説明

ゲームプログラム、そのプログラムを記憶した情報記憶媒体、及びゲーム装置、並びにゲーム制御方法

【課題】収集対象の全種類の記憶媒体を揃えたいと言う収集欲を遊戯者に生じさせることが可能となるプログラムを提供する。
【解決手段】識別情報が第1情報として記憶されている記憶媒体から前記第1情報を読取る読取手段を備えたゲーム装置に前記第1情報の入力をn回(nは2以上の整数)遊戯者に要求するゲームを実行させるゲームプログラムであって、前記遊戯者に対する要求内容を第2情報として提示すると共にi回目(1≦i<n)の第1情報の入力を要求するステップと、前記読取手段からの入力を受け付けるステップと、前記入力された第1情報と前記遊戯者に対して提示した第2情報とを比較するステップと、前記比較結果に基づき、前記第1情報が前記第2情報をどの程度充たしているかを判断するステップと、前記情報の充足度合に基づき、i+1回目に提示する前記要求内容を決定するステップとを有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収集欲を生じさせる各種キャラクタのオブジェクトの識別情報が記憶されたカード等の外部記憶媒体を使用したゲーム装置のゲームプログラム、そのプログラムを記憶した情報記憶媒体、及びゲーム装置、並びにゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ゲームと連動可能な収集カードを使用したゲーム装置に関するものとしては、例えば特許文献1に記載されているゲームシステムがある。このゲームシステムは、1枚のルールカードと複数枚のキャラクタカードとを用いて、例えばスウェーデンリレーと呼ばれるリレーゲームを画面上で展開させるようにしたものである。
【0003】
このゲームシステムで使用されるキャラクタカードには、キャラクタ固有のパラメータデータと、キャラクタカードの種類を識別するための識別情報と、収集意欲を生じさせるキャラクタ情報とが視覚的に認識可能な態様で記録されており、ルールカードには、収集カードを用いるゲームのためのルールを決定するためのルールデータが記録されている。そして、少なくとも1枚のルールカードと複数枚のキャラクタカードを組合せて外部情報読取手段に読取らせ、それらのデータを記憶した後、当該データに基づいてリレーゲーム等のゲーム処理を実行するようにしている(特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−236032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来のゲームシステムにおいては、キャラクタカードとルールカードとを用いてゲームを実行する形態としているので、それらの組合せによってゲーム内容にバリエーシヨンを持たせることができるなどの効果がある。
【0006】
しかしながら、上述した従来のゲームシステムにおいては、カードの組合せをゲームの開始前に予め遊戯者が登録しておき、その登録データを用いたゲームを実行する処理形態のため、遊戯者は画面上で展開されるリレーゲームを見ているだけとなると考えられる。また、キャラクタカードの種類が少ない場合は問題ないが、例えばキャラクタカードの種類を200種類とするなど、収集カードの種類を膨大にした場合は、組合せの種類が多くなりすぎて、遊戯者が組合せを考えるのが難しくなると想定される。さらに、ゲームを繰り返しプレイしているうちに、使用するカードの種類が少なくなり、新たなカードが欲しくなるという収集欲も低下してしまいがちになると想定される。
【0007】
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、全種類の記憶媒体を揃えたいと言う収集欲を遊戯者に生じさせることが可能となる、ゲームプログラム、情報記憶媒体、ゲーム装置、及びゲーム制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、外部記憶媒体を使用したゲーム装置のゲームプログラム、そのプログラムを記憶した情報記憶媒体、及びゲーム装置、並びにゲーム制御方法に関するものであり、ゲームプログラムに関しては、本発明の上記目的は、識別情報が第1情報として記憶されている記憶媒体から前記第1情報を読取る読取手段を備えたゲーム装置に前記第1情報の入力をn回(nは2以上の整数)遊戯者に要求するゲームを実行させるゲームプログラムであって、前記遊戯者に対する要求内容を第2情報として提示すると共にi回目(1≦i<n)の第1情報の入力を要求するステップと、前記読取手段からの入力を受け付けるステップと、前記入力された第1情報と前記遊戯者に対して提示した第2情報とを比較するステップと、前記比較結果に基づき、前記第1情報が前記第2情報をどの程度充たしているかを判断するステップと、前記情報の充足度合に基づき、i+1回目に提示する前記要求内容を決定するステップと、をゲーム装置に実行させることによって達成される。
【0009】
さらに、本発明の上記目的は、
前記情報の充足度合に応じて、遊戯者によってプレイされるゲームを変化させるステップと、前記ステップで変化させた前記ゲームが成功したかを判断するステップと、をゲーム装置に実行させること、前記要求内容を決定するステップは、さらに前記ゲームの判断結果に基づき、i+1回目に提示する前記要求内容を決定することをゲーム装置に実行させることによって達成される。
【0010】
また、情報記憶媒体に関しては、本発明の上記目的は、コンピュータ読取可能な情報記憶媒体であって、上記ゲームプログラムを記憶した構成とすることによって達成される。 また、ゲーム装置に関しては、本発明の上記目的は、識別情報が第1情報として記憶されている記憶媒体から前記第1情報を読取る読取手段と、前記第1情報の入力をn回(nは2以上の整数)遊戯者に要求するゲームを実行するゲーム処理手段とを備えるゲーム装置であって、前記遊戯者に対する要求内容を第2情報として提示すると共にi回目(1≦i<n)の第1情報の入力を要求する手段と、前記読取手段からの入力を受け付ける手段と、前記入力された第1情報と前記遊戯者に対して提示した第2情報とを比較する手段と、前記比較結果に基づき、前記第1情報が前記第2情報をどの程度充たしているかを判断する手段と、前記情報の充足度合に基づき、i+1回目に提示する前記要求内容を決定する手段とを有することによって達成される。また、ゲーム制御方法に関しては、本発明の上記目的は、識別情報が第1情報として記憶されている記憶媒体から前記第1情報を読取る読取手段を備えたゲーム装置に前記第1情報の入力をn回(nは2以上の整数)遊戯者に要求するゲームを実行させるゲームプログラムであって、前記遊戯者に対する要求内容を第2情報として提示すると共にi回目(1≦i<n)の第1情報の入力を要求するステップと、前記読取手段からの入力を受け付けるステップと、前記入力された第1情報と前記遊戯者に対して提示した第2情報とを比較するステップと、前記比較結果に基づき、前記第1情報が前記第2情報をどの程度充たしているかを判断するステップと、前記情報の充足度合に基づき、i+1回目に提示する前記要求内容を決定するステップとを含むことによって達成される。
