説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラム

【課題】画面に表示されたオブジェクトの動きのプレイヤーによる把握度合を、ゲームの成績に適切に反映する。
【解決手段】表示部301は、プレイヤーが追従すべき目標図形を、当該目標図形が画面内で移動するように表示する。検知部302は、当該プレイヤーにより指示されている当該画面内の指示位置を検知する。決定部303は、所定の追従期間において、当該検知された指示位置が当該目標図形の表示位置に追従した程度を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面に表示されたオブジェクトの動きのプレイヤーによる把握度合を、ゲームの成績に適切に反映するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、仮想空間内を移動するオブジェクトの動きに合わせて、プレイヤーが操作入力を行うゲームを実現するゲーム装置が知られている。代表的なものとして、プレイヤーが仮想空間内の選手に指示を与えて、対戦相手と野球競技を行う野球ゲームがある。このような野球ゲームは、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
野球ゲームにおいては、プレイヤーは、攻撃側のチームである場合、守備側のチームの投手から投じられた球を監視し、適切なタイミングで打者にバットを振らせるための操作を与える。このような操作としては、例えば、決定ボタンの押圧操作、方向キーの押圧操作などがある。
【0004】
ここで、典型的には、決定ボタンの押圧操作は、打者にバットを振らせるタイミングを指定する操作であり、方向キーの押圧操作は、打者にバットを振らせる位置、角度などを指定する操作である。つまり、ゲーム装置は、決定ボタンが押圧されたタイミングや、決定ボタンが押圧されたときに押圧されている方向ボタンの種類などに基づいて、打撃の結果を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−45569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、決定ボタンが押圧されたタイミングや、押圧されている方向ボタンの種類だけで、打撃の結果を決定することは、適切でない場合がある。例えば、決定ボタンを操作するタイミングがずれたり、押圧された方向ボタンの種類が間違えていたりすると、プレイヤーが球の動きを正確に把握している場合(プレイヤーに選球眼がある場合)でも、打撃の結果が著しく悪くなってしまう。これに対し、決定ボタンを操作するタイミングが適切で、押圧された方向ボタンの種類が適切でさえあれば、プレイヤーが球の動きを正確に把握できていない場合(プレイヤーに選球眼がない場合)でも、打撃の結果が著しく良くなってしまう。
【0007】
このため、プレイヤーが球の動きを正確に把握できているか否か(プレイヤーに選球眼があるか否か)を考慮して、適切に打撃の結果を決定したいという要望が強い。このような要望は、野球ゲームに限られず、移動するオブジェクトが画面に表示されるゲーム装置において、オブジェクトの動きのプレイヤーによる把握度合を、ゲームの成績に反映したいという要望は強い。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、画面に表示されたオブジェクトの動きのプレイヤーによる把握度合を、ゲームの成績に適切に反映するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、表示部、検知部、決定部を備え、以下のように構成する。
【0010】
まず、表示部は、プレイヤーが追従すべき目標図形を、当該目標図形が画面内で移動するように表示する。目標図形は、プレイヤーが、ゲームのプレイ中に注目すべき対象を表す図形である。例えば、野球ゲームにおいて、プレイヤーが打者を操作する場合、プレイヤーが注目すべき対象は、相手投手により投じられた球である。従って、この場合、表示部は、球を表す図形を画面内に表示し、当該画面内において当該球を表す図形を移動させる。
【0011】
そして、検知部は、プレイヤーにより指示されている画面内の指示位置を検知する。指示位置は、コントローラ、ジョイスティック、マウス、キーボード、タッチパネルなどを介して、ゲームのプレイヤーにより指示される。例えば、指示位置は、画面内に表示されるカーソルの位置である。この場合、プレイヤーは、例えば、ゲーム装置に接続されたコントローラに配置された方向ボタンを押圧操作して、当該カーソルを画面内において移動させることにより、適宜、指示位置を移動する。
【0012】
一方、決定部は、所定の追従期間において、検知された指示位置が目標図形の表示位置に追従した程度を決定する。つまり、決定部は、プレイヤーが、画面内を移動する目標図形を、どの程度正確に追従できたかの評価を決定する。例えば、野球ゲームの場合、プレイヤーが画面内の球の動きをどの程度正確に把握できたか、つまり、プレイヤーの選球眼の良さが決定される。なお、選球眼の良さは、打撃結果に反映される。
【0013】
例えば、球を打つタイミングを指定する決定ボタンの操作タイミングや、バットをスイングする場所を指定する方向ボタンの種類など、選球眼に関する操作以外の操作の適切さが同程度であった場合でも、選球眼の良さに応じて打撃結果を適宜変更する。例えば、以下の(a)〜(f)に示すように打撃結果を決定することができる。
【0014】
(a)決定ボタンの操作タイミングが適切、方向ボタンの種類が適切、且つ、選球眼が良い場合、ホームランとする。
(b)決定ボタンの操作タイミングが適切、方向ボタンの種類が適切、且つ、選球眼が悪い場合、ツーベースヒットとする。
(c)決定ボタンの操作タイミングが適切、方向ボタンの種類が不適切、且つ、選球眼が良い場合、ヒットとする。
(d)決定ボタンの操作タイミングが適切、方向ボタンの種類が不適切、且つ、選球眼が悪い場合、内野ゴロとする。
(e)決定ボタンの操作タイミングが不適切、方向ボタンの種類が不適切、且つ、選球眼が良い場合、ファールとする。
(f)決定ボタンの操作タイミングが不適切、方向ボタンの種類が不適切、且つ、選球眼が悪い場合、空振りとする。
【0015】
かかる構成によれば、オブジェクトの動きのプレイヤーによる把握度合を、ゲームの成績に反映することができる。例えば、野球ゲームの場合、プレイヤーの選球眼の良さを打撃結果に反映することができる。
【0016】
以上説明したように、本発明のゲーム装置によれば、画面に表示されたオブジェクトの動きのプレイヤーによる把握度合を、ゲームの成績に適切に反映することができる。
【0017】
また、本発明のゲーム装置において、決定部は、以下に示すように、追従した程度を決定することができる。つまり、決定部は、追従期間における、目標図形の表示位置の軌跡と検知された指示位置の軌跡との重なり具合の大きさを、追従した程度として決定する。
【0018】
なお、目標図形の表示位置の軌跡と検知された指示位置の軌跡との重なり具合の大きさは、例えば、以下の(1)〜(4)に示す値により求められる。
(1)追従期間における、目標図形の表示位置と検知された指示位置との距離の平均値。例えば、野球ゲームの場合、球が投手により投じられてから打者により打たれるまでの間における、球の表示位置とカーソルの表示位置との距離の平均値。なお、当該平均値が小さいほど、重なり具合が大きいと判定される。
(2)追従期間における、目標図形の表示位置と検知された指示位置との距離の最大値。例えば、野球ゲームの場合、球が投手により投じられてから打者により打たれるまでの間における、球の表示位置とカーソルの表示位置との距離の最大値。なお、当該最大値が小さいほど、重なり具合が大きいと判定される。
(3)追従期間における、目標図形の表示位置と検知された指示位置との距離の変動値。例えば、野球ゲームの場合、球が投手により投じられてから打者により打たれるまでの間における、球の表示位置とカーソルの表示位置との距離の変動値。なお、当該変動値が小さいほど、重なり具合が大きいと判定される。
(4)追従期間における、目標図形の表示位置と検知された指示位置との距離が所定の距離未満である期間の割合。例えば、野球ゲームの場合、球が投手により投じられてから打者により打たれるまでの間における、球の表示位置とカーソルの表示位置との距離が所定の距離未満である期間の割合。なお、当該期間の割合が大きいほど、重なり具合が大きいと判定される。
【0019】
ここで、プレイヤーが目標図形の動きを正確に把握できた場合、表示位置の軌跡と指示位置の軌跡との重なり具合が大きくなると考えられる。例えば、野球ゲームの場合、プレイヤーが球筋を良く把握できている場合(プレイヤーの選球眼が良い場合)、投手によって投じられた球の表示位置の軌跡と、プレイヤーにより操作されるカーソルの位置の軌跡と、の重なり具合が大きくなると考えられる。一方、現実世界の野球競技においては、打者が球筋を良く把握できているほど、打撃の成績が良くなると考えられる。従って、決定部は、例えば、指示位置の軌跡と表示位置の軌跡との重なり具合が大きい場合、打撃結果が良くなるように、打撃結果を決定する。
