説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム

【課題】ゲームバランスが損なわれることがないように担保しつつ、プレイヤが操作対象体を単に移動させるだけの時間を軽減し、ひいてはプレイヤに与えるストレスを軽減できるようになるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、操作対象体と検出対象体とがゲーム空間に配置され、少なくとも前記操作対象体が前記ゲーム空間において移動するゲームを実行するゲーム装置に関するものである。本発明では、位置更新部54は、操作対象体の位置を移動速度情報に基づいて更新する。判断部56は、操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に検出対象体が含まれるか否かを判断する。移動速度制御部52は、判断部56による判断結果に基づいて、移動速度情報の内容を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
操作対象体と検出対象体とがゲーム空間に配置され、少なくとも操作対象体がゲーム空間において移動するゲームが知られている。例えば、プレイヤがプレイヤキャラクタ(プレイヤの操作対象たるゲームキャラクタ)を操作し、3次元ゲーム空間を移動させたり、敵キャラクタ(プレイヤキャラクタに対立するゲームキャラクタ)を退治させたりし、各種ゲームイベントを攻略していく3次元アクションゲームが知られている。
【特許文献1】特許第3546209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上のようなゲームでは、操作対象体と検出対象体の配置状況によっては、プレイヤが操作対象体を単に移動させるだけの時間が生じる場合がある。例えば、以上のような3次元アクションゲームでは、敵キャラクタが存在しない場所(すべての敵キャラクタを退治し終えた場所など)をプレイヤキャラクタが移動するような場合である。このような時間は、プレイヤに対してストレスを与えることになり、好ましいものではない。また、このような時間を軽減するために、プレイヤキャラクタの移動速度をプレイヤが自由に速めることができるようにすることも考えられるが、検出対象体との関係でかえってゲームバランスを著しく損なうこととなってしまうおそれがあり、好ましくない。例えば、以上のような3次元アクションゲームでは、敵キャラクタを容易に攻撃できるようになってしまったり、敵キャラクタからの攻撃を容易に回避できるようになってしまうおそれがある。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ゲームバランスが損なわれることがないように担保しつつ、プレイヤが操作対象体を単に移動させるだけの時間を軽減し、ひいてはプレイヤに与えるストレスを軽減できるようになるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、操作対象体と検出対象体とがゲーム空間に配置され、少なくとも前記操作対象体が前記ゲーム空間において移動するゲームを実行するゲーム装置において、前記操作対象体の位置を移動速度情報に基づいて更新する位置更新手段と、前記操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に前記検出対象体が含まれるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果に基づいて、前記移動速度情報の内容を変化させる移動速度制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、操作対象体と検出対象体とがゲーム空間に配置され、少なくとも前記操作対象体が前記ゲーム空間において移動するゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、前記操作対象体の位置を移動速度情報に基づいて更新する位置更新ステップと、前記操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に前記検出対象体が含まれるか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップによる判断結果に基づいて、前記移動速度情報の内容を変化させる移動速度制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、操作対象体と検出対象体とがゲーム空間に配置され、少なくとも前記操作対象体が前記ゲーム空間において移動するゲームを実行するゲーム装置として、家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)やパーソナルコンピュータなどのコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記操作対象体の位置を移動速度情報に基づいて更新する位置更新手段、前記操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に前記検出対象体が含まれるか否かを判断する判断手段、及び、前記判断手段による判断結果に基づいて、前記移動速度情報の内容を変化させる移動速度制御手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、本発明に係るプログラム配信装置は、上記のプログラムを記録した情報記憶媒体を備え、前記情報記憶媒体から前記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信装置である。
【0009】
また、本発明に係るプログラム配信方法は、上記のプログラムを記録した情報記憶媒体を備え、前記情報記憶媒体から前記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信方法である。
【0010】
