コネクタモジュール
【課題】間隔をあけて配置された複数の電子機器のコネクタ部にコネクタを容易に嵌合させることができるコネクタモジュールを提供する。
【解決手段】コネクタモジュール1は互いに間隔をあけてボディパネル2に配置される複数のソレノイド3に設けられたコネクタ部4と各々がコネクタ部4に嵌合するとともに互いに間隔をあけて複数並べられたコネクタ5とボディパネル2に重ねられるガイドフレーム9とガイドフレーム9にコネクタ5とコネクタ部4との嵌合方向Kに沿って移動自在に設けられたガイド支持フレーム10とガイド支持フレーム10にコネクタ5を嵌合方向Kに対して交差する二方向N,Zと嵌合方向Kを中心とした回転方向Tに移動自在に支持する移動支持部11とを備えている。
【解決手段】コネクタモジュール1は互いに間隔をあけてボディパネル2に配置される複数のソレノイド3に設けられたコネクタ部4と各々がコネクタ部4に嵌合するとともに互いに間隔をあけて複数並べられたコネクタ5とボディパネル2に重ねられるガイドフレーム9とガイドフレーム9にコネクタ5とコネクタ部4との嵌合方向Kに沿って移動自在に設けられたガイド支持フレーム10とガイド支持フレーム10にコネクタ5を嵌合方向Kに対して交差する二方向N,Zと嵌合方向Kを中心とした回転方向Tに移動自在に支持する移動支持部11とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に間隔をあけて複数設けられたコネクタ部に嵌合するコネクタを複数備えたコネクタモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のトランスミッションには、当該自動車の車体に互いに間隔をあけて配置された複数の電磁弁の電子機器としてのソレノイドが設けられている。これらのソレノイドは、一つのトランスミッション即ち一台の自動車に複数設けられ、勿論、各ソレノイドには、前述した自動車の車体に配索されるワイヤハーネスのコネクタが嵌合するコネクタ部が設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述した複数のソレノイドは、自動車の車体に間隔をあけて複数設けられているために、各コネクタ部に前述したコネクタを嵌合するための作業が煩雑となっていた。さらに、前述したトランスミッションの近傍の空間は狭く、前述したコネクタ部にコネクタを嵌合させることが困難となる傾向であった。
【0004】
したがって、本発明の目的は、間隔をあけて配置された複数の電子機器のコネクタ部にコネクタを容易に嵌合させることができるコネクタモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明のコネクタモジュールは、互いに間隔をあけて車体に配置される複数の電子機器に設けられたコネクタ部と、各々が前記コネクタ部に嵌合するとともに互いに間隔をあけて複数並べられたコネクタと、前記車体に重ねられるガイドフレームと、前記ガイドフレームに前記コネクタと前記コネクタ部との嵌合方向に沿って移動自在に設けられたガイド支持フレームと、前記ガイド支持フレームに前記コネクタを前記嵌合方向に対して交差する二方向と前記嵌合方向を中心とした回転方向に移動自在に支持する移動支持部と、を備えたことを特徴としている。
【0006】
請求項2記載の本発明のコネクタモジュールは、請求項1に記載の本発明のコネクタモジュールにおいて、前記ガイドフレームは、前記コネクタが前記コネクタ部から最も離れた位置で、コネクタが当該コネクタ同士に並ぶ方向に位置ずれすることを規制する位置ずれ規制部を備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項3記載の本発明のコネクタモジュールは、請求項1又は請求項2に記載の本発明のコネクタモジュールにおいて、前記ガイドフレームを前記車体に位置決めする位置決め部を備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項4記載の本発明のコネクタモジュールは、請求項1ないし請求項3のうちいずれか一項に記載のコネクタモジュールにおいて、前記コネクタが前記コネクタ部に近づくのにしたがって、これらが互いに嵌合する位置に前記コネクタを案内する案内部を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項5記載の本発明のコネクタモジュールは、請求項4に記載のコネクタモジュールにおいて、前記案内部が、前記コネクタから立設しかつ前記嵌合方向に沿って直線状に延在したガイドリブと、前記コネクタ部よりも前記コネクタ寄りに設けられかつ前記ガイドリブが侵入するとともに前記コネクタ部に近づくのにしたがって幅が狭く形成されたガイド溝と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項6記載の本発明のコネクタモジュールは、請求項4に記載のコネクタモジュールにおいて、前記案内部が、前記コネクタに連なりかつ前記電子機器と前記嵌合方向に間隔をあけて相対した被支持部に向って前記電子機器から直線状に延在したガイドリブと、前記被支持部に設けられかつ前記ガイドリブが侵入するとともに前記ソレノイドから離れるのにしたがって徐々に断面形状が縮小するように形成されたガイド凹部と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項7記載の本発明のコネクタモジュールは、請求項1ないし請求項6のうちいずれか一項に記載のコネクタモジュールにおいて、前記移動支持部は、前記ガイド支持フレームに設けられた貫通孔と、前記コネクタから立設しかつ前記ガイドフレームに設けられた貫通孔内に通されるととともに、幅が前記貫通孔の幅よりも狭く長さが前記ガイドフレームの厚みよりも長い立設部と、前記立設部の先端に連なり前記嵌合方向の長さが前記貫通孔の前記嵌合方向の幅よりも長いストッパ部と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項8記載の本発明のコネクタモジュールは、請求項1ないし請求項6のうちいずれか一項に記載のコネクタモジュールにおいて、前記移動支持部は、前記コネクタに連なりかつ電子機器と前記嵌合方向に間隔をあけて相対した被支持部から前記電子機器から離れる方向に凸の移動凸部と、前記移動凸部を内側に遊挿して当該移動凸部に係合する係合片と、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の本発明によれば、車体に重ねられるガイドフレームに嵌合方向に沿って移動自在に設けられたガイド支持フレームに、電子機器のコネクタ部に嵌合するコネクタを嵌合方向に対して交差する二方向と嵌合方向を中心とした回転方向に移動自在に支持している。このために、ガイド支持フレームを、コネクタをコネクタ部への嵌合方向に移動させると、コネクタがコネクタ部に嵌合するように、コネクタがガイド支持フレームに対して移動することとなる。したがって、ガイド支持フレームを、コネクタをコネクタ部への嵌合方向に移動させるだけで、複数のコネクタを一度にコネクタ部に嵌合させることができる。したがって、各コネクタ部に前述したコネクタを嵌合するための作業が煩雑となることを防止でき、前述したコネクタ部にコネクタを嵌合させることが困難となることを防止できて、よって、コネクタ部にコネクタを容易に嵌合させることができる。
