説明

ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲーム制御方法

【課題】移動させられるボールに対するバットのスイング動作が画像表示部に表示されるゲームにおいて、コントローラ等の操作に熟練していないプレイヤであっても、ゲームを楽しむことができるゲームプログラム、ゲーム装置、ゲーム制御方法を提供すること。
【解決手段】フィールドと、フィールドに属する複数種類の判定領域と、フィールド上に配置される1又は複数種類のフィールドオブジェクト、がゲーム空間設定手段によりゲーム空間に設定される。スイング指示入力によってボールオブジェクトに対する打撃が与えられ、打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が含まれる判定領域の種類に基づいて、打撃結果判定手段により当該打撃の結果が判定される。プレイヤによる選択に応じて、又は、ゲーム開始時若しくはゲーム中に、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかが第1変更手段により変更される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば野球ゲーム等、移動させられるボールに対するバットのスイング動作が画像表示部に表示されるゲームを実現させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コントローラによりプレイヤの操作入力を受け入れることで、投手キャラクタ、野手キャラクタ等のキャラクタ群を動作させつつモニタに表示し、野球ゲームを進行させるゲーム装置が提案されていた(特許文献1)。この従来のゲーム装置には、モニタと、ゲーム機本体と、プレイヤによる操作対象となるコントローラとが各々別体で設けられている。
【0003】
上記従来のゲーム装置を使用する場合、守備側のプレイヤは、例えばコントローラの十字ボタンの上方向キー、下方向キー、左方向キー、又は右方向キーを操作することで、投手キャラクタの投球コースおよび球種を選択する。また、攻撃側のプレイヤは、例えばコントローラの十字ボタンの上方向キー、下方向キー、左方向キー、又は右方向キーを操作することでミートカーソルを操作方向に移動させる。ミートカーソルの移動量は、各キーの押下回数に応じたものとなっている。そして、攻撃側のプレイヤがさらにコントローラ上の特定のボタンを操作すると、スイング動作が表示されるとともに、ミートカーソルの領域の一部とボールキャラクタの表示領域の一部が重複する場合に、バットオブジェクトによりボールオブジェクトが捉えられたと判断される。これにより、攻撃側のプレイヤによるボールに対する打撃を得ることができる。
【0004】
上記従来のゲーム装置を使用する場合、守備画面において、打者キャラクタにより打ち返されたボールオブジェクトと野手キャラクタとが表示される。このとき、打者キャラクタにより打ち返されたボールの移動方向に位置する野手キャラクタの上方には、三角記号が表示される。この状態で、プレイヤがコントローラの十字ボタンを操作すると、三角記号の下方に表示された野手キャラクタが操作された十字ボタンの方向に移動する状態が、モニタに表示される。表示される野手キャラクタの移動量は、操作された十字ボタンの方向キーの押下回数又は押下時間による。そして、打撃によって移動するボールキャラクタの着地地点近傍に野手キャラクタを移動させることができれば、野手キャラクタにボールを捕球させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−312900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来のゲーム装置を使用してプレイヤが野球ゲームにおいて望ましい結果を得るためには、プレイヤには、コントローラに配された複数のボタン等を野球の試合における様々な局面において適切に操作することが求められる。しかしながら、コントローラの適切な操作は、特にコントローラの操作に熟練していないプレイヤにとっては容易ではない。
【0007】
例えば、上述した従来の野球ゲームでは、投手キャラクタからリリースされたボールオブジェクトがホームベース近傍に到達するまでの時間が短い。そのため、攻撃側のプレイヤは投球コースおよび球種を直ちに判別するとともに、ミートカーソルの領域内にボールオブジェクトを包含させるべく、ミートカーソルを移動させる方向キーの選択及びその方向キーの押下回数を素早く決定することが必要となる。また、上述した従来の野球ゲームでは、守備側のプレイヤは、打者キャラクタの打撃によって時々刻々と移動するボールオブジェクトの着地位置をプレイヤが予測して、野手キャラクタをその着地位置に正確に移動させること、すなわち、十字ボタンの方向キーの選択し、及びその押下回数又は押下時間を正確に決定することが必要となる。
【0008】
他方、コントローラの操作に基づきモニタ等の画像表示部上で進行させる野球ゲームにおいて、コントローラに対する複雑な操作を伴うことなくゲームを楽しむことができる野球ゲームは存在しなかった。この点は野球ゲームに限らず、移動させられるボールに対してバットのスイング動作によって打撃を与える他の球技、例えばソフトバール、クリケット等を模擬したゲームに共通の課題である。
【0009】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、移動させられるボールに対するバットのスイング動作が画像表示部に表示されるゲームにおいて、コントローラ等、プレイヤの操作による入力を受け入れる装置に対する操作に熟練していないプレイヤであっても、ゲームを楽しむことができるゲームプログラム、ゲーム装置、ゲーム制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係るゲームプログラムは、移動させられるボールに対するバットのスイング動作が画像表示部に表示されるゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるためのゲームプログラムである。
(1)フィールドと、フィールドに属する複数種類の判定領域と、フィールド上に配置される1又は複数種類のフィールドオブジェクト、をゲーム空間に設定するゲーム空間設定機能。
(2)ゲーム空間の第1方向から、バットオブジェクトと、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトとを表示する第1表示機能。
(3)バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトがバットオブジェクト近傍に到達するタイミングと、プレイヤによるバットオブジェクトに対するスイング指示入力が行われるタイミングとに基づいて、バットオブジェクトのボールオブジェクトに対する打撃によるボールオブジェクトの移動変化を決定するスイング処理機能。
(4)打撃によるボールオブジェクトの予定軌道を算出するとともに、打撃によってフィールド内を移動するボールオブジェクトがフィールドオブジェクトと接触した場合には、当該接触後のボールオブジェクトの軌道を算出するボール軌道算出機能。
(5)ゲーム空間の第2方向から、打撃によって移動し、停止するボールオブジェクトを表示する第2表示機能。
(6)打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が含まれる判定領域の種類に基づいて、当該打撃の結果を判定する打撃結果判定機能。
(7)プレイヤによる選択に応じて、又は、ゲーム開始時若しくはゲーム中に、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかを変更する第1変更機能。
【0011】
コンピュータは、例えば家庭用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ホームサーバ等である。また、このゲームプログラムは、DVD−ROMやCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されてもよい。
【0012】
このゲームプログラムでは、ゲーム空間設定機能において、フィールドと、フィールドに属する複数種類の判定領域と、フィールド上に配置される1又は複数種類のフィールドオブジェクト、がゲーム空間に設定される。第1表示機能において、ゲーム空間の第1方向から、バットオブジェクトと、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトとが表示される。そして、スイング処理機能において、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトがバットオブジェクト近傍に到達するタイミングと、プレイヤによるバットオブジェクトに対するスイング指示入力が行われるタイミングとに基づいて、バットオブジェクトのボールオブジェクトに対する打撃によるボールオブジェクトの移動変化が決定される。
なお、フィールドオブジェクトは、打撃によるボールオブジェクトの予定軌道を変更させうるオブジェクトであり、例えば、ボールオブジェクトの進行を止めて囲い込むポケット型、ボールオブジェクトを跳ね返す壁形状のウォール型、ボールオブジェクトを籠または網で絡め取る、あるいは捕捉するケージ型等の形態とすることができる。
【0013】
すなわち、このゲームプログラムでは、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトが表示されており、このボールオブジェクトがバットオブジェクトの近傍に到達したことがプレイヤに視認可能になっている。そして、バットオブジェクトによりボールオブジェクトに対して打撃を与えようとするプレイヤによる意思を、プレイヤによるスイング指示入力により受け入れる。その結果、ボールオブジェクトがバットオブジェクト近傍に到達するタイミングと、スイング指示入力が行われるタイミングとに基づいて、打撃によるボールオブジェクトの移動変化が決定されるため、ボールオブジェクトの打撃に際しプレイヤによる複雑な操作を伴う入力を要しない。そのため、プレイヤの操作による入力を受け入れるコントローラ等の操作に熟練していないプレイヤであっても、ゲームを楽しむことができる。
【0014】
このゲームプログラムでは、ボール軌道算出機能において、打撃によるボールオブジェクトの予定軌道を算出されるとともに、打撃によってフィールド内を移動するボールオブジェクトがフィールドオブジェクトと接触した場合には、当該接触後のボールオブジェクトの軌道が算出される。第2表示機能において、ゲーム空間の第2方向から、打撃によって移動し、停止するボールオブジェクトが表示される。打撃結果判定機能においては、打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が含まれる判定領域の種類に基づいて、当該打撃の結果が判定される。
【0015】
すなわち、打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が含まれる判定領域の種類に基づいて、当該打撃の結果が自ずと定まるため、例えばボールオブジェクトを野手キャラクタに捕捉させる等のためのプレイヤの操作による入力を要しない。そのため、プレイヤの操作による入力を受け入れるコントローラ等の操作に熟練していないプレイヤであっても、ゲームを楽しむことができる。また、打撃によって移動し、停止するボールオブジェクトが表示されるため、プレイヤは、ボールオブジェクトが移動している間、ボールオブジェクトが停止する位置を予測しながら、又は所望の位置に停止することを期待しながら移動中のボールオブジェクトを視認することになり、ゲームの興趣性が増す。さらに、ボールオブジェクトがフィールドオブジェクトと接触した場合には、打撃によって移動するボールオブジェクトの軌道が、従来の野球ゲームにはない要素によって変化する上、打撃の結果の判定内容に対するプレイヤの予測可能性が低くなり、ゲームの興趣性が増す。
【0016】
このゲームプログラムでは、第1変更機能において、プレイヤによる選択に応じて、又は、ゲーム開始時若しくはゲーム中に、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかが変更される。フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかが変更されると、打撃によるボールオブジェクトの予定軌道が同一であったとしても、打撃によって移動して停止するまでのボールオブジェクトの軌道、打撃の結果についての判定の内容が変更されうる。そのため、プレイヤは、その選択に応じて様々な設定(すなわち、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置)でのゲームを楽しむことができる。また、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかは、プレイヤによる選択とは無関係に、ゲーム開始時若しくはゲーム中における任意のタイミングで変更されうる。このように任意のタイミングで変更されると、ゲームの様々な局面においてゲームの設定についてのプレイヤの予測可能性が低くなるため、ゲームの興趣性が増す。
【0017】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(8)第1変更機能によるフィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の変更候補として、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の複数の種類、複数の大きさ、又は複数の位置を、プレイヤによる選択のために表示する選択表示機能。
【0018】
このゲームプログラムでは、選択表示機能において、第1変更機能によるフィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の変更候補として、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の複数の種類、複数の大きさ、又は複数の位置が、プレイヤによる選択のために表示される。そのため、プレイヤは、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の変更候補を視認しつつ、所望の変更内容を選択することができるようになる。そのため、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の変更に当たってのプレイヤによる選択が容易となる。
【0019】
請求項3に係るゲームプログラムは、請求項1又は2に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(9)複数の打者キャラクタの能力を定義した能力データを記憶する打者キャラクタ能力記憶機能。
(10)打者キャラクタ能力記憶機能によって記憶された打者キャラクタの能力データのうち、打席に入っている打者キャラクタの能力データに基づいて、判定領域の種類及び/又は大きさを設定又は変更する第2変更機能。
【0020】
このゲームプログラムでは、打席に入っている打者キャラクタの能力を定義した能力データに基づいて判定領域の種類及び/又は大きさが設定又は変更される。すなわち、判定領域の種類及び/又は大きさは固定ではなく、打席に入っている打者キャラクタに応じて、変更される。但し、判定領域は打席に入る打者キャラクタごとに必ず変更する必要はなく、打者キャラクタの能力が特に高い、あるいは特に低いという条件でのみ変更するようにしてもよい。
具体的には、このゲームが野球又はソフトボールを模擬したものであるとすると、例えば、打席に入っている打者キャラクタの能力が特に高い場合には、例えばヒットやホームランに相当する判定領域の数を増やしたり面積を大きくする(あるいはアウトに相当する判定領域の数を減らしたり面積を小さくする)変更がなされる。逆に打者キャラクタの能力が特に低い場合には、ヒットやホームランに相当する判定領域の数を少なくしたり面積を小さくする(あるいはアウトに相当する判定領域の数を増やしたり面積を大きくする)変更がなされる。