本発明は、操作対象体と検出対象体とがゲーム空間に配置され、少なくとも操作対象体がゲーム空間において移動するゲームを実行するゲーム装置に関するものである。なお、「ゲーム空間」には、3つの座標要素によって構成される3次元ゲーム空間や、2つの座標要素によって構成される2次元ゲーム空間が含まれる。本発明では、操作対象体の位置が移動速度情報に基づいて更新される。また、操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に検出対象体が含まれるか否かが判断される。そして、その判断結果に基づいて、移動速度情報の内容が変化する。本発明によれば、操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に検出対象体が含まれるか否かの判断結果に基づいて、移動速度情報の内容が変化するため、ゲームバランスが損なわれることがないように担保しつつ、プレイヤが操作対象体を単に移動させるだけの時間の軽減を図ることができるようになり、ひいてはプレイヤに与えるストレスの軽減を図ることができるようになる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記判断手段は、前記操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に前記検出対象体が含まれるか否かを、所定時間ごとに判断する第1判断手段と、前記所定時間よりも長い所与の期間において前記第1判断手段によってなされた複数の判断結果が移動速度変化条件を満足するか否かを判断する第2判断手段と、を含み、前記移動速度制御手段は、前記第2判断手段による判断結果に基づいて、前記移動速度情報の内容を変化させるようにしてもよい。こうすれば、移動速度情報の変化が比較的短時間のうちで繰り返されるのを抑止することができ、移動速度情報を変化させることを安定して行うことができるようになる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記移動速度変化条件は、前記所与の期間において前記第1判断手段によってなされた複数の判断結果のいずれもが所定判断結果であるか否かの条件としてもよい。こうすれば、操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に検出対象体が含まれるか否かの判断結果が所定判断結果となるような状態が所与の期間継続した場合に、移動速度情報の内容を変化させることができるようになる。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記所定判断結果は、前記検出対象領域に前記検出対象体が含まれないとの判断結果であり、前記移動速度制御手段は、前記操作対象体の移動速度が速くなるように、前記移動速度情報の内容を変化させるようにしてもよい。こうすれば、操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に検出対象体が含まれないような状態が所与の期間継続した場合に、操作対象体の移動速度を速くさせることができるようになる。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記検出対象領域の大きさは、前記移動速度情報の変化に応じて変化するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。同図に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11に情報記憶媒体たるDVD−ROM25及びメモリカード28が装着され、さらにモニタ18及びスピーカ22が接続されることによって構成される。例えば、モニタ18には家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ22にはその内蔵スピーカが用いられる。
【0017】
家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、画像処理部16、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、主記憶26、入出力処理部30及びコントローラ32を含んで構成される公知のコンピュータゲームシステムである。コントローラ32以外の構成要素は筐体内に収容される。
【0018】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26及び入出力処理部30は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。
【0019】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、DVD−ROM25から読み出されるプログラムや、メモリカード28から読み出されるデータに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶26は、例えばRAMを含んで構成されるものであり、DVD−ROM25から読み出されたプログラムやメモリカード28から読み出されたデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶26はマイクロプロセッサ14の作業用としても用いられる。
【0020】
画像処理部16はVRAMを含んで構成されており、マイクロプロセッサ14から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。そして、その内容をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ18に出力する。
【0021】
入出力処理部30は、マイクロプロセッサ14が音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32にアクセスするためのインタフェースである。入出力処理部30には、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32が接続される。
【0022】
音声処理部20はサウンドバッファを含んで構成されており、DVD−ROM25から読み出され、該サウンドバッファに記憶されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データを再生してスピーカ22から出力する。
【0023】
