説明

ゲームプログラムおよびゲーム装置

【課題】 アドバタイズ処理の効果を最大限高める。
【解決手段】 ゲーム実行時にはガン(119)、左ペダル(120)、右ペダル(121)によってプレーヤキャラクタ(PCH1、PCH2)を操作し、ゲーム画面を表示手段(112)に表示する。左ペダル、右ペダルはプレーヤキャラクタの左右移動に使用される。
表示手段の周囲には複数の赤外線発光部(122)が設けられ、ガンは、いずれの赤外線発光部が視野内に入ったかを判断して、ガンの照準が設定された、表示手段112の座標が算出される。
ゲーム実行に際しては、コインスイッチ(115)に所定のコインを挿入した後に、スタートボタン(116)を押すことによってゲームが開始され、あるいは継続される。
各ゲーム装置の表示手段には、それぞれのプレーヤキャラクタ側からの画像が表示され、ガンシューティングの対決をリアルに表現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シューティングゲームのためのゲームプログラムおよびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シミュレーション装置やゲーム装置においては、シミュレーションやゲームを実行する前に、操作習得、あるいはゲーム等の雰囲気を知るための処理が設けられることがある。
【0003】
有料のゲーム装置においては、このような処理はアドバタイズ操作練習処理と呼ばれ、新たな操作やルールを習得する際に有効である。また有料実行以前に、遊戯者にゲーム内容をアピールし、プレイ意欲を起こさせて、有料実行を促す効果もある。
【0004】
アドバタイズ操作練習処理等に関しては、特許文献1〜3の従来例がある。
【0005】
特許文献1にはレースゲームである第1ゲームと、第1ゲームを習得するための第2ゲームを実行し得るゲームシステムが開示されており、第2ゲームでは、第1ゲームについて指導しつつ遊戯者に第1ゲームを実行させ、その結果を評価する。
【0006】
特許文献2には、入門モードが設けられた運転シミュレーションゲームプログラムが開示されており、入門モードでは、誤った操作であっても許容範囲内であればそのまま処理を続行し、許容範囲を超えたときに、処理を中断して、指導処理を実行する。
【0007】
特許文献3には、アドバタイズ操作練習処理を含むゲーム装置が開示されており、アドバタイズ操作練習処理においては、仮想空間内の視点の切り替えが可能である。
【0008】
【特許文献1】特許第3115270号公報
【特許文献2】特許第3745666号公報
【特許文献3】特開平11−9837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の従来例では、アドバタイズ操作練習処理中に遊戯者が多くの操作を実行できるが、第2ゲームの実行も有償であるため、遊戯者は少ない回数でゲームを習得する必要がある。このため、1回の練習は難度が高くなりがちであり、ゲーム操作が得意でない遊戯者には有効でない。
【0010】
特許文献2の従来例では、特許文献1と同様、第2ゲームは有償であり、気軽に練習に使用することは、一般の遊戯者には抵抗がある。
【0011】
特許文献3の従来例では、許容された操作がわずかであるため遊戯者をゲームに勧誘する効果は高いが、視点切り替えしか実行できないため、ゲームの操作を練習することはできない。一般に新規な操作や新規なルールを習得するためには練習の必要性が高く、習熟度が不充分であると、ゲームを楽しむ前にゲームオーバになり、プレイ意欲が減退する。
【0012】
本発明は、このような従来の問題点を解消すべく創案されたもので、アドバタイズ処理における一部の操作を可能にして、遊戯者を段階的にゲームに習熟させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、入力操作手段と、入力操作検知手段と、記憶手段と、演算装置と、演算結果の出力提示手段と、計時手段とを具備したゲーム装置としてコンピュータを機能させるゲームプログラムであって、当該ゲーム装置において提供されるゲームの内容や操作方法を遊戯者に提示する操作説明画面を含むアドバタイズ表示を行う場合において、前記操作説明画面の表示中、遊戯者が前記入力操作手段を用いて所定の入力操作を行う方法とその操作を行った結果を提示するための情報である模範提示情報を前記記憶手段から読み出して、前記演算装置による演算処理を行い、演算結果を前記出力提示手段に出力して、遊戯者に対する模範提示を行う模範提示処理過程、前記模範提示処理手段による模範の提示に次いで、予め設定された所定の操作可能時間を前記計時手段によって計時し、当該操作可能時間内において、遊戯者に対し前記入力操作(の試行)を促す画像表示乃至音声出力を行うとともに、操作手段からの入力操作が前記所定の入力操作であるか否かを判定し、該判定が肯定された場合はその入力操作に基づくゲーム進行結果を提示し、否定された場合はその入力操作に基づくゲーム進行結果を提示させない処理を行う操作練習処理過程とを備える。
