説明

ゲーム装置、オブジェクト選択方法、および、プログラム

【課題】表示装置に向けたコントローラによってオブジェクトなどを操作するゲーム装置において、表示されるオブジェクトの選択操作を、プレイヤがより容易に行うことのできるゲーム装置等を提供する。
【解決手段】照準領域算定部371は、位置情報取得部310から得られる位置情報により、コントローラによって指し示される表示画面上の照準領域を算定する。候補オブジェクト選定部372は、操作情報取得部320から得られるボタン操作情報により、コントローラのBボタンが押下されたことを判別すると、照準領域に含まれる牌オブジェクトを候補オブジェクトとして選定する。オブジェクト決定部373は、候補オブジェクトが選定された状態で、プレイヤによりコントローラが振られた場合に、その振られた方向に応じて定まる牌オブジェクトを、候補オブジェクトの中から決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に向けたコントローラによってオブジェクトを操作するゲーム装置において、表示されるオブジェクトの選択操作を、プレイヤがより容易に行うことのできるゲーム装置、オブジェクト選択方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、麻雀ゲームやカードゲーム(トランプや花札等)をプレイすることのできるゲーム装置(ビデオゲーム装置等)が知られている。このようなゲーム装置では、表示される手牌や手札の中から、プレイヤが任意の牌や札を選んで、場に捨てる操作が行われている。
具体的には、麻雀ゲームを実行する家庭用ゲーム装置では、コントローラの方向キーや決定ボタン等を用いて、捨て牌操作(打牌操作)が行えるようになっている。一例として、手牌の中から捨て牌を選択するためのカーソルが、方向キーの押下に応じて移動可能となっており、プレイヤが所望の牌までカーソルを移動させた後に、決定ボタンを押下することにより、捨て牌操作が行われる。
【0003】
このようなゲーム装置の先行技術として、捨て牌等をプレイヤが決定する際に、誤操作によるミスをできるだけ防止することのできる項目決定装置等の発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2007−97669号公報 (第16−28頁、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近では、コントローラに特徴のある新型のゲーム装置が発売され、人気を博している。
この新型のゲーム装置では、新発想のコントローラが使用され、直感的な操作が行えるようになっている。例えば、新発想のコントローラをプレイヤが片手で持ち、画面に向けて狙いをつけることで、ゲーム中のオブジェクトを直接指定等できるといった機能が付加されている。
【0006】
しかしながら、このような新型のゲーム装置にて麻雀ゲームやカードゲームが実行される場合には、従来型のコントローラが使用されることが多かった。つまり、新発想のコントローラの代わりに、従来型のコントローラをゲーム装置に接続し、上述したように、方向キーを押下してカーソルを所望の牌(札)まで移動させ、決定ボタンを押下する等により、捨て牌(札)操作が行われていた。
また、新発想のコントローラがそのまま使用される場合もあるが、その場合でも従来型のコントローラと同じ機能だけが使われ、新発想のコントローラの機能を十分に活かしきれていないのが現状であった。
【0007】
その理由は、新発想のコントローラの機能を使って捨て牌(札)操作を行うとした場合では、以下のような問題が生じることが予想されるからである。
すなわち、ゲーム画面上の牌(札)を新発想のコントローラから狙って直接指定するとなると、配列された手牌(手札)の中から、所望の牌(札)を正確に狙う必要があるため、操作が困難になると考えられる。
つまり、ゲーム画面上の手牌(手札)は、比較的小さな牌(札)が隣接して配列されているため、目的の牌(札)になかなか狙いがつかなかったり、一旦狙いがついたとしても手ぶれ等で別の牌(札)に狙いが移ってしまう等の状況が生じ得る。このような状況では、快適な操作を妨げてしまうだけでなく、誤操作(誤選択)も生じ易くなるため、ゲーム自体の面白みを低下させてしまうことが懸念される。
【0008】
そのため、麻雀ゲームやカードゲームをプレイする際においても、新発想のコントローラの機能を活かしつつ、プレイヤが捨て牌(札)操作等を容易に行うことのできる技術が求められていた。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、表示装置に向けたコントローラによってオブジェクトなどを操作するゲーム装置において、表示されるオブジェクトの選択操作を、プレイヤがより容易に行うことのできるゲーム装置、オブジェクト選択方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、表示装置に向けられたコントローラにより、任意のオブジェクトを指定して操作するゲーム装置であって、表示制御部、照準領域検出部、選定部、及び、決定部を含んで構成される。
【0011】
まず、表示制御部は、複数のオブジェクト(例えば、牌や札等)が配列された配列画像(例えば、手牌や手札)を表示画面に表示する。また、照準領域検出部は、コントローラにより指し示される表示画面上の所定範囲の照準領域を検出する。選定部は、検出された照準領域に基づいて、表示される配列画像の中から複数の候補オブジェクトを選定する。そして、決定部は、選定された候補オブジェクトの中から、コントローラの向き又は姿勢変化(例えば、コントローラが振られた方向)に応じてオブジェクトを決定する。
【0012】
つまり、最初に、ある程度の広い範囲の照準領域でオブジェクトを選定するため、コントローラから所望のオブジェクトを狙う際に、それほど高い精度を必要とせず、不慣れなプレイヤであっても、簡単に狙えるようになる。
そして、選定されたオブジェクトの中から、所望のオブジェクトを決定する際に、その配置(並び)に応じて、コントローラの向き又は姿勢を変えればよいため(例えば、振ればよいため)、直感的であり、かつ、自然な操作で所望のオブジェクトを決定することができる。
この結果、表示されるオブジェクトの選択操作を、プレイヤがより容易に行うことができる。
【0013】
本発明の第2の観点に係るゲーム装置は、所定のセンサを有するコントローラがプレイヤによって把持され、当該プレイヤが当該コントローラを表示画面に向け、任意のオブジェクトを指定して処理を命ずるゲーム装置であって、表示制御部、照準領域検出部、選定部、移動方向検出部、及び、決定部を含んで構成される。
【0014】
