を直線的な関係に変換する回路を構築することができる。
【0015】
本発明は、ピエゾ抵抗効果を有するゲージ抵抗が接続されて用いられ、そのゲージ抵抗に加えられる応力の範囲に応じて、そのゲージ抵抗の端子対が接続されるための複数の端子対が用意されている回路にも具現化することができる。本発明の回路は、定電圧供給源と、第1端子対と、第2端子対と、第3端子対と、第4端子対と、ダイオードと、PNPトランジスタと、出力端子を備えている。第1端子対は、その一方の端子が定電圧供給源の端子に接続されており、他方の端子がPNPトランジスタのエミッタ端子に接続されている。第2端子対は、その一方の端子がPNPトランジスタのコレクタ端子に接続されており、他方の端子が基準電圧源の端子に接続されている。第3端子対は、その一方の端子が定電圧供給源の端子に接続されており、他方の端子がダイオードのアノード端子に接続されている。第4端子対は、その一方の端子がダイオードのカソード端子に接続されており、他方の端子が基準電圧源の端子に接続されている。PNPトランジスタのベース端子は、ダイオードのカソード端子と第4端子対の一方の端子の間に接続されている。出力端子は、PNPトランジスタのコレクタ端子と第2端子対の一方の端子の間に接続されている。
本発明の回路では、ゲージ抵抗が応力の増加に対して下に凸に変動するときは、そのゲージ抵抗の端子対が第1端子対の間に接続され、その他の端子対の間には固定抵抗が接続されて用いられる。本発明の回路では、ゲージ抵抗が応力の増加に対して上に凸に変動するときは、2つのゲージ抵抗が準備され、一方のゲージ抵抗の端子対が第2端子対の間に接続され、他方のゲージ抵抗の端子対が第3端子対の間に接続され、その他の端子対の間には固定抵抗が接続されて用いられる。
上記の構成の回路を構築し、ゲージ抵抗と固定抵抗を上記の関係に配置すると、加えられる応力と出力電圧の間に直線的な関係が得られることが確認されている。
【0016】
本発明は、応力にほぼ比例する電圧を出力するセンサにも具現化することができる。本発明のセンサは、ピエゾ抵抗効果を有しており、外部から応力が加えられるゲージ抵抗を備えている。本発明のセンサは、そのゲージ抵抗の抵抗値を変数とする関数で決定される電流を生成する電流生成手段を備えている。本発明のセンサはさらに、その電流生成手段からの電流を電圧に変換し、出力電圧を生成する電圧生成手段を備えている。本発明の電流生成手段が生成する電流の関数は、ゲージ抵抗の抵抗値が応力に対して非直線的に変動するのを相殺して、応力に対して直線的に変動する電流に変換するものであることを特徴としている。
【0017】
本発明はまた、ピエゾ抵抗効果を有するゲージ抵抗を利用するセンサに具現化することができる。本発明のセンサは、定電圧供給源と、第1抵抗と、第2抵抗と、第3抵抗と、第4抵抗と、ダイオードと、PNPトランジスタと、出力端子を備えている。第1抵抗は、その一方の端子が定電圧供給源の端子に接続されており、他方の端子がPNPトランジスタのエミッタ端子に接続されている。第2抵抗は、その一方の端子がPNPトランジスタのコレクタ端子に接続されており、他方の端子が基準電圧源の端子に接続されている。第3抵抗は、その一方の端子が定電圧供給源の端子に接続されており、他方の端子がダイオードのアノード端子に接続されている。第4抵抗は、その一方の端子がダイオードのカソード端子に接続されており、他方の端子が基準電圧源の端子に接続されている。PNPトランジスタのベース端子は、ダイオードのカソード端子と第4抵抗の一方の端子の間に接続されている。出力端子は、PNPトランジスタのコレクタ端子と第2抵抗の間に接続されている。本発明のセンサでは、第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗、第4抵抗のなかから選ばれる少なくとも一つの抵抗はゲージ抵抗を備えており、その他の抵抗は固定抵抗を備えていることを特徴としている。
上記のセンサによると、ゲージ抵抗を配置する場所を第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗、第4抵抗のなかから選択することによって、選択された場所に応じた所定の関数で変動する電流を生成することができる。出力端子には、その所定の関数で変動する電流と、第2抵抗の抵抗値の積に相当する電圧が出力する。