【0020】
本発明のゲーム装置によれば、画面に表示されたオブジェクトの動きのプレイヤーによる把握度合を適切に判断して、ゲームの成績に反映することができる。
【0021】
また、本発明のゲーム装置において、指示位置は、プレイヤーによりタッチされる画面内のタッチ位置であってもよい。つまり、本発明のゲーム装置は、タッチスクリーンを備え、当該タッチスクリーン上に動きのあるオブジェクトを表示するとともに、当該タッチスクリーン上のタッチ位置を、プレイヤーからの指示位置としてもよい。
【0022】
例えば、野球ゲームの場合、プレイヤーは、指示位置を指定するために、タッチスクリーン上に表示された球をなぞる。タッチスクリーン上の球が正確になぞられた場合、プレイヤーは球筋を正確に把握していると判定され、打撃結果が良くなる。一方、タッチスクリーン上の球が正確になぞられなかった場合、プレイヤーは球筋を正確に把握していないと判定され、打撃結果が悪くなる。
【0023】
このように、タッチスクリーンが使用されて指示位置が指定される場合、コントローラ、ジョイスティック、マウス、キーボードなどが使用されて指示位置が指定される場合に比べ、比較的、簡単かつ正確に指示位置が指定されると考えられる。
【0024】
本発明のゲーム装置によれば、画面に表示されたオブジェクトの動きのプレイヤーによる把握度合を適切に判断して、ゲームの成績に反映することができる。
【0025】
また、本発明のゲーム装置において、決定部は、さらに、決定した追従した程度とタッチ位置が検知されなくなったタイミングとに基づいて、ゲームの成績を決定してもよい。プレイヤーに、複数の系統の入力装置への操作入力を強いると、正確な操作入力が期待できない場合も多い。従って、タッチスクリーンによって指示位置が受け付けられる場合、当該タッチスクリーンによって他の操作入力も受け付けられることが望ましい。そこで、タッチ位置が検知されなくなったタイミングが、他の操作入力として受け付けられることが好適である。
【0026】
例えば、野球ゲームの場合、タッチ位置が検知されなくなったタイミングが、打撃タイミングに設定され、タッチ位置が検知されなくなる直前の所定期間におけるタッチ位置の変化に基づいて打撃方向が設定される。
【0027】
本発明のゲーム装置によれば、プレイヤーによる操作入力を容易にしつつ、当該操作入力の適切さを、ゲームの成績に適切に反映することができる。
【0028】
また、本発明のゲーム装置において、目標図形は、画面の奥側から手前側に向かって仮想空間内を移動するオブジェクトを表す図形でもよい。この場合において、表示部は、さらに、直進図形を表示してもよい。ここで、直進図形は、目標図形により表されるオブジェクトとともに、画面の奥側から手前側に向かって仮想空間内を移動するオブジェクトであって、当該仮想空間内において、所定の移動開始位置から所定の移動終了位置に向かって直進するオブジェクトを表す。
【0029】
つまり、直進図形により表されるオブジェクトは、目標図形により表されるオブジェクトに追従して移動するオブジェクトであるが、仮想空間内を直進するオブジェクトである。従って、画面内における、目標図形と直線図形との位置関係により、仮想空間内において、目標図形により表されるオブジェクトが、直線図形により表されるオブジェクトの進む方向に対して、どのように変位しながら移動しているかを、プレイヤーに示すことができる。
【0030】
本発明のゲーム装置によれば、画面に表示されたオブジェクトの動きを適切にプレイヤーに把握させた上で、当該把握の度合をゲームの成績に適切に反映することができる。
【0031】
また、本発明のゲーム装置において、直進するオブジェクトは、所定の面に配置される枠オブジェクトであってもよい。ここで、当該面は、当該直進するオブジェクトの進行方向と直交し、目標図形により表されるオブジェクトの中心点を含む面である。つまり、この面は、画面の奥側から手前側に向かって、目標図形とともに移動する面である。ここで、当該面に配置される枠オブジェクトは、当該面に直交する方向に直進する。これにより、画面内における、直進図形に対する目標図形の相対的な位置がプレイヤーに示される。一方、プレイヤーは、直進図形に対する目標図形の相対的な位置を参照して、指示位置を指定することができる。
【0032】
野球ゲームの場合、例えば、画面内に、球を表す目標図形と枠を表す直進図形とが表示される。球は、枠の内部に表示されても良いし、枠の外部に表示されても良い。かかる構成によれば、投手により球が投じられてから、当該球が打者により打たれるまで(もしくは、捕手に捕捉されるまで)、枠に対する球の相対的な位置がプレイヤーに示される。例えば、球が直球である場合、枠に対する球の相対的な位置は、大きく変化しない。一方、球が変化球である場合、枠に対する球の相対的な位置が、大きく変化する。ここで、プレイヤーは、枠に対する球の相対的な位置を参照して、タッチスクリーンなどを用いて、指示位置を指定する。
【0033】
本発明のゲーム装置によれば、画面に表示されたオブジェクトの動きを明確にプレイヤーに把握させた上で、当該把握の度合をゲームの成績に適切に反映することができる。
【0034】
また、本発明のゲーム装置において、枠オブジェクトは、内部が複数の領域に分割されていてもよい。かかる構成によれば、画面内における、直進図形に対する目標図形のより正確な相対的な位置がプレイヤーに示される。例えば、野球ゲームの場合、プレイヤーは、枠の内部の複数の分割領域のうち、どの分割領域に球が属するかを判別することにより、球の動きを正確に把握することができる。従って、プレイヤーは、投手により球が投じられてから、当該球が打者により打たれるまで(もしくは、捕手に捕捉されるまで)、当該球がどのように変化するかを知ることができる。そして、プレイヤーは、当該球の変化を参照して、タッチスクリーンなどを用いて、指示位置を指定する。
【0035】
本発明のゲーム装置によれば、画面に表示されたオブジェクトの動きをより一層明確にプレイヤーに把握させた上で、当該把握の度合をゲームの成績に適切に反映することができる。
【0036】
また、本発明のゲーム装置において、指示位置は、プレイヤーによりタッチされる画面内のタッチ位置に対応する、当該画面内の位置であってもよい。この場合において、表示部は、指示位置に、当該指示位置を表す図形を表示する。
【0037】
例えば、プレイヤーからの指示位置がタッチスクリーンを介して受け付けられる場合、タッチ位置を指示位置としない方が望ましい場合がある。例えば、野球ゲームにおいて、指示位置として球の表示位置を指定する必要がある場合、タッチ位置を指示位置とすると、タッチペンなどで球が見えず、指示位置が正確に入力されない場合がある。かかる問題は、例えば、タッチ位置から所定の方向に所定の距離分ずらした位置を指示位置とすることで、解消可能である。なお、この場合、指示位置がどの位置であるかがプレイヤーに示された方が望ましい。従って、表示部が、指示位置に、指示位置を表す図形を表示する。
【0038】
本発明のゲーム装置によれば、オブジェクトの動きの把握度合を表す操作入力を容易にして、当該把握度合を、ゲームの成績に適切に反映することができる。
【0039】
上記目的を達成するために、本発明のその他の観点に係るゲーム制御方法は、表示部、検知部、決定部を備えるゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、表示工程、検知工程、決定工程を備え、以下のように構成する。
【0040】
まず、表示工程において、表示部は、プレイヤーが追従すべき目標図形を、当該目標図形が画面内で移動するように表示する。目標図形は、プレイヤーが、ゲームのプレイ中に注目すべき対象を表す図形である。例えば、野球ゲームにおいて、プレイヤーが打者を操作する場合、プレイヤーが注目すべき対象は、相手投手により投じられた球である。従って、この場合、表示部は、球を表す図形を画面内に表示し、当該画面内において当該球を表す図形を移動させる。
【0041】
そして、検知工程において、検知部は、プレイヤーにより指示されている画面内の指示位置を検知する。指示位置は、コントローラ、ジョイスティック、マウス、キーボード、タッチパネルなどを介して、ゲームのプレイヤーにより指示される。例えば、指示位置は、画面内に表示されるカーソルの位置である。この場合、プレイヤーは、例えば、ゲーム装置に接続されたコントローラに配置された方向ボタンを押圧操作して、当該カーソルを画面内において移動させることにより、指示位置を適宜変更する。
【0042】
一方、決定工程において、決定部は、所定の追従期間において、検知された指示位置が目標図形の表示位置に追従した程度を決定する。つまり、決定部は、プレイヤーが、画面内を移動する目標図形を、どの程度正確に追従できたかの評価を決定する。例えば、野球ゲームの場合、プレイヤーが画面内の球の動きをどの程度正確に把握できたか、つまり、プレイヤーの選球眼の良さが決定される。なお、選球眼の良さは、打撃結果に反映される。