まず、表示制御部は、指定対象となり得る複数のオブジェクト(例えば、牌や札等)が隣接して配列された配列画像(例えば、手牌や手札)を表示画面に表示する。また、照準領域検出部は、コントローラにより指し示される表示画面上の照準領域を、コントローラの位置及び先端の向きに基づいて検出する。選定部は、表示された配列画像と検出された照準領域との位置関係に基づいて、配列画像の中から複数の候補オブジェクトを選定する。移動方向検出部は、センサから供給される情報を取得し、コントローラの移動方向(例えば、コントローラが振られた方向)を検出する。そして、決定部は、候補オブジェクトが選定された状態で、検出された移動方向に応じて定まるオブジェクトを、候補オブジェクトの中から決定する。
【0015】
つまり、最初に、ある程度の広い範囲の照準領域でオブジェクトを選定するため、コントローラから所望のオブジェクトを狙う際に、それほど高い精度を必要とせず、不慣れなプレイヤであっても、簡単に狙えるようになる。
そして、選定したオブジェクトの中から、所望のオブジェクトを決定する際に、その配置(並び)に応じて、コントローラを移動させればよいため(例えば、振ればよいため)、直感的であり、かつ、自然な操作で所望のオブジェクトを決定することができる。
この結果、表示されるオブジェクトの選択操作を、プレイヤがより容易に行うことができる。
【0016】
前記コントローラには、所定のボタンが配置されており、
前記選定部は、当該ボタンが押下された時点での当該照準領域に属する当該配列画像における複数のオブジェクトを、候補オブジェクトとして選定してもよい。
【0017】
前記照準領域検出部は、当該照準領域を規定時間毎に順次検出し、
前記選定部は、順次検出される当該照準領域の表示画像上の位置が維持されたまま、一定時間が経過すると、当該照準領域に含まれる当該配列画像における複数のオブジェクトを、候補オブジェクトとして選定してもよい。
【0018】
前記表示制御部は、選定された当該各候補オブジェクトの拡大画像を、当該配列画像に対応させて表示し、
前記決定部は、表示される当該拡大画像中の当該各候補オブジェクトの並びと、当該コントローラの向きが変化する方向との関係に応じて、当該候補オブジェクトの中からオブジェクトを決定してもよい。
【0019】
本発明の第3の観点に係るオブジェクト選択方法は、表示装置に向けられたコントローラにより、任意のオブジェクトを指定して操作するゲーム装置におけるオブジェクト選択方法であって、ゲーム装置は、制御部と、表示制御部と、コントローラを含むコントローラユニットとを有しており、表示ステップ、照準領域検出ステップ、選定ステップ、及び、決定ステップを含んで構成される。
【0020】
まず、表示ステップでは、複数のオブジェクト(例えば、牌や札等)が配列された配列画像(例えば、手牌や手札)を表示画面に表示する。また、照準領域検出ステップでは、コントローラにより指し示される表示画面上の所定範囲の照準領域を検出する。選定ステップでは、検出された照準領域に基づいて、表示される配列画像の中から複数の候補オブジェクトを選定する。そして、決定ステップでは、選定された候補オブジェクトの中から、コントローラの向き又は姿勢変化(例えば、コントローラが振られた方向)に応じてオブジェクトを決定する。
【0021】
つまり、最初に、ある程度の広い範囲の照準領域でオブジェクトを選定するため、コントローラから所望のオブジェクトを狙う際に、それほど高い精度を必要とせず、不慣れなプレイヤであっても、簡単に狙えるようになる。
そして、選定されたオブジェクトの中から、所望のオブジェクトを決定する際に、その配置(並び)に応じて、コントローラの向き又は姿勢を変えればよいため(例えば、振ればよいため)、直感的であり、かつ、自然な操作で所望のオブジェクトを決定することができる。
この結果、表示されるオブジェクトの選択操作を、プレイヤがより容易に行うことができる。
【0022】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、コンピュータ(電子機器を含む。)を、上記のゲーム装置として機能させるように構成する。
【0023】
このプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0024】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、表示装置に向けたコントローラによってオブジェクトなどを操作するゲーム装置において、表示されるオブジェクトの選択操作を、プレイヤがより容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム装置に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話などの情報処理装置においても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0027】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0028】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラユニット105と、外部メモリ106と、DVD(Digital Versatile Disk)−ROMドライブ107と、画像処理部108と、音声処理部109と、NIC(Network Interface Card)110と、を備える。
【0029】
なお、ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ107に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態のゲーム装置が実現される。
【0030】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0031】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0032】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。
【0033】
インターフェース104を介して接続された、コントローラユニット105は、ユーザがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。より詳細には、後述するコントローラ210がプレイヤにより操作され、その操作情報等を無線通信により受け付ける。なお、コントローラユニット105の詳細については後述する。
【0034】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームの進行状態を示すデータ、チャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。ユーザは、コントローラユニット105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0035】
DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ107は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0036】
