説明

ゲーム装置

【課題】小型かつシンプルに構成することのできるゲーム装置を提供する。
【解決手段】ゲームの進行を制御する制御手段と、アナログ抽選部と、開閉可能な第1のスクリーン部と、前記第1のスクリーン部の閉時には前記第1のスクリーン部に覆われるように配置され、前記第1のスクリーン部の開時には前記アナログ抽選部とともに露出する第2のスクリーン部と、前記第1のスクリーン部と前記第2のスクリーン部のそれぞれの表面に映像を投影するプロジェクタ部とを備え、前記制御手段は、前記第1のスクリーン部を閉じ、前記第1のスクリーン部に前記プロジェクタ部からの映像を投影する通常モードの処理と、前記第1のスクリーン部を開き、前記第2のスクリーン部に前記プロジェクタ部からの映像を投影し、前記アナログ抽選部による抽選を行うアナログ抽選モードの処理とを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルゲーム装置等のゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置の一つのジャンルとして、ビンゴゲーム機等の抽選型のゲーム装置がある。また、主たるテーマは抽選でないとしても、ゲーム展開の各所に抽選の要素を取り入れることで、面白さを演出するようにしたゲーム装置も存在する。
【0003】
なお、最近ではビデオゲーム装置内のソフトウェア(コンピュータプログラム)的な処理によって抽選を行い、抽選の経過をシミュレーションしてビデオスクリーン上に表示するものも増えてきているが、現実味の点で機械式のアナログ抽選装置には及ばない。特に、抽選の結果として当選した場合に大量のメダル等が払い出されるものにあっては、抽選にソフトウェア的な操作やごまかしがあるのではとの思いがゲームへの熱意を失わせることがあるが、この点で機械式のアナログ抽選装置は直接に抽選の経過を観察できるものであることから納得度が高く、優れている。
【0004】
一方、特許文献1には、球状の透明容器内の基部付近で複数の識別ボールを高速回転する駆動円盤と従動円盤とで挟み、遠心力で透明容器の内壁に沿って識別ボールを勢いよく飛ばし、透明容器内の中央部付近に設けられた受孔に入った識別ボールから当選番号を決めるようにしたビンゴゲーム機が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、球状のカゴを回転してカゴ内の複数のボールを攪拌し、カゴ内の中央部付近に設けられたボール受けに入ったボールから当選番号を決めるようにしたビンゴ遊戯機が開示されている。
【0006】
特許文献3には、ランダムに番号を付したボールポケットを有するターンテーブルを回転し、その上部から複数のボールを落下させ、ボールの入ったボールポケットの番号から当選番号を決めるようにしたビンゴ遊戯機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−118246号公報
【特許文献2】特開平6−71010号公報
【特許文献3】特開平11−226173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、ソフトウェア的な抽選装置に比して機械式のアナログ抽選装置は抽選結果への信頼度を高める上で優れているものであるが、特許文献1〜3にみられるように、装置の形状(特にプレイヤから見える部分の形状)が3次元的に大きくなり、機構的にも複雑にならざるを得ないという問題があった。特に、抽選専用ではないゲーム装置に付加的に設けるようなアナログ抽選装置の場合にあっては、形状の大きいものを適用することは困難であり、適用範囲が限定されるという問題があった。
【0009】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、小型かつシンプルに構成することのできるゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、請求項1に記載されるように、ゲームの進行を制御する制御手段と、アナログ抽選部と、開閉可能な第1のスクリーン部と、前記第1のスクリーン部の閉時には前記第1のスクリーン部に覆われるように配置され、前記第1のスクリーン部の開時には前記アナログ抽選部とともに露出する第2のスクリーン部と、前記第1のスクリーン部と前記第2のスクリーン部のそれぞれの表面に映像を投影するプロジェクタ部とを備え、前記制御手段は、前記第1のスクリーン部を閉じ、前記第1のスクリーン部に前記プロジェクタ部からの映像を投影する通常モードの処理と、前記第1のスクリーン部を開き、前記第2のスクリーン部に前記プロジェクタ部からの映像を投影し、前記アナログ抽選部による抽選を行うアナログ抽選モードの処理とを実行するゲーム装置を要旨としている。
