ゲーム機
【課題】複数のカードに記録されたデータの組み合わせにより、個々のカードから読み出されるデータのみからは得られない多様性のあるゲームを実行する。
【解決手段】ゲーム機1には、プレイヤにより操作されるハンドル5、カードに記録されたデータを読み取るカードリーダ8a,8bが設けられている。CPU20は、カードリーダ8a,8bによって複数のカードから読み取られたデータの組み合わせに基づいてゲーム空間におけるオブジェクトの性能を設定し、この設定された性能に基づいて、ハンドル5に対する操作に応じてゲーム空間中でオブジェクトを移動させる。
【解決手段】ゲーム機1には、プレイヤにより操作されるハンドル5、カードに記録されたデータを読み取るカードリーダ8a,8bが設けられている。CPU20は、カードリーダ8a,8bによって複数のカードから読み取られたデータの組み合わせに基づいてゲーム空間におけるオブジェクトの性能を設定し、この設定された性能に基づいて、ハンドル5に対する操作に応じてゲーム空間中でオブジェクトを移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードに記録されたデータを利用してゲームを実行するゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、カードに記録されたデータを利用してゲームを実行する各種のゲーム装置が開発されている(例えば特許文献1,2)。
【0003】
特許文献1に記載されたカードゲーム装置では、カードをプレイフィールド上に並べることによりカードの裏面に記憶されたカードデータを自動的に読み取って、プレイフィールド上に載置されたカードデータの組合せに応じたゲーム内容で所定のビデオゲームを進行させるよう構成されている。例えば、サッカーゲームを実行する場合、カードには選手のスキル及び過去のゲーム結果が記憶されている。
【0004】
また、特許文献2に記載されたゲームシステムは、アクセル、シフトレバー、ブレーキ、ハンドルなどの操作部への操作により実行されるレースゲームを実行する。特許文献2のゲームシステムでは、ゲーム処理中の例えばハンドル、アクセル、ブレーキ、車の位置、速度などのプレイヤデータをカード(磁気カード)に記録し、このプレイデータを分析して次回のゲームのプレイ時に、どのタイミングで具体的にどのように操作するかアドバイスを作成して表示するよう構成されている。
【特許文献1】特開2002−301264号公報
【特許文献2】特開2006−141665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたカードゲーム装置では、カードに選手の個々のデータが記録されており、各カードから読み出されるデータ(個人パラメータ)をもとにゲームを実行している。従って、複数枚のカードを組み合わせて使用しても、使用するカードの種類によってゲームに及ぼす影響を予想することができるものとなっていた。すなわち、複数枚のカードをどのように組み合わせても、ユーザが意図しないゲーム状況が展開されることはないためゲームの多様性が乏しいものとなっていた。
【0006】
また、特許文献2に記載されたゲームシステムは、カードからプレイヤ認識用のデータの他、ゲーム中にアドバイスを表示するためのプレイヤデータを読み出すことができるだけであり、カードに記録されたデータによってゲームの実行状況を変化させることができなかった。
【0007】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、複数のカードに記録されたデータの組み合わせにより、個々のカードから読み出されるデータのみからは得られない多様性のあるゲームを実行することが可能なゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、プレイヤにより操作されるハンドルと、前記ハンドルに対する操作に応じて、ゲーム空間中でオブジェクトを移動させるゲームを制御するゲーム制御手段と、カードに記録されたデータを読み取るカード読み取り手段と、前記カード読み取り手段によって複数の前記カードから読み取られたデータの組み合わせに基づいて、前記ゲーム空間における前記オブジェクトの性能を設定する性能設定手段とを具備し、前記ゲーム制御手段は、前記性能設定手段により設定された性能に基づいて、前記ハンドルに対する操作に応じて前記ゲーム空間中で前記オブジェクトを移動させることを特徴とする。
【0009】
また、前記ハンドルの操作に対する反動を制御する反動制御機構と、前記カード読み取り手段によって前記カードから読み取られたデータに基づいて、前記反動操作機構を制御するための制御パラメータを設定する機構制御パラメータ設定手段とをさらに具備したことを特徴とする。
【0010】
また、前記機構制御パラメータ設定手段は、前記カード読み取り手段によって複数の前記カードから読み取られたデータの組み合わせに基づいて、前記制御パラメータを設定することを特徴とする。
【0011】
また、データが記録された複数のカードを収納し、1枚ごとに排出するカード供給手段と、前記ゲーム制御手段によって制御されたゲームのゲーム結果に応じて、前記カード供給手段からカードを排出させるカード供給制御手段とをさらに具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プレイヤにより操作されるハンドルが設けられたゲーム装置において、複数のカードに記録されたデータの組み合わせに基づいて、ハンドル操作に応じて制御されるオブジェクトの性能を設定することができるので、任意のカードの組み合わせにより多様なゲーム性を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、本実施形態におけるゲーム機1(1−1,1−2,…,1−n)を用いたゲームシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態におけるゲーム機1は、ゲームセンターなどに設置される業務用として構成されたもので、例えばカーレースゲームを実行する。図1に示すゲームシステムでは、複数のゲーム機1−1,1−2,…,1−nが相互に通信ケーブル2を介して接続されている。ゲーム機1−1,1−2,…,1−nは、それぞれがゲーム処理を実行することで、ゲーム空間で動作するオブジェクト(例えばカーレースを実行する自動車)のゲーム空間における位置などを示す動作データを相互に送受信することで対戦(レース)を実行することができる。
【0015】
ゲーム機1−1,1−2,…,1−nでは、個々のプレイヤによる選択操作によって、複数のゲームモードから何れかを選択して実行することができる。本実施形態におけるゲーム機1では、例えばレースモードとシミュレーションモードが用意されている。レースモードは、ゲーム機1に設けられた操作系(ハンドルなど)に対するプレイヤの操作に応じて、オブジェクトをゲーム空間中で動作させるモードである。シミュレーションモードは、予め決められたアルゴリズム(ゲームプログラム)に従って、オブジェクトをゲーム空間中で動作させるモードである。本実施形態におけるゲームシステムでは、複数のゲーム機1−1,1−2,…,1−nにおいて異なるゲームモードが選択された場合であっても、異なるゲームモードにおいて動作するオブジェクトによる対戦(レース)を実行することができる。
【0016】
なお、図1に示す構成では、複数のゲーム機1−1,1−2,…,1−nが、通信ケーブル2を介して、直接、相互に接続されているが、例えばゲーム機1−1,1−2,…,1−nを制御するサーバ装置を通じて、相互に接続される構成とすることもできる。
【0017】
図2は、本実施形態におけるゲーム機1(1−1,1−2)の外観構成を示す図である。
図2に示すように、ゲーム機1の筐体上部の前面には、ディスプレイ4が設けられている。ディスプレイ4の前方には、操作パネルが設けられており、プレイヤにより操作されるハンドル5やボタン6が取り付けられている。プレイヤは、ディスプレイ4に表示されたゲーム空間を表す画面を見ながらハンドル5やボタン6を操作することができる。また、筐体上部の前面には、ゲーム処理中の効果音やBGM(back ground music)などを出力するためのスピーカ7が設けられている。さらに、操作パネルの上面部には、カードリーダ8a,8bが設けられている。カードリーダ8a,8bは、ゲーム機1で利用されるカードに記録されたデータを読み取る。カードリーダ8a,8bは、どのような方式によってデータを読み取るものであっても良く、例えばバーコードやQR(Quick response)コードを光学的に読み取る方式、カードに貼り付けられた磁気テープに記録されたデータを読み取る方式、カードに埋め込まれたICタグ(RFID(Radio Frequency Identification))から近距離通信によりデータを読み取る方式などを用いることができる。その他の方式を用いても良い。カードリーダ8a,8bは、例えばカードが表面に接触されることにより、カードに記録されたデータを読み取り、入出力制御ユニット28を通じてCPU20に出力する。
【0018】
筐体下部の前面には、プレイ料金のコインを投入するためのコイン投入口9、プレイヤに対して提供するカードが排出されるカード払い出し口10が設けられている。また、筐体下部には、ブレーキペダル11、アクセルペダル12が設けられている。プレイヤは、ゲーム実行時に、ハンドル5、ブレーキペダル11、アクセルペダル12を操作することによって、カーレースゲームにおいてゲーム空間中の車を操作することができる。
【0019】
図3は、ゲーム機1における機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、ゲーム機1には、CPU20、RAM21、ROM22、HDD23、通信ユニット24、メカ機構制御ユニット25、表示制御ユニット26、音声制御ユニット27、入出力制御ユニット28が設けられている。