【0043】
例えば、球を打つタイミングを指定する決定ボタンの操作タイミングや、スイングする場所を指定する方向ボタンの種類など、選球眼に関する操作以外の操作の適切さが同程度であった場合でも、選球眼の良さに応じて打撃結果を適宜変更する。例えば、以下の(a)〜(f)に示すように打撃結果を決定することができる。
【0044】
(a)決定ボタンの操作タイミングが適切、方向ボタンの種類が適切、且つ、選球眼が良い場合、ホームランとする。
(b)決定ボタンの操作タイミングが適切、方向ボタンの種類が適切、且つ、選球眼が悪い場合、ツーベースヒットとする。
(c)決定ボタンの操作タイミングが適切、方向ボタンの種類が不適切、且つ、追跡結果が良い場合、ヒットとする。
(d)決定ボタンの操作タイミングが適切、方向ボタンの種類が不適切、且つ、選球眼が悪い場合、内野ゴロとする。
(e)決定ボタンの操作タイミングが不適切、方向ボタンの種類が不適切、且つ、選球眼が良い場合、ファールとする。
(f)決定ボタンの操作タイミングが不適切、方向ボタンの種類が不適切、且つ、選球眼が悪い場合、空振りとする。
【0045】
かかる構成によれば、オブジェクトの動きのプレイヤーによる把握度合を、ゲームの成績に反映することができる。例えば、野球ゲームの場合、プレイヤーの選球眼を打撃結果に反映することができる。
【0046】
以上説明したように、本発明のゲーム制御方法によれば、画面に表示されたオブジェクトの動きのプレイヤーによる把握度合を、ゲームの成績に適切に反映することができる。
【0047】
本発明の他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、上記のゲーム装置の各部として機能させ、または、コンピュータに、上記のゲーム制御方法の各工程を実行させるように構成する。
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、画面に表示されたオブジェクトの動きのプレイヤーによる把握度合を、ゲームの成績に適切に反映するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るゲーム装置の外観を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るゲーム装置が表示する画面を示す図である。
【図5】図4の画面に表示されている仮想空間の様子を模式的に示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るゲーム装置においてプレイヤーがなすべき操作を説明するための図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るゲーム装置が実行するゲーム制御処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るゲーム装置が表示する画面を示す図である。
【図9】図8の画面に表示されている仮想空間の様子を模式的に示す図である。
【図10】枠オブジェクトと球オブジェクトとの位置関係の変化を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るゲーム装置においてプレイヤーがなすべき操作を説明するための図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係るゲーム装置においてプレイヤーがなすべき操作を説明するための図である。
【図13】本発明の第3の実施形態の変形例に係るゲーム装置においてプレイヤーがなすべき操作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム専用の情報処理装置に本発明が適用される実施形態を説明する。しかしながら、各種のコンピュータ、PDA(Personal Data Assistants)、携帯電話などの情報処理装置にも同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。ここで、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することができる。従って、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0051】
(第1の実施形態)
(情報処理装置の説明)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置100の概要構成を示す模式図である。
【0052】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、入力部105と、メモリカセット106と、画像処理部107と、タッチスクリーン108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、マイク111と、スピーカ112と、RTC(Real Time Clock)113と、を備える。
【0053】
ゲーム制御用のプログラムおよびデータを記憶したメモリカセット106(詳細は後述)がインターフェース104に接続されたスロット(図示せず)に装着されている状態において、情報処理装置100の電源が投入されると、ゲーム制御用のプログラムが実行される。これにより、本実施形態に係るゲーム装置が実現される。なお、本実施形態に係るゲーム装置は、野球ゲームを制御するゲーム装置である。
【0054】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御する。CPU 101は、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。CPU 101は、各構成要素から、各種のデータを取得する。CPU 101は、当該各種のデータを、種々の演算により加工する。CPU 101は、加工結果を示すデータや制御信号を、各構成要素に供給する。CPU 101は、内部にキャッシュやレジスタを備える。CPU 101に取得された各種のデータは、一旦キャッシュに格納される。その後、当該各種のデータは、レジスタに取り出されてから各種の演算が施される。
【0055】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録される。IPLが実行されることにより、メモリカセット106に記録されたプログラムがRAM 103に読み出され、CPU 101によるプログラムの実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムやデータが記録される。
【0056】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶する。RAM 103には、メモリカセット106から読み出されたプログラムやデータなどが保持される。このほか、RAM 103は、外部機器に伝達する情報や、外部機器から伝達された情報も、一時的に記憶する。
【0057】
インターフェース104は、情報処理装置100にメモリカセット106を接続するためのインターフェースである。
【0058】
入力部105は、図2に示すコントロールボタンなどであり、ユーザによる指示入力を受け付ける。入力部105は、上、右上、右、右下、下、左下、左、ならびに、左上、のいずれかを指定する方向ボタンや、決定ボタン、取消ボタンなどから構成される。
【0059】
メモリカセット106は、インターフェース104を介して、情報処理装置100に着脱自在に接続される。メモリカセット106は、ゲーム制御用のプログラムおよび当該プログラムで使用する画像データや音声データなどを記憶する、読出し専用のROM領域と、プレイ結果などのデータをセーブするSRAM領域と、を有する。CPU 101は、メモリカセット106に対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、読み出したデータをRAM 103等に一時的に記憶する。
【0060】
画像処理部107は、メモリカセット106から読み出されたデータを加工する。画像処理部107は、画像演算プロセッサ(図示せず)と、フレームメモリ(図示せず)と、を備える。加工処理は、画像演算プロセッサによって実行される。加工されたデータ(画像情報)はフレームメモリ(図示せず)に記録される。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換される。ビデオ信号に変換された画像情報は、タッチセンサ式のディスプレイ(タッチスクリーン108)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0061】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算、αブレンディング等の透過演算、ならびに、各種の飽和演算などを高速に実行する。また、画像演算プロセッサは、レンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。レンダリング画像は、所定の視点位置から三次元仮想空間に配置されたポリゴンを俯瞰した様子を表す画像である。レンダリング画像は、ポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングすることにより生成される。なお、ポリゴン情報は、三次元仮想空間に配置され、各種のテクスチャが付加されたポリゴンを表す情報である。画像演算プロセッサは、点光源や平行光源、円錐光源などの典型的な(正)光源によってポリゴンが照らされる度合を計算する機能を有する。これらの機能は、ライブラリ化もしくはハードウェア化されている。これにより、これらの計算の高速化が実現されている。
