説明

ゲーム装置及び情報記憶媒体

【課題】本発明の課題は、オブジェクト空間における所望の視点の提供と、視覚的効果の向上である。
【解決手段】プレーヤは、ゲーム中に使用する視点を自由に選択することができ、所望の視点がない場合には、その視点のパラメータを視点編集画面204にて編集することにより、所望の視点として設定・使用することができる。また、視点を切り替える際のボタン等の割付を、プレーヤが任意に決めることができるため、視点切り替えにおける操作性も向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所与のゲームにおけるオブジェクト空間内の所与の視点での画像を生成し、当該画像を所与の表示部に表示して、前記所与のゲームを実行するゲーム装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想的な3次元空間であるオブジェクト空間内に複数のオブジェクトを配置し、オブジェクト空間内の所与の視点から見える画像を生成することによって、所与のゲームを楽しむゲーム装置が開発、実用化されている。例えば、このゲーム装置において、レーシングカーゲームを楽しむ場合には、プレーヤは、レーシングカーを操作してオブジェクト空間内で走行させ、他のプレーヤやコンピュータが操作するレーシングカーと競争することで3次元ゲームを楽しむ。
【0003】
さて、このようなゲーム装置においては、如何にして効果的に視点を制御するかが重要な技術的課題となっている。そして、このような視点制御に関する従来技術として例えば特許文献1に開示される技術が知られている。この従来技術では、プレーヤが操作部に設けられる視点切り替えボタンを押すことで、いわゆる視点切り替えが可能になる。即ち、1人称視点(プレーヤが操作する移動体が画面に表示されない視点)と3人称視点(プレーヤが操作する移動体が画面に表示される視点)の切り替えが可能になる。
【特許文献1】特開平7−116343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来技術では、プレーヤが使用できる視点は定まっており、何れの視点を使用するかを切り替えることができるのみであった。
【0005】
そこで、視点設定のバラエティを増やす技術として例えば特開平11−347249号公報に開示される技術が開発されている。この従来技術では、複数の切替パターンの内、所望の切替パターンをプレーヤが選択することができ、一の切替パターンを選択後は、選択された切替パターンに含まれる複数の視点を切り替えることが可能となる。例えば、1人称視点と3人称視点が設定された第1の切替パターンと、1人称視点とヘリコプター視点(プレーヤが操作する移動体を上空から見た視点)が設定された第2の切替パターンの内、第2の切替パターンを選択した後は、第2の切替パターンに含まれる1人称視点とヘリコプター視点を切り替えることができる。
【0006】
しかし、この従来技術においても、プレーヤが使用できる視点は予め定まっているため、所望の視点に切り替えるためには、複雑な操作を要する。例えば、上述例において、第1の切替パターンの3人称視点からヘリコプター視点に切り替えるためには、まず第2の切替パターンを選択し、その後、ヘリコプター視点に切り替えるといった操作が必要となる。
【0007】
このため、プレイ中に所望の視点へ切り替える際にはある程度の時間がかかっていた。また、この間にもゲームは進行しているため、視点切り替えに要する時間・手間から、思わぬゲーム状況に陥るといった事態が発生し得、プレーヤに不親切であった。
【0008】
さらに、視点の位置、方向、回転角度、画角等が予め定まっていたため、プレーヤが任意に視点を編集することはできなかった。
【0009】
また、従来技術において切り替えの対象となる視点は、ゲーム中の定常的な視点であるため、その視点から見える画像は一定のものとなり、その効果には自ずと限界がある。そのため、定常的な視点の切り替えでは得られない効果を有する視点、画像が望まれていた。
【0010】
本発明の課題は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オブジェクト空間における所望の視点の提供と、視覚的効果の向上である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するため、第1の発明は、所与のゲームにおけるオブジェクト空間内の所与の視点での画像を生成し、当該画像を所与の表示部に表示して、前記所与のゲームを実行するゲーム装置において、前記オブジェクト空間内での前記所与の視点のパラメータ(例えば、図6の視点編集画面204の右上部204aにおける各パラメータ)を所望のパラメータとなるように編集する視点編集手段(例えば、図2の視点編集部114)を備えるゲーム装置である。
【0012】
また、第10の発明として、所与のゲームにおけるオブジェクト空間内の所与の視点での画像を生成させて、前記所与のゲームを実行させるための情報を記憶した情報記憶媒体であって、前記オブジェクト空間内での前記所与の視点のパラメータ(例えば、図6の視点編集画面204の右上部204aにおける各パラメータ)を所望のパラメータとなるように編集させるための情報(例えば、図2の視点設定プログラム44における図10の視点編集処理)を含む情報記憶媒体を構成してもよい。
【0013】
この第1の発明等によれば、視点のパラメータを編集することができるため、プレーヤの好みに応じた所望の視点とすることが可能となる。
【0014】
第2の発明は、所与のゲームにおけるオブジェクト空間内の所与の視点での画像を生成し、当該画像を所与の表示部に表示して、前記所与のゲームを実行するゲーム装置において、複数の視点の中から、所望の視点を単数もしくは複数選択することにより切替パターン(例えば、図4の視点選択画面206における第1視点と第2視点の組合せ)を決定するパターン決定手段(例えば、図2の切替パターン決定部112)と、前記パターン決定手段により決定された切替パターンに含まれる複数の視点の中から、1つの視点を選択する選択手段(例えば、図2の視点切替部122)と、前記選択手段により選択された視点から見た前記オブジェクト空間内の画像を生成する画像生成手段(例えば、図2の画像生成部150)と、を備えるゲーム装置である。
【0015】
また、第11の発明として、所与のゲームにおけるオブジェクト空間内の所与の視点での画像を生成させて、前記所与のゲームを実行させるための情報を記憶した情報記憶媒体であって、複数の視点の中から、所望の視点を単数もしくは複数選択させることにより切替パターン(例えば、図4の視点選択画面206における第1視点と第2視点の組合せ)を決定させるためのパターン決定情報(例えば、図2の視点設定プログラム44における図9のステップS300)と、前記パターン決定情報により決定された切替パターンに含まれる複数の視点の中から、1つの視点を選択させるための選択情報と、前記選択情報により選択された視点から見た前記オブジェクト空間内の画像を生成させるための画像生成情報と、を含む情報記憶媒体を構成することとしてもよい。