DVD−ROM再生部24は、マイクロプロセッサ14からの指示に従ってDVD−ROM25に記録されたプログラムを読み取る。なお、ここではプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するためにDVD−ROM25を用いることとするが、CD−ROMやROMカード等、他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、インターネット等のデータ通信網を介して遠隔地からプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0024】
メモリカード28は、不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)を含んで構成される。家庭用ゲーム機11は、メモリカード28を装着するための複数のメモリカードスロットを備えており、複数のメモリカード28を同時に装着可能となっている。メモリカード28は、このメモリカードスロットに対して脱着可能に構成され、例えばセーブデータなどの各種ゲームデータを記憶させるために用いられる。
【0025】
コントローラ32は、プレイヤが各種ゲーム操作の入力をするための汎用操作入力手段である。入出力処理部30は一定周期ごと(例えば1/60秒ごと)にコントローラ32の各部の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14は、その操作信号に基づいてプレイヤのゲーム操作を判定する。家庭用ゲーム機11は複数のコントローラ32を接続可能に構成されており、各コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、マイクロプロセッサ14がゲーム制御を行うようになっている。
【0026】
図2はコントローラ32の一例を示す図である。同図に示すコントローラ32は汎用ゲームコントローラである。同図(a)に示すように、コントローラ32の表面には方向ボタン34、スタートボタン36、ボタン38X,38Y,38A,38Bが備えられている。また、同図(b)に示すように、コントローラ32の奥側側面には、表面側左右にボタン42L,42Rがそれぞれ備えられており、裏面側左右にボタン40L,40Rがそれぞれ備えられている。方向ボタン34は十字形状を有しており、通常はキャラクタやカーソルの移動方向を設定するのに用いられる。スタートボタン36は三角形状を有する小型の押しボタンであり、通常はゲームのスタートやゲームの強制終了などに用いられる。ボタン38X,38Y,38A,38B,40L,40R,42L,42Rは、その他のゲーム操作に用いられる。
【0027】
以上の構成を備えるゲーム装置10では、DVD−ROM25を介して供給されるゲームプログラムが実行されることによって、プレイヤがプレイヤキャラクタ(プレイヤの操作対象たるゲームキャラクタ)を操作し、3次元ゲーム空間を移動させたり、敵キャラクタ(プレイヤキャラクタに対立するゲームキャラクタ)を退治させたりし、各種ゲームイベントを攻略していく3次元アクションゲームが提供される。
【0028】
すなわち、上記ゲームプログラムが実行されることにより、ゲーム装置10の主記憶26には、プレイヤキャラクタや敵キャラクタなどが配置される3次元ゲーム空間(仮想的な3次元空間)が構築される。そして、モニタ18には、この3次元ゲーム空間を所与の視点から見た様子が表示される。例えば図3に示すように、「プレイヤキャラクタの後方上空に配置され、プレイヤキャラクタに従動する視点」から3次元ゲーム空間を見た様子を表すゲーム画面が表示される。プレイヤはこのようなゲーム画面を見ながらコントローラ32を操作し、プレイヤキャラクタに対して移動指示や攻撃指示などの行動指示を与えていく。
【0029】
以上のような3次元アクションゲームでは、敵キャラクタが存在しないような場所をプレイヤキャラクタが移動しなければならない場合がある。例えば、すべての敵キャラクタを退治し終えた場所をプレイヤキャラクタが再び移動しなければならないような場合がある。プレイヤキャラクタがこのような移動を行う時間は、プレイヤにとってプレイヤキャラクタを単に移動させるだけの時間であり、プレイヤに過度のストレスを与えるものであるため、好ましいものではない。
【0030】
そのような時間を減らすためには、プレイヤキャラクタの移動速度をプレイヤが自由に速くできるようにすることが考えられるが、例えば敵キャラクタをプレイヤキャラクタに攻撃させることが容易になってしまったり、敵キャラクタからの攻撃をプレイヤキャラクタに回避させることが容易になってしまう等、ゲームバランスを著しく損なうおそれがあるので好ましくない。
【0031】
この点、本実施の形態に係るゲーム装置10は、プレイヤキャラクタの移動モードとして、通常移動モードと、通常移動モードの場合よりもプレイヤキャラクタを速く移動させることが可能な加速移動モードと、の2つの移動モードを有し、所定の場合にのみプレイヤキャラクタの移動モードを加速移動モードとすることによって、ゲームバランスが著しく損なわれることがないように担保しつつ、上記のようなプレイヤキャラクタを単に移動させるだけの時間を軽減し、ひいてはプレイヤに与えるストレスの軽減を図るようになっている。以下、この構成について詳しく説明する。
【0032】
図4は、ゲーム装置10において実現される機能ブロックのうち、上記移動モードに関連するものを中心として示している。同図に示すように、ゲーム装置10は、位置情報記憶部50と、移動速度情報制御部52(移動制御手段)と、位置情報更新部54(位置更新手段)と、判断部56と、を含んで構成される。これらの機能は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体や通信ネットワークを介して供給されるプログラムがゲーム装置10によって実行されることによって実現される。
【0033】
[1.位置情報記憶部]
位置情報記憶部50は、例えば主記憶26を主として構成され、3次元ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタ(操作対象体)や敵キャラクタ(検出対象体)の現在位置を示す位置情報を記憶する。
【0034】
[2.位置情報更新部]
位置情報更新部54は、例えばマイクロプロセッサ14や主記憶26を主として構成される。位置情報更新部54は、位置情報記憶部50に記憶されるプレイヤキャラクタの位置情報を、移動速度情報制御部52から取得される移動速度パラメータ(移動速度情報)に基づいて更新する。
【0035】
