説明

ゲーム装置およびゲームプログラム

【課題】他のプレイヤと擬似的に対戦ゲームを行う際のリアリティを向上させることができるゲーム装置およびゲームプログラムを提供する。
【解決手段】操作データに応じて、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタを行動させ、プレイヤキャラクタの行動に基づいて、当該プレイヤキャラクタを操作するプレイヤに関する操作傾向を示す操作傾向データを生成し、プレイヤキャラクタの画像データおよび操作傾向データの組を記憶する。そして、記憶された画像データに基づいて当該画像データが示すノンプレイヤキャラクタの画像を表示装置に表示し、記憶された操作傾向データに基づいて仮想ゲーム世界におけるノンプレイヤキャラクタの行動を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置およびゲームプログラムに関し、より特定的には、他のプレイヤとの疑似的に対戦ゲームを行うゲーム装置およびゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、他のプレイヤと擬似的に対戦ゲームを行うゲームシステムが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。上記特許文献1で開示されたゲーム機は、プレイヤのプレイ履歴に基づいて当該プレイヤのプレイ傾向を示す傾向パラメータ(プレイヤの癖)を生成して、他のゲーム機に送信している。当該ゲーム機は、他のゲーム機から傾向パラメータを受信すると、アプリケーション処理部がその傾向パラメータに基づいてキャラクタを動作させる。これによって、ゲーム機のプレイヤは、他のプレイヤとの擬似的な対戦プレイを行うことができる。
【0003】
また、上記特許文献2には、サーバとの通信接続が可能なゲーム装置で行われたプレイヤの操作入力傾向を、他ゲーム装置で再現することにより、プレイヤを模擬したキャラクタとの対戦を他ゲーム装置において実現するサーバシステムが開示されている。上記特許文献2で開示されたサーバシステムでは、サーバは、ゲーム装置からアップロードされるプレイ傾向データに基づいて再現用コードを生成する。そして、上記サーバは、生成した再現用コードをプレイヤ端末に送信する。したがって、プレイヤ端末のプレイヤは、取得した再現用コードを用いて、他のプレイヤとの模擬対戦することができる。
【特許文献1】特開2005−319134号公報
【特許文献2】特開2006−280453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1で開示されたゲーム機や上記特許文献2で開示されたサーバシステムは、いずれもプレイ傾向データ(プレイヤの癖)のみを送受信することにより、他のプレイヤとの擬似的な対戦を行うことができるようにするものであり、プレイヤのプレイ傾向データとプレイヤを表すキャラクタデータとを関連付けて送受信するものではなかった。例えば、受信したプレイ傾向データを用いて制御されるキャラクタは、ゲーム装置内に予め記憶されている複数種類のキャラクタの中から選択される。そのため、プレイ傾向データの元となるプレイヤと選択されるキャラクタとの特徴が一致しない場合があり、擬似的な対戦ゲームにおけるリアリティに欠けるという問題があった。
【0005】
それ故に、本発明の主たる目的は、他のプレイヤと擬似的に対戦ゲームを行う際のリアリティを向上させることができるゲーム装置およびゲームプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号やステップ番号等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、プレイヤの操作入力に応じて所定のゲームを実行し、他のゲーム装置と通信可能なゲーム装置(3)である。ゲーム装置は、操作データ取得手段(ステップS103を実行するCPU10;以下、単にステップ番号のみを記載する)、プレイヤキャラクタ制御手段(S103)、操作傾向データ生成手段(S105、S122)、プレイヤデータ記憶手段(S52〜S54、S105、S122、Db、Dc)、送信手段(S86、S124)、受信手段(S87、S125)、ノンプレイヤデータ記憶手段(S88、S126、Dd、De)、表示制御手段(S114、図9〜図11)、およびノンプレイヤキャラクタ制御手段(S108〜S114)を備える。操作データ取得手段は、入力装置から出力される操作データ(Da)を取得する。プレイヤキャラクタ制御手段は、操作データに応じて、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタを行動させる。操作傾向データ生成手段は、プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの行動に基づいて、当該プレイヤキャラクタを操作するプレイヤに関する操作傾向を示す操作傾向データ(癖データ)を生成する。プレイヤデータ記憶手段は、プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの画像データおよび操作傾向データ生成手段が生成する操作傾向データを記憶する。送信手段は、プレイヤデータ記憶手段が記憶した画像データおよび操作傾向データの組を他のゲーム装置へ送信する。受信手段は、他のゲーム装置から送信された画像データおよび操作傾向データの組を受信する。ノンプレイヤデータ記憶手段は、受信手段が受信した他のゲーム装置の画像データおよび操作傾向データの組を記憶する。表示制御手段は、ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された他のゲーム装置の画像データに基づいて、当該画像データが示すノンプレイヤキャラクタの画像を表示装置(2)に表示する。ノンプレイヤキャラクタ制御手段は、ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された他のゲーム装置の操作傾向データに基づいて、仮想ゲーム世界におけるノンプレイヤキャラクタの行動を制御する。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、画像データ作成手段を、さらに備える。画像データ作成手段は、部位毎に予め用意された複数種類のパーツオブジェクトから部位毎にパーツオブジェクトを操作データに応じて選択し、当該選択されたパーツオブジェクトを組み合わせて作成される似顔絵を示すデータ(似顔絵データ)を画像データとして作成する。
【0009】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、ノンプレイヤキャラクタ制御手段は、ゲーム場面に対して設定された項目別の点数(安全性基礎点、あがりやすさ基礎点、特定局面加算値)を操作傾向データで示される数値(係数A、係数B)でそれぞれ重み付けして、ノンプレイヤキャラクタの行動を決定する。
【0010】
第4の発明は、上記第3の発明において、ノンプレイヤキャラクタ制御手段は、ゲーム場面に対する行動選択肢(可能な手)それぞれに設定された項目別の点数を操作傾向データで示される数値でそれぞれ重み付けして総合点(E)を算出し、総合点が最も高い行動選択肢をノンプレイヤキャラクタの行動として決定する。
【0011】
第5の発明は、上記第3の発明において、操作傾向データ生成手段は、ゲーム場面(特定局面)において選択したプレイヤキャラクタの行動の割合に基づいてプレイヤに関する操作傾向を推定して操作傾向データを生成する(図15)。
【0012】
第6の発明は、上記第5の発明において、操作傾向データ生成手段は、ゲーム場面と類似する場面が到来する毎に行動の割合を更新して操作傾向データを更新する。
【0013】
第7の発明は、上記第3の発明において、操作傾向データ生成手段は、統計情報生成手段(S121)を含む。統計情報生成手段は、プレイヤキャラクタが行動したゲームの結果の統計情報を生成して記憶する(Dl)。操作傾向データ生成手段は、プレイヤキャラクタの統計情報に基づいて、プレイヤに関する操作傾向を推定して操作傾向データを生成する。
【0014】
第8の発明は、上記第1または第2の発明において、質問提示手段および操作傾向データ補正手段を、さらに備える。質問提示手段は、他のゲーム装置のプレイヤに関する質問を提示する。操作傾向データ補正手段は、質問提示手段が提示した質問の応答として得られた操作データに応じて、ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された他のゲーム装置のプレイヤの操作傾向を示す操作傾向データを補正する。
【0015】
第9の発明は、上記第2の発明において、操作傾向データ生成手段は、画像データ生成手段が選択したパーツオブジェクトに応じて、操作傾向データが示す値の初期値を設定する。
【0016】
第10の発明は、プレイヤの操作入力に応じて所定のゲームを実行するゲーム装置である。ゲーム装置は、操作データ取得手段、プレイヤキャラクタ制御手段、操作傾向データ生成手段、プレイヤデータ記憶手段、ノンプレイヤデータ記憶手段、表示制御手段、およびノンプレイヤキャラクタ制御手段を備える。操作データ取得手段は、入力装置から出力される操作データを取得する。プレイヤキャラクタ制御手段は、操作データに応じて、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタを行動させる。操作傾向データ生成手段は、プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの行動に基づいて、当該プレイヤキャラクタを操作するプレイヤに関する操作傾向を示す操作傾向データを生成する。プレイヤデータ記憶手段は、プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの画像データおよび操作傾向データ生成手段が生成する操作傾向データを記憶する。ノンプレイヤデータ記憶手段は、プレイヤデータ記憶手段が記憶した画像データおよび操作傾向データの組から、ノンプレイヤキャラクタとして表示させて行動させるための画像データおよび操作傾向データの組を選択して記憶する。表示制御手段は、ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された画像データに基づいて、当該画像データが示すノンプレイヤキャラクタの画像を表示装置に表示する。ノンプレイヤキャラクタ制御手段は、ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された操作傾向データに基づいて、仮想ゲーム世界におけるノンプレイヤキャラクタの行動を制御する。
【0017】
第11の発明は、プレイヤの操作入力に応じて所定のゲームを実行し、他のゲーム装置と通信可能なゲーム装置のコンピュータ(10)で実行されるゲームプログラムである。ゲームプログラムは、操作データ取得手段、プレイヤキャラクタ制御手段、操作傾向データ生成手段、プレイヤデータ記憶制御手段、送信手段、受信手段、ノンプレイヤデータ記憶制御手段、表示制御手段、およびノンプレイヤキャラクタ制御手段として、コンピュータを機能させる。操作データ取得手段は、入力装置から出力される操作データを取得する。プレイヤキャラクタ制御手段と、操作データに応じて、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタを行動させる。操作傾向データ生成手段は、プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの行動に基づいて、当該プレイヤキャラクタを操作するプレイヤに関する操作傾向を示す操作傾向データを生成する。プレイヤデータ記憶制御手段は、プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの画像データおよび操作傾向データ生成手段が生成する操作傾向データをメモリ(12、17、35)に記憶する。送信手段は、メモリに記憶した画像データおよび操作傾向データの組を他のゲーム装置へ送信する。受信手段は、他のゲーム装置から送信された画像データおよび操作傾向データの組を受信する。ノンプレイヤデータ記憶制御手段は、受信手段が受信した他のゲーム装置の画像データおよび操作傾向データの組をメモリに記憶する。表示制御手段は、ノンプレイヤデータ記憶手段がメモリに記憶した他のゲーム装置の画像データに基づいて、当該画像データが示すノンプレイヤキャラクタの画像を表示装置に表示する。ノンプレイヤキャラクタ制御手段は、ノンプレイヤデータ記憶手段がメモリに記憶した他のゲーム装置の操作傾向データに基づいて、仮想ゲーム世界におけるノンプレイヤキャラクタの行動を制御する。
【0018】
