説明

コイル部品

【課題】低背化を確実に実現できるコイル部品を提供する。
【解決手段】磁性コア11の板状部11aの側面から下面に及んで一対の第1導体膜12及び13が形成され、コイル14の導線一端部14b及び導線他端部14cが各第1導体膜12及び13の側面部分12a及び13aにそれぞれ接合されている。また、前記接合部分14b1及び14c1が、各第1導体膜12及び13の側面部分12a及び13aと、磁性外装15における磁性コア11の板状部11aの側面を覆う部分15aとでそれぞれ挟み込まれ、しかも、磁性外装15における前記接合部分14b1及び14c1の表面を覆う部分が、該各接合部分14b1及び14c1を間において、各第1導体膜12及び13の側面部分12a及び13aと、各第2導体膜16及び17の側面部分16a及び17a並びに各第3導体膜18及び19の側面部分18a及び19aとでそれぞれ挟み込まれた態様を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性コアの柱状部の周囲にコイルを配置した構造を備えるコイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
磁性コアの柱状部の周囲にコイルを配置した構造を備えるコイル部品、例えば、インダクタやチョークコイルは、一般に、一対の外部端子の下地となる金属膜を磁性コアの板状部の下面に有しており、コイルは導線が螺旋状に巻かれた螺旋状部を磁性コアの柱状部の周囲に配置されていて、導線一端部を磁性コアの板状部を乗り越えるように下側に折り曲げた後に該折り曲げ部分を一方の金属膜にハンダ等の接合材を介して接合され、且つ、導線他端部も磁性コアの板状部を乗り越えるように下側に折り曲げた後に該折り曲げ部分を一方の金属膜にハンダ等の接合材を介して接合されている(特許文献1及び2を参照)。
【0003】
導線一端部及び導線他端部の折り曲げ部分それぞれにはスプリングバック(折り曲げ部分の反力によって折り曲げ後に折り曲げ角度が広がる現象を言う)が生じ易いため、各折り曲げ部分を各金属膜にハンダ等の接合材を介して接合するときやコイル部品を回路基板等の接続パッドにハンダ付けするときにスプリングバックが生じると、該スプリングバックの影響でコイル部品の実質的な高さ寸法が増加してしまう不具合がある。
【0004】
この不具合を解消するには、各金属膜に溝を形成して該溝内に各折り曲げ部分を収容する構造を採用すれば良いが、各金属膜に形成した溝の深さ分だけコイル部品の高さ寸法が増加してしまうため、何れにせよ、近年における低背化の要求には適合しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−334807号公報
【特許文献2】特開2010−034102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、低背化を確実に実現できるコイル部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明(コイル部品)は、板状部と該板状部の上面に設けられた柱状部とを一体に有する磁性コアと、前記磁性コアの板状部の側面から下面に及んで形成された一対の第1導体膜と、断面形状が長辺と短辺を有する矩形を成す導線が螺旋状に巻かれた螺旋状部と該螺旋状部から引き出された導線一端部及び導線他端部とを一体に有していて、螺旋状部を前記磁性コアの柱状部の周囲に配置され、且つ、導線一端部の長辺側を前記一方の第1導体膜の側面部分の表面に接合され導線他端部の長辺側を前記他方の第1導体膜の側面部分の表面に接合されたコイルと、前記磁性コアの柱状部の上面及び板状部の側面と、前記各第1導体膜の側面部分の表面と、前記コイルの螺旋状部、導線一端部、導線一端部の接合部分の表面、導線他端部及び導線他端部の接合部分の表面をそれぞれ覆うように形成された磁性外装と、前記磁性外装の側面から該磁性外装の下面を通じて前記磁性コアの板状部の下面に及ぶように、且つ、前記各第1導体膜の下面部分の表面をそれぞれ覆うように形成された一対の第2導体膜と、前記各第2導体膜の表面をそれぞれ覆うように形成された一対の第3導体膜を備え、前記一方の第1導体膜、前記一方の第2導体膜及び前記一方の第3導体膜によって第1外部端子が構成され、前記他方の第1導体膜、前記他方の第2導体膜及び前記他方の第3導体膜によって第2外部端子が構成されていると共に、前記コイルの導線一端部の接合部分と導線他端部の接合部分は、前記各第1導体膜の側面部分と、前記磁性外装における前記磁性コアの板状部の側面を覆う部分と、によってそれぞれ挟み込まれた態様を有し、前記磁性外装における前記コイルの導線一端部の接合部分の表面を覆う部分と導線他端部の接合部分の表面を覆う部分は、該各接合部分を間において、前記各第1導体膜の側面部分と、前記各第2導体膜の側面部分並びに前記各第3導体膜の側面部分と、によってそれぞれ挟み込まれた態様を有している、ことをその特徴とする