例えば、位置情報更新部54は、コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、プレイヤキャラクタに対する移動指示操作がなされたか否かを判断する。そして、移動指示操作がなされたと判断される場合、「プレイヤキャラクタが、その移動指示操作において指示されたゲーム空間の方向に、移動速度情報制御部52から供給される移動速度パラメータの値に基づいて決定される距離だけ移動する」ように、位置情報記憶部50に記憶されるプレイヤキャラクタの位置情報を更新する。
【0036】
[3.判断部]
判断部56は、例えばマイクロプロセッサ14や主記憶26を主として構成される。判断部56は、プレイヤキャラクタの現在位置に基づいて決定される検出対象領域に敵キャラクタが含まれるか否かを判断する。判断部56は、第1判断部58及び第2判断部60を含んでいる。
【0037】
[3−1.第1判断部]
第1判断部58は、プレイヤキャラクタの現在位置に基づいて決定される検出対象領域に敵キャラクタが含まれるか否かを、所定時間(例えば1/60秒)ごとに判断する。
【0038】
検出対象領域は、例えばプレイヤキャラクタの現在位置から所定距離(検出対象距離)内の領域である。また例えば、プレイヤキャラクタの正面方向の検出対象領域の大きさが背面方向の検出対象領域の大きさに比べて大きくなるように(プレイヤキャラクタの正面方向に指向性を有するように)、検出対象領域が設けられるようにしてもよい。また、検出対象領域の大きさは、移動速度情報制御部52から取得される移動速度パラメータの値に基づいて変化するようにしてもよい。例えば、検出対象領域がプレイヤキャラクタの現在位置から検出対象距離内の領域である場合、移動速度パラメータの値に基づいて、検出対象距離の大きさが変化するようにしてもよい。また例えば、プレイヤキャラクタの移動速度が速くなるように移動速度パラメータの値が変化した場合、検出対象領域(検出対象距離)が大きくなるようにしてもよい。
【0039】
[3−2.第2判断部]
第2判断部60は、所定時間(例えば1/60秒)よりも長い所与の期間(例えば2秒間)において第1判断部58によってなされた複数の判断結果が移動速度変化条件を満足するか否かを判断する。
【0040】
移動速度変化条件は、移動速度情報の内容を変化させるために複数の判断結果が満足すべき条件である。例えば、所与の期間において第1判断部58によってなされる複数の判断結果のいずれもが所定判断結果であるか否かの条件である。ここで、所定判断結果とは、例えば検出対象領域に敵キャラクタが含まれないとの判断結果である。この場合、第2判断部60は、プレイヤキャラクタの位置に基づいて決定される検出対象領域に敵キャラクタが含まれないと判断される状態が所与の期間継続したか否かを判断することになる。
【0041】
[4.移動速度情報制御部]
移動速度情報制御部52は、判断部56による判断結果に基づいて、移動速度情報パラメータの値(移動速度情報の内容)を変化させる。例えば、移動速度情報制御部52は、判断部56による判断結果に基づいて、移動速度情報パラメータの値(移動速度情報の内容)を決定し、これを位置情報更新部54や第1判断部58に供給する。或いは、移動速度情報制御部52は移動速度パラメータの値を位置情報更新部54や第1判断部58が取得可能に記憶するとともに、その値を判断部56による判断結果に基づいて更新する。
【0042】
移動速度パラメータは、プレイヤキャラクタの移動速度そのものを示すものであってもよいし、プレイヤキャラクタの移動速度の決定に供されるものであってもよい。ここでは、移動速度パラメータは、プレイヤキャラクタの移動速度そのもの(より具体的には、1/60秒ごとの移動距離)を示すこととして説明する。また、移動速度パラメータの値が高くなると、プレイヤキャラクタがより速く移動可能になることとして説明する。
【0043】
本実施の形態では、移動速度情報制御部52は、通常は移動速度パラメータの値を第1の値とする。すなわち、プレイヤキャラクタの移動モードを通常移動モードとする。そして、敵キャラクタが検出対象領域に含まれないと判断される状態が所与の期間継続したと第2判断部60によって判断された場合に、移動速度パラメータの値を第2の値(第1の値よりも大きい値)とする。すなわち、プレイヤキャラクタの移動モードを通常移動モードから加速移動モードに移行する。
【0044】
ここで、移動速度情報制御部52、位置情報更新部54及び判断部56(第1判断部58、第2判断部60)によって実行される処理について説明する。図5乃至図7は、ゲーム装置10において所定時間(具体的には1/60秒)ごとに実行されるゲーム処理のうち、移動速度情報制御部52、位置情報更新部54及び判断部56によって実行される処理を主として示すフロー図である。なお、これらの図に示す処理は、DVD−ROM25などの情報記憶媒体(或いは通信ネットワーク)を介して供給されるプログラムがマイクロプロセッサ14によって実行されることによって実現される。
【0045】
図5に示すように、移動速度情報制御部52は移動制御フラグが「1」であるか否かを判断する(S101)。移動制御フラグは、現在の移動制御状態を示す数値情報であり、主記憶26に保持される。本実施の形態では、移動制御状態として「通常状態」、「加速状態」、「減速状態」の3つの状態がある。通常状態は、プレイヤキャラクタの移動モードが通常移動モードの状態である。加速状態は、プレイヤキャラクタの移動モードが加速移動モードの状態である。減速状態は、プレイヤキャラクタの移動モードが加速モードから通常モードへの移行する場合において、プレイヤキャラクタの移動速度パラメータが加速移動モード時の値から通常移動モード時の値へと変化する間の状態である。現在の移動制御状態が通常状態である場合、移動制御フラグの値は「0」に設定される。また、現在の移動制御状態が加速状態である場合には「1」に設定され、減速状態である場合には「2」に設定される。
【0046】
移動制御フラグが「1」である場合、すなわち現在の移動制御状態が加速状態である(プレイヤキャラクタの移動モードが加速移動モードである)場合には、加速状態時の処理(S115乃至S123)が実行される。この処理については後述する。
【0047】
一方、移動制御フラグが「1」でない場合、移動速度情報制御部52は移動制御フラグが「2」であるか否かを判断する(S102)。移動制御フラグが「2」である場合、すなわち現在の移動制御状態が減速状態である場合には、減速状態時の処理(S124乃至S129)が実行される。この処理については後述する。