第12の発明は、プレイヤの操作入力に応じて所定のゲームを実行するゲーム装置のコンピュータで実行されるゲームプログラムである。ゲームプログラムは、操作データ取得手段、プレイヤキャラクタ制御手段、操作傾向データ生成手段、プレイヤデータ記憶制御手段、ノンプレイヤデータ記憶制御手段、表示制御手段、およびノンプレイヤキャラクタ制御手段として、コンピュータを機能させる。操作データ取得手段は、入力装置から出力される操作データを取得する。プレイヤキャラクタ制御手段は、操作データに応じて、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタを行動させる。操作傾向データ生成手段は、プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの行動に基づいて、当該プレイヤキャラクタを操作するプレイヤに関する操作傾向を示す操作傾向データを生成する。プレイヤデータ記憶制御手段は、プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの画像データおよび操作傾向データ生成手段が生成する操作傾向データをメモリに記憶する。ノンプレイヤデータ記憶制御手段は、プレイヤデータ記憶制御手段が記憶した画像データおよび操作傾向データの組から、ノンプレイヤキャラクタとして表示させて行動させるための画像データおよび操作傾向データの組を選択してメモリに記憶する。表示制御手段は、ノンプレイヤデータ記憶制御手段がメモリに記憶した画像データに基づいて、当該画像データが示すノンプレイヤキャラクタの画像を表示装置に表示する。ノンプレイヤキャラクタ制御手段は、ノンプレイヤデータ記憶制御手段がメモリに記憶した操作傾向データに基づいて、仮想ゲーム世界におけるノンプレイヤキャラクタの行動を制御する。
【発明の効果】
【0019】
上記第1の発明によれば、他のゲーム装置との間でプレイヤの操作傾向データとプレイヤが操作するプレイヤキャラクタの画像データとが送受信される。そして、他のゲーム装置との通信が終了した後であっても、当該他のゲーム装置で用いられていたキャラクタをノンプレイヤキャラクタとして用いることが可能となる。この場合、既に受信した画像データに基づいたキャラクタを画面に表示すると共に、当該キャラクタを操作傾向データに基づいて行動制御させるので、あたかも他のゲーム装置のプレイヤが操作するプレイヤキャラクタと実際にゲームを行っているような感覚を得ることができ、擬似プレイのリアリティを向上させることができる。
【0020】
上記第2の発明によれば、他のゲーム装置を操作するプレイヤの分身となり得る似顔絵が当該プレイヤの操作傾向と共に送受信されるため、さらに擬似プレイのリアリティを向上させることができる。
【0021】
上記第3の発明によれば、ゲーム進行において到来する特定局面等におけるノンプレイヤキャラクタの行動が、他のプレイヤの操作傾向で重み付けられて決定されるため、当該特定局面における他のプレイヤの操作傾向が反映された行動をノンプレイヤキャラクタがとることができる。
【0022】
上記第4の発明によれば、ゲーム進行において到来する特定局面等において複数の行動の選択肢がある場合、ノンプレイヤキャラクタが選択する行動が、他のプレイヤの操作傾向で重み付けられて決定されるため、当該特定局面における他のプレイヤの操作傾向が反映されて選択された行動をノンプレイヤキャラクタがとることができる。
【0023】
上記第5の発明によれば、ゲーム進行において到来する特定局面等における他のプレイヤの操作傾向を反映した操作傾向データを作成することができる。
【0024】
上記第6の発明によれば、ゲーム進行における上記特定局面等が到来する毎に操作傾向データが更新されるため、最新の操作傾向が反映された行動をノンプレイヤキャラクタがとることができる。
【0025】
上記第7の発明によれば、ノンプレイヤキャラクタの行動が、ゲーム結果の統計情報に基づいた他のプレイヤの操作傾向で重み付けられて決定されるため、他のプレイヤのゲームの進め方傾向が反映された行動をノンプレイヤキャラクタがとることができる。
【0026】
上記第8の発明によれば、他のプレイヤに関する質問の結果に応じて操作傾向データを補正することによって、客観的な観点から見た他のプレイヤの性格等を反映させた操作傾向データを生成することが可能となる。
【0027】
上記第9の発明によれば、プレイヤが作成した似顔絵に応じた操作傾向データが作成される。
【0028】
上記第10の発明によれば、ゲーム装置でプレイしたプレイヤの操作傾向データとプレイヤが操作するプレイヤキャラクタの画像データとが記憶される。そして、当該ゲーム装置で用いられていたキャラクタは、ノンプレイヤキャラクタとして用いることが可能となる。この場合、既にゲームプレイで用いられた画像データに基づいたキャラクタを画面に表示すると共に、当該キャラクタを操作傾向データに基づいて行動制御させるので、あたかも以前にゲーム装置でプレイした別のプレイヤが操作するプレイヤキャラクタと実際にゲームを行っているような感覚を得ることができ、擬似プレイのリアリティを向上させることができる。例えば、麻雀ゲームやカードゲーム等のように相手の牌やカードが隠されて進行するゲームの場合、複数のプレイヤが同時に同じゲーム装置を操作してゲームをすることは難しいが、既に得られた画像データおよび操作傾向データを用いることによって、あたかも複数のプレイヤが同時に操作しているようなリアリティあるゲームが可能となる。
【0029】
本発明のゲームプログラムによれば、上述したゲーム装置と同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1を参照して、本発明の一実施形態に係るゲームプログラムを実行する装置について説明する。以下、説明を具体的にするために、当該装置の一例の据置型のゲーム装置本体5を含むゲームシステムについて説明する。なお、図1は据置型のゲーム装置3を含むゲームシステム1の外観図であり、図2はゲーム装置本体5のブロック図である。以下、当該ゲームシステム1について説明する。
【0031】
図1において、ゲームシステム1は、表示手段の一例の家庭用テレビジョン受像機(以下、モニタと記載する)2と、当該モニタ2に接続コードを介して接続する据置型のゲーム装置3とから構成される。モニタ2は、ゲーム装置本体5から出力された音声信号を音声出力するためのスピーカ2aを備える。また、ゲーム装置3は、本願発明のゲームプログラムの一例であるゲームプログラムを記録した光ディスク4と、当該光ディスク4のゲームプログラムを実行してゲーム画面をモニタ2に表示出力させるためのコンピュータを搭載したゲーム装置本体5と、ゲーム画面に表示されたキャラクタ等を操作するゲームに必要な操作情報をゲーム装置本体5に与えるためのコントローラ7とを備えている。
【0032】
また、ゲーム装置本体5は、無線コントローラモジュール19(図2参照)を内蔵する。無線コントローラモジュール19は、コントローラ7から無線送信されるデータを受信し、ゲーム装置本体5からコントローラ7へデータを送信して、コントローラ7とゲーム装置本体5とを無線通信によって接続する。さらに、ゲーム装置本体5には、当該ゲーム装置本体5に対して交換可能に用いられる情報記憶媒体の一例の光ディスク4が脱着される。
【0033】
また、ゲーム装置本体5には、後述する各種データやゲームソフト処理におけるセーブデータ等のデータを固定的に記憶するバックアップメモリとして機能するフラッシュメモリ17(図2参照)が搭載される。ゲーム装置本体5は、光ディスク4に記憶されたゲームプログラム等を実行することによって、その結果をゲーム画像としてモニタ2に表示する。また、ゲームプログラム等は、光ディスク4に限らず、フラッシュメモリ17に予め記録されたものを実行するようにしてもよい。さらに、ゲーム装置本体5は、フラッシュメモリ17に記憶されたセーブデータを用いて、過去に実行されたゲーム状態を再現して、ゲーム画像をモニタ2に表示することもできる。そして、ゲーム装置本体5のプレイヤは、モニタ2に表示されたゲーム画像を見ながら、コントローラ7を操作することによって、ゲーム進行を楽しむことができる。
【0034】
コントローラ7は、無線コントローラモジュール19を内蔵するゲーム装置本体5へ、例えばBluetooth(ブルートゥース;登録商標)の技術を用いて操作情報等の送信データを無線送信する。コントローラ7は、主にモニタ2の表示画面に表示されるオブジェクト等を操作するための操作手段である。コントローラ7は、片手で把持可能な程度の大きさのハウジングと、当該ハウジングの表面に露出して設けられた複数個の操作ボタン(十字キーやスティック等を含む)とが設けられている。また、後述により明らかとなるが、コントローラ7は、当該コントローラ7から見た画像を撮像する撮像情報演算部74を備えている。また、撮像情報演算部74の撮像対象の一例として、モニタ2の表示画面近傍に2つのLEDモジュール(以下、マーカと記載する)8Lおよび8Rが設置される。これらマーカ8Lおよび8Rは、それぞれモニタ2の前方に向かって例えば赤外光を出力する。また、コントローラ7は、ゲーム装置本体5の無線コントローラモジュール19から無線送信された送信データを通信部75で受信して、当該送信データに応じた音や振動を発生させることもできる。
【0035】
次に、図2を参照して、ゲーム装置本体5の内部構成について説明する。図2は、ゲーム装置本体5の構成を示すブロック図である。ゲーム装置本体5は、CPU(Central Processing Unit)10、システムLSI(Large Scale Integration)11、外部メインメモリ12、ROM/RTC(Read Only Memory/Real Time Clock)13、ディスクドライブ14、およびAV−IC(Audio Video−Integrated Circuit)15等を有する。
【0036】
CPU10は、光ディスク4に記憶されたゲームプログラムを実行することによってゲーム処理を実行するものであり、ゲームプロセッサとして機能する。CPU10は、システムLSI11に接続される。システムLSI11には、CPU10の他、外部メインメモリ12、ROM/RTC13、ディスクドライブ14、およびAV−IC15が接続される。システムLSI11は、それに接続される各構成要素間のデータ転送の制御、表示すべき画像の生成、外部装置からのデータの取得等の処理を行う。なお、システムLSI11の内部構成については、後述する。揮発性の外部メインメモリ12は、光ディスク4から読み出されたゲームプログラムや、フラッシュメモリ17から読み出されたゲームプログラム等のプログラムを記憶したり、各種データを記憶したりするものであり、CPU10のワーク領域やバッファ領域として用いられる。ROM/RTC13は、ゲーム装置本体5の起動用のプログラムが組み込まれるROM(いわゆるブートROM)と、時間をカウントするクロック回路(RTC)とを有する。ディスクドライブ14は、光ディスク4からプログラムデータやテクスチャデータ等を読み出し、後述する内部メインメモリ35または外部メインメモリ12に読み出したデータを書き込む。
【0037】
また、システムLSI11には、入出力プロセッサ31、GPU(Graphics Processor Unit)32、DSP(Digital Signal Processor)33、VRAM(Video RAM)34、および内部メインメモリ35が設けられる。図示は省略するが、これらの構成要素31〜35は、内部バスによって互いに接続される。
【0038】
GPU32は、描画手段の一部を形成し、CPU10からのグラフィクスコマンド(作画命令)に従って画像を生成する。VRAM34は、GPU32がグラフィクスコマンドを実行するために必要なデータ(ポリゴンデータやテクスチャデータ等のデータ)を記憶する。画像が生成される際には、GPU32は、VRAM34に記憶されたデータを用いて画像データを作成する。
【0039】
DSP33は、オーディオプロセッサとして機能し、内部メインメモリ35や外部メインメモリ12に記憶されるサウンドデータや音波形(音色)データを用いて、音声データを生成する。そして、スピーカ2aから音を出力させる場合、DSP33は、上記サウンドデータを読み出し、AV−IC15およびAVコネクタ16を介して、モニタ2に備えるスピーカ2aに出力させる。また、コントローラ7に搭載されたスピーカ706(図7参照)から音を出力させる場合、DSP33は、上記サウンドデータを読み出し、無線コントローラモジュール19およびアンテナ23を介して、音声データをコントローラ7に送信する。
【0040】
上述のように生成された画像データおよび音声データは、AV−IC15によって読み出される。AV−IC15は、AVコネクタ16を介して、読み出した画像データをモニタ2に出力するとともに、読み出した音声データをモニタ2に内蔵されるスピーカ2aに出力する。これによって、画像がモニタ2に表示されるとともに音がスピーカ2aから出力される。
【0041】
入出力プロセッサ(I/Oプロセッサ)31は、それに接続される構成要素との間でデータの送受信を実行したり、外部装置からのデータのダウンロードを実行したりする。入出力プロセッサ31は、フラッシュメモリ17、無線通信モジュール18、無線コントローラモジュール19、拡張コネクタ20、および外部メモリカード用コネクタ21に接続される。無線通信モジュール18にはアンテナ22が接続され、無線コントローラモジュール19にはアンテナ23が接続される。
【0042】
入出力プロセッサ31は、無線通信モジュール18およびアンテナ22を介してネットワークに接続し、ネットワークに接続される他のゲーム装置や各種サーバと通信することができる。入出力プロセッサ31は、定期的にフラッシュメモリ17にアクセスし、ネットワークへ送信する必要があるデータの有無を検出し、当該データが有る場合には、無線通信モジュール18およびアンテナ22を介して当該データをネットワークに送信する。また、入出力プロセッサ31は、他のゲーム装置から送信されてくるデータやダウンロードサーバからダウンロードしたデータを、ネットワーク、アンテナ22、および無線通信モジュール18を介して受信し、受信したデータをフラッシュメモリ17に記憶する。CPU10は、ゲームプログラムを実行することにより、フラッシュメモリ17に記憶されたデータを読み出してゲームプログラムやゲームプログラムの実行動作で利用する。フラッシュメモリ17には、ゲーム装置本体5と他のゲーム装置や各種サーバとの間で送受信されるデータの他、上述したようにゲーム装置本体5を利用してプレイしたゲームのセーブデータ(ゲームの結果データまたは途中データ)が記憶されてもよい。