【0014】
従って、遊戯者は、所定時間、所定範囲の操作が可能であるため、段階的にゲームに習熟し得る。
【0015】
本発明に係るゲームプログラムにおいて、前記模範提示処理手段が前記模範提示を実行しているとき、乃至、前記操作練習処理手段が前記操作練習処理を実行しているときにおいて、操作手段から入力された操作入力が当該操作入力に基づくゲーム進行結果を提示させない操作入力であった場合、当該操作入力が許可されていない旨を画像や音声出力により遊戯者に告知する告知過程をさらに備えてもよい、、
【0016】
これによって、遊戯者が許可されていない操作を実行しようとしたときに、遊戯者は不許可でることを即座にしることができ、遊戯者に不快感を与えることがない。
【0017】
本発明に係るゲームプログラムは、前記ゲーム装置に対するゲーム開始指示入力を検知するゲーム開始指示検知過程を更に有し、前記ゲーム開始指示検知過程においてゲーム開始指示入力が検知されていないか、または現在ゲーム実行中でないと判断された場合に、前記アドバタイズ表示を実行してもよい。
【0018】
これによって、アドバタイズ表示のタイミングを適正化し得る。
【0019】
本発明は、入力操作手段と、入力操作検知手段と、記憶手段と、演算装置と、演算結果の出力提示手段と、計時手段とを具備したゲーム装置であって、当該ゲーム装置において提供されるゲームの内容や操作方法を遊戯者に提示する操作説明画面を含むアドバタイズ表示を行う場合において、前記操作説明画面の表示中、遊戯者が前記入力操作手段を用いて所定の入力操作を行う方法とその操作を行った結果を提示するための情報である模範提示情報を前記記憶手段から読み出して、前記演算装置による演算処理を行い、演算結果を前記出力提示手段に出力して、遊戯者に対する模範提示を行う模範提示処理手段と、前記模範提示処理手段による模範の提示に次いで、予め設定された所定の操作可能時間を前記計時手段によって計時し、当該操作可能時間内において、遊戯者に対し前記入力操作(の試行)を促す画像表示乃至音声出力を行うとともに、操作手段からの入力操作が前記所定の入力操作であるか否かを判定し、該判定が肯定された場合はその入力操作に基づくゲーム進行結果を提示し、否定された場合はその入力操作に基づくゲーム進行結果を提示させない処理を行う操作練習処理手段とを備える。
【0020】
従って、遊戯者は、所定時間、所定範囲の操作が可能であるため、段階的にゲームに習熟し得る。
【0021】
本発明に係るゲーム装置において、仮想空間内にプレーヤキャラクタおよびエネミキャラクタを生成するキャラクタ生成手段を更に備えるとともに、前記入力操作手段は、遊戯者の操作により前記プレイヤーキャラクタから前記エネミーキャラクタへの射撃動作を行わせる銃型コントローラと、前記プレイヤーキャラクタを前記仮想空間内で移動させる移動操作手段とをさらに含み、前記操作練習処理手段は、移動操作の操作練習処理を行っている場合には、前記銃型コントローラからの入力操作に基づく射撃動作を行わせないものであってもよい。
【0022】
従って、遊戯者はゲームの多くの操作が可能であるため、ゲーム意欲が著しく高められる。反面、要となるシューティングの操作は実行できないため、有料実行前に遊戯者が満足感を得ることはない。これによって、アドバタイズ操作練習処理の効果を最大限高め得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、段階的にゲームに習熟し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
【実施例】
【0025】
次に本発明に係るゲーム装置の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
【0026】
[ゲーム装置]
図1は、本発明に係るゲーム装置の実施例を示す正面図、図2は、図1のゲーム装置を示すブロックである。
【0027】
図1において、2台のゲーム装置100、200がLAN150等により相互に接続され、相互の対戦が可能である。
【0028】
ゲーム装置100、200は同様に構成されており、ゲーム装置100を代表的に説明する。
【0029】
ゲーム装置100はCRTあるいは液晶モニター等の表示手段112、および操作入力手段105(図2)としてのコインスイッチ115、スタートボタン116、銃型コントローラ119、左ペダル120、右ペダル121を備える。
【0030】