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、磁性コアの板状部の側面から下面に及んで一対の第1導体膜が形成され、コイルの導線一端部が一方の第1導体膜の側面部分の表面に接合され導線他端部が他方の第1導体膜の側面部分の表面に接合されている。つまり、コイルの導線一端部及び導線他端部をコイル部品の内部に収め入れることで、コイル部品の高さ寸法を固定化できると共に該コイル部品の低背化を確実に実現できる。
【0009】
また、コイルの導線一端部の接合部分と導線他端部の接合部分が、各第1導体膜の側面部分と、磁性外装における磁性コアの板状部の側面を覆う部分と、によってそれぞれ挟み込まれた態様を有し、しかも、磁性外装におけるコイルの導線一端部の接合部分の表面を覆う部分と導線他端部の接合部分の表面を覆う部分は、該各接合部分を間において、各第1導体膜の側面部分と、各第2導体膜の側面部分並びに各第3導体膜の側面部分と、によってそれぞれ挟み込まれた態様を有している。つまり、前者及び後者の挟み込みによって、各第1導体膜の側面部分それぞれに対するコイルの導線一端部の接合部分と導線他端部の接合部分の押し付け力が強化されているため、コイル部品を回路基板等の接続パッドにハンダ付けするときに受ける熱影響によってコイルの導線一端部及びその接合部分と導線他端部及びその接合部分に熱膨張収縮を生じた場合でも、該熱膨張収縮に伴って導線一端部の接合部分と導線他端部の接合部分に変位が生じることを確実に抑制して、各接合部分の接続状態を良好に維持できる。
【0010】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を適用したコイル部品(第1実施形態)の外観斜視図である。
【図2】図1に示したコイル部品のS1−S1線に沿う拡大断面図である。
【図3】図1に示したコイル部品の拡大下面図である。
【図4】図1に示した磁性コアを透過型電子顕微鏡で観察したときに得た画像に準じて粒子状態を表した模式図である。
【図5】本発明を適用したコイル部品(第2実施形態)の図2対応の断面図である。
【図6】図5に示したコイル部品の図3対応の拡大下面図である。
【図7】本発明を適用したコイル部品(第3実施形態)の図3対応の拡大下面図である。
【図8】本発明を適用したコイル部品(第4実施形態)の図3対応の拡大下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
図1〜図4は、本発明を適用したコイル部品(第1実施形態)を示す。先ず、図1〜図4を引用して、このコイル部品10-1の構成について説明する。ここでは、説明の便宜上、図2の上、下、左、右、手前、奥をそれぞれ上、下、前、後、左、右と称し、図1及び図3のこれらに相当する向きも同様に称する。
【0013】
図1〜図3に示したコイル部品10-1は、磁性コア11と、一対の第1導体膜12及び13と、コイル14と、磁性外装15と、一対の第2導体膜16及び17と、一対の第3導体膜18及び19とを備えている。このコイル部品10-1のサイズは、例えば、前後寸法が2.5mmで、左右寸法が2.0mmで、上下寸法が1.0mmである。
【0014】
磁性コア11は、下面視輪郭が略矩形状で所定厚さ(例えば、上下寸法が1.0mmの場合で0.24mm)の板状部11aと、該板状部11aの上面に設けられた上面視輪郭が略楕円形状で所定高さの柱状部11bとを一体に有している。この磁性コア11は磁性合金粒子群(多数の磁性合金粒子の集合体)から成り、図4に示したように、各磁性合金粒子の表面には該磁性合金粒子の酸化物膜(=絶縁膜)が形成されていて、該酸化物膜によって隣接する磁性合金粒子が結合していると共に隣接する磁性合金粒子の絶縁が確保されている。磁性コア11は、磁性合金粒子群と溶剤とバインダとを所定質量比で含む磁性体ペーストを型を利用して整形した後に、整形物に酸化性雰囲気中で熱処理を施して溶剤及びバインダを消失させて作製されたものであり、酸化物膜は該熱処理過程で各磁性合金粒子の表面に形成される。つまり、磁性コア11は、多数の磁性合金粒子と、該各磁性合金粒子の表面に形成された酸化物膜と、酸化物膜が形成された磁性合金粒子の間に存するポアとを含んでいる。磁性合金粒子は具体的にはFe−Cr−Si合金やFe−Si−Al合金やFe−Si−Al合金等の粒子であり、体積基準の粒子径とした見た場合の磁性合金粒子の好ましいd50(メディアン径)は3〜20μmで、磁性体ペーストにおける磁性合金粒子群の好ましい含有比率は85〜95wt%である。
【0015】
因みに、図4は、d50(メディアン径)が10μmのFe−Cr−Si合金粒子を用いて磁性コア11を作製し、該磁性コア11を透過型電子顕微鏡で観察したときに得た画像に準じて粒子状態を模式的に表している。各磁性合金粒子は実際のところ完全な球形を成すものではないが、粒子径が分布を持つことを表現するために磁性合金粒子全てを球形として描いてある。加えて、各磁性合金粒子の表面に存する酸化物膜の厚さは実際のところ0.05〜0.2μmの範囲でバラツキを有するが、該酸化物膜が各磁性合金粒子の表面に存することを表現するためにその厚さ全てを均等に描いてある。また、磁性合金粒子がFe−Cr−Si合金粒子である場合、酸化物膜は磁性体に属するFe34と非磁性体に属するFe23とCr23を含むことが確認されている。
