説明

ゲーム制御プログラム

【課題】 有効ラインに識別情報を停止表示させる難易度を識別情報ごとに個別に設定可能なゲーム制御プログラムを提供すること。
【解決手段】 コンピュータに、プレーヤによる停止操作が行われたときに有効ラインに含まれる識別情報及び当該識別情報の有効ラインにおける位置を判定し、有効ラインに含まれる識別情報が所定の識別情報である場合と他の識別情報である場合とで異なる判定情報を参照し、識別情報の有効ラインにおける位置に応じて、その識別情報を有効ラインに停止表示させるか否かを判定し、当該識別情報を有効ラインに停止表示させると判定した場合には有効ラインに当該識別情報を停止表示させる一方、有効ラインに停止表示させないと判定した場合には、別の識別情報を有効ラインに停止表示させる処理を実行させることを特徴とするゲーム制御プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示手段を備えるか又は当該表示手段に接続されるとともに、入力スイッチを具備したゲーム装置(例えば、携帯用ゲーム装置、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置、携帯電話機、パーソナル・ディジタル・アシスタンツ、パーソナルコンピュータ、パチスロ遊技装置、スロットマシン等)のコンピュータによって実行されるゲーム制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、停止ボタンを備えたスロットマシン、所謂パチスロ遊技装置は、正面の表示窓内に複数の図柄を表示する機械式回転リールが複数配列されて構成された変動表示装置、又は、リール上の図柄が画面に表示される電気的変動表示装置を有する。遊技者のスタート操作に応じて、制御手段が変動表示装置を駆動して各リールを回転させることにより、図柄を変動表示させ、一定時間後自動的又は遊技者の停止操作により、各リールの回転を順次停止させる。このとき、表示窓内に現れた各リールの図柄が特定の組み合わせ(入賞図柄)になった場合に、コイン、メダル等の遊技媒体を払い出すことにより、遊技者に利益を付与するものである。
【0003】
現在主流の機種においては、遊技媒体の投入数に応じた本数の入賞ラインが有効化され、有効化された入賞ラインに沿って所定の図柄の組み合わせが並び、遊技媒体が払い出される入賞が成立するには、内部的な抽選処理により入賞役に当選し、かつ、その内部当選した入賞役の入賞成立を示す図柄の組み合わせを有効ラインに停止させ得るタイミングで、遊技者が停止操作を行うことが要求される。従って、たとえ内部当選したとしても、遊技者の停止操作のタイミングによっては入賞を成立させることができない。すなわち、停止操作のタイミングに熟練した技術が要求される(「目押し」といわれる技術介入性の比重が高い)パチスロ遊技装置が現在の主流である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開昭59−186580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、パチスロ遊技のシミュレーションを行うことが可能なビデオゲームや、パチスロ遊技の要素を取り入れたビデオゲーム等が登場しており、小中高生等であってもパチスロ遊技を楽しむことが可能になっている。
しかしながら、上述したパチスロ遊技装置で行われるような停止操作のタイミングに熟練した技術が要求されるパチスロ遊技をビデオゲームに取り入れた場合、実際にパチスロ遊技装置で遊技を行ったことがない小中高生等にとっては、難易度が高すぎて、ゲームを楽しむことができないという問題があった。
一方、図柄の変動表示速度(リールの回転速度)を遅くすることにより、小中高生等であってもゲームを楽しむことが可能な程度にまで難易度を低下させることも可能であるが、このようにした場合には、パチスロ遊技を行ったことがあるプレーヤや熟練者にとって物足りず、ゲームを楽しむことができないという問題があった。また、図柄の変動表示態様を見れば難易度が低下していることが明らかであり、現実味に欠けるため、小中高生等であっても飽きが生じてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、パチスロ遊技の初心者から熟練者まで楽しむことが可能なパチスロ遊技又は当該パチスロ遊技の要素を取り入れたゲームを実行可能とするゲーム制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)表示手段を備えるか又は上記表示手段に接続されるとともに、入力スイッチを具備したゲーム装置のコンピュータによって実行されるゲーム制御プログラムであって、
上記コンピュータに、
複数種類の識別情報からなる識別情報群を順次所定方向に移動する態様で上記表示手段に変動表示させる識別情報変動表示ステップと、
上記識別情報変動表示ステップにより識別情報の変動表示が行われているとき、プレーヤによって上記入力スイッチが操作されることにより当該入力スイッチから出力される停止指令信号を受信する停止指令信号受信ステップと、
上記停止指令信号受信ステップにより停止指令信号を受信した際、上記表示手段の特定領域に一部又は全部が含まれる識別情報を判定する識別情報判定ステップと、
上記識別情報判定ステップにより判定された識別情報の上記特定領域における位置を判定する位置判定ステップと、
上記識別情報判定ステップにより判定された識別情報が所定の識別情報の場合と当該所定の識別情報以外の他の識別情報の場合とに応じて予め定められた異なる判定情報に基づいて、上記位置判定ステップにより判定された当該識別情報の上記特定領域における位置に応じて、上記識別情報判定ステップにより判定された識別情報を上記特定領域に停止表示させるか否かの判定を行う停止識別情報判定ステップと、
上記識別情報判定ステップで判定された識別情報で停止表示させると上記停止識別情報判定ステップにより判定された場合には、その識別情報を上記特定領域に停止表示させる一方、上記識別情報判定ステップで判定された識別情報で停止表示させないと上記停止識別情報判定ステップにより判定された場合には、その識別情報以外の識別情報を上記特定領域に停止表示させる識別情報停止表示ステップと、
上記表示手段の特定領域に停止表示された識別情報に応じて、ゲーム結果を決定するゲーム結果決定ステップと
を実行させることを特徴とするゲーム制御プログラム。
【0008】
(1)の発明によれば、プレーヤによって入力スイッチが操作されたときに表示手段の特定領域(例えば、有効ライン等)に一部又は全部が含まれる識別情報が所定の識別情報である場合と他の識別情報である場合とで異なる判定情報に基づいて、当該識別情報の特定領域における位置に基づき、その識別情報を特定領域に停止表示させるか否かの判定を行う。例えば、遊技者によって入力スイッチが操作されたときに特定領域に識別情報「7」の一部又は全部が含まれる場合、識別情報「7」の半分以上が特定領域に含まれるか否かという判定情報に基づき、識別情報「7」を特定領域に停止表示させるか否かを判定し、その一方で、特定領域に他の識別情報の一部又は全部が含まれる場合には、その識別情報の一部が特定領域に含まれるか否かという判定情報に基づき、その識別情報を特定領域に停止表示させるか否かを判定する。