【0048】
移動制御フラグが「2」でない場合、移動速度情報制御部52は移動制御フラグが「0」である(現在の移動制御状態が通常状態である)と判断する。この場合、移動速度情報制御部52は、移動速度パラメータsの値を所定の定数S1に決定する。また、第1判断部58は、検出対象距離パラメータrの値を所定の定数R1に決定する。ここで、検出対象距離パラメータrは、3次元ゲーム空間における距離を示す情報である。
【0049】
次に、第1判断部58は、プレイヤキャラクタの現在位置から検出対象距離パラメータrの値によって示される距離以内の領域に位置する敵キャラクタの数をカウントする(S105)。具体的には、第1判断部58は、プレイヤキャラクタの位置情報を位置情報記憶部50から読み出す。また、敵キャラクタの位置情報を位置情報記憶部50から順次読み出し、当該敵キャラクタの位置とプレイヤキャラクタの位置との間の距離を算出する。そして、その距離が検出対象距離パラメータrによって示される距離以下となる敵キャラクタの数をカウントする。
【0050】
次に、第1判断部58は、S105で取得した敵キャラクタの数が0であるか否かを判断する(S106)。
【0051】
そして、第2判断部60は、S105で取得した敵キャラクタの数が0であると判断された場合、第1経過時間パラメータt1の値をインクリメントする(S107)。第1経過時間パラメータt1は、S105で取得される敵キャラクタの数が「1以上の状態」から「0の状態」へと推移してからの経過時間を示す情報である。ここでは、かかる経過時間を1/60秒単位で示す数値情報となっている。なお、この第1経過時間パラメータt1の値は、S105で取得した敵キャラクタの数が0でないと判断された場合、0(初期値)に初期化される(S114)。このため、第1経過時間パラメータt1によって示される経過時間は、S105で取得される敵キャラクタの数が「1以上の状態」から「0の状態」へと推移してから、その状態を維持している時間を示すことになる。換言すれば、第1経過時間パラメータt1によって示される経過時間は、「プレイヤキャラクタの現在位置から検出対象距離パラメータrの値によって示される距離以内の領域に敵キャラクタが位置しない状態」が継続している時間を示している。
【0052】
そして、第2判断部60は、第1経過時間パラメータt1の値が所定の定数T1よりも大きい場合(S108)、移動制御フラグを「1」に更新する(S109)。すなわち、移動制御状態が加速状態に移行される。さらに換言すれば、プレイヤキャラクタの移動モードが加速移動モードに移行される。
【0053】
以上のように、ゲーム装置10では、移動制御状態が通常状態である(プレイヤキャラクタの移動モードが通常移動モードである)場合において、「プレイヤキャラクタの現在位置から検出対象距離パラメータrの値によって示される距離以内の領域に敵キャラクタが位置しない状態」が所定時間(T1)継続すると、プレイヤキャラクタの移動モードが通常移動モードから加速移動モードへと移行され、プレイヤキャラクタがより速く移動可能となる。
【0054】
なお、ゲーム装置10では、「プレイヤキャラクタの現在位置から検出対象距離パラメータrの値によって示される距離以内の領域に敵キャラクタが位置しない状態」が所定時間(T1)継続した場合にのみ、プレイヤキャラクタの移動モードが通常移動モードから加速移動モードへと移行されるため、「比較的短時間の期間において、プレイヤキャラクタの移動速度が速くなったり、遅くなったりすることが繰り返されることによって、いわゆる処理落ちのような印象をプレイヤに与えること」がないようになっている。
【0055】
ここで、S101において移動制御フラグが「1」であると判断された場合に実行される処理について説明する。すなわち、移動制御状態が加速状態である(プレイヤキャラクタの移動モードが加速移動モードである)場合に実行される処理について説明する。
【0056】
この場合、移動速度情報制御部52は加速率パラメータa1を算出する(S115)。加速率パラメータa1は、a1=(t1−T1)/(T2−T1)に従って算出される。なお、T2は、T1よりも大きい値を有する所定の定数である。
【0057】
次に、移動速度情報制御部52は、移動速度パラメータsの値を決定する(S116)。この場合、移動速度パラメータsの値は、s=a1×(S2−S1)+S1の算出式に従って算出される。なお、S2は、S1よりも大きい値を有する所定の定数である。
【0058】
また、第1判断部58は、検出対象距離パラメータrの値を決定する(S117)。検出対象距離パラメータrの値は、r=a1×(R2−R1)+R1の算出式に従って算出される。なお、R2は、R1よりも大きい値を有する所定の定数である。
【0059】
次に、第1判断部58は、プレイヤキャラクタの現在位置から検出対象距離パラメータrの値によって示される距離以内の領域に位置する敵キャラクタの数をカウントする(S118)。この処理はS105の場合と同様に行われる。そして、第1判断部58は、その敵キャラクタの数が0であるか否かを判断する(S119)。
【0060】
S118で取得された敵キャラクタの数が0であると判断された場合、第2判断部60は、第1経過時間パラメータt1の値をインクリメントする(S120)。このとき、第1経過時間パラメータt1の値がT2よりも大きい場合には(S121)、第1経過時間パラメータt1の値をT2に更新する(S122)。
【0061】
一方、S118で取得された敵キャラクタの数が0でないと判断された場合、移動制御状態が加速状態のままプレイヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇し、ゲームバランスが損なわれることがないようにするため、移動速度情報制御部52は、移動制御フラグの値を「2」に更新する(S123)。すなわち、移動制御状態を減速状態に移行し、加速移動モードから通常移動モードへの移行を開始する。このとき、S116において算出した移動速度パラメータsの現在の値が変数s’に代入される(S124)。
【0062】