【0020】
CPU20は、RAM21あるいはROM22に記憶されたプログラムを実行することにより各種機能を実現して、ゲーム機全体を制御する。本実施形態では、CPU20は、ゲーム処理プログラムを実行することでカーレースゲームを実行する。本実施形態におけるゲーム処理では、複数のゲーム機1との間でカーレース(通信対戦)を実行することができる。
【0021】
RAM21、ROM22は、プログラムや各種データを記憶する。HDD23は、各種プログラムやデータなどを記録するもので、記憶されたプログラムやデータが必要に応じて読み出されてRAM21に記憶される。また、HDD23には、本実施形態におけるゲーム処理で利用されるカードデータベース41(図4参照)、入力機構制御データ42(図5参照)が記憶されている。
【0022】
通信ユニット24は、CPU20の制御のもとで、通信ケーブル2を介して接続された他のゲーム機1との間の通信を制御する。
【0023】
メカ機構制御ユニット25(反動制御機構)は、CPU20の制御のもとで、ゲーム機1に設けられた操作系、すなわちハンドル5、ブレーキペダル11、及びアクセルペダル12に対するプレイヤの操作に対する反動(反力)を制御する機構である。例えば、メカ機構制御ユニット25は、ハンドル5を操作(回転)させる場合の固さを制御し、ブレーキペダル11及びアクセルペダル12を踏み込むときの固さ(及び深さ)を制御する。メカ機構制御ユニット25は、例えばカードリーダ8a,8bによってカードから読み取られたデータに応じて制御される。
【0024】
表示制御ユニット26は、CPU20の制御のもとで、ディスプレイ4においてゲーム空間を表現する画面を表示するための制御を実行する。音声制御ユニット27は、CPU20の制御のもとで、スピーカ7からゲーム処理中の効果音やBGMなどを出力させる。
【0025】
入出力制御ユニット28は、ゲーム機1に設けられた各種機器との間のデータ入出力を制御する。入出力制御ユニット28には、コイン検知センサ30、カードリーダ8a,8b、カードディスペンサ31a,31b、ボタン6が接続されている。
【0026】
コイン検知センサ30は、コイン投入口9から投入されたコインを検知して、入出力制御ユニット28を通じてCPU20に通知する。
【0027】
カードディスペンサ31a,31bは、CPU20の制御のもとで実行されたゲーム処理の結果に応じて、プレイヤに対して提供するカードをカード払い出し口10から排出させる。カードディスペンサ31a,31bには、複数枚のカードが予め収納されており、例えば最上部にあるカードから順番に排出される。カードディスペンサ31a,31bには、それぞれ異なるカードが収納されており、例えばゲーム結果に応じてCPU20からの指示によって何れかが選択されてカードを排出するものとする。なお、1つのカードディスペンサ31を設けた構成とすることも勿論可能である。カードディスペンサ31a,31bに収納されるカード(パーツカード)には、カードの種類(例えば、車種や車のパーツに対応する)に応じた印刷が施されている他、ゲーム機1においてカーレースを実行する際の制御に用いられるデータが記録されている。カードに記録されるデータには、カードの種類を識別するためのカード種類データ、パーツを識別するためのパーツデータなどが含まれているものとする。
【0028】
図4は、本実施形態におけるカードデータベース41のデータ構成を示す図である。
図4に示すように、カードデータベース41では、複数種類のカードから読み出されたデータの組み合わせに応じた性能パラメータが設定されている。性能パラメータは、ゲーム空間において車を動作させるときの性能を定義するもので、例えば最高速度、加速度、コーナリング性能、ブレーキ性能、…などを変化させるパラメータである。ゲーム処理では、性能パラメータに基づいて、操作系(ハンドル5、ブレーキペダル11、アクセルペダル12)に対する操作に応じてゲーム空間中で車(オブジェクト)を移動させる(レースモードの場合)。
【0029】
本実施形態におけるゲーム機1で使用されるカードには、カーレースゲーム中で使用する車の「車種」を示すカードの他に、車の性能を変化させることができる車のパーツのカードが用いられる。車のパーツとしては、「タイヤ」「ウィング」「ノーズ」「エンジン」「コンピュータ」…などがある。車種や各パーツのカードには、それぞれ複数種類のカードが用意されており、それぞれ異なるデータ(パーツデータ)が記録されている。なお、「アクション」を示すカードには、カーレース中に実行可能な特殊な動作を表すデータが記録されている。例えば、瞬間的にスピードを上げることができる「ニトロ」、レース中に他の車の走行を妨害する「妨害」などの各種のカードを使用することができる。これらの「アクション」を示すカードについても、1つの種類について複数の異なるデータが記録されたカードが用意されているものとする。
【0030】
性能パラメータは、各種類のカードに記録されたデータに対応して設定される他、複数種類のカードの組み合わせに対応して設定される。例えば、「車種」のカードについては、この種類に含まれる複数の異なるカードのデータのそれぞれに対応する性能パラメータが設定され、同様にして、「タイヤ」のカードについては、この種類に含まれる複数の異なるカードのそれぞれに対応する性能パラメータが設定される。また、複数種類のカードの組み合わせでは、全ての種類のカードが含まれていなくてもよく、例えば「車種、タイヤ、ウィング、ノーズ」、「タイヤ、エンジン」の組み合わせなど、カードの種類の合計が異なる全ての組み合わせのそれぞれについて、性能パラメータが設定されているものとする。
【0031】
性能パラメータは、組み合わせたカードの種類が多いほど性能を上げるようになっていない。性能パラメータは、複数のカードから読み出されるデータを単純に加算することで決定されるものではなく、カードの組み合わせに応じて決定される。従って、同じ種類のカードの組み合わせであっても、各種類のカードが異なっていれば異なる性能パラメータが設定される。また、組み合わせるカードの種類の数が多いほど性能を向上させる性能パラメータが設定されているわけではなく、少ない種類のカードを組み合わせた方が性能を向上させる性能パラメータが設定されている場合もある。
【0032】
つまり、実際の車の性能を向上させる場合と同様にして、車に使用する複数のパーツの組み合わせが良好であれば性能を向上し、同じ種類のパーツを使用していても他のパーツとのバランスが悪ければ性能を低下させるように、性能パラメータが設定されているものとする。
【0033】
図5は、本実施形態における入力機構制御データ42のデータ構成を示す図である。
図5に示すように、入力機構制御データ42では、複数枚のカード1,2,3…から読み出されたデータの組み合わせに応じたメカ機構制御パラメータが設定されている。メカ機構制御パラメータは、メカ機構制御ユニット25により操作系に対するプレイヤの操作に対する反動(反力)を制御するためのデータである。
【0034】
入力機構制御データ42において設定される複数のカード1,2,3…は、性能パラメータを設定するために用いられる前述したパーツカード(「車種」「タイヤ」「ウィング」「ノーズ」「エンジン」「コンピュータ」…)としても良いし、メカ機構制御パラメータ設定用のカードとしても良い。
【0035】
例えば、パーツカードを利用する場合には、複数のカードの組み合わせによって設定した車の性能(性能パラメータ)に応じて、プレイヤが操作系を操作できるように制御できる。この場合、入力機構制御データ42に設定される複数のカード1,2,3…は、カードデータベース41において設定される複数種類のカードの組み合わせと同じとなる。
【0036】
また、メカ機構制御パラメータ設定用のカードを利用する場合には、例えば、プレイヤが力の弱い子供や女性、年配者などが操作系に対する操作を容易にするための専用のカードを用意することで、プレイヤが要求する操作感覚で操作系を操作できるように制御できる。この専用のカードには、ハンドル用、ペダル用の複数種類のカードが用意されていても良い。また、反動(反力)の大きさを調整することができるように、同じ種類のカード(例えばハンドル用)に異なる操作レベル(反力の大きさなど)に応じたデータが記録された複数のカードが用意されていても良い。
【0037】
次に、本実施形態におけるゲーム機の動作について説明する。
図6は、本実施形態におけるゲーム機1において実行されるゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
ここでは、説明を簡単にするために、図2に示すゲーム機1−1がゲーム機1−2との間で通信対戦(カーレースゲーム)を実行する場合を想定して説明する。
【0038】
ゲーム機1−1は、コイン投入口9からコインが投入され、コイン検知センサ30により検出されるとゲーム処理を開始する。すなわち、CPU20は、RAM21(あるいはROM22)に記憶されたゲーム処理プログラムを実行する。
【0039】
まず、CPU20は、他のゲーム機1−2との間で通信対戦(カーレースゲーム)を実行するための対戦設定処理を行う(ステップA1)。CPU20は、通信ユニット24を介してゲーム機1−2と通信し、カーレースゲームの対戦設定を行う。
【0040】
次に、CPU20は、カーレースゲームで使用するカードのデータ読み取りをプレイヤにより実行させるために、カード入力メッセージをディスプレイ4において表示させる。例えば「パーツカードをスキャンしよう!」のメッセージを表示させる。CPU20は、カードリーダ8a,8bによるカード読み取りが可能な状態にする。
【0041】
