説明

ゲーム装置、ゲームプログラム

【課題】ゲーム画面に表示されるオブジェクトを取り囲む操作に制限を加えることによりゲーム性を向上させる。
【解決手段】オブジェクトが表示される表示装置と、前記表示装置のゲーム画面に対して位置を指示することができる入力装置を備えたゲーム装置において、敵キャラクタオブジェクト制御部32bは、ゲーム画面の任意の位置に敵キャラクタを表すオブジェクトを表示させる。サークル値記憶部37には、ゲーム画面中において設定されるサークル(閉領域)の上限を示すサークル値が記憶されている。サークル制御部32aは、入力制御部31を通じて入力されるゲーム画面中の位置に応じて、サークルが示す上限を越えない範囲でゲーム画面中にサークルを生成して表示装置において表示させる。ゲーム制御部30は、サークル制御部32aによって生成されたサークル内に含まれる敵キャラクタに応じてポイントを加算してゲームを進行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム画面に表示されるオブジェクトを入力装置により指示された位置に応じて取り囲むゲームを実行するゲーム装置、及び同装置において実行されるゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム画面に表示されるキャラクタを、入力装置により指示された線によって取り囲むゲームが考えられている。
【0003】
特許文献1に記載されたゲーム装置では、独自に行動するプレイヤキャラクタが画面上に散らばっており、この散らばっているプレイヤキャラクタから操作対象とするプレイヤキャラクタ群がスティックで操作によって囲まれる。具体的には、プレイヤがタッチパネル上においてスティックを移動させる操作をすると、スティックを移動させた軌跡(入力軌跡)が表示され、任意のプレイヤキャラクタ群が囲まれる。囲まれたプレイヤキャラクタ群は、一箇所に寄り集まり、隊列を構成する。
【0004】
また、特許文献2に記載されたゲーム装置では、敵オブジェクトを囲むように、プレイヤがタッチパネル上をスティック等で撫でる操作(「囲み操作」)をすると、この囲み操作に従って「囲み線」が表示される。囲み線は、壁として働き、敵オブジェク2の移動可能範囲を制限したり、敵オブジェクトが接触した場合にダメージ(移動速度の低下、停止)を与えることができる効果を発揮する。
【特許文献1】特開2006−311966号公報
【特許文献2】特開2007−130376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のゲーム装置には、ゲーム画面中に表示されるキャラクタ(オブジェクト)を囲む操作がされるものがあった。しかしながら、従来では、キャラクタを囲むための操作には何ら制限がなく、任意にゲーム画面中において囲む範囲を指定することができた。従って、プレイヤは、どこに囲みを作成するかを考慮するだけで良く、囲む操作をするか否か、どれくらいの範囲で囲みを作成するかといったことを何ら考慮する必要がないため単調な操作をすることになりゲーム性が低いものとなっていた。
【0006】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、ゲーム画面に表示されるオブジェクトを取り囲む操作に制限を加えることによりゲーム性を向上させることが可能なゲーム装置、ゲームプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、オブジェクトが表示される表示装置と、前記表示装置のゲーム画面に対して位置を指示することができる入力装置を備えたゲーム装置において、前記ゲーム画面の任意の位置にオブジェクトを表示させるオブジェクト表示手段と、前記ゲーム画面中において設定される閉領域の上限を示すデータを記憶する記憶手段と、前記入力装置により指示された位置に応じて、前記記憶手段に記憶されたデータが示す上限を越えない範囲でゲーム画面中に閉領域を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された閉領域に含まれる前記オブジェクト表示手段により表示されたオブジェクトに応じてゲームを進行させるゲーム進行制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゲーム画面中において設定される閉領域の上限を示すデータを記憶し、このデータが示す上限を越えない範囲でゲーム画面中に閉領域を生成することよって、ゲーム画面に表示されるオブジェクトを取り囲む操作に制限を加えてゲーム性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲーム装置の構成を示すブロック図である。