説明

ゲームシステム並びにこれを構成するジャックポット抽選装置及びゲーム装置

【課題】複数のゲーム装置を複数のグループに分けて管理するゲームシステムにジャックポット抽選装置を利用する場合に、グループごとのペイアウト率管理を容易にすることである。
【解決手段】ジャックポット賞に当選すると各店舗(グループ)からのプール枚数に応じて累積的に増加する払出量分のメダルが払い出されるゲームシステムにおいて、初期時からの店舗ごとのプール枚数を示す各店舗の店舗別累積プール枚数から、その店舗でジャックポット賞の当選により払い出した当該初期時からのメダル払出枚数を差し引いた店舗別JP収支枚数と、店舗ごとに設定されるその店舗の店舗別最大損失枚数との合計量が、上記払出量以上である店舗については、ジャックポット賞の当選者が出ないようにジャックポット抽選を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のゲーム装置でプレイするプレイヤーの中からジャックポット賞の当選者を決定するためのジャックポット抽選を実行するジャックポット抽選装置を備えたゲームシステム並びにこれを構成するジャックポット抽選装置及びゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のジャックポット抽選装置としては、例えば、ゲームセンタ等に設置される複数のメダルゲーム機(ゲーム装置)から構成されるゲームシステムに利用されるものが知られている(例えば特許文献1)。一般に、メダルゲーム機は、プレイヤーからメダル(ベット対象)を受け取ることを条件にゲーム進行を制御し、そのゲーム結果に応じて所定枚数のメダル(払出対象)をプレイヤーに払い出す。ジャックポット抽選装置を利用したメダルゲーム機の一例について説明すると、プレイヤーから受け取ったメダル(ベット対象)の枚数に所定のプール率を乗じて得られる枚数を累積加算し、これを払出量データとしてジャックポット抽選装置の記憶手段に保持する。そして、所定の抽選開始条件が満たされたとき、ジャックポット抽選装置で抽選を行い、ジャックポット賞に当選するか又は当選しない(ハズレ)かを決定する。この抽選でジャックポット賞に当選すると、当該所定の抽選開始条件を満たしたプレイヤーへ上記払出量データの少なくとも一部の量に相当する枚数のメダルを払い出すとともに、当該払出量データを所定の値まで減らす処理を行う。
【0003】
ここで、ジャックポット抽選装置は、一般に、互いに独立してゲームを進行するゲーム進行制御手段をそれぞれ備えた複数のメダルゲーム機から構成されるゲームシステムで利用されることが多い。これは以下の理由による。
【0004】
個々のメダルゲーム機でプレイヤーが獲得し得るメダル枚数は、個々のメダルゲーム機に予め設定されているトータル設定ペイアウト率との関係で、ある程度制限されることになる。具体的に説明すると、トータル設定ペイアウト率とは、そのメダルゲーム機が受け付けるメダル枚数(メダル受付枚数)に対する、そのメダルゲーム機が払い出すメダル枚数(メダル払出枚数)の比率についての目標値である。そして、メダルゲーム機のゲーム進行制御手段は、実際に受け付けたメダル枚数に対する実際に払い出したメダル枚数の比率(トータル実質ペイアウト率)がトータル設定ペイアウト率に近づくように、ゲーム進行を制御する。よって、トータル設定ペイアウト率が高ければプレイヤーはメダルを獲得しやすく、逆にトータル設定ペイアウト率が低ければプレイヤーはメダルを獲得しにくくなる。そして、プレイヤーに払い出すメダル払出枚数は、ジャックポット抽選でジャックポット賞に当選することで払い出されるメダル払出枚数と、当該メダルゲーム機本来のゲーム(ジャックポット抽選以外のゲーム。以下「通常ゲーム」という。)で払い出されるメダル払出枚数とに、大別できる。すなわち、トータル設定ペイアウト率は、メダル受付枚数に対する前者のメダル払出枚数の比率と、メダル受付枚数に対する後者のメダル払出枚数の比率(以下「通常設定ペイアウト率」という。)との和となる。そして、前者の比率は、上述したプール率と同じになる。したがって、トータル設定ペイアウト率は、プール率と通常設定ペイアウト率との和となる。
【0005】
ここで、ジャックポット賞に当選することで大量のメダルを獲得できるという期待をプレイヤーに抱かせ、ジャックポット抽選に対してプレイヤーの興味を引きつけるためには、ジャックポット賞に当選したときのメダル払出枚数を多くすることが望まれる。ジャックポット賞のメダル払出枚数を多くしたい場合には、プール率を高くすればよい。しかし、単純にプール率だけを高くした場合、トータル設定ペイアウト率が高くなってしまうので、プレイヤーが獲得できるメダル枚数が多くなり、ゲーム施設(店舗)側の収益を確保できなくなる。よって、通常、ジャックポット賞のメダル払出枚数を多くする場合には、プール率を高くした分だけ通常設定ペイアウト率を低くし、トータル設定ペイアウト率が変化しないようにする。しかし、この場合には、通常設定ペイアウト率を低くした分だけ、そのメダルゲーム機の通常ゲームでプレイヤーがメダルを獲得しにくくなるため、プール率を大幅に高くしすぎると、通常ゲームのゲームバランスを崩すおそれがある。そのため、通常ゲームのゲームバランスを崩さない範囲内でしかプール率を変更することができない。
【0006】
単体のメダルゲーム機にジャックポット抽選装置を利用する場合、上述したようにそのメダルゲーム機のゲームバランスとの関係でプール率を大幅に高くするようなことができないので、ジャックポット賞のメダル払出枚数を大幅に増やすことができない。したがって、ジャックポット賞のメダル払出枚数を多くして、ジャックポット抽選に対するプレイヤーの興味を高めることは難しい。
一方、複数のメダルゲーム機からなるゲームシステムにジャックポット抽選装置を利用した場合でも、個々のメダルゲーム機でプール率を大幅に高くすることは同様の理由からできない。しかし、そのゲームシステムを構成するメダルゲーム機の数を増やすことで、個々のメダルゲーム機からのプール枚数を足し合わせた全体のプール枚数を増やすことができるので、単体のメダルゲーム機の場合に比べてジャックポット賞のメダル払出枚数を多くすることができる。
したがって、ジャックポット抽選装置は、単体のメダルゲーム機よりも、複数のメダルゲーム機で構成されるゲームシステムで利用されることが多い。
【0007】
【特許文献1】特開2002−253842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、複数のメダルゲーム機で構成されるゲームシステムにおいて、ジャックポット抽選装置を利用する場合には、次のような問題が生じる。
上述したように、各メダルゲーム機のトータル設定ペイアウト率は、そのメダルゲーム機のプール率と通常設定ペイアウト率との和であり、各メダルゲーム機では、通常実質ペイアウト率が通常設定ペイアウト率に近づくようにゲーム進行を制御することで、トータル実質ペイアウト率がトータル設定ペイアウト率に近づくようにコントロールしている。このようなコントロール下においては、ジャックポット賞のメダル払出枚数として各メダルゲーム機がプールしたプール枚数(装置別累積プール量)分のメダルは、本来、それぞれのメダルゲーム機からプレイヤーに払い出されるべきものである。よって、ジャックポット賞の当選者が出たメダルゲーム機からその当選者へジャックポット賞のメダル払い出しを行う場合、そのメダルゲーム機が過去にプールしたプール枚数分については、本来、そのメダルゲーム機からプレイヤーへ払い出されるべきものを実際に払い出したに過ぎない。しかし、そのメダルゲーム機が過去にプールしたプール枚数分を越える分は、他のメダルゲーム機がプールしたプール枚数分なので、本来は当該他のメダルゲーム機から払い出されるべきものである。よって、その超過分のメダルについては、ジャックポット賞の当選者が出たメダルゲーム機が他のメダルゲーム機に代わって払い出すことになる。そのため、そのメダルゲーム機は、その時点で一時的にトータル実質ペイアウト率が上昇することになる。ただし、各メダルゲーム機のプレイヤーからジャックポット賞の当選者が出る確率を各メダルゲーム機のプール枚数が多いほど高くするようにジャックポット抽選の当選確率を調整するなどの工夫をすれば、長期的に見た場合、各メダルゲーム機のトータル実質ペイアウト率はトータル設定ペイアウト率に収束することになる。
しかし、たまたま同じメダルゲーム機にジャックポット賞の当選者が集中するような事態も起こり得る。このような事態が生じた場合、そのメダルゲーム機においては一時的にトータル実質ペイアウト率が大幅に上昇することとなり、そのメダルゲーム機のペイアウト率管理が困難となる等の問題が発生する。
【0009】
この問題は、ゲームシステムを構成する複数のメダルゲーム機を複数グループに分けて管理する場合にも同様に生じ得る。すなわち、たまたま同じグループに属するメダルゲーム機にジャックポット賞の当選者が集中するような事態が起こった場合、そのグループのペイアウト率管理が困難となる等の問題が発生する。
【0010】
特に、上記グループを店舗ごとにグループ分けした場合、すなわち、複数の店舗にそれぞれ設置されるメダルゲーム機でゲームシステムを構成した場合には、次のような問題を引き起こす。
一般に、各メダルゲーム機のトータル設定ペイアウト率を100%から差し引いた分が、そのメダルゲーム機が設置される店舗の収益分となる。よって、上述したようなペイアウト率のコントロールが適正になされることにより、各店舗は安定した収益を確保することができる。
ここで、個々のメダルゲーム機について述べた上述の問題を店舗単位で考えてみると、次のようになる。ジャックポット賞のメダル払出枚数として各店舗からプールされたプール枚数(グループ別累積プール量)分のメダルは、本来、それぞれの店舗がプレイヤーに払い出すべきものである。よって、ジャックポット賞の当選者が出た店舗からその当選者へジャックポット賞のメダル払い出しを行う場合、その店舗が過去にプールしたプール枚数分については、本来、その店舗がプレイヤーへ払い出すべきものを実際に払い出したに過ぎない。しかし、その店舗が過去にプールしたプール枚数分を越える分は、他の店舗がプールしたプール枚数分なので、本来は当該他の店舗が払い出すべきものである。よって、その超過分のメダルについては、ジャックポット賞の当選者が出た店舗が他の店舗に代わって払い出すことになる。そのため、その店舗では、その時点で一時的に、店舗全体のメダル払出枚数がその店舗全体のメダル受付枚数を越えるような事態が起こり、この場合、その店舗は一時的な損失を被ることになる。ただし、各店舗でジャックポット賞の当選者が出る確率を各店舗のプール枚数が多いほど高くするようにジャックポット抽選の当選確率を調整するなどの工夫をすれば、長期的に見た場合、店舗全体のメダル払出枚数に対する店舗全体のメダル受付枚数の比率(店舗別実質ペイアウト率)は、その店舗に設置されている全メダルゲーム機のトータル設定ペイアウト率の平均値に収束することになる。
しかし、たまたま同じ店舗にジャックポット賞の当選者が集中するような事態も起こり得る。このような事態が生じた場合、その店舗においては一時的に店舗全体のメダル払出枚数がその店舗全体のメダル受付枚数を大きく越えることとなり、安定した収益の確保が困難となるという問題が発生する。
【0011】
以上の問題は、ゲームセンタ等に設置されるゲームシステム以外にも、複数のゲーム装置で構成されたゲームシステム、あるいは、複数のゲーム装置を複数のグループに分けて管理するゲームシステムに、ジャックポット抽選装置を利用したものであれば、例えばパチンコ店等に設置されるパチンコ機やパチスロ機で構成されるゲームシステムなどでも、同様に生じ得る。
【0012】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、第1の目的は、複数のゲーム装置を複数のグループに分けて管理するゲームシステムにジャックポット抽選装置を利用する場合に、グループごとのペイアウト率管理を容易にするゲームシステム、及びこれを構成するジャックポット抽選装置を提供することである。
第2に目的は、複数のゲーム装置で構成されたゲームシステムにジャックポット抽選装置を利用する場合に、ゲーム装置ごとのペイアウト率管理を容易にするゲームシステム、並びにこれを構成するジャックポット抽選装置及びゲーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記第1の目的を達成するために、請求項1の発明は、ゲームの進行制御を行うゲーム進行制御手段と、ベット対象を受け付けるベット対象受付手段と、該ゲーム進行制御手段が該ベット対象受付手段がベット対象を受け付けることを条件に進行制御したゲームの結果に基づき、所定量の払出対象をプレイヤーへ払い出すための払出処理を行う払出処理手段とをそれぞれ備えた複数のゲーム装置と、該複数のゲーム装置でプレイするプレイヤーの中からジャックポット賞に当選する当選者を決定するためのジャックポット抽選を行う抽選手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したときに当選したプレイヤーへ払い出すべき払出対象の量を含んだ払出量データを記憶する払出量記憶手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したとき、該払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を当選したプレイヤーへ払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、所定の払出量増加条件を満たしたとき、該複数のゲーム装置の各ベット対象受付手段が受け付けたベット対象の量に各ゲーム装置のプール率を乗じて得られる各ゲーム装置のプール量に応じ、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量を累積的に増加させる払出量増加手段とを備えたジャックポット抽選装置とを有するゲームシステムであって、上記ジャックポット抽選装置の抽選手段は、少なくとも1つのゲーム装置を含む予め決められた複数のグループの中から所定のグループ抽選条件に従って1つの当選グループを選択するためのグループ抽選を行い、該グループ抽選により当選グループが選択された場合、該当選グループに属するゲーム装置でプレイするプレイヤーの中から当選者を決定するための当選者決定処理を行うことにより、上記ジャックポット抽選を行うものであり、上記ジャックポット抽選装置は、各グループに属するゲーム装置の所定時点からのプール量をグループごとに合計したグループ別累積プール量から、そのグループに属するゲーム装置でプレイしたプレイヤーがジャックポット賞に当選したときに払い出した払出対象の量の所定時点からの総量を差し引いたグループ別ジャックポット収支量を示すグループ別ジャックポット収支量データを、グループごとに記憶するグループ別ジャックポット収支量記憶手段と、グループごとに設定される各グループのグループ別最大損失量を示すグループ別最大損失量データを記憶するグループ別最大損失量記憶手段とを備えており、上記ジャックポット抽選装置の抽選手段は、上記複数のグループのうち、上記グループ別ジャックポット収支量記憶手段に記憶されている自己のグループ別ジャックポット収支量データが示すグループ別ジャックポット収支量と上記グループ別最大損失量記憶手段に記憶されている自己のグループ別最大損失量データが示すグループ別最大損失量との合計量が、上記払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量以上である特定のグループについては、当選グループとして決定しないように、上記グループ抽選を行うことを特徴とするものである。
ここでいう「所定時点」とは、通常は、本ゲームシステムの最初の稼働時点であるが、本ゲームシステムの稼働後に全体の設定をリセットするような場合(例えば、グループ別ジャックポット収支量データをリセットする場合など)にそのリセット時点を選んでも良いし、他の時点を選んでも良い。なお、この所定時点から現時点までの期間は、ジャックポット賞の当選が出る平均的な時間間隔よりもずっと長い期間である。
複数のゲーム装置を複数のグループに分けて管理するゲームシステムにジャックポット抽選装置を利用する場合、あるグループにたまたまジャックポット賞の当選者が集中すると、そのグループ全体のトータル実質ペイアウト率が一時的に大幅に上昇する事態が起こる。このような事態が起こるのは、ジャックポット賞の払い出しを頻繁に行うことで、そのグループでジャックポット賞の払い出しを行っている所定時点からの払出総量(グループ別ジャックポット払出総量)がそのグループにおけるその所定時点からのグループ別累積プール量を大幅に上回り、グループ別ジャックポット収支量が大きくマイナスになるためである。このような事態が起こるのを防ぐためには、ジャックポット賞の当選時におけるグループ別ジャックポット収支量が常にそのジャックポット賞の払出量以上であるという条件を満たすように、管理すればよい。具体的には、その条件を満たすグループからしかジャックポット賞の当選者を出さないようにコントロールする。この条件を満たす限り、理論上は、ジャックポット賞の当選者が出たグループは、その払い出しを行った後もグループ別ジャックポット収支量が所定時点以後マイナスになることがないので、上記の事態が起きるのを防ぐことができる。
しかし、この場合には、少なくとも最初のジャックポット賞については当選者が決まらないことになってしまう。例えば、ゲームシステムを構成するゲーム装置をA、B、Cという3つのグループにグループ分けした場合、所定時点における各グループのグループ別ジャックポット収支量a,b,cは、所定時点からの各グループのプール量であるグループ別累積プール量a0,b0,c0と同じであり、いずれもゼロである。そして、このゲームシステムの稼働後、各グループ別累積プール量a0,b0,c0は徐々に増えていくとともに、ジャックポット賞の払出量Z0も徐々に増えていく。このとき、Z0=a0+b0+c0であるため、上述した条件、すなわち、a=a0≧Z0、b=b0≧Z0、c=c0≧Z0を満たすためには、いずれか1つのグループのグループ別ジャックポット収支量だけが増加するという状況にならなければならないので、この条件を満たすことは現実的にはあり得ない。
そこで、本ゲームシステムにおいては、グループごとにグループ別最大損失量を設定し、グループ別ジャックポット収支量に代えて、グループ別ジャックポット収支量とグループ別最大損失量との合計量(仮想グループ別ジャックポット収支量)を用いて、最初から上記条件を満たすグループが存在するような状況を作り出すようにしている。上記の例で説明すると、各グループのグループ別最大損失量をα,β,γとした場合、各グループの仮想グループ別ジャックポット収支量a’,b’,c’はそれぞれa0’(=a0+α)、b0’(=b0+β)、c0’(=c0+γ)となり、上述した条件は、それぞれ、a’=a0’≧Z0、b’=b0’≧Z0、c’=c0’≧Z0となる。グループAを例に挙げると、上記条件は、最初のジャックポット賞についてはa0+α≧a0+b0+c0となる。よって、最初のジャックポット賞については、α≧b0+c0という条件を満たせばよく、この条件を満たす状況を容易に実現可能である。他のグループについても同様である。