【0011】
また、請求項2に記載されるように、請求項1に記載のゲーム装置において、前記アナログ抽選モードの処理は、所定の役の当選回数が所定の回数に到達したときに実行されるようにすることができる。
【0012】
また、請求項3に記載されるように、請求項1または2のいずれか一項に記載のゲーム装置において、前記アナログ抽選部は、ボールと、前記ボールが入るスポットと、前記スポットに入ったボールを検出するスポット検出部とを備え、前記制御手段は、前記スポット検出部の検出信号に基づいて抽選結果を決定する処理を実行するようにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のゲーム装置にあっては、小型かつシンプルに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のゲーム装置の外観斜視図である。
【図2】ゲーム装置の外観正面図である。
【図3】スクリーン部のユニット構成図(その1)である。
【図4】スクリーン部のユニット構成図(その2)である。
【図5】アナログ抽選部の外観斜視図である。
【図6】アナログ抽選部の外観正面図である。
【図7】ゲーム装置のハードウェア構成図である。
【図8】ゲーム装置の処理を示すフローチャートである。
【図9】アミ発射の映像例を示す図である。
【図10】ターゲット表示の補正処理を示す図である。
【図11】アミの発射範囲を制限した例を示す図である。
【図12】ターゲットと発射体との衝突判定処理を示す図である。
【図13】ターゲットとのアミ衝突時の映像例を示す図である。
【図14】メイン抽選の映像例を示す図である。
【図15】内部抽選の処理を示すフローチャートである。
【図16】アナログ抽選の処理を示すフローチャートである。
【図17】アナログ抽選における映像例を示す図である。
【図18】他の映像例を示す図である。
【図19】アナログ抽選部の制御処理を示すフローチャートである。
【図20】クルーンの回転数の推移の例を示す図である。
【図21】ボールの有無およびボールが入ったスポットを検出する動作例を示す図である。
【図22】アナログ抽選へのプレイヤの関与の例を示す図である。
【図23】クルーン上の映像の同期処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態につき図面を参照して説明する。なお、ゲーム装置として、ゲームアイテム(メダル、コイン、ボール等を含む)としてメダルを用い、ゲーム内容としてターゲットの魚を発射体であるアミ(魚網)で捕獲するようにした例について説明する。
【0016】
図1は本発明のゲーム装置の外観斜視図であり、図2は外観正面図である。図1および図2において、ゲーム装置1は、略直方体状に形成されたベースユニット2と、ベースユニット2の各辺に組み込まれた複数のサテライトユニット3と、ベースユニット2の上に四隅の柱(ピラー)によって支持されたルーフ/ピラーユニット4とから構成されている。
【0017】
サテライトユニット3は、図示の例では、ベースユニット2の短辺に1台ずつ、長辺に2台ずつの、計6台が設けられており、個々のサテライトユニット3は2プレイヤに対応している。なお、一つのサテライトユニット3を利用する二人のプレイヤは親しい間柄であることを想定しており、メダルの投入等によるゲーム操作は個別に行えるが、メダルの払い出しは共通に行われるようになっている。すなわち、サテライトユニット3上端のコンソール31上には2プレイヤ共通のメダルストッカ34が設けられ、その両端のエッジ部分にメダル投入口32−1、32−2が設けられ、メダルストッカ34の奥側内壁にはメダル払い出し口33が設けられている。また、コンソール31上には、メダルの投入により発射される発射体としてのアミの映像の発射方向を指示するダイヤル35−1、35−2と、アミの切替等の際に押すボタン36−1、36−2とが設けられている。なお、サテライトユニット3の内部には、後述するように、メダルの投入を検出するメダル投入センサ、メダル払い出し機構、スピーカ等が設けられている。