以上に説明したように、加速状態では、移動速度パラメータsの値は、第1経過時間パラメータt1の値が大きくなるにつれて大きくなっていき、第1経過時間パラメータt1の値がT2に達すると、S2となるようになっている。換言すれば、加速状態では、移動速度パラメータの値が通常移動モードにおける値(S1)から加速移動モードにおける値(S2)へと所定時間(T2−T1)かけて変化していくようになっており、プレイヤキャラクタの移動速度が徐々に速くなっていくようになっている。このため、プレイヤキャラクタの移動モードが通常移動モードから加速移動モードへと移行する場合において、プレイヤに違和感を与えることなく、プレイヤキャラクタの移動速度を速くするようになっている。
【0063】
また、加速状態では、検出対象距離パラメータrの値が、第1経過時間パラメータt1の値が大きくなるにつれて大きくなっていき、第1経過時間パラメータt1の値がT2に達するとR2となるようになっている。すなわち、検出対象距離パラメータrの値は、移動速度パラメータsの値が大きくなるようにつれて大きくなっていき、移動速度パラメータsの値がS2となるとR2となるようになっている。なお、後述するように、本実施の形態では、プレイヤキャラクタの移動モードを通常移動モードに戻す場合においても、プレイヤに違和感を与えることなく、プレイヤキャラクタの移動速度を通常移動モードの移動速度まで所定時間(T3)かけて徐々に遅くするようになっている。このため、R2の値は、プレイヤキャラクタの移動モードを加速移動モードから通常移動モードへと移行する場合において、加速移動モードの移動速度(S2)で移動していたプレイヤキャラクタがその移行に係る時間(T3)において敵キャラクタに遭遇することがないようにするのに十分な距離とするのが好適である。また、通常移動モードへの移行が完了すると同時にプレイヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇することとなると、プレイヤが戸惑いを感じるおそれがある。このため、通常移動モードへの移行が完了した後、所定時間が経過した後に、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに接触することとなるように、R2の値を設定すると好適である。
【0064】
次に、S102において移動制御フラグが「2」であると判断された場合に実行される処理について説明する。すなわち、移動制御状態が減速状態である場合に実行される処理について説明する。
【0065】
この場合、まず移動速度情報制御部52が減速率パラメータa2の値を算出する(S125)。減速率パラメータa2は、a2=(T3−t2)/T3の算出式に従って算出される。なお、T3は所定の値を有する定数である。また、第2経過時間パラメータt2は初期値0の変数であり、移動制御状態が加速状態から減速状態へと移行してからの経過時間を示す情報である。ここでは、かかる経過時間を1/60秒単位で示す数値情報となっている。なお、後述するように、第2経過時間パラメータt2は、その値がT3より大きいと判断された場合に0に初期化される(S131)。
【0066】
また、移動速度情報制御部52は、移動速度パラメータsの値を決定する(S126)。この場合、移動速度パラメータsは、s=a2×(s’−S1)+S1の算出式に従って算出される。
【0067】
次に、判断部56は、第2経過時間パラメータt2の値をインクリメントする(S127)。そして、第2経過時間パラメータt2の値がT3よりも大きい場合には(S128)、移動制御フラグを「0」に更新する(S129)。すなわち、移動制御状態が通常状態に移行される。換言すれば、プレイヤキャラクタの移動モードが通常移動モードに移行される。この場合、第1経過時間パラメータt1の値が0(初期値)に初期化される(S130)。また、第2経過時間パラメータt2の値が0(初期値)に初期化される(S131)。
【0068】
以上のように、減速状態では、移動速度パラメータの値が加速移動モードにおける値(S2)から通常移動モードにおける値(S1)へと所定時間(T3)かけて戻されるようになっている。すなわち、プレイヤキャラクタの移動速度が徐々に遅くなっていくようになっている。このため、プレイヤキャラクタの移動モードが加速移動モードから通常移動モードへと移行する場合において、プレイヤに違和感を与えることなく、プレイヤキャラクタの移動速度が遅くなるようになっている。
【0069】
以上のようにして、通常状態、加速状態又は減速状態のそれぞれの状態において、移動速度パラメータsの値の決定等がなされたら、位置情報更新部54は、プレイヤキャラクタの移動方向を示す単位ベクトルv0を取得する(S110)。具体的には、位置情報更新部54は、コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、移動方向を指示する操作(例えば、方向ボタン34に対する操作)がなされているか否かを判断する。そして、移動方向を指示する操作がなされた場合には、指示された方向を判定し、その方向に対応する3次元ゲーム空間における方向を示す単位ベクトルv0を算出する。
【0070】
その後、位置情報更新部54は、プレイヤキャラクタの移動ベクトルv1を取得する(S111)。移動ベクトルv1は、v1=v0×sによって算出される。
【0071】
そして、位置情報更新部54は、位置情報記憶部50に記憶されるプレイヤキャラクタの位置情報を更新する(S112)。具体的には、位置情報更新部54は、位置情報記憶部50に記憶されるプレイヤキャラクタの位置情報を読み出す。次に、その読み出した位置情報と、S111で取得したプレイヤキャラクタの移動ベクトルv1と、に基づいて、プレイヤキャラクタの移動先位置を算出する。すなわち、プレイヤキャラクタの現在位置から、移動ベクトルv1によって示される方向に、移動ベクトルv1によって示される距離(s)だけ移動した位置を移動先位置として算出する。その後、位置情報更新部54は、その移動先位置を示す移動先位置情報を生成し、その移動先位置情報をプレイヤキャラクタの位置情報として位置情報記憶部50に記憶させる。
【0072】
ゲーム装置10では、以上の処理が完了されたら、他のゲーム処理が実行される(S113)。例えば、敵キャラクタの位置情報を更新する処理、プレイヤや敵キャラクタの姿勢情報を更新する処理や、プレイヤキャラクタから敵キャラクタに対する攻撃判定処理などが実行される。また例えば、位置情報記憶手段の記憶内容に基づいてプレイヤキャラクタ及び敵キャラクタが配置される3次元ゲーム空間を所与の視点から見た様子を表すゲーム画面を生成し、モニタ18に表示させるための処理が実行される。こうして、プレイヤキャラクタが3次元ゲーム空間を移動する様子がゲーム画面に表示される。
