説明

ゲーム装置、ゲーム制御プログラム、及びゲーム制御方法

【課題】タッチパネル式の表示部を備える携帯端末のユーザーインターフェイスを活かして、ゲーム空間内を移動する移動オブジェクトに仮想的に作用を与える。
【解決手段】軌跡取得部21は、プレーヤが表示画面上を接触移動させた指の軌跡を取得する。照準カーソル生成部22は、軌跡取得部21により取得された軌跡に応じた形状を有する照準カーソルK1を生成する。カーソル移動部23は、操作表示部10に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、照準カーソルK1を操作表示部に移動表示させる。タイミング取得部24は、打撃指示がプレーヤにより入力されたとき、操作表示部10から出力されるタイミング信号を取得する。作用付与部25は、打撃判定処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与えるゲームを実行するゲームプログラム、ゲーム装置、及びゲーム方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム空間内を移動するボールオブジェクトの到達位置にミートカーソルの中心部分を合わせ、コントローラの押下ボタンを押下操作することで、ボールオブジェクトを打撃する野球ゲームが知られている(例えば、特許文献1)。このような野球ゲームにおいて、プレーヤはコントローラの例えば十字キーを操作することでミートカーソルを移動させる。
【0003】
ところで、近年、タッチパネル式の表示手段を備え、ゲームを実行することが可能な携帯電話機(例えばi−phone(登録商標))が普及している。
【0004】
このような携帯電話機では、ユーザは、全ての操作をタッチパネルにタッチすることで行うことができる。そのため、テンキー等の物理的なボタンを携帯電話機に設ける必要がなく、シンプルな外観が実現されている。また、この携帯電話機では、タッチパネル上を指でなぞったり、指で軽くタッチしたりという操作が基本となる。つまり、押す操作に加えてなぞるという操作が新たに加わっているため、押す操作が基本であった従来の携帯電話機に比べて、斬新なユーザーインターフェイスが実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3892889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のゲームは、十字キーや押下ボタン等を備えるコントローラの使用が前提とされているため、指の操作を基本とするタッチパネル式の表示部を備える携帯電話機のユーザーインターフェイスの特徴を充分に活かすことはできない。よって、特許文献1の手法では、この種の携帯電話機の特徴的な操作であるなぞるという操作が全く活かされていない。
【0007】
本発明の目的は、タッチパネル式の表示部を備える携帯端末のユーザーインターフェイスを活かして、ゲーム空間内を移動する移動オブジェクトに仮想的に作用を与えることができるゲームを実現するゲーム制御プログラム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一局面によるゲーム装置は、ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与えるゲームの進行を制御するゲーム装置であって、タッチパネル式の表示部を備える操作手段と、前記表示部の表示画面上において、所定の閉ループを描くように指を接触移動させるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に指を接触移動させた軌跡を取得する軌跡取得手段と、所定時間内に、前記軌跡取得手段により前記閉ループの軌跡が取得された場合、取得された軌跡に応じた形状を有する照準カーソルを生成する照準カーソル生成手段と、前記照準カーソルの生成後であって、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動手段と、前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得手段と、前記タイミング取得手段が前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与える作用付与手段とを備えている。
【0009】
また、本発明の別の一局面によるゲーム制御プログラムは、ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与えるゲームの進行を制御するゲーム装置としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラムであって、前記ゲーム装置は、タッチパネル式の表示部を備える操作手段を備え、前記表示部の表示画面上において、所定の閉ループを描くように指を接触移動させるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に指を接触移動させた軌跡を取得する軌跡取得手段と、所定時間内に、前記軌跡取得手段により前記閉ループの軌跡が取得された場合、取得された軌跡に応じた形状を有する照準カーソルを生成する照準カーソル生成手段と、前記照準カーソルの生成後であって、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動手段と、前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得手段と、前記タイミング取得手段が前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与える作用付与手段としてコンピュータを機能させる。
【0010】
また、本発明の更に別の一局面によるゲーム制御方法は、ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与えるゲームの進行をゲーム装置が制御するゲーム制御方法であって、前記ゲーム装置は、タッチパネル式の表示部を備える操作手段を備え、前記ゲーム装置が、前記表示部の表示画面上において、所定の閉ループを描くように指を接触移動させるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に指を接触移動させた軌跡を取得する軌跡取得ステップと、前記ゲーム装置が、所定時間内に、前記軌跡取得ステップにより前記閉ループの軌跡が取得された場合、取得された軌跡に応じた形状を有する照準カーソルを生成する照準カーソル生成ステップと、前記ゲーム装置が、前記照準カーソルの生成後であって、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作ステップで入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルをゲーム空間内で移動させる移動ステップと、前記ゲーム装置が、前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得ステップと、前記ゲーム装置が、前記タイミング取得ステップにより前記タイミング信号が取得されたときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与える作用付与ステップとを備えている。
【0011】
これらの構成によれば、表示部の表示画面上において、所定の閉ループを描くように指を接触移動させる操作指示がプレーヤにより行われると、この操作指示に基づいて、プレーヤが実際に指を接触移動させた軌跡が取得され、この軌跡に応じた形状を有する照準カーソルが生成され、表示部に表示される。そして、プレーヤは操作手段を操作することで、この照準カーソルをゲーム空間内で移動させる。そして、移動体オブジェクトに作用を与えるタイミングを決定するための操作指示がプレーヤにより入力されると、操作手段からタイミング信号が出力され、タイミング取得手段により取得される。そして、このタイミング信号が取得されたときに、移動体オブジェクトと照準カーソルとが重なった場合、移動体オブジェクトに作用が与えられる。
【0012】
つまり、プレーヤは、表示画面上に照準カーソルを表示させるために、表示画面上で指を接触移動させ、その後、生成した照準カーソルを移動体オブジェクトに作用させるべく移動させるという、従来にはない全く新規な操作を行うことになる。しかも、照準カーソルの生成とその後の照準カーソルの移動は、限られた時間内に行なう必要があるので、その時間配分をどのようにするかという戦略性もプレーヤに求められることになり、タッチパネル式の表示部を備えるゲーム装置の特徴を十分に活かすことができると同時に、従来にはない興趣性を有するゲームを実現することができる。
【0013】
なお、照準カーソルの移動は、例えばゲーム装置にジャイロセンサを内蔵させておき、ゲーム装置全体を傾けることで照準カーソルを移動させるようにすればよい。つまり、照準カーソルに指を接触させることなく移動させるということであるが、この理由は以下の通りである。
【0014】
即ち、照準カーソルは最終的に移動体オブジェクトに当てる必要があるので、徐々に接近してくる移動体オブジェクトとの位置関係を明確に把握する必要があるが、もし照準カーソルをプレーヤの指で移動させようとすると、その指自体が邪魔になり、両者の位置関係が見え難くなることが想定されるからである。
【0015】
例えば、上記構成を野球ゲームに適用した場合、プレーヤが指を接触移動させたときの軌跡が描く閉ループの面積が大きいほど、従来ゲームのミートカーソルに相当する照準カーソルの面積が大きくなるため、移動体オブジェクト、即ちボールオブジェクトを照準オブジェクトに接触させやすくなる。
【0016】
しかしながら、大きい照準カーソルを描くには、その分、時間を要するため、所定時間の残存時間が短くなり、結果的に、照準カーソルをボールオブジェクトに当てるための移動調整を行なう時間が限られてしまう。極端な場合には、照準カーソルを描くだけで所定時間を消費してしまい、照準カーソルを移動する時間的余裕がない場合もある。逆に、小さい照準カーソルを描く場合は、ボールオブジェクトとの接触部分は小さくなるものの、軌道の描画に要する時間が短いため、所定時間の残存時間も長くなり、照準カーソルをボールオブジェクトに当てるための移動調整を行なう時間に余裕が生じる。