【0043】
また、入出力プロセッサ31は、アンテナ23および無線コントローラモジュール19を介して、コントローラ7から送信される操作データ等を受信し、内部メインメモリ35または外部メインメモリ12のバッファ領域に記憶(一時記憶)する。なお、内部メインメモリ35には、外部メインメモリ12と同様に、光ディスク4から読み出されたゲームプログラムや、フラッシュメモリ17から読み出されたゲームプログラム等のプログラムを記憶したり、各種データを記憶したりしてもよく、CPU10のワーク領域やバッファ領域として用いられてもかまわない。
【0044】
さらに、入出力プロセッサ31には、拡張コネクタ20および外部メモリカード用コネクタ21が接続される。拡張コネクタ20は、USBやSCSIのようなインターフェースのためのコネクタであり、外部記憶媒体のようなメディアを接続したり、他のコントローラのような周辺機器を接続したり、有線の通信用コネクタを接続することによって無線通信モジュール18に替えてネットワークとの通信を行ったりすることができる。外部メモリカード用コネクタ21は、メモリカードのような外部記憶媒体を接続するためのコネクタである。例えば、入出力プロセッサ31は、拡張コネクタ20や外部メモリカード用コネクタ21を介して、外部記憶媒体にアクセスし、データを保存したり、データを読み出したりすることができる。
【0045】
また、ゲーム装置本体5(例えば、前部主面)には、当該ゲーム装置本体5の電源ボタン24、ゲーム処理のリセットボタン25、光ディスク4を脱着する投入口、およびゲーム装置本体5の投入口から光ディスク4を取り出すイジェクトボタン26等が設けられている。電源ボタン24およびリセットボタン25は、システムLSI11に接続される。電源ボタン24がオンされると、ゲーム装置本体5の各構成要素に対して、図示しないACアダプタを経て電力が供給される。また、一旦電源ボタン24がオンにされた状態で、再度電源ボタン24を押すと、比較的低電力で動作する低電力スタンバイモードへの移行する。この低電力スタンバイモードでもゲーム装置本体5への通電が行われているため、ゲーム装置本体5をインターネット等のネットワークに常時接続することができる。なお、一旦電源ボタン24がオンにされた状態で、ゲーム装置本体5の電源を完全にオフにしたいときは、電源ボタン24を所定時間以上長押しすることで、電源を完全にオフとすることが可能である。また、リセットボタン25が押されると、システムLSI11は、ゲーム装置本体5の起動プログラムを再起動する。イジェクトボタン26は、ディスクドライブ14に接続される。イジェクトボタン26が押されると、ディスクドライブ14から光ディスク4が排出される。
【0046】
ここで、ゲーム装置本体5が他の装置(他のゲーム装置やサーバ)と行う通信の種類について説明する。当該通信の種類は、大きく分けて2種類ある。第1の通信は、上述の低電力スタンバイモード中においても通信を行い得る、常時接続型のネットワークを利用した通信(以下、常時接続利用型通信と記載する)である。第2の通信は、例えば、通信対戦ゲーム等のアプリケーションプログラムに依存し、必要に応じてその都度接続する通信制御が行われる通信である(以下、随時接続型通信と記載する)。常時接続利用型通信においては、ゲームプログラム等の各種プログラムによる処理に関わらず、上述のように入出力プロセッサ31が独立してフラッシュメモリ17に書き込まれた送信データを送信する。また、アンテナ22および無線通信モジュール18を介して受信したデータやダウンロードしたデータを、フラッシュメモリ17に書き込む。そのため、常時接続利用型通信を利用するアプリケーション(例えばメールアプリケーション等)は、送信したいデータをフラッシュメモリ17に書込み、受信データをフラッシュメモリ17から読み出すだけでよい。また、常時接続利用型通信を利用すれば、上記低電力スタンバイモード中であっても、定期的に通信を行うことができ、更に、所定のゲームプログラムが実行中であっても、そのバックグラウンドのプロセスとして通信を行うことも可能である。
【0047】
ゲーム装置本体5は、ネットワーク等を介して、当該ネットワーク上のサーバと通信可能に接続することができる。例えば、ゲーム装置本体5は、上述した随時接続型通信を用いて、上記サーバとの間でデータ送受信を行う。上記サーバは、大略的に記憶装置、メモリ、CPU、および通信部が、バスを介して相互に接続されている。上記サーバのCPUは、記憶装置からメモリに読み込んだ各種プログラムを実行する演算装置や制御装置である。また、上記サーバの通信部は、ネットワークを介してゲーム装置本体5等と通信を行う。
【0048】
例えば、上記サーバは、各ゲーム装置3から、端末情報を定期的に受信してメモリに格納し、これら端末情報に基づいて、ゲーム装置3からの要求に応じてアドレス情報リストをそのゲーム装置3に返信することを主な機能としている。上記端末情報は、各ゲーム装置3の端末ID、IPアドレス、ホストフラグ、およびユーザID等の情報が含まれており、各ゲーム装置3から送られてくる情報に基づいて更新される。端末IDは、ゲーム装置3を識別するための情報である。IPアドレスは、TCP/IPプロトコルを使用してゲーム装置3にアクセスするためのアドレス情報であって、ポート番号の情報も含まれている。ホストフラグは、ゲーム装置3がホスト端末として動作しているか否かを示すフラグである。ユーザIDは、ゲーム装置3を用いてゲームをプレイしているユーザを識別するための情報である。そして、ゲーム装置3は、受信したアドレス情報リストを用いて、複数のプレイヤが一緒にゲームプレイできるようにピアツーピア型ネットワークを構築し、構築されたピアツーピア型ネットワークのユーザ端末間でゲームデータを通信し合って麻雀ゲーム等のビデオゲームを実行することができる。
【0049】
一具体例として、ゲーム装置3からアドレス情報リストが要求されると、上記サーバは、ホストフラグがオンとなった端末情報を少なくとも1つ抽出し、抽出された端末情報のリストをアドレス情報リストとしてゲーム装置3に返信する。次に、ゲーム装置3は、接続要求先としてアドレス情報リストから少なくとも1つの端末情報を抽出する。そして、ゲーム装置3は、抽出した端末情報に含まれるIPアドレスを用いて、接続要求先となる他のゲーム装置3と通信を開始する。
【0050】
図3および図4を参照して、コントローラ7について説明する。なお、図3は、コントローラ7の上面後方から見た斜視図である。図4は、コントローラ7を下面前方から見た斜視図である。
【0051】
図3および図4において、コントローラ7は、例えばプラスチック成型によって形成されたハウジング71を有しており、当該ハウジング71に複数の操作部72が設けられている。ハウジング71は、その前後方向を長手方向とした略直方体形状を有しており、全体として大人や子供の片手で把持可能な大きさである。
【0052】
ハウジング71上面の中央前面側に、十字キー72aが設けられる。この十字キー72aは、十字型の4方向プッシュスイッチであり、4つの方向(前後左右)に対応する操作部分が十字の突出片にそれぞれ90°間隔で配置される。プレイヤが十字キー72aのいずれかの操作部分を押下することによって前後左右いずれかの方向を選択される。例えばプレイヤが十字キー72aを操作することによって、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタ等の移動方向を指示したり、複数の選択肢から選択指示したりすることができる。
【0053】
なお、十字キー72aは、上述したプレイヤの方向入力操作に応じて操作信号を出力する操作部であるが、他の態様の操作部でもかまわない。例えば、十字方向に4つのプッシュスイッチを配設し、プレイヤによって押下されたプッシュスイッチに応じて操作信号を出力する操作部を設けてもかまわない。さらに、上記4つのプッシュスイッチとは別に、上記十字方向が交わる位置にセンタスイッチを配設し、4つのプッシュスイッチとセンタスイッチとを複合した操作部を設けてもかまわない。また、ハウジング71上面から突出した傾倒可能なスティック(いわゆる、ジョイスティック)を倒すことによって、傾倒方向に応じて操作信号を出力する操作部を上記十字キー72aの代わりに設けてもかまわない。さらに、水平移動可能な円盤状部材をスライドさせることによって、当該スライド方向に応じた操作信号を出力する操作部を、上記十字キー72aの代わりに設けてもかまわない。また、タッチパッドを、上記十字キー72aの代わりに設けてもかまわない。
【0054】
ハウジング71上面の十字キー72aより後面側に、複数の操作ボタン72b〜72gが設けられる。操作ボタン72b〜72gは、プレイヤがボタン頭部を押下することによって、それぞれの操作ボタン72b〜72gに割り当てられた操作信号を出力する操作部である。例えば、操作ボタン72b〜72dには、1番ボタン、2番ボタン、およびAボタン等としての機能が割り当てられる。また、操作ボタン72e〜72gには、マイナスボタン、ホームボタン、およびプラスボタン等としての機能が割り当てられる。これら操作ボタン72a〜72gは、ゲーム装置本体5が実行するゲームプログラムに応じてそれぞれの操作機能が割り当てられる。なお、図3に示した配置例では、操作ボタン72b〜72dは、ハウジング71上面の中央前後方向に沿って並設されている。また、操作ボタン72e〜72gは、ハウジング71上面の左右方向に沿って操作ボタン72bおよび72dの間に並設されている。そして、操作ボタン72fは、その上面がハウジング71の上面に埋没しており、プレイヤが不意に誤って押下することのないタイプのボタンである。
【0055】
また、ハウジング71上面の十字キー72aより前面側に、操作ボタン72hが設けられる。操作ボタン72hは、遠隔からゲーム装置本体5の電源をオン/オフする電源スイッチである。この操作ボタン72hも、その上面がハウジング71の上面に埋没しており、プレイヤが不意に誤って押下することのないタイプのボタンである。
【0056】
また、ハウジング71上面の操作ボタン72cより後面側に、複数のLED702が設けられる。ここで、コントローラ7は、他のコントローラ7と区別するためにコントローラ種別(番号)が設けられている。例えば、LED702は、コントローラ7に現在設定されている上記コントローラ種別をプレイヤに通知するために用いられる。具体的には、無線コントローラモジュール19からコントローラ7へ、複数のLED702のうち、上記コントローラ種別に対応するLEDを点灯させるための信号が送信される。
【0057】
また、ハウジング71上面には、操作ボタン72bおよび操作ボタン72e〜72gの間に後述するスピーカ(図5に示すスピーカ706)からの音を外部に放出するための音抜き孔が形成されている。
【0058】
一方、ハウジング71下面には、凹部が形成されている。ハウジング71下面の凹部は、プレイヤがコントローラ7の前面をマーカ8Lおよび8Rに向けて片手で把持したときに、当該プレイヤの人差し指や中指が位置するような位置に形成される。そして、上記凹部の傾斜面には、操作ボタン72iが設けられる。操作ボタン72iは、例えばBボタンとして機能する操作部である。
【0059】
また、ハウジング71前面には、撮像情報演算部74の一部を構成する撮像素子743が設けられる。ここで、撮像情報演算部74は、コントローラ7が撮像した画像データを解析してその中で輝度が高い場所を判別してその場所の重心位置やサイズなどを検出するためのシステムであり、例えば、最大200フレーム/秒程度のサンプリング周期であるため比較的高速なコントローラ7の動きでも追跡して解析することができる。この撮像情報演算部74の詳細な構成については、後述する。また、ハウジング71の後面には、コネクタ73が設けられている。コネクタ73は、例えばエッジコネクタであり、例えば接続ケーブルと嵌合して接続するために利用される。
【0060】
次に、図5および図6を参照して、コントローラ7の内部構造について説明する。なお、図5は、コントローラ7の上筐体(ハウジング71の一部)を外した状態を後面側から見た斜視図である。図6は、コントローラ7の下筐体(ハウジング71の一部)を外した状態を前面側から見た斜視図である。ここで、図6に示す基板700は、図5に示す基板700の裏面から見た斜視図となっている。
【0061】
図5において、ハウジング71の内部には基板700が固設されており、当該基板700の上主面上に操作ボタン72a〜72h、加速度センサ701、LED702、およびアンテナ754等が設けられる。そして、これらは、基板700等に形成された配線(図示せず)によってマイコン751等(図6、図7参照)に接続される。また、無線モジュール753(図7参照)およびアンテナ754によって、コントローラ7がワイヤレスコントローラとして機能する。なお、ハウジング71内部には図示しない水晶振動子が設けられており、後述するマイコン751の基本クロックを生成する。また、基板700の上主面上に、スピーカ706およびアンプ708が設けられる。
【0062】
また、加速度センサ701は、操作ボタン72dの左側の基板700上(つまり、基板700の中央部ではなく周辺部)に設けられる。したがって、加速度センサ701は、コントローラ7の長手方向を軸とした回転に応じて、重力加速度の方向変化に加え、遠心力による成分が含まれる加速度を検出することができるので、所定の演算により、検出される加速度データからコントローラ7の動きを良好な感度でゲーム装置本体5等が判定することができる。例えば、コントローラ7は、3軸の加速度センサ701を備えている。この3軸の加速度センサ701は、3方向、すなわち、上下方向、左右方向、および前後方向で直線加速度を検知する。そして、加速度センサ701でそれぞれ検知された加速度を示すデータは、通信部75に出力される。