【0016】
尚、前記酸化物膜は、前記熱処理過程で磁性合金粒子に含まれる元素を酸化させて得たものであるが、前記熱処理過程で酸化物膜となる物質を前記磁性体ペーストに添加することで得るようにしても良いし、前記熱処理過程で酸化物膜と同様の絶縁膜となるガラス成分を前記磁性体ペーストに添加することで得るようにしても良い。
【0017】
一方の第1導体膜12は、磁性コア11の板状部11aの前側側面の中央上端から下面の前部に及ぶように形成され、他方の第1導体膜13は、磁性コア11の板状部11aの後側側面の中央上端から下面の後部に及ぶように形成されている。各第1導体膜12及び13の左右寸法(幅寸法)は、磁性コア11の板状部11aの前側側面及び後側側面の左右寸法(幅寸法)よりも小さい。各第1導体膜12及び13は、金属粒子群と溶剤とバインダとを所定質量比で含む導体ペーストを塗布した後に、塗布ペーストに焼付け処理を施して溶剤及びバインダを消失させて作製されたものである。金属粒子は具体的にはAgやPd等の粒子であり、体積基準の粒子径とした見た場合の金属粒子の好ましいd50(メディアン径)は3〜20μmで、導体ペーストにおける金属粒子群の好ましい含有比率は85〜95wt%である。つまり、各第1導体膜12及び13は耐熱性に優れた焼付け導体膜であって樹脂成分等を含むものではないため、後に熱処理(導線一端部14b及び導線他端部14bの接合に伴う熱処理や、磁性外装15の作製に伴う熱処理や、各第2導体膜16及び17の作製に伴う熱処理等を指す)を施しても、該熱処理時に各第1導体膜12及び13に変質や位置ずれ等の変化を生じることはなく、該各第1導体膜12及び13の磁性コア11に対する密着性も良好に維持できる。
【0018】
コイル14は、導線が螺旋状に巻かれた螺旋状部14aと、該螺旋状部14aから引き出された導線一端部14b及び導線他端部14cとを一体に有している。このコイル14に用いられている導線は平角線(断面形状が長辺と短辺を有する矩形を成す導線を意味する)と称されるものであり、螺旋状部14aの巻き方向はフラットワイズで巻き方はα巻きである。導線にはCuやAg等の金属線(コストの観点からすればCuが望ましい)とその周囲を覆う絶縁膜となるもの、好ましくは、金属線と該金属線の周囲を覆う絶縁膜と該絶縁膜の周囲を覆う熱融着膜とから成るものが利用でき、該熱融着膜は螺旋状部14aを構成する導線相互を結合する役目を果たす。螺旋状部14aは磁性コア11の柱状部11bの周囲に配置されており、配置方法としてはコイル14を別途作製して螺旋状部14aを柱状部11bに嵌め込む方法や柱状部11bに直接導線を巻き付けて螺旋状部14aを形成する方法が挙げられる。また、導線一端部14bの先端は該先端を覆う絶縁層や融着層を除去した後にその長辺側の面を一方の第1導体膜12の側面部分12aの表面に拡散接合(熱融着接合)によって電気的に接合され、導線他端部14cの先端は該先端を覆う絶縁層や融着層を除去した後にその長辺側の面を他方の第1導体膜13の側面部分13aの表面に拡散接合(熱融着接合)によって電気的に接合されている。先に述べたように、各第1導体膜12及び13は耐熱性に優れた焼付け導体膜であるため、導線一端部14b及び導線他端部14bの接合に伴う熱処理を施しても、該熱処理時に各第1導体膜12及び13に変質や位置ずれ等の変化を生じることはなく、該各第1導体膜12及び13に対する導線一端部14b及び導線他端部14bの接合を良好に行える。
【0019】
導線一端部14bの接合部分14b1の上下寸法と導線他端部14cの接合部分14b1の上下寸法は磁性コア11の板状部11aの厚さと同じでも構わないが、図2に示したように、各接合部分14b1及び14c1の下端と板状部11aの下面との間に隙間CL1が空くようにした方が、各接合部分14b1及び14b2の下側に磁性外装15の一部が回り込んだ部位を形成できる点において好ましい。また、螺旋状部14aの巻き数や導線の金属線の断面積は、コイル部品10-1に求めるインダクタンスや定格電流等の特性値に応じて適宜定められている。
【0020】
磁性外装15は、上面視輪郭が略矩形状で、磁性コア11の柱状部11bの上面及び板状部11aの側面と、各第1導体膜12及び13の側面部分12a及び13aの表面と、コイル14の螺旋状部14a、導線一端部14b、導線一端部14bの接合部分14b1の表面、導線他端部14c及び導線他端部14cの接合部分14c1の表面をそれぞれ覆うように形成されており、その下面は磁性コア11の柱状部11bの下面と略面一状態にある。この磁性外装15は磁性合金粒子群と該磁性合金粒子間に介在する絶縁材料とから成り、該絶縁材料によって隣接する磁性合金粒子が結合していると共に隣接する磁性合金粒子の絶縁が確保されている。磁性外装15は、磁性合金粒子群と熱硬化性絶縁材料とを所定質量比で含む磁性体ペーストを型を利用して整形した後に、整形物に熱処理を施して絶縁材料を硬化させて作製されたものである。磁性合金粒子は具体的にはFe−Cr−Si合金やFe−Si−Al合金やFe−Si−Al合金等の粒子であり、体積基準の粒子径とした見た場合の磁性合金粒子の好ましいd50(メディアン径)は3〜20μmであり、磁性体ペーストにおける磁性合金粒子の好ましい含有比率は85〜95wt%である。また、磁性体ペーストに含有される熱硬化性絶縁材料には好ましくはエポキシ樹脂やフェノール樹脂やポリエステル等が利用できる。磁性外装15はエポキシ樹脂等から成る絶縁材料を含むものであるため、該絶縁材料によって磁性コア11、各第1導体膜12及び13、及びコイル14に対する密着力を十分に確保できる。