【0011】
さらに、ゲームプログラムに関しては、本発明の上記目的は、遊戯者に対して仮想プレイアイテムの選択をn回(nは2以上の整数)要求するゲームをゲーム装置に実行させるプログラムであって、遊戯者に対する要求内容情報を提示すると共にi回目(1≦i<n)の仮想プレイアイテムの選択を要求するステップと、遊戯者によって選択された仮想プレイアイテム情報に基づき、該仮想プレイアイテム情報に対応するアイテム対応情報を読み出すステップと、前記遊戯者に提示した要求内容情報に基づき、該要求内容情報に対応する提示対応情報を読み出すステップと、前記アイテム対応情報と前記提示対応情報とを比較するステップと、前記比較結果に基づき、前記アイテム対応情報と前記提示対応情報とがどの程度一致しているかを判断するステップと、前記情報の一致度合に基づき、i+1回目に提示する要求内容を決定するステップとをゲーム装置に実行させることによっても達成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ゲーム処理実行中に、識別情報が記憶されている記憶媒体からの第1情報の入力をn回(nは2以上の整数)遊戯者に要求すると共に、遊戯者に対して第2情報(要求内容)を提示し、その第2情報と第1情報とを比較して要求内容が充たされているかを判断し、その判断結果に基づいて次に遊戯者に要求する要求内容を決定するようにしている。言い換えると、遊戯者にとっては、ゲームの進行過程でゲーム装置側から提示された要求内容に対し、その要求内容を充たすような記憶媒体を選択しながらゲームをプレイする形態となる。
【0013】
そのため、要求内容を充たすような記憶媒体を選択しながらゲームをプレイする形態としているので、遊戯者は、要求内容を充たすような記憶媒体を持っていない場合など、新たな種類のものが欲しくなる。更に、先に読取られた記憶媒体の情報を基に、次の要求内容を決定しているので、全ての種類の記憶媒体を揃えたいと言う収集欲を遊戯者に生じさせることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づいてこの発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は、業務用ゲーム装置に限らず、家庭用ゲーム装置やゲーム機能を有する一般的な携帯電話機にも適用可能であるが、以下、業務用ゲーム装置に適用した場合を例として説明する。また、本発明に係る記憶媒体(携帯可能で且つ収集対象となる情報記憶媒体)としては、QRコード(登録商標)やマトリクスコード等の2次元コードが付されたカード、ICチップを搭載した非接触型ICカード、磁気カード、IDタグ(トランスポンダ,ICタグ,RFIDタグ等)が設けられた媒体など、各種の記憶媒体が適用可能であるが、以下、バーコードが付されたカードを例として説明する。
【0015】
図1は、本発明に係るゲーム装置の外観構成の一例を示す斜視図である。このゲーム装置は業務用ゲーム装置の例を示しており、ゲーム装置10の筐体内には、収集対象となるカード状の記憶媒体を払出すための払出装置を備えている。図1において、ゲーム装置10は、筐体の正面上部には、ディスプレイ14aが設けられている。本ゲーム装置は、小学生から大人までプレイ可能なゲーム装置である。そのため、ゲーム画像が表示されるディスプレイ14aは、子供であれば立ってプレイしたときに、そして大人であれば座ってプレイしたときに、遊戯者の目線の高さがディスプレイの高さと同程度となるように、ディスプレイ14a(画面の略中央部の位置)は、床面から1100cm程度の高さの位置に配置されている。また、筐体の幅は、本例では75〜77cm程度であり、ディスプレイ14aとしては19インチの液晶ディスプレイを用いている。
【0016】
ディスプレイ14aの下方には操作部13Aが設けられており、操作部中央には、記憶媒体に記憶された情報を読取るための読取部16Aが設けられている。本発明に係る記憶媒体は、収集の対象となる記憶媒体であり、その記憶部には識別情報が記憶されている。
【0017】
なお、本発明で言う「識別情報」とは、収集欲を生じさせる各種キャラクタ等のオブジェクトを少なくとも識別するための識別情報であり、コンピュータにより読取可能な記憶媒体の記憶部には、例えば、オブジェクトを特定するID、又は、そのIDとオブジェクトの属性情報であるパラメータ情報(全て又は一部のパラメータ情報)とが記憶されている。
【0018】
記憶媒体で特定される上記オブジェクトは、例えば、記憶媒体の情報読取操作に応じてゲーム画面上に出現するオブジェクトであり、本実施例では、遊戯者の操作に応答して仮想空間内で動作するプレイヤオブジェクトである。また、本例では、そのオブジェクトのイメージが記憶媒体の表面(バーコードと反対の面又は同一の面)に目視可能に描かれている。
【0019】
本実施の形態では、記憶媒体としては、前述のようにバーコードが付されたカード状の媒体(紙製若しくはプラスチック等の合成樹脂製のカード媒体)を用いており、上記識別情報はバーコード内に記憶されている。以下、収集の対象となる「記憶媒体」を「カード」若しくは「収集カード」と称して説明する。
【0020】
上記のようなカードの情報を読取る読取部16Aの左右両側には、遊戯者によって操作される操作レバー13A1と操作ボタン13A2とが設けられている。本例では、操作レバー13A1は、任意の方向に傾動自在に支持される操作レバーであり、操作ボタン13A2は本例では押ボタンである。
【0021】
筐体上部の左右両側(ディスプレイの左右両側)には、カードのサンプルが展示されるカード陳列ケース17Aと、カードが発行されるカード払出口17Bと、コイン(カード及びゲーム代金となる硬貨)を投入するためのコイン投入口17Cとが、それぞれ設けられている。左右のカード陳列ケース17Aには、例えば異なる種類のカードのサンプル1aが複数枚陳列される。
【0022】
カード払出口17Bの下方には、コインの投入により、カード払出口から下方に向けて払出されるカードを受入れると共に、カードの下部を保持した状態で収容するカードホルダと、カードを傾斜状態で横に並べて保持可能なカード置場とが設けられている。更に、筐体の所定位置には、操作方法の音声による案内やゲーム中の効果音が出力される音声出力部が設けられている。
【0023】
次に、ゲーム装置のハードウェア構成について説明する。
【0024】
なお、本願におけるゲーム装置のゲーム処理手段はハードウェア構成、ソフトウェア構成のどちらでも実施可能である。
【0025】