【0018】
一方、ルーフ/ピラーユニット4の内部には、ゲーム映像を投影するプロジェクタ41と、その投影光を反射するミラー42とが設けられており、ベースユニット2の上面側に一段下がって設けられたスクリーン部21にゲーム映像を表示するようになっている。また、スクリーン部21は、巻き取りにより開閉可能なスクリーンシート211と、その下部にあって、スクリーンシート211の開時に露出するスクリーンプレート212とを備えており、スクリーンプレート212の中央部には機械式のアナログ抽選部22が設けられている。なお、アナログ抽選部22の表面部分にもプロジェクタ41からの映像が投影される。
【0019】
また、各サテライトユニット3の上方に位置する、ルーフ/ピラーユニット4の開口部の下端部には、アナログ抽選の条件となるステップ(ステップが10個たまることによりアナログ抽選の条件が揃う)の状況を表示するステップ表示ランプ43が設けられている。
【0020】
なお、ベースユニット2の内部には、後述するように、制御部、インタフェース、オーディオアンプ、DVDドライブ等が設けられている。ルーフ/ピラーユニット4の内部には、後述するように、インタフェース、スピーカ等が設けられている。ルーフ/ピラーユニット4の外面には、適宜、装飾用の照明装置が設けられる。
【0021】
図3はスクリーン部21のユニット構成図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図3において、スクリーン部21は、可撓性のあるスクリーンシート211と、スクリーンシート211の巻き取り/巻き戻しの軸となる軸213と、軸213を回転させるモータ214および回転角度を検出するロータリーエンコーダ215とを備えている。図3ではスクリーンシート211が完全に閉じた状態を示しており、その下部のアナログ抽選部22は見えない状態となっている。図4はスクリーンシート211が開きつつある状態を示しており、アナログ抽選部22およびスクリーンプレート212が露出しかけた状態となっている。スクリーンシート211が完全に開くことにより、アナログ抽選部22およびスクリーンプレート212が完全に露出することになる。なお、Bはボールである。
【0022】
図5はアナログ抽選部22の外観斜視図であり、図6はその外観正面図である。図5および図6において、アナログ抽選部22は、中央部に回転体としてのクルーン221が設けられており、クルーン221の周囲にはボールが入る複数(図示の例では6個)の溝状のスポット221aが設けられている。また、クルーン221を囲んで皿状のフレーム222が設けられており、フレーム222の内面は周囲がボールの飛び出しを防止する壁で仕切られ、内底はクルーン221に向かって下方に緩やかに傾斜しボールが転がる凹部222aを形成している。なお、クルーン221およびフレーム222の上面は白色等に表面処理されており、プロジェクタ41からの投影光により映像を再現できるようになっている。また、アナログ抽選部22の下側には、クルーン221を回転駆動するモータ223と、モータ223の回転角度および回転速度を検出するためにモータ223の回転軸にギアを介して結合されたロータリーエンコーダ224と、クルーン221のスポット221aに入ったボールを検出するために発光部・受光部がペアになった複数(スポット221aと同数)のボールセンサ225とが設けられている。ボールセンサ225はクルーン221の中心から放射方向に等角度で配置されている。なお、クルーン221の裏面にはホームポジションを検知するためのホームポジションノブが下方に向かって凸設されており、クルーン221の回転に伴ってボールセンサ225の発光部・受光部のペアの間を通過するようになっている。
【0023】
図7はゲーム装置1のハードウェア構成図である。図7において、ベースユニット2には、前述したスクリーン部21(モータ214、ロータリーエンコーダ215を含む)およびアナログ抽選部22(モータ223、ロータリーエンコーダ224、ボールセンサ225を含む)の他に、ゲーム進行の制御を行う制御部23と、インタフェース24、28と、オーディオアンプ25、26と、DVD−ROMで供給されるゲームプログラム等の入力を行うDVDドライブ27とが設けられている。