【0016】
この第2または第11の発明によれば、切替パターンとなる視点を所望の視点とすることができ、視点の切替における操作性を向上させることができる。
【0017】
また、第3の発明として、第2の発明のゲーム装置において、前記パターン決定手段による選択が可能な視点(例えば、図4の視点選択画面206における(1)ドライバー視点〜(6)ヘリコプター視点)を、前記所与のゲームの進行に応じて変更することとしてもよく、第4の発明として、第2または第3の発明のゲーム装置において、前記パターン決定手段による選択が可能な視点を、前記所与のゲームのプレイ時間に応じて変更するゲーム装置を構成することとしてもよい。
【0018】
また、第12の発明として、第11の発明の情報記憶媒体において、前記パターン決定情報による選択が可能な視点を、前記所与のゲームの進行に応じて変更させるための情報を含むこととしてもよく、第13の発明として、第11または第12の発明の情報記憶媒体において、前記パターン決定情報による選択が可能な視点を、前記所与のゲームのプレイ時間に応じて変更させるための情報を含む情報記憶媒体を構成してもよい。
【0019】
ここで、視点の変更とは、視点の数が増減することや、視点の位置等が異なることを意味する。また、ゲームの進行とは、ゲームステージのクリアや、特別なアイテムの発見の他、ステージをクリアできず、同一ステージを繰り返しプレイしているといったプレイ回数等をも含む意である。
【0020】
この第3、第4、第12または第13の発明によれば、ゲームの進行やゲームのプレイ時間に応じて選択可能な視点が変更するため、視点を変更するためのアイテムの取得をプレーヤが欲したり、ゲームステージをクリアした賞品として視点を変更するといったことが可能となる。従って、同一のゲームであっても、視点が変更することによる視覚的効果を得ることができ、ゲームの面白さを向上させることができる。
【0021】
また、第5の発明として、第2から第4のいずれかの発明において、前記パターン決定手段による選択が可能な視点のパラメータを、所望のパラメータとなるように編集する視点編集手段を備えるように構成してもよい。
【0022】
また、第14の発明として、第11から第13のいずれかの発明において、前記パターン決定情報による選択が可能な視点のパラメータを所望のパラメータとなるように編集させるための情報を含むように構成してもよい。
【0023】
この第5または第14の発明によれば、視点のパラメータを編集することができるため、プレーヤの好みに応じた所望の視点とすることが可能となる。
【0024】
また、第6の発明として、第2から第5のいずれかの発明のゲーム装置において、前記パターン決定手段により決定された切替パターンに含まれる視点それぞれに対応する、所与の操作部の操作ボタンを割り付ける割付手段(例えば、図2の視点割付部116)を備え、前記割付手段により割り付けられた操作ボタンの入力がなされた場合には、当該操作ボタンに対応する視点が前記選択手段により選択され、当該視点から見た前記オブジェクト空間内の画像が前記画像生成手段により生成されるように構成してもよいし、第7の発明として、第2から第5のいずれかの発明のゲーム装置において、前記パターン決定手段により決定された切替パターンに含まれる視点それぞれに対応する、所与の操作部のアナログ操作値(例えば、図3の操作部10のアナログ方向キー14を倒す角度等)を割り付ける割付手段(例えば、図2の視点割付部116)を備え、前記所与の操作部から入力されたアナログ操作値が、前記割付手段により割り付けられたアナログ操作値であった場合には、当該アナログ操作値に対応する視点が前記選択手段により選択され、当該視点から見た前記オブジェクト空間内の画像が前記画像生成手段により生成されるように構成してもよい。
【0025】
また、第15の発明として、第11から第14のいずれかの発明の情報記憶媒体において、前記パターン決定情報により決定される切替パターンに含まれる視点それぞれに対応する、所与の操作部の操作ボタンを割り付けさせるための割付情報(例えば、図2の視点設定プログラム44における図9のステップS400)を含み、前記割付情報により割り付けられた操作ボタンの入力がなされた場合には、当該操作ボタンに対応する視点が前記情報により選択され、当該視点から見た前記オブジェクト空間内の画像が前記画像生成情報により生成されるように情報記憶媒体を構成してもよいし、第16の発明として、第11から第14のいずれかの発明の情報記憶媒体において、前記パターン決定情報により決定された切替パターンに含まれる視点それぞれに対応する、所与の操作部のアナログ操作値(例えば、図3の操作部10のアナログ方向キー14を倒す角度等)を割り付けさせるための割付情報(例えば、図2の視点設定プログラム44における図9のステップS400)を含み、前記所与の操作部から入力されたアナログ操作値が、前記割付情報により割り付けられたアナログ操作値であった場合には、当該アナログ操作値に対応する視点が前記選択情報により選択され、当該視点から見た前記オブジェクト空間内の画像が前記画像生成情報により生成されるように情報記憶媒体を構成してもよい。
【0026】
この第6、第7、第15、または第16の発明によれば、切り替える各視点に応じた操作部の操作を割り付けることができるため、プレーヤが操作し易い操作で、視点の切り替えを行うことが可能となる。
【0027】
第8の発明は、所与のゲームにおけるオブジェクト空間内の所与の視点での画像を生成し、当該画像を所与の表示部に表示して、前記所与のゲームを実行するゲーム装置において、前記オブジェクト空間内におけるオブジェクトを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたオブジェクトの表示態様を変化させる変化手段と、を備えるゲーム装置である。
【0028】
第17の発明は、所与のゲームにおけるオブジェクト空間内の所与の視点での画像を生成させて、前記所与のゲームを実行させるための情報を記憶した情報記憶媒体であって、前記オブジェクト空間内におけるオブジェクトを選択させるための選択情報と、前記選択情報により選択されたオブジェクトの表示態様を変化させるための変化情報と、を含む情報記憶媒体である。
【0029】
ここで、表示態様とは、オブジェクト空間における当該オブジェクトの形や色彩、透明度等を指し、表示態様を指定可能なように構成することとしてもよい。また、表示態様を変化させるか否かを切り替え可能に構成することとしてもよい。
【0030】
この第8または第17の発明によれば、表示態様が変化したオブジェクトを、オブジェクト空間内において、発見させ易くしたり、また逆に発見し難くすることができるといった、当該オブジェクトに対する視覚的効果を変化させることができる。