ゲーム実行時には、遊戯者は銃型コントローラ119、左ペダル120、右ペダル121によって操作信号を入力し、プレーヤキャラクタPCH1(ゲーム装置200ではプレーヤキャラクタPCH2)を操作し、ゲーム画面を表示手段112に表示する。左ペダル120、右ペダル121は主にプレーヤキャラクタPCH1、PCH2の左右方向の移動を指定する移動入力手段として使用される。
【0031】
なお、CPU101、システムメモリ102、タイマ123によって、ペダル120、121の所定サンプリングタイミング内の踏み込み回数をカウントすることにより、ダブルクリック等の検出が可能になり、ダブルクリック時に、プレーヤキャラクタPCH1をダッシュさせる等の制御が可能である。
【0032】
表示手段112の周囲には12個の赤外線発光部122が均等に設けられ、銃型コントローラ186には、赤外線発光部122からの赤外線信号を受光する、複数の赤外線受光素子(図示省略)が設けられ、銃型コン トローラ186の方向によって、各赤外線受光素子の受光量のバランスが変化する。赤外線発光部122の出力はCPU101に入力され、CPU101は、受光信号のバランスに基づいて銃型コントローラ186の照準が設定された、表示部112の座標を算出する。
【0033】
ゲーム実行に際しては、コインスイッチ115に所定のコインを挿入した後に、スタートボタン116を押すことによってゲームが開始され、あるいいは継続される。
【0034】
各ゲーム装置100、200の表示手段112には、それぞれ、プレーヤキャラクタPCH1、PCH2側からの画像が表示され、銃型コントローラシューティングの対決をリアルに表現する。
【0035】
図2において、ゲーム装置100は、全体を制御するCPU101と、ゲーム装置100を起動させるためのプログラムを格納するブートロム104と、CPU101によって実行される画像生成プログラム、その他のプログラムやデータを格納するシステムメモリ102とを有する。
【0036】
CPU101によって実行されるゲームプログラムやデータには、ゲームを制御するプログラムやデータのほか、表示すべき画像を生成、制御するためのプログラムやデータも含まれる。
【0037】
表示する画像を生成するためには、システムメモリ内に、表示するオブジェクトを構成する3次元ローカル座標データを有するポリゴンデータ(頂点データ)やNURBSデータ(曲面や制御点データ)を格納しておき、CPUやジオメトリプロセッサ(図示しない)によって、これを3次元仮想空間のワールド座標系に配置してローカル座標をワールド座標系に変換する。
【0038】
更に、仮想空間内に仮想視点を設定して、この仮想視点から所定の視方向および画角でみた仮想視野にあるオブジェクトを、仮想視点を原点とした視点座標系に変換し、この変換されたオブジェクトの座標をレンダリングプロセッサ107に送信する。これによってゲーム画面が生成され、表示手段112において出力される。
【0039】
レンダリングプロセッサ107は、送られてきたオブジェクトの座標に対して、まず、光源処理などの補間処理や、グラフィックメモリ108に格納されたテクスチャデータをオブジェクトに貼り付けてオブジェクトの表面にディテールを施す。さらにレンダリングプロセッサ107は、3次元の立体オブジェクトから、表示手段112に表示するために2次元平面(スクリーン)にオブジェクト(ポリゴン)を投影して2次元座標データ(スクリーン座標系)に変換し、Z座標の深さが浅いポリゴン即ち視点座標に近いポリゴンから優先的に表示するようにして2次元画像を生成して、これを表示手段112に出力する。
【0040】
すなわち、CPU101、レンダリングプロセッサ107はゲームプログラムによって制御されて画像生成手段117として機能する。
【0041】
ゲーム装置100には、音声を生成するサウンドプロセッサ109と、生成される音声のデータを記憶するサウンドメモリ110とが設けられ、サウンドプロセッサ109はサウンドメモリ110に記憶されたデータに基づいて音声のデジタル信号を生成し、スピーカ113やヘッドフォン(図示省略)によって音声を出力する。
【0042】
ゲーム装置100には、プログラムデータやその他データの記憶装置および記憶媒体103が設けられ、ゲームプログラムやデータはこれら記憶媒体からシステムメモリ102、グラフィックメモリ108、サウンドメモリ110に読み込まれる。またゲーム装置100にはバックアップメモリ118が設けられ、ゲーム経過の保存等に使用される。
【0043】
これら記憶媒体には、CD−ROMやDVD-ROMのような光学式に読み取り可能な媒体や、マスクROMやフラッシュメモリのような電気的に読み取り可能な媒体も含まれる。
【0044】
ゲーム装置100には、通信インターフェース111およびモデム114が設けられ、LANやモデム114を介して、ゲーム装置200やサーバ、あるいは、さらに他のゲーム装置と接続可能である。
【0045】