【0024】
サテライトユニット3には、プレイヤ#1用のメダル投入センサ37−1、ダイヤル35−1、ボタン36−1と、プレイヤ#2用のメダル投入センサ37−2、ダイヤル35−2、ボタン36−2と、メダル払い出し機構38と、スピーカ39とが設けられている。
【0025】
ルーフ/ピラーユニット4には、前述したプロジェクタ41、ミラー42、ステップ表示ランプ43の他に、インタフェース44、スピーカ45が設けられている。なお、ルーフ/ピラーユニット4に設けられたスピーカ45は全サテライトユニットのプレイヤに共通の音声を送出するものであり、サテライトユニット3に設けられたスピーカ39は当該サテライトユニット3のプレイヤに向けた音声を送出するものである。
【0026】
なお、制御部23は、各サテライトユニット3から送信される操作信号をそれぞれ受け取り、それぞれについて後述する衝突判定処理を行い、それぞれについて後述する抽選処理を行い、サテライトユニット3すべての操作信号等が反映された画像を生成して、その画像をプロジェクタ41でスクリーン部21に投影する。この際、各サテライトユニット3は、各自決められた「サテライトID」とともにプレイヤによる操作信号(メダル検出信号、アミ発射方向情報)を制御部23へ送信することで、制御部23はどのサテライトユニット3からの操作信号なのかを判別することができる。また、制御部23はサテライトIDごとにモードをフラグ等で管理し、「通常モード」なのか「その他のモード(アナログ抽選モード)」なのかを判別することができるようになっている。
【0027】
以下、ゲーム装置1の動作について説明する。
【0028】
図8はゲーム装置1の処理を示すフローチャートである。図8において、プレイヤによりメダル投入口32へのメダルの投入が行われ、メダル投入センサ37によりこれが検出されると(ステップS101)、制御部23は映像によりアミの発射を行う(ステップS102)。具体的には、仮想空間においてアミのオブジェクトを移動させ、アミが発射された映像を生成し、画面に表示する。図9はアミ発射の映像例を示す図であり、(a)に示すようにスクリーン部21の閉じた状態のスクリーンシート211全面には海の中を複数の魚が泳ぐ状態が投影されており、(b)に拡大して示すように、プレイヤ側の端部に表示された漁船船首部に立つ漁師のアミの発射方向をダイヤル35で調整した上でメダルを投入することにより、(c)に示すようにアミの映像が表示される。発射されたアミは直進していき、ターゲットの魚と衝突した場合は魚を捕獲した映像に変わり、衝突しなかった場合は消去される。
【0029】
なお、図10はターゲット表示の補正処理を示す図であり、(a)に示すように仮想3次元空間内に3次元モデルとして存在するターゲット(魚のオブジェクト)を、そのままカメラ(視点)の視点座標系に透視変換した映像として画面に表示してしまうと、上側にいるターゲット(視点に近い位置の魚オブジェクト)に比べ、下側にいる同種のターゲット(視点から遠い位置の魚オブジェクト)の大きさが小さくなってしまい、優劣の差をプレイヤに感じさせてしまう問題がある。そこで、(b)に示すように、下側のターゲットの3次元モデルのサイズを大きくすることで、同種のターゲットの表示上の大きさが均等になるようにしている。
【0030】
また、図11はアミの発射範囲を制限した例を示す図であり、同一のスクリーン部21を複数のプレイヤで共有してゲームを行う場合、ダイヤル35で定めた方向に無制限にアミが飛んでいくとすると、他のプレイヤの目の前の魚まで捕獲してしまうことになり、ゲームの習熟度が露骨に表れてしまうため、図中に破線で示すように各プレイヤのアミの発射範囲を制限することで、他のプレイヤとのトラブルを防止することができる。
【0031】
図8に戻り、アミの発射(ステップS102)の後、制御部23はターゲットである魚にアミが衝突したか否かを判断する(ステップS103)。図12はターゲットと発射体との衝突判定処理を示す図であり、(a)に示すようにターゲットを基準面に2次元的に投影したものと発射体であるアミとが衝突した場合は「衝突あり」とし、(b)に示すようにターゲットを基準面に2次元的に投影したものと発射体であるアミとが衝突した場合は「衝突あり」としている。なお、図13はターゲットとのアミ衝突時の映像例を示す図である。
【0032】
