説明

ゲームプログラム、ゲーム装置及びゲーム制御方法

【課題】ゲームプログラムにおいて、ゲーム音の再生に関する不具合を解消する。
【解決手段】S1では応援曲作成処理が行われ、S2では基本エンベロープ波形作成処理が行われる。S3において応援曲が所定の楽曲条件を満たしていると判断されると、S4に移行しエンベロープ波形作成処理が行われる。S4のエンベロープ波形作成処理では、S2の基本エンベロープ波形作成処理で作成された基本エンベロープ波形を基準としてエンベロープ波形を作成し、S1の応援曲作成処理で作成された応援曲の音量を決定する。ステップS5の応援曲演奏処理では、S1の応援曲作成処理で作成された応援曲がエンベロープ波形に応じた音量で外部に出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、ゲーム音を再生するゲームをコンピュータに実現させるためのゲームプログラムに関する。また、このゲームプログラムによって実現されるゲーム装置及びゲーム方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から種々のゲームが提案されている。そのうちの1つとして、モニタに表示された選手キャラクタを動作させて競技を行わせる対戦ビデオゲーム、たとえば野球ゲームが知られている。この種の野球ゲームでは、プレイヤが各選手キャラクタが属する1つの野球チームを選択し、他の野球チームを選択した他のプレイヤやコンピュータと対戦可能である。
【0003】
このような野球ゲームでは、たとえばプレイヤが選択した野球チームが攻撃中であるとき、プレイヤが選択した野球チーム用に作成された応援曲が演奏されるものが知られている(たとえば、特許文献1)。また、対戦相手が選択した野球チームが攻撃中であるとき、対戦相手が選択した野球チーム用に作成された応援曲が演奏されるようになっている。この種の応援曲は、個々の野球チーム専用の応援曲であって、野球チーム毎に異なる楽曲である。また、野球チームが攻撃中であるときは、野球チーム専用の応援曲だけでなく、バッターボックスに入った選手キャラクタ専用の応援曲を演奏できるようになっている。このような応援曲は、予めメモリにメロディとして記憶されているものや、プレイヤが楽曲作成を行いメモリにセーブしたものを、プレイヤが選択した野球チームが攻撃中であるときに、自動的に演奏されるようになっている。
【0004】
また、このような応援曲では、時間に対する音量の変化を表すエンベロープ波形によって、応援曲の音量が決定される。エンベロープ波形は、アタックタイムと、ディケイタイムと、サスティンレベルと、リリースタイムとによって決定される。アタックタイムは、音量が増大する立ち上がり時間であって、音量の立ち上がりレベルがゼロレベルから最大音量となるトップレベルまでの時間である。ディケイタイムは、トップレベルとなる位置からサスティンレベルとなる位置まで音量が減衰している時間である。サスティンレベルは、一定の音量が維持されるときの音量であって、ディケイタイムとリリースタイムとの間のホールドされている時間であるサスティンタイムの間だけ一定の音量が維持される。リリースタイムは、サスティンレベルとなる位置からゼロレベルまで音量が減少している時間である。なお、サスティンレベル及びサスティンタイムが存在しないときは、アタックタイムの後にディケイタイム又はリリースタイムが存在するようになっている。このようなエンベロープ波形では、アタックタイムにおいてゼロレベルの音量から最大音量となるトップレベルまで増大し、ディケイタイムにおいてトップレベルからサスティンレベルまで減少し、サスティンタイムにおいて一定の音量であるサスティンレベルが維持され、リリースタイムにおいてサスティンレベルからゼロレベルまで減少する。ここでは、すべての応援曲において、応援曲の音量がゼロレベルから立ち上がってトップレベルで音量が減少し、サスティンレベルで一定の音量を維持した後、さらに音量がゼロレベルまで減少するようになっている。
【特許文献1】特開平11−468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の応援曲が演奏可能な野球ゲームでは、すべての応援曲において、応援曲の音量がゼロレベルから立ち上がってトップレベルで音量が減少し、サスティンレベルで一定の音量を維持した後、さらに音量がゼロレベルまで減少するようになっている。このため、たとえば楽器がラッパである場合、複数の16分音符が細かく連続して配置されたフレーズを有する応援曲では、アタックタイムにおいて1番目の16分音符の音がトップレベルに到達する前に2番目以降の16分音符の音が再生されるので、1番目の16分音符の音によって2番目以降の16分音符の音が打ち消されてしまい、譜面通りの応援曲が再生されないおそれがある。
【0006】
また、楽器がタイコ等の打楽器である場合、複数のタイコが細かく連続して配置されたフレーズを有する応援曲では、ディケイタイムにおいて1番目のタイコの音がトップレベル付近の音量であるときに2番目以降のタイコの音が再生されるので、1番目のタイコの音が2番目以降のタイコの音に重畳し、歯切れの悪い音が再生されるおそれが生じる。
【0007】
本発明の課題は、ゲームプログラムにおいて、ゲーム音の再生に関する不具合を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係るゲームプログラムは、ゲームキャラクタを動作させるゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
【0009】
(1)ゲーム音を生成するための各種の楽曲情報を有する楽曲を作成可能な楽曲作成機能。
【0010】
(2)各種の楽曲情報が所定の楽曲条件を満たしているか否かを判断する楽曲条件判断機能。
【0011】
(3)ゲーム音の音量に関する基本音量情報を決定する基本エンベロープ波形を作成する基本エンベロープ波形作成機能と。
【0012】
(4)楽曲条件判断機能によって前記所定の楽曲条件を満たしていると判断されたとき、基本エンベロープ波形作成機能によって作成された基本エンベロープ波形を基準としてゲーム音の音量に関する音量情報を決定するエンベロープ波形を作成するエンベロープ波形作成機能。
【0013】
このプログラムによって実現されるゲームでは、楽曲作成機能において、ゲーム音を生成するための各種の楽曲情報を有する楽曲が作成される。ここで、各種の楽曲情報とは、音程、音長、音符の間隔、調子、旋律、楽器の種類等のゲーム音を生成するために必要な情報である。楽曲条件判断機能において、各種の楽曲情報が所定の楽曲条件を満たしているか否かが判断される。ここで、所定の楽曲条件とは、たとえば各種の楽曲情報の中で所定の音長が所定長さ範囲内であるという条件や、所定の楽器の音符の間隔が所定範囲内であるという条件等の各種の楽曲情報に関する条件や、ゲームキャラクタの特性等の各種情報に応じて決定される条件である。基本エンベロープ波形作成機能において、ゲーム音の音量に関する基本音量情報が決定される。ここで、エンベロープ波形とは、時間に対する音量の変化を表す波形であって、アタックタイムと、ディケイタイムと、サスティンレベルと、リリースタイムとによって決定される波形である。また、音量情報とは、時間(レート)に対する音量(レベル)の設定情報であって、具体的には、アタックタイム、ディケイタイム、サスティンレベル、リリースタイム、トップレベル、サスティンタイム等の数値情報である。特に、基本音量情報とは、音量情報において、楽曲が作成されたときの初期状態の設定情報である。エンベロープ波形作成機能において、楽曲条件判断機能によって所定の楽曲条件を満たしていると判断されたとき、基本エンベロープ波形作成機能によって作成された基本エンベロープ波形を基準としてゲーム音の音量に関する音量情報が決定される。
【0014】
たとえば、選手キャラクタを動作させる野球ゲームを実現し、選手キャラクタに対応する応援曲を演奏させる場合を考える。ここでは、楽曲作成機能によって、選手キャラクタに対応する応援曲を生成するための音程、音長、音符の間隔、調子、旋律、楽器の種類等の各種の楽曲情報を有する楽曲が作成される。次に、楽曲条件判断機能によって、各種の楽曲情報が所定の楽曲条件を満たしているか否かが判断される。ここでは、たとえば音符が16分音符であるという条件や、タイコ等の打楽器の音符が休符なしで連続しているという条件等の各種の楽曲情報に関する条件を満たしているか否かが判断される。次に、基本エンベロープ波形作成機能によって、選手キャラクタに対応する応援曲の音量に関する基本音量情報が決定される。そして、エンベロープ波形作成機能によって、楽曲条件判断機能によって所定の楽曲条件を満たしていると判断されたとき、基本エンベロープ波形作成機能によって作成された基本エンベロープ波形を基準として選手キャラクタに対応する応援曲の音量に関する音量情報が決定される。ここでは、たとえば所定の楽曲条件としてたとえば音符が16分音符であるという条件を設定し、この所定の楽曲条件が満たされているときには、基本エンベロープ波形のアタックタイムが短くなるようにエンベロープ波形が作成される。また、タイコ等の打楽器の音符が休符なしで連続しているという条件を設定し、この所定の楽曲条件が満たされているときには、基本エンベロープ波形のディケイタイムが短くなるようにエンベロープ波形が作成される。
【0015】