図1に示すゲーム装置は、例えばパーソナルコンピュータにより実現されるもので、制御部10、メモリ11、ハードディスク装置12、通信インタフェース部13、表示制御部14、音声制御部15、ディスクドライブ装置16、入力インタフェース部17、ディスプレイ18、スピーカ19、キーボード21、マウス22、及びタブレット23等が設けられている。
【0010】
制御部10は、装置全体の制御を司るもので、CPUやROM/RAMなどのメモリを含んで構成される。制御部10は、ゲームプログラムを実行することで、例えば表示画面中のゲームフィールドにランダムに表示されるオブジェクト(敵キャラクタ)を、プレイヤの操作によって指示される領域により取り囲むことにより得点が加算されるゲームを提供することができる。本実施形態のゲーム装置(ゲームプログラム)では、例えばゲーム画面に対する位置の指示によって任意のサイズのサークルを作成させて、このサークルによってオブジェクト(敵キャラクタ)を囲むことにより攻撃を与えることができるものとする。詳細については後述する。
【0011】
メモリ11は、制御部10によりアクセスされるプログラムや各種データが記憶される。メモリ11に記憶されるプログラムには、ゲームを進行させるためのゲームプログラムを含む。
【0012】
ハードディスク装置12は、基本プログラム(OS)やゲームプログラムなどの各種プログラムの他、各種のデータが記憶される。
【0013】
通信インタフェース部13は、制御部10の制御のもとで、外部のネットワークと接続して各種のデータの送受信を制御する。本実施形態では、例えば通信インタフェース部13を介してインターネットに接続し、プログラムダウンロードサービスを提供するWebサイトからゲームプログラムをダウンロードして実行することができる。
【0014】
表示制御部14は、制御部10の制御のもとで、ディスプレイ18における画面表示を制御する。ゲームが実行されている場合には、敵キャラクタを表すオブジェクトや、プレイヤの操作に応じて生成されるサークルなどが表示されるゲーム画面をディスプレイ18において表示させる。
【0015】
音声制御部15は、制御部10の制御のもとで、スピーカ19からの音声出力を制御する。ゲームが実行されている場合には、ゲームの進行状況に応じた効果音やBGM(back ground music)、各種メッセージ音声などを出力する。
【0016】
ディスクドライブ装置16は、DVD−ROMやCD−ROMなどに記録されたプログラムやデータの読み出しを実行する。本実施形態では、ディスクドライブ装置16によってディスクから読み出されたゲームプログラムを実行することができる。
【0017】
入力インタフェース部17は、各種入力装置からの入力制御を行うもので、例えばキーボード21、マウス22、タブレット23などの入力装置からの入力を制御する。ゲームで使用される入力装置としては、ポインティングデバイスであるマウス22あるいはタブレット23(スタイラスペン24)が使用されるものとする。マウス22あるいはタブレット23によって、ディスプレイ18に表示されたゲーム空間を表すゲーム画面中において任意に位置を指定することができる。
【0018】
なお、前述した説明では、本実施形態におけるゲーム装置をパーソナルコンピュータにより実現するとしているが、その他の情報処理装置、例えば業務用や家庭用のゲーム専用機、携帯型のゲーム専用機、PDA(personal digital assistant)、携帯電話機などにおいて実現することも可能である。
【0019】
図2は、制御部10によってゲームプログラムを実行することにより実現されるゲーム制御部30の機能構成を示すブロック図である。
【0020】
ゲーム制御部30には、入力制御部31、オブジェクト制御部32、ゲーム進行制御部33、オブジェクトデータ記憶部35、ゲームデータ記憶部36、サークル値記憶部37、及び出力制御部38が設けられる。
【0021】