図8に戻り、制御部23は、アミがターゲットに衝突しなかった場合は後述する内部抽選(ステップS104)に移行し、衝突した場合はメイン抽選(ステップS105)に移行する。メイン抽選(ステップS105)では、図14に示すように船首映像の隣にスロット映像を表示し、変化する数字の停止時における揃い方(役)に応じて当選を決定する。なお、スロット映像は、サテライトユニット3毎にサテライトモニタを設け、そこに表示するようにしてもよい。
【0033】
図8に戻り、制御部23はスロット抽選の当選を判断し(ステップS106)、当選しなかった場合はハズレとして(ステップS107)、メダル投入(ステップS101)の待機に戻る。また、スロット抽選で当選した場合は、更にステップ(前述したようにアナログ抽選の条件となるものであり、ステップが10個たまることによりアナログ抽選の条件が揃う)が当ったか否か判断し(ステップS108)、当らなかった場合はメダルの払い出しを行い(ステップS109)、当った場合はステップの払い出し(内部的にステップ数を記憶するとともに、ステップ表示ランプ43をステップ数だけ表示)を行う(ステップS110)。なお、スロット抽選の役と払い出すメダル数との関係は制御部23の内部でテーブルにより管理され、記憶手段により保持されている。
【0034】
次いで、ステップが当らなかった場合のメダルの払い出し(ステップS109)の後は、メダル投入(ステップS101)の待機に戻る。また、ステップの払い出し(ステップS110)の後は、ステップが「10」に達したか否か判断し(ステップS111)、達していなければメダル投入(ステップS101)の待機に戻り、達した場合には後述するアナログ抽選に移行する(ステップS112)。
【0035】
なお、ゲーム進行に際して、初心者等の技術レベルの低いプレイヤが不利にならないよう、制御部23において次のような処理を行うようにすることができる。
(1)メダル投入センサ37からの検出信号に基づいて、メダルが投入された回数をカウントする。
(2)発射体(アミ)とーゲットとの衝突を判定する処理によって衝突した回数もしくは衝突しなかった回数をカウントする。
(3)これらのカウント情報とプレイヤの技術レベルを予め定めた技術レベル情報(記憶部にデータ格納)とを比較して、プレイヤの技術レベルを判定する。
(4)判定結果より、予め定めた技術レベルに達していないと判定した場合に、ゲーム進行の難易度を低下させる制御を行う。
【0036】
難易度の低下手法としては、例えば、ターゲットをスクリーン画面に表示するときに、ターゲットが特定領域(アミが届く範囲)に留まるように移動制御したり、ターゲットの移動速度を遅くしたり、ターゲットの移動方向を直線的にしたりといった表示制御を行うことで、ターゲットにアミを当てやすくすることができる。また、抽選決定処理による当選確率を上げる処理を行うことで、払い出されるメダルの量を増やすこともできる。更に、所定の領域に、特別な特典付のターゲット(例えば、特別な魚)を出現させ、アミとの衝突が判定された場合に100%の確率で抽選「当り」とし、複数枚のメダルを払い出す処理を行うようにすることもできる。
【0037】
図15は図8における内部抽選(ステップS104)の処理を示すフローチャートであり、アミがターゲットに当らなかった場合であってもプレイヤが投入したメダルを無駄にしないよう、メダル払い出しのチャンスを与えるようにしている。図15において、アミがターゲットに当らなかったことによる無効メダルを検知した場合(ステップS201)、メダルの割り振りを行い(ステップS202)、各内部抽選用のストックにメダルを貯蓄し(ステップS203)、一部をスロット抽選ストックに(ステップS204)、一部を特別内部抽選Aストックに(ステップS206)、一部をスロットBストックに(ステップS212)、それぞれ入れる。例えば、1メダルを100%とし、所定の割合で分割して各ストックに入れる。
【0038】
スロット抽選ストック(ステップS204)に入った後は、スロット抽選に加算し(ステップS205)、次回のスロット抽選(メイン抽選)に用いる。
【0039】
特別内部抽選Aストック(ステップS206)に入った後は、特別内部抽選Aを開始し(ステップS207)、特別内部抽選Aの当選を判断し(ステップS208)、当選しなかった場合は抽選を繰り返す。当選した場合は払い出し用のターゲットをスクリーン上に出現させ(ステップS209)、払い出し用のターゲットにアミが衝突したか否か判断し(ステップS210)、衝突しなかった場合は抽選を繰り返し、衝突した場合はメダルの払い出しを行う(ステップS211)。