画像処理部108は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部108が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部108が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号(映像信号)に変換され画像処理部108に接続されるモニタ(後述するディスプレイ290)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0037】
なお、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0038】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。フォント情報は、ROM 102に記録されているが、DVD−ROMに記録された専用のフォント情報を利用することも可能である。
【0039】
音声処理部109は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、外部のスピーカ(後述するディスプレイ290のスピーカ)に供給して音声を出力させる。例えば、音声処理部109は、CPU 101による制御の下、ゲームの進行中に発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0040】
NIC 110は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格に従うものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0041】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
また、ユーザからの文字列の編集入力を受け付けるためのキーボードや、各種の位置の指定および選択入力を受け付けるためのマウスなどを接続する形態も採用することができる。
【0042】
また、本実施形態の情報処理装置100にかえて、一般的なコンピュータ(汎用のパーソナルコンピュータ等)をゲーム装置として利用することもできる。たとえば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、および、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能となる画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。そして、ゲームプログラムをインストールした後に、そのプログラムを実行させると、ゲーム装置として機能する。
【0043】
(コントローラユニットの概要)
図2は、上述したコントローラユニット105の概要を説明するための外観図である。
コントローラユニット105は、図示するようなコントローラ210とセンサバー220とを含んで構成される。情報処理装置100は、所定のケーブルを介してセンサバー220及びディスプレイ290とそれぞれ接続されている。
【0044】
コントローラ210は、例えば、テレビ等のリモコンと類似した外観を有し、情報処理装置100とワイヤレスで(無線通信によって)接続され、プレイヤが片手で持ってそのまま操作可能なコントローラである。
また、センサバー220は、所定の長さの棒状に形成され、ディスプレイ290の上部に、画面の向きに沿って適宜固定される。このセンサバー220には、両端に1つずつ発光素子221が埋設されている。なお、埋設される発光素子221の数は一例であり、これらの数より多くてもよい。
センサバー220は、情報処理装置100から電源供給を受けて発光素子221を適宜発光させる。
【0045】
コントローラ210は、先端にCCDカメラ211が配置され、先端がディスプレイ290に向けられると、このCCDカメラ211がセンサバー220の2つの発光素子221(2つの発光点)を含む画像を撮影する。また、コントローラ210は、内部に無線通信部を備えており、撮影した画像の情報を、無線通信にて情報処理装置100に順次送信する。
そして、情報処理装置100は、コントローラ210から送られた画像中における2つの発光点の位置関係等に基づいて、コントローラ210の位置及び向き等を適宜取得する。例えば、CPU 101及び画像処理部108等は、コントローラ210から見える2つの発光点の位置関係等を解析して、コントローラ210の空間位置及び、その先端の向き(長手軸線の方向)を算定し、最終的に、プレイヤがコントローラ210を画面上のどこに向けて操作しているか等を取得する。
なお、このようなコントローラ210の位置等の計測は、例えば、垂直同期割り込み(1/60秒)毎に行われる。
【0046】
また、コントローラ210は、内部に、3軸の加速度センサを備えており、コントローラ210の3軸方向の動きを測定することが可能となっている。なお、このような加速度センサの代わりに、角加速度センサや傾きセンサ等により、コントローラ210の動きを測定してもよい。
コントローラ210は、このような測定結果(例えば、3軸それぞれの加速度情報)を情報処理装置100に順次送信する。
そして、情報処理装置100は、コントローラ210から送られる測定結果に基づいて、コントローラ210の動きを検出する。例えば、プレイヤがコントローラ210を振る、ひねる、突くといった動作やその移動方向を取得する。
なお、このようなコントローラ210の動きの検出も、例えば、垂直同期割り込み毎に行われる。
【0047】
コントローラ210の上面には、十字形キー212が配置されており、プレイヤが手に持って操作する際に、各種の方向指示入力等を行うことができる。また、Aボタン213や、各種ボタン215も上面に配置されており、当該ボタンに対応付けられた指示入力を行うことができる。
【0048】
一方、Bボタン214は、コントローラ210の下面に配置され、その下面に窪みが構成されていることもあり、プレイヤが手に持って操作する際に、トリガを引くように押下することができるようになっている。
【0049】
コントローラ210の上面のインジケータ216は、コントローラ210が複数使用された場合でもプレイヤが識別できるように、適宜点灯する。
コントローラ210の上面に用意された電源ボタン217は、例えば、情報処理装置100のオン・オフを指示する。
【0050】
更に、コントローラ210の内部には、バイブレータ等の振動機構が配置され、情報処理装置100から送られる指示に応答して、振動を発生させることもできるようになっている。
以下では、このようなコントローラ210とセンサバー220との組合せによって、コントローラ210の位置等を測定することを前提に説明する。なお、コントローラ210の位置の測定は、センサバー220の発光点(発光素子221)をCCDカメラ211が撮影する手法に限られず、他の手法でも適宜適用可能である。例えば、センサバー220を介した2地点間の無線通信の時差等から、コントローラ210の位置等を求めてもよく、また、超音波や赤外線等を使用して、三角測量の原理にてコントローラ210の位置等を求めてもよい。
