説明

ゲーム画像表示制御プログラム、ゲーム装置及びゲーム画像表示制御方法

【課題】仮想カメラを2台設け、大画面と小画面とでゲーム画像を表示し、所定の特別ゲーム状況によって画面切替を行うことで、ゲーム状況の全体を把握しつつ詳細場面を拡大表示する。
【解決手段】ゲーム装置は、ゲーム空間に配置された第1の仮想カメラにより得られるゲーム画像をモニタ21のメイン画面211に表示すると共に、ゲーム空間に配置された第2の仮想カメラにより得られるゲーム画像をメイン画面211の一部のサブ画面212に重畳表示する画像表示制御部103と、ゲームにおける複数の特別のゲーム状況の発生条件を記憶するバッファ14と、コントローラ19からの操作に基づいて、特別ゲーム状況発生条件が生じたか否かを判断する特別ゲーム状況発生判断部107と、判断部107によって特別ゲーム状況発生条件が生じたと判断されると、その間、メイン画面211とサブ画面212の切り替えを行う画面切替制御部108とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示器にゲーム画像を表示し、それぞれの操作部材からの操作を受け付けてゲームの進行を行わせるゲーム画像の表示制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム空間をモニタに表示し、両遊技者(プレイヤ)がゲーム空間を観察しながら各自の操作部材を操作することによって、野球等を模した対戦ゲームを行うようにしたゲーム装置が知られている。野球ゲームでは、基本画面として、仮想カメラがホームベース後方の捕手の位置に配置され、視線が投球マウンド方向に向けられている。これによって、仮想カメラは、投手が投じるボールを打者がバットを振って打ち返す場面を映す。ところで、仮想カメラの視野枠は、臨場感を醸し出すべく、投球マウンドを中心に60°程度に設定されている。そして、打撃後は、打球を中心にして、守備側の動きが映るように、仮想カメラは上方に移動させられ、打球の補足から所定の塁への返球の状況を俯瞰しうるように位置及び視線方向が制御されている。
【0003】
一方、基本画面では一塁、三塁は視野枠外であるため、特許文献1に示すように、一塁、三塁に走者がいる場合、モニタ画面の左右にミニ画面を設け、走者を静止画像で表示し、走者の有無を守備側のプレイヤに把握し易いようにしている。
【特許文献1】特開2002−233664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のミニ画面は走者の有無を単に示すために、予め準備された走者オブジェクトであるため、プレイヤは走者の動きをリアルに知ることはできない。さらに、近年の野球ゲームは、選手やボールの動きが現実に近いものとなってきていることから、場面によっては詳細に見たいという要求も考えられる。しかし、従来のゲーム装置で、ゲーム空間の一部分を詳細に映すようにすると、視野外の状況が全く把握できなくなって、ゲーム状況に迅速、的確に対処できなくなる可能性がある。
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、仮想カメラを2台設け、いわゆる大画面と小画面とでゲーム画像を表示し、所定の特別ゲーム状況によって画面切替を行うことで、ゲーム状況の全体を把握しつつ詳細場面を拡大表示し得るゲーム画像表示制御プログラム、ゲーム装置及びゲーム画像表示制御方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、操作部材からの操作を受け付けて、ゲーム空間で行われるゲームを表示器に表示されるゲーム画像を用いて行わせるゲーム画像表示制御プログラムにおいて、ゲーム空間に配置された第1の仮想カメラにより得られるゲーム画像を前記表示器の表示画面の実質的に全域となる第1の表示領域に表示すると共に、ゲーム空間に配置された第2の仮想カメラにより得られるゲーム画像を前記第1の表示領域の一部に設定された第2の表示領域に表示する画像表示制御手段、前記ゲームにおける複数の特別のゲーム状況の発生条件を記憶する特別ゲーム状況発生条件記憶手段、前記特別ゲーム状況発生条件が生じたか否かを判断する判断手段、前記判断手段によって前記特別ゲーム状況発生条件が生じたと判断されると、その間、前記第1、第2の表示領域の切り替えを行う画面切替制御手段、としてコンピュータを機能させるものである。
【0007】
請求項5記載の発明は、操作部材からの操作を受け付けて、ゲーム空間で行われるゲームを表示器に表示されるゲーム画像を用いて行わせるゲーム装置において、
ゲーム空間に配置された第1の仮想カメラにより得られるゲーム画像を前記表示器の表示画面の実質的に全域となる第1の表示領域に表示すると共に、ゲーム空間に配置された第2の仮想カメラにより得られるゲーム画像を前記第1の表示領域の一部に設定された第2の表示領域に表示する画像表示制御手段と、前記ゲームにおける複数の特別のゲーム状況の発生条件を記憶する特別ゲーム状況発生条件記憶手段と、前記特別ゲーム状況発生条件が生じたか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記特別ゲーム状況発生条件が生じたと判断されると、その間、前記第1、第2の表示領域の切り替えを行う画面切替制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項6記載の発明は、操作部材からの操作を受け付けて、ゲーム空間で行われるゲームを表示器に表示されるゲーム画像を用いて行わせるゲーム装置のゲーム画像表示制御方法において、前記ゲーム装置の特別ゲーム状況発生条件記憶手段が、前記ゲームにおける複数の特別のゲーム状況の発生条件を記憶しており、前記ゲーム装置の画像表示制御手段が、ゲーム空間に配置された第1の仮想カメラにより得られるゲーム画像を前記表示器の表示画面の実質的に全域となる第1の表示領域に表示すると共に、ゲーム空間に配置された第2の仮想カメラにより得られるゲーム画像を前記第1の表示領域の一部に設定された第2の表示領域に表示し、前記ゲーム装置の判断手段が、前記特別ゲーム状況発生条件が生じたか否かを判断し、前記ゲーム装置の画面切替制御手段が、前記判断手段によって前記特別ゲーム状況発生条件が生じたと判断されると、その間、前記第1、第2の表示領域の切り替えを行うことを特徴とするものである。
【0009】
これらの発明によれば、操作部材を介してプレイヤからの操作を受け付けて、ゲーム空間で行われるゲームが、表示器に表示されるゲーム画像を用いて行われる。上記において、画像表示制御手段によって、ゲーム空間に配置された第1の仮想カメラにより得られるゲーム画像が表示器の表示画面の実質的に全域となる第1の表示領域に表示されると共に、ゲーム空間に配置された第2の仮想カメラにより得られるゲーム画像が、第1の表示領域の一部に設定された第2の表示領域に表示される。また、特別ゲーム状況発生条件記憶手段には、ゲームにおける複数の特別のゲーム状況の発生条件が予め記憶されている。そして、判断手段によって、特別ゲーム状況発生条件が生じたか否かが判断され、判断手段によって前記特別ゲーム状況発生条件が生じたと判断されると、画面切替制御手段によって、その間、前記第1、第2の表示領域の切り替えが行われる。従って、近年の主に野球ゲーム等では、選手やボールの動きが現実に近いものとなってきており、クロスプレイのような判定が微妙である場合とか、ゲームを左右するような感動乃至は醍醐味のある場面のように、より詳細に見たい場面を好適にプレイヤに提示し得る。このように、仮想カメラを2台設け、いわゆる大画面と小画面とでゲーム画像を表示し、所定の特別ゲーム状況によって画面切替を行うことで、ゲーム状況の全体を把握しつつ詳細場面を拡大表示することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のゲーム画像表示制御プログラムにおいて、前記特別ゲーム状況発生条件記憶手段は、前記特別ゲーム状況に対応する所定のシーンの発生条件を記憶するシーン発生条件記憶手段と、前記所定のシーンが発生する前提となるイベントの発生条件を記憶するイベント発生条件記憶手段とを備え、前記判断手段は、ゲームにおいて前記所定のイベント発生条件が生じたか否かを、前記イベント発生条件記憶手段に記憶されている発生条件と照合することによって判断するイベント発生判断手段と、前記所定のイベントの発生後、前記シーン発生条件記憶手段に記憶されている発生条件と照合することによって、前記シーン発生条件が生じたか否かを判断するシーン発生判断手段とを備え、前記画像表示制御手段は、前記イベント発生判断手段によって前記所定のイベント発生条件が生じたと判断されると、前記第2の仮想カメラにより得られるゲーム画像の前記第2の表示領域への表示を開始する小画面表示処理手段を備え、前記画面切替制御手段は、前記所定のイベント発生条件に引き続き、前記シーン発生判断手段によって前記所定のシーン発生条件が生じたと判断されると、該シーン終了まで、前記第1、第2の表示領域の切り替えを維持するものである。