【0040】
スロットBストック(ステップS212)に入った後は、スロットB抽選を開始し(ステップS213)、スロットB抽選の当選を判断し(ステップS214)、当選しなかった場合は抽選を繰り返し、当選した場合はメダルの払い出しを行う(ステップS215)。
【0041】
図16は図8におけるアナログ抽選(ステップS112)の処理を示すフローチャートである。図16において、ステップを10個獲得した場合(ステップS301)、制御部23は、他プレイヤのモードを判定し(ステップS302)、他プレイヤが通常モード中であるか否か判定する(ステップS303)。通常モード中でない場合は、そのモードの終了を待つ(ステップS304)。なお、アナログ抽選に入る条件としては、ステップを10個獲得した場合に特殊なアミ(金のアミ)を使用可能とし、大魚を出現させてそれを捕獲できた場合とすることもできる。
【0042】
他プレイヤが全て通常モード中となった場合、制御部23は、スクリーン部21のスクリーンシート211を開き(ステップS305)、アナログ抽選を開始する(ステップS306)。図17はアナログ抽選における映像例を示す図であり、スクリーンシート211が開いたことで露出されたスクリーンプレート212およびアナログ抽選部22にプロジェクタ41から映像が投影される。ここで、アナログ抽選部22のクルーン221(必要に応じてフレーム222の一部もしくは全部も含まれる)の部分の映像は回転に同期したものとなる。なお、図17ではアナログ抽選部22に、魚の重量をクルーン221における入賞項目とし、フレーム222に目盛りの付いた映像を表示しているが、図18の(a)(b)(c)に示すように種々の映像とすることができる。また、アナログ抽選は該当するプレイヤのみが行うことができるが、他のプレイヤはアナログ抽選部22以外のスクリーンプレート212に投影される映像により通常のゲームプレイを継続することができる。これにより、複数のプレイヤでゲーム画面を共通して使用する際に、特定条件を満たしたプレイヤのみが特別ゲームを行うためにゲーム画面を独占し、他のプレイヤがゲーム画面を使用できずにその特別ゲームが終わるまで待たなければならないという問題を解消できる。
【0043】
図16に戻り、アナログ抽選の開始(ステップS306)により、アナログ抽選部22のクルーン221が回転することでボールBが凹部222aに飛び出し、凹部222a上を転がり、クルーン221の回転が弱まることでクルーン221のいずれかのスポット221aに入る。制御部23は、スポット221aに入ったボールBを検知し(ステップS307)、スポット221aに予め割り当てられた特殊大抽選に入賞したか否か判断し(ステップS308)、入賞しなかった場合は当該スポット221aに予め割り当てられた枚数のメダルを払い出す(ステップS309)。なお、入賞項目と払い出すメダル数との関係は制御部23の内部でテーブルにより管理され、記憶手段により保持されている。
【0044】
特殊大抽選に入賞した場合は、更に別の同期映像に基づくアナログ抽選を開始し(ステップS310)、その入賞結果に応じてメダルの払い出しを行い(ステップS311)、スクリーン部21のスクリーンシート211を閉じる(ステップS312)。
【0045】
図19はアナログ抽選部22の制御処理を示すフローチャートであり、図20はクルーン221の回転数の推移の例を示す図である。図19において、アナログ抽選が開始されると(ステップS401)、制御部23はクルーン221を第1回転速度まで加速し(ステップS402)、第1回転速度を一定時間保ち(ステップS403)、第2回転速度まで減速する(ステップS404)。この過程でほぼ間違いなくボールBはクルーン221のスポット221aから飛び出し、凹部222aの上をころがり始める。
【0046】