従って、特定領域に識別情報を停止表示させる難易度を、識別情報の種類に応じて個別に設定することが可能になり、例えば、複数種類の識別情報からなる識別情報群に、特定領域に識別情報を停止表示させる難易度の低い識別情報や、特定領域に識別情報を停止表示させる難易度の高い識別情報を含ませることができる。このようにすることにより、初心者であれば難易度の低い識別情報を特定領域に停止表示させて満足感や達成感を得ることができ、熟練者であれば難易度の高い識別情報を特定領域に停止表示させて満足感や達成感を得ることができる。その結果、パチスロ遊技の初心者から熟練者まで楽しむことが可能なパチスロ遊技又は当該パチスロ遊技の要素を取り入れたゲームを行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のゲーム制御プログラムによれば、パチスロ遊技の初心者から熟練者まで楽しむことが可能なパチスロ遊技又は当該パチスロ遊技の要素を取り入れたゲームを行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、通信回線を介して接続された2つのゲーム装置を示す正面図であり、図2は、図1に示したゲーム装置を示す正面図である。
図1に示すように、2つのゲーム装置10は、通信回線としてのケーブル40を介して接続されており、このゲーム装置10には、外部ROMカートリッジ30が装着されている。外部ROMカートリッジ30に内蔵されたROM31(図示せず)に本発明のゲーム制御プログラムが格納される。
【0011】
図2に示すように、ゲーム装置10の前面中央には、液晶表示装置等からなる表示手段としての表示装置11が設けられている。表示装置11の左側には、十字キー13と、スタートボタン14と、セレクトボタン15とが設けられている。また、表示装置11の右側には、スピーカ12と、Aボタン16と、Bボタン17とが設けられている。さらに、ゲーム装置10の上面の左側にはLボタン18が設けられ、ゲーム装置10の上面の右側にはRボタン19が設けられている。
【0012】
十字キー13、スタートボタン14、セレクトボタン15、Aボタン16、Bボタン17、Lボタン18及びRボタン19には、それぞれ入力スイッチ(図示せず)が内蔵されている。以下においては、それぞれ十字スイッチ13S、スタートスイッチ14S、セレクトスイッチ15S、Aスイッチ16S、Bスイッチ17S、Lスイッチ18S、Rスイッチ19Sということとする。これらの入力スイッチ13S〜19Sは、それぞれ十字キー13又は各種ボタン14〜19が操作されていないときには、OFFとなる。一方、十字キー13又は各種ボタン14〜19が操作されると、それに内蔵された入力スイッチはONとなる。
【0013】
ゲーム装置10の上面中央には、外部ROMカートリッジ30が挿入されるスロット20と、ケーブル40が接続されるコネクタ21とが設けられている。
【0014】
図1及び図2に示したように、本実施形態では、表示手段(表示装置11)を備えた携帯用のゲーム装置に着脱可能な記憶手段(外部ROMカートリッジ30に内蔵されたROM31)に、ゲーム制御プログラムが格納される場合について説明するが、ゲーム装置に内蔵された記憶手段にゲーム制御プログラムが格納されることとしてもよい。また、本発明に係るゲーム装置は、表示手段を備えるか又は当該表示手段に接続されるとともに複数の入力スイッチを具備したゲーム装置であれば、特に限定されるものではなく、例えば、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置、携帯電話機、パーソナル・ディジタル・アシスタンツ、パーソナルコンピュータ、パチスロ遊技装置、スロットマシン等を挙げることができる。
【0015】
図3は、図1に示したゲーム装置の内部構成を示すブロック図である。
ゲーム装置10は、CPU50と、各種スイッチ13S〜19Sと、表示装置11と、送信データバッファ51と、受信データバッファ52と、通信端子53とを備えており、ROM31及びRAM32が内蔵された外部ROMカートリッジ30が着脱可能に装着されている。
【0016】
CPU50は、本発明におけるコンピュータに相当するものであり、外部ROMカートリッジ30のROM31に格納された本発明に係るゲーム制御プログラムを読み取って実行する。
各種スイッチ13S〜19Sは、本発明における入力スイッチに相当するものであり、十字キー13又は各種ボタン14〜19が操作されると、それに内蔵された入力スイッチはONとなり、所定の信号がCPU50に入力される。
表示装置11は、本発明における表示手段に相当するものであり、ゲームに関する各種画像が表示される。
【0017】
送信データバッファ51は、他のゲーム装置から受信したデータを一時的に格納するFIFOバッファ(先入れ先出し型バッファ)であり、受信データバッファ52は、他のゲーム装置に送信するデータを一時的に格納するFIFOバッファ(先入れ先出し型バッファ)である。送信データバッファ51及び受信データバッファ52は、複数の受信データを、格納した順番に関連付けて格納しておくことができ、複数のデータを格納された順番に順次読み出すことができる。
通信端子53は、コネクタ21内に設けられており、一端が他のゲーム装置に接続されたケーブル40の他端が接続される。通信端子53は、送信データバッファ51又は受信データバッファ52と他のゲーム装置との間でデータの送受信を行うためのものである。
【0018】
外部ROMカートリッジ30は、ROM31とRAM32とを内蔵する。
ROM31には、本発明に係るゲーム制御プログラムが格納される。
本実施形態におけるゲーム制御プログラムでは、パチスロ遊技の要素が取り入れられた「落ち物パズル」のゲームを行うことができる。
具体的には、まず、パチスロ遊技を行い、そのゲーム結果に応じて「落ち物パズル」のゲームに出現させるブロックを決定し、その後に「落ち物パズル」のゲームを行うという過程を繰り返すことにより進行するゲームを行うことができる。
また、ROM31には、例えば、識別情報、背景画像、ブロック画像等を表す画像データや、複数の入力スイッチの各々と初期設定としてのゲーム上の機能とが対応付けられたテーブルデータ、識別情報の配列を示すテーブルデータ(図6参照)等、ゲーム進行に係る各種のデータが記憶される。
【0019】
RAM32には、CPU50の演算処理結果としての変数等のデータ、例えば、表示装置11の表示画面上における識別情報やブロック画像、後述する特定領域等の位置を示す位置データや、プレーヤの設定によって複数の入力スイッチの各々とゲーム上の機能とが対応付けられたテーブルデータ等が一時的に記憶される。
なお、上述した位置データとしては、特に限定されるものではないが、例えば、表示装置11の表示画面上の位置を座標により示すデータ等を用いることができる。
【0020】
図4は、通信回線を介して接続された2つのゲーム装置の間で行われるデータ送受信の処理の概要を示すタイムチャートである。図中では、上方から下方へ向けて時間が進行する。また、2つのゲーム装置の間で時間的な同期を制御するために送受信される各種信号は示していない。