以上のように、本構成によれば、打席に入っている打者キャラクタの能力のレベルを、判定領域の種類及び/又は大きさによって表現することができる。従って、プレイヤは、打者キャラクタが変わったときのフィールドの状況の変化を楽しむことができるとともに、打席に入った打者キャラクタの能力レベルが高いのか低いのかをも一見して認識でき、ゲームに対する興味を強く持つことになるので、高い興趣性を有するゲームを実現できる。
【0021】
請求項4に係るゲームプログラムは、請求項3に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(11)上記第2変更機能は、打者キャラクタ能力記憶機能によって記憶された打者キャラクタの能力データに基づき、打者キャラクタの能力が高いほど、打者に有利となるように判定領域の種類及び/又は大きさを変更し、打者キャラクタの能力が低いほど、打者に不利となるように判定領域の種類及び/又は大きさを変更するとともに、判定領域の種類及び/又は大きさの変化が打者に与える有利又は不利の程度が、打者キャラクタの能力に応じたものであること。
【0022】
このゲームプログラムでは、打者キャラクタの能力データに基づく判定領域の種類及び/又は大きさの変化が打者に与える有利又は不利の程度が、打者キャラクタの能力に応じたものとなる。そのため、打者キャラクタの能力に応じたきめ細かい判定領域の設定がなされるとともに、打者キャラクタの能力の高さ又は低さがそのままフィールドにおけるプレートの設定に反映されることになるため、プレイヤのフィールドへの注目をより強く誘引することになり、より高い興趣性を実現できる。
【0023】
請求項5に係るゲームプログラムは、請求項3に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(12)上記第2変更機能は、打者キャラクタ能力記憶機能によって記憶された打者キャラクタの能力データのうち、打席に入っている打者キャラクタの能力データが、特定の打撃能力を示す場合に、打者に有利となるように判定領域の種類及び/又は大きさを変更するものであること。
【0024】
このゲームプログラムでは、打席に入っている打者キャラクタの能力データが特定の打撃能力を示す場合に、打者に有利となるような判定領域の変更、例えば、ヒットやホームランに相当する判定領域の数を増やしたり面積を大きくする(あるいはアウトに相当する判定領域の数を減らしたり面積を小さくする)変更がなされる。つまり、打席に入っている打者キャラクタが、特に突出した能力を有する打者キャラクタである場合にのみ、判定領域を変更する。よって、例えば、現実の野球ゲームでいうスタープレイヤに相当するようなキャラクタ設定が可能となり、この打者キャラクタが打席に立ったときのプレイヤの期待感を煽ることができ、ゲーム性を向上させることができる。
【0025】
請求項6に係るゲームプログラムは請求項1〜5のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、ゲームが野球又はソフトボールを模擬したものであって、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(13)ゲームの進行状況を認識するゲーム状況認識機能。
(14)ゲーム状況認識機能によって得点圏に走者が存在すると認識された場合には、打者に有利となるように判定領域の種類及び/又は大きさを変更する第3変更機能。
【0026】
このゲームプログラムでは、得点圏に走者が存在すると認識された場合には、打者に有利となるように判定領域の種類及び/又は大きさが変更される。すなわち、試合中において判定領域の種類及び/又は大きさは固定ではなく、得点圏に走者が存在すると認識された場合には、判定領域が打者に有利となるように変更される。そのため、攻撃側のプレイヤにとって得点圏に走者が存在する場合、すなわち試合中において攻撃側のプレイヤにとって有利な局面(守備側のプレイヤにとって不利な局面)では、判定領域の変更に伴って攻撃側のプレイヤにとってさらに有利な状況(守備側のプレイヤにとってさらに不利な状況)となる。つまり、得点圏に走者が存在する場合に、試合の緊迫感を増すことができる。
【0027】
請求項7に係るゲームプログラムは請求項5又は6のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、ゲームが野球又はソフトボールを模擬したものであって、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(15)打者キャラクタ能力記憶機能によって記憶された打者キャラクタの能力データのうち、打席に入っている打者キャラクタの能力データが特定の打撃能力を示し、かつ、ゲーム状況認識機能によって得点圏に走者が存在すると認識された場合には、打者に有利となるように判定領域の種類及び/又は大きさを変更する第4変更機能。
【0028】
このゲームプログラムでは、打者キャラクタが特定の打撃能力を有しており、かつ、得点圏に走者が存在すると認識された場合には、打者に有利となるように判定領域の種類及び/又は大きさが変更される。これにより、得点圏に走者が存在する場合に特に高い能力を発揮する打者(いわゆるクラッチヒッター)を模擬することができる。
【0029】
請求項8に係るゲームプログラムは、請求項1〜7のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(16)ボール軌道算出機能が、隣接する2個の判定領域に跨ってボールオブジェクトが停止しないように、ボールオブジェクトの軌道を調整するものであること。
【0030】
このゲームプログラムでは、打撃によって移動するボールオブジェクトが隣接する2個の判定領域に跨って停止しないように、ボールオブジェクトの軌道が調整されるため、第2表示機能によって表示されるボールオブジェクトの停止位置は、隣接する2個の判定領域に跨らないようになる。そのため、プレイヤによって視認されるボールオブジェクトの停止位置に基づく打撃の結果の判定内容についてのプレイヤの期待値と、打撃結果判定機能による打撃の結果の判定内容とを一致させることができる。
【0031】
具体的には、例えばアウトと3塁打の判定領域が隣接している境界線上にボールオブジェクトが停止し、かつ、そのボールオブジェクトの中心がほぼ境界線上にあって、ゲーム画面上ではどちらの判定領域になるか視認し難い状況が発生する可能性がある。この状況下では、プレイヤとしては自分の期待感もあって、3塁打の結果を得たと考える一方、実際にはボールオブジェクトの中心はアウトの判定領域に位置しておりアウトと判定されることがある。この場合、プレイヤは期待感を裏切られたように感じ、ゲームに対する無用な不信感を与えることになりかねない。特に、フィールドが多数の判定領域に分割されていると、必然的に境界線も多数存在することになるので、これらの境界線上でボールキャラクタが停止する状況も増える。そして、上記不信感が重なると、ゲームに対するプレイヤの信頼度が低下する恐れもある。この点、本構成によれば、ボールオブジェクトが境界線上で停止しないようにその軌跡を調整するので、上記のようなゲームに対するプレイヤの信頼度が低下が生ずることを事前に回避できる。
【0032】
請求項9に係るゲームプログラムは、請求項1〜8のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(17)打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が、フィールドにおいて特典付与対象となる第2領域に含まれるか、又は、打撃によって移動するボールオブジェクトが、特典付与対象となる第2オブジェクトと接触した場合には、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトの移動速度及び/又は軌道の変化、打撃によるボールオブジェクトの予定軌道の変化、及びフィールドオブジェクトと接触後のボールオブジェクトの軌道の変化の内、少なくともいずれかを生じさせる特典をプレイヤに付与する特典付与機能。
【0033】
このゲームプログラムでは、打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が、フィールドにおいて特典付与対象となる第2領域に含まれるか、又は、打撃によって移動するボールオブジェクトが、特典付与対象となる第2オブジェクトと接触した場合には、プレイヤに特典が付与される。そのため、ボールオブジェクトの停止位置が第2領域に含まれるか、又は、ボールオブジェクトが第2オブジェクトと接触することをプレイヤが狙って、又は期待して、プレイヤによりスイング指示入力がなされるようになり、ゲームの興趣性が増すことになる。
また、プレイヤに付与される特典の内容は、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトの移動速度及び/又は軌道の変化、打撃によるボールオブジェクトの予定軌道の変化、及びフィールドオブジェクトと接触後のボールオブジェクトの軌道の変化の内、少なくともいずれかを生じさせるものである。すなわち、プレイヤに付与される特典には、試合を進行させる上でプレイヤにとって有利となる内容が含まれており、その試合において特典が付与されることの動機付けをプレイヤに与えることができる。
【0034】
請求項10に係るゲームプログラムは、請求項9に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのゲームプログラムである。
(18)プレイヤに付与された1又は複数の特典を、各特典の内容が視認可能な形式で表示するとともに、プレイヤによる特典の選択に応じて、選択された特典に対応する変化を生じさせる特典処理機能。
【0035】
このゲームプログラムでは、プレイヤに付与された1又は複数の特典が、各特典の内容が視認可能な形式で表示される。また、プレイヤによる特典の選択に応じて、選択された特典に対応する変化を生じさせることができる。すなわち、プレイヤは、1又は複数の特典の各々の内容を視認しつつ、所望の変化(すなわち、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトの移動速度及び/又は軌道の変化、打撃によるボールオブジェクトの予定軌道の変化、及びフィールドオブジェクトと接触後のボールオブジェクトの軌道の変化の内、少なくともいずれかの変化)を生じさせる特典を選択することができる。よって、プレイヤは、ゲームによって実現される試合の局面に応じた、所望の変化を生じさせることができるようになり、ゲームの興趣性が増すことになる。
【0036】
請求項11に係るゲーム装置は、移動させられるボールに対するバットのスイング動作が画像表示部に表示されるゲームの進行を制御するものであって、以下の各手段を備える。
(19)フィールドと、フィールドに属する複数種類の判定領域と、フィールド上に配置される1又は複数種類のフィールドオブジェクト、をゲーム空間に設定するゲーム空間設定手段。
(20)ゲーム空間の第1方向から、バットオブジェクトと、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトとを表示する第1表示手段。
(21)バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトがバットオブジェクト近傍に到達するタイミングと、プレイヤによるバットオブジェクトに対するスイング指示入力が行われるタイミングとに基づいて、バットオブジェクトのボールオブジェクトに対する打撃によるボールオブジェクトの移動変化を決定するスイング処理手段。
(22)打撃によるボールオブジェクトの予定軌道を算出するとともに、打撃によってフィールド内を移動するボールオブジェクトがフィールドオブジェクトと接触した場合には、当該接触後のボールオブジェクトの軌道を算出するボール軌道算出手段。
(23)ゲーム空間の第2方向から、打撃によって移動し、停止するボールオブジェクトを表示する第2表示手段。
(24)打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が含まれる判定領域の種類に基づいて、当該打撃の結果を判定する打撃結果判定手段。
(25)プレイヤによる選択に応じて、又は、ゲーム開始時若しくはゲーム中に、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかを変更する第1変更手段。
【0037】
請求項12に係るゲーム制御方法は、移動させられるボールに対するバットのスイング動作が画像表示部に表示されるゲームを模擬したゲーム装置を制御する方法であって、以下のステップを備える。
(26)フィールドと、フィールドに属する複数種類の判定領域と、フィールド上に配置される1又は複数種類のフィールドオブジェクト、をゲーム空間に設定するゲーム空間設定ステップ。
(27)ゲーム空間の第1方向から、バットオブジェクトと、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトとを表示する第1表示ステップ。
(28)バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトがバットオブジェクト近傍に到達するタイミングと、プレイヤによるバットオブジェクトに対するスイング指示入力が行われるタイミングとに基づいて、バットオブジェクトのボールオブジェクトに対する打撃によるボールオブジェクトの移動変化を決定するスイング処理ステップ。
(29)打撃によるボールオブジェクトの予定軌道を算出するとともに、打撃によってフィールド内を移動するボールオブジェクトがフィールドオブジェクトと接触した場合には、当該接触後のボールオブジェクトの軌道を算出するボール軌道算出ステップ。
(30)ゲーム空間の第2方向から、打撃によって移動し、停止するボールオブジェクトを表示する第2表示ステップ。
(31)打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が含まれる判定領域の種類に基づいて、当該打撃の結果を判定する打撃結果判定ステップ。
(32)プレイヤによる選択に応じて、又は、ゲーム開始時若しくはゲーム中に、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかを変更する第1変更ステップ。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、移動させられるボールに対するバットのスイング動作が画像表示部に表示されるゲームにおいて、ボールオブジェクトの打撃に際しプレイヤによる複雑な操作を伴う入力を要しない。また、本発明によれば、打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が含まれる判定領域の種類に基づいて、当該打撃の結果が自ずと定まり、例えばボールオブジェクトを捕捉する等のプレイヤの操作による入力を要しない。よって、コントローラ等、プレイヤの操作による入力を受け入れる装置に対する操作に熟練していないプレイヤであっても、ゲームを楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第1の実施形態のゲーム装置の基本構成を示す図。
【図2】第1の実施形態の制御部で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図。
【図3】第1の実施形態におけるゲーム空間を平面図の一例であって、フィールド、プレート及びフィールドオブジェクトを例示する図。
【図4】第1の実施形態の第1表示手段によってテレビジョンモニタに表示される表示態様を例示する図。
【図5】第1の実施形態の第1表示手段によってテレビジョンモニタに表示される表示態様を例示する図。
【図6】第1の実施形態のボール軌道算出手段におけるボールオブジェクトの軌道調整処理について説明するための図。
【図7】第1の実施形態の第2表示手段によってテレビジョンモニタに表示される表示態様を例示する図。
【図8】第1の実施形態の第2表示手段によってテレビジョンモニタに表示される表示態様を例示する図。
【図9A】第1の実施形態の野球ゲームの主要な処理フローの一例を示すフローチャート。
【図9B】第1の実施形態の野球ゲームの主要な処理フローの一例を示すフローチャート。
