説明

ゲーム装置

【課題】 多様性を有し、教育的効果を発揮し得るゲーム装置を提供する。
【解決手段】 本発明に係るゲーム装置は、質問文字類の字形と解答文字類とが各桝目単位で比較照合され、質問文字類と解答文字類とが一致するか否か比較照合手段により比較照合され、その比較照合の結果に応じて解答結果報知手段から解答結果報知情報が出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、桝目を利用したゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の桝目が表示されたボードにコンピュータにより設定又はマニュアルで設定されたアルファベット等の文字、数字、各種記号等(以下、案内文字類という)を隠し表示し、対戦する相手の船をX−Y軸で指定しつつ隠された質問文字類を推理するようにした魚雷船ゲーム装置が知られている(例えば、非特許文献1)
【非特許文献1】インターネット<URL:http://home3.highway.ne.jp/hasu/reder.htm>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のゲーム装置は、二人以上のプレーヤが必要であり、またボードも対戦相手同士で二つ必要となるため、装置構成が大掛かりとなる。さらに、ゲーム内容が単純であり、多様性に乏しいため、文字類を憶える教育的配慮に欠けるものであった。
【0004】
本発明の課題は、多様性を有し、教育的効果を発揮し得るゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、複数の桝目がマトリクス状に表示された桝目盤を有し、この桝目盤の周縁部に前記各桝目に対応して案内文字類が表示されたボードと、前記案内文字類のうちのいずれかを選択して質問文字類として設定する質問設定手段と、前記案内文字類のうちのいずれかを選択して解答文字類として入力をするための推定入力手段と、前記設定された質問文字類の字形と前記解答入力された解答文字類とを前記各桝目単位で比較照合し、前記質問文字類と解答文字類とが一致するか否か比較照合する比較照合手段と、前記照合手段による比較照合の結果に応じて解答結果報知情報を出力する解答結果報知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記質問設定手段は、前記桝目盤の周縁に沿って摺動可能に設けられた手動のスライドレバーと、前記スライドレバーの位置に対応する案内文字類を示す質問データを生成する質問データ生成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のゲーム装置において、前記質問設定手段は、前記案内文字類の中からいずれかを任意に自動選択して設定する自動質問データ生成手段により構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲーム装置において、前記解答入力手段は、前記桝目盤の周縁に沿って摺動可能に設けられた手動のスライドレバーと、前記スライドレバーの位置に対応する案内文字類を示す解答データを生成する解答データ生成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲーム装置において、前記解答入力手段から入力された解答データが正解である場合に、その正解に係る桝目上に目印として載置するための複数のチップを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲーム装置において、前記解答情報報知手段は前記解答入力手段から入力された解答データが正解である場合に、正解を示す報知情報を出力することを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲーム装置において、前記解答情報報知手段は前記解答入力手段から入力された解答データが不正解である場合に、不正解を示す報知情報を出力することを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲーム装置において、前記解答情報報知手段は前記照合手段による比較照合の結果に応じた音又は光を出力することを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲーム装置において、前記ボードの各桝目のそれぞれに設けられた発光手段と、前記解答入力手段から入力された解答データが正解である場合に、その正解に係る桝目の発光手段を発光させる発光制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、質問文字類の字形と解答文字類とが各桝目単位で比較照合され、質問文字類と解答文字類とが一致するか否か比較照合手段により比較照合され、その比較照合の結果に応じて解答結果報知手段から解答結果報知情報が出力される。従って、解答入力を試行錯誤的に繰り返すことにより質問文字類の字形が順次桝目ごとに明らかとなり、文字類の字形を推理しながらゲームが進行するので、教育的効果を発揮することが可能となる。