【0021】
一方の第2導体膜16は、磁性外装15の前側側面から該磁性外装15の下面を通じて磁性コア11の板状部11aの下面に及ぶように、且つ、一方の第1導体膜12の下面部分12aの表面を覆うように形成され、他方の第2導体膜17は、磁性外装15の後側側面から該磁性外装15の下面を通じて磁性コア11の板状部11aの下面に及ぶように、且つ、他方の第1導体膜13の下面部分13aの表面を覆うように形成されている。図2に示したように、各第2導体膜16及び17の側面部分16a及び17aの上端高さは、磁性コア11の板状部11aの上面高さよりも僅かに高く設定されている。また、一方の第2導体膜16は磁性外装15の前側側面と略同じ左右寸法(幅寸法)を有し、他方の第2導体膜17は磁性外装15の後側側面と略同じ左右寸法(幅寸法)を有している。さらに、一方の第2導体膜16の側面部分16aと下面部分16bは、磁性外装15の左側側面及び右側側面それぞれに存する第2の側面部分16cを介して連続しており、他方の第2導体膜17の側面部分17aと下面部分17bは、磁性外装15の左側側面及び右側側面それぞれに存する第2の側面部分17cを介して連続している。この各第2導体膜16及び17は金属粒子群と該金属粒子間に介在する絶縁材料とから成り、一方の第2導体膜16に含まれる金属粒子群の一部は一方の第1導体膜12に電気的に接続され、他方の第2導体膜17に含まれる金属粒子群の一部は他方の第1導体膜13に電気的に接続されている。各第2導体膜16及び17は、金属粒子群と熱硬化性絶縁材料とを所定質量比で含む導体ペーストを塗布した後に、塗布ペーストに熱処理を施して絶縁材料を硬化させて作製されたものである。金属粒子は具体的にはAgやPd等の粒子であり、体積基準の粒子径とした見た場合の金属粒子の好ましいd50(メディアン径)は3〜20μmで、導体ペーストにおける金属粒子群の好ましい含有比率は80〜90wt%である。また、磁性体ペーストに含有される熱硬化性絶縁材料には好ましくはエポキシ樹脂やフェノール樹脂やポリエステル等が利用できる。各第2導体膜16及び17はエポキシ樹脂等から成る絶縁材料を含むものであるため、該絶縁材料によって磁性外装15、各第1導体膜12及び13、及び磁性コア15に対する密着力を十分に確保できる。
【0022】
一方の第3導体膜18は、一方の第2導体膜18の表面を覆うように形成され、他方の第3導体膜19は、他方の第2導体膜17の表面を覆うように形成されている。即ち、一方の第3導体膜18は、一方の第2導体膜16の側面部分16aに対応した側面部分18aと下面部分16bに対応した下面部分18bと第2の側面部分16cに対応した第2の側面部分18cとを有しており、他方の第3導体膜19は、他方の第2導体膜17の側面部分17aに対応した側面部分19aと下面部分17bに対応した下面部分19bと第2の側面部分17cに対応した第2の側面部分19cとを有しているため、各第2導体膜16及び17と同様に、一方の第3導体膜18は磁性外装15の前側側面と略同じ左右寸法(幅寸法)を有し、他方の第3導体膜19は磁性外装15の後側側面と略同じ左右寸法(幅寸法)を有している。各第3導体膜18及び19は、電解メッキ等の薄膜形成手法によって形成されたものである。この各第3導体膜18及び19は少なくとも1層の金属膜から成り、一方の第3導体膜18は一方の第2導体膜16に含まれる金属粒子群の一部に電気的に接続され、他方の第3導体膜19は他方の第2導体膜17に含まれる金属粒子群の一部に電気的に接続されている。各第3導体膜18及び19の好ましい態様はNi膜と該Ni膜の表面を覆うSn膜の2層構造であるが、各第2導体膜17及び18に対する接続が良好に行え、且つ、コイル部品10-1の回路基板等への実装、詳しくは接続パッドへのハンダ付けが良好に行えるものであれば、その層数や材料に特段の制限は無い。
【0023】
前記コイル部品10-1にあっては、一方の第1導体膜12、一方の第2導体膜16及び一方の第3導体膜18によって第1外部端子ET1が構成され、他方の第1導体膜13、他方の第2導体膜17及び他方の第3導体膜19によって第2外部端子ET2が構成されている。加えて、一方の第2導体膜16の第2の側面部分16cと一方の第3導体膜18の第2の側面部分18cとによって、第1外部端子ET1に2つの回り込み部分ET1aが形成され、他方の第2導体膜17の第2の側面部分17cと他方の第3導体膜19の第2の側面部分19cとによって、第2外部端子ET2に2つの回り込み部分ET2aが形成されている。
【0024】
