説明

コア材料のための改善された突合せ接続

本発明は、鉄筋補強要素をコア接続構造の厚手方向へ導入することによってコア接続構造における突合せ接続の機械的性質を改善するという課題に基づくものである。本発明は、航空宇宙産業ならびに造船、自動車産業および鉄道車両産業、エネルギーシステム産業およびスポーツ器具産業からの用途のためのコア用コンポジットの製造に使用されてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋補強要素をコア接続構造の厚手方向へ導入することによってコア接続構造における突合せ接続の機械的性質を改善するという課題に基づくものである。本発明は、航空宇宙産業ならびに造船、自動車産業および鉄道車両産業、エネルギーシステム産業およびスポーツ器具産業からの用途のためのコア用コンポジットの製造に使用されてよい。
【0002】
背景技術
種々の用途のためには、ポリメタクリルイミドフォームに繊維強化された層が設けられ、優れた性質を有するコンポジット材料が得られる。このコンポジット材料は、なかんずくロータブレードの製造に使用される(米国特許第5547629号明細書)。更に、例えばポリメタクリルイミドフォーム材料をポリメチルメタクリレートと貼り合わせるような通例の熱可塑性樹脂を有する複合体が記載されている。更に、ポリメタクリルイミドフォームの使用は、導電性粒子をフォーム中に組み込むことによって成功し、それによってこのポリメタクリルイミドフォームは、電磁線の吸収に使用することができる(ドイツ連邦共和国特許出願公開第3826469号明細書A1)。また、自動車産業のための使用が記載されている(特開昭63−315229号公報A2)。更に、当該関連の特許は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3304882号明細書A、英国特許第1547978号明細書、ドイツ連邦共和国特許第2822881号明細書、ドイツ連邦共和国特許第2235028号明細書およびドイツ連邦共和国特許第2114524号明細書である。
【0003】
課題
構造部材をコンポジット材料から製造する場合には、しばしばコア材料(フォーム材料、例えばRoehm GmbH社から入手できるタイプRohacell(登録商標)のフォーム材料または例えばポリ塩化ビニル(PVC)またはPUからなるフォーム材料のようなフォーム材料)が必要とされるかまたは望ましい寸法で提供されていないという問題を生じた。現在のジャンボ飛行機の側面尾翼には、例えば約6m×5mの断片が必要であるが、しかし、製造技術的理由からフォーム材料板は、小型の寸法でのみ製造可能である。
【0004】
コア材料を必要とされる寸法で提供する必要性と共に、フォーム材料中の亀裂の拡大を停止させるのに適しているコンポジット構造部材中での強化を組み込むことが要求されている。この機能は、特に重要である。それというのも、亀裂は、不透明な被覆層のために外側から確認することができないからである。
【0005】
例えば、突合せ接続(英語:core junctionコア接続)のような継目接続の範囲内で、剛性の亀裂のために、負荷可能性を減少させうる応力集中が継目個所の範囲内で発生する。この継目位置で同じかまたは異なるコア材料は、互いに突き合うことができる。
【0006】
1つの改善された突合せ接続を開発するという課題が課された。
【0007】
解決策
前記の課題ならびにさらに詳細には記載されていないが、しかし、直ちに当業者にとって冒頭の記載から導き出すことができる課題は、独立請求項の製品の請求項の全ての特徴を有する突合せ接続によって解決される。本発明によるシートの好ましい実施態様は、独立請求項の製品の請求項に対して従属する請求項の対象である。本発明による化合物を製造するための方法は、方法のカテゴリーの独立請求項において保護が請求されている。好ましい方法の変法は、従属請求項の方法の請求項から確認される。この課題は、コア接続構造の突合せ接続の範囲内で鉄筋補強要素が厚手方向へ導入されることによって解決される。この場合、異なるかまたは同じコア材料または別の材料は、突合せすることができる。
【0008】
発明の実施
鉄筋補強要素は、コア材料の移行範囲内で僅かな密度または剛性でおよび/または高い密度または剛性で導入されることができる(図1参照)。鉄筋補強要素としては、例えば炭素繊維棒を使用することができる。鉄筋補強要素は、付加的に2つの被覆層を貫通することができ、例えば脱スケール特性(Schaelseigenschaften)、衝撃特性および亀裂進行特性が改善され、それによって損傷が許容される突合せ接続および全サンドウィッチ構造が生じる。鉄筋補強要素は、常用の近接法(Naehverfahren)またはタフト法、Aztexの原理またはエアバス(Airbus)のTFC原理によるピン止め法を用いてコア材料またはコア接続構造体中に導入されてよい。
【0009】