ここで、プレイヤは、任意の種類(パーツ)のカードを組み合わせて、カードのデータ読み取りを実行させることができる。カードリーダ8a,8bは、プレイヤによってカードがデータ読み取り位置に接触されることで、カードに記録されているデータを読み取る(ステップA3、Yes)。CPU20は、カードリーダ8a,8bによって読み取られたデータを、一時、RAM21に記憶させておく(ステップA4)。CPU20は、カード入力の終了がプレイヤによる操作により指示されるまで、前述と同様にして、カードリーダ8a,8bに接触されるカードからのデータ読み取りを繰り返して実行する(ステップA3〜A5)。
【0042】
カード読み取り終了が指示されると(ステップA5、Yes)、CPU20は、RAM21に一時記憶されたデータに対応する性能パラメータを、カードデータベース41から読み出して設定する(ステップA6)。すなわち、CPU20は、カードから読み取られたカード種類データとパーツデータに一致するデータをカードデータベース41から検索し、該当するデータに対応する性能パラメータを読み出す。複数のカードから読み取られたデータが一時記憶されている場合には、複数のカード種類データとパーツデータの組み合わせに該当するデータを検索して、同様にして対応する性能パラメータを読み出す。
【0043】
次に、CPU20は、RAM21に一時記憶されたデータに対応するメカ機構制御パラメータを、入力機構制御データ42から読み出して設定する(ステップA7)。例えば、性能パラメータを設定するために用いられるパーツカードをメカ機構制御パラメータの設定にも利用する場合には、CPU20は、カードから読み取られたカード種類データとパーツデータに一致するデータを入力機構制御データ42から検索し、該当するデータに対応するメカ機構制御パラメータを読み出す。複数のカードから読み取られたデータが一時記憶されている場合には、複数のカード種類データとパーツデータの組み合わせに該当するデータを検索して、同様にして対応するメカ機構制御パラメータを読み出す。また、メカ機構制御パラメータ設定用のカードが使用される場合には、RAM21に一時記憶されたデータのうち、メカ機構制御パラメータ設定用のカードを示すカード種類データと共にカードから読み出されたデータのみを対象とする。
【0044】
次に、CPU20は、ゲームモードをプレイヤによって選択させるために、ゲームモード選択画面を、表示制御ユニット26を通じてディスプレイ4において表示させる(ステップA8)。図7には、ゲームモード選択画面の一例を示している。図7に示すゲームモード選択画面には、レースモードを選択するための「ドライバーズチャレンジ」と、シミュレーションモードを選択するための「マシンテスト」の2つの選択肢が設けられている。
【0045】
ここで、プレイヤは、例えばハンドル5を操作することで「ドライバーズチャレンジ」と「マシンテスト」の何れかを選択することができる。例えば、左側にハンドル5を回転させた状態でボタン6を押すことで「ドライバーズチャレンジ」を選択することができ、またハンドル5を右側に回転させた状態でボタン6を押すことで「マシンテスト」を選択することができる。
【0046】
こうして、ゲームモードを選択する指示が入力されると(ステップA9)、CPU20は、ゲーム開始待ち状態となる。ここで、対戦相手とするゲーム機1−2においても対戦待ち状態となるか、あるいは予め決められた時間が経過すると、CPU20は、先に選択されたゲームモードにおけるゲーム実行制御処理を実行する(ステップA11)。ゲーム実行制御処理には、レースモードが選択された場合と、シミュレーションモードが選択された場合がある。
【0047】
まず、レースモードが選択された場合のゲーム実行制御処理について、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
CPU20は、レースモードにおけるゲーム空間を表すドライバーズビューによる画面、すなわちプレイヤが車に搭乗している時に見える風景を模した画面を表示する(ステップB1)。図9には、ドライバーズビューによる画面の一例を示している。図9に示す画面例では、プレイヤが搭乗している車(プレイヤーズカー)の一部(車の先端部)と共に、対戦相手(ゲーム機1−2のプレイヤ)の車をゲーム空間における位置関係に応じて表示する。
【0048】
レースモードの場合、CPU20は、ハンドル5、ブレーキペダル11、及びアクセルペダル12に対するプレイヤによる入力操作を検知して、ゲーム空間中で車を動作させる。すなわち、CPU20は、入出力制御ユニット28を介して、ハンドルセンサ32、アクセルペダルセンサ33、ブレーキペダルセンサ34によって検知された、それぞれの操作系に対する操作量を示すデータを入力する(ステップB2)。そして、各センサ32,33,34によって検知された操作量に応じて、ゲーム空間において走行させる車(プレイヤーズカー)の動作を、カードを用いて予め設定されている性能パラメータに従い演算する(ステップB3)。なお、車(プレイヤーズカー)の動作だけでなく、車(プレイヤーズカー)の動作に伴って変化する他のオブジェクトが存在する場合には、他のオブジェクトの動作についても同時に演算が実行されるものとする。
【0049】
CPU20は、演算結果とする動作データを、通信ユニット24を通じて対戦相手のゲーム機1−2に対して送信する(ステップB4)。また、CPU20は、ゲーム機1−2から対戦相手とするオブジェクトのゲーム空間中における動作を示す動作データ(位置データなど)を受信する(ステップB5)。
【0050】
なお、ゲーム機1−1とゲーム機1−2との間で送受信される動作データは、ゲームシステムに含まれる全てのゲーム機1−1,1−2,…,1−nにおいて共有されているゲーム空間で定義されるデータとする。従って、相互に動作データを送受信することによって、対戦相手のゲーム空間における動作(変化)を把握することができる。また、対戦相手のゲームモードがレースモードとシミュレーションモードの何れの場合であっても、同じ形式の動作データが送受信されるものとする。
【0051】
CPU20は、対戦相手とするオブジェクトについての動作データを受信すると、自車(プレイヤーズカー)についての動作データとを統合し、ゲーム空間における相互の位置関係を設定する。そして、ドライバーズビューによる画面を生成してディスプレイ4において表示させる(ステップB6)。
【0052】
CPU20は、カーレースゲームが終了するまで、前述したレースモードにおけるゲーム実行制御処理を実行する(ステップA12、No)。
【0053】
次に、シミュレーションモードが選択された場合のゲーム実行制御処理について、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
CPU20は、シミュレーションモードにおけるゲーム空間を表すクオータービューによる画面、すなわちレースをしている車を俯瞰して見える風景を模した画面を表示する(ステップC1)。図11には、クオータービューによる画面の一例を示している。図10に示す画面例では、カーレースが実行されるコースと共に、コース上を走行する自車(PLAYER1)と対戦相手(ゲーム機1−2のプレイヤ)の車(PLAYER2)をゲーム空間における位置関係に応じて表示する。また、シミュレーションモード時の画面には、レースの実行中にプレイヤが選択可能なコマンドが表示される。図11に示す例では、「ペースを保て」「追い越せ」「ピットに入れ」のコマンドが表示されている。
【0054】
シミュレーションモードの場合、CPU20は、オブジェクト(PLAYER1の車)の動作を、予め決められたアルゴリズムによって演算する(ステップC2)。この時、カードを用いて予め設定されている性能パラメータに従って動作するように演算を実行する。つまり、シミュレーションモードでは、プレイヤによる操作系に対する入力操作を必要とせずに、PLAYER1の車をコース上で自動的に走行させる。
【0055】
オブジェクトを動作させるためのアルゴリズムは、例えばコースの直線部分では性能の範囲で可能な限り速度が高くなるようにオブジェクトの位置を変化させ、カーブの手前では確実にコースを通過できるようにブレーキをかけて減速し、理想的なラインでコースを通過するようにオブジェクトの位置を変化させる。ブレーキを掛けるタイミングは、性能パラメータが示すブレーキ性能に応じて決定され、例えばブレーキ性能が高ければ遅くなる。また、このアルゴリズムは、対戦相手の車(オブジェクト)をも考慮してPLAYER1の車を動作させる。例えば、衝突しそうな場合には、衝突を回避するためにブレーキを掛けたり、走行位置を変更したりする。
【0056】
CPU20は、演算結果とする動作データを、通信ユニット24を通じて対戦相手のゲーム機1−2に対して送信する(ステップC3)。また、CPU20は、ゲーム機1−2から対戦相手とするオブジェクトのゲーム空間中における動作を示す動作データ(位置データなど)を受信する(ステップC4)。前述したように、ゲーム機1−1とゲーム機1−2との間で送受信される動作データは、ゲームシステムに含まれる全てのゲーム機1−1,1−2,…,1−nにおいて共有されているゲーム空間で定義されるデータである。
【0057】
CPU20は、対戦相手とするオブジェクト(PLAYER2)についての動作データを受信すると、自車(PLAYER1)についての動作データとを統合し、ゲーム空間における相互の位置関係を設定する。そして、クオータービューによる画面を生成してディスプレイ4において表示させる(ステップC5)。なお、PLAYER1とPLAYER2との距離が離れた場合には、PLAYER1の車が画面の中央で表示されるようにクオータービューによる画面を生成するものとする。
【0058】
シミュレーションモードでは、基本的には予め決められたアルゴリズムに従いオブジェクトを自動的に動作させるが、画面中に表示されたコマンドを選択することで特定の動作の実行を指示することができる。画面中に表示されたコマンドは、例えばハンドル5とボタン6に対する操作によって選択することができる。