【0063】
一方、図6において、基板700の下主面上の前端縁に撮像情報演算部74が設けられる。撮像情報演算部74は、コントローラ7の前方から順に赤外線フィルタ741、レンズ742、撮像素子743、および画像処理回路744によって構成されており、それぞれ基板700の下主面に取り付けられる。また、基板700の下主面上の後端縁にコネクタ73が取り付けられる。さらに、基板700の下主面上にサウンドIC707およびマイコン751が設けられている。サウンドIC707は、基板700等に形成された配線によってマイコン751およびアンプ708と接続され、ゲーム装置本体5から送信されたサウンドデータに応じてアンプ708を介してスピーカ706に音声信号を出力する。
【0064】
そして、基板700の下主面上には、バイブレータ704が取り付けられる。バイブレータ704は、例えば振動モータやソレノイドである。バイブレータ704は、基板700等に形成された配線によってマイコン751と接続され、ゲーム装置本体5から送信された振動データに応じてその作動をオン/オフする。バイブレータ704が作動することによってコントローラ7に振動が発生するので、それを把持しているプレイヤの手にその振動が伝達され、いわゆる振動対応ゲームが実現できる。ここで、バイブレータ704は、ハウジング71のやや前方寄りに配置されるため、プレイヤが把持している状態において、ハウジング71が大きく振動することになり、振動を感じやすくなる。
【0065】
次に、図7を参照して、コントローラ7の内部構成について説明する。なお、図7は、コントローラ7の構成を示すブロック図である。
【0066】
図7において、コントローラ7は、上述した操作部72、撮像情報演算部74、加速度センサ701、バイブレータ704、スピーカ706、サウンドIC707、およびアンプ708の他に、その内部に通信部75を備えている。
【0067】
撮像情報演算部74は、赤外線フィルタ741、レンズ742、撮像素子743、および画像処理回路744を含んでいる。赤外線フィルタ741は、コントローラ7の前方から入射する光から赤外線のみを通過させる。レンズ742は、赤外線フィルタ741を透過した赤外線を集光して撮像素子743へ出射する。撮像素子743は、例えばCMOSセンサやあるいはCCDのような固体撮像素子であり、レンズ742が集光した赤外線を撮像する。したがって、撮像素子743は、赤外線フィルタ741を通過した赤外線だけを撮像して画像データを生成する。撮像素子743で生成された画像データは、画像処理回路744で処理される。具体的には、画像処理回路744は、撮像素子743から得られた画像データを処理して高輝度部分を検知し、それらの位置座標や面積を検出した結果を示す処理結果データを通信部75へ出力する。なお、これらの撮像情報演算部74は、コントローラ7のハウジング71に固設されており、ハウジング71自体の方向を変えることによってその撮像方向を変更することができる。
【0068】
通信部75は、マイクロコンピュータ(Micro Computer:マイコン)751、メモリ752、無線モジュール753、およびアンテナ754を含んでいる。マイコン751は、処理の際にメモリ752を記憶領域として用いながら、送信データを無線送信する無線モジュール753を制御する。また、マイコン751は、アンテナ754を介して無線モジュール753が受信したゲーム装置本体5からのデータに応じて、サウンドIC707およびバイブレータ704の動作を制御する。サウンドIC707は、通信部75を介してゲーム装置本体5から送信されたサウンドデータ等を処理する。また、マイコン751は、通信部75を介してゲーム装置本体5から送信された振動データ(例えば、バイブレータ704をONまたはOFFする信号)等に応じて、バイブレータ704を作動させる。
【0069】
コントローラ7に設けられた操作部72からの操作信号(キーデータ)、加速度センサ701からの3軸方向の加速度信号(加速度データ)、および撮像情報演算部74からの処理結果データは、マイコン751に出力される。マイコン751は、入力した各データ(キーデータ、加速度データ、処理結果データ)を無線コントローラモジュール19へ送信する送信データとして一時的にメモリ752に格納する。ここで、通信部75から無線コントローラモジュール19への無線送信は、所定の周期毎に行われるが、ゲームの処理は1/60秒を単位として行われることが一般的であるので、それよりも短い周期で送信を行うことが必要となる。具体的には、ゲームの処理単位は16.7ms(1/60秒)であり、ブルートゥース(登録商標)で構成される通信部75の送信間隔は5msである。マイコン751は、無線コントローラモジュール19への送信タイミングが到来すると、メモリ752に格納されている送信データを一連の操作情報として出力し、無線モジュール753へ出力する。そして、無線モジュール753は、例えばブルートゥース(登録商標)の技術を用いて、操作情報を示す電波信号を所定周波数の搬送波を用いてアンテナ754から放射する。つまり、コントローラ7に設けられた操作部72からのキーデータ、加速度センサ701からの加速度データ、および撮像情報演算部74からの処理結果データがコントローラ7から送信される。そして、ゲーム装置本体5の無線コントローラモジュール19でその電波信号を受信し、ゲーム装置本体5で当該電波信号を復調や復号することによって、一連の操作情報(キーデータ、加速度データ、および処理結果データ)を取得する。そして、ゲーム装置本体5のCPU10は、取得した操作情報とゲームプログラムとに基づいて、ゲーム処理を行う。なお、ブルートゥース(登録商標)の技術を用いて通信部75を構成する場合、通信部75は、他のデバイスから無線送信された送信データを受信する機能も備えることができる。
【0070】
次に、ゲーム装置本体5が行う具体的な処理を説明する前に、図8〜図11を参照してゲーム装置本体5で行うゲーム処理の概要およびモニタ2に表示されるゲーム画面例について説明する。例えば、本発明におけるゲーム処理の一例として、複数のキャラクタと対局する麻雀ゲームがある。ゲーム装置本体5では、ネットワーク等を介して、他のゲーム装置との間でデータ通信しながら対局を進行するオンライン対局モードによるゲーム処理と、他のゲーム装置とデータ通信することなくゲーム装置本体5だけで対局を進行するローカル対局モードによるゲーム処理とが可能である。何れのゲームモードによるゲーム処理においても、ゲーム装置本体5のコントローラ7を用いてプレイヤが操作するプレイヤキャラクタと、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタおよび/またはCPU10が制御するノンプレイヤキャラクタとの間で、対局が行われる。
【0071】
図8に示すように、プレイヤの対局相手候補となる他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタおよび/またはノンプレイヤキャラクタは、モニタ2に表示される複数の似顔絵画像で表示される。ローカル対局モードの場合、プレイヤが対局相手として選択可能な似顔絵画像は、予めゲーム装置本体5に登録されたキャラクタの似顔絵から選択可能となっている。ここで、予めゲーム装置本体5に登録されているキャラクタは、麻雀ゲームのゲームプログラムにプリインストールされたプリセットキャラクタの他に、過去にオンライン対局モードで対局した他のゲーム装置3で用いられていたプレイヤキャラクタが存在する(図8の例は、ローカル対局モードにおける対局相手選択画面を示す)。図8においては、複数の似顔絵画像から、対局相手として「さとう」が選択されている様子が示されている。
【0072】
オンライン対局モードの場合、上述した予めゲーム装置本体5に登録されたキャラクタの似顔絵が対局相手候補として表示される他に、ネットワーク等を介して、他のゲーム装置との間でデータ通信して初めて対局する他のプレイヤが操作するキャラクタも選択可能となる。当該他のプレイヤが操作するキャラクタについては、当該他のプレイヤが用いているプレイヤキャラクタの似顔絵によって対局相手候補として表示されてもいいし、プレイヤキャラクタの名称のみが対局相手候補として表示されてもかまわない。初めて対局する他のプレイヤのキャラクタを対局相手候補として表示する表示態様については、当該他のプレイヤから似顔絵データを受信した後か否かによって決定すればよい。
【0073】
ここで、ゲーム装置3で作成する似顔絵について説明する。ゲーム装置3のプレイヤは、モニタ2に表示される似顔絵生成画面を見ながらコントローラ7を操作することによって、プレイヤの分身となるプレイヤキャラクタオブジェクト(似顔絵画像)を作成することができる。例えば、ゲーム装置3のプレイヤは、部位毎に予め用意されている複数種類のパーツオブジェクトから部位毎にパーツオブジェクトを選択して組み合わせて、プレイヤの分身となる似顔絵を作成する。プレイヤが作成した似顔絵を示すデータ(似顔絵データ)は、当該プレイヤが操作するゲーム装置本体5内に記憶される。そして、プレイヤが作成した似顔絵は、ゲーム装置本体5がゲームプログラムを実行することによって表現される仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタの顔として用いられることもある。
【0074】
また、複数のゲーム装置3との間で通信して進行するゲームで、上記似顔絵が用いられたキャラクタが登場する場合、ゲーム装置3のプレイヤキャラクタの似顔絵データが他のゲーム装置3に登録される。また、ゲーム装置3の間のデータ通信によって、一方のゲーム装置3で作成された似顔絵データが他方のゲーム装置3へ送信されることもあり、この場合、受信した似顔絵データが他方のゲーム装置3に登録される。そして、ゲーム装置本体5は、作成元の他のゲーム装置3との通信が切断された後も、他のゲーム装置3で作成されて自機に登録された似顔絵データを用いて、ゲームや情報処理等が可能となる。なお、本発明においては、プレイヤの操作に応じて実行されるプレイヤキャラクタの行動に基づいて生成されるプレイヤの操作傾向を示す操作傾向データ(以下、癖データと記載する)が、当該プレイヤキャラクタの似顔絵データと組になって他のゲーム装置3に送信される。
【0075】
モニタ2に表示された複数の対戦相手候補から、プレイヤが対局相手を順次選択することによって、麻雀ゲームにおける3人の対局相手が決定される。図9に示したゲーム画面例では、それぞれの似顔絵と共に、対局相手としてノンプレイヤキャラクタ「さとう」、「ささき」、および「チャン」が決定された様子が示されている。
【0076】
次に、図10に示すように、3人の対局相手と共に対局ゲームが開始される。図10においては、上述したノンプレイヤキャラクタと共に対局ゲームを行うプレイヤキャラクタとして、プレイヤキャラクタ「あおい」が似顔絵と共に表示されている。典型的には、プレイヤキャラクタ「あおい」の似顔絵は、ゲーム装置本体5を操作するプレイヤの分身として、予め生成されて登録された似顔絵画像となる。そして、対局ゲーム進行中においては、常時または適宜プレイヤキャラクタおよびノンプレイヤキャラクタの似顔絵画像が仮想ゲーム世界に登場して表示される(図11)。このように対局相手の似顔絵画像が表示されることによって、あたかもそのプレイヤと実際に対局しているような感覚を得ることができる。
【0077】
対局ゲームを進行する際、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタおよび他のプレイヤが操作するプレイヤキャラクタの行動は、それぞれのプレイヤの操作に応じて決定される。一方、何れのプレイヤからも操作されないノンプレイヤキャラクタについては、当該ノンプレイヤキャラクタの似顔絵データと共に登録されている癖データに基づいて、CPU10がその行動を制御する。このように対局相手の行動が、その対局相手を以前操作していたプレイヤの癖データに基づいて制御されることによって、さらにそのプレイヤと実際に対局しているような感覚を得ることができる。なお、癖データの作成方法および癖データに基づいた行動制御方法については、後述する。
【0078】
次に、ゲームシステム1において行われるゲーム処理の詳細を説明する。以下の説明においては、説明を具体的にするために、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタと複数のノンプレイヤキャラクタおよび/または他のプレイヤキャラクタとの間で対局する麻雀ゲームを例にして説明を行う。
【0079】
まず、図12〜図17を参照して、ゲーム処理において用いられる主なデータについて説明する。なお、図12は、ゲーム装置本体5の外部メインメモリ12および/または内部メインメモリ35(以下、2つのメインメモリを総称して、単にメインメモリと記載する)やフラッシュメモリ17に記憶される主なデータの一例を示す図である。図13は、癖データ算出テーブルデータDhに含まれる係数A算出テーブルを示すデータの一例を示す図である。図14は、癖データ算出テーブルデータDhに含まれる係数B算出テーブルを示すデータの一例を示す図である。図15は、癖データ算出テーブルデータDhに含まれる特定局面加算点算出テーブルを示すデータの一例および特定局面の一例を示す図である。図16は、基礎点算出テーブルデータDiに含まれる安全性基礎点算出テーブルを示すデータの一例を示す図である。図17は、基礎点算出テーブルデータDiに含まれるあがりやすさ基礎点算出テーブルを示すデータの一例を示す図である。