鉄筋補強要素をコア材料中に導入することにより、一面で剛性の亀裂は減少させることができ、それによって応力集中は、減少させることができ、他面、機械的性質、例えば引張特性、圧力特性、スラスト特性および剥離特性は、高められる。このプラスの影響は、突合せ接続の静的強度ならびに周期的強度が高められうることを生じる。
【0010】
付加的に、鉄筋補強要素は、亀裂停止概念として作用することができ、それによって亀裂が突合せの片面から別の面へ妨害なしに進行しうることを抑制することができる。
【0011】
結果:
強化による建築部材の質量増加率は、約7%である。しかし、これは、例えばROHACELL(登録商標)WFの代わりにROHACELL(登録商標)RIMAを使用することによってさらに減少させることができ、したがって全体的に質量の節約が生じる。
約26%の高められた静的スラスト強度、
高められた周期的スラスト強度、
よりいっそう長い寿命。
【0012】
Rohacell(登録商標)−フォーム材料の製造
本発明の方法に該当するコア層は、ポリ(メタ)アクリルイミドフォームを有する。 括弧内に設けられた表記法は、場合による特徴を示す。即ち、例えば(メタ)アクリルは、アクリル、メタクリルおよびこれら双方からなる混合物を意味する。
【0013】
本発明による組成物から得られるポリ(メタ)アクリルイミドフォーム材料は、式(I)
【化1】

[式中、
1およびR2は、同一かまたは異なり、水素またはメチル基を表わすことができ、R3は、水素または20個までの炭素原子を有するアルキル基またはアリール基を表すことができる]によって示すことができる繰返し単位を有する。
【0014】
特に、構造式(I)の単位は、ポリ(メタ)アクリルイミドフォーム材料30質量%超、特に有利に50質量%超、殊に有利に80質量%超を形成する。
【0015】
ポリ(メタ)アクリルイミドフォーム材料の製造は、自体公知であり、例えば英国特許第1078425号明細書、英国特許第1045229号明細書、ドイツ連邦共和国特許第1817156号明細書(=米国特許第3627711号明細書)またはドイツ連邦共和国特許第2726259号明細書(=米国特許第4139685号明細書)中に開示されている。
【0016】
即ち、構造式(I)の単位は、なかんずく150℃〜250℃への加熱の際に(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリルニトリルの隣接した単位から環化異性体化反応によって形成することができる(ドイツ連邦共和国特許第1817156号明細書、ドイツ連邦共和国特許第2726259号明細書、欧州特許第146892号明細書参照)。通常、最初に前駆生成物は、単量体をラジカル開始剤の存在下で低い温度、例えば30℃〜60℃の温度で重合させ、60℃〜120℃へ後加熱することにより製造され、次に約180℃〜250℃への加熱によって含有されている発泡剤により発泡される(欧州特許第356714号明細書参照)。
【0017】
このために、例えば最初に(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリルニトリルを特に1:3〜3:1のモル比で有する共重合体を形成させることができる。
【0018】
更に、この共重合体は、例えばアクリル酸またはメタクリル酸と、殊に1〜4個のC原子を有するアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールまたは第三ブタノール、スチレンおよびスチレン誘導体、例えばα−メチルスチレン、マレイン酸またはその無水物、イタコン酸またはその無水物、ビニルピロリドン、塩化ビニルまたは塩化ビニリデンとのエステルからもたらされる他の単量体単位を含有することができる。環化が不可能であるかまたは極めて困難であるコ単量体の含量は、単量体の質量に対して30質量%、特に20質量%、特に有利に10質量%を越えてはならない。
【0019】
更に、単量体としては、同様に公知方法で架橋剤に対して微少量で、例えばアリルアクリレート、アリルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレートまたはエチレングリコールジメタクリレート、またはアクリル酸またはメタクリル酸の多価金属塩、例えばマグネシウムメタクリレートが有利に使用されてよい。前記架橋剤の量の割合は、しばしば重合可能な単量体の全体量に対して0.005質量%〜5質量%の範囲内にある。
【0020】
更に、しばしば煙道ガスを減少させる作用を有する金属塩添加剤を使用することができる。このためには、なかんずくアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアクリレートまたはメタクリレート、または亜鉛、ジルコニウムまたは鉛のアクリレートまたはメタクリレートが属する。好ましいのは、Na(メタ)アクリレート、K(メタ)アクリレート、Zn(メタ)アクリレートおよびCa(メタ)アクリレートである。単量体の2〜5質量部の量は、FAR25.853aに記載の燃焼試験の際に煙道ガス密度の明らかな減少を生じる。
