説明

ゲーム装置及びゲーム装置の画像処理方法及びゲーム画像処理プログラム及びその記憶媒体及びゲーム装置の画像処理方法

【課題】本発明は移動体の移動位置に応じて任意の色補正を容易に行えることを課題とする。
【解決手段】制御装置20のCPU101は、記憶装置104に格納された各制御プログラムを読み込み、移動体50がコース40に沿って形成されたパス60の補正値切替ポイントを通過すると、当該ポイントのインデックスに設定された色補正レベルを取得し、当該色彩データの補正値に色補正レベルに対応する色補正データの補正値を合成することで明るさを補正する色彩データ補正処理を実行する。記憶装置104には、色補正データ設定手段120と、補正値切替ポイント設定手段130と、補正値切替判定手段140と、色補正データ取得手段150と、色彩データ補正手段160としての各種制御プログラムが格納されている。さらに、記憶装置104には、画像データベース170と、色補正インデックスデータベース180と、色補正値データベース190とが格納されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモニタに表示されるコースに沿って移動する移動体の位置に応じた画像を生成すると共に、移動体が各ポイント通過する際に色補正データを修正するよう構成されたゲーム装置及びゲーム装置の画像処理方法及び画像処理プログラム及びその記憶媒体及びゲーム装置の画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置に用いられるコンピュータグラフィックス(CG)において、例えば、ポリゴンを用いて画像処理を行う場合、各ポリゴンを構成する複数の画素に対して、その座標及び輝度が設定される。各画素の座標は、ポリゴンが配置される仮想三次元空間に設定された視点座標系におけるポリゴンの頂点座標から求められる。また、各画素の輝度は、カラー表示の場合、赤(R)、緑(G)、青(B)各色毎に設定され、例えば、各色8ビットずつのデジタル値として与えられる。従来、この各画素の輝度は、プログラム作成時等に設定される。
【0003】
ここで、画素の明るさについて簡単に説明すると、グレースケールで表現される画像の明度が8ビットで設定される場合、最も明るい値(255)は白色、最も暗い値(0)は黒色、その間が白から黒に段階的に明るさが変化する灰色である。また、上記R、G、B値を8ビットで設定する場合に、最も明るい値(255)、最も暗い値(0)と各色に設定することで、各色で明暗を判断する。
【0004】
ところで、人間の視覚は、明るい環境下で暗い環境を見ると、その暗い環境をより暗く感じ、暗い環境下で明るい環境を見ると、その明るい環境をより明るく感じる性質を有する。例えば、トンネル外からトンネル内を見ると、本来、真っ暗に見えるはずである。しかしながら、トンネル内を真っ暗の輝度即ち黒色に設定してしまうと、トンネル内の画像に進行したときに、画面全体が真っ黒になってしまい不都合である。また、トンネル内からトンネル外を見ると、本来真っ白に見えるはずである。しかしながら、トンネル外を真っ白に設定してしまうと、トンネルを出たトンネル外の画像に進行したときに、画面全体が真っ白になってしまい不都合である。
【0005】
さらに、人間の視覚は、明るい環境から暗い環境に変化すると、徐々に暗い環境に適応し、その暗い環境内の明るさを感じるようになる。従って、従来においては、人間の視覚を模した画像処理によれば、トンネル外から見たときに真っ暗に見えるはずのトンネル内の画像に、あらかじめ所定の明るさの輝度を与えておき、トンネル外からトンネル内を見ても、その輝度でトンネル内が見えるように表示されていた。また、トンネルから出た後のトンネル外の画像も、人間の視覚がその明るさに適応した後の輝度があらかじめ与えられ、トンネル内からトンネル外を見ても、トンネル外の画像が見えるように表示されていた。
【0006】
例えば、遊技者が自動車などを模した移動体を用いてレース(競走)などを行うゲーム装置においては、その移動体を操縦(操作)する場合、モニタに表示された移動体(図示せず)がトンネル外からトンネル内方向に進んでいる場面を想定してみると、トンネル外の画像は相対的に明るい輝度に設定され、トンネル内の画像は相対的に暗い輝度に設定される。従って、移動体が進行し、トンネル内の画像になると、上記暗い輝度による画像がモニタに表示される。
【0007】
このように、画像の輝度を自動的に調整する方法としては、各フレームの画像の各画素のR、G、B値を取り込み、R、G、B値を用いた演算式により輝度値Yを求め、さらに所定領域の輝度平均値を演算し、この輝度平均値に基づいて背景の明るさを自動的に調整する処理方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、処理手順としては、(手順1)仮想空間を空間内の仮想的な光源でライティングを行なう、(手順2)仮想空間を空間内の仮想的なカメラで投影し、その投影結果である画像の明るさ(輝度)の平均値を求める、(手順3)求めた平均値から適切な明るさの範囲を決定し、画像の輝度を補正する。
【特許文献1】特許第3987296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来のゲーム装置においては、十分な精度の明るさが必要であるので、実数で明るさを画素単位に記録することになるが、この処理方法は低精度の整数で記録することよりも処理が重いため、例えば、自動車などの移動体がコースを走行する際に、その走行速度に応じた画像を生成する過程で各画素単位の輝度を演算することになるので、画像を生成する制御装置の処理能力を超えてしまうという問題があった。
【0010】
また、従来は、仮想空間の投影結果から明るさを補正するため、意図的な色彩変化(明るさの補正など)を行なうには、仮想空間そのものを変更するか、あるいは補正するための演算式を変更しなければならない。そのため、プログラムを書き換えるのに多くの手間がかかり、そのため、意図的な色彩変化を行いにくいという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決したゲーム装置及びゲーム装置の画像処理方法及び画像処理プログラム及びその記憶媒体及びゲーム装置の画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