【0073】
以上に説明したように、ゲーム装置10では、プレイヤキャラクタの移動モードとして、第1移動速度(S1)でプレイヤキャラクタを移動させることが可能な通常移動モードと、第1移動速度(S1)よりも速い第2移動速度(S2)でプレイヤキャラクタを移動させることが可能な加速移動モードと、が備えられている。
【0074】
通常移動モードでは、図8(a)に示すように、プレイヤキャラクタは移動指示操作に対応する方向(v0)に第1移動速度(S1)で移動する。この場合、プレイヤキャラクタの現在位置(P)から第1距離(R1)以内の領域に敵キャラクタの現在位置(E1〜E3)が含まれるか否かが判断される。そして、プレイヤキャラクタの現在位置(P)から第1距離(R1)以内の領域に敵キャラクタの現在位置(E1〜E3)が含まれない状態が所定期間(T1)継続した場合、プレイヤキャラクタの移動モードが通常移動モードから加速移動モードへと移行される。
【0075】
加速移動モードでは、図8(b)に示すように、プレイヤキャラクタは移動指示操作に対応する方向(v0)に第2移動速度(S2)で移動する。この場合、プレイヤキャラクタの現在位置(P)から第2距離(R2)以内の領域に敵キャラクタの現在位置(E1〜E3)が含まれるか否かが判断される。そして、プレイヤキャラクタの現在位置(P)から第2距離(R2)以内の領域に敵キャラクタの現在位置(E1〜E3)が含まれると判断された場合、プレイヤキャラクタの移動モードが加速移動モードから通常移動モードへと戻される。
【0076】
プレイヤキャラクタの移動速度をプレイヤが自由に速くできるようにすると、例えば敵キャラクタをプレイヤキャラクタに攻撃させることが容易になってしまったり、敵キャラクタからの攻撃をプレイヤキャラクタに回避させることが容易になってしまう等、ゲームバランスを著しく損なうおそれがあるが、ゲーム装置10によれば、プレイヤキャラクタの周囲に敵キャラクタが存在しない状態が所定期間継続した場合にのみ、プレイヤキャラクタがより速く移動可能となる。このため、ゲーム装置10によれば、ゲームバランスが著しく損なわれることがないように担保しつつ、敵キャラクタが存在しないような場所においてプレイヤキャラクタを単に移動させるだけの時間を軽減し、ひいてはプレイヤに与えるストレスの軽減をできるようになる。
【0077】
なお、本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0078】
例えば、プレイヤキャラクタの現在位置に基づいて決定される検出対象領域に敵キャラクタが含まれる場合に、プレイヤキャラクタの移動速度が遅くなるように移動速度パラメータの値を制御するようにしてもよい。
【0079】
例えば、以上では3つの座標要素を有するゲーム空間で展開される3次元アクションゲームに本発明を適用する例について説明した。しかしながら、本発明は、2つの座標要素を有するゲーム空間で展開されるゲーム(2次元ゲーム)にも適用できるものであり、アクションゲーム以外の他の種類のゲームにも適用できるものである。
【0080】
また、以上の説明では、プログラムを情報記憶媒体たるDVD−ROM25から家庭用ゲーム機11に供給するようにしたが、通信ネットワークを介してプログラムを家庭等に配信するようにしてもよい。図9は、通信ネットワークを用いたプログラム配信システムの全体構成を示す図である。同図に基づいて本発明に係るプログラム配信方法を説明する。同図に示すように、このプログラム配信システム100は、ゲームデータベース102、サーバ104、通信ネットワーク106、パソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA(携帯情報端末)112を含んでいる。このうち、ゲームデータベース102とサーバ104とによりプログラム配信装置114が構成される。通信ネットワーク106は、例えばインターネットやケーブルテレビネットワークを含んで構成されている。このシステムでは、ゲームデータベース(情報記憶媒体)102に、DVD−ROM25の記憶内容と同様のプログラムが記憶されている。そして、パソコン108、家庭用ゲーム機110又はPDA112等を用いて需要者がゲーム配信要求をすることにより、それが通信ネットワーク106を介してサーバ104に伝えられる。そして、サーバ104はゲーム配信要求に応じてゲームデータベース102からプログラムを読み出し、それをパソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA112等、ゲーム配信要求元に送信する。ここではゲーム配信要求に応じてゲーム配信するようにしたが、サーバ104から一方的に送信するようにしてもよい。また、必ずしも一度にゲームの実現に必要な全てのプログラムを配信(一括配信)する必要はなく、ゲームの局面に応じて必要な部分を配信(分割配信)するようにしてもよい。このように通信ネットワーク106を介してゲーム配信するようにすれば、プログラムを需要者は容易に入手することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本実施の形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。
【図2】コントローラの一例を示す図である。
【図3】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図4】本実施の形態に係るゲーム装置の機能ブロックを示す図である。
【図5】ゲーム装置で実行される処理について示すフロー図である。
【図6】ゲーム装置で実行される処理について示すフロー図である。
【図7】ゲーム装置で実行される処理について示すフロー図である。
【図8】通常移動モードと加速移動モードにおける検出対象領域について示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るプログラム配信システムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