このゲームプログラムでは、エンベロープ波形作成機能によって、楽曲条件判断機能によって所定の楽曲条件を満たしていると判断されたとき、基本エンベロープ波形作成機能によって作成された基本エンベロープ波形を基準としてゲーム音の音量に関する音量情報が決定される。ここでは、たとえば所定の楽曲条件としてたとえば音符が16分音符であるという条件を設定し、この所定の楽曲条件が満たされているときには、基本エンベロープ波形のアタックタイムが短くなるようにエンベロープ波形が作成されるので、アタックタイムにおいて1番目の16分音符の音がトップレベルに到達した後に2番目以降の16分音符の音が再生されることになり、1番目の16分音符の音によって2番目以降の16分音符の音が打ち消されにくくなる。また、タイコ等の打楽器の音符が休符なしで連続しているという条件を設定し、この所定の楽曲条件が満たされているときには、基本エンベロープ波形のディケイタイムが短くなるようにエンベロープ波形が作成されるので、ディケイタイムにおいて1番目のタイコの音がゼロレベル付近に減衰した後に2番目以降のタイコの音が再生されることになり、1番目のタイコの音と2番目以降のタイコの音との重畳部分を減少させることができる。したがって、このようなエンベロープ波形作成機能によって、譜面通りの応援曲が再生され、あるいは歯切れの悪い音が再生されることがなくなるので、ゲーム音の再生に関する不具合を解消することができる。
【0016】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、エンベロープ波形作成機能は、楽曲作成機能によって作成された楽曲の各種の楽曲情報に応じて、エンベロープ波形を作成する。
【0017】
ここでは、たとえばゲーム音を生成するための音程、音長、音符の間隔、調子、旋律、楽器の種類等の各種の楽曲情報に応じてエンベロープ波形が作成されるので、ゲーム音の主となる部分に適したエンベロープ波形が作成可能となり、このためゲーム音の再生に関する不具合を解消しやすくなる。
【0018】
請求項3に係るゲームプログラムは、請求項2のゲームプログラムにおいて、エンベロープ波形作成機能は、楽曲情報である音符の長さが所定の長さ範囲内であるとき、音量情報であるトップレベルの最大値を保持した状態で音量情報であるアタックタイムが短くなるようにエンベロープ波形を作成する。
【0019】
ここでは、たとえばラッパ等の管楽器であるとき所定の楽曲条件としてたとえば音符が16分音符であるという条件を設定し、この所定の楽曲条件が満たされているときには、基本エンベロープ波形のアタックタイムが短くなるようにエンベロープ波形が作成されるので、アタックタイムにおいて1番目の16分音符の音がトップレベルに到達した後に2番目以降の16分音符の音が再生されることになり、1番目の16分音符の音によって2番目以降の16分音符の音が打ち消されにくくなる。したがって、このようなエンベロープ波形作成機能によって、譜面通りの応援曲が再生されるので、ゲーム音の再生に関する不具合を解消することができる。
【0020】
請求項4に係るゲームプログラムは、請求項2のゲームプログラムにおいて、エンベロープ波形作成機能は、楽曲情報である所定の楽器の音符の間隔が所定範囲内であるとき、音量情報であるディケイレベルの最大値を保持した状態で音量情報であるディケイタイムが短くなるようにエンベロープ波形を作成する。
【0021】
ここでは、たとえばタイコ等の打楽器の音符が休符なしで連続しているという条件を設定し、この所定の楽曲条件が満たされているときには、基本エンベロープ波形のディケイタイムが短くなるようにエンベロープ波形が作成されるので、ディケイタイムにおいて1番目のタイコの音がゼロレベルに到達した後に2番目以降のタイコの音が再生されることになり、1番目のタイコの音と2番目以降のタイコの音との重畳部分を減少させることができる。したがって、このようなエンベロープ波形作成機能によって、歯切れの悪い音が再生されることがなくなるので、ゲーム音の再生に関する不具合を解消することができる。
【0022】
請求項5に係るゲーム装置は、ゲーム音を再生するゲームを実現させるゲーム装置である。このゲーム装置は、楽曲作成手段と、楽曲条件判断手段と、基本エンベロープ波形作成手段と、エンベロープ波形作成手段とを備えている。楽曲作成手段において、ゲーム音を生成するための各種の楽曲情報を有する楽曲が作成される。楽曲条件判断手段において、各種の楽曲情報が所定の楽曲条件を満たしているか否かが判断される。基本エンベロープ波形作成手段において、ゲーム音の音量に関する基本音量情報が決定される。エンベロープ波形作成手段において、楽曲条件判断手段によって所定の楽曲条件を満たしていると判断されたとき、基本エンベロープ波形作成手段によって作成された基本エンベロープ波形を基準としてゲーム音の音量に関する音量情報が決定される。
【0023】
請求項6に係るゲーム方法は、ゲーム音を再生するゲームをコンピュータに実現させるゲーム方法である。このゲーム方法は、楽曲作成ステップと、楽曲条件判断ステップと、基本エンベロープ波形作成ステップと、エンベロープ波形作成ステップとを備えている。楽曲作成ステップにおいて、ゲーム音を生成するための各種の楽曲情報を有する楽曲が作成される。楽曲条件判断ステップにおいて、各種の楽曲情報が所定の楽曲条件を満たしているか否かが判断される。基本エンベロープ波形作成ステップにおいて、ゲーム音の音量に関する基本音量情報が決定される。エンベロープ波形作成ステップにおいて、楽曲条件判断ステップによって所定の楽曲条件を満たしていると判断されたとき、基本エンベロープ波形作成ステップによって作成された基本エンベロープ波形を基準としてゲーム音の音量に関する音量情報が決定される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ゲームプログラムにおいて、エンベロープ波形作成機能によって、楽曲条件判断機能によって所定の楽曲条件を満たしていると判断されたとき、基本エンベロープ波形作成機能によって作成された基本エンベロープ波形を基準としてゲーム音の音量に関する音量情報が決定されるので、ゲーム音の再生に関する不具合を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
〔ゲーム装置の構成と動作〕
図1は、本発明の一実施形態によるゲーム装置の基本構成を示している。ここでは、ゲーム装置の一例として、家庭用ビデオゲーム装置をとりあげて説明を行うこととする。家庭用ビデオゲーム装置は、家庭用ゲーム機本体及び家庭用テレビジョンを備える。家庭用ゲーム機本体には、記録媒体10が装填可能となっており、記録媒体10からゲームデータが適宜読み出されてゲームが実行される。このようにして実行されるゲーム内容が家庭用テレビジョンに表示される。
【0026】
家庭用ビデオゲーム装置のゲームシステムは、制御部1と、記憶部2と、画像表示部3と、ゲーム音出力部4と、操作入力部5とからなっており、それぞれがバス6を介して接続される。このバス6は、アドレスバス、データバス及びコントロールバスなどを含んでいる。ここで、制御部1、記憶部2、ゲーム音出力部4及び操作入力部5は、家庭用ビデオゲーム装置の家庭用ゲーム機本体に含まれており、画像表示部3は家庭用テレビジョンに含まれている。
【0027】
制御部1は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。制御部1は、たとえば、CPU7(Central Processing Unit)と、信号処理プロセッサ8と、画像処理プロセッサ9とから構成されている。CPU7と信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とは、それぞれがバス6を介して互いに接続されている。CPU7は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、画像及び音データの生成加工処理とを行っている。画像処理プロセッサ9は、主に、信号処理プロセッサ8の計算結果及び処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12に書き込む処理を行っている。
【0028】
記憶部2は、主に、プログラムデータや、プログラムデータで使用される各種データなどを格納しておくために設けられている。記憶部2は、たとえば、記録媒体10と、インターフェース回路11と、RAM12(Random Access Memory)とから構成されている。記録媒体10には、インターフェース回路11が接続されている。そして、インターフェース回路11とRAM12とはバス6を介して接続されている。記録媒体10は、オペレーションシステムのプログラムデータや、画像データ、音データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータなどを記録するためのものである。この記録媒体10は、たとえば、ROM(Read Only Memory)カセット、光ディスク及びフレキシブルディスクなどであり、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体10にはカード型メモリも含まれており、このカード型メモリは、主に、ゲームを中断するときに中断時点での各種ゲームパラメータを保存するために用いられる。RAM12は、記録媒体10から読み出された各種データを一時的に格納したり、制御部1からの処理結果を一時的に記録したりするために用いられる。このRAM12には、各種データとともに、各種データの記憶位置を示すアドレスデータが格納されており、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能になっている。