【0062】
さらに、画像演算プロセッサは、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を、2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりする。画像演算プロセッサは、ROM 102に記録されている一般的なフォント情報を利用しても良いし、メモリカセット106に記録されている専用のフォント情報を利用してもよい。なお、画像演算プロセッサは、適宜、CPU 101と協調動作して、上述した各種の処理を実行する。
【0063】
タッチスクリーン108は、タッチセンサを重畳して構成される液晶パネルである。タッチスクリーン108は、ユーザが指もしくはタッチペン201などによって押圧した位置に応じた位置情報を検知し、CPU 101へ入力する。つまり、タッチスクリーン108は、入力部105と同様、ユーザからの指示入力を受け付ける。
【0064】
なお、入力部105やタッチスクリーン108を介してユーザにより入力された指示に応じて、RAM 103に一時的に記憶されたデータを適宜メモリカセット106に記憶することができる。
【0065】
NIC 109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものである。NIC 109は、例えば、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格に従うインターフェース(図示せず)により構成される。あるいは、NIC 109は、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integraged Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line Modem)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、CPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0066】
情報処理装置100は、NIC 109を介してインターネット内のSNTPサーバに接続し、SNTPサーバから情報を取得することによって、現在の日時情報を得ることもできる。また、各種のネットワークゲームのサーバ装置が、SNTPサーバと同様の機能を果たすように構成設定してもよい。
【0067】
音声処理部110は、メモリカセット106から読み出した音声データをアナログ音声信号に変換する。音声処理部110は、音声処理部110に接続されたスピーカ112にアナログ音声信号を供給し、当該アナログ音声信号に基づく音声をスピーカに出力させる。また、音声処理部110は、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカ112から出力させる。音声処理部110は、例えば、BGMやカラオケとして再生される楽曲の音や、プレイヤーのボタン操作に合わせて再生される効果音などを処理する。
【0068】
音声処理部110は、メモリカセット106に記録された音声データがMIDIデータである場合には、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCMデータに変換する。また、音声処理部110は、メモリカセット106に記録された音声データがADPCM形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換されて、スピーカ112などに出力されることにより、音声出力が実現される。
【0069】
また、音声処理部110は、マイク111から入力されたアナログ信号を適当なサンプリング周波数でA/D(Analog/Digital)変換を行い、PCM形式のディジタル信号を生成する。
【0070】
マイク111は、音声をアナログ信号に変換し、変換により得られたアナログ信号を音声処理部に供給する。
【0071】
スピーカ112は、音声処理部110から供給されたアナログ信号を音声に変換して出力する。
【0072】
RTC 113は、水晶振動子や発振回路などを備える計時用のデバイスである。RTC 113は、内蔵電池から電源を供給され、情報処理装置100の電源がオフのときでも動作し続ける。
【0073】
このほか、情報処理装置100はメモリカセット106に替えて、DVD−ROMからプログラムやデータを読み出す、DVD−ROMドライブを備えるように構成して、DVD−ROMにメモリカセット106と同様の機能を持たせるようにしてもよい。また、インターフェース104は、メモリカセット106以外の外部メモリ媒体からデータを読み出すように構成してもよい。あるいは、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、メモリカセット106等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0074】
(ゲーム装置の説明)
次に、本実施形態に係るゲーム装置300の機能について、図面を参照して説明する。まず、図3を参照して、本発明の実施形態に係るゲーム装置300の構成を説明する。なお、インターフェース104にメモリカセット106が装着されている状態において、情報処理装置100の電源が投入されると、本実施形態に係るゲーム装置300が構成される。
【0075】
図3に示すように、ゲーム装置300は、表示部301と、検知部302と、決定部303と、を備える。
【0076】
表示部301は、プレイヤーが追従すべき目標図形を、当該目標図形が画面内で移動するように表示する。表示部301は、例えば、CPU 101と画像処理部107とタッチスクリーン108とにより構成される。
【0077】
検知部302は、プレイヤーにより指示されている画面内の指示位置を検知する。検知部302は、例えば、入力部105やタッチスクリーン108により構成される。
【0078】
決定部303は、所定の追従期間において、検知された指示位置が目標図形の表示位置に追従した程度を決定する。決定部303は、例えば、CPU 101により構成される。
【0079】
次に、本実施形態に係るゲーム装置300により表示される画面について説明する。ゲーム装置300は、例えば、電源投入後、図示しないチーム選択画面を表示し、プレイヤーがプレイする野球チーム(以下、適宜「味方チーム」という。)や対戦相手の野球チーム(以下、適宜「相手チーム」という。)を、プレイヤーに選択させる。そして、ゲーム装置300は、プレイヤーにより両チームが選択されると、味方チームと相手チームとのうち、いずれか一方のチームを先攻に設定し、他方のチームを後攻に設定する。その後、ゲーム装置300は、例えば、図4に示すような画面400をタッチスクリーン108に表示する。なお、本実施形態では、味方チームが攻撃側のチームであり、相手チームへの指示はゲーム装置300により行われる(つまり、プレイヤーがコンピュータと対戦する)ものとして説明する。
【0080】
画面400には、仮想空間内において、味方チームと相手チームとが野球の試合をしている様子が示される。つまり、画面400には、仮想空間内に配置された、野球の試合にかかわる種々のオブジェクトが表示される。具体的には、画面400には、打者オブジェクト401、投手オブジェクト402、球オブジェクト403、バットオブジェクト404などが表示される。この他、画面400には、ホームベース、守備チームの各ポジションの選手、スコアボード、各選手の成績などを表すオブジェクトが表示されてもよい。
【0081】
画面400は、水平方向が256ピクセル、垂直方向が192ピクセルの画面である。本実施形態では、図面における左下隅を原点として、図面における右側に伸びる軸をH軸、図面における上側に伸びる軸をV軸とする。
【0082】
打者オブジェクト401は、仮想空間内に配置された、味方チームの打者を表すオブジェクトである。打者オブジェクト401は、プレイヤーからの指示に従って、バットオブジェクト404をスイングする。プレイヤーからの指示としては、スイングの開始タイミング、スイングの終了タイミング、スイングの速度、スイングの位置、スイングの方向などがある。これらの指示は、例えば、プレイヤーが、タッチペン201を用いて、タッチスクリーン108をタッチ操作することにより行われる。つまり、これらの指示の内容(以下、適宜「打撃パラメータ」という。)は、例えば、プレイヤーによりタッチ操作されたタッチスクリーン108上の位置(以下、適宜「タッチ位置」という。)に基づいて、決定される。