図1の操作入力手段105(コインスイッチ105、スタートボタン116、銃型コントローラ119、左ペダル120、右ペダル121)の入力手段、および以上の構成要素はバスに接続され、バスアービタ106によってプログラムやデータの各構成要素間の入出力が制御されている。操作入力手段105は操作信号をCPU101に入力し、CPU101に所定の制御を実行させる。さらにCPU101は操作入力手段105の入力操作を検知する入力操作検知手段として機能する。
【0046】
CPU101にはタイマ123が接続され、ゲーム装置100の各処理の処理時間を計測し得る。CPU101およびタイマ123は、協働して、計時手段として機能する。
【0047】
[アドバタイズ画面]
【0048】
アドバタイズ操作練習処理においては図3〜図15のアドバタイズ画面が順次表示され、以下のとおり、遊戯者にゲームの雰囲気を伝え、遊技者をゲームに勧誘する。
【0049】
図3において、まず、遊戯者に対応したプレーヤキャラクタPCH1、遊戯者のターゲットとなるエネミキャラクタPCH2が仮想空間内に表示される。エネミキャラクタPCH2は、例えば、対戦相手のゲーム装置200によって制御されるプレーヤキャラクタ、あるいはゲーム装置100が自動制御するオブジェクトである。
【0050】
仮想空間は、シューティングゲームの緊迫感を盛り上げる種々のシチュエーションが設定され、倉庫、砂漠その他が背景として表示される。
【0051】
仮想空間内には、プレーヤキャラクタPCH1、エネミキャラクタPCH2が、それぞれ移動し得る領域AR1、AR2が設けられ、領域AR1、AR2には、プレーヤキャラクタPCH1、PCH2が身を隠すための遮蔽物SH1、SH2がそれぞれ設けられる。
【0052】
領域AR1、AR2は相互に離間しており、プレーヤキャラクタPCH1がエネミキャラクタPCH1に弾を的中させるのは容易でない。すなわち、ゲーム装置100で実行されるシューティングゲームは、難度が比較的高く、アドバタイズ操作練習処理において、ゲームの操作を説明することの重要性は高い。
【0053】
図3の画面には、右上に「ゲーム説明」の表示、下端に「INSERT COIN(S)」、「CREDIT(S) 0」の表示が表示され、中央に「ライバルと1対1で戦う」、「対戦銃型コントローラシューティングゲーム」のメッセージが表示される。さらに、プレーヤキャラクタPCH1、PCH2を発光させ、対戦の主体を明示する。
【0054】
図4では、通常のゲーム画面に切り替わり、中央には「簡単操作で対戦が楽しめる」のメッセージが表示される。「ゲーム説明」、「INSERT COIN(S)」、「CREDIT(S) 0」の表示はそのままである。
【0055】
図5では、ゲーム装置100の自動制御により、プレーヤキャラクタPCH1、PCH2両者が銃型コントローラを構え、相手を攻撃する。これによって攻撃の状況が示される。中央には「敵に向かって銃を構えて攻撃」のメッセージが表示される。「ゲーム説明」、「INSERT COIN(S)」、「CREDIT(S) 0」の表示はそのままである。
【0056】
図6では、ゲーム装置100の自動制御により、プレーヤキャラクタPCH1が防御の態勢をとり、プレーヤキャラクタPCH2が攻撃する。これによって防御の状況が示される。中央には「攻撃されたら銃を下げて防御」、「銃の上下だけで駆け引きが生まれる」のメッセージが表示される。「ゲーム説明」、「INSERT COIN(S)」、「CREDIT(S) 0」の表示はそのままである。
【0057】
図7、図8では、遊戯者の操作を一部許容(制限操作許容)し、遊戯者はゲームを体感し得る。すなわち。ゲーム装置100の自動の説明から、制限操作に切り替えられる。
【0058】
図7では、右上に「かまえ。銃を画面に向けると攻撃できる」のメッセージが表示されるとともに、中央に「Try Me!」が点滅表示され、かつ画面に銃を向けたスプライト画像SP1が表示される。「ゲーム説明」、「INSERT COIN(S)」、「CREDIT(S) 0」の表示はそのままである。
【0059】
プレーヤキャラクタPCH1は、ゲーム装置100の自動制御により射撃を行うが、所定時間(例えば5秒)以内に、遊戯者が銃型コントローラ119を表示手段112に向けると、マニュアル動作となり、照準が設定された位置に照準シンボルPTが表示される。「Try Me!」の点滅表示は、マニュアル操作が可能であることを示す「制限操作許容表示」である。
【0060】
これによって、遊戯者は照準の操作、すなわち銃型コントローラ発砲直前までの操作を体感できる。但し、銃型コントローラの発砲は許されていないので、遊戯者は完全な満足感を得られず、遊戯者のゲーム意欲をさらに高めることができる。その後、マニュアル操作を所定時間停止すると、自動制御に戻る。また、一部の操作が許容されることによって、遊戯者は段階的にゲームに習熟することができる。