【0029】
画像表示部3は、主に、画像処理プロセッサ9によってRAM12に書き込まれた画像データや、記録媒体10から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。この画像表示部3は、たとえば、テレビジョンモニタ20と、インターフェース回路21と、D/Aコンバータ22(Digital−To−Analogコンバータ)とから構成されている。テレビジョンモニタ20にはD/Aコンバータ22が接続されており、D/Aコンバータ22にはインターフェース回路21が接続されている。そして、インターフェース回路21にバス6が接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号がテレビジョンモニタ20に画像として出力される。
【0030】
ここで、画像データには、たとえば、ポリゴンデータやテクスチャデータなどがある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのものであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとからなっている。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ここで、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。このような画像データでは、信号処理プロセッサ8により、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)が、画面自体(視点)の移動量データ及び回転量データに基づいて座標変換及び透視投影変換されて、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置き換えられる。そして、複数の2次元ポリゴンデータでポリゴン外形を構成して、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタを表現することができる。
【0031】
ゲーム音出力部4は、主に、記録媒体10から読み出される音データをゲーム音として出力するために設けられている。ゲーム音出力部4は、たとえば、スピーカー13と、増幅回路14と、D/Aコンバータ15と、インターフェース回路16とから構成されている。スピーカー13には増幅回路14が接続されており、増幅回路14にはD/Aコンバータ15が接続されており、D/Aコンバータ15にはインターフェース回路16が接続されている。そして、インターフェース回路16にバス6が接続されている。ここでは、音データが、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給され、ここでアナログ音信号に変換される。このアナログ音信号が増幅回路14によって増幅され、スピーカー13からゲーム音として出力される。音データには、たとえば、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データやPCM(Pulse Code Modulation)データなどがある。ADPCMデータの場合、上述と同様の処理方法でゲーム音をスピーカー13から出力することができる。PCMデータの場合、RAM12においてPCMデータをADPCMデータに変換しておくことで、上述と同様の処理方法でゲーム音をスピーカー13から出力することができる。
【0032】
操作入力部5は、主に、コントローラ17と、操作情報インターフェース回路18と、インターフェース回路19とから構成されている。コントローラ17には、操作情報インターフェース回路18が接続されており、操作情報インターフェース回路18にはインターフェース回路19が接続されている。そして、インターフェース回路19にバス6が接続されている。
【0033】
コントローラ17は、プレイヤが種々の操作命令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU7に送出する。コントローラ17には、第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、右方向キー17R、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1、R2ボタン17R2、スタートボタン17e、セレクトボタン17f、左スティック17SL及び右スティック17SRが設けられている。
【0034】
上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L及び右方向キー17Rは、たとえば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ20の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU7に与えるために使用される。
【0035】
スタートボタン17eは、記録媒体10からゲームプログラムをロードするようにCPU7に指示するときに使用される。また、タイトル画面がテレビジョンモニタ20に表示されているときにスタートボタン17eを押下すると、各種のモードを設定するためのモードセレクト画面がテレビジョンモニタ20に表示されるようになっている。
【0036】
セレクトボタン17fは、記録媒体10からロードされたゲームプログラムに対して、各種選択をCPU7に指示するときなどに使用される。
【0037】
左スティック17SL及び右スティック17SRは、いわゆるジョイスティックと略同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは、直立したスティックを有している。このスティックは、支点を中心として直立位置から前後左右を含む360°方向に亘って、傾倒可能な構成になっている。左スティック17SL及び右スティック17SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とするx座標及びy座標の値を、操作信号として操作情報インターフェース回路18とインターフェース回路19とを介してCPU7に送出する。
【0038】
第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1及びR2ボタン17R2には、記録媒体10からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り振られている。たとえば、第2ボタン17b及び第3ボタン17cは、メニュー項目の決定や次の画面に進む動作を行うようにCPU7に指示するときに使用され、第1ボタン17a及び第4ボタン17dは、メニュー項目の選択解除やキャンセルや前の画面に戻る動作を行うようにCPU7に指示するときに使用される。
【0039】
なお、左スティック17SL及び右スティック17SRを除くコントローラ17の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチになっている。
【0040】
以上のような構成からなる家庭用ビデオゲーム装置の概略動作を、以下に説明する。図示しない電源スイッチがオンにされゲームシステム1に電源が投入されると、CPU7が、記録媒体10に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体10から画像データ、音データ及びプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音データ及びプログラムデータの一部若しくは全部は、RAM12に格納される。そして、CPU7が、RAM12に格納されたプログラムデータに基づいて、RAM12に格納された画像データや音データにコマンドを発行する。
【0041】
画像データの場合、CPU7からのコマンドに基づいて、まず、信号処理プロセッサ8が、3次元空間上におけるキャラクタの位置計算及び光源計算などを行う。次に、画像処理プロセッサ9が、信号処理プロセッサ8の計算結果に基づいて、描画すべき画像データのRAM12への書き込み処理などを行う。そして、RAM12に書き込まれた画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ22でアナログ映像信号に変換される。そして、画像データはテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。
【0042】
音データの場合、まず、信号処理プロセッサ8が、CPU7からのコマンドに基づいて音データの生成及び加工処理を行う。ここでは、音データに対して、たとえば、ピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加などの処理が施される。次に、音データは、信号処理プロセッサ8から出力されて、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給される。ここで、音データがアナログ音信号に変換される。そして、音データは増幅回路14を介してスピーカー13からゲーム音として出力される。