【0083】
投手オブジェクト402は、仮想空間内に配置された、相手チームの投手を表すオブジェクトである。投手オブジェクト402は、図示しない相手チームの捕手が構えるミットに向かって、球オブジェクト403を投じる。投手オブジェクト402は、CPU 101からの指示に従って、球オブジェクト403を投じる。CPU 101からの指示としては、球種(ストレート、カーブ、シュート、フォーク、スライダーなど)、球速(高速、中速、低速)、コース(高め、低め、内角、外角、真ん中)などがある。これらの指示の内容(以下、適宜「投球パラメータ」という。)は、例えば、CPU 101が、乱数を発生することにより決定する。
【0084】
球オブジェクト403は、仮想空間内を移動する球を表すオブジェクトである。球オブジェクト403は、投手オブジェクト402により投じられ、投球パラメータに従って仮想空間内を移動する。ここで、球オブジェクト403は、投手オブジェクト402により投じられた後、バットオブジェクト404に打ち返される、もしくは、捕手のミットに収まる、までの間は、時間経過とともに画面400の奥側から手前側に向かって進むので、時間の経過とともに大きくなるように表示される。
【0085】
バットオブジェクト404は、仮想空間内において、打者によりスイングされるバットを表すオブジェクトである。バットオブジェクト404は、プレイヤーから指定された打撃パラメータに従って、スイングされる。プレイヤーが打撃パラメータを入力する手法については、後述する。なお、打撃結果は、例えば、CPU 101が、打撃パラメータと投球パラメータとに基づいて決定する。
【0086】
ここで、図5に、図4の画面400に表示されている仮想空間の様子を模式的に示す。
【0087】
図5には、X−Y−Zの直交座標系で座標が表される三次元仮想空間の様子を、X軸の正の方向から見た様子が示されている。ここで、X軸は、図面400におけるH軸に対応する軸であり、Y軸は、図面400におけるV軸に対応する軸であり、Z軸は、図面400において図面の手前から奥側に伸びる軸に対応する軸である。
【0088】
画面400は、視点501を視点にして、打者オブジェクト401、投手オブジェクト402、球オブジェクト403、および、バットオブジェクト404を、投影面502に投影させた様子を示す画面である。ここで、視点501は、投手オブジェクト402から見て打者オブジェクト501よりも奥側に配置される。典型的には、視点501は、捕手の目の位置に配置される。一方、投影面502は、Z軸に直交する面であり、視点501から見て打者オブジェクト501側に配置される面である。
【0089】
このように、視点501と投影面502とが仮想空間に配置されると、仮想空間において投手から捕手のミットにめがけて投じられた球を表す球オブジェクト403は、画面400の奥側から手前側に向かって進むように、時間経過とともに拡大して表示される。ここで、現実世界の野球競技においては、打者は、投手により投じられた球の球種を正確に見極めること(良い選球眼を持つこと)が重要である。つまり、打者は、球種を見極めることで、球の速度やコースを正確に予想することができ、予想した球の速度やコースに応じて、正確なタイミングで、正確な速度で、正確な位置めがけて、正確な角度でバットをスイングをすることができる。これにより、打者は、球をバットで捉える確率を上げたり、球をバットの芯で捉える確率を上げたり、打球の飛距離を伸ばしたりすることが可能となる。
【0090】
そこで、本実施形態のゲーム装置300は、プレイヤーが良い選球眼を持っているか否かを、打撃結果に反映する(言い換えれば、選球眼を打撃パラメータに含める。)ように構成される。具体的には、ゲーム装置300は、プレイヤーによって指示された指示位置が、球オブジェクト403が表示される位置に追従している程度を加味して、打撃結果を決定する。本実施形態では、指示位置はタッチスクリーン108上のタッチ位置であるものとする。つまり、プレイヤーは、タッチスクリーン108上に表示されている球オブジェクト403をなぞるように、タッチペン201でタッチスクリーン108をタッチする。つまり、本実施形態では、プレイヤーの選球眼は、タッチ位置により決定される。
【0091】
また、本実施形態では、その他の打撃パラメータも、タッチ位置により決定される。従って、本実施形態では、全ての打撃パラメータ(スイングの開始タイミング、スイングの終了タイミング、スイングの速度、スイングの位置、スイングの方向、選球眼)がタッチ位置により決定される。
【0092】
図6を参照して、打撃のためにプレイヤーがなすべき操作について説明する。
【0093】
図6においては、球オブジェクト403の表示位置の中心点をDpとし、タッチペン201でタッチされているタッチ位置をTpとする。ここで、プレイヤーは、球オブジェクト403が投手オブジェクト402を離れてからバットをスイングするまでの期間(以下、適宜「追従期間」という。)は、DpとTpとが重なるように、球オブジェクト403をタッチペン201のペン先でなぞる。そして、プレイヤーは、バットをスイングするタイミングであると判定した場合、タッチペン201のペン先を球オブジェクト403の進行方向とは反対の方向に移動させる。これらの操作により、打撃パラメータが決定される。以下、打撃パラメータを決定する手法の一例を示す。
【0094】
スイングの開始タイミングは、TpのV軸上の座標値が急激に増加(もしくは、TpのV軸上の座標値の減少が停止)したタイミングに基づいて設定される。つまり、プレイヤーは、スイングを開始するまでは、球オブジェクト403をタッチペン201のペン先でなぞり、バットのスイングを開始したいタイミングで、当該球オブジェクト403の進行方向とは反対の方向に球オブジェクト403を弾くようにタッチペン201のペン先を動かす。
【0095】
スイングの終了タイミングは、スイングが開始された後、Tpが検出されなくなったタイミングに基づいて設定される。つまり、プレイヤーは、スイングを終了したいタイミングで、タッチペン201のペン先をタッチスクリーン108から離す。
【0096】
スイングの速度は、スイングの開始タイミングからスイングの終了タイミングまでのTpの移動速度に基づいて設定される。つまり、プレイヤーは、スイングが開始されてからスイングが終了するまでの間、所望の速度でタッチペン201のペン先を動かす。
【0097】
スイングの位置は、スイングが開始されたときのTpの位置に基づいて設定される。つまり、プレイヤーは、スイングをしたい位置で、タッチペン201のペン先の動きを反転させる(停止させる)。
【0098】
スイングの方向は、スイングが開始されたときのTpの位置とスイングが終了したときのTpの位置との位置関係に基づいて設定される。つまり、プレイヤーは、スイングが開始されてからスイングが終了するまでの間、スイングをしたい方向に、タッチペン201のペン先を動かす。なお、スイングが開始されたときのTpの位置とスイングが終了したときのTpの位置との距離が所定の値以下である場合、スイングの代わりにバントが実行される。つまり、プレイヤーが、タッチペン201のペン先を、今までと逆向きになぞりながらタッチスクリーン108から離すと強打が実行され、単にタッチスクリーン108から離すだけだとバントが実行される。
【0099】
選球眼は、追従期間における、DpとTpとの位置関係に基づいて、例えば、以下の(1)〜(4)のように定められる。
(1)追従期間における、DpとTpとの距離であるLdpの平均値。なお、当該平均値が小さいほど、選球眼が良くなるように設定される。
(2)追従期間における、DpとTpとの距離であるLdpの最大値。なお、当該最大値が小さいほど、選球眼が良くなるように設定される。
(3)追従期間における、DpとTpとの距離であるLdpの変動値。なお、当該変動値が小さいほど、選球眼が良くなるように設定される。
(4)追従期間における、DpとTpとの距離であるLdpが所定の距離未満である期間の割合。なお、当該期間の割合が大きいほど、選球眼が良くなるように設定される。
このように、目標図形の表示位置の軌跡と検知された指示位置の軌跡との重なり具合の大きさが大きいほど、選球眼が良くなるように設定することができる。
【0100】
投球パラメータ(球種、球速、コースなど)と、打撃パラメータ(スイングの開始タイミング、スイングの終了タイミング、スイングの速度、スイングの位置、スイングの方向、選球眼)と、に基づいて、打撃結果が決定される。投球パラメータと打撃パラメータとは、それぞれ、一部又は全部のパラメータが、打撃結果の決定の際に利用される。どのパラメータが利用されるかは、適宜、調整が可能である。
【0101】