入力制御部31は、プレイヤによる入力装置に対する操作に応じて、ゲーム進行を制御するための指示を入力する。入力制御部31から入力される指示としては、ゲームフィールドにおいて生成されるサークルの位置とサイズを指定するための指示が入力される。
【0022】
オブジェクト制御部32は、ゲームフィールドにおいて表示されるオブジェクトを制御するもので、プレイヤの入力装置に対する操作により指示される位置に応じてゲームフィールドにサークルを作成するためのサークル制御部32a、ゲームフィールドに任意の敵キャラクタオブジェクトを発生させてゲーム画面中に表示させる敵キャラクタオブジェクト制御部32bなどが設けられている。
【0023】
サークル制御部32aは、入力制御部31から入力される指示、例えばサークルが生成される際の基準位置(第1の位置)とサークルの直径に相当する基準位置からの距離を示す位置(第2の位置)に応じてサークルを生成する。サークル制御部32aは、後述するサークル値記憶部37に記憶されるサークル値が示す上限値を超えない範囲でゲーム画面中にサークルを生成する。また、サークル制御部32aは、ゲーム画面中に複数のサークルを作成することができ(図8、図10参照)、複数のサークルの合計がサークル値が示す上限を越えないようにサークルの作成を制限する。なお本実施形態において、サークル値は、サークルの面積に対する上限値を示すものとして説明する。ただし、サークル値は、サークルの直径(あるいは半径)あるいは円周の長さに対する上限値とするなど、他の指標に対する上限値を示すものとしても良い。また、本実施形態では、ゲームフィールドに設定する領域をサークルとしているが、別の形状によって閉領域を設定する場合には、その形状に応じて決められる指標に対する上限値を示すデータがサークル値記憶部37に記憶されるものとする。
【0024】
ゲーム進行制御部33は、予め用意された複数のステージ(レベル)のゲーム内容に応じて、オブジェクト制御部32(サークル制御部32a、敵キャラクタオブジェクト制御部32b)を制御してゲームを進行させる。本実施形態のゲーム装置では、敵キャラクタオブジェクト制御部32bによってゲーム画面中に表示される敵キャラクタオブジェクトを、プレイヤからの指示に応じてサークル制御部32aにより生成されるサークル(閉領域)により取り囲むことによって得点が加算されるゲームを実行する。
【0025】
オブジェクトデータ記憶部35は、サークル制御部32aによって制御されるサークルに関するサークルデータ、及び敵キャラクタオブジェクト制御部32bにより制御される敵キャラクタオブジェクトに関する敵キャラクタオブジェクトデータが記憶される。詳細については後述する(図3(a)(b)参照)。
【0026】
ゲームデータ記憶部36は、ゲーム進行に応じて管理されるデータが記憶される(図3(b)参照)。
【0027】
サークル値記憶部37は、サークル制御部32aによるサークルの生成を制御するためのサークル値を示すデータが記憶される。本実施形態におけるゲームでは、ゲームフィールド中に敵キャラクタを攻撃するためのサークルをプレイヤの操作によって生成することができるが、サークルによって囲まれる領域の上限をサークル値によって制限している。すなわち、ゲームフィールドに1つのサークルを生成する場合には、サークル値の上限までのサイズに制限し、複数のサークルを同時に生成する場合には、複数のサークルの例えば面積の合計をサークル値の上限までに制限している。サークル制御部32aは、サークル値記憶部37に記憶されたサークル値を、サークルの生成/消滅に応じて減算/加算することで、サークル値の範囲内でサークルを生成するように制御する。
【0028】
出力制御部38は、オブジェクト制御部32による各オブジェクトに対する制御に基づいて、表示制御部38aによりゲーム画面におけるオブジェクトを表示させるための制御を行い、音声制御部38bにより効果音やBGM(back ground music)などの音声を出力するための制御を行う。
【0029】
図3(a)は、オブジェクトデータ記憶部35に記憶される敵キャラクタオブジェクトデータを説明するための図である。
ゲームフィールドには、オブジェクト制御部32の制御により敵キャラクタを表すオブジェクトが生成される。オブジェクト制御部32は、ゲームステージに応じた数の敵キャラクタを任意のタイミングで生成し、各敵キャラクタについてのデータを敵キャラクタオブジェクトデータとしてオブジェクトデータ記憶部35に記憶させる。