図2は、図1に示したゲーム装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ゲーム装置は、プログラムの実行により装置全体を制御する制御手段11と、コンピュータをゲーム処理手段として機能させるためのゲームソフト(ゲームプログラム及びデータ)や基本ソフトを格納する記憶手段12と、遊戯者の操作入力による情報(本例では操作部からの操作情報)を入力する入力手段13と、ゲームの画像を表示する表示手段14と、効果音等を出力するための音声出力手段15と、カードに記憶されている情報を読取る読取手段16と、カードを払出すカード払出手段17と、他のゲーム装置やサーバ装置との間の情報通信の機能を有する通信手段18と、を備えている。
【0026】
制御手段11は、CPU11a,グラフィックメモリ11b1を有するレンダリングプロセッサ11b等から構成され、コンピュータプログラムの実行制御や、バスアービタ19a等から成る入出力インターフェース19を介して周辺機器との入出力制御などを行う。レンダリングプロセッサ11bは、3次元の仮想空間にモデル化された物体,光源,カメラなどの情報に基づいて2次元画像を生成する処理(シェーディング,テクスチャーマッピング,レートレーシング法,ラジオシティ法などによる画像生成処理)を行う専用プロセッサである。なお、レンダリングプロセッサ11bを備えていないゲーム装置の場合は、CPU11aを画像生成手段として機能させる画像生成プログラムを備え、そのプログラムによって上記のようなレンダリング処理を実行し、ゲーム画像のデータを生成する形態となる。
【0027】
記憶手段12は、画像生成プログラムや通信制御プログラムなどの基本ソフト等を格納するシステムメモリ12a,本発明に係るゲーム処理手段20としてのゲームプログラム及び制御データ類(プログラムデータ)を格納する記憶装置(又は記憶媒体)12b,ゲーム装置を起動させるための起動用プログラムを格納するブートROM12c等から構成される。
【0028】
入力手段13は、操作入力スイッチ13aを有する操作レバー13A1や操作ボタン13A2等を備えた操作入力装置で構成される。ただし、必ずしも前記構成に限定されるものではなく、操作レバーのみや操作ボタンのみのものや、または操作入力が前記読取手段からの情報で構成されるもの、タッチパネルやデジタイザ等のポインティングデバイスにて構成されてもよい。表示手段14は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等の表示装置で構成され、音声出力手段15は、サウンドプロセッサ15a,効果音等を発生するためのサウンドデータを格納するサウンドメモリ15b,及びスピーカ15c等から構成される。
【0029】
読取手段16は、例えば、カードに記憶された情報の読取機能を有するカードリーダ16a(本例ではバーコードリーダ)で構成される。なお、読取手段16は、バーコードを読取りするのみのリーダに限定されるものではなく、QRコード(登録商標)などの2次元コードを読取るために内部にカメラを備えているものや、本出願人による特開2002−301264号公報に記載されているような、カードに記憶されてある情報を読取る読取手段(カードが選択的に載置されるプレイフィールドの上に載置された当該カードのデータを読取る読取手段、例えば、カードの面に不可視光を照射する光源と、カードの面から反射した反射光を受光して画像データを生成するイメージセンサと、イメージセンサにより得られた画像データからカードデータを識別するデータ識別手段と、を備えた読取手段)によって構成されてもよい。
【0030】
カード払出手段17は、カードディスペンサ17aで構成される。カードディスペンサ17aは、本例では、コインの投入を検知するコインスイッチ、及びコイン識別センサ等から成るコイン処理装置と、コインの投入に応じて、カード貯留部に貯留されているカードを繰出してカード払出口から払出して発行するカード払出装置とを備えている。カード払出手段17のカード貯留部には、予めシャッフルされたカード群が貯留されており、遊戯者に対してはランダムに選択された種類のカードが発行される。なお、本例では、2つのコイン投入口に対応させて2つのカード貯留部を設けた構成としている。それぞれのカード貯留部に貯留されるカードの種類は任意であるが、例えば、カードの種類を2種類(例えば野球ゲーム(野球のシミュレーションゲーム)であれば、パシフィック・リーグ(登録商標)に属する選手が個々のカード描かれた第1のカード群とセントラル・リーグ(登録商標)に属する選手が個々のカード描かれた第2のカード群)に大別しておき、第1分類のカード群を第1のカード払出装置から払出し、第2分類のカード群を第2のカード払出装置から払出すようにしても良い。その場合、遊戯者がコイン投入口を選択することで、2種類に大別されたカード群を選択できるようになる。
【0031】
通信手段18は、通信I/F(インターフェース)18aやモデム18b等から構成される。なお、モデムは電話回線を使用するものであるが、同じく電話回線を使用するTA(ターミナルアダプタ)や、ケーブルテレビ回線を使用するケーブルモデム、携帯電話やPHSを利用した無線通信手段(可視光や赤外線、無線LANなどの短距離無線通信技術も含む。)および光ファイバー通信手段等を行う通信手段を用いることも可能である。この通信手段は、例えば、Webサーバから、カードゲームに関する情報を受信してディスプレイに表示したり、ゲームプログラムをダウンロードして更新したり、他のゲーム装置との間で無線通信若しくはインターネット等のネットワークを介した通信をしたりする際に使用される手段であり、本発明においては付加的な構成要件である。
【0032】
次に、収集カードとして使用される記憶媒体の構成について具体例を示して説明する。
【0033】
図3(A)及び(B)は、収集カードとして使用される記憶媒体1の外観構成の一例を示す平面図であり、野球ゲームに適用されるカード状の記憶媒体を収集カードとした場合の例を示している。カード1上には、図3(A)及び(B)に示すように、バーコード1aが付されていると共に、野球選手等の遊戯者によって操作されるオブジェクトのイメージ(以下「選手画像」と呼ぶ)が目視可能に描かれている。そして、バーコード1aには、ゲーム画面上に登場するオブジェクトである野球選手の識別情報(本例では野球選手のID、又はそのIDと野球選手の守備位置や能力等のパラメータ情報の一部若しくは全て)が符号化されている。
【0034】
カード1上に表記される選手画像は、遊戯者がその選手画像を見ただけで選手が識別できるように、同図の例では、投手や打者等の特徴的な動作をしている状態の選手画像が描かれている。更に、カード1上には、カードパラメータ(当該野球選手の属性情報)として、選手の氏名,背番号,球団のシンボルが表記されると共に、ゲームに係る選手の能力を示す情報が、数値,指標図形,略語,シンボルなどで表記されている。例えば、投手の場合には、図3(A)中に示すように、「制」「変」「直」「安」(制球,直球,変化球,被安打)の4分類に対する各能力の高低を示す指標が、指標図形としてカード上に表記すると共に、守備位置(投手,捕手,内野手,外野手)を示す情報(本例では投手)、投球の最高速度、1試合の平均的な投球数(投手交代の指標)、利き手(本例では左投手又は右投手)などを表記するようにしている。