【0021】
図4の説明においては、ケーブル40(通信回線)を介して接続された2つのゲーム装置10の各々を、第1ゲーム装置、第2ゲーム装置ということとするが、これらの文言は、2つのゲーム装置の主従関係を表すものではない。
【0022】
第1ゲーム装置及び第2ゲーム装置において行われる後述するゲーム処理の途中で、割込処理として通信処理が行われる。通信処理では、まず、第1ゲーム装置及び第2ゲーム装置において、送信データバッファ51にデータを格納する処理が行われる。ここで、送信データバッファ51に格納されるデータは、先に行われたゲーム処理によって生成される各種データである。
【0023】
次に、第1ゲーム装置において、送信データバッファ51から第2ゲーム装置に対してデータを送信する処理が行われる。送信データバッファ51は、FIFO型バッファなので、最先に格納されたデータが第2ゲーム装置に対して送信されることになる。このとき、第2ゲーム装置においては、第1ゲーム装置から受信したデータを受信データバッファ52に格納する処理が行われる。
【0024】
次に、第2ゲーム装置において、送信データバッファ51から第1ゲーム装置に対してデータを送信する処理が行われる。このとき、第1ゲーム装置においては、第2ゲーム装置から受信したデータを受信データバッファ52に格納する処理が行われる。
【0025】
次に、第1ゲーム装置及び第2ゲーム装置において、次に行うゲーム処理で使用するデータを受信データバッファ51から読み出す処理が行われる。受信データバッファ52は、FIFO型バッファなので、最先に格納されたデータが読み出されることになる。
次に、第1ゲーム装置及び第2ゲーム装置において、受信データバッファ52から読み出したデータに基づいてゲーム処理が行われることになる。
【0026】
図4を用いて説明したように、ゲーム装置10においては、ゲーム処理が行われるときに、所定の周期で割込処理としての通信処理が行われることにより、ゲームの時間的な同期が制御され、2人のプレーヤが同時に同一のゲームを行うことができるのである。
【0027】
次に、本実施形態に係るゲームについて説明する。
図5(a)は、ゲーム装置が備える表示装置に表示されるゲーム画像の一例を示す図である。図5(b)は、表示装置に表示されるブロックの例を示す図である。
図6は、リールの図柄配列表を示す図である。
図7は、識別情報表示領域を模式的に示す図である。
【0028】
図5(a)に示すように、ゲーム画像90は、一のゲーム装置10を操作するプレーヤがゲームを行うための各種画像が表示される表示領域90Aと、他のゲーム装置10を操作するプレーヤがゲームを行うための各種画像が表示される表示領域90Bと、2人のプレーヤのゲーム状況(例えば、各プレーヤの勝敗数等)を示す画像等が表示されるステータス表示領域94とに区画される。ゲーム領域90A、90Bの構成は同じであるから、ここではゲーム領域90Aについて説明し、ゲーム領域90Bについての説明を省略することとする。
【0029】
ゲームフィールド91は、3つのブロック93を一組として順次上方から下方へ向けて落下する領域である。落下したブロック93は、ゲームフィールド91の下部で停止して積み重なっていく。ブロック93には、例えば、図5(b)に示すように、花火ブロック、火種ブロック、邪魔ブロック等がある。また、花火ブロック及び火種ブロックには、それぞれ赤色、青色、緑色の3種類のブロックがある。
【0030】
ゲームフィールド91内で、同色の花火ブロックが正方形になるように積み重なると、大きな花火ブロックに変化する。同色の花火ブロックと火種ブロックとが隣接すると、花火ブロックと火種ブロックとが消滅する。邪魔ブロックは、隣接するブロックが消滅したときに、あわせて消滅する。3つのブロック93の組み合わせは、後述する識別情報表示領域92(92L、92C、92R)における識別情報の停止表示態様によって決定される。
【0031】
ゲームフィールド91の上部には、識別情報表示領域92が配置されている。識別情報表示領域92は、横並びに配置された3つの識別情報表示領域92L、92C、92Rからなる。
識別情報表示領域92L、92C、92Rの夫々において、複数種類の識別情報からなる識別情報群に含まれる識別情報が、順次所定方向に移動する態様で変動表示される。各識別情報表示領域92L、92C、92Rには、同時に3つの識別情報が縦方向に並ぶように表示される(図7参照)。
【0032】
識別情報表示領域92L、92C、92Rの夫々において変動表示される複数種類の識別情報は、図6に示すリールの図柄配列表の左リール、中リール、右リールの欄に格納されている。左リール、中リール、右リールの欄に格納されている識別情報群が、本発明における識別情報群に相当する。
識別情報表示領域92Lを例に挙げて説明すると、識別情報表示領域92Lにおいては、上から順に識別情報「七」、「邪魔」、「赤玉」、「青玉」、・・・が配列され、夫々下方へ移動する態様で変動表示される。そして、プレーヤによって所定の入力スイッチが操作されて当該入力スイッチから停止指令信号が出力されると、識別情報が停止表示されることになる。このとき、停止表示される識別情報を決定する処理が行われるのであるが、この処理については、後述することにする。
【0033】
図7に示すように、識別情報表示領域92は、横並びに配置された3つの識別情報表示領域92L、92C、92Rからなり、各識別情報表示領域には、同時に3つの識別情報が縦方向に並ぶように表示される。識別情報表示領域92Lの左方に示した矢印は、識別情報が移動する方向を示している。
各識別情報表示領域92L、92C、92Rの中央部分には、特定領域95が設定されている。この特定領域92は、パチスロ遊技における所謂有効ラインであり、この識別情報表示領域92(92L、92C、92R)の特定領域95に並んだ識別情報の停止表示態様に応じて、ゲーム結果が決定される。
【0034】
特定領域95に、識別情報「七」が3つ揃うと、ゲームフィールド91上の全てのブロックが消滅し、ボーナスゲームに移行する。
特定領域95に、同色の識別情報「ドン」が3つ揃うと、ゲームフィールド91上の同色のブロックが全て消滅し、ボーナスゲームに移行する。
特定領域95に、同色の識別情報「玉」が3つ揃うと、ゲームフィールド91上の同色の花火ブロックが全て消滅する。
【0035】
特定領域95における識別情報の停止表示態様が、上述した停止表示態様以外の停止表示態様となった場合には、その停止表示態様に応じて、ゲームフィールド91に出現する3つのブロックが選択される。例えば、特定領域95における識別情報の停止表示態様が、識別情報「赤玉」−「青ドン」−「邪魔」となると、ゲームフィールド91に出現する3つのブロック93として、赤い花火ブロック、青い火種ブロック、邪魔ブロックが選択される。
【0036】
3つのブロック93は、1組となってゲームフィールド91の最上部に出現し、下方へ向けて落下する態様で表示される。そして、ブロック93がゲームフィールド91の下部まで落下して停止する態様で表示されると、再び識別情報表示領域92において識別情報が変動表示される。このような手順を繰り返すことにより、ゲームフィールド91には順次、ブロック93が積み重なっていく。