【0014】
そして、本ゲームシステムにおいて、グループごとに設定される各グループ別最大損失量は、それぞれ、各グループのグループ別ジャックポット収支量が取り得る最も低い値(マイナス値)となる。すなわち、あるグループでグループ別ジャックポット払出総量がそのグループにおけるグループ別累積プール量を上回るとしても、その超過量(損失量)はそのグループのグループ別最大損失量を越えることがない。したがって、各グループの損失量が、一時的にも、想定する以上の量になるのを防ぐことができ、各グループのグループ別最大損失量を補償することができる。
この点について上記の例に沿って補足すると次のようになる。
最初のジャックポット賞についてグループAから当選者が出るのは、上述したように、a0+α≧a0+b0+c0、すなわち、α≧b0+c0という条件を満たすときに限られる。ここで、グループAの損失量とは、他のグループのプール量(ここではb0とc0の合計量)分を代わりに払い出すことによって生じるものである。そして、b0+c0の合計量がグループAのグループ別最大損失量αを越えると上記条件を満たさないため、グループAから当選者が出ることがない。よって、グループAから当選者が出てその当選者に払い出すことになるグループ別最大損失量は、b0+c0の合計量がグループAのグループ別最大損失量αと等しい場合となる。よって、グループAの損失量(b0とc0の合計量)がグループ別最大損失量αを越えることがない。他のグループについても同様である。
【0015】
このような各グループのグループ別最大損失量の補償効果は、最初のジャックポット賞に限らず、その後のジャックポット賞についても同様に得られる。
上記の例で説明すると、グループAから当選者が出た後は、ジャックポット賞の払出量が所定の値まで減少する。ここでは、説明を簡略化するために所定の値をゼロとする。この場合、その当選後における各グループのグループ別累積プール量をa1,b1,c1とすると、次のジャックポット賞の払出量Z1はa1+b1+c1となる。そして、このジャックポット賞についてグループAから当選者が出る条件は、この時点におけるグループAのグループ別ジャックポット収支量(a0+a1−Z0)とグループ別最大損失量αとの合計量がそのジャックポット賞の払出量Z1以上であるという条件、すなわち、(a0+a1−Z0)+α≧a1+b1+c1となる。Z0=a0+b0+c0なので、上記条件は{a0+a1−(a0+b0+c0)}+α≧a1+b1+c1となる。よって、α≧b1+c1+b0+c0という条件を満たすときに限り、グループAから当選者が出るということになる。ここで、この不等式の右辺は、今回のジャックポット賞も含めて当選が決定したジャックポット賞についての他のグループのグループ別累積プール量の合計である。これは、グループAがこれまでのジャックポット賞の払い出しによる損失量の合計である。よって、グループAにおいて、所定時点からのグループAの損失量の合計(b1+c1+b0+c0)がグループ別最大損失量αを越えることがない。このような関係は、その後のジャックポット賞についても同様である。また、他のグループについても同様である。
【0016】
なお、本ゲームシステムにおいては、グループ抽選の際のグループ抽選条件を適切に設定することで、当選グループが一部のグループに集中せずにいろいろなグループに分散するように、グループ抽選の結果を管理することも可能となる。よって、本ゲームシステムによれば、同一グループに属するゲーム装置に当選者が集中する事態を避けることが可能となる。
【0017】
また、請求項2の発明は、請求項1のゲームシステムにおいて、上記ジャックポット抽選装置の抽選手段は、上記特定のグループについては上記グループ抽選の抽選対象から外して上記グループ抽選を行うことを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいては、上述した条件を満たさないグループがグループ抽選の抽選対象にならないので、条件を満たさないグループから当選者が出ないように容易にコントロールすることができる。
【0018】
また、請求項3の発明は、請求項1のゲームシステムにおいて、上記ジャックポット抽選装置の抽選手段は、上記特定のグループが上記グループ抽選で当選したときには当選しなかったものとして取り扱うように上記グループ抽選を行うことを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいては、上述した条件を満たさないグループがグループ抽選に当選してもハズレと見なされるので、条件を満たさないグループから当選者が出ないように容易にコントロールすることができる。
【0019】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、上記ゲーム装置は、店舗に設置される業務用ゲーム装置であり、上記予め決められた複数のグループは、各ゲーム装置が設置される店舗ごとにグループ分けされたものであることを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいては、各店舗のの損失量が想定する以上の量になるのを防ぐことができ、各店舗の最大損失量を補償することができるので、各店舗のペイアウト率管理を容易にする。その結果、各店舗が本ゲームシステムを導入するにあたって、店舗側が負う大量の払い出しによる損失のリスクを少なくすることができる。
【0020】
また、請求項5の発明は、請求項4のゲームシステムにおいて、上記ジャックポット抽選装置は、同一店舗内に設置される少なくとも1つのゲーム装置と通信可能に接続された各店舗の店舗サーバと、各店舗サーバと通信可能に接続された管理サーバとから構成されており、上記グループ抽選は、該管理サーバに設けた抽選手段によって行い、上記当選者決定処理は、該グループ抽選により選択された当選グループに係る店舗の店舗サーバに設けた抽選手段により抽選によって行うことを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいて、ジャックポット抽選のうちの当選者決定処理を各店舗の店舗サーバで行うので、ジャックポット抽選の処理の一部を分散処理することができる。これにより、多数のゲーム装置で構成される大規模なゲームシステムを構築する場合でも、ジャックポット抽選の処理が集中することによるシステム全体のパフォーマンス低下等の不具合を回避できる。
また、店舗サーバで当選者決定処理を行うため、店舗の運営方針に沿って店舗サーバの設定を適宜変更することで、どのプレイヤーを当選させるか、あるいは、どのプレイヤーまたはゲーム装置を当選しやすくするか等をコントロールすることが可能となる。
【0021】
また、請求項6の発明は、請求項5のゲームシステムにおいて、上記各店舗サーバは、当該店舗に係るグループのグループ別最大損失量の変更操作を受け付ける変更操作受付手段を有しており、上記管理サーバは、各店舗サーバの変更操作受付手段がグループ別最大損失量の変更操作を受け付けたとき、上記グループ別最大損失量記憶手段に記憶されている各グループのグループ別最大損失量のうち、当該店舗サーバに対応する店舗に係るグループのグループ別最大損失量を変更するグループ別最大損失量変更手段を有することを特徴とするものである。
各店舗の最大損失量の設定は、それぞれの店舗の運営方針等によって適宜設定できるようにすることが、本ゲームシステムの店舗による利便性を向上させる点で好ましい。本ゲームシステムにおいては、各店舗の最大損失量の設定変更を各店舗サーバにおいて行うことができる。よって、店舗の運営者等による最大損失量の設定変更作業を容易にすることが可能である。
【0022】
また、請求項7の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、上記グループ別最大損失量記憶手段に記憶されている各グループのグループ別最大損失量を変更するグループ別最大損失量変更手段を備えていることを特徴とするものである。
本ゲームシステムにおいては、各グループのグループ別最大損失量の設定変更を行うことができるので、グループごとのペイアウト率管理に柔軟に対応することができる。よって、本ゲームシステムの利便性を向上させることができる。
【0023】
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、上記ジャックポット抽選装置は、各グループに属するゲーム装置における前回のジャックポット賞当選以後のプール量をグループごとに合計したグループ別当選間プール量を示すグループ別当選間プール量データを、グループごとに記憶するグループ別当選間累積プール量記憶手段と、グループ別当選間プール量データが示すグループ別当選間プール量が多いほど上記グループ抽選の当選確率が高まるように、該グループ抽選における各グループの当選確率を変更する当選確率変更手段とを有することを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいては、ジャックポット賞の払出量の増加への貢献度が高いグループほど、当選者が出てジャックポット賞の払い出しを行う頻度が高くなる。よって、そのグループ全体のトータル実質ペイアウト率の平均値を、そのグループに属するゲーム装置のトータル設定ペイアウト率に近づけやすく、グループ単位でのペイアウト率管理が容易となる。
【0024】
また、請求項9の発明は、複数のゲーム装置でプレイするプレイヤーの中からジャックポット賞に当選する当選者を決定するためのジャックポット抽選を行う抽選手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したときに当選したプレイヤーへ払い出すべき払出対象の量を含んだ払出量データを記憶する払出量記憶手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したとき、該払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を当選したプレイヤーへ払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、所定の払出量増加条件を満たしたとき、該複数のゲーム装置の各ベット対象受付手段が受け付けたベット対象の量に各ゲーム装置のプール率を乗じて得られる各ゲーム装置のプール量に応じ、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量を累積的に増加させる払出量増加手段とを備え、上記抽選手段は、少なくとも1つのゲーム装置を含む予め決められた複数のグループの中から所定のグループ抽選条件に従って1つの当選グループを選択するためのグループ抽選を行い、該グループ抽選により当選グループが選択された場合、該当選グループに属するゲーム装置でプレイするプレイヤーの中から当選者を決定するための当選者決定処理を行うことにより、上記ジャックポット抽選を行うジャックポット抽選装置であって、各グループに属するゲーム装置の所定時点からのプール量をグループごとに合計したグループ別累積プール量から、そのグループに属するゲーム装置でプレイしたプレイヤーがジャックポット賞に当選したときに払い出した払出対象の量の該所定時点からの総量を差し引いたグループ別ジャックポット収支量を示すグループ別ジャックポット収支量データを、グループごとに記憶するグループ別ジャックポット収支量記憶手段と、グループごとに設定される各グループのグループ別最大損失量を示すグループ別最大損失量データを記憶するグループ別最大損失量記憶手段とを備えており、上記抽選手段は、上記複数のグループのうち、上記グループ別ジャックポット収支量記憶手段に記憶されている自己のグループ別ジャックポット収支量データが示すグループ別ジャックポット収支量と上記グループ別最大損失量記憶手段に記憶されている自己のグループ別最大損失量データが示すグループ別最大損失量との合計量が、上記払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量以上である特定のグループについては、当選グループとして決定しないように、上記グループ抽選を行うことを特徴とするものである。
このジャックポット抽選装置においては、あるグループでジャックポット賞の払い出しを行った所定時点からの払出総量が、そのグループにおける所定時点からのグループ別累積プール量を上回るとしても、その超過量(損失量)がそのグループのグループ別最大損失量を越えることがない。したがって、各グループの損失量が、一時的にも、想定する以上の量になるのを防ぐことができ、各グループのグループ別最大損失量を補償することができる。
【0025】
上記第2の目的を達成するために、請求項10の発明は、ゲームの進行制御を行うゲーム進行制御手段と、ベット対象を受け付けるベット対象受付手段と、該ゲーム進行制御手段が該ベット対象受付手段がベット対象を受け付けることを条件に進行制御したゲームの結果に基づき、所定量の払出対象をプレイヤーへ払い出すための払出処理を行う払出処理手段とをそれぞれ備えた複数のゲーム装置と、該複数のゲーム装置でプレイするプレイヤーの中からジャックポット賞に当選する当選者を決定するためのジャックポット抽選を行う抽選手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したときに当選したプレイヤーへ払い出すべき払出対象の量を含んだ払出量データを記憶する払出量記憶手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したとき、該払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を当選したプレイヤーへ払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、所定の払出量増加条件を満たしたとき、該複数のゲーム装置の各ベット対象受付手段が受け付けたベット対象の量に各ゲーム装置のプール率を乗じて得られる各ゲーム装置のプール量に応じ、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量を累積的に増加させる払出量増加手段とを備えたジャックポット抽選装置とを有するゲームシステムであって、上記ジャックポット抽選装置は、所定時点からの上記複数のゲーム装置の各プール量をゲーム装置ごとに個別に累積した装置別累積プール量から、そのゲーム装置でプレイしたプレイヤーがジャックポット賞に当選したときに払い出した払出対象の量の該所定時点からの総量を差し引いた装置別ジャックポット収支量を示す装置別ジャックポット収支量データを、該複数のゲーム装置ごとに記憶する装置別ジャックポット収支量記憶手段と、該複数のゲーム装置ごとに設定される各ゲーム装置の装置別最大損失量を示す装置別最大損失量データを記憶する装置別最大損失量記憶手段とを備えており、上記ジャックポット抽選装置の抽選手段は、上記複数のゲーム装置のうち、上記装置別ジャックポット収支量記憶手段に記憶されている自己の装置別ジャックポット収支量データが示す装置別ジャックポット収支量と上記装置別最大損失量記憶手段に記憶されている自己の装置別最大損失量データが示す装置別最大損失量との合計量が、上記払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量以上である特定のゲーム装置でプレイするプレイヤーについては、上記ジャックポット賞の当選者として決定しないように、上記ジャックポット抽選を行うことを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいては、あるゲーム装置でジャックポット賞の払い出しを行った所定時点からの払出総量が、そのゲーム装置における所定時点からの装置別累積プール量を上回るとしても、その超過量(損失量)がそのゲーム装置の装置別最大損失量を越えることがない。したがって、各ゲーム装置の損失量が、一時的にも、想定する以上の量になるのを防ぐことができ、各ゲーム装置の装置別最大損失量を補償することができる。
【0026】
また、請求項11の発明は、複数のゲーム装置でプレイするプレイヤーの中からジャックポット賞に当選する当選者を決定するためのジャックポット抽選を行う抽選手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したときに当選したプレイヤーへ払い出すべき払出対象の量を含んだ払出量データを記憶する払出量記憶手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したとき、該払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を当選したプレイヤーへ払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、所定の払出量増加条件を満たしたとき、該複数のゲーム装置の各ベット対象受付手段が受け付けたベット対象の量に各ゲーム装置のプール率を乗じて得られる各ゲーム装置のプール量に応じ、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量を累積的に増加させる払出量増加手段とを備えたジャックポット抽選装置であって、所定時点からの上記複数のゲーム装置の各プール量をゲーム装置ごとに個別に累積した装置別累積プール量から、そのゲーム装置でプレイしたプレイヤーがジャックポット賞に当選したときに払い出した払出対象の量の該所定時点からの総量を差し引いた装置別ジャックポット収支量を示す装置別ジャックポット収支量データを、該複数のゲーム装置ごとに記憶する装置別ジャックポット収支量記憶手段と、該複数のゲーム装置ごとに設定される各ゲーム装置の装置別最大損失量を示す装置別最大損失量データを記憶する装置別最大損失量記憶手段とを備えており、上記抽選手段は、上記複数のゲーム装置のうち、上記装置別ジャックポット収支量記憶手段に記憶されている自己の装置別ジャックポット収支量データが示す装置別ジャックポット収支量と上記装置別最大損失量記憶手段に記憶されている自己の装置別最大損失量データが示す装置別最大損失量との合計量が、上記払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量以上である特定のゲーム装置でプレイするプレイヤーについては、上記ジャックポット賞の当選者として決定しないように、上記ジャックポット抽選を行うことを特徴とするものである。