【0017】
つまり、照準カーソルの大きさと、作成した照準カーソルを移動する時間とはトレードオフの関係となっているため、プレーヤは有利な結果を導くために、自分の得意な操作を選択したり、時間の配分を考えたり、様々な戦略を考えなければならないことから、従来にはない興趣性を有する野球ゲームを提供することができる。
【0018】
(2)前記所定時間は、前記移動体オブジェクトの移動開始時刻を基準として設定されるイベント開始時刻から、前記移動体オブジェクトが移動を終了するイベント終了時刻までのイベント期間であり、前記タイミング取得手段は、前記照準カーソルの生成後であって、且つ前記イベント期間に残存時間がある場合に、前記タイミング信号を取得することが好ましい。
【0019】
この構成によれば、移動体オブジェクトの移動開始時刻を基準として設定されるイベント開始時刻から移動体オブジェクトが移動を終了するイベント終了時刻までがイベント期間として設定される。そして、プレーヤは、イベント期間内に、表示画面上で指を接触移動させる操作と、照準カーソルを移動させて移動体オブジェクトに重ねる操作とが課される。
【0020】
具体的には、この構成を例えば野球ゲームに適用した場合であれば、投手が振りかぶってから(イベント開始)、投球されたボールがホームベース上を通過するまで(イベント終了)の間の時間が、照準カーソルを描くために許容される時間(イベント時間)となる。
【0021】
よって、プレーヤが、ボールに当たる領域を広くしようとして大きな照準オブジェクトを描こうとすると、指の接触移動に費やす時間が増大してしまい、この結果、イベント期間の残り時間が減少するため、照準オブジェクトの移動(飛んでくるボールに合わせるための位置調整)に費やすことができる時間が減少してしまう。
【0022】
そのため、プレーヤは、イベント期間の残り時間を考慮しながら、閉ループの面積を設定することになり、従来にはない興趣性を有するゲームを実現することが可能となる。
【0023】
(3)前記移動手段は、前記照準カーソルの面積が増大するにつれて、前記照準カーソルの移動速度を低下させることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、面積が大きいほど、動きが鈍いという仮想的な動作傾向を設定することが可能となる。例えば、この構成を野球ゲームに適用した場合、投手から投げられたボールオブジェクトに対して、打撃範囲となるミートカーソル(照準カーソル)を大きく設定すれば、ボールオブジェクトとミートカーソルとが重なる領域は広くなる反面、ミートカーソルの位置を調整するための移動速度が遅くなるので、例えば変化球に合わせてミートカーソルを迅速に移動させることが困難となる。逆に、ミートカーソルを小さく設定すれば、打撃範囲は小さくなるものの、移動速度が速くなるので、変化球に対して迅速にミートカーソルを移動させることができる。
【0025】
従って、プレーヤは、照準カーソルの面積と移動速度との兼ね合いから好みのサイズの照準カーソルを生成することが可能になり、操作および戦略のバリエーションを増加させることができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0026】
(4)プレーヤの操作指示に基づいて、プレーヤのレベルを設定するレベル設定手段を更に備え、前記照準カーソル生成手段は、プレーヤが指を接触移動させた軌跡が閉ループになっていない場合であって、前記軌跡の始点及び終点間の距離が前記レベル設定手段により設定されたレベルに応じて予め定められた規定距離よりも小さい場合、前記照準カーソルを生成することが好ましい。
【0027】
この構成によれば、プレーヤが指を接触移動させた結果、閉ループを描くことができなかった場合であっても、軌跡の始点及び終点間の距離がプレーヤにより設定されたレベルに応じて予め定められた規定距離よりも小さい場合、照準カーソルが生成される。
【0028】
この構成を、例えば、野球ゲームに適用した場合、投手から投げられたボールに対して、打撃範囲となるミートカーソル(照準カーソル)の始点と終点とが結ばれず、両点の間に隙間が生じた場合であっても、プレーヤが設定したレベルに応じて、ミートカーソルが完成したものとみなされる。
【0029】
そのため、例えばレベル設定手段によってレベルを低く設定すれば、初心者や気軽にゲームを行ないたいプレーヤであっても容易にゲームを楽しむことができ、プレーヤのゲームに対する熟練度に応じて、ゲームの難易度を変更することが可能となり、ゲームの興趣性をより高めることができる。
【0030】
(5)前記作用付与手段は、プレーヤが指を接触移動させた軌跡が閉ループになっていない場合であっても、前記照準カーソルが生成された場合、前記軌跡の始点及び終点間の距離が大きくなるほど、前記移動体オブジェクトに作用を与える際のパワーを小さくすることが好ましい。
【0031】
この構成によれば、閉ループを描くことができなかった場合のペナルティをプレーヤに課すことができる。
【0032】
例えば、この構成を、野球ゲームに適用した場合を考察する。上記(4)においては、照準カーソル(ミートカーソル)に隙間が生じた場合であっても、レベルに応じて照準カーソルが完成したものとはみなされるが、(5)の構成によれば、閉ループの隙間が大きくなるにつれて、打撃したボールの飛距離が落ちる等、ボールオブジェクトに対する打撃力を小さくするよう設定することができ、プレーヤに対してペナルティを与えることができる。
【0033】
(6)前記照準カーソル生成手段は、前記軌跡が閉ループになっている場合、前記軌跡の交差点及び前記軌跡の始点間の軌跡区間と、前記交差点及び前記軌跡の終点間の軌跡区間とを除去して、前記照準カーソルを生成することが好ましい。
【0034】
この構成によれば、プレーヤが指を接触移動させることで描いた軌跡が閉ループになっている場合、軌跡の交差点及び軌跡の始点間の軌跡区間と、交差点及び軌跡の終点間の軌跡区間とが除去されて、照準カーソルが生成される。そのため、照準カーソルの審美性を高めることができる。
【0035】
(7)前記作用付与手段は、前記交差点及び前記始点間の軌跡区間と、前記交差点及び前記終点間の軌跡区間との長さが増大するにつれて、前記移動体オブジェクトに作用を与える際のパワーを小さく設定することが好ましい。
【0036】
この構成によれば、軌跡の交差点及び始点間の軌跡区間と、交差点及び終点間の軌跡区間との長さが増大するほど、プレーヤは閉ループを正確に描くことができなかったとして、プレーヤに対してペナルティを課すことができる。
【0037】
例えば、この構成を野球ゲームに適用した場合、ミートカーソル(照準カーソル)の描画について、交差点のみ形成されていればよいのであれば、正確に始点と終点を合致させるよりも、交差点からヒゲが延びたような上記の軌跡区間を描いた方が簡単且つ迅速に閉ループ描くことができ、プレーヤに有利になってしまう。
【0038】
しかしながら、軌跡区間が描かれた場合と描かれなかった場合とで評価を同じにすると不公平感が生じてしまう。よって、軌跡区間が長いほど、打撃の飛距離が落ちる等、ボールオブジェクトに対する打撃力を小さくするよう設定して、プレーヤにペナルティを課すことでゲームの興趣性を高めることができる。
【0039】
(8)前記作用付与手段は、前記軌跡取得手段により取得された軌跡の形状が所定の基準形状から離れるにつれて、前記移動体オブジェクトに作用を与える際のパワーを小さく設定することが好ましい。
【0040】
この構成によれば、プレーヤにより指を接触移動することで描かれた軌跡の形状が所定の基準形状から離れるにつれて、プレーヤは閉ループを正確に描くことができなかったとして、プレーヤに対してペナルティを課すことができる。
【0041】
上記の(7)において、ミートカーソル(照準カーソル)が閉ループでありさえすればよいとすれば、形状が歪んでいても素早く描いたほうがプレーヤにとって有利となる。しかしながら、閉ループが基準形状となるように正確に描いた場合と描かなかった場合とで評価を同一にすると、不公平感が生じてしまう。そこで、閉ループ正確に描いた場合と描かなかった場合とでの差別化を図るために、基準形状から離れるほど、打撃の飛距離が落ちる等、ボールオブジェクトに対する打撃力を小さくするというようなペナルティをプレーヤに課すことで、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0042】
(9)前記作用付与手段は、前記軌跡取得手段により取得された軌跡が閉ループになっている場合、当該閉ループ内の面積が小さくなるにつれて、前記移動体オブジェクトに作用を与える際のパワーを大きく設定することが好ましい。
【0043】
この構成によれば、閉ループの面積が小さくなり、移動体オブジェクトを照準カーソルに通過させることが困難になった場合であっても、その分、移動体オブジェクトに作用するパワーが増大されるため、この場合におけるメリットをプレーヤに課すことができる。
【0044】
(10)前記作用付与手段は、前記タイミング取得手段が前記タイミング信号を取得したときにおける、前記移動体オブジェクトの前記照準カーソルに対する通過位置が前記照準カーソルの重心に近いほど、前記移動体オブジェクトに作用を与える際のパワーを大きく設定することが好ましい。
【0045】
この構成によれば、移動体オブジェクトの照準オブジェクトにおける通過位置が、照準カーソルの重心に近いほど、移動体オブジェクトに対してより大きなパワーで作用を与えることが可能となる。そのため、プレーヤは、照準カーソルの重心に移動体オブジェクトが通過するように、照準カーソルを移動させるという動機付けが与えられ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0046】
(11)前記照準カーソル生成手段は、プレーヤが閉ループを描くのに要した時間が規定時間よりも長い場合、輪郭線が太くなるように前記照準カーソルを生成することが好ましい。
【0047】