【0051】
(ゲーム装置の概要構成)
図3は、本実施形態に係るゲーム装置の概要構成を示す模式図である。このゲーム装置は、一例として、麻雀ゲームにおいて、ディスプレイ290に向けたコントローラ210によって、ゲーム画面上の手牌(配列画像)の中から任意の牌を指定して捨てる(打牌する)捨て牌操作等を行う装置である。以下、本図を参照して説明する。
【0052】
ゲーム装置300は、位置情報取得部310と、操作情報取得部320と、移動情報取得部330と、画像情報記憶部340と、配置情報管理部350と、表示制御部360と、処理制御部370とを備える。
【0053】
まず、位置情報取得部310は、プレイヤによって把持されるコントローラ210の位置及び向き(先端の方向)からなる位置情報を順次取得する。
例えば、位置情報取得部310は、ディスプレイ290に対するコントローラ210の空間位置及び、その先端(CCDカメラ211)の向き(長軸線の方向)を求める。より詳細には、コントローラ210の3軸方向(X軸,Y軸,Z軸の各方向)の位置と、コントローラ210の長軸線の方向を順次求める。
位置情報取得部310は、例えば、垂直同期割り込み(1/60秒)毎に、このような3軸方向の各位置と長軸線の方向からなる位置情報を生成し、処理制御部370に順次供給する。
そして、コントローラユニット105が、このような位置情報取得部310として機能しうる。
【0054】
操作情報取得部320は、コントローラ210から無線通信により送られるボタン操作情報を取得し、プレイヤによるコントローラ210のボタン操作の内容を順次取得する。つまり、プレイヤがコントローラ210のどのボタンを押下したか等をリアルタイムに取得する。
なお、インターフェース104等が、このような操作情報取得部320として機能しうる。
【0055】
移動情報取得部330は、コントローラ210における3軸方向の動き(加速度等)を示す移動情報を順次取得する。
例えば、移動情報取得部330は、プレイヤによりコントローラ210が振られた場合に、コントローラ210の移動方向(一例として、先端の移動方向)を取得する。この他にも移動情報取得部330は、プレイヤによりコントローラ210がひねられた場合や突かれたり引かれたりした場合等にも、コントローラ210の移動方向を取得する。
そして、コントローラユニット105が、このような移動情報取得部330として機能しうる。
【0056】
画像情報記憶部340は、麻雀牌の各オブジェクト(牌オブジェクト)を含む画像情報を記憶する。
例えば、画像情報記憶部340は、萬子(一萬〜九萬)、筒子(一筒〜九筒)、索子(一索〜九索)、字牌(風牌と三元牌)といった各牌オブジェクトの画像情報を記憶する。また、この他にも、画像情報記憶部340は、点棒やサイコロ等のような、麻雀ゲームを実行する際に必要となる各種オブジェクトの画像情報も記憶している。
なお、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM及び、RAM 103が、このような画像情報記憶部340として機能しうる。
【0057】
配置情報管理部350は、手牌の配列(組み合わせや並び)を含む牌オブジェクトの配置情報を管理する。
例えば、配置情報管理部350は、ゲーム中におけるプレイヤの手牌の配置情報を管理する。つまり、配牌、自摸、捨て牌(打牌)、副露(ポン、チー、カン)といったゲーム中に変化する手牌の配列を管理する。また、この他にも、配置情報管理部350は、各プレイヤの河に捨てられた牌の配置情報等も管理する。
なお、CPU 101及びRAM 103がこのような配置情報管理部350として機能しうる。
【0058】
表示制御部360は、画像情報記憶部340に記憶された画像情報及び、配置情報管理部350に管理された配置情報等に基づいて、ゲーム画像を生成する。
具体的に表示制御部360は、図4に示すような表示画像(ゲーム画面)を生成する。この表示画像には、手牌を示す各牌オブジェクトの配列画像HGが含まれている。つまり、配列画像HGは、プレイヤが現在保有している牌オブジェクトの配列を示しており、各牌オブジェクトが横方向に一列に隣接して(それぞれ隣り合って)配置されている。
プレイヤは、このような手牌(配列画像HG)の中から、コントローラ210によって任意の牌を指定(決定)して、捨て牌(打牌)する捨て牌操作を行うことになる。そのために、表示制御部360は、後述するように、コントローラ210により指し示されるゲーム画面上の照準領域を示す照準マークや、照準領域に応じて選ばれる候補オブジェクトの拡大画像等を生成する。
なお、画像処理部108が、このような表示制御部360として機能しうる。
【0059】
図3に戻って、処理制御部370は、ゲーム装置300全体を制御する。例えば、処理制御部370は、照準領域算定部371、候補オブジェクト選定部372、オブジェクト決定部373、及び、ゲーム進行部374を含んで構成される。
【0060】
照準領域算定部371は、位置情報取得部310にて取得された位置情報に基づいて、コントローラ210から指し示されるディスプレイ290(ゲーム画面)上の照準領域を順次算定する。
具体的に照準領域算定部371は、まず、取得した位置情報からコントローラ210の実空間位置(X軸,Y軸,Z軸方向の各位置)及び、その先端(発光素子211)の向き(長軸線の方向)を求める。そして、図5(a)に示すように、求めたコントローラ210の位置及び長軸線Lの方向に基づいて、画面Scr(ディスプレイ290)上の照準位置Spを求める。
次に、照準領域算定部371は、求めた照準位置Spを中心にして、所定の半径の円により囲まれる照準領域SAを算定する。一例として、図5(b)に示すように、手牌(配列画像)における3つ分の牌オブジェクトObjを囲むことができる程度の大きさとなる照準領域SAを算定する。
なお、照準領域SAの形状は一例であり、このような円形に限られず、矩形等のような他の形状であってもよい。また、照準領域SAの大きさ(範囲)も一例であり、適宜変更可能である。
【0061】
照準領域算定部371は、算定したこのような照準領域の情報を、候補オブジェクト選定部372に供給する。また、このような照準領域をプレイヤが見ることができるように(照準マーク等を表示させるために)、照準領域算定部371は、この照準領域の情報を表示制御部360にも供給する。
【0062】
図3に戻って、候補オブジェクト選定部372は、照準領域算定部371が算定した照準領域の情報と、配置情報管理部350にて管理される各オブジェクトの配置情報との位置関係、及び、操作情報取得部320が取得したボタン操作情報に基づいて、複数の牌オブジェクトを候補オブジェクトとして選定する。
例えば、候補オブジェクト選定部372は、ボタン操作情報によって、コントローラ210のBボタン214がプレイヤにより押下されたことを検出した際に、照準領域に含まれる牌オブジェクトがあれば、その牌オブジェクトを候補オブジェクトとして選定する。なお、照準領域に含まれるか否かは、一例として、牌オブジェクトの中心(又は、重心)が、照準領域内に属しているかどうかにより判断される。