【図10】第1の実施形態の野球ゲームにおいて、打撃によって移動したボールオブジェクトが停止した状態の表示画面を例示する図。
【図11】第2の実施形態の制御部で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図。
【図12A】第2の実施形態においてエディット機能が実行されたときにテレビジョンモニタに表示される表示画面を示す図。
【図12B】第2の実施形態においてエディット機能が実行されたときにテレビジョンモニタに表示される表示画面を示す図。
【図12C】第2の実施形態においてエディット機能が実行されたときにテレビジョンモニタに表示される表示画面を示す図。
【図12D】第2の実施形態においてエディット機能が実行されたときにテレビジョンモニタに表示される表示画面を示す図。
【図12E】第2の実施形態においてエディット機能が実行されたときにテレビジョンモニタに表示される表示画面を示す図。
【図12F】第2の実施形態においてエディット機能が実行されたときにテレビジョンモニタに表示される表示画面を示す図。
【図13】第3の実施形態の制御部で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図。
【図14】第3の実施形態において打者キャラクタごとの能力データの構成の一例を示す図。
【図15A】第3の実施形態のプレートの設定又は変更例を説明するための図。
【図15B】第3の実施形態のプレートの設定又は変更例を説明するための図。
【図15C】第3の実施形態のプレートの設定又は変更例を説明するための図。
【図15D】第3の実施形態のプレートの設定又は変更例を説明するための図。
【図15E】第3の実施形態のプレートの設定又は変更例を説明するための図。
【図16】第4の実施形態の制御部で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図。
【図17】第4の実施形態においてボールオブジェクトが第2領域に停止したときの第2表示画面の一例を示す図。
【図18】第4の実施形態においてプレイヤに付与される特典の例をリストにして示す図。
【図19】第4の実施形態においてプレイヤに付与されたカードを、特典の内容が視認可能な形式で第1表示画面に表示されている一例を示す図。
【図20】第4の実施形態において、特典による表示上の効果の一例を示す図。
【図21】第4の実施形態においてカードの利用形態の変形例について説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(1)第1の実施形態
(1−1)ゲーム装置の構成と動作
図1は、本発明のゲーム装置の一実施形態として家庭用ビデオゲーム装置の基本構成を示している。家庭用ビデオゲーム装置は、家庭用ゲーム機本体および家庭用テレビジョンを備える。家庭用ゲーム機本体には、記録媒体10が装填可能となっており、記録媒体10からゲームデータが適宜読み出されてゲームが実行される。このようにして実行されるゲーム内容が家庭用テレビジョンに表示される。
【0041】
家庭用ビデオゲーム装置のゲームシステムは、制御部1と、記憶部2と、画像表示部3と、音声出力部4と、操作入力部5とからなっており、それぞれがバス6を介して接続される。このバス6は、アドレスバス、データバス、および制御バスなどを含んでいる。図1に示した例では、制御部1、記憶部2、音声出力部4および操作入力部5が家庭用ビデオゲーム装置の家庭用ゲーム機本体に含まれており、画像表示部3が家庭用テレビジョンに含まれている構成を採り得るが、かかる構成に限られない。ゲーム機本体とモニタが一体となったゲーム装置、例えば携帯型ゲーム装置についても図1と同様の構成を採り得る。
【0042】
制御部1は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。制御部1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)7と、信号処理プロセッサ8と、画像処理プロセッサ9とから構成されている。CPU7と信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とは、それぞれがバス6を介して互いに接続されている。CPU7は、ゲームプログラムの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。
【0043】
信号処理プロセッサ8は、主に、画像データの生成加工処理を行う。例えば、信号処理プロセッサ8は、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を行う。また、信号処理プロセッサ8は、ゲーム空間としての仮想3次元空間に配置され、テクスチャマッピングが施されたポリゴンからなるデータ(例えばキャラクタやオブジェクト等のデータ)を、Zバッファ法等によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを見たレンダリング画像を得る演算を行う。信号処理プロセッサ8は、音声データの生成加工処理も行う。画像処理プロセッサ9は、主に、信号処理プロセッサ8の計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12に書き込む処理を行っている。
【0044】
記憶部2は、例えば、記録媒体10と、インターフェース回路11と、RAM(Random Access Memory)12とから構成されている。記録媒体10には、インターフェース回路11が接続されている。そして、インターフェース回路11とRAM12とはバス6を介して接続されている。記録媒体10は、例えば、ROM(Read Only Memory)カセット、光ディスク、およびフレキシブルディスクなどであり、例えば、ゲームプログラム、ゲームプログラムで使用される各種データの他、フィールド、キャラクタやオブジェクト等の2次元及び3次元データを格納するために設けられている。RAM12は、記録媒体10から読み出されたフィールド、キャラクタやオブジェクト等の2次元及び/又は3次元データを含む各種データを一時的に格納するとともに、描画すべき画像データをフレーム毎にバッファリングする機能(いわゆるVRAMとしての機能)を備える。
【0045】
画像表示部3は、主に、画像処理プロセッサ9によってRAM12に書き込まれた画像データや、記録媒体10から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。この画像表示部3は、例えば、テレビジョンモニタ20と、インターフェース回路21と、D/Aコンバータ(Digital-To-Analogコンバータ)22とから構成されている。テレビジョンモニタ20にはD/Aコンバータ22が接続されており、D/Aコンバータ22にはインターフェース回路21が接続されている。そして、インターフェース回路21にバス6が接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号がテレビジョンモニタ20に画像として出力される。
【0046】
音声出力部4は、主に、記録媒体10から読み出される音声データ、及び/又は信号処理プロセッサ8によって生成される音声データを、音声として出力するために設けられている。音声出力部4は、例えば、スピーカ13と、増幅回路14と、D/Aコンバータ15と、インターフェース回路16とから構成されている。スピーカ13には増幅回路14が接続されており、増幅回路14にはD/Aコンバータ15が接続されており、D/Aコンバータ15にはインターフェース回路16が接続されている。そして、インターフェース回路16にバス6が接続されている。ここでは、音声データが、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給され、ここでアナログ音声信号に変換される。このアナログ音声信号が増幅回路14によって増幅され、スピーカ13から音声として出力される。
【0047】
操作入力部5は、主に、コントローラ17と、操作情報インターフェース回路18と、インターフェース回路19とから構成されている。コントローラ17には、操作情報インターフェース回路18が接続されており、操作情報インターフェース回路18にはインターフェース回路19が接続されている。そして、インターフェース回路19にバス6が接続されている。
【0048】
コントローラ17は、プレイヤの操作に伴う種々の入力を受け入れるための操作装置であり、プレイヤの操作に応じた入力信号をCPU7へ送出する。図1に例示するコントローラ17には、第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、右方向キー17R、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1、R2ボタン17R2、スタートボタン17e、セレクトボタン17f、左スティック17SL及び右スティック17SRが設けられている。ここで、左スティック17SL及び右スティック17SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。各ボタン及び各方向キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチである。
【0049】
各スティック、各ボタン及び各方向キーは、記録媒体10からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り当てられている。例えば、いずれかのボタンは、記録媒体10からゲームプログラムをロードするに当たってCPU7へ指示するための、プレイヤの操作による入力を受け入れるために割り当てられる。いずれかのボタンは、プレイヤの操作に伴うスイング指示入力(後述する)を受け入れるために割り当てられる。方向キーは例えば、テレビジョンモニタ20上に表示される複数の選択候補の中からいずれかの候補を指定するために設けられる。いずれかのボタンは、方向キーによって指定された候補を選択結果として確定させるための、プレイヤの操作による入力を受け入れるために割り当てられる。
なお、上述したコントローラ17の構成は一例に過ぎず、制御部1がゲームプログラムに基づくゲーム全体の進行を制御するための所要の入力を受け入れることが可能であるならば、コントローラ17の構成は問わない。
【0050】
(1−2)ゲーム装置における各種処理概要
本ゲーム装置において実行されるゲームは、移動させられるボールに対してバットのスイング動作による打撃を行う球技(例えば、野球、ソフトボール、クリケット等)を模擬したものである。以下では、一例として野球を模擬した野球ゲームをゲーム装置が実行する場合に本ゲーム装置で実現される機能について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態の制御部1で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0051】
ゲーム空間設定手段51は、フィールドと、フィールドに属する複数種類の判定領域と、フィールド上に配置される1又は複数種類のフィールドオブジェクト、をゲーム空間に設定する機能を備えている。
ゲーム空間設定手段51では、3次元直交座標系に基づく3次元ゲーム空間(以下、単に「ゲーム空間」)がCPU7により設定される。ゲーム空間設定手段51では、ゲーム空間内にフィールドが設定される。ゲーム空間に設定されるフィールドには複数種類の判定領域としてのプレートが属しており、フィールド中のフェア領域の一部又は全てがプレートにより区画されている。また、ゲーム空間において、フィールド上には1又は複数種類のフィールドオブジェクトが配置される。ゲーム空間設定手段51では、フィールド、プレート、フィールドオブジェクト等のデータが、記録媒体10からRAM12へ供給される。
【0052】
ここで、フィールド、プレート及びフィールドオブジェクトについて、図3を参照してさらに説明する。図3は、ゲーム空間を平面図の一例であって、フィールド、プレート及びフィールドオブジェクトを例示する図である。
【0053】
フィールドは、例えば、フェア領域、ファウル領域、フェア領域とファウル領域を区別するためのファウルライン、及び各ベース位置、が3次元空間内で既定されている2次元データである。
【0054】
判定領域としてのプレートは、後述する打撃結果判定手段56によって打撃の結果を判定するための基準となる領域である。すなわち、後述するように、このゲームでは打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が含まれるプレートの種類によって打撃の結果が判定される。プレートの種類は、図3に例示するように、「OUT」(アウト)、「SINGLE」(シングルヒット)、「DOUBLE」(二塁打)、「TORIPLE」(三塁打)、「HOMERUN」(ホームラン)である。図3では、フィールドを区画する複数種類のプレートが例示されている。RAM12に格納されるプレートのデータは、プレートの位置及び形状を特定する2次元データ(例えばポリゴンの頂点の座標データ)と、プレートの種類を示す属性データとを含む。
【0055】
フィールドオブジェクトは、フィールド上に配置され、打撃によってフィールド内を移動するボールオブジェクトの予定軌道を変更させうるオブジェクトである。すなわち、打撃によってフィールド内を移動するボールオブジェクトがフィールドオブジェクトに接触すると、後述するボール軌道算出手段54によって、ボールオブジェクトの予定軌道が変更させられる。図3では、異なる種類のフィールドオブジェクトとして、ポケット型オブジェクト201、ウォール型オブジェクト202、及びケージ型オブジェクト203が例示されている。RAM12に格納されるフィールドオブジェクトのデータは、フィールドオブジェクトの位置及び形状を特定する3次元データと、フィールドオブジェクトの種類(ポケット型、ウォール型、ケージ型等)を示す属性データとを含む。
【0056】
第1表示手段52は、ゲーム空間の第1方向から、バットオブジェクトと、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトとを表示する機能を備えている。第1表示手段52が実行されると、テレビジョンモニタ20上にゲーム空間を第1方向から見た第1表示画面が生成される。第1表示手段52では、バットオブジェクトとボールオブジェクトの他、ボールオブジェクトをバットオブジェクトに向かって移動させる投手キャラクタと、バットオブジェクトを保持する打者キャラクタとをさらに表示するようにしてもよい。以下では、第1表示手段52が投手キャラクタと打者キャラクタを表示する場合について説明する。この場合、投手キャラクタ及び打者キャラクタの3次元データがRAM12に格納されている。
【0057】
第1表示手段52では、バットオブジェクトと、CPU7のリリース命令に応じて投手キャラクタからリリースされて刻々と移動するボールオブジェクトとを含む画像データがフレーム単位でRAM12に格納され、テレビジョンモニタ20に連続的に画像として表示される。この画像は、ゲーム空間を第1方向から見たときの画像である。第1方向については限定しないが、例えばホームベースから投手キャラクタへ向かう方向を第1方向にしてもよい。
【0058】
図4及び図5は、第1表示手段52によって生成される第1表示画面の表示態様を例示する図である。図4では、投手キャラクタ101からボールオブジェクト110がリリースされる前の状況が表示されている。図5では、投手キャラクタ101からボールオブジェクト110がリリースされた後の状況が表示されている。図5では、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトとして、バットオブジェクト111の近傍のミートカーソルMCに向かってリリースされるボールオブジェクト110が表されている。図4及び図5では、例えばホームベースから投手キャラクタへ向かう方向を第1方向とした場合の表示態様が示されている。図4及び図5に示すように、第1表示手段52は、バットオブジェクト111とボールオブジェクト110の他、投手キャラクタ101、打者キャラクタ102及び野手キャラクタ103を表示するようにしてもよい。このとき、ボールオブジェクトがバットオブジェクトに向かって移動を開始するタイミングをプレイヤに認識させるために、投手キャラクタの投球動作を表示するようにしてもよい。