また、前記コイル部品10-1にあっては、コイル14の導線一端部14bの接合部分14b1は、一方の第1導体膜12の側面部分12aと、磁性外装15における磁性コア11の板状部11aの側面を覆う部分15aと、によって挟み込まれた態様を有し、しかも、磁性外装15におけるコイル14の導線一端部14bの接合部分14b1の表面を覆う部分(符号無し)は、該接合部分14b1を間において、一方の第1導体膜12の側面部分12aと、一方の第2導体膜16の側面部分16a並びに一方の第3導体膜18の側面部分18aと、によって挟み込まれた態様を有している。これと同様に、コイル14の導線他端部14cの接合部分14c1は、他方の第1導体膜13の側面部分13aと、磁性外装15における磁性コア11の板状部11aの側面を覆う部分15aと、によって挟み込まれた態様を有し、しかも、磁性外装15におけるコイル14の導線他端部14cの接合部分14c1の表面を覆う部分(符号無し)は、該接合部分14c1を間において、他方の第1導体膜13の側面部分13aと、他方の第2導体膜17の側面部分17a並びに他方の第3導体膜19の側面部分19aと、によって挟み込まれた態様を有している。
【0025】
次に、前記コイル部品10-1の好ましい製法例について説明する。
【0026】
磁性コア11用の磁性体ペーストとして、d50(メディアン径)が10μmのFe−Cr−Si合金粒子群が85wt%で、ブチルカルビトール(溶剤)が13wt%で、ポリビニルブチラール(バインダ)が2wt%の磁性体ペーストを用意し、該磁性体ペーストを型及びプレス機を用いて整形し、該整形物に大気中で750℃、2hrの熱処理を施して溶剤及びバインダを消失させ、且つ、各磁性合金粒子の表面に該磁性合金粒子の酸化物膜を形成して、磁性コア11を作製する。
【0027】
続いて、各第1導体膜12及び13用の導体ペーストとして、d50(メディアン径)が5μmのAg粒子群が85wt%で、ブチルカルビトール(溶剤)が13wt%で、ポリビニルブチラール(バインダ)が2wt%の導体ペーストを用意し、該導体ペーストをローラ塗布機を用いて磁性コア11に塗布し、該塗布ペーストに大気中で650℃、1hrの焼付け処理を施して溶剤及びバインダを消失させて、各第1導体膜12及び13を作製する。
【0028】
続いて、別途作製されたコイル14の螺旋状部14aを磁性コア11の柱状部11bに嵌め込み、該コイル14の導線一端部14bの先端(予め絶縁層や融着層は除去されている)を一方の第1導体膜12の側面部分12aの表面に拡散接合(熱融着接合)によって接合すると共に、該コイル14の導線他端部14cの先端(予め絶縁層や融着層は除去されている)を他方の第1導体膜13の側面部分13aの表面に拡散接合(熱融着接合)によって接合する。
【0029】
続いて、磁性外装15用の磁性体ペーストとして、d50(メディアン径)が10μmのFe−Cr−Si合金粒子群が90wt%で、エポキシ樹脂が10wt%の磁性体ペーストを用意し、コイル14が配置された磁性コア11に対して該磁性体ペーストを型及びプレス機を用いて整形し、該整形物に大気中で180℃、1hrの熱処理を施してエポキシ樹脂を硬化させて、磁性外装15を作製する。
【0030】
続いて、各第2導体膜16及び17用の導体ペーストとして、d50(メディアン径)が5μmのAg粒子群が80wt%で、エポキシ樹脂が20wt%の導体ペーストを用意し、該導体ペーストをローラ塗布機を用いて磁性コア11及び磁性外装15に塗布し、該塗布ペーストに150℃、1hrの熱処理を施してエポキシ樹脂を硬化させて、各第2導体膜16及び17を作製する。
【0031】
続いて、各第2導体膜16及び17を作製されたものをNi用電解メッキ槽に投入して各第2導体膜16及び17の表面にNi膜を形成し、そして、これをSn用電解メッキ槽に投入して各Ni膜の表面にSn膜を形成して、各第3導体膜18及び19を作製する。
【0032】
次に、前記コイル部品10-1によって得られる効果について説明する。
【0033】
<効果1>前記コイル部品10-1にあっては、磁性コア11の板状部11aの側面から下面に及んで一対の第1導体膜12及び13が形成され、コイル14の導線一端部14bが一方の第1導体膜12の側面部分12aの表面に接合され導線他端部14cが他方の第1導体膜13の側面部分13aの表面に接合されている。つまり、コイル14の導線一端部14b及び導線他端部14cをコイル部品10-1の内部に収め入れることで、コイル部品10-1の高さ寸法を固定化できると共に該コイル部品10-1の低背化を確実に実現できる。
【0034】