【0080】
図12に示すように、メインメモリやフラッシュメモリ17には、操作情報データDa、プレイヤ似顔絵データDb、プレイヤ癖データDc、対局相手似顔絵データDd、対局相手癖データDe、プリセットキャラクタ似顔絵データDf、プリセットキャラクタ癖データDg、癖データ算出テーブルデータDh、基礎点算出テーブルデータDi、評価点データDj、最高点データDk、統計情報データDl、および画像データDm等が記憶される。なお、メインメモリやフラッシュメモリ17には、図12に示すデータの他、ゲーム処理を実行するためのデータや他の処理を実行するためのデータ等、各種処理に必要なデータが記憶されるが、詳細な説明を省略する。
【0081】
操作情報データDaは、コントローラ7から送信データとして送信されてくる一連の操作情報(キーデータ、加速度データ、および処理結果データ)を示すデータが格納される。なお、ゲーム装置本体5に備える無線コントローラモジュール19は、コントローラ7から所定周期(例えば、1/200秒毎)に送信される操作情報を受信し、無線コントローラモジュール19に備える図示しないバッファに蓄えられる。その後、上記バッファに蓄えられた最新の操作情報がゲーム処理周期である1フレーム毎(例えば、1/60秒毎)に読み出されて、操作情報データDaが更新される。
【0082】
プレイヤ似顔絵データDbは、プレイヤの分身となるようにプレイヤが作成した似顔絵画像を示すデータが格納される。プレイヤ癖データDcは、プレイヤの操作に応じて実行されるプレイヤキャラクタの行動に基づいて生成されるプレイヤの癖を示すデータが格納される。例えば、プレイヤ癖データDcには、係数A、係数B、および特定局面加算点等をそれぞれ示すデータが癖データとして格納されるが、それらの詳細な内容については後述する。
【0083】
対局相手似顔絵データDdは、対局相手となる他のプレイヤが自身の分身となるように作成した似顔絵画像を示すデータが格納される。対局相手癖データDeは、対局相手となる他のプレイヤの操作に応じて実行されるキャラクタの行動に基づいて生成される対局相手(他のプレイヤ)の癖を示すデータが格納される。例えば、対局相手癖データDeには、対局相手における係数A、係数B、および特定局面加算点等をそれぞれ示すデータが対局相手(他のプレイヤ)の癖データとして格納されるが、それらの詳細な内容については後述する。
【0084】
プリセットキャラクタ似顔絵データDfは、予め作成されたプリセットキャラクタの似顔絵画像を示すデータが格納される。プリセットキャラクタ癖データDgは、予め作成されたプリセットキャラクタの癖を示すデータが格納される。例えば、プリセットキャラクタ癖データDgにも、プリセットキャラクタの係数A、係数B、および特定局面加算点等をそれぞれ示すデータがプリセットキャラクタの癖データとして格納される。
【0085】
癖データ算出テーブルデータDhは、各対局ゲームにおいてプレイヤが行った操作に応じたプレイヤキャラクタの行動に関する対局全体の統計値や、対局ゲームにおける特定局面においてプレイヤが行った操作に応じたプレイヤキャラクタの行動から得られる局所的な統計値等から、プレイヤの癖データ(係数A、係数B、および特定局面加算点等)を導くためのデータが格納される。
【0086】
例えば、図13に示すように、癖データ算出テーブルデータDhには、プレイヤの振込み率に対して設定される係数Aが記述された係数A算出テーブルを示すデータが含まれる。ここで、振込み率とは、プレイヤが行った全対局数に対して、プレイヤキャラクタが対局相手に対して「振込み」(対局相手があがる牌をプレイヤキャラクタが捨てて、当該対局相手があがる)をした対局数の割合を示す値である。例えば、図13に示すように、係数A算出テーブルは、振込み率11%未満では係数A=2.0が割り当てられ、振込み率11%以上13%未満では係数A=1.5が割り当てられ、振込み率13%以上15%未満では係数A=1.0が割り当てられ、振込み率15%以上18%未満では係数A=0.8が割り当てられ、振込み率18%以上21%未満では係数A=0.5が割り当てられ、振込み率21%以上では係数A=0.0が、それぞれ割り当てられることが記述されている。後述により明らかとなるが、係数Aは、プレイヤが「振込み」に対する安全度をどれくらい重要視するかを示すパラメータとなる。
【0087】
また、図14に示すように、癖データ算出テーブルデータDhには、プレイヤのあがり率に対して設定される係数Bが記述された係数B算出テーブルを示すデータが含まれる。ここで、あがり率とは、プレイヤが行った全対局数に対して、プレイヤキャラクタが「あがり」(一定の条件や規則を満たした手牌を対局相手に公開して、規則に応じた得点を得る)となった対局数の割合を示す値である。例えば、図14に示すように、係数B算出テーブルは、あがり率18%未満では係数B=0.4が割り当てられ、あがり率18%以上20%未満では係数B=0.6が割り当てられ、あがり率20%以上22%未満では係数B=0.8が割り当てられ、あがり率22%以上24%未満では係数B=1.0が割り当てられ、あがり率24%以上26%未満では係数B=1.2が割り当てられ、あがり率26%以上28%未満では係数B=1.4が割り当てられ、あがり率28%以上では係数B=1.6が、それぞれ割り当てられることが記述されている。後述により明らかとなるが、係数Bは、プレイヤが「あがり」に対する積極性を示すパラメータとなる。
【0088】
また、図15に示すように、癖データ算出テーブルデータDhには、対局ゲームにおける特定局面においてプレイヤが選択した選択肢の割合に対して設定される加算点が記述された特定局面加算点算出テーブルを示すデータが含まれる。例えば、図15に示す「聴牌」状態(あと1つの有効牌であがれる状態)では、牌T1(五索の索子)および牌T2(七索の索子)の何れを捨てても「聴牌」となる。ここで、プレイヤが牌T1を捨てた場合、選択Pに示すように「あがる」ための有効牌(「待ち」)が牌T3(六索の索子)となり、いわゆる「嵌張(カンチャン)待ち」(数の並びで作る面子の真ん中の牌が抜けている状態であり、この真ん中の牌が得られれば「あがる」状態)となる。一方、プレイヤが牌T2を捨てた場合、選択Qに示すように「あがる」ための有効牌が牌T4(二索の索子)または牌T5(五索の索子)となり、いわゆる「双ポン(シャンポン)待ち」(同じ牌の2枚組が2組あり、どちらかの牌がさらに得られれば「あがる」状態)となる。このように、上記「聴牌」状態ではプレイヤに2つの選択肢があり、プレイヤが捨てる牌によって、プレイヤが好む「待ち」の形態が現れる状況となる。そして、上記「聴牌」状態において、プレイヤが牌T1を捨てる操作を行うことによって選択P(すなわち、「嵌張(カンチャン)待ち」)を好んで選択したことになり、プレイヤが牌T2を捨てる操作を行うことによって選択Q(すなわち、「双ポン(シャンポン)待ち」)を好んで選択したことになる。本実施形態では、このような選択肢からプレイヤが選択する場面を、プレイヤの癖が現れる特定局面の一例として注視する。
【0089】
特定局面加算点算出テーブルは、このような特定局面でプレイヤが選択Pを選択した割合に対して、それぞれ設定される選択Pに対する加算点および選択Qに対する加算点が記述される。例えば、図15に示すように、特定局面加算点算出テーブルは、選択Pを選択した割合が20%未満では選択P加算点=−20および選択Q加算点=+20がそれぞれ割り当てられ、選択Pを選択した割合が20%以上30%未満では選択P加算点=−15および選択Q加算点=+15がそれぞれ割り当てられ、選択Pを選択した割合が30%以上40%未満では選択P加算点=−10および選択Q加算点=+10がそれぞれ割り当てられ、選択Pを選択した割合が40%以上50%未満では選択P加算点=−5および選択Q加算点=+5がそれぞれ割り当てられ、選択Pを選択した割合が50%以上60%未満では選択P加算点=+5および選択Q加算点=−5がそれぞれ割り当てられ、選択Pを選択した割合が60%以上70%未満では選択P加算点=+10および選択Q加算点=−10がそれぞれ割り当てられ、選択Pを選択した割合が70%以上80%未満では選択P加算点=+15および選択Q加算点=−15がそれぞれ割り当てられ、選択Pを選択した割合が80%以上では選択P加算点=+20および選択Q加算点=−20がそれぞれ割り当てられることが記述されている。後述により明らかとなるが、上記加算点は、特定局面におけるプレイヤの傾向を示すパラメータとなる。
【0090】
基礎点算出テーブルデータDiは、可能な手に対するそれぞれの評価点を算出する際に用いられる安全性基礎点およびあがりやすさ基礎点をそれぞれ導くためのデータが格納される。
【0091】
例えば、図16に示すように、基礎点算出テーブルデータDiは、可能な手における捨牌と対局相手の状態との組合せにそれぞれ対応して設定される安全性基礎点が記述された安全性基礎点算出テーブルを示すデータが含まれる。例えば、捨牌の種類として、「現物」(対局相手の捨牌と同じ牌)、「筋(「現物」に対して3つ離れた数牌)・壁(同じ種類の牌が場に4枚見えている状態で、当該牌に近い数牌)」、および「その他」に分類されて、それらの安全性が数値化される。また、対局相手の状態として、「鳴いている」(手牌の一部を対局相手に公開して、対局相手の捨牌を自分の手牌に加えること)、「リーチしている」(「鳴く」ことなく「聴牌」したときに、対局相手に「聴牌」したことを宣言すること)、および「その他」に分類されて、それらの安全性が数値化される。例えば、図16に示すように、安全性基礎点算出テーブルは、捨牌「現物」では全ての対局相手の状態に対して安全性基礎点=0が割り当てられることが記述されている。また、安全性基礎点算出テーブルは、捨牌「筋・壁」では対局相手の状態「リーチ」に対して安全性基礎点=−20、対局相手の状態「鳴いている」に対して安全性基礎点=−4、および対局相手の状態「その他」に対して安全性基礎点=0がそれぞれ割り当てられることが記述されている。そして、安全性基礎点算出テーブルは、捨牌「その他」では対局相手の状態「リーチ」に対して安全性基礎点=−60、対局相手の状態「鳴いている」に対して安全性基礎点=−10、および対局相手の状態「その他」に対して安全性基礎点=2がそれぞれ割り当てられることが記述されている。後述により明らかとなるが、安全性基礎点は、対局ゲームにおける捨牌の安全度を示すパラメータ(すなわち、対局相手に対して、危険な捨牌であるほど負の値が大きくなるパラメータ)となる。
【0092】
また、図17に示すように、基礎点算出テーブルデータDiは、聴牌までの牌数に対応して設定されるあがりやすさ基礎点がそれぞれ記述されたあがりやすさ基礎点算出テーブルを示すデータが含まれる。例えば、図17に示すように、あがりやすさ基礎点算出テーブルは、「聴牌」、すなわち聴牌までの牌数=0ではあがりやすさ基礎点=250、聴牌までの牌数=1ではあがりやすさ基礎点=150、聴牌までの牌数=2ではあがりやすさ基礎点=80、聴牌までの牌数=3ではあがりやすさ基礎点=30、聴牌までの牌数=4ではあがりやすさ基礎点=4、聴牌までの牌数=5ではあがりやすさ基礎点=2、および聴牌までの牌数≧6ではあがりやすさ基礎点=0がそれぞれ割り当てられることが記述されている。後述により明らかとなるが、あがりやすさ基礎点は、対局ゲームにおいて「あがり」に近づく度合いを示すパラメータ(すなわち、「あがり」に近づく手ほど、正の値が大きくなるパラメータ)となる。
【0093】
評価点データDjは、可能な手に対してそれぞれ算出される評価点Eを示すデータが格納される。最高点データDkは、可能な手に対してそれぞれ算出された評価点Eのうち、最大となった評価点(最高点Ebest)を示すデータが格納される。統計情報データDlは、対局ゲームを行った際のプレイヤの統計情報を示すデータが格納される。画像データDmは、表示装置(モニタ2)に仮想ゲーム世界を表現するための各種画像データが格納される。
【0094】
次に、図18〜図21を参照して、ゲーム装置本体5行われるゲーム処理の詳細を説明する。なお、図18は、ゲーム装置本体5において実行されるゲーム処理の流れの一例を示すフローチャートである。図19は、図18のステップ55におけるゲームモード選択処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。図20は、図18のステップ56における対局ゲーム処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。図21は、図18のステップ57における対局終了処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。なお、図18〜図21に示すフローチャートにおいては、ゲーム処理のうち、対局を進めていく処理について説明し、本願発明と直接関連しない他のゲーム処理については詳細な説明を省略する。また、図18〜図21では、CPU10が実行する各ステップを「S」と略称する。
【0095】
ゲーム装置本体5の電源ボタン24がオンされると、電源が完全にオフされた状態から、または上記低電力スタンバイモードから通常処理モードへ移行する。そして、ゲーム装置本体5のCPU10は、ROM/RTC13に記憶されている起動用のプログラムを実行し、これによってメインメモリ等の各ユニットが初期化される。そして、光ディスク4が装着されている場合、当該光ディスク4に記憶されたゲームプログラムがメインメモリに読み込まれ、CPU10によって当該ゲームプログラムの実行が可能となる状態となる。図18に示すフローチャートは、以上の処理が完了した後に行われるゲーム処理を示すフローチャートである。