(1) 本発明は、遊技者の操作に応じて仮想空間におけるコースに沿って移動する移動体の移動位置を演算し、仮想カメラから見た当該移動位置の画像を生成するゲーム装置において、前記移動体の移動位置及び移動方向に応じて画像の色彩データを補正するための色補正データを設定する色補正データ設定手段と、前記コース上の任意の位置を補正値切替ポイントとして設定する補正値切替ポイント設定手段と、前記移動体が前記補正値切替ポイントを通過したことを判定する補正値切替判定手段と、前記補正値切替判定手段により前記移動体が前記補正値切替ポイントを通過したと判定したとき、当該補正値切替ポイントにおける色補正データを取得する色補正データ取得手段と、前記色補正データ取得手段が取得した当該補正値切替ポイントに対応する色補正データの補正値を画像の色彩データと合成して画像の色彩データを補正する色彩データ補正手段と、を備えたことにより、上記課題を解決するものである。
(2) 本発明は、請求項1に記載のゲーム装置であって、前記色補正データ設定手段が、前記コースに配設されたパス上に色補正データを設定し、且つ前記移動体の移動方向が前記コースの順方向または逆方向かによって異なる補正値切替ポイントを設定することにより、上記課題を解決するものである。
(3) 本発明は、請求項1に記載のゲーム装置であって、前記色補正データは、画像の輝度、コントラスト、彩度、変化速度からなり、前記色彩データ補正手段は、前記画像の輝度、コントラスト、彩度、変化速度の少なくとも1つのパラメータに基づき、前記画像の色彩データを補正することにより、上記課題を解決するものである。
(4) 本発明は、遊技者の操作に応じて仮想空間におけるコースに沿って移動する移動体の移動位置を演算し、仮想カメラから見た当該移動位置の画像を生成するゲーム装置の画像処理方法において、ゲーム装置の制御手段に、前記移動体の移動位置及び移動方向に応じて画像の色彩データの値を補正するための色補正データを設定する手順と、前記コース上の任意の位置を補正値切替ポイントとして設定する手順と、前記移動体が前記補正値切替ポイントを通過したことを判定する手順と、前記移動体が前記補正値切替ポイントを通過したと判定したとき、当該補正値切替ポイントにおける色補正データを取得する手順と、前記取得された補正値切替ポイントに対応する色補正データの補正値を画像の色彩データと合成して画像の色彩データを補正する手順と、を実行するように制御されたことにより、上記課題を解決するものである。
(5) 本発明は、仮想空間に設定されたコースに沿って移動する移動体の位置を遊技者の操作に応じて入力される操作情報に基づいて、移動体の移動位置を演算し、当該移動位置に対応する仮想カメラから見た画像を生成するゲーム装置の画像処理プログラムにおいて、コンピュータに、前記移動体の移動位置及び移動方向に応じて画像の色彩データを補正するための色補正データを設定する手順と、前記コース上の任意の位置を補正値切替ポイントとして設定する手順と、前記移動体が前記補正値切替ポイントを通過したことを判定する手順と、前記移動体が前記補正値切替ポイントを通過したと判定したとき、当該補正値切替ポイントにおける色補正データを取得する手順と、前記取得された補正値切替ポイントに対応する色補正データの補正値を画像の色彩データと合成して画像の色彩データを補正する手順と、を実行させることにより、上記課題を解決するものである。
(6) 本発明は、仮想空間に設定されたコースに沿って移動する移動体の移動位置を演算し、当該移動位置に対応する仮想カメラから見た画像を生成するゲーム画像処理プログラムの記憶媒体において、コンピュータに、前記移動体の移動位置及び移動方向に応じて画像の色彩データを補正するための色補正データを設定する手順と、前記コース上の任意の位置を補正値切替ポイントとして設定する手順と、前記移動体が前記補正値切替ポイントを通過したことを判定する手順と、前記移動体が前記補正値切替ポイントを通過したと判定したとき、当該補正値切替ポイントにおける色補正データを取得する手順と、前記取得された補正値切替ポイントに対応する色補正データの補正値を画像の色彩データと合成して画像の色彩データを補正する手順と、を実行させるためゲーム画像制御プログラムが記憶されたことにより、上記課題を解決するものである。
(7) 本発明は、遊技者の操作に応じて、仮想空間にパスが配設されたコースに沿って移動する移動体の移動位置及び移動方向を演算し、仮想カメラから見た当該移動位置における画像を生成するゲーム装置の画像処理方法であって、ゲーム装置の記憶手段が、前記移動体の移動位置及び移動方向に応じて画像の色彩データを補正するための色補正データと、前記パスに前記色補正データと対応する補正値切替ポイント情報と、を記憶し、ゲーム装置の制御手段に、前記仮想カメラの位置座標と前記パスの位置座標とから、前記コースにおける仮想カメラの向きを求めるステップと、前記仮想カメラの向きから前記補正値切替ポイントを選択するステップと、前記仮想カメラの位置座標と前記補正値切替ポイントの位置座標とを比較し、前記補正値切替ポイントから最近傍の補正値切替ポイントを判断するステップと、前記最近傍の補正値切替ポイントから対応する色補正データを取得するステップと、前記色補正データを前記画像に合成するステップと、前記合成した画像を表示装置に出力させるステップと、を実行するように制御することにより、上記課題を解決するものである。
(8) 本発明は、請求項7に記載のゲーム装置の画像処理方法において、前記最近傍の補正値切替ポイントを判断するステップは、前記ゲーム装置の制御手段に、前記補正値切替ポイントの位置座標と前記仮想カメラの位置座標とを比較し、前記仮想カメラが前記補正値切替ポイントを通過したかを判断するステップと、前記補正値切替ポイントを通過したと判断したとき、前記通過した補正値切替ポイントを最近傍の補正値切替ポイントと設定するステップと、をさらに実行させるように制御することにより、上記課題を解決するものである。
(9) 本発明は、請求項7又は8に記載のゲーム装置の画像処理方法において、前記記憶手段に記憶される前記色補正データは、輝度情報、コントラスト情報、彩度情報及び変化速度情報からなり、前記色補正データを前記画像に合成するステップは、ゲーム装置の制御手段に、前記各々の情報に基づき、前記画像の色彩を補正するように制御することにより、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、移動体が補正値切替ポイントを通過したと判定されたとき、補正値切替ポイントにおける色補正データを取得し、取得された補正値切替ポイントに対応する色補正データの補正値を画像の色彩データと合成して画像の色彩データを補正するため、移動体の通過位置に応じた明るさや色相などを容易に修正することが可能になり、例えば、移動体が明るい場所から暗い場所に移動する過程や、暗い場所から明るい場所に移動する過程での明るさの変化を任意の補正値で調整することができ、従来のような明るさの平均値を演算する場合よりも画像修正の処理時間を大幅に短縮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明によるゲーム装置の一実施例を示す斜視図であり、図2はレースを行なうコースを模式的に示す平面図である。