【0011】
この構成によれば、ゲーム中に所定のイベント発生条件が満たされると、サブ画面の表示が開始され、その後、所定のシーンに移行するときは、第2の表示領域であるサブ画面の画像が第1の表示領域であるメイン画面に切り替えられて拡大表示される。一方、表示領域であるメイン画面の画像が第2の表示領域であるサブ画面に切り替えられて表示される。すなわち、ゲーム中においてプレイヤの興味を引くような状況(特別ゲーム状況)が発生すると、それに関連する詳細な状況(拡大表示)を示すサブ画面が自動的に表示され、しかも、その状況におけるクライマックスのようなシーンになると、さらにサブ画面がメイン画面と入れ替わって表示器の表示画面に大写しになるので、プレイヤが見たいと思う状況が時系列的、かつ視覚的に強い訴求力を持って表示演出されることから、従来にない演出効果を有するゲームを実現できる。なお、上記シーンが終了した後は、第1の仮想カメラにより得られるゲーム画像を第2の表示領域から第1の表示領域に戻すと共に、第2の仮想カメラにより得られるゲーム画像を停止(消去)して、特別ゲーム状況が発生する前の画面状態に戻すようにしている。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のゲーム画像表示制御プログラムにおいて、前記第1の仮想カメラは、所定の視野枠を有し、前記第2の仮想カメラは、前記所定の視野枠より狭い視野枠を有するものである。この構成によれば、第2の仮想カメラの視野枠を第1の視野枠より狭くすることで、部分的な箇所を相対的に拡大して表示できる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のゲーム画像表示制御プログラムにおいて、前記ゲームは、投手キャラクタ、打者キャラクタ及びボールオブジェクトを用いた野球を模擬したゲームであり、前記第2の仮想カメラは、前記第1の仮想カメラに比して前記ボールオブジェクトに近い位置に設定されるものである。この構成によれば、第2の仮想カメラによって注目シーン、演出シーンがより近い位置から、かつ拡大表示されるので、クロスプレイや見たいシーンを臨場感を持って表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1,5,6記載の発明によれば、仮想カメラを2台設け、いわゆる大画面と小画面とでゲーム画像を表示し、所定の特別ゲーム状況によって画面切替を行うことで、ゲーム状況の全体を把握しつつ詳細場面を拡大表示することができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、ゲーム中に所定のイベント発生条件が満たされると、サブ画面の表示を開始し、その後、所定のシーンに移行するときは、第2の表示領域であるサブ画面の画像を第1の表示領域であるメイン画面に切り替えて拡大表示するので、見たいシーンや判定が微妙なシーンを拡大して表示することができ、従来にない演出効果を有するゲームを実現できる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、第2の仮想カメラの視野枠を第1の視野枠より狭くしたので、部分的な箇所を相対的に拡大して表示できる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、第2の仮想カメラによって注目シーン、演出シーンをより近い位置から、しかも拡大表示するようにしたので、クロスプレイや見たいシーンを臨場感を持って表示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明に係るゲーム装置の構成の一実施形態を示すブロック図である。以下の説明では、ゲーム装置の一例として家庭用ビデオゲーム機を家庭用テレビジョンに接続することによって構成される家庭用ビデオゲーム装置について説明する。しかし、本発明はこの例に限定されず、モニタが一体に構成された業務用ビデオゲーム装置、本発明によるゲームプログラムを実行することによってビデオゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータ等にも同様に適用することができる。
【0019】
図1に示すビデオゲーム装置は、家庭用ゲーム機(ゲーム機本体)100及び家庭用テレビジョン200を備える。家庭用ゲーム機100は、ゲームプログラムが記録されたコンピュータ読み出し可能な記録媒体300が装填可能な構成を備えている。記録媒体300がゲーム機本体100に装填された状態で、ゲームプログラムが適宜読み出されて対戦ゲームが実行される。
【0020】
家庭用ゲーム機100は、CPU(Central Processing Unit)1、バスライン2、グラフィックスデータ生成プロセッサ3、インターフェース回路(I/F)4、メインメモリ5、ROM(Read Only Memory)6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12、インターフェース13、バッファ14〜16、記録媒体ドライブ17、メモリ18、及びコントローラ19を含む。家庭用テレビジョン200はテレビジョンモニタ(モニタ)21、増幅回路22及びスピーカ23を含む。
【0021】
CPU1は、バスライン2およびグラフィックスデータ生成プロセッサ3に接続されている。バスライン2は、アドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含み、CPU1、インターフェース回路4、メインメモリ5、ROM6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12及びインターフェース13を相互に接続している。
【0022】
描画プロセッサ10は、バッファ14に接続されている。音声プロセッサ11は、バッファ15及び増幅回路22に接続されている。デコーダ12は、バッファ16及び記録媒体ドライブ17に接続されている。インターフェース13は、メモリ18及びコントローラ19に接続されている。
【0023】
モニタ21は、描画プロセッサ10に接続されている。スピーカ23は、増幅回路22に接続されている。なお、業務用ビデオゲーム装置の場合、モニタ21、増幅回路22及びスピーカ23は、家庭用ゲーム機100を構成する各ブロックとともに1つの筺体に収納される場合がある。
【0024】
また、ビデオゲーム装置が、パーソナルコンピュータやワークステーション等を核として構成されている場合、モニタ21は、コンピュータ用のディスプレイに対応する。また、伸張回路7、描画プロセッサ10及び音声プロセッサ11等は、それぞれ記録媒体300に記録されているプログラムデータの一部又はコンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、インターフェース回路4、パラレルポート8、シリアルポート9及びインターフェース13は、コンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、バッファ14〜16はそれぞれメインメモリ5又は拡張メモリの各記憶エリアに対応する。
【0025】
次に、図1に示す各構成要素について説明する。グラフィックスデータ生成プロセッサ3は、CPU1のいわばコプロセッサとしての役割を果たす。すなわち、グラフィックスデータ生成プロセッサ3は、座標変換や光源計算、例えば固定小数点形式の行列やベクトルの演算を並列処理によって行う。