【0043】
〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム機において実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。本ゲーム機は、テレビジョンモニタ20に表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能になっている。図2は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。制御部1は、キャラクタ表示手段50と、キャラクタ動作手段51と、応援曲作成手段52と、楽曲条件判断手段53と、基本エンベロープ波形作成手段54と、エンベロープ波形作成手段55と、応援曲演奏手段56とを主に備えている。
【0044】
キャラクタ表示手段50は、テレビジョンモニタ20に投手キャラクタ、打者キャラクタ及び音符キャラクタ33を表示する機能を備えている。キャラクタ表示手段50では、図示しない投手キャラクタ及び打者キャラクタがテレビジョンモニタ20に表示される。また、キャラクタ表示手段50では、図4に示す応援曲作成画面30において、音符キャラクタ33がテレビジョンモニタ20に表示される。
【0045】
この手段では、投手キャラクタに対応する投手用画像データ、打者キャラクタに対応する打者用画像データ、音符キャラクタ33に対応する音符用画像データが、ゲームプログラムのロード時に、記憶部2たとえば記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。このときに、投手用画像データと投手用座標データと音符用画像データとが制御部1たとえばCPU7に認識される。また、打者用画像データをテレビジョンモニタ20に表示するための打者用座標データ、投手用画像データをテレビジョンモニタ20に表示するための投手用座標データ、音符用画像データをテレビジョンモニタ20に表示するための音符用座標データが、記憶部2たとえば記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。このときに、打者用画像データと打者用座標データと音符用画像データとが制御部1たとえばCPU7に認識される。すると、RAM12に格納された打者用画像データ、投手用画像データ、音符用画像データが、CPU7からの指示に基づいて、画像処理プロセッサ9を介してテレビジョンモニタ20に供給される。そして、打者用画像データ、投手用画像データ、音符用画像データが、打者用座標データ、投手用座標データ、音符用座標データに基づいて、テレビジョンモニタ20の所定の位置に表示される。なお、打者用画像データ、投手用画像データ、音符用座標データをテレビジョンモニタ20の所定の位置に表示するための指示は、CPU7によって行われる。
【0046】
キャラクタ動作手段51は、投手キャラクタ及び打者キャラクタを動作させる機能を備えている。キャラクタ動作手段51では、投手キャラクタ及び打者キャラクタが動作させられる。
【0047】
この手段では、投手キャラクタ及び打者キャラクタを動作させるためのコントローラ17からの信号が制御部1たとえばCPU7に認識されると、CPU7からの指示に基づいて、投手キャラクタに対応する投手用画像データ及び打者キャラクタに対応する打者用画像データが、制御部1たとえば信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とによって処理される。そして、処理された画像データがRAM12からテレビジョンモニタ20に供給されて、投手キャラクタの投球動作及び打者キャラクタのスイング動作が動画としてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0048】
応援曲作成手段52は、選手キャラクタに対する応援曲を生成するための各種の楽曲情報を有する楽曲を作成する機能を備えている。応援曲作成手段52では、選手キャラクタ専用あるいは選手キャラクタの属するチーム共通のチャンステーマ等のメロディやリズムを有するラッパやタイコの応援曲である所定の楽曲が作成される。応援曲作成手段52は、図4に示す応援曲作成画面30において、音符キャラクタ33の音程及び音長を設定し、音符キャラクタ33を複数並べて配置しメロディ(旋律)を生成する。また、応援曲作成手段52は、図4に示す応援曲作成画面30において、鳴り物パターン表示フィールド34aにタイコ図形キャラクタ34b及び空白キャラクタ34cを配置したタイコの打撃パターンを選択する。なお、各種の楽曲情報とは、音程、音長、音符の間隔、調子、旋律、楽器の種類等の応援曲を生成するために必要な応援曲の楽曲に関する楽曲データである。ここでは、作成された応援曲の楽曲に関する楽曲データはRAM12に格納される。
【0049】
楽曲条件判断手段53は、応援曲作成手段52によって作成された応援曲の楽曲データが所定の楽曲条件を満たしているか否かを判断する機能を備えている。楽曲条件判断手段53では、記憶部2に記憶された図示しない楽曲条件判断テーブルを参照し所定の楽曲条件を満たしているか否かが判断される。ここで、所定の楽曲条件とは、図4に示す応援曲作成画面30において、所定の音符キャラクタ33の音長が所定長さ範囲内である、具体的には音符キャラクタ33が16分音符である(図4のB部分)という条件や、所定の楽器の音符の間隔が所定範囲内である、具体的には音符キャラクタ33や鳴り物パターン表示フィールド34aに配置されたタイコ図形キャラクタ34bが休符(鳴り物パターン表示フィールド34aにおける空白キャラクタ34c)なしで連続している(図4のB部分及びD部分)という条件である。ここでは、楽曲条件判断テーブル及び所定の楽曲条件を満たしているか否かの判断結果等の各種データはRAM12に格納される。
【0050】
基本エンベロープ波形作成手段54は、応援曲作成手段52によって作成された楽曲の音量に関する基本音量情報を決定する機能を備えている。基本エンベロープ波形作成手段54では、図4の音符キャラクタ33においては、図5に示す時間に対する音量の変化を表す基本エンベロープ波形が作成され、図4のタイコ図形キャラクタ34bにおいては、図7に示す時間に対する音量の変化を表す基本エンベロープ波形が作成される。ここで、エンベロープ波形とは、時間(レート)に対する音量(レベル)の変化を表す波形であって、アタックタイムATと、ディケイタイムDTと、サスティンレベルSLと、リリースタイムRTと、トップレベルTLと、サスティンタイムST等によって決定される波形である。特に、基本エンベロープ波形とは、楽曲が作成されたときの初期状態の設定におけるエンベロープ波形を意味している。すなわち、初期状態の設定では、図4のA部分及びB部分のすべての音符キャラクタ33において図5の基本エンベロープ波形が作成され、図4のC部分及びD部分のすべてのタイコ図形キャラクタ34bにおいて図7の基本エンベロープ波形が作成される。
【0051】
図5に示す音符キャラクタ33の基本エンベロープ波形は、音量がゼロレベルから立ち上がるアタックタイムATと、音量が減少するディケイタイムDTと、サスティンレベルSLで一定の音量が維持されるサスティンタイムSTと、音量がサスティンレベルSLから減少するリリースタイムRTとによって構成されている。アタックタイムATは、音量が増大する立ち上がり時間であって、音量の立ち上がりレベルがゼロレベルから最大音量となるトップレベルTLまでの時間である。ディケイタイムDTは、トップレベルTLとなる位置からサスティンレベルSLとなる位置まで音量が減衰している時間である。サスティンレベルSLは、一定の音量が維持されるときの音量であって、ディケイタイムDTとリリースタイムRTとの間のホールドされている時間であるサスティンタイムSTの間だけ一定の音量が維持される。リリースタイムRTは、サスティンレベルSLとなる位置からゼロレベルまで音量が減少している時間である。ここでは、音量がゼロレベルからトップレベルTLまで立ち上がった後サスティンレベルSLまで減少し、サスティンレベルSLで一定の音量を維持した後、さらに音量がゼロレベルまで減少するようになっている。基本エンベロープ波形作成手段54によって得られた基本音量に関する各種データは、RAM12に格納される。
【0052】
図7に示すタイコ図形キャラクタ34bの基本エンベロープ波形は、音量がゼロレベルからトップレベルTLまで立ち上がるアタックタイムATと、トップレベルTLから音量が減少するディケイタイムDTとによって構成されている。アタックタイムATは、音量が増大する立ち上がり時間であって、音量の立ち上がりレベルがゼロレベルから最大音量となるトップレベルTLまでの時間である。ディケイタイムDTは、トップレベルTLとなる位置からゼロレベルとなる位置まで音量が減衰している時間である。ここでは、音量がゼロレベルからトップレベルTLまで立ち上がった後ゼロレベルまで減少するようになっており、一定の音量が維持されるサスティンタイムSTが存在していない。なお、図7では、タイコの打撃回数が3回である場合を図示しているので、3つの基本エンベロープ波形が図示されている。ここでは、3番目の基本エンベロープ波形のディケイタイムDTは、1番目、2番目の基本エンベロープ波形のディケイタイムDTより長くなるように形成されており、これは、タイコの打撃が、1番目、2番目、3番目の順に、「ドン」、「ドン」、「ドーン」となるように、3番目のタイコの打撃に残響感を付与するためのものである。基本エンベロープ波形作成手段54によって得られた基本音量に関する各種データは、RAM12に格納される。