【0014】
請求項2記載の本発明によれば、コネクタがコネクタ部から最も離れた位置に位置付けられると、ガイドフレームがコネクタの位置ずれを規制する位置ずれ規制部を備えている。このため、コネクタをコネクタ部に嵌合させる作業の前に、当該コネクタが不意に位置ずれすることを防止できる。よって、コネクタの嵌合前に、当該コネクタがコネクタ部に嵌合できない程、位置ずれすることを防止でき、コネクタ部にコネクタを確実に嵌合させることができる。
【0015】
請求項3記載の本発明によれば、ガイドフレームを車体に位置決めする位置決め部を備えているので、コネクタをコネクタ部に嵌合させる作業中にコネクタモジュールが位置ずれすることを防止できる。よって、コネクタ部にコネクタを確実に嵌合させることができる。
【0016】
請求項4記載の本発明によれば、コネクタがコネクタ部に嵌合する位置に案内する案内部を備えているので、ガイド支持フレームにより複数のコネクタをコネクタ部に近づけるだけで、複数のコネクタを一度にコネクタ部に嵌合させることができる。
【0017】
請求項5記載の本発明によれば、案内部がガイドリブとガイド溝とを備えているので、コネクタがコネクタ部に嵌合する位置に当該コネクタを確実に案内することができる。
【0018】
請求項6記載の本発明によれば、案内部がガイドリブとガイド凹部とを備えているので、コネクタがコネクタ部に嵌合する位置に当該コネクタを確実に案内することができる。また、ガイドリブが電子機器のコネクタに相対する端面の中央に設けられているのが望ましい。この場合、電子機器が嵌合方向を中心とした回転方向に位置ずれしていても、コネクタをコネクタ部に近づけることにより、案内部が、これらが互いに嵌合する位置にコネクタを案内することができる。
【0019】
請求項7記載の本発明によれば、移動支持部がガイド支持フレームの厚みよりも長く当該ガイド支持フレームに設けられた貫通孔の幅よりも幅が狭く形成されて、当該貫通孔内に通されるコネクタから立設した立設部を備えているので、移動支持部がコネクタを嵌合方向に対して交差するニ方向と、当該嵌合方向を中心とした回転方向に移動自在に支持することができる。このため、コネクタをコネクタ部即ち電子機器の位置に応じて、コネクタ部に嵌合できる位置に位置付けることができる。よって、ガイド支持フレームをコネクタをコネクタ部への嵌合方向に移動させるだけで、複数のコネクタを一度にコネクタ部に嵌合させることができる。
【0020】
請求項8記載の本発明によれば、移動支持部がコネクタに連なった被支持部から凸の移動凸部とこの移動凸部を遊挿する係合片とを備えているので、移動凸部と係合片とのがたにより被支持部即ちコネクタを嵌合方向に対して交差するニ方向と嵌合方向を中心とした回転方向に移動自在とすることができる。このため、コネクタをコネクタ部即ち電子機器の位置に応じて、コネクタ部に嵌合できる位置に位置付けることができる。よって、ガイド支持フレームを、コネクタのコネクタ部への嵌合方向に移動させるだけで、複数のコネクタを一度にコネクタ部に嵌合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるコネクタモジュールなどの分解斜視図である。
【図2】図1に示されたコネクタモジュールの斜視図である。
【図3】図2に示されたコネクタモジュールのコネクタなどの斜視図である。
【図4】図3に示されたコネクタの正面図である。
【図5】図3中のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図3に示されたコネクタが嵌合するソレノイドに設けられたコネクタ部などの斜視図である。
【図7】図6中のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図7中のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図8に示されたコネクタ部のガイド溝の幅広部内に図5に示されたコネクタのガイドリブが侵入した状態を示す断面図である。
【図10】図9に示されたコネクタ部のガイド溝の幅狭部内に図5に示されたコネクタのガイドリブが侵入した状態を示す断面図である。
【図11】図10に示されたコネクタ部のガイド溝の幅狭部の奥に図5に示されたコネクタのガイドリブが侵入した状態を示す断面図である。
【図12】図1に示されたコネクタモジュールが位置決め部に位置決めされた状態の要部の平面図である。
【図13】図12中の矢印XIII方向からみた正面図である。
【図14】図12に示されたコネクタモジュールのコネクタがコネクタ部に近づいた状態の要部の平面図である。
【図15】図14中の矢印XV方向からみた正面図である。
【図16】図14に示されたコネクタモジュールのコネクタがコネクタ部に嵌合した状態の要部の平面図である。
【図17】図16中の矢印XVII方向からみた正面図である。
【図18】本発明の第2の実施形態にかかるコネクタモジュールの位置決め部に位置決めされた状態を示す斜視図である。
【図19】図18に示されたコネクタモジュールの他の斜視図である。
【図20】図18に示されたコネクタモジュールのコネクタがコネクタ部に嵌合した状態を示す斜視図である。
【図21】図20に示されたコネクタモジュールの他の斜視図である。
【図22】本発明の第3の実施形態にかかるコネクタモジュールの要部の斜視図である。
【図23】図22中の矢印XXIII方向からみた正面図である。
【図24】図22に示されたコネクタモジュールのコネクタが嵌合するコネクタ部を備えたソレノイドの斜視図である。
【図25】図24中のXXV−XXV線に沿って一部を断面で示す断面図である。
【図26】図22に示されたコネクタモジュールのコネクタなどの斜視図である。
【図27】図26中のXXVII−XXVII線に沿う断面図である。
【図28】図27中のXXVIII−XXVIII線に沿う断面図である。
【図29】図26に示されたコネクタのガイド凹部の縮小部内に図24に示されたガイドリブの先端が侵入した状態の断面図である。
【図30】図29中のXXX−XXX線に沿う断面図である。
【図31】図29中のXXXI−XXXI線に沿う断面図である。
【図32】図26に示されたコネクタのガイド凹部の縮小部と図24に示されたガイドリブの先端とが相対した状態の断面図である。
【図33】図26に示されたコネクタのガイド凹部の一定部内に図24に示されたガイドリブの先端が侵入した状態の断面図である。
【図34】図26に示されたコネクタのガイド凹部の一定部の奥に図24に示されたガイドリブの先端が侵入した状態の断面図である。