【0063】
具体的には、図6(a)に示すように、手牌(配列画像HG)上に、照準領域SAが重なっている状況で、コントローラ210のBボタン214が押下されると、候補オブジェクト選定部372は、照準領域SAに含まれる「南」「西」「発」の3つの牌オブジェクトObjを候補オブジェクトとして選定する。
また、図6(b)に示すような状況で、コントローラ210のBボタン214が押下されると、候補オブジェクト選定部372は、照準領域SAに完全に含まれる「南」「西」と、中心が照準領域SAに含まれる「三索」との合計3つの牌オブジェクトObjを候補オブジェクトとして選定する。なお、「発」は、その中心が照準領域SAから外れているものとする。
【0064】
また、図6(c)に示すような状況で、コントローラ210のBボタン214が押下されると、候補オブジェクト選定部372は、照準領域SAに含まれる「一筒」「七筒」「七筒」の3つの牌オブジェクトObjを候補オブジェクトとして選定する。
なお、この場合、「七筒」「七筒」が重複しているため、「一筒」「七筒」の2つを候補オブジェクトとして、後述する拡大画像を生成してもよい。また、候補オブジェクト選定部372が、重複を判別するようにして、「一筒」「七筒」の2つの牌オブジェクトObjだけを候補オブジェクトとして選定するようにしてもよい。
更に、図6(d)に示すような状況で、コントローラ210のBボタン214が押下されると、候補オブジェクト選定部372は、照準領域SAに含まれる「二萬」「八萬」の2つの牌オブジェクトObjを候補オブジェクトとして選定する。
【0065】
なお、候補オブジェクトの選定手法は、このような牌オブジェクトの中心が、照準領域内に属しているかどうかに限られず、適宜変更可能である。例えば、照準領域に完全に含まれる牌オブジェクトだけを選定してもよく、逆に、照準領域に一部でも含まれていればそれらを全て選定してもよい。つまり、上記の図6(b)の場合を一例とすると、照準領域SAに完全に含まれる「南」「西」の2つの牌オブジェクトObjだけを選定してもよく、逆に、この「南」「西」と、照準領域SAに一部が含まれる「三索」「発」との合計4つの牌オブジェクトObjを選定してもよい。
【0066】
候補オブジェクト選定部372は、このようにして選定した候補オブジェクトの情報を、オブジェクト決定部373に供給する。また、このように選定された候補オブジェクトをプレイヤが知る(見る)ことができるように(拡大画像等を表示させるために)、候補オブジェクト選定部372は、この候補オブジェクトの情報を表示制御部360にも供給する。
【0067】
図3に戻って、オブジェクト決定部373は、選定された候補オブジェクトの中から、移動情報取得部330にて取得された移動情報(3軸方向の加速度等)に基づいて、1つの牌オブジェクトを決定する。
例えば、オブジェクト決定部373は、候補オブジェクトが選定された状態で、プレイヤによりコントローラ210が振られた場合に、その振られた方向(一例として、先端の移動方向)に応じて定まる牌オブジェクトを、候補オブジェクトの中から決定する。
一例として、3つの牌オブジェクト(プレイヤから見て左端、真ん中、右端の牌オブジェクト)が候補オブジェクトとして選定されている場合、コントローラ210がプレイヤから見て左方向に振られると、左端の牌オブジェクトが決定され、また、上方向に振られると、真ん中の牌オブジェクトが決定され、そして、右方向に振られると、右端の牌オブジェクトが決定される。
【0068】
具体的には、図7(a)に示すように、左端の牌オブジェクトObjL(南)、真ん中の牌オブジェクトObjC(西)、及び、右端の牌オブジェクトObjR(発)からなる3つの牌オブジェクトが候補オブジェクトとして選定されている状態で、プレイヤによりコントローラ210が上に振られたとする。この場合、オブジェクト決定部373は、上方向に対応する牌オブジェクトObjC(西)を決定する。
また、同じ候補オブジェクトで、図7(b)に示すように、コントローラ210が左に振られた場合、オブジェクト決定部373は、左方向に対応する牌オブジェクトObjL(南)を決定する。
更に、同じ候補オブジェクトで、図7(c)に示すように、コントローラ210が右に振られた場合、オブジェクト決定部373は、右方向に対応する牌オブジェクトObjR(発)を決定する。
【0069】
なお、コントローラ210が振られた方向(移動方向)は、ある程度の許容範囲が設けられており、厳密に、水平方向(左/右方向)や垂直方向(上方向)に振られていなくとも、左/右方向や上方向であることを判別(検出)できるようになっている。
また、図7(a)〜(c)では、3つの牌オブジェクトが候補オブジェクトとして選定されている場合を説明したが、他の数の牌オブジェクトが候補オブジェクトとして選定されている場合にも適宜適用可能である。
例えば、2つの牌オブジェクト(プレイヤから見て左端、右端の牌オブジェクト)が候補オブジェクトとして選定されている場合、コントローラ210がプレイヤから見て左方向に振られると、オブジェクト決定部373は、左端の牌オブジェクトを決定し、また、右方向に振られると、右端の牌オブジェクトを決定するようにしてもよい。
【0070】
オブジェクト決定部373は、このようにして決定した牌オブジェクトの情報を、ゲーム進行部374、及び、配置情報管理部350に供給する。なお、配置情報管理部350に、決定した牌オブジェクトの情報(つまり、捨て牌の情報)が供給されると、配置情報が更新され、そして、更新された配置情報に基づいて、表示制御部360によりゲーム画面が更新される(つまり、手牌や河の画像が更新される)。
【0071】
ゲーム進行部374は、麻雀ゲームの進行を管理する。例えば、プレイヤの自摸、捨て牌、副露(ポン、チー、カン)といったゲームの進行に必要な情報の管理を行う。
例えば、自摸から捨て牌までに制限時間が設けられている状態で、この制限時間内に、プレイヤが捨て牌を決定できなかった場合(オブジェクト決定部373から決定した牌の情報が得られなかった場合)に、ゲーム進行部374は、所定の牌を捨て牌として決定する。
具体的には、候補オブジェクトが選定されている状態で、制限時間が経過した場合、ゲーム進行部374は、候補オブジェクト中の所定位置の牌(一例として、右端の牌)を捨て牌として決定する。また、候補オブジェクトが選定されていない状態で、制限時間が経過した場合、ゲーム進行部374は、手牌中の所定位置の牌(一例として、右端の牌)を捨て牌として決定する。
【0072】
処理制御部370は、このような照準領域算定部371、候補オブジェクト選定部372、オブジェクト決定部373、及び、ゲーム進行部374が適宜連携して、ゲーム装置300を制御している。
そして、CPU 101が、このような構成からなる処理制御部370として機能しうる。
【0073】
(ゲーム装置の動作の概要)
図8は、上述した構成のゲーム装置300において、麻雀ゲームのプレイ中に実行される捨て牌処理の流れを示すフローチャートである。以下、この図を参照してゲーム装置300の動作について説明する。