10 ゲーム装置、11,110 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 画像処理部、18 モニタ、20 音声処理部、22 スピーカ、24 DVD−ROM再生部、25 DVD−ROM、26 主記憶、28 メモリカード、30 入出力処理部、32 コントローラ、34 方向ボタン、36 スタートボタン、38A,38B,38X,38Y,40L,40R,42L,42R ボタン、50 位置情報記憶部、52 移動速度情報制御部、54 位置情報更新部、56 判断部、58 第1判断部、60 第2判断部、100 プログラム配信システム、102 ゲームデータベース、104 サーバ、106 通信ネットワーク、108 パソコン、112 携帯情報端末(PDA)、114 プログラム配信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作対象体と検出対象体とがゲーム空間に配置され、少なくとも前記操作対象体が前記ゲーム空間において移動するゲームを実行するゲーム装置において、
前記操作対象体の位置を前記操作対象体の移動速度に基づいて更新する位置更新手段と、
前記操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に前記検出対象体が含まれるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果に基づいて、前記操作対象体の移動速度を変化させる移動速度制御手段と、
を含み、
前記判断手段は、前記操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に前記検出対象体が含まれるか否かを、所定時間ごとに判断する第1判断手段と、前記所定時間よりも長い所与の期間において前記第1判断手段によってなされた複数の判断結果が移動速度変化条件を満足するか否かを判断する第2判断手段と、を含み、
前記移動速度制御手段は、前記第2判断手段による判断結果に基づいて、前記操作対象体の移動速度を変化させる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記移動速度変化条件は、前記所与の期間において前記第1判断手段によってなされた複数の判断結果のいずれもが所定判断結果であるか否かの条件であることを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記所定判断結果は、前記検出対象領域に前記検出対象体が含まれないとの判断結果であり、
前記移動速度制御手段は、前記操作対象体の移動速度を速くする、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記操作対象体の正面方向の前記検出対象領域の大きさが前記操作対象体の背面方向の前記検出対象領域の大きさに比べて大きくなるように設定されることを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
操作対象体と検出対象体とがゲーム空間に配置され、少なくとも前記操作対象体が前記ゲーム空間において移動するゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、
前記操作対象体の位置を前記操作対象体の移動速度に基づいて更新する位置更新ステップと、
前記操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に前記検出対象体が含まれるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップによる判断結果に基づいて、前記操作対象体の移動速度を変化させる移動速度制御ステップと、
を含み、
前記判断ステップは、前記操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に前記検出対象体が含まれるか否かを、所定時間ごとに判断する第1判断ステップと、前記所定時間よりも長い所与の期間において前記第1判断ステップによってなされた複数の判断結果が移動速度変化条件を満足するか否かを判断する第2判断ステップと、を含み、
前記移動速度制御ステップは、前記第2判断ステップによる判断結果に基づいて、前記操作対象体の移動速度を変化させる、
ことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項6】
操作対象体と検出対象体とがゲーム空間に配置され、少なくとも前記操作対象体が前記ゲーム空間において移動するゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記操作対象体の位置を前記操作対象体の移動速度に基づいて更新する位置更新手段、
前記操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に前記検出対象体が含まれるか否かを判断する判断手段、及び、
前記判断手段による判断結果に基づいて、前記操作対象体の移動速度を変化させる移動速度制御手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記判断手段は、前記操作対象体の位置に基づいて決定される検出対象領域に前記検出対象体が含まれるか否かを、所定時間ごとに判断する第1判断手段と、前記所定時間よりも長い所与の期間において前記第1判断手段によってなされた複数の判断結果が移動速度変化条件を満足するか否かを判断する第2判断手段と、を含み、
前記移動速度制御手段は、前記第2判断手段による判断結果に基づいて、前記操作対象体の移動速度を変化させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−167479(P2006−167479A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−12855(P2006−12855)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【分割の表示】特願2004−362270(P2004−362270)の分割
【原出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000105637)コナミ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】