【図35】図22に示されたコネクタモジュールの要部の正面図である。
【図36】図35に示されたコネクタモジュールの他の要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の第1の実施形態にかかるコネクタモジュールを、図1ないし図17を参照して説明する。
【0023】
本発明の第1の実施形態にかかるコネクタモジュール1は、図1及び図2に示すように、自動車の車体としてのボディパネル2に取り付けられる電子機器としての複数のソレノイド3のコネクタ部4に嵌合するコネクタ5を複数備えている。
【0024】
複数のソレノイド3は、図1及び図2に示すように、前述したボディパネル2に互いに間隔をあけて配置されるとともに、前述した自動車のトランスミッションの電磁弁を駆動するために用いられる。ソレノイド3は、外観が円柱状に形成され、互いに平行に間隔をあけて配置されている。ソレノイド3には、電磁弁と接続するケーブル6が接続している。
【0025】
コネクタモジュール1は、図1及び図2に示すように、一対の位置決め部7と、複数のコネクタ部4と、複数のコネクタ5と、案内部8と、ガイドフレーム9と、ガイド支持フレーム10と、移動支持部11と、を備えている。
【0026】
位置決め部7は、図示例では、自動車のボディパネル2に一対設けられ、互いの間に前述した複数のソレノイド3を位置付けている。位置決め部7は、ボディパネル2に重ねられるガイドフレーム9を当該ボディパネル2に位置決めする。
【0027】
コネクタ部4は、それぞれ、ソレノイド3の外周面に設けられている。コネクタ部4は、筒状のハウジング12と、このハウジング12内に収容された棒状の端子13とを備えている。ハウジング12は、絶縁性の合成樹脂で構成され、かつその開口が位置決め部7に位置決めされたガイドフレーム9と相対するように、ソレノイド3と同軸に配置されている。端子13は、導電性の金属で構成され、その長手方向がハウジング12の軸芯と平行に配置されている。端子13は、前述したケーブル6などに接続している。
【0028】
コネクタ5は、コネクタ部4と同数設けられている。コネクタ5は、コネクタ部4と1対1で対応している。コネクタ5は、それぞれ、図3乃至図5に示すように、絶縁性の合成樹脂で構成されたハウジング14と、このハウジング14内に収容された図示しない端子とを備えている。ハウジング14は、四角筒状に形成され、かつ、ハウジング12内に侵入して当該ハウジング12に嵌合する。端子は、ハウジング14内に収容されている。端子には、電線が取り付けられ、ハウジング12,14同士が嵌合すると、前述した端子13と接続する。コネクタ5は、図1中の矢印Kに沿ってハウジング14がハウジング12内に侵入することで、コネクタ部4に嵌合する。なお、矢印Kは、特許請求の範囲などに記載された嵌合方向をなしているために、以下、嵌合方向Kと呼ぶ。この嵌合方向Kは、コネクタ5がコネクタ部4に嵌合する際に、当該コネクタ5がコネクタ部4に近づく方向をなしている。
【0029】
案内部8は、コネクタ5と同数設けられかつコネクタ5と1対1で対応している。案内部8は、コネクタ5に設けられたガイドリブ15(図3乃至図5に示す)と、コネクタ部4に連なったガイドレール部16(図6乃至図8に示す)とを備えている。ガイドリブ15は、コネクタ5のハウジング14のソレノイド3の外周面と相対する底面から凸に設けられている。ガイドリブ15は、嵌合方向Kに沿って直線状に延在し、かつ、前述した嵌合方向Kの全長に亘ってコネクタ5のハウジング14の底面に設けられている。ガイドリブ15は、その全長に亘って幅及びハウジング14の底面からの突出量が一定に形成されている。
【0030】
ガイドレール部16は、底板部17と、一対のレール部18とを備えている。底板部17は、ソレノイド3の外周面から凸でかつコネクタ部4のハウジング12に連なっている。底板部17即ちガイドレール部16は、コネクタ部4に連なりかつ当該コネクタ部4よりもガイド支持フレーム10に支持されたコネクタ5寄りに設けられている。
【0031】
一対のレール部18は、嵌合方向Kに対して交差(直交)し、かつ図1中矢印Nで示すソレノイド3即ちコネクタ5同士が並ぶ方向に互いに間隔をあけて配置されている。一対のレール部18は、前述した底板部17の互いに離れた側の外縁から立設している。レール部18が、底板部17の互いに離れた側の外縁から立設しているために、当該レール部18の内側に底板部17の上面が位置付けられている(露出している)。なお、底板部17の上面は、平坦に形成されている。また、一対のレール部18は、コネクタ部4のハウジング12に連なりかつ当該ハウジング12から離れるのにしたがって互いに徐々に離れる方向に傾斜した傾斜部19と、当該傾斜部19に連なりかつ互いに平行な平行部20を設けている。
【0032】
また、案内部8は、底板部17に前述した嵌合方向Kに沿って直線状に延在したガイド溝21を設けている。このガイド溝21は、図8乃至図11に示すように、底板部17に設けられかつ幅がガイドリブ15の幅と略等しい幅でかつ嵌合方向Kに一定に形成された幅狭部22と、この幅狭部22に連なりかつハウジング12から離れるのにしたがって幅が徐々に広く形成された幅傾斜部23と、この幅傾斜部23に連なりかつ幅がガイドリブ15の幅よりも広い幅でかつ嵌合方向Kに一定に形成された幅広部24と、を設けている。コネクタ5がコネクタ部4に嵌合する際には、ガイド溝21内にガイドリブ15が侵入する。なお、ガイド溝21の幅狭部22内にガイドリブ15が位置付けられると、コネクタ5がコネクタ部4に嵌合できる位置に位置付けられる。
【0033】
案内部8は、ガイド溝21内にガイドリブ15が侵入して、ガイドリブ15がガイド溝21の内面上を摺動することにより、コネクタ5がコネクタ部4に近づくのにしたがってコネクタ5がコネクタ部4に嵌合できる位置に当該コネクタ5を案内する。
【0034】
ガイドフレーム9は、図1及び図2に示すように、互いに平行な一対の長尺部材25と、これら長尺部材25の両端同士を連結しかつ互いに平行に配置されているとともに長尺部材25よりも短い短尺部材26と、短尺部材26と平行でかつ互いに間隔をあけて配置されているとともに長尺部材25同士を連結した連結梁27とを備えた枠状に形成されている。短尺部材26は、位置決め部7上に重ねられて、当該位置決め部7により位置決めされる。即ち、ガイドフレーム9は、短尺部材26が位置決め部7に位置決めされることで、前述したボディパネル2に重ねられる。また、一対の短尺部材26には、互いに相対する面から凹でかつ嵌合方向Kに沿って直線状に延在したスライド溝28が設けられている。
【0035】
さらに、一対の長尺部材25のうちのコネクタ部4から離れた側の長尺部材25には、位置ずれ規制部としての位置決め溝29が複数設けられている。位置決め溝29は、コネクタ5と同数設けられかつ当該コネクタ5と1対1で対応している。互いに隣り合う位置決め溝29間の間隔は、互いに隣り合うコネクタ部4の中心軸間の間隔と略等しく形成されている。位置決め溝29は、その内側に後述する移動支持部11の立設部35を通した際に、ガイドリブ15をガイド溝21内に位置付けることができる位置に配置されている。