【0031】
第9の発明は、所与のゲームにおけるオブジェクト空間内の所与の視点での画像を生成し、当該画像を所与の表示部に表示して、前記所与のゲームを実行するゲーム装置において、前記オブジェクト空間内におけるオブジェクトを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたオブジェクトに対して、前記所与の視点を変化させる変化手段と、を備えるゲーム装置である。
【0032】
第18の発明は、所与のゲームにおけるオブジェクト空間内の所与の視点での画像を生成させて、前記所与のゲームを実行させるための情報を記憶した情報記憶媒体であって、前記オブジェクト空間内におけるオブジェクトを選択させるための選択情報と、前記選択情報により選択されたオブジェクトに対して、前記所与の視点を変化させるための変化情報と、を含む情報記憶媒体である。
【0033】
ここで、視点の変化とは、視点の位置や回転、画角といった視点のパラメータが変化することを意味し、その変化の内容(パラメータ)を指定可能なように構成することとしてもよい。また、視点を変化させるか否かを切り替え可能に構成することとしてもよい。
【0034】
この第9または第18の発明によれば、視点が変化することにより、オブジェクトを発見させ易くしたり、また逆に発見し難くするといった、当該オブジェクトに対する視覚的効果を変化させることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、プレーヤの好みに応じた所望の視点を得られたり、オブジェクトに対する視覚的効果を変化させるといったことができる。同一のゲームであっても、視点が変更すること等による視覚的効果を得ることができ、ゲームの面白さを向上さることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では、本発明を家庭用のゲーム装置におけるレーシングカーゲーム(以下レースゲームという。)に適用した場合を例にとって説明するが、本発明が適用されるものはこれに限られるものではなく、業務用のゲーム装置や他のゲームに適用することも可能である。
【0037】
図1は、本発明を家庭用のゲーム装置に適用した場合の一例を示す図である。
図1において、プレーヤは、ディスプレイ2020に映し出されるゲーム画像を見ながら、ゲームコントローラ2010を操作することによって、仮想的な車(オブジェクト空間内の車(移動体)を意味し、以下プレーヤが操作する車を自車という。)を操縦し、コンピュータにより操縦される車等と順位を競い合うレースゲームを楽しむ。この時、プレーヤは、ゲームコントローラ2010の所与のボタンを押す等して視点を切り替えることによって、所望の視点でのゲーム画像を見ることができる。
【0038】
また、プレーヤは、切り替え用のボタン操作を割り付けることによって、所望のボタン操作によって所望の視点に切り替えるよう設定したり、視点位置等の視点自体を編集することができる。
【0039】
また、ゲームプログラム等のゲームを行うために必要な情報は、本体装置2010に着脱自在な情報記憶媒体であるCD−ROM2040、ICカード2032、メモリカード2034等に格納されている。
【0040】
また、1レースが終わった後やステージ終了後等のゲーム中の所与のタイミング、あるいはプレーヤによるセーブ指示により、ゲームの進行状況に関する情報を含むプレイデータがメモリカード2034に書き込まれる。また、プレーヤが設定した視点等に関する情報も、ゲーム中の所与のタイミング或いはプレーヤのセーブ指示により、メモリカード2034に書き込まれる。
【0041】
本実施の形態の家庭用のゲーム装置における機能ブロックの一例を図2に表す。機能ブロックとしては、操作部10と、処理部100と、表示部20と、携帯型情報記憶装置30と、情報記憶媒体40とから構成される。
【0042】
操作部10は、図1におけるゲームコントローラ2010に対応するものであり、図3(a)に示すように、ボタン12と、アナログ方向キー14が備えられている。そして、プレーヤが操作部10を操作することにより、ボタン12の押下信号や、アナログ方向キー14が倒された角度・量等を示すアナログ操作値が、操作データとして処理部100に出力される。
【0043】
処理部100は、上記操作データと情報記憶媒体40に記憶されたゲームプログラム42等に基づいて、オブジェクト空間にオブジェクトを配置する処理や、このオブジェクト空間の所与の視点での画像を生成する処理を行う。この処理部100の機能は、CPU(CISC型、RISC型)、DSP、ASIC(ゲートアレイ等)、メモリなどのハードウェアにより実現できる。
【0044】
処理部100には、ゲーム演算部110と画像生成部150とが含まれる。ゲーム演算部110は、ゲームの進行処理、移動体の位置や方向を決める処理、視点位置や視線方向を決める処理、オブジェクト空間へオブジェクトを配置する処理等を行う。
【0045】
画像生成部150は、ゲーム演算部110により設定されたオブジェクト空間での所与の視点での画像を生成する処理を行う。画像生成部150により生成された画像は表示部20において表示される。
【0046】
ゲーム演算部110には、切替パターン決定部112と、視点編集部114と、視点割付部116と、移動体演算部118と、視点制御部120とが含まれる。
【0047】
切替パターン決定部112は、プレーヤの指示に応じて、複数の視点の中からゲーム中に使用する視点を選択し、その視点の組合せを切替パターンとして決定するものである。具体的には、図4に示す視点選択画面206を表示部20に表示させ、使用する視点の選択をプレーヤに促して、切替パターンを決定する視点選択処理を実行する。
【0048】
図4において、プレーヤは、(1)ドライバー視点、(2)自車後方視点(近)、(3)自車後方視点(遠)、(4)自車後方視点(右)、(5)自車後方視点(左)、(6)ヘリコプター視点の6つの視点の中から、第1視点と第2視点の2つの視点を、切り替える(ゲーム中に使用する)視点として選択できる。この第1の視点と第2の視点の組合せが切替パターンであるが、切替パターンの視点は3以上であってもよいし、1つの視点(例えば(1)ドライバー視点)は固定的に必ず設定されることとして、切り替える他の視点を選択可能としてもよい。なお、図4における視点選択画面206は、第1の視点として(1)ドライバー視点が選択され、第2の視点を選択中の画面例である。
【0049】
視点編集部114は、オブジェクト空間内における視点のパラメータとして、視点の位置、方向、回転角度、画角等を編集するための処理を行うものである。具体的には、後述する視点編集処理(図10)を実行するものであるが、まず、図5に示す編集視点選択画面202を表示部20に表示させて、編集する視点の選択をプレーヤに促し、編集する視点が選択された後には、図6に示す視点編集画面204を表示部20に表示させて、視点の編集を行う。