次いで、制御部23はボールBが発射されたか否か判断し(ステップS405)、機構部の故障等によりボールBが発射されていない場合は例外的にエラーとする。ボールBが発射された場合は続いてボールBがクルーン221のいずれかのスポット221aに入ったか否か判断し(ステップS406)、入っていない場合は一定時間経過したか判断し(ステップS407)、経過していない場合はスポット221aに入ったか否かの判断(ステップS406)に戻る。機構部の故障等により一定時間経過してもボールBが入らない場合は例外的にエラーとする。そして、ボールBがクルーン221のいずれかのスポット221aに入った場合は抽選終了処理を行い(ステップS408)、クルーン221の回転を停止する。
【0047】
図21はボールBの有無およびボールBが入ったスポット221aを検出する動作例を示す図である。図21において、(a)に示すようにクルーン221のスポット221aに番号を付し、ボールセンサ225にも同様に番号を付して、クルーン221が左回りに回転するものとすると、ボールBが入っていない場合の各ボールセンサ225の検出信号はホームポジションノブの通過により(b)のように各センサが順序良く反応する信号パターンが出力される。また、ボールBが#3のボールセンサ225に入った場合の各ボールセンサ225の検出信号は(c)のようにボールBが入ったことを示す特有の反応パターンが現れる。これにより、制御部23はホームポジションノブに比して幅広の検出信号が発生するタイミングからボールBが入ったスポット221aを判別することができる。
【0048】
また、図22はアナログ抽選へのプレイヤの関与の例を示す図であり、(a)に示すようにクルーン221の回転中に操作手段としてのボタン36を押すことで、制御部23が操作信号を受け取ると、クルーン221の回転を一時的に停止もしくは減速させるように駆動手段としてのモータ223の駆動を制御し、所望のスポット221aに入りやすくさせることができる。同様に、(b)に示すようにクルーン221の回転が弱まって払い出しの少ない好ましくないスポット221aにボールBが入りそうになった場合、ボタン36を押すことでクルーン221の回転を一時的に速め、ボールBをはじき出すようにすることができる。
【0049】
図23はクルーン221上の映像の同期処理を示すフローチャートである。図23において、クルーン221を回転させた後(ステップS501)、ホームポジションの判別済みであるか否か判断し(ステップS502)、判別が済んでいない場合には、アナログ抽選部22のロータリーエンコーダ224による回転角度のコード化(ステップS503)を経て、ホームポジションノブが1番目のボールセンサ225を遮る時のロータリーエンコーダ224のコードを取得し(ステップS504)、そのコードを映像の角度の基準とする(ステップS505)。なお、ホームポジション判別済みの場合はこれらの処理は省略される。
【0050】
そして、ロータリーエンコーダ224による回転角度のコード化(ステップS506)を経て、ロータリーエンコーダ224から取得したコードと映像角度0度のコードから絶対回転角度に変換し(ステップS507)、その絶対回転角度だけ映像回転した映像を映し出す(ステップS508)。
【0051】
なお、上述したアナログ抽選部22は、若干の改造を行うことでビンゴゲームによる抽選を行うものにすることができる。すなわち、回転部としてのクルーン221をより大型のものとし、周囲に設けられるスポット221aの数を例えば25個程度にすることで、ボールBが入ったスポット221aに付された番号をビンゴゲームの当選番号とすることができる。なお、各スポット221aに付された番号は、予め印刷しておく他に、プロジェクタ41からの投影で行うことが可能であり、表示する数字を途中で変更して特定の数字を当りやすくしたり、偶数の数字だけにしたり、ハズレを設けたりなど、さまざまなバリエーションが可能になる。
【0052】
一方、回転部としてのクルーン221のスポット221aを1つとし(複数でも可)、凹部222aに複数の穴を設ける構成とすることができる。そして、複数の穴にはビンゴの当選番号に対応する番号(予め印刷しておく他に、プロジェクタ41からの投影で行うことが可能)が付けられるとともに、それぞれの穴にはボールBが入ったことを検出する検出部を配置する。また、抽選終了後、いずれかの穴に入っているボールBをクルーン221のスポット221aへ戻すための回収機構が設けられる。回収機構は、例えば、穴部の下に配置したプランジャなどの棒状部材をモータやソレノイドなどの駆動部を作動させて下からで上へ突くことで実現される。突かれたボールBは凹部222aにより中央へ移動したのち、スポット221aにボールBが入るまで(検出部で検出するまで)クルーン221を低速回転させることで回収作業が完了する。この構成では、クルーン221とスポット221aは、ボールBを発射させる機能のみを有することになる。