本発明のセンサによると、所定の関数で変動する電流を生成することによって、ゲージ抵抗に加えられる応力と出力電圧の間の非直線的な関係を直線的な関係に変換することができる。
【0018】
上記のセンサにおいて、第1抵抗がゲージ抵抗を備えていてもよい。この場合、得られる電流の関数は、ゲージ抵抗の抵抗値に対して反比例する。したがって、ゲージ抵抗の抵抗値が下に凸に変動する範囲に対して対処することができる。加えられる応力とゲージ抵抗の抵抗値の間の非直線性が緩和され、加えられる応力と出力電圧の間に直線的な関係が得られる。
【0019】
上記のセンサにおいて、第2抵抗と第3抵抗がゲージ抵抗を備えていてもよい。この場合、ゲージ抵抗の抵抗値が上に凸に変動する範囲に対して対処することができる。加えられる応力とゲージ抵抗の抵抗値の間の非直線性が緩和され、加えられる応力と出力電圧の間に直線的な関係が得られる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、簡単な構成でありながら、ゲージ抵抗に加えられる応力と出力電圧の間の非直線的な関係を直線的な関係に変換する回路を提供することができる。さらに、本発明によると、その回路を備えたセンサを提供することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1に、センサ50に係る技術の概念を模式的に示す。センサ50は、各種機関の油圧に比例する電圧を出力する圧力測定用のセンサである。
センサ50は、ゲージ抵抗10と、補償回路40を備えている。ゲージ抵抗10は、ピエゾ抵抗効果を有しており、外部から圧力が印加される。ゲージ抵抗10は、n型の不純物を含むシリコンチップの表面部に、p型の不純物を導入して形成されている。ゲージ抵抗10には、受圧ブロックが接している。圧力は、受圧ブロックを介してゲージ抵抗10に印加される。ゲージ抵抗10は、印加された圧力に基づいて、その内部に応力が発生する。
【0022】
補償回路40は、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rが応力に対して非直線的に変動するのを緩和し、応力に対して直線的に変動する出力電圧30Vを生成する。補償回路40は、電流生成手段20と電圧生成手段30を備えている。電流生成手段20は、関数20Fを用意している。関数20Fは、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rを変数として有している。したがって、電流生成手段20は、関数20Fに基づいて、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rを電流20Iに変換する。関数20Fには、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rが応力に対して非直線的に変動するのを相殺して、応力に対して直線的に変動する電流20Iを生成するものが用意されている。したがって、この変換する段階で、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rが応力に対して非直線的に変動する関係が緩和され、電流生成手段20が生成する電流20Iは、応力に対して直線的に変動する。電圧生成手段30は、電流生成手段20で生成された電流20Iを電圧に変換し、出力電圧30Vを生成する。
【0023】
関数20Fは、次の作用を実現するものであるのが好ましい。