【0016】
図1に示されるように、ゲーム装置10は、1人または2人以上の遊技者が、例えば、図2に示されるようなコース上のスタートからゴールに達するまでのラップタイムや、他の移動体との順位を競うレースを、仮想空間内の移動体を操作して行なうゲーム装置からなる。
【0017】
また、遊技者が着席する運転席12の前方にハンドル14、速度計やエンジン回転数を示すメータ等を模したコンソール16が配置されている。また、運転席12の側方には、ギヤチェンジ操作を行なうためのシフトレバー18が設けられ、コンソール16の下方には遊技者が操作するアクセルペダル、ブレーキペダル(図1中隠れて見えない)などが設けられている。
【0018】
また、本実施例では、図2に示すようなコース40が仮想空間に形成されており、コース40上には移動体50(仮想空間に配置された自動車などを模した、プレイヤや他のプレイヤによって操作される、または、コンピュータによって移動制御されるオブジェクト。以下、「移動体」と記す。)のスタート位置とゴール位置とが設定されている。
【0019】
さらに、図2に示すようにコース40の中央(例:コースのセンタライン付近)上にはコース40に沿うパス60が形成されている。このパス60は、コース40上を走行する移動体50の走行位置(スタート地点からの距離)を判定するための距離計測ポイントが所定間隔ごとに設定されている。また、この距離計測ポイントの夫々には、通し番号がインデックスとして付されているため、通過した各ポイントのコースパスインデックスを検出することで移動体50のスタート地点からの走行距離あるいはゴールまでの距離を求められるように設定しておいてもよい。なお、本実施例におけるパス60とは、仮想空間内に配置されるコース上に点列を設定し、その点列のそれぞれの点に与えられる位置座標などを示す。
【0020】
遊技者が操作を行なうと、移動体50がコース40のスタート位置から進行方向(図2の矢印方向)に移動制御され、遊技者は移動体50をコース40に沿ってハンドルやアクセルペダル、ブレーキペダルなどを用いて操作を行いながら、移動体50をゴールに向かって走行させてゲームを進行させる。
【0021】
なお、図2に示すコースは周回型のコースであるが、これに限定されず、スタート位置とゴール位置が異なる位置に設定されているものでもよい。さらに、コース走行時には、コースの所定位置に設定されている1以上のチェックポイントを制限時間内に通過することで、さらに次のチェックポイント又はゴールまでの制限時間が延長されるようにしてもよい。
【0022】
また、ゲーム装置10は、ゲーム演算を行い、コース及びコースを走行する移動体50の画像を生成する制御装置20と、制御装置20によって生成された画像を表示するモニタ30とを有する。
【0023】
つまり、ゲームプログラムに基づき、ゲームの進行処理、仮想空間でオブジェクトを配置し、移動体の仮想空間における座標位置や移動方向の演算処理、仮想空間内に設けられる視点位置や視線方向を演算処理、ゲーム成績の演算処理などを制御装置20が行う。
【0024】
また、モニタ30に表示されるゲーム画像(背景画像及び移動体の画像)は、仮想空間に設定された仮想視点からの画像、好適には、図7に示すように移動体に追従するように設定された仮想カメラ(仮想視点)80から見た、所謂鳥瞰図形式の遠近感のある様子、もしくは、移動体50の先端位置などに移動体50の移動とともに移動するように設定された仮想カメラ(仮想視点)80から見た、所謂一人称視点形式の様子となっており、移動体50の走行位置に対する画像が制御装置20により生成された後、モニタ30に出力される。
【0025】
従って、仮想空間において、移動体50が仮想空間を移動する速度が速くなるほど、移動体に追従、または、移動体とともに移動する仮想カメラ(仮想視点)の移動速度も速くなるため、モニタ30に表示される背景画像が移動体の走行速度に応じた速度で前方から後方に向かって移動するように表示される。
【0026】
図3Aはゲーム装置の構成を示すブロック図の一例であり、業務用または家庭用向けゲーム装置及びパーソナルコンピュータ、携帯型コンピュータ、携帯電話などに適用可能である。
【0027】
図3Aに示されるように、ゲーム装置10の制御装置20は、装置全体及びレースゲームの制御処理を行なうCPU(Central Processing Unit)101と、CPU101が実行中のプログラム及びデータを保持するバッファとして機能するRAM(Random Access Memory)からなるシステムメモリ103と、後述するゲームを制御する各制御プログラムや出力する画像や音声などの各種データを記憶するデータベースを有する記憶装置104と、装置を起動させた際に各ブロックを初期化するためのプログラムを保持するブートROM(Read Only Memory)105と、各ブロック間でプログラムやデータのやり取りを行うバスを制御するバスアービタ107と、モニタに表示する(ポリゴン)オブジェクト(又は移動体)の仮想空間又は2次元座標内での位置座標や向きを計算するジオメトリプロセッサ102と、ジオメトリプロセッサによって算出されたオブジェクトの向きや位置座標等に基づいて、モニタに出力する画像を生成(描画)するレンダリングプロセッサ108と、それに接続され、画像を生成するためのデータやコマンドなど格納するグラフィックメモリ109と、スピーカ113から出力する音声を生成するオーディオプロセッサ111と、それに接続され、音声を生成するためのデータやコマンドなどを格納するオーディオメモリ112とで構成される。
【0028】
また、制御装置20はハンドル14、シフトレバー18、アクセルペダル、ブレーキペダル等や、ゲーム用コントローラ等のキー操作のためのスイッチなどの周辺機器の操作量に応じた入力信号を入力するためのペリフェラルインタフェース(I/F)106と、通信インタフェース(I/F)114とが接続されている。また、通信インタフェース(I/F)114の他端は、電話回線など(図示せず)のネットワークを介して他のゲーム装置あるいは管理用サーバと通信可能に接続される。
【0029】