【0059】
スイング処理手段53は、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトがバットオブジェクト近傍に到達するタイミングと、プレイヤによるバットオブジェクトに対するスイング指示入力が行われるタイミングとに基づいて、バットオブジェクトのボールオブジェクトに対する打撃によるボールオブジェクトの移動変化を決定する機能を備えている。打撃によるボールオブジェクトの移動変化の決定態様としては、例えば、打撃後のボールオブジェクトの移動方向(初期の放出方向)及び初速を算出することを挙げることができる。
【0060】
スイング処理手段53では、例えば、移動させられるボールオブジェクトが、打者キャラクタの近傍に設けられるミートカーソルを通過するタイミングと、プレイヤのコントローラ17の所定のボタンに対する操作による入力を受け入れるタイミング(スイング指示入力が行われるタイミング)との一致度合いに基づいて、バットオブジェクトのボールオブジェクトに対する打撃によるボールオブジェクトの移動変化がCPU7により決定される。両者のタイミングの差が所定の閾値以上であれば、バットオブジェクトのボールオブジェクトに対する打撃は生じないと判断される。両者のタイミングの差が所定の閾値よりも小さければ、両者のタイミングの前後関係及びタイミング差に基づいて、打撃後のボールオブジェクトの移動方向が算出される。例えば、ボールオブジェクトがミートカーソルを通過するタイミングよりもスイング指示入力が行われるタイミングが早ければ、打撃後のボールオブジェクトの移動方向が第1表示画面上で左方向(レフト方向)となるように算出される。また、ボールオブジェクトがミートカーソルを通過するタイミングと、スイング指示入力が行われるタイミングとが同一であるという条件の下であっても、同一打者キャラクタによる打撃後のボールオブジェクトの初速をスイング毎にランダムに変化させるようにしてもよい。また、打撃後のボールオブジェクトの初速は、スイングに対応付けられた打者キャラクタに予め割り当てられたパラメータ(例えば能力値を表すパラメータ)に応じて変化させるようにしてもよい。
【0061】
ボール軌道算出手段54は、打撃によるボールオブジェクトの予定軌道を算出するとともに、打撃によってフィールド内を移動するボールオブジェクトがフィールドオブジェクトと接触した場合には、当該接触後のボールオブジェクトの軌道を算出する機能を備えている。スイング処理手段53によりボールオブジェクトの移動変化が決定されたことが、ボール軌道算出手段54が実行される契機となる。
【0062】
ボール軌道算出手段54では先ず、打撃によるボールオブジェクトの予定軌道がCPU7により算出される。ここで、ボールオブジェクトの予定軌道の算出は、以下のとおり行われる。すなわち、スイング処理手段53によって算出される、打撃後のボールオブジェクトの移動方向(初期の放出方向)及び初速と、ボールオブジェクトの既定の質量とを、所定の軌道算出式に離散的に代入し、刻々と変化するボールオブジェクトの位置座標を逐次算出することで、3次元空間におけるボールオブジェクトの軌道が算出される。軌道算出式として最も簡易なものは、ボールオブジェクトに与えられる重力加速度のみを考慮した運動方程式(例えばz方向では、m(d2z/dt2)=-mg-r(dz/dt)、m:ボールオブジェクトの質量、g:重力加速度)により得られる。ゲームプログラムには、上記軌道方程式が離散化された状態で記述されている。また、打撃後にボールオブジェクトがフィールドに着地した後の軌道は、着地時の不完全弾性衝突が考慮される。すなわち、反発係数eが1未満となる所定の値に基づいて着地後の初速が算出される。
【0063】
ボール軌道算出手段54は、打撃によってフィールド内を移動するボールオブジェクトがフィールドオブジェクトと接触した場合には、打撃によるボールオブジェクトの予定軌道を修正し、フィールドオブジェクトと接触後のボールオブジェクトの軌道を新たに算出する。図3では、ポケット型オブジェクト201、ウォール型オブジェクト202、及びケージ型オブジェクト203を例示したが、フィールドオブジェクトと接触後のボールオブジェクトの軌道は、フィールドオブジェクトの種類によって異なる。
【0064】
例えば、ボールオブジェクトがウォール型オブジェクトと接触した場合には、予定軌道に従って移動するボールオブジェクトがウォール型オブジェクトにより跳ね返される。ボール軌道算出手段54は、ウォール型オブジェクトと接触後、すなわち、跳ね返された後のボールオブジェクトの軌道を、ウォール型オブジェクトに予め対応付けられた反発係数e(e<1)に基づいて算出する。ここで、ウォール型オブジェクトとの接触直後のボールオブジェクトの移動方向及び速度(速度ベクトル)は、接触直前のボールオブジェクトの移動方向及び速度(速度ベクトル)と、ウォール型オブジェクトの反発係数とを、運動量保存則に従った既定の式に代入することで得られる。ウォール型オブジェクトとの接触後のボールオブジェクトの軌道は、例えば、ボールオブジェクトに与えられる重力加速度を考慮した軌道算出式を用いて離散的に算出される。なお、ウォール型オブジェクトとして、反発係数eが異なる複数種類のオブジェクト(例えば、ウッドウォール型オブジェクト、アイアンウォール型オブジェクト、ラバーウォール型オブジェクト)を設けるようにしてもよい。複数種類のウォール型オブジェクトを設けることで、接触後のボールオブジェクトの軌道がウォール型オブジェクトの種類に応じて変化し、後述する打撃結果判定手段56により得られる判定結果を異ならせることができる。
【0065】
ポケット型オブジェクトは、典型的には、判定領域としてのプレートに対応して配置される。すなわち、対応するプレート内、又は、対応するプレートの輪郭に沿って配置される。ボールオブジェクトがポケット型オブジェクトと接触した場合には概ね、そのポケット型オブジェクトに対応するプレート内にボールオブジェクトが囲い込むようになる。
ポケット型オブジェクトは、対応するプレート内、又は、対応するプレートの輪郭に沿って配置されるが、打撃によって移動するバットオブジェクトを捕捉するべく、ホームベースに向かって開口している。例えば、図3に例示するポケット型オブジェクト201は、比較的高さが低いウォール型オブジェクトが3個組み合わされて構成されており、全体としてホームベースに向かって開口している。このとき、ボール軌道算出手段54は、ポケット型オブジェクトと接触後の軌道を、ポケット型オブジェクトを構成する各ウォール型オブジェクトに予め対応付けられた反発係数e(e<1)に基づいて算出する。ポケット型オブジェクトを構成する1個のウォール型オブジェクトと接触後に、そのポケット型オブジェクトを構成する他のウォール型オブジェクトと接触後の軌道の算出も同様である。その結果、ポケット型オブジェクトのホームベースに向かって開口している側から、そのポケット型オブジェクトに対応するプレート内に進入するボールオブジェクトは、ポケット型オブジェクトを構成する複数のウォール型オブジェクトのいずれかと接触(衝突)した後には、そのプレート内に停止する、すなわち囲い込まれる可能性が高くなる。なお、打撃が強い場合等に、いったんポケット型オブジェクトのホームベースに向かって開口している側からプレート内に進入したボールオブジェクトが、ポケット型オブジェクトとの接触によって、そのプレートから脱出することはありうる。
ポケット型オブジェクトは、野手がボールを捕捉することを模擬するためにフィールド上において通常野手が配置される位置の近傍に設けてもよいが、それに限られない。
【0066】
ボールオブジェクトがケージ型オブジェクトと接触した場合には、ボールオブジェクトは、予定軌道に従って移動するボールオブジェクトが捕捉され、その接触によりほとんど反発することなく、ケージ型オブジェクトの近傍に落下する。ケージ型オブジェクトは、打撃によって移動するボールオブジェクトを捕捉するべく、ホームベースに対向して配置される。この場合、ボール軌道算出手段54は、ケージ型オブジェクトに予め対応付けられる極めて低い反発係数eに基づいて、ケージ型オブジェクトに接触後のボールオブジェクトの軌道を算出する。この軌道算出方法は、ウォール型オブジェクトのそれと同じである。
なお、図3に例示したケージ型オブジェクト203は、打撃によって移動するボールオブジェクトを確実に捕捉するべく、全体としてホームベースに向かって開口した、略直方体形状で形成されている。この場合、極めて低い反発係数eを持つ4個のウォール型オブジェクトによってケージ型オブジェクトが構成されているものとして、ケージ型オブジェクトと接触後の軌道が算出される。
【0067】
ボール軌道算出手段54は、隣接する2個のプレートに跨ってボールオブジェクトが停止しないように、ボールオブジェクトの軌道を調整することが好ましい。すなわち、隣接する2個のプレートに跨って停止したボールオブジェクトが表示されてしまうと、後述する打撃結果判定手段56による判定結果の如何に関わらず、プレイヤ、又はプレイヤ間に判定結果についての疑義、ひいてはゲームに対する不信感が生ずる可能性がある。しかしながら、上述したボールオブジェクトの軌道調整によって、かかる疑義が生ずる可能性が回避される。換言すると、プレイヤによって視認されるボールオブジェクトの停止位置に基づく打撃の結果の判定内容についてのプレイヤの期待値と、後述する打撃結果判定機能56による打撃の結果の判定内容とを一致させることができる。そのため、打撃結果判定機能56による打撃の結果の判定内容に対するプレイヤの信頼度を高めることができる。
【0068】
ボール軌道算出手段54によって実行されうるボールオブジェクトの軌道調整処理について、図6を参照して説明する。図6は、ボールオブジェクトの軌道調整処理について説明するための図である。この軌道調整処理では、打撃後のボールオブジェクトの速度が所定の閾値以下となった場合に、ボールオブジェクトの停止位置が予測される。ここで、所定の閾値は極めて低い速度に設定されており、ボールオブジェクトが停止する直前にボールオブジェクトの停止位置の予測が行われる。以下、予測されたボールオブジェクトの停止位置を「予測停止位置」という。予測停止位置のボールオブジェクトの全領域が単一のプレートに包含されると判断された場合には、その後の処理は行われない。予測停止位置のボールオブジェクトの全領域が単一のプレートに包含されない場合、すなわち、予測停止位置のボールオブジェクトの領域が、隣接する2個のプレートに跨っていると判断された場合の処理について図6を参照して説明する。
【0069】
図6では、予定軌道、又はフィールドオブジェクトと接触後の軌道に従って、ボールオブジェクト110がプレートPL1からプレートPL2に向かう方向に移動している状態を示している。このとき、予測停止位置におけるボールオブジェクト110が隣接する2個のプレートPL1,PL2に跨ると判断されると、その予測停止位置におけるボールオブジェクト110pの中心座標(CTR)が、隣接する2個のプレートPL1,PL2のいずれに属しているか判定される。図6の(a)は、予測停止位置におけるボールオブジェクト110pの中心座標がプレートPL1に属していると判定された場合である。この場合、表示される停止位置のボールオブジェクト110dの全領域がプレートPL1に包含されるように、ボールオブジェクト110の軌道が調整される。一方、図6の(b)は、予測停止位置におけるボールオブジェクト110pの中心座標がプレートPL2に属していると判定された場合である。この場合、表示される停止位置のボールオブジェクト110dの全領域がプレートPL2に包含されるように、ボールオブジェクト110の軌道が調整される。
【0070】
第2表示手段55は、ゲーム空間の第2方向から、打撃によって移動し、停止するボールオブジェクトを表示する機能を備えている。第2表示手段55が実行されると、テレビジョンモニタ20上にゲーム空間を第2方向から見た第2表示画面が生成される。スイング処理手段53によりボールオブジェクトの移動変化が決定されたことが、第2表示手段55が実行される契機となる。
【0071】
第2表示手段55では、ゲーム空間において打撃により移動するボールオブジェクト、すなわち、ボール軌道算出手段54により算出されるボールオブジェクトを含む画像データがフレーム単位でRAM12に格納され、テレビジョンモニタ20に連続的に画像として表示される。このとき、第2表示手段55では少なくとも、ゲーム空間を第2方向から見たときのボールオブジェクトを表示する。第2方向については限定しないが、例えば、打撃によるボールオブジェクトの移動方向をプレイヤに視認させやすくする目的で、打撃直後は、ホームベースから投手キャラクタへ向かう方向を第2方向とすることが好ましい。ホームベースから投手キャラクタへ向かう方向を第2方向にする場合には、バットオブジェクトとボールオブジェクトの他、投手キャラクタ及び打者キャラクタをさらに表示するようにしてもよい。また、打撃後、所定時間経過した後は、打撃によって移動し、停止するボールオブジェクトをプレイヤに視認しやすくする目的で、さらには停止したボールオブジェクトの停止位置が含まれるプレートをプレイヤに視認させやすくする目的で、ゲーム空間の上方の所定の視点から、移動又は停止するボールオブジェクトを含むフィールドの一部の領域に向けた方向を第2方向とすることが好ましい。このとき、ボールオブジェクトをさらにプレイヤに視認しやすくする目的で、ボールオブジェクトが第2表示画面の中央付近に表示されるように、画像データを作成するときの視点をボールオブジェクトの移動方向と略同一方向に移動させてもよい。
【0072】
図7は、第2表示手段55によって生成される第2表示画面の表示態様を例示する図であって、打撃直後において、ホームベースから投手キャラクタへ向かう方向を第2方向とした場合の表示態様が示されている。図7に示すように、打撃直後における第2表示手段55は、打撃によって移動するボールオブジェクトの他、バットオブジェクト、投手キャラクタ及び打者キャラクタを表示するようにしてもよい。
【0073】
図8は、第2表示手段55によって生成される第2表示画面の表示態様を例示する図であって、打撃後、所定時間経過した後において、ゲーム空間の上方の所定の視点から、移動又は停止するボールオブジェクトを含むフィールドの一部の領域に向けた方向を第2方向とした場合の表示態様が示されている。図8に示す例では、フィールドに属する複数種類のプレートと、フィールド上に配置される複数種類(図8では2種類)のフィールドオブジェクトとが表示されている。図8の例では、ボールオブジェクトがフィールドのライト方向に移動する場合について示されているが、この場合には、ゲーム空間の上方の所定の視点からフィールドのライト側の領域に向けた方向が第2方向として設定される。また、ボールオブジェクトをプレイヤにさらに視認させやすくする目的で、視点の位置を近づけることによるズームイン表示するようにしてもよい。
【0074】
また、第2表示手段55によって生成される第2表示画面において、プレートを表示する場合には、各プレートは、その種類が視覚によって区別できるように表示される。図8の例では、プレート上には、プレートの種類を示すテキスト(「OUT」、「SINGLE」、「DOUBLE」、「TORIPLE」、「HOMERUN」)が各プレートの領域上に表示されている。このような視覚による区別のほか、各プレートを種類に応じて予め規定された色によって表示するようにしてもよい。
【0075】
打撃結果判定手段56は、打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が含まれる判定領域としてのプレートの種類に基づいて、当該打撃の結果を判定する機能を備えている。打撃結果判定手段56では、CPU7が、ボール軌道算出手段54によって算出されるボールオブジェクトの停止位置の座標データが含まれるプレートの属性データをRAM12から読み出すことにより、打撃の結果を判定する。その結果、打撃の結果の判定内容は、「OUT」(アウト)、「SINGLE」(シングルヒット)、「DOUBLE」(二塁打)、「TORIPLE」(三塁打)、又は「HOMERUN」(ホームラン)のいずれかとなる。
【0076】