本実施形態では、打撃パラメータのうち選球眼は、打撃結果の決定の際に利用されるものとする。ここで、選球眼が良い場合、打撃結果は、比較的良くなるように決定される。例えば、選球眼が良い場合、球にバットが当たる確率が高くなり、打球の飛距離が伸び、打球のコースがプレイヤーが狙ったコースに飛び易くなる。
【0102】
次に、本実施形態に係るゲーム装置300の動作について、図7を参照して説明する。図7は、本実施形態に係るゲーム装置300が実行するゲーム制御処理を示すフローチャートである。なお、図7に示すゲーム制御処理は、例えば、味方チームの攻撃中に継続して実行される。
【0103】
まず、CPU 101は、味方チームの攻撃中の状態を表す変数sttsを“待機中”に初期化する(ステップS101)。なお、変数sttsは、RAM 103に記憶されており、CPU 101により、適宜、更新される。変数sttsが“待機中”であることは、味方チーム(プレイヤーのチーム)の打者が、相手チーム(コンピュータのチーム)の投手により投球が開始されることを待機している状態であることを示す。
【0104】
CPU 101は、ステップS101の処理を完了すると、RAM 103に記憶されている変数sttsが“待機中”であるか否かを判別する(ステップS102)。
【0105】
CPU 101は、変数sttsが“待機中”であると判別すると(ステップS102:YES)、投球指示があったか否かを判別する(ステップS103)。本実施形態では、投球指示は、変数sttsが最後に“待機中”に変更された時からの経過時間に基づいて定められるものとする。CPU 101は、例えば、RTC 113を参照するなどして、変数sttsが最後に“待機中”に変更された時からの経過時間が所定の閾時間を超えていると判別した場合、投球指示があったと判別する。一方、CPU 101は、変数sttsが最後に“待機中”に変更された時からの経過時間が所定の閾時間を超えていないと判別した場合、投球指示がなかったと判別する。
【0106】
CPU 101は、投球指示があったと判別すると(ステップS103:YES)、投球パラメータを決定する(ステップS104)。なお、本実施形態では、投球パラメータは、乱数に基づいて決定されるものとする。投球パラメータは、例えば、球種、球速、コースである。決定された投球パラメータは、例えば、RAM 103に記憶される。なお、投球パラメータが決定されると、投球中における球オブジェクト403の表示位置が決定される。投球中における球オブジェクト403の表示位置は、画面更新周期を単位とした時刻と対応付けて、例えば、RAM103に記憶される。
【0107】
CPU 101は、ステップS104の処理を完了すると、RAM 103に記憶されている変数sttsを“投球中”に書き換える(ステップS105)。変数sttsが“投球中”であることは、味方チームの打者が、相手チームの投手から投じられた球を監視しながら、球が到着するのを待っている状態であることを示す。ここで、CPU 101は、変数sttsを“投球中”に書き換えた際、投手に球を投じさせるように投手オブジェクト402を表示し、変数sttsが“投球中”である間、投球パラメータに基づいて、球を投手から捕手に向かって移動するように、球オブジェクト403を表示する。これらの処理は、後述するステップS117〜119において実行される。
【0108】
CPU 101は、変数sttsが“待機中”ではないと判別すると(ステップS102:NO)、変数sttsが“投球中”であるか否かを判別する(ステップS106)。
【0109】
CPU 101は、変数sttsが“投球中”であると判別すると、(ステップS106:YES)、タッチ位置を検出する(ステップS107)。タッチ位置は、プレイヤーにより操作されるタッチペン201のペン先のタッチスクリーン108上の位置である。検出されたタッチ位置は、例えば、画面更新周期を単位とした時刻と対応付けられて、RAM 103に記憶される。
【0110】
CPU 101は、ステップS107の処理を終了すると、打撃指示があったか否かを判別する(ステップS108)。打撃指示があったか否かは、例えば、画面更新周期を単位とした時刻と対応付けられてRAM 103に記憶されているタッチ位置に基づいて判別される。例えば、CPU 101は、タッチ位置のV座標が所定期間増加し続けた(タッチ位置が継続して画面400の上側に移動した)、もしくは、タッチ位置のV座標が所定の期間変化しなかった(タッチ位置が画面400の上下方向に移動しなくなった)と判別した場合、打撃指示があったと判別する。
【0111】
CPU 101は、打撃指示がなかったと判別した場合(ステップS108:NO)、投球が終了したか否かを判別する(ステップS109)。例えば、球オブジェクト403の現在の表示位置のV座標が所定の閾値未満である場合(捕手にキャッチされた場合)、投球が終了したと判別される。これに対し、例えば、球オブジェクト403の現在の表示位置のV座標が所定の閾値以上である場合(捕手にキャッチされていない場合)、投球が終了していないと判別される。
【0112】
CPU 101は、投球が終了したと判別した場合(ステップS109:YES)、RAM 103に記憶されている変数sttsを“待機中”に書き換える(ステップS110)。つまり、現在の投球が終了したと判別されると、次の投球の待機状態となる。
【0113】
一方、CPU 101は、打撃指示があったと判別した場合(ステップS108:YES)、打撃パラメータを決定する(ステップS111)。打撃パラメータは、例えば、画面更新周期を単位とした時刻と対応付けられてRAM 103に記憶されているタッチ位置に基づいて決定される。打撃パラメータは、例えば、スイングの開始タイミング、スイングの終了タイミング、スイングの速度、スイングの位置、スイングの方向、選球眼である。決定された打撃パラメータは、例えば、RAM 103に記憶される。
【0114】
CPU 101は、ステップS111の処理を終了すると、打撃結果を決定する(ステップS112)。打撃結果は、例えば、RAM 103に記憶されている、投球パラメータと打撃パラメータとに基づいて、決定される。ここで、本実施形態では、打撃パラメータのうち、選球眼が良いほど打撃結果が良くなるように、打撃結果が決定される。なお、打撃結果が決定されると、打撃中における球オブジェクト403の表示位置が決定される。打撃中における球オブジェクト403の表示位置は、画面更新周期を単位とした時刻と対応付けて、例えば、RAM103に記憶される。
【0115】
CPU 101は、ステップS112の処理を終了すると、RAM 103に記憶されている変数sttsを“打撃中”に書き換える((ステップS113)。変数sttsが“打撃中”であることは、味方チームの打者が球を打撃してから、当該打撃に関する処理が終了するまでの状態であることを示す。ここで、CPU 101は、変数sttsを“打撃中”に書き換えた際、打者にバットをスイングさせるように打者オブジェクト401およびバットオブジェクト404を表示し、変数sttsが“打撃中”である間、打撃結果に基づいて打球が飛ぶように、球オブジェクト403を表示する。これらの処理は、後述するステップS117〜119において実行される。
【0116】
一方、CPU 101は、変数sttsが“投球中”ではないと判別すると、(ステップS106:NO)、変数sttsが“打撃中”であるか否かを判別する(ステップS114)。
【0117】
CPU 101は、変数sttsが“打撃中”であると判別すると、(ステップS114:YES)、打撃が終了したか否かを判別する(ステップS115)。例えば、ヒット、アウト、ファールなどの結果が確定した場合、打撃が終了したと判別される。これに対し、例えば、球オブジェクト403が移動中である場合、打撃が終了していないと判別される。
【0118】
CPU 101は、打撃が終了したと判別した場合(ステップS115:YES)、RAM 103に記憶されている変数sttsを“待機中”に書き換える(ステップS116)。つまり、現在の打撃が終了したと判別されると、次の投球の待機状態となる。
【0119】
CPU 101は、ステップS103でNOと判別した場合、ステップS105の処理を終了した場合、ステップS109でNOと判別した場合、ステップS110の処理を終了した場合、ステップS113の処理を終了した場合、ステップS114でNOと判別した場合、ステップS115でNOと判別した場合、もしくは、ステップS116の処理を終了した場合、画面400に表示する画像を生成する(ステップS117)。
【0120】
画面400に表示する画像は、RAM 103に記憶された各種のデータに基づいて生成される。例えば、球オブジェクト403の画像中の表示位置が、画面更新周期を単位とした時刻と対応付けてRAM 103に記憶されている球オブジェクト403の表示位置となるように、画像が生成される。なお、CPU 101は、画像処理部110と協働して、画像信号を生成する。
【0121】
CPU 101は、ステップS117の処理を終了すると、画面更新周期まで待機する(ステップS118)。具体的には、CPU 101は、垂直同期割込が発生するまで待機する。なお、CPU 101は、待機中に、画面表示に関する処理以外の処理を実行してもよい。