関数20Fは、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rが応力の増大に対して緩慢に増加するときに、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rに対して急峻に変動する電流20Iを生成するものが好ましい。換言すると、関数20Fは、応力に対するゲージ抵抗10の抵抗値10Rの変化率が、応力と出力電圧30Vの間の比例係数よりも小さいときに、その比例係数よりも大きな変化率でゲージ抵抗10の抵抗値10Rに対して変動する電流20Iを生成するのが好ましい。これにより、電流生成手段20がゲージ抵抗10の抵抗値10Rを電流20Iに変換したときに、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rが応力に対して非直線的に変動するのを相殺することができる。加えられる応力と電流生成手段20からの電流20Iの間に直線的な関係が得られる。
また、関数20Fは、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rが応力の増大に対して急峻に増加するときに、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rに対して緩慢に変動する電流20Iを生成するものが好ましい。換言すると、関数20Fは、応力に対するゲージ抵抗10の抵抗値10Rの変化率が、応力と出力電圧30Vの間の比例係数よりも大きいときに、その比例係数よりも小さな変化率でゲージ抵抗10の抵抗値10Rに対して変動する電流20Iを生成するのが好ましい。これにより、電流生成手段20がゲージ抵抗10の抵抗値10Rを電流20Iに変換したときに、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rが応力に対して非直線的に変動するのを相殺することができる。加えられる応力と電流生成手段20からの電流20Iの間に直線的な関係が得られる。
【0024】
図2に、ゲージ抵抗10の抵抗値10R、所定の関数20F、電流生成手段20が生成する電流20I、電圧生成手段30が生成する出力電圧30Vのそれぞれの特性を示す。
ここで、ゲージ抵抗10の抵抗10Rは、応力に応じて下に凸な変動を示す場合である。即ち、補償回路40は、図9に示すように、応力が小さい範囲101において、加えられる応力と出力電圧30Vの間の非直線性を緩和するものである。ゲージ抵抗10の抵抗値10Rが下に凸に変動するときは、そのゲージ抵抗10の抵抗値10Rの変化率には、応力の増大に対して緩慢に変化する前半の範囲(応力の小さい範囲)と、応力の増大に対して急峻に変化する後半の範囲(応力の大きい範囲)が含まれている。
【0025】
これに対して、電流生成手段20の関数20Fは、ゲート抵抗10の抵抗値10Rに対して、前半の範囲において急峻に変動し、後半の範囲において緩慢に変動する特性を備えている。即ち、電流生成手段20の関数20Fは、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rに対して反比例する特性を備えている。
電流生成手段20は、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rが応力の増大に対して緩慢に増加するときに(前半の範囲)、関数20Fに基づいて、急峻に変動する電流20Iを生成する。これにより、電流生成手段20がゲージ抵抗10の抵抗値10Rを電流20Iに変換したときに、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rが応力に対して緩慢に変動するのを相殺することができる。加えられる応力と電流生成手段20からの電流20Iの間に直線的な関係が得られる。
【0026】
一方、電流生成手段20は、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rが応力の増大に対して急峻に増加するときに(後半の範囲)、緩慢に変動する電流20Iを生成する。これにより、電流生成手段20がゲージ抵抗10の抵抗値10Rを電流20Iに変換したときに、ゲージ抵抗10の抵抗値10Rが応力に対して急峻に変動するのを相殺することができる。加えられる応力と電流生成手段20からの電流の間に直線的な関係が得られる。
【0027】