第1変更手段57は、プレイヤによる選択に応じて、又は、ゲーム開始時若しくはゲーム中に、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域としてのプレートの種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかを変更する機能を備えている。
第1変更手段57がフィールドオブジェクト及び/又はプレートの種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかを変更する第1の契機は、プレイヤによる選択である。プレイヤによる選択方法の態様は、様々な態様を採り得る。例えば、フィールドオブジェクト及び/又はプレートの種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかが異なる複数のオプション(フィールドにおけるフィールドオブジェクト及びプレートの組合せのデータセット)がゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされ、第1変更手段57は、ゲーム開始時におけるプレイヤの選択指示の入力を受け入れて、特定のオプションを選択するようにしてもよい。
【0077】
その場合、各オプションに対応付けられるデータは、例えば、フィールド内の各プレートのデータ、及び/又はフィールドに配置されるフィールドオブジェクトのデータと関連付けられている。例えば、ある特定のフィールドオブジェクトの種類が異なる2個のオプションでは、そのフィールドオブジェクトの属性データが異なる。ある特定のフィールドオブジェクトの大きさ、又は位置が異なる2個のオプションでは、そのフィールドオブジェクトの位置及び形状を特定する3次元データが異なる。同様にして、ある特定のプレートの種類が異なる2個のオプションでは、そのプレートの属性データが異なる。ある特定のプレートの大きさ、又は位置が異なる2個のオプションでは、そのプレートの位置及び形状を特定する2次元データが異なる。
【0078】
プレイヤによる選択に基づいてフィールドオブジェクト及び/又はプレートを変更する他の例として、試合を行うに当たってプレイヤにより複数のスタジアムのいずれかが選択可能に設定される場合を挙げることができる。このとき、各スタジアムでフィールドオブジェクト及び/又はプレートの種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかが異なっている。この場合、第1変更手段57は、ゲームプログラムが記録媒体10からRAM12にロードされた後に、プレイヤによるスタジアムの選択指示の入力を受け入れる。つまり、この例では、プレイヤによるスタジアムの選択に応じて、結果的に、フィールドオブジェクト及び/又はプレートの種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかの変更がなされることになる。
【0079】
第1変更手段57がフィールドオブジェクト及び/又はプレートの種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかを変更する第2の契機は、ゲーム開始時若しくはゲーム中において、プレイヤによる選択とは無関係に、CPU7によって上記変更指令が発行されたことである。CPU7が上記変更指令を発行するタイミングは、様々な態様を採り得る。例えば、フィールドオブジェクト及び/又はプレートの種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかが異なる複数のオプションがゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされ、第1変更手段57では、CPU7によって、ゲーム開始時若しくはゲーム中において、ランダムに複数のオプションの中のいずれかが選択される。ゲーム中の変更であれば、例えば、イニングが切り替わるタイミングで選択されるオプションが切り替わるようことが好ましい。
【0080】
(1−3)野球ゲームの主要な処理のフロー
次に、野球ゲームの主要な処理フローの一例について、図9A及び図9Bのフローチャートを参照して説明する。
この例では、ゲーム開始後にプレイヤが攻撃を行う場合について説明する。なお、図9A及び図9Bに示す処理フローの一例では、第1変更手段57によるフィールドオブジェクト及び/又はプレートの種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかの変更が、ゲーム開始時におけるプレイヤによる選択を契機としてなされる場合を示している。
【0081】
ここでは先ず、ゲームプログラムの他、各オブジェクト、各プレート及び各キャラクタ等の各種データが記録媒体10からRAM12にロードされ、RAM12に格納される(ステップS100)。ロードされたゲームプログラムをCPU7が実行すると先ず、第1変更手段57が実行される。すなわち、フィールドオブジェクト及び/又はプレートの種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかを初期設定値から変更するためのプレイヤの選択指示の入力を受け入れる(ステップS102)。この選択は例えば、フィールドオブジェクト及び/又はプレートの種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかが異なる複数のオプションの中から1つのオプションを選択することでなされる。なお、この複数のオプションは、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされている。
【0082】
次にゲーム空間設定手段51が実行される。すなわち、ステップS100で選択されたオプションに基づき、フィールドと、フィールドに属する複数種類のプレートと、フィールド上に配置される1又は複数種類のフィールドオブジェクト等の2次元又は3次元データがCPU7に認識され、3次元直交座標系に基づくゲーム空間が設定される(ステップS104)。
【0083】
次に、試合開始命令がCPU7から発行されると(ステップS106)、第1表示手段52が実行される。これにより、例えば図4に示したように、第1表示画面のテレビジョンモニタ20上での表示が開始される(ステップS108)。この第1表示画面は、例えば図4に示したように、ゲーム空間をホームベースから投手キャラクタへ向かう方向(第1方向)から見た画像が含まれる。図4に示した第1表示画面の例では、例えば、投手キャラクタ101、打者キャラクタ102、および野手キャラクタ103が、各キャラクタの3次元データに基づいて、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0084】
ここで、ボールオブジェクトのリリース命令が発行されると(ステップS110)、例えば図5に示したように、投手キャラクタ101からリリースされたボールキャラクタ110がバットオブジェクトの近傍(すなわち、打者キャラクタの近傍)に設定されるミートカーソルに向けて移動する状態が連続的にテレビジョンモニタ20に表示される(ステップS112)。
【0085】
続いて、リリースされたボールキャラクタ110がテレビジョンモニタ20に表示された状態で、プレイヤによるコントローラ17の所定のボタン(例えばボタン17b)に対する操作に伴い、バットオブジェクトに対するスイング指示入力を受け入れると、バットオブジェクトのスイング動作がテレビジョンモニタ20に表示されるとともに(ステップS114)、スイング処理手段53が実行される。スイング処理手段53では、リリースされたボールオブジェクトが、打者キャラクタの近傍に設けられるミートカーソルを通過するタイミングと、コントローラ17の所定のボタンが操作されるタイミング(スイング指示入力が行われるタイミング)との一致度合いに基づいて、バットオブジェクトのボールオブジェクトに対する打撃が生じたか否かが判断される(ステップS116)。打撃が生じた場合には、バットオブジェクトのボールオブジェクトに対する打撃によるボールオブジェクトの移動変化が決定される。すなわち、打撃後のボールオブジェクトの移動方向(初期の放出方向)及び初速が算出される。
ここで、ボールオブジェクトがバットオブジェクト近傍に到達するタイミングと、スイング指示入力が行われるタイミングとに基づいて、打撃によるボールオブジェクトの移動変化が決定されるため、ボールオブジェクトの打撃に際しプレイヤによる複雑な操作を伴う入力を要しない。
【0086】
スイング処理手段53によりボールオブジェクトの移動変化が決定されたことを契機としてボール軌道算出手段54が実行される。ここでは先ず、打撃によるボールオブジェクトの予定軌道が算出されるとともに(ステップS118)、第2表示手段55が実行されて第2表示画面へのテレビジョンモニタ20の画面の切替が行われる(ステップS120)。打撃直後の第2表示画面は例えば、図7に例示したように、ゲーム空間をホームベースから投手キャラクタへ向かう方向(第2方向)から見た画像が含まれる。この第2表示画面では、例えば、投手キャラクタ101、打者キャラクタ102、及び野手キャラクタ103とともに、打撃後に移動するボールオブジェクト110が、逐次テレビジョンモニタ20に表示される。これにより、プレイヤは打撃によるボールオブジェクトの移動方向が視認しやすくなる。また、打撃後、所定時間経過した後の第2表示画面は例えば、図8に例示したように、ゲーム空間の上方の所定の視点から、移動又は停止するボールオブジェクトを含むフィールドの一部の領域に向けた方向(第2方向)から見た画像が含まれる。これにより、プレイヤは打撃によって移動し、停止するボールオブジェクトが視認しやすくなるとともに、後のステップS126において、停止したボールオブジェクトの停止位置が含まれるプレートが視認しやすくなる。
【0087】
ボール軌道算出手段54は、打撃によってフィールド内を移動するボールオブジェクトがフィールドオブジェクトと接触した場合には(ステップS122)、ステップS118で算出した打撃によるボールオブジェクトの予定軌道を修正し、フィールドオブジェクトと接触後のボールオブジェクトの軌道を新たに算出する(ステップS124)。ボールオブジェクトが予定軌道を経た結果、又はボールオブジェクトがフィールドオブジェクトと接触後の軌道を経た結果、ボールオブジェクトが停止したと判断されると、打撃結果判定手段56が実行される。打撃結果判定手段56では、ボールオブジェクトの停止位置に基づいて打撃の結果の判定がなされる(ステップS126)。すなわち、「OUT」(アウト)、「SINGLE」(シングルヒット)、「DOUBLE」(二塁打)、「TORIPLE」(三塁打)、又は「HOMERUN」(ホームラン)の中から、ボールオブジェクトの停止位置が含まれるプレートの種類を特定する。
【0088】
図10は、この野球ゲームにおいて、打撃によって移動したボールオブジェクトが停止した状態の第2表示画面を例示する図である。図10では、ボールオブジェクト110の軌道を模式的に線によって示してある。図10(a)は、打撃によって予定軌道に従って移動するボールオブジェクト110が、「OUT」のプレート上に停止した場合の例を示している。図10(a)の例には、打撃の結果が「OUT」(アウト)と判定される。図10(b)は、打撃によってフィールド内を移動するボールオブジェク110トがフィールドオブジェクト(ウォール型オブジェクト202)と接触した後に「DOUBLE」のプレート上に停止した場合の例を示している。図10(b)の例には、打撃の結果が「DOUBLE」(二塁打)と判定される。
【0089】
このように、打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が含まれる判定領域の種類に基づいて、当該打撃の結果が自ずと定まるため、例えばボールオブジェクトを野手キャラクタに捕捉させる等のためのプレイヤの操作による入力を要しない。また、打撃によって移動し、停止するボールオブジェクトが表示されるため、プレイヤは、ボールオブジェクトが移動している間、ボールオブジェクトが停止する位置を予測しながら、又は所望の位置に停止することを期待しながら移動中のボールオブジェクトを視認することになり、ゲームの興趣性が増す。さらに、ボールオブジェクトがフィールドオブジェクトと接触した場合には、打撃によって移動するボールオブジェクトの軌道が予定軌道から変化しうることになるため、打撃の結果の判定内容に対するプレイヤの予測可能性が低くなり、ゲームの興趣性が増す。
【0090】
以上説明したように、本実施形態の野球ゲームでは、ボールオブジェクトのリリース、リリースされたボールオブジェクトに対するバットオブジェクトのスイング、打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が含まれるプレートの種類による判定、の流れに沿って野球ゲームが進行していく。そして、ゲーム中において、ボールオブジェクトの打撃、及びボールオブジェクトを野手キャラクタに捕捉させる等のためのプレイヤの操作による入力を要しないため、プレイヤの操作による入力を受け入れるコントローラ等の操作に熟練していないプレイヤであっても、ゲームを楽しむことができる。
【0091】
さらに、本実施形態の野球ゲームでは、第1変更手段の実行によって、プレイヤが、その選択に応じて様々な設定(すなわち、フィールドオブジェクト及び/又はプレートの種類、大きさ、又は位置)でのゲームを楽しむことができる。また、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかは、プレイヤによる選択とは無関係に、ゲーム開始時若しくはゲーム中における任意のタイミングで変更されうる。このように任意のタイミングで変更されると、ゲームの様々な局面においてゲームの設定についてのプレイヤの予測可能性が低くなるため、ゲームの興趣性が増す。
【0092】
(2)第2の実施形態
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態では、特記しない限り、ゲーム装置の構成及び動作、ゲーム装置によって実行される各手段、野球ゲームの主要な処理のフローは、第1の実施形態で説明したものと同様である。
【0093】
図11は、本実施形態の制御部1で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。図11に示す機能ブロック図は、図2に示したものと比較すると、選択表示手段58が追加された点で異なる。
選択表示手段58は、第1変更手段57によるフィールドオブジェクト及び/又はプレート(判定領域)の種類、大きさ、又は位置の変更候補として、フィールドオブジェクト及び/又はプレート(判定領域)の複数の種類、複数の大きさ、又は複数の位置を、プレイヤによる選択のために表示する機能を備える。すなわち、前述した第1変更手段57は、プレイヤによる選択に応じて、フィールドオブジェクト及び/又はプレートの種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかを変更するが、その変更に当たって選択表示手段58では、第1変更手段57による変更対象の変更候補をプレイヤによる選択のために表示するようにする。なお、変更候補をプレイヤによる選択のために表示する表示態様は特に限定しないが、ここでは、表示態様の一例としてエディット機能によるものについて、以下で説明する。
【0094】
エディット機能は、第1表示手段57及び選択表示手段58が協働して実現される機能の一例であり、テレビジョンモニタ20によるユーザインタフェースを利用して、フィールドにおけるフィールドオブジェクト及び/又はプレートをプレイヤ所望のものに変更(エディット)する機能である。このエディット機能について図12A〜11Fを参照して説明する。図12A〜11Fは、エディット機能が実行されたときにテレビジョンモニタ20に表示される表示画面を順に示した図である。なお、このエディット機能は典型的には、RAM12にロードされたゲームプログラムがCPU7により実行された後であって、試合開始命令がCPU7から発行される前(いわゆる試合開始前)に実行される。
【0095】