【0122】
CPU 101は、ステップS118の処理を終了すると、ステップS117で生成した画像をタッチスクリーン108に表示させるための画像信号を、タッチスクリーン108に供給する(ステップS119)。CPU 101は、ステップS119の処理を終了すると、ステップS102に処理を戻す。
【0123】
本実施形態に係るゲーム装置300によれば、プレイヤーの選球眼を打撃結果に反映することができる。
【0124】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、球オブジェクト403のみが画面内において移動する様子を表す画面が表示される例を示した。しかし、本発明において、球オブジェクト403とともに他のオブジェクトが画面内において移動する様子を表す画面が表示されてもよい。
【0125】
例えば、図8に示すように、球オブジェクト403とともに画面内において移動する枠オブジェクト405を、画面400に表示することができる。
【0126】
枠オブジェクト405は、仮想空間内を球とともに移動する枠を表すオブジェクトである。枠オブジェクト405は、内部が複数の領域に分割されていてもよい。本実施形態は、枠オブジェクト405は、内部が3×3=9の領域に分割されている例を示す。枠オブジェクト405は、球オブジェクト403と同様に、時間経過とともに画面400の奥側から手前側に向かって進むので、時間の経過とともに大きくなるように表示される。ただし、枠オブジェクト405は、球オブジェクト403とは異なり、仮想空間内を直進する。
【0127】
ここで、図9を参照して、三次元仮想空間内における枠オブジェクト405の配置などについて説明する。
【0128】
図9は、図8に示す画面400により表される三次元仮想空間の様子を示す図である。図9に示すように、枠オブジェクト405は、Z軸に直交する面、つまり、投影面502と平行な面に配置される。ここで、枠オブジェクト405のZ座標は、球オブジェクト403の中心のZ座標と等しい。かかる構成によれば、画面400内において、枠オブジェクト405が、球オブジェクト403とともに移動するように、枠オブジェクト405と球オブジェクト403とが画面400内に表示される。
【0129】
枠オブジェクト405は、仮想空間内の所定の開始位置から、仮想空間内の所定の終了位置に向かって、直進する。つまり、枠オブジェクト405は、所定の線分上を移動する。所定の開始位置は、例えば、球オブジェクト403が投手オブジェクト402から投じられた瞬間の球オブジェクト403の位置とすることができる。この場合、球オブジェクト403が投手オブジェクト402から投じられた瞬間は、球オブジェクト403の中心の座標と枠オブジェクト405の中心の座標とは一致する。一方、所定の終了位置は、例えば、捕手のミットの位置とすることができる。
【0130】
ここで、球オブジェクト403は、投球パラメータによって定まる軌道上を移動する。この軌道は、基本的には、直線にはならない。従って、基本的には、球オブジェクト403の軌道と枠オブジェクト405の軌道とは異なる。なお、枠オブジェクト405は、投球パラメータにかかわらず直進するので、プレイヤーは、画面400内における枠オブジェクト405の位置に対する、画面内における球オブジェクト403の相対的な位置を参照することにより、球オブジェクト403のX軸方向(H軸方向)もしくはY軸方向(V軸方向)位置の変化を確認することができる。
【0131】
図10を参照して、球種がフォークである場合に、枠オブジェクト405に対する球オブジェクト403の相対的な位置が変化する様子について説明する。なお、図10には、枠オブジェクト405に対する球オブジェクト403の相対的な位置を示す図形を、投球直後から打撃直前に至るまでの4つのタイミングについて上から順に示している。また、図10には、理解を容易にするため、4つのタイミングについての図形を同じ大きさで示している。
【0132】
図10を参照すると、枠オブジェクト405に対する球オブジェクト403の相対的な位置は、投球後、しばらく上昇してから、その後、急に下降していることが分かる。これにより、プレイヤーは、投球がフォークであることを知ることができる。なお、図10に示す例では、球オブジェクト403は、内角に向かって投じられた例を示している。
【0133】
次に、図11を参照して、打撃のためにプレイヤーが行うべき操作について説明する。
【0134】
打撃のためにプレイヤーが行うべき操作は、基本的には、第1の実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、枠オブジェクト405が表示されるため、プレイヤーは、当該枠オブジェクト405に対する球オブジェクト403の相対的な位置を参照することにより、容易に球種を見定めることが期待できる。
【0135】
図11においては、枠オブジェクト405に対する、球オブジェクト403の中心点の相対的な表示位置をDp2とし、枠オブジェクト405に対する、タッチペン201でタッチされている相対的なタッチ位置をTp2とする。ここで、プレイヤーは、追従期間は、Dp2とTp2とが重なるように、球オブジェクト403をタッチペン201のペン先でなぞる。そして、プレイヤーは、バットをスイングするタイミングであると判定した場合、タッチペン201のペン先を球オブジェクト403の進行方向とは反対の方向に移動させる。これらの操作により、打撃パラメータが決定される。
【0136】
打撃パラメータは、追従期間におけるDp2とTp2との重なり具合の大きさに基づいて決定される。ここで、追従期間におけるDp2とTp2との重なり具合の大きさを、どのような値に定義するかは適宜調整が可能である。例えば、当該重なり具合の大きさは、追従期間において、Dp2とTp2との距離であるLdpが所定の距離未満であった期間の割合と定義することができる。
【0137】
図11には、Ldpが所定の距離未満であった期間については、タッチ位置の軌跡を太線で示し、Ldpが所定の距離以上であった期間については、タッチ位置の軌跡を細線で示している。Ldpが所定の距離未満の期間は、タッチ位置がTp21からTp22に移動するまでの期間、タッチ位置がTp23からTp24に移動するまでの期間、ならびに、タッチ位置がTp25からTp26に移動するまでの期間である。一方、Ldpが所定の距離以上の期間は、タッチ位置がTp22からTp23に移動するまでの期間、ならびに、タッチ位置がTp24からTp25に移動するまでの期間である。ここで、Ldpが所定の距離未満の期間は、指示位置が目標図形を正確に追従できた期間と考えることができ、Ldpが所定の距離以上の期間は、指示位置が目標図形を正確に追従できなかった期間と考えることができる。なお、図11においては、追従期間の先頭の時刻におけるタッチ位置がTp21であり、追従期間の末尾の時刻におけるタッチ位置がTp26であるものとする。
【0138】
なお、本実施形態に係るゲーム装置300が実行するゲーム制御処理は、枠オブジェクト405が画面400に表示されるように、ステップS117において画像が生成されることを除いて、第1実施形態に係るゲーム装置300が実行するゲーム制御処理と同様の処理である。
本実施形態に係るゲーム装置300によれば、枠オブジェクト405に対する球オブジェクト403の相対的な位置がユーザに示される。これにより、球オブジェクト403の球筋をプレイヤーにわかりやすく提示することができる。
【0139】
(第3の実施形態)
第1、2の実施形態では、球オブジェクト403の表示位置とタッチ位置とが重なるように、プレイヤーに、タッチスクリーン108をタッチ操作させる例を示した。しかし、本発明において、球オブジェクト403の表示位置とは異なる位置をタッチ操作することにより、指示位置を指示するようにしてもよい。
【0140】
本実施形態では、図12に示すように、タッチスクリーン108が同程度の大きさの上下2つの領域に分割されているものとする。ここで、タッチスクリーン108の上側の領域である領域108aは、球オブジェクト403や枠オブジェクト405が表示される領域である。一方、タッチスクリーン108の下側の領域である領域108bは、タッチペン201などによるタッチ操作を受け付ける領域である。
【0141】
ここで、領域108aと、領域108bと、を重ねたときに、各領域における座標が一致するように、領域毎に座標系を用意する。このような場合、プレイヤーは、追従期間において、領域108aにおける、球オブジェクト403の中心であるDpの座標と、領域108bにおける、タッチ位置であるTpの座標と、が一致するように、タッチペン201を操作する。そして、CPU 101は、Dpの座標とTpの座標との一致具合によって、プレイヤーの選球眼を決定する。ここで、CPU 101は、選球眼が良いほど、打撃結果が良くなるように、打撃結果を決定する。また、プレイヤーが、タッチペン201のペン先で領域108bをタッチすると、このタッチ位置に対応する領域108a内の位置(枠オブジェクト405内の位置)が光るようにすることができる。この場合、領域108a内のおいて、光っている位置と球オブジェクト403とが重なっていると、「動体視力が良い」、「選球眼が良い」ことになり、打撃の結果が良くなる。