したがって、電流生成手段20がゲージ抵抗10の抵抗値10Rを電流20Iに変換すると、前半の範囲と後半の範囲の全体に亘って、加えられる応力と電流生成手段20からの電流20Iの間に直線的な関係が得られる。得られた電流20Iを電圧に変換することによって、加えられる応力と出力電圧30Vの間にも直線的な関係が得られる。
【実施例】
【0028】
図3に、センサ50の具体的な回路図を示す。
センサ50は、定電圧供給源VCCと、基準電圧源VGNDと、第1抵抗R10と、第2抵抗R20と、第3抵抗R30と、第4抵抗R40と、ダイオードD10と、PNPトランジスタQP10と、出力端子Vを備えている。
第1抵抗R10は、その一方の端子62が定電圧供給源VCCの端子61に接続されており、他方の端子63がPNPトランジスタQP10のエミッタ端子64に接続されている。第2抵抗R20は、その一方の端子67がPNPトランジスタQP10のコレクタ端子66に接続されており、他方の端子68が基準電圧源VGNDの端子69に接続されている。第3抵抗R30は、その一方の端子76が定電圧供給源VCCの端子61に接続されており、他方の端子75がダイオードD10のアノード端子74に接続されている。第4抵抗R40は、その一方の端子72がダイオードD10のカソード端子73に接続されており、他方の端子71が基準電圧源VGNDの端子69に接続されている。PNPトランジスタQP10のベース端子65は、ダイオードD10のカソード端子73と第4抵抗R40の一方の端子72の間に接続されている。出力端子Vは、PNPトランジスタQP10のコレクタ端子66と第2抵抗R20の一方の端子67の間に接続されている。
【0029】
ここで、第1抵抗R10を流れる電流IR10を導出する。
まず、ダイオードD10の電圧降下分をVDとすると、第3抵抗R30の電圧降下分V30は、数1となる。なお、各抵抗を示す符号R10〜R40は、その抵抗の抵抗値も表す。
【0030】
【数1】



【0031】
PNPトランジスタQP10のエミッタ・ベース間には、寄生のPNダイオードが形成されている。したがって、第1抵抗R10、第3抵抗R30、ダイオードD10及び寄生のPNダイオードのループから、第1抵抗R10の電圧降下分V10は、第3抵抗R30の電圧降下分V30と等しくなる。これにより、第1抵抗R10を流れる電流IR10は、数2となる。
【0032】
【数2】




【0033】
PNPトランジスタQP10のベース端子65に電流は供給されないので、第1抵抗R10を流れる電流IR10は、第2抵抗R20にも流れる。したがって、出力端子Vの出力電圧VOUTは、第2抵抗R20の電圧降下分V20に等しい。これにより、出力電圧Voutは、数3となる。
【0034】
【数3】




【0035】
数2に示すように、この関数は、第1抵抗R10の抵抗値R10を独立変数とし、その抵抗値R10に反比例する特性を有している。したがって、電流IR10は、第1抵抗R10の抵抗値R10に反比例する。即ち、第1抵抗R10にゲージ抵抗を配置し、その他の抵抗に固定抵抗を配置すると、ゲージ抵抗の抵抗値に反比例した電流IR10を生成することができる。数3に示すように、その電流IR10は、固定抵抗である第2抵抗R20によって電圧に変換され、出力電圧Voutを生成する。これらの作用効果は、実施形態の図2の特性と一致する。
【0036】
数3の関数から、次のことが理解される。第1抵抗R10、第2抵抗R20、第3抵抗R30、第4抵抗R40のなかから選択された少なくとも一つの抵抗にゲージ抵抗を配置し、他の抵抗に固定抵抗を配置すると、そのゲージ抵抗の抵抗値に対して変動する出力電圧Voutが得られる。数3の関数は、選択されたゲージ抵抗の抵抗値に対して変動する電流を生成し、その電流を他の固定抵抗によって出力電圧Voutに変換していると観念することもできる。選択されたゲージ抵抗の抵抗値及び固定抵抗の抵抗値を調整することによって、関数の変動率を調整することもでき得る。
【0037】