【0053】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0054】
1 ゲーム装置
2 ベースユニット
21 スクリーン部
211 スクリーンシート
212 スクリーンプレート
213 軸
214 モータ
215 ロータリーエンコーダ
22 アナログ抽選部
221 クルーン
221a スポット
222 フレーム
222a 凹部
223 モータ
224 ロータリーエンコーダ
225 ボールセンサ
23 制御部
24 インタフェース
25、26 オーディオアンプ
27 DVDドライブ
28 インタフェース
3 サテライトユニット
31 コンソール
32、32−1、32−2 メダル投入口
33 メダル払い出し口
34 メダルストッカ
35、35−1、35−2 ダイヤル
36、36−1、36−2 ボタン
37、37−1、37−2 メダル投入センサ
38 メダル払い出し機構
39 スピーカ
4 ルーフ/ピラーユニット
41 プロジェクタ
42 ミラー
43 ステップ表示ランプ
44 インタフェース
45 スピーカ
B ボール


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの進行を制御する制御手段と、
アナログ抽選部と、
開閉可能な第1のスクリーン部と、
前記第1のスクリーン部の閉時には前記第1のスクリーン部に覆われるように配置され、前記第1のスクリーン部の開時には前記アナログ抽選部とともに露出する第2のスクリーン部と、
前記第1のスクリーン部と前記第2のスクリーン部のそれぞれの表面に映像を投影するプロジェクタ部とを備え、
前記制御手段は、
前記第1のスクリーン部を閉じ、前記第1のスクリーン部に前記プロジェクタ部からの映像を投影する通常モードの処理と、
前記第1のスクリーン部を開き、前記第2のスクリーン部に前記プロジェクタ部からの映像を投影し、前記アナログ抽選部による抽選を行うアナログ抽選モードの処理とを実行することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記アナログ抽選モードの処理は、
所定の役の当選回数が所定の回数に到達したときに実行されることを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項に記載のゲーム装置において、
前記アナログ抽選部は、
ボールと、
前記ボールが入るスポットと、
前記スポットに入ったボールを検出するスポット検出部とを備え、
前記制御手段は、
前記スポット検出部の検出信号に基づいて抽選結果を決定する処理を実行することを特徴とするゲーム装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図23】
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【図9】
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【図11】
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【図13】
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【図17】
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【図18】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−88019(P2011−88019A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26751(P2011−26751)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【分割の表示】特願2005−295355(P2005−295355)の分割
【原出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】