【0142】
本実施形態に係るゲーム装置300によれば、球オブジェクト403がタッチペン201などで見ずらくなることを防止しつつ、選球眼の良さを打撃結果に反映することが可能となる。
(変形例)
本発明は、上述した第1〜3の実施形態に限られるものではなく、種々の変形が可能である。
【0143】
第1〜3の実施形態では、プレイヤーが、タッチスクリーン108を用いて、指示位置を指定する例を示した。しかし、プレイヤーが、指示位置を指定する方法は任意である。例えば、プレイヤーは、マウスや方向キーを用いて、指示位置を指定してもよい。この場合、指示位置を示す図形が画面に表示されることが好適である。
【0144】
第1〜3の実施形態では、プレイヤーが追従すべき目標図形が、投手により投じられた球である例を示した。しかし、プレイヤーが追従すべき目標図形が、打者により打撃された球であってもよい。この場合、例えば、指示位置が打球の表示位置に追従した程度に基づいて、プレイヤーが操作する野手オブジェクトの捕球結果が決定される。
【0145】
第2の実施形態では、目標図形とともに画面内に表示される直進図形が、枠オブジェクト405である例を示した。しかし、目標図形とともに画面内に表示される直進図形は、どのようなオブジェクトであっても良い。つまり、画面により表される仮想空間内を直進する任意のオブジェクトが、目標図形と共に画面内に表示されてよい。このような場合でも、プレイヤーは、目標図形の位置の変化を読み取ることが可能だからである。
【0146】
第3の実施形態では、タッチスクリーン108の上側の領域108aが、目標図形が表示される領域であり、タッチスクリーン108の下側の領域108bが、指示位置が指示される領域である例を示した。しかし、目標図形が表示される領域と指示位置が指示される領域とは、必ずしも分割されている必要はない。つまり、指示位置が目標図形の表示位置に追従した程度が決定可能な構成であれば、指示位置が受け付けられる領域と目標図形が表示される領域との位置関係は問われない。
【0147】
例えば、図13に示すように、1つの画面が2つの領域に分割されていてもよい。図13には、タッチスクリーン108が、左側の領域である領域108cと右側の領域である領域108dとの2つの領域に分割されている例を示す。このように、指示位置が受け付けられる領域と目標図形が表示される領域とが分離されることにより、指示位置を入力するための操作により目標図形が見えにくくなることが防止される。
【0148】
また、第1の実施形態では、プレイヤーが、タッチペン201のペン先を、今までと逆向きになぞりながらタッチスクリーン108から離した場合に、バットが振られる例を示した。しかし、プレイヤーが、タッチペン201のペン先を、単にタッチスクリーン108から離した瞬間に、バットが振られるようにしてもよい。
【0149】
第1〜3の実施形態では、野球ゲームに本発明を適用する例を示した。しかし、本発明は、あらゆるゲームに適用することができる。例えば、野球以外の球技ゲームに本発明を適用すると、プレイヤーによる指示位置が、球の表示位置に追従している程度に基づいて、球に対する操作の結果が決定される。また、例えば、ブロック崩しゲームに本発明を適用すると、プレイヤーによる指示位置が、球の位置に追従している程度に基づいて、球の弾き返しの結果が決定される。さらに、例えば、格闘ゲームに本発明を適用すると、プレイヤーによる指示位置が、相手キャラクタもしくは相手キャラクタの放つ飛び道具の表示位置に追従している程度に基づいて、相手キャラクタに対する攻撃の結果が決定される。
【産業上の利用可能性】
【0150】
以上説明したように、本発明によれば、画面に表示されたオブジェクトの動きのプレイヤーによる把握度合を、ゲームの成績に適切に反映するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0151】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 入力部
106 メモリカセット
107 画像処理部
108 タッチスクリーン
108a、108b、108c、108d 領域
109 NIC
110 音声処理部
111 マイク
112 スピーカ
113 RTC
201 タッチペン
300 ゲーム装置
301 表示部
302 検知部
303 決定部
400 画面
401 打者オブジェクト
402 投手オブジェクト
403 球オブジェクト
404 バットオブジェクト
405 枠オブジェクト
501 視点
502 投影面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーが追従すべき目標図形を、当該目標図形が画面内で移動するように表示する表示部、
プレイヤーにより指示されている前記画面内の指示位置を検知する検知部、
所定の追従期間において、前記検知された指示位置が前記目標図形の表示位置に追従した程度を決定する決定部、を備える
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記決定部は、前記追従期間における、前記目標図形の表示位置の軌跡と前記検知された指示位置の軌跡との重なり具合の大きさを、前記追従した程度として決定する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のゲーム装置であって、
前記指示位置は、前記プレイヤーによりタッチされる前記画面内のタッチ位置である
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項3に記載のゲーム装置であって、
前記決定部は、さらに、前記決定した追従した程度と前記タッチ位置が検知されなくなったタイミングとに基づいて、ゲームの成績を決定する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記目標図形は、前記画面の奥側から手前側に向かって仮想空間内を移動するオブジェクトを表す図形であり、
前記表示部は、さらに、前記目標図形により表されるオブジェクトとともに、前記画面の奥側から手前側に向かって前記仮想空間内を移動するオブジェクトであって、当該仮想空間内において、所定の移動開始位置から所定の移動終了位置に向かって直進するオブジェクトを表す直進図形を表示する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項5に記載のゲーム装置であって、
前記直進するオブジェクトは、当該直進するオブジェクトの進行方向と直交し、前記目標図形により表されるオブジェクトの中心点を含む面に配置される枠オブジェクトである
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項6に記載のゲーム装置であって、
前記枠オブジェクトは、内部が複数の領域に分割されている
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項1、2、5、6または7のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記指示位置は、前記プレイヤーによりタッチされる前記画面内のタッチ位置に対応する、当該画面内の位置であり、
前記表示部は、前記指示位置に、当該指示位置を表す図形を表示する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
表示部、検知部、決定部を備えるゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、
前記表示部が、プレイヤーが追従すべき目標図形を、当該目標図形が画面内で移動するように表示する表示工程、
前記検知部が、プレイヤーにより指示されている前記画面内の指示位置を検知する検知工程、
前記決定部が、所定の追従期間において、前記検知された指示位置が前記目標図形の表示位置に追従した程度を決定する決定工程、を備える
ことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、
プレイヤーが追従すべき目標図形を、当該目標図形が画面内で移動するように表示する表示部、
プレイヤーにより指示されている前記画面内の指示位置を検知する検知部、
所定の追従期間において、前記検知された指示位置が前記目標図形の表示位置に追従した程度を決定する決定部、として機能させる
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−40045(P2012−40045A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181065(P2010−181065)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】