【0053】
エンベロープ波形作成手段55は、楽曲条件判断手段53によって所定の楽曲条件を満たしていると判断されたとき、基本エンベロープ波形作成手段54によって作成された図5または図7に示す基本エンベロープ波形を基準として、図6または図8に示すエンベロープ波形を作成することによって、応援曲作成手段52によって作成された楽曲の音量に関する音量情報を決定する機能を備えている。
【0054】
エンベロープ波形作成手段55では、所定の楽曲条件を満たす図4のB部分の音符キャラクタ33においては、図5に示す基本エンベロープ波形を基準として、図6に示すエンベロープ波形が作成される。また、エンベロープ波形作成手段55では、所定の楽曲条件を満たす図4のD部分のタイコ図形キャラクタ34bにおいては、図7に示す基本エンベロープ波形を基準として、図8に示すエンベロープ波形が作成される。なお、エンベロープ波形作成手段55では、所定の楽曲条件を満たしていない図4のA部分の音符キャラクタ33及び図4のC部分のタイコ図形キャラクタ34bにおいて、図5または図7に示す基本エンベロープ波形と同一のエンベロープ波形が作成される。
【0055】
図6に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形は、音量がゼロレベルから立ち上がるアタックタイムATと、音量が減少するディケイタイムDTと、サスティンレベルSLで一定の音量が維持されるサスティンタイムSTと、音量がサスティンレベルSLから減少するリリースタイムRTとによって構成されており、図5に示す音符キャラクタ33の基本エンベロープ波形の構成数と同一である。また、図6に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形は、図5に示す音符キャラクタ33の基本エンベロープ波形のトップレベルTL及びサスティンレベルSLの大きさと同一である。ここでは、図4のB部分の音符キャラクタ33において、所定の楽曲条件である音符キャラクタ33が16分音符であるという条件を満たしているので、図6に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形のアタックタイムATは、図5に示す音符キャラクタ33の基本エンベロープ波形のアタックタイムATより短くなるようにエンベロープ波形が作成される。さらに、ここでは、図4のB部分の音符キャラクタ33において、所定の楽曲条件である音符キャラクタ33が休符なしで連続しているという条件を満たしているので、図6に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形のディケイタイムDTは、図5に示す音符キャラクタ33の基本エンベロープ波形のディケイタイムDTより短くなるようにエンベロープ波形が作成される。また、ここでは、図6に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形は、アタックタイムAT、ディケイタイムDT、サスティンタイムST、リリースタイムRTの総時間が、図5に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形のアタックタイムAT、ディケイタイムDT、サスティンタイムST、リリースタイムRTの総時間と同一になっている。すなわち、図4のB部分の音符キャラクタ33において、エンベロープ波形作成手段55によって、図6に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形のアタックタイムAT及びディケイタイムDTが、図5に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形のアタックタイムAT及びディケイタイムDTより短くなっているので、図6に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形のサスティンタイムSTが、図5に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形のサスティンタイムSTより長くなっている。なお、図6に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形のリリースタイムRTは、図5に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形のリリースタイムRTと同一になっている。エンベロープ波形作成手段55によって得られた音量に関する各種データは、RAM12に格納される。
【0056】
図8に示すタイコ図形キャラクタ34bのエンベロープ波形は、音量がゼロレベルからトップレベルTLまで立ち上がるアタックタイムATと、トップレベルTLから音量が減少するディケイタイムDTとによって構成されており、図7に示すタイコ図形キャラクタ34bの基本エンベロープ波形の構成数と同一である。また、図8に示すタイコ図形キャラクタ34bのエンベロープ波形は、図7に示すタイコ図形キャラクタ34bの基本エンベロープ波形のトップレベルTLの大きさと同一である。ここでは、図4のD部分のタイコ図形キャラクタ34bにおいて、所定の楽曲条件である鳴り物パターン表示フィールド34aに配置されたタイコ図形キャラクタ34bが休符(空白キャラクタ34c)なしで連続しているという条件を満たしているので、図8に示すタイコ図形キャラクタ34bの1番目、2番目のエンベロープ波形のディケイタイムDTは、図7に示すタイコ図形キャラクタ34bの1番目、2番目の基本エンベロープ波形のディケイタイムDTより短くなるようにエンベロープ波形が作成される。なお、3番目のエンベロープ波形のディケイタイムDTは、3番目の基本エンベロープ波形のディケイタイムDTと同一になるように形成されており、このため図8に示すタイコ図形キャラクタ34bのエンベロープでの波形でのタイコを3回打撃したときの総時間は、図7に示すタイコ図形キャラクタ34bの基本エンベロープ波形タイコを3回打撃したときの総時間と同一になっている。エンベロープ波形作成手段55によって得られた音量に関する各種データは、RAM12に格納される。
【0057】
応援曲演奏手段56は、応援曲作成手段52によって作成された楽曲を、エンベロープ波形作成手段55によって得られたエンベロープ波形に対応した音量で演奏する機能を備えている。応援曲演奏手段56では、応援曲作成手段52によって作成された楽曲に関する楽曲データと、エンベロープ波形作成手段55によって得られた音量に関する各種データとをRAM12から読み出し、ゲーム音出力部4のインターフェース回路16、D/Aコンバータ15、増幅回路14を介して、スピーカー13によって選手キャラクタの応援曲がエンベロープ波形に応じた128段階の比率で定まる音量で外部に出力される。
【0058】
ここでは、エンベロープ波形作成手段55によって、楽曲条件判断手段53によって所定の楽曲条件を満たしていると判断されたとき、基本エンベロープ波形作成手段54によって作成された基本エンベロープ波形を基準として選手キャラクタに対する応援曲の音量に関する音量情報が決定される。具体的には、図4のB部分の音符キャラクタ33において、所定の楽曲条件である音符キャラクタ33が16分音符であるという条件を満たしているので、図6に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形のアタックタイムATは、図5に示す音符キャラクタ33の基本エンベロープ波形のアタックタイムATより短くなるようにエンベロープ波形が作成される。このため、アタックタイムATにおいて1番目の16分音符の音がトップレベルTLに到達した後に2番目以降の16分音符の音が再生されることになり、1番目の16分音符の音によって2番目以降の16分音符の音が打ち消されにくくなる。また、図4のD部分のタイコ図形キャラクタ34bにおいて、所定の楽曲条件である鳴り物パターン表示フィールド34aに配置されたタイコ図形キャラクタ34bが休符(空白キャラクタ34c)なしで連続しているという条件を満たしているので、図8に示すタイコ図形キャラクタ34bの1番目、2番目のエンベロープ波形のディケイタイムDTは、図7に示すタイコ図形キャラクタ34bの1番目、2番目の基本エンベロープ波形のディケイタイムDTより短くなるようにエンベロープ波形が作成される。このため、ディケイタイムDTにおいて1番目のタイコの音がゼロレベル付近に減衰した後に2番目以降のタイコの音が再生されることになり、1番目のタイコの音と2番目以降のタイコの音との重畳部分を減少させることができる。したがって、このようなエンベロープ波形作成手段55によって、譜面通りの応援曲が再生され、あるいは歯切れの悪い音が再生されることがなくなるので、選手キャラクタに対する応援曲の再生に関する不具合を解消することができる。
【0059】
〔野球ゲームにおける応援曲作成処理の概要〕
次に、野球ゲームにおける応援曲作成処理の具体的な内容について、図3以下に示すテレビジョンモニタ20に表示される表示画面を用いて詳細に説明する。