【0096】
図18において、CPU10は、プレイヤが既存のデータを用いた対局を選択したか否かを判断する(ステップ51)。ここで、プレイヤは、既にセーブされている自身の似顔絵および癖データを選択することによって、プレイヤキャラクタを当該既存の似顔絵で登場させることが可能である。この場合、プレイヤは、コントローラ7を操作することによって、自身の似顔絵を選択してプレイヤキャラクタを決定する。また、プレイヤは、新たなプレイヤキャラクタで対局ゲームを始めることも可能である。上記ステップ51において、CPU10は、操作情報データDaを参照することによって、プレイヤが何れの選択を行ったかを判定して、既存のデータを用いて対局するか否かを判断する。そして、CPU10は、既存データを用いて対局する場合、次のステップ52に処理を進める。一方、CPU10は、新たなデータを用いて対局する場合、次のステップ53に処理を進める。
【0097】
ステップ52において、CPU10は、予め設定されているプレイヤの似顔絵データおよび癖データを用いて、プレイヤ似顔絵データDbおよびプレイヤ癖データDcを更新する。そして、CPU10は、次のステップ55に処理を進める。
【0098】
一方、ステップ53において、CPU10は、操作情報データDaを参照してプレイヤが新たなプレイヤキャラクタとして選択した似顔絵を設定し、プレイヤ似顔絵データDbを更新する。そして、CPU10は、プレイヤの癖データを初期化して、初期化された癖データを用いてプレイヤ癖データDcを更新して(ステップ54)、次のステップ55に処理を進める。例えば、上記ステップ54において、CPU10は、特定の癖が現れることのないフラットな癖を示す癖データに初期化する。
【0099】
ステップ55において、CPU10は、ゲームモード選択処理を行って、次のステップに処理を進める。以下、図19を参照して、ゲームモード選択処理の詳細な動作について説明する。
【0100】
図19において、CPU10は、操作情報データDaを参照して、オンライン対局をプレイヤが選択したか否かを判断する(ステップ81)。そして、CPU10は、オンライン対局が選択された場合、次のステップ82に処理を進める。一方、CPU10は、ローカル対局が選択された場合、次のステップ89に処理を進める。
【0101】
ステップ82において、CPU10は、ネットワークを介して接続可能な対局相手が登録されたサーバにアクセスして対局相手候補を検索し、当該対局相手候補をモニタ2に表示する。次に、CPU10は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタを含めて4人の対局メンバーが決定されたか否かを判断する(ステップ83)。そして、CPU10は、ネットワークを介して対局する人数が4人未満の場合、次のステップ84に処理を進める。一方、CPU10は、ネットワークを介して対局するメンバーが4人決定された場合、次のステップ86に処理を進める。
【0102】
ステップ84において、CPU10は、対局相手として不足している人数分について、プリセットキャラクタからランダムで対局相手を選択する。そして、CPU10は、選択されたプリセットキャラクタに設定されている似顔絵データおよび癖データを用いて、プリセットキャラクタ似顔絵データDfおよびプリセットキャラクタ癖データDgを更新し(ステップ85)、次のステップ86に処理を進める。
【0103】
ステップ86において、CPU10は、ネットワークを介して対局する対局相手のゲーム装置3に対して、プレイヤ似顔絵データDbおよびプレイヤ癖データDcに格納されたプレイヤの似顔絵データおよび癖データを、当該ネットワークを介して送信する。次に、CPU10は、ネットワークを介して対局する対局相手のゲーム装置3から送信された似顔絵データおよび癖データを受信する(ステップ87)。そして、CPU10は、受信した対局相手の似顔絵データおよび癖データを用いて、対局相手似顔絵データDdおよび対局相手癖データDeを更新し(ステップ88)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0104】
一方、上記ステップ81においてローカル対局が選択された場合、CPU10は、対局相手として登録された対局相手候補の似顔絵をモニタ2に表示する(ステップ89;図8参照)。ここで、ステップ89で表示される似顔絵には、過去にオンライン対局モードにおいて対局した他のゲーム装置3で用いられていたプレイヤキャラクタの似顔絵が含まれている。そして、CPU10は、操作情報データDaを参照して、プレイヤによる対局相手の選択が終了する(ステップ90でYes)と、選択された対局相手の似顔絵データおよび癖データを用いて、対局相手似顔絵データDdおよび対局相手癖データDeを更新し(ステップ91)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0105】
図18に戻り、CPU10は、上記ステップ55のゲームモード選択処理の後、対局ゲーム処理を行って(ステップ56)、次のステップに処理を進める。以下、図20を参照して、上記ステップ56で行う対局ゲーム処理の詳細な動作について説明する。
【0106】
図20において、CPU10は、対局開始処理を行って対局ゲームが開始され(ステップ101)、次のステップに処理を進める。例えば、対局開始処理は、モニタ2にプレイヤおよび対局相手の似顔絵が登場する仮想ゲーム世界を表示するための処理等の対局ゲームを開始するための初期設定処理が行われるが、それらの処理の他に麻雀ゲーム特有の初期設定処理(例えば、図10に示すような親決め、場決め、手牌の割り当て等)が行われる。したがって、上記ステップ101においては、オンラインを介して、複数のゲーム装置3で操作された操作情報を示すデータ等が送受信されることがあるが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0107】
次に、CPU10は、プレイヤからの操作待ち状態か否かを判断する(ステップ102)。そして、CPU10は、プレイヤからの操作待ち状態である場合、次のステップ103に処理を進める。一方、CPU10は、プレイヤからの操作待ち状態でない場合、次のステップ107に処理を進める。
【0108】
ステップ103において、CPU10は、コントローラ7から一連の操作情報を示すデータを取得して操作情報データDaを更新し、当該操作情報に応じてプレイヤキャラクタの行動を実行し、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、プレイヤの操作に応じて、「手牌から牌を選択して捨てる」、「対局相手の捨牌を鳴く」、「対局相手の捨牌を見送る」、「上がる」等のプレイヤキャラクタの行動を実行する。なお、現在行っている対局ゲームにオンライン中の対局相手(つまり、通信対局でゲーム装置3を操作する他のプレイヤ)が参加している場合、取得した操作情報またはプレイヤキャラクタの行動を示すデータを当該対局相手に送信する。
【0109】
次に、CPU10は、現在の対局ゲームの場面が特定局面か否かを判断する(ステップ104)。ここで、上記特定局面は、麻雀ゲームの対局において上述したようなプレイヤの癖が現れやすい場面であり、予めその場面が設定されている。CPU10は、現時点のゲーム進行上において、設定された特定局面か否かを判断する。そして、特定局面である場合、次のステップ105に処理を進める。一方、CPU10は、特定局面でない場合、次のステップ106に処理を進める。
【0110】
ステップ105において、上記ステップ103で実行されたプレイヤキャラクタの行動に応じて、プレイヤ癖データDcを更新し、次のステップ106に処理を進める。例えば、図15を用いて説明した特定局面では、プレイヤキャラクタが選択Pの行動を選択する割合が変動することに応じて、特定局面加算点を更新する。そして、CPU10は、プレイヤ癖データDcのうち、特定局面加算点を示すデータを更新する。
【0111】
一方、上記ステップ102においてプレイヤからの操作待ち状態でない場合、CPU10は、オンライン中の対局相手の操作待ち状態か否かを判断する(ステップ107)。そして、CPU10は、対局相手の操作待ち状態でない場合、CPU10が操作するノンプレイヤキャラクタの手番であると判断して次のステップ108に処理を進める。一方、CPU10は、対局相手の操作待ち状態である場合、次のステップ115に処理を進める。
【0112】
ステップ108において、CPU10は、最高点Ebestを初期化して最高点データDkを更新する。そして、CPU10は、現在の手牌における可能な手を選択し(ステップ109)、選択した手に対する評価点Eを算出して評価点データDjを更新し(ステップ110)、次のステップに処理を進める。
【0113】
上記ステップ110で算出する評価点Eについて説明する。例えば、評価点Eは、現在選択されている手の要素について基礎点を算出し、対局相手の癖データが示す係数を乗算して合計した値となる。また、上記特定局面では、さらに上記合計した値に対局相手の癖データが示す特定局面加算値を加算して評価点Eが算出される。したがって、評価点Eは、
E=安全性基礎点×係数A+あがりやすさ基礎点×係数B+特定局面加算値
で算出される。
【0114】
安全性基礎点は、対局相手毎にそれぞれ算出されて合算された値であり、対局相手aの安全性基礎点+対局相手bの安全性基礎点+対局相手cの安全性基礎点で算出される。そして、対局相手毎の安全性基礎点は、基礎点算出テーブルデータDiが示す安全性基礎点算出テーブル(図16参照)を用いて設定される。例えば、図16に示すように、選択されている手の捨牌が対局相手aに対する「現物」である場合、対局相手aの安全性基礎点=0に設定される。また、選択されている手の捨牌が対局相手bに対する「筋・壁」であり対局相手bが「リーチ」している場合、対局相手bの安全性基礎点=−20に設定される。さらに、選択されている手の捨牌が対局相手cに対する「現物」でも「筋・壁」でもなく対局相手cが「鳴いている」場合、対局相手cの安全性基礎点=−10に設定される。
【0115】
あがりやすさ基礎点は、現在選択されている手に対するあがりまで必要な最低牌数を示すパラメータである。そして、あがりやすさ基礎点は、基礎点算出テーブルデータDiが示すあがりやすさ基礎点算出テーブル(図17参照)を用いて設定される。例えば、図17に示すように、選択されている手を実行すると「聴牌」までの最低牌数が「1」となる場合、あがりやすさ基礎点=150に設定される。
【0116】
そして、CPU10は、上述したように設定された安全性基礎点およびあがりやすさ基礎点と、現在の手番となっている対局相手の対局相手癖データDeが示す癖データ(係数A、係数B、特定局面加算値等)とを用いて、現在選択されている手の評価点Eを算出する。
【0117】
次に、CPU10は、上記ステップ110で算出した評価点Eが現在の最高点Ebestより大きいか否かを判断する(ステップ111)。そして、CPU10は、評価点Eが現在の最高点Ebest以下である場合(E≦Ebest)、次のステップ113に処理を進める。一方、CPU10は、評価点Eが現在の最高点Ebestより大きい場合(E>Ebest)、当該評価点Eを用いて新たな最高点Ebestを設定して最高点データDkを更新し(ステップ112)、次のステップ113に処理を進める。
【0118】
ステップ113において、CPU10は、可能な全ての手を評価したか否かを判断する。そして、CPU10は、可能な全ての手を評価した場合、次のステップ114に処理を進める。一方、CPU10は、未評価の手が残っている場合、上記ステップ109に戻って処理を繰り返す。
【0119】
ステップ114において、CPU10は、現時点で最高点Ebestとなっている手を対象のノンプレイヤキャラクタ(対局相手)の手として選択し、当該対局相手のノンプレイヤキャラクタに選択された手を実行させて、次のステップ106に処理を進める。このステップ114において、対局相手の似顔絵画像を表示するようにしてもよい。
【0120】
また、上記ステップ107において対局相手の操作待ち状態である場合、CPU10は、当該対局相手から送信されるデータの受信を待つ(ステップ115)。そして、オンライン中の対局相手からデータを受信した場合(ステップ115でYes)、当該データに応じた手を当該対局相手のプレイヤキャラクタに実行させて(ステップ116)、次のステップ106に処理を進める。
【0121】
ステップ106において、CPU10は、対局が終了したか否かを判断する。例えば、何れかの対局メンバーが「あがった」場合等において、CPU10は、対局が終了したと判断する。そして、CPU10は、対局が終了していない場合、上記ステップ102に戻って処理を繰り返す。一方、CPU10は、対局が終了した場合、当該サブルーチンに夜処理を終了する。
【0122】
図18に戻り、CPU10は、上記ステップ56の対局ゲーム処理の後、対局終了処理を行って(ステップ57)、次のステップに処理を進める。以下、図21を参照して、上記ステップ57で行う対局終了処理の詳細な動作について説明する。
【0123】
図21において、CPU10は、終了した対局ゲームにおけるプレイヤキャラクタの行動に応じて統計情報を更新して(ステップ121)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、終了した対局ゲームにおいて、プレイヤキャラクタがあがったか否か、プレイヤキャラクタが他のノンプレイヤキャラクタや他のプレイヤキャラクタに振り込んだか否か等の対局全体の結果を用いて、統計情報データDlに格納されている対局全体の統計情報(例えば、あがり率、振込み率等)を更新する。