【0036】
位置決め溝29は、長尺部材25のコネクタ部4と相対する外縁部から凹に形成されかつ嵌合方向Kに沿って直線状に延在している。また、位置決め溝29は内側に後述する移動支持部11の立設部35を通すことができる。位置決め溝29の幅は、移動支持部11の立設部35の幅H1と等しく形成されている。位置決め溝29は、その内側に立設部35を通すことで、位置決め部7に短尺部材26を位置決めした際に、ガイドリブ15がガイド溝21に侵入する位置にコネクタ5を位置決めして、これらのコネクタ5が、嵌合方向Kに対して交差(直交)する当該コネクタ5同士が並ぶ方向Nに位置ずれすることを規制する。
【0037】
ガイド支持フレーム10は、図1及び図2に示すように、長尺部材25と長さが略等しいフレーム本体30と、このフレーム本体30から立設した固定片31とを備えている。フレーム本体30は、その両端部がスライド溝28内に挿入されて、当該スライド溝28内を移動自在となる。即ちガイド支持フレーム10は、ガイドフレーム9に嵌合方向Kに沿って移動自在に設けられる。固定片31には、ガイド支持フレーム10をボディパネル2に固定するためのボルト32を通すボルト通し孔33が設けられている。ガイド支持フレーム10は、移動支持部11の後述する貫通孔34内に立設部35を通すことで、コネクタ5を支持する。また、ガイド支持フレーム10は、貫通孔34内に立設部35を通した状態で、コネクタ部4から最も離れた位置に位置付けられると、位置決め溝29内に侵入する。
【0038】
移動支持部11は、コネクタ5と同数設けられかつ当該コネクタ5と1対1で対応している。移動支持部11は、貫通孔34と、立設部35と、ストッパ部36とを備えている。貫通孔34は、ガイド支持フレーム10を貫通しており、その平面形状が矩形状に形成されている。移動支持部11の貫通孔34は、ガイド支持フレーム10のフレーム本体30の長手方向に沿って互いに間隔をあけて配置されている。互いに隣り合う移動支持部11の貫通孔34の中央間の間隔は、互いに隣り合うコネクタ部4の中心軸間の間隔と略等しく形成されている。また、貫通孔34とフレーム本体30のコネクタ部4に相対する外縁とに亘って、幅が後述する立設部35の幅H1と略等しい切欠き37が設けられている。
【0039】
立設部35は、コネクタ5のコネクタ部4から離れた側の端部から立設した四角柱状に形成されている。立設部35は、前記フレーム本体30の長手方向即ちコネクタ5同士が並ぶ方向の幅H1(図4に示す)が、貫通孔34のフレーム本体30の長手方向即ちコネクタ5同士が並ぶ方向Nの幅H2(図12に示す)よりも狭く形成されている。また、立設部35は、その長さがガイドフレーム9のフレーム本体30の厚みよりも長く形成されている。
【0040】
ストッパ部36は、厚手の平板状に形成されており、立設部35のコネクタ5から離れた側の先端部に連なっている。ストッパ部36は、コネクタ5の立設部35が設けられた表面から間隔をあけて平行に配置されている。ストッパ部36は、前述した嵌合方向Kの長さH4(図12に示す)が、貫通孔34の嵌合方向Kの幅H3(図12に示す)よりも長く形成されている。
【0041】
前述した構成により移動支持部11は、立設部35が切欠き37を通して貫通孔34内に通され、かつストッパ部36がコネクタ5との間にフレーム本体30を位置付けることで、コネクタ5を、嵌合方向Kに交差(直交)するフレーム本体30の長手方向即ちコネクタ5同士が並ぶ方向Nと、嵌合方向Kに交差(直交)するフレーム本体30の厚み方向Zと、嵌合方向Kを中心とした回転方向T(図2中に矢印で示す)に移動自在にガイド支持フレーム10のフレーム本体30に支持する。なお、コネクタ5同士が並ぶ方向Nとフレーム本体30の厚み方向Zは、嵌合方向Kに対して交差(直交)する二方向をなしている。
【0042】
前述した構成によれば、コネクタモジュール1は、ガイド支持フレーム10のフレーム本体30の両端部をスライド溝28内に挿入して、当該ガイド支持フレーム10をガイドフレーム9に取り付け、各コネクタ5に設けられた立設部35を切欠き37を通して貫通孔34内に挿入して組み立てられる。そして、コネクタモジュール1は、図2及び図12に示すように、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4から最も離れた位置に位置付けて、各立設部35を位置決め溝29内に挿入して、コネクタ5をガイド支持フレーム10に対して位置決めする。
【0043】
そして、コネクタモジュール1をボディパネル2に重ねて、ガイドフレーム9を位置決め部7により位置決めして、コネクタモジュール1をボディパネル2に位置決めする。すると、図12に示すように、ガイドリブ15が、ガイド溝21の幅狭部22と嵌合方向Kに間隔をあけて相対するとともに、図13に示すように、各コネクタ5のガイドリブ15が、各案内部8の一対のレール部18の平行部20間に配置される。
【0044】
その後、図14に示すように、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4に向かって移動させると、各コネクタ5に設けられた立設部35が一度に位置決め溝29から抜け出る。すると、各コネクタ5が前述した二方向N,Z及び回転方向Tに移動自在となる。そして、図15に示すように、各コネクタ5の底面が底板部17に密に重なる。さらに、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4に向かって移動させると、各コネクタ5に設けられたガイドリブ15がガイド溝21の幅傾斜部23の内面上などを摺動して、各コネクタ5に設けられたガイドリブ15が、一度に、図10に示すように、ガイド溝21の幅狭部22内に侵入する。
【0045】
そして、さらに、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4に向かって移動させると、図15に示すように、各コネクタ5の底面が底板部17に密に重なった状態で、ガイドリブ15がガイド溝21の幅狭部22内を移動して、コネクタ5がコネクタ部4内に侵入する。そして、各コネクタ5に設けられたガイドリブ15が、図11に示すように、ガイド溝21の幅狭部22の奥に侵入し、各ストッパ部36が、図16に示すように、ガイドフレーム9のコネクタ部4寄りの長尺部材25の近傍に位置付けられて、図17に示すように、コネクタ5がコネクタ部4に嵌合する。その後、ガイド支持フレーム10の固定片31のボルト通し孔33内にボルト32を通して、当該ボルト32によりガイド支持フレーム10を車体に固定する。こうして、複数のコネクタ5が、一度に、対応するコネクタ部4に嵌合し、コネクタモジュール1がボディパネル2に取り付けられる。