このジャックポット抽選装置においては、あるゲーム装置でジャックポット賞の払い出しを行った所定時点からの払出総量が、そのゲーム装置における所定時点からの装置別累積プール量を上回るとしても、その超過量(損失量)がそのゲーム装置の装置別最大損失量を越えることがない。したがって、各ゲーム装置の損失量が、一時的にも、想定する以上の量になるのを防ぐことができ、各ゲーム装置の装置別最大損失量を補償することができる。
【0027】
また、上記第2の目的を達成するために、請求項12の発明は、ゲームの進行制御を行うゲーム進行制御手段と、ベット対象を受け付けるベット対象受付手段と、該ゲーム進行制御手段が該ベット対象受付手段がベット対象を受け付けることを条件に進行制御したゲームの結果に基づき、所定量の払出対象をプレイヤーへ払い出すための払出処理を行う払出処理手段とをそれぞれ備えた複数のゲーム装置と、該複数のゲーム装置でプレイするプレイヤーの中からジャックポット賞に当選する当選者を決定するためのジャックポット抽選を行う抽選手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したときに当選したプレイヤーへ払い出すべき払出対象の量を含んだ払出量データを記憶する払出量記憶手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したとき、該払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を当選したプレイヤーへ払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、所定の払出量増加条件を満たしたとき、該複数のゲーム装置の各ベット対象受付手段が受け付けたベット対象の量に各ゲーム装置のプール率を乗じて得られる各ゲーム装置のプール量に応じ、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量を累積的に増加させる払出量増加手段とを備えたジャックポット抽選装置とを有するゲームシステムであって、各ゲーム装置は、所定時点からの自己のプール量を累積した装置別累積プール量から、自己でプレイしたプレイヤーがジャックポット賞に当選したときに払い出した払出対象の量の該所定時点からの総量を差し引いた装置別ジャックポット収支量を示す装置別ジャックポット収支量データを記憶する装置別ジャックポット収支量記憶手段と、自己の装置別最大損失量を示す装置別最大損失量データを記憶する装置別最大損失量記憶手段と、上記ジャックポット抽選装置の抽選手段によるジャックポット抽選で自己のゲーム装置でプレイするプレイヤーが当選したとき、上記装置別ジャックポット収支量記憶手段に記憶されている自己の装置別ジャックポット収支量データが示す装置別ジャックポット収支量と上記装置別最大損失量記憶手段に記憶されている自己の装置別最大損失量データが示す装置別最大損失量との合計量が、上記ジャックポット抽選装置の上記払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量以上である場合には、上記ジャックポット賞の当選を辞退する旨の当選辞退通知を上記ジャックポット抽選装置へ送信し、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量未満である場合には、上記ジャックポット賞の当選を受諾する旨の当選受諾通知を上記ジャックポット抽選装置へ送信する通知手段とを有し、上記ジャックポット抽選装置の抽選手段は、当選辞退通知を受信したゲーム装置でプレイするプレイヤーについては、上記ジャックポット賞の当選者として決定しないように、上記ジャックポット抽選を行うことを特徴とするものである。
このゲームシステムにおいては、あるゲーム装置でジャックポット賞の払い出しを行った所定時点からの払出総量が、そのゲーム装置における所定時点からの装置別累積プール量を上回るとしても、その超過量(損失量)がそのゲーム装置の装置別最大損失量を越えることがない。したがって、各ゲーム装置の損失量が、一時的にも、想定する以上の量になるのを防ぐことができ、各ゲーム装置の装置別最大損失量を補償することができる。
【0028】
また、請求項13の発明は、ゲームの進行制御を行うゲーム進行制御手段と、ベット対象を受け付けるベット対象受付手段と、該ゲーム進行制御手段が該ベット対象受付手段がベット対象を受け付けることを条件に進行制御したゲームの結果に基づき、所定量の払出対象をプレイヤーへ払い出すための払出処理を行う払出処理手段とを備え、該複数のゲーム装置でプレイするプレイヤーの中からジャックポット賞に当選する当選者を決定するためのジャックポット抽選を行う抽選手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したときに当選したプレイヤーへ払い出すべき払出対象の量を含んだ払出量データを記憶する払出量記憶手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したとき、該払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を当選したプレイヤーへ払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、所定の払出量増加条件を満たしたとき、該複数のゲーム装置の各ベット対象受付手段が受け付けたベット対象の量に各ゲーム装置のプール率を乗じて得られる各ゲーム装置のプール量に応じ、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量を累積的に増加させる払出量増加手段とを備えたジャックポット抽選装置に、通信可能に接続されたゲーム装置であって、所定時点からの自己のプール量を累積した装置別累積プール量から、自己でプレイしたプレイヤーがジャックポット賞に当選したときに払い出した払出対象の量の該所定時点からの総量を差し引いた装置別ジャックポット収支量を示す装置別ジャックポット収支量データを記憶する装置別ジャックポット収支量記憶手段と、自己の装置別最大損失量を示す装置別最大損失量データを記憶する装置別最大損失量記憶手段と、上記ジャックポット抽選装置の抽選手段によるジャックポット抽選で自己のゲーム装置でプレイするプレイヤーが当選したとき、上記装置別ジャックポット収支量記憶手段に記憶されている自己の装置別ジャックポット収支量データが示す装置別ジャックポット収支量と上記装置別最大損失量記憶手段に記憶されている自己の装置別最大損失量データが示す装置別最大損失量との合計量が、上記ジャックポット抽選装置の上記払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量以上である場合には、上記ジャックポット賞の当選を辞退する旨の当選辞退通知を上記ジャックポット抽選装置へ送信し、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量未満である場合には、上記ジャックポット賞の当選を受諾する旨の当選受諾通知を上記ジャックポット抽選装置へ送信する通知手段とを有することを特徴とするものである。
このゲーム装置においては、自己でジャックポット賞の払い出しを行った所定時点からの払出総量が、その所定時点からの自己の装置別累積プール量を上回るとしても、その超過量(損失量)が自己の装置別最大損失量を越えることがない。したがって、当該ゲーム装置の損失量が、一時的にも、想定する以上の量になるのを防ぐことができ、装置別最大損失量を補償することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、各グループ又は各ゲーム装置の損失量が、一時的にも、想定する以上の量になるのを防ぐことができるので、グループごと又はゲーム装置ごとのペイアウト率管理が容易になるという優れた効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を、ゲーム内容が互いに異なるアーケードゲーム機(業務用ゲーム機)である3種類のメダルゲーム機と、これらと通信可能に接続されたジャックポット抽選装置としての店舗サーバとしての店舗端末ユニット及び管理サーバとから構成されるゲームシステムに適用した一実施形態について説明する。なお、店舗サーバは参加処理装置としても機能する。
【0031】
〔システム概略〕
まず、本実施形態に係るゲームシステム全体の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るゲームシステム全体の概略構成図である。
このゲームシステムを構成する3種類のメダルゲーム機1000,2000,3000は、ハードウェアも互いに異なる異機種のゲーム機である。これらのメダルゲーム機1000,2000,3000は、本実施形態では同じゲームセンタ等のゲーム施設に設置されており、その店舗の店舗端末ユニット5000に高速通信ネットワークとしてのLAN(Local Area Network)を介して接続されている。管理サーバ4000は、各店舗の店舗端末ユニットと低速通信ネットワークとしてのWAN(Wide Area Network)を介して接続されている。管理サーバ4000は、各メダルゲーム機1000,2000,3000とデータ通信を行って店舗全体のシステム管理を行う店舗端末ユニットとデータ通信を行って、ゲームシステム全体の管理を行う。なお、本実施形態では、複数店舗に跨ったゲームシステムについて説明するが、単一店舗内のゲームシステムであっても同様である。
【0032】
次に、各メダルゲーム機1000,2000,3000の構成及び動作について、それぞれ説明する。
【0033】
〔競馬ゲーム機1000〕
メダルゲーム機1000は、競馬ゲーム機である。
この競馬ゲーム機1000では、1又は2以上のプレイヤーが本競馬ゲーム機で行われる競馬レースの着順を予想し、予想が当たった場合には、その着順のオッズに応じたメダルの払い出しを受けることができる。
図2は、競馬ゲーム機1000の一例を示す外観図である。
この競馬ゲーム機1000は、中央部分に設けられたフィールド部1002と、このフィールド部1002を取り囲むように設けられたゲーム装置としての複数のステーション1010とを備えている。フィールド部1002には、模型である出馬ゲート1003が載置された競馬場の馬場を模した移動面であるフィールド面1004が設けられ、このフィールド面1004内で複数の図示しない模型馬が移動することでレースが展開される。また、このフィールド部1002の周囲には、レースの実況や歓声等を流す複数のスピーカー1005が配置されている。また、フィールド部1002の上方には、後述する全体ジャックポット抽選での払出枚数を示す全体累積メダル枚数等を表示するための表示部1006、フィールド部1002を照明する照明装置1007、フィールド部1002を撮像する撮像手段としてのカメラ1009が配置されている。これらの表示部1006、照明装置1007及びカメラ1009は、支持柱1008により支持されている。スピーカー1005及び照明装置1007は、本競馬ゲーム機1000の演出手段として機能する。
【0034】
ステーション1010には、ゲームの進行に応じたゲーム画面を表示するディスプレイ1011と、このディスプレイ1011の表示面に重ね合わされたタッチパネル1012とが設けられている。プレイヤーがゲーム画面の指示に従いディスプレイ1011に表示されたゲーム画面の所定位置に触ると、タッチパネル1012によりその位置が検出され、競馬ゲーム機1000でプレイヤーの操作内容が認識される。また、ステーション1010には、プレイヤーによりメダルが投入されるメダル投入部1013、プレイヤーに対してメダルが払い出されるメダル払出口1014およびユーザーカードからカードIDを読み出すための識別情報受取手段としてのカードリーダーのカード読取面1015が設けられている。
【0035】
競馬ゲーム機1000においては、所定のサイクルに従って実際の中央競馬と同一名称のレースが順次開催される。1年分のレースとして約60のレースが用意されており、レースごとに、メダルをベットするための時間すなわち馬券を購入するための時間、模型馬によりレースが行われる時間、レース結果を表示するための時間が確保される。プレイヤーは、レースごとに着順を予想し、自由に馬券を購入することができる。この馬券の購入は、メダルをベットすることにより行い、購入した馬券がレースの結果と一致していれば、メダルのベット数とオッズに応じた枚数のメダルが配当として払い出される。
【0036】
また、プレイヤーは、ユーザーカードを使用することで、自分の競走馬キャラクタ(持ち馬)を育成し、これをレースに参加させることもできる。具体的には、プレイヤーは、複数用意された競争馬キャラクタの中から好きな競争馬キャラクタを選択し、その競争馬キャラクタを所定枚数のメダルを支払って取得する。そして、プレイヤーは、取得した競争馬キャラクタの能力を高めるべく調教(トレーニング)を行い、その競争馬キャラクタを育成することができる。また、調教した競走馬キャラクタを自分の希望するレースに出走させることができる。
【0037】
本実施形態における競馬ゲーム機1000では、フィールド部1002はフィールド面1004を形成し、そのフィールド面1004には、実際の馬場を模した人工芝、出馬ゲート1003等の模型が設けられており、そのフィールド面1004上を移動体である模型馬が移動する。
【0038】
図3は、競馬ゲーム機1000の全体動作を統合的に制御するためのメイン制御部を示す制御ブロック図である。
図4は、ステーション1010ごとに設けられたステーション制御部を示す制御ブロック図である。
【0039】
図3に示すように、フィールド部側に配置されるメイン制御部1100は、メイン制御装置1101と、フィールド部1002における模型馬の移動を制御するための移動制御装置1102と、照明装置1007を制御する照明制御装置1103と、スピーカー1005で流す歓声や実況等を制御する音響制御装置1104と、メイン制御装置1101の処理するデータを一時的に記録するためのSRAM1105およびフラッシュメモリ1106と、ゲームに必要なプログラムおよび各種データベースが格納されたROM1107と、LANを介して店舗端末ユニット5000等の外部装置とデータ通信を行うための外部通信装置1108とを備える。メイン制御装置1101は、移動制御装置1102、照明制御装置1103、音響制御装置1104、SRAM1105、フラッシュメモリ1106、ROM1107、外部通信装置1108、カメラ1009に、それぞれ接続されている。ROM1107には、各模型馬の移動制御情報である移動制御プログラム、レースで使用する各馬に関する各種データやレースの日程等のデータベースが格納されている。
【0040】
図4に示すように、各ステーション1010に設けられているステーション制御部1200は、ステーション制御装置1201と、メダルの払い出し等を管理するメダル管理装置1202と、プレイヤーの各種データを一時的に記録するRAM1203と、カード読取面1015にかざされたユーザーカードからカードIDを読み取る識別情報受取手段としてのカードリーダー1204とを備える。ステーション制御装置1201は、メダル管理装置1202、RAM1203、カードリーダー1204に、それぞれ接続されている。また、このステーション制御装置1201は、ステーション1010に設けられた図2に示すディスプレイ1011及びタッチパネル1012、メダル投入部1013を介して投入されたメダルを検出する図示しないメダル投入センサ等の各部にも、それぞれ接続されている。
【0041】
また、図3及び図4に示すように、各ステーション1010のステーション制御装置1201は、ゲーム機本体側のメイン制御装置1101に接続されており、これらの間で必要なデータ通信が可能となっている。
【0042】
メイン制御部1100のメイン制御装置1101は、レースを開催するとき、実際の競馬レースをリアルに再現するため、各馬のパラメータなどの各種データに応じて、レースごとに、各模型馬の移動制御内容が変更される。そして、その移動制御内容はレース開始前には決定され、その移動制御内容に従って模型馬を移動制御する。具体的には、メイン制御部1100のメイン制御装置1101は、レース開始前に、そのレースに出走する馬の各種パラメータ、馬場の状態などのデータをROM1107から読み出し、そのレースの着順を決定する。尚、プレイヤーへのメダルの払い出しに関わる着順は、1着と2着だけなので、出走する馬のすべての着順を決定する必要はなく、少なくとも1着と2着の馬だけを決定すればよい。この場合、他の馬は、各種パラメータに従って1着と2着にならないように移動制御する。メイン制御装置1101で決定された着順データ、各馬のパラメータ等は、移動制御装置1102に送られる。
【0043】
メイン制御装置1101からのデータを受け取った移動制御装置1102は、図示しないROMに記録されている移動制御プログラムを実行し、各馬ごとに移動制御を行う。移動制御プログラムを実行する移動制御装置1102は、各馬のパラメータ等から各馬の移動パターンを算出し、その移動パターンに従って各模型馬1060が移動するように、各制御チップ1022に制御命令を送信する。具体的には、各馬の移動パターンに従って各模型馬1060が移動するような磁界を発生させるために、各磁界発生用基板の制御チップそれぞれに制御命令を送信する。制御命令を受けた各制御チップ1022は、各模型馬1060の移動予定経路に沿って各模型馬1060の永久磁石のS極を引っ張る磁力を順次発生させるように各コイルに流す電流を制御する。これにより、各模型馬1060を移動予定経路に沿って移動させることができる。その結果、移動制御装置1102により移動制御された各模型馬1060が、プレイフィールドでレースを展開する。
【0044】
プレイヤーがユーザーカードを使用してプレイする場合、プレイヤーは、プレイ前にカード読取面1015に自分のユーザーカードをかざす。これにより、そのユーザーカードからカードIDがカードリーダー1204によって読み取られ、そのカードIDがSRAM1105又はフラッシュメモリ1106に記憶される。このSRAM1105又はフラッシュメモリ1106には、そのプレイヤーがゲームをプレイして育成した競走馬キャラクタに関するデータ(馬名データ、パラメータデータ、優勝したGIレース等の実績情報等)がそのカードIDに関連づけられた状態で記憶される。
【0045】
本競馬ゲーム機1000において、ユーザーカードを使用してプレイするプレイヤーがゲームを終了するときには、次回のゲーム再開時にその終了時のゲーム状態を復元させるためのゲーム状態データを、そのプレイヤーのカードIDに関連づけられた状態で、店舗端末ユニットに保存される。ゲーム状態データには、そのプレイヤーが育成した競走馬キャラクタに関するデータが含まれる。そして、プレイヤーが前回の続きからゲームを再開する場合には、プレイ前にカード読取面1015に自分のユーザーカードをかざすことで、そのユーザーカード内のカードIDに対応するゲーム状態データを店舗端末ユニットからダウンロードし、これらのデータをSRAM1105又はフラッシュメモリ1106に記憶して、ゲームが再開される。