【0035】
また、主に打者として活躍する選手の場合は、図3(B)中に示すように、守備位置を示す情報(本例では外野手を示す「外」)、打撃能力を示す指標図形、案打率や守備能力を示す指標値(例えば10段階での評価値)、利き手(本例では左打者、右打者、スイッチヒッター)、投手の投球フォーム(上手投げ,横手投げ,下手投げ等)に対する得手/不得手を示す指標(本例では3段階での評価を示すマーク「○、×、△」)などを表記するようにしている。打撃能力を示す指標図形は、本例では、飛距離の長短及び打球方向(その選手の打撃時の平均的な打球方向)を指標として、球場の模式図上に矢印(長さと方向)で示している。
【0036】
上記のようなカードパラメータの情報は、選手を特定するIDに対応させてゲーム装置側の記憶手段に記憶しておく形態としても良く、識別情報としてカードの記憶部に記憶させておく形態としても良い。但し、バーコードの場合には全ての情報を記憶できないため、実施例では前者の形態としている。なお、カードの種類は、例えば、プロ野球の各球団の一軍に属する選手の総数分用意されているが、外国球団の選手や高校野球の有名選手のカードを用意し、それらの選手を出場させる形態としても良い。
【0037】
以下、上記のようなカードを用いた野球ゲーム等の競技ゲームに本発明を適用した場合を例として説明する。
<本発明に係るゲーム処理の概要>
先ず、本発明に係るゲーム処理の概要を説明する。
【0038】
遊戯者は、ゲーム中にゲーム装置10側から提示される要求に従って、図1中の読取部16Aでカード情報の読取操作(本例ではバーコードのスキャン操作)を行う。遊戯者に対して提示される情報は、例えば、野球ゲームの場合には、ディスプレイ14a上に表示される「最高のピッチャーで敵打者を抑えろ!」などの作戦や指示などを示す情報であり、ゲーム装置10のゲーム処理手段20によって、ゲーム中の所定の局面で、遊戯者に対する提示情報(以下「要求内容」とも呼ぶ)が画像表示や音声表示によって遊戯者に提示される。ゲーム装置10側から要求内容を提示するタイミングは固定的なものではなく、例えば、ゲームの進行に応じて生じる山場になったか否かをゲーム装置が判定して、山場になったと判定した場合に要求内容を提示するようにしている。例えば、カードの種類に応じて進行先が分岐するゲーム進行経路の分岐点に山場を設けておき、ゲームの処理形態としては、カードの全種類を使用した時に各種の進行経路が埋め尽くされるような形態とするのが好ましい。
【0039】
遊戯者は、ゲーム中に要求が提示される都度、複数枚のカードの中から要求内容に適合すると思ったカードを選択し、そのカードの読取操作を読取部16Aで行う。ゲーム装置10は、提示した情報と、カードの情報とを比較して、ゲーム装置10側から提示した要求がどの程度充たされているかどうかを判断し、その判断結果に基づき、次の要求内容を決定するようにしている。また、要求内容の充足度合(例えば、提示した情報の属性情報群と遊戯者が選択したカードの属性情報群との一致度合)に応じて、遊戯者によってプレイされるゲームを変化させるようにしている。
【0040】
次回の要求内容を決定する要素は、例えば、上記要求内容の充足度合の判断結果、充足度合に応じて変化させたゲームが成功したかどうかの判断結果、現在のゲームの進行状況、今回又は今までに提示されたカードの種類などである。また、ゲームを変化させる要素としては、ゲームプレイの難易度、ゲームの実行結果を評価する評価基準、ゲームプレイによって付与される得点、プレイするシーン等である。
【0041】
ゲーム処理手段20では、上記のように、ゲーム中に遊戯者に対する要求内容を提示し、その要求内容に対して遊戯者が選択したカードの情報と要求内容とを比較して要求内容の充足度合を判断し、その充足度合に基づいて次回に提示する要求内容を決定するようにしている。更に、ゲームプレイの結果やゲームの進行状況などを示す情報に基づいて、次回に提示する要求内容を変化させるようにしている。
【0042】
次に、本発明に係るゲーム処理を図4のフローチャートの流れに沿って説明する。以下、野球ゲームを例として説明する。
【0043】
なお、図3に例示したような野球選手のカード1は、ゲームを開始する際のコイン投入口17Cへのコインの投入により、カード払出口17Bから予め払出されており、ここでは、そのカード1と今まで遊戯者が収集したカード(又はサンプルカード若しくは画面上の仮想カード)を合わせた複数枚の収集カードを用いて、1プレイモードでプレイする場合を例として説明する。
<野球ゲームの流れについて>
ゲーム処理の詳細を説明するに先立ち、ゲーム全体の流れについて説明する。ゲーム処理手段は、例えば遊戯者による操作ボタンによる開始指示に応じて、野球ゲームを開始する。野球ゲームの流れとしては、図5に示すように、9イニングの中から選択された複数回のシーンのゲームが終わると、1試合のゲームが終了し、その時点で相手チームより得点の多いチームが勝ちとなる。もし両チームの得点が同じ場合は、延長戦(本例では延長戦は一回のみ)を行う。
【0044】
ゲームの進行中にゲーム装置(ゲーム処理手段20)が遊戯者に対してカード情報の入力を要求する回数n(nは2以上の整数)は、図5中のシーン1からシーン5に示すように、例えば1試合中に5回であり、その回数分の山場i(i=1以上n未満)がゲームの進行状況等に応じて動的に設定される。それらの山場のシーン(カード情報の入力を要求する局面)が出現する場所は固定的なものとしても良いが、本実施例では、ゲーム処理手段がゲームの進行状況(例えば、得点差,走者の有無,ボールカウント,投手の投球回数,試合の回数,ゲームの経過時間など)を判断して、その進行状況に応じて山場iのシーンを出現させ、そのタイミングで遊戯者に対する要求を提示する形態としている。但し、カードの種類が偏らないように、攻撃側と守備側は交互に出現させるようにしてもよく、図5の例では、1回の表、3回の裏、5回の表、7回の裏、9回の表に山場iのシーンが生じた様子を示している。なお、入力を要求する回数nは、固定せずに、ゲームの進行状況などに応じて変更する形態としても良い。
<本発明に係るゲーム処理の詳細>
以下、図4のフローチャートの流れに沿って、本発明に係るゲーム処理について具体例を示して詳細に説明する。
<山場iの処理>
ゲーム処理手段は、ゲームの実行処理中に、ゲームの進行状況を監視して山場i(カード情報の読取操作を要求する局面)になったか否かを判定し、山場になったと判定した場合は、i回目の山場の処理を開始する(ステップS1)。続いて、山場iに対応する提示情報群の中から、遊戯者に対して提示する提示情報を自動的に選択して決定する(ステップS2)。そして選択した提示情報を要求内容(以下、説明の便宜上「第2情報」と呼ぶ)として遊戯者に提示(本例では画面上に表示)すると共に、カードに記憶されている情報(以下、説明の便宜上「第1情報」と呼ぶ)の入力(読取操作)を要求する画像を生成し、ディスプレイに表示する。(ステップS3)。
【0045】