【0037】
積み重なったブロックが、予め定められた消去条件を満たした場合、当該ブロックは消去される。この消去条件としては、例えば、所定個数以上の同色の花火ブロック又は火種ブロックが隣接し、隣接するブロックのなかに少なくとも1つの火種ブロックを含むこと等を挙げることができる。ブロックが消去されると、消去されたブロック上に積み重なったブロックが下方に移動する。一方、ブロックが積み重なっていき、ゲームフィールド91の最上部の所定領域に達すると、ゲーム終了となり、そのプレーヤの負けとなる。
【0038】
次に、識別情報表示領域の特定領域と識別情報との位置関係について説明する。
図8(a)〜(e)は、識別情報表示領域の特定領域と識別情報との位置関係を説明するための図である。図中、識別情報表示領域の左方に示した矢印は、識別情報が移動する方向を示している。また、説明の便宜上、図中では、識別情報「七」のみを示すこととする。
【0039】
識別情報表示領域92Lにおいて識別情報「七」が変動表示される場合、識別情報「七」は識別情報表示領域92Lの上側から下方向へ向けて移動する態様で変動表示される(図8(a)〜(e)参照)。
【0040】
図8(a)においては、識別情報表示領域92Lの特定領域95に、識別情報「七」の25%(1/4)が含まれている。
このとき、CPU50は、プレーヤによって所定の入力スイッチが操作されることにより入力スイッチから出力される停止指令信号を受信すると、RAM32に記憶された特定領域95の位置データと識別情報の位置データとに基づいて、特定領域95に含まれる識別情報が「七」であると判定し、さらに、識別情報「七」の特定領域95における位置が、特定領域95に25%含まれる位置であると判定する。
【0041】
図8(b)においては、識別情報表示領域92Lの特定領域95に、識別情報「七」の50%(1/2)が含まれている。
このとき、CPU50は、プレーヤによって所定の入力スイッチが操作されることにより入力スイッチから出力される停止指令信号を受信すると、RAM32に記憶された特定領域95の位置データと識別情報の位置データとに基づいて、特定領域95に含まれる識別情報が「七」であると判定し、さらに、識別情報「七」の特定領域95における位置が、特定領域95に50%含まれる位置であると判定する。
【0042】
図8(c)においては、識別情報表示領域92Lの特定領域95に、識別情報「七」の75%(3/4)が含まれている。
このとき、CPU50は、プレーヤによって所定の入力スイッチが操作されることにより入力スイッチから出力される停止指令信号を受信すると、RAM32に記憶された特定領域95の位置データと識別情報の位置データとに基づいて、特定領域95に含まれる識別情報が「七」であると判定し、さらに、識別情報「七」の特定領域95における位置が、特定領域95に75%含まれる位置であると判定する。
【0043】
図8(d)においては、識別情報表示領域92Lの特定領域95に、識別情報「七」の全部が含まれている。
このとき、CPU50は、プレーヤによって所定の入力スイッチが操作されることにより入力スイッチから出力される停止指令信号を受信すると、RAM32に記憶された特定領域の位置データと識別情報の位置データとに基づいて、特定領域95に含まれる識別情報が「七」であると判定し、さらに、識別情報「七」の特定領域95における位置が、特定領域95に全て含まれる位置であると判定する。
【0044】
図8(e)においては、識別情報表示領域92Lの特定領域95を識別情報「七」の一部が通過している。
なお、図8(e)においては、識別情報表示領域92Lの特定領域95に、識別情報「七」の一部が含まれているが、本実施形態において、CPU50は、一部でも特定領域95を通過した識別情報については特定領域95には含まれないと判定する。従って、CPU50は、特定領域95に、識別情報「七」の上側に表示される識別情報(図示せず)が含まれると判定するのである。
【0045】
本実施形態においては、上述したように、一部でも特定領域95を通過した識別情報を、特定領域95に含まれないと判定する場合について説明するが、本発明においては、一部が特定領域95を通過した識別情報を、特定領域に含まれると判定することとしてもよい。また、本実施形態においては、有効ラインを真中のラインのみとしているが、3×3又は5×5のマトリックス表示において、斜めのライン、上のライン、下のライン等、種々のラインを有効ラインとしてもよい。
【0046】
次に、ゲーム装置10において実行される処理について説明することにする。
図9は、ゲーム装置10においてゲームが行われる際に実行されるゲーム処理を示すフローチャートである。
なお、図4を用いて説明したように、ゲーム処理が行われるときには、所定の周期で割込処理としての通信処理が行われ、2つのゲーム装置10の間でのゲームの時間的な同期が制御される。
【0047】
まず、CPU50は、後述するブロック選択処理を実行する(ステップS30)。ブロック選択処理を実行することにより、予め定められた複数種類のブロックのなかから、ゲームフィールド91(図5(a)参照)に出現するブロックが選択される。
【0048】
次に、CPU50は、ステップS30において選択されたブロックをゲームフィールド91の上部に出現させ、下方へ向けて落下させる(ステップS31)。
ステップS31において、CPU50は、RAM32に記憶されているブロックの位置データのうち、ステップS30において選択されたブロックの画像の位置データを順次更新する処理を行う。さらに、CPU50は、上記ブロックに対応したブロック用の画像データをROM32から読み出し、RAM32に記憶された位置データに従って、表示装置11の表示画面にブロックを表示する処理を行う。
【0049】
続いて、CPU50は、ゲームフィールド91内において同色の火種ブロックと花火ブロックとが接触したか否かを判断する(ステップS32)。
同色の火種ブロックと花火ブロックとが接触したと判断した場合、CPU50は、後述するブロック消去処理を行う(ステップS33)。
【0050】
ステップS32において、同色の火種ブロックと花火ブロックとが接触していないと判断した場合、又は、ステップS33の処理を実行した場合、CPU50は、ゲームフィールド91内のブロックを整形する処理を行う(ステップS34)。具体的には、消去されたブロック上に積み重なっていたブロックを下方に移動させる処理を行う。
【0051】
次に、リール配列変更処理を行う(ステップS35)。ここでは、消滅したブロックの数に応じて、リールの図柄配列(図6参照)を変更する処理を行う。例えば、消去したブロックの数が3、4個であれば、図柄を全て「玉」又は「ドン」とする。また、消去したブロックの数が5〜9個であれば、図柄を全て「玉」、「ドン」又は「七」とする。また、消去個数が10個以上であれば、図柄を全て「七」とする。
また、リールの図柄配列を一旦変更してから所定時間が経過した場合には、リールの図柄配列を元に戻す。
【0052】
次に、CPU50は、ゲームを終了させるか否かを判断する(ステップS36)。ステップS36において、CPU50は、ブロックが積み重なっていき、ゲームフィールド91の最上部の所定領域までブロックが達している場合に、ゲームを終了させると判断する。