【0059】
CPU20は、ハンドル5とボタン6に対する操作によって何れかのコマンドがプレイヤによって選択されると(ステップC6、Yes)、そのコマンドによる動作指示に応じた予め決められたアルゴリズムによってオブジェクト(PLAYER1の車)の動作を演算して決定する。
【0060】
例えば、プレイヤは、PLAYER1の車が対戦相手のPLAYER2の車に近づいた時に「追い越せ」のコマンドを選択したものとする。この場合、PLAYER1の車を瞬間的に加速させて、PLAYER2の車より先行させた後にペースを元に戻すようにする。
【0061】
なお、図11に示す例では、3つのコマンドのみを示しているが、その他にも例えば「ペースを上げろ」「ペースを下げろ」「ブロックしろ」など多数のコマンドを用意しておくことができる。また、全てのコマンドを常時画面中に表示しておいても良いし、レース状況に応じて選択可能なコマンドのみを表示するようにしても良い。
【0062】
このように、ゲーム実行制御処理では、カーレースが終了するまで、プレイヤにより選択されたゲームモード(レースモード、シミュレーションモード)によって、ゲーム空間におけるオブジェクト(車)の動作を制御する(ステップA11,A12)。本実施形態におけるゲームシステムでは、対戦相手が何れのゲームモードによって動作が制御されているか関係なく、それぞれのゲームモードにおいて演算されたオブジェクトの動作を表す動作モードを相互に送受信することによって対戦(カーレースゲーム)を実行することができる。
【0063】
こうして、ゲーム機1−2との間のカーレースゲームが終了すると(ステップA12、Yes)、CPU20は、ゲーム結果に応じて、カードディスペンサ31a,31bからカードを排出させる(ステップA13)。カードディスペンサ31a,31bにより排出されたカードは、カード払い出し口10を通じてプレイヤに提供される。
【0064】
ゲーム結果に応じてカードを排出する方法としては、例えばカーレースによって対戦相手に勝った場合(第1位となった場合)に排出したり、順位に応じた枚数を排出するようにしても良い。また、本実施形態におけるゲーム機1には、複数のカードディスペンサ31a,31bが設けられているため、順位に応じて何れかを選択して排出されるカードを切り替えるようにしても良い。
【0065】
また、ICタグが埋め込まれたカードを使用する場合には、このICタグの記憶領域(メモリ)にデータを書き込む機構をカードディスペンサ31a,31bに設けて、ゲーム結果に応じたデータを記録した後に排出するようにしても良い。例えば、ゲームに勝った場合には、複数のカードの組み合わせにより設定された性能パラメータ(メカ機構制御パラメータ)を示すデータを書き込んだり、組み合わせた複数のカードの種類を記録するようにしても良い。この1枚のカードに記録されたデータを、ゲーム機1のカードリーダ8a,8bから読み込ませることで、複数のカードを読み込ませた場合と同じ性能パラメータ(メカ機構制御パラメータ)を設定できるようにする。
【0066】
また、バーコードやQRコードを印刷する機能をカードディスペンサ31a,31bに設けて、前述したようなゲーム結果に応じたコードを印刷した後に排出するようにしても良い。
【0067】
このようにして、本実施形態におけるゲームシステムでは、複数のカードを組み合わせて、性能パラメータやメカ機構制御パラメータを設定することができるので、個々のカードから読み出されるデータのみからは得られない多様性のあるゲームを実行することができる。
【0068】
また、ゲームモード(レースモード、シミュレーションモード)が異なるゲーム機1の間で、通信対戦(カーレースゲーム)を実行することができるため、例えばレースモードを実行する大人と、操作が容易なシミュレーションモードを実行する子供との間で対戦を実行するなど、ゲームシステムの利用拡大を図ることもできる。
【0069】
なお、前述した説明では、ゲーム機1に2つのカードディスペンサ31a,31bを設けた構成としているが、3つ以上設ける構成としても良い。
【0070】
また、ゲーム機1には複数のカードリーダ8a,8bが設けられているが、それぞれ異なる方式でカードに記録されたデータを読み取る機能が設けられているようにしても良い。例えば、カードリーダ8aは、バーコードやQRコードを光学的に読み取り、カードリーダ8bは、カードに埋め込まれたICタグから近距離通信によりデータを読み取る。この場合、ゲーム機1は、異なる方式でデータが記録されたカードを混在させてゲームに利用することができる。
【0071】
また、前述した実施の形態では、ゲーム機1によりカーレースゲームを実行するものとして説明しているが、他のゲームを実行するゲーム機に本発明を適用することも可能である。例えば、ゲーム空間中で動作するオブジェクト(昆虫、恐竜、人物、戦闘用機械、各種キャラクタなど)が対戦するゲームにおいて、オブジェクトのゲーム空間における性能(能力)を複数のカードの組み合わせによって設定することができる。また、複数のゲーム機1の間で通信対戦する場合に、プレイヤによる操作に応じてオブジェクトを動作させるゲームモードと、カードの組み合わせによって設定された性能パラメータに従って、予め決められたアルゴリズムによって動作させるシミュレーションモードにおいて、それぞれ動作するオブジェクトを対戦させることが可能となる。
【0072】
また、前述した説明では、ゲームが実行された場合に、カードディスペンサ31a,31bからカードを排出してプレイヤに提供するとしているが、ゲーム機1をカード販売機(カードベンダー)として使用できるようにしても良い。例えば、ハンドル5とボタン6の操作によって(あるいは他の操作系を使用しても良い)カード購入の要求を入力し、コイン投入口9からカード購入分のコインを投入することで、カードディスペンサ31a,31bからカードが排出されるようにする。ゲーム機1には複数のカードディスペンサ31a,31bが設けられているため、購入者が何れかを選択できるようにしても良い。
【0073】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0074】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本実施形態におけるゲーム機1(1−1,1−2,…,1−n)を用いたゲームシステムの構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態におけるゲーム機1(1−1,1−2)の外観構成を示す図。
【図3】ゲーム機1における機能構成を示すブロック図。
【図4】本実施形態におけるカードデータベース41のデータ構成を示す図。
【図5】本実施形態における入力機構制御データ42のデータ構成を示す図。
【図6】本実施形態におけるゲーム機1において実行されるゲーム処理を説明するためのフローチャート。
【図7】ゲームモード選択画面の一例を示す図。
【図8】本実施形態におけるレースモードが選択された場合のゲーム実行制御処理について説明するためのフローチャート。
【図9】ドライバーズビューによる画面の一例を示す図。
【図10】本実施形態におけるシミュレーションモードが選択された場合のゲーム実行制御処理について説明するためのフローチャート。
【図11】クオータービューによる画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0076】
1(1−1,1−2,…,1−n)…ゲーム機、2…通信ケーブル、4…ディスプレイ、5…ハンドル、6…ボタン、7…スピーカ、8(8a,8b)…カードリーダ、9…コイン投入口、10…カード払い出し口、11…ブレーキペダル、12…アクセルペダル、20…CPU、21…RAM、22…ROM、23…HDD、24…通信ユニット、25…メカ機構制御ユニット、26…表示制御ユニット、27…音声制御ユニット、28…入出力制御ユニット、30…コイン検知センサ、31(31a,31b)…カードディスペンサ、32…ハンドルセンサ、33…アクセルペダルセンサ、34…ブレーキペダルセンサ、41…カードデータベース、42…入力機構制御データ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードに記録されたデータを利用してゲームを実行するゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、カードに記録されたデータを利用してゲームを実行する各種のゲーム装置が開発されている(例えば特許文献1,2)。
【0003】
特許文献1に記載されたカードゲーム装置では、カードをプレイフィールド上に並べることによりカードの裏面に記憶されたカードデータを自動的に読み取って、プレイフィールド上に載置されたカードデータの組合せに応じたゲーム内容で所定のビデオゲームを進行させるよう構成されている。例えば、サッカーゲームを実行する場合、カードには選手のスキル及び過去のゲーム結果が記憶されている。
【0004】
また、特許文献2に記載されたゲームシステムは、アクセル、シフトレバー、ブレーキ、ハンドルなどの操作部への操作により実行されるレースゲームを実行する。特許文献2のゲームシステムでは、ゲーム処理中の例えばハンドル、アクセル、ブレーキ、車の位置、速度などのプレイヤデータをカード(磁気カード)に記録し、このプレイデータを分析して次回のゲームのプレイ時に、どのタイミングで具体的にどのように操作するかアドバイスを作成して表示するよう構成されている。
【特許文献1】特開2002−301264号公報