【0046】
本競馬ゲーム機1000においては、後述する自己のプール率を示すプール率データと、自己のトータル設定ペイアウト率を示す設定ペイアウト率データが、プール率記憶手段及び設定ペイアウト率記憶手段としてのSRAM1105やフラッシュメモリ1106に記憶されている。そして、メイン制御装置1101は、各レースのオッズを生成するにあたっては、過去のレースにおいてプレイヤーが消費したメダル枚数に対する実際にプレイヤーへ払い出したメダル枚数の比率(通常実質ペイアウト率)が、トータル設定ペイアウト率からプール率を差し引いた通常設定ペイアウト率に近づくように調整したオッズを生成する。これにより、長期的に見れば、通常実質ペイアウト率を通常設定ペイアウト率に近づけることができ、店舗の安定した収益を確保することができる。なお、通常実質ペイアウト率の調整方法はオッズを調整する方法に限られない。
【0047】
〔プッシャーゲーム機2000〕
次に、メダルゲーム機2000について説明する。
メダルゲーム機2000は、プッシャーゲーム機である。
図5は、本プッシャーゲーム機2000におけるステーション部STの構成を説明するための説明図である。
本プッシャーゲーム機2000は、図示しないセンター抽選装置を囲うように4つのサテライト部SAが設けられている。各サテライト部SAは、それぞれゲーム装置としての4つのステーション部STを備えており、各プレイヤーは各ステーション部STでそれぞれゲームをプレイすることになる。また、各サテライト部SAは、サテライト抽選装置2001をそれぞれ1つずつ備えており、そのサテライト抽選装置2001の周りに各ステーション部STが並んで配置されている。
【0048】
ステーション部STは、主に、メダル投入機構(投入部)2100と、プレイフィールド2500と、図示しないステーション制御部と、表示部2700とを有する。ステーション部STにおいて、上部手前側にはメダル投入機構2100が配置され、上部奥側には表示手段としての表示部2700が配置され、上部中央にはプレイフィールド2500が配置される。ここで、「手前側」とはプレイヤーがゲームする際に位置する側を意味し、「奥側」とはプレイヤーがゲームする際に位置する側と反対側を意味し、「中央」とは上述した「手前側」と「奥側」との間の領域を意味する。
【0049】
メダル投入機構2100は、プレイヤーがゲームする際にメダルMをプッシャーゲーム機2000へ投入するための機構である。メダル投入機構2100へ投入されたメダルMは、ステーション部STの筐体内部における図示しないメダル搬送経路を介してリフトアップホッパまで搬送され、リフトアップホッパにおいて一時的に貯留される。リフトアップホッパは、メダルMを蓄積するためのメダル貯留部と、メダルMを所定の高さまでリフトアップするためのリフトアップ部と、リフトアップされたメダルMを所定のタイミングで排出するためのメダル排出部(排出部)とを有する。また、メダル排出部の排出口には、排出されたメダルMをプレイフィールド2500まで導くためのメダル排出経路2400が左右に揺動可能に設けられている。リフトアップ部の上端は、プレイフィールド2500よりも上に配置される。これに伴い、リフトアップ部の上端に設けられたメダル排出部もプレイフィールド2500よりも上に配置される。したがって、プレイフィールド2500下に設けられたメダル貯留部に一時蓄積されたメダルMは、リフトアップ部によりプレイフィールド2500よりも上に持ち上げられた後、メダル排出部からメダル排出経路2400を介してプレイフィールド2500へ射出される。
【0050】
プレイフィールド2500内には、主に、メダルMを貯留するメダル載置台としてのメインテーブル2501と、メインテーブル2501上に載置されたメダル押出部材としてのプッシャー部2510とが設けられている。プッシャー部2510は、メダルMを貯留する上面(これをサブテーブルという。)と、サブテーブルから落下したメダルMがスライドする傾斜テーブルと、メインテーブル2501に貯留されたメダルMを押進する押進壁とを有する。また、プッシャー部2510は、プレイフィールド2500におけるメインテーブル2501上にスライド可能に設けられており、一定の周期又は任意の周期で前後にスライド運動する。プッシャー部2510の一部(奥側)は、表示部2700下方に設けられた後述する収納部に収納される。プッシャー部2510は、この収納部から出入するようにスライドすることで、前後に往復運動する。
【0051】
サブテーブルには、表示部2700の枠部材が摺動可能に当接されている。したがって、プッシャー部2510が収納部へ収納される方向へ移動した際、その枠部材によってサブテーブル上のメダルMが押進される。この押進により、サブテーブル上の一部のメダルMが傾斜テーブルへ落下する。サブテーブルから落下したメダルMの一部は、傾斜テーブルに設けられたメダル通過口としての開口部(これを「チャッカー」という。)に進入する。また、残りのメダルMは、そのままメインテーブル2501まで落下し、メインテーブル2501に貯留される。
【0052】
メインテーブル2501上のメダルMは、サブテーブル上のメダルMと同様に、プッシャー部2510のスライド運動により押進される。すなわち、メインテーブル2501上にはプッシャー部2510が隙間無く載置されているため、プッシャー部2510が収納部から搬出する方向へ移動した際、プッシャー部2510の前面の押進壁によってメインテーブル2501上のメダルMが押進される。この押進により、メインテーブル2501上の一部のメダルMが落下する。落下したメダルMのうち、プレイヤー側の端(これを「前端」という。)からメダル落下溝へ落下したメダルMはプレイヤーに払い出され、他のメダルM、例えばメインテーブル2501の両サイド(これを「サイド端」という。)から落下したメダルMはステーション部ST内の所定の貯留部にストックされる。
【0053】
この他、ステーション部STは、図5に示すように、少なくとも一方のサイドにボール投入機構2800を有する。ボール投入機構2800は、後述する異形物としての球状物体であるボールB1,B2をプレイフィールド2500へ投入するための構成であり、ボール投入スロープ2801とボール投入位置抽選機構2810とを有する。なお、ボールB1,B2は、後述するビンゴゲームを実行するための抽選用物体である。
【0054】
ボール投入スロープ2801は、後述するボールキャリア2520から投入されたボールB1,B2をボール投入位置抽選機構2810まで重力により導くための構成である。したがって、下りのスロープである。また、ボール投入位置抽選機構2810は、ボールB1,B2が投入されるプレイフィールド2500上の位置を抽選するための構成である。このように、後述するボールキャリア2520からステーション部STへ投入されたボールB1,B2は、ボール投入スロープ2801及びボール投入位置抽選機構2810を介して、プレイフィールド2500に投入される。
【0055】
また、ステーション部STは、図5に示すように、少なくとも一方のサイドにボール運搬機構2900を有する。ボール運搬機構2900は、プレイフィールド2500におけるメインテーブル2501からその手前側に設けられたメダル落下溝へボールB1,B2が落下したとき、そのボールB1,B2をサテライト抽選装置2001へ運搬するための構成であり、図示しないボール搬送経路と、ボール運搬部2910と、ボール運搬部走行スロープ2901とを有する。ボール搬送経路は、メインテーブル2501の前端下方に設けられ、その前端から落下したボールB1,B2をボール運搬部2910まで導く。ボール運搬部2910は、ボール搬送経路を介して受け取ったボールB1,B2をサテライト抽選装置2001へ運搬するための構成であり、ステーション部STの制御部の制御に従ってボール運搬部走行スロープ2901を走行する。なお、サテライト抽選装置2001へ運搬されたボールB1,B2は、ボールキャリア2520へ受け渡される。
【0056】
また、ステーション部STは、メダル払出機構2030を有し、このメダル払出機構を駆動することで、メインテーブル2501の前端からメダル落下溝へ落下したメダルMと同数のメダルMが、メダル投入機構2100の貯留部2101へ排出される。
【0057】
次に、本プッシャーゲーム機2000の制御系について説明する。
図6は、本プッシャーゲーム機2000のゲーム制御系の主要構成を示すブロック図である。なお、このブロック図は、説明の便宜上、ゲーム進行に応じて各部を駆動させるための駆動制御系等の構成については省略されている。
本プッシャーゲーム機2000におけるゲーム制御系の構成は、主に、ステーション部STの制御部2600と、サテライト抽選装置2001の制御部2610と、センター抽選装置2002の制御部2620とから構成される。ステーション部STの制御部2600は、主に後述のスロットゲーム及びビンゴゲームの全体的な進行制御を担い、サテライト抽選装置2001の制御部2610は、主にビンゴゲームの物理抽選の制御やボールB1,B2の搬送制御を担い、センター抽選装置2002の制御部2620は、主に後述する単体ジャックポット抽選の制御と、本プッシャーゲーム機2000の全体制御を担う。
【0058】
ステーション部STの制御部2600は、主に、制御装置2601と、ROM2602と、RAM2603と、通信装置2604と、識別情報受取手段としてのカードリーダー2605とから構成される。制御装置2601は、ROM2602に記憶されている各種プログラムを実行し、各種制御を行う。ROM2602は、ステーション部STの制御部2600で行うべき各種制御の実行プログラム等を記憶している。RAM2603は、各種データあるいは情報を一時的に記憶するものである。通信装置2604は、サテライト抽選装置2001の制御部2610との間でデータ通信を行うためのものである。カードリーダー2605は、ユーザーが所持するユーザーカードからカードIDを読み出すものである。なお、図示していないが、ステーション部STには、各種演出のためのスピーカーや照明装置等の演出手段が設けられており、制御装置2601は、これらの演出手段を制御して、各種演出を行う。
【0059】
サテライト抽選装置2001の制御部2610は、主に、制御装置2611と、ROM2612と、RAM2613と、ステーション側通信装置2614と、センター側通信装置2615とから構成される。制御装置2611は、ROM2612に記憶されている各種プログラムを実行し、各種制御を行う。ROM2612は、サテライト抽選装置2001の制御部2610で行うべき各種制御の実行プログラム等を記憶している。RAM2613は、各種データあるいは情報を一時的に記憶するものである。ステーション側通信装置2614は、当該サテライト部SAに属する各ステーション部STの制御部2600との間でデータ通信を行うためのものである。センター側通信装置2615は、センター抽選装置2002の制御部2620との間でデータ通信を行うためのものである。なお、図示していないが、サテライト部SAには、各種演出のためのスピーカーや照明装置等の演出手段が設けられており、制御装置2611は、これらの演出手段を制御して、各種演出を行う。
【0060】
センター抽選装置2002の制御部2620は、主に、制御装置2621と、ROM2622と、RAM2623と、通信装置2624と、外部通信装置2625とから構成される。制御装置2621は、ROM2622に記憶されている各種プログラムを実行し、各種制御を行う。ROM2622は、センター抽選装置2002の制御部2620で行うべき各種制御の実行プログラム等を記憶している。RAM2623は、各種データあるいは情報を一時的に記憶するものである。通信装置2624は、各サテライト部SAの制御部2610との間でデータ通信を行うためのものである。外部通信装置2625は、LANを介して店舗端末ユニット5000等の外部装置とデータ通信を行うためのものである。なお、図示していないが、センター抽選装置2002には、各種演出のためのスピーカーや照明装置等の演出手段が設けられており、制御装置2621は、これらの演出手段を制御して、各種演出を行う。
【0061】
以上の構成において、本プッシャーゲーム機2000では、プッシャーゲームのほか、図7に示すようなスロット用ゲーム画面を表示部2700に表示してスロットゲームを実行するとともに、図8に示すようなビンゴ用ゲーム画面を表示部2700に表示してビンゴゲームを実行する。本プッシャーゲーム機2000では、センター抽選装置2002を用いた単体ジャックポット抽選も行う。なお、表示部2700には、後述する単体ジャックポット抽選での払出枚数を示す単体累積メダル枚数と、後述する全体ジャックポット抽選での払出枚数を示す全体累積メダル枚数も表示される。
【0062】
スロットゲームは、主にステーション部STにおける制御部2600がデジタル的に抽選するデジタル抽選ゲームである。このスロットゲームの開始条件は、プッシャー部2510の傾斜テーブルに設けられたチャッカーの何れかにメダルMが進入することである。表示部2700には、後述のビンゴゲームが進行していない期間に、図7に示すようなスロット用ゲーム画面が表示され、チャッカーの何れかにメダルMが進入してスロット抽選開始条件が満たされると、制御部2600は、3つのダイス状スロットDSを回転させる表示制御を行う。スロットゲームにおけるデジタル抽選では、制御部が所定の抽選プログラムを実行し、生成した乱数が所定の当選テーブルに照らしていずれかの役に当選したか又はハズレたかを決定する。その後、制御部2600は、当選役が決定した場合には表示部2700にその当選役に係る図柄の組み合わせが停止表示するように、3つのダイス状スロットDSの回転を停止させる表示制御を行う。
【0063】
本実施形態では、デジタル抽選の役として、プレイフィールド2500へ3枚のメダルを供給する小当たり役A、プレイフィールド2500へ8枚のメダルを供給する小当たり役B、プレイフィールド2500へボールB1を供給するボール供給役、プレイフィールド2500へ30枚のメダルを供給する通常ボーナス役、プレイフィールド2500へ30枚のメダルを供給するとともに以後のデジタル抽選で当選確率が高めに設定された当選テーブルを用いる確変ボーナス役、サテライト抽選装置2001へボールB1を直接供給する直接サテライト役、センター抽選装置2002へボールB1を直接供給する直接センター役などが用意されている。各役の当選確率はこの順に低くなるように設定されている。なお、どのような役を用意し、各役をどのような当選確率に設定するかは任意である。例えば、メダルMをプレイヤーへ直接払い出すなど、種々の利益をプレイヤーへ与えるように構成しても良い。そして、これらの役に当選すると、ステーション部STの制御装置2601は、スピーカーや照明装置等を制御して、当選を盛り上げるための個別演出を行う。
【0064】
ビンゴゲームは、2種類のボールB1,B2とサテライト抽選装置2001とを用いた物理抽選により進行する物理抽選ゲームであり、サテライト抽選装置2001の制御部2610とステーション部STの制御部2600とによって進行する。なお、ビンゴゲームにおいて、サテライト抽選装置2001の制御部2610は主にビンゴゲームの当選ビンゴ数字を決定する抽選を制御し、そのサテライト抽選装置2001を含むサテライト部SAに属する各ステーション部STの制御部2600が主にビンゴゲームの演出やビンゴ成立の判定等の制御を担当する。本実施形態では、サテライト抽選装置2001でボールB1,B2を移動させることにより、互いに異なる複数のビンゴ数字(抽選対象)の中から1つの当選ビンゴ数字(当選対象)を選択するという物理抽選を行う。本実施形態の物理抽選では、「1」〜「9」のビンゴ数字の中から1つの当選ビンゴ数字を選択する。そして、これらの「1」〜「9」のビンゴ数字がマトリクス状に配列されたビンゴカードの配列情報を、例えばステーション部STの配列情報生成手段としての制御部2600で各ステーション部STごとに個別に生成する。その後、「1」〜「9」のビンゴ数字の画像(抽選対象画像)がその配列情報に従って配列されたビンゴカード画像BCが図8に示すように各ステーション部STの表示部2700に表示される。そして、ビンゴが成立したりしたときには、ステーション部STの制御装置2601やサテライト部SAの制御装置2611は、それぞれのスピーカーや照明装置等を制御して、ビンゴ成立を盛り上げるための個別演出を行う。
【0065】
単体ジャックポット抽選は、上述したビンゴゲームにおけるサテライト抽選装置2001での物理抽選でセンター抽選装置2002での単体ジャックポット抽選開始の権利が割り当てられた入賞スポットにボールB1,B2が入るか、上述したスロットゲームで直接センター役に当選するかのいずれかの単体ジャックポット抽選の開始条件を満たすと、センター抽選装置2002における制御部2620の制御装置2621は、ROM2622に記憶されている単体ジャックポット実行プログラムを実行し、単体ジャックポット抽選を開始する。そして、センター抽選装置2002において、ボールB1を移動させることにより、単体ジャックポット賞かハズレ(単体ジャックポット賞以外の賞に当選する場合を含む。)かを決定するという物理抽選を行う。そして、単体ジャックポット賞が当選すると、センター抽選装置2002の制御装置2621は、スピーカーや照明装置等を制御して、単体ジャックポット賞の当選を盛り上げるための個別演出を行う。
【0066】
また、単体ジャックポット賞が当選すると、制御装置2621は、RAM2623から払出量データである単体JP貯留枚数データを読み出し、そのデータのカウント値が示す枚数分のメダルMを、当該ジャックポット抽選の開始条件を満たしたステーション部STのプレイフィールド2500へ供給するための処理を行う。このとき、制御装置2621からステーション部STにおける制御部2600の制御装置2601へメダル供給命令を出力し、制御装置2601の制御の下で通常のメダル供給処理と同様の方法でメダルMをプレイフィールド2500へ供給するようにしてもよい。ただし、単体ジャックポット賞に入賞したときに供給されるメダル枚数は、単体JP貯留枚数データを初期値(例えば500枚)へリセットした時から、すべてのステーション部STへのメダル投入枚数の一部に相当する枚数(例えば0.03枚)を累積的に加算したものであるため、大量である。よって、通常のメダル供給処理とは別に、独自のメダル供給機構を用いた処理としてもよい。この場合、単体ジャックポット賞に入賞したときの演出としても好適である。また、単体ジャックポット賞が当選すると、制御装置2621は、RAM2623に記憶されている単体JP貯留枚数データを初期値にリセットする。
【0067】