ゲームを終了すると判断した場合、上述したステップS30に処理を戻す一方、ゲームを終了すると判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0053】
図10は、図9に示したサブルーチンのステップS30において呼び出されて実行されるブロック選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU50は、識別情報表示領域92(92L、92C、92R)において識別情報を変動表示させる処理を行う(ステップS40)。
ステップS40において、まず、CPU50は、外部ROMカートリッジ30のROM31に記憶された識別情報の配列(図6参照)を示すテーブルデータに従って、識別情報の位置データをRAM32に生成する。そして、ROM31から画像データを読み出し、RAM32に生成した位置データに従って、識別情報表示領域92に識別情報を表示する。
その後、所定の周期ごと(例えば、1/30秒ごと)に、識別情報が下方へ移動するように識別情報の位置データを更新するとともに、新たに識別情報表示領域92の上側から出現する識別情報の位置データをRAM32に生成する。そして、RAM32に記憶された位置データに従って、識別情報表示領域92に識別情報を表示する。
その結果、識別情報表示領域92において識別情報が変動表示されることになる。
ステップS40は、複数種類の識別情報からなる識別情報群に含まれる識別情報を順次所定方向に移動する態様で表示手段(表示装置11)に変動表示させる識別情報変動表示ステップに相当する。
【0054】
次に、CPU50は、所定の入力スイッチから停止指令信号を受信したか否かを判断する(ステップS41)。停止指令信号は、リールを停止させる旨のゲーム上の機能が割り付けられたボタン(例えば、Aボタン16等)をプレーヤが操作した際に入力スイッチ(例えば、Aスイッチ16S等)から出力される信号である。
ステップS41は、識別情報変動表示ステップ(ステップS40)により識別情報の変動表示が行われているとき、プレーヤによって入力スイッチが操作されることにより当該入力スイッチから出力される停止指令信号を受信する停止指令信号受信ステップに相当する。
【0055】
なお、本実施形態において、停止指令信号を出力する入力スイッチは、特に限定されるものではない。例えば、Aスイッチ16Sが識別情報表示領域92Lの識別情報を停止表示させる旨の停止指令信号を出力し、Lスイッチ18Sが識別情報表示領域92Cの識別情報を停止表示させる旨の停止指令信号を出力し、Rスイッチ19Sが識別情報表示領域92Rの識別情報を停止表示させる旨の停止指令信号を出力するというように、識別情報表示領域92L、92C、92Rの各々の識別情報を停止表示させる旨の停止指令信号を、異なる入力スイッチから出力するように構成してもよい。
【0056】
ステップS41において、停止指令信号を受信していないと判断した場合、CPU50は、自動停止タイマの値を判断する処理を行う(ステップS42)。ステップS42において、自動停止タイマの値が0であり、識別情報表示領域92において識別情報の変動表示が所定時間にわたって行われたと判断した場合、CPU50は、タイムアウトとして処理をステップS43に移す。一方、自動停止タイマの値が0ではないと判断した場合、ステップS41に処理を戻す。
【0057】
ステップS41において、停止指令信号を受信したと判断した場合、又は、ステップS42において、自動停止タイマの値が0であると判断した場合、CPU50は、RAM32に記憶された特定領域95(有効ライン)の位置データと識別情報の位置データとに基づいて、停止指令信号に対応する識別情報表示領域92の特定領域95に一部又は全部が含まれる識別情報を判定する(ステップS43)。ステップS43において、CPU50は、図8(a)〜(d)を用いて説明したように、一部又は全部が特定領域95に含まれ、かつ、一部が特定領域95を通過していない識別情報を、特定領域95に含まれる識別情報であると判定する。
ステップS43は、停止指令信号受信ステップ(ステップS41)により停止指令信号を受信した際、特定領域95に一部又は全部が含まれる識別情報を判定する識別情報判定ステップに相当する。
【0058】
次に、CPU50は、RAM32に記憶された特定領域95(有効ライン)の位置データと識別情報の位置データとに基づいて、ステップS43において判定した識別情報の特定領域95における位置を判定する(ステップS44)。
例えば、図8(a)に示すように識別情報が識別情報表示領域に表示されている場合、CPU50は、識別情報の特定領域95における位置が、特定領域95に25%含まれる位置であると判断する。
図8(b)に示すように識別情報が識別情報表示領域に表示されている場合、CPU50は、識別情報の特定領域95における位置が、特定領域95に50%含まれる位置であると判断する。
図8(c)に示すように識別情報が識別情報表示領域に表示されている場合、CPU50は、識別情報の特定領域95における位置が、特定領域95に75%含まれる位置であると判断する。
図8(d)に示すように識別情報が識別情報表示領域に表示されている場合、CPU50は、識別情報の特定領域95における位置が、特定領域95に全部含まれる位置であると判断する。
ステップS44は、識別情報判定ステップにより判定された識別情報の特定領域95における位置を判定する位置判定ステップに相当する。
【0059】
次に、CPU50は、後述する識別情報決定処理を行う(ステップS45)。
ステップS45の処理において、CPU50は、特定領域95に停止表示させる識別情報を決定する。
【0060】
次に、CPU50は、ROM31から画像データを読み出し、ステップS45において決定された識別情報を特定領域95に表示させるように、識別情報表示領域92L、92C、92Rのうちの1つに含まれる識別情報を停止表示させる(ステップS46)。
【0061】
次に、CPU50は、識別情報表示領域92(92L、92C、92R)に含まれる識別情報が全て停止表示されたか否かを判断する(ステップS47)。
識別情報表示領域92に含まれる識別情報が全て停止表示されていないと判断した場合、CPU50は、ステップS40に処理を戻す。一方、停止表示されたと判断した場合、CPU50は、特定領域95における識別情報の停止表示態様が、識別情報「七」−「七」−「七」であるか否かを判断する。識別情報「七」−「七」−「七」であると判断した場合、後述する消去処理(ステップS51)を行い、ステップS40に処理を移す。
【0062】
一方、識別情報「七」−「七」−「七」ではないと判断した場合、CPU50は、特定領域95における識別情報の停止表示態様が、同色の識別情報(図柄)「玉」−「玉」−「玉」又は「ドン」−「ドン」−「ドン」であるか否かを判断する(ステップS49)。
同色の識別情報「玉」−「玉」−「玉」又は「ドン」−「ドン」−「ドン」であると判断した場合、後述する消去処理(ステップS51)を実行し、ステップS40に処理を移す。
【0063】