【0046】
本実施形態によれば、ボディパネル2に重ねられるガイドフレーム9に嵌合方向Kに沿って移動自在に設けられたガイド支持フレーム10に、ソレノイド3のコネクタ部4に嵌合するコネクタ5を嵌合方向Kに対して交差する二方向N,Zと回転方向Tに移動自在に支持している。このために、ガイド支持フレーム10を、コネクタ5のコネクタ部4への嵌合方向Kに移動させると、コネクタ5がコネクタ部4に嵌合するように、コネクタ5がガイド支持フレーム10に対して移動することとなる。したがって、ガイド支持フレーム10を、コネクタ5のコネクタ部4への嵌合方向Kに移動させるだけで、複数のコネクタ5を一度にコネクタ部4に嵌合させることができる。したがって、各コネクタ部4に前述したコネクタ5を嵌合するための作業が煩雑となることを防止でき、前述したコネクタ部4にコネクタ5を嵌合させることが困難となることを防止できて、よって、コネクタ部4にコネクタ5を容易に嵌合させることができる。
【0047】
コネクタ5がコネクタ部4から最も離れた位置に位置付けられると、ガイドフレーム9がコネクタ5の位置ずれを規制する位置決め溝29を備えている。このため、コネクタ5をコネクタ部4に嵌合させる作業の前に、当該コネクタ5が不意に位置ずれすることを防止できる。よって、コネクタ5の嵌合前に、当該コネクタ5がコネクタ部4に嵌合できない程、位置ずれすることを防止できるので、コネクタ5をコネクタ部4に嵌合させる際に、当該コネクタ5をコネクタ部4に確実に嵌合させることができる。
【0048】
ガイドフレーム9をボディパネル2に位置決めする位置決め部7を備えているので、コネクタ5をコネクタ部4に嵌合させる作業中にコネクタモジュール1が位置ずれすることを防止できる。よって、コネクタ部4にコネクタ5を確実に嵌合させることができる。
【0049】
コネクタ5がコネクタ部4に嵌合する位置に案内する案内部8を備えているので、ガイド支持フレーム10により複数のコネクタ5をコネクタ部4に近づけるだけで、複数のコネクタ5を一度にコネクタ部4に嵌合させることができる。
【0050】
案内部8は、ガイドリブ15とガイド溝21とを備えているので、コネクタ5がコネクタ部4に嵌合する位置に当該コネクタ5を確実に案内することができる。
【0051】
移動支持部11が、ガイド支持フレーム10のフレーム本体30の厚みよりも長く当該ガイド支持フレーム10に設けられた貫通孔34の幅H2よりも幅H1が狭く形成されて、当該貫通孔34内に通されるコネクタ5から立設した立設部35を備えているので、移動支持部11がコネクタ5を嵌合方向Kに対して交差するニ方向N,Zと、当該嵌合方向Kを中心とした回転方向Tに移動自在に支持することができる。このため、コネクタ5をコネクタ部4即ちソレノイド3の位置に応じて、コネクタ部4に嵌合できる位置に位置付けることができる。よって、ガイド支持フレーム10をコネクタ5のコネクタ部4への嵌合方向Kに移動させるだけで、複数のコネクタ5を一度にコネクタ部4に嵌合させることができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態にかかるコネクタモジュール1を、図18乃至図21を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。また、図18乃至図21では、ソレノイド3、コネクタ5及びコネクタ部4を各1つのみ図示し、他を省略している。
【0053】
本実施形態では、コネクタモジュール1は、図18乃至図21に示すように、ガイドフレーム9に回転中心ピン38を設け、ガイド支持フレーム10にカムピン39を設け、カムレバー40を更に備えている。回転中心ピン38は、ガイドフレーム9の長手方向の両端から当該ガイドフレーム9の長手方向即ち前述したコネクタ5同士が並ぶ方向Nに沿って外方向に突出している。回転中心ピン38は、円柱状に形成され、その軸芯が前述したコネクタ5同士が並ぶ方向Nと平行である。
【0054】
カムピン39は、ガイド支持フレーム10の長手方向の両端から当該ガイド支持フレーム10の長手方向即ち前述したコネクタ5同士が並ぶ方向Nに沿って外方向に突出している。カムピン39は、円柱状に形成され、その軸芯が前述したコネクタ5同士が並ぶ方向Nと平行である。
【0055】
カムレバー40は、一対のカム部材41と、一つの連結部42とを一体に備えている。カム部材41は、厚手の平板状に形成されかつガイドフレーム9の長手方向の両端部に重ねられて、互いに間隔をあけて平行に配置されている。カム部材41は、その一端部に回転中心ピン38を通す丸孔43を設け、他端部にカムピン39を通すカム44を設けている。丸孔43は、内側に回転中心ピン38を通して、当該回転中心ピン38を中心として、カム部材41即ちカムレバー40を回転自在にガイドフレーム9に取り付けている。カム44は、弧状に形成されており、他端部から一端部に向うにしたがって徐々に丸孔43に近づく方向に湾曲している。連結部42は、一対のカム部材41の他端部同士を連結した帯板状に形成されている。
【0056】
本実施形態のコネクタモジュール1は、ガイド支持フレーム10がコネクタ部4から最も離れた状態即ちコネクタ5がコネクタ部4に嵌合する前には、図18及び図19に示すように、カムレバー40がカム44の丸孔43寄りの端部にカムピン39を位置付けている。そして、カムレバー40がガイドフレーム9から立設した格好となっている。そして、コネクタモジュール1は、位置決め部7にガイドフレーム9が位置決めされて、コネクタ5をコネクタ部4に嵌合させる際に、カムレバー40のカム部材41の他端部即ち連結部42がソレノイド3に近づくように、回転中心ピン38を中心としてカムレバー40が回転される。
【0057】
すると、カム44が前述したように湾曲しているので、カムレバー40が回転するのにしたがって、カムピン39がカム44の丸孔43から離れた側の端部に向って移動する。すると、コネクタ5がコネクタ部4に徐々に近づいて、当該コネクタ部4に嵌合する。コネクタ5がコネクタ部4に完全に嵌合すると、図20及び図21に示すように、カムレバー40の連結部42がガイドフレーム9上に重なり、カム44の丸孔43から離れた側の端部にカムピン39を位置付ける。
【0058】
本実施形態の場合においても、前述した実施形態と同様に、一度に、複数のコネクタ5をコネクタ部4に嵌合できるので、コネクタ部4にコネクタ5を容易に嵌合させることができる。また、本実施形態では、カムレバー40を回転させるだけで、複数のコネクタ5を一度にコネクタ部4に嵌合できるので、コネクタ部4にコネクタ5をより容易に嵌合させることができる。
【0059】
次に、本発明の第3の実施形態にかかるコネクタモジュール1を、図22乃至図36を参照して説明する。なお、前述した第1及び第2の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