プレイヤーは、本プッシャーゲーム機2000でプレイする場合、そのプレイ前にユーザーカードを図示しないカード読取面にかざす。これにより、そのユーザーカードからカードIDがカードリーダー2605によって読み取られ、そのカードIDがRAM2603に記憶される。このRAM2603には、そのプレイヤーが本プッシャーゲーム機2000でのプレイ情報(累積メダル投入数、スロットゲームで当選した役、ビンゴゲームでビンゴが成立した回数、単体ジャックポット賞に当選した回数等)がそのカードIDに関連づけられた状態で記憶される。そして、ユーザーカードを使用してプレイするプレイヤーがゲームを終了するときには、RAM2603に記憶されているプレイ情報が、そのカードIDに関連づけられた状態で、店舗端末ユニットに保存される。プレイヤーが次回プレイ前にカード読取面に自分のユーザーカードをかざすと、そのユーザーカード内のカードIDに対応するプレイ情報が店舗端末ユニットからダウンロードされ、これらのデータがRAM2603に記憶されて、そのプレイでのプレイ結果がそのプレイ情報に追加される。
【0068】
本プッシャーゲーム機2000においては、後述する自己のプール率を示すプール率データと、自己のトータル設定ペイアウト率を示す設定ペイアウト率データが、センター抽選装置2002のプール率記憶手段及び設定ペイアウト率記憶手段としてのRAM2623に記憶されている。そして、ステーション部STの制御装置2601は、過去のスロットゲーム、ビンゴゲーム及び単体ジャックポット抽選等(全体ジャックポット抽選以外のゲーム)においてプレイヤーが消費したメダル枚数に対する実際にプレイヤーへ払い出したメダル枚数の比率(通常実質ペイアウト率)が、トータル設定ペイアウト率からプール率を差し引いた通常設定ペイアウト率に近づくように、例えばスロットゲームの当選確率を調整する。これにより、長期的に見れば、通常実質ペイアウト率を通常設定ペイアウト率に近づけることができ、店舗の安定した収益を確保することができる。なお、通常実質ペイアウト率の調整方法はスロットゲームの当選確率を調整する方法に限られない。
【0069】
〔スロットマシン3000〕
次に、メダルゲーム機3000について説明する。
メダルゲーム機3000は、ゲーム装置としてのスロットマシンである。
図9は、本実施形態に係るスロットマシン3000の外観を示す斜視図である。
このスロットマシン3000は、箱型の筺体3002、この筺体3002の前面側に開閉自在に取り付けられた前面パネル3003などを有する。前面パネル3003には、後述の変動表示ユニットの一部を表示するための表示窓3004、メダル投入口3005、開始操作装置としてのスタートボタン3006、ダイス表示窓3007、クレジット清算ボタン3008、スピーカー3009、メダル払出ロ3010aを有するメダル受皿3010、演出パネル3011、カード読取面3013a、カウント表示部3014、BET操作部3015などが設けられている。スピーカー3009及び演出パネル3011は、本スロットマシン3000の演出手段として機能する。また、演出パネル3011には、後述する全体ジャックポット抽選での払出枚数を示す全体累積メダル枚数等の各種情報が表示される。
【0070】
筺体3002の内部には、外周面上に複数種の図柄がプリントされた3個の変動表示部としてのリールが組み込まれている。3つのリール(以下、順に「左リール」、「中リール」、「右リール」という。)は、それぞれ、ステッピングモータで構成された図示しないリール駆動モータによって回転駆動するようになっている。また、これらには、「白7」、「青7」、「緑7」、「赤7」、「チェリー」、「ブランク」等の複数種の図柄が所定の順序でプリントされている。なお、本実施形態において、「ブランク」の図柄は、いずれの役も構成しない図柄である。また、CPUやROMその他種々の電子部品によって電子回路が形成されたメイン制御回路基板、メダルを多数枚収容可能なメダルホッパを持つメダル払出装置、内部スピーカーなども組み込まれている。
【0071】
図10は、前面パネル3003の一部を示す詳細正面図である。
各リールの所定の回転位置における約3コマ分の図柄は、表示窓3004を通してプレイヤーに視認されるようになっている。この表示窓3004には、すべてのリールにまたがるように5本の入賞ラインILが描かれている。これらの入賞ラインIL上に予め定められた賞群に対応する役に係る図柄の組合せが揃う(以下、単に「役が揃う」という。)と、メダル受皿3010にメダルが払い出されたり、特別ゲームを行うことができる特別ゲーム期間に移行したりというゲーム価値がプレイヤーに付与される。なお、本実施形態にかかるスロットマシン3000では、5本の入賞ラインILを設けているが、入賞ライン数をこれより少なくあるいは多くしてもよい。また、入賞ラインは、プレイヤーにより視認できるものでなく、スロットマシンの停止制御を行う後述のCPU17aが認識できるものであればよい。
カウント表示部3014は、クレジット表示器3014a、ボーナスカウント表示部3014b、メダル払出枚数表示器3014cなどを備えている。
また、BET操作部3015は、1BETボタン3015a、マックスBETボタン3015bの2つのボタンから構成されている。
【0072】
図11は、本スロットマシン3000の主要構成に関わる制御ブロック図である。
本スロットマシン3000のメイン制御部3100は、制御装置3101と、3つのリールの駆動制御を行うリール制御装置3102と、ゲームに必要な各種プログラムおよび各種データベース等が記憶された記憶装置3103と、カウント表示部3014の表示制御を行う表示制御装置3104と、演出パネル3011等の照明を制御する照明制御装置3105と、スピーカー3009から出力する音を制御する音響制御装置3106と、LANを介して店舗端末ユニット5000等の外部装置とデータ通信を行うための外部通信装置3107とを備える。メイン制御装置1101は、これらの装置のほか、メダル投入センサ3022、カード読取面3013aにかざされたユーザーカードからカードIDを読み取る識別情報受取手段としてのカードリーダー3013、BET操作部3015、メダル払出装置3018などにも接続されている。
【0073】
次に、本スロットマシン3000のゲームの流れについて説明する。
ゲームを行う前に、まず、プレイヤーは、その準備として、メダルをメダル投入口3005に投入する必要がある。プレイヤーによってメダルがメダル投入口3005に投入されると、このメダルは図示しない通路を通ってメダルホッパに落ちる。この通路には、規定よりも小さいメダルを落とし込んでメダル払出ロ3010aに戻すための落下口、メダルの通過を阻止してメダル払出ロ3010aに戻したり許可したりするためのメダルブロックソレノイド、通過したメダルを1つずつ検知するためのフォトセンサ等で構成されたメダル投入センサ3022などが設けられている。メダルを検知したメダル投入センサ3022から出力されるメダル検知信号は、メイン制御部3100の制御装置3101に送られる。これを受けて、制御装置3101は、表示制御装置3104により、クレジット表示器3014aに表示カウント値を1つ増加させるための制御を行うとともに、記憶装置3103に格納されたクレジット枚数データを1つ増加させる。通常は、複数枚のメダルを一度に投入して、クレジット枚数をある程度多くしておく。そして、プレイヤーがBET操作部3015を操作してベット操作を行うと、制御装置3101は、記憶装置3103に格納されたクレジット枚数データをベット枚数分だけ減らすとともに、クレジット表示器3014aの表示カウント値をベット枚数分だけ減らすための制御を行う。また、制御装置3101は、ベット枚数に応じて有効になった入賞ラインILを認識する。なお、有効な入賞ラインIL上に役が揃わないと、有効でない入賞ラインIL上で役が揃っても入賞とはならない。
【0074】
プレイヤーによりスタートボタン3006が操作されると、制御装置3101は、記憶装置3103に格納されている開始命令受付プログラムを実行することで、開始命令受付手段として機能し、そのスタートボタン3006からの変動表示開始命令を受け付ける。この変動表示開始命令を受け付けた制御装置3101は、まず、リール制御装置3102により、すべてのリールの回転駆動を開始させる。また、変動表示開始命令を受け付けた制御装置3101は、記憶装置3103に格納されている賞群抽選プログラムを実行することで、複数の賞群の中からいずれかの賞群が選択される当選又はいずれの賞群も選択されないハズレを決定する内部抽選を行う手段として機能し、内部抽選を行う。この内部抽選は、乱数発生回路から送られてくる乱数のデータを、記憶装置3103に記憶されている賞群抽選テーブルに照らし合わせて行う。この賞群抽選テーブルは、各乱数と、賞群のいずれか又はハズレとを関連付けたものである。このように関連付けられることで、いずれかの賞群がそれぞれ所定の確率で当選したり、ハズレが所定確率で発生したりする。
【0075】
回転駆動を開始したリールの回転位置は、図示しないリール位置センサによってそれぞれ検知される。そして、リール制御装置3102は、各リール位置センサからの出力信号に基づいて、リールの回転速度を演算していく。リールの回転速度が安定化したら、リール制御装置3102は、各リール位置センサからの出力信号に基づいて、各リール上の各図柄の位置を認識することができる。そして、制御装置3101は、記憶装置3103に格納されている停止制御プログラムを実行し、上記内部抽選の抽選結果に基づいて、入賞ライン上に所定の図柄の組合せが停止表示するように、リール制御装置3102によってリールの停止制御を行う。具体的には、内部抽選によりいずれかの賞群が当選した場合、その当選した賞群に対応する役に係る図柄の組合せが入賞ラインIL上に停止表示するように停止制御を行う。一方、内部抽選によりいずれの賞群も選択されずにハズレた場合には、いずれの賞群にも対応しない図柄の組合せを入賞ラインIL上に停止表示するように停止制御を行う。
【0076】
通常ゲームにおいては、その通常ゲームに対応する賞群抽選テーブルを用いて内部抽選を行う。この通常ゲームの内部抽選で当選し得る賞群には、「チェリー−ANY(図柄を問わない)−ANY(図柄を問わず)」からなるチェリー役に対応するチェリー賞、「ANY7(「7」の色を問わない)−ANY7(「7」の色を問わない)−ANY7(「7」の色を問わない)」であって複数色の「7」からなるANY7役に対応するANY7賞、「白7−白7−白7」とからなる白7役に対応する白7賞、「青7−青7−青7」とからなる青7役に対応する青7賞、「緑7−緑7−緑7」とからなる緑7役に対応する緑7賞、「赤7−赤7−赤7」とからなる赤7役に対応する赤7賞などのメダル払出賞がある。内部抽選によりメダル払出賞のいずれかが当選してこれに対応する役が入賞ラインIL上に揃うと、制御装置3101は、カウント表示部3014のメダル払出枚数表示器3014cに、入賞した賞に対応するメダル払出枚数を表示させる。そして、制御装置3101は、入賞した賞に応じた枚数のメダル払出処理を行う。具体的には、制御装置3101は、記憶装置3103に格納されたクレジット枚数データをこのメダル払出枚数の分だけ増加させるともに、クレジット表示器3014aのメダルクレジットをこのメダル払出枚数の分だけ増加させる制御を行う。メダルクレジットの上限値を越えた場合には、越えた分については、メダル払出装置3018により、メダル払出ロ3010aからメダル受皿3010へメダルを払い出す。なお、上記賞群の記載順にしたがって払い出されるメダル枚数が多い。
【0077】
プレイヤーは、本スロットマシン3000でプレイする場合、そのプレイ前にユーザーカードをカード読取面3013aにかざす。これにより、そのユーザーカードからカードIDがカードリーダー3013によって読み取られ、そのカードIDが記憶装置3103に記憶される。この記憶装置3103には、そのプレイヤーが本スロットマシン3000でのプレイ情報(累積メダル投入数、赤7賞等に当選した回数等)がそのカードIDに関連づけられた状態で記憶される。そして、ユーザーカードを使用してプレイするプレイヤーがゲームを終了するときには、記憶装置3103に記憶されているプレイ情報が、そのカードIDに関連づけられた状態で、店舗端末ユニットに保存される。プレイヤーが次回プレイ前にカード読取面3013aに自分のユーザーカードをかざすと、そのユーザーカード内のカードIDに対応するプレイ情報が店舗端末ユニットからダウンロードされ、これらのデータが記憶装置3103に記憶されて、そのプレイでのプレイ結果がそのプレイ情報に追加される。
【0078】
本プッシャーゲーム機2000においては、後述する自己のプール率を示すプール率データと、自己のトータル設定ペイアウト率を示す設定ペイアウト率データが、プール率記憶手段及び設定ペイアウト率記憶手段としての記憶装置3103に記憶されている。そして、制御装置3101は、過去のスロットゲームにおいてプレイヤーが消費したメダル枚数に対する実際にプレイヤーへ払い出したメダル枚数の比率(通常実質ペイアウト率)が、トータル設定ペイアウト率からプール率を差し引いた通常設定ペイアウト率に近づくように、例えば内部抽選の当選確率を調整する。これにより、長期的に見れば、通常実質ペイアウト率を通常設定ペイアウト率に近づけることができ、店舗の安定した収益を確保することができる。なお、通常実質ペイアウト率の調整方法は内部抽選の当選確率を調整する方法に限られない。
【0079】
〔ジャックポットシステム〕
次に、本システムにおいて行われる全体ジャックポット抽選について説明する。
図12は、各店舗端末ユニット5000とともに全体ジャックポット抽選の進行制御を行う管理サーバ4000の制御ブロック図である。
この管理サーバ4000は、主に、制御装置4001、払出量記憶手段、グループ別ジャックポット収支量記憶手段、グループ別最大損失量記憶手段及びグループ別当選間累積プール量記憶手段としての記憶装置4002、外部通信装置4003から構成されている。記憶装置4002は、各種の制御プログラムや、本システム全体の払出量データである全体累積メダル枚数データを記憶している。また、記憶装置4002は、店舗端末ユニット5000から送られてくる各店舗のプール枚数(当該店舗内に設置されたメダルゲーム機全体の合計プール枚数)の初期時点(所定時点)からの累積値(グループ別累積プール量)から、その店舗でジャックポット賞の払い出しを行った初期時点からの払出総枚数(グループ別ジャックポット払出総量)を差し引いた店舗別JP収支枚数(グループ別ジャックポット収支量)を示す店舗別JP収支枚数データ(グループ別ジャックポット収支量データ)も記憶している。また、記憶装置4002は、各店舗ごとに設定される店舗別最大損失枚数(グループ別最大損失量)を示す店舗別最大損失枚数データ(グループ別最大損失量データ)も記憶している。また、記憶装置4002は、前回のジャックポット賞当選以後の各店舗のプール量を店舗ごとに合計した店舗別JP当選間プール枚数(グループ別当選間プール量)を示す店舗別JP当選間プール枚数データ(グループ別当選間プール量データ)も記憶している。外部通信装置4003は、WANを介して各店舗の店舗端末ユニット5000等の外部装置とデータ通信を行うためのものである。
【0080】
図13は、店舗内ジャックポット抽選の進行制御を含む店舗内のシステムを管理するとともに、管理サーバ4000及び当該店舗の各メダルゲーム機との間でデータ通信を行うための店舗端末ユニット5000の外観図である。
図14は、店舗端末ユニット5000の制御ブロック図である。
この店舗端末ユニット5000は、主に、制御装置5001、装置別ジャックポット収支量記憶手段及び装置別最大損失量記憶手段としての記憶装置5002、外部通信装置5003、店舗内通信装置5004、表示装置5005、操作受付手段としてのタッチパネル5006、カードリーダー5007、メダル払出装置5008から構成されている。記憶装置5002は、各種の制御プログラムを記憶している。また、記憶装置4002は、本ゲームシステムを構成する本店舗内の各メダルゲーム機1000,2000,3000がプレイヤーから受け付けた初期時点からの各メダル枚数(メダル受付量)の累積値(装置別累積プール量)から、そのメダルゲーム機でジャックポット賞の払い出しを行った初期時点からの払出総枚数(装置別ジャックポット払出総量)を差し引いた装置別JP収支枚数(装置別ジャックポット収支量)を示す装置別JP収支枚数データ(装置別ジャックポット収支量データ)も記憶している。また、記憶装置4002は、各メダルゲーム機1000,2000,3000ごとに設定される装置別最大損失枚数(装置別最大損失量)を示す装置別最大損失枚数データ(装置別最大損失量データ)も記憶している。また、記憶装置5002は、本ゲームシステムを構成する本店舗内の各メダルゲーム機1000,2000,3000が前回のジャックポット賞当選以後にプレイヤーから受け付けたメダル枚数(メダル受付量)に各メダルゲーム機ごとに設定されたプール率を乗じて得られる装置別JP当選間プール枚数(装置別当選間プール量)を示す装置別JP当選間プール枚数データ(装置別当選間プール量データ)を、メダルゲーム機1000,2000,3000ごとに記憶している。また、記憶装置5002は、管理サーバ4000から送られてくる全体累積メダル枚数データや、各メダルゲーム機1000,2000,3000のプール率データも記憶している。外部通信装置5003は、WANを介して管理サーバ4000等の外部装置とデータ通信を行うためのものである。店舗内通信装置5004は、LANを介して各メダルゲーム機1000,2000,3000等とデータ通信を行うためのものである。表示装置5005は、各種操作画面等の情報を表示するためのものである。タッチパネル5006は、ユーザーや店舗管理者等の操作を受け付けるためのものである。カードリーダー5007は、ユーザーが所持するユーザーカードからカードIDを読み出すものである。メダル払出装置5008は、メダル払出口5008aからメダルを払い出すためのものである。
【0081】
図15は、本実施形態における全体ジャックポット抽選の流れを示すシーケンスフロー図である。なお、図15では、説明上、メダルゲーム機及び店舗端末ユニットについてはそれぞれ1つずつ表示している。
本ゲームシステムにおいて、各メダルゲーム機1000,2000,3000においてプレイヤーがメダルを消費すると、その消費分を示すデータがその店舗の店舗端末ユニット5000に送られる。店舗端末ユニット5000の制御装置5001は、この店舗端末ユニット5000に接続された店舗内のメダルゲーム機1000,2000,3000ごとに、各メダルゲーム機から送られてくるデータに基づき、そのメダルゲーム機でプレイヤーが消費したメダル枚数に、そのメダルゲーム機に対応するプール率データが示すプール率を乗じて得られるメダル枚数を、記憶装置5002内の装置別JP収支枚数データ、装置別JP当選間プール枚数データにそれぞれ累積的に加算する処理を行う。例えば、プール率が1%に設定されているメダルゲーム機では、プレイヤーがメダルを1枚消費するごとに、装置別JP収支枚数データが示す装置別JP収支枚数と、装置別JP当選間プール枚数データが示す装置別JP当選間プール枚数とに、それぞれ0.01枚が加算される。同様に、プール率が2%に設定されているメダルゲーム機では、プレイヤーがメダルを1枚消費するごとに、装置別JP収支枚数データが示す装置別JP収支枚数と、装置別JP当選間プール枚数データが示す装置別JP当選間プール枚数とに、それぞれ0.02枚が加算される。