【0021】
重合開始剤としては、それ自体(メタ)アクリレートの重合に常用されているもの、例えばアゾ化合物、例えばアゾジイソブチロニトリル、ならびに過酸化物、例えばジベンゾイルペルオキシドまたはジラウロイルペルオキシド、または別の過酸化物化合物、例えばt−ブチルペルオクタノエートまたはペルケタール、例えば場合によってはレドックス開始剤が使用される(このためには、例えばH. Rauch-Puntigam, Th. Voelker, Acryl- und Methacrylverbindungen, Springer, Heidelberg, 1967またはKirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technolology, Vol. 1, 第286頁以降, John Wiley & Sons, New York, 1978参照)。好ましくは、重合開始剤は、出発物質に対して0.01〜0.3質量%の量で使用される。
【0022】
時間および温度に関連して異なる崩壊特性を有する重合開始剤を組み合わせることは、好ましい。例えば、第三ブチルペルピバレート、第三ブチルペルベンゾエートおよび第三ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、または第三ブチルペルベンゾエート、2,2−アゾビスイソ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2−アゾビスイソブチロニトリルおよびジ−第三ブチルペルオキシドは、好適である。
【0023】
重合は、特に塊状重合の変形、例えば所謂室内法(Kammerverfahren)により行なわれ、但し、これに制限されることはない。
【0024】
重合体の分子量Mwの質量平均は、特に106g/mol超、殊に3*106g/mol超であり、但し、それによって制限されることはない。
【0025】
イミド基含有重合体への変換中に共重合体を発泡させるために、公知方法で、150℃〜250℃で分解または蒸発によって気相を形成する発泡剤が使用される。アミド構造を有する発泡剤、例えば尿素、モノメチル尿素またはN,N’−ジメチル尿素、ホルムアミドまたはモノメチルホルムアミドは、崩壊の際にアンモニアまたはアミンを遊離し、これらアンモニアまたはアミンは、イミド基の付加的な形成に貢献しうる。しかし、窒素不含の発泡剤、例えば蟻酸、水または3〜8個のC原子を有する1価脂肪族アルコール、例えば1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタン−1−オール、n−ブタン−2−オール、イソブタン−1−オール、イソブタン−2−オール、ペンタノールおよび/またはヘキサノールが使用されてもよい。使用される発泡剤量は、望ましい発泡剤密度により左右され、この場合この発泡剤は、反応バッチ量中で通常、使用される単量体に対して約0.5質量%〜15質量%の量で使用される。
【0026】
更に、前駆生成物は、通常の添加剤を含有することができる。これには、特に帯電防止剤、酸化防止剤、離型剤、滑剤、着色剤、難燃剤、流動性改善剤、充填剤、光安定剤および有機リン化合物、例えばホスフィットまたはホスホネート、顔料、耐候安定剤および可塑剤が属する。
【0027】
フォーム材料の静電荷を阻止する導電性粒子は、もう1つの種類の好ましい添加剤である。これには、特に10nm〜10mmの範囲内の寸法を有する、繊維として存在していてよい金属粒子およびカーボンブラック粒子が属する。
【0028】
特に好ましい使用可能なポリメタクリルイミドフォーム材料は、例えば次の工程によって得ることができる:
1.(a)メタクリル酸およびメタクリルニトリルの総和に対してメタクリルニトリル20質量%〜60質量%、メタクリル酸80質量%〜40質量%および場合によっては他の一官能価ビニル系不飽和単量体からなる単量体混合物、
(b)ホルムアミドまたはモノメチルホルムアミドと分子中に3〜8個の炭素原子を有する1価脂肪族アルコールとからなる発泡剤混合物0.5質量%〜15質量%、
(c)(c.1)分子中に少なくとも2個の二重結合を有する、ラジカル重合可能なビニル系不飽和化合物0.005質量%〜5質量%および
(c.2)単量体混合物中に溶解された酸化マグネシウム1質量%〜5質量%からなる架橋剤系、
(d)開始剤系、
(e)通常の添加剤からなる組成物をラジカル重合させることによる重合体板の製造。
【0029】