【0124】
次に、CPU10は、上記ステップ121で更新された統計情報に基づいて、癖データを更新して(ステップ122)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU10は、癖データ算出テーブルデータDhの係数A算出テーブル(図13参照)や係数B算出テーブル(図14参照)を参照して、更新された統計情報に基づいて係数Aや係数Bを再設定する。そして、CPU10は、再設定された係数Aや係数Bを用いて、プレイヤ癖データDcを更新する。
【0125】
次に、CPU10は、終了した対局ゲームがオンラインで対局したゲームであったか否かを判断する。例えば、CPU10は、上記ステップ81の処理でオンライン対局が選択されていた場合、次のステップ124に処理を進める。一方、CPU10は、上記ステップ81の処理でローカル対局が選択されていた場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0126】
ステップ124において、CPU10は、ネットワークを介して対局した対局相手のゲーム装置3に対して、プレイヤ似顔絵データDbおよびプレイヤ癖データDcに格納されたプレイヤの似顔絵データおよび癖データを、当該ネットワークを介して送信する。次に、CPU10は、ネットワークを介して対局した対局相手のゲーム装置3から送信された似顔絵データおよび癖データを受信する(ステップ125)。そして、CPU10は、受信した対局相手の似顔絵データおよび癖データを用いて、対局相手似顔絵データDdおよび対局相手癖データDeを更新し(ステップ126)、当該サブルーチンによる処理を終了する。これらステップ124〜ステップ126の処理によって、対局ゲーム後に更新されたそれぞれの癖データがゲーム装置3間でやり取りされる。
【0127】
図18に戻り、上記ステップ57の対局終了処理の後、CPU10は、ゲームを終了するか否かを判断する。ゲームを終了する条件としては、例えば、ゲームオーバーとなる条件が満たされたことや、プレイヤがゲームを終了する操作を行ったこと等がある。CPU10は、ゲームを終了しない場合に上記ステップ55に戻って処理を繰り返し、ゲームを終了する場合に当該フローチャートによる処理を終了する。
【0128】
このように、当該実施形態に係るゲーム装置3によれば、他のゲーム装置3との間でプレイヤの癖データとプレイヤが操作するプレイヤキャラクタの画像データとを送受信する。そして、他のゲーム装置3との通信対局が終了した後に当該他のゲーム装置3で用いられていたキャラクタをノンプレイヤキャラクタとして対局する場合、既に受信した画像データに基づいたキャラクタを画面に表示すると共に、当該キャラクタを癖データに基づいて行動制御するので、あたかも他のゲーム装置3のプレイヤが操作するプレイヤキャラクタと実際にゲームを行っているような感覚を得ることができ、擬似プレイのリアリティを向上させることができる。
【0129】
なお、各対局ゲームにおいてプレイヤが行った操作に応じたプレイヤキャラクタの行動に関する対局全体の統計値の例として、振込み率およびあがり率を用いたが、他の統計値に応じて癖データを設定してもかまわない。例えば、プレイヤが「鳴く」割合、「リーチ」した割合、「あがり」得点の平均点、「リーチ」が成功した割合等を用いてプレイヤの傾向を推定して、その結果を用いて癖データを作成してもかまわない。また、対局ゲームにおけるプレイヤの手番毎(例えば、5手番毎)に、手牌に字牌が何枚含まれているかをカウントし、当該プレイヤが字牌を好む傾向を推定し、当該推定結果に基づいて癖データを生成してもかまわない。また、上記特定局面は、対局ゲームにおける様々な場面をピックアップしてもかまわない。そして、上述したような特定局面加算点算出テーブルを、ピックアップした場面に応じて設定すれば、様々な特定局面におけるプレイヤの傾向を示すパラメータを癖データに加えることが可能となる。
【0130】
また、上記ステップ54の処理では、初期に設定される癖データとして、特定の癖が現れることのないフラットな癖を示す癖データに初期化しているが、他の態様の癖データに初期化してもかまわない。一例として、上記ステップ53の処理で選択されている似顔絵に応じて、癖データを設定してもかまわない。具体的には、ゲーム装置3のプレイヤが部位毎に予め用意されているパーツオブジェクトを組み合わせて似顔絵を作成する際、選ばれたパーツに応じて初期の癖データを作成する。例えば、似顔絵のパーツとして釣り上がった眉毛が選ばれている場合、初期の癖データとして係数Aの値を小さくし、係数Bの値を大きく設定する。また、似顔絵のパーツとして下がった眉毛が選ばれている場合、初期の癖データとして係数Aの値を大きくし、係数Bの値を小さく設定する。このように、似顔絵と癖データとが関連するように設定することによって、さらに臨場感のある対局ゲームが可能となる。
【0131】
他の例として、上記ステップ53の処理で行われた似顔絵作成に要した時間に応じて、癖データを設定してもかまわない。具体的には、ゲーム装置3のプレイヤが似顔絵を作成するために要した時間を計測し、当該時間に応じて当該似顔絵と組になる癖データを初期化する。例えば、似顔絵を作成するために要した時間が相対的に短いプレイヤに対しては、あまり深く考えずにあがりを優先する癖データ(例えば、係数Aの値を小さくし、係数Bの値を大きく設定)に初期化する。また、似顔絵を作成するために要した時間が相対的に長いプレイヤに対しては、慎重に考えて振込みを嫌う癖データ(例えば、係数Aの値を大きくし、係数Bの値を小さく設定)に初期化する。このように、似顔絵の作成に要した時間と癖データとが関連するように設定することによって、さらに臨場感のある対局ゲームが可能となる。
【0132】
また、プレイヤキャラクタを操作する他のプレイヤに関する質問項目を設け、その質問にプレイヤが答えることにより当該他のプレイヤの癖データを補正するようにしてもよい。例えば、「彼はせっかちですか?」や「彼は引っ込み思案ですか?」というような上記他のプレイヤに関する質問を設けておき、係数Aや係数Bの値を補正するようにしてもよい。このようにすれば、客観的な観点から見た上記他のプレイヤの性格等を反映させた癖データを生成することが可能となる。
【0133】
また、上述した実施例では、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタを表す画像を示すデータとして似顔絵データを用いているが、当該キャラクタを表す画像データであれば他の画像データでもかまわない。例えば、上記他のプレイヤの癖データと共に当該他のプレイヤの写真を示すデータを用いて、対局ゲームを行ってもかまわない。また、上記他のプレイヤの癖データと共に当該他のプレイヤが選択したキャラクタの画像を示すデータを用いて、対局ゲームを行ってもかまわない。
【0134】
また、上述した実施例では、他のプレイヤの似顔絵データと癖データとを用いて行うゲーム例として麻雀ゲームを用いたが、他のプレイヤの似顔絵データと癖データとを用いて他のゲームを行うことも可能である。一例として、将棋や囲碁等の対局ゲームや、テニス野球等の対戦ゲームや、他のプレイヤキャラクタと格闘する格闘ゲームや、他のプレイヤと協力してプレイするゲーム等に本発明を適用してもかまわない。例えば、仮想ゲーム世界において相手キャラクタとテニスで対戦するゲームにおいては、他のプレイヤが過去にプレイした癖(サーブを打つ場所、ファーストサーブを確実に入れる、ファーストサーブを攻撃的に打つ、前に出る確率等)を癖データとして作成し、当該癖データと共に他のプレイヤが操作するキャラクタの画像データを取得すれば、当該他のプレイヤとリアリティのあるテニス対戦が可能となる。また、仮想ゲーム世界において相手キャラクタと野球で対戦するゲームにおいては、他のプレイヤが過去にプレイした癖(投球が変化球主体、投球が直球主体、初球を打つ確率等)を癖データとして作成し、当該癖データと共に他のプレイヤが操作するキャラクタの画像データを取得すれば、当該他のプレイヤとリアリティのある野球対戦が可能となる。
【0135】
また、上述した対局ゲームにおいて、オンライン中の対局相手(つまり、通信対局でゲーム装置3を操作する他のプレイヤ)が参加している場合、上記ステップ108〜ステップ114の処理は、対局ゲームに参加しているゲーム装置3の何れか1つが代表して実行すればよい。この場合、上記処理を実行するゲーム装置3から他のゲーム装置3へ当該処理実行結果を送信することになる。例えば、対局ゲームに参加する複数のゲーム装置3の中で「親」となるゲーム装置3を決定し、当該「親」のゲーム装置3から他のゲーム装置3へ上述した処理実行結果を送信するようにすればよい。
【0136】
また、上述した実施形態では、他のゲーム装置3から送信された似顔絵データおよび癖データの組を用いて、仮想ゲーム世界に登場するノンプレイヤキャラクタの行動を制御する例を用いた。しかしながら、予め自機で作成された似顔絵データおよび癖データの組を用いて、仮想ゲーム世界に登場するノンプレイヤキャラクタの行動を制御してもかまわない。例えば、プレイヤAがゲーム装置3を用いて上述した対局ゲームをプレイして、プレイヤAが作成した似顔絵を示す似顔絵データおよびプレイヤAの癖データが、当該ゲーム装置3に記憶される。その後、別のプレイヤBが同じゲーム装置3を用いて同じ対局ゲームをプレイする際、既に当該ゲーム装置3に記憶されているプレイヤAの似顔絵データおよび癖データを用いて行動制御されるノンプレイヤキャラクタを対局相手として選択する。これによって、プレイヤBは、プレイヤAとリアリティある対局が可能となる。例えば、麻雀ゲームやカードゲーム等のように相手の牌やカードが隠されて進行するゲームの場合、複数のプレイヤが同時に同じゲーム装置3を操作してゲームをすることは難しいが、既に得られた似顔絵データおよび癖データを用いることによって、あたかも複数のプレイヤが同時に操作しているようなリアリティあるゲームが可能となる。この場合、ゲーム装置3は、他のゲーム装置3と通信する機能を備えていなくてもかまわない。
【0137】
また、上述した説明では、コントローラ7に対する操作に応じて処理を行う据置型のゲーム装置本体5に本願発明を適用した例を説明したが、携帯ゲーム装置にも適用することができる。例えば、携帯ゲーム装置の本体に設けられた操作ボタンに対する操作に応じて、上述したゲーム処理を実行する。このように本願発明を適用することで、携帯ゲーム装置等においても、本発明のゲーム処理を実現することができる。
【0138】
また、上述した説明では、据置型や携帯型のゲーム装置に本願発明を適用した例を説明したが、入力装置によって操作される一般的なパーソナルコンピュータ等の情報処理装置や携帯型の情報処理装置にも適用することができる。携帯型の情報処理装置としては、例えば一般的なパーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等のデバイスに適用することができる。
【0139】
また、上述した説明では、コントローラ7とゲーム装置本体5とが無線通信によって接続された態様を用いたが、コントローラ7とゲーム装置本体5とがケーブルを介して電気的に接続されてもかまわない。この場合、コントローラ7に接続されたケーブルをゲーム装置本体5の接続端子に接続する。
【0140】
また、上述したコントローラ7の形状や、それらに設けられている操作部72の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられる癖データの作成例やゲーム画像の表示例等は、単なる一例に過ぎず、説明を簡単にするために簡略化して説明している。上述した処理で用いられる癖データの作成態様やゲーム画像の表示態様等は、他の作成態様や表示態様であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
【0141】
また、本発明のゲームプログラムは、光ディスク4等の外部記憶媒体を通じてゲーム装置本体5に供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じてゲーム装置本体5に供給されてもよい。また、ゲームプログラムは、ゲーム装置本体5内部の不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。なお、ゲームプログラムを記憶する情報記憶媒体としては、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記憶媒体の他に、不揮発性半導体メモリでもよい。
【0142】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、上述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明に係るゲーム装置およびゲームプログラムは、他のプレイヤと擬似的に対戦ゲームを行う際のリアリティを向上させることができ、ゲーム処理等の様々な情報処理を行う装置およびプログラムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲームシステム1を説明するための外観図
【図2】図1のゲーム装置本体5の機能ブロック図
【図3】図1のコントローラ7の上面後方から見た斜視図
【図4】図3のコントローラ7を下面前方から見た斜視図
【図5】図3のコントローラ7の上筐体を外した状態を示す斜視図
【図6】図4のコントローラ7の下筐体を外した状態を示す斜視図