【0061】
なお、有料実行時にのみペダル120、121のダブルクリックによるダッシュを許可し、アドバタイズ処理時に、銃型コントローラ119の発砲および/またはペダル120、121によるダッシュを許可しないこととしても、遊戯者のゲーム意欲を高めることができる。このように、アドバタイズ処理において操作を許可しない操作として、種々の操作を選択し得る。
【0062】
図8では、右上に「防御。銃を画面外に向けるとダメージ半減」のメッセージが表示されるとともに、中央に「Try Me!」が点滅表示され、銃を画面から外して下に向けたスプライト画像SP2が表示される。「ゲーム説明」、「INSERT COIN(S)」、「CREDIT(S) 0」の表示はそのままである。
【0063】
プレーヤキャラクタPCH1は、ゲーム装置100の自動制御により所定の動作を行うが、所定時間(例えば5秒)以内に、遊戯者が銃型コントローラ119を画面外に向けると、マニュアル動作となり、プレーヤキャラクタPCH1は銃型コントローラを下に向ける。
【0064】
これによって、銃型コントローラ119を下ろすことによる防御方法を体感できる。その後、マニュアル操作を所定時間停止すると、自動制御に戻る。すなわち。ゲーム装置100の制限操作から自動の説明に切り替えられる。
【0065】
図9では、左上に「さらに!移動で戦いを有利防御。銃を画面外に向けるとダメージ半減」のメッセージが表示される。また、プレーヤキャラクタPCH1およびエネミキャラクタPCH2の、領域AR1、AR2内の移動方向が矢印ML1、ML2によって表示され、右移動方向、左移動方向を示す矢印MR、MLが表示される。併せて、プレーヤキャラクタPCH1の分身PCH11によって、遮蔽物SH1に隠れたプレーヤキャラクタPCH1の状態を示す。
【0066】
これによって、プレーヤキャラクタPCH1の移動状況、防御方法が示される。「ゲーム説明」、「INSERT COIN(S)」、「CREDIT(S) 0」の表示はそのままである。
【0067】
図10では、中央に「敵が隠れているときは見える位置へ」のメッセージが表示され、銃を構えたプレーヤキャラクタPCH1と、遮蔽物SH2に隠れたエネミキャラクタPCH2が表示される。その後、ゲーム装置100の自動制御により、プレーヤキャラクタPCH1はエネミキャラクタPCH2が見える位置に移動する。
【0068】
これによって、プレーヤキャラクタPCH1の移動による、遮蔽物に隠れたエネミキャラクタPCH2の攻撃方法が示唆される。「ゲーム説明」、「INSERT COIN(S)」、「CREDIT(S) 0」の表示はそのままである。
【0069】
図11では、左上に「遮蔽物が壊れそうなときは脱出」のメッセージが表示され、ゲーム装置100の自動制御により、銃を構えたエネミキャラクタPCH2が、プレーヤキャラクタPCH1が隠れている遮蔽物SH1を射撃する。これによって、遮蔽物SH1が破損していく状況が示される。その後、プレーヤキャラクタPCH1は遮蔽物SH1から脱出して、移動する。
【0070】
これによって、プレーヤキャラクタPCH1の遮蔽物からの脱出という移動手法が示唆される。「ゲーム説明」、「INSERT COIN(S)」、「CREDIT(S) 0」の表示はそのままである。
【0071】
図12では、左上に「移動を駆使してライバルに差をつけろ」のメッセージが表示され、ゲーム装置100の自動制御により、プレーヤキャラクタPCH1およびエネミキャラクタPCH2が、領域AR1、AR2内でランダムに動き回る。
【0072】
これによって、プレーヤキャラクタPCH1およびエネミキャラクタPCH2の移動状況が示される。「ゲーム説明」、「INSERT COIN(S)」、「CREDIT(S) 0」の表示はそのままである。
【0073】
図13では、遊戯者の操作を一部許容(制限操作許容)し、遊戯者はゲームを体感し得る。
【0074】
図13の画面では、左上に「移動。ペダルを踏んだ方向に移動できる」のメッセージが表示される。また、プレーヤキャラクタPCH1およびエネミキャラクタPCH2の、領域AR1、AR2内の移動方向が矢印ML1、ML2によって表示され、右移動方向、左移動方向を示す矢印MR、MLが表示される。プレーヤキャラクタPCH1およびエネミキャラクタPCH2は、ゲーム装置100の自動制御により種々の動作を行い、所定時間(例えば5秒)以内に遊戯者が右ペダル120または左ペダル121を踏むと、マニュアル動作となり、プレーヤキャラクタPCH1は、右ペダル120を踏んだときに右へ、左ペダル121を踏んだときに左に移動する。
【0075】
これによって、右ペダル120、左ペダル121によるプレーヤキャラクタPCH1の移動操作を体感でき、ゲーム意欲が高められる。「ゲーム説明」、「INSERT COIN(S)」、「CREDIT(S) 0」の表示はそのままである。その後、マニュアル操作を所定時間停止すると、自動制御に戻る。