また、質問文字類に設定を自動設定することにより、対戦相手がいなくとも一人でゲームを行うことができ、さらに複数台のゲーム装置を必要とせず、構成の簡素化が可能となる。
また、質問文字類を同時に複数設定することにより、ゲームの多様性或いは難易度の調整が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1に、ゲーム装置の外観例を示す。
ボード1上に、複数の桝目4がマトリクス状に表示された桝目盤2が設けられている。
【0016】
桝目盤2の周縁には、文字類3、即ち、アルファベット(ABC・・・Z)等の文字、数字(123・・・10)が各桝目4ごとに対応して表記されている。また、桝目盤2の周縁に、当該外周辺に沿って(矢印の方向)スライド可能なスライドレバー5、6、7及び8が設けられている。
【0017】
ボード1の側端部にはスイッチ板11が設けられている。スイッチ板11には電源スイッチ9、質問入力又は解答入力の決定を入力するエンターキー10が設けられている。
【0018】
質問文字類の設定は、内蔵コンピュータによる自動設定又はプレーヤの手動によるマニュアル設定が可能である。
【0019】
自動設定する場合は、スライドレバー5、6、7又は8をスライドさせて文字類3中の特定の文字類(例えば、”?”)に合わせた後、エンターキー10を押下することにより、自動設定モード信号がマイコン12(図2)に送られる。マイコン12は、乱数等を用いて自動的に質問文字類を設定する。
【0020】
手動設定する場合は、スライドレバー5、6、7又は8をスライドさせて文字類3中の設定したい文字類(例えば、”?”以外の他の文字、例えば、”T”)に合わせた後、エンターキー10を押下することにより、入力された解答文字類がマイコン12に送られる。マイコン12は、入力された解答文字類データに基づいて後述するプログラムに基づいてデータ処理を行なう。
【0021】
なお、質問文字類は複数(例えば、最大4)設定可能であり、スライドレバー5、6、7又は8を文字類3中の数字に合わせてエンターキー10を押下することにより、対応するデータがマイコン12に送られ、マイコン12に設定される。
【0022】
解答文字類を入力する場合には、スライドレバー5、6、7又は8をスライドさせ、プレーヤが推理する文字類に合わせた後、エンターキー10を押下する。すると、プレーヤが推理する文字類に対応する解答入力データがマイコン12に送られ、マイコン12内においてデータ処理され、解答入力文字類が質問文字類の字形の一部に対応するか否かが判定される。
【0023】
図2に、本発明に係るゲーム装置の制御回路例を示す。
図2に示すように、スライドレバー5、6、7又は8により選択される文字類の質問データ及び解答データは、信号線15を通じてマイコン12に送られる。
尚、このマイコン12はボード1の裏面側に配置された制御基板(図示せず)に実装されているものとする。
【0024】
マイコン12は、CPU、ROM、メモリ、入出力ポート等を備えている。CPUは、ROMに記憶された本発明に係るゲーム装置を統括的に制御するプログラム(図3参照)と協働してゲームの進行を制御する。ROMには、プログラムのヴァージョンアップを考慮して書き換え可能なEEPROMを用いてもよい。メモリはDRAM、SRAM等で構成され、ボード1側から送られる質問データや解答データを一時的に記憶する記憶手段として機能する。マイコン12には、解答結果を報知するための解答結果報知手段13が接続されている。
【0025】
解答結果報知手段13は、解答入力が正解である場合にその旨を知らせる正解音(例えば、ピンポーン等)、逆に不正解である場合にその旨を知らせる不正解音(ブーブー等)等の音色、音の種類等が異なる解答結果音を発生する音声発生記回路及びアンプ回路を有している(図示せず)。アンプ回路で増幅された解答結果音は、スピーカ14から発せられる。
【0026】
次に、図3を参照して本発明に係るゲーム装置の動作を説明する。
まず、電源スイッチ9をONすると、ゲーム装置は質問文字数の設定モードに入る(ステップS1)。
【0027】
質問文字数の設定は、プレーヤがスライドレバー5、6、7又は8を操作して自動設定モードか手動設定モードかのいずれかを選択することで行われる。質問文字数が入力されると、処理はステップS2に進み、質問文字類の設定が行われる。
【0028】