【0082】
また、店舗端末ユニット5000の制御装置5001は、各メダルゲーム機から送られてくるデータに基づき、この店舗端末ユニット5000に接続された店舗内のメダルゲーム機1000,2000,3000にそれぞれ対応する装置別JP収支枚数の合計枚数に相当する店舗別JP収支枚数を示す店舗別JP収支枚数データも、記憶装置5002に累積的に記憶する。また、各メダルゲーム機から送られてくるデータに基づき、この店舗端末ユニット5000に接続された店舗内のメダルゲーム機1000,2000,3000にそれぞれ対応する装置別JP当選間プール枚数の合計枚数に相当する店舗別JP当選間プール枚数を示す店舗別JP当選間プール枚数データも、記憶装置5002に累積的に記憶する。そして、制御装置5001は、記憶装置5002内の店舗別JP収支枚数データ及び店舗別JP当選間プール枚数データを、所定のタイミングで管理サーバ4000へ送信する。なお、ここで送信する店舗別JP収支枚数データ及び店舗別JP当選間プール枚数データは、前回の送信時点から今回の送信時点までの間に累積的に記憶された分である。
【0083】
管理サーバ4000は、各店舗端末ユニット5000から送られてくる店舗別JP収支枚数データを受信するたびに、そのデータが示す店舗別JP収支枚数分のメダル枚数を、記憶装置4002内のその店舗に対応する店舗別JP収支枚数データに累積的に加算していく。また、管理サーバ4000は、各店舗端末ユニット5000から送られてくる店舗別JP当選間プール枚数データを受信するたびに、そのデータが示す店舗別JP当選間プール枚数分のメダル枚数を、記憶装置4002内のその店舗に対応する店舗別JP当選間プール枚数データに累積的に加算していく。このようにして、店舗ごとの店舗別JP収支枚数及び店舗別JP当選間プール枚数が集計される。
また、管理サーバ4000は、各店舗端末ユニット5000から送られてくる店舗別JP当選間プール枚数データを受信するたびに、そのデータが示す分のメダル枚数を記憶装置4002内の全体累積メダル枚数データに累積的に加算していく。これにより、本ゲームシステムを構成するすべてのメダルゲーム機で消費された前回のジャックポット当選時点からのメダル枚数に個々のメダルゲーム機のプール率を乗じて得られる各メダルゲーム機のプール量の合計が、全体累積メダル枚数データとして集計される。なお、本実施形態では、全体累積メダル枚数データの初期値を例えば1000枚とし、この初期値に店舗別JP当選間プール枚数を累積的に加算していく。この初期値は固定値である必要はなく、適宜変わるものであってもよい。
【0084】
本実施形態では、上述したプッシャーゲーム機2000でも、単体ジャックポット抽選を行うが、この単体ジャックポット抽選の累積メダル枚数データは、そのプッシャーゲーム機2000で消費されたメダル枚数のみから計算されるものである。一方、管理サーバ4000で管理運営する全体ジャックポット抽選の全体累積メダル枚数データは、本ゲームシステムを構成する複数店舗に設置される全メダルゲーム機で消費されたメダル枚数から計算されるものである。よって、ジャックポット抽選で当選したときにその当選者に払い出されるメダル枚数を多くすることができる。
【0085】
具体的な処理の流れについて説明すると、管理サーバ4000の制御装置4001は、各店舗端末ユニット5000から所定のタイミング(例えば10分ごと)で送信される店舗別JP当選間プール枚数データ及び店舗別JP収支枚数データを受信することにより、上述したように、その店舗についての店舗別JP当選間プール枚数データ及び店舗別JP収支枚数データの集計と全体累積メダル枚数データの集計を行う。その後、この時点において記憶装置4002に記憶されている全体累積メダル枚数データを、先ほど受信したデータの送信元である店舗端末ユニット5000に送信する。これを受信した店舗端末ユニット5000は、その全体累積メダル枚数データを各メダルゲーム機1000,2000,3000に送信する。そして、これを受けた各メダルゲーム機1000,2000,3000では、それぞれの全体累積メダル枚数の表示を受信した全体累積メダル枚数データに基づいて更新する。本実施形態では、全体累積メダル枚数を各メダルゲーム機において個別に表示する場合であるが、店舗内に全体累積メダル枚数を表示する表示装置を設け、各メダルゲーム機では個別表示しないように構成してもよい。
【0086】
本実施形態における全体ジャックポット抽選の開始条件は、管理サーバ4000が店舗端末ユニット5000から店舗別JP当選間プール枚数データ及び店舗別JP収支枚数データを受信することである。
本実施形態では、管理サーバ4000の制御装置4001は、各店舗端末ユニット5000からの店舗別JP当選間プール枚数データ及び店舗別JP収支枚数データを受信すると、全体ジャックポット抽選プログラムを実行し、生成された乱数が所定の当選テーブルに照らして、そのデータの送信元の店舗について当選か又はハズレかを決定する全体ジャックポット抽選(グループ抽選)を行う。
【0087】
ここで、本実施形態では、各店舗端末ユニット5000からの店舗別JP当選間プール枚数データ及び店舗別JP収支枚数データを受信した制御装置4001は、全体ジャックポット抽選を行う前に、その全体ジャックポット抽選で使用する当選テーブルの変更処理を行う。
具体的には、まず、制御装置4001は、記憶装置4002に記憶されている各店舗の店舗別JP収支枚数データ及び店舗別最大損失枚数データを参照して、店舗別JP収支枚数と店舗別最大損失枚数との合計枚数が全体累積メダル枚数データ以上である店舗を選択する処理を行う。この処理において選択された店舗はグループ抽選の抽選対象となる。そして、抽選対象として選択された店舗についての店舗別JP当選間プール枚数データを参照し、店舗別JP当選間プール枚数の多い店舗ほど当選確率が高くなるように、当選テーブルを変更する処理を行う。その結果、店舗別JP収支枚数と店舗別最大損失枚数との合計枚数が全体累積メダル枚数データ以上であるという条件を満たさない店舗の当選確率はゼロであり、この条件を満たした店舗の当選確率がその店舗別JP当選間プール枚数が多いほど高くなるように変更された当選テーブルが生成される。このようにして生成された当選テーブルを用いて全体ジャックポット抽選(グループ抽選)を行い、当選が決定されると、制御装置4001は、その抽選の開始条件となった店舗別JP当選間プール枚数データを送信した店舗端末ユニット5000に対し、全体ジャックポット抽選で当選した旨の当選データを送信する。
【0088】
なお、ここでは、上記条件を満たさない店舗についてはグループ抽選の抽選対象から外す処理を行うことで、その店舗からジャックポット賞の当選者が出ないようにしているが、他の方法を採用してもよい。例えば、上記条件を満たさない店舗も含めて全店舗を抽選対象としたグループ抽選を行い、その抽選で上記条件を満たさない店舗が当選した場合には、その当選を取り消してハズレを決定するように処理してもよい。なお、この場合のグループ抽選も、店舗別JP当選間プール枚数の多い店舗ほど当選確率が高くなるように当選テーブルを変更してもよい。
【0089】
また、ジャックポット抽選の他の方法としては、例えば次のような方法も挙げられる。すなわち、管理サーバ4000の制御装置4001は、いずれかの店舗端末ユニット5000から店舗別JP当選間プール枚数データを受信すると、全体ジャックポット抽選プログラムを実行し、生成された乱数が所定の当選テーブルに照らしていずれの店舗が当選したか又はいずれの店舗も当選しないハズレであるかを決定する全体ジャックポット抽選を行う。この全体ジャックポット抽選では、必ずしも当選する店舗が決まらなくても良い。したがって、全体ジャックポット抽選ではいずれの店舗も当選しない場合があり得る。全体ジャックポット抽選でいずれかの店舗の当選が決定された場合、制御装置4001は、その当選に係る店舗の店舗端末ユニット5000に対し、全体ジャックポット抽選で当選した旨の当選データを送信する。なお、この方法においても、全体ジャックポット抽選を行う前に、その全体ジャックポット抽選で使用する当選テーブルの変更処理を行う。
【0090】
なお、全体ジャックポット抽選の開始条件は、上述した条件に限らず、適当な時間間隔で発生し得る何らかの条件であればどのような条件であってもよい。例えば、予め決められた一定時間が経過するという条件を全体ジャックポット抽選の開始条件としてもよい。
【0091】
また、本実施形態においては、各店舗の店舗別最大損失枚数データを変更できるように構成されている。具体的には、まず、店舗の管理者が、店舗端末ユニット5000に対して所定の呼び出し操作を行うことで、制御装置5001は、表示装置5005に設定変更画面を表示させる処理を行う。なお、この呼び出し操作は、ユーザーなどの店舗の管理者以外の者が勝手に行うことができないように、その呼び出し操作を行うための操作手段を施錠しておくなどの対策を施すのが好ましい。表示装置5005に表示される設定変更画面には、本店舗についての変更後の店舗別最大損失枚数を入力するために必要な各種ボタン画像が表示されている。設定変更画面において、店舗の管理者等が店舗別最大損失枚数を入力する操作を行うと、その操作信号が変更操作受付手段としてのタッチパネル5006から制御装置5001へ送信される。これを受けた制御装置5001は、記憶装置5002に記憶されている店舗別最大損失枚数データを、その操作信号に係る店舗別最大損失枚数を示すものに変更する処理を行う。また、店舗別最大損失枚数データを変更した制御装置5001は、変更後の店舗別最大損失枚数データを管理サーバ4000へ送信する処理も行う。これを受信した管理サーバ4000の制御装置4001は、グループ別最大損失量変更手段として機能し、記憶装置4002に記憶されているその店舗の店舗別最大損失枚数データを、受信した店舗別最大損失枚数データに変更する処理を行う。
【0092】
当選データを受信した店舗端末ユニット5000は、これに接続された店舗内のメダルゲーム機1000,2000,3000でプレイするどのプレイヤーを全体ジャックポット賞の当選者とするかを決定するための処理を行う。この処理では、その店舗内から全体ジャックポット抽選の当選者が出たことを知らせ、自分が当選者かも知れないという期待感を起こさせたり、だれが当選したのかという興味を沸かせたりして、店舗全体でプレイヤーやギャラリー等の注目を集めるための全体演出(以下「全体ジャックポット演出」という。)を行う。この全体ジャックポット演出は、店舗内の全メダルゲーム機1000,2000,3000で同時に行う必要があるが、各メダルゲーム機1000,2000,3000でのゲーム進行との関係で、その演出を行う時期(全体ジャックポット演出時期)を調整する必要がある。なぜなら、各メダルゲーム機1000,2000,3000は、それぞれ独自にゲームを進行しており、その進行状況によってはそのゲーム進行を全体ジャックポット演出で妨げることがプレイヤーの楽しみを大きく低下させて好ましくない場合があるからである。
【0093】
例えば、競馬ゲーム機1000では、フィールド部1002を用いたレース再現中に、突然、全体ジャックポット演出が始まると、その競馬ゲーム機本来のゲームの盛り上がりを著しく低下させてしまい、好ましくない。また、例えば、プッシャーゲーム機2000では、ビンゴゲームの物理抽選や単体ジャックポット抽選のように大量のメダル払い出しが期待できるような抽選の最中に、突然、全体ジャックポット演出が始まると、そのプッシャーゲーム機本来のゲームの盛り上がりを著しく低下させてしまい、好ましくない。また、例えば、スロットマシン3000では、緑7賞や赤7賞等の大量のメダル払い出しが決定したときの当選演出の最中に、突然、全体ジャックポット演出が始まると、プレイヤーの喜びを著しく低下させてしまい、好ましくない。
【0094】
一方で、それぞれのメダルゲーム機1000,2000,3000には、それぞれのゲーム進行を全体ジャックポット演出で妨げても、そのメダルゲーム機本来の楽しさを低下させる等の悪影響が少ない時期も存在する。例えば、競馬ゲーム機1000では、プレイヤーによるメダルをベットのための時期すなわち馬券を購入するための時期であれば、悪影響が少なく、全体ジャックポット演出を開始させるのに適している。また、例えば、プッシャーゲーム機2000では、大量のメダル払い出しが期待できる抽選の最中やその当選演出の最中を除いた時期であれば、悪影響が少なく、全体ジャックポット演出を開始させるのに適している。また、例えば、スロットマシン3000では、1回のスロットゲームを終了してから次のスロットゲームを開始するまでの間、具体的には、前回のスロットゲームにおけるハズレが決定した後や当選演出が終了した後から、次のスロットゲームのスタートボタン3006が操作される前までの時期であれば、悪影響が少なく、全体ジャックポット演出を開始させるのに適している。
本実施形態の各メダルゲーム機1000,2000,3000では、ここに例示したゲーム進行状況が全体ジャックポット演出を行い得る状況として、予め設定されている。
【0095】
図16は、全体ジャックポット演出時期の決定処理を説明するためのシーケンスフロー図である。
当選データを受信した店舗端末ユニット5000は、まず、全メダルゲーム機1000,2000,3000に対し、LANを通じて、ゲーム進行状況が全体ジャックポット演出を行い得る状況になる時期を問い合わせる。この問い合わせに対し、各メダルゲーム機1000,2000,3000の制御装置1101,2621,3101は、それ単体で又は他の制御装置1201,2601,2611と協働して、それぞれのゲーム進行状況が予め決められている上述した設定状況になる時期を予測するための処理を行う。そして、各メダルゲーム機1000,2000,3000の制御装置1101,2621,3101は、予測した時期を示す全体演出可能時期情報を、外部通信装置1108,2625,3107から店舗端末ユニット5000へ返信する。店舗端末ユニット5000の制御装置5001は、各メダルゲーム機1000,2000,3000から送られてくる全体演出可能時期情報に基づいて全体ジャックポット演出を行う全体演出時期を決定する。具体的には、各全体演出可能時期情報に基づき、全メダルゲーム機1000,2000,3000の全体演出可能時期が互いに重複する最も早い時期を特定し、これを全体演出時期として決定する。そして、決定した全体演出時期の情報を各メダルゲーム機1000,2000,3000に送信する。これを受信した各メダルゲーム機では、その決定した全体演出時期に、自らのゲーム進行状況が全体ジャックポット演出を行い得る予め決められた上述の設定状況となるように、ゲーム進行を制御する。なお、具体的な制御の方法は、上述した設定状況を各メダルゲーム機1000,2000,3000に記憶しておいて、この記憶されている設定状況の情報を読み出してゲーム進行制御を行うか、あるいは、上述した設定状況を予めゲーム進行制御用のプログラムに組み込んでおき、そのプログラムの内容に従ってゲーム進行制御を行う。
【0096】
なお、店舗端末ユニット5000の制御装置5001が決定した全体演出時期にちょうど上述の設定状況となるようにするには、個々のメダルゲーム機1000,2000,3000でゲーム進行の微調整を行う必要が生じることがある。
この微調整の方法としては、競馬ゲーム機1000では、例えば、各レース終了後に実行するレース再現ムービーの再生処理において、レース再現ムービーの再生時間を短くしたり長くしたりする方法が挙げられる。具体的には、レース再現ムービーの再現開始時をレースの中盤とするか終盤とするか等によって再生時間を短くしたり長くしたりすることができる。
また、プッシャーゲーム機2000では、例えば、各ステーション部STで行われるスロットゲームにおいて、3つのダイス状スロットDSの回転を開始してから停止させるまでの時間を長くしたり短くしたりする表示制御によって微調整を行う方法が挙げられる。具体的には、例えば3つのダイス状スロットDSの回転を開始してから停止させるまでの映像の再生速度を長くしたり短くしたりするようにしてもよい。この場合、映像自体の編集が必要ないので、表示処理が容易である。
また、スロットマシン3000では、例えば、3つのリールの回転を開始してからこれらを停止させるまでの時間を長くしたり短くしたりする駆動制御によって微調整を行う方法が挙げられる。
【0097】
なお、微調整の方法は、上述したものに限らず、各メダルゲーム機1000,2000,3000のゲーム内容等に応じて適宜決定される。
特に、デジタル抽選を行うゲーム機であれば、上記プッシャーゲーム機2000のようにその抽選演出用の映像を表示する時間を長くしたり短くしたりする方法が有効である。
【0098】
なお、全体演出時期の決定方法はこれに限らない。
例えば、各メダルゲーム機1000,2000,3000に全体演出可能時期を問い合わせるようなことをせずに、所定の全体演出時期決定条件に従って全体演出時期を決定する。そして、決定した全体演出時期を各メダルゲーム機1000,2000,3000に送信し、各メダルゲーム機において、その決定した全体演出時期に、自らのゲーム進行状況が全体ジャックポット演出を行い得る予め決められた上述の設定状況となるように、ゲーム進行の制御を行わせるようにしてもよい。この方法は、本ゲームシステムを構成するメダルゲーム機がゲーム進行状況のコントロールの自由度が高いものである場合に特に有効である。
【0099】
店舗端末ユニット5000が決定した全体演出時期が到来すると、図15に示すように、店舗端末ユニット5000の制御装置5001は、各メダルゲーム機1000,2000,3000でプレイしているプレイヤーを認識するためのプレイヤー在席確認処理を行う。具体的には、全メダルゲーム機1000,2000,3000に対し、LANを通じて、プレイヤーの在席確認を問い合わせる。この問い合わせを受けたメダルゲーム機1000,2000,3000では、それぞれ、プレイヤー在席確認処理を行う。具体的には、各メダルゲーム機1000,2000,3000それぞれのカードリーダーでカードIDを読み取っている場合には、プレイヤーが存在すると判断する。なお、プレイヤー在席確認の方法は、上記の例に限らず、他のあらゆる方法を採用することができる。
【0100】