なお、システムメモリ、グラフィックメモリ、サウンドメモリは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等で構成されていてもよい。また、1つのメモリをバスアービタに接続して各機能で共通に使用するようにしてもよい。
【0030】
さらに、記憶装置104としては、例えば、マスクROMやフラッシュROMなどの電気的にデータを読み出せるICメモリやHDD(Hard Disk Drive)、CD(Compact Disk)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブなど、光学的にデータを読み出せる装置と光ディスクまたは磁気ディスク等が用いられてもよい。
【0031】
さらになお、各機能ブロックも機能として制御装置内に存在すればよく、機能ブロック同士が統合されていても、もしくは機能ブロック内部の各構成要素が他のブロックとして分離されていてもよい。
【0032】
図3Bは記憶装置104の格納された各制御プログラム及びデータベースを模式的に示す図である。
【0033】
本実施例において、CPU101が記憶装置104に格納された各制御プログラムを読み込みことで、移動体50又は仮想カメラ(仮想視点)80がコース40に形成されたパス60の補正値切替ポイントを通過すると、当該ポイントに設定された色補正レベルを取得し、当該色彩データの補正値に色補正レベルに対応する色補正データの補正値を合成することで、画像の明るさを補正する色彩データ補正処理を実行する。詳しくは後述する。
【0034】
図3Bに示されるように、記憶装置104には、色補正データ設定手段120と、補正値切替ポイント設定手段130と、補正値切替判定手段140と、色補正データ取得手段150と、色彩データ補正手段160としてCPUなどを機能させる各種制御プログラムが格納されている。さらに、記憶装置104には、画像データベース170と、色補正インデックスデータベース180と、色補正値データベース190とが格納されている。
【0035】
色補正データ設定手段120は、移動体50又は仮想カメラ(仮想視点)80の移動位置及び移動方向に応じた画像の色彩データの補正値を補正するための色補正データを色補正インデックスデータベース180及び色補正値データベース190に設定するための制御プログラムよりなる。
【0036】
補正値切替ポイント設定手段130は、コース40上の所定位置を補正値切替ポイントとして設定するための制御プログラムよりなる。
【0037】
補正値切替判定手段140は、移動体50又は仮想カメラ(仮想視点)80が補正値切替ポイントを通過したことを判定する制御プログラムよりなる。
【0038】
色補正データ取得手段150は、補正値切替判定手段140により移動体50または仮想カメラ(仮想視点)80が補正値切替ポイントを通過したと判定されたとき、当該補正値切替ポイントにおける色補正データを色補正値データベース190から取得する制御プログラムよりなる。
【0039】
色彩データ補正手段160は、色補正データ取得手段150により取得された当該補正値切替ポイントに対応する色補正データの補正値を当該補正値切替ポイント以降の各画像の色彩データの補正値と合成して各画像の色彩データを補正する制御プログラムよりなる。
【0040】
画像データベース170は、仮想空間に配置される各オブジェクトの位置座標及び向き情報に対応して格納したデータベースである。
【0041】
図3Cに示されるように、色補正インデックスデータベース180は、コース40上の補正値切替ポイントが設定された色補正パスインデックスに対応する色補正レベル(0,1,2)が格納されたデータベースである。
【0042】
なお、本実施例では、色補正レベルを(0,1,2)と後述するように「露出オーバ」、「露出アンダ」、「露出中間」といった3段階に設定した場合を例に挙げて説明しているが、2段階以下4段階以上の色補正レベルを設定することも可能である。色補正レベル数を増加させた場合、画像の色彩データの補正値をきめ細かく補正することが可能になる。
【0043】
また、本実施例において、「露出」とは「露出調整」を模した色彩調整である。
【0044】
図3Dに示されるように、色補正値データベース190は、色補正レベル(0,1,2)毎に予め設定された画像の補正データ(コントラスト、輝度、彩度、速度、などの補正値)が格納されたデータベースである。また、補正データとしては、コントラスト、輝度、彩度、速度の全てが設定されていても良いし、あるいは、これらの中の1つあるいは2,3つを組み合わせたものとしても良い。なお、後述するが、色補正データは、色空間を構成する要素(パラメータ)であれば、任意のものが設定可能である。
【0045】
また、色補正値データベース190に設定されるコントラスト、輝度、彩度、速度の補正値は、色補正データ設定手段120により任意の数値に設定することが可能である。
【0046】
ここで、図4を参照して制御装置20による仮想空間のオブジェクト表示方法について説明する。
【0047】
図4に示されるように、絶対座標系(X、Y、Z)で表現される3次元の仮想空間にオブジェクトOBJが配置され、視点O(仮想カメラの位置)を基準として視点座標系への座標変換が行われ、次に視野外にある画像情報を除去するクリッピング処理が行われる。
【0048】
なお、3次元の仮想空間に配置されるオブジェクトOBJにおいて、仮想空間のどの位置に、どの向きで配置されるかの情報は、予め記憶装置104などに記憶されていてもよいし、または、ゲームプログラムを実行することで記憶装置104などに記憶されるようにしてもよい。
【0049】
次に、制御装置20は、視点座標系へ変換されたオブジェクトの座標に対して、光源処理などの補間処理や、グラフィックメモリに格納されたテクスチャデータをオブジェクトに貼り付けてオブジェクトの表面にディテールを施してもよい。
【0050】
次に、投影面74内にある物体は、各面を構成する3次元のポリゴンに分割された多面体として表現され、3次元の仮想空間内におけるポリゴンの頂点の座標(X,Y,Z)に基づいて投影面74上に描画される図形の頂点の座標(Xs,Ys)を次式によって演算する。
Xs=(X/Z)×h ・・・(1)
Ys=(Y/Z)×h ・・・(2)
さらに、Z座標の深さが浅いポリゴン、即ち仮想視点に近いポリゴンから優先的に表示する処理などを行い、最後に、モニタに表示するための2次元画像IMGを生成して、生成された画像IMGをモニタ30に出力する。
【0051】