【0076】
図14では、中央に「続きはゲームで確認せよ!」のメッセージが表示される。「ゲーム説明」、「INSERT COIN(S)」、「CREDIT(S) 0」の表示はそのままである。その後、デモプレイに移行する。
【0077】
デモプレイでは、例えば図15に示すように、デモプレイ(例えば砂漠の背景BG2にエネミキャラクタ側の遮蔽物SH2として乗用車を採用したゲーム)が実行される。画面右上には、「ゲーム説明」に替えて「デモプレイ」が表示される。「INSERT COIN(S)」、「CREDIT(S) 0」の表示はそのままである。
【0078】
以上のゲーム装置100において、画像生成手段117、システムメモリ102およびグラフィックメモリ108は、協働して、遊戯者に対応したプレーヤキャラクタPCH1を生成するプレーヤキャラクタ生成手段、前記プレーヤキャラクタのターゲットとなるエネミキャラクタPCH2を生成するエネミキャラクタ生成手段として機能する。
【0079】
画像生成手段117、システムメモリ102、グラフィックメモリ108、サウンドプロセッサ109、サウンドメモリ110は、協働して、入力操作方法および操作の結果を出力する模範提示処理手段として機能し、この模範提示に次いで、所定操作可能時間を計時手段で計時し、操作入力手段105からの入力操作が所定の許容された操作か否か判断し、否定された場合に操作の結果を提示しない操作練習処理手段として機能する。
【0080】
さらに画像生成手段117、システムメモリ102、グラフィックメモリ108は、協働して、入力操作方法および操作の結果を出力する模範提示処理手段として機能し、この模範提示に次いで、所定操作可能時間を計時手段で計時し、操作入力手段105からの入力操作が所定の許容された操作か否か判断し、否定された場合に操作の結果を提示しない操作練習処理手段として機能し、前記左右ペダル120、121の入力に対応して前記プレーヤキャラクタPCH1を前記仮想空間内で移動させる移動操作手段として機能する。
【0081】
[ゲームプログラム]
図16は、図1のゲーム装置で実行されるゲームプログラムのアドバタイズ操作練習処理の例を示すフローチャートである。ゲームプログラムにおけるアドバタイズ操作練習処理は以下の各ステップによって実行される。
【0082】
ステップS1601:まず、プレーやキャラクタPCH1およびエネミキャラクタPCH2を自動制御に設定し、ステップS1602に進む。
【0083】
ステップS1602:図3、図4の画面を用い、ゲーム説明開始の演出を実行する。その後ステップS1603に進む。
【0084】
ステップS1603:図5、図6の画面を用い、自動制御による銃型コントローラに関する説明を実行する。その後ステップS1604に進む。
【0085】
ステップS1604:プレーヤキャラクタPCH1のマニュアル操作を可能とし、「Try Me!」を点滅表示する(図7、図8)。その後ステップS1605に進む。このマニュアル操作において、銃型コントローラについては照準設定の操作信号のみを受付、発砲の操作信号は無視する。
【0086】
ステップS1605:図7による「銃をかまえる」の説明を実行する。その後ステップS1606に進む。
【0087】
ステップS1606:照準を画面内から画面外に移動し、あるいは画面外から画面内に移動する照準の状態変化が生じたか否かを判断する。照準の状態変化が生じたときはステップS1607に進み、状態変化が生じないときはステップS1608に進む。
【0088】
ステップS1607:照準を画面内に向けたときは照準シンボルPTを表示し、照準の移動に対応して照準シンボルPTを移動する。また照準が画面外に移動したときは、照準シンボルPTを消去する。その後ステップS1608に進む。
【0089】
ステップS1608:所定時間が経過したか否か判断する。所定時間が経過したときステップS1609に進み、終了していないときはステップS1605に戻る。
【0090】
ステップS1609:図8による「銃をおろす」の説明を実行する。その後ステップS1610に進む。
【0091】
ステップS1610:照準を画面内から画面外に移動し、あるいは画面外から画面内に移動する照準の状態変化が生じたか否かを判断する。照準の状態変化が生じたときはステップS1611に進み、状態変化が生じないときはステップS1612に進む。
【0092】
ステップS1611:照準を画面内に向けたときは照準シンボルPTを表示し、照準の移動に対応して照準シンボルPTを移動する。また照準が画面外に移動したときは、照準シンボルPTを消去する。その後ステップS1612に進む。
【0093】
ステップS1612:所定時間が経過したか否か判断する。所定時間が経過したときステップS1613に進み、終了していないときはステップS1609に戻る。