図4〜図8の(A)に、第1抵抗R10、第2抵抗R20、第3抵抗R30、第4抵抗R40のなかから選択された抵抗に抵抗値が1kΩのゲージ抵抗を配置し、その他の抵抗に抵抗値が1kΩの固定抵抗を配置した場合において、その選択されたゲージ抵抗の抵抗値の変化と出力電圧Voutの間の関係を示す。選択されたゲージ抵抗の抵抗値は、+100Ωまで増加させた。図4〜図8の(B)に、非直線性を示す。非直線性は、選択されたゲージ抵抗の抵抗値の変化量が「0」のときの出力電圧Voutと、「+100Ω」のときの出力電圧Voutを直線で結んだときに、その直線の傾きからの変動率を示す。
【0038】
第1抵抗R10にゲージ抵抗を配置すると、出力電圧Voutは、ゲージ抵抗(第1抵抗R10)の抵抗値R10に対して上に凸の非直線性を示す。したがって、この配置にすると、加えられる応力に対してゲージ抵抗(第1抵抗R10)が下に凸に変動する場合に対処することができる。即ち、図9に示す範囲101に対処することができる。特に、非直線性が+2.3%を示している。この値は、シリコンを材料にして形成されるゲージ抵抗の非直線性と良くマッチングする。したがって、その種のゲージ抵抗の非直線性を緩和し、直線性に優れた出力を得ることができる。
【0039】
第2抵抗R20にゲージ抵抗を配置すると、ゲージ抵抗(第2抵抗R20)の抵抗値の変化と出力電圧Voutの間には、ほぼ直線的な関係が得られる。この場合は、図9に示す範囲101と範囲102の間の範囲に用いるのが好ましい。この範囲は、ほぼ直線的に変動している。したがって、直線的な出力を、直線的な出力のままに維持することができる。
【0040】
第3抵抗R30にゲージ抵抗を配置すると、出力電圧Voutは、ゲージ抵抗(第3抵抗R30)の抵抗値R30に対して上に凸の非直線性を示す。したがって、この配置にすると、加えられる応力に対してゲージ抵抗(第3抵抗R30)が下に凸に変動する場合に対処することができる。即ち、図9に示す範囲101に対処することができる。
【0041】
第4抵抗R40にゲージ抵抗を配置すると、出力電圧Voutは、ゲージ抵抗(第4抵抗R40)の抵抗値R40に対して上に凸の非直線性を示す。したがって、この配置にすると、加えられる応力に対してゲージ抵抗(第4抵抗R40)が下に凸に変動する場合に対処することができる。即ち、図9に示す範囲101に対処することができる。
【0042】
2つのゲージ抵抗を準備し、一方のゲージ抵抗を第2抵抗R20に配置し、他方のゲージ抵抗を第3抵抗R30に配置すると、出力電圧Voutは、ゲージ抵抗(第2抵抗R20及び第3抵抗R30)の抵抗値R30、R40に対して下に凸の非直線性を示す。したがって、この配置にすると、加えられる応力に対してゲージ抵抗(第2抵抗R20及び第3抵抗R30)が下に凸に変動する場合に対処することができる。即ち、図9に示す範囲102に対処することができる。
【0043】
センサ50によると、ゲージ抵抗の配置する場所を第1抵抗R10、第2抵抗R20、第3抵抗R30、第4抵抗R40のなかから選択することによって、そのゲージ抵抗の抵抗値に応じた所定の関数で変動する電流IR10を生成する。さらに、選択された抵抗以外の抵抗に固定抵抗を配置することによって、出力電圧Voutを得ることができる。
【0044】
センサ50は、他に次の特徴を備えている。
(1)図8に示すように、ゲージ抵抗が100Ω変化したときに、出力電圧Voutが310mVも増大する。この値は、従来構造(単ゲージであり、定電流で動作するタイプ)に比して極めて大きい。このため、センサ50は、感度に優れていると評価することができる。
(2)また、従来構造(単ゲージであり、定電流で動作するタイプ)と比較すると、温度による抵抗オフセットの変化が4分の1に低減されることも確認されている。
【0045】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施形態のセンサに係る技術の概念を模式的に示す。
【図2】ゲージ抵抗の抵抗値、所定の関数、電流生成手段が生成する電流、電圧生成手段が生成する出力電圧のそれぞれの特性を示す。
【図3】実施例のセンサの回路図を示す。
【図4】(A)ゲージ抵抗の抵抗値の変化と出力電圧の間の関係を示す。(B)図4(A)における非直線性を示す。
【図5】(A)ゲージ抵抗の抵抗値の変化と出力電圧の間の関係を示す。(B)図5(A)における非直線性を示す。