【特許文献2】特開2006−141665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたカードゲーム装置では、カードに選手の個々のデータが記録されており、各カードから読み出されるデータ(個人パラメータ)をもとにゲームを実行している。従って、複数枚のカードを組み合わせて使用しても、使用するカードの種類によってゲームに及ぼす影響を予想することができるものとなっていた。すなわち、複数枚のカードをどのように組み合わせても、ユーザが意図しないゲーム状況が展開されることはないためゲームの多様性が乏しいものとなっていた。
【0006】
また、特許文献2に記載されたゲームシステムは、カードからプレイヤ認識用のデータの他、ゲーム中にアドバイスを表示するためのプレイヤデータを読み出すことができるだけであり、カードに記録されたデータによってゲームの実行状況を変化させることができなかった。
【0007】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、複数のカードに記録されたデータの組み合わせにより、個々のカードから読み出されるデータのみからは得られない多様性のあるゲームを実行することが可能なゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、プレイヤにより操作されるハンドルと、前記ハンドルに対する操作に応じて、ゲーム空間中でオブジェクトを移動させるゲームを制御するゲーム制御手段と、カードに記録されたデータを読み取るカード読み取り手段と、前記カード読み取り手段によって複数の前記カードから読み取られたデータの組み合わせに基づいて、前記ゲーム空間における前記オブジェクトの性能を設定する性能設定手段とを具備し、前記ゲーム制御手段は、前記性能設定手段により設定された性能に基づいて、前記ハンドルに対する操作に応じて前記ゲーム空間中で前記オブジェクトを移動させることを特徴とする。
【0009】
また、前記ハンドルの操作に対する反動を制御する反動制御機構と、前記カード読み取り手段によって前記カードから読み取られたデータに基づいて、前記反動操作機構を制御するための制御パラメータを設定する機構制御パラメータ設定手段とをさらに具備したことを特徴とする。
【0010】
また、前記機構制御パラメータ設定手段は、前記カード読み取り手段によって複数の前記カードから読み取られたデータの組み合わせに基づいて、前記制御パラメータを設定することを特徴とする。
【0011】
また、データが記録された複数のカードを収納し、1枚ごとに排出するカード供給手段と、前記ゲーム制御手段によって制御されたゲームのゲーム結果に応じて、前記カード供給手段からカードを排出させるカード供給制御手段とをさらに具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プレイヤにより操作されるハンドルが設けられたゲーム装置において、複数のカードに記録されたデータの組み合わせに基づいて、ハンドル操作に応じて制御されるオブジェクトの性能を設定することができるので、任意のカードの組み合わせにより多様なゲーム性を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、本実施形態におけるゲーム機1(1−1,1−2,…,1−n)を用いたゲームシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態におけるゲーム機1は、ゲームセンターなどに設置される業務用として構成されたもので、例えばカーレースゲームを実行する。図1に示すゲームシステムでは、複数のゲーム機1−1,1−2,…,1−nが相互に通信ケーブル2を介して接続されている。ゲーム機1−1,1−2,…,1−nは、それぞれがゲーム処理を実行することで、ゲーム空間で動作するオブジェクト(例えばカーレースを実行する自動車)のゲーム空間における位置などを示す動作データを相互に送受信することで対戦(レース)を実行することができる。
【0015】
ゲーム機1−1,1−2,…,1−nでは、個々のプレイヤによる選択操作によって、複数のゲームモードから何れかを選択して実行することができる。本実施形態におけるゲーム機1では、例えばレースモードとシミュレーションモードが用意されている。レースモードは、ゲーム機1に設けられた操作系(ハンドルなど)に対するプレイヤの操作に応じて、オブジェクトをゲーム空間中で動作させるモードである。シミュレーションモードは、予め決められたアルゴリズム(ゲームプログラム)に従って、オブジェクトをゲーム空間中で動作させるモードである。本実施形態におけるゲームシステムでは、複数のゲーム機1−1,1−2,…,1−nにおいて異なるゲームモードが選択された場合であっても、異なるゲームモードにおいて動作するオブジェクトによる対戦(レース)を実行することができる。
【0016】
なお、図1に示す構成では、複数のゲーム機1−1,1−2,…,1−nが、通信ケーブル2を介して、直接、相互に接続されているが、例えばゲーム機1−1,1−2,…,1−nを制御するサーバ装置を通じて、相互に接続される構成とすることもできる。
【0017】
図2は、本実施形態におけるゲーム機1(1−1,1−2)の外観構成を示す図である。
図2に示すように、ゲーム機1の筐体上部の前面には、ディスプレイ4が設けられている。ディスプレイ4の前方には、操作パネルが設けられており、プレイヤにより操作されるハンドル5やボタン6が取り付けられている。プレイヤは、ディスプレイ4に表示されたゲーム空間を表す画面を見ながらハンドル5やボタン6を操作することができる。また、筐体上部の前面には、ゲーム処理中の効果音やBGM(back ground music)などを出力するためのスピーカ7が設けられている。さらに、操作パネルの上面部には、カードリーダ8a,8bが設けられている。カードリーダ8a,8bは、ゲーム機1で利用されるカードに記録されたデータを読み取る。カードリーダ8a,8bは、どのような方式によってデータを読み取るものであっても良く、例えばバーコードやQR(Quick response)コードを光学的に読み取る方式、カードに貼り付けられた磁気テープに記録されたデータを読み取る方式、カードに埋め込まれたICタグ(RFID(Radio Frequency Identification))から近距離通信によりデータを読み取る方式などを用いることができる。その他の方式を用いても良い。カードリーダ8a,8bは、例えばカードが表面に接触されることにより、カードに記録されたデータを読み取り、入出力制御ユニット28を通じてCPU20に出力する。
【0018】
筐体下部の前面には、プレイ料金のコインを投入するためのコイン投入口9、プレイヤに対して提供するカードが排出されるカード払い出し口10が設けられている。また、筐体下部には、ブレーキペダル11、アクセルペダル12が設けられている。プレイヤは、ゲーム実行時に、ハンドル5、ブレーキペダル11、アクセルペダル12を操作することによって、カーレースゲームにおいてゲーム空間中の車を操作することができる。
【0019】
図3は、ゲーム機1における機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、ゲーム機1には、CPU20、RAM21、ROM22、HDD23、通信ユニット24、メカ機構制御ユニット25、表示制御ユニット26、音声制御ユニット27、入出力制御ユニット28が設けられている。
【0020】
CPU20は、RAM21あるいはROM22に記憶されたプログラムを実行することにより各種機能を実現して、ゲーム機全体を制御する。本実施形態では、CPU20は、ゲーム処理プログラムを実行することでカーレースゲームを実行する。本実施形態におけるゲーム処理では、複数のゲーム機1との間でカーレース(通信対戦)を実行することができる。
【0021】
RAM21、ROM22は、プログラムや各種データを記憶する。HDD23は、各種プログラムやデータなどを記録するもので、記憶されたプログラムやデータが必要に応じて読み出されてRAM21に記憶される。また、HDD23には、本実施形態におけるゲーム処理で利用されるカードデータベース41(図4参照)、入力機構制御データ42(図5参照)が記憶されている。
【0022】
通信ユニット24は、CPU20の制御のもとで、通信ケーブル2を介して接続された他のゲーム機1との間の通信を制御する。
【0023】
メカ機構制御ユニット25(反動制御機構)は、CPU20の制御のもとで、ゲーム機1に設けられた操作系、すなわちハンドル5、ブレーキペダル11、及びアクセルペダル12に対するプレイヤの操作に対する反動(反力)を制御する機構である。例えば、メカ機構制御ユニット25は、ハンドル5を操作(回転)させる場合の固さを制御し、ブレーキペダル11及びアクセルペダル12を踏み込むときの固さ(及び深さ)を制御する。メカ機構制御ユニット25は、例えばカードリーダ8a,8bによってカードから読み取られたデータに応じて制御される。
【0024】
表示制御ユニット26は、CPU20の制御のもとで、ディスプレイ4においてゲーム空間を表現する画面を表示するための制御を実行する。音声制御ユニット27は、CPU20の制御のもとで、スピーカ7からゲーム処理中の効果音やBGMなどを出力させる。
【0025】
入出力制御ユニット28は、ゲーム機1に設けられた各種機器との間のデータ入出力を制御する。入出力制御ユニット28には、コイン検知センサ30、カードリーダ8a,8b、カードディスペンサ31a,31b、ボタン6が接続されている。
【0026】
コイン検知センサ30は、コイン投入口9から投入されたコインを検知して、入出力制御ユニット28を通じてCPU20に通知する。
【0027】