【図7】図3のコントローラ7の構成を示すブロック図
【図8】ゲーム装置本体5で行うゲーム処理でモニタ2に表示されるゲーム画面例
【図9】ゲーム装置本体5で行うゲーム処理でモニタ2に表示されるゲーム画面例
【図10】ゲーム装置本体5で行うゲーム処理でモニタ2に表示されるゲーム画面例
【図11】ゲーム装置本体5で行うゲーム処理でモニタ2に表示されるゲーム画面例
【図12】ゲーム装置本体5のメインメモリおよび/またはフラッシュメモリ17に記憶される主なデータの一例を示す図
【図13】図12の癖データ算出テーブルデータDhに含まれる係数A算出テーブルを示すデータの一例を示す図
【図14】図12の癖データ算出テーブルデータDhに含まれる係数B算出テーブルを示すデータの一例を示す図
【図15】図12の癖データ算出テーブルデータDhに含まれる特定局面加算点算出テーブルを示すデータの一例および特定局面の一例を示す図
【図16】図12の基礎点算出テーブルデータDiに含まれる安全性基礎点算出テーブルを示すデータの一例を示す図
【図17】図12の基礎点算出テーブルデータDiに含まれるあがりやすさ基礎点算出テーブルを示すデータの一例を示す図
【図18】ゲーム装置本体5において実行されるゲーム処理の流れの一例を示すフローチャート
【図19】図18のステップ55におけるゲームモード選択処理の詳細な動作を示すサブルーチン
【図20】図18のステップ56における対局ゲーム処理の詳細な動作を示すサブルーチン
【図21】図18のステップ57における対局終了処理の詳細な動作を示すサブルーチン
【符号の説明】
【0145】
1…ゲームシステム
2…モニタ
2a、706…スピーカ
3…ゲーム装置
4…光ディスク
5…ゲーム装置本体
10…CPU
11…システムLSI
12…外部メインメモリ
13…ROM/RTC
14…ディスクドライブ
15…AV−IC
16…AVコネクタ
17…フラッシュメモリ
18…無線通信モジュール
19…無線コントローラモジュール
20…拡張コネクタ
21…外部メモリカード用コネクタ
22、23…アンテナ
24…電源ボタン
25…リセットボタン
26…イジェクトボタン
31…入出力プロセッサ
32…GPU
33…DSP
34…VRAM
35…内部メインメモリ
7…コントローラ
71…ハウジング
72…操作部
73…コネクタ
74…撮像情報演算部
741…赤外線フィルタ
742…レンズ
743…撮像素子
744…画像処理回路
75…通信部
751…マイコン
752…メモリ
753…無線モジュール
754…アンテナ
700…基板
701…加速度センサ
702…LED
704…バイブレータ
707…サウンドIC
708…アンプ
8…マーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤの操作入力に応じて所定のゲームを実行し、他のゲーム装置と通信可能なゲーム装置であって、
入力装置から出力される操作データを取得する操作データ取得手段と、
前記操作データに応じて、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタを行動させるプレイヤキャラクタ制御手段と、
前記プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの行動に基づいて、当該プレイヤキャラクタを操作するプレイヤに関する操作傾向を示す操作傾向データを生成する操作傾向データ生成手段と、
前記プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの画像データおよび前記操作傾向データ生成手段が生成する操作傾向データを記憶するプレイヤデータ記憶手段と、
前記プレイヤデータ記憶手段が記憶した前記画像データおよび前記操作傾向データの組を前記他のゲーム装置へ送信する送信手段と、
前記他のゲーム装置から送信された前記画像データおよび前記操作傾向データの組を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記他のゲーム装置の前記画像データおよび前記操作傾向データの組を記憶するノンプレイヤデータ記憶手段と、
前記ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された前記他のゲーム装置の画像データに基づいて、当該画像データが示すノンプレイヤキャラクタの画像を表示装置に表示する表示制御手段と、
前記ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された前記他のゲーム装置の操作傾向データに基づいて、仮想ゲーム世界における前記ノンプレイヤキャラクタの行動を制御するノンプレイヤキャラクタ制御手段とを備える、ゲーム装置。
【請求項2】
部位毎に予め用意された複数種類のパーツオブジェクトから部位毎にパーツオブジェクトを前記操作データに応じて選択し、当該選択されたパーツオブジェクトを組み合わせて作成される似顔絵を示すデータを前記画像データとして作成する画像データ作成手段を、さらに備える、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ノンプレイヤキャラクタ制御手段は、ゲーム場面に対して設定された項目別の点数を前記操作傾向データで示される数値でそれぞれ重み付けして、前記ノンプレイヤキャラクタの行動を決定する、請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ノンプレイヤキャラクタ制御手段は、ゲーム場面に対する行動選択肢それぞれに設定された項目別の点数を前記操作傾向データで示される数値でそれぞれ重み付けして総合点を算出し、総合点が最も高い行動選択肢を前記ノンプレイヤキャラクタの行動として決定する、請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記操作傾向データ生成手段は、ゲーム場面において選択したプレイヤキャラクタの行動の割合に基づいてプレイヤに関する操作傾向を推定して前記操作傾向データを生成する、請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記操作傾向データ生成手段は、前記ゲーム場面と類似する場面が到来する毎に前記行動の割合を更新して前記操作傾向データを更新する、請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記操作傾向データ生成手段は、前記プレイヤキャラクタが行動したゲームの結果の統計情報を生成して記憶する統計情報生成手段を含み、
前記操作傾向データ生成手段は、前記プレイヤキャラクタの統計情報に基づいて、プレイヤに関する操作傾向を推定して前記操作傾向データを生成する、請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記他のゲーム装置のプレイヤに関する質問を提示する質問提示手段と、
前記質問提示手段が提示した前記質問の応答として得られた前記操作データに応じて、前記ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された前記他のゲーム装置のプレイヤの操作傾向を示す前記操作傾向データを補正する、操作傾向データ補正手段とを、さらに備える、請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記操作傾向データ生成手段は、前記画像データ生成手段が選択した前記パーツオブジェクトに応じて、前記操作傾向データが示す値の初期値を設定する、請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項10】
プレイヤの操作入力に応じて所定のゲームを実行するゲーム装置であって、
入力装置から出力される操作データを取得する操作データ取得手段と、
前記操作データに応じて、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタを行動させるプレイヤキャラクタ制御手段と、
前記プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの行動に基づいて、当該プレイヤキャラクタを操作するプレイヤに関する操作傾向を示す操作傾向データを生成する操作傾向データ生成手段と、
前記プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの画像データおよび前記操作傾向データ生成手段が生成する操作傾向データを記憶するプレイヤデータ記憶手段と、
前記プレイヤデータ記憶手段が記憶した前記画像データおよび前記操作傾向データの組から、ノンプレイヤキャラクタとして表示させて行動させるための前記画像データおよび前記操作傾向データの組を選択して記憶するノンプレイヤデータ記憶手段と、
前記ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された前記画像データに基づいて、当該画像データが示すノンプレイヤキャラクタの画像を表示装置に表示する表示制御手段と、
前記ノンプレイヤデータ記憶手段に記憶された前記操作傾向データに基づいて、仮想ゲーム世界における前記ノンプレイヤキャラクタの行動を制御するノンプレイヤキャラクタ制御手段とを備える、ゲーム装置。
【請求項11】
プレイヤの操作入力に応じて所定のゲームを実行し、他のゲーム装置と通信可能なゲーム装置のコンピュータで実行されるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
入力装置から出力される操作データを取得する操作データ取得手段と、
前記操作データに応じて、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタを行動させるプレイヤキャラクタ制御手段と、
前記プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの行動に基づいて、当該プレイヤキャラクタを操作するプレイヤに関する操作傾向を示す操作傾向データを生成する操作傾向データ生成手段と、
前記プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの画像データおよび前記操作傾向データ生成手段が生成する操作傾向データをメモリに記憶するプレイヤデータ記憶制御手段と、
メモリに記憶した前記画像データおよび前記操作傾向データの組を前記他のゲーム装置へ送信する送信手段と、
前記他のゲーム装置から送信された前記画像データおよび前記操作傾向データの組を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記他のゲーム装置の前記画像データおよび前記操作傾向データの組をメモリに記憶するノンプレイヤデータ記憶制御手段と、
前記ノンプレイヤデータ記憶手段がメモリに記憶した前記他のゲーム装置の画像データに基づいて、当該画像データが示すノンプレイヤキャラクタの画像を表示装置に表示する表示制御手段と、
前記ノンプレイヤデータ記憶手段がメモリに記憶した前記他のゲーム装置の操作傾向データに基づいて、仮想ゲーム世界における前記ノンプレイヤキャラクタの行動を制御するノンプレイヤキャラクタ制御手段として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項12】
プレイヤの操作入力に応じて所定のゲームを実行するゲーム装置のコンピュータで実行されるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
入力装置から出力される操作データを取得する操作データ取得手段と、
前記操作データに応じて、仮想ゲーム世界に登場するプレイヤキャラクタを行動させるプレイヤキャラクタ制御手段と、
前記プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの行動に基づいて、当該プレイヤキャラクタを操作するプレイヤに関する操作傾向を示す操作傾向データを生成する操作傾向データ生成手段と、
前記プレイヤキャラクタ制御手段が制御するプレイヤキャラクタの画像データおよび前記操作傾向データ生成手段が生成する操作傾向データをメモリに記憶するプレイヤデータ記憶制御手段と、
前記プレイヤデータ記憶制御手段が記憶した前記画像データおよび前記操作傾向データの組から、ノンプレイヤキャラクタとして表示させて行動させるための前記画像データおよび前記操作傾向データの組を選択してメモリに記憶するノンプレイヤデータ記憶制御手段と、
前記ノンプレイヤデータ記憶制御手段がメモリに記憶した前記画像データに基づいて、当該画像データが示すノンプレイヤキャラクタの画像を表示装置に表示する表示制御手段と、
前記ノンプレイヤデータ記憶制御手段がメモリに記憶した前記操作傾向データに基づいて、仮想ゲーム世界における前記ノンプレイヤキャラクタの行動を制御するノンプレイヤキャラクタ制御手段として機能させる、ゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−254406(P2009−254406A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103824(P2008−103824)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【出願人】(508112715)スパイスゲームズ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】