【0026】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3が行う主な処理としては、CPU1から供給される画像データの2次元又は3次元空間内における各頂点の座標データ、移動量データ、及び回転量データ等に基づいて、所定の表示エリア上における処理対象画像のアドレスデータを求めてCPU1に返す処理、仮想的に設定された光源からの距離やこの光源に対する傾きに応じて画像の輝度を計算する処理等がある。
【0027】
インターフェース回路4は、周辺デバイス、例えばマウスやトラックボール等のポインティングデバイス等のインターフェース用に用いられる。メインメモリ5はRAM(Random ccess Memory)で構成される。ROM6にはビデオゲーム装置のオペレーティングシステムとなるプログラムデータが記憶されている。
【0028】
伸張回路7は、動画に対するMPEG(Moving Picture Experts Group)規格や静止画に対するJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格に準拠したイントラ符号化によって圧縮された圧縮画像に対して伸張処理を施す。伸張処理は、デコード処理(VLC:Variable Length Codeによってエンコードされたデータのデコード)、逆量子化処理、IDCT(Inverse Discrete Cosine Transform)処理、及びイントラ画像の復元処理等を含む。
【0029】
描画プロセッサ10は、所定時間T(例えば、1フレームでT=1/60秒)ごとにCPU1が発行する描画命令に基づいてバッファ14に対する描画処理を行う。
【0030】
バッファ14は、例えばRAMで構成され、表示エリア(フレームバッファ)と非表示エリアとに分けられる。表示エリアは、モニタ21の表示面上に表示するデータの展開エリアで構成される。非表示エリアは、スケルトンを定義するデータ、ポリゴンを定義するモデルデータ、モデルに動きを行わせるアニメーションデータ、各アニメーションの内容を示すパターンデータ、テクスチャデータ及びカラーパレットデータ等の記憶エリアで構成される。
【0031】
ここで、テクスチャデータは、2次元の画像データである。カラーパレットデータは、テクスチャデータ等の色を指定するためのデータである。CPU1は、記録媒体300から一度に又はゲームの進行状況に応じて複数回に分けて、これらのデータを予めバッファ14の非表示エリアに読み出して記録する。
【0032】
また、描画命令としては、ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令、通常の2次元画像を描画するための描画命令がある。ここで、ポリゴンは多角形の2次元仮想図形であり、例えば、三角形や四角形が用いられる。
【0033】
ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令は、ポリゴン頂点座標データのバッファ14の表示エリア上における記憶位置を示すポリゴン頂点アドレスデータ、ポリゴンに貼り付けるテクスチャのバッファ14上における記憶位置を示すテクスチャアドレスデータ、テクスチャの色を示すカラーパレットデータのバッファ14上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データのそれぞれに対して行われるものである。
【0034】
上記のデータのうち表示エリア上のポリゴン頂点アドレスデータは、グラフィックスデータ生成プロセッサ3がCPU1からの3次元空間上におけるポリゴン頂点座標データを移動量データ及び回転量データに基づいて座標変換することによって2次元上でのポリゴン頂点座標データに置換されたものである。輝度データは、CPU1からの上記座標変換後のポリゴン頂点座標データによって示される位置から仮想的に配置された光源までの距離等に基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3によって決定される。
【0035】
ポリゴン頂点アドレスデータは、バッファ14の表示エリア上のアドレスを示す。描画プロセッサ10は、3個のポリゴン頂点アドレスデータで示されるバッファ14の表示エリアの範囲に対応するテクスチャデータを書き込む処理を行う。
【0036】
ゲーム空間内におけるキャラクタ等の物体は、複数のポリゴンで構成される。CPU1は、各ポリゴンの3次元空間上の座標データを対応するスケルトンのベクトルデータと関連させてバッファ14に記憶する。そして、後述するコントローラ19の操作によって、モニタ21の表示画面上でキャラクタを移動させる等の場合において、キャラクタの動きを表現したり、キャラクタを見ている、仮想カメラの視点位置を変えたりするときに、以下の処理が行われる。
【0037】
すなわち、CPU1は、グラフィックスデータ生成プロセッサ3に対してバッファ14の非表示エリア内に保持されている各ポリゴンの頂点の3次元座標データと、スケルトンの座標及びその回転量のデータから求められた各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとを与える。
【0038】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3は、各ポリゴンの頂点の3次元座標データと各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとに基づいて各ポリゴンの移動後及び回転後の3次元座標データを順次求める。
【0039】
このようにして求められた各ポリゴンの3次元座標データのうち、水平及び垂直方向の座標データは、バッファ14の表示エリア上のアドレスデータ、すなわちポリゴン頂点アドレスデータとして描画プロセッサ10に供給される。
【0040】
描画プロセッサ10は、3個のポリゴン頂点アドレスデータによって示されるバッファ14の表示エリア上に予め割り当てられているテクスチャアドレスデータによって示されるテクスチャデータを書き込む。これによって、モニタ21の表示画面上には、対応するテクスチャの貼り付けられた多数のポリゴンから構成される物体が表示される。
【0041】
通常の2次元画像を描画するための描画命令は、頂点アドレスデータ、テクスチャアドレスデータ、テクスチャデータの色を示すカラーパレットデータのバッファ14上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データに対して行われる。これらのデータのうち頂点アドレスデータは、CPU1からの2次元平面上における頂点座標データをCPU1からの移動量データ及び回転量データに基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3で座標変換することによって得られる。
【0042】
音声プロセッサ11は、記録媒体300から読み出されたADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データをバッファ15に記憶させる。バッファ15に記憶されたADPCMデータが音源となる。
【0043】
また、音声プロセッサ11は、例えば、周波数44.1kHzのクロック信号に基づき、バッファ15からADPCMデータを読み出す。音声プロセッサ11は、読み出したADPCMデータに対してピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加等の処理を施す。
【0044】
記録媒体300から読み出される音声データがCD−DA(Compact Disk Digital Audio)等のPCM(Pulse Code Modulation)データの場合、音声プロセッサ11は、この音声データをADPCMデータに変換する。また、PCMデータに対するプログラムによる処理は、メインメモリ5上において直接行われる。そして、メインメモリ5上において処理されたPCMデータは、音声プロセッサ11に供給されてADPCMデータに変換される。その後、上述した各種処理が施され、音声がスピーカ23から出力される。記録媒体ドライブ17としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体300としては、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等が用いられる。