カードディスペンサ31a,31bは、CPU20の制御のもとで実行されたゲーム処理の結果に応じて、プレイヤに対して提供するカードをカード払い出し口10から排出させる。カードディスペンサ31a,31bには、複数枚のカードが予め収納されており、例えば最上部にあるカードから順番に排出される。カードディスペンサ31a,31bには、それぞれ異なるカードが収納されており、例えばゲーム結果に応じてCPU20からの指示によって何れかが選択されてカードを排出するものとする。なお、1つのカードディスペンサ31を設けた構成とすることも勿論可能である。カードディスペンサ31a,31bに収納されるカード(パーツカード)には、カードの種類(例えば、車種や車のパーツに対応する)に応じた印刷が施されている他、ゲーム機1においてカーレースを実行する際の制御に用いられるデータが記録されている。カードに記録されるデータには、カードの種類を識別するためのカード種類データ、パーツを識別するためのパーツデータなどが含まれているものとする。
【0028】
図4は、本実施形態におけるカードデータベース41のデータ構成を示す図である。
図4に示すように、カードデータベース41では、複数種類のカードから読み出されたデータの組み合わせに応じた性能パラメータが設定されている。性能パラメータは、ゲーム空間において車を動作させるときの性能を定義するもので、例えば最高速度、加速度、コーナリング性能、ブレーキ性能、…などを変化させるパラメータである。ゲーム処理では、性能パラメータに基づいて、操作系(ハンドル5、ブレーキペダル11、アクセルペダル12)に対する操作に応じてゲーム空間中で車(オブジェクト)を移動させる(レースモードの場合)。
【0029】
本実施形態におけるゲーム機1で使用されるカードには、カーレースゲーム中で使用する車の「車種」を示すカードの他に、車の性能を変化させることができる車のパーツのカードが用いられる。車のパーツとしては、「タイヤ」「ウィング」「ノーズ」「エンジン」「コンピュータ」…などがある。車種や各パーツのカードには、それぞれ複数種類のカードが用意されており、それぞれ異なるデータ(パーツデータ)が記録されている。なお、「アクション」を示すカードには、カーレース中に実行可能な特殊な動作を表すデータが記録されている。例えば、瞬間的にスピードを上げることができる「ニトロ」、レース中に他の車の走行を妨害する「妨害」などの各種のカードを使用することができる。これらの「アクション」を示すカードについても、1つの種類について複数の異なるデータが記録されたカードが用意されているものとする。
【0030】
性能パラメータは、各種類のカードに記録されたデータに対応して設定される他、複数種類のカードの組み合わせに対応して設定される。例えば、「車種」のカードについては、この種類に含まれる複数の異なるカードのデータのそれぞれに対応する性能パラメータが設定され、同様にして、「タイヤ」のカードについては、この種類に含まれる複数の異なるカードのそれぞれに対応する性能パラメータが設定される。また、複数種類のカードの組み合わせでは、全ての種類のカードが含まれていなくてもよく、例えば「車種、タイヤ、ウィング、ノーズ」、「タイヤ、エンジン」の組み合わせなど、カードの種類の合計が異なる全ての組み合わせのそれぞれについて、性能パラメータが設定されているものとする。
【0031】
性能パラメータは、組み合わせたカードの種類が多いほど性能を上げるようになっていない。性能パラメータは、複数のカードから読み出されるデータを単純に加算することで決定されるものではなく、カードの組み合わせに応じて決定される。従って、同じ種類のカードの組み合わせであっても、各種類のカードが異なっていれば異なる性能パラメータが設定される。また、組み合わせるカードの種類の数が多いほど性能を向上させる性能パラメータが設定されているわけではなく、少ない種類のカードを組み合わせた方が性能を向上させる性能パラメータが設定されている場合もある。
【0032】
つまり、実際の車の性能を向上させる場合と同様にして、車に使用する複数のパーツの組み合わせが良好であれば性能を向上し、同じ種類のパーツを使用していても他のパーツとのバランスが悪ければ性能を低下させるように、性能パラメータが設定されているものとする。
【0033】
図5は、本実施形態における入力機構制御データ42のデータ構成を示す図である。
図5に示すように、入力機構制御データ42では、複数枚のカード1,2,3…から読み出されたデータの組み合わせに応じたメカ機構制御パラメータが設定されている。メカ機構制御パラメータは、メカ機構制御ユニット25により操作系に対するプレイヤの操作に対する反動(反力)を制御するためのデータである。
【0034】
入力機構制御データ42において設定される複数のカード1,2,3…は、性能パラメータを設定するために用いられる前述したパーツカード(「車種」「タイヤ」「ウィング」「ノーズ」「エンジン」「コンピュータ」…)としても良いし、メカ機構制御パラメータ設定用のカードとしても良い。
【0035】
例えば、パーツカードを利用する場合には、複数のカードの組み合わせによって設定した車の性能(性能パラメータ)に応じて、プレイヤが操作系を操作できるように制御できる。この場合、入力機構制御データ42に設定される複数のカード1,2,3…は、カードデータベース41において設定される複数種類のカードの組み合わせと同じとなる。
【0036】
また、メカ機構制御パラメータ設定用のカードを利用する場合には、例えば、プレイヤが力の弱い子供や女性、年配者などが操作系に対する操作を容易にするための専用のカードを用意することで、プレイヤが要求する操作感覚で操作系を操作できるように制御できる。この専用のカードには、ハンドル用、ペダル用の複数種類のカードが用意されていても良い。また、反動(反力)の大きさを調整することができるように、同じ種類のカード(例えばハンドル用)に異なる操作レベル(反力の大きさなど)に応じたデータが記録された複数のカードが用意されていても良い。
【0037】
次に、本実施形態におけるゲーム機の動作について説明する。
図6は、本実施形態におけるゲーム機1において実行されるゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
ここでは、説明を簡単にするために、図2に示すゲーム機1−1がゲーム機1−2との間で通信対戦(カーレースゲーム)を実行する場合を想定して説明する。
【0038】
ゲーム機1−1は、コイン投入口9からコインが投入され、コイン検知センサ30により検出されるとゲーム処理を開始する。すなわち、CPU20は、RAM21(あるいはROM22)に記憶されたゲーム処理プログラムを実行する。
【0039】
まず、CPU20は、他のゲーム機1−2との間で通信対戦(カーレースゲーム)を実行するための対戦設定処理を行う(ステップA1)。CPU20は、通信ユニット24を介してゲーム機1−2と通信し、カーレースゲームの対戦設定を行う。
【0040】
次に、CPU20は、カーレースゲームで使用するカードのデータ読み取りをプレイヤにより実行させるために、カード入力メッセージをディスプレイ4において表示させる。例えば「パーツカードをスキャンしよう!」のメッセージを表示させる。CPU20は、カードリーダ8a,8bによるカード読み取りが可能な状態にする。
【0041】
ここで、プレイヤは、任意の種類(パーツ)のカードを組み合わせて、カードのデータ読み取りを実行させることができる。カードリーダ8a,8bは、プレイヤによってカードがデータ読み取り位置に接触されることで、カードに記録されているデータを読み取る(ステップA3、Yes)。CPU20は、カードリーダ8a,8bによって読み取られたデータを、一時、RAM21に記憶させておく(ステップA4)。CPU20は、カード入力の終了がプレイヤによる操作により指示されるまで、前述と同様にして、カードリーダ8a,8bに接触されるカードからのデータ読み取りを繰り返して実行する(ステップA3〜A5)。
【0042】
カード読み取り終了が指示されると(ステップA5、Yes)、CPU20は、RAM21に一時記憶されたデータに対応する性能パラメータを、カードデータベース41から読み出して設定する(ステップA6)。すなわち、CPU20は、カードから読み取られたカード種類データとパーツデータに一致するデータをカードデータベース41から検索し、該当するデータに対応する性能パラメータを読み出す。複数のカードから読み取られたデータが一時記憶されている場合には、複数のカード種類データとパーツデータの組み合わせに該当するデータを検索して、同様にして対応する性能パラメータを読み出す。
【0043】
次に、CPU20は、RAM21に一時記憶されたデータに対応するメカ機構制御パラメータを、入力機構制御データ42から読み出して設定する(ステップA7)。例えば、性能パラメータを設定するために用いられるパーツカードをメカ機構制御パラメータの設定にも利用する場合には、CPU20は、カードから読み取られたカード種類データとパーツデータに一致するデータを入力機構制御データ42から検索し、該当するデータに対応するメカ機構制御パラメータを読み出す。複数のカードから読み取られたデータが一時記憶されている場合には、複数のカード種類データとパーツデータの組み合わせに該当するデータを検索して、同様にして対応するメカ機構制御パラメータを読み出す。また、メカ機構制御パラメータ設定用のカードが使用される場合には、RAM21に一時記憶されたデータのうち、メカ機構制御パラメータ設定用のカードを示すカード種類データと共にカードから読み出されたデータのみを対象とする。
【0044】
次に、CPU20は、ゲームモードをプレイヤによって選択させるために、ゲームモード選択画面を、表示制御ユニット26を通じてディスプレイ4において表示させる(ステップA8)。図7には、ゲームモード選択画面の一例を示している。図7に示すゲームモード選択画面には、レースモードを選択するための「ドライバーズチャレンジ」と、シミュレーションモードを選択するための「マシンテスト」の2つの選択肢が設けられている。