ステップS49において、特定領域95における識別情報の停止表示態様が、同色の識別情報「玉」−「玉」−「玉」又は「ドン」−「ドン」−「ドン」であると判断した場合、CPU50は、特定領域95における識別情報の停止表示態様に応じたブロックを選択する(ステップS50)。例えば、特定領域95における識別情報の停止表示態様が、「赤玉」−「青ドン」−「邪魔」となると、CPU50は、ゲームフィールド91に出現させる3つのブロックとして、赤い花火ブロック、青い火種ブロック、邪魔ブロックを選択する。ステップS50の処理の後、本サブルーチンを終了する。
【0064】
上述したように、ステップS48〜S51において、CPU50は、特定領域95における識別情報の停止表示態様に応じて、ゲームフィールド91内の所定のブロックを消去させるか否かを決定したり、ゲームフィールド91に出現させるブロックを決定したりする。
ステップS48〜S51は、特定領域95に停止表示された識別情報に応じて、ゲーム結果を決定するゲーム結果決定ステップに相当する。
【0065】
図11は、図10に示したサブルーチンのステップS45において呼び出されて実行される識別情報決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU50は、リーチ発生中であるか否かを判断する(ステップS60)。この処理において、CPU50は、例えば、RAM32に記憶された位置データ等に基づいて、識別情報表示領域92L、92C、92Rのうちのいずれか2つにおいて識別情報が停止表示されており、かつ、特定領域95に同じ識別情報が2つ停止表示されているとき、リール発生中であると判断する。
リーチが発生していると判断した場合、ステップS61に処理を移す。
リーチが発生していないと判断した場合、ステップS65に処理を移す。
【0066】
ステップS61において、CPU50は、例えば、RAM32に記憶された位置データ等に基づいて、リーチを構成する識別情報は「邪魔」(図6参照)であるか否かを判断する。
リーチを構成する識別情報が「邪魔」であると判断した場合、ステップS65に処理を移す。
リーチを構成する識別情報が「邪魔」ではないと判断した場合、ステップS62に処理を移す。
【0067】
ステップS62において、CPU50は、特定領域95に含まれる識別情報が、リーチを構成する識別情報であるか否かを判断する。特定領域95に含まれる識別情報は、識別情報判定ステップ(図10、ステップS43)により判定された識別情報である。
特定領域95に含まれる識別情報が、リーチを構成する識別情報であると判断した場合、ステップS63に処理を移す。
特定領域95に含まれる識別情報が、リーチを構成する識別情報ではないと判断した場合、ステップS64に処理を移す。
【0068】
ステップS63において、CPU50は、特定領域95に含まれる識別情報が、特定領域95に75%以上含まれる位置(例えば、図8(c)、(d)参照)にあるか否かを判定する。特定領域95に75%以上含まれる位置にあるか否かの判定は、位置判定ステップ(図10、ステップS44)による判定の結果に基づいて行われる。
特定領域95に75%以上含まれる位置にあると判定した場合、ステップS64に処理を移す。
特定領域95に75%以上含まれる位置ではないと判定した場合、ステップS67に処理を移す。
【0069】
ステップS64において、CPU50は、特定領域95に含まれる識別情報を、停止表示する識別情報に決定する。特定領域95に含まれる識別情報は、識別情報判定ステップ(図10、ステップS43)により判定された識別情報である。
その後、本サブルーチンを終了する。
【0070】
ステップS65において、CPU50は、特定領域95に含まれる識別情報が「七」であるか否かを判断する。特定領域95に含まれる識別情報は、識別情報判定ステップ(図10、ステップS43)により判定された識別情報である。
特定領域95に含まれる識別情報が「七」であると判断した場合、ステップS66に処理を移す。
特定領域95に含まれる識別情報が「七」ではないと判断した場合、ステップS64に処理を移し、特定領域95に含まれる識別情報を、停止表示する識別情報に決定する。
【0071】
ステップS66において、CPU50は、特定領域95に含まれる識別情報「七」が、特定領域95に50%以上含まれる位置(例えば、図8(b)〜(d)参照)にあるか否かを判断する。特定領域95に50%以上含まれる位置にあるか否かの判定は、位置判定ステップ(図10、ステップS44)による判定の結果に基づいて行われる。
識別情報「七」が特定領域95に50%以上含まれる位置にあると判断した場合、ステップS64に処理を移し、特定領域95に含まれる識別情報「七」を、停止表示する識別情報に決定する。
識別情報「七」が特定領域95に50%以上含まれる位置にはないと判断した場合、ステップS67に処理を移す。
【0072】
ステップS67において、CPU50は、ROM31に記憶された識別情報の配列(図6参照)を示すテーブルデータに基づいて、特定領域95に含まれる識別情報の次の識別情報(次に特定領域95に含まれることになる識別情報)が「七」であるか否かを判断する。
次の識別情報が「七」ではないと判断した場合、CPU50は、ROM31に記憶された識別情報の配列(図6参照)を示すテーブルデータに基づいて、特定領域95に含まれる識別情報の次の識別情報を、停止表示する識別情報に決定する(ステップS68)。
次の識別情報が「七」であると判断した場合、CPU50は、ROM31に記憶された識別情報の配列(図6参照)を示すテーブルデータに基づいて、特定領域95に含まれる識別情報の2つ先の識別情報を、停止表示する識別情報に決定する(ステップS69)。
ステップS68又はS69の処理を実行した後、本サブルーチンを終了する。
【0073】
図11に示したサブルーチンのステップS60〜S69は、停止識別情報判定ステップに相当するものである。
すなわち、リーチ発生中(リーチを構成する識別情報が「邪魔」である場合を除く)において、識別情報判定ステップ(図10、ステップS43)により判定された識別情報がリーチを構成する識別情報である場合の判定情報は、「識別情報判定ステップにより判定された識別情報が特定領域95に75%以上含まれるか」である。
CPU50は、この判定情報と、位置判定ステップ(図10、ステップS44)による判定結果とに基づいて、識別情報判定ステップにより判定された識別情報を、特定領域95に停止表示させるか否かの判定を行う(ステップS63)。
そして、識別情報が特定領域95に75%以上含まれる場合には(ステップS63:YES)、CPU50は、識別情報判定ステップにより判定された識別情報を、停止表示する識別情報であると判定する(ステップS64)。
一方、識別情報が特定領域95に75%以上含まれない場合には(ステップS63:NO)、CPU50は、識別情報判定ステップにより判定された識別情報以外の識別情報を、停止表示する識別情報であると判定する(ステップS68又はS69)。
【0074】
また、リーチ発生中(リーチを構成する識別情報が「邪魔」である場合を除く)において、識別情報判定ステップ(図10、ステップS43)により判定された識別情報がリーチを構成する識別情報以外の識別情報である場合の判定情報は、「識別情報判定ステップにより判定された識別情報が特定領域95に含まれるか」である。