【図6】(A)ゲージ抵抗の抵抗値の変化と出力電圧の間の関係を示す。(B)図6(A)における非直線性を示す。
【図7】(A)ゲージ抵抗の抵抗値の変化と出力電圧の間の関係を示す。(B)図7(A)における非直線性を示す。
【図8】(A)ゲージ抵抗の抵抗値の変化と出力電圧の間の関係を示す。(B)図8(A)における非直線性を示す。
【図9】加えられる応力とゲージ抵抗の抵抗値の間の関係を示す。
【符号の説明】
【0047】
10:ゲージ抵抗
20:電流生成手段
30:電圧生成手段
40:補償回路
50:センサ
61:定電圧供給源の端子
62、63:第1抵抗の端子
64:エミッタ端子
65:ベース端子
66:コレクタ端子
67、68:第2抵抗の端子
69:基準電圧源の端子
71、72:第4抵抗の端子
73:カソード端子
74:アノード端子
75、76:第3抵抗の端子
CC:定電圧供給源
R10、R20、R30、R40:抵抗
QP10:PNPトランジスタ
:出力端子
GND:基準電圧源
D10:ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピエゾ抵抗効果を有するゲージ抵抗が接続されて用いられ、そのゲージ抵抗に加えられる応力にほぼ比例する電圧を出力する回路であって、
前記ゲージ抵抗の抵抗値を変数とする関数で決定される電流を生成する電流生成手段と、
その電流生成手段で生成された電流を電圧に変換し、出力電圧を生成する電圧生成手段を備えており、
前記関数は、ゲージ抵抗の抵抗値が応力に対して非直線的に変動するのを相殺して、応力に対して直線的に変動する電流に変換するものであることを特徴とする回路。
【請求項2】
電流生成手段は、応力に対するゲージ抵抗の抵抗値の変化率が、応力と出力電圧の間の比例係数よりも小さいときに、その比例係数よりも大きな変化率で変動する電流を生成することを特徴とする請求項1の回路。
【請求項3】
電流生成手段は、応力に対するゲージ抵抗の抵抗値の変化率が、応力と出力電圧の間の比例係数よりも大きいときに、その比例係数よりも小さな変化率で変動する電流を生成することを特徴とする請求項1又は2の回路。
【請求項4】
電流生成手段は、応力に対するゲージ抵抗の抵抗値の変動が、応力の増加に対して下に凸に変動するときに、そのゲージ抵抗の抵抗値に対して反比例する項を含む関数で変動する電流を生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの回路。
【請求項5】
電流生成手段が生成する電流の関数には、応力に対するゲージ抵抗の抵抗値の変動パターンに応じて、複数の種類が用意されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの回路。
【請求項6】
電流生成手段は、ゲージ抵抗に対して定電圧を印加する定電圧供給源を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの回路。
【請求項7】
ピエゾ抵抗効果を有するゲージ抵抗が接続されて用いられ、そのゲージ抵抗に加えられる応力の大きさの範囲に応じて、そのゲージ抵抗の端子対が接続されるための複数の端子対が用意されている回路であって、
定電圧供給源と、基準電圧源と、第1端子対と、第2端子対と、第3端子対と、第4端子対と、ダイオードと、PNPトランジスタと、出力端子を備えており、
第1端子対は、その一方の端子が定電圧供給源の端子に接続されており、他方の端子がPNPトランジスタのエミッタ端子に接続されており、
第2端子対は、その一方の端子がPNPトランジスタのコレクタ端子に接続されており、他方の端子が基準電圧源の端子に接続されており、
第3端子対は、その一方の端子が定電圧供給源の端子に接続されており、他方の端子がダイオードのアノード端子に接続されており、
第4端子対は、その一方の端子がダイオードのカソード端子に接続されており、他方の端子が基準電圧源の端子に接続されており、
PNPトランジスタのベース端子は、ダイオードのカソード端子と第4端子対の一方の端子の間に接続されており、
出力端子は、PNPトランジスタのコレクタ端子と第2端子対の一方の端子の間に接続されており、