【0030】
敵キャラクタオブジェクトデータには、オブジェクトのそれぞれについて、大きさ、ゲームフィールドを移動する速さ、強さ(耐久力)などを示すデータが設定される。
【0031】
図3(b)は、オブジェクトデータ記憶部35に記憶されるサークルデータを説明するための図である。
ゲームフィールドには、プレイヤの入力装置に対する操作に応じてサークルが生成される。サークル制御部32aは、各サークルのそれぞれについて、ゲームフィールドにおける位置、サイズなどを示すデータをオブジェクトデータ記憶部35に記憶させる。
【0032】
図3(c)は、ゲームデータ記憶部36に記憶されるゲームデータを説明するための図である。
ゲームデータには、例えばスコアデータ、ゲーム画面中に複数のサークルが作成された場合のサークル数を示す連鎖数データ、マーカ残数データ、現在実行中のゲームのステージを示すステージ数データが含まれる。マーカは、プレイヤからの指示に応じてゲームフィールドにおいて移動されるオブジェクトであり、サークルの作成に用いられる。マーカ残数は、1プレイにおいて予めプレイヤに与えられるマーカの数を示すもので、ゲーム中に例えば敵キャラクタオブジェクトと接触した場合に減らされるものとする。
【0033】
次に、本実施形態におけるゲーム装置の動作について、図4に示すフローチャートを参照ながら説明する。
本実施形態におけるゲーム装置は、ゲームの開始が指示されると、ゲームプログラムを起動して、ディスプレイ18においてゲーム画面を表示させる。ゲーム画面には、オブジェクト(敵キャラクタオブジェクト、サークル)を表示させるゲームフィールドが設けられる他、スコア、連続して設定されているサークル数を示す連鎖数(CHAIN)、マーカ残数(REST)などの情報が表示される。
【0034】
オブジェクト制御部32の敵キャラクタオブジェクト制御部32bは、現在のステージ(レベル)のゲーム内容に応じて、ランダムに敵キャラクタオブジェクトをゲームフィールドに発生させる。敵キャラクタオブジェクト制御部32bは、発生された敵キャラクタオブジェクトについてのデータをオブジェクトデータ記憶部35(敵キャラクタオブジェクトデータ)に記憶させて管理する。また、敵キャラクタオブジェクト制御部32bは、例えば、レベルの低いステージでは、発生させる敵キャラクタオブジェクトの数を少なくし、ゲームフィールド中で移動する速度も遅いものとする。ステージがクリアされてレベルが上がるほど、発生させる敵キャラクタオブジェクトの数を増やし、移動速度も速くさせるものとする(移動速度が異なる敵キャラクタオブジェクトを混在させる)。また、敵キャラクタオブジェクト制御部32bは、異なる大きさの敵キャラクタオブジェクトを混在させて表示することもできる。
【0035】
プレイヤは、入力装置に対する操作によって、マーカをゲームフィールド内において移動させて、サークルを作成する位置を任意に決めることができる。図5には、ゲームフィールドにおけるマーカ40と敵キャラクタ42が表示されたゲーム画面を示している。本実施形態では、マーカ40をゲームフィールド内で移動させる際に、図5に示すように、敵キャラクタオブジェクト制御部32bの制御によってランダムに移動されている敵キャラクタ42と接触した場合には、そのマーカ40によるプレイが終了されてマーカ残数が−1される。従って、プレイヤは、敵キャラクタ42と接触しないようにマーカ40を移動させながら、敵キャラクタ42を包囲することができるサークル位置を指定しなければならない。マーカ残数が0になるとゲームオーバとなる。
【0036】
図6(a)には、簡略化したゲーム画面の一例を示している。図6(a)では、プレイヤの入力操作によって移動するマーカ40と、敵キャラクタ42を表すオブジェクトが表示されている。マーカ40には、マーカ40の移動跡を表す軌跡41が付加されている。
【0037】
プレイヤは、ゲームフィールド中で移動している敵キャラクタ42を包囲するための範囲、すなわちサークルの位置とサイズの指定を入力する(ステップA1)。例えば、プレイヤは、入力装置に対して予め設定されているサークルボタンを押しながら、マーカ40を移動させる指示を入力することにより、サークルの位置とサイズを指定することができる。
【0038】