この捨て牌処理は、全体としての麻雀ゲーム処理の中の一部であり、例えば、ゲーム中において、プレイヤの自摸後、副露(ポン、チー、カン)後等に、繰り返し実行される。
【0074】
まず、ゲーム装置300は、コントローラ210の位置情報を取得して、照準領域を算定する(ステップS401)。
つまり、照準領域算定部371は、位置情報取得部310から供給される位置情報に基づいて、コントローラ210によって指し示されるディスプレイ290(ゲーム画面)上の照準領域を算定する。
【0075】
ゲーム装置300は、照準マークをゲーム画面に合成する(ステップS402)。
すなわち、表示制御部360は、照準領域算定部371から照準領域の情報を得ると、プレイヤが現在の照準領域を見ることができるように、例えば、図9(a)に示すような照準マークMKを生成する。つまり、この照準マークMKは、上述した図5(b)の照準領域SAの範囲を示すものであり、この照準領域SAをプレイヤが確認できるようにするためのものである。そして、表示制御部360は、生成したこのような照準マークMKを、図9(b)に示すように、ゲーム画面に合成する。
すなわち、図5(b)を参照して上述したように、照準領域SAが、手牌(配列画像)における3つ分の牌オブジェクトObjを囲むことができる程度の大きさであるため、図9(b)に示すように、照準マークMKによって示される範囲も、3つ分の牌オブジェクトを囲める程度の大きさとなっている。なお、照準領域SAと照準マークMKとは、完全一致に限られず、ある程度、大きさや形が違っていてもよい。
つまり、プレイヤは、このような牌3つ分程度の範囲を表す照準マークMKを、手牌における所望の牌に重なるように、コントローラ210の向き等を調整することになる。
なお、このような照準マークMKは、一例であり、形状等を適宜変更してもよい。
【0076】
図8に戻って、ゲーム装置300は、プレイヤによりコントローラ210のBボタン214が押下されたか否かを判別する(ステップS403)。
すなわち、処理制御部370は、操作情報取得部320から取得した操作情報に基づいて、コントローラ210のBボタン214が押下されたかどうかを判別する。
ゲーム装置300は、コントローラ210のBボタン214が押下されていないと判別すると(ステップS403;No)、上述したステップS401に処理を戻す。
【0077】
一方、コントローラ210のBボタン214が押下されたと判別した場合に(ステップS403;Yes)、ゲーム装置300は、照準マークが手牌上であるか否かを判別する(ステップS404)。
すなわち、処理制御部370は、照準領域算定部371が算定した照準領域が、ゲーム画面中の手牌(配列画像)上に位置しているかどうか、つまり、捨て牌を指定するために、コントローラ210により手牌が狙われている状態であるかどうかを判別する。
ゲーム装置300は、照準マークが手牌上にないと判別すると(ステップS404;No)、上述したステップS401に処理を戻す。
【0078】
一方、照準マークが手牌上にあると判別した場合に(ステップS404;Yes)、ゲーム装置300は、候補オブジェクトを選定する(ステップS405)。
すなわち、候補オブジェクト選定部372は、手配(配列画像)と照準領域との位置関係に基づいて、候補オブジェクトを選定する。
つまり、プレイヤは、所望の牌に照準マークが重なっている状態で、コントローラ210のBボタン214を押下することになるため、候補オブジェクト選定部372は、上述の図6(a)〜(d)を参照して説明したように、照準領域SAに含まれる複数の牌オブジェクトObjを候補オブジェクトとして選定する。
【0079】
ゲーム装置300は、候補オブジェクトの拡大画像をゲーム画面に合成する(ステップS406)。
つまり、表示制御部360は、候補オブジェクト選定部372から候補オブジェクトの情報を得ると、どの牌オブジェクトが候補オブジェクトとして選定されたのかをプレイヤに知らせるために、例えば、図10(a)に示すような候補オブジェクトの拡大画像KGを生成し、候補オブジェクトに対応させてゲーム画像に合成する。一例として、図10(b)に示すように、拡大画像KGが候補オブジェクト上に重なるように合成する。なお、拡大画像KGの配置(合成位置)は、候補オブジェクトとの対応関係をプレイヤに知らせることを目的としているため、このように重ねるだけでなく、候補オブジェクトの近傍に配置したり、候補オブジェクトと引き出し線等にて結んで少し離れた位置に配置したり、専用の領域に配置するなど適宜変更可能である。
また、この拡大画像KGには、3方向の矢印マークYm(YmL,YmC,YmR)が付加されている。これらの矢印マークYmは、候補オブジェクトから1つの牌オブジェクトを決定するために、プレイヤがコントローラ210をどの方向に振ればよいかを示している。
なお、この拡大画像KGは、一例であり、矢印マークYmを付加するかどうかを含めて、適宜変更可能である。例えば、図10(c)に示すように、矢印マークを付加せずに候補オブジェクトの配置を変えた拡大画像KGを生成し、それぞれの配置により、プレイヤがコントローラ210をどの方向に振ればよいかを示すようにしてもよい。
【0080】
図8に戻って、ゲーム装置300は、コントローラ210が振られたか否かを判別する(ステップS407)。
すなわち、処理制御部370は、移動情報取得部330から供給される位置情報(加速度等)に基づいて、コントローラ210が振られたかどうかを判別する。例えば、基準値以上の加速度が得られた場合に、処理制御部370は、コントローラ210が振られたと判別する。
【0081】
ゲーム装置300は、コントローラ210が振られていないと判別すると(ステップS407;No)、Bボタン214の押下が解除されたか否かを判別する(ステップS408)。
すなわち、処理制御部370は、操作情報取得部320から取得したボタン操作情報に基づいて、Bボタン214の押下が解除されたかどうかを判別する。
ゲーム装置300は、コントローラ210のBボタン214の押下が解除されていないと判別すると(ステップS408;No)、上述したステップS407に処理を戻し、ステップS407,S408の処理を繰り返し実行する。
一方、コントローラ210のBボタン214の押下が解除されたと判別した場合に(ステップS408;Yes)、ゲーム装置300は、上述したステップS401に処理を戻す。つまり、現在の候補オブジェクトの選定を一旦解除し(拡大画像の合成も停止し)、プレイヤが再度、候補オブジェクトの選定からやり直すことができるようにする。
【0082】
また、上記のステップS407にて、コントローラ210が振られたと判別した場合に(ステップS407;Yes)、ゲーム装置300は、コントローラ210の移動方向に応じて、牌オブジェクトを決定する(ステップS409)。
つまり、オブジェクト決定部373は、選定された候補オブジェクトの中から、移動方向に応じて、1つの牌オブジェクトを決定する。