エディット機能が実行されると先ず、図12Aに示す初期画面が表示される。図12Aに示すように、エディット機能で表示される画面は、サブ画面SS1とサブ画面SS2を含む。サブ画面SS1には、フィールド全体を視認できる視点からゲーム空間を見た画像が表示される。例えば図12Aではゲーム空間を平面視で見た画像が表示されている。複数のスタジアムの各々に対して、フィールドオブジェクト及び/又はプレートをエディット可能であるとしたならば、各スタジアムのフィールドに対して予め設定されているフィールドオブジェクト及び/又はプレートが図12Aの初期画面で表示される。図12Aでは、一例としてスタジアムA(STADIUM A)の場合について示される。また、サブ画面SS1には、変更対象となるフィールドオブジェクト又はプレートを指定するためのカーソルECが表示される。サブ画面SS2には、プレイヤによるエディット操作を案内するための画像が表示される。
【0096】
図12Aの画面の状態において、プレイヤが例えばコントローラ17の方向キーを操作すると、その操作入力を受け入れてカーソルECがサブ画面SS1上で移動する。カーソルECの移動に応じて、カーソルECの位置が属するプレートが変化する。図12Bのサブ画面SS2では、フィールド上の複数のプレートがリスト表示されるとともに、カーソルECの位置が属するプレート(ここでは、「PLATE 021」と表示されるプレート)が強調表示される。例えば、「PLATE 021」というプレートが選択されると、この選択されたプレートが、フィールドオブジェクト及び/又はプレートの変更の基準となる。すなわち、以降の処理では、ここで選択されたプレートの変更、選択されたプレート上へのオブジェクトの配置、選択されたプレート上に既に配置されたオブジェクトの削除、が可能となる。
【0097】
次に図12Cの画面に進む。図12Cの画面の状態では、サブ画面SS2において、図12Bで選択されたプレート(ここでは、「PLATE 021」と表示されるプレート)の種類の変更(サブ画面SS2の「RESULT PLATE」)、そのプレート上へのオブジェクトの配置(サブ画面SS2の「OBJECT」)、そのプレート上に既に配置されたオブジェクトの削除(サブ画面SS2の「DELETE OBJECT」)のいずれかの選択が、プレイヤによるコントローラ17への操作入力に応じてなされる。なお、図12Cのサブ画面SS1では、エディット操作の対象となるプレート(上述した、変更の基準となるプレート)をプレイヤに視認させやすくする目的で、そのプレートを含むフィールドの一部が拡大表示されている。
【0098】
図12Cにおいて、例えば、プレート上へのオブジェクトの配置(OBJECT)が選択されると、図12Dの画面に移行する。図12Dの画面では、サブ画面SS2において複数の型のオブジェクトが変更候補として表示される。プレイヤが例えばコントローラ17の方向キーを操作すること等により、表示されたオブジェクトの複数の変更候補のいずれかを選択すると図12Eの画面に移行する。ここではウォール型オブジェクト(WALL)が選択された場合が例示される。図12Eのサブ画面SS2では、ウォール型オブジェクトについてさらに複数の異なるオブジェクト(ウッドウォール型オブジェクト(WOOD WALL)、アイアンウォール型オブジェクト(IRON WALL)、ラバーウォール型オブジェクト(RUBBER WALL))が選択候補として表示される。ここで、例えばウッドウォール型オブジェクト(WOOD WALL)が選択されると、図12Fに示すように、基準となるプレート(図12Bのときに選択されたプレート)上に、図12Eにおいて選択されたウッドウォール型オブジェクト204が配置された状態の画像がサブ画面SS1に表示される。
【0099】
なお、以上の説明は、図12Cにおいて、基準となるプレート上へのオブジェクトの配置が選択された場合についてなされたが、プレートの変更についても同様にして行われる。例えば、図12Cにおいてプレートの種類の変更(サブ画面SS2の「RESULT PLATE」)が選択されたならば、図12Dのサブ画面SS2には、エディット操作の対象となるプレートの種類の複数の変更候補として、「OUT」(アウト)、「SINGLE」(シングルヒット)、「DOUBLE」(二塁打)、「TORIPLE」(三塁打)、又は「HOMERUN」(ホームラン)がリスト状に表示されることになる。そして、プレイヤによる例えばコントローラ17の方向キーの操作に伴う入力を受け入れて、プレートの種類の複数の変更候補の中からいずれかが選択される。また、例えば、図12Cにおいて、プレート上に既に配置されたオブジェクトの削除(サブ画面SS2の「DELETE OBJECT」)が選択されたならば、プレート上に配置されていたフィールドオブジェクトがゲーム空間から削除する処理がなされる。
【0100】
以上説明したように、本実施形態では、選択表示手段58において、第1変更手段によるフィールドオブジェクト及び/又はプレートの種類、大きさ、又は位置の変更候補として、フィールドオブジェクト及び/又はプレートの複数の種類、複数の大きさ、又は複数の位置が、プレイヤによる選択のために表示される。そのため、プレイヤは、フィールドオブジェクト及び/又はプレートの種類、大きさ、又は位置の変更候補を視認しつつ、所望の変更内容を選択することができるようになる。そのため、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の変更に当たってのプレイヤによる選択が容易となる。
【0101】
(3)第3の実施形態
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。
図13は、本実施形態の制御部1で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。図13に示す機能ブロック図は、図2に示したものと比較すると、第2変更手段59、第3変更手段60、第4変更手段61、打者キャラクタ能力記憶手段71、及びゲーム状況認識手段72が追加された点で異なる。図13には、第2変更手段59、第3変更手段60、第4変更手段61をすべて含む機能ブロック図が記載されているが、そのすべてを含む必要はない。本実施形態では、第2変更手段59、第3変更手段60、又は第4変更手段61のいずれかの変更手段が、打者キャラクタ能力記憶手段71及び/又はゲーム状況認識手段72と協働して後述する機能を実現する。
【0102】
打者キャラクタ能力記憶手段71は、複数の打者キャラクタの能力を定義した能力データを記憶する機能を備える。各打者キャラクタの能力データは、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされる。打者キャラクタ能力記憶手段71では、RAM12がその一部領域に、CPU7によって読み出し可能に能力データを記憶する。
【0103】
打者キャラクタ能力記憶手段71が記憶する能力データの一例について図14を参照して説明する。図14は、打者キャラクタごとの能力データの構成の一例を示す図である。図14に示す例では、各打者キャラクタ(BC1,BC2,…)の能力データは、能力パラメータ(P1,P2,…)、及び/又は、特定の打撃能力を示すコードを含む。能力パラメータは、各打者キャラクタの基礎的な打撃能力の指標となる値であり、大きい値であるほど打者キャラクタの能力が高く、小さい値であるほど打者キャラクタの能力が低いことを意味する。特定の打撃能力を示すコードは、基礎的な打撃能力以外の特定の打撃能力を表すデータである。特定の打撃能力を示すコードとしては例えば、現実世界のスター選手が備えるような特殊な打撃能力を示すコード(図14におけるSP(Star Player))や、得点圏に走者が存在する場合に高い能力を発揮する能力(いわゆるクラッチヒッターとしての能力)を示すコード(例えばCH(Clutch hitter);図4には不図示)等が挙げられる。
【0104】
ゲーム状況認識手段72は、ゲームの進行状況を認識する機能を備える。ゲーム(試合)の進行状況は例えば、イニング、対戦チームごとのスコア、アウトカウント、ボールカウント、打席に入っている打者キャラクタ、各ベースの攻撃側キャラクタの有無、の情報を含む。ゲーム状況認識手段72は、CPU7が試合開始命令を発行後、ゲーム(試合)の進行状況について逐次、管理・認識している。
【0105】
第2変更手段59は、打者キャラクタ能力記憶手段71によって記憶された打者キャラクタの能力データのうち、打席に入っている打者キャラクタの能力データに基づいて、プレートの種類及び/又は大きさを設定又は変更する機能を備える。第2変更手段59では、打者キャラクタ能力記憶手段71によって記憶された打者キャラクタの能力データのうち、打席に入っている打者キャラクタの能力データをCPU7が読み出し、その能力データに応じてプレートの種類及び/又は大きさを、例えば標準の設定のままとするか、又は標準の設定から変更する。
【0106】
このプレートの設定又は変更方法の態様は、様々な態様を採り得る。例えば、プレートの種類及び/又は大きさが異なる複数のオプション(フィールドにおけるプレートの組合せのデータセット)がゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされる場合を想定する。この場合、複数のオプションの各々は、打者に有利となる程度、又は不利となるか程度が異なる。そして、第2変更手段59では、CPU7が、読み出した打者キャラクタの能力データに基づいて、標準の上記データセットを含む複数のオプションのいずれかを選択する。これにより、実質的に、打席に入っている打者キャラクタの能力データに基づいて、プレートの種類及び/又は大きさが設定又は変更される。このとき、CPU7は例えば、打者キャラクタの能力が高い場合(能力パラメータが大きい場合)には打者に有利となるオプションを選択し、打者キャラクタの能力が低い場合(能力パラメータが小さい場合)には打者に不利となるオプションを選択する。
【0107】
なお、すべての打者キャラクタを対象に、その能力に応じたオプションを選択するようにしてもよいが、それに限られない。CPU7は、特に能力が高い打者キャラクタ、あるいは特に能力が低い打者キャラクタに対してのみ、その能力に応じたオプションを選択し、その他の打者キャラクタに対しては、標準の設定のままとしてもよい。具体的には、打席に入っている打者キャラクタの能力が特に高い場合には、例えばヒットやホームランに相当する判定領域の数を増やしたり面積を大きくする(あるいはアウトに相当する判定領域の数を減らしたり面積を小さくする)オプションが選択される。逆に打者キャラクタの能力が特に低い場合には、ヒットやホームランに相当する判定領域の数を少なくしたり面積を小さくする(あるいはアウトに相当する判定領域の数を増やしたり面積を大きくする)オプションが選択される。
【0108】
上記複数のオプションの各々は、オプションに含まれる各プレートの2次元データ及び属性データが異なりうる。これに対して、オプションを選択する方法以外のプレートの設定又は変更方法の態様として、フィールド内の各プレートの区画(すなわち2次元データ)は試合の開始時に固定し、CPU7が、打席に入っている打者キャラクタの能力に応じて各プレートの種類(すなわち、プレートの属性データ)を、打者キャラクタが切り替わるごとに変更しうるようにしてもよい。このプレートの設定又は変更の態様について図15A〜15Eを参照して説明する。
【0109】
図15Aは、プレートによって区画されたフィールドの一部を例示する図である。図15Aでは、「OUT」のプレートを斜線により強調表示した例を示している。この図15Aは、ここでは初期の設定状態のフィールドを示している。この初期の設定状態のフィールドには、「DOUBLE」のプレートPL10,PL12と、「OUT」のプレートPL11,PL13とを含まれる。
図15Bは、第2変更手段59が、打者キャラクタの能力が高いときに、打者に有利となるような変更例として、プレートPL11,PL13の種類を、初期の設定状態の「OUT」から「DOUBLE」へ変更した例である。これにより、フィールド内の「OUT」のプレートの総面積が減少するため、打者にとってさらに有利となる。
一方、図15Cは、第2変更手段59が、打者キャラクタの能力が低いときに、打者に不利となるような変更例として、プレートPL10,PL12の種類を、初期の設定状態の「DOUBLE」から「OUT」へ変更した例である。これにより、フィールド内の「OUT」のプレートの総面積が増加するため、打者にとってさらに不利となる。
【0110】
図15D及び図15Eに示すフィールドの一部は、フィールドにおける打撃結果の判定の観点から見ると、それぞれ図15B及び図15Cと同一であるが、隣接する同一種類のプレートを表示上マージ(併合)した点が異なる。すなわち、打者キャラクタの能力が高いときには、図15Dに示すように、「DOUBLE」のプレートPL10〜13がマージされて、新たなプレートPL20が出現している。また、打者キャラクタの能力が低いときには、図15Eに示すように、「OUT」のプレートPL10〜13と、その各プレートに隣接する他の「OUT」のプレートとがマージされて、新たなプレートPL21が出現している。これにより、プレートの種類及び/又は大きさが実質的に変更させられる。
【0111】
なお、図15A〜図15Eでは、「OUT」のプレートを斜線により強調表示した例を示したが、強調表示の方法のこれに限られない。例えば、「OUT」のプレートを他の種類のプレートと異なる色によって表示してもよい。これにより、テレビジョンモニタ20に表示されるフィールド上において、フィールド全体における「OUT」のプレートの占める面積、又は「OUT」以外のプレートの占める面積によって、プレイヤが打者キャラクタの能力のレベルを容易に視認することができる。
【0112】
また、打者に有利となるようなプレートの種類及び/又は大きさの変更態様としては例えば、「OUT」のプレートが「SINGLE」になる、「SINGLE」のプレートが「DOUBLE」になる、「SINGLE」のプレートの大きさが2倍になる等が挙げられる。打者に不利となるようなプレートの種類及び/又は大きさの変更態様はその逆である。ここで、プレートの種類が変更されるときには、RAM12に格納されているプレートの属性データが第1打者キャラクタの打席の間、一時的に書き換えられ、書き換えられた属性データに従ってフィールドにおけるプレートが、変更された状態で表示される。
【0113】
以上説明したように、第2変更手段59では、打席に入っている打者キャラクタの能力のレベルを、判定領域としてのプレートの種類及び/又は大きさによって表現することができる。従って、プレイヤは、打者が変わったときのフィールドの状況の変化を楽しむことができるとともに、打席に入った打者の能力レベルが高いのか低いのかをも一見して認識でき、ゲームに対する興味を強く持つことになるので、高い興趣性を有するゲームを実現できる。
【0114】
[第2変更手段59の変形例1]
第2変更手段59は、打者キャラクタ能力記憶手段71によって記憶された打者キャラクタの能力データに基づき、打者キャラクタの能力が高いほど、打者に有利となるようにプレートの種類及び/又は大きさを変更し、打者キャラクタの能力が低いほど、打者に不利となるようにプレートの種類及び/又は大きさを変更するとともに、そのプレートの種類及び/又は大きさの変化が打者に与える有利又は不利の程度が、打者キャラクタの能力に応じたものであるようにしてもよい。
ここでは、例えば、プレートの種類及び/又は大きさが異なる複数のオプション(フィールドにおけるプレートの組合せのデータセット)がゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされる場合を想定する。この場合、打者キャラクタの能力パラメータにそれぞれ対応した複数のオプションが用意される。例えば、打者キャラクタの能力パラメータが1〜20のいずれかの値であれば、各能力パラメータの値に対応した20個のオプションが用意される。各オプションは、プレートの種類及び/又は大きさの設定が打者に与える有利又は不利の程度が異なっている。この有利又は不利の程度は、オプションごとに、フィールド全体における「OUT」のプレートの占める面積によって設定されるようにしてもよい。そして、第2変更手段59では、CPU7が、読み出した打者キャラクタの能力データに基づいて、複数のオプションのいずれかを選択する。ここでの例では、打者キャラクタの能力パラメータが1である場合に、打者に最も不利となるオプションが選択され、打者キャラクタの能力パラメータが20である場合に、打者に最も有利となるオプションが選択される。例えば、打者キャラクタの能力と、選択されるオプションの有利又は不利の程度とが、ほぼ比例関係にある。