2.前記混合物は、30℃〜45℃で数日間、寸法50×50cmの2枚のガラス板と厚さ2.2cmの縁部パッキングから形成された室内で重合される。引続き、この重合体は、ポリメタクリルイミド最終重合のために約20時間、40℃〜130℃に到達する温度プログラムに掛けられる。それに続く発泡は、数時間中に200℃〜250℃で行なわれる。更に、高い熱変形安定性を有するポリメタクリルイミドは、ポリメチルメタクリレートまたはその共重合体を第1級アミンと反応させることによって得ることができ、この第1級アミンは、同様に本発明によれば使用可能である。この重合体類似のイミド化のための多数の実施例の代表例は、次のものが挙げられる:米国特許第4246374号明細書、欧州特許出願公開第216505号明細書A2、欧州特許第860821号明細書。この場合、高い熱変形安定性は、アリールアミンを使用することによって達成することができる(特開平05−222119号公報A2)か、または特殊なコモノマーを使用することによって達成することができる(欧州特許出願公開第561230号明細書A2、欧州特許出願公開第577002号明細書A1)。しかし、前記のすべ点反応は、フォームを生じるのではなく、フォームを得るために別々の2工程で発泡させなければならない固体の重合体を生じる。これに関しても、当業界では複数の技術が公知である。
【0030】
ポリ(メタ)アクリルイミドフォーム材料、例えば種々の密度および寸法で供給可能である、Roehm GmbH社のRohacell(登録商標)は、商業的に得ることもできる。
【0031】
ポリ(メタ)アクリルイミドフォーム材料の密度は、有利に20kg/m3〜320kg/m3の範囲内、特に有利に50kg/m3〜110kg/m3の範囲内にある。
【0032】
これによって、制限が生じることなく、コア層の厚さは、1mm〜200mmの範囲内、殊に5mm〜100mmの範囲内、殊に有利に10mm〜70mmの範囲内にある。
【0033】
コア層は、内部に付加的に他の層を有することができる。勿論、本発明による方法において、ポリ(メタ)アクリルイミドフォームは、繊維強化された層と結合される。しかし、本発明による方法の特殊な実施態様において、ポリ(メタ)アクリルイミドフォームからなるコア層が使用される。
【0034】
繊維強化された層としては、複合材料の製造に必要とされる加工パラメーター、例えば圧力および温度で安定である、全ての公知の平面状形成体を使用することができる。繊維強化された層としては、多層構造を有する帯状体を使用することもできる。
【0035】
これには、特に例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルおよび/またはポルメチル(メタ)アクリレートを含有する繊維強化されたシートが属する。
【0036】
繊維強化された層は、公知の繊維含有樹脂、例えばエポキシ樹脂(EP樹脂)、メタクリレート樹脂(MA樹脂)、不飽和ポリエステル樹脂(UP樹脂)、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂、ビスマレインイミド樹脂およびフェナクリレート樹脂(PHA樹脂)を硬化させることによって得ることもできる。
【0037】
繊維強化用繊維としては、なかんずく炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアラミド繊維、ポリウレタン繊維、ポリメチル(メタ)アクリレート繊維、ポリ塩化ビニル繊維および/または金属繊維がこれに該当する。
【0038】
好ましくは、SMCs(sheet molding Compoundsシートモールディングコンパウンド)も属するプレプレグを使用することができ、コア層上に繊維強化層が得られる。SMCおよびプレプレグは、硬化可能なプラスチックで予め含浸された帯状体、多くの場合にガラス繊維マット、ガラスフィラメント織物または炭素繊維および/またはアラミド繊維を有するロービングであり、このロービングは、熱圧プレスによって成形部材または半製品に加工されてよい。殊に、SMC−R(任意に配向された繊維を有するSMC)、SMC−O(配向された繊維を有するSMC)、SMC−CR(部分的に配向されている繊維を有するSMC)、XMC(網状の繊維強化材を有するSMC)およびHMC(高い繊維含量を有するSMC)は、使用可能なSMCに属する。
【0039】
この材料は、自体公知であり、例えばUllmann's Ecyclopedia of Industrial Chemistry, 第5巻, 見出し語"Fabrication of Polymer Composites"中に記載されている。
【0040】
繊維強化された層と共に、金属からなる層も本発明による方法によりコア層と特に堅固に結合されていてよい。これには、なかんずくアルミニウムからなる薄手の箔または薄板が属する。金属層は、単独で使用されてもよいし、繊維強化された層と一緒に使用されてもよく、複合材料が製造される。特に好ましい金属層は、なかんずく所謂アルミニウムプレプレグである。
【0041】
コア層と繊維強化された層または有機溶剤での処理後の金属層との結合は、施こすべき層の種類に依存する。相応する方法は、自体公知である。
【0042】