具体的には、上述の図7(a)〜(c)を参照して説明したように、オブジェクト決定部373は、コントローラ210が振られた方向(一例として、先端の移動方向)に応じて定まる牌オブジェクトを、候補オブジェクトの中から決定する。
【0083】
そして、ゲーム装置300は、決定した牌オブジェクトを捨て牌とし、捨て牌処理を終える。なお、ゲーム装置300は、捨て牌処理を終えた後、麻雀ゲームを更に進行させる。
【0084】
このように、プレイヤは、まず、照準マークにて、手牌(配列画像)の中から、所望の牌が含まれるように狙う。つまり、ある程度の広い範囲(照準領域)にて所望の牌を狙えばよいため、コントローラ210の扱いに不慣れなプレイヤであっても、容易に照準を合わせることができる。また、所望の牌を狙う際に、手振れ等により照準がずれたとしても、所望の牌が含まれていればよいため、それほど、厳密さが要求されない。そのため、不慣れなプレイヤであっても、簡単に狙えるようになる。
そして、所望の牌が候補オブジェクトとして選定された後に、プレイヤは、所望の牌オブジェクトの配置(並び)に応じて、コントローラ210を振ればよいため、直感的であり、かつ、自然な操作で所望の牌オブジェクトを決定することができる。
この結果、表示される牌オブジェクトの選択操作を、プレイヤがより容易に行うことができる。
【0085】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、コントローラ210のボタン(一例として、Bボタン214)がプレイヤにより押下されたことを契機に、照準領域に含まれる牌オブジェクトを候補オブジェクトとして選定する場合について説明した。
しかしながら、候補オブジェクトを選定する手法は、このようなボタン押下に限られず、適宜変更可能である。例えば、照準領域が保持されたまま(静止されたまま)一定時間が経過することを契機に、候補オブジェクトを選定してもよい。以下、図11を参照して、照準領域の保持(静止)によって、候補オブジェクトを選定することを特徴としたゲーム装置について説明する。
【0086】
図11は、本発明の他の実施形態に係るゲーム装置の概要構成を示す模式図である。
このゲーム装置500は、位置情報取得部310と、操作情報取得部320と、移動情報取得部330と、画像情報記憶部340と、配置情報管理部350と、表示制御部360と、処理制御部570とを備える。
なお、上述した図3のゲーム装置300と異なる点は、処理制御部370と処理制御部570との相違だけである。つまり、位置情報取得部310〜表示制御部360は、上述した図3のゲーム装置300とほぼ同様である。
【0087】
処理制御部570は、照準領域算定部371、候補オブジェクト選定部372、オブジェクト決定部373、ゲーム進行部374、及び、保持時間計時部571を含んで構成される。
この処理制御部570は、上述したゲーム装置300の処理制御部370に、保持時間計時部571が付加された構成となっている。つまり、照準領域算定部371〜ゲーム進行部374は、上述した処理制御部370とほぼ同様である。
【0088】
保持時間計時部571は、照準領域が保持されている時間を計時する。つまり、プレイヤによりコントローラ210が静止されている時間を計時する。
例えば、保持時間計時部571は、移動情報取得部330にて取得された移動情報(3軸方向の加速度等)により、コントローラ210が静止している(若しくは、ほとんど移動していない)と判別されると、その時点からの計時を開始する(ゼロから計時を開始する)。なお、コントローラ210の動きが判別されると(静止が途切れると)、計時を止める。そして、次に、コントローラ210の静止を判別すると、再び、ゼロから計時を開始する。
こうして、コントローラ210が静止されている時間を計時し、一定時間が経過すると、保持時間計時部571は、候補オブジェクト選定部372に、照準領域の保持が一定時間続いた旨を通知する。
【0089】
そして、候補オブジェクト選定部372は、保持時間計時部571からのこの通知を受けた際に、照準領域に含まれる牌オブジェクトがあれば、その牌オブジェクトを候補オブジェクトとして選定する。
【0090】
つまり、プレイヤは、所望の牌に照準マークが重なっている状態でコントローラ210を静止させるため、照準領域もそのまま保持されることになる。そして、そのまま一定時間が経過すると、候補オブジェクト選定部372は、上述の図6(a)〜(d)を参照して説明したように、照準領域SAに含まれる複数の牌オブジェクトObjを候補オブジェクトとして選定する。
【0091】
その後は、上述したゲーム装置300と同様に、コントローラ210が振られた方向に応じて定まる牌オブジェクトを、候補オブジェクトの中から決定する。つまり、オブジェクト決定部373は、上述の図7(a)〜(c)を参照して説明したように、コントローラ210が振られた方向(一例として、先端の移動方向)に応じて定まる牌オブジェクトを、候補オブジェクトの中から決定する。
【0092】
この場合も、プレイヤは、ある程度の広い範囲(照準領域)にて所望の牌を狙い、そのまま、静止させればよいため、コントローラ210の扱いに不慣れなプレイヤであっても、比較的容易に照準を合わせることができる。
そして、所望の牌が候補オブジェクトとして選定された後に、プレイヤは、所望の牌オブジェクトの配置(並び)に応じて、コントローラ210を振ればよいため、直感的であり、かつ、自然な操作で所望の牌オブジェクトを決定することができる。
この結果、表示される牌オブジェクトの選択操作を、プレイヤがより容易に行うことができる。
【0093】
上記の実施形態では、照準領域に含まれる牌オブジェクトを候補オブジェクトとして選定する場合について説明した。それでも、候補オブジェクトの選定手法は、任意であり、例えば、ゲーム装置300・500側が演算により求めた、捨て牌として推奨する候補オブジェクトを選定してもよい。
例えば、手牌上を狙って、コントローラ210のBボタン214が押下されずに、又は、コントローラ210が静止されずに、一定時間が経過すると、処理制御部370・570は、所定の捨て牌理論に沿ったロジックにより、現在の手牌において不要となる牌を複数(例えば、上位3つまでの牌)選定する。
そして、上記と同様に、候補オブジェクトの拡大画像をゲーム画面に合成し、コントローラ210が振られた方向に応じて定まる牌オブジェクトを、オブジェクト決定部373が決定する。
この場合も、表示される牌オブジェクトの選択操作を、プレイヤがより容易に行うことができる。
【0094】
上記の実施形態では、麻雀ゲームを一例として説明したが、このような麻雀ゲームに限られず、他にカードゲーム等、コントローラ210により配列されたオブジェクト(配列画像)から任意のオブジェクトを指定するようなゲームであれば適宜適用可能である。
つまり、上述した麻雀ゲームでは、図4に示すように、各牌オブジェクトが横方向に一列に隣接して配列された配列画像の中から、任意の牌オブジェクトを指定する場合について説明したが、これ以外でも、オブジェクトが隣接して(隣り合って)配列されていれば、同様に適用可能である。例えば、トランプ等を手で広げて持つように扇形に隣接して配列されていたり、縦方向や斜め方向に隣接して配列されていてもよく、また、一列でなく、複数列に渡って配列されていてもよい。更に、トランプの神経衰弱のように、無秩序に配列されているような場合でも、適宜適用可能である。