サークルボタンは、例えばマウス22が使用される場合には左ボタン、キーボード21が使用される場合にはスペースキーが割り当てられているものとする。従って、マウス22を使用する場合には、左ボタンを押した状態でドラッグさせることによりサークルの位置とサイズを指定することができる。また、キーボード21を使用する場合には、スペースキーを押しながら、カーソルキー(上下左右キー)を押してマーカ40の移動方向を指示することによりサークルの位置とサイズを指定することができる。
【0039】
サークル制御部32aは、入力制御部31を介して入力されるサークルの位置とサイズを指定する入力に応じて、ゲーム画面にサークルを描画する(ステップA2)。
【0040】
図6(b)には、マーカ40の位置の移動に伴ってサークル43が生成されたゲーム画面の一例を示している。サークル制御部32aは、サークルボタンが押下された時の位置(座標)を基準位置とし、この基準位置とマーカ40の現在位置の座作との距離を直径としたサークル43をゲーム画面中に描画する。サークルボタンが押下されたままでマーカ40がさらに移動されると、基準位置と現在のマーカ40の位置との距離を直径とした(あるいは半径としても良い)、さらにサイズが大きいサークル43を描画する。これにより、ゲームフィールド中の敵キャラクタ42をサークル43によって取り囲むことができる。また、サークル制御部32aは、マーカ40が基準位置に近づける方向に移動された場合には、逆にサイズを小さくしたサークル43を描画する。
【0041】
本実施形態におけるゲーム装置では、ゲームフィールド内において設定する閉領域を、サークルボタンを押下して、マーカ40を移動させる操作(マウス22のドラッグ操作など)だけで指定することができるので、誰もが簡単に操作することができる。また、サークルボタンが押下された時のマーカ40の座標(第1の位置)と、マーカ40の現在の位置を示す座標(第2の位置)のみによってサークル43を生成するので処理負担が非常に軽くて済む。
【0042】
こうして、サークル制御部32aは、マーカ40の移動に伴ってサークル43のサイズを変更していくが、サークルサイズに応じてサークル値記憶部37に記憶されたサークル値を演算する。すなわち、サークルサイズが大きくなる場合(ここではサークルの面積が増大する場合)には、サークル値から増加分を減算し、サークルサイズが小さくなる場合には、サークル値に減少分を加算する。
【0043】
サークル制御部32aは、サークルサイズに応じたサークル値の演算の結果、サークル値に残りがある場合(ステップA4、Yes)、すなわちサークル値の初期値が示す上限値までサークルが作成されていなければ、前述と同様にして、プレイヤによって指定されるマーカ40の位置に応じたサイズのサークルを生成する。
【0044】
サークル制御部32aは、サークルボタンの押下が終了されると、プレイヤから包囲完了が指示されたものと判定する(ステップA5、Yes)。サークル制御部32aは、この時点でサークルサイズの変更を終了して、サークル43の表示形態を変更する。
【0045】
図6(d)には、サークルボタンの押下が終了されてサークル43の表示形態が変更されたゲーム画面の一例を示している。図6(d)に示す例は、サークル43にバリア44が発生されたことを表している。オブジェクト制御部32は、バリア44が発生された場合には、バリア44(サークル43)によって包囲された敵キャラクタ42が包囲から抜け出すことができず、またバリア44の外に存在する敵キャラクタ42がバリア44内に侵入できないように各オブジェクトを制御する。また、オブジェクト制御部32は、バリア44内に敵キャラクタ42が内包されているか否かに応じた処理を実行する。
【0046】
なお、サークルサイズに応じたサークル値の演算の結果(ステップA3)、サークル値に残りがない場合には(ステップA4、No)、サークル制御部32aは、前述したサークルボタンの押下が終了された場合と同様にして包囲が完了したものと判定し、マーカ40がさらに移動されていてもサークルサイズを大きくせずサークル43の表示形態を変更する。
【0047】
バリア44(サークル43)内に敵キャラクタ42が内包されていない場合(ステップA6、No)、オブジェクト制御部32は、サークル43を消滅させるためのサークル消滅処理を開始する(ステップA7)。
【0048】