【0050】
図6の視点編集画面204においては、簡明のため、視点をカメラとして表現している(以下説明においても、簡明のため適宜カメラとして表現する。)。視点編集画面204は、図6に示すように、右下部204bに編集中のカメラ(視点)から見た画像が表示されており、プレーヤは、この画像を参照しながら右上部204aのカメラ(視点)のパラメータを調整し、所望の視点となるように編集する。
【0051】
パラメータには、大きく分けて、カメラ位置と、カメラ角度と、その他設定の3つのものがある。カメラ位置には、自車からの距離と、自車の真後ろを基準とした緯度と、水平を基準とした経度のパラメータがあり、カメラ角度には、縦方向の首振りを表す角度Xと、横方向の首振りを表す角度Yと、視線方向を中心とした回転角度を表す角度Zのパラメータがあり、その他設定には、視野範囲(ズーム率)を表す画角と、自車との追従度合と、路面のロール(左右の傾斜)に対する追従ON/OFFと、路面の凹凸に対する追従ON/OFFのパラメータがある。
【0052】
ここで、追従とは、自車と視点との間に設けられた仮想的なバネにより、自車に視点を追従させることであり、この仮想バネのバネ定数が追従度合のパラメータによって変化される。追従度合が強い場合には、自車が加速または減速した場合の画像のぶれが少なくなる。一方、追従度合が弱い場合には、自車が加速または減速した場合の画像のぶれが大きくなる。このため、ゲームプレイの難易度が高くなるが、その反面、迫力あるリアルな画像を提供できる。
【0053】
また、同様に、路面のロールや凹凸に対する追従に対しても、傾斜した路面における走行や、乗り上げた時やガタガタ道を走行した時のような変動をリアルな画像で得られる。即ち、追従OFFを選択した場合には、カメラ(視点)の角度は常に自車のローカル座標系で固定されるため、画面中の自車は固定されて、背景(水平線や地形)が変化するのみとなる。このため、傾斜した路面やガタガタ道を走行した時の視覚的な感覚がプレーヤに伝わり難くなる。一方、追従ONを選択した場合には、背景(水平線や地形)の水平面に対してカメラ(視点)の角度が固定されるため、傾斜した路面においては自車が傾き、凹凸のある路面においては、自車が振動するような画像が得られる。
【0054】
なお、路面のロールや凹凸に対する追従をON/OFFのみとせず、X%追従させるといった設定を行うこととして、追従度合を変化させ、よりリアルな感覚を画像として提供できるようにしてもよい。
【0055】
また、図6において、視点編集画面204の左上部204cには、設定されたパラメータに応じたカメラ位置が、自車との関係において斜視図として表されており、左下部204dには、設定されたパラメータに応じたカメラ角度がカメラの斜視図として表されている。
【0056】
ここで、プレーヤが操作部10を操作し、左上部204cや左下部204dに示されたカメラを移動等させることにより、カメラの位置や角度等のパラメータを変更し、変更されたパラメータの値が右上部204aに表示されることとしてもよい。その場合には、数値として入力する必要がないため、容易かつ感覚的にパラメータを設定することができる。
【0057】
また、プレーヤによって設定された視点(カメラ)の各パラメータは、ゲーム中の所与のタイミングあるいはプレーヤのセーブ指示等により、図7に示す視点設定データ34として、携帯型情報記憶装置30に格納される。図7において、視点設定データ34は、視点(カメラ)毎に、当該視点の視点番号と、カメラ位置、カメラ角度、その他設定の各パラメータとを対応づけて格納したデータテーブルである。
【0058】
図2において、視点割付部116は、切替パターンの視点に対応する操作部10の操作を割り付ける切替視点割付処理を行うものである。具体的には、切替パターンの視点を、デジタル的な操作、即ち、図3(a)における操作部10のボタン12(の押下)、或いは、アナログ的な操作、即ち、アナログ方向キー14が倒される角度に割り付ける処理を行うものである。
【0059】
例えば、操作部10のLボタンに切替パターンの第1の視点を、Rボタンに第2の視点を割り付けるといったことができる。
【0060】
またアナログ方向キー14の倒される角度への割り付けは、例えば、図3(b)に示すように、0〜90度、90度〜180度、180度〜270度、270度〜360度の4つの角度範囲に、切り替える視点を割り付けるといったことにより実現できる。なお、角度範囲自体も変更可能として、例えば、0〜180度と180度〜360度の2つの角度範囲とすることで、左右何れかに倒した場合に視点が切り替わることとしてもよい。
【0061】
また、上記割り付けは、ゲーム中の所与のタイミングあるいはプレーヤのセーブ指示等により、図8に示す割付データ36として、携帯型情報記憶装置30に格納される。図8における割付データ36としては、Lボタンには第1の視点が、Rボタンには第2の視点が割り付けられている。また、アナログ方向キー14の角度範囲0〜90度には第1の視点が、90〜180度には第1の視点が、180度〜270度には第2の視点が、270度〜360度には第2の視点が割り付けられている。
【0062】
移動体演算部118は、操作部10から入力される操作データや所与のプログラムに基づき、プレーヤが操作する移動体(自車)や所与の制御プログラムにより動きが制御される移動体を、オブジェクト空間内で移動させるための演算を行う。
【0063】
視点制御部120は、移動体演算部118で得られた移動体の位置や方向のデータと、視点編集部114により設定された各視点のパラメータ等に基づいて、視点位置や視線方向等を求める処理を行う。具体的には、視点の位置等を決定し、プレーヤの操作する移動体(自車)に追従するように視点を移動させる等の処理を行う。そして、視点制御部120によって制御された視点において見える画像が、画像生成部150により生成される。
【0064】
視点制御部120には視点切替部122が含まれ、視点切替部122は、操作部10から入力される操作データに基づいて、当該操作に対応する視点が視点割付部116によって割り付けられていた場合には、該当する視点に切り替えるための処理を行う。
【0065】
携帯型情報記憶装置30は、レースゲームにおけるプレイデータ32や、上述した視点設定データ34、割付データ36等が記憶されるものであり、ICカードや、メモリカード、携帯型ゲーム装置等により実現できる。
【0066】
情報記憶媒体40は、レースゲームに係るゲームプログラム42や視点設定処理を行うための視点設定プログラム44、ゲームのデフォルト値等のデータを記憶するものである。この情報記憶媒体40の機能は、CD−ROM、ゲームカセット、ICカード、MO、FD、DVD、ハードディスク、メモリなどのハードウェアにより実現できる。処理部100は、この情報記憶媒体40から読み出すプログラム、データに基づいて種々の処理を行うこととなる。