各メダルゲーム機1000,2000,3000は、プレイヤーの在席確認処理を行ったら、その処理結果である在席確認情報を外部通信装置1108,2625,3107から店舗端末ユニット5000へ返信する。店舗端末ユニット5000の制御装置5001は、各メダルゲーム機1000,2000,3000から送られてくる在席確認情報に基づいて特定される、プレイヤーがプレイしているステーション若しくはステーション部又はスロットマシン(以下「ステーション等」という。)を認識する。そして、制御装置5001は、当選者決定抽選プログラムを実行し、認識したステーション等をそれぞれ抽選対象とし、いずれの抽選対象が当選するかを決定する当選者決定抽選処理を行う。具体的には、各抽選対象が均等な当選確率である当選テーブルを生成し、この当選テーブルに照らして生成された乱数に対応する抽選対象を選定し、選定した抽選対象を当選したと決定する。本実施形態では、この当選者決定抽選処理において、全体ジャックポット賞のほかに、固定枚数の大当たり(ビッグボーナス賞)、固定枚数の中当たり(ミドルボーナス賞)、固定枚数の小当たり(スモールボーナス賞)が用意されている。よって、制御装置5001は、これらの賞について順次、上述した方法で、当選する抽選対象を決定する。
【0101】
なお、ここでは、各抽選対象の当選確率を均等なものとしているが、均等でなくてもよい。例えば、図17に示すように当選テーブルを変更する処理を行ってもよい。この当選テーブルの変更処理としては、次のようなものが挙げられる。
まず、制御装置5001は、記憶装置5002に記憶されている本店舗サーバに接続された各メダルゲーム機1000,2000,3000の装置別JP収支枚数データ及び装置別最大損失枚数データを参照して、装置別JP収支枚数と装置別最大損失枚数との合計枚数が全体累積メダル枚数データ以上であるメダルゲーム機を選択する処理を行う。この処理において選択されたメダルゲーム機1000,2000,3000は当選者決定抽選の抽選対象となる。そして、抽選対象として選択されたメダルゲーム機1000,2000,3000についての装置別JP当選間プール枚数データを参照し、装置別JP当選間プール枚数の多いメダルゲーム機ほど当選確率が高くなるように、当選テーブルを変更する処理を行う。その結果、装置別JP収支枚数と装置別最大損失枚数との合計枚数が全体累積メダル枚数データ以上であるという条件を満たさないメダルゲーム機の当選確率はゼロであり、この条件を満たしたメダルゲーム機の当選確率がその装置別JP当選間プール枚数が多いほど高くなるように変更された当選テーブルが生成される。このようにして生成された当選テーブルを用いて当選者決定抽選を行う。
【0102】
なお、装置別JP収支枚数と装置別最大損失枚数との合計枚数が全体累積メダル枚数データ以上であるメダルゲーム機を選択する処理は、必ずしも行う必要はなく、装置別JP当選間プール枚数の多いメダルゲーム機ほど当選確率が高くなるように当選テーブルを変更する処理だけを行ってもよい。この場合、逆に、装置別JP当選間プール枚数が多いメダルゲーム機については当選確率を相対的に低くし、装置別JP当選間プール枚数が少ないメダルゲーム機については当選確率を相対的に高くするようにしてもよい。この場合、人気の低いメダルゲーム機ほどジャックポット賞の当選者が出やすくなるので、人気の低いゲーム装置の人気回復を図ることが可能となる。
また、各メダルゲーム機の装置別最大損失枚数データは、店舗別最大損失枚数データの場合と同様に設定変更できるように構成してもよい。
【0103】
また、ここでは、装置別JP収支枚数と装置別最大損失枚数との合計枚数が全体累積メダル枚数データ以上であるという条件を満たさないメダルゲーム機については当選者決定抽選の抽選対象から外す処理を行うことで、そのようなメダルゲーム機からジャックポット賞の当選者が出ないようにしているが、他の方法を採用してもよい。例えば、上記条件を満たさないメダルゲーム機も含めて当該店舗内の全メダルゲーム機1000,2000,3000を抽選対象とした当選者決定抽選を行い、その抽選で上記条件を満たさないメダルゲーム機が当選した場合には、その当選を取り消してハズレを決定するように処理してもよい。なお、この場合の当選者決定抽選も、装置別JP当選間プール枚数の多いメダルゲーム機ほど当選確率が高くなるように当選テーブルを変更してもよい。
【0104】
また、装置別JP収支枚数と装置別最大損失枚数との合計枚数が全体累積メダル枚数データ以上であるという条件を満たすか否かの判断処理を、各メダルゲーム機側で行うようにしてもよい。この場合、各1000,2000,3000に、装置別ジャックポット収支量記憶手段及び装置別最大損失量記憶手段を設け、店舗端末ユニット5000の制御装置4001は、全メダルゲーム機1000,2000,3000を抽選対象とした当選者決定抽選を行って、当選したステーション等を備えたメダルゲーム機へ当選通知を送信する。この当選通知を受信したメダルゲーム機で上記判断処理を行い、この判断処理で上記条件を満たすと判断した場合には当選受諾通知を店舗端末ユニット5000へ送信し、上記条件を満たさないと判断した場合には当選辞退通知を店舗端末ユニット5000へ送信するようにする。そして、店舗端末ユニット5000の制御装置4001は、当選受諾通知を受信した場合には先の当選者決定抽選で当選したステーション等について当選を決定し、当選辞退通知を受信した場合には他のメダルゲーム機のステーション等について当選を決定する処理を行う。
【0105】
このようにして当選者決定抽選処理を終え、各賞に当選したステーション等を決定したら、店舗端末ユニット5000の制御装置5001は、その当選結果を各メダルゲーム機1000,2000,3000に通知するとともに、全体演出制御命令を各メダルゲーム機1000,2000,3000に送信する。これにより、本店舗端末ユニット5000に接続された各メダルゲーム機1000,2000,3000の演出手段を利用した全体ジャックポット演出が行われる。
【0106】
店舗端末ユニット5000から全体演出制御命令を受けた各メダルゲーム機1000,2000,3000では、その抽選対象に係るステーション等の各表示手段であるディスプレイ1011、表示部2700、演出パネル3011には、図18に示すような全体ジャックポット抽選が開始される旨のジャックポット開始画面が同時期に表示される。なお、抽選対象ではないステーション等、すなわち、プレイヤーがゲームをプレイしていないと判断されたステーション等については、このジャックポット開始画面は表示されない。
【0107】
ここで、本実施形態では、抽選対象ではないステーション等については、全体ジャックポット演出中でも、そのメダルゲーム機のゲームをプレイヤーがプレイすることができる。そのため、全体ジャックポット演出中に、その抽選対象ではないステーション等でのゲーム進行に応じた個別演出が行われる可能性がある。全体ジャックポット演出中に、その演出とは関係ない個別演出が行われると、その個別演出により全体ジャックポット演出が妨げられ、全体ジャックポット演出の良さを低下させてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、抽選対象ではないステーション等については、全体ジャックポット演出中は、そのゲーム進行に応じた個別演出を行わない、あるいは目立たないように音量や光量等を控えめに演出するように制御する。
【0108】
また、各メダルゲーム機1000,2000,3000の制御装置1101,2621,3101は、それ単体で又は他の制御装置1201,2601,2611と協働して、全体演出プログラムを実行することにより全体ジャックポット演出処理を行う。詳しくは、各メダルゲーム機1000,2000,3000のスピーカーや照明装置等の演出手段に、全体ジャックポット演出の一部を担う演出を行わせることで、本店舗端末ユニット5000に接続された全メダルゲーム機1000,2000,3000が互いに連携した単一の全体演出(全体ジャックポット演出)を行う。具体的には、例えば、すべてのメダルゲーム機1000,2000,3000で、同じタイミングで青色と赤色の照明を交互に発するようにしたり、同じタイミングで全体ジャックポット抽選が開始される旨を知らせる同じ音楽や効果音を出力したりする。
【0109】
なお、本実施形態では、各メダルゲーム機1000,2000,3000の演出手段は、互いに異なるハードウェアで構成されているため、全く同じ演出を行うということはできない。よって、あえて各メダルゲーム機1000,2000,3000で互いに異なる演出を行わせて、全体として統一感のある全体ジャックポット演出を行うようにしてもよい。例えば、音楽や効果音について、競馬ゲーム機1000は低音パートを担当し、プッシャーゲーム機2000は中音パートを担当し、スロットマシン3000は高音パートを担当するというようにしてもよい。
また、各メダルゲーム機1000,2000,3000の演出手段が行う演出が互いに同期して全体として統一感のある演出となるものであれば、全体ジャックポット演出の具体的な方法としては、様々な演出方法が考えられる。
【0110】
このようにして全体ジャックポット演出が開始された後、各表示手段1011,2700,3011には、図18に示したジャックポット開始画面に続いて、図19に示すようなスロット画面が表示される。そして、スロット画面の3つのリール画像が変動表示を開始した後、各表示手段1011,2700,3011には、それぞれ対応するステーション等について当選した賞又はハズレに応じたシンボルが停止表示するように、3つのリール画像の停止表示制御がなされる。具体的には、本実施形態には、上述したように、全体ジャックポット賞、ビッグボーナス賞、ミドルボーナス賞、スモールボーナス賞という4つの賞があり、それぞれの賞に対応するシンボルの組み合わせがスロット画面に停止表示されるように停止表示制御がなされる。より詳しくは、全体ジャックポット賞に当選したステーション等の表示手段1011,2700,3011には、3つのAシンボルのゾロ目が停止表示するように停止表示制御がなされる。ビッグボーナス賞に当選したステーション等の表示手段1011,2700,3011には、3つのBシンボルのゾロ目が停止表示するように停止表示制御がなされる。ミドルボーナス賞に当選したステーション等の表示手段1011,2700,3011には、AシンボルとBシンボルとが混在したシンボルの組み合わせが停止表示するように停止表示制御がなされる。スモールボーナス賞に当選したステーション等の表示手段1011,2700,3011には、左リール画像及び中リール画像の両方にAシンボル又はBシンボルが停止表示し、右リール画像にはAシンボル及びBシンボルのいずれもが停止表示しない(ブランクシンボルが停止表示される)というシンボルの組み合わせが停止表示するように停止表示制御がなされる。
【0111】
なお、ジャックポット開始画面やスロット画面は、すべてのメダルゲーム機1000,2000,3000で全く同じ画面である必要はなく、例えば、これらの画面が表示されるハードウェアに応じて適宜改変したものであったり、各メダルゲーム機1000,2000,3000のゲーム内容に応じてアレンジしたものであったりしてもよい。
【0112】
また、本実施形態では、スロット画面上のリール画像の変動表示は、本店舗端末ユニット5000に接続された全メダルゲーム機1000,2000,3000で一斉に開始するが、3つのリール画像の停止表示の完了タイミングは、賞ごとに異なるようになっている。具体的には、ハズレに対応するステーション等が最も早く、スモールボーナス賞、ミドルボーナス賞、ビッグボーナス賞、全体ジャックポット賞の順に、停止表示の完了タイミングが遅い。
【0113】
また、本実施形態では、スロット画面上のリール画像の変動表示が開始されてから、停止表示が完了するまでの間も、抽選演出(全体ジャックポット演出)を行う。例えば、スロット画面上のリール画像の変動表示が開始した後、各メダルゲーム機1000,2000,3000の抽選対象となっている対応するステーション等の照明が互いに異なる期間のみ点灯するようにして、照明が点灯しているステーション等が順次切り替わるように演出する。そして、各ステーション等におけるリール画像の停止表示が完了するタイミングで、そのステーション等の照明が点滅するように、抽選演出を行う。
【0114】
以上のようにして抽選演出を終えたら、各賞に当選したステーション等でプレイするプレイヤーに対して、その賞に応じた枚数のメダル払出処理が行われる。このメダル払い出しについては、そのメダルゲーム機1000,2000,3000のメダル払出手段を利用してもよいし、店舗の従業員により払い出すアテンダントペイとしてもよい。
【0115】
以上のように、本実施形態では、店舗ごとに店舗別最大損失枚枚数を設定し、店舗別ジャックポット収支枚数と店舗別最大損失枚数との合計枚数(仮想店舗別ジャックポット収支枚数)が、全体累積メダル枚数以上であるという条件を満たす店舗だけがグループ抽選の抽選対象となる。これにより、ある店舗で、初期時点からの店舗別JP払出総枚数がその店舗における初期時点からの店舗別累積プール枚数を上回るとしても、その超過枚数(損失枚数)はその店舗の店舗別最大損失枚数を越えることがない。したがって、各店舗の損失枚数が、一時的にも、想定する枚数(店舗別最大損失枚数)以上になるのを防ぐことができ、各店舗の店舗別最大損失枚数を補償することができる。すなわち、各店舗A,B,Cの店舗別最大損失枚数をそれぞれα=10000枚、β=5000枚、γ=7000枚とした場合、各店舗A,B,Cからジャックポット賞の当選者が出たときに全体累積メダル枚数の払い出しを行っても、各店舗A,B,Cにおける初期時点からの店舗別累積プール枚数から初期時点からの店舗別JP払出総枚数を差し引いた損失枚数は、それぞれの店舗別最大損失枚数α,β,γの設定枚数を超えることがない。
【0116】
なお、本実施形態のゲームシステムに適用可能なメダルゲーム機は、上述した種類のものに限らず、広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】実施形態に係るゲームシステム全体の概略構成図である。
【図2】同ゲームシステムを構成する競馬ゲーム機の一例を示す外観図である。
【図3】同競馬ゲーム機の全体動作を統合的に制御するためのメイン制御部を示す制御ブロック図である。
【図4】同競馬ゲーム機のステーションごとに設けられたステーション制御部を示す制御ブロック図である。
【図5】同ゲームシステムを構成するプッシャーゲーム機におけるステーション部の構成を説明するための説明図である。
【図6】同プッシャーゲーム機のゲーム制御系の主要構成を示すブロック図である。
【図7】同プッシャーゲーム機の表示部に表示されるスロット用ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図8】同プッシャーゲーム機の表示部に表示されるビンゴ用ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図9】同ゲームシステムを構成するスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図10】同スロットマシンの前面パネルの一部を示す詳細正面図である。
【図11】同スロットマシンの主要構成に関わる制御ブロック図である。
【図12】管理サーバの制御ブロック図である。
【図13】店舗端末ユニットの外観図である。
【図14】店舗端末ユニットの制御ブロック図である。
【図15】全体ジャックポット抽選の流れを示すシーケンスフロー図である。
【図16】全体ジャックポット演出時期の決定処理を説明するためのシーケンスフロー図である。
【図17】変形例に係る全体ジャックポット抽選の流れを示すシーケンスフロー図である。
【図18】抽選対象となる各ステーション等の表示手段に表示されるジャックポット開始画面の例を示す説明図である。
【図19】抽選対象となる各ステーション等の表示手段に表示されるスロット画面の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0118】
1000 競馬ゲーム機(メダルゲーム機)
1010 ステーション
1101 メイン制御装置
1108,2625,3107,4003,5003 外部通信装置
1201 ステーション制御装置
2000 プッシャーゲーム機(メダルゲーム機)
2601,2611,2621 制御装置
3000 スロットマシン(メダルゲーム機)
3101 制御装置
4000 管理サーバ
4001 制御装置
4002 記憶装置
5000 店舗端末ユニット
5001 制御装置
5002 記憶装置
5005 表示装置
5006 タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの進行制御を行うゲーム進行制御手段と、ベット対象を受け付けるベット対象受付手段と、該ゲーム進行制御手段が該ベット対象受付手段がベット対象を受け付けることを条件に進行制御したゲームの結果に基づき、所定量の払出対象をプレイヤーへ払い出すための払出処理を行う払出処理手段とをそれぞれ備えた複数のゲーム装置と、
該複数のゲーム装置でプレイするプレイヤーの中からジャックポット賞に当選する当選者を決定するためのジャックポット抽選を行う抽選手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したときに当選したプレイヤーへ払い出すべき払出対象の量を含んだ払出量データを記憶する払出量記憶手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したとき、該払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を当選したプレイヤーへ払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、所定の払出量増加条件を満たしたとき、該複数のゲーム装置の各ベット対象受付手段が受け付けたベット対象の量に各ゲーム装置のプール率を乗じて得られる各ゲーム装置のプール量に応じ、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量を累積的に増加させる払出量増加手段とを備えたジャックポット抽選装置とを有するゲームシステムであって、
上記ジャックポット抽選装置の抽選手段は、少なくとも1つのゲーム装置を含む予め決められた複数のグループの中から所定のグループ抽選条件に従って1つの当選グループを選択するためのグループ抽選を行い、該グループ抽選により当選グループが選択された場合、該当選グループに属するゲーム装置でプレイするプレイヤーの中から当選者を決定するための当選者決定処理を行うことにより、上記ジャックポット抽選を行うものであり、
上記ジャックポット抽選装置は、
各グループに属するゲーム装置の所定時点からのプール量をグループごとに合計したグループ別累積プール量から、そのグループに属するゲーム装置でプレイしたプレイヤーがジャックポット賞に当選したときに払い出した払出対象の量の該所定時点からの総量を差し引いたグループ別ジャックポット収支量を示すグループ別ジャックポット収支量データを、グループごとに記憶するグループ別ジャックポット収支量記憶手段と、