【0045】
記録媒体ドライブ17は、記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダ12に供給する。デコーダ12は、記録媒体ドライブ17からデータを再生し、さらに、ECC(Error Correction Code)によるエラー訂正処理を施し、エラー訂正処理を施したデータをメインメモリ5又は音声プロセッサ11に供給する。
【0046】
メモリ18としては、例えばカード型のメモリが用いられる。カード型のメモリは、例えばゲームを中断した場合において中断時点での状態を保持するべく、例えば中断時点での各種ゲームパラメータを保持するため等に用いられる。
【0047】
コントローラ19は、プレイヤが把持可能な形状、例えば棒状の外形を有し、その表面適所に種々の操作部分が設けられている。
【0048】
図2は、コントローラ19の外観図である。コントローラ19は、本実施形態では、操作部材19Aと操作部材19Bとから構成され、操作部材19Aの長尺部の一側面には、先端側から、十字キー195、ボタン193、196等の操作部材が配設されており、操作部材19Bの一側面には、ジョイスティック194等の操作部材が設けられている。なお、特に区別しない場合には、単に、コントローラ19という。
【0049】
コントローラ19は、プレイヤが種々の操作指令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU1に送出する。コントローラ19は、インターフェース191の他、操作部分としての、押し込み型のボタン193、360°方向の傾倒方向と角度とが検出可能な操作桿(ジョイスティック)194、選択的な押し込みによって4方向(十字方向)のいずれかが検出可能な十字キー195、及び押し込み型のボタン196を備えている。インターフェース191は、例えば、赤外線や電波等による近接通信のための無線信号を送出する回路で構成され、コントローラ19から送出される操作信号を無線信号に変換してインターフェース13に送出する。
【0050】
コントローラ19のボタン193及び十字キー195は、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると上記中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチで構成される。ボタン193は、後述するように投球指示や打撃指示のコマンドをCPU1に与えるために使用される。十字キー195は、後述するように送球や牽制球のための塁指定、盗塁指示のコマンドをCPU1に与えるために使用される。
【0051】
ジョイスティック194は、後述するように球種、投球コース、野手の動き方向の指定やカーソル等をモニタ21の画面上で上下左右乃至は斜め方向に移動させるコマンドをCPU1に与えるために使用される。
【0052】
次に、上記のゲーム装置の概略動作について説明する。記録媒体300が記録媒体ドライブ17に装填されている場合、電源スイッチ(図示省略)がオンされてビデオゲーム装置に電源が投入されると、ROM6に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、CPU1は、記録媒体300からゲームプログラムをメインメモリ5へ読み出すように記録媒体ドライブ17に指示する。これによって、記録媒体ドライブ17は、記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータをデコーダ12へ読み出す。読み出された画像データ、音声データ及びプログラムデータは、デコーダ12によってエラー訂正処理が各データに施される。
【0053】
画像データは、デコーダ12によってエラー訂正処理が施され、バスライン2を介して伸張回路7に供給される。伸張回路7によって上述した伸張処理が行われた画像データは、描画プロセッサ10に供給され、描画プロセッサ10によってバッファ14の非表示エリアに書き込まれる。音声データは、デコーダ12によってエラー訂正処理が施され、メインメモリ5又は音声プロセッサ11を介してバッファ15に書き込まれる。デコーダ12によってエラー訂正処理が施されたプログラムデータはメインメモリ5に書き込まれる。
【0054】
以降、CPU1は、メインメモリ5に記憶されているゲームプログラム及びプレイヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいてビデオゲームを進行させる。すなわち、プレイヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいて、CPU1はゲーム状況の変更の制御、及びこれに基づく画像処理の制御、音声処理の制御及び内部処理の制御等を適宜行う。
【0055】
画像処理の制御として、例えば、キャラクタに指示されるアニメーションに該当するパターンデータから各スケルトンの座標の計算又はポリゴンの頂点座標データの計算、得られた3次元座標データや視点位置データのグラフィックスデータ生成プロセッサ3への供給、グラフィックスデータ生成プロセッサ3で求めたバッファ14の表示エリア上のアドレスデータや輝度データを含む描画命令の発行等が行われる。
【0056】
音声処理の制御として、例えば、音声プロセッサ11に対する音声出力コマンドの発行、レベル、リバーブ等の指定が行われる。内部処理の制御として、例えばコントローラ19の操作に応じた演算等が行われる。
【0057】
図6は、ゲーム装置においてモニタ21に表示されるゲーム画像の一例を示した図である。まず、本ゲーム装置を用いて野球ゲームを行う場合の、野球ゲームの概要について説明する。本発明で実行される野球ゲームは、一般的には2名のプレイヤがそれぞれコントローラ19を把持し、それぞれ操作指示を発することで、攻撃側と守備側とを交互に受け持って、得点を得るための攻撃動作と得点を与えないための守備動作とを所定イニング数だけ実行し、各イニングで得られた得点の合計で勝敗を競う対戦ゲームである。なお、プレイヤの一方をコンピュータによって制御される仮想的なプレイヤに見立て、守備時には守備側の各キャラクタ(投手キャラクタや野手キャラクタ)による守備動作を実行させ、攻撃時には攻撃側の各キャラクタ(打者キャラクタや走者キャラクタ)の動作を実行させることで、1人のプレイヤがCPU対戦という形で対戦ゲームを行う態様であってもよい。
【0058】
図6に示すように、野球ゲームは、仮想3次元のゲーム空間として設定された野球場で行う態様とされ、ゲーム画像の基本的な構図としては、ホームベースの直ぐ後ろ、すなわち、通常、守備側の捕手の位置に仮想カメラが設定され、従来と同様の所要の画角(視野枠)を有して投手側に視線が向けられている。ホームベース上にはストライクゾーンを示す枠オブジェクト60がゲーム空間内に立設された姿勢で設定され、かつ表示されている。
【0059】
そして、投手キャラクタ71がボールオブジェクト72を枠オブジェクト60に向けて投げ、打者キャラクタ73が、ボールオブジェクト72をバットオブジェクト74により打ち返す野球ゲームである。枠オブジェクト60の内部にはミートカーソル80が表示されている。ミートカーソル80は、バットオブジェクト74がボールオブジェクト72に当たる範囲を示す、所要の形状を有する外枠81と、外枠81の中央に設定され、ボールオブジェクト72を真芯で打ち返すためのガイドとしてのセンターマーク82からなる。また、画面の中央上部には、投球コースを指定するためのミニ画面90が表示されている。このミニ画面90にはキャッチャーミットを構えた捕手を示す捕手オブジェクト901が表示されている。なお、一塁、三塁に走者がいる場合には、画面左右に所定のミニ画面(図6では三塁にいる走者オブジェクトを表示するミニ画面91)が表示されている。
【0060】