尚、ゲーム画像の表示を行なう場合には、遊技者の操作や制御装置から制御情報に応じて、仮想空間内で仮想視点O(仮想カメラ)の座標位置が移動制御された画像を1/60秒のフレーム単位(所定単位)でモニタに順次表示させることで、移動体50がコース40上を走行する様子を表す画像(映像)をモニタ30に表示する。例えば、レースゲームのように遊技者の操作入力に応じて移動体を移動制御する場合には、移動体の公報に位置するように設定された仮想視点O(仮想カメラ)の位置も移動制御されるため、仮想視点Oの移動制御に伴って、投影される画像も変化する。
【0052】
すなわち、記憶装置などに記憶されている、あるフレーム(n番目)における仮想3次元空間を構成するオブジェクトの仮想3次元空間における基本となる位置座標や向きの情報をグラフィックメモリに読み込む。例えば、移動体や仮想カメラ(仮想視点)などの基本の位置座標および向きは、読み込まれた3次元位置座標や向きの情報により特定される。
【0053】
次に、ジオメトリプロセッサは、n番目のフレームの1つ前のフレーム(n−1番目)での移動体や仮想カメラ(仮想視点)の3次元位置座標および向きの情報から、2次元位置情報を読み出す。
【0054】
次に、ジオメトリプロセッサは、ハンドルやアクセルペダル等を介して入力された操作情報に基づき、絶対座標におけるX方向、Z方向において、どの程度の変化があったかの変化量を求める。この際に、移動体や仮想カメラ(仮想視点)の向きの情報を考慮して変化量を演算してもよい。
【0055】
このようにしてX方向の変化値、及びZ方向の変化値が求められると、n番目のフレームにおける2次元位置座標情報は、その変化値に応じて求められることができる。
【0056】
次に、色補正処理について説明する。
【0057】
本発明における色補正処理は、上記2次元画像IMGを生成する際に行なわれる。すなわち、本実施例の制御装置20では、上記3次元の仮想空間のオブジェクト表示処理により2次元画像IMGを生成する際、色彩データの補正値を適宜補正することにより、例えばモニタ30に表示される画像の明るさを微調整して画像のリアリティ性を高めることができる。
【0058】
なお、色彩データの補正値としては、色空間を構成する要素(パラメータ)であれば、任意に設定することが可能である。例えば、RGB(赤、青、黄)やHSV(色相、彩度、明度)や、HLS(色相、輝度、彩度)、YUV(YCbCr、Greenを主分とする輝度信号(Y)、BlueとYellowの差から求められる青色系統の色相と彩度(U)、RedとYellowの差から求められる赤色系統の色相と彩度(V))を設定することが可能である。
【0059】
以下の実施例においては、YUVの色空間を構成する要素に基づき、コントラスト、輝度、彩度、と変化速度の各パラメータをそれぞれコース上に設定しておくことにより、「露出」を模した状態(例:本実施例では「露出オーバ」、「露出アンダ」、「露出中間」の3段階)に修正することで画像の色彩データを補正することが可能となる。
【0060】
図5はコース40上の任意の位置に補正値切替ポイントを設定する処理を模式的に示す図である。また、図6は仮想視点(仮想カメラ)から見て、補正値切替ポイントを通過したときに設定されている色補正レベルに変化した画像の様子を示す説明図である。
【0061】
図5に示されるように、補正値切替ポイント設定手段130によりコース40上に設定されたパス60の任意の位置には、移動体50または仮想視点(仮想カメラ)80の移動位置及び移動方向に応じて、順方向(図2における進行方向(矢印方向))の補正値切替ポイント62と逆方向(図2における矢印方向に対して180度の方向)の補正値切替ポイント64とが適宜設定される。
【0062】
このゲームにおける仮想空間において、移動体50又は仮想カメラ(仮想視点)80が補正値切替ポイント62,64を通過したことが検出されると、当該補正値切替ポイント62,64のインデックスに対応する色補正レベル(0,1,2)を色補正インデックスデータベース180より取得する。
【0063】
この色補正レベル(0,1,2)は、「露出オーバ」、「露出アンダ」、「露出中間」といった3段階に設定されており、例えば、移動体50又は仮想カメラ(仮想視点)80が明るさ一定の場所を移動した場合には色補正レベル(2)を設定しておき、図6Aに示すように画像90Aの明るさを露出が適正であるような状態を表す画像の色彩データに補正することが可能となる。
【0064】
また、例えば、仮想カメラ(仮想視点)が暗い場所(トンネルや日陰などの領域)から明るい場所(太陽光や照明灯の強い光照射領域)と設定されている領域に移動した場合には、色補正レベル(0)を設定しておき、図6Bに示すように画像90Bの明るさを露出状態が明るい状態を表す画像の色彩データに補正することが可能となる。
【0065】
また、例えば、仮想カメラ(仮想視点)80が明るい場所(太陽光や照明灯の強い光照射領域)から暗い場所(トンネルの領域)と設定されている領域に移動した場合には、色補正レベル(1)を設定しておき、図6Cに示すように画像90Cの明るさを露出状態が暗い状態を表す画像の色彩データに補正することが可能となる。
【0066】
なお、例えば、単にその領域に到達した際にその領域に適した画像に補正するのみではなく、仮想カメラ(仮想視点)80が暗い場所(例:仮想空間内において、「日陰」と設定されている領域)に移動した場合に、図3Dに設定されている色補正レベルに設定されている各パラメータの値に基づいて、露出状態を明るくしたり、逆に露出状態をさらに暗くしたりすることが可能となる。
【0067】
図7は仮想カメラ(仮想視点)と補正値切替ポイントを通過した移動体との位置関係を模式的に示す図である。
【0068】
図7に示されるように、コース40に沿って形成されたパス60の任意の位置に補正値切替ポイント62(ポイントP0,P1,P2)が設定されている場合について説明する。ポイントP0−P1間の領域を仮想カメラ(視点)80が通過する際は、ポイントP0に設定された色補正レベルによって色彩データの補正値を補正する。また、同様に、ポイントP1−P2間の領域を仮想カメラ(仮想視点)80が通過する際は、ポイントP1に設定された色補正レベルによって画像の色彩データの値を補正する。
【0069】
なお、上述した移動体または仮想視点(仮想カメラ)の2次元位置情報とコース上の補正値切替ポイントの2次元位置情報に基づいて、複数ある基準点のいずれかが選択されてもよく、また、例えば補正値切替ポイントの2次元位置情報のうちに最も近い距離にある補正値切替ポイントが選択されてもよい。
【0070】
また、移動体又は仮想カメラ(仮想視点)80は、上述したように、基本の位置座標および向きは、グラフィックメモリに読み込まれた3次元位置座標や向きの情報や予め記憶装置に記憶されている3次元位置座標や向きの情報により特定される。