【0067】
ここで、ゲームプログラム42と視点設定プログラム44とは別個のプログラムとしたが、視点設定プログラム44をゲームプログラム42のサブルーチンとして、ゲームプログラム44内に記述し、一体のプログラムとすることとしてもよい。
【0068】
なお、情報記憶媒体40が書き換え可能な媒体であれば、携帯型情報記憶装置30に記憶することとして説明した視点設定データ34や割付データ36等を、情報記憶媒体40に記憶させることとしてもよい。
【0069】
次に、ゲーム演算部110によって読み出されて実行される視点設定プログラム44に係る視点設定処理について、図9及び図10を参照して説明する。
【0070】
まず、例えば、レースを開始する前や、次のステージへ移る間といったゲーム中の所与のタイミングにおいて、視点を設定するための、いわゆるオプション画面を表示する旨の入力がなされた場合に、ゲーム演算部110は、情報記憶媒体40から視点設定プログラム44を読み出して、視点設定処理の実行を開始する。
【0071】
そして、ゲーム演算部110は、視点の設定として、視点編集処理と、視点選択処理と、切替視点割付処理の何れの処理を行うかの選択入力を促す画面を画像生成部150を介して表示部20に表示する(ステップS100)。そして、選択された処理を実行した後、視点設定処理を終了する。
【0072】
ステップS100において、視点編集処理の実行が選択された場合には、ゲーム演算部110の視点編集部114が次の視点編集処理を行う(ステップS200)。すなわち、まず、視点編集部114は、編集視点選択画面202を表示部20に表示させ、ワーク用の変数Nに“1”を代入する(ステップS201)。次いで、第N視点を選択して(ステップS202)、第N視点を編集するか否かのメッセージを表示部20に表示させる(ステップS203)。編集する旨の指示入力がなされた場合には、視点編集部114は、視点編集画面204を表示部20に表示させて、選択された視点に係るパラメータをプレーヤの指示入力に応じて変更・編集する(ステップS204)
【0073】
第N視点の編集終了後、またはステップS203において第N視点を編集しない旨の指示入力がなされた場合には、視点編集部114は、Nが視点設定数の最大値、即ち、ユーザが選択可能な視点の最大視点番号か否かを判定する(ステップS205)。最大値でないと判定した場合には、視点編集部114は、Nに“1”を加えた後(ステップS206)、ステップS202へ処理を移行し、Nが最大値となるまでステップS202〜S206の処理を繰り返し実行する。
【0074】
そして、ステップS205において、Nを最大値と判定した場合には、視点編集部114は、視点編集処理を終了する。
【0075】
また、ステップS100において、視点選択処理の実行が選択された場合には、ゲーム演算部110の切替パターン決定部112は、視点選択画面206を表示部20に表示させて、切替パターンとなる視点をプレーヤに選択させる視点選択処理を行う(ステップS300)。
【0076】
なお、この際、プレーヤの操作を容易ならしめるため、視点選択画面206において、一の視点が選択された後、特定のボタンが押下された場合には、視点編集部114が視点編集画面204を表示させて、当該視点に対する視点編集処理を行うこととしてもよい。
【0077】
以上のように、視点編集処理と視点選択処理を行うことにより、プレーヤは、所望の視点を切替パターンとすることができる。すなわち、視点は予め定まっている固定的なものではなく、プレーヤが自由に設定することができるとともに、その組合せもプレーヤが任意に決めることができる。
【0078】
また、ステップS100において、切替視点割付処理の実行が選択された場合には、ゲーム演算部110の視点割付部116は以下の切替視点割付処理を行う。すなわち、プレーヤの指示入力に基づいて、切替パターンの視点を、操作部10のどの操作ボタン12に割り付けるか、あるいはアナログ方向キー14を倒すどの角度範囲に割り付けるかの処理を行う。例えば、操作ボタンとしてLボタンとRボタンがある場合には、Lボタンに第1の視点を、Rボタンに第2の視点を割り付けたり、アナログ方向キーを左に倒した時には第1の視点、右に倒した時には第2の視点といった割り付けを、プレーヤの指示に応じて行う(ステップS400)。
【0079】
この切替視点割付処理を行うことにより、ゲーム中の視点切り替え操作として操作しやすいボタンに、切替パターンの視点を割り付けることができるため、視点切替操作における利便性・操作性を向上させることができる。
【0080】
また、この切り替え操作(割り付け)は、一のボタンの押下として説明したが、これに限られず、例えば、LボタンとRボタンを同時に押下した場合に視点を切り替えたり、Rボタンをトグルボタンとして、Rボタンを押下する回数に応じて視点を切り替える等としてもよい。
【0081】
また、プレーヤは、視点編集処理において設定した視点のパラメータや、切替視点割付処理において割り付けたボタン等の割り付けを携帯型情報記憶装置30へ記憶させることにより、次回プレイする時にも同じ視点、同じ割り付けでプレイすることができる。
【0082】
以上のようにしてプレーヤが編集・選択した視点の切替パターンの例を図11、図12に示す。図11における切替パターンとしては、視点1−A(ドライバー視点)と視点1−B(ヘリコプター視点)が選択・設定されており、図12における切替パターンとしては、視点2−A(自車後方視点(遠))と視点2−B(自車後方視点(右))が選択・設定されている。このように、プレーヤは好みの視点を切替パターンに選択することができる。
【0083】
また、視点1−Aと視点2−Aの切替操作、視点1−Bと視点2−Bの切替操作は、プレーヤの好みのボタンや好みのアナログ方向キーの角度に割り付けることができる。
【0084】
次に、本実施の形態を実現できるハードウェアの構成の一例について図13を用いて説明する。同図に示す装置では、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、音生成IC1008、画像生成IC1010、I/Oポート1012、1014が、システムバス1016により相互にデータ入出力可能に接続されている。そして画像生成IC1010にはディスプレイ1018が接続され、音生成IC1008にはスピーカ1020が接続され、I/Oポート1012にはコントロール装置1022が接続され、I/Oポート1014には通信装置1024が接続されている。
【0085】
情報記憶媒体1006は、プログラム、表示物を表現するための画像データ、音データ、プレイデータ等が主に格納されるものである。例えば家庭用ゲーム装置ではゲームプログラム等を格納する情報記憶媒体としてCD−ROM、ゲームカセット、DVD等が用いられ、プレイデータを格納する情報記憶媒体としてメモリカードなどが用いられる。また業務用ゲーム装置ではROM等のメモリやハードディスクが用いられ、この場合には情報記憶媒体1006はROM1002になる。