本実施形態では、守備時においてプレイヤにより投球コース及び球種(例えば直球、各種の変化球)が設定される。球種の設定は、予め複数の球種が設定されており、例えば十字キー195を用いて所望する球種が指定可能にされている。投球開始の指示は、例えばボタン193によって行われる。
【0061】
投球コースの設定は、球種が設定された後、ボールオブジェクト72がホームベース(枠オブジェクト60)を通過するまでの間に、ジョイスティック194を傾倒する方向で指定可能にされている。投球コースの設定は、ジョイスティック194の傾倒方向に応じて捕手オブジェクト901が対応する方向に移動することで行われる。
【0062】
一方、攻撃側にあるプレイヤは、コントローラ19のジョイスティック194を操作することでミートカーソル80を画面上で動かし、ボタン193を押下操作することで、打撃を指示する。攻撃側にあるプレイヤは、自分が予想する位置に、または投球後の移動中のボールオブジェクト72を注視しながら、あるいは変化球による軌道変化を予想しながら、かつボールオブジェクト72が枠オブジェクト60に到達する時点で、ボタン193を押下することで、ボールオブジェクト72を打ち返すことができる。ボールオブジェクト72が打ち返されると、ボールオブジェクト72とバットオブジェクト74との当たり位置及び当たりタイミングに応じて、CPU1によってボールオブジェクト72の打球速さ及び打球方向が計算され、さらに打者側、守備側の各キャラクタに野球ゲームのルールに従った行動がCPU1から指令され、これによって野球を模擬した展開が実現される。例えば、1アウトで3塁に走者がいる場面で大飛球を打った場合、3塁走者がタッチアップし、ホームインすることで得点が入る。逆に、ボールオブジェクト72の枠オブジェクト60の通過時点において、ミートカーソル80の位置及び打撃タイミングの少なくとも一方がずれていた場合、空振りとなる。ボタン193が押下されない(打撃指示がない)場合、見送りとなる。
【0063】
このように、投手側のプレイヤからの操作が許可、例えば球種の指定操作が許可された時点から、打撃後の一連の動作までを1回のシーケンス(1プレイ)として処理し、各シーケンスの結果に従って、ストライクカウント、ボールカウント、アウトカウント、及び所定イニング数までの野球ゲームが進行する。なお、ゲーム画面においては、モニタ21の画面の適所、例えば右下に投球履歴とアウトカウント数とが表示され、他の適所、例えば左上に、現時点までの両方のチーム名とその得点及び経過イニング数とが表示されるが、図6では省略している。
【0064】
次に、上記のように構成されたビデオゲーム装置を用いて野球ゲームを行う場合のゲーム装置の主要な機能について説明する。図3は、図1に示すゲーム装置の主要な機能ブロック図である。
【0065】
CPU1は、メインメモリ5に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、コントローラ19から受信された操作信号をデジタル信号として受け付ける受付部101、野球ゲームの全体進行を野球ルール(ゲームプログラムの一部)に基づいて制御するゲーム進行制御部102、ゲーム進行に沿ったゲーム画像をモニタ21に表示する画像表示制御部103として機能する。
【0066】
また、CPU1は、メインメモリ5に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、守備側に対する、主に投球に関して、コントローラ19からの指示に従って球種、投球コースの設定、投球開始動作、及び牽制などの送球動作を行わせる守備側処理部104、攻撃側に対する、主に打撃に関して、コントローラ19からの指示に従ってミート位置、打撃タイミングの設定、及び走者による盗塁動作を行わせる攻撃側処理部105、打者キャラクタ73による打撃指示に基づいて打撃結果を算出処理し、かつバットオブジェクト74がボールオブジェクト72に当たった(空振り、見送りではない)場合に、ボールオブジェクト72の打球速さ、打球方向を例えば力学的に算出する処理、それに伴う守備側の各選手キャラクタ及び走者がいる場合の走塁処理を野球のルールに従って演出する処理を実行する打撃結果処理部106として機能する。
【0067】
守備側処理部104は、投球に関する処理を行う投球処理部1041と、投球動作前の例えば牽制等の投球の動作に関する処理を行う投球前処理部1042とを備える。攻撃側処理部105は、打撃に関する処理を行う打撃処理部1051と、打撃動作前の例えば盗塁等の動作に関する処理を行う打撃前処理部1052とを備える。
【0068】
また、CPU1は、メインメモリ5に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、予め設定された特別ゲーム状況が発生したか否かを判断する特別ゲーム状況発生判断部107、及び特別ゲーム状況が発生したと判断されると、後述するような画面切替を行う画面切替制御部108として機能する。特別ゲーム状況発生判断部107は、特別ゲーム状況に対応するイベントが発生したか否かを判断するイベント発生判断部1071と、該イベントに起因して発生する特別なシーンが発生するか否かを判断するシーン発生判断部1072とを備える。なお、特別ゲーム状況、イベント及びシーンの各内容については、後述する。
【0069】
CPU1は、記憶媒体300から取り込まれた各種画像データを記憶する画像記憶部141、野球ゲームに登場する、プレイヤ側のチーム乃至は両チームの各選手キャラクタのゲームに関する能力を示す各選手パラメータを含むデータを記憶する選手データ記憶部142、ゲーム中の特別のゲーム状況に対応するイベント発生条件を記憶するイベント発生条件記憶部143、及びイベント発生条件を満たした特別ゲーム状況中の注目シーンの発生条件を記憶するシーン発生条件記憶部144を有するバッファ14と接続されている。また、CPUは、記憶媒体300から取り込まれたゲームプログラムのデータを記憶するプログラム記憶部51を有するメインメモリ5と接続されている。
【0070】
画像記憶部141は、枠オブジェクト60、投手キャラクタ71、ボールオブジェクト72、打者キャラクタ73、バットオブジェクト74、打撃時のカーソル80、ミニ画面90,91、野球場の背景画像、及び野球ゲームを行う上で必要な種々の画像データを記憶している。ここで、野球場の背景画像の画像データとしては、例えば仮想3次元空間内において予め作成された仮想3次元モデルを所定の視点からレンダリングすることにより予め作成された画像データを採用することができる。
【0071】
選手パラメータは、打者キャラクタとして、例えば「ミート」、「パワー」、「走力」、「肩力」、「守備力」、「得意コース」その他種々の選手パラメータが設定され、投手キャラクタについても、「球種」、「球速」、「コントロール」その他の種々の能力を示す選手パラメータが設定されており、選手データ記憶部142に記憶されている。また、選手データ記憶部142には、各選手キャラクタの個人成績である、打率、打点、ホームラン本数等も記憶されており、ゲーム進行に応じて更新されるようになされている。
【0072】
イベント発生条件記憶部143に記憶される、ゲーム中の特別ゲーム状況となるイベントの発生条件としては、打撃、走塁、盗塁、牽制球などに関するものが設定されている。打撃としては、例えば、ホームラン性の当たりが発生した場合、長打コースとして打者が一塁ベースを超えた場合、その他、例えば決勝点に絡むような、かつアウトセーフの判定が微妙となるような場合等である。走塁としては、大飛球が打たれ、走者が三塁にいる場合のタッチアップとなりそうな場面である。盗塁や牽制球としては、それらの動作が発生した場合として設定されている。
【0073】
シーン発生条件記憶部144に記憶される、シーン発生条件としては、イベント発生後の注目すべきシーンとして、ホームラン性の球が外野フェンスの近くまで(外野フェンスとの距離が所定距離まで近づいた)到達した場合、長打コースを打った打者が進塁する塁上で、返球とのセーフアウトのタイミングの判定が微妙で、走者、返球の一方が進塁した塁の所定距離まで近づいた場合、タッチアップにおいて、走者と返球とのタイミングが微妙で、走者、返球の一方が進塁した塁の所定距離まで近づいた場合、盗塁としては判定が微妙な場合であって、走者と送球の一方が進塁した塁の所定距離まで近づいた場合、牽制球としては判定が微妙な場合であって、走者の帰塁と送球の一方が該塁の所定距離まで近づいた場合として設定されている。このように、イベント発生条件は、ゲームの進展状況に起因するものであり、シーン発生条件は、注目場面乃至は演出場面となる距離的乃至は時間的要因である。従って、イベント発生条件を満たしても、最終的に、シーン発生条件を満たさない場合もあり得る。