また、前記コイル部品10-1にあっては、コイル14の導線一端部14bの接合部分14b1と導線他端部14cの接合部分14c1が、各第1導体膜12及び13の側面部分12a及び13aと、磁性外装15における磁性コア11の板状部11aの側面を覆う部分15aと、によってそれぞれ挟み込まれた態様を有し、しかも、磁性外装15におけるコイル14の導線一端部14bの接合部分14b1の表面を覆う部分(符号無し)と導線他端部14cの接合部分14c1の表面を覆う部分(符号無し)は、該各接合部分14b1及び14c1を間において、各第1導体膜12及び13の側面部分12a及び13aと、各第2導体膜16及び17の側面部分16a及び17a並びに各第3導体膜18及び19の側面部分18a及び19aと、によってそれぞれ挟み込まれた態様を有している。つまり、前者及び後者の挟み込みによって、各第1導体膜12及び13の側面部分12a及び13aそれぞれに対するコイル14の導線一端部14bの接合部分14b1と導線他端部14cの接合部分14c1の押し付け力が強化されているため、コイル部品10-1を回路基板等の接続パッドにハンダ付けするときに受ける熱影響によってコイル14の導線一端部14b及びその接合部分14b1と導線他端部14c及びその接合部分14c1に熱膨張収縮を生じた場合でも、該熱膨張収縮に伴って導線一端部14bの接合部分14b1と導線他端部14cの接合部分14c1に変位が生じることを確実に抑制して、各接合部分14b1及び14b2の接続状態を良好に維持できる。
【0035】
<効果2>前記コイル部品10-1にあっては、各第2導体膜16及び17が磁性外装15の前側側面及び後側側面と略同じ左右寸法(幅寸法)を有し、該各第2導体膜16及び17の表面を覆う各第3導体膜18及び19も同様の左右寸法(幅寸法)を有している。つまり、幅広に形成された各第2導体膜16及び17の側面部分16a及び17a並びに各第3導体膜18及び19の側面部分18a及び19aを利用して、これらによる挟み込み力を強化して各接合部分14b1及び14b2の接続状態をより一層良好に維持できる。加えて、磁性コア11及び磁性外装15に対する各第2導体膜16及び17それぞれの接触面積が十分に確保されて密着力が強化されているため、各第2導体膜16及び17並びに各第3導体膜がコイル部品10-1から剥がれたり欠落したりすることを確実に防止できる。
【0036】
<効果3>前記コイル部品10-1にあっては、一方の第2導体膜16の第2の側面部分16cと一方の第3導体膜18の第2の側面部分18cとによって、第1外部端子ET1に2つの回り込み部分ET1aが形成され、他方の第2導体膜17の第2の側面部分17cと他方の第3導体膜19の第2の側面部分19cとによって、第2外部端子ET2に2つの回り込み部分ET2aが形成されている。つまり、磁性外装15に対する各第2導体膜16及び17それぞれの接触面積がより増加されて密着力もより強化されているため、各第2導体膜16及び17並びに各第3導体膜がコイル部品10-1から剥がれたり欠落したりすることをより一層確実に防止できる。
【0037】
<効果4>前記コイル部品10-1にあっては、磁性コア11が磁性合金粒子群から成り、各磁性合金粒子の表面には該磁性合金粒子の酸化物膜が形成されていて、該酸化物膜によって隣接する磁性合金粒子が結合している。つまり、各磁性合金粒子の表面に存する酸化物膜によって隣接する磁性合金粒子の絶縁が確保されているため、材料自体の体積抵抗率が低い磁性合金粒子を用いても磁性コア11に十分な体積抵抗率を確保し、磁性合金粒子が持つ本来の高透磁率を十分に活かすことができる。即ち、コイル部品10-1に生じる磁気飽和を抑制して直流重畳特性を向上できると共に大電流化(定格電流の高値化を意味する)に大きく貢献できる。
【0038】
<効果5>前記コイル部品10-1にあっては、磁性外装15が磁性合金粒子群と該磁性合金粒子間に介在する絶縁材料とから成り、該絶縁材料によって隣接する磁性合金粒子が結合している。つまり、磁性合金粒子間に介在する絶縁材料によって隣接する磁性合金粒子の絶縁が確保されているため、材料自体の体積抵抗率が低い磁性合金粒子を用いても磁性外装15に十分な体積抵抗率を確保して、磁性合金粒子が持つ本来の高透磁率を十分に活かすことができる。即ち、コイル部品10-1に生じる磁気飽和を抑制して直流重畳特性を向上できると共に大電流化(定格電流の高値化を意味する)に大きく貢献できる。
【0039】
<効果6>前記コイル部品10-1にあっては、磁性コア11の柱状部11bの下面と磁性外装15の下面とが略面一状態にある。コイル部品10-1は、流通時に軟質袋や硬質ケース等の容器にバルク状態で収容され、実装時にフィーダの収納室内にバルク状態で収容されるため、流通時並びに実装時に相互にぶつかり合う機会が多いが、磁性コア11の柱状部11bの下面と磁性外装15の下面とが略面一状態にあるため、相互にぶつかり合っても磁性コア11の板状部11の下面外縁のうちの第1外部端子ET1及び第2外部端子ET2で覆われていない2つの区域11a1(図3を参照)に損傷を生じることを防止できる。つまり、2つの区域11a1に損傷を生じると、該各区域11a1に存する磁性合金粒子の表面から酸化物膜は剥がれ落ちて隣接する磁性合金の絶縁が低下する現象を招来する恐れがあるが、磁性コア11の柱状部11bの下面と磁性外装15の下面とが略面一状態にあればこのような現象を確実に防止できると共に該現象が顕著化した際に生じ得る第1外部端子ET1と第2外部端子ET2のショートの恐れも未然に回避できる。
【0040】
[第2実施形態]
図5及び図6は、本発明を適用したコイル部品(第2実施形態)を示す。このコイル部品10-2が、第1実施形態のコイル部品10-1と構成を異にするところは、