【0086】
なお本実施の形態では、ゲームプログラム42の他、視点設定プログラム44が着脱可能なCD−ROMで構成された情報記憶媒体に格納されている。また、プレイデータ32、視点設定データ34、及び割付データ36は着脱可能なメモリカードに格納されていることとして説明している。
【0087】
コントロール装置1022はゲームコントローラ、操作パネル等に相当するものであり、ユーザーがゲーム進行に応じて行う判断の結果を装置本体に入力するための装置である。
【0088】
情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)、コントロール装置1022によって入力される信号等に従って、CPU1000は装置全体の制御や各種データ処理を行う。RAM1004はこのCPU1000の作業領域等として用いられる記憶手段であり、情報記憶媒体1006やROM1002の所与の内容、或いはCPU1000の演算結果等が格納される。
【0089】
更に、この種の装置には音生成IC1008と画像生成IC1010とが設けられていてゲーム音やゲーム画像の好適な出力が行えるようになっている。音生成IC1008は情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報に基づいて効果音やバックグラウンド音楽等のゲーム音を生成する集積回路であり、生成されたゲーム音はスピーカ1020によって出力される。また、画像生成IC1010は、RAM1004、ROM1002、情報記憶媒体1006等から送られる画像情報に基づいてディスプレイ1018に出力するための画素情報を生成する集積回路である。なおディスプレイ1018は発光機能を有していることが必要であり、例えばCRT、LCD、プラズマディスプレイ等が適している。
【0090】
また通信装置1024はゲーム装置内部で利用される各種の情報を外部とやりとりするものであり、他のゲーム装置と接続されてゲームプログラムに応じた所与の情報を送受したり、通信回線を介してゲームプログラム等の情報を送受すること等に利用される。
【0091】
また、ゲームをはじめとする視点設定処理等の各種処理は、ゲームプログラム42や視点設定プログラム44を格納した情報記憶媒体1006と、該プログラムに従って動作するCPU1000、画像生成IC1010、音生成IC1008等によって実現される。なお画像生成IC1010、音生成IC1008等で行われる処理は、CPU1000あるいは汎用のDSP等によりソフトウェア的に行ってもよい。
【0092】
図14に、ホスト装置1300と、このホスト装置1300と通信回線1302を介して接続される端末1304−1〜1304−nとを含むゲーム装置に本実施の形態を適用した場合の例を示す。
【0093】
この場合、視点設定プログラム44は、例えばホスト装置1300が制御可能な磁気ディスク装置、磁気テープ装置、メモリ等の情報記憶媒体1306に格納されている。端末1304−1〜1304−nが、CPU、画像生成IC、音生成ICを有し、スタンドアロンでゲーム画像、ゲーム音を生成できるものである場合には、ホスト装置1300からは、視点設定プログラム44等が通信回線1302を介して端末1304−1〜1304−nに配信される。一方、スタンドアロンで生成できない場合には、ホスト装置1300がゲーム画像、ゲーム音を生成し、これを端末1304−1〜1304−nに伝送し、端末において出力することになる。
【0094】
以上のように、本発明によれば、プレーヤは、ゲーム中に使用する視点を自由に選択することができ、所望の視点がない場合には、その視点のパラメータを編集することにより、所望の視点として設定・使用することができる。また、視点を切り替える際の操作部10のボタン等の割付を、プレーヤが任意に決めることができるため、視点切り替えにおける操作性を向上させることができる。
【0095】
なお、本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、切替パターンとして選択できる視点の数を予め決まっている数(第1の視点と第2の視点)として説明したが、ゲームの進行状況やプレイ時間に応じて変化することとしてもよい。すなわち、初級者用のコースやステージにおいては、ヘリコプター視点等の初級者にとって操作し易いと思われる視点を多く用意し、上級者用のコースやステージにおいては、ドライバー視点等の上級者にとって操作し易いと思われる視点を多く用意することとしてもよい。
【0096】
また、コースやステージをクリアする毎に、或いは、ゲームのプレイ時間が所与の時間に達した場合に、選択できる視点の数を増減させることとしてもよい。
【0097】
また、上記実施の形態においては、レースゲームについてのみ説明したが、ロールプレイングゲーム(以下RPGという。)やアドベンチャーゲーム、野球・サッカー等のスポーツゲーム、格闘ゲーム、シューティングゲーム等へも適用が可能である。すなわち、視点の編集や切り替えを行うことに意義、効果が見出せるゲームであれば、何れのゲームへも適用が可能である。
【0098】
例えば、RPGやアドベンチャーゲームにおいては、主人公たるキャラクタの視点や上空から主人公を見下ろす視点等を、野球・サッカー等のスポーツゲームにおいては、操作対象のキャラクタの視点やスタジアム上空からの視点等を、格闘ゲームやシューティングゲームにおいては、プレーヤキャラクタの視点や格闘・戦闘シーンを横から見た視点等を、本発明の適用対象の視点として、当該視点のパラメータを編集させたり、切り替えさせることとしてもよい。
【0099】
本発明を野球ゲームに適用した場合の画面例を図15および図16に示す。図15(a)はバッター後方の視点、図15(b)はピッチャー後方の視点、図16はスタジアム上空からの視点である。これらの視点の内、プレーヤは、バッター後方の視点(図15(a))と、スタジアム上空からの視点(図16)を切替パターンとして選択し、当該野球ゲームにおいて攻撃を行うこととしてもよい。この場合には、盗塁等の種々の操作に応じて、使い勝手のよい視点をプレーヤが選択(切り替える)することができるため、操作性・利便性を向上させることができる。
【0100】
また、上記実施の形態においては、ゲーム中における定常的な視点の変更等について説明したが、次のようにしてもよい。即ち、特定のオブジェクトに対する視点や特定のオブジェクトの見え方が変わることとしてもよい。
【0101】