この構成によれば、プレーヤが閉ループを時間をかけて描いた場合、照準カーソルの輪郭線が太くされる。そのため、照準カーソルの面積が増大し、プレーヤにメリットを与えることができる。例えば、上記構成を、野球ゲームに適用した場合に、ミートカーソル(照準カーソル)を生成するために、閉ループを時間をかけて描くことは、その間にボールオブジェクトが飛んできているために、ミートカーソル完成後の移動調整の時間が限定されることになり、プレーヤにとっては不利になる。
【0048】
そこで、照準カーソルの面積が増大するというメリットを設けておけば、打撃自体についてはプレーヤに有利な要素を与えることになる。これにより、プレーヤに対して種々の選択肢を与えることになり、操作および戦略のバリエーションを増加させることができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0049】
なお、輪郭線が太くなるタイミングは、閉ループが完成した時点とすればよい。つまり、閉ループが完成するまでの時間を測定しておき、この時間が所定の基準時間を越える場合には、プレーヤが時間をかけて描いたとみなして、輪郭線全体を太くするという方法をとればよい。
【0050】
(12)前記照準カーソル生成手段は、前記表示部の表示画面上においてプレーヤが前記閉ループを描画し得る所定の最大領域から前記軌跡がはみ出る場合、前記照準カーソルを生成しないことが好ましい。
【0051】
この構成によれば、プレーヤは、表示画面上の所定の最大領域内で指を接触移動させなければならないという制約が課され、プレーヤに対して緊張感を与えることができるので、ゲームの興趣性を高めることができる。また、照準カーソルの面積が過度に大きくなって、ゲームの難易度が低下することを防止することができる。
【0052】
(13)前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与える複数のキャラクタに関する情報を記憶するキャラクタデータ記憶手段を更に備え、前記キャラクタに関する情報は、各キャラクタのそれぞれに対して予め個別に設定された前記最大領域の大きさを含み、前記軌跡取得手段は、閉ループを描くプレーヤからの操作指示が行われる前の表示画面上に、前記最大領域を表示することが好ましい。
【0053】
この構成によれば、閉ループを描き得る最大領域が表示されるので、闇雲に大きな閉ループが描かれるといった事態を回避できる。より具体的には、例えばプレーヤによっては、描いた照準カーソルを移動することを考慮せず、とにかく大きな照準カーソルを描いて、ボールオブジェクトに当てることだけを考えるといった可能性も考えられるが、この場合、本来のゲームの特徴が生かされない上、例えば、プレーヤ同士が対戦結果を比較する場合等に、ゲーム条件が大きく変わってしまい不公平感も生じてしまう。そこで、上記構成とすることで、照準カーソルを描き、それを移動させて、ボールオブジェクトに当てるという基本的なゲーム性を確保することができる。しかも、本構成によれば、キャラクタ(例えば打者キャラクタ)ごとに、閉ループを描き得る最大領域が異なるので、プレーヤはキャラクタの打撃能力(ボールを打ち返し得る範囲)を事前に把握でき、ゲームに対する興味も向上する。
【0054】
(14)前記最大領域は、半透明で表示され、且つ前記プレーヤの前記表示画面への接触時に消去されることが好ましい。
【0055】
この構成によれば、閉ループの最大領域をゲームの構成画面から容易に識別でき、またゲーム画面自体の邪魔になることもない。また、プレーヤが閉ループを描くために接触した瞬間に消去するので、それを単になぞれば最大の閉ループが描けるといった安易なプレーヤ操作も排除できる。
【発明の効果】
【0056】
本発明によれば、タッチパネル式の表示部を備えるゲーム装置の特徴を十分に活かすことができると同時に、従来にはない興趣性を有するゲームを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施の形態によるゲーム装置のブロック図を示している。
【図2】図1に示すゲーム装置の機能ブロック図を示している。
【図3】操作表示部の表示画面に表示される野球ゲームの画像の一例を示した図である。
【図4】(A)は、閉ループとなっていない軌跡の一例を示した図であり、(B)は、閉ループとなっている軌跡の一例を示した図である。
【図5】輪郭線が太くされた照準カーソルを示した図である。
【図6】照準カーソルのゲーム空間内での配置位置を示した図である。
【図7】ゲーム装置の姿勢と照準カーソルの移動速度との関係を示す模式図である。
【図8】照準カーソルの面積と照準カーソルの移動速度との関係を説明するための図であり、(A)は照準カーソルの面積が小さい場合を示し、(B)は照準カーソルの面積が大きい場合を示している。
【図9】作用付与部が実行する打撃判定処理の説明図である。
【図10】軌跡の形状が基準形状から離れているか否かの作用付与部による判定処理の説明図であり、(A)は基準形状の一例を示し、(B)は基準形状と軌跡とのずれを示した図である。
【図11】軌跡の形状が基準形状から離れているか否かの作用付与部による判定処理の他の一例の説明図である。
【図12】打撃されたボールオブジェクトの初速度の向きの算出処理を示した図であり、(A)は照準カーソルを示し、(B)は打撃直後のボールオブジェクトをx方向に向けて見た状態を示し、(C)は打撃直後のボールオブジェクトをz方向に向けて見た状態を示している。
【図13】本発明の実施の形態によるゲーム装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】ボールオブジェクトがバットオブジェクトにより打撃されたことを明示するための画像である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下、本発明の一実施の形態によるゲーム装置について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態によるゲーム装置のブロック図を示している。本実施の形態では、ゲーム装置として、例えば、タッチパネル式の表示部を備える携帯電話機を採用する。但し、これは一例であり、PDA(Personal Data Assistance)等のタッチパネル式の表示部を備える携帯端末を採用してもよいし、タッチパネル式の表示部を備える携帯型のゲーム装置を採用してもよい。
【0059】
また、本実施の形態では、ゲームとしてゲーム空間内で移動するボールオブジェクトBL1(移動体オブジェクトの一例)を照準カーソル(従来ゲームのミートカーソルに対応、以下、照準カーソルで説明する)で位置決めして、仮想的に打ち返す野球ゲームを採用する。
【0060】
図1に示すゲーム装置は、ジャイロセンサ1、CPU(Central Processing Unit)2、通信制御回路3、RAM(Random Access Memory)4、ROM(Read-Only Memory)5、サウンド処理回路6、画像処理回路7、モニタ8、スピーカ61、及びマイク62を備えている。図1に示すジャイロセンサ1〜画像処理回路7等の各ブロックは、バスラインBSを介して相互に接続されている。
【0061】
ジャイロセンサ1は、例えばゲーム装置のロール方向の姿勢とピッチ方向に対する姿勢とが検出可能なジャイロセンサにより構成され、ロール方向及びピッチ方向のそれぞれの角速度を検出して角速度信号を出力する。
【0062】
CPU2は、ROM5に記憶されたゲーム制御プログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。通信制御回路3は、CPU2により生成された送信対象のデータを、例えばCDMA(Code Division Multiple Access)等により拡散処理した後、QAM(Quadrature Amplitude phase Modulation)、PSK(Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)等により変調して送信する処理や、受信したデータを復調した後、逆拡散処理し、得られたデータをCPU2に出力する処理を行う。
【0063】
RAM4は、CPU2に対する作業領域を確保する。ROM5は、ゲーム装置の基本的な制御(たとえば起動制御)に必要なプログラム等を格納する。
【0064】
サウンド処理回路6は、CPU2からの発音指示に応じたアナログ音声信号を生成してスピーカ61に出力する。画像処理回路7は、CPU11からの描画指示に応じてモニタ8を制御して、モニタ8に所定の画像を表示する。マイク62は、プレーヤによる音声を電気信号に変換する。
【0065】
画像処理回路7は、タッチ入力検出回路9を含み、モニタ8に種々の画像を表示する。タッチ入力検出回路9は、例えばタッチペンやプレーヤの指等の指示手段がモニタ8に直接的に接触されると、接触位置の座標データをCPU2に出力し、接触位置をCPU2に認識させる。
【0066】
また、タッチ入力検出回路9は、モニタ8に表示された対象物の位置において、指示手段が直接的に接触されると、対象物の座標データをCPU2に出力し、対象物がタッチされたことをCPU2に認識させる。
【0067】
モニタ8は、例えば、液晶パネルと液晶パネルの表示面上に貼り付けられたタッチパッドとにより構成されている。タッチパッドとしては、例えば静電容量方式のものや抵抗膜方式のものが採用される。液晶パネルとしては、例えば、TFT(Thin Film Transistor)やSTN(Super Twisted Nematic)等の液晶パネルが用いられ、例えば4096色のカラー表示が可能である。なお、液晶パネルに代えて、有機EL(Electro Luminescence)パネル等を採用してもよい。
【0068】
図2は、図1に示すゲーム装置の機能ブロック図を示している。図2に示すようにゲーム装置は、操作表示部10、プログラム実行部20、及び記憶部30を備えている。
【0069】
操作表示部10は、図1に示すジャイロセンサ1、タッチ入力検出回路9、及びモニタ8等から構成され、プレーヤにより入力される種々の操作指示を受け付けると共に、種々のゲーム画像を表示する。
【0070】
具体的には、操作表示部10は、照準カーソルを生成するために、プレーヤが操作表示部10の表示画面上で所定の閉ループを描くように指を接触移動させる操作指示を受け付ける。
【0071】
したがって、操作表示部10は、プレーヤがタッチした表示画面上の位置を示す2次元データである座標データを出力する。ここで、操作表示部10は、プレーヤが操作画面上を指でタッチしている場合は、一定の時間間隔で座標データを出力する。また、座標データが出力される時間間隔は、タッチパッド上の隣接する座標間においてプレーヤが指を接触移動させるのに要する時間に比べて大幅に短いものとする。
【0072】
なお、本実施の形態では、所定の閉ループとして円を採用するがこれは一例に過ぎず、楕円、多角形等の円以外の図形を採用してもよい。
【0073】
また、操作表示部10は、ゲーム空間内を移動するボールオブジェクトの打撃タイミングを決定するために、プレーヤにより入力される打撃指示を受け付ける。具体的には、操作表示部10は、プログラム実行部20による指示の下、打撃指示ボタンを表示し(図示していない)、プレーヤにこの打撃指示ボタンをタッチさせることで、打撃指示を受け付ける。そして、操作表示部10は、プレーヤからの打撃指示を受け付けると、タイミング信号を出力する。
【0074】
また、操作表示部10は、照準カーソルを表示画面上で移動させるために、プレーヤにより入力される移動指示を受け付ける。ここで、プレーヤは、照準カーソルに接触することなく、ゲーム装置自体を傾斜させることで、移動指示を入力する。したがって、操作表示部10は、ゲーム装置が傾斜されているか否かをジャイロセンサ1に検出させることで、プレーヤからの移動指示を受け付ける。
【0075】
なお、照準カーソルの移動指示を上記のように非接触で行う理由は以下の通りである。
即ち、照準カーソルは最終的にボールオブジェクトに当てる必要があるので、徐々に接近してくるボールオブジェクトとの位置関係を明確に把握する必要があるが、もし照準カーソルをプレーヤの指で移動させようとすると、その指自体が邪魔になり、両者の位置関係が見え難くなることが想定されるからである。
【0076】
図3は、操作表示部10の表示画面に表示される野球ゲームの画像の一例を示した図である。図3に示すように、この野球ゲームは、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBL1を投げ、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBL1をバットオブジェクトBTにより打ち返す野球ゲームである。
【0077】
ここで、プレーヤは、操作表示部10の表示画面上で円を描くように指を接触移動させ、照準カーソルK1を生成させる。そして、プレーヤは、操作表示部10を傾斜させることで、照準カーソルK1を移動させ、ボールオブジェクトBL1がホームベース付近に到達したときに、ボールオブジェクトBL1に照準カーソルK1を位置決めさせ、打撃指示を入力する。そうすると、バットオブジェクトBTがスイング表示されて、ボールオブジェクトBL1が打ち返される。
【0078】
図2に戻り、プログラム実行部20は、主にCPU2により構成され、軌跡取得部21、照準カーソル生成部22、カーソル移動部23、タイミング取得部24、作用付与部25、及びレベル設定部26の機能を備えている。これらの機能は、CPU2がゲーム制御プログラムを実行することで実現される。
【0079】
軌跡取得部21は、操作表示部10から出力された座標データからプレーヤがタッチした表示画面上の位置を認識し、この位置を追跡することで、プレーヤが表示画面上を接触移動させた指の軌跡を取得する。
【0080】
具体的には、軌跡取得部21は、操作表示部10から一定の時間間隔で座標データが出力され、且つ座標データが示す位置が変化している場合、プレーヤが指を接触移動させていると判断する。
【0081】
一方、軌跡取得部21は、操作表示部10から一定の時間間隔で座標データが出力されているが、座標データが示す位置が一定期間以上変化していない場合、或いは、指が表示画面上から離されて座標データが出力されなくなった場合、プレーヤが指を接触移動させる動作を終了させたと判断する。
【0082】
そして、軌跡取得部21は、プレーヤが指を接触移動させていると判断した場合、一連の座標データのうち、最初に出力された座標データが示す位置を軌跡の始点として特定し、最後に出力された座標データが示す位置を軌跡の終点として特定し、始点の座標データが出力されてから終点の座標データが出力されるまでにおいて、一定の時間間隔で出力される一連の座標データが示す表示画面上の各ドットにより描かれる線を軌跡として取得する。
【0083】
また、軌跡取得部21は、プレーヤが指を接触させる前に、操作表示部10の略中央部には、照準カーソルK1となる閉ループを描き得る、半透明且つ円状の最大領域MDを表示画面上に表示する(図3参照)。
【0084】
ここで、最大領域MDの大きさは打者キャラクタCL1の打撃能力に応じて、個別に設定されている。即ち、打者キャラクタCL1の打撃能力が高いほど、最大領域MDは大きく表示される。
【0085】
但し、最大領域MDは、例えばストライクゾーンを4分割した範囲を越えないことが望ましい。これは照準カーソルが大き過ぎると、安易にその大きな範囲を目処に照準カーソルK1が表示され、三振を回避するために単にボールオブジェクトBL1にバットオブジェクトBTを当てにいくというような簡易なゲーム性になってしまうことを回避するためである。
【0086】
これにより、プレーヤは事前に表示された上記の最大領域MDを視認した後に、閉ループを描くことになるが、閉ループの大きさが上記の最大領域を超えてしまった場合には、照準カーソルK1は生成されない。この場合、打者キャラクタCL1は、ボールオブジェクトBL1がストライクであるか否かに関わらず、見送りすることになる。従って、プレーヤはこの最大領域MDを上限として、照準カーソルK1を生成するよう要請される。
【0087】
なお、表示された最大領域MDはプレーヤが指を表示画面に接触させた時に消去される。これは、それを単になぞれば最大の閉ループが描けるといった安易なプレーヤ操作を排除するためである。
【0088】
また、図3では、説明の便宜上、照準カーソルK1と最大領域MDとが同時に表示されているが、実際には、最大領域MDはプレーヤが表示画面上に指を接触させたときに消去されるため、同時に表示されることはない。
【0089】
照準カーソル生成部22は、所定時間内に、軌跡取得部21により取得された軌跡に応じた形状を有する照準カーソルK1を生成する。ここで、所定時間としては、ボールオブジェクトBL1の移動開始時刻を基準として設定されるイベント開始時刻から、ボールオブジェクトBL1がホームベース上を通過するイベント終了時刻までのイベント期間を採用することができる。
【0090】
また、イベント開始時刻としては、例えば投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBL1を投じるために振りかぶる動作を行った時刻、つまり、ボールオブジェクトBL1の移動開始時刻よりも少し前の時刻を採用することができる。但し、これは一例であり、ボールオブジェクトBL1の移動開始時刻をイベント開始時刻として採用してもよい。イベント終了時刻をボールオブジェクトBL1がホームベース上を通過するタイミングとしているのは、それ以降については打撃が生じることはあり得ないためである。
【0091】
また、照準カーソル生成部22は、上記の最大領域MDから軌跡がはみ出る場合、照準カーソルK1を生成しない。
【0092】
これにより、プレーヤは、最大領域MD内で指を接触移動させなければならないという制約が課され、ゲームの興趣性を高めることができる。また、照準カーソルK1の面積が過度に大きくなって、ボールオブジェクトBL1が当たりやすくなってゲームの難易度が極端に低下することを防止することができる。
【0093】
図2に戻り、照準カーソル生成部22は、軌跡取得部21により取得された軌跡が閉ループになっていない場合、つまり、図4(A)に示すように、軌跡ZLが始点SPから終点EPに至るまでに交差していない場合、基本的には照準カーソルK1を生成しない。図4(A)は、閉ループとなっていない軌跡ZLの一例を示した図であり、図4(B)は、閉ループとなっている軌跡ZLの一例を示した図である。
【0094】
一方、図4(B)に示すよう、軌跡ZLが始点SPから終点EPに至るまでに交差しており、交差点CPを有している場合、照準カーソル生成部22は、照準カーソルK1を生成する。
【0095】
そして、図4(B)に示すような軌跡ZLが軌跡取得部21により取得された場合、照準カーソル生成部22は、この軌跡ZLの形状に応じた照準カーソルK1、すなわち、この軌跡KLと同一形状、同一サイズの照準カーソルK1を生成する。但し、これは、一例であり、照準カーソル生成部22は、軌跡ZLを円の形に補間し、補間した円を照準カーソルK1として生成してもよい。この場合、照準カーソル生成部22は、軌跡ZL内の面積と同一面積の円を照準カーソルK1として生成すればよい。
【0096】
また、照準カーソル生成部22は、軌跡ZLが閉ループでない場合であっても、図4(A)に示すように、軌跡ZLの始点SP及び終点EP間の距離D1が規定距離よりも小さい場合、照準カーソルK1を生成するようにしてもよい。ここで、規定距離としては、レベル設定部26により設定されたプレーヤのレベルに応じて予め定められた値を採用すればよい。具体的には、規定距離としては、プレーヤのレベルが高くなるにつれて短くなるような値を採用すればよい。
【0097】
これにより、プレーヤのゲームに対する熟練度に応じて、ゲームの難易度を変更することが可能となり、ゲームの興趣性をより高めることができる。
【0098】
また、照準カーソル生成部22は、図4(B)に示すように、軌跡ZLが閉ループになっている場合、交差点CP及び始点SP間の軌跡区間ZL1と、交差点CP及び終点EP間の軌跡区間ZL2とを除去して、照準カーソルK1を生成することが好ましい。これにより、照準カーソルK1の審美性を高めることができる。
【0099】
また、照準カーソル生成部22は、プレーヤが閉ループを描くのに要した時間が規定時間よりも長い場合、輪郭線が太くなるように照準カーソルK1を生成してもよい。図5は、輪郭線が太くされた照準カーソルK1を示した図である。
【0100】
図5に示すように、照準カーソルK1の輪郭線が図6等に示す照準カーソルK1の輪郭線の太くなっていることが分かる。ここで、照準カーソル生成部22は、軌跡ZLを描くに当たり始点SPから終点EPまで指が接触移動されるのに要した時間を計時し、計時した時間が規定時間よりも長い場合、照準カーソルK1の輪郭線を通常の太さに比べて、輪郭の外側に向けて所定幅だけ太くなるように照準カーソルK1を生成すればよい。
【0101】
図2に戻り、カーソル移動部23は、操作表示部10に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、照準カーソルK1をゲーム空間内で移動させると共に、表示画面上に移動表示させる。
【0102】
図6は、照準カーソルK1のゲーム空間内での配置位置を示した図である。本実施の形態ではゲーム空間として、x軸、y軸、z軸の相互に直交する3軸によって規定される仮想3次元空間が採用されている。
【0103】
なお、図6に示すy軸は仮想3次元空間内におけるピッチャーマウンドの中心O2とホームベースHBの中心O3とを結ぶ直線L3と平行な方向に設定され、z軸は鉛直方向に設定され、xは鉛直方向と直線L3と直交する方向に設定されている。
【0104】
本実施の形態では、照準カーソルK1は、例えば、ホームベースHBの中心O3を通り、且つx−z平面と平行な平面SF1上を動くものとしている。
【0105】
図7は、ゲーム装置の姿勢と照準カーソルK1の移動速度との関係を示す模式図である。本実施の形態では、ゲーム装置のピッチ軸の傾斜角度θpが仮想3次元空間のz方向における照準カーソルK1の移動速度Vzに対応付けられ、ロール軸の傾斜角度θrが仮想3次元空間のx方向における照準カーソルK1の移動速度Vxに対応づけられている。なお、本実施の形態ではゲーム装置の表示画面が水平面と平行である場合、θp=0,θr=0とする。
【0106】
具体的には、傾斜角度θrは、ロール軸をプレーヤの手前から奥側に見たとき、時計回りの方向がプラス、反時計回りの方向がマイナスの値で算出される。
【0107】
したがって、傾斜角度θrがプラスの場合は、移動速度Vxはプラスの値を有し、照準カーソルK1は表示画面上、右側に移動する。また、傾斜角度θrがマイナスの場合は、移動速度Vxはマイナスの値を有し、照準カーソルK1は表示画面上、左側に移動する。
【0108】
また、傾斜角度θpは、ピッチ軸を左から右側に見たとき、反時計回りの方向がプラス、時計回りの方向がマイナスの値で算出される。
【0109】
したがって、傾斜角度θpがプラスの場合は、移動速度Vzはプラスの値を有し、照準カーソルK1は奥側に移動する。また、傾斜角度θpがマイナスの場合は、移動速度Vzはマイナスの値を有し、照準カーソルK1は手前側に移動する。
【0110】
そして、カーソル移動部23は、移動速度Vzと移動速度Vxとの合成ベクトルを求め、合成ベクトルの向きを照準カーソルK1の移動方向とし、合成ベクトルの大きさを照準カーソルK1の移動速度Vkの大きさとして、照準カーソルK1を図6に示す平面SF1上で移動させる。これにより、図7に示すように照準カーソルK1は表示画面上において、移動速度Vkの向きを示す矢印の方向に移動表示される。
【0111】
なお、傾斜角度θpと移動速度Vzとは、傾斜角度θpの絶対値が増大するにつれて、移動速度Vzの絶対値が増大する関係を有している。また、傾斜角度θrと移動速度Vxとは、傾斜角度θrの絶対値が増大するにつれて、移動速度Vxの絶対値が増大する関係を有している。
【0112】
したがって、傾斜角度θp及びθrの絶対値が増大する、すなわち、ゲーム装置のピッチ軸及びロール軸に対する傾斜角度が増大するにつれて、照準カーソルK1の移動速度は増大する。
【0113】
ここで、カーソル移動部23は、操作表示部10から一定の時間間隔で出力される角速度信号を積分することで、操作表示部10の角度の変化量を算出し、算出した角度の変化量を積算することで、傾斜角度θp,θrを算出すればよい。
【0114】
なお、照準カーソルK1の初期位置は、図6において、例えば、中心O3を通るzと平行な直線L4上であってストライクゾーンの中心位置の点P1を採用することができる。したがって、カーソル移動部23は、照準カーソルK1が生成されたとき、照準カーソルK1の重心が点P1に位置するように、照準カーソルK1を仮想3次元空間内に配置すればよい。
【0115】
また、カーソル移動部23が照準カーソルK1の移動速度Vzを算出する一定の時間間隔としては、例えば3フレーム分の時間、すなわち3/60秒(0.5秒)程度の値を採用することが可能であるが、これに限定されず、0.5秒より短くしてもよいし長くしてもよい。
【0116】
図2に戻り、カーソル移動部23は、照準カーソルK1の面積が増大するにつれて、照準カーソルK1の移動速度を低下させてもよい。この場合、カーソル移動部23は、移動速度Vkの大きさを、照準カーソルK1の面積が増大するにつれて低下させる補正係数αを求め、この補正係数αを移動速度Vkに乗じることで(α・Vk)、移動速度Vkの大きさを補正すればよい。ここで、カーソル移動部23は、照準カーソルK1の面積を入力とし、補正係数αを出力とし、照準カーソルK1の面積が増大するにつれて補正係数αが減少する予め定められた関数を用いて、補正係数αを算出すればよい。
【0117】
図8は、照準カーソルK1の面積と照準カーソルK1の移動速度との関係を説明するための図であり、(A)は照準カーソルK1の面積が小さい場合を示し、(B)は照準カーソルK1の面積が大きい場合を示している。
【0118】
図8(B)に示す照準カーソルK1は、図8(A)に示す照準カーソルK1よりも面積が大きい。そのため、図8(B)における補正係数αは、図8(A)における補正係数αよりも小さな値を有している。したがって、図8(B)に示す照準カーソルK1は、図8(A)に示す照準カーソルK1に比べてゆっくりと移動することになる。
【0119】
図2に戻り、タイミング取得部24は、ボールオブジェクトBL1の打撃タイミングを決定するための打撃指示がプレーヤにより入力されたとき、操作表示部10から出力されるタイミング信号を取得する。なお、タイミング信号は、例えば、操作表示部10の表示画面上の所定の位置に表示された打撃ボタンがプレーヤにタッチされたときに出力される。ここで、タイミング取得部24は、照準カーソルK1の生成後であって、且つイベント期間に残存時間がある場合に、タイミング信号を取得すればよい。
【0120】
作用付与部25は、タイミング取得部24がタイミング信号を取得したときに、ボールオブジェクトBL1と照準カーソルK1との少なくとも一部が重なった場合、ボールオブジェクトBL1が打撃されたと判定する打撃判定処理を実行する。
【0121】
図9は、作用付与部25が実行する打撃判定処理の説明図である。なお、図9は、図6に示す仮想3次元空間をx軸方向に向けて見た状態を表している。
【0122】
具体的には、作用付与部25は、タイミング取得部24がタイミング信号を取得したときに、図9に示すように、ボールオブジェクトBL1が平面SF1上の照準カーソルK1と交わる又は接している場合、ボールオブジェクトBL1が打撃されたと判定する。
【0123】
しかしながら、これでは、ゲームの難易度が高くなってしまい、面白みに欠けてしまう虞がある。そこで、本実施の形態では、例えばタイミング取得部24がタイミング信号を取得したときに、ボールオブジェクトBL1のy成分が、平面SF1に対して−y方向に距離d1離れた位置と、平面SF1に対して+y方向に距離d2離れた位置との間に存在し、且つそのときのボールオブジェクトBL1の延長線が平面SF1上の照準カーソルK1と交差した場合、ボールオブジェクトBL1が打撃されたと判定すればよい。
【0124】
ここで、ボールオブジェクトBL1の延長線としては、例えばタイミング取得部24がタイミング信号を取得したときのボールオブジェクトの速度の方向にボールオブジェクトBL1の重心に位置する質点G1を起点として伸ばした直線を採用することができる。
【0125】
或いは、タイミング取得部24がタイミング信号を取得したときに、ボールオブジェクトBL1のy成分が、平面SF1に対して距離d1離れた位置と、平面SF1に対して距離d2離れた位置との間に存在する場合、ボールオブジェクトBL1の質点G1を通り平面SF1に平行な平面SF1´を設定し、設定した平面SF1´上に平面SF1上の照準カーソルK1を投影し、投影した照準カーソルK1の領域内にボールオブジェクトBL1が存在する場合、ボールオブジェクトBL1が打撃されたと判定すればよい。
【0126】
なお、d1,d2としては、平面SF1からのストライクゾーンのy成分の長さと同じ距離又は、多少のマージンを加える若しくは差し引いた距離を採用すればよい。
【0127】
図2に戻り、作用付与部25は、図4(B)に示す軌跡区間ZL1,ZL2の長さが増大するにつれて、ボールオブジェクトBL1への打撃パワー(作用を与える際のパワーの一例)が小さくなるように打撃パワーを設定する。
【0128】
このように、打撃パワーを弱く設定することで、プレーヤにペナルティを課すことができる。ここで、ペナルティとは、ゲームの進行上、プレーヤに不利益を与えることを意味し、本実施の形態では、打撃パワーを小さくすることで、プレーヤに与えるペナルティを実現している。
【0129】
また、打撃パワーとしては、例えば打撃されたボールオブジェクトBL1の初速度V0の大きさと向きとが採用される。
【0130】
本実施の形態では、作用付与部25は、予め定められた方向と大きさとを有する基準初速度Vrefの向きと大きさとを、照準カーソルK1におけるボールオブジェクトBL1の通過位置に応じて変更することで、初速度V0の向きと大きさとを算出する。
【0131】
したがって、作用付与部25は、軌跡区間ZL1,ZL2の長さ(具体的にはZL1+ZL2)が増大するにつれて基準初速度Vrefの大きさを低下させる補正係数β1を求め、この補正係数β1を基準初速度Vrefに乗じることで(β1・Vref)、基準初速度Vrefを補正し、補正後の基準初速度Vrefの大きさを初速度V0の大きさとして設定すればよい。
【0132】
なお、作用付与部25は、補正係数β1を出力とし、軌跡区間ZL1+軌跡区間ZL2を入力とし、軌跡区間ZL1+軌跡区間ZL2が増大するにつれて、補正係数β1が減少する予め定められた関数を用いて補正係数β1を算出すればよい。
【0133】
また、作用付与部25は、軌跡取得部21により取得された軌跡ZLの形状が所定の基準形状から離れるにつれて、初速度V0の大きさを小さく設定してもよい。
【0134】
図10は、軌跡ZLの形状が基準形状から離れているか否かの作用付与部25による判定処理の説明図であり、(A)は基準形状ZRの一例を示し、(B)は基準形状ZRと軌跡ZLとのずれを示した図である。
【0135】
本実施の形態では、基準形状ZRとしては例えば予め定められた面積を有する円が採用されている。作用付与部25は、予め定められた基準形状ZRの面積と軌跡ZLの面積との差分、具体的には差分の絶対値(=|ZRの面積−ZLの面積|)を求める。そして、作用付与部25は、|ZRの面積−ZLの面積|が増大するにつれて、基準初速度Vrefの大きさを小さくするための補正係数β2を求め、補正係数β2を基準初速度Vrefに乗じることで(β2・Vref)、基準初速度Vrefの大きさを補正し、補正後の基準初速度Vrefの大きさを初速度V0の大きさとして設定すればよい。
【0136】
なお、作用付与部25は、面積の差分に代えて、他の手法を用いて、基準形状ZRに対する軌跡ZLの形状のずれを求めても良い。図11は、軌跡ZLの形状が基準形状から離れているか否かの作用付与部25による判定処理の他の一例の説明図である。
【0137】
図11の手法においては、作用付与部25は、軌跡ZLを、予め定められた個数の微小区間dlに等間隔で区分し、隣接する微小区間dl同士のなす角度θlと基準角度θrefとの差分の絶対値(=|θl−θref|)の総和を求める。そして、作用付与部25は、この総和が増大するにつれて、初速度V0を小さくするための補正係数β2を求め、補正係数β2を基準初速度Vrefに乗じることで、基準初速度Vrefの大きさを補正し、補正後の基準初速度Vrefの大きさを初速度V0の大きさとして設定すれば良い。なお、基準角度θrefとしては、円を所定個数の微小区間に区分したときの微小区間の接線同士のなす角度を採用することができる。
【0138】
図2に戻り、作用付与部25は、軌跡取得部21により取得された軌跡ZLが閉ループになっている場合、閉ループ内の面積が小さくなるにつれて、打撃パワーを大きく設定してもよい。
【0139】
この場合、作用付与部25は、軌跡ZLの閉ループの面積を求め、閉ループの面積が小さくなるにつれて、基準初速度Vrefの大きさを大きくするための補正係数β3を求め、この補正係数β3を基準初速度Vrefに乗じることで(β3・Vref)、基準初速度Vrefの大きさを補正し、補正後の基準初速度Vrefの大きさを初速度V0の大きさとして設定すればよい。
【0140】
なお、作用付与部25は、補正係数β3を出力とし、閉ループの面積を入力とし、閉ループの面積が小さくなるにつれて補正係数β3が増大する予め定められた関数を用いて補正係数β3を算出すればよい。
【0141】
また、作用付与部25は、タイミング取得部24がタイミング信号を取得したときにおける、ボールオブジェクトBL1の重心の照準カーソルK1に対する通過位置が照準カーソルK1の重心に近いほど、打撃パワーを大きく設定してもよい。
【0142】
図12は、打撃されたボールオブジェクトBL1の初速度の向きの算出処理を示した図であり、(A)は照準カーソルK1を示し、(B)は打撃直後のボールオブジェクトBL1をx方向に向けて見た状態を示し、(C)は打撃直後のボールオブジェクトBL1をz方向から見た状態を示している。
【0143】
図12(A)に示すように、ボールオブジェクトBL1の重心が打撃領域内の点P4(u,v)を通過したとする。但し、uは照準カーソルK1の中心O1を通り、且つx軸に平行な座標軸であり、vは中心O1を通り、且つz軸に平行な座標軸である。
【0144】
この場合、作用付与部25は、点P4と中心O1との距離dsを求め、距離dsが増大するにつれて、基準初速度Vrefを小さく設定するための補正係数β4を求め、この補正係数β4を基準初速度Vrefに乗じることで(β4・Vref)、基準初速度Vrefの大きさを補正し、補正後の基準初速度Vrefの大きさを初速度V0の大きさとして設定すればよい。
【0145】
なお、作用付与部25は、補正係数β4を出力とし、距離dsを入力とし、距離dsが小さくなるにつれて補正係数β4が増大する予め定められた関数を用いて補正係数β4を算出すればよい。
【0146】
また、作用付与部25は、図4(A)に示すように、プレーヤが指を接触移動させた軌跡が閉ループになっていない場合であっても、照準カーソルK1が生成された場合、距離D1が増大するにつれて、打撃パワーを小さく設定してもよい。
【0147】
この場合、作用付与部25は、距離D1が大きくなるにつれて、基準初速度Vrefの大きさを小さくするための補正係数β5を求め、この補正係数β5を基準初速度Vrefに乗じることで(β5・Vref)、基準初速度Vrefの大きさを補正し、補正後の基準初速度Vrefの大きさを初速度V0の大きさとして設定すればよい。
【0148】
なお、作用付与部25は、補正係数β5を出力とし、距離D1を入力とし、距離D1が大きくなるにつれて補正係数β5が増大する予め定められた関数を用いて補正係数β5を算出すればよい。
【0149】
次に、図12(A)〜(C)を用いて、ボールオブジェクトBL1の初速度V0の向きの算出手法について説明する。図12(A)に示すように、点P4のvが負であれば、バットオブジェクトBTによる打点がバットオブジェクトBTのスイートスポットよりも下側に位置すると判定し、図12(B)に示すように、基準初速度Vrefのピッチ角θ1をvの値に応じて増大させて、増大後の基準初速度Vrefのピッチ角θ1を初速度V0のピッチ角として設定する。
【0150】
一方、点P4のvが正であれば、バットオブジェクトBTによる打点がスイートスポットよりも上側に位置すると判定し、基準初速度Vrefのピッチ角θ1をvの値に応じて減少させて、減少後の基準初速度Vrefのピッチ角θ1を初速度V0のピッチ角として設定する。
【0151】
また、点P4のuが正であれば、右打者の場合、バットオブジェクトBTによる打点は、スイートスポットよりもグリップエンドとは反対の先端側に位置すると判定し、図12(C)に示すように基準初速度Vrefのヨー角θ2をuの値に応じて+θ2側に変更させて、変更後の基準初速度Vrefのヨー角θ2を初速度V0のヨー角として設定する。
【0152】
一方、点P4のuが負であれば、右打者の場合、バットオブジェクトBTによる打点はスイートスポットよりもグリップエンド側に位置するため、基準初速度Vrefのヨー角θ2をuの値に応じて−θ2側に変更させて、変更後の基準初速度Vrefのヨー角θ2を初速度V0のヨー角として設定する。
【0153】
更に、図9に示すように、ボールオブジェクトBL1が平面SF1よりも−y側に位置するときに、タイミング取得部24によりタイミング信号が取得された場合、すなわち、ボールオブジェクトBL1の打撃タイミングが速かった場合、図12(C)に示すように、右打者の場合は基準初速度Vrefのヨー角θ2をdの値に応じて−θ2側に増大させて、増大後の基準初速度Vrefのヨー角θ2を初速度V0のヨー角として設定する。
【0154】
一方、ボールオブジェクトBL1が平面SF1よりも+y側に位置するときに、タイミング取得部24によりタイミング信号が取得された場合、すなわち、ボールオブジェクトBL1の打撃タイミングが遅かった場合、図12(C)に示すように、右打者の場合は基準初速度Vrefのヨー角θ2をdの値に応じて+θ2側に増大させ、増大後の基準初速度Vrefのヨー角θ2を初速度V0のヨー角として設定する。
【0155】
図2に戻り、レベル設定部26は、プレーヤの操作指示に基づいて、プレーヤのレベルを設定する。ここで、レベル設定部26は、ゲームの開始に先立って、プレーヤにレベルを設定させるための操作画像を操作表示部10に表示させ、この操作画像を操作することにより、操作表示部10により受け付けられたプレーヤの操作指令に基づいて、プレーヤのレベルを設定すればよい。
【0156】
記憶部30は、ゲーム制御プログラム記憶部31、画像データ記憶部32及びキャラクタデータ記憶部を備えている。ゲーム制御プログラム記憶部31は、図1に示すゲーム装置に上述の野球ゲームを実行させるためのゲーム制御プログラムを記憶している。
【0157】
画像データ記憶部32は、打者キャラクタCL1、バットオブジェクトBT、野球場の背景画像、投手キャラクタCL2、及び野手キャラクタ等の野球ゲームを行ううえで必要な種々の画像データを記憶する。ここで、野球場の背景画像の画像データとしては、例えば仮想3次元空間内において予め作成された仮想3次元モデルを所定の視点からレンダリングすることにより予め作成された画像データを採用することができる。
【0158】
キャラクタデータ記憶部33は、打者キャラクタCL1の打撃能力(特にボールを打ち返し得る範囲)等に関する情報を記憶する。前述の通り、プレーヤが操作表示部10に指を接触させる前に、操作表示部10の略中央部には、照準カーソルK1となる閉ループを描き得る最大領域MDが、事前に半透明且つ円状に表示されるが、この最大領域MDの大きさは打者キャラクタCL1の打撃能力に応じて、個々に設定される。この設定の際に、上記キャラクタデータ記憶部33の情報が使用される。
【0159】
次に、本実施の形態によるゲーム装置の動作について説明する。図13は、本発明の実施の形態によるゲーム装置の動作を示すフローチャートである。
【0160】
まず、ステップS1において、プログラム実行部20は、操作表示部10に、打者キャラクタCL1、バットオブジェクトBT、野球場の背景画像、投手キャラクタCL2、及び野手キャラクタ等の画像データを画像データ記憶部32から読み出して表示させ、初期設定を行う。この場合、操作表示部10には、例えば図3に示すような画像が表示される。
【0161】
次に、プログラム実行部20は、投手キャラクタCL2に振りかぶる動作を行わせ、イベント期間を開始する(ステップS2)。ここで、プログラム実行部20は、初期設定が終了した後、所定時間が経過したときにイベント期間を開始してもよいし、プレーヤからの操作指示に従って、イベント期間を開始してもよい。
【0162】
また、プログラム実行部20によりイベント期間が開始されると、軌跡取得部21は、プレーヤが表示画面上で指を接触移動させることによる軌跡ZLを取得する処理を開始する。
【0163】
また、プログラム実行部20は、イベント期間が開始されてから所定時間が経過したときに、ボールオブジェクトBL1の移動を開始させる。このとき、プログラム実行部20は、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBL1を投じるように投手キャラクタCL2の表示態様を変更させる。
【0164】
また、プログラム実行部20は、ボールオブジェクトBL1の初速度を設定し、ボールオブジェクトBL1の重心を質点と見なし、設定した初速度と、仮想3次元空間内において予め鉛直方向下向きに付与された重力加速度と、揚力等の種々の外力と、ボールオブジェクトBL1の質量とを用いて、質点の運動方程式を解くことにより、仮想3次元空間におけるボールオブジェクトBL1の位置を繰り返し算出して、ボールオブジェクトBL1の軌道を算出し、算出した軌道に沿うようにボールオブジェクトを操作表示部10に移動表示させる。
【0165】
この場合、プログラム実行部20は、球種及びコース毎に予め定められた確率にしたがって、球種及びコースをランダムに決定し、決定した球種及びコースに応じた軌道を描いてボールオブジェクトBL1が移動するように、予め定められた外力をボールオブジェクトBL1に付与する。なお、球種及びコース毎に予め定められた確率としては、ゲームの局面や、投手キャラクタCL2に応じて予め定められたものを採用すればよい。
【0166】
また、初速度の大きさとしては、ゲームの局面や、投手キャラクタCL2に応じて予め定められた値を採用すればよい。これにより、図3に示すように、ボールオブジェクトBL1は、プレーヤにより指定された球種やコースにしたがった軌道を描くように投手キャラクタCL2からホームベースに向かって移動表示される。
【0167】
次に、軌跡取得部21は、プレーヤが表示画面上を接触移動させた指の軌跡を取得する(ステップS3)。ここで、軌跡取得部21は、プレーヤが指の接触移動を開始させた後、表示画面上から指が離されたとき、接触移動が終了されたと判定して、軌跡を取得するステップS3でYES)。一方、軌跡取得部21は、プレーヤが指の接触移動を開始させた後、表示画面上から指が離されていないとき、ステップS3でNOと判定し、処理をステップS9に進め、イベント期間が終了するまで、軌跡ZLを取得する処理を継続する。
【0168】
そして、軌跡取得部21が軌跡ZLを取得すると(ステップS3でYES)、照準カーソル生成部22は、軌跡ZLが閉ループを形成しているか否かを判定し(ステップS4)、閉ループを形成していると判定した場合(ステップS4でYES)、処理をステップS5に進める。一方、軌跡ZLが閉ループを形成していないと判定された場合(ステップS4でNO)、処理がステップS9に進められ、イベント期間が終了するまで、プレーヤは、再度、指を接触移動させて軌跡を入力することができる。なお、閉ループが形成された否かを判定する処理の詳細については上述した。
【0169】
次に、照準カーソル生成部22は、照準カーソルK1を生成し(ステップS5)、カーソル移動部23は、ゲーム装置の本体を傾斜させることによるプレーヤからの照準カーソルK1の移動指示が操作表示部10により受け付けられると(ステップS6でYES)、傾斜角度に応じた移動速度で、照準カーソルK1を表示画面上で移動表示させる(ステップS7)。
【0170】
一方、カーソル移動部23は、ゲーム装置の主面が水平面と平行にされることにより、照準カーソルK1の移動を停止する指示が操作表示部10により受け付けられると(ステップS6でNO)、照準カーソルK1の移動を停止した後、その位置で照準カーソルK1を表示させ、処理をステップS8に進める。
【0171】
次に、タイミング取得部24は、プレーヤにより打撃ボタンがタッチされ、操作表示部10から出力されるタイミング信号を受け付けた場合(ステップS8でYES)、処理をステップS10に進める。
【0172】
一方、タイミング取得部24は、プレーヤにより打撃ボタンがタッチされず、操作表示部10から出力されるタイミング信号を受け付けなかった場合(ステップS8でNO)、処理をステップS9に進める。
【0173】
ステップS9において、タイミング取得部24は、イベント期間が終了したか否かを判定し、イベント期間が終了した場合(ステップS9でYES)、処理をステップS12に進め、イベント期間が終了していない場合(ステップS9でNO)、処理をステップS3に戻す。
【0174】
すなわち、イベント期間が終了するまでステップS3からS9までの処理が繰り返され、プレーヤによる照準カーソルK1を生成するための操作指示と、プレーヤによる照準カーソルK1を移動させる移動指示と、プレーヤによる打撃指示とが受け付けられる。
【0175】
そして、タイミング取得部24が、イベント期間が終了するまでにタイミング信号を取得することができた場合(ステップS8でYES)、作用付与部25は、プレーヤが打撃指示を行ったとして、処理をステップS10に進める。
【0176】
一方、タイミング取得部24が、イベント期間が終了するまでにタイミング信号を取得することができなかった場合(ステップS8でNO、且つステップS9でYES)、作用付与部25は、プレーヤが見送りしたと判定し、処理をステップS12に進める。
【0177】
また、イベント期間が終了するまでの間に、プレーヤが軌跡を描くことができなかった場合(ステップS3でNO、且つステップS9でYES)、又は、プレーヤが軌跡を描いたがそれが閉ループでなかった場合(ステップS4でNO、且つステップS9でYES)、作用付与部25は、プレーヤが見送りしたと判定し、処理をステップS12に進める。
【0178】
ステップS10において、作用付与部25は、打撃判定処理を行い、プレーヤがボールオブジェクトBL1を打撃することができたか否かを判定する。そして、作用付与部25は、プレーヤがボールオブジェクトBL1を打撃することができたと判定した場合(ステップS10でYES)、打撃パワーを設定する処理を行い(ステップS11)、ボールオブジェクトBL1の初速度V0の向き及び大きさを算出し、打撃処理を実行する(ステップS13)。
【0179】
この場合、作用付与部25は、図14に示すように、ボールオブジェクトBL1がバットオブジェクトBTにより打撃されたことを明示する画像を操作表示部10に表示させる。
【0180】
また、作用付与部25は、打撃されたボールオブジェクトBL1の軌道を計算し、計算した軌道に沿ってボールオブジェクトBL1を移動表示させる。この場合、作用付与部25は、ボールオブジェクトBL1の重心を質点と見なし、ステップS11で算出されたボールオブジェクトBL1の初速度V0を用いて質点の運動方程式を解くことにより、ボールオブジェクトBL1の位置を繰り返し算出して、ボールオブジェクトBL1の軌道を算出し、算出した軌道に沿うようにボールオブジェクトBL1を操作表示部10に移動表示させる。
【0181】
一方、作用付与部25は、プレーヤがボールオブジェクトBL1を打撃することができなかったと判定した場合(ステップS10でNO)、すなわち、プレーヤがボールオブジェクトBL1を空振りした場合、投手キャラクタCL2がバットオブジェクトを空振りする画像を操作表示部10に表示した後、ボールオブジェクトBL1を捕手キャラクタが捕球する画像を操作表示部10に表示させる等の空振り処理を実行する(ステップS14)。
【0182】
ステップS12おいて、作用付与部25は、例えば捕手キャラクタがボールオブジェクトを捕球する画像を操作表示部10に表示させる等の見送り処理を実行する。
【0183】
このように、本実施の形態によるゲーム装置によれば、操作表示部10の表示画面上において、所定の閉ループを描くように指を接触移動させる操作指示がプレーヤにより行われると、この操作指示に基づいて、プレーヤが実際に指を接触移動させた軌跡が取得され、この軌跡に応じた形状を有する照準カーソルK1が生成され、操作表示部10に表示される。
【0184】
そして、プレーヤは操作表示部10を操作することで、この照準カーソルK1をゲーム空間内で移動させる。そして、ボールオブジェクトBL1に作用を与えるタイミングを決定するための打撃指示がプレーヤにより入力されると、操作表示部10からタイミング信号が出力され、タイミング取得部24により取得される。そして、このタイミング信号が取得されたときに、ボールオブジェクトBL1が照準カーソルK1を通過した場合、ボールオブジェクトBL1が打撃したと判定される。
【0185】
つまり、プレーヤは、表示画面上に照準カーソルK1を表示させるために、表示画面上で指を接触移動させるという、従来にはない全く新規な操作が課されることになる。
【0186】
そのため、タッチパッドを備える操作表示部10を備えるゲーム装置の特徴を十分に活かすことができると同時に、従来にはない興趣性を有するゲームを実現することができる。
【0187】
なお、上記実施の形態では、照準カーソルK1は、操作表示部10を傾斜させることで移動されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、操作表示部10を任意の方向にスライドさせることで、照準カーソルK1を移動表示させてもよい。
【0188】
この場合、操作表示部10に加速度センサを設け、この加速度センサから出力される加速度信号を2回積分する例えば、特許第3947549号公報に開示の手法を用いることで、照準カーソルK1の表示画面上での移動量を算出し、算出した移動量にしたがって、照準カーソルK1を移動表示させればよい。
【0189】
また、操作表示部10に例えば上下左右の4方向を指定することができる十字キーの操作画像を表示させ、プレーヤにこの十字キーをタッチさせることで、照準カーソルK1を移動させるようにしてもよい。
【0190】
更に、別の方法として、例えば照準カーソルK1の外縁又は外縁から所定距離以内の領域に指を接触させ、接触させた指を表示画面上で接触移動させることで照準カーソルK1の移動させるようにしてもよい。この方法であれば、移動体オブジェクトの接近方向とは反対側に指を接触させれば、プレーヤは、概ね、両者の位置関係を把握しながら、照準カーソルK1を任意の位置に移動させることが可能となる。
【0191】
なお、上記説明では、本ゲーム装置が野球ゲームを実行する場合を例示したが、これに限定されず、野球ゲーム以外、例えばテニス、卓球、スカッシュ等のラケットによりボールを打ち返す球技のゲームを実行させてもよい。
【0192】
また、本ゲーム装置にクレー射撃ゲームを実行させてもよい。この場合、照準カーソルK1をライフルの照準とし、射撃対象物である飛行体を移動体オブジェクトとすればよい。
【符号の説明】
【0193】
10 操作表示部
20 プログラム実行部
21 軌跡取得部
22 照準カーソル生成部
23 カーソル移動部
24 タイミング取得部
25 作用付与部
26 レベル設定部
30 記憶部
31 画像データ記憶部
32 画像データ記憶部
BL1 ボールオブジェクト
CL1 打者キャラクタ
CL2 投手キャラクタ
CP 交差点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与えるゲームの進行を制御するゲーム装置であって、
タッチパネル式の表示部を備える操作手段と、
前記表示部の表示画面上において、所定の閉ループを描くように指を接触移動させるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に指を接触移動させた軌跡を取得する軌跡取得手段と、
所定時間内に、前記軌跡取得手段により前記閉ループの軌跡が取得された場合、取得された軌跡に応じた形状を有する照準カーソルを生成する照準カーソル生成手段と、
前記照準カーソルの生成後であって、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動手段と、
前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得手段と、
前記タイミング取得手段が前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与える作用付与手段とを備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記所定時間は、前記移動体オブジェクトの移動開始時刻を基準として設定されるイベント開始時刻から、前記移動体オブジェクトが移動を終了するイベント終了時刻までのイベント期間であり、
前記タイミング取得手段は、前記照準カーソルの生成後であって、且つ前記イベント期間に残存時間がある場合に、前記タイミング信号を取得することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記移動手段は、前記照準カーソルの面積が増大するにつれて、前記照準カーソルの移動速度を低下させることを特徴とする請求項1又は2記載のゲーム装置。
【請求項4】
プレーヤの操作指示に基づいて、プレーヤのレベルを設定するレベル設定手段を更に備え、
前記照準カーソル生成手段は、プレーヤが指を接触移動させた軌跡が閉ループになっていない場合であっても、前記軌跡の始点及び終点間の距離が前記レベル設定手段により設定されたレベルに応じて予め定められた規定距離よりも小さい場合、前記照準カーソルを生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記作用付与手段は、プレーヤが指を接触移動させた軌跡が閉ループになっていない場合であっても、前記照準カーソルが生成された場合、前記軌跡の始点及び終点間の距離が大きくなるほど、前記移動体オブジェクトに作用を与える際のパワーを小さくすることを特徴とする請求項4記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記照準カーソル生成手段は、前記軌跡が閉ループになっている場合、前記軌跡の交差点及び前記軌跡の始点間の軌跡区間と、前記交差点及び前記軌跡の終点間の軌跡区間とを除去して、前記照準カーソルを生成することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記作用付与手段は、前記交差点及び前記始点間の軌跡区間と、前記交差点及び前記終点間の軌跡区間との長さが増大するにつれて、前記移動体オブジェクトに作用を与える際のパワーを小さく設定することを特徴とする請求項6記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記作用付与手段は、前記軌跡取得手段により取得された軌跡の形状が所定の基準形状から離れるにつれて、前記移動体オブジェクトに作用を与える際のパワーを小さく設定することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記作用付与手段は、前記軌跡取得手段により取得された軌跡が閉ループになっている場合、当該閉ループ内の面積が小さくなるにつれて、前記移動体オブジェクトに作用を与える際のパワーを大きく設定することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記作用付与手段は、前記タイミング取得手段が前記タイミング信号を取得したときにおける、前記移動体オブジェクトの前記照準カーソルに対する通過位置が前記照準カーソルの重心に近いほど、前記移動体オブジェクトに作用を与える際のパワーを大きく設定することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記照準カーソル生成手段は、プレーヤが閉ループを描くのに要した時間が規定時間よりも長い場合、輪郭線が太くなるように前記照準カーソルを生成することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記照準カーソル生成手段は、前記表示部の表示画面上においてプレーヤが前記閉ループを描画し得る所定の最大領域から前記軌跡がはみ出る場合、前記照準カーソルを生成しないことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与える複数のキャラクタに関する情報を記憶するキャラクタデータ記憶手段を更に備え、
前記キャラクタに関する情報は、各キャラクタのそれぞれに対して予め個別に設定された前記最大領域の大きさを含み、
前記軌跡取得手段は、閉ループを描くプレーヤからの操作指示が行われる前の表示画面上に、前記最大領域を表示することを特徴とする請求項12記載のゲーム装置。
【請求項14】
前記最大領域は、半透明で表示され、且つ前記プレーヤの前記表示画面への接触時に消去されることを特徴とする請求項13記載のゲーム装置。
【請求項15】
ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与えるゲームの進行を制御するゲーム装置としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラムであって、
前記ゲーム装置は、タッチパネル式の表示部を備える操作手段を備え、
前記表示部の表示画面上において、所定の閉ループを描くように指を接触移動させるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に指を接触移動させた軌跡を取得する軌跡取得手段と、
所定時間内に、前記軌跡取得手段により前記閉ループの軌跡が取得された場合、取得された軌跡に応じた形状を有する照準カーソルを生成する照準カーソル生成手段と、
前記照準カーソルの生成後であって、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動手段と、
前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得手段と、
前記タイミング取得手段が前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与える作用付与手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項16】
ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与えるゲームの進行をゲーム装置が制御するゲーム制御方法であって、
前記ゲーム装置は、タッチパネル式の表示部を備える操作手段を備え、
前記ゲーム装置が、前記表示部の表示画面上において、所定の閉ループを描くように指を接触移動させるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に指を接触移動させた軌跡を取得する軌跡取得ステップと、
前記ゲーム装置が、所定時間内に、前記軌跡取得ステップにより前記閉ループの軌跡が取得された場合、取得された軌跡に応じた形状を有する照準カーソルを生成する照準カーソル生成ステップと、
前記ゲーム装置が、前記照準カーソルの生成後であって、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作ステップで入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルをゲーム空間内で移動させる移動ステップと、
前記ゲーム装置が、前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得ステップと、
前記ゲーム装置が、前記タイミング取得ステップにより前記タイミング信号が取得されたときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与える作用付与ステップとを備えることを特徴とするゲーム制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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