・磁性コア11の板状部11aの下面外縁のうちの第1外部端子ET1及び第2外部端子 ET2で覆われていない2つの区域11a1の全部が、磁性外装15における磁性コア 11の板状部11aの側面を覆う部分15aから下方に延長する部分15bによって覆 われている点
にある。他の構成は第1実施形態のコイル部品10-1と同じであるためその説明を省略する。
【0041】
このコイル部品10-2によれば、前記<効果1>〜<効果5>に加えて、下記の<効果7>を得ることができる。
【0042】
<効果7>磁性コア11の板状部11aの下面外縁のうちの第1外部端子ET1及び第2外部端子ET2で覆われていない2つの区域11a1の全部を、磁性外装15の下方延長部分15bによって積極的に覆うことによって、前記<効果6>で述べた2つの区域11a1の損傷を確実に防止できると共に該損傷を原因とした絶縁低下及びショートの恐れをより確実に防止できる。
【0043】
尚、図5及び図6には、磁性コア11の板状部11の下面外縁のうちの各第1導体膜12及び13で覆われていない区域の全部を、磁性外装15の下方延長部分15bによって覆ったものを示したが、第1外部端子ET1及び第2外部端子ET2で挟まれる2つ区域11a1のみを磁性外装15の下方延長部分15bによって覆うようにしても良い。この場合、図5に示した隙間CL2は図2に示した隙間CL1と同じになる。
【0044】
[第3実施形態]
図7は、本発明を適用したコイル部品(第3実施形態)を示す。このコイル部品10-3が、第1実施形態のコイル部品10-1と構成を異にするところは、
・磁性コア11の板状部11aの下面外縁のうちの第1外部端子ET1及び第2外部端子 ET2で覆われていない2つの区域11a1の一部が、磁性外装15における磁性コア 11の板状部11aの側面を覆う部分15aから下方に延長する部分15cによって局 部的(各2箇所)に覆われている点
にある。他の構成は第1実施形態のコイル部品10-1と同じであるためその説明を省略する。
【0045】
このコイル部品10-3によれば、前記<効果1>〜<効果5>に加えて、下記の<効果8>を得ることができる。
【0046】
<効果8>磁性コア11の板状部11aの下面外縁のうちの第1外部端子ET1及び第2外部端子ET2で覆われていない2つの区域11a1の一部を、磁性外装15の下方延長部分15cによって局部的(各2箇所)に覆うことによって、該各下方延長部分15cが存する箇所の損傷を確実に防止できる。つまり、各区域11a1における各下方延長部分15cが存しない箇所に損傷を生じて前記<効果6>で述べた絶縁低下を生じた場合でも、各下方延長部分15cが存する箇所の損傷を防止することによってショートの恐れを確実に防止できる。
【0047】
尚、図7には、計4つの下方延長部分15cを第1外部端子ET1及び第2外部端子ET2に近い位置に形成したものを示したが、下方延長部分15cは各区域11a1において少なくとも1個あれば良く、その形成位置も任意で構わない。
【0048】
[第4実施形態]
図8は、本発明を適用したコイル部品(第4実施形態)を示す。このコイル部品10-4が、第1実施形態のコイル部品10-1と構成を異にするところは、
・磁性コア11の板状部11aの下面外縁のうちの第1外部端子ET1及び第2外部端子 ET2で覆われていない2つの区域11a1に、該各区域11a1を分断する凹部11 cがそれぞれ形成されている点
にある。他の構成は第1実施形態のコイル部品10-1と同じであるためその説明を省略する。
【0049】
このコイル部品10-4によれば、前記<効果1>〜<効果5>に加えて、下記の<効果9>を得ることができる。
【0050】
<効果9>磁性コア11の板状部11aの下面外縁のうちの第1外部端子ET1及び第2外部端子ET2で覆われていない2つの区域11a1に、該各区域11a1を分断する凹部11cをそれぞれ形成することによって、各凹部11cの内面に存する磁性合金粒子の表面から酸化物膜は剥がれ落ちることを確実に防止できるため、万が一、各区域11a1に損傷を生じて前記<効果6>で述べた絶縁低下を生じた場合でも、各凹部11cの存在によってショートの恐れを確実に防止できる。
【0051】
尚、図8には、計2つの凹部11cを各区域11a1の略中央に形成したものを示したが、各区域11a1における凹部11cの数は2以上であっても良く、その形状も任意で構わない。
【符号の説明】
【0052】
10-1、10-2、10-3、10-4…コイル部品、11…磁性コア、12,13…第1導体膜、14…コイル、15…磁性外装、16,17…第2導体膜、18,19…第3導体膜、ET1…第1外部端子、ET2…第2外部端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状部と該板状部の上面に設けられた柱状部とを一体に有する磁性コアと、
前記磁性コアの板状部の側面から下面に及んで形成された一対の第1導体膜と、
断面形状が長辺と短辺を有する矩形を成す導線が螺旋状に巻かれた螺旋状部と該螺旋状部から引き出された導線一端部及び導線他端部とを一体に有していて、螺旋状部を前記磁性コアの柱状部の周囲に配置され、且つ、導線一端部の長辺側を前記一方の第1導体膜の側面部分の表面に接合され導線他端部の長辺側を前記他方の第1導体膜の側面部分の表面に接合されたコイルと、