【0094】
ステップS1613:プレーヤキャラクタPCH1を自動制御に設定し、「Try Me!」を非表示とする。その後ステップS1614に進む。
【0095】
ステップS1614:図9〜図12の画面を用い、ペダル120、121による移動に関する説明を実行する。その後ステップS1615に進む。
【0096】
ステップS1615:プレーヤキャラクタPCH1のペダル120、121によるマニュアル操作を可能とし、「Try Me!」を点滅表示する(図13)。その後ステップS1616に進む。
【0097】
ステップS1616:図13の画面に「移動。ペダルを踏んだ方向に移動できる」の説明を表示する。その後ステップS1617に進む。
【0098】
ステップS1617:いずれかのペダル120、121が踏まれたか否かを判断する。いずれかのペダルが踏まれたときはステップS1618に進み、いずれのペダル120、121も踏まれていないときはステップS1619に進む。
【0099】
ステップS1618:ペダル120が踏まれたときはプレーヤキャラクタPCH1を右方向に移動する制御を実行し、ペダル121が踏まれたときはプレーヤキャラクタPCH1を左方向に移動する制御を実行する。
【0100】
ステップS1619:所定時間が経過したか否か判断する。所定時間が経過したときにステップS1620に進み、所定時間が経過していないときはステップS1616に戻る。
【0101】
ステップS1620:プレーヤキャラクタPCH1を自動制御に設定し、「Try Me!」を非表示とする。その後ステップS1621に進む。
【0102】
ステップS1621:図14の画面を用い、ゲーム説明終了の演出を実行する。その後、ゲーム説明の処理を終了し、図15のデモプレイに移行する。
【0103】
以上の実施例では銃を発砲することによるシューティングについて説明したが、ターゲットを狙った種々銃型コントローラ(レーザ銃型コントローラ、クロスボウ(ホーガン)、麻酔銃その他)によるシューティングに本発明を適用でき、移動入力手段としては、ペダル以外の種々の手段、例えば膝で操作し得るレバーその他を採用し得る。
【0104】
さらに本発明はシューティングゲームに限定されるものではなく、例えば、車ゲームのドリフト操作に関して、以下のように一部の操作を有効とすることで、操作が単純化され、効果的な練習ができる。
【0105】
すなわち、
(1)ハンドルを曲がりたい方向に切る。
(2)ブレーキをかけてスリップ状態を発生させる。
(3)ハンドルを曲がる方向の逆に切ってカウンターステアを当ててドリフト成立。
のような操作説明をする場合、(1)の段階でハンドルのみを有効として他の操作を無効とし、(2)の段階でブレーキのみを有効とし、(3)の段階で再びハンドルのみを有効とする。
【0106】
また、操作の許容範囲を段階的に変更するば、段階的学習を効果的に実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明に係るゲーム装置の実施例を示す正面図である。
【図2】図1のゲーム装置を示すブロック図である。
【図3】図1のゲーム装置のアドバタイズ画面の例を示す図である。
【図4】図1のゲーム装置のアドバタイズ画面の他の例を示す図である。
【図5】図1のゲーム装置のアドバタイズ画面のさらに他の例を示す図である。
【図6】図1のゲーム装置のアドバタイズ画面のさらに他の例を示す図である。
【図7】図1のゲーム装置のアドバタイズ画面のさらに他の例を示す図である。
【図8】図1のゲーム装置のアドバタイズ画面のさらに他の例を示す図である。
【図9】図1のゲーム装置のアドバタイズ画面のさらに他の例を示す図である。
【図10】図1のゲーム装置のアドバタイズ画面のさらに他の例を示す図である。
【図11】図1のゲーム装置のアドバタイズ画面のさらに他の例を示す図である。
【図12】図1のゲーム装置のアドバタイズ画面のさらに他の例を示す図である。
【図13】図1のゲーム装置のアドバタイズ画面のさらに他の例を示す図である。
【図14】図1のゲーム装置のアドバタイズ画面のさらに他の例を示す図である。
【図15】図1のゲーム装置のアドバタイズ画面のさらに他の例を示す図である。
【図16】図1のゲーム装置で実行されるゲームプログラムのアドバタイズ操作練習処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0108】
100、200 ゲーム装置
101 CPU
102 システムメモリ
103 記憶媒体
104 BOOT ROM
105 操作入力手段
106 バスアービタ
107 レンダリングプロセッサ
108 グラフィックメモリ
109 サウンドプロセッサ
110 サウンドメモリ
111 通信I/F
112 CRT