本実施形態では、移動支持部11が、図22及び図23に示すように、コネクタ5に連なった被支持部60から凸の移動凸部50と、ガイド支持フレーム10に設けられた切欠き部51と、このガイド支持フレーム10に設けられたスリット52と、ガイド支持フレーム10に設けられた係合片53と、を備えている。
【0061】
被支持部60は、図26乃至図28に示すように、コネクタ5のコネクタ部4から離れた側の端部に連なっている。被支持部60は、嵌合方向Kに沿って、ソレノイド3と間隔をあけて相対する。被支持部60は、断面台形状の本体部54と、この本体部54のコネクタ部4から離れた側の端に連なった円盤部55とを一体に備えている。
【0062】
移動凸部50は、円盤部55の表面から凸の円形に形成されている。移動凸部50は、円盤部55からソレノイド3から離れる方向に凸に形成されている。
【0063】
切欠き部51は、嵌合方向Kに沿って、ガイドフレーム9のフレーム本体30の一部が切り欠かれて形成されている。互いに隣り合う移動支持部11の切欠き部51は、ガイド支持フレーム10のフレーム本体30の長手方向即ちコネクタ5同士が並ぶ方向Nに沿って互いに間隔をあけて配置されている。互いに隣り合う切欠き部51の中心間の間隔は、互いに隣り合うソレノイド3の中心間の間隔と略等しく形成されている。切欠き部51は、その内側に被支持部60の本体部54を通している。切欠き部51は、図36に示すように、その内縁の形状が本体部54の外縁の形状と略等しく形成されている。
【0064】
スリット52は、ガイド支持フレーム10のフレーム本体30の長手方向に沿って互いに間隔をあけて複数設けられかつガイド支持フレーム10のフレーム本体30の幅方向の中央に設けられている。スリット52は、の内側に被支持部60の円盤部55を位置付ける。
【0065】
係合片53は、切欠き部51内に設けられかつガイドフレーム9のフレーム本体30と一体に形成されている。係合片53は、図35に示すように、切欠き部51の底面から立設しており、両端が切欠き部51の内面に連なったコ字状に形成されている。係合片53は、図35に示すように、その内側に移動凸部50を位置付けて(遊挿して)、当該移動凸部50に係合する。
【0066】
移動支持部11は、係合片53に移動凸部50が係合した状態で、図35に示すように、移動凸部50が最も切欠き部51の底面から離されて係合片53の内面に接触すると、図36に示すように、被支持部60の外面が切欠き部51の内面と間隔をあける。このために、移動支持部11は、スリット52内に円盤部55を挿入しかつ切欠き部51内に被支持部60を位置付けて移動凸部50を係合片53内に遊挿することで、ガイド支持フレーム10に被支持部60即ちコネクタ5を前述した二方向N,Zと回転方向Tに移動自在に支持している。
【0067】
また、本実施形態の案内部8は、ガイドリブ56と、ガイド凹部57とを備えている。ガイドリブ15は、図24及び図25に示すように、ソレノイド3の端面から被支持部60に向かって直線状に延在しており、当該ソレノイド3の端面の中央に設けられている。ガイド凹部57は、図26乃至図28に示すように、被支持部60のソレノイド3と相対する端面から凹に形成されており、互いに連通した縮小部58と一定部59とを備えている。縮小部58は、被支持部60の前述した端面から凹に形成されており、この端面から離れる即ちソレノイド3から離れるのにしたがって徐々に断面形状が縮小するように形成されている。一定部59は、その断面形状がガイドリブ15の断面形状と略等しく形成されている。
【0068】
前述した構成の案内部8は、コネクタ5がコネクタ部4に近づく際に、ガイド凹部57内にガイドリブ15が侵入して、ガイドリブ15がガイド凹部57の縮小部58の内面上を摺動することにより、コネクタ5がコネクタ部4に近づくのにしたがってコネクタ5がコネクタ部4に嵌合できる位置に当該コネクタ5を案内する。
【0069】
前述した構成によれば、本実施形態のコネクタモジュール1は、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4から最も離れた位置に位置付けて、ガイドフレーム9が位置決め部7により位置決めされて、ボディパネル2に位置決めされる。すると、図32に示すように、ガイドリブ15がガイド凹部57と嵌合方向Kに沿って間隔をあけて相対するとともに、各コネクタ5がコネクタ部4と嵌合方向Kに沿って間隔をあけて相対する。
【0070】
そして、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4に向かって移動させると、図29乃至図31に示すように、各コネクタ5に設けられた被支持部60に開口したガイド凹部57の縮小部58内にガイドリブ15が侵入する。さらに、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4に向かって移動させると、各ソレノイド3に設けられたガイドリブ15の先端がガイド凹部57の縮小部58の内面を摺動した後、図33に示すように、一定部59内に侵入する。そして、さらに、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4に向かって移動させると、コネクタ5がコネクタ部4内に侵入する。そして、各ソレノイド3に設けられたガイドリブ15が、図34に示すように、ガイド凹部57の一定部59の奥に侵入し、コネクタ5がコネクタ部4に嵌合する。その後、ガイド支持フレーム10の固定片31のボルト通し孔33内にボルト32を通して、当該ボルト32によりガイド支持フレーム10を車体に固定する。こうして、複数のコネクタ5が、一度に、対応するコネクタ部4に嵌合し、コネクタモジュール1がボディパネル2に取り付けられる。
【0071】
本実施形態によれば、前述した実施形態と同様に、一度に、複数のコネクタ5をコネクタ部4に嵌合できるので、コネクタ部4にコネクタ5を容易に嵌合させることができる。また、本実施形態によれば、案内部8がガイドリブ15とガイド凹部57とを備えているので、コネクタ5がコネクタ部4に嵌合する位置に当該コネクタ5を確実に案内することができる。また、ガイドリブ15がソレノイド3のコネクタ5に相対する端面の中央に設けられている。このために、ソレノイド3が嵌合方向Kを中心とした回転方向Tに位置ずれしていても、コネクタ5をコネクタ部4に近づけることにより、案内部8が、これらが互いに嵌合する位置にコネクタ5を案内することができる。
【0072】
さらに、本実施形態によれば、移動支持部11がコネクタ5に連なった被支持部60から凸の移動凸部50とこの移動凸部50を遊挿する係合片53とを備えているので、移動凸部50と係合片53とのがたにより被支持部60即ちコネクタ5を嵌合方向Kに対して交差(直交)するニ方向N,Zと嵌合方向Kを中心とした回転方向Tに移動自在とすることができる。このため、コネクタ5をコネクタ部4即ちソレノイド3の位置に応じて、コネクタ部4に嵌合できる位置に位置付けることができる。よって、ガイド支持フレーム10を、コネクタ5のコネクタ部4への嵌合方向Kに移動させるだけで、複数のコネクタ5を一度にコネクタ部4に嵌合させることができる。