【0095】
以上説明したように、本発明によれば、表示装置に向けたコントローラによってオブジェクトなどを操作するゲーム装置において、表示されるオブジェクトの選択操作を、プレイヤがより容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】コントローラユニットの概要を説明するための外観図である。
【図3】本発明の実施形態に係るゲーム装置の概要構成を示す模式図である。
【図4】表示画像(ゲーム画面)の一例を示す模式図である。
【図5】(a),(b)共に、照準領域を説明するための模式図である。
【図6】(a)〜(d)共に、候補オブジェクトの選定を説明するための模式図である。
【図7】(a)〜(c)共に、コントローラを振ることにより、候補オブジェクトから1つの牌オブジェクトを決定する様子を説明するための模式図である。
【図8】本発明の実施形態に係る捨て牌処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】(a),(b)共に、照準マークを説明するための模式図である。
【図10】(a)〜(c)共に、拡大画像を説明するための模式図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るゲーム装置の概要構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0097】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラユニット
106 外部メモリ
107 DVD−ROMドライブ
108 画像処理部
109 音声処理部
110 NIC
210 コントローラ
220 センサバー
290 ディスプレイ
300,500 ゲーム装置
310 位置情報取得部
320 操作情報取得部
330 移動情報取得部
340 画像情報記憶部
350 配置情報管理部
360 表示制御部
370,570 処理制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に向けられたコントローラにより、任意のオブジェクトを指定して操作するゲーム装置であって、
複数のオブジェクトが配列された配列画像を表示画面に表示する表示制御部と、
当該コントローラにより指し示される表示画面上の照準領域を検出する照準領域検出部と、
検出された当該照準領域に基づいて、表示される当該配列画像の中から複数の候補オブジェクトを選定する選定部と、
選定された当該候補オブジェクトの中から、当該コントローラの向き又は姿勢変化に応じてオブジェクトを決定する決定部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
所定のセンサを有するコントローラがプレイヤによって把持され、当該プレイヤが当該コントローラを表示画面に向け、任意のオブジェクトを指定して処理を命ずるゲーム装置であって、
指定対象となり得る複数のオブジェクトが隣接して配列された配列画像を表示画面に表示する表示制御部と、
当該コントローラにより指し示される表示画面上の照準領域を、当該コントローラの位置及び先端の向きに基づいて検出する照準領域検出部と、
表示された当該配列画像と検出された当該照準領域との位置関係に基づいて、当該配列画像の中から複数の候補オブジェクトを選定する選定部と、
当該センサから供給される情報を取得し、当該コントローラの移動方向を検出する移動方向検出部と、
当該候補オブジェクトが選定された状態で、検出された当該移動方向に応じて定まるオブジェクトを、当該候補オブジェクトの中から決定する決定部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記コントローラには、所定のボタンが配置されており、
前記選定部は、当該ボタンが押下された時点での当該照準領域に属する当該配列画像における複数のオブジェクトを、候補オブジェクトとして選定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記照準領域検出部は、当該照準領域を規定時間毎に順次検出し、
前記選定部は、順次検出される当該照準領域の表示画像上の位置が維持されたまま、一定時間が経過すると、当該照準領域に含まれる当該配列画像における複数のオブジェクトを、候補オブジェクトとして選定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載のゲーム装置であって、
前記表示制御部は、選定された当該各候補オブジェクトの拡大画像を、当該配列画像に対応させて表示し、
前記決定部は、表示される当該拡大画像中の当該各候補オブジェクトの並びと、当該コントローラの向きが変化する方向との関係に応じて、当該候補オブジェクトの中からオブジェクトを決定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
表示装置に向けられたコントローラにより、任意のオブジェクトを指定して操作するゲーム装置におけるオブジェクト選択方法であって、
当該ゲーム装置は、制御部と、表示制御部と、当該コントローラを含むコントローラユニットとを有しており、
前記表示制御部が、複数のオブジェクトが配列された配列画像を表示画面に表示する表示ステップと、
前記制御部が、当該コントローラにより指し示される表示画面上の照準領域を、前記コントローラユニットを使用して検出する照準領域検出ステップと、
前記制御部が、検出された当該照準領域に基づいて、表示される当該配列画像の中から複数の候補オブジェクトを選定する選定ステップと、
前記制御部が、選定された当該候補オブジェクトの中から、当該コントローラの向き又は姿勢変化に応じてオブジェクトを決定する決定ステップと、
を含むことを特徴とするオブジェクト選択方法。
【請求項7】
表示装置に向けられたコントローラにより、任意のオブジェクトを指定して操作するコンピュータを、
複数のオブジェクトが配列された配列画像を表示画面に表示する表示制御部、
当該コントローラにより指し示される表示画面上の照準領域を検出する照準領域検出部、
検出された当該照準領域に基づいて、表示される当該配列画像の中から複数の候補オブジェクトを選定する選定部、
選定された当該候補オブジェクトの中から、当該コントローラの向き又は姿勢変化に応じてオブジェクトを決定する決定部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−63616(P2010−63616A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232166(P2008−232166)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】