【0060】
本野球ゲームにおいて、プレイヤが応援曲を作成するときは、コントローラ17のスタートボタン17eを押下操作し、図3に示すサウンド設定応援曲作成選択画面25がテレビジョンモニタ20に表示される。サウンド設定応援曲作成選択画面25は、左側に配置されたサウンド設定画面選択項目26と、サウンド設定画面選択項目26の右側に配置された応援曲作成画面選択項目27とを有している。
【0061】
サウンド設定画面選択項目26及び応援曲作成画面選択項目27は、略矩形の枠内の上部にそれぞれサウンド設定及び応援曲作成の文字が配置され、略矩形の枠内の下部にそれぞれ異なるキャラクタ図形が配置されている。サウンド設定画面選択項目26及び応援曲作成画面選択項目27の周囲には、サウンド設定画面選択項目26及び応援曲作成画面選択項目27のいずれかを選択したことを示す選択カーソル28が配置されている。選択カーソル28は左方向キー17L及び右方向キー17Rの操作によって左右移動可能に配置されている。
【0062】
左方向キー17L及び右方向キー17Rの操作によってサウンド設定画面選択項目26の周囲に選択カーソル28が配置し、この状態で第2ボタン17b又は第3ボタン17cを押下操作すると、図示しないサウンド設定画面に移行する。サウンド設定画面では、ステレオかモノラルかを選択するステレオ設定と、サラウンドをオン、オフするサラウンド設定と、実況、ウグイス嬢、審判、応援曲、歓声等の音量を、大、中、小で設定する音量設定とを行うことが可能である。各種設定を行い、図示しない決定するための選択項目に選択カーソルを移動させて各種設定がRAM12に保存され、サウンド設定応援曲作成選択画面25に戻る。
【0063】
左方向キー17L及び右方向キー17Rの操作によって応援曲作成画面選択項目27の周囲に選択カーソル28が配置し、この状態で第2ボタン17b又は第3ボタン17cを押下操作すると、図4に示す応援曲作成画面30に移行する。
【0064】
応援曲作成画面30は、図4に示すように、左側の上下方向に延びるように配置されたピアノ鍵盤31と、ピアノ鍵盤31の右側にピアノ鍵盤31の音程と同じ高さ位置になるように配置された音符入力フィールド32と、音符入力フィールド32の各音程位置にそれぞれ配置された複数の音符キャラクタ33と、音符入力フィールド32の下部に上下に並べて配置された鳴り物パターン選択項目34及びかけ声パターン選択項目35と、音符入力フィールド32の上部に左右に複数の選択項目が並べて配置された各種のモード設定選択項目36とを備えている。
【0065】
各種のモード設定選択項目36は、図4に示すように、左端から右方向に向かって並べて配置され、リターン記号の図形からなる前の画面に戻るための選択項目36aと、セーブするための選択項目36bと、図4に示すおまかせ作曲開始画面40に移動するためのおまかせ作曲選択項目36jと、リピートするための選択項目36cと、曲調設定項目36dと、サンプルデータ選択設定項目36eと、キャンセルするための選択項目36fとを有している。さらに、各種のモード設定選択項目36の右側には、現在の調子やテンポを表示するための調子設定表示項目36g及びテンポ設定表示項目36hが上下に並べて配置されている。これらの各選択項目は、図4に示すように、各選択項目の周囲に配置された選択カーソル36iをおまかせ作曲選択項目36jに移動させて選択する。ここでは、左方向キー17L及び右方向キー17Rを操作して選択カーソル36iを左右に移動させ、選択カーソル36iをおまかせ作曲選択項目36jに合わせて第2ボタン17b又は第3ボタン17cを押下操作すると、各設定項目が選択される。
【0066】
次に、図4に示す応援曲作成画面30におけるピアノ鍵盤31、音符入力フィールド32、音符キャラクタ33について、説明する。
【0067】
ピアノ鍵盤31は、図4に示すように、現実のピアノ鍵盤を模した図形キャラクタにより構成され、所定の音程位置に上下方向に並べて配置された黒鍵31aと、白鍵31bとを有している。ピアノ鍵盤31は、黒鍵31a及び白鍵31bに対応する音程の音符キャラクタ33が選択されているとき(図4ではソの音程位置)、黒鍵31a及び白鍵31bの通常の色調と異なる選択鍵31c(図4ではソの白鍵位置)をさらに有している。このような選択鍵31cを設けることによって、プレイヤがどの音符キャラクタ33を選択しているか即座に視認することができる。
【0068】
音符入力フィールド32は、図4に示すように、上下に並べて配置された横方向の直線からなる音程基準ライン32aと、音程基準ライン32aと直交するように左右に並べて配置された縦方向の直線からなる音長基準ライン32bとを有している。音程基準ライン32aは、ピアノ鍵盤31の白鍵31bの間隔と同じになるように形成されており、それぞれ白鍵31bの上下のラインと接続されている。音長基準ライン32bは、4本のライン毎に他のラインと太さが異なるように設けられており、さらに16本のライン毎に1小節となるように他のラインと太さや色調が異なるように設けられている。音符入力フィールド32の左上位置及び右上位置には、現在及び次の小節番号32cが配置されている(図4では第2、3小節)。小節位置は、コントローラ17のL1ボタン17L1及びR1ボタン17R1をそれぞれ操作することにより、前の小節及び次の小節に画面移動させることができる。
【0069】
音符キャラクタ33は、図4に示すように、音符入力フィールド32の音程基準ライン32a及び音長基準ライン32bの任意の位置に配置可能である。ここでは、音符キャラクタ33の上下方向の高さ位置によって音程が設定され、音符キャラクタ33お横方向の長さによって音長が設定され、これらの組み合わせによってメロディ(旋律)が設定される。音符キャラクタ33は、図4に示すように、音程基準ライン32aの間の長さよりやや小さい短辺を有し長辺の長さを変更可能な略矩形の矩形キャラクタ33aと、矩形キャラクタ33aの内部の略中央部に配置され音程を表す文字キャラクタ33bと、矩形キャラクタ33aの上部の略中央部に配置されラッパ等の図形からなる図形キャラクタ33cと、矩形キャラクタ33aの四隅に設けられ矩形キャラクタ33aが選択されていることを示す選択カーソル33dとを有している。
【0070】
矩形キャラクタ33aは、四隅が面取りされた略矩形のキャラクタであって、高さ位置が音程基準ライン32a上(黒鍵31a位置)、あるいは高さ位置が音程基準ライン32aの間(白鍵31b位置)に配置可能であり、これによって音程が設定される。また、矩形キャラクタ33aは、横方向の長さを任意に変更することが可能であり、これによって音長が設定される。
【0071】
このような矩形キャラクタ33aの横方向の長さを変更するには、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L及び右方向キー17Rを操作して、選択カーソル33dをソの音程位置の矩形キャラクタ33a位置に移動させる。そして、第2ボタン17b又は第3ボタン17cを押下操作しながら左方向キー17L及び右方向キー17Rを操作すると、矩形キャラクタ33aの右側位置を左右方向に移動できる(図4参照)。第2ボタン17b又は第3ボタン17cを押下操作しながら左方向キー17L及び右方向キー17Rを操作して矩形キャラクタ33aの横方向の長さが所望の長さになったとき、第2ボタン17b又は第3ボタン17cの押下操作を解除すると、矩形キャラクタ33aの横方向の長さがその位置に確定される。ここでは、第2ボタン17b又は第3ボタン17cの押下操作を解除する操作によって矩形キャラクタ33aの横方向の長さが確定されるので、第2ボタン17b又は第3ボタン17cを再度押下操作する場合に比して、プレイヤの操作が容易になる。
【0072】
また、このような矩形キャラクタ33aの上下方向位置を変更するには、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L及び右方向キー17Rを操作して、選択カーソル33dをソの音程位置の矩形キャラクタ33a位置に移動させる。そして、第2ボタン17b又は第3ボタン17cを押下操作しながら上方向キー17U又は下方向キー17Dを操作すると、矩形キャラクタ33aを上下方向に移動できる(図4参照)。第2ボタン17b又は第3ボタン17cを押下操作しながら方向キー17U又は下方向キー17Dを操作して矩形キャラクタ33aの上下方向の高さが所望の位置になったとき、第2ボタン17b又は第3ボタン17cの押下操作を解除すると、矩形キャラクタ33aの上下方向の高さがその位置に確定される。ここでは、第2ボタン17b又は第3ボタン17cの押下操作を解除する操作によって矩形キャラクタ33aの上下方向の高さが確定されるので、第2ボタン17b又は第3ボタン17cを再度押下操作する場合に比して、プレイヤの操作が容易になる。
【0073】
図4では、第2小節において、ソの音程位置かつ4分音符(4マス分)の音符キャラクタ33が休符なしで並べて配置され(図4のA部分)、シの音程位置かつ16分音符(1マス分)の音符キャラクタ33及びソの音程位置かつ16分音符(1マス分)の音符キャラクタ33が休符なしで並べて配置され(図4のB部分)、さらにミの音程位置かつ8分音符(2マス分)の音符キャラクタ33及びソの音程位置かつ8分音符(2マス分)の音符キャラクタ33が休符なしで並べて配置されている。図4のB部分では、16分音符(1マス分)の音符キャラクタ33が休符なしで連続して並べて配置されているので、前述した所定の楽曲条件を満たしている。