113 スピーカ
114 MODEM
115 コインスイッチ
116 スタートボタン
117 画像生成手段
118 バックアップメモリ
119 銃型コントローラ
120 左ペダル
121 右ペダル
122 赤外線発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力操作手段と、入力操作検知手段と、記憶手段と、演算装置と、演算結果の出力提示手段と、計時手段とを具備したゲーム装置としてコンピュータを機能させるゲームプログラムであって、
当該ゲーム装置において提供されるゲームの内容や操作方法を遊戯者に提示する操作説明画面を含むアドバタイズ表示を行う場合において、
前記操作説明画面の表示中、遊戯者が前記入力操作手段を用いて所定の入力操作を行う方法とその操作を行った結果を提示するための情報である模範提示情報を前記記憶手段から読み出して、前記演算装置による演算処理を行い、演算結果を前記出力提示手段に出力して、遊戯者に対する模範提示を行う模範提示処理過程、
前記模範提示処理手段による模範の提示に次いで、予め設定された所定の操作可能時間を前記計時手段によって計時し、当該操作可能時間内において、遊戯者に対し前記入力操作(の試行)を促す画像表示乃至音声出力を行うとともに、操作手段からの入力操作が前記所定の入力操作であるか否かを判定し、該判定が肯定された場合はその入力操作に基づくゲーム進行結果を提示し、否定された場合はその入力操作に基づくゲーム進行結果を提示させない処理を行う操作練習処理過程、
を備えたことを特徴とするゲームプログラム。

【請求項2】
請求項1記載のゲームプログラムにおいて、
前記模範提示処理手段が前記模範提示を実行しているとき、乃至、前記操作練習処理手段が前記操作練習処理を実行しているときにおいて、操作手段から入力された操作入力が当該操作入力に基づくゲーム進行結果を提示させない操作入力であった場合、当該操作入力が許可されていない旨を画像や音声出力により遊戯者に告知する告知過程を、
更に有することを特徴とするゲームプログラム。

【請求項3】
請求項1乃至2記載のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、
前記ゲーム装置に対するゲーム開始指示入力を検知するゲーム開始指示検知過程を更に有し、
前記ゲーム開始指示検知過程においてゲーム開始指示入力が検知されていないか、または現在ゲーム実行中でないと判断された場合に、前記アドバタイズ表示を実行することを特徴とする、ゲームプログラム。

【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲームプログラムを記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【請求項5】
入力操作手段と、入力操作検知手段と、記憶手段と、演算装置と、演算結果の出力提示手段と、計時手段とを具備したゲーム装置であって、
当該ゲーム装置において提供されるゲームの内容や操作方法を遊戯者に提示する操作説明画面を含むアドバタイズ表示を行う場合において、
前記操作説明画面の表示中、遊戯者が前記入力操作手段を用いて所定の入力操作を行う方法とその操作を行った結果を提示するための情報である模範提示情報を前記記憶手段から読み出して、前記演算装置による演算処理を行い、演算結果を前記出力提示手段に出力して、遊戯者に対する模範提示を行う模範提示処理手段と、
前記模範提示処理手段による模範の提示に次いで、予め設定された所定の操作可能時間を前記計時手段によって計時し、当該操作可能時間内において、遊戯者に対し前記入力操作(の試行)を促す画像表示乃至音声出力を行うとともに、操作手段からの入力操作が前記所定の入力操作であるか否かを判定し、該判定が肯定された場合はその入力操作に基づくゲーム進行結果を提示し、否定された場合はその入力操作に基づくゲーム進行結果を提示させない処理を行う操作練習処理手段と、
を備えたことを特徴とするゲーム装置。

【請求項6】
仮想空間内にプレーヤキャラクタおよびエネミキャラクタを生成するキャラクタ生成手段を更に備えるとともに、
前記入力操作手段は、遊戯者の操作により前記プレイヤーキャラクタから前記エネミーキャラクタへの射撃動作を行わせる銃型コントローラと、
前記プレイヤーキャラクタを前記仮想空間内で移動させる移動操作手段と、
をさらに含み、
前記操作練習処理手段は、移動操作の操作練習処理を行っている場合には、前記銃型コントローラからの入力操作に基づく射撃動作を行わせない、
ことを特徴とする請求項5記載のゲーム装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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