例えば、RPGやアドベンチャーゲーム等において、特定のオブジェクトとして、宝物オブジェクトや爆弾オブジェクトを指定し、当該宝物オブジェクト等が視野内(視点から見える視野内)、すなわち表示画面内に存在する場合には、視点の位置が宝物オブジェクト等の反対側に移動する等としてもよい。実現方法としては、特定オブジェクトの指定と、特定オブジェクトに対する視点の変化(位置や回転、画角といった視点のパラメータの変化)とを対応づけて設定させ、当該設定に基づいて、オブジェクト空間における視点から見える画像を生成する際に、特定オブジェクトが視野内に存在した場合に視点を変更させることとすることにより実現できる。また、視点の変化については、視点編集画面204のような編集画面を表示して、変化の値や量を編集することとしたり、視点選択画面206のような画面を表示して、様々な変化の中から所望の変化を選択することにより実現できる。
【0102】
このような特定オブジェクトに対する視点の変化の例を、図17に示す。図17は、特定オブジェクトとして宝物オブジェクトが指定された場合において、視点を変化させない場合(同図(a))と、やや視点の位置をずらす場合(同図(b))と、反対側に移動する場合(同図(c))の3つのケースを示している。このように、特定オブジェクトに対する視点を変化することにより、オブジェクト空間内に特定オブジェクトが隠れて配置されている場合や、当該視点からは見えないが視野内に存在するような特定オブジェクトの存在を、プレーヤに認知させることができる。すなわち、同図(b)や同図(c)のように視点の変化を設定することにより、プレーヤは、特定オブジェクトを認知することができる。
【0103】
また、同図において矢印で示したように、視点の変化をゲーム中に切り替え可能に構成してもよい。即ち、通常のプレイ画面においては同図(a)のような視点が、ボタンの押下やアナログ方向キーを倒すこと等により、同図(b)や同図(c)のような視点に切り替わることとしてもよい。なおこの場合においては、視野内(視点から見える視野内)に特定オブジェクトが存在しない場合には視点が切り替わらないこととして、プレーヤに対して、特定オブジェクトが視野内に存在しているか否か等を認知させることとしてもよい。
【0104】
また、視点を変化させずに次の様な処理を行うこととしてもよい。すなわち、視点は変化させずに、特定オブジェクトそのものの表示態様を変化させることとしてもよい。図18に、この場合における特定オブジェクトの表示態様の変化の例を示す。図18において、特定オブジェクトは宝物オブジェクトでなく、障害物オブジェクト、即ち、宝物オブジェクトを隠している隠しオブジェクトが指定されている。また表示態様の変化としては、透明度を変化する旨指定されている。
【0105】
同図(a)は通常の表示例であり、同図(b)は特定オブジェクトの透明度を上げる、即ち向こう側が見えるように表示する旨の指定がなされた場合の表示例であり、同図(c)は特定オブジェクトの透明度を100%、即ち表示しない旨の指定がなされた場合の表示例である。
【0106】
なお、図18において特定オブジェクトを障害物オブジェクトとしたが、宝物オブジェクトを特定オブジェクトとし、色彩を目立つにように変化させることとしてもよい。
【0107】
特定オブジェクトの表示態様を変化させる実現方法としては、特定オブジェクトの指定と、特定オブジェクトの表示態様の変化(形や色彩、透明度等の変化)とを対応づけて設定させ、オブジェクト空間を生成する際、あるいはオブジェクト空間における視点から見える画像を生成する際に、特定オブジェクトの表示態様を変化させることにより実現できる。また、特定オブジェクトの表示態様の変化については、視点編集画面204や視点選択画面206のような画面を表示して、所望の変化を編集・選択させることとしてもよい。
【0108】
また、図18において矢印で示したように、特定オブジェクトの表示態様の変化をゲーム中に切り替え可能に構成してもよい。
【0109】
なお、上記特定オブジェクトに対する視点を変化させる処理や、特定オブジェクトの表示態様を変化させる処理は、RPGやアドベンチャーゲーム等の他、シューティングゲームやレースゲーム等の他のゲームへも適用が可能であることはいうまでもない。例えば、シューティングゲームにおいて、特定の敵キャラクタを特定オブジェクトとして視点を変化させることにより、その敵キャラクタへの攻撃を容易にするといったことが可能となる。また、レースゲームにおいて特定の車(移動体)を特定オブジェクトとして、その態様を変化させることにより、その車を目指して速く走ろうとするといった、よりエキサイティングなゲームを実現することができる。
【0110】
また、上記特定オブジェクトに対する視点を変化させる処理や、特定オブジェクトの表示態様を変化させる処理を、ゲームの進行に応じて使えるようにしてもよい。即ち、例えば、RPGにおける魔法の一種としたり、レースゲームにおける懸賞等としてもよい。また、ゲームの初級者や中級者、上級者等に応じて、上記処理を使用可能としたり、使用不可能とすることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明を家庭用のゲーム装置に適用した場合の一例を示す図である。
【図2】本発明を適用した家庭用のゲーム装置における機能ブロックの一例を示す図である。
【図3】(a)は、操作部10の概観斜視図である。(b)は、操作部10のアナログ方向キー14を倒す角度について説明するための図である。
【図4】視点選択画面206の一例を示す図である。
【図5】編集視点選択画面202の一例を示す図である。
【図6】視点編集画面204の一例を示す図である。
【図7】視点設定データ34のデータ構成の一例を示す図である。
【図8】割付データ36のデータ構成の一例を示す図である。
【図9】視点設定処理のフローチャートである。
【図10】視点編集処理のフローチャートである。
【図11】切替パターンについて説明するための図である。
【図12】切替パターンについて説明するための図である。
【図13】本実施の形態を実現できるハードウェアの構成の一例を示す図である。
【図14】ホスト装置と通信回線を介して接続されるゲーム端末に本実施の形態を適用した場合の一例を示す図である。
【図15】本発明を野球ゲームに適用した場合について説明するための図である。
【図16】本発明を野球ゲームに適用した場合について説明するための図である。
【図17】特定オブジェクトに対する視点の変化の例を示す図である。
【図18】特定オブジェクトの表示態様の変化の例を示す図である。
【符号の説明】
【0112】
10 操作部
100 処理部
110 ゲーム演算部
112 切替パターン決定部
114 視点編集部
116 視点割付部
118 移動体演算部
120 視点制御部
122 視点切替部
150 画像生成部
20 表示部
30 携帯型情報記憶装置
40 情報記憶媒体
42 ゲームプログラム
44 視点設定プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定オブジェクトを含む複数のオブジェクトが配置されたオブジェクト空間の画像を、所与の視点に基づき生成してゲームを実行するゲーム装置において、
前記特定オブジェクトが視野内に存在した際に変化させる視点の変化の内容を設定する視点変化設定手段と、