【0115】
このゲームプログラムでは、打者キャラクタの能力データに基づくプレートの種類及び/又は大きさの変化が打者に与える有利又は不利の程度が、打者キャラクタの能力に応じたものとなる。そのため、打者キャラクタの能力に応じたきめ細かいプレートの設定がなされるとともに、打者キャラクタの能力がそのままフィールドにおけるプレートの設定に反映されることになるため、プレイヤのフィールドへの注目をより強く誘引することになり、より高い興趣性を実現できる。
【0116】
[第2変更手段59の変形例2]
第2変更手段59は、打者キャラクタ能力記憶手段71によって記憶された打者キャラクタの能力データのうち、打席に入っている打者キャラクタの能力データが、特定の打撃能力を示す場合に、打者に有利となるようにプレートの種類及び/又は大きさを変更するようにしてもよい。すなわち、打者キャラクタの能力データに基づいて常にプレートが変更されるのではなく、特定の打撃能力を備えた打者キャラクタが打席に入っている場合に限り、打者に有利となるようにプレートの種類及び/又は大きさが変更される。
このとき、第2変更手段59では、CPU7が打者キャラクタ能力記憶手段71によって記憶される能力データのうち、特定の打撃能力を示すコードを読み出し、そのコードに基づいて打者に有利となるようにプレートの種類及び/又は大きさを変更する。図14に示した例において、例えば、打席に入っている打者キャラクタが打者キャラクタBC2であるとすると、第2変更手段59では、CPU7が打者キャラクタBC2の上記コード(SP)を読み出して、そのコードに応じて予め決められた処理が行われる。すなわち、打者に有利となるような上記オプションの選択や、打者に有利となるような個々のプレートの属性データの変更が行われる。このような処理により、打席に入っている打者キャラクタが、特に突出した能力を有する打者キャラクタである場合にのみ、打者に有利となるようにプレートが変更される。よって、例えば、現実世界のスター選手に相当するようなキャラクタ設定が可能となり、この打者キャラクタが打席に立ったときのプレイヤの期待感を煽ることができ、ゲーム性を向上させることができる。
【0117】
次に、第3変更手段60について説明する。
第3変更手段60は、ゲーム状況認識手段72によって得点圏に走者が存在すると認識された場合には、打者に有利となるようにプレートの種類及び/又は大きさを変更する機能を備える。
第3変更手段60では、ゲーム状況認識手段72によって得点圏に走者が存在すると認識された場合、すなわち、走者が2塁ベース及び/又は3塁ベースに存在すると認識された場合に、打者に有利となるように、プレートの種類及び/又は大きさを変更する。打者に有利となるようなプレートの種類及び/又は大きさの変更態様としては例えば、「OUT」のプレートが「SINGLE」になる、「SINGLE」のプレートが「DOUBLE」になる、「SINGLE」のプレートの大きさが2倍になる等が挙げられる。第2変更手段59と同様、プレートの種類又は大きさが変更される場合には、得点圏に走者が存在しなくなるまで、有利なオプションが選択及び設定されるか、又はRAM12に格納されているプレートの属性データもしくは2次元データが一時的に書き換えられる。
【0118】
以上説明したように、第3変更手段60では、得点圏に走者が存在すると認識された場合には、打者に有利となるようにプレートの種類及び/又は大きさが変更される。すなわち、試合中においてプレートの種類及び/又は大きさは固定ではなく、得点圏に走者が存在すると認識された場合には、プレートが打者に有利となるように変更される。そのため、攻撃側のプレイヤにとって得点圏に走者が存在する場合、すなわち試合中において攻撃側のプレイヤにとって有利な局面(守備側のプレイヤにとって不利な局面)では、プレートの変更に伴って攻撃側のプレイヤにとってさらに有利な状況(守備側のプレイヤにとってさらに不利な状況)となる。つまり、得点圏に走者が存在する場合に、試合の緊迫感を増すことができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0119】
次に、第4変更手段61について説明する。
第4変更手段61は、打者キャラクタ能力記憶手段71によって記憶された打者キャラクタの能力データのうち、打席に入っている打者キャラクタの能力データが特定の打撃能力を示し、かつ、ゲーム状況認識手段72によって得点圏に走者が存在すると認識された場合には、打者に有利となるようにプレートの種類及び/又は大きさを変更する機能を備える。
ゲーム状況認識手段72によって得点圏に走者が存在すると認識されると、第4変更手段61では、CPU7が、打者キャラクタ能力記憶手段71によって記憶される能力データのうち、打席に入っている打者キャラクタの能力データの特定の打撃能力を示すコードを読み出す。そして、その読み出したコードが、得点圏に走者が存在する場合に高い能力を発揮する能力(いわゆるクラッチヒッターとしての能力)を示すコード(例えばCH)である場合に、打者に有利となるような上記オプションの選択や、打者に有利となるような個々のプレートの属性データの変更が行われる。このような処理により、打席に入っている打者キャラクタが、クラッチヒッターに相当する場合にのみ、打者に有利となるようにプレートが変更される。これにより、クラッチヒッターを模擬することができるようになる。なお、打者に有利となるようなプレートの種類及び/又は大きさの変更態様は、第2変更手段59に関して述べたとおりである。
【0120】
以上説明したように、第4変更手段61では、打者キャラクタが特定の打撃能力を有しており、かつ、得点圏に走者が存在すると認識された場合には、打者に有利となるように判定領域の種類及び/又は大きさが変更される。これにより、得点圏に走者が存在する場合に特に高い能力を発揮する打者(いわゆるクラッチヒッター)を模擬することができる。
【0121】
なお、第3変更手段60及び第4変更手段61において変更の契機となる条件を多様に拡張することもできる。すなわち、ゲーム状況認識手段72によって認識されるゲームの特定の進行状況、及び/又は、打者キャラクタ能力記憶手段71が記憶する能力データのうちの打者キャラクタの特定の打撃能力、に基づいてプレートの種類及び/又は大きさを変更するようにしてもよい。
例えば、ある打者キャラクタの特定の打撃能力が、ボールカウント上追い込まれると能力が高くなる場合には、そのような特定の打撃能力を示すコードをその打者キャラクタに対応する能力データ内で予め定義しておく。そして、ゲーム状況認識手段72が、ボールカウント上で打者が追い込まれた状況として、ボールカウントが例えば0ボール2ストライクであることを認識し、かつ、打席に入っている打者キャラクタの特定の打撃能力が、ボールカウント上追い込まれると能力が高いことを示す所定のコードであると判断された場合には、打者に有利となるようなオプションが選択されるか、又は個々のプレートが変更される。
他の例としては、イニングが9回で打席に入っている打者キャラクタが仮にヒットを打ったとしたときに逆転できる状況であることをゲーム状況認識手段72が認識した場合に、打者に有利となるようにプレートの種類及び/又は大きさが変更されるようにしてもよい。このとき、ゲーム状況認識手段72は、イニングが9回であること、かつ、走者が2塁ベース及び/又は3塁ベースに存在すること、かつ、打者キャラクタの属するチームが1〜2点差で負けていること等を認識する。
さらに他の例としては、満塁であることをゲーム状況認識手段72が認識した場合、特定のイニング(例えばラッキーセブン)であることをゲーム状況認識手段72が認識した場合等に、打者に有利となるようなオプションが選択されるか、又は個々のプレートが変更されるようにしてもよい。
【0122】
(4)第4の実施形態
以下、本発明の第4の実施形態について説明する。
図16は、本実施形態の制御部1で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。図16に示す機能ブロック図は、図2に示したものと比較すると、特典付与手段62、特典処理手段63が追加された点で異なる。
【0123】
特典付与手段62は、打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が、フィールドにおいて特典付与対象となる第2領域に含まれるか、又は、打撃によって移動するボールオブジェクトが、特典付与対象となる第2オブジェクトと接触した場合には、特典をプレイヤに付与する機能を備える。特典の内容は、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトの移動速度及び/又は軌道の変化、打撃によるボールオブジェクトの予定軌道の変化、及びフィールドオブジェクトと接触後のボールオブジェクトの軌道の変化の内、少なくともいずれかを生じさせることである。
【0124】
上記第2領域として、フィールド上において単一のプレートと同一の領域を設定してもよいし、複数のプレートからなる領域を設定してもよいし、プレートによって区画される領域単位とは別の領域を設定してもよい。
上記第2オブジェクトに設定されるフィールドオブジェクトは、フィールド上に配置される複数のフィールドオブジェクトの中から予め設定してもよい。このとき、第2オブジェクトとして、フィールド上に配置される単一のフィールドオブジェクトを設定してもよいし、複数のフィールドオブジェクトを設定してもよい。また、第2オブジェクトとして、フィールドオブジェクト以外のオブジェクト、例えば野球のフェンス及びベースを模擬したフェンスオブジェクト及びベースオブジェクト等を設定してもよい。
また、第2領域及び/又は第2オブジェクトは、ゲームの実行中にCPU7によって任意のタイミングでランダムに変更させられるようにしてもよい。
【0125】
例えば、第2領域として複数のプレートからなる領域を設定した場合の例を図17に示す。図17は、ボールオブジェクトが第2領域に停止したときの第2表示画面の一例を示している。図17に示す例では、第2領域SAとして複数のプレート(「OUT」のプレート)からなる領域(斜線で強調表示された領域)が設定されており、この第2領域SA上にボールオブジェクト110が停止している。このとき、特典をプレイヤに付与する処理が行われる。すなわち、プレイヤと、そのプレイヤに付与された特典に関するデータとが、関連付けられてRAM12に記録される。
【0126】
プレイヤに付与される特典の例について図18を参照して説明する。図18は、プレイヤに付与される特典の例をリストにして示した図である。図18では、特典毎に、特典の種類、特典による効果、効果が継続する期間、表示上の効果が記載されている。図18において、打撃特典は、プレイヤがスイング指示入力を行うとき、すなわち攻撃側であるときに有利となる特典である。投球特典は、プレイヤが守備側であるときに有利となる特典である。ボール特典は、ゲームの状況次第でプレイヤに有利となりうる特典である。
ここで、特典付与手段62によって付与される特典の内容の内、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトの移動速度及び/又は軌道の変化の例は、図18の投球特典PT1〜PT4に相当する。特典付与手段62によって付与される特典の内容の内、打撃によるボールオブジェクトの予定軌道の変化、及びフィールドオブジェクトと接触後のボールオブジェクトの軌道の変化の例は、図18の打撃特典PH1〜PH4、ボール特典PB1〜PB4に相当する。
【0127】
以上説明したように、特典付与手段62では、このゲームプログラムでは、打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が、フィールドにおいて特典付与対象となる第2領域に含まれるか、又は、打撃によって移動するボールオブジェクトが、特典付与対象となる第2オブジェクトと接触した場合には、プレイヤに特典が付与される。そのため、ボールオブジェクトの停止位置が第2領域に含まれるか、又は、ボールオブジェクトが第2オブジェクトと接触することをプレイヤが狙って、又は期待して、プレイヤによりスイング指示入力がなされるようになり、ゲームの興趣性が増すことになる。
【0128】
特典処理手段63は、プレイヤに付与された1又は複数の特典を、各特典の内容が視認可能な形式で表示するとともに、プレイヤによる特典の選択に応じて、選択された特典に対応する変化を生じさせる機能を備える。
【0129】
特典のプレイヤに対する付与態様、及び特典の内容が視認可能な形式で表示する表示態様については様々な態様が考えられるが、以下では、仮想的なカードを利用した態様を例にして説明する。すなわち、特典の内容に対応した仮想的なカードをプレイヤに対応付けることで特典をプレイヤに付与し、その仮想的なカード(以下、適宜単に「カード」という。)を、特典の内容が視認可能な形式でテレビジョンモニタ20に表示する。
【0130】
図19は、プレイヤに付与されたカードを、特典の内容が視認可能な形式で第1表示画面に表示されている一例を示す。図19に示すように、特典処理手段63では、コントローラ17に対する所定の操作入力を受け入れることを契機としてCPU7がRAM12にアクセスし、プレイヤに付与された特典に関するデータを読み出して、特典毎にカード形態にしてテレビジョンモニタ20に表示させる。図19に示す例では、プレイヤに、打撃特典PH1と、投球特典PT2と、ボール特典PB4とが付与されていることが視認可能にカード形態で表示されている。特典の内容を視認可能な形式で表示可能なタイミングは、例えば投手キャラクタがボールオブジェクトをリリースする前のタイミングに限定するようにしてもよい。
【0131】
図19においては、特典処理手段63は、例えばコントローラ17の方向キー等に対する操作入力に基づいて、いずれかの特典の内容に対応したカードに対するプレイヤの選択を受け入れ、その選択された特典に対応する変化を生じさせる。例えば、投球特典PT2が選択された場合、投手の球速がアップする効果、すなわち、投手キャラクタからリリースされてからボールオブジェクトがバットオブジェクトの近傍に到達するまでの時間が標準の設定値よりも短くなる。さらに、表示上の効果として、図20に例示するように、投手キャラクタの近傍に「TOP SPEED UP」というテキストが表示されるようにしてもよい。このような表示上の効果は、一方のプレイヤにより選択された特典を、第1表示画面又は第2表示画面にて、そのプレイヤ及び他方のプレイヤに視認させやすくするために有効である。
【0132】
ここで、選択された特典に対応する変化を生じさせるための、特典処理手段63による処理の例は、図18を参照すると以下のとおりである。
特典処理手段63は、打撃特典PH1,PH2の選択に応じて、打者のパワーをアップさせるに当たって、スイング処理手段53で算出された打撃後のボールオブジェクトの初速に対して、1より大きい係数を乗ずる補正を行う。打撃特典PH1,PH2では、補正における係数の値が異なる。
特典処理手段63は、打撃特典PH3,PH4の選択に応じて、打者のミートをアップさせるに当たって、スイング処理手段53におけるタイミングの一致度合いの判定の閾値を補正する。すなわち、スイング処理手段53では、ボールオブジェクトが打者キャラクタの近傍に設けられるミートカーソルを通過するタイミングと、スイング指示入力が行われるタイミングとのタイミング差が閾値よりも大きい場合には打撃が生じないが、特典処理手段63はその閾値を標準の設定値よりも大きくなるように補正する。従って、ボールオブジェクトに対してバットオブジェクトをミートさせやすくなる。打撃特典PH3,PH4では、閾値の大きさが異なる。
特典処理手段63は、投球特典PT1,PT2の選択に応じて、投手の球速をアップさせるに当たって、投手キャラクタからリリースされてからボールオブジェクトがバットオブジェクトの近傍に到達するまでの時間に対して、1より小さい係数を乗ずる補正を行う。これにより、投手キャラクタからリリースされてからボールオブジェクトがバットオブジェクトの近傍に到達するまでの時間が標準の設定値よりも短くなる。投球特典PT1,PT2では、補正における係数の値が異なる。