質問文字類の設定は、プレーヤがスライドレバー5、6、7又は8を操作して質問したい(隠したい)文字類を桝目盤2上に表示された文字類3の中から選択し、エンターキー10を押下することで行われる。このとき、選択された質門文字類はマイコン12内に、あたかも桝目盤2上に質問文字類の字形が描かれたように仮想的に記憶される。すなわち、桝目盤2上の各桝目4ごとに質問文字類を構成する線分のデータが記憶されることになる。
【0029】
更にエンターキー10が押下されると、処理はステップS3に進み、質問文字類の入力数のカウントが行われ、ステップS1で設定された文字数分だけステップS2の処理が繰り返される(ステップS3:N)。設定された文字数に達すると(ステップS3:Y)、処理はステップS4に進み、解答入力モードに入る。
【0030】
解答文字の入力は、プレーヤがスライドレバー5、6、7又は8を操作して正解と思われる(推理する)文字類3の中から選択し、エンターキー10を押下することで行われる。エンターキー10が押下されると、処理はステップS5に進み、入力された解答文字類が記憶されている質問文字類の字形の一部に対応するか否かの比較照合が行われる。すなわち、入力した解答文字類に対応する桝目盤4上の桝目位置に質問文字類の字形の一部が存在するか否かが判断される。
【0031】
ステップS5での判断の結果、入力した解答文字類が質問文字類の字形の一部に対応する場合(ステップS5:Y)、処理はステップS6に進む。入力した解答文字類が質問文字類の字形の一部に対応しない場合(ステップS5:N)、処理はステップS7に進み、ステップS7において不正解音が出力され、処理はステップS4の戻る。ここで、プレーヤが再度解答文字の推理を行い、別の解答文字類の入力を繰り返し行う。
【0032】
入力した解答文字類が質問文字類の字形の一部に対応した場合(ステップS5:Y)、処理はステップS6において正解音が発せられ、処理はステップS8進む。但し、この状態では、解答入力は質問文字類の一部を正解しているだけで、質問文字類全体の字形の正解を得ているわけではない。従って、プレーヤは何度も解答入力に試行錯誤を繰り返し(ステップS4〜S8)、その都度正解を得た桝目4に目印となるチップを置いていくことで桝目盤2上に文字類の字形(輪郭)が浮かび上がってくることになる。
【0033】
なお、質問文字類を複数設定した場合において、正解を得た桝目4上に目印ととしてチップを置く場合、同じ色の色のチップ23を正解音の回数だけ重ねることで、その桝目4に他の質問文字類の一部が存在すること(すなわち、その桝目を通過する線分の文字類が存在すること)を示すことができる。
【0034】
ここで、図4に、チップ23を置くことで1文字の質問文字類”T”が桝目盤2上に形成された例を示す。図5は、2文字”T”と配置の向きを異ならせた”O”が表示示された例である。
【0035】
そこで、プレーヤが桝目盤2上に形成された文字類の字形(輪郭)を参考にして質問文字類全体の解答を行いたい場合は、エンターキー10を押下する(ステップS8:Y)。すると、処理はステップS9に進み、解答入力を行う。この解答入力の結果、ステップS10で正解が得られた場合(ステップS10:Y)は正解音が出力され(ステップS11)、ゲームは終了する。
【0036】
一方、解答入力の結果、ステップS10で正解が得られなかった場合((ステップS10:N))は不正解音が出力され(ステップS12)、処理はステップS13に進む。
【0037】
ステップS13では再度解答入力に挑戦するか否かが判断され、再挑戦する場合は(ステップS13:Y)、処理はステップS9に戻り、上記同様な処理が行なわれる。或いは、文字対全体の推理ではなく、字形の一部の推理に戻りたい場合は(ステップS13:N)処理はステップS4にまで戻り、以下同様な処理が行なわれる。
【0038】
なお、ステップS12において不正解音が発せられ、どうしても推理できず、ヒント情報が欲しいような場合は、ステップS12と13の間にヒント情報を出力する処理を挿入しても良い。また、ヒント情報に難易度を設定し、徐々にスキルアップするようにしても良い。
【0039】
また、以上の説明では、桝目盤2上にチップを置いて文字類の輪郭を想像させるようにしたが、各桝目4にLED等の発光素子を設け、正解の桝目4を発光させるようにしても良い。この場合、質問文字類の数が複数であるときは各文字類事に異なる色を割当てることにより、それぞれを区別することが好ましい。
【0040】
また、以上の説明では、スライドレバー5、6、7又は8により推理する文字類を選択する構成としたが、各桝目4のそれぞれにスイッチを設け、このスイッチを押下することにより推理する桝目を選択することができるようにしても良い。
このように構成することで、より直接的にその桝目に文字対の一部が隠されているか否かを確認することができる。
【0041】