CPU50は、この判定情報と、識別情報判定ステップ(図10、ステップS44)による判定結果とに基づいて、識別情報判定ステップにより判定された識別情報を、特定領域95に停止させるか否かの判定を行う。この場合、識別情報判定ステップにより判定された識別情報は必ず特定領域95に含まれるので、CPU50は、識別情報判定ステップにより判定された識別情報を、停止表示する識別情報であると判定する(ステップS64)。
【0075】
リーチ発生中以外(識別情報「邪魔」でリーチが発生している場合を含む)において、識別情報判定ステップ(図10、ステップS43)により判定された識別情報が「七」である場合の判定情報は、「識別情報判定ステップにより判定された識別情報「七」が特定領域95に50%以上含まれるか」である。
CPU50は、この判定情報と、識別情報判定ステップ(図10、ステップS44)による判定結果とに基づいて、識別情報判定ステップにより判定された識別情報「七」を、特定領域95に停止させるか否かの判定を行う。
そして、識別情報「七」が特定領域95に50%以上含まれる場合には(ステップS66:YES)、CPU50は、識別情報判定ステップにより判定された識別情報「七」を、停止表示する識別情報であると判定する(ステップS64)。
一方、識別情報が特定領域95に50%以上含まれない場合には(ステップS66:NO)、CPU50は、識別情報判定ステップにより判定された識別情報「七」以外の識別情報を、停止表示する識別情報であると判定する(ステップS68又はS69)。
【0076】
また、リーチ発生中以外(識別情報「邪魔」でリーチが発生している場合を含む)において、識別情報判定ステップ(図10、ステップS43)により判定された識別情報が「七」以外の識別情報である場合の判定情報は、「識別情報判定ステップにより判定された識別情報が特定領域95に含まれるか」である。
CPU50は、この判定情報と、識別情報判定ステップ(図10、ステップS44)による判定結果とに基づいて、識別情報判定ステップにより判定された識別情報を、特定領域95に停止させるか否かの判定を行う。この場合、識別情報判定ステップにより判定された識別情報は必ず特定領域95に含まれるので、CPU50は、識別情報判定ステップにより判定された識別情報を、停止表示する識別情報であると判定する(ステップS64)。
【0077】
このように、本実施形態では、リーチ発生中(リーチを構成する識別情報が「邪魔」である場合を除く)において、識別情報判定ステップにより判定された識別情報が、リーチを構成する識別情報である場合と、リーチを構成する識別情報以外の他の識別情報である場合とで判定情報が異なっている。また、リーチ発生中以外(識別情報「邪魔」でリーチが発生している場合を含む)において、識別情報判定ステップにより判定された識別情報が「七」である場合と、「七」以外の識別情報である場合とで判定情報が異なっている。
【0078】
そして、図11に示したサブルーチンを実行した後、図10に示したサブルーチンに処理を戻し、ステップS46の処理を行う際には、CPU50は、図11に示したサブルーチンのステップS64、S68又はS69において決定した識別情報を、特定領域95に停止表示させるのである。図10に示したサブルーチンのステップS46は、識別情報停止表示ステップに相当する。
【0079】
図12は、図9に示したサブルーチンのステップS33又は図10に示したサブルーチンのステップS51において呼び出されて実行されるブロック消去処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0080】
まず、CPU50は、消去処理の要求がブロックを全消去する要求であるか否かを判断する(ステップS70)。なお、ブロックを全消去する要求は、特定領域95における識別情報の停止表示態様が、識別情報「七」−「七」−「七」となった場合に行われる(図10、ステップS48)。
本ステップにおいて、全消去であると判断した場合、CPU50は、ステップS71に処理を移す。一方、全消去ではないと判断した場合、CPU50は、さらに判断するためにステップS72に処理を移す。
【0081】
ステップS71において、CPU50は、ゲームフィールド91内に表示された全てのブロックを全て消去する処理を行い、本サブルーチンを終了する。
【0082】
ステップS72において、CPU50は、消去処理の要求が特定種類のブロックを全消去する要求であるか否かを判断する。なお、特定種類のブロックを全消去する要求は、特定領域95における識別情報の停止表示態様が、同色の図柄「玉」−「玉」−「玉」又は「ドン」−「ドン」−「ドン」となった場合に行われる(図12、ステップS49)。
本ステップにおいて、全消去であると判断した場合、CPU50は、ステップS73に処理を移す。一方、全消去ではないと判断した場合、CPU50は、さらに判断するためにステップS74に処理を移す。
【0083】
ステップS73において、CPU50は、ゲームフィールド91内に表示された特定種類のブロックを全て消去する処理を行い、本サブルーチンを終了する。
【0084】
ステップS74において、CPU50は、消去処理の要求が特定の火種ブロック及びそれに接触する花火ブロックを消去する要求であるか否かを判断する。なお、特定の火種ブロック及びそれに接触する花火ブロックを消去する要求は、同色の火種ブロックと花火ブロックとが接触した場合に行われる(図9、ステップS32)。
本ステップにおいて、特定の火種ブロック及びそれに接触する花火ブロックの消去であると判断した場合、CPU50は、ステップS75に処理を移す。一方、特定の火種ブロック及びそれに接触する花火ブロックの消去ではないと判断した場合、CPU50は、ブロック積み重ね処理を行い(ステップS78)、本サブルーチンを終了する。
【0085】
ステップS75において、CPU50は、ゲームフィールド91内の特定の火種ブロック及びそれに接触する花火ブロックを消去する処理を行い、ステップS76に処理を移す。
ステップS76において、CPU50は、ステップS75において消去したブロックに邪魔ブロックが隣接していたか否かを判断する。隣接する邪魔ブロックが存在しなければ、本サブルーチンを終了する。一方、隣接する邪魔ブロックが存在していれば、邪魔ブロックを消去し(ステップS77)、本サブルーチンを終了する。
【0086】
以上、本実施形態のゲーム制御プログラムによれば、プレーヤによって入力スイッチが操作されたときに表示装置11の特定領域95に一部又は全部が含まれる識別情報が所定の識別情報(例えば、「七」)と、他の識別情報(例えば、「七」以外の識別情報)である場合とで異なる判定情報に基づいて、当該識別情報の特定領域95における位置に基づき、その識別情報を特定領域95に停止表示させるか否かの判定を行うため、特定領域95に識別情報を停止表示させる難易度を、識別情報の種類に応じて個別に設定することが可能になる。
【0087】