即ち、ポリ(メタ)アクリルイミドフォームからなるコアおよび繊維強化された層または金属層を有する複合材料は、一般に所謂熱間圧縮法によって得ることができる。この方法は、当業界では広く公知であり、この場合には、特殊な実施態様、例えば二重ベルト法(Doppelbandpressen)、SMCプレス法およびGMTプレス法も本発明によって包括されていてもよい。
【0043】
更に、複合材料を固定するために、コア層は、熱間圧縮の際に圧縮されてよい。このために、圧縮工程の場合には、スペーサー、所謂ストッパーが使用されてよい。このストッパーは、コア層の望ましい圧縮度の調節を簡易化し、それによって本発明は、制限されることはない。
【0044】
付着の改善のために、接着剤が使用されてもよく、この接着剤は、有機溶剤での表面の処理後に塗布されることができる。しかし、これは、繊維強化された層の材料に応じて不要である。
【0045】
複合材料の製造のために、例えばSMC層またはプレプレグ層は、相応して寸法決定されたフォーム材料板上に金型内に質量に合わせた量で載置することができ、プレス圧力を負荷することができる。
【0046】
プレプレグまたはSMCsを流動させ、硬化を開始させる典型的な作業条件は、1N/mm2超の圧力および60℃〜180℃の範囲内の温度である。このパラメーターは、段階的な勾配として実施されてもよく、熱の停滞が回避される。プレス時間は、繊維強化された層の種類に応じて、通常、5分間〜6時間である。特に好ましい範囲は、10〜120分間である。
【0047】
更に、前記の樹脂および繊維強化材も手動でポリ(メタ)アクリルイミドフォーム上に塗布することができる。この場合には、交互に樹脂層と繊維帯状体が載置される。繊維強化された樹脂層の施与後に、樹脂は、公知方法で硬化される。相応する系は、例えばM. u. H., von der Linden GmbH, 郵便番号100543, D-46465 Wesel/RheinからWest Systemの名称で入手することができる。
【0048】
特に、被覆層の厚さは、0.1〜100mmの範囲内、有利に0.5〜50mmの範囲内、殊に有利に1〜5mmの範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】鉄筋で補強された結合の構造を示す略図。
【図2】鉄筋で補強されていない突合せ接続の際の通常の力および故障を示す略図。
【図3】突合せ接続の本発明による補強の改善を示す略図。
【0050】
本発明による補強材は、特に軽量ではあるが、安定した結合を生じる、宇宙船の建造の際に使用されることができ、さらに、航空機、殊に大型旅客機または大型貨物機の建造の際、船舶または水中翼船またはホバークラフト船の建造の際および例えば鉄道車両の建造のような車両の建造の際に使用されることができる。更に、改善された突合せ接続の本発明による使用の好ましい使用は、風力装置の際の翼の建造である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア複合構造体中での同じかまたは異なるコア材料の改善された突合せ接続において、改善すべき突合せ接続に隣接した、コア材料の範囲内に1つ以上の補強要素が導入されていることを特徴とする、コア複合構造体中での同じかまたは異なるコア材料の改善された突合せ接続。
【請求項2】
コア材料としてRohacell(登録商標)フォーム材料が使用されている、請求項1記載の改善された突合せ接続。
【請求項3】
補強要素として炭素繊維材料部材が使用されている、請求項1記載の改善された突合せ接続。
【請求項4】
宇宙船、航空機、船舶および車両での請求項1から3までのいずれか1項に記載の改善された突合せ接続の使用。
【請求項5】
風力装置の建造の際の請求項1から3までのいずれか1項に記載の改善された突合せ接続の使用。
【請求項6】
スポール器具の製作の際の請求項1から3までのいずれか1項に記載の改善された突合せ接続の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−533216(P2010−533216A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515432(P2010−515432)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/054539
【国際公開番号】WO2009/010316
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(390009128)エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (293)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Roehm GmbH
【住所又は居所原語表記】Kirschenallee,D−64293 Darmstadt,Germany
【Fターム(参考)】