グループごとに設定される各グループのグループ別最大損失量を示すグループ別最大損失量データを記憶するグループ別最大損失量記憶手段とを備えており、
上記ジャックポット抽選装置の抽選手段は、上記複数のグループのうち、上記グループ別ジャックポット収支量記憶手段に記憶されている自己のグループ別ジャックポット収支量データが示すグループ別ジャックポット収支量と上記グループ別最大損失量記憶手段に記憶されている自己のグループ別最大損失量データが示すグループ別最大損失量との合計量が、上記払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量以上である特定のグループについては、当選グループとして決定しないように、上記グループ抽選を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1のゲームシステムにおいて、
上記ジャックポット抽選装置の抽選手段は、上記特定のグループについては上記グループ抽選の抽選対象から外して上記グループ抽選を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項1のゲームシステムにおいて、
上記ジャックポット抽選装置の抽選手段は、上記特定のグループが上記グループ抽選で当選したときには当選しなかったものとして取り扱うように上記グループ抽選を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
上記ゲーム装置は、店舗に設置される業務用ゲーム装置であり、
上記予め決められた複数のグループは、各ゲーム装置が設置される店舗ごとにグループ分けされたものであることを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項4のゲームシステムにおいて、
上記ジャックポット抽選装置は、同一店舗内に設置される少なくとも1つのゲーム装置と通信可能に接続された各店舗の店舗サーバと、各店舗サーバと通信可能に接続された管理サーバとから構成されており、
上記グループ抽選は、該管理サーバに設けた抽選手段によって行い、
上記当選者決定処理は、該グループ抽選により選択された当選グループに係る店舗の店舗サーバに設けた抽選手段により抽選によって行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項5のゲームシステムにおいて、
上記各店舗サーバは、当該店舗に係るグループのグループ別最大損失量の変更操作を受け付ける変更操作受付手段を有しており、
上記管理サーバは、各店舗サーバの変更操作受付手段がグループ別最大損失量の変更操作を受け付けたとき、上記グループ別最大損失量記憶手段に記憶されている各グループのグループ別最大損失量のうち、当該店舗サーバに対応する店舗に係るグループのグループ別最大損失量を変更するグループ別最大損失量変更手段を有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
上記グループ別最大損失量記憶手段に記憶されている各グループのグループ別最大損失量を変更するグループ別最大損失量変更手段を備えていることを特徴とするゲームシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
上記ジャックポット抽選装置は、
各グループに属するゲーム装置における前回のジャックポット賞当選以後のプール量をグループごとに合計したグループ別当選間プール量を示すグループ別当選間プール量データを、グループごとに記憶するグループ別当選間累積プール量記憶手段と、
グループ別当選間プール量データが示すグループ別当選間プール量が多いほど上記グループ抽選の当選確率が高まるように、該グループ抽選における各グループの当選確率を変更する当選確率変更手段とを有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
複数のゲーム装置でプレイするプレイヤーの中からジャックポット賞に当選する当選者を決定するためのジャックポット抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したときに当選したプレイヤーへ払い出すべき払出対象の量を含んだ払出量データを記憶する払出量記憶手段と、
該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したとき、該払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を当選したプレイヤーへ払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、
所定の払出量増加条件を満たしたとき、該複数のゲーム装置の各ベット対象受付手段が受け付けたベット対象の量に各ゲーム装置のプール率を乗じて得られる各ゲーム装置のプール量に応じ、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量を累積的に増加させる払出量増加手段とを備え、
上記抽選手段は、少なくとも1つのゲーム装置を含む予め決められた複数のグループの中から所定のグループ抽選条件に従って1つの当選グループを選択するためのグループ抽選を行い、該グループ抽選により当選グループが選択された場合、該当選グループに属するゲーム装置でプレイするプレイヤーの中から当選者を決定するための当選者決定処理を行うことにより、上記ジャックポット抽選を行うジャックポット抽選装置であって、
各グループに属するゲーム装置の所定時点からのプール量をグループごとに合計したグループ別累積プール量から、そのグループに属するゲーム装置でプレイしたプレイヤーがジャックポット賞に当選したときに払い出した払出対象の量の該所定時点からの総量を差し引いたグループ別ジャックポット収支量を示すグループ別ジャックポット収支量データを、グループごとに記憶するグループ別ジャックポット収支量記憶手段と、
グループごとに設定される各グループのグループ別最大損失量を示すグループ別最大損失量データを記憶するグループ別最大損失量記憶手段とを備えており、
上記抽選手段は、上記複数のグループのうち、上記グループ別ジャックポット収支量記憶手段に記憶されている自己のグループ別ジャックポット収支量データが示すグループ別ジャックポット収支量と上記グループ別最大損失量記憶手段に記憶されている自己のグループ別最大損失量データが示すグループ別最大損失量との合計量が、上記払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量以上である特定のグループについては、当選グループとして決定しないように、上記グループ抽選を行うことを特徴とするジャックポット抽選装置。
【請求項10】
ゲームの進行制御を行うゲーム進行制御手段と、ベット対象を受け付けるベット対象受付手段と、該ゲーム進行制御手段が該ベット対象受付手段がベット対象を受け付けることを条件に進行制御したゲームの結果に基づき、所定量の払出対象をプレイヤーへ払い出すための払出処理を行う払出処理手段とをそれぞれ備えた複数のゲーム装置と、
該複数のゲーム装置でプレイするプレイヤーの中からジャックポット賞に当選する当選者を決定するためのジャックポット抽選を行う抽選手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したときに当選したプレイヤーへ払い出すべき払出対象の量を含んだ払出量データを記憶する払出量記憶手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したとき、該払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を当選したプレイヤーへ払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、所定の払出量増加条件を満たしたとき、該複数のゲーム装置の各ベット対象受付手段が受け付けたベット対象の量に各ゲーム装置のプール率を乗じて得られる各ゲーム装置のプール量に応じ、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量を累積的に増加させる払出量増加手段とを備えたジャックポット抽選装置とを有するゲームシステムであって、
上記ジャックポット抽選装置は、所定時点からの上記複数のゲーム装置の各プール量をゲーム装置ごとに個別に累積した装置別累積プール量から、そのゲーム装置でプレイしたプレイヤーがジャックポット賞に当選したときに払い出した払出対象の量の該所定時点からの総量を差し引いた装置別ジャックポット収支量を示す装置別ジャックポット収支量データを、該複数のゲーム装置ごとに記憶する装置別ジャックポット収支量記憶手段と、
該複数のゲーム装置ごとに設定される各ゲーム装置の装置別最大損失量を示す装置別最大損失量データを記憶する装置別最大損失量記憶手段とを備えており、
上記ジャックポット抽選装置の抽選手段は、上記複数のゲーム装置のうち、上記装置別ジャックポット収支量記憶手段に記憶されている自己の装置別ジャックポット収支量データが示す装置別ジャックポット収支量と上記装置別最大損失量記憶手段に記憶されている自己の装置別最大損失量データが示す装置別最大損失量との合計量が、上記払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量以上である特定のゲーム装置でプレイするプレイヤーについては、上記ジャックポット賞の当選者として決定しないように、上記ジャックポット抽選を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項11】
複数のゲーム装置でプレイするプレイヤーの中からジャックポット賞に当選する当選者を決定するためのジャックポット抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したときに当選したプレイヤーへ払い出すべき払出対象の量を含んだ払出量データを記憶する払出量記憶手段と、
該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したとき、該払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を当選したプレイヤーへ払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、
所定の払出量増加条件を満たしたとき、該複数のゲーム装置の各ベット対象受付手段が受け付けたベット対象の量に各ゲーム装置のプール率を乗じて得られる各ゲーム装置のプール量に応じ、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量を累積的に増加させる払出量増加手段とを備えたジャックポット抽選装置であって、
所定時点からの上記複数のゲーム装置の各プール量をゲーム装置ごとに個別に累積した装置別累積プール量から、そのゲーム装置でプレイしたプレイヤーがジャックポット賞に当選したときに払い出した払出対象の量の該所定時点からの総量を差し引いた装置別ジャックポット収支量を示す装置別ジャックポット収支量データを、該複数のゲーム装置ごとに記憶する装置別ジャックポット収支量記憶手段と、
該複数のゲーム装置ごとに設定される各ゲーム装置の装置別最大損失量を示す装置別最大損失量データを記憶する装置別最大損失量記憶手段とを備えており、
上記抽選手段は、上記複数のゲーム装置のうち、上記装置別ジャックポット収支量記憶手段に記憶されている自己の装置別ジャックポット収支量データが示す装置別ジャックポット収支量と上記装置別最大損失量記憶手段に記憶されている自己の装置別最大損失量データが示す装置別最大損失量との合計量が、上記払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量以上である特定のゲーム装置でプレイするプレイヤーについては、上記ジャックポット賞の当選者として決定しないように、上記ジャックポット抽選を行うことを特徴とするジャックポット抽選装置。
【請求項12】
ゲームの進行制御を行うゲーム進行制御手段と、ベット対象を受け付けるベット対象受付手段と、該ゲーム進行制御手段が該ベット対象受付手段がベット対象を受け付けることを条件に進行制御したゲームの結果に基づき、所定量の払出対象をプレイヤーへ払い出すための払出処理を行う払出処理手段とをそれぞれ備えた複数のゲーム装置と、
該複数のゲーム装置でプレイするプレイヤーの中からジャックポット賞に当選する当選者を決定するためのジャックポット抽選を行う抽選手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したときに当選したプレイヤーへ払い出すべき払出対象の量を含んだ払出量データを記憶する払出量記憶手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したとき、該払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を当選したプレイヤーへ払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、所定の払出量増加条件を満たしたとき、該複数のゲーム装置の各ベット対象受付手段が受け付けたベット対象の量に各ゲーム装置のプール率を乗じて得られる各ゲーム装置のプール量に応じ、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量を累積的に増加させる払出量増加手段とを備えたジャックポット抽選装置とを有するゲームシステムであって、
各ゲーム装置は、所定時点からの自己のプール量を累積した装置別累積プール量から、自己でプレイしたプレイヤーがジャックポット賞に当選したときに払い出した払出対象の量の該所定時点からの総量を差し引いた装置別ジャックポット収支量を示す装置別ジャックポット収支量データを記憶する装置別ジャックポット収支量記憶手段と、自己の装置別最大損失量を示す装置別最大損失量データを記憶する装置別最大損失量記憶手段と、上記ジャックポット抽選装置の抽選手段によるジャックポット抽選で自己のゲーム装置でプレイするプレイヤーが当選したとき、上記装置別ジャックポット収支量記憶手段に記憶されている自己の装置別ジャックポット収支量データが示す装置別ジャックポット収支量と上記装置別最大損失量記憶手段に記憶されている自己の装置別最大損失量データが示す装置別最大損失量との合計量が、上記ジャックポット抽選装置の上記払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量以上である場合には、上記ジャックポット賞の当選を辞退する旨の当選辞退通知を上記ジャックポット抽選装置へ送信し、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量未満である場合には、上記ジャックポット賞の当選を受諾する旨の当選受諾通知を上記ジャックポット抽選装置へ送信する通知手段とを有し、
上記ジャックポット抽選装置の抽選手段は、当選辞退通知を受信したゲーム装置でプレイするプレイヤーについては、上記ジャックポット賞の当選者として決定しないように、上記ジャックポット抽選を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項13】
ゲームの進行制御を行うゲーム進行制御手段と、
ベット対象を受け付けるベット対象受付手段と、
該ゲーム進行制御手段が該ベット対象受付手段がベット対象を受け付けることを条件に進行制御したゲームの結果に基づき、所定量の払出対象をプレイヤーへ払い出すための払出処理を行う払出処理手段とを備え、
該複数のゲーム装置でプレイするプレイヤーの中からジャックポット賞に当選する当選者を決定するためのジャックポット抽選を行う抽選手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したときに当選したプレイヤーへ払い出すべき払出対象の量を含んだ払出量データを記憶する払出量記憶手段と、該抽選手段が該ジャックポット賞の当選を決定したとき、該払出量データを該払出量記憶手段から読み出し、読み出した払出量データが示す量の少なくとも一部の量の払出対象を当選したプレイヤーへ払い出すためのジャックポット払出処理を行うジャックポット払出処理手段と、所定の払出量増加条件を満たしたとき、該複数のゲーム装置の各ベット対象受付手段が受け付けたベット対象の量に各ゲーム装置のプール率を乗じて得られる各ゲーム装置のプール量に応じ、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量を累積的に増加させる払出量増加手段とを備えたジャックポット抽選装置に、通信可能に接続されたゲーム装置であって、
所定時点からの自己のプール量を累積した装置別累積プール量から、自己でプレイしたプレイヤーがジャックポット賞に当選したときに払い出した払出対象の量の該所定時点からの総量を差し引いた装置別ジャックポット収支量を示す装置別ジャックポット収支量データを記憶する装置別ジャックポット収支量記憶手段と、
自己の装置別最大損失量を示す装置別最大損失量データを記憶する装置別最大損失量記憶手段と、
上記ジャックポット抽選装置の抽選手段によるジャックポット抽選で自己のゲーム装置でプレイするプレイヤーが当選したとき、上記装置別ジャックポット収支量記憶手段に記憶されている自己の装置別ジャックポット収支量データが示す装置別ジャックポット収支量と上記装置別最大損失量記憶手段に記憶されている自己の装置別最大損失量データが示す装置別最大損失量との合計量が、上記ジャックポット抽選装置の上記払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量以上である場合には、上記ジャックポット賞の当選を辞退する旨の当選辞退通知を上記ジャックポット抽選装置へ送信し、該払出量記憶手段に記憶されている払出量データが示す払出量未満である場合には、上記ジャックポット賞の当選を受諾する旨の当選受諾通知を上記ジャックポット抽選装置へ送信する通知手段とを有することを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図7】
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【図8】
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【図13】
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【図18】
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【図19】
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