【0074】
このように、複数の矩形キャラクタ33aを上下方向の高さや横方向の長さを変化させながら配置していくことにより、プレイヤが操作しやすいユーザインターフェイスによって、メロディを有する基本楽曲を容易に作成できる。
【0075】
このようにプレイヤが作成した楽曲は、各種のモード設定選択項目36のセーブするための選択項目36bに選択カーソル36iを合わせて選択操作することによって、記憶部2に名前を付けて打者キャラクタに関連付けられたデータとして保存することができる。これにより、打者キャラクタがバッターボックスに入ったときに、プレイヤが作成した楽曲が自動的に演奏される。また、プレイヤが作成した楽曲は、任意に読み込んで再編集したり、削除したり、あるいはランダムなひらがなの羅列からなるパスワードに変換して他のプレイヤと交換したりすることができる。
【0076】
また、図4において音符キャラクタ33の選択カーソル33dを鳴り物パターン選択項目34の鳴り物パターン表示フィールド34aに合わせて選択操作を行うと、図示しない鳴り物パターン選択画面が表示される。鳴り物パターン選択画面では、メロディを有していないタイコの打撃パターンを選択可能な画面である。選択されたタイコの打撃パターンは、タイコの打撃を意味するタイコ図形キャラクタ34b及び休符を意味する空白キャラクタ34cとして鳴り物パターン表示フィールド34aに表示される。
【0077】
図4では、鳴り物パターン表示フィールド34aに、タイコ図形キャラクタ34b、空白キャラクタ34c、タイコ図形キャラクタ34bが並べて配置され(図4のC部分)、さらに3個のタイコ図形キャラクタ34bが休符(空白キャラクタ34c)なしで並べて配置されている(図4のD部分)。図4のD部分では、3個のタイコ図形キャラクタ34bが休符(空白キャラクタ34c)なしで並べて配置されているので、前述した所定の楽曲条件を満たしている。
【0078】
さらに、図4において音符キャラクタ33の選択カーソル33dをかけ声パターン選択項目35のかけ声パターン表示フィールド35aに合わせて選択操作を行うと、図示しないかけ声パターン選択画面が表示される。かけ声パターン選択画面では、「かっとばせー」、「燃えろ!燃えろ!」、「レッツGO!レッツGO!」、「GO GO!レッツGO!」等のかけ声パターンを選択可能な画面である。選択されたかけ声パターンは、「かっとばせー」、「燃えろ!燃えろ!」、「レッツGO!レッツGO!」、「GO GO!レッツGO!」等の文字キャラクタとしてかけ声パターン表示フィールド35aに表示される。図4では、かけ声パターン表示フィールド35aに、「燃えろ!燃えろ!」の文字キャラクタが表示されている。
【0079】
また、図4に示す応援曲作成画面30において、スタートボタン17eを押下操作すると、完成した楽曲にタイコやかけ声の音声が重畳して演奏されるようになっている。また、応援曲作成画面30の右下には、「START:再生」の文字キャラクタからなるボタン操作指示項目38が配置されている。ここでは、プレイヤはボタン操作指示項目38の指示に従うだけで、容易に各種の操作が行える。
【0080】
〔野球ゲームにおける応援曲作成処理から応援曲演奏処理実行時の各種処理フロー〕
本実施形態の野球ゲームにおける応援曲作成処理から応援曲演奏処理にかかる一連の処理を、図9に示すフローチャートを用いて説明する。
【0081】
まず、図3に示すサウンド設定応援曲作成選択画面25において、左方向キー17L及び右方向キー17Rの操作によって応援曲作成画面選択項目27の周囲に選択カーソル28が配置し、この状態で第2ボタン17b又は第3ボタン17cを押下操作すると、図4に示す応援曲作成画面30に移行し、図9に示す応援曲作成処理が開始される(S1)。
【0082】
ステップS1の応援曲作成処理は、図4に示す応援曲作成画面30において、音符キャラクタ33の音程及び音長を設定したり、タイコ図形キャラクタ34b及び空白キャラクタ34cを配置したタイコの打撃パターンを選択することによって、選手キャラクタあるいは選手キャラクタの属するチーム共通のチャンステーマ等のメロディやリズムを有するラッパやタイコの楽曲が作成される。ステップS1の応援曲作成処理が行われると、基本エンベロープ波形作成処理が行われる(S2)。
【0083】
ステップS2の基本エンベロープ波形作成処理では、ステップS1の応援曲作成処理で作成された応援曲の音量に関する基本音量情報を決定する。ここでは、図4に示す応援曲作成画面30のA部分及びB部分のすべての音符キャラクタ33において、図5に示す基本エンベロープ波形が作成され、図4に示す応援曲作成画面30のC部分及びD部分のすべてのタイコ図形キャラクタ34bにおいて、図7に示す基本エンベロープ波形が作成される。これらの基本エンベロープ波形によって、応援曲の音量に関する基本音量情報を決定される。
【0084】
次に、ステップS1の応援曲作成処理で作成された応援曲が所定の楽曲条件を満たしているか否かを判断する(S3)。具体的には、ステップS3の楽曲条件判断処理では、図4に示す応援曲作成画面30において、音符キャラクタ33が16分音符である(図4のB部分)という条件や、音符キャラクタ33や鳴り物パターン表示フィールド34aに配置されたタイコ図形キャラクタ34bが休符(鳴り物パターン表示フィールド34aにおける空白キャラクタ34c)なしで連続している(図4のB部分及びD部分)という条件を満たしているか否かを判断する。応援曲が所定の楽曲条件を満たしているとき(図4のB部分及びD部分)は、エンベロープ波形作成処理に移行し(S4)、応援曲が所定の楽曲条件を満たしていないとき(図4のA部分及びC部分)は、図5または図7に示す基本エンベロープ波形と同一のエンベロープ波形が作成し、応援曲演奏処理に移行する(S5)。
【0085】
ステップS4のエンベロープ波形作成処理では、ステップS3の楽曲条件判断処理で応援曲が所定の楽曲条件を満たしていると判断されたとき、ステップS2の基本エンベロープ波形作成処理で作成された図5または図7に示す基本エンベロープ波形を基準として、図6または図8に示すエンベロープ波形を作成することによって、ステップS1の応援曲作成処理で作成された楽曲の音量に関する音量情報を決定する。
【0086】
具体的には、ステップS4のエンベロープ波形作成処理では、図4のB部分の音符キャラクタ33において、所定の楽曲条件である音符キャラクタ33が16分音符であるという条件を満たしているので、図6に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形のアタックタイムATは、図5に示す音符キャラクタ33の基本エンベロープ波形のアタックタイムATより短くなるようにエンベロープ波形が作成される。さらに、ここでは、図4のB部分の音符キャラクタ33において、所定の楽曲条件である音符キャラクタ33が休符なしで連続しているという条件を満たしているので、図6に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形のディケイタイムDTは、図5に示す音符キャラクタ33の基本エンベロープ波形のディケイタイムDTより短くなるようにエンベロープ波形が作成される。
【0087】
また、ステップS4のエンベロープ波形作成処理では、図4のD部分のタイコ図形キャラクタ34bにおいて、所定の楽曲条件である鳴り物パターン表示フィールド34aに配置されたタイコ図形キャラクタ34bが休符(空白キャラクタ34c)なしで連続しているという条件を満たしているので、図8に示すタイコ図形キャラクタ34bの1番目、2番目のエンベロープ波形のディケイタイムDTは、図7に示すタイコ図形キャラクタ34bの1番目、2番目の基本エンベロープ波形のディケイタイムDTより短くなるようにエンベロープ波形が作成される。
【0088】
ここでは、図6または図8に示すエンベロープ波形が作成されると、ステップS5の応援曲演奏処理に移行する。
【0089】
ステップS5の応援曲演奏処理は、ゲーム音出力部4のインターフェース回路16、D/Aコンバータ15、増幅回路14を介して、スピーカー13によって選手キャラクタの応援曲がエンベロープ波形に応じた音量で外部に出力される。
【0090】
ここでは、ステップS4のエンベロープ波形作成処理によって、ステップS3の楽曲条件判断処理で所定の楽曲条件を満たしていると判断されたとき、ステップS2の基本エンベロープ波形作成処理で作成された基本エンベロープ波形を基準として選手キャラクタに対する応援曲の音量に関する音量情報が決定される。具体的には、図4のB部分の音符キャラクタ33において、所定の楽曲条件である音符キャラクタ33が16分音符であるという条件を満たしているので、図6に示す音符キャラクタ33のエンベロープ波形のアタックタイムATは、図5に示す音符キャラクタ33の基本エンベロープ波形のアタックタイムATより短くなるようにエンベロープ波形が作成される。このため、アタックタイムATにおいて1番目の16分音符の音がトップレベルTLに到達した後に2番目以降の16分音符の音が再生されることになり、1番目の16分音符の音によって2番目以降の16分音符の音が打ち消されにくくなる。また、図4のD部分のタイコ図形キャラクタ34bにおいて、所定の楽曲条件である鳴り物パターン表示フィールド34aに配置されたタイコ図形キャラクタ34bが休符(空白キャラクタ34c)なしで連続しているという条件を満たしているので、図8に示すタイコ図形キャラクタ34bの1番目、2番目のエンベロープ波形のディケイタイムDTは、図7に示すタイコ図形キャラクタ34bの1番目、2番目の基本エンベロープ波形のディケイタイムDTより短くなるようにエンベロープ波形が作成される。このため、ディケイタイムDTにおいて1番目のタイコの音がゼロレベル付近に減衰した後に2番目以降のタイコの音が再生されることになり、1番目のタイコの音と2番目以降のタイコの音との重畳部分を減少させることができる。したがって、ステップS4のエンベロープ波形作成処理を行うことによって、譜面通りの応援曲が再生され、あるいは歯切れの悪い音が再生されることがなくなるので、選手キャラクタに対する応援曲の再生に関する不具合を解消することができる。