【0071】
そして、移動体50または仮想カメラ(仮想視点)は、予めコース40における進行方向(例:図2の矢印方向)に移動方向が設定されている。移動体50が遊技者の操作に応じて、コース40における進行方向に対して、所定角度(例:180度)以上移動方向転換したと判断した場合には、移動体50や仮想カメラ(仮想視点)80がコース40を逆方向に走行することになる。
【0072】
さらに、移動体50の進行方向が所定角度以上方向転換したと判断した場合には、追従する仮想カメラ(仮想視点)80の方向も逆方向に切り替わる。また、移動体50の進行方向が再度反転して順方向に向くと、その時点で仮想カメラ80の方向も順方向に切り替わる。
【0073】
また、補正値切替ポイント62,64は、画像中に例えば、白三角(順方向)、黒三角(逆方向)のマーカを表示することも可能である。このように表示することで仮想カメラ(仮想視点)80が補正値切替ポイント62,64を通過したか否かを画像からも視覚的に判定することができる。
【0074】
従って、補正値切替ポイント設定手段130によりコース40上の補正値切替ポイントの設定位置を確認することができる。つまり、補正値切替ポイントを指定すると、図3Dに示すような色補正データの設定画面が表示され、当該ポイントの色補正データを色補正レベル毎に変更することが可能となる。
【0075】
なお、移動体50が補正値切替ポイントP1(最近傍のポイント)を通過した場合、その1つ前の補正値切替ポイントP0に設定された色補正レベルを色補正インデックスデータベース180より取得するように設定してもよい。このようにすることで、画像の明るさの切替えタイミングが僅かに遅れ、この遅れが人間の視覚における反応の遅れや光により刺激を受けた後の陰性残像や陽性残像が生じた場合と同じような明るさ変化として表示することも可能である。
【0076】
図8のフローチャートを参照してCPU101を含む制御装置20が実行する色彩データ補正処理の処理手順について説明する。
【0077】
図8のS11では、制御装置20は、仮想カメラ80の向き(順方向か逆方向か)とコース40のパス60より、パス60上での仮想カメラ80の向き(順方向か逆方向か)を求める。
【0078】
次のS12では、制御装置20は、パス60上で仮想カメラ80の向き(順方向、逆方向)から使用する補正値切替ポイント62,64を選択する。続いて、S13に進み、選択された補正値切替ポイント62,64を通過すると、仮想カメラ80から最近傍の補正値切替ポイントを求める。
【0079】
次のS14では、制御装置20は、補正値切替ポイント62、64のいずれかのうち、最近傍の補正値切替ポイントを仮想カメラ80が通過したか否かをチェックする。S14において、最近傍の当該ポイントを仮想カメラ80の通過した位置にある場合には(YESの場合)、S15に進み、最近傍の当該ポイントを補正値切替ポイントPとする。また、S14において、最近傍の当該ポイントを仮想カメラ80が通過していない位置にある場合には(NOの場合)、S16に進み、最近傍の当該ポイントの1つ前のポイントを補正値切替ポイントPとする。
【0080】
なお、最近傍の補正値切替ポイントか否かは、仮想カメラ(仮想視点)80の2次元位置座標の情報と、補正値切替ポイントの2次元位置座標の情報とを算出し、最も近い位置にあると判断してもよい。
【0081】
S17では、当該ポイントPの色補正レベルを色補正インデックスデータベース180から読み込む。続いて、S18に進み、S17で取得した当該各色補正レベル(0,1,2)に設定された色補正データ(コントラスト、輝度、彩度、速度の補正値)を色補正値データベース190から取得する。
【0082】
次のS19では、取得した補正データ(コントラスト、輝度、彩度、速度の補正値)と現在移動体50が走行しているポイントに設定されている色彩データの補正値とを取得した補正データの速度により合成し、色補正データを作成する。上記合成処理では、例えば、以下の演算式(3)に基づいて補正データを作成する。
(合成された補正データ)=(取得した補正データ)×(速度)+(現在の補正データ)×(1−速度)・・・(3)
そして、S20では、合成された色補正データに従いフレームバッファ(グラフィックメモリ)に格納された色彩データを変化させてモニタ30に表示される画像の色彩を図6A〜図6Cに示すように補正する。
【0083】
このように、モニタ30に表示される画像の色彩を補正するのに、色補正インデックスデータベース180から通過ポイントの色補正レベルを読み込み、色補正値データベース190から各色補正レベル(0,1,2)に設定された明るさの補正データ(コントラスト、輝度、彩度、速度の補正値)を読み込むことで制御装置20の負担を軽減することが可能になり、且つ、任意の位置の色彩を適宜補正するように容易に設定することが可能になる。
【0084】
また、上記ゲーム装置の画像処理方法では、ゲーム装置の制御手段(CPU101)に、仮想カメラ80の位置座標とパス60の位置座標とから、コース40における仮想カメラ80の向きを求めるステップ(S11)と、仮想カメラ80の向きから補正値切替ポイント62,64を選択するステップ(S12)と、仮想カメラ80の位置座標と補正値切替ポイント62,64の位置座標とを比較し、補正値切替ポイント62,64から最近傍の補正値切替ポイントを判断するステップ(S13)と、最近傍の補正値切替ポイントから対応する色補正データを取得するステップ(S18)と、色補正データを画像に合成するステップ(S19)と、合成した画像を表示装置に出力させるステップ(S20)と、を実行するように制御する。
【0085】
また、最近傍の補正値切替ポイントを判断するステップ(S13)は、ゲーム装置の制御手段(CPU101)に、補正値切替ポイント62,64の位置座標と仮想カメラ80の位置座標とを比較し、仮想カメラ80が補正値切替ポイント62,64を通過したかを判断するステップ(S14)と、補正値切替ポイント62,64を通過したと判断したとき、通過した補正値切替ポイントを最近傍の補正値切替ポイントと設定するステップ(S15)と、をさらに実行させるように制御する。
【0086】
また、記憶手段に記憶される前記色補正データは、輝度情報、コントラスト情報、彩度情報及び変化速度情報からなり、色補正データを画像に合成するステップ(S19)は、ゲーム装置の制御手段(CPU101)に、各々の情報に基づき、画像の色彩を補正するように制御する。
【0087】