【0045】
ここで、プレイヤは、例えばハンドル5を操作することで「ドライバーズチャレンジ」と「マシンテスト」の何れかを選択することができる。例えば、左側にハンドル5を回転させた状態でボタン6を押すことで「ドライバーズチャレンジ」を選択することができ、またハンドル5を右側に回転させた状態でボタン6を押すことで「マシンテスト」を選択することができる。
【0046】
こうして、ゲームモードを選択する指示が入力されると(ステップA9)、CPU20は、ゲーム開始待ち状態となる。ここで、対戦相手とするゲーム機1−2においても対戦待ち状態となるか、あるいは予め決められた時間が経過すると、CPU20は、先に選択されたゲームモードにおけるゲーム実行制御処理を実行する(ステップA11)。ゲーム実行制御処理には、レースモードが選択された場合と、シミュレーションモードが選択された場合がある。
【0047】
まず、レースモードが選択された場合のゲーム実行制御処理について、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
CPU20は、レースモードにおけるゲーム空間を表すドライバーズビューによる画面、すなわちプレイヤが車に搭乗している時に見える風景を模した画面を表示する(ステップB1)。図9には、ドライバーズビューによる画面の一例を示している。図9に示す画面例では、プレイヤが搭乗している車(プレイヤーズカー)の一部(車の先端部)と共に、対戦相手(ゲーム機1−2のプレイヤ)の車をゲーム空間における位置関係に応じて表示する。
【0048】
レースモードの場合、CPU20は、ハンドル5、ブレーキペダル11、及びアクセルペダル12に対するプレイヤによる入力操作を検知して、ゲーム空間中で車を動作させる。すなわち、CPU20は、入出力制御ユニット28を介して、ハンドルセンサ32、アクセルペダルセンサ33、ブレーキペダルセンサ34によって検知された、それぞれの操作系に対する操作量を示すデータを入力する(ステップB2)。そして、各センサ32,33,34によって検知された操作量に応じて、ゲーム空間において走行させる車(プレイヤーズカー)の動作を、カードを用いて予め設定されている性能パラメータに従い演算する(ステップB3)。なお、車(プレイヤーズカー)の動作だけでなく、車(プレイヤーズカー)の動作に伴って変化する他のオブジェクトが存在する場合には、他のオブジェクトの動作についても同時に演算が実行されるものとする。
【0049】
CPU20は、演算結果とする動作データを、通信ユニット24を通じて対戦相手のゲーム機1−2に対して送信する(ステップB4)。また、CPU20は、ゲーム機1−2から対戦相手とするオブジェクトのゲーム空間中における動作を示す動作データ(位置データなど)を受信する(ステップB5)。
【0050】
なお、ゲーム機1−1とゲーム機1−2との間で送受信される動作データは、ゲームシステムに含まれる全てのゲーム機1−1,1−2,…,1−nにおいて共有されているゲーム空間で定義されるデータとする。従って、相互に動作データを送受信することによって、対戦相手のゲーム空間における動作(変化)を把握することができる。また、対戦相手のゲームモードがレースモードとシミュレーションモードの何れの場合であっても、同じ形式の動作データが送受信されるものとする。
【0051】
CPU20は、対戦相手とするオブジェクトについての動作データを受信すると、自車(プレイヤーズカー)についての動作データとを統合し、ゲーム空間における相互の位置関係を設定する。そして、ドライバーズビューによる画面を生成してディスプレイ4において表示させる(ステップB6)。
【0052】
CPU20は、カーレースゲームが終了するまで、前述したレースモードにおけるゲーム実行制御処理を実行する(ステップA12、No)。
【0053】
次に、シミュレーションモードが選択された場合のゲーム実行制御処理について、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
CPU20は、シミュレーションモードにおけるゲーム空間を表すクオータービューによる画面、すなわちレースをしている車を俯瞰して見える風景を模した画面を表示する(ステップC1)。図11には、クオータービューによる画面の一例を示している。図10に示す画面例では、カーレースが実行されるコースと共に、コース上を走行する自車(PLAYER1)と対戦相手(ゲーム機1−2のプレイヤ)の車(PLAYER2)をゲーム空間における位置関係に応じて表示する。また、シミュレーションモード時の画面には、レースの実行中にプレイヤが選択可能なコマンドが表示される。図11に示す例では、「ペースを保て」「追い越せ」「ピットに入れ」のコマンドが表示されている。
【0054】
シミュレーションモードの場合、CPU20は、オブジェクト(PLAYER1の車)の動作を、予め決められたアルゴリズムによって演算する(ステップC2)。この時、カードを用いて予め設定されている性能パラメータに従って動作するように演算を実行する。つまり、シミュレーションモードでは、プレイヤによる操作系に対する入力操作を必要とせずに、PLAYER1の車をコース上で自動的に走行させる。
【0055】
オブジェクトを動作させるためのアルゴリズムは、例えばコースの直線部分では性能の範囲で可能な限り速度が高くなるようにオブジェクトの位置を変化させ、カーブの手前では確実にコースを通過できるようにブレーキをかけて減速し、理想的なラインでコースを通過するようにオブジェクトの位置を変化させる。ブレーキを掛けるタイミングは、性能パラメータが示すブレーキ性能に応じて決定され、例えばブレーキ性能が高ければ遅くなる。また、このアルゴリズムは、対戦相手の車(オブジェクト)をも考慮してPLAYER1の車を動作させる。例えば、衝突しそうな場合には、衝突を回避するためにブレーキを掛けたり、走行位置を変更したりする。
【0056】
CPU20は、演算結果とする動作データを、通信ユニット24を通じて対戦相手のゲーム機1−2に対して送信する(ステップC3)。また、CPU20は、ゲーム機1−2から対戦相手とするオブジェクトのゲーム空間中における動作を示す動作データ(位置データなど)を受信する(ステップC4)。前述したように、ゲーム機1−1とゲーム機1−2との間で送受信される動作データは、ゲームシステムに含まれる全てのゲーム機1−1,1−2,…,1−nにおいて共有されているゲーム空間で定義されるデータである。
【0057】
CPU20は、対戦相手とするオブジェクト(PLAYER2)についての動作データを受信すると、自車(PLAYER1)についての動作データとを統合し、ゲーム空間における相互の位置関係を設定する。そして、クオータービューによる画面を生成してディスプレイ4において表示させる(ステップC5)。なお、PLAYER1とPLAYER2との距離が離れた場合には、PLAYER1の車が画面の中央で表示されるようにクオータービューによる画面を生成するものとする。
【0058】
シミュレーションモードでは、基本的には予め決められたアルゴリズムに従いオブジェクトを自動的に動作させるが、画面中に表示されたコマンドを選択することで特定の動作の実行を指示することができる。画面中に表示されたコマンドは、例えばハンドル5とボタン6に対する操作によって選択することができる。
【0059】
CPU20は、ハンドル5とボタン6に対する操作によって何れかのコマンドがプレイヤによって選択されると(ステップC6、Yes)、そのコマンドによる動作指示に応じた予め決められたアルゴリズムによってオブジェクト(PLAYER1の車)の動作を演算して決定する。
【0060】
例えば、プレイヤは、PLAYER1の車が対戦相手のPLAYER2の車に近づいた時に「追い越せ」のコマンドを選択したものとする。この場合、PLAYER1の車を瞬間的に加速させて、PLAYER2の車より先行させた後にペースを元に戻すようにする。
【0061】
なお、図11に示す例では、3つのコマンドのみを示しているが、その他にも例えば「ペースを上げろ」「ペースを下げろ」「ブロックしろ」など多数のコマンドを用意しておくことができる。また、全てのコマンドを常時画面中に表示しておいても良いし、レース状況に応じて選択可能なコマンドのみを表示するようにしても良い。
【0062】
このように、ゲーム実行制御処理では、カーレースが終了するまで、プレイヤにより選択されたゲームモード(レースモード、シミュレーションモード)によって、ゲーム空間におけるオブジェクト(車)の動作を制御する(ステップA11,A12)。本実施形態におけるゲームシステムでは、対戦相手が何れのゲームモードによって動作が制御されているか関係なく、それぞれのゲームモードにおいて演算されたオブジェクトの動作を表す動作モードを相互に送受信することによって対戦(カーレースゲーム)を実行することができる。
【0063】
こうして、ゲーム機1−2との間のカーレースゲームが終了すると(ステップA12、Yes)、CPU20は、ゲーム結果に応じて、カードディスペンサ31a,31bからカードを排出させる(ステップA13)。カードディスペンサ31a,31bにより排出されたカードは、カード払い出し口10を通じてプレイヤに提供される。
【0064】
ゲーム結果に応じてカードを排出する方法としては、例えばカーレースによって対戦相手に勝った場合(第1位となった場合)に排出したり、順位に応じた枚数を排出するようにしても良い。また、本実施形態におけるゲーム機1には、複数のカードディスペンサ31a,31bが設けられているため、順位に応じて何れかを選択して排出されるカードを切り替えるようにしても良い。
【0065】