また、解答結果報知手段13は、正解又は不正解である旨を音で知らせる構成としたが、LED等の発光手段を用いた表示装置で構成しても良い。例えば、正解又は不正解のそれぞれに対応する専用LEDを発光させる態様、或いは点滅回路を使用して一つのLEDを正解時には点滅せず、不正解時に適当な周期で点滅させる態様、或いは質問文字類が複数である場合にその数に対応する色のLEDを設け、文字類の重なり具合を表示するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係るゲーム装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るゲーム装置の外観図である。
【図3】本発明に係るゲーム装置の回路構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るゲーム装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係るゲームの一例を示す説明図である。
【図6】本発明に係るゲームの他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ボード
2 桝目盤
3 表示文字類
4 桝目
5 スライドレバー
6 スライドレバー
7 スライドレバー
8 スライドレバー
9 電源スイッチ
10 エンターキー
11 スイッチ板
12 マイコン
13 解答結果音発生手段
14 スピーカ
23 目安チップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の桝目がマトリクス状に表示された桝目盤を有し、この桝目盤の周縁部に前記各桝目に対応して案内文字類が表示されたボードと、
前記案内文字類のうちのいずれかを選択して質問文字類として設定する質問設定手段と、
前記案内文字類のうちのいずれかを選択して解答文字類として入力をするための解答入力手段と、
前記設定された質問文字類の字形と前記解答入力された解答文字類とを前記各桝目単位で比較照合し、前記質問文字類と解答文字類とが一致するか否か比較照合する比較照合手段と、
前記照合手段による比較照合の結果に応じて解答結果報知情報を出力する解答結果報知手段と、
を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記質問設定手段は、前記桝目盤の周縁に沿って摺動可能に設けられた手動のスライドレバーと、前記スライドレバーの位置に対応する案内文字類を示す質問データを生成する質問データ生成手段と、を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1に記載のゲーム装置において、前記質問設定手段は、前記案内文字類の中からいずれかを任意に自動選択して設定する自動質問データ生成手段により構成されていることを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲーム装置において、前記解答入力手段は、前記桝目盤の周縁に沿って摺動可能に設けられた手動のスライドレバーと、
前記スライドレバーの位置に対応する案内文字類を示す解答データを生成する解答データ生成手段と、を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲーム装置において、
前記解答入力手段から入力された解答データが正解である場合に、その正解に係る桝目上に目印として載置するための複数のチップを備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲーム装置において、前記解答情報報知手段は前記解答入力手段から入力された解答データが正解である場合に、正解を示す報知情報を出力することを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲーム装置において、前記解答情報報知手段は前記解答入力手段から入力された解答データが不正解である場合に、不正解を示す報知情報を出力することを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲーム装置において、前記解答情報報知手段は前記照合手段による比較照合の結果に応じた音又は光を出力することを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲーム装置において、前記ボードの各桝目のそれぞれに設けられた発光手段と、前記解答入力手段から入力された解答データが正解である場合に、その正解に係る桝目の発光手段を発光させる発光制御手段と、を備えたことを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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