【0074】
守備側処理部104は、投球に関する処理を行う投球処理部1041と、投球動作前の例えば牽制等の投球の動作に関する処理を行う投球前処理部1042とを備える。攻撃側処理部105は、打撃に関する処理を行う打撃処理部1051と、打撃動作前の例えば盗塁等の動作に関する処理を行う打撃前処理部1052とを備える。
【0075】
図7は、特別ゲーム状況の一例としての打者キャラクタ73が大飛球を打った場合であって、サブ画面の表示が行われた直後のゲーム画像である。図8は、図7の画面に引き続いて表示されたゲーム画像であって、画面の切り替えが行われた直後のゲーム画像である。
【0076】
図7では、メイン画面211にメイン仮想カメラ(第1の仮想カメラ)から映したゲーム画像が表示されており、また、メイン画面211の一部である左上にサブ画面212が設定され、サブ仮想カメラ(第2の仮想カメラ)で映されたゲーム画像が表示されている。サブ画面212の表示は、ホームラン性の大飛球を打ったことをイベント発生条件が充足されたとして行われている。メイン画面211は、ホームベースから打球が飛んだ外野方向を視野としたものであり、打者キャラクタ73、ホームラン性の大飛球のボールオブジェクト72及び外野フェンス76等が表示されている。サブ画面212は、外野フェンス76に向かって飛ぶボールオブジェクト72をやや上空から俯瞰したゲーム画像で、ボールオブジェクト72、野手オブジェクト75及び外野フェンス76が表示されている。サブ仮想カメラの位置は、メイン仮想カメラに比してボールオブジェクト72に近い位置で、ボールオブジェクト72の動向をより詳細に映しているといえる。
【0077】
図8では、図7に対し、メイン画面211とサブ画面212とが切り替えられている。画面の切替は、ボールオブジェクト72が外野フェンス76に対して所定距離まで近づいたことで、シーン発生条件が充足されたとして行われている。メイン画面211には、ボールオブジェクト72を追いかける野手キャラクタ75が画面全体に表示され、ボールオブジェクト72が外野フェンス76を越えるかどうかを仔細に観察し得るようにしている。このように、ホームランとなるかどうかという見たい場面を画面全体に表示することで、ゲーム上、注目に値するようなシーンに対する演出を図っている。一方、サブ画面212は、メイン仮想カメラから映された、捕手位置から映された野球場全体が映された画像が表示されている。なお、図では示していないが、ボールオブジェクト72が野手キャラクタ75にキャッチされ、あるいはホームランとなった時点まで、画面切替処理が継続され、その後、元の状態に戻される。すなわち、メイン仮想カメラから映したゲーム画像がメイン画面211に表示される一方、サブ画面212は停止される。
【0078】
受付部101は、インターフェース191を介して、コントローラ19のボタン193,196、ジョイスティック194、十字キー195から出力される打撃指示乃至は打撃範囲指定信号、投球指示信号、投球位置指定信号及び球種指定信号の他、種々の指示信号をそれぞれ受け付けるものである。また、図には一方側しか示していないが、インターフェース13は、野球ゲームを行う2人のプレイヤがそれぞれ所持するコントローラ19からの信号をそれぞれ識別して受信する。
【0079】
ゲーム進行制御部102は、ゲーム開始から終了まで、より詳細には、野球ゲームを実行するための野球チーム(選手メンバー)の選定処理、ゲーム開始処理、さらに投手キャラクタ71がボールオブジェクト72を投球し、打者キャラクタ73がバットオブジェクト74で、投球後の移動中のボールオブジェクト72に対する打撃を行い、かつ打撃結果処理部106による処理が終了するまでの1シーケンスの処理、このシーケンスを例えば野球ルール通りとすれば、3アウトで攻守の入れ替えを行い(1イニング)、最終イニングである9イニングまで実行させ、両チームの成績、すなわち最終得点による勝敗決定処理までを実行させるものである。
【0080】
画像表示制御部103は、ゲーム進行に応じてゲーム空間に設定された背景画像、枠オブジェクト60、投手、打者キャラクタ71,73、ボール、バットオブジェクト72,74、ミートカーソル80、ミニ画面90、及び所定条件下でメイン画面211に加えてサブ画面212の表示を行う。
【0081】
画像表示制御部103は、仮想カメラとして、メイン仮想カメラとサブ仮想カメラの2台を準備し、メイン仮想カメラで映されるゲーム画像を少なくとも表示するようにしている。メイン仮想カメラは、投球〜打撃時点では、ホームベースを中心に詳細に表示する一方、それ以外に場面では、できるだけ野球場全体を表示し、ゲーム状況が全体として把握容易としている。すなわち、投球までは投手側からホームベースを見る視点及び視線とされ、投球後は、打者側から投球マウンドを見る(図6照)視点及び視線とされる位置に配置される。そして、打撃後は、ボールオブジェクト72にバットオブジェクト74が当たった場合、好ましくは打球であるボールオブジェクト72がプレイヤによって追跡し得、かつ打者、走者の走塁も視認可能な位置を視点とするように、ゲームプログラムによってメイン仮想カメラの視点、視野方向が制御されることでゲーム画像の表示、及び結果処理内容の表示を行う。サブ仮想カメラは、メイン仮想カメラに比して多少狭い視野枠が設定されており、ゲーム空間を部分的に、注目箇所に近づいて、より詳細に表示し得るようにしている。画像表示制御部103は、イベント発生判断部1071によって所定のイベントが発生したことが、イベント発生条件記憶部143に記憶されている発生条件と照合されることによって、判断されると、該イベントが終了するまで、サブ仮想カメラの画像をモニタ21の所定の小領域であるサブ画面212に表示するようにしている。モニタ21上のサブ画面212は、例えば図7に示す。あるいは、所定のイベントが発生したと判断されることで、サブ仮想カメラを動作させるようにしてよく、このようにしても、モニタ21上では同一結果となる。
【0082】
画面切替制御部108は、シーン発生判断部1072によって所定のイベント中に所定のシーンが発生したことが、シーン発生条件記憶部144に記憶されている発生条件と照合されることによって、判断されると、メイン仮想カメラによる撮影画像のメイン画面211とサブ仮想カメラによる撮影画像のサブ画面212とを切り替え、該シーンが終了まで、画面を切り替えた状態で表示させるものである。これによって、サブ仮想カメラで撮影されたゲーム画像がモニタ21の画面全体に拡大して表示されるため、該シーンを細かく見ることができる。
【0083】
投球処理部1041は、コントローラ19から受け付けた指示信号に従って、球種設定、投球コース設定及び投球開始指示を行う。球種は、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」、「シンカー」、「シュート」、「ナックル」等が準備されており、例えば十字キー195の押下位置とボタン193の押下の有無との組合せに対応して予め設定されている。なお、球種指定がない場合には、「ストレート」の指定としてもよい。
【0084】
投球コースの指定は、ジョイスティック194を所望する方向へ傾倒操作することで、ミニ画面90に表示されている画像を、ミニ画面90内で対応する方向にスライド、すなわち捕手オブジェクト91のキャッチャーミットを上下、左右方向に移動させるようにして行われる。従って、投球コースは、ミニ画面90をストライクゾーンと想定し、その画面内でのキャッチャーミットの表示位置に相当する。なお、コース設定は、図6に示すミニ画面90を用いる方法に代えて、画面内のストライクゾーンSZに対応させて所定の投球カーソルを表示し、ジョイスティック194の傾倒操作に応じて該投球カーソルを対応する方向(上下左右)に移動させる態様としてもよい。