図9は移動体50がコース40を蛇行した場合を例示する図である。
【0088】
図9に示されるように、移動体50または仮想カメラ(仮想視点)80がコース40のパス60上を走行せず、コース40を蛇行する場合には、パス60の各ポイントのうち一部のポイント上を通過することになる。コース40に1本のパス60が設定されている場合は、仮想カメラ(仮想視点)80がパス60と交差したときのポイントから最近傍の補正値切替ポイント62,64の色補正データを取得し、当該ポイントの色補正レベルを色補正インデックスデータベース180から読み込むことができるように制御プログラムを作成してもよい。
【0089】
また、コース40に1本のパス60が設定されている場合は、仮想カメラ(仮想視点)80がパス60から外れた位置を走行することも考えられる。その場合、移動体50が補正値切替ポイント62,64のそれぞれに直交する仮想ラインLを設定する。その設定された仮想ラインLを移動体50または仮想カメラ(仮想視点)80が通過した時点で最近傍の補正値切替ポイント62,64の補正データを取得するように制御プログラムを作成しても良い。
【0090】
すなわち、仮想カメラ(仮想視点)80が必ず補正値切替ポイント62,64を通過する必要はなく、スタート地点からの距離などによって補正値切替ポイント62,64を通過したと判定し、当該補正値切替ポイントに対応する色補正レベルを色補正インデックスデータベースから読み込むことも可能である。
【0091】
図10はコース40上に複数のパス60が設定された場合を例示する図である。
【0092】
図10に示されるように、コース40には、横幅方向に所定間隔を有する複数のパス60a〜60eが設定されている。このように複数のパス60a〜60eが設定される場合には、複数のパス60a〜60eにおいて、任意の位置に補正値切替ポイント62,64を設定することが可能になるので、コース40のイン側、センタ付近、アウト側によって異なる色補正データを適宜設定することが可能になる。
【0093】
これにより、例えば、コース40の周囲の建物や山などによる日陰がコース40の一部に部分的に発生するような状況、あるいは太陽が雲に隠れる部分と太陽光が照射される部分とが混在するような状況を想定することが可能になる。
【0094】
以上により、制御装置20では、ゲームプログラム実行中、遊技者の操作に応じて移動する移動体50の移動位置などの情報を取得し、各画像を例えば、1/60秒のフレームとして順次表示することで移動体50がコース40上を走行する様子を表す画像(映像)をモニタ30に表示することができるとともに、移動体50と一体的に移動する仮想カメラ(仮想視点)がコース40に沿って形成されたパス60の補正値切替ポイントを通過すると、色補正インデックスデータベース180よりその通過した補正値切替ポイントに設定された色補正パスインデックスに対応する色補正レベルを取得し、さらに当該コースに沿って形成されたパスの補正値切替ポイントの色彩データの補正値に取得した色補正レベルに対応する色補正データの補正値を合成することで、例えば明るさが補正された画像をモニタ30に表示することが可能になる。
【0095】
そのため、例えば、走行位置の環境(太陽光のある明るい場所、トンネルなどの暗い場所など)に適した画像に微調整することができ、よりリアリティ性の高い画像を表示することができる。
【0096】
なお、コントラスト、輝度、彩度、速度など補正値を任意に設定することができ、ゲーム実行中における演出効果をゲーム設計者が意図するような画像の色彩変化を持たせることができるため、単に走行位置の環境に適した画像に調整するだけではなく、より劇的な演出を遊技者に体験させることができる。
【0097】
例えば、本実施例におけるYUVを構成する要素である色相、彩度、コントラストを補正値として設定した場合においても、仮想空間内に赤色灯が並んでいるような場所では、生成された2次元画像をさらに赤味を帯びた画像に補正し、赤いライトで照らされているような演出を行うことも可能である。また、仮想空間内に青色の壁で囲まれているような場所では、生成された2次元画像をさらに青味を帯びた画像に補正することが可能である。これにより、本願発明は仮想空間内における視点への色の反射を演出する方法として、より演出性の高い画像も表示することができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
上記実施例では、自動車のレースゲームについて説明したが、これに限らず、例えば、スキーレースゲーム、スノーボードレースゲーム、ボートレースゲーム、バイクレースゲームなどの仮想空間に形成された特定のコースを遊技者の操作入力、または、コンピュータの制御によって移動制御する移動体が走行するゲームであれば、本発明を適用できるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明によるゲーム装置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】レースを行なうコースを模式的に示す平面図である。
【図3A】ゲーム装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3B】記憶装置104の格納された各制御プログラム及びデータベースを模式的に示す図である。
【図3C】色補正インデックスデータベース180を模式的に示す図である。
【図3D】色補正値データベース190を模式的に示す図である。
【図4】3次元の仮想空間のオブジェクト表示方法を説明するための図である。
【図5】コース40上の任意の位置に補正値切替ポイントを設定する処理を模式的に示す図である。
【図6A】露出中間に補正した画像の表示例を示す図である。
【図6B】露出オーバに補正した画像の表示例を示す図である。
【図6C】露出アンダに補正した画像の表示例を示す図である。
【図7】移動体に追従して移動する仮想カメラ(視点)と補正値切替ポイントを通過した移動体との位置関係を模式的に示す図である。
【図8】CPU101を含む制御装置20が実行する色彩データ補正処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】移動体50がコース40を蛇行した場合を例示する図である。
【図10】コース40上に複数のパス60が設定された場合を例示する図である。
【符号の説明】
【0100】
10 ゲーム装置
20 制御装置
30 モニタ
40 コース
50 移動体
60 パス
70,74 投影面
80 仮想カメラ
101 CPU
102 ジオメトリプロセッサ
103 システムメモリ