ゲージ抵抗が応力の増加に対して下に凸に変動するときは、そのゲージ抵抗の端子対が第1端子対の間に接続され、その他の端子対の間には固定抵抗が接続されており、
ゲージ抵抗が応力の増加に対して上に凸に変動するときは、2つのゲージ抵抗が準備され、一方のゲージ抵抗の端子対が第2端子対の間に接続され、他方のゲージ抵抗の端子対が第3端子対の間に接続され、その他の端子対の間には固定抵抗が接続されることを特徴とする回路。
【請求項8】
応力にほぼ比例する電圧を出力するセンサであって、
ピエゾ抵抗効果を有しており、外部から応力が加えられるゲージ抵抗と、
そのゲージ抵抗の抵抗値を変数とする関数で決定される電流を生成する電流生成手段と、
その電流生成手段で生成された電流を電圧に変換し、出力電圧を生成する電圧生成手段を備えており、
前記関数は、ゲージ抵抗の抵抗値が応力に対して非直線的に変動するのを相殺して、応力に対して直線的に変動する電流に変換するものであることを特徴とするセンサ。
【請求項9】
電流生成手段は、応力に対するゲージ抵抗の抵抗値の変化率が、応力と出力電圧の間の比例係数よりも小さいときに、その比例係数よりも大きな変化率で変動する電流を生成することを特徴とする請求項8のセンサ。
【請求項10】
電流生成手段は、応力に対するゲージ抵抗の抵抗値の変化率が、応力と出力電圧の間の比例係数よりも大きいときに、その比例係数よりも小さな変化率で変動する電流を生成することを特徴とする請求項8又は9のセンサ。
【請求項11】
電流生成手段は、応力に対するゲージ抵抗の抵抗値の変動が、応力の増加に対して下に凸に変動するときに、そのゲージ抵抗の抵抗値に対して反比例する項を含む関数で変動する電流を生成することを特徴とする請求項8〜10のいずれかのセンサ。
【請求項12】
電流生成手段が生成する電流の関数には、応力に対するゲージ抵抗の抵抗値の変動パターンに応じて、複数の種類が用意されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれかのセンサ。
【請求項13】
電流生成手段は、ゲージ抵抗に対して定電圧を印加する定電圧供給源を備えていることを特徴とする請求項8〜12のいずれかのセンサ。
【請求項14】
ピエゾ抵抗効果を有するゲージ抵抗を利用するセンサであって、
定電圧供給源と、第1抵抗と、第2抵抗と、第3抵抗と、第4抵抗と、ダイオードと、PNPトランジスタと、出力端子を備えており、
第1抵抗は、その一方の端子が定電圧供給源の端子に接続されており、他方の端子がPNPトランジスタのエミッタ端子に接続されており、
第2抵抗は、その一方の端子がPNPトランジスタのコレクタ端子に接続されており、他方の端子が基準電圧源の端子に接続されており、
第3抵抗は、その一方の端子が定電圧供給源の端子に接続されており、他方の端子がダイオードのアノード端子に接続されており、
第4抵抗は、その一方の端子がダイオードのカソード端子に接続されており、他方の端子が基準電圧源の端子に接続されており、
PNPトランジスタのベース端子は、ダイオードのカソード端子と第4抵抗の一方の端子の間に接続されており、
出力端子は、PNPトランジスタのコレクタ端子と第2抵抗の間に接続されており、
第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗、第4抵抗のなかから選ばれる少なくとも一つの抵抗はゲージ抵抗を備えており、その他の抵抗は固定抵抗を備えていることを特徴とするセンサ。
【請求項15】
第1抵抗が、ゲージ抵抗を備えていることを特徴とする請求項14のセンサ。
【請求項16】
第2抵抗と第3抵抗が、ゲージ抵抗を備えていることを特徴とする請求項14のセンサ。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−225308(P2007−225308A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−43851(P2006−43851)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】