前記オブジェクト空間中の前記視点の視野内に前記特定オブジェクトが存在することを検出する視野内検出手段と、
前記検出に応じて、前記視点変化設定手段により設定された変化内容に従って前記視点を変化させる視点変化手段と、
前記視点に基づき前記オブジェクト空間の画像を生成し、前記視点変化手段により視点が変化された場合には、その変化された視点に基づいて画像を生成する画像生成手段と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
特定オブジェクトを含む複数のオブジェクトが配置されたオブジェクト空間の画像を、所与の視点に基づき生成してゲームを実行するゲーム装置において、
前記特定オブジェクトが視野内に存在した際に変化させる視点の変化の内容を設定する視点変化設定手段と、
前記オブジェクト空間中の前記視点の視野内に前記特定オブジェクトが存在することを検出する視野内検出手段と、
プレーヤによる視点変化指示の操作入力を検出する視点変化指示検出手段と、
前記視野内検出手段による検出、及び、前記視点変化指示検出手段による検出がなされた場合に前記視点変化設定手段により設定された変化内容に従って前記視点を変化させる視点変化手段と、
前記視点に基づき前記オブジェクト空間の画像を生成し、前記視点変化手段により視点が変化された場合には、その変化された視点に基づいて画像を生成する画像生成手段と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
特定オブジェクトを含む複数のオブジェクトが配置されたオブジェクト空間の画像を、所与の視点に基づき生成してゲームを実行するゲーム装置において、
前記特定オブジェクトの表示態様の変化の内容を設定する表示態様変化設定手段と、
前記オブジェクト空間中の前記視点の視野内に前記特定オブジェクトが存在することを検出する視野内検出手段と、
前記検出に応じて、前記表示態様変化設定手段により設定された表示態様に従って前記特定オブジェクトの表示態様を変化させる表示態様変化手段と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
特定オブジェクトを含む複数のオブジェクトが配置されたオブジェクト空間の画像を、所与の視点に基づき生成してゲームを実行するゲーム装置において、
前記特定オブジェクトの表示態様の変化の内容を設定する表示態様変化設定手段と、
前記オブジェクト空間中の前記視点の視野内に前記特定オブジェクトが存在することを検出する視野内検出手段と、
プレーヤによる前記特定オブジェクトの表示態様変化指示の操作入力を検出する表示態様変化指示検出手段と、
前記視野内検出手段による検出、及び、前記表示態様変化指示検出手段により検出がなされた場合に前記表示態様変化設定手段により設定された表示態様に従って前記特定オブジェクトの表示態様を変化させる表示態様変化手段と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
コンピュータに、特定オブジェクトを含む複数のオブジェクトが配置されたオブジェクト空間の画像を、所与の視点に基づき生成してゲームを実行させるためのプログラムであって、
前記特定オブジェクトが視野内に存在した際に変化させる視点の変化の内容を設定する視点変化設定手段、
前記オブジェクト空間中の前記視点の視野内に前記特定オブジェクトが存在することを検出する視野内検出手段、
前記検出に応じて、前記視点変化設定手段により設定された変化内容に従って前記視点を変化させる視点変化手段、
前記視点に基づき前記オブジェクト空間の画像を生成し、前記視点変化手段により視点が変化された場合には、その変化された視点に基づいて画像を生成する画像生成手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項6】
コンピュータに、特定オブジェクトを含む複数のオブジェクトが配置されたオブジェクト空間の画像を、所与の視点に基づき生成してゲームを実行させるためのプログラムであって、
前記特定オブジェクトが視野内に存在した際に変化させる視点の変化の内容を設定する視点変化設定手段、
前記オブジェクト空間中の前記視点の視野内に前記特定オブジェクトが存在することを検出する視野内検出手段、
プレーヤによる視点変化指示の操作入力を検出する視点変化指示検出手段、
前記視野内検出手段による検出、及び、前記視点変化指示検出手段による検出がなされた場合に前記視点変化設定手段により設定された変化内容に従って前記視点を変化させる視点変化手段、
前記視点に基づき前記オブジェクト空間の画像を生成し、前記視点変化手段により視点が変化された場合には、その変化された視点に基づいて画像を生成する画像生成手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項7】
コンピュータに、特定オブジェクトを含む複数のオブジェクトが配置されたオブジェクト空間の画像を、所与の視点に基づき生成してゲームを実行させるためのプログラムであって、
前記特定オブジェクトの表示態様の変化の内容を設定する表示態様変化設定手段、
前記オブジェクト空間中の前記視点の視野内に前記特定オブジェクトが存在することを検出する視野内検出手段、
前記検出に応じて、前記表示態様変化設定手段により設定された表示態様に従って前記特定オブジェクトの表示態様を変化させる表示態様変化手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項8】
コンピュータに、特定オブジェクトを含む複数のオブジェクトが配置されたオブジェクト空間の画像を、所与の視点に基づき生成してゲームを実行させるためのプログラムであって、
前記特定オブジェクトの表示態様の変化の内容を設定する表示態様変化設定手段、
前記オブジェクト空間中の前記視点の視野内に前記特定オブジェクトが存在することを検出する視野内検出手段、
プレーヤによる前記特定オブジェクトの表示態様変化指示の操作入力を検出する表示態様変化指示検出手段、
前記視野内検出手段による検出、及び、前記表示態様変化指示検出手段により検出がなされた場合に前記表示態様変化設定手段により設定された表示態様に従って前記特定オブジェクトの表示態様を変化させる表示態様変化手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−61715(P2006−61715A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−316643(P2005−316643)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【分割の表示】特願2000−57236(P2000−57236)の分割
【原出願日】平成12年3月2日(2000.3.2)
【出願人】(000134855)株式会社ナムコ (1,157)
【Fターム(参考)】