【0091】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての家庭用ビデオゲーム装置を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、モニタが別体に構成されたゲーム装置、モニタが一体に構成されたゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータや、携帯型ゲーム装置や、携帯電話や、PDAや、あるいは業務用ゲーム装置等にも同様に適用することができる。
【0092】
(b) 本発明には、前述したようなゲームを実行するプログラム及びこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、BD−ROM(Blu−ray Disk−ROM)、UMD、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【0093】
(c) 前記実施形態では、ゲーム機において実行されるゲームとして、野球ゲームを例にあげて説明したが、実行されるゲームはこれに限定されるものではなく、種々のゲームに適用することができる。たとえば、サッカーや格闘技等の種々のスポーツゲーム、シミュレーションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム等に同様に適用することができる。
【0094】
(d) 前記実施形態では、所定の楽曲条件は、音符キャラクタ33が16分音符であるという条件や、タイコ図形キャラクタ34bが休符(空白キャラクタ34c)なしで連続しているという条件であったが、これらの楽曲条件に限定されるものではなく、ゲーム音を生成するための音程、音長、音符の間隔、調子、旋律、楽器の種類等の他の楽曲情報による条件であってもよい。たとえば、図7に示すタイコ図形キャラクタ34bの基本エンベロープ波形において、n番目(nは自然数)の基本エンベロープ波形のアタックタイムAT開始時刻と、(n+1)番目の基本エンベロープ波形のアタックタイムAT開始時刻との間隔が、たとえば200ミリ秒以下となったときに、所定の楽曲条件を満たしているという条件であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の一実施形態によるビデオゲーム装置の基本構成図。
【図2】前記ビデオゲーム装置の一例としての機能ブロック図。
【図3】野球ゲームにおけるサウンド設定応援曲作成選択画面を表す図。
【図4】音符入力フィールドに音符キャラクタを配置したときの応援曲作成画面を表す図。
【図5】図4の応援曲(A部分)の時間に対する音量の変化を表す基本エンベロープ波形を表す図。
【図6】図4の応援曲(B部分)の時間に対する音量の変化を表すエンベロープ波形を表す図。
【図7】図4の応援曲(C部分)の時間に対する音量の変化を表す基本エンベロープ波形を表す図。
【図8】図4の応援曲(D部分)の時間に対する音量の変化を表すエンベロープ波形を表す図。
【図9】前記野球ゲームにおける応援曲作成処理から応援曲演奏処理かかる一連の処理に関するフローチャート。
【符号の説明】
【0096】
1 制御部
2 記憶部
3 画像表示部
4 ゲーム音出力部
5 操作入力部
7 CPU
13 スピーカー
17 コントローラ
20 テレビジョンモニタ
25 サウンド応援曲作成選択画面
30 応援曲作成画面
31 ピアノ鍵盤
32 音符入力フィールド
33 音符キャラクタ
33a 矩形キャラクタ
33b 文字キャラクタ
33c 図形キャラクタ
33d 選択記号キャラクタ
34 鳴り物パターン選択項目
34a 鳴り物パターン表示フィールド
34b タイコ図形キャラクタ
34c 空白キャラクタ
35 かけ声パターン選択項目
35a かけ声パターン表示フィールド
36 各種のモード設定選択項目
36a 前の画面に戻るための選択項目
36b セーブするための選択項目
36c リピートするための選択項目
36d 曲調設定項目
36e サンプルデータ選択設定項目
36f キャンセルするための選択項目
36g 調子設定表示項目
36h テンポ設定表示項目
36i 選択カーソル
36j おまかせ作曲選択項目
50 キャラクタ表示手段
51 キャラクタ動作手段
52 応援曲作成手段
53 楽曲条件判断手段
54 基本エンベロープ波形作成手段
55 エンベロープ波形作成手段
56 応援曲演奏手段
AT アタックタイム
DT ディケイタイム
RT リリースタイム
SL サスティンレベル
ST サスティンタイム
TL トップレベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム音を再生するゲームを実現可能なコンピュータに、
前記ゲーム音を生成するための各種の楽曲情報を有する楽曲を作成可能な楽曲作成機能と、
前記各種の楽曲情報が所定の楽曲条件を満たしているか否かを判断する楽曲条件判断機能と、
前記ゲーム音の音量に関する基本音量情報を決定する基本エンベロープ波形を作成する基本エンベロープ波形作成機能と、
前記楽曲条件判断機能によって前記所定の楽曲条件を満たしていると判断されたとき、前記基本エンベロープ波形作成機能によって作成された前記基本エンベロープ波形を基準として前記ゲーム音の音量に関する音量情報を決定するエンベロープ波形を作成するエンベロープ波形作成機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記エンベロープ波形作成機能は、前記楽曲作成機能によって作成された前記楽曲の前記各種の楽曲情報に応じて、前記エンベロープ波形を作成する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記エンベロープ波形作成機能は、前記楽曲情報である音符の長さが所定の長さ範囲内であるとき、前記音量情報であるアタックレベルの最大値を保持した状態で前記音量情報であるアタックタイムが短くなるように前記エンベロープ波形を作成する、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記エンベロープ波形作成機能は、前記楽曲情報である所定の楽器の音符の間隔が所定範囲内であるとき、前記音量情報であるディケイレベルの最大値を保持した状態で前記音量情報であるディケイタイムが短くなるように前記エンベロープ波形を作成する、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
ゲーム音を再生するゲームを実現させるゲーム装置であって、
前記ゲーム音を生成するための各種の楽曲情報を有する楽曲を作成可能な楽曲作成手段と、
前記各種の楽曲情報が所定の楽曲条件を満たしているか否かを判断する楽曲条件判断手段と、
前記ゲーム音の音量に関する基本音量情報を決定する基本エンベロープ波形を作成する基本エンベロープ波形作成手段と、
前記楽曲条件判断手段によって前記所定の楽曲条件を満たしていると判断されたとき、前記基本エンベロープ波形作成手段によって作成された前記基本エンベロープ波形を基準として前記ゲーム音の音量に関する音量情報を決定するエンベロープ波形を作成するエンベロープ波形作成手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項6】
ゲーム音を再生するゲームをコンピュータに実現させるゲーム方法であって、
前記ゲーム音を生成するための各種の楽曲情報を有する楽曲を作成可能な楽曲作成ステップと、
前記各種の楽曲情報が所定の楽曲条件を満たしているか否かを判断する楽曲条件判断ステップと、
前記ゲーム音の音量に関する基本音量情報を決定する基本エンベロープ波形を作成する基本エンベロープ波形作成ステップと、
前記楽曲条件判断ステップによって前記所定の楽曲条件を満たしていると判断されたとき、前記基本エンベロープ波形作成ステップによって作成された前記基本エンベロープ波形を基準として前記ゲーム音の音量に関する音量情報を決定するエンベロープ波形を作成するエンベロープ波形作成ステップと、
を備えるゲーム方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−143587(P2007−143587A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338240(P2005−338240)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】