104 記憶装置
105 ブートROM
106 ペリフェラルインタフェース
107 バスアービタ
108 レンダリングプロセッサ
109 グラフィックメモリ
120 色補正データ設定手段
130 補正値切替ポイント設定手段
140 補正値切替判定手段
150 色補正データ取得手段
160 色彩データ補正手段
170 画像データベース
180 色補正インデックスデータベース
190 色補正値データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の操作に応じて仮想空間におけるコースに沿って移動する移動体の移動位置及び移動方向を演算し、仮想カメラから見た当該移動位置における画像を生成するゲーム装置において、
前記移動体の移動位置及び移動方向に応じて画像の色彩データを補正するための色補正データを設定する色補正データ設定手段と、
前記コース上の所定位置を補正値切替ポイントとして設定する補正値切替ポイント設定手段と、
前記移動体が前記補正値切替ポイントを通過したことを判定する補正値切替判定手段と、
前記補正値切替判定手段により前記移動体が前記補正値切替ポイントを通過したと判定したとき、当該補正値切替ポイントにおける色補正データを取得する色補正データ取得手段と、
前記色補正データ取得手段が取得した当該補正値切替ポイントに対応する色補正データの補正値を画像の色彩データと合成して該画像の色彩データを補正する色彩データ補正手段と、
を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記色補正データ設定手段は、
前記コースに配設されたパスに色補正データを設定し、且つ前記移動体の移動方向が前記コースの順方向または逆方向に応じて異なる補正値切替ポイントを設定することを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記色補正データは、輝度、コントラスト、彩度、変化速度からなり、
前記色彩データ補正手段は、輝度、コントラスト、彩度、変化速度の少なくとも1つのパラメータに基づき、前記画像の色彩データを補正することを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
遊技者の操作に応じて仮想空間におけるコースに沿って移動する移動体の移動位置及び移動方向を演算し、仮想カメラから見た当該移動位置の画像を生成するゲーム装置の画像処理方法において、
ゲーム装置の制御手段は、
前記移動体の移動位置及び移動方向に応じて画像の色彩データの値を補正するための色補正データを設定する手順と、
前記コース上の所定位置を補正値切替ポイントとして設定する手順と、
前記移動体が前記補正値切替ポイントを通過したことを判定する手順と、
前記移動体が前記補正値切替ポイントを通過したと判定したとき、当該補正値切替ポイントにおける色補正データを取得する手順と、
前記取得された補正値切替ポイントに対応する色補正データの補正値を画像の色彩データと合成して該画像の色彩データを補正する手順と、
を実行するように制御されたゲーム装置の画像処理方法。
【請求項5】
入力される操作情報に基づいて、仮想空間に設定されたコースに沿って移動する移動体の移動位置及び移動方向を演算し、当該移動位置に対応する仮想カメラから見た画像を生成する画像処理プログラムにおいて、
コンピュータに、
前記移動体の移動位置及び移動方向に応じて画像の色彩データを補正するための色補正データを設定する手順と、
前記コース上の所定位置を補正値切替ポイントとして設定する手順と、
前記移動体が前記補正値切替ポイントを通過したことを判定する手順と、
前記移動体が前記補正値切替ポイントを通過したと判定したとき、当該補正値切替ポイントにおける色補正データを取得する手順と、
前記取得された補正値切替ポイントに対応する色補正データの補正値を画像の色彩データと合成して該画像の色彩データを補正する手順と、
を実行させるため画像処理プログラム。
【請求項6】
請求項5の画像処理プログラムが記憶された記憶媒体。
【請求項7】
遊技者の操作に応じて、仮想空間にパスが配設されたコースに沿って移動する移動体の移動位置及び移動方向を演算し、仮想カメラから見た当該移動位置における画像を生成するゲーム装置の画像処理方法であって、
ゲーム装置の記憶手段が、
前記移動体の移動位置及び移動方向に応じて画像の色彩データを補正するための色補正データと、前記パスに前記色補正データと対応する補正値切替ポイント情報と、を記憶し、
ゲーム装置の制御手段に、
前記仮想カメラの位置座標と前記パスの位置座標とから、前記コースにおける仮想カメラの向きを求めるステップと、
前記仮想カメラの向きから前記補正値切替ポイントを選択するステップと、
前記仮想カメラの位置座標と前記補正値切替ポイントの位置座標とを比較し、前記補正値切替ポイントから最近傍の補正値切替ポイントを判断するステップと、
前記最近傍の補正値切替ポイントから対応する色補正データを取得するステップと、
前記色補正データを前記画像に合成するステップと、
前記合成した画像を表示装置に出力させるステップと、
を実行するように制御することを特徴とするゲーム装置の画像処理方法。
【請求項8】
請求項7に記載のゲーム装置の画像処理方法において、
前記最近傍の補正値切替ポイントを判断するステップは、
前記ゲーム装置の制御手段に、
前記補正値切替ポイントの位置座標と前記仮想カメラの位置座標とを比較し、前記仮想カメラが前記補正値切替ポイントを通過したかを判断するステップと、
前記補正値切替ポイントを通過したと判断したとき、前記通過した補正値切替ポイントを最近傍の補正値切替ポイントと設定するステップと、
をさらに実行させるように制御することを特徴とするゲーム装置の画像処理方法。
【請求項9】
前記記憶手段に記憶される前記色補正データは、
輝度情報、コントラスト情報、彩度情報及び変化速度情報からなり、
前記色補正データを前記画像に合成するステップは、
ゲーム装置の制御手段に、
前記各々の情報に基づき、前記画像の色彩を補正するように制御することを特徴とする請求項7又は請求項8記載のゲーム装置の画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【公開番号】特開2010−4964(P2010−4964A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165124(P2008−165124)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】