また、ICタグが埋め込まれたカードを使用する場合には、このICタグの記憶領域(メモリ)にデータを書き込む機構をカードディスペンサ31a,31bに設けて、ゲーム結果に応じたデータを記録した後に排出するようにしても良い。例えば、ゲームに勝った場合には、複数のカードの組み合わせにより設定された性能パラメータ(メカ機構制御パラメータ)を示すデータを書き込んだり、組み合わせた複数のカードの種類を記録するようにしても良い。この1枚のカードに記録されたデータを、ゲーム機1のカードリーダ8a,8bから読み込ませることで、複数のカードを読み込ませた場合と同じ性能パラメータ(メカ機構制御パラメータ)を設定できるようにする。
【0066】
また、バーコードやQRコードを印刷する機能をカードディスペンサ31a,31bに設けて、前述したようなゲーム結果に応じたコードを印刷した後に排出するようにしても良い。
【0067】
このようにして、本実施形態におけるゲームシステムでは、複数のカードを組み合わせて、性能パラメータやメカ機構制御パラメータを設定することができるので、個々のカードから読み出されるデータのみからは得られない多様性のあるゲームを実行することができる。
【0068】
また、ゲームモード(レースモード、シミュレーションモード)が異なるゲーム機1の間で、通信対戦(カーレースゲーム)を実行することができるため、例えばレースモードを実行する大人と、操作が容易なシミュレーションモードを実行する子供との間で対戦を実行するなど、ゲームシステムの利用拡大を図ることもできる。
【0069】
なお、前述した説明では、ゲーム機1に2つのカードディスペンサ31a,31bを設けた構成としているが、3つ以上設ける構成としても良い。
【0070】
また、ゲーム機1には複数のカードリーダ8a,8bが設けられているが、それぞれ異なる方式でカードに記録されたデータを読み取る機能が設けられているようにしても良い。例えば、カードリーダ8aは、バーコードやQRコードを光学的に読み取り、カードリーダ8bは、カードに埋め込まれたICタグから近距離通信によりデータを読み取る。この場合、ゲーム機1は、異なる方式でデータが記録されたカードを混在させてゲームに利用することができる。
【0071】
また、前述した実施の形態では、ゲーム機1によりカーレースゲームを実行するものとして説明しているが、他のゲームを実行するゲーム機に本発明を適用することも可能である。例えば、ゲーム空間中で動作するオブジェクト(昆虫、恐竜、人物、戦闘用機械、各種キャラクタなど)が対戦するゲームにおいて、オブジェクトのゲーム空間における性能(能力)を複数のカードの組み合わせによって設定することができる。また、複数のゲーム機1の間で通信対戦する場合に、プレイヤによる操作に応じてオブジェクトを動作させるゲームモードと、カードの組み合わせによって設定された性能パラメータに従って、予め決められたアルゴリズムによって動作させるシミュレーションモードにおいて、それぞれ動作するオブジェクトを対戦させることが可能となる。
【0072】
また、前述した説明では、ゲームが実行された場合に、カードディスペンサ31a,31bからカードを排出してプレイヤに提供するとしているが、ゲーム機1をカード販売機(カードベンダー)として使用できるようにしても良い。例えば、ハンドル5とボタン6の操作によって(あるいは他の操作系を使用しても良い)カード購入の要求を入力し、コイン投入口9からカード購入分のコインを投入することで、カードディスペンサ31a,31bからカードが排出されるようにする。ゲーム機1には複数のカードディスペンサ31a,31bが設けられているため、購入者が何れかを選択できるようにしても良い。
【0073】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0074】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本実施形態におけるゲーム機1(1−1,1−2,…,1−n)を用いたゲームシステムの構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態におけるゲーム機1(1−1,1−2)の外観構成を示す図。
【図3】ゲーム機1における機能構成を示すブロック図。
【図4】本実施形態におけるカードデータベース41のデータ構成を示す図。
【図5】本実施形態における入力機構制御データ42のデータ構成を示す図。
【図6】本実施形態におけるゲーム機1において実行されるゲーム処理を説明するためのフローチャート。
【図7】ゲームモード選択画面の一例を示す図。
【図8】本実施形態におけるレースモードが選択された場合のゲーム実行制御処理について説明するためのフローチャート。
【図9】ドライバーズビューによる画面の一例を示す図。
【図10】本実施形態におけるシミュレーションモードが選択された場合のゲーム実行制御処理について説明するためのフローチャート。
【図11】クオータービューによる画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0076】
1(1−1,1−2,…,1−n)…ゲーム機、2…通信ケーブル、4…ディスプレイ、5…ハンドル、6…ボタン、7…スピーカ、8(8a,8b)…カードリーダ、9…コイン投入口、10…カード払い出し口、11…ブレーキペダル、12…アクセルペダル、20…CPU、21…RAM、22…ROM、23…HDD、24…通信ユニット、25…メカ機構制御ユニット、26…表示制御ユニット、27…音声制御ユニット、28…入出力制御ユニット、30…コイン検知センサ、31(31a,31b)…カードディスペンサ、32…ハンドルセンサ、33…アクセルペダルセンサ、34…ブレーキペダルセンサ、41…カードデータベース、42…入力機構制御データ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤにより操作されるハンドルと、
前記ハンドルに対する操作に応じて、ゲーム空間中でオブジェクトを移動させるゲームを制御するゲーム制御手段と、
カードに記録されたデータを読み取るカード読み取り手段と、
前記カード読み取り手段によって複数の前記カードから読み取られたデータの組み合わせに基づいて、前記ゲーム空間における前記オブジェクトの性能を設定する性能設定手段とを具備し、
前記ゲーム制御手段は、前記性能設定手段により設定された性能に基づいて、前記ハンドルに対する操作に応じて前記ゲーム空間中で前記オブジェクトを移動させることを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記ハンドルの操作に対する反動を制御する反動制御機構と、
前記カード読み取り手段によって前記カードから読み取られたデータに基づいて、前記反動操作機構を制御するための制御パラメータを設定する機構制御パラメータ設定手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のゲーム機。
【請求項3】
前記機構制御パラメータ設定手段は、前記カード読み取り手段によって複数の前記カードから読み取られたデータの組み合わせに基づいて、前記制御パラメータを設定することを特徴とする請求項2記載のゲーム機。
【請求項4】
データが記録された複数のカードを収納し、1枚ごとに排出するカード供給手段と、
前記ゲーム制御手段によって制御されたゲームのゲーム結果に応じて、前記カード供給手段からカードを排出させるカード供給制御手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のゲーム機。
【請求項1】
プレイヤにより操作されるハンドルと、
前記ハンドルに対する操作に応じて、ゲーム空間中でオブジェクトを移動させるゲームを制御するゲーム制御手段と、
カードに記録されたデータを読み取るカード読み取り手段と、
前記カード読み取り手段によって複数の前記カードから読み取られたデータの組み合わせに基づいて、前記ゲーム空間における前記オブジェクトの性能を設定する性能設定手段とを具備し、
前記ゲーム制御手段は、前記性能設定手段により設定された性能に基づいて、前記ハンドルに対する操作に応じて前記ゲーム空間中で前記オブジェクトを移動させることを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記ハンドルの操作に対する反動を制御する反動制御機構と、
前記カード読み取り手段によって前記カードから読み取られたデータに基づいて、前記反動操作機構を制御するための制御パラメータを設定する機構制御パラメータ設定手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のゲーム機。
【請求項3】
前記機構制御パラメータ設定手段は、前記カード読み取り手段によって複数の前記カードから読み取られたデータの組み合わせに基づいて、前記制御パラメータを設定することを特徴とする請求項2記載のゲーム機。
【請求項4】
データが記録された複数のカードを収納し、1枚ごとに排出するカード供給手段と、
前記ゲーム制御手段によって制御されたゲームのゲーム結果に応じて、前記カード供給手段からカードを排出させるカード供給制御手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のゲーム機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−104585(P2008−104585A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288886(P2006−288886)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】
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