【0073】
前述した実施形態では、電子機器としてのソレノイド3を示しているが、本発明では、ソレノイド3に限定されることなく種々の電子機器に設けられたコネクタ部4にコネクタ5を嵌合させてもよい。また、前述した実施形態では、車体としてのボディパネル2にガイドフレーム9を直接取り付ける構成としたが、本発明では、車体とはボディパネルなどの車体パネル以外にも当該車体パネルに取り付けられるトランスミッションなどの各種の補機なども含むものとする即ち、本発明では、ガイドフレーム9を、車体パネルに取り付けられるトランスミッションなどの各種の補機などに取り付けるようにしてもよい。
【0074】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 コネクタモジュール
2 ボディパネル(車体)
3 ソレノイド(電子機器)
4 コネクタ部
5 コネクタ
7 位置決め部
8 案内部
9 ガイドフレーム
10 ガイド支持フレーム
11 移動支持部
15 ガイドリブ
21 ガイド溝
29 位置決め溝(位置ずれ規制部)
34 貫通孔
35 立設部
36 ストッパ部
50 移動凸部
53 係合片
56 ガイドリブ
57 ガイド凹部
60 被支持部
K 嵌合方向
T 回転方向
N 並ぶ方向
Z 厚み方向
H1 立設部の幅
H2 貫通孔の幅
H3 貫通孔の幅
H4 ストッパ部の長さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に間隔をあけて複数設けられたコネクタ部に嵌合するコネクタを複数備えたコネクタモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のトランスミッションには、当該自動車の車体に互いに間隔をあけて配置された複数の電磁弁の電子機器としてのソレノイドが設けられている。これらのソレノイドは、一つのトランスミッション即ち一台の自動車に複数設けられ、勿論、各ソレノイドには、前述した自動車の車体に配索されるワイヤハーネスのコネクタが嵌合するコネクタ部が設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述した複数のソレノイドは、自動車の車体に間隔をあけて複数設けられているために、各コネクタ部に前述したコネクタを嵌合するための作業が煩雑となっていた。さらに、前述したトランスミッションの近傍の空間は狭く、前述したコネクタ部にコネクタを嵌合させることが困難となる傾向であった。
【0004】
したがって、本発明の目的は、間隔をあけて配置された複数の電子機器のコネクタ部にコネクタを容易に嵌合させることができるコネクタモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明のコネクタモジュールは、互いに間隔をあけて車体に配置される複数の電子機器に設けられたコネクタ部と、各々が前記コネクタ部に嵌合するとともに互いに間隔をあけて複数並べられたコネクタと、前記車体に重ねられるガイドフレームと、前記ガイドフレームに前記コネクタと前記コネクタ部との嵌合方向に沿って移動自在に設けられたガイド支持フレームと、前記ガイド支持フレームに前記コネクタを前記嵌合方向に対して交差する二方向と前記嵌合方向を中心とした回転方向に移動自在に支持する移動支持部と、を備えたことを特徴としている。
【0006】
請求項2記載の本発明のコネクタモジュールは、請求項1に記載の本発明のコネクタモジュールにおいて、前記ガイドフレームは、前記コネクタが前記コネクタ部から最も離れた位置で、コネクタが当該コネクタ同士に並ぶ方向に位置ずれすることを規制する位置ずれ規制部を備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項3記載の本発明のコネクタモジュールは、請求項1又は請求項2に記載の本発明のコネクタモジュールにおいて、前記ガイドフレームを前記車体に位置決めする位置決め部を備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項4記載の本発明のコネクタモジュールは、請求項1ないし請求項3のうちいずれか一項に記載のコネクタモジュールにおいて、前記コネクタが前記コネクタ部に近づくのにしたがって、これらが互いに嵌合する位置に前記コネクタを案内する案内部を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項5記載の本発明のコネクタモジュールは、請求項4に記載のコネクタモジュールにおいて、前記案内部が、前記コネクタから立設しかつ前記嵌合方向に沿って直線状に延在したガイドリブと、前記コネクタ部よりも前記コネクタ寄りに設けられかつ前記ガイドリブが侵入するとともに前記コネクタ部に近づくのにしたがって幅が狭く形成されたガイド溝と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項6記載の本発明のコネクタモジュールは、請求項4に記載のコネクタモジュールにおいて、前記案内部が、前記コネクタに連なりかつ前記電子機器と前記嵌合方向に間隔をあけて相対した被支持部に向って前記電子機器から直線状に延在したガイドリブと、前記被支持部に設けられかつ前記ガイドリブが侵入するとともに前記ソレノイドから離れるのにしたがって徐々に断面形状が縮小するように形成されたガイド凹部と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項7記載の本発明のコネクタモジュールは、請求項1ないし請求項6のうちいずれか一項に記載のコネクタモジュールにおいて、前記移動支持部は、前記ガイド支持フレームに設けられた貫通孔と、前記コネクタから立設しかつ前記ガイドフレームに設けられた貫通孔内に通されるととともに、幅が前記貫通孔の幅よりも狭く長さが前記ガイドフレームの厚みよりも長い立設部と、前記立設部の先端に連なり前記嵌合方向の長さが前記貫通孔の前記嵌合方向の幅よりも長いストッパ部と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項8記載の本発明のコネクタモジュールは、請求項1ないし請求項6のうちいずれか一項に記載のコネクタモジュールにおいて、前記移動支持部は、前記コネクタに連なりかつ電子機器と前記嵌合方向に間隔をあけて相対した被支持部から前記電子機器から離れる方向に凸の移動凸部と、前記移動凸部を内側に遊挿して当該移動凸部に係合する係合片と、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の本発明によれば、車体に重ねられるガイドフレームに嵌合方向に沿って移動自在に設けられたガイド支持フレームに、電子機器のコネクタ部に嵌合するコネクタを嵌合方向に対して交差する二方向と嵌合方向を中心とした回転方向に移動自在に支持している。このために、ガイド支持フレームを、コネクタをコネクタ部への嵌合方向に移動させると、コネクタがコネクタ部に嵌合するように、コネクタがガイド支持フレームに対して移動することとなる。したがって、ガイド支持フレームを、コネクタをコネクタ部への嵌合方向に移動させるだけで、複数のコネクタを一度にコネクタ部に嵌合させることができる。したがって、各コネクタ部に前述したコネクタを嵌合するための作業が煩雑となることを防止でき、前述したコネクタ部にコネクタを嵌合させることが困難となることを防止できて、よって、コネクタ部にコネクタを容易に嵌合させることができる。