【0085】
なお、本ゲームは、プレイヤ同士の対戦の他、1人のプレイヤとCPU1によって制御される野球チームと対戦する態様も可能であり、この場合、CPUが守備側の時は、CPUによって制御される投手キャラクタ71の投球する投球コースや球種は、CPU1によって例えば乱数発生器からの乱数等を利用してランダムに設定される。同様に、CPU1が攻撃側の時は、CPU1によって制御される打者キャラクタ73の打撃位置や打撃タイミングは、CPU1によって例えば乱数発生器からの乱数等を利用してランダムに設定される。
【0086】
投球処理部1041は、投手キャラクタ71の投じたボールオブジェクト72が枠オブジェクト60に対する設定位置を通過するための軌道の計算を行うと共に、計算された軌道に従ってボールオブジェクト72のゲーム空間上で経時方向に順次(フレーム周期毎の)位置情報を設定するようにして移動処理を行うものである。画像表示制御部103は、軌道計算で得られた各フレーム周期毎の位置情報に基づいてボールオブジェクト72をモニタ21上に表示する。
【0087】
そして、打撃結果処理部106は、ボールオブジェクト72にバットオブジェクト74が当たったか否かを判断し、当たったと判断した場合、打球速さを、打撃指定時のミートカーソル80のセンターマーク82の位置と指定された投球コースとのずれ差等に応じて所定比率で減少させるように算出するようにすればよい。打球の軌道計算は、通常の運動方程式に倣った乃至は近似式を使用してもよい。この場合、図略の乱数発生器を設け、この乱数発生器で生成される乱数を用いて、設定されている投球位置に対する位置ぶれを付加する態様としてもよい。例えば乱数値に応じてぶれ量、ぶれ方向が対応するように設定されていてもよい。そして、打撃結果処理部106は、打撃されたボールオブジェクト72の軌道の計算を行うと共に、計算された軌道に従ってボールオブジェクト72のゲーム空間上で経時方向に順次(フレーム周期毎の)位置情報を設定するようにして移動処理を行うものである。そして、画像表示制御部103は、軌道計算で得られた各フレーム周期毎の位置情報に基づいてボールオブジェクト72を野球場を構成するグラウンド、各塁、外野フェンス76等の各オブジェクトの座標位置情報と対応させてモニタ21上に表示する。
【0088】
また、打球速さは、本実施形態では、ボールオブジェクト72が棒状のバットオブジェクト74に直角に当たったか、センターマーク82からのずれ量、及び選手パラメータである「ミート」、「パワー」その他の各パラメータを反映して算出される。打球方向は、本実施形態では、上下方向には、センターマーク82からのずれ量が反映され、左右方向には、振り遅れや振り急ぎが反映されて算出される。この結果、「1塁側へのゴロ」になったり、「レフトオーバーの長打」になったりする。安打になるかどうかは、打球の強さ、方向に加えて、野手の守備位置、さらに選手パラメータの「守備力」パラメータ等が反映される。
【0089】
打撃結果処理部106による打撃結果処理としては、さらに、打撃に伴う、守備側の各選手キャラクタの動き(捕球、返球等)、及び走者がいる場合の走塁処理を野球のルールに従って実行させ、かつ画像表示制御部103に演出表示を指示する処理を行う。
【0090】
また、投球前処理部1042は、コントローラ19から牽制の指示信号が受付部101を介して受け付けられると、走者のいる塁に送球動作を行わせると共に、送球のフレーム毎の起動計算を実行し、ボールオブジェクト72の送球処理を実行する。画像表示制御部103は軌道計算に従ってボールオブジェクト72をモニタ21に表示する。また、打撃前処理部1052は、塁にいる走者に対してコントローラ19から盗塁指示信号が受付部101を介して受け付けられると、フレーム毎の走者の位置を算出し、走塁処理を実行すると共に、投手キャラクタ71による送球の処理を行わせる。打撃前処理部1052は、送球されるボールオブジェクト72のフレーム毎の軌道計算を実行し、ボールオブジェクト72の送球処理を実行する。
【0091】
また、イベント発生判断部1071は、上記のような、牽制処理、盗塁処理、タッチアップ処理、長打や更にホームラン性の大飛球が打たれた場合において、走者又は打者である選手キャラクタとボールオブジェクトとの位置関係から、あるいは打撃されたボールオブジェクト72の軌道計算結果と外野フェンス76との位置関係から、イベント発生条件が充足されたか否かの判断を行い、かつシーン発生判断部1072は、シーン発生条件が充足されたか否かの判断を行うようにしている。なお、例えばタッチアップにおいては、タッチアップ指示を行うボタン193を連打することで、走者である選手キャラクタの走力パラメータをより増大することができることから、セーフかアウトの判定が微妙乃至は不明となる可能性があり、このような場合には、イベント発生条件を満たし、かつシーン発生条件を満たすものとして、画面の切り替えを行って、クロスプレイをプレイヤに詳細に見せるようにしている。この場合、ボタン193を押下する速さ(回数/時間)と回数とから走力パラメータを所定比率ずつ乃至は所定量ずつ大きくすることで、対応すればよい。なお、打撃結果に関しては、打撃直後の起動計算によって、外野フェンス76を越えるかどうかは判明するが、外野フェンス76ギリギリに、あるいは大ホームランのような場合には、演出としてイベント表示、さらにシーン表示を行うようにしている。
【0092】
続いて、CPU1がゲームプログラムに基づいて実行するゲーム処理について、フローチャートを用いて説明する。図4は、ゲームの全体処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、CPU1は、ゲーム開始のための初期設定を行う。例えば両プレイヤによって選出された対戦チーム及びその選手リストのモニタ21への表示等である。次いで、ゲーム空間の画像、各キャラクタ、各オブジェクト等の画像データが読み出されて、メイン仮想カメラによってモニタ21に表示される(ステップS3)。
【0093】
この状態で、シーケンスが開始され(ステップS5)、次いで対戦処理が実行されて(ステップS7)、結果処理の終了を受けて、1シーケンスの終了処理が行われる(ステップS9)。そして、このシーケンスの結果が三振であったか否かが判定され(ステップS11)、三振でなければ、次の投球に対するシーケンスを実行するべく、ステップS5に戻る。一方、三振であれば、3アウトか否かが判断され(ステップS13)、3アウトでなければ、次の打順の打者キャラクタが設定されて(ステップS15)、次シーケンスに移行する(ステップS5)。一方、ステップS13で、3アウトであれば、ゲームセットか否かが判断され(ステップS17)。ゲームセットでなければ、攻守の入れ替え処理が実行され(ステップS19)、一方、ゲームセットであれば、ゲーム終了処理が実行される(ステップS21)。
【0094】
図5は、対戦処理中に行われる特別ゲーム状況の発生処理を示すフローチャートである。本フローチャートは、対戦処理中に発生すると、例えば割込処理として実行される。イベント発生条件が充足されたか否かの判断は、対戦処理中において常時、ゲーム状況とイベント発生条件記憶部143に記憶されているイベント発生条件との照合を経て行われ(ステップS31)、充足されていなければ、本フローを抜けて(割込処理が実行されることなく)、対戦処理が継続される。一方、イベント発生条件が充足されていると判断されると、モニタ21の画面内、すなわちメイン仮想カメラで写されているゲーム画像のメイン画面211内に、サブ仮想カメラで映されるゲーム画像を表示するサブ画面212が設定される。この結果、モニタ21のメイン画面211の一部であるサブ画面212にサブ仮想カメラで映されたゲーム画像が優先して重畳表示される(ステップS33)。
【0095】
続いて、シーン発生条件が充足されたか否かが、ゲーム状況とシーン発生条件記憶部144に記憶されているシーン発生条件との照合を経て行われ(ステップS35)、充足されていなければ、現イベントが終了するまで(ステップS37)、サブ画面212の表示が継続され、現イベントが終了すると、サブ画面212の表示が停止される(ステップS39)。
【0096】