図7には、サークル43に敵キャラクタ42が包含されていなかった場合のサークル消滅処理によって表示されるゲーム画面の一例を示している。図7(a)(b)に示すように、プレイヤのマーカ40に対する操作によって、サークル43が生成されてバリア44が生成された後、敵キャラクタ42が包含されていなかった場合には、図7(c)に示すようにバリア44(サークル43)のサイズを徐々に縮小させて、最終的には図7(d)に示すようにバリア44(サークル43)を消滅させる。
【0049】
オブジェクト制御部32は、サークル43の消滅に応じて、サークル値記憶部37に記憶されたサークル値に、消滅させたサークル43に応じた値を加算する(ステップA8)。これにより、サークル値の残りが増大するので、新たに作成可能なサークル43のサイズ(あるいは数)を拡張することができる。
【0050】
バリア44(サークル43)内に敵キャラクタ42が内包されている場合(ステップA6、Yes)、オブジェクト制御部32は、サークル43のサイズが予め設定された規定値以下であるか否かに応じて、バリア44(サークル43)内の敵キャラクタ42に対して、所定の影響を与える処理を実行する(ステップA9、A10、A11)。
【0051】
例えば、敵キャラクタ42のサイズの1.2倍以下のサイズのサークル43によって敵キャラクタ42を包囲している場合には(ステップA9、Yes)、バリア44内部の全ての敵キャラクタ42を、敵キャラクタオブジェクトデータに設定されている強さ(耐久力)に関係なく全滅させるものとし、1つの敵キャラクタ42につき通常のポイントより5倍のポイントを獲得できるものとする(影響1)(ステップA10)。
【0052】
なお、複数の敵キャラクタ42がバリア44の内部に包含されている場合には、最も大きなサイズの敵キャラクタ42を対象として、サークル43のサイズが1.2倍以下となっているかを判定するものとする。
【0053】
また、敵キャラクタ42のサイズの1.2倍以下のサイズのサークル43によって敵キャラクタ42を包囲していない場合には、バリア44内部の敵キャラクタ42に対して攻撃を与えてダメージを与える。すなわち、敵キャラクタ42の敵キャラクタオブジェクトデータに設定されている強さ(耐久力)を減算する(耐久力−1)。この結果、強さが0となった場合には、敵キャラクタ42に応じたポイントを加算する(影響2)(ステップA11)。図6(e)には、敵キャラクタ42にダメージを与えていることを表すゲーム画面の一例を示している。
【0054】
なお、1.2倍に限定されるものではなく任意に設定することができる。また、敵キャラクタ42のサイズに応じて異なる倍率が設定されても良い。
【0055】
オブジェクト制御部32は、バリア44(サークル43)内の敵キャラクタ42に対する所定の処理を完了すると(ステップA11、AA12)、バリア44(サークル43)を消滅させる処理を開始する(ステップA13)。図6(f)には、図6(e)に示すゲーム画面が表示された後のバリア44を消滅させているゲーム画面の一例を示している。
【0056】
オブジェクト制御部32は、サークル43の消滅に応じて、サークル値記憶部37に記憶されたサークル値に、消滅させたサークル43に応じた値を加算する(ステップA14)。これにより、サークル値の残りが増大するので、新たに作成可能なサークル43のサイズ(あるいは数)を拡張することができる。
【0057】
ゲーム制御部30は、プレイヤの操作によってゲーム終了が指示されるか、マーカ残数が0にならなければ、前述した処理を繰り返して実行する(ステップA15)。
【0058】
なお、本実施形態におけるゲーム装置では、前述したように、1つのサークル43をゲームフィールドに生成して敵キャラクタ42に対して攻撃するだけでなく、より高いポイントを獲得することができるサークル43の設定方法が用意されている。
【0059】
例えば、図8(a)に示すように、1つのサークル43を生成して同時に複数の敵キャラクタ42を取り囲んだ場合には、例えば2つの敵キャラクタ42を包含している場合には通常のポイントの1.25倍、3つの敵キャラクタ42を包含している場合には1.5倍、以下同様にして、1.75倍、2.0倍のように0.25倍ずつ倍率を上昇させていくものとする。この場合、ゲーム画面中には、サークル43に包含されている敵キャラクタ42の数を連鎖数(CHAIN)として表示する。
【0060】