特典処理手段63は、投球特典PT3,PT4の選択に応じて、投手の変化球の変化量をアップさせるに当たって、投手キャラクタからリリースされてからボールオブジェクトがバットオブジェクトの近傍に到達するまでの軌道を変化させる。例えば、ある特定の変化球に対して変化量が異なる複数の軌道のデータを予め用意しておき、投球特典PT3,PT4の選択に応じて、変化量が異なる軌道のデータが用いられる。
特典処理手段63は、ボール特典PB1〜PB3の選択に応じて、ボールオブジェクトの反発の程度を変化させるに当たって、ボール軌道算出手段54の軌道算出における、ボールオブジェクトとグラウンドとの間の反発係数を補正する。
特典処理手段63は、ボール特典PB4の選択に応じて、ボールオブジェクトがフィールドオブジェクトを通過するようにさせるに当たって、ボール軌道算出手段54の軌道算出においてフィールドオブジェクトの存在を考慮しないようにさせる。例えば、特典の効果が継続する期間の間、ゲーム空間においてフィールドオブジェクトを無効化する処理がなされる。
【0133】
以上説明したように、特典処理手段63では、プレイヤに付与された1又は複数の特典が、各特典の内容が視認可能な形式で表示される。また、プレイヤによる特典の選択に応じて、選択された特典に対応する変化を生じさせることができる。すなわち、プレイヤは、1又は複数の特典の各々の内容を視認しつつ、所望の変化(すなわち、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトの移動速度及び/又は軌道の変化、打撃によるボールオブジェクトの予定軌道の変化、及びフィールドオブジェクトと接触後のボールオブジェクトの軌道の変化の内、少なくともいずれかの変化)を生じさせる特典を選択することができる。よって、プレイヤは、ゲームによって実現される試合の局面に応じた、所望の変化を生じさせることができるようになり、ゲームの興趣性が増すことになる。
【0134】
[変形例]
次に、上述したカードの利用形態の変形例について説明する。
プレイヤと、そのプレイヤに付与された特典に関するデータとは、複数回の試合に亘って記憶部2内に蓄積(記録)されるようにしてもよい。そして、蓄積されたデータは、新たな試合の開始に当たって、プレイヤのコントローラ17に対する所定の操作による入力を受け入れて、プレイヤに視認可能となるようにテレビジョンモニタ20上に表示させることが好ましい。その表示画面の一例を図21に示す。図21では、蓄積されたデータとして、特典の内容に対応した複数のカードが表示される例を示している。複数のカード(図21における「蓄積されたカード」)の各々の特典の内容は、例えばコントローラ17の方向キーの操作に応じて、順に視認できるようになっている。また、新たな試合の開始に当たり、この蓄積されたカードの中から、その試合用のカードとして所定枚数のカードを予めプレイヤが選択できる。すなわち、プレイヤが、試合毎にカード(つまり、プレイヤが実現したい特典の内容)を選択することができるようになる。図21の例では、プレイヤによるコントローラ17に対する所定の操作による入力を受け入れて、例えば10枚のカード(図21における「試合用カード」)が選択された状態の一例を示している。
【0135】
さらに、特典付与手段62は、プレイヤによるコントローラ17に対する所定の操作による入力を受け入れて、試合中にプレイヤに付与するカードを、図21の「試合用カード」の中から所定数のカード(以下、「手持ちカード」)をランダムに選択する。この手持ちカードは、プレイヤの選択指示の入力に応じて試合中の所望のタイミングで使用可能なカードである。特典付与手段62によりプレイヤに付与されたカードが、前述した図19(この場合、3枚の手持ちカード)に例示したようにしてプレイヤに視認可能に表示される。ここで、プレイヤの手持ちカードの数は所定数に限定される。手持ちカードの数は所定数に達している場合には、新たに特典がプレイヤに付与される条件(例えば、ボールオブジェクトの停止位置が上記第2領域に含まれる等の条件)が成立したとしても、特典は付与されない、すなわち、新たなカードがプレイヤに付与されない。また、表示されたカードの中のいずれかのカードをプレイヤが使用した場合、すなわち、そのカードの特典に対応する所望の変化を生じさせた場合、そのカードは手持ちカードの中から削除される。カードの使用に伴い手持ちカードの数が上記所定数に達しなくなった場合には、新たに特典がプレイヤに付与される条件が成立したことに伴い、新たなカードがプレイヤに付与される。すなわち、特典付与手段62は、試合用カードの中からランダムに1枚のカードが選択して、そのカードを手持ちカードとして加える処理を行う。試合用カードの中からカードが選択されると、そのカードは試合用カードから削除される。そして、試合用カードが無くなった場合には、新たに特典がプレイヤに付与される条件が成立した場合でも、手持ちカードとして新たなカードはプレイヤに付与されない。
【0136】
このようなカードの利用形態により、プレイヤは、特典がプレイヤに付与される条件のゲーム実行中の成立に伴って、自身が予め選択したカード(試合用カード)の中からどのカードが選択されるのか(どのカードを引いてくるのか)興味を持つことになるため、カードゲームの要素を加えつつ野球ゲームとしての興趣性をさらに高めることができる。
【0137】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。また、各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。例えば、以上の各実施形態では、移動させられるボールに対してバットのスイング動作による打撃を行う球技を模擬したものとして野球ゲームの場合について説明したが、本発明は他の球技、例えばソフトボール、クリケット等に対しても適用可能である。
【符号の説明】
【0138】
1…制御部
2…記憶部
3…画像表示部
4…音声出力部
5…操作入力部
7…CPU
12…RAM
17…コントローラ
20…テレビジョンモニタ
51…ゲーム空間設定手段
52…第1表示手段
53…スイング処理手段
54…ボール軌道算出手段
55…第2表示手段
56…打撃結果判定手段
57…第1変更手段
58…選択表示手段
59…第2変更手段
60…第3変更手段
61…第4変更手段
62…特典付与手段
63…特典処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動させられるボールに対するバットのスイング動作が画像表示部に表示されるゲームを実現可能なコンピュータに、
フィールドと、フィールドに属する複数種類の判定領域と、フィールド上に配置される1又は複数種類のフィールドオブジェクト、をゲーム空間に設定するゲーム空間設定機能と、
ゲーム空間の第1方向から、バットオブジェクトと、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトとを表示する第1表示機能と、
バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトがバットオブジェクト近傍に到達するタイミングと、プレイヤによるバットオブジェクトに対するスイング指示入力が行われるタイミングとに基づいて、バットオブジェクトのボールオブジェクトに対する打撃によるボールオブジェクトの移動変化を決定するスイング処理機能と、
打撃によるボールオブジェクトの予定軌道を算出するとともに、打撃によってフィールド内を移動するボールオブジェクトがフィールドオブジェクトと接触した場合には、当該接触後のボールオブジェクトの軌道を算出するボール軌道算出機能と、
ゲーム空間の第2方向から、打撃によって移動し、停止するボールオブジェクトを表示する第2表示機能と、
打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が含まれる判定領域の種類に基づいて、当該打撃の結果を判定する打撃結果判定機能と、
プレイヤによる選択に応じて、又は、ゲーム開始時若しくはゲーム中に、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかを変更する第1変更機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記第1変更機能によるフィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の変更候補として、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の複数の種類、複数の大きさ、又は複数の位置を、プレイヤによる選択のために表示する選択表示機能、
をさらに実行させるための請求項1に記載されたゲームプログラム。
【請求項3】
複数の打者キャラクタの能力を定義した能力データを記憶する打者キャラクタ能力記憶機能と、
前記打者キャラクタ能力記憶機能によって記憶された打者キャラクタの能力データのうち、打席に入っている打者キャラクタの能力データに基づいて、前記判定領域の種類及び/又は大きさを設定又は変更する第2変更機能、
をさらに実行させるための請求項1又は2に記載されたゲームプログラム。
【請求項4】
前記第2変更機能は、前記打者キャラクタ能力記憶機能によって記憶された打者キャラクタの能力データに基づき、打者キャラクタの能力が高いほど、打者に有利となるように前記判定領域の種類及び/又は大きさを変更し、打者キャラクタの能力が低いほど、打者に不利となるように前記判定領域の種類及び/又は大きさを変更するとともに、前記判定領域の種類及び/又は大きさの変化が打者に与える有利又は不利の程度が、打者キャラクタの能力に応じたものである、
請求項3に記載されたゲームプログラム。
【請求項5】
前記第2変更機能は、前記打者キャラクタ能力記憶機能によって記憶された打者キャラクタの能力データのうち、打席に入っている打者キャラクタの能力データが、特定の打撃能力を示す場合に、打者に有利となるように前記判定領域の種類及び/又は大きさを変更する請求項3に記載されたゲームプログラム。
【請求項6】
前記ゲームは、野球又はソフトボールを模擬したものであって、
ゲームの進行状況を認識するゲーム状況認識機能と、
前記ゲーム状況認識機能によって得点圏に走者が存在すると認識された場合には、打者に有利となるように前記判定領域の種類及び/又は大きさを変更する第3変更機能、
をさらに実行させるための請求項1〜5に記載されたゲームプログラム。
【請求項7】
前記ゲームは、野球又はソフトボールを模擬したものであって、
前記打者キャラクタ能力記憶機能によって記憶された打者キャラクタの能力データのうち、打席に入っている打者キャラクタの能力データが特定の打撃能力を示し、かつ、前記ゲーム状況認識機能によって得点圏に走者が存在すると認識された場合には、打者に有利となるように前記判定領域の種類及び/又は大きさを変更する第4変更機能、
をさらに実行させるための請求項5又は6に記載されたゲームプログラム。
【請求項8】
前記ボール軌道算出機能は、隣接する2個の判定領域に跨ってボールオブジェクトが停止しないように、ボールオブジェクトの軌道を調整する、
請求項1〜7のいずれかに記載されたゲームプログラム。
【請求項9】
打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が、フィールドにおいて特典付与対象となる第2領域に含まれるか、又は、打撃によって移動するボールオブジェクトが、特典付与対象となる第2オブジェクトと接触した場合には、
バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトの移動速度及び/又は軌道の変化、打撃によるボールオブジェクトの予定軌道の変化、及びフィールドオブジェクトと接触後のボールオブジェクトの軌道の変化の内、少なくともいずれかを生じさせる特典をプレイヤに付与する特典付与機能、
をさらに実行させるための請求項1〜8のいずれかに記載されたゲームプログラム。
【請求項10】
プレイヤに付与された1又は複数の特典を、各特典の内容が視認可能な形式で表示するとともに、プレイヤによる特典の選択に応じて、選択された特典に対応する変化を生じさせる特典処理機能、
をさらに実行させるための請求項9に記載されたゲームプログラム。
【請求項11】
移動させられるボールに対するバットのスイング動作が画像表示部に表示されるゲームの進行を制御するゲーム装置であって、
フィールドと、フィールドに属する複数種類の判定領域と、フィールド上に配置される1又は複数種類のフィールドオブジェクト、をゲーム空間に設定するゲーム空間設定手段と、
ゲーム空間の第1方向から、バットオブジェクトと、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトとを表示する第1表示手段と、
バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトがバットオブジェクト近傍に到達するタイミングと、プレイヤによるバットオブジェクトに対するスイング指示入力が行われるタイミングとに基づいて、バットオブジェクトのボールオブジェクトに対する打撃によるボールオブジェクトの移動変化を決定するスイング処理手段と、
打撃によるボールオブジェクトの予定軌道を算出するとともに、打撃によってフィールド内を移動するボールオブジェクトがフィールドオブジェクトと接触した場合には、当該接触後のボールオブジェクトの軌道を算出するボール軌道算出手段と、
ゲーム空間の第2方向から、打撃によって移動し、停止するボールオブジェクトを表示する第2表示手段と、
打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が含まれる判定領域の種類に基づいて、当該打撃の結果を判定する打撃結果判定手段と、
プレイヤによる選択に応じて、又は、ゲーム開始時若しくはゲーム中に、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかを変更する第1変更手段と、
を備えたゲーム装置。
【請求項12】
移動させられるボールに対するバットのスイング動作が画像表示部に表示されるゲームを模擬したゲーム装置を制御するゲーム制御方法であって、
フィールドと、フィールドに属する複数種類の判定領域と、フィールド上に配置される1又は複数種類のフィールドオブジェクト、をゲーム空間に設定するゲーム空間設定ステップと、
ゲーム空間の第1方向から、バットオブジェクトと、バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトとを表示する第1表示ステップと、
バットオブジェクトに向かって移動させられるボールオブジェクトがバットオブジェクト近傍に到達するタイミングと、プレイヤによるバットオブジェクトに対するスイング指示入力が行われるタイミングとに基づいて、バットオブジェクトのボールオブジェクトに対する打撃によるボールオブジェクトの移動変化を決定するスイング処理ステップと、
打撃によるボールオブジェクトの予定軌道を算出するとともに、打撃によってフィールド内を移動するボールオブジェクトがフィールドオブジェクトと接触した場合には、当該接触後のボールオブジェクトの軌道を算出するボール軌道算出ステップと、
ゲーム空間の第2方向から、打撃によって移動し、停止するボールオブジェクトを表示する第2表示ステップと、
打撃によって移動するボールオブジェクトの停止位置が含まれる判定領域の種類に基づいて、当該打撃の結果を判定する打撃結果判定ステップと、
プレイヤによる選択に応じて、又は、ゲーム開始時若しくはゲーム中に、フィールドオブジェクト及び/又は判定領域の種類、大きさ、又は位置の少なくともいずれかを変更する第1変更ステップと、
を備えたゲーム制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図12F】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−161042(P2011−161042A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27860(P2010−27860)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】