ステップS35で、シーン発生条件が充足されたのであれば、画面の切り替えが行われ(ステップS41)、次いで、現シーンが終了したか否かが判断される(ステップS43)。現シーンが終了するまで、切り替えられた状態でゲーム画像の表示が行われる。現シーンが終了すると、画面を切り替え前の状態に戻すと共に、サブ画面212の表示の停止が行われる(ステップS45)。
【0097】
本発明は、以下の態様が採用可能である。
【0098】
(1)本発明は、野球ゲームに限定されず、全体的なゲーム画像に加えて注目すべき部分のゲーム画像あるいは演出のためのゲーム画像を重畳表示することが好適なゲーム全般に適用可能である。例えば、サッカーのPK合戦、テニス等のスポーツ関連ゲーム、タイムトライアルゲームや競争を含むゲーム等にも適用可能である。
【0099】
(2)本実施形態では、イベント発生条件をクリアする(満たす)ことで、サブ画面212の表示を開始する態様としたが、サブ画面は常に表示されており、特別ゲーム状況、本実施形態では、シーン発生条件を満たした場合に画面の切り替えを行う態様としてもよい。これによっても、クロスプレイの詳細表示や演出表示をプレイヤに提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明に係るゲーム装置の構成の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】コントローラ19の外観図である。
【図3】図1に示すゲーム装置の主要な機能ブロック図である。
【図4】ゲームの全体処理を示すフローチャートである。
【図5】対戦処理中に行われる特別ゲーム状況の発生処理を示すフローチャートである。
【図6】ゲーム装置においてモニタ21に表示されるゲーム画像の一例を示した図である。
【図7】特別ゲーム状況の一例としての打者キャラクタが大飛球を打った場合であって、サブ画面の表示が行われた直後のゲーム画像である。
【図8】図7の画面に引き続いて表示されたゲーム画像であって、画像の切り替えが行われた直後のゲーム画像である。
【符号の説明】
【0101】
1 CPU1
101 受付部
102 ゲーム進行制御
103 画像表示制御部(画像表示制御手段、小画面表示処理手段)
104 守備側処理部
1041 投球処理部
1042 投球前処理部
105 攻撃側処理部
1051 打撃処理部
1052 打撃前処理部
106 打撃結果処理部
107 特別ゲーム状況発生判断段部(判断手段)
1071 イベント発生判断部(イベント発生判断手段)
1072 シーン発生判断部(シーン発生判断手段)
108 画面切替制御部(画面切替制御手段)
14 バッファ(特別ゲーム状況発生条件記憶手段)
143 イベント発生条件記憶部(イベント発生条件記憶手段)
144 シーン発生条件記憶部(シーン発生条件記憶手段)
19 コントローラ(操作部材)
193 ボタン
194 ジョイスティック
195 十字キー
196 ボタン
21 モニタ
211 メイン画面
212 サブ画面
60 枠オブジェクト
72 ボールオブジェクト
76 外野フェンス
80 ミートカーソル
90,91 ミニ画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部材からの操作を受け付けて、ゲーム空間で行われるゲームを表示器に表示されるゲーム画像を用いて行わせるゲーム画像表示制御プログラムにおいて、
ゲーム空間に配置された第1の仮想カメラにより得られるゲーム画像を前記表示器の表示画面の実質的に全域となる第1の表示領域に表示すると共に、ゲーム空間に配置された第2の仮想カメラにより得られるゲーム画像を前記第1の表示領域の一部に設定された第2の表示領域に表示する画像表示制御手段、
前記ゲームにおける複数の特別のゲーム状況の発生条件を記憶する特別ゲーム状況発生条件記憶手段、
前記特別ゲーム状況発生条件が生じたか否かを判断する判断手段、
前記判断手段によって前記特別ゲーム状況発生条件が生じたと判断されると、その間、前記第1、第2の表示領域の切り替えを行う画面切替制御手段、としてコンピュータを機能させるゲーム画像表示制御プログラム。
【請求項2】
前記特別ゲーム状況発生条件記憶手段は、前記特別ゲーム状況に対応する所定のシーンの発生条件を記憶するシーン発生条件記憶手段と、前記所定のシーンが発生する前提となるイベントの発生条件を記憶するイベント発生条件記憶手段とを備え、
前記判断手段は、ゲームにおいて前記所定のイベント発生条件が生じたか否かを、前記イベント発生条件記憶手段に記憶されている発生条件と照合することによって判断するイベント発生判断手段と、前記所定のイベントの発生後、前記シーン発生条件記憶手段に記憶されている発生条件と照合することによって、前記シーン発生条件が生じたか否かを判断するシーン発生判断手段とを備え、
前記画像表示制御手段は、前記イベント発生判断手段によって前記所定のイベント発生条件が生じたと判断されると、前記第2の仮想カメラにより得られるゲーム画像の前記第2の表示領域への表示を開始する小画面表示処理手段を備え、
前記画面切替制御手段は、前記所定のイベント発生条件に引き続き、前記シーン発生判断手段によって前記所定のシーン発生条件が生じたと判断されると、該シーン終了まで、前記第1、第2の表示領域の切り替えを維持する請求項1記載のゲーム画像表示制御プログラム。
【請求項3】
前記第1の仮想カメラは、所定の視野枠を有し、前記第2の仮想カメラは、前記所定の視野枠より狭い視野枠を有する請求項1又は2に記載のゲーム画像表示制御プログラム。
【請求項4】
前記ゲームは、投手キャラクタ、打者キャラクタ及びボールオブジェクトを用いた野球を模擬したゲームであり、前記第2の仮想カメラは、前記第1の仮想カメラに比して前記ボールオブジェクトに近い位置に設定される請求項1〜3のいずれかに記載のゲーム画像表示制御プログラム。
【請求項5】
操作部材からの操作を受け付けて、ゲーム空間で行われるゲームを表示器に表示されるゲーム画像を用いて行わせるゲーム装置において、
ゲーム空間に配置された第1の仮想カメラにより得られるゲーム画像を前記表示器の表示画面の実質的に全域となる第1の表示領域に表示すると共に、ゲーム空間に配置された第2の仮想カメラにより得られるゲーム画像を前記第1の表示領域の一部に設定された第2の表示領域に表示する画像表示制御手段と、
前記ゲームにおける複数の特別のゲーム状況の発生条件を記憶する特別ゲーム状況発生条件記憶手段と、
前記特別ゲーム状況発生条件が生じたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記特別ゲーム状況発生条件が生じたと判断されると、その間、前記第1、第2の表示領域の切り替えを行う画面切替制御手段とを備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
操作部材からの操作を受け付けて、ゲーム空間で行われるゲームを表示器に表示されるゲーム画像を用いて行わせるゲーム装置のゲーム画像表示制御方法において、
前記ゲーム装置の特別ゲーム状況発生条件記憶手段が、前記ゲームにおける複数の特別のゲーム状況の発生条件を記憶しており、
前記ゲーム装置の画像表示制御手段が、ゲーム空間に配置された第1の仮想カメラにより得られるゲーム画像を前記表示器の表示画面の実質的に全域となる第1の表示領域に表示すると共に、ゲーム空間に配置された第2の仮想カメラにより得られるゲーム画像を前記第1の表示領域の一部に設定された第2の表示領域に表示し、
前記ゲーム装置の判断手段が、前記特別ゲーム状況発生条件が生じたか否かを判断し、
前記ゲーム装置の画面切替制御手段が、前記判断手段によって前記特別ゲーム状況発生条件が生じたと判断されると、その間、前記第1、第2の表示領域の切り替えを行うことを特徴とするゲーム画像表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−115244(P2010−115244A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288734(P2008−288734)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】