さらに、図8(b)に示すように、1つのサークル43を生成してから一定時間内(例えば3秒以内)に、次のサークル43を生成して敵キャラクタ42を包囲することができた場合には(ステップA16、Yes)、同様にして、連続してサークル43が生成された数(連鎖数)に応じたポイント処理を実行する(ステップA17)。
【0061】
例えば2つのサークル43を連続して生成した場合には通常のポイントの1.25倍、3つのサークル43を連続して生成した場合には1.5倍、以下同様にして、1.75倍、2.0倍のように0.25倍ずつ倍率を上昇させていくものとする。この場合、ゲーム画面中には、サークル43が連続して生成されている数を連鎖数(CHAIN)として表示する。
【0062】
なお、1つのサークル43をゲームフィールドに設定した際に、前述した図6及び図7に示すように、バリア44を発生させてから消滅させるまで、ある程度の時間をかける場合には、同時に複数のサークル43がゲーム画面中に設定されることになる。この場合、サークル制御部32aは、同時にゲーム画面中に設定されている複数のサークル43の例えば面積の合計がサークル値を越えない範囲で、新たなサークル43を生成する。
【0063】
サークル43の作成に制限を加える場合、プレイヤに対して、あとどれ位のサークル43を作成可能であるかを知らせることにより操作性の向上を図ることができる。例えば、複数のサークル43を生成しようとする場合に、各サークル43のサイズを調整することによって、必要な数のサークル43を生成することができるようになる。
【0064】
図9(a)には、サークル43の生成に伴って変化するサークル値の残りを表すサークルゲージ50が表示されゲーム画面の一例を示している。図9に示す例では、ライン状に形成されたサークルゲージ50の例を示している。
【0065】
オブジェクト制御部32は、サークル制御部32aによって加減算されるサークル値に応じた長さのサークルゲージ50を表示させる。例えば、マーカ40の移動に伴ってサークル43のサイズが拡大されている場合には、図9(b)に示すように、サイズの拡大に合わせてサークルゲージ50が短く表示される。また、バリア44が作成された後、バリア44に敵キャラクタ42が内包されていなかったために徐々に縮小されている場合には、図9(c)に示すように、サークルゲージ50も徐々に長くなっていく。
【0066】
このように、サークル43のサイズ(サークル値)の変化に応じて変化するサークルゲージ50を表示することにより、プレーヤは、サークルゲージ50の長さによって作成可能なサークル43のサイズを容易に把握することができる。
【0067】
なお、図9では説明を簡単にするために1つのサークル43のみが設定される場合について示しているが、例えば図10(a)に示すように2つのサークル43が設定される場合には、2つのサークル43の合計に応じたサークルゲージ50が表示される。
【0068】
さらに多くのサークル43を生成する場合には、図10(b)に示すように、サークルゲージ50を確認しながら、各サークル43のサイズをより小さく作成することで、所望する数のサークル43を作成することができるようになる。
【0069】
このように、本実施形態におけるゲーム装置では、敵キャラクタ42を包囲するためのサークル43を生成する場合に、サークル43のサイズが予め決められた上限値を超えないように制限されるので、単純にサークル43を設定する位置を指定するだけでなく、サークル43を作成するか否か、またどれくらいのサイズのサークル43を作成するかといったことを考慮する必要があるためゲーム性を向上させることが可能となる。特に、複数のサークル43をゲームフィールドに生成する場合には、各サークル43のサイズを調整する必要があるため、よりゲーム性が向上される。
【0070】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0071】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本実施形態におけるゲーム装置の構成を示すブロック図。
【図2】制御部10によってゲームプログラムを実行することにより実現されるゲーム制御部30の機能構成を示すブロック図。
【図3】オブジェクトデータ記憶部35に記憶される敵キャラクタオブジェクトデータ及びサークルデータ、ゲームデータ記憶部36に記憶されるゲームデータを説明するための図。