前記磁性コアの柱状部の上面及び板状部の側面と、前記各第1導体膜の側面部分の表面と、前記コイルの螺旋状部、導線一端部、導線一端部の接合部分の表面、導線他端部及び導線他端部の接合部分の表面をそれぞれ覆うように形成された磁性外装と、
前記磁性外装の側面から該磁性外装の下面を通じて前記磁性コアの板状部の下面に及ぶように、且つ、前記各第1導体膜の下面部分の表面をそれぞれ覆うように形成された一対の第2導体膜と、
前記各第2導体膜の表面をそれぞれ覆うように形成された一対の第3導体膜を備え、 前記一方の第1導体膜、前記一方の第2導体膜及び前記一方の第3導体膜によって第1外部端子が構成され、前記他方の第1導体膜、前記他方の第2導体膜及び前記他方の第3導体膜によって第2外部端子が構成されていると共に、
前記コイルの導線一端部の接合部分と導線他端部の接合部分は、前記各第1導体膜の側面部分と、前記磁性外装における前記磁性コアの板状部の側面を覆う部分と、によってそれぞれ挟み込まれた態様を有し、前記磁性外装における前記コイルの導線一端部の接合部分の表面を覆う部分と導線他端部の接合部分の表面を覆う部分は、該各接合部分を間において、前記各第1導体膜の側面部分と、前記各第2導体膜の側面部分並びに前記各第3導体膜の側面部分と、によってそれぞれ挟み込まれた態様を有している、
ことを特徴とするコイル部品。
【請求項2】
前記各第1導体膜は、焼付け導体膜である、
ことを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記各第2導体膜は、金属粒子群と該金属粒子間に介在する絶縁材料とから成る、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記磁性コアの板状部は略矩形状の下面視輪郭を有していて、前記各第1導体膜は該板状部の相対する2つの側面から下面に及んで形成されており、
前記磁性外装は略矩形状の上面視輪郭を有していて、前記各第2導体膜は該磁性外装における前記磁性コアの板状部の相対する2つの側面に対応する2つの側面と略同じ幅寸法を有している、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記各第2導体膜の側面部分と下面部分は、前記磁性外装の2つの側面それぞれと隣り合う他の2側面に存する第2の側面部分を介して連続しており、
該各第2の側面部分とこれらを覆う前記各第3導体膜の第2の側面部分によって前記第1外部端子及び前記第2外部端子のそれぞれに2つの回り込み部分が形成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記磁性コアは磁性合金粒子群から成り、各磁性合金粒子の表面には該磁性合金粒子の酸化物膜が形成されていて、該酸化物膜によって隣接する磁性合金粒子が結合している、
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記磁性外装は磁性合金粒子群と該磁性合金粒子間に介在する絶縁材料とから成り、該絶縁材料によって隣接する磁性合金粒子が結合している、
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記磁性コアの板状部の下面と前記磁性外装の下面とが略面一状態にある、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記磁性コアの板状部の下面外縁のうちの前記第1外部端子及び前記第2外部端子で覆われていない2つの区域の全部が、前記磁性外装における前記磁性コアの板状部の側面を覆う部分から下方に延長する部分によって覆われている、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記磁性コアの板状部の下面外縁のうちの前記第1外部端子及び前記第2外部端子で覆われていない2つの区域の一部が、前記磁性外装における前記磁性コアの板状部の側面を覆う部分から下方に延長する部分によって局部的に覆われている、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記磁性コアの板状部の下面外縁のうちの前記第1外部端子及び前記第2外部端子で覆われていない2つの区域に、該各区域を分断する凹部がそれぞれ形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のコイル部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−156158(P2012−156158A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11213(P2011−11213)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【特許番号】特許第4795489号(P4795489)
【特許公報発行日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】