上記ステップS3における第1情報の入力要求は、本例では、カード情報の読取操作の要求である。また、第1情報の入力要求(及び第2情報の提示要求)は、前述のようにゲーム中にi回(1≦i<n)行われる。その際、1回目の要求は、上記ステップS2において、ゲーム処理手段が、当該局面(山場i)に対応する提示情報群の中からランダムに選択する、あるいは現在の状況(例えばロールプレイングゲームや育成ゲームの場合は、プレイヤキャラクタの属性情報(成長度合を示す現在のレベル等)や現時点までのゲームの進行結果、直前のプレイ結果等)に応じた提示情報を第2情報として選択する。
【0046】
ここで、ステップS2において選択される第2情報(遊戯者に対する要求内容)と山場と関係について説明する。
【0047】
図6は、要求内容を提示する局面(各山場)と選択対象の提示情報群との対応関係が登録された提示情報選択制御テーブルを模式的に示しており、ゲーム処理手段は、この提示情報選択制御テーブル5を参照して、例えば、山場1では、ゲーム進行経路中の通過ポイントである試合の1回及び2回の提示情報群の中から選択し、山場2では試合の1回から4回(但し山場1で2回を選択した場合は、2回から4回)の提示情報群の中から第2情報を選択するようにしている。
【0048】
選択対象の提示情報群は、例えば、図7に示すように、ゲームの進行経路の通過ポイント毎に(本例では、試合の1回から延長の回に至る各回の表と裏毎に)、それぞれm個(本例ではm≧3)の提示情報が予め設定され、提示情報データベース6として記憶手段に格納されている。その際、遊戯者に新たなカードを欲しくさせると共に、全種類のカードを収集させる(収集欲を高めさせる)ために、少なくともカードの全種類について当該カードに関連する提示情報が設定されている。換言すると、希少性の高いカードから希少性の低いカードの全種類について関連する提示情報が設定されている。
【0049】
遊戯者に対して提示される第2情報は、具体的には、例えば次のような内容であり、本例では要求内容を示す文字情報がディスプレイに表示される。その際、当該局面の状況を画像等で提示するだけとし、具体的な指令や作戦については第2情報として提示せず、婉曲的に遊戯者に指令や作戦を提示する形態にすることが好ましい。なお、2プレイモードの場合には、例えば、攻撃側と守備側の遊戯者のそれぞれに対して第2情報が提示される。
<第2情報としての要求内容の具体例>
山場1(遊戯者が攻撃側で得点が0の状況での例)
「まずは、先取点だ。走れるヒットメーカを投入しろ!」
山場2(遊戯者が守備側で走者がいる状況での例)
「相手に出塁されたぞ。鉄壁の守備で失点を阻止しろ!」
山場3(遊戯者が攻撃側で走者が1塁又は2塁にいる状況での例)
「代走だ! 盗塁を狙って敵バッテリーを阻止しろ!」
山場4(遊戯者が守備側でヒットを打たれた場合に逆転されるような状況での例)
「最大のピンチだ。最高のピッチャーで敵打者を抑えろ!」
山場5(遊戯者が攻撃側で最終的なチャンスを迎えたような状況での例)
「○点差で抑えた9回。走者満塁。強力なスラッガーで一発逆転を狙え!」
続いて、上記のような要求内容が第2情報として提示された時の遊戯者の操作について説明する。遊戯者は、ゲーム中に要求が提示される都度、複数枚のカードの中から、要求内容に適合していると思ったカードを選択し、そのカードの読取操作を行う。ゲーム処理手段は、前記ステップS3において、第1情報の入力を要求する画像を表示する時点までは、読取手段からの情報入力をノイズと見なしており、上記画像を表示した以降に読取手段からの入力を受け付けるようにしている。そして、読取手段によってカードから読取った第1情報を入力し記憶手段に記憶する(ステップS4)。そして、ステップS3で遊戯者に対して提示した第2情報と、ステップS4において読取手段からの第1情報とを比較する(ステップS5)。
【0050】
ゲーム処理手段では、上記ステップS5における第1情報と第2情報との比較に基づいて、要求内容がどの程度充たされているかを判断する。その際、例えば、オブジェクトのパラメータ情報が第1情報に含まれていない場合は、第1情報内のID(オブジェクトを特定するID)に対応するカードパラメータの情報(「入力対応情報」と呼ぶ)をゲーム装置側の記憶手段から読込み、その入力対応情報と、画面上で提示した第2情報(又は第2情報に対応する提示対応情報)とを比較することによって、遊戯者に対して提示した要求内容がどの程度充たされているかを所定の判断基準に基づいて判断する(ステップS6)。
【0051】
なお、ここで言う「提示対応情報」とは、例えば、提示した要求内容が「○点差で抑えた9回。走者満塁。強力なスラッガーで一発逆転を狙え!」の場合であれば、(a)満塁時の打率が高い、(b)その時の投手が左投げであれば対左投打率が高い、(c)その時のボールカウントが1ストライク2ボールであれば、1ストライク2ボールでの打率の高い、と言うように、提示した要求内容に対応する野球選手のパラメータ要素を含む情報である。また、プレイヤキャラクタが成長するタイプのゲームでは、攻撃力,体力,魔力,防御力,俊敏力,知力などの各種の能力の大きさを数値化した能力値や、プレイヤキャラクタの成長度合を示すレベル値などの各種パラメータ要素を含む情報である。
【0052】
ここで、要求内容がどの程度充たされているかを判断する際の要素について、具体例を示して説明する。
【0053】
図8は、収集カードの種類に対応する各選手のパラメータ情報が登録されたデータベース4(パラメータ情報データベースと呼ぶ)の構造の一例を示している。本例では、打者の場合は、野球選手の各能力要素をボールカウントや出塁状況等のゲーム中のシーンに対応させて記憶するデータベース構造としている。図8の例では、ゲーム中のシーンを「打つ前」と「打った後」とに分類し、それらの分類項目を第1分類項目M1とし、「打つ前」における「走者別適応力」「ボールカウント適応力」「対投手」と、「打った後」における「飛距離」「方向」「選球力」とを第2分類項目M2としている。更に、図8中に示すように、ゲーム中の様々な状況下での能力要素(打率、出塁率、四死球率等)を第3分類項目M3としている。そして、各選手のパラメータ情報Pn(攻撃時における各能力要素の情報)を第1〜第3分類項目に対応させてパラメータ情報データベース4に格納する構成としている。なお、守備についても、守備時における各能力要素の情報を当該分類項目(守備位置や出塁状況等のゲーム中のシーン)対応させて記憶するデータベース構造としている。
【0054】
なお、このパラメータ情報データベース4は、オブジェクトを特定するためのID(本例では野球選手のID)に対応させてゲーム装置側の記憶手段に記憶させておく形態と、カードの記憶領域に当該選手のパラメータを記憶させておく形態があり、いずれの形態としても良い。但し、安価なカードとするためには、バーコード若しくはQRコード(登録商標)等の二次元コードに少なくとも野球選手のIDを記憶しておき、その他の情報は、ゲーム装置側の記憶手段に記憶させておく形態とするのが好ましい。
【0055】
前記ステップS6においては、ゲーム処理手段は、例えば、野球選手のIDと各ゲーム状況を示すIDを用いてパラメータ情報データベース4を検索し、野球選手のIDに対応するオブジェクトのパラメータ情報群(当該選手の各状況下における能力要素の数値情報群)の中からその時のゲーム状況に対応するパラメータ情報を得て、そのパラメータ情報と、遊戯者に提示した要求内容に対応する情報(例えば要求内容を充たす選手の各能力要素の情報群)とを照合し、遊戯者に対して提示した要求内容がどの程度充たされているかを、所定の判断基準に基づいて判断するようにしている。
【0056】
本実施の形態では、要求内容がどの程度充たされているかを判断する判断基準を3以上設けておき、要求内容がどの程度充たされているかを判断するようにしている。
【0057】
図4のフローチャートの例では、入力対応情報と提示対応情報とが一致しているかを判断する基準を第1判断基準、入力対応情報と提示対応情報とがほぼ一致しているかを判断する基準を第2判断基準、それ以外(入力対応情報と提示対応情報と一致していないこと)を判断する基準を第3判断基準としている。例として、各第1情報に対応した情報が記憶されているカードに記載されている「○」「△」「×」などの記号の情報であり、その記号と提示対応情報にて提示された情報とが、“全て一致”、“最低1以上一致”、“全てはずれ”と段階的に判断してもよい。
【0058】
または、他の例として、前記各第1情報に対応したパラメータを数値化して入力対応情報とし、かつ、提示対応情報も各第2情報に対応したパラメータを数値化して設定し、その第1情報に対応した数値が第2情報に対応した数値を、“「0〜30」程度”“「31〜60」程度”“「61〜90」程度”“「90」以上”と段階的に充たした程度の基準を設け、充足率の程度によって、判断してもよい。
【0059】
さらに、他の例として、前記各第1情報に対応したパラメータのうち、前記分類項目の特定数値と、第2情報に対応したパラメータのうち、ゲーム状況に対応する特定数値との一致によって、判断してもよい。
【0060】
そして、前記ステップS6において両者の情報が一致している(要求内容が充たされている)と判断した場合には、ゲームプレイを簡単にするように難易度を調整する処理を実行する(ステップS7)。一方、両者の情報がほぼ一致している(要求内容がほぼ充たされている)と判断した場合には、ゲームプレイを通常の難易度に調整する処理を実行する(ステップS8)。他方、情報が違う(要求内容が充たされていない)と判断した場合には、ゲームプレイを難しくするように難易度を調整する処理を実行する(ステップS9)。なお、本ステップにおいては必ずしもゲームプレイの難易度を調整することに限定されず、遊戯者にプレイされるゲームが、遊戯者にとって有利に進むように決定されてもよい。
【0061】
続いて、ステップS10において、ゲーム処理手段は、ステップS4で記憶した第1情報に対応する当該オブジェクト(カードに対応する野球選手)の画像データを読み出して、その野球選手をゲーム画面上に出現させ、その局面でのゲームを進行させる。その際、遊戯者は、操作レバー13A1や操作ボタン13A2を操作して、選手(ゲーム画面上に登場した選手オブジェクト)のアクションを制御することによって、打者対投手などのアクションゲームをプレイする。
【0062】
ここで、カードに対応するオブジェクトを用いたゲームについて、オブジェクトの操作例とゲームの制御例を説明する。
【0063】
例えば、山場1において、「攻撃、先制点を狙え」という要求の場合は、図9(A)及び(B)に示すように、遊戯者は、操作レバー13A1を操作して、打者として登場した選手を示すオブジェクト3(読取部16Aでのカードの読取操作によってゲーム画面2上に出現させた野球選手のオブジェクト)を、前後左右等に移動させ、ボールを打つタイミングに合わせて操作ボタン13A2を叩くことによって、野球選手3のアクションを操作する。
【0064】
ゲーム処理手段は、遊戯者による選手オブジェクト3の操作によるゲームプレイの結果(ボールカウントの更新,三振,安打等のプレイ結果)を決定する際、その決定要素に基づいて決定するようにしている。
(P1)前記ステップS6で判断した要求内容の充足度合
(P2)前記ステップS7〜ステップS9で調整した難易度
(P3)選手オブジェクトの操作情報
図10(A)〜(C)は、プレイ結果の判定方法の一例を模式的に示しており、ゲーム処理手段は、図10(C)に示すようにシーンにおいて、同図10(A)及び(B)に示すように、成功結果の種類や成功タイミングの幅等を示すプレイ結果判定用タイミングバー8を時間軸上に設定し、タイミングバー8の時間幅と操作ボタン13A2を叩いたタイミングとを比較して、その比較に基づいてプレイ結果を決定する。その際、ゲーム処理手段は、成功タイミングの幅を上記決定要素(P1)、(P2)に基づいて伸張又は縮小変化させることによって、成功する確率を可変すると共に、成功タイミングとなる区間(時間幅)内で分割された個々の分割区間内に、成功結果としての種類を選手の能力(カード情報に対応する選手の能力パラメータ)に応じて設定しておき、遊戯者が操作ボタン13A2を叩いたタイミングの分割区間に対応する種類の成功結果を、プレイ結果として決定する。
【0065】
詳しくは、同図10(A)及び(B)に示すように、投手がボールを投げた時点からキャッチャーのミットにボールが収まる時点までの区間内に、成功タイミングの幅を上記決定要素(P1)、(P2)に基づいて設定すると共に、成功タイミングの幅の外側は、失敗結果として「空振り」、成功タイミングの幅の内側は、カード情報に対応する選手の能力パラメータに基づいて決定した複数種類の成功結果を設定(本例では「ファール」「ヒット」「3塁打」「ヒット」「ファール」の幅を各分割区間内に時間経過に応じて設定)し、遊戯者によるプレイの難易度を可変するようにしている。その際、図10(A)に示すように、状況に合った選手のカードが選択された場合や調整後の難易度が低い場合は、成功タイミングの幅を伸張し、図10(B)に示すように、状況にそぐわない選手のカードが選択された場合や調整後の難易度が高い場合は、成功タイミングの幅を縮小するようにしている。このような、成功結果の種類や成功タイミングの幅等を示すタイミングバーをゲーム画面上に表示する形態としても良い。なお、遊戯者のプレイを伴わないプレイ形態としても良く、その形態の場合は、前記決定要素(P3)に係る選手オブジェクトの操作は、遊戯者の代わりにゲーム処理手段が行う。
【0066】
ゲーム処理手段は、上述のように、カードに対応するオブジェクトの操作によるゲームを実行してそのプレイ結果を決定すると(ステップS10)、該当のプレイ結果を表すシーンの画像情報(例えば、大成功のシーン、成功のシーン、失敗のシーン等の映像情報)を記憶手段から読み出し、その結果シーンを再生して表示する。
【0067】
図11は、プレイ結果として表示するシーン(「表示結果シーン」とする)の種類を示している。表示結果シーンとしては、図11に示すように、選手オブジェクトが捕手の場合には、「キャッチシーン1,2,3,…」というように、カードの分類要素毎(捕手,内野手,外野手等の守備要素や、左打者等の攻撃要素毎)に、複数種類のシーンが設定され、そのシーンの映像を表示するための画像データ群が、シーン画像データベース7として記憶手段に格納されている。そして、上記ステップS11では、プレイ結果に対応するシーン(図10(A)の例では、1塁打,3塁打,アウト(空振りによる3振等)に対応するシーン)の映像を画面上に表示する(ステップS11)。
【0068】
続いて、ゲーム処理手段は、ゲーム進行の結果(プレイ結果、現在の状況(得点差、試合の優勢/劣勢を示す度合)など)に応じて、前記ステップS6(要求内容が充たされているかを判断するステップ)で使用する判断基準(次回の判断基準)を変更する処理を実行する(ステップS12)。
【0069】
上記ステップS12の処理に続いて、ゲーム処理手段は、予め設定された数(本例では5つ)の山場を全て通過したか否かを判定し(ステップS13)、通過していないのであれば、第1情報の入力要求の回数を示すカウンタiを更新(+1)した後、ステップS1に戻り、ゲームを進行させて次の山場に対する処理を繰り返す。そして、前記ステップS2における2回目以降(i≧2)の山場の処理では、ステップS2Aに示すように、前回(i−1回目)の情報の一致度合とプレイ結果(若しくは情報の一致度合のみ)により、ステップS3で遊戯者に対して提示する第2情報を決定する。詳しくは、前記ステップS6で判断した前回(i−1回目)の要求内容の充足度合(情報の一致度合)と、前記ステップS10のゲームプレイのプレイ結果とを判断要素とし、それらの判断要素に基づいて、その山場iに対応する情報群(情報A、情報B、情報C)の中から選択して決定する。その際、少なくとも(i−1回目)の情報の充足度合に応じて、遊戯者に提示する要求内容を変更する第1の処理を実行する。なお、遊戯者によってi回目の要求内容の充足度合が、さらにある一定以上の充足度合の場合、次(i+1回目)の要求内容をi回目の第2情報(要求内容)に比べ、希少性の高い第1情報での入力が必要となる情報を第2情報として提示するようにしてもよい。
【0070】
また、今までとは異なる分類(例えば、野球ゲームの場合は守備位置を分類要素とした分類)のカードに関する情報を、現在のゲーム状況に応じて提示する。例えば、攻撃の場合は、投手の投球フォームに対する得手/不得手を示す指標で分類されるカードに関する要求を提示したり、飛距離が大きな打者で分類されるカードに関する要求を提示したり、バントの成功率で分類されるカードに関する要求を提示したりする。また、守備の場合は、その選手の守備位置(投手,捕手,内野手,外野手)で分類されるカードに関する要求を提示したり、その時点のゲーム状況に応じた投手への交代の要求を提示したりする。
【0071】
ゲーム処理手段は、以上のような動作をn回繰り返し、ステップS13において山場iを全て通過した(i>n)と判定した場合は、ゲーム終了の時点で、最終的な得点などの結果を発表し(ステップS14)、当該ゲームの処理を終了する。
【0072】
上記ステップS14において、結果を発表する際には、ゲーム処理手段は、例えば、n回の山場の得失点を合計して、効果音や音声を出力すると共に、試合結果を示す試合結果画像を生成して画面上に表示する。また、試合に勝利したと判定した場合は、試合内容の評価結果(例えば、要求内容の充足度合、ゲーム中に可変させた難易度、プレイ結果等を評価要素とした登場選手(カード)毎の評価結果)に基づいて「ヒーローズポイント」を算出し、一番活躍した選手のインタビュー画面上でポイントを表示する。また、遊戯者のヒーローズポイントと、過去における複数の上位得点者のヒーローズポイント(例えば1位〜5位までの得点者の記憶データ)とを比較して、遊戯者のヒーローズポイントが上位であれば、記憶手段に記憶されているランキングデータ(例えば順位,使用した各カードの識別情報,ヒーローズポイントの値)を更新する処理を実行する。また、ゲーム処理手段は、ゲーム装置の待機中に表示するアドバタイズ画面上に、例えば、1位〜5位までのポイントの値、使用したカードの画像を示す「ヒーローズポイント・ランキング」の画像を表示する。
【0073】
なお、前記ステップS2Aにおける「情報の一致度合等に基づく第2情報(要求内容)の変更処理」、及び前記ステップS12における「判断基準の変更処理」は、両方を行う処理形態といずれか一方を行う処理形態とがあり、いずれの処理形態としても良く、また、ゲームの進行結果に応じて、ゲーム処理手段が処理形態を自動的に変更するようにしても良い。
[他の実施の形態について]
なお、上述した実施の形態では、カード払出手段を備えたゲーム装置を例として説明しが、カード払出手段をゲーム装置内に設けずに、カード払出装置を別途備えた形態としても良く、また、カード払出手段を備えずに、雑誌の付録(袋とじ)等によりカードを提供する形態としても良い。
【0074】
また、上述した実施の形態では、カード状の記憶媒体を用いる場合を例として説明したが、記憶媒体の形状は、カード状に限るものではなく、記憶媒体としては、例えば、キャラクタ製品にチップを埋設したものや、媒体自体をキャラクタの形状で形成したものとしても良く、第1情報が記憶されているプレイアイテムであればどのような形状でも良い。
【0075】
また、本発明は、コード等の読取手段を備えていないゲーム装置にも適用することができる。その場合、ゲーム処理手段は、遊戯者に対する要求内容情報を提示すると共にi回目(1≦i<n、但しnは2以上の整数)の仮想プレイアイテムの選択を要求する。遊戯者が第1情報を入力する手段としては、操作ボタン等を有する一般的な操作入力手段を使用し、仮想プレイアイテムを選択する。すなわち、ゲーム装置側では、読取手段からの入力の代わりに、遊戯者の操作入力による第1情報を入力する形態とすれば良い。その場合、遊戯者が操作入力する第1情報を記憶媒体に目視可能に表記しておき、それを見て遊戯者が操作入力する形態としても良く、また、実際のカードの代わりに、収集対象となるオブジェクトを表示し、オブジェクトの固有IDを第1情報として、遊戯者に操作入力させる形態としても良い。いずれにしろ、入力する第1情報は少ない方が良いため、カードパラメータの情報は、例えばカードを特定するための識別子だけとし、要求内容が充たされているかを判断する際には、遊戯者によって選択された仮想プレイアイテム情報に対応するアイテム対応情報(ゲーム装置側の記憶情報)と要求内容(第1情報に対応する提示対応情報、又は第1情報)とを比較して、アイテム対応情報と提示対応情報とがどの程度一致しているかを判断し、情報の一致度合に基づき、i+1回目に提示する要求内容を決定する処理形態とするのが好ましい。
【0076】
また、上述した実施の形態では、野球ゲームを具体例として詳細に説明したが、野球ゲームに限らず、野球ゲーム以外の球技や格闘技、競艇、競馬、自動車レース等を模した各種の競技ゲーム、あるいは、ロールプレイングゲーム、育成ゲーム、及び料理ゲームなどの各種オブジェクトを扱うゲームソフトウェア等に対して、本発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係るゲーム装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示したゲーム装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】収集カードとして使用される記憶媒体の概観構成の一例を示す平面図である。
【図4】本発明に係るゲーム処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図5】第2情報を提示する局面を説明するための模式図である。
【図6】提示情報選択制御テーブルの一例を示す模式図である。
【図7】ゲームの進行経路の通過ポイントと提示情報との対応関係を示す図である。
【図8】各選手のパラメータが登録されたデータベースの構造を示す模式図である。
【図9】遊戯者による選手オブジェクトの操作によるゲームを説明するための模式図である。
【図10】プレイ結果の判定方法の一例を説明するための模式図である。
【図11】プレイ結果として表示するシーンの種類を示す模式図である。
【符号の説明】
【0078】
1 記憶媒体
1a バーコード
2 ゲーム画面
3 オブジェクト
4 パラメータ情報データベース
5 提示情報選択制御テーブル
6 提示情報データベース
7 シーン画像データベース
8 プレイ結果判定用タイミングバー
10 ゲーム装置
11 制御手段
11a CPU
11b レンダリングプロセッサ
11b1 グラフィックメモリ
12 記憶手段
12a システムメモリ
12b プログラムデータ記憶装置(又は記憶媒体)
12c ブートROM
13 入力手段
13a 操作入力スイッチ
13A 操作部
13A1 操作レバー
13A2 操作ボタン
14 画像表示手段
14a ディスプレイ
15 音声出力手段
15a サウンドプロセッサ
15b サウンドメモリ
15c スピーカ
16 読取手段
16a カードリーダ
16A 読取部
17 カード払出手段
17a カードディスペンサ
17A カード陳列ケース
17B カード払出口
17C コイン投入口
18 通信手段
18a 通信I/F
18b モデム
19 入出力I/F
19a バスアービタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報が第1情報として記憶されている記憶媒体から前記第1情報を読取る読取手段を備えたゲーム装置に前記第1情報の入力をn回(nは2以上の整数)遊戯者に要求するゲームを実行させるゲームプログラムであって、
前記遊戯者に対する要求内容を第2情報として提示すると共にi回目(1≦i<n)の第1情報の入力を要求するステップと、
前記読取手段からの入力を受け付けるステップと、
前記入力された第1情報と前記遊戯者に対して提示した第2情報とを比較するステップと、
前記比較結果に基づき、前記第1情報が前記第2情報をどの程度充たしているかを判断するステップと、
前記情報の充足度合に基づき、i+1回目に提示する前記要求内容を決定するステップと、
をゲーム装置に実行させるゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1のゲームプログラムは、さらに前記情報の充足度合に応じて、
遊戯者によってプレイされるゲームを変化させるステップと、
前記ステップで変化させた前記ゲームが成功したかを判断するステップと、
をゲーム装置に実行させるプログラム。
【請求項3】
前記要求内容を決定するステップは、さらに前記ゲームの判断結果に基づき、i+1回目に提示する前記要求内容を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のゲームプログラム。
【請求項4】
コンピュータ読取可能な情報記憶媒体であって、請求項1〜3のいずれかに記載のゲームプログラムを記憶した情報記憶媒体。
【請求項5】
識別情報が第1情報として記憶されている記憶媒体から前記第1情報を読取る読取手段と、前記第1情報の入力をn回(nは2以上の整数)遊戯者に要求するゲームを実行するゲーム処理手段とを備えたゲーム装置であって、
前記遊戯者に対する要求内容を第2情報として提示すると共にi回目(1≦i<n)の第1情報の入力を要求する手段と、
前記読取手段からの入力を受け付ける手段と、
前記入力された第1情報と前記遊戯者に対して提示した第2情報とを比較する手段と、
前記比較結果に基づき、前記第1情報が前記第2情報をどの程度充たしているかを判断する手段と、
前記情報の充足度合に基づき、i+1回目に提示する前記要求内容を決定する手段と
を有することを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
識別情報が第1情報として記憶されている記憶媒体から前記第1情報を読取る読取手段と、前記第1情報の入力をn回(nは2以上の整数)遊戯者に要求するゲームを実行するゲーム処理手段とを備えたゲーム装置のゲーム制御方法であって、
前記ゲーム処理手段が、
前記遊戯者に対する要求内容を第2情報として提示すると共にi回目(1≦i<n)の第1情報の入力を要求するステップと、
前記読取手段からの入力を受け付けるステップと、
前記入力された第1情報と前記遊戯者に対して提示した第2情報とを比較するステップと、
前記比較結果に基づき、前記第1情報が前記第2情報をどの程度充たしているかを判断するステップと、
前記情報の充足度合に基づき、i+1回目に提示する前記要求内容を決定するステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置のゲーム制御方法。
【請求項7】
遊戯者に対して仮想プレイアイテムの選択をn回(nは2以上の整数)要求するゲームをゲーム装置に実行させるゲームプログラムであって、
遊戯者に対する要求内容情報を提示すると共にi回目(1≦i<n)の仮想プレイアイテムの選択を要求するステップと、
遊戯者によって選択された仮想プレイアイテム情報に基づき、該仮想プレイアイテム情報に対応するアイテム対応情報を読み出すステップと、
前記遊戯者に提示した要求内容情報に基づき、該要求内容情報に対応する提示対応情報を読み出すステップと、
前記アイテム対応情報と前記提示対応情報とを比較するステップと、
前記比較結果に基づき、前記アイテム対応情報と前記提示対応情報とがどの程度一致しているかを判断するステップと、
前記情報の一致度合に基づき、i+1回目に提示する要求内容を決定するステップと、
をゲーム装置に実行させるゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図3】
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【図9】
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