【図4】本実施形態におけるゲーム装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図5】ゲームフィールドにおけるマーカ40と敵キャラクタ42が表示されたゲーム画面を示す図。
【図6】サークル43が生成される際のゲーム画面の一例を示す図。
【図7】サークル43が生成される際のゲーム画面の一例を示す図。
【図8】サークル43が生成される際のゲーム画面の一例を示す図。
【図9】サークル43が生成される際のサークルゲージ50が表示されたゲーム画面の一例を示す図。
【図10】複数のサークル43が生成される際のゲーム画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0073】
10…制御部、11…メモリ、12…ハードディスク装置、13…通信インタフェース部、14…表示制御部、15…音声制御部、16…ディスクドライブ装置、17…入力インタフェース部、18…ディスプレイ、19…スピーカ、20…ディスク、21…キーボード、22…マウス、23…タブレット、24…スタイラスペン、30…ゲーム制御部、31…入力制御部、32…オブジェクト制御部、32a…サークル制御部、32b…敵キャラクタオブジェクト制御部、33…ゲーム進行制御部、35…オブジェクトデータ記憶部、36…ゲームデータ記憶部、37…サークル値記憶部、38…出力制御部、38a…表示制御部、38b…音声制御部、40…マーカ、41…軌跡、42…敵キャラクタ、44…バリア、50…サークルゲージ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトが表示される表示装置と、前記表示装置のゲーム画面に対して位置を指示することができる入力装置を備えたゲーム装置において、
前記ゲーム画面の任意の位置にオブジェクトを表示させるオブジェクト表示手段と、
前記ゲーム画面中において設定される閉領域の上限を示すデータを記憶する記憶手段と、
前記入力装置により指示された位置に応じて、前記記憶手段に記憶されたデータが示す上限を越えない範囲でゲーム画面中に閉領域を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された閉領域に含まれる前記オブジェクト表示手段により表示されたオブジェクトに応じてゲームを進行させるゲーム進行制御手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記生成手段は、ゲーム画面中に複数の閉領域を作成するものであって、複数の閉領域の合計が前記記憶手段に記憶されたデータが示す上限を越えない範囲で閉領域を生成することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記入力装置から入力された第1の位置と第2の位置との距離を直径とする円により前記閉領域を生成することを特徴とする請求項1または請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶されたデータが示す上限は前記閉領域の面積に対するもので、
前記生成手段は、前記入力装置により指示された位置に応じて生成する閉領域の面積が、前記データが示す上限が越えないように閉領域を生成することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
オブジェクトが表示される表示装置と、前記表示装置のゲーム画面に対して位置を指示することができる入力装置を備えたコンピュータを、
前記ゲーム画面の任意の位置にオブジェクトを表示させるオブジェクト表示手段と、
前記ゲーム画面中において設定される閉領域の上限を示すデータを記憶する記憶手段と、
前記入力装置により指示された位置に応じて、前記記憶手段に記憶されたデータが示す上限を越えない範囲でゲーム画面中に閉領域を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された閉領域に含まれる前記オブジェクト表示手段により表示されたオブジェクトに応じてゲームを進行させるゲーム進行制御手段として機能させるためのゲームプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate