説明

ゲーム装置、ゲーム制御プログラム、及びゲーム制御方法

【課題】プレイヤの打撃操作の習熟度にかかわらず、打者キャラクタのコース毎の得意不得意をゲームに反映させることが可能となるゲーム装置、ゲーム制御プログラム、及びゲーム制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームを実行するゲーム装置は、ストライクゾーン内の領域を示すコース毎の打撃力の評価を示す第1評価情報を、打者キャラクタ毎に記憶しており、第1評価情報は、コース毎の打撃の不得意度のレベルを示すデータであって、所定のレベルを示す第1基準データからの乖離が大きくなるほど不得意度が大きくなるように設定されたデータであり、打席に入っている打者キャラクタの第1評価情報に基づき、各コースに対応するストライクゾーンの領域を、当該第1評価情報の第1基準データからの乖離が大きいほど透明度を上げたストライクゾーンを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームの進行を制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表示画面上にストライクゾーンを示す外枠を表示させ、投手キャラクタがストライクゾーンを目がけて投じたボールオブジェクトを打者キャラクタに打撃させる野球ゲームが知られている。
【0003】
最近の野球ゲームでは、現実の野球のように、打者キャラクタそれぞれに、得意とするコース又は苦手とするコースを持たせたものがある。例えば、内角高めは得意だが、外角低めは苦手である等である。
【0004】
このようなゲームとして、例えば、ストライクゾーン内に表示されるバットカーソルのミートゾーン(以下、「ミートカーソル」という。)のサイズが、打者キャラクタの得意なコース辺りでは大きく表示され、不得意なコース辺りでは小さく表示されるゲームが提案されている(特許文献1参照)。ミートカーソルとは、打者キャラクタがボールオブジェクトをヒットするためのものである。このミートカーソルがボールオブジェクトと重なっているときにプレイヤが所定の操作をした場合に、打者キャラクタがボールオブジェクトを打撃できたと判定する。
【0005】
従って、ミートカーソルのサイズが大きいほど、ボールオブジェクトと重ねることが容易となるため、打者キャラクタのコース毎の得意不得意がゲームに反映されることとなり、野球ゲームとしての面白みが増すこととなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−246968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このような野球ゲームの打撃操作にプレイヤが慣れるにつれ、ミートカーソルのサイズが小さくても、ミートカーソルをボールオブジェクトと重ねることが容易に行えるようになり、不得意なコースであっても比較的容易に打撃できてしまうことが多くなる。
【0008】
すなわち、打者キャラクタのコース毎の得意不得意をゲームに反映させ難い場合が生じ得ることとなっていた。
【0009】
そこで、本発明は、プレイヤの打撃操作の習熟度にかかわらず、打者キャラクタのコース毎の得意不得意をゲームに反映させることが可能となるゲーム装置、ゲーム制御プログラム、及びゲーム制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明にかかる一態様では、ゲーム装置は、投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームを実行するゲーム装置であって、ゲーム空間内に予め設定されているストライクゾーンを表示するストライクゾーン表示手段と、前記ストライクゾーン内の領域を示すコース毎の打撃力の評価を示す第1評価情報を、打者キャラクタ毎に記憶している打者情報記憶手段とを備え、前記打者記憶手段に記憶されている第1評価情報は、コース毎の打撃の不得意度のレベルを示すデータであって、所定のレベルを示す第1基準データからの乖離が大きくなるほど不得意度が大きくなるように設定されたデータであり、前記ストライクゾーン表示手段は、前記打者情報記憶手段に記憶されている第1評価情報のうち、打席に入っている打者キャラクタの第1評価情報に基づき、各コースに対応するストライクゾーンの領域を、当該第1評価情報の第1基準データからの乖離が大きいほど透明度を上げて表示することを特徴とする。
【0011】
このような構成のゲーム装置によれば、コース毎の打撃の不得意度のレベルを示すデータが打者キャラクタ毎に記憶されており、このデータは不得意度が大きくなるほど所定レベルを示す第1基準データから乖離が大きくなるようなデータであるので、打者キャラクタが不得意なコースに対応するストライクゾーンの領域を不得意度に応じて透明にしたストライクゾーンを表示することが可能となる。
【0012】
打者キャラクタが不得意なコースに対応する領域が透明になったストライクゾーンが表示されているので、プレイヤは、打者キャラクタが不得意なコースでは、ミートカーソルでボールオブジェクトを打撃することが容易ではなくなる。従って、打者キャラクタのコース毎の得意不得意をゲームに反映させることが可能となり、よりリアリティに満ちた興趣性の高い野球ゲームを実現することができる。
【0013】
(2)上述のゲーム装置において、前記ストライクゾーン表示手段は、前記投手キャラクタが投球モーションを開始してから前記ボールオブジェクトをリリースするまでのいずれかの時点を起点として、前記透明度を上げて表示する領域の初期状態を含むストライクゾーンを表示し、当該起点からの時間経過とともに、当該ストライクゾーンの透明度を徐々に上げて表示することを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、投手キャラクタが投げたボールオブジェクトをミートカーソルで打撃しようとするときに、ストライクゾーンが時間経過に従って徐々に消えていくので、プレイヤは、意図するコース上にミートカーソルを移動することがボールオブジェクトがホームベースに近づくほど難しくなる。また、透明度が高く表示されている不得意コース付近は、早く消えてしまうことになるので、そのコースにおけるボールオブジェクトの打撃操作がより難くなる。従って、プレイヤにとっては、打撃に対する高い集中力が要されることとなり、ゲームとしての面白さを増すことが可能となる。
【0015】
(3)上述のゲーム装置において、前記打者情報記憶手段は、更に、打者としての基本能力の評価を示す第2評価情報を、打者キャラクタ毎に記憶しており、前記ストライクゾーン表示手段は、前記透明度を徐々に上げて表示する際に透明度が上限値までに達する時間を、前記第2評価情報の評価値が高いほど長くなるよう表示することを特徴とする。
【0016】
ここで、上限値とは、ストライクゾーンの全体をプレイヤが認識できないような透明度をいい、例えば、透明度が100%のことである。
【0017】
この構成によれば、打者キャラクタのコース毎の不得意度のレベルだけでなく、打者としての基本能力を考慮して、ストライクゾーンを表示することができ、この基本能力が高いほど、ボールオブジェクトが投手キャラクタからリリースされてからの、ストライクゾーンが表示されている時間を長くすることができるので、プレイヤは、打者キャラクタの基本能力が高いほど意図するコース上にミートカーソルを移動することが容易になる。従って、打者キャラクタの基本能力をゲームに反映させることが可能となり、同じコースが不得意な複数の打者キャラクタがいた場合、その打者ごとに透明度を変化させるので、よりバリエーションに満ちた面白さを増すことが可能となる。
【0018】
(4)上述のゲーム装置において、前記打者情報記憶手段は、更に、打者としての基本能力の評価を示す第2評価情報を、打者キャラクタ毎に記憶しており、前記ストライクゾーン表示手段は、前記第1評価情報と、前記透明度の設定に関して第1評価情報より重み付けを低くした前記第2評価情報とに基づいて前記透明度を設定するものであり、且つ、当該第2評価情報の評価値が低いほど前記透明度を上げることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、打者キャラクタのコース毎の不得意度のレベルだけでなく、打者としての基本能力を考慮して不得意なコースに対応する領域を透明にしたストライクゾーンを表示することができるので、打者キャラクタの基本能力をゲームに反映させることが可能となり面白さを増すことが可能となる。
【0020】
(5)上述のゲーム装置において、前記ストライクゾーン表示手段は、前記透明度を上げて表示する領域に対応するコース及びその近傍をボールオブジェクトが通過する回数をカウントし、カウントした回数が増加するにつれて、前記透明度を上げて表示する領域を前記初期状態から徐々に小さくすることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、不得意なコースや、不得意なコースの近傍をボールオブジェクトが通過すると、その回数に応じて、不得意なコースに対応する透明領域のサイズを小さくしていくのであるが、これは、実際の野球において、同じコースにボールが投げられると、打者が徐々にそのコースに目が慣れてくることを擬似的に表現したものである。すなわち、プレイヤは、打者キャラクタの不得意なコースであっても、繰返しそのコースにボールが来れば、ミートカーソルでボールオブジェクトを打撃することが徐々に容易になっていく。このように、本構成によれば、実際の野球において打者がボールに目が慣れてくることをゲームで表現することが可能となり、よりリアリティに満ちた興趣性の高い野球ゲームを実現することが可能となる。
【0022】
(6)上述のゲーム装置において、前記ストライクゾーン表示手段は、前記透明度を上げて表示する領域のサイズを、所定サイズより小さくしないことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、不得意なコースに対応するストライクゾーンの透明にする領域のサイズはある一定のサイズより小さくはならないようにしているが、これは、不得意なコースについては、前記(5)の構成によって、いくら打者キャラクタの目が慣れたとしても、通常通りのストライクゾーンの表現にはしないよう制限するための設定である。この構成によって、(5)で示した構成を、現実にはない不自然な現象が発生しないよう、ゲーム上に忠実に反映させることが可能となる。
【0024】
(7)上述のゲーム装置において、前記ストライクゾーン表示手段は、前記打者キャラクタが新たに打席についたときには、前記透明度を上げて表示する領域を、前記初期状態のサイズに戻して表示することを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、新たに打席に着いた時には、不得意なコースに対応するストライクゾーンの透明にする領域は初期状態のサイズで表示されるので、プレイヤにとって、打者キャラクタが不得意なコースでの打撃の困難さは、前回打席に着いたときと同じとなる。つまり、実際の野球において、前回の打席で目が慣れたとしても、今回の打席では、時間が経って目の慣れが元の状態に戻っていることをゲームに反映させることが可能となり、よりリアリティに満ちた興趣性の高い野球ゲームを実現することが可能となる。
【0026】
(8)本発明の他の一態様に係るゲーム制御プログラムは、投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームをコンピュータに実行させるゲーム制御プログラムであって、ゲーム空間内に予め設定されているストライクゾーンを表示するストライクゾーン表示手段と、前記ストライクゾーン内の領域を示すコース毎の打撃力の評価を示す第1評価情報を、打者キャラクタ毎に記憶している打者情報記憶手段としてコンピュータを機能させ、前記打者記憶手段に記憶されている第1評価情報は、コース毎の打撃の不得意度のレベルを示すデータであって、所定のレベルを示す第1基準データからの乖離が大きくなるほど不得意度が大きくなるように設定されたデータであり、前記ストライクゾーン表示手段は、前記打者情報記憶手段に記憶されている第1評価情報のうち、打席に入っている打者キャラクタの第1評価情報に基づき、各コースに対応するストライクゾーンの領域を、当該第1評価情報の第1基準データからの乖離が大きいほど透明度を上げて表示することを特徴とする。
【0027】
(9)本発明の他の一態様に係るゲーム制御方法は、投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームをゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、前記ゲーム装置は、ゲーム空間内に予め設定されているストライクゾーン内の領域を示すコース毎の打撃力の評価を示す第1評価情報を、打者キャラクタ毎に記憶している打者情報記憶手段とを備え、前記打者記憶手段に記憶されている第1評価情報は、コース毎の打撃の不得意度のレベルを示すデータであって、所定のレベルを示す第1基準データからの乖離が大きくなるほど不得意度が大きくなるように設定されたデータであり、前記ゲーム装置が、前記打者情報記憶手段に記憶されている第1評価情報のうち、打席に入っている打者キャラクタの第1評価情報に基づき、各コースに対応するストライクゾーンの領域を、当該第1評価情報の第1基準データからの乖離が大きいほど透明度を上げて前記ストライクゾーンを表示するストライクゾーン表示ステップを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、プレイヤの打撃操作の習熟度にかかわらず、打者キャラクタのコース毎の得意不得意をゲームに反映させることが可能となり、興趣性の高い野球ゲームを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施の形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態によるゲーム装置が実行する野球ゲームの概要を説明するための画面図である。
【図3】図1に示すゲーム装置の主要機能ブロック図である。
【図4】選手紹介画面の例を示す図である。
【図5】図5(a)はストライクゾーンのコースを示す図であり、図5(b)はゾーン対応情報の構成及び内容の例を示す図である。
【図6】基本能力情報の構成及び内容の例を示す図である。
【図7】コース透明度テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
【図8】ストライクゾーンの表示例を示す図である。
【図9】ストライクゾーンの表示例を示す図である。
【図10】ストライクゾーンをゲーム画面に表示した例を示す図である。
【図11】基本能力コース透明度テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
【図12】基本能力を考慮したストライクゾーンの表示例を示す図である。
【図13】ストライクゾーンの消去方法を示す図である。
【図14】ストライクゾーンの消去をゲーム画面で示した図である。
【図15】ストライクゾーンの消去時間を示す図である。
【図16】ぼかし領域を変更する例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態によるゲーム装置により野球ゲームが展開される仮想3次元空間を示した図である。
【図18】図17に示す仮想3次元空間をx軸方向から見た図である。
【図19】ゲーム装置のストライクゾーンの表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】ストライクゾーンの消去方法を示す図である。
【図21】ストライクゾーンのコースの不得意度を設定する方法のバリエーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
<実施形態>
以下、本発明の一実施の形態によるゲーム装置について図面を参照しながら説明する。
【0031】
<ハード構成>
以下の説明では、ゲーム装置の一例として家庭用ビデオゲーム機を家庭用テレビジョンに接続することによって構成される家庭用ビデオゲーム装置について説明する。尚、本発明はこの例に特に限定されず、モニタが一体に構成された携帯用のゲーム装置若しくは携帯電話機、又は本発明によるゲーム制御プログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータ等にも同様に適用することができる。
【0032】
図1は、本発明の一実施の形態のゲーム装置1000の構成を示すブロック図である。
【0033】
図1に示すゲーム装置1000は、家庭用ゲーム機100及びテレビジョン200を備えて構成される。
【0034】
家庭用ゲーム機100にゲームプログラムが記録されたコンピュータ読み出し可能な記録媒体300が装填されると、家庭用ゲーム機100はゲームプログラムを適宜読み出してゲームを実行する。
【0035】
家庭用ゲーム機100は、CPU(Central Processing Unit)1、バスライン2、グラフィックスデータ生成プロセッサ3、インタフェース回路(I/F)4、メインメモリ5、ROM(Read Only Memory)6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12、インタフェース回路(I/F)13、バッファ14〜16、記録媒体ドライブ17、メモリ18、及びコントローラ19を含む。
【0036】
また、テレビジョン200は、テレビジョンモニタ21、増幅回路22及びスピーカ23を含む。
【0037】
家庭用ゲーム機100のCPU1は、バスライン2及びグラフィックスデータ生成プロセッサ3に接続されている。
【0038】
バスライン2は、アドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含み、CPU1、インタフェース回路4、メインメモリ5、ROM6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12及びインタフェース回路13を相互に接続している。
【0039】
描画プロセッサ10は、バッファ14、及び、テレビジョン200のテレビジョンモニタ21に接続されている。
【0040】
音声プロセッサ11は、バッファ15、増幅回路22、及び、テレビジョン200の増幅回路22に接続されている。
【0041】
デコーダ12は、バッファ16及び記録媒体ドライブ17に接続されている。
【0042】
インタフェース回路13は、メモリ18及びコントローラ19に接続されている。
【0043】
テレビジョン200のスピーカ23は、増幅回路22に接続されている。
【0044】
尚、ゲーム装置1000がパーソナルコンピュータ又はワークステーション等を核として構成されている場合、例えば、テレビジョンモニタ21等はコンピュータ用のディスプレイに対応する。また、伸張回路7、描画プロセッサ10、及び音声プロセッサ11等は、それぞれ記録媒体300に記録されているゲーム制御プログラムのデータの一部又はコンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、インタフェース回路4、パラレルポート8、シリアルポート9、及びインタフェース回路13は、コンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応し、バッファ14〜16はそれぞれメインメモリ5又は拡張メモリの各記憶エリアに対応する。
【0045】
次に、図1に示す各構成要素について説明する。
【0046】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3は、CPU1のいわばコプロセッサとしての役割を果たすプロセッサである。すなわち、グラフィックスデータ生成プロセッサ3は、座標変換や光源計算、具体的には、固定小数点形式の行列やベクトルの演算を並列処理によって行う。
【0047】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3が行う主な処理は、CPU1から供給される画像データの2次元又は3次元空間内における各頂点の座標データ、移動量データ、及び回転量データ等に基づいて、ゲームキャラクタ等の表示位置を求めてCPU1に返す処理、仮想的に設定された光源からの距離に応じて画像の輝度を計算する処理等である。
【0048】
インタフェース回路4は、周辺デバイス、例えばマウスやトラックボール等のポインティングデバイス等のインタフェース用に用いられる。
【0049】
メインメモリ5は、RAM(Random Access Memory)等で構成され、プログラムの実行の際にプログラムやデータ等を一時的に記憶するために使用される。
【0050】
ROM6は、ゲーム装置1000のオペレーティングシステムとなるプログラムを記憶している。
【0051】
伸張回路7は、圧縮画像に対して伸張処理を施す機能を有する。圧縮画像は、例えば、動画であればMPEG(Moving Picture Experts Group)規格、静止画であればJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格に準拠した符号化によって圧縮された画像である。
【0052】
パラレルポート8及びシリアルポート9は、家庭用ゲーム機100を周辺デバイスと接続するための物理的なインタフェースである。
【0053】
描画プロセッサ10は、所定時間TごとにCPU1が発行する描画命令に基づいて、バッファ14を用いて描画処理を行う機能を有する。所定時間Tは、例えば、1秒間に60フレームの描画を行う場合は、1/60秒となる。
【0054】
バッファ14は、例えばRAMで構成され、描画プロセッサ10がゲームで用いるキャラクタ、背景、カラー等の画像データ、及び、テレビジョンモニタ21に表示するフレームデータを記憶しておく。
【0055】
ゲーム空間内におけるキャラクタ等の物体は、複数のポリゴンで構成されている。そして、プレイヤは、テレビジョンモニタ21に表示されているキャラクタを、後述するコントローラ19を用いて操作する。
【0056】
例えば、キャラクタを移動させる操作がなされると、その操作を検出したCPU1は、グラフィックスデータ生成プロセッサ3に対して、移動するキャラクタを構成するポリゴンの3次元座標データを順次求めさせる。
【0057】
描画プロセッサ10は、この順次求められる座標データに基づいて、キャラクタを順次移動させた表示データを作成し、バッファ14に書き込み、テレビジョンモニタ21に表示させる。
【0058】
音声プロセッサ11は、記録媒体300から読み出された音声データ、例えば、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)方式でデジタル化された音声データをバッファ15に記憶させる。そして、必要に応じて、音声プロセッサ11は、音声データがデジタル化された際のサンプリング周波数でバッファ15から音声データを読み出し、読み出した音声データを復号し、音声をスピーカ23から出力する。
【0059】
デコーダ12は、記録媒体ドライブ17から受信したデータに対して、ECC(Error Correction Code)によるエラー訂正処理を施し、エラー訂正処理を施したデータをメインメモリ5又は音声プロセッサ11等に送信する。
【0060】
記録媒体ドライブ17は、記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダ12に送信する。
【0061】
この記録媒体ドライブ17は、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等であり、記録媒体300は、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等である。
【0062】
メモリ18は、ゲームを中断した場合に、その中断時点での各種ゲームパラメータを保持するためのメモリである。例えば、不揮発性で可搬性のあるカード型のメモリ等が用いられる。
【0063】
コントローラ19は、操作者であるプレイヤが、種々の操作指示を入力するために使用する操作装置である。コントローラ19は、プレイヤの操作に応じた操作信号をインタフェース回路13を介してCPU1に送出する。
【0064】
コントローラ19には、第1ボタン19a、第2ボタン19b、第3ボタン19c、第4ボタン19d、上方向キー19U、下方向キー19D、左方向キー19L、右方向キー19R、L1ボタン19L1、L2ボタン19L2、R1ボタン19R1、R2ボタン19R2、スタートボタン19e、セレクトボタン19f、左スティック19SL及び右スティック19SRが設けられている。
【0065】
上方向キー19U、下方向キー19D、左方向キー19L及び右方向キー19Rは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ21の画面上で上下左右に移動させる指示をCPU1に与えるために使用される。
【0066】
スタートボタン19eは、記録媒体300からゲームプログラムをロードするようにCPU1に指示するため等に使用される。セレクトボタン19fは、記録媒体300からメインメモリ5にロードされるゲームプログラムに関する各種選択をCPU1に指示するため等に使用される。
【0067】
左スティック19SL及び右スティック19SRを除くコントローラ19の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると上記中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチで構成される。
【0068】
左スティック19SL及び右スティック19SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは直立したスティックを有し、このスティックの所定位置を支点として前後左右を含む360°方向に亘って傾倒可能な構成になっている。左スティック19SL及び右スティック19SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とする左右方向のx座標及び前後方向のy座標の値を操作信号として送出する。
【0069】
なお、第1ボタン19a、第2ボタン19b、第3ボタン19c、第4ボタン19d、L1ボタン19L1、L2ボタン19L2、R1ボタン19R1及びR2ボタン19R2は、記録媒体300からロードされるゲーム制御プログラムに応じて種々の機能に使用される。
【0070】
次に、上記のゲーム装置1000の概略動作について説明する。
【0071】
記録媒体300が記録媒体ドライブ17に装填され、電源スイッチ(図示省略)がオンされてゲーム装置1000に電源が投入されると、CPU1は、ROM6に記憶されている立ち上げ用プログラムを実行し、オペレーティングシステムを起動後、記録媒体300からゲームプログラムを読み出すように、記録媒体ドライブ17に指示する。
【0072】
記録媒体ドライブ17は、記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、デコーダ12に送信する。
【0073】
デコーダ12は、受信した画像データ、音声データ及びプログラムデータに対してエラー訂正処理を施し、エラー訂正処理を施した画像データを、バスライン2を介して伸張回路7に送信する。
【0074】
伸張回路7は、受信した画像データに対して伸張処理を行い、伸張処理後の画像データを描画プロセッサ10に送信し、描画プロセッサ10は、受信した画像データをバッファ14に書き込み、テレビジョン200のテレビジョンモニタ21に表示させる。
【0075】
また、デコーダ12は、エラー訂正処理を施した音声データを、バスライン2を介して音声プロセッサ11に送信する。音声プロセッサ11は、受信した音声データをバッファ15に書き込む。
【0076】
また、デコーダ12は、エラー訂正処理を施したプログラムデータをメインメモリ5に書き込む。
【0077】
以降、CPU1は、メインメモリ5に記憶されているプログラムデータ(ゲーム制御プログラム)、及び、プレイヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいてゲームを進行させる。すなわち、プレイヤがコントローラ19を用いて指示する内容に応じて、CPU1は、画像処理の制御、音声処理の制御及び内部処理の制御等を適宜行い、ゲームを進行させる。
【0078】
<野球ゲーム>
ゲーム装置1000の機能的な構成を説明する前に、図2を用いて、記録媒体300に記録されているゲームプログラムに基づいて実行されるゲームについて説明する。本実施の形態におけるゲームは、野球ゲーム(ソフトボールゲームを含む。)を題材としたものである。
【0079】
図2は、本実施の形態によるゲーム装置1000が実行する野球ゲームの概要を説明するためのゲーム画面の図である。
【0080】
この野球ゲームは、仮想3次元空間であるゲーム空間内において、投手キャラクタCL2が投じたボールオブジェクトBLを打者キャラクタCL1が打撃するものである。
【0081】
具体的には、図2に示すように、この野球ゲームは、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLを投げ、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLをバットオブジェクトBTにより打ち返す野球ゲームである。
【0082】
この野球ゲームでは、プレイヤは、攻撃側である場合、コントローラ19を操作して、ストライクゾーンSZ内に表示されたミートカーソルKを表示画面上で移動させ、ボールオブジェクトBLがホームベース付近に到達したときに、ボールオブジェクトBLにミートカーソルKを重ね合わせ、打撃指示を入力する。そうすると、バットオブジェクトBTがスイング表示されて、ボールオブジェクトBLが打ち返される。
【0083】
実施形態の野球ゲームでは、打者キャラクタCL1の能力に応じて、ストライクゾーンSZの表示形態が異なる。すなわち、ストライクゾーンSZの表示形態を打者キャラクタCL1の能力によって異ならせることにより、プレイヤの習熟度に大きく左右されること無く、打者キャラクタCL1の能力をゲームに反映させることが可能とする。
【0084】
<ストライクゾーンの表示形態>
ここで、ゲーム装置1000で表示するストライクゾーンSZの表示形態について説明する。
【0085】
現実の野球では、打者にはそれぞれ苦手なコースや得意なコースがある。例えば、内角高めのコースは苦手だが、外角低めのコースは得意である等である。
【0086】
本実施形態では、苦手コースに該当するストライクゾーンSZを認識し難くすることで、ボールに対するミートカーソルの重ね合わせの操作に習熟したプレイヤであっても、打撃が容易にはできないようにする。すなわち、ストライクゾーンSZが認識し難いので、プレイヤは、ストライクゾーンSZを基準としてミートカーソルKを移動させることができず、ボールオブジェクトBLに重ねることが難しくなるからである。また、ボールがストライクゾーンに入っているか否かのボール判定も難しくなるので、ボールを見逃すべきか、打撃しにいくべきかの判断も難しくなる。
【0087】
ストライクゾーンSZを認識し難くする方法として、本実施形態では、大きく2つの方法を用いる。
【0088】
1つ目は、苦手コース付近のストライクゾーンSZをぼかして見え難くする。具体的には、ストライクゾーンSZの苦手コース付近の領域の透明度を上げて表示する。
【0089】
2つ目は、ストライクゾーンSZを消去する際に、時間経過に従って徐々に薄く、すなわち、徐々に透明度を上げていく。
【0090】
すなわち、投手キャラクタCL2投げたボールオブジェクトBLをミートカーソルKで打撃する場合、打撃するときまでストライクゾーンSZが表示されていると打撃がし易い。従って、苦手コース付近のストライクゾーンSZをぼかすことで、打撃がし難くなることになる。
【0091】
また、時間経過に従って徐々に透明度を上げていくことによって、ストライクゾーンSZが最初に表示されたときの初期状態において透明度が高い苦手コース付近は、早く消えてしまうことになり、ミートカーソルKでボールオブジェクトBLを打撃し難くなる。
【0092】
実施形態では、更に、打者キャラクタCL1の打者としての基本能力によって、初期状態のストライクゾーンSZ全体の透明度を変えることとしている。例えば、苦手コースは同じであっても、基本能力が高い打者キャラクタCL1が打席についたときに表示されるストライクゾーンSZは、基本能力が低い打者キャラクタCL1のときに表示されるストライクゾーンSZよりも濃く、すなわち、透明度を低くして表示する。
【0093】
ストライクゾーンSZ全体を濃く表示することで、苦手コース付近も濃くなるため、苦手コースであっても基本能力が低い打者キャラクタCL1に比較すれば、打撃しやすくなり、打者キャラクタCL1の基本能力を反映することができるようになる。また、ストライクゾーンSZを消去する際も、消えるまでの時間が長くなることで、基本能力が高い打者キャラクタCL1は苦手コースであっても、基本能力が低い打者キャラクタCL1に比較すれば、打撃しやすくなる。すなわち、苦手コースにおける打撃の難易度についても、均一ではなく、各打者キャラクタの基本能力が反映されることにあるので、よりリアリティが増し、ゲームとしての面白みが増すこととなる。
【0094】
更に、現実の打者は、苦手コースへのボールが何度か来ると、徐々に目が慣れてきて苦手コースへのボールであっても打撃できる確率が増すものである。そこで、実施形態では、打者キャラクタCL1が打席についている間に苦手コース付近をボールオブジェクトBLが通過した場合には、その苦手コースに対して目が慣れたものと見なして、透明度が高い領域を小さくする。このようにすることで、より現実に近く興趣性の高い野球ゲームとなる。
【0095】
具体的なストライクゾーンSZの表示は、<ストライクゾーンの表示方法>の項で説明する。
【0096】
<機能構成>
以下、上記のように構成されたゲーム装置1000を用いて野球ゲームを行う場合の、ゲーム装置1000の主要な機能について説明する。図3は、図1に示すゲーム装置1000の機能ブロック図である。
【0097】
ゲーム装置1000は、表示部1010、操作部1020、ゲーム進行制御部1100、ストライクゾーン表示部1200、消去開始指示部1300、コース判定部1400、選手情報記憶部1600、タイマ1700及び画像記憶部1800を備えて構成される。
【0098】
ストライクゾーン表示部1200は、初期透明度決定部1210、ぼかし領域変更部1220及び消去時透明度決定部1230を備える。また、選手情報記憶部1600は、ゾーン対応情報1610及び基本能力情報1620を記憶している。
【0099】
表示部1010は、図1に示すテレビジョン200を含み、ゲーム進行制御部1100からの指示によりテレビジョンモニタ21に野球場、選手キャラクタ、文字、図等を表示する機能を有する。
【0100】
操作部1020は、コントローラ19等を含み、プレイヤによりゲームを進行する上で必要となる種々の入力操作を検出し、ゲーム進行制御部1100に通知する機能を有する。
【0101】
例えば、プレイヤが攻撃側であり、ゲーム装置が守備側にある場合には、操作部1020は、ミートカーソルKを移動させるための移動指示及びボールオブジェクトBLの打撃タイミングを決定するための打撃指示を検出する。また、プレイヤが守備側であり、ゲーム装置が攻撃側にある場合には、操作部1020は、投手キャラクタに投球動作を開始させるための投球開始指示及びボールオブジェクトBLのコースを設定するためのコース設定指示を検出する。
【0102】
ゲーム進行制御部1100は、本野球ゲームを進行させるための全体的な制御を行う機能、及び、本発明に特有の機能、例えば、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLをリリースした時に、消去開始指示部1300にその旨を通知する等の機能を有する。
【0103】
具体的には、例えば、ゲーム進行制御部1100は、プレイヤが攻撃側の場合には、打席の打者キャラクタの能力に応じたストライクゾーンSZを表示するよう、ストライクゾーン表示部1200に指示を出す。そして、所定のタイミングになると、表示部1010に表示された投手キャラクタCL2に投球動作を行わせ、ボールオブジェクトBLの弾道を設定し、設定した弾道に従ってボールオブジェクトBLを表示部1010に移動表示させる。
【0104】
また、例えば、ゲーム進行制御部1100は、プレイヤが守備側の場合には、操作部1020にプレイヤからの投球開始指示が入力されると、表示部1010に表示された投手キャラクタCL2に投球動作を行わせ、プレイヤによって入力されたコース設定指示に従ってボールオブジェクトBLの弾道を設定し、設定した弾道に従ってボールオブジェクトBLを表示部1010に移動表示させる。
【0105】
ストライクゾーン表示部1200は、ゲーム進行制御部1100を介して表示部1010にストライクゾーンSZを表示させる機能を有する。
【0106】
ストライクゾーンSZの表示に関して、ストライクゾーン表示部1200は3つの機能を備える。
【0107】
1つ目の機能は、打者キャラクタCL1が打席についたときに、打者キャラクタCL1の能力に応じたストライクゾーンSZを表示する機能である。以下、打者キャラクタCL1が打席についたときに最初に表示されるストライクゾーンSZを「初期ストライクゾーンSZ」というものとする。
【0108】
また、2つ目の機能は、表示されているストライクゾーンSZを、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLを投げたときから徐々に消していく機能である。
【0109】
また、3つ目の機能は、初期ストライクゾーンにおいて打者キャラクタCL1の苦手コースを示した領域、すなわち透明度を上げて表示した領域(以下、「ぼかし領域」という。)のサイズを、投球コースに応じて変更したストライクゾーンSZを表示する機能である。以下、ストライクゾーンSZのうち、ぼかし領域を変更したストライクゾーンSZを「変更後ストライクゾーンSZ」というものとする。
【0110】
初期透明度決定部1210は、1つ目の機能において、初期ストライクゾーンSZの透明度を、打者キャラクタCL1の能力に応じて決定する機能を有する。
【0111】
ぼかし領域変更部1220は、3つ目の機能において、ぼかし領域を変更するか否かの判断を行う機能を有する。
【0112】
消去時透明度決定部1230は、2つ目に機能において、ストライクゾーンSZを徐々に消していくときの、タイミングと透明度とを指示する機能を有する。
【0113】
これらストライクゾーン表示部1200の3つの機能の詳細については、<ストライクゾーンの表示方法>、<ストライクゾーンの消去方法>及び<ぼかし領域変更方法>の項で図を用いて説明する。
【0114】
消去開始指示部1300は、ストライクゾーン表示部1200に対して、表示しているストライクゾーンSZの消去の開始を指示する機能を有する。消去開始指示部1300は、ゲーム進行制御部1100から投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLをリリースした通知を受けると、ストライクゾーンSZの消去に用いる所定時間を指定してストライクゾーン表示部1200に消去の開始を指示する。この所定時間とは、この時間が経過したときには、ストライクゾーンSZは完全に消去されているとする時間である。ストライクゾーン表示部1200は、この所定時間の間に、ストライクゾーンSZを徐々に消去する。
【0115】
本実施形態では、消去開始指示部1300は、ゲーム進行制御部1100から投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLをリリースした通知を受けた時にストライクゾーンSZの消去開始を指示することとしているが、投手キャラクタCL2が投球モーションを開始した時からボールオブジェクトBLをリリースした時までの間のいずれかの時に消去開始の指示をすることとしてもよい。
【0116】
次に、コース判定部1400は、投手キャラクタCL2が投げたボールオブジェクトBLが、ストライクゾーンSZにいずれのコースを通過したかを判断し、コース毎の通過回数をカウントし所定回数となったら、そのコースをストライクゾーン表示部1200に通知する機能を有する。但し、実施形態では、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLを打撃しなかった場合のコースのみを判断する。尚、ファウルになった場合をカウントすることとしてもよい。また、カウントは、打席ごとにカウントする。
【0117】
このコース判定部1400が、いずれのコースの球であるか判断する方法は、<コース判定方法>の項で図を用いて説明する。
【0118】
選手情報記憶部1600は、打者キャラクタ、投手キャラクタ等になる選手キャラクタに関する情報を記憶しておく機能を有する。実施形態では、選手情報記憶部1600に記憶されている選手キャラクタに関する情報のうち、ゾーン対応情報1610及び基本能力情報1620を用いる。
【0119】
ゾーン対応情報1610は、選手キャラクタの打者としての苦手なコースや得意なコースに関する情報であり、基本能力情報1620は、選手キャラクタの打者としての基本的な能力に関する情報である。これら情報の詳細は、<選手データ>の項で説明する。
【0120】
タイマ1700は、いわゆるタイマであり、ストライクゾーン表示部1200がストライクゾーンSZを消去する際に、時間の計測に使用するものである。
【0121】
画像記憶部1800は、本野球ゲームを実現するにあたり必要となる画像データを記憶しておく機能を有する。例えば、守備キャラクタ、打者キャラクタ、バットオブジェクト、野球場の背景画像、投手キャラクタ等の画像データを記憶する。ここで、野球場の背景画像の画像データとしては、例えば仮想3次元空間内において予め作成された仮想3次元モデルを所定の視点から投影することにより予め作成された画像データを採用することができる。
【0122】
上記機能部の一部又はすべては、記録媒体300等に記憶されているコンピュータプログラムをCPU1が実行することによって、家庭用ゲーム機100及びテレビジョン200から成るゲーム装置1000に機能的に構成される。
【0123】
<選手データ>
以下、ゲーム装置1000で用いる主な選手に関するデータについて説明する。
【0124】
図4は、選手情報記憶部1600に記憶されている選手キャラクタに関する情報の一部を、表示部1010に表示させた選手紹介画面400の例である。この選手紹介画面400は、操作部1020が検出したプレイヤの操作に応じてゲーム進行制御部1100が選手情報記憶部1600等から必要なデータを読み出して表示するものである。
【0125】
選手紹介画面400には、選手キャラクタの名前、年齢等のほかに、苦手なコースや得意なコースを示すゾーン対応401、及び、走力や肩力等の各種能力が表示されている。
【0126】
このゾーン対応401は、苦手なコースや得意なコースを扇型の領域で示している。例えば、領域402は苦手コースを示し、領域403は得意コースを示す等である。
【0127】
図5(a)は、ストライクゾーンSZのコースを示す図であり、図5(b)は、ゾーン対応情報1610の構成及び内容の例を示す図である。
【0128】
図5(a)のストライクゾーンSZは、捕手キャラクタ側から見た図である。ストライクゾーンSZを、9つの領域に分割し、それぞれの領域を「コースa」、「コースb」〜「コースi」というものとする。例えば、右打者にとっては、コースaが内角高めのコースとなり、左打者にとっては、コースcが内角高めのコースとなる。
【0129】
図5(b)のゾーン対応情報1610は、選手キャラクタのコース毎の不得意度を示すデータである。選手紹介画面400のゾーン対応401は、ゾーン対応情報1610を基に表示される。
【0130】
ゾーン対応情報1610は、選手識別子1611及びコース情報1612から構成される。
【0131】
選手識別子1611は、複数の選手キャラクタから個々の選手キャラクタを特定し区別するための識別子である。
【0132】
コース情報1612は、選手識別子1611で示される選手キャラクタの、コースa〜コースiで示されるそれぞれのコースの不得意度を示す。このコース情報1612は、第1評価情報の一例である。
【0133】
本実施形態では、各チームの選手キャラクタ分のレコードが登録されているものとする。また、本実施形態では、不得意度を、「1」〜「5」の整数で表すものとし、「1」が最も不得意度が高いことを示すものとする。
【0134】
例えば、選手識別子1611「選手01」で示される選手キャラクタは、コース情報1612に「1」が設定された「コースa」が最も苦手なコースであることになる。
【0135】
次に、図6は、基本能力情報1620の構成及び内容の例を示す図である。
【0136】
この基本能力情報1620は、選手キャラクタの打者としての基本的な能力を示すデータである。この打者としての基本能力とは、巧打力、長打力及び走塁力等をいう。
【0137】
基本能力情報1620は、選手識別子1621及び基本能力レベル1622から構成される。
【0138】
選手識別子1621は、複数の選手キャラクタから個々の選手キャラクタを特定し区別するための識別子である。
【0139】
基本能力レベル1622は、選手識別子1621で示される選手キャラクタの基本的な能力のレベルを示す。本実施形態では、基本能力レベルを、「1」〜「3」の整数で表すものとし、「3」が最も能力が高いことを示すものとする。この基本能力レベル1622は、第2評価情報の一例である。
【0140】
例えば、選手識別子1611「選手02」で示される選手キャラクタは、基本能力レベル1622が「1」であり、基本能力はあまり高くないことになる。
【0141】
ゾーン対応情報1610及び基本能力情報1620は、予め、選手情報記憶部1600に記憶されているデータである。
【0142】
<ストライクゾーンの表示方法>
次に、図7〜図12を用いて、ストライクゾーンSZの表示方法について説明する。
【0143】
本実施形態では、打者キャラクタのゾーン対応情報1610及び基本能力情報1620に基づいて、ストライクゾーンSZの表示形態を決定して表示する。
【0144】
まず、説明の便宜上、ゾーン対応情報1610のみを用いた場合のストライクゾーンSZについて説明し、その後で、ゾーン対応情報1610及び基本能力情報1620を用いた場合のストライクゾーンSZについて説明する。
【0145】
図7は、コース透明度テーブル2000の構成及び内容の例を示す図である。
【0146】
コース透明度テーブル2000は、設定値2001、基準レベル差2002及び透明度2003で構成される。
【0147】
設定値2001は、ストライクゾーンSZのコースa〜コースiに設定された不得意度を示す。
【0148】
基準レベル差2002は、基準とするレベルからの乖離を示す。基準とするレベル(以下、「基準レベル」という。)とは、不得意度に応じてコースの透明度を決定する際の基準となるレベルをいい、この基準レベルの値(以下、「基準レベル値」という。)が設定されているコースには、予め決定されている透明度が割り当てられるものとする。例えば、予め決定されている透明度とは、不得意度が表示形態に反映されないストライクゾーンSZを表示する場合の透明度である。本実施形態では、基準レベル値を「4」とする。この基準レベル値を変えることで、コースの透明度を変更する不得意度を、自在に変更することが可能となる。基準レベル値が第1基準データの一例であり、基準レベル差2002が第1基準データからの乖離の一例である。
【0149】
透明度2003は、コースの透明度を示す。透明度は、基準レベル差2002で示されている値、すなわち、基準レベルとの乖離が大きくなればなるほど高くなる。
【0150】
例えば、設定値2001が「2」であるコースは、基準レベル差2002が「2」であるので、透明度2003が「80」%で表示される。また、設定値2001が「5」であるコースは、不得意度が基準レベルより低くない、すなわち、不得意ではないので、基準レベル差2002が「0」のコースと同じ透明度2003「60」%で表示される。
【0151】
尚、本実施形態では、コースに不得意度を設定することとしているが、得意度を設定することとしてもよい。その場合は、透明度は、基準レベルとの乖離が大きくなればなるほど低くなることになる。また、基準レベル差2002の設定値がある値以上である場合は透明度を同じとしてもよい。
【0152】
また、基準レベルは、本実施形態では全選手で共通とするが、選手毎に設定することとしてもよい。例えば、コースに設定された不得意度が「1」及び「2」である選手の場合、ストライクゾーンSZの各コースは、透明度が「80」%又は「90」%で表示される。この場合、ストライクゾーンSZが全体に薄くなりすぎて、プレイヤがストライクゾーンSZ自体を認識し難くなることがある。そこで、この選手の基準レベルを「2」とすると、透明度が「60」%と「70」%とで表示されることになり、プレイヤが容易に認識できるストライクゾーンSZを表示することができ、かつ、この選手の苦手コースをストライクゾーンSZに表現することができるようになる。
【0153】
ここで、透明度の用い方を説明する。例えば、透明度(%)÷100=αとし、画面に表示する画素の色を求める場合、背景色×(1−α)+ストライクゾーンの色×α=表示色 のように用いる。ストライクゾーンの色とは、所定の色、例えば、グレーである。画素が、RGBで表現されている場合は、R(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれの色を求める。このように、色を混ぜることで、ストライクゾーンSZの透明感を表現する。
【0154】
次に、このコース透明度テーブル2000を参照して、どのようにストライクゾーンSZを表示するのかを説明する。
【0155】
図8及び図9は、各コースの「基準レベル差」を示したストライクゾーンSZ、各コースの「透明度」を示したストライクゾーンSZ、及び、「表示」されるストライクゾーンSZの例を示す図である。図8(a)〜(c)及び図9(a)及び(b)において、5つの例を示す。
【0156】
「基準レベル差」のストライクゾーンSZは、コース情報1612として設定された不得意度と基準レベル値との差を各コースに記載したものである。
【0157】
「透明度」のストライクゾーンSZは、「基準レベル差」のストライクゾーンSZの各コースに記載された基準レベル差に応じた透明度を記載したものである。この透明度は、コース透明度テーブル2000を参照して決定する(図7参照)。例えば、基準レベル差が「2」である場合、その差「2」が基準レベル差2002として設定されているレコードの透明度2003として設定されている値「80」%を透明度として記載している。
【0158】
「表示」のストライクゾーンSZは、ゲーム画面に表示されるストライクゾーンSZの例を示したものである。
【0159】
基本的には、各コースに記載された透明度で、各コースの領域を表示する。この際、隣の領域と透明度が異なる場合は、境目が目立たないようにグラデーションをつける。また、本実施形態では、ストライクゾーンSZの角のコース、具体的には、コースa、コースc、コースg及びコースiの4つのコースは扇型の領域で表示する。この扇型の領域では、例えば、ストライクゾーンSZの角からストライクゾーンSZの中心に向かって徐々に濃くなってゆき、弧の部分では、弧の内外で透明度が連続するようになっている。扇型の領域で、最も透明度の高い部分、すなわちストライクゾーンSZの角は、そのコースの透明度となっている。
【0160】
尚、図8及び図9では、コースが明確に判るようにストライクゾーンSZの周囲の枠を記載しているが、実際に表示する場合は、領域の透明度に応じて透明度を上げて表示する。
【0161】
図8(a)は、右打者の場合は、内角高めのコースが不得意である場合の例であり、図8(b)は、内角高めのコースと外角低めのコースとが不得意であり、内角高めのコースのほうがより不得意である場合の例である。また、図8(c)は、内角高めと低めのコースが不得意である場合の例である。
【0162】
同様に、図9(a)は右打者の場合、内角高めと低めのコース、及び、外角高めと低めのコースが不得意である場合の例であり、図9(b)は、内角高めのコースが不得意であり、外角高めのコースは得意な(不得意でない)場合の例である。
【0163】
図10(a)〜(d)は、それぞれ図8(a)、(b)、(c)及び図9(a)で示したストライクゾーンSZをゲーム画面に表示させた例である。
【0164】
次に、ゾーン対応情報1610及び基本能力情報1620を用いた場合のストライクゾーンSZについて説明する。
【0165】
図11は、基本能力コース透明度テーブル2100の構成及び内容の例を示す図である。
【0166】
基本能力コース透明度テーブル2100は、設定値2101、基準レベル差2102、基本能力レベル2103及び透明度2104で構成される。この基本能力コース透明度テーブル2100は、コース情報1612(第1評価情報)と、コース情報1612より重み付けを低くした基本能力レベル1622(第2評価情報)とに基づいて、透明度を決定した一例である。
【0167】
設定値2101は、図7の設定値2001と同様に、ストライクゾーンSZのコースa〜コースiに設定された不得意度を示す。
【0168】
基準レベル差2102は、図7の基準レベル差2002と同様に、基準とするレベルからの乖離を示す。
【0169】
基本能力レベル2103は、基本能力情報1620に選手毎に基本能力レベル1622として設定されている「1」〜「3」のレベルを示す。「3」が最も高いレベルを示す。
【0170】
透明度2104は、図7の透明度2003と同様に、基準レベル差2002が該当するコースの透明度を示す。
【0171】
例えば、ゾーン対応情報1610のみを用いた場合は、設定値2001が「2」であるコースは、基準レベル差2002が「2」であるので、透明度2003が「80」%で表示される。しかし、加えて基本能力情報1620も用いた場合は、基本能力レベル1622が「1」である選手では透明度2104は「86」%となり、基本能力レベル1622が「3」である選手では透明度2104は「80」%となる。すなわち、基本能力レベル1622が低い選手の場合は、より透明度が高くなる。
【0172】
図12に、コース情報1612の内容が同じであるが、基本能力レベル1622が異なる場合のストライクゾーンSZの表示の例を示す。
【0173】
図12(a)は、基本能力レベル1622が「1」の場合のストライクゾーンSZであり、図12(b)は、基本能力レベル1622が「3」の場合のストライクゾーンSZである。
【0174】
コース情報1612が同じであるので、「基本レベル差」のストライクゾーンSZの各コースに記載されている基本レベル差は同じである。しかし、基本能力レベル1622が異なるので、「透明度」のストライクゾーンSZの各コースに記載されている透明度は異なる。従って、「表示」のストライクゾーンSZも異なることになる。
【0175】
この例に示すように、表示されるストライクゾーンSZは、基本能力レベル1622が「3」の場合のほうが、「1」の場合よりも透明度が低くなる。
【0176】
上述した基本能力コース透明度テーブル2100は、ストライクゾーン表示部1200が内部の領域に記憶しているものとする。尚、ゾーン対応情報1610のみを用いてストライクゾーンSZを表示することとしてもよく、その場合は、コース透明度テーブル2000を、ストライクゾーン表示部1200が内部の領域に記憶しているものとする。
【0177】
<ストライクゾーンの消去方法>
次に、図13〜図15を用いて、ストライクゾーンSZの消去方法について説明する。ここでは、説明の便宜上、「透明度」のストライクゾーンSZのみを用いて説明する。
【0178】
本実施形態では、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLをリリースした時から、ストライクゾーンSZの消去が開始され、ストライクゾーンSZに到達するまでに完全に消去されるものとする。
【0179】
例えば、図13において、ボールオブジェクトBLがリリースされてからストライクゾーンSZが消えていなければならない時までの時間をt2とする。そして、t2が経過するまでに、t1(t1<t2)が経過する毎にストライクゾーンSZ全体の透明度を「10」%ずつ上げていくものとする。この「10」%は、t2経過時には、すべてのコースの透明度が100%を超えるような値である。
【0180】
図13に示すように、透明度が高いコースから順に消去されていき、t2経過時には、ストライクゾーンSZが消去されている。
【0181】
具体的には、ボールオブジェクトBLがリリースされた時には、初期ストライクゾーンSZ500が表示されており、「t1」が経過すると、全体に透明度が上がり、コースaに対応する領域が消去されたストライクゾーンSZ501が表示される。更に、「t1」が経過すると、更に全体に透明度が上がり、コースiに対応する領域が消去されたストライクゾーンSZ502が表示され、更に、「t1」が経過すると、全コースに対応する領域の透明度が100%となり、ストライクゾーンSZ503は消去されている。
【0182】
図14に、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLをリリースしてから徐々に消えていくストライクゾーンSZを表示したゲーム画面の例を示す。
【0183】
図14(a)、(b)、(c)、(d)の順で時間が経過した画面である。図14(a)には、初期ストライクゾーンSZが表示されており、図14(b)、図14(c)と順にストライクゾーンSZが消えていく。そして、図14(d)では、ストライクゾーンSZは完全に消えている。
【0184】
次に、図15を用いて、初期ストライクゾーンSZによって、消去されるまでの時間が変わる例を説明する。すなわち、初期ストライクゾーンSZの透明度が低い領域は、透明度が高いものに比べて、消去されるまでの時間が長くなることを示す例である。
【0185】
図15(b)の初期ストライクゾーンSZは、図15(a)の初期ストライクゾーンSZよりも透明度が低い部分があるストライクゾーンSZである。
【0186】
図15に示すように、図15(b)のストライクゾーンSZは、図15(a)のストライクゾーンSZが完全に消去された時には、完全には消去されていない。
【0187】
具体的には、ボールオブジェクトBLがリリースされた時には、図15(a)では、初期ストライクゾーンSZ510が表示され、図15(b)では、初期ストライクゾーンSZ520が表示されている。
【0188】
「t1」が経過すると、ストライクゾーンSZ全体に透明度が上がる。図15(a)では、コースaに対応する領域が消去されたストライクゾーンSZ511が表示され、図15(b)では、透明度が上がって薄くなるものの、全体が表示されているストライクゾーンSZ521が表示されている。
【0189】
更に、「t1」が経過すると、更にストライクゾーンSZ全体に透明度が上がる。図15(a)では、コースa及びコースiに対応する領域が消去されたストライクゾーンSZ512が表示され、図15(b)では、コースaに対応する領域が消去されたストライクゾーンSZ522が表示される。
【0190】
更に、「t1」が経過すると、図15(a)では、全コースに対応する領域の透明度が100%となり、ストライクゾーンSZ513全体が消去されている。一方、図15(b)では、コースc以外のコースに対応する領域が消去されたストライクゾーンSZ523が表示されている。そして、「t2」経過時には、図15(b)においても、全コースに対応する領域の透明度が100%となり、ストライクゾーンSZ524全体が消去されている。
【0191】
以上のように、得意なコースは、表示されている時間が長く、苦手なコースは早くに消えてしまうので、苦手なコースに来たボールオブジェクトBLは打撃し難くなる。すなわち、打者キャラクタCL1のコース毎の得手不得手を反映したゲームとなる。また、打者キャラクタCL1の能力によって、ストライクゾーンSZが表示されている時間が異なることになり、選手の能力を反映したゲームとなる。
【0192】
<ぼかし領域変更方法>
次に、図16〜図18を用いて、ストライクゾーンSZのぼかし領域、すなわち、苦手コースに対応する領域のサイズを小さくしていく方法について説明する。
【0193】
本実施形態では、初期ストライクゾーンにおいて打者キャラクタCL1の苦手コースを示した領域、すなわち、ぼかし領域のサイズを、投球コースに応じて変更する。
【0194】
図16を用いて、どのような場合にぼかし領域を小さくするのかを説明する。
【0195】
図16(a)〜(e)は、ストライクゾーンSZを示し、図16(a)から(e)に順に変化していくものとする。
【0196】
まず、図16(a)のストライクゾーンSZは、初期ストライクゾーンSZであり、コースaが苦手コースであるとする。初期ストライクゾーンSZにおいては、コースaのぼかし領域610は、コースaの領域と同じである。
【0197】
図16(b)は、第1球目のボールオブジェクトBLが通過した場所を示す。図16(b)に示すように、苦手コースであるコースaの周囲を含む「コースaの拡張領域600」(点線の矩形を参照)をボールオブジェクトBLが通過した場合、次の図16(c)に示すように、コースaのぼかし領域をストライクゾーンSZの外枠に接した状態で小さくして、ぼかし領域611とする。尚、コースeの場合は、中心をそのままに小さくする。
【0198】
すなわち、打者キャラクタCL1が打席に着いたときには、図16(a)に示す初期ストライクゾーンSZが表示される。投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLをリリースし、図16(b)に示すように拡張領域600を通過したとする。次に、打者キャラクタCL1がバットオブジェクトBTを構えた時には、図16(c)に示すような、ぼかし領域が小さくなった変更後ストライクゾーンSZが表示される。
【0199】
そして、第2球目が、図16(d)に示すように、コースaの拡張領域600を通過した場合は、図16(e)に示すように、コースaのぼかし領域をより小さくして、ぼかし領域612とする。
【0200】
すなわち、苦手コースa内を通過したり、コースaの近傍を通過した場合には、現実の打者は、目が慣れてきて、苦手コースaを通過するボールがよく見えるようになってくることをゲームで表現したものである。
【0201】
尚、拡張領域は、どのくらいコースの領域を拡張するかが予め決められているものとする。例えば、拡張領域は、ボールの直径の長さ分コースの上下左右に拡張された領域である等である。
【0202】
また、苦手コースに対応する表示領域を、1回にどのくらい小さくするのかは、予め決められているものとする。また、最小サイズも決められているものとする。
【0203】
例えば、コースa等のストライクゾーンSZ角のコースの場合、本実施形態では扇型の領域としている。この場合は、扇型の半径の長さを3分の2にする等である。
【0204】
また、苦手コースの拡張領域を1球通過するたびに表示領域を小さくするのではなく、例えば、連続して2球通過した場合に小さくする等としてもよい。
【0205】
<コース判定方法>
ここで、ボールオブジェクトBLが通過したコースの判定方法について説明する。すなわち、ボールオブジェクトBLが苦手コースの拡張領域を通過したか否かを判定するためである。
【0206】
図17は、ゲーム装置1000が野球ゲームを展開する仮想3次元空間(ゲーム空間)を示した図である。
【0207】
尚、図17に示すzは仮想3次元空間内におけるピッチャーマウンドの中心O2とホームベースHBの中心O3とを結ぶ直線L3と平行な方向を示し、ボールオブジェクトBLの進行方向を示している。また、yは鉛直方向を示し、xは鉛直方向と進行方向と直交する方向を示している。ここで、x−z平面は地表面ESと平行であり、x座標及びz座標は地表面ESの各位置を規定する。また、鉛直方向は地表面ESに直交する方向である。
【0208】
本実施形態では、yは地表面ESから離れるにつれて増大する。また、zはピッチャーマウンドの中心O2からホームベースHBの中心O3に向かうにつれて増大する。また、xは、例えば+z方向に見て、左側が+、右側が−である。また、x,y,z軸の原点は中心O2にあるものとする。
【0209】
ストライクゾーンSZは、例えば、ホームベースHBの中心O3を通り、かつ、x−y平面と平行な平面である移動可能エリアSF上に設定され、実際の野球のストライクゾーンに基づいてゲーム空間内に設定されている。
【0210】
ストライクゾーンSZの中心OSは、ホームベースHBの中心O3から+y方向にL4離れて位置しており、ストライクゾーンのど真ん中に対応している。
【0211】
ミートカーソルKは、操作部1020に入力された移動指示に従って、移動可能エリアSF上を移動する。また、移動可能エリアSFのサイズとしては、ストライクゾーンSZのサイズよりも多少大きなサイズを採用することができる。
【0212】
移動可能エリアSFは、ゲーム空間とは別の2次元座標系を有しており、xs座標及びys座標は、移動可能エリアSF内の位置を規定する。
【0213】
ゲームが実行されている間、地表面ESには、図2に示す投手キャラクタCL2、打者キャラクタCL1が配置されている。また、ホームベースHBから+z側には、キャッチャーキャラクタと、審判キャラクタとが配置されている。
【0214】
そして、投手キャラクタCL2が右投げであれば、例えばピッチャーマウンドの中心O2からy方向にH(O)離れた点SP´から−x方向に距離dL離間した点SPが、投手キャラクタCL2によるボールオブジェクトBLのリリースポイントとなる。
【0215】
図18は、図17に示す仮想3次元空間をx軸方向から見たときの図である。ゲーム進行制御部1100は、操作部1020に打撃指示が入力された時刻から、打者キャラクタCL1にバットオブジェクトBTのスイングを開始させ、バットオブジェクトBTが移動可能エリアSFに到達するまでの所定時間が経過した時刻を打撃タイミングとして決定する。
【0216】
そして、打撃タイミングにおいて、ボールオブジェクトBLとミートカーソルKとが重なった場合、打者キャラクタCL1によりボールオブジェクトBLが打撃されたと判定する。また、打撃タイミングにおいて、ボールオブジェクトBLとミートカーソルKとが重なっていなかった場合、ボールオブジェクトBLが打撃されなかったと判定する。
【0217】
ボールオブジェクトBLが打撃されなかったと判定されたとき、ボールオブジェクトBLの重心G1が移動可能エリアSFを通過した通過点をもとにコースを判定する。
【0218】
通過点が含まれるコース(コースa〜コースiのいずれのコース)を、ボールオブジェクトBLのコースとする(図5(a)参照)。本実施形態の場合、各コースの拡張領域で、コースを判定する。従って、コースの拡張領域は、隣接するコースと重なっているため、2つのコースを選出する場合がある。
【0219】
尚、ボールオブジェクトBLの少なくとも一部が拡張領域600(図16参照)と重なっていればボールオブジェクトBLが拡張領域600を通過したと判定することとしてもよい。
【0220】
<動作>
以下、ゲーム装置1000の動作について説明する。
【0221】
図19は、ゲーム装置1000のストライクゾーンSZ表示処理を説明するためのフローチャートである。
【0222】
プレイヤが、コントローラ19を操作してゲームの開始を指示する操作を行う。
【0223】
プレイヤの操作を検出した操作部1020は、検出した操作をゲーム進行制御部1100に通知する。操作部1020から操作を通知されたゲーム進行制御部1100は、ゲームの開始指示であると判断し、打者キャラクタCL1、バットオブジェクトBT、野球場の背景画像、投手キャラクタCL2、及び野手キャラクタ等の画像データを画像記憶部1800から読み出して表示部1010に表示させ、所定の初期設定を行う(ステップS10)。この際、表示部1010には、例えば、図2に示すような画像が表示される。
【0224】
ゲーム進行制御部1100は、打者キャラクタCL1が打席に入ったことを検出すると、打者キャラクタCL1の選手識別子をストライクゾーン表示部1200に渡して、ストライクゾーンSZを表示するよう指示する(ステップS11)。
【0225】
指示を受けたストライクゾーン表示部1200は、渡された選手識別子を初期透明度決定部1210に渡して、透明度を決定するよう依頼する。
【0226】
依頼を受けた初期透明度決定部1210は、選手情報記憶部1600に記憶されているゾーン対応情報1610及び基本能力情報1620を参照し、<ストライクゾーンの表示方法>の項で説明したように、渡された選手識別子で示される選手のストライクゾーンSZの各コースの透明度を示すデータを作成する(図8等の「透明度」のストライクゾーンを参照)。
【0227】
透明度を示すデータを作成した初期透明度決定部1210は、作成したデータをストライクゾーン表示部1200に渡す。
【0228】
データを渡されたストライクゾーン表示部1200は、各コースの透明度に応じた初期ストライクゾーンSZの表示データを生成し、生成した表示データをゲーム進行制御部1100に渡して、表示部1010に表示を依頼する。
【0229】
依頼を受けた表示部1010は、ストライクゾーンSZをゲーム空間内の所定位置に表示する(ステップS12)。
【0230】
次に、ゲーム進行制御部1100は、プレイヤが攻撃側の場合は、所定のタイミングになったときに、又は、プレイヤが守備側の場合は、プレイヤにより投球開始指示が入力されたことを操作部1020から通知されたときに、投手キャラクタCL2に投球を開始させる(ステップS13:NO)。
【0231】
ゲーム進行制御部1100は、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLをリリースした時に、その旨をストライクゾーン表示部1200に通知する(ステップS13:YES)。
【0232】
この時、ゲーム進行制御部1100は、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLを投じるように投手キャラクタCL2の表示態様を変更させる。また、ゲーム進行制御部1100は、投手キャラクタCL2の能力情報に基づいて、ボールオブジェクトBLの弾道を設定し、設定した弾道にしたがって、ボールオブジェクトBLを表示部1020に移動表示させる。
【0233】
投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLをリリースした旨の通知を受けたストライクゾーン表示部1200は、ストライクゾーンSZの消去開始を消去時透明度決定部1230に通知する。
【0234】
通知を受けた消去時透明度決定部1230は、タイマ1700を用いて第2時間「t2」及び第1時間「t1」の計測を開始する(ステップS14:NO)。第2時間「t2」は、図13等におけるストライクゾーンSZが消去していなければならない時間「t2」であり、第1時間「t1」は、透明度を上げるタイミングを示す経過時間「t1」である。
【0235】
第1時間「t1」が経過したことを検知した消去時透明度決定部1230は(ステップS14:YES)、下げる分の透明度、例えば「10%」をストライクゾーン表示部1200に渡して、透明度を下げるタイミングであることを通知する。また、消去時透明度決定部1230は、タイマ1700を用いて第1時間「t1」の計測を再び開始する(ステップS14:NO)。
【0236】
通知を受けたストライクゾーン表示部1200は、現在表示しているストライクゾーンSZの各コースの透明度を「10%」下げたストライクゾーンSZのデータを生成し、生成したストライクゾーンSZの表示データをゲーム進行制御部1100に渡して、表示部1010に表示を依頼する。
【0237】
依頼を受けた表示部1010は、ストライクゾーンSZをゲーム空間内の所定位置に表示する(ステップS15)。
【0238】
消去時透明度決定部1230は、第2時間「t2」を検出するまで(ステップS16:NO)、ステップS15の処理を繰り返す。上述した<ストライクゾーンの消去方法>の項で説明したように、ストライクゾーンSZは徐々に消えていくことになる。
【0239】
第2時間「t2」が経過したことを検知した消去時透明度決定部1230は(ステップS16:YES)、ストライクゾーンSZが表示されている場合は、消去するようストライクゾーン表示部1200に通知する。尚、通常は、第2時間「t2」が経過時にストライクゾーンSZは表示されていない。
【0240】
通知を受けたストライクゾーン表示部1200は、ストライクゾーンSZが表示されている場合は、ゲーム進行制御部1100に依頼して、表示部1010からストライクゾーンSZを消すよう依頼する。
【0241】
依頼を受けた表示部1010は、ストライクゾーンSZをゲーム空間内の所定位置から消去する(ステップS17)。
【0242】
次に、ゲーム進行制御部1100は、上述の<コース判定方法>で説明したように、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLを打撃することができたか否かを判定する。そして、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLを打撃できなかったと判定した場合は(ステップS18:NO)、ボールオブジェクトBLの移動可能エリアSF内の通過点の座標値をコース判定部1400に渡す。
【0243】
通過点の座標値を渡されたコース判定部1400は、ボールオブジェクトBLがいずれのコースの球であったかを判定する。この場合、コース判定部1400は、各コースの拡張領域(図16参照)を通過したか否かを判定する。
【0244】
拡張領域は、隣接するコースと重なる部分があることから、コース判定部1400は、ボールオブジェクトBLが通過したコースとして、1つ又は2つのコースを選出する。
【0245】
そして、コース判定部1400は、コース毎に、ボールオブジェクトBLが通過した回数をカウントし、所定回数となった場合にそのコースをストライクゾーン表示部1200に通知する(ステップS19)。実施形態では、1回通過したら、そのコースを通知するものとする。
【0246】
通知を受けたストライクゾーン表示部1200は、受け取ったコースをぼかし領域変更部1220に渡して、ぼかし領域の変更を依頼する。
【0247】
依頼を受けたぼかし領域変更部1220は、基準レベル差が所定以上の領域、例えば「3」以上のコースを受け取った場合は、そのコースのぼかし領域を小さくして表示するようストライクゾーン表示部1200に通知する(ステップS20:YES)。
【0248】
通知を受けたストライクゾーン表示部1200は、上述の<ぼかし領域の変更方法>の項で説明したような、透明度を上げて表示する領域を小さくして変更後ストライクゾーンSZを表示する(ステップS21)。
【0249】
一方 依頼を受けたぼかし領域変更部1220は、受け取ったコースが、基準レベル差が所定以上の領域出なかった場合は、ぼかし領域を小さくしない旨をストライクゾーン表示部1200に通知する(ステップS20:NO)。
【0250】
通知を受けたストライクゾーン表示部1200は、直前に表示していた(最新の)ストライクゾーンSZを表示する(ステップS31)。
【0251】
次に、ゲーム進行制御部1100は、投手キャラクタCL2に投球を開始させ(ステップS13)、ゲームを進める。
【0252】
ステップS18において、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLを打撃することができたと判定した場合は(ステップS18:YES)、ゲーム進行制御部1100は、ボールオブジェクトBLの弾道を設定し、設定した弾道にしたがって、ボールオブジェクトBLを表示部1010に移動表示させる。
【0253】
ボールオブジェクトBLがファウルとなる等して、打席を続行することになった場合(ステップS22:YES)、ゲーム進行制御部1100は、ストライクゾーン表示部1200にストライクゾーンSZを表示するよう依頼する。
【0254】
依頼を受けたストライクゾーン表示部1200は、直前に表示されていたストライクゾーンSZを表示する(ステップS23)。
【0255】
一方、塁に出る等して打席を続行しない場合(ステップS22:NO)、ゲーム進行制御部1100は打撃の処理を行い(ステップS24)、ゲーム進行制御部1100はゲームを続行する(ステップS25:NO)。ゲーム進行制御部1100は、ゲームの終了を検出するか、操作部1020から終了の操作を検出した旨を受け取ると(ステップS25:Yes)、ゲームを終了する。
【0256】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。従って、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【0257】
尚、実施形態では、ゲームプログラムは記録媒体300に格納されていることとしているが、これらプログラムを管理するサーバ(不図示)からネットワーク及び通信インタフェース回路等を介して各プログラムがダウンロードされるように構成してもよい。
【0258】
また、実施形態では、ストライクゾーンSZを消去する場合、所定の透明度、例えば、10%ずつ上げていくことでストライクゾーンSZを徐々に消している。この場合は、打者キャラクタCL1の能力をストライクゾーンSZの透明度に反映させておくことで、ストライクゾーンSZが消去されるまでの時間を異ならせることとしている(図15参照)。
【0259】
しかし、他の方法で、ストライクゾーンSZが消去されるまでの時間を異ならせることとしてもよい。例えば、図20は、ゾーン対応情報1610のみを用いたストライクゾーンSZを、基本能力情報1620に応じてストライクゾーンSZが消去されるまでの時間を異ならせる例を示す図である。図20(a)は、10%ずつ透明度を上げていく例を示しており、図20(b)は、8%ずつ透明度を上げていく例を示している。すなわち、打者キャラクタCL1の基本能力レベルが高いほど、上げていく透明度を小さくすることで、ストライクゾーンSZが消去されるまでの時間を長くしている。
【0260】
また、実施形態では、コース別の不得意度を「1」〜「5」で示し、基準レベル値を「4」として、基準レベル値との乖離度に応じて透明度を決めている。しかし、他の方法で乖離度を設定することとしてもよい。例を、図21に示す。図21(a)では、基準レベル値を「10」とし、10より小さい整数値で不得意度を示し、「6」が設定されているコースが最も不得意なコースである。また、図21(b)では、基準レベル値を「0」とし、整数値で不得意度を示し、「4」が設定されているコースが最も不得意なコースである。図21(c)では、基準レベル値を「9」とし、9より小さい整数値で不得意度を示し、「1」が設定されているコースが最も不得意なコースである。図21(d)では、基準レベル値を「1」とし、1より大きい整数値で不得意度を示し、「9」が設定されているコースが最も不得意なコースである。
【0261】
また、実施形態では、基本能力情報1620は、選手の能力を数値で示しているが、ゾーン対応情報1610のように基準レベルからの乖離が大きいほど能力が高いとするデータとしてもよい。
【0262】
また、実施形態では、打者キャラクタCL1の打撃力の評価は、ストライクゾーンSZ内のコース毎に設定しているが、球種、球速を考慮した評価、すなわち、コース毎及び球種毎に応じた評価、コース毎及び球速毎に応じた評価、コース毎、球種及び球速毎に応じた評価であってもよい。
【符号の説明】
【0263】
100 家庭用ゲーム機
200 テレビジョン
300 記録媒体
1010 表示部
1020 操作部
1100 ゲーム進行制御部
1200 ストライクゾーン表示部
1210 初期透明度決定部
1220 ぼかし領域変更部
1230 消去時透明度決定部
1300 消去開始指示部
1400 コース判定部
1600 選手情報記憶部
1610 ゾーン対応情報
1620 基本能力情報
1700 タイマ
1800 画像記憶部
2000 コース透明度テーブル
2100 基本能力コース透明度テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームを実行するゲーム装置であって、
ゲーム空間内に予め設定されているストライクゾーンを表示するストライクゾーン表示手段と、
前記ストライクゾーン内の領域を示すコース毎の打撃力の評価を示す第1評価情報を、打者キャラクタ毎に記憶している打者情報記憶手段とを備え、
前記打者記憶手段に記憶されている第1評価情報は、コース毎の打撃の不得意度のレベルを示すデータであって、所定のレベルを示す第1基準データからの乖離が大きくなるほど不得意度が大きくなるように設定されたデータであり、
前記ストライクゾーン表示手段は、前記打者情報記憶手段に記憶されている第1評価情報のうち、打席に入っている打者キャラクタの第1評価情報に基づき、各コースに対応するストライクゾーンの領域を、当該第1評価情報の第1基準データからの乖離が大きいほど透明度を上げて表示する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記ストライクゾーン表示手段は、前記投手キャラクタが投球モーションを開始してから前記ボールオブジェクトをリリースするまでのいずれかの時点を起点として、前記透明度を上げて表示する領域の初期状態を含むストライクゾーンを表示し、当該起点からの時間経過とともに、当該ストライクゾーンの透明度を徐々に上げて表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記打者情報記憶手段は、更に、打者としての基本能力の評価を示す第2評価情報を、打者キャラクタ毎に記憶しており、
前記ストライクゾーン表示手段は、前記透明度を徐々に上げて表示する際に透明度が上限値までに達する時間を、前記第2評価情報の評価値が高いほど長くなるよう表示する
ことを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記打者情報記憶手段は、更に、打者としての基本能力の評価を示す第2評価情報を、打者キャラクタ毎に記憶しており、
前記ストライクゾーン表示手段は、前記第1評価情報と、前記透明度の設定に関して第1評価情報より重み付けを低くした前記第2評価情報とに基づいて前記透明度を設定するものであり、且つ、当該第2評価情報の評価値が低いほど前記透明度を上げる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ストライクゾーン表示手段は、前記透明度を上げて表示する領域に対応するコース及びその近傍をボールオブジェクトが通過する回数をカウントし、カウントした回数が増加するにつれて、前記透明度を上げて表示する領域を前記初期状態から徐々に小さくする
ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記ストライクゾーン表示手段は、前記透明度を上げて表示する領域のサイズを、所定サイズより小さくしない
ことを特徴とする請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ストライクゾーン表示手段は、前記打者キャラクタが新たに打席についたときには、前記透明度を上げて表示する領域を、前記初期状態のサイズに戻して表示する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームをコンピュータに実行させるゲーム制御プログラムであって、
ゲーム空間内に予め設定されているストライクゾーンを表示するストライクゾーン表示手段と、
前記ストライクゾーン内の領域を示すコース毎の打撃力の評価を示す第1評価情報を、打者キャラクタ毎に記憶している打者情報記憶手段としてコンピュータを機能させ、
前記打者記憶手段に記憶されている第1評価情報は、コース毎の打撃の不得意度のレベルを示すデータであって、所定のレベルを示す第1基準データからの乖離が大きくなるほど不得意度が大きくなるように設定されたデータであり、
前記ストライクゾーン表示手段は、前記打者情報記憶手段に記憶されている第1評価情報のうち、打席に入っている打者キャラクタの第1評価情報に基づき、各コースに対応するストライクゾーンの領域を、当該第1評価情報の第1基準データからの乖離が大きいほど透明度を上げて表示する
ことを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項9】
投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームをゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、
前記ゲーム装置は、ゲーム空間内に予め設定されているストライクゾーン内の領域を示すコース毎の打撃力の評価を示す第1評価情報を、打者キャラクタ毎に記憶している打者情報記憶手段とを備え、
前記打者記憶手段に記憶されている第1評価情報は、コース毎の打撃の不得意度のレベルを示すデータであって、所定のレベルを示す第1基準データからの乖離が大きくなるほど不得意度が大きくなるように設定されたデータであり、
前記ゲーム装置が、前記打者情報記憶手段に記憶されている第1評価情報のうち、打席に入っている打者キャラクタの第1評価情報に基づき、各コースに対応するストライクゾーンの領域を、当該第1評価情報の第1基準データからの乖離が大きいほど透明度を上げて前記ストライクゾーンを表示するストライクゾーン表示ステップを備える
ことを特徴とするゲーム制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図11】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図21】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図20】
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