上述した実施形態においては、リーチ発生中では、識別情報判定ステップにより判定された識別情報が、リーチを構成する識別情報である場合とその識別情報以外の識別情報である場合とで判定情報が異なっており、リーチ発生中以外では、識別情報判定ステップにより判定された識別情報が「七」である場合と「七」以外の識別情報である場合とで判定情報が異なっているが、本発明において判定情報を異ならせる識別情報は特に限定されるものではない。また、3種類以上の識別情報の夫々に、異なる判定情報を対応させることとしてもよい。さらに、本発明において、判定情報は特に限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
【0088】
上述した実施形態においては、リーチ発生中とリーチ発生中以外とで、判定情報を異ならせる識別情報及び判定情報が変化している。このように、本発明においては、ゲーム状況に応じて、判定情報を異ならせる識別情報及び判定情報を異ならせることが望ましい。ゲームに多様性をもたせることができ、ゲームの興趣性を向上させることができるからである。
【0089】
上述した実施形態では、特定領域における識別情報の停止表示態様に応じて、ゲーム結果として、ゲームフィールドにおけるブロックを消去するか否かを決定したり、ゲームフィールドに出現するブロックの種類を決定したりする場合について説明したが、本発明において、特定領域における識別情報の停止表示態様に応じて決定するゲーム結果は、特に限定されるものではなく、例えば、ゲームフィールドに出現するブロックの数を決定することとしてもよい。
【0090】
上述した実施形態では、本発明に係るゲーム制御プログラムを、パチスロ遊技の要素を取り入れた「落ち物パズル」のゲームに適用した場合について説明したが、本発明のゲーム制御プログラムを適用可能なゲームは、パチスロ遊技の要素を含むゲームであれば、特に限定されるものではない。また、本発明のゲーム制御プログラムを、パチスロ遊技のシミュレーションを行うことが可能なゲームに適用することも可能である。
【0091】
また、上述した実施形態では、本発明に係るゲーム制御プログラムを、携帯用ゲーム装置のコンピュータが実行する場合について説明したが、本発明に係るゲーム制御プログラムを実行するコンピュータを備えたゲーム装置としては、特に限定されるものではなく、例えば、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置、携帯電話機、パーソナル・ディジタル・アシスタンツ、パーソナルコンピュータ、パチスロ遊技装置、スロットマシン等を挙げることができる。
【0092】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】通信回線を介して接続された2つのゲーム装置を示す正面図である。
【図2】図1に示したゲーム装置を示す正面図である。
【図3】図1に示したゲーム装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】通信回線を介して接続された2つのゲーム装置の間で行われるデータ送受信の処理の概要を示すタイムチャートである。
【図5】(a)は、ゲーム装置が備える表示装置に表示される画像の一例を示す図であり、(b)は、ブロックを示す図である。
【図6】リールの図柄配列表を示す図である。
【図7】識別情報表示領域を模式的に示す図である。
【図8】識別情報表示領域の特定領域と識別情報との位置関係を説明するための図である。
【図9】ゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】図9に示したサブルーチンのステップS30において呼び出されて実行されるブロック選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図10に示したサブルーチンのステップS45において呼び出されて実行される識別情報決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】図9に示したサブルーチンのステップS33又は図10に示したサブルーチンのステップS51において呼び出されて実行されるブロック消去処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
10 ゲーム装置
11 表示装置
12 スピーカ
13 十字キー
13S 十字スイッチ
14 スタートボタン
14S スタートスイッチ
15 セレクトボタン
15S セレクトスイッチ
16 Aボタン
16S Aスイッチ
17 Bボタン
17S Bスイッチ
18 Lボタン
18S Lスイッチ
19 Rボタン
19S Rスイッチ
20 スロット
21 コネクタ
30 外部ROMカートリッジ
31 ROM
32 RAM
40 ケーブル
50 CPU
51 送信データバッファ
52 受信データバッファ
53 通信端子
90 ゲーム画像
90A、90B 表示領域
91 ゲームフィールド
92(92L、92C、92R) 識別情報表示領域
93 ブロック
94 ステータス表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段を備えるか又は前記表示手段に接続されるとともに、入力スイッチを具備したゲーム装置のコンピュータによって実行されるゲーム制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
複数種類の識別情報からなる識別情報群を順次所定方向に移動する態様で前記表示手段に変動表示させる識別情報変動表示ステップと、
前記識別情報変動表示ステップにより識別情報の変動表示が行われているとき、プレーヤによって前記入力スイッチが操作されることにより当該入力スイッチから出力される停止指令信号を受信する停止指令信号受信ステップと、
前記停止指令信号受信ステップにより停止指令信号を受信した際、前記表示手段の特定領域に一部又は全部が含まれる識別情報を判定する識別情報判定ステップと、
前記識別情報判定ステップにより判定された識別情報の前記特定領域における位置を判定する位置判定ステップと、
前記識別情報判定ステップにより判定された識別情報が所定の識別情報の場合と当該所定の識別情報以外の他の識別情報の場合とに応じて予め定められた異なる判定情報に基づいて、前記位置判定ステップにより判定された当該識別情報の前記特定領域における位置に応じて、前記識別情報判定ステップにより判定された識別情報を前記特定領域に停止表示させるか否かの判定を行う停止識別情報判定ステップと、
前記識別情報判定ステップで判定された識別情報で停止表示させると前記停止識別情報判定ステップにより判定された場合には、その識別情報を前記特定領域に停止表示させる一方、前記識別情報判定ステップで判定された識別情報で停止表示させないと前記停止識別情報判定ステップにより判定された場合には、その識別情報以外の識別情報を前記特定領域に停止表示させる識別情報停止表示ステップと、
前記表示手段の特定領域に停止表示された識別情報に応じて、ゲーム結果を決定するゲーム結果決定ステップと
を実行させることを特徴とするゲーム制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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