【0014】
請求項2記載の本発明によれば、コネクタがコネクタ部から最も離れた位置に位置付けられると、ガイドフレームがコネクタの位置ずれを規制する位置ずれ規制部を備えている。このため、コネクタをコネクタ部に嵌合させる作業の前に、当該コネクタが不意に位置ずれすることを防止できる。よって、コネクタの嵌合前に、当該コネクタがコネクタ部に嵌合できない程、位置ずれすることを防止でき、コネクタ部にコネクタを確実に嵌合させることができる。
【0015】
請求項3記載の本発明によれば、ガイドフレームを車体に位置決めする位置決め部を備えているので、コネクタをコネクタ部に嵌合させる作業中にコネクタモジュールが位置ずれすることを防止できる。よって、コネクタ部にコネクタを確実に嵌合させることができる。
【0016】
請求項4記載の本発明によれば、コネクタがコネクタ部に嵌合する位置に案内する案内部を備えているので、ガイド支持フレームにより複数のコネクタをコネクタ部に近づけるだけで、複数のコネクタを一度にコネクタ部に嵌合させることができる。
【0017】
請求項5記載の本発明によれば、案内部がガイドリブとガイド溝とを備えているので、コネクタがコネクタ部に嵌合する位置に当該コネクタを確実に案内することができる。
【0018】
請求項6記載の本発明によれば、案内部がガイドリブとガイド凹部とを備えているので、コネクタがコネクタ部に嵌合する位置に当該コネクタを確実に案内することができる。また、ガイドリブが電子機器のコネクタに相対する端面の中央に設けられているのが望ましい。この場合、電子機器が嵌合方向を中心とした回転方向に位置ずれしていても、コネクタをコネクタ部に近づけることにより、案内部が、これらが互いに嵌合する位置にコネクタを案内することができる。
【0019】
請求項7記載の本発明によれば、移動支持部がガイド支持フレームの厚みよりも長く当該ガイド支持フレームに設けられた貫通孔の幅よりも幅が狭く形成されて、当該貫通孔内に通されるコネクタから立設した立設部を備えているので、移動支持部がコネクタを嵌合方向に対して交差するニ方向と、当該嵌合方向を中心とした回転方向に移動自在に支持することができる。このため、コネクタをコネクタ部即ち電子機器の位置に応じて、コネクタ部に嵌合できる位置に位置付けることができる。よって、ガイド支持フレームをコネクタをコネクタ部への嵌合方向に移動させるだけで、複数のコネクタを一度にコネクタ部に嵌合させることができる。
【0020】
請求項8記載の本発明によれば、移動支持部がコネクタに連なった被支持部から凸の移動凸部とこの移動凸部を遊挿する係合片とを備えているので、移動凸部と係合片とのがたにより被支持部即ちコネクタを嵌合方向に対して交差するニ方向と嵌合方向を中心とした回転方向に移動自在とすることができる。このため、コネクタをコネクタ部即ち電子機器の位置に応じて、コネクタ部に嵌合できる位置に位置付けることができる。よって、ガイド支持フレームを、コネクタのコネクタ部への嵌合方向に移動させるだけで、複数のコネクタを一度にコネクタ部に嵌合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるコネクタモジュールなどの分解斜視図である。
【図2】図1に示されたコネクタモジュールの斜視図である。
【図3】図2に示されたコネクタモジュールのコネクタなどの斜視図である。
【図4】図3に示されたコネクタの正面図である。
【図5】図3中のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図3に示されたコネクタが嵌合するソレノイドに設けられたコネクタ部などの斜視図である。
【図7】図6中のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図7中のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図8に示されたコネクタ部のガイド溝の幅広部内に図5に示されたコネクタのガイドリブが侵入した状態を示す断面図である。
【図10】図9に示されたコネクタ部のガイド溝の幅狭部内に図5に示されたコネクタのガイドリブが侵入した状態を示す断面図である。
【図11】図10に示されたコネクタ部のガイド溝の幅狭部の奥に図5に示されたコネクタのガイドリブが侵入した状態を示す断面図である。
【図12】図1に示されたコネクタモジュールが位置決め部に位置決めされた状態の要部の平面図である。
【図13】図12中の矢印XIII方向からみた正面図である。
【図14】図12に示されたコネクタモジュールのコネクタがコネクタ部に近づいた状態の要部の平面図である。
【図15】図14中の矢印XV方向からみた正面図である。
【図16】図14に示されたコネクタモジュールのコネクタがコネクタ部に嵌合した状態の要部の平面図である。
【図17】図16中の矢印XVII方向からみた正面図である。
【図18】本発明の第2の実施形態にかかるコネクタモジュールの位置決め部に位置決めされた状態を示す斜視図である。
【図19】図18に示されたコネクタモジュールの他の斜視図である。
【図20】図18に示されたコネクタモジュールのコネクタがコネクタ部に嵌合した状態を示す斜視図である。
【図21】図20に示されたコネクタモジュールの他の斜視図である。
【図22】本発明の第3の実施形態にかかるコネクタモジュールの要部の斜視図である。
【図23】図22中の矢印XXIII方向からみた正面図である。
【図24】図22に示されたコネクタモジュールのコネクタが嵌合するコネクタ部を備えたソレノイドの斜視図である。
【図25】図24中のXXV−XXV線に沿って一部を断面で示す断面図である。
【図26】図22に示されたコネクタモジュールのコネクタなどの斜視図である。
【図27】図26中のXXVII−XXVII線に沿う断面図である。
【図28】図27中のXXVIII−XXVIII線に沿う断面図である。
【図29】図26に示されたコネクタのガイド凹部の縮小部内に図24に示されたガイドリブの先端が侵入した状態の断面図である。
【図30】図29中のXXX−XXX線に沿う断面図である。
【図31】図29中のXXXI−XXXI線に沿う断面図である。
【図32】図26に示されたコネクタのガイド凹部の縮小部と図24に示されたガイドリブの先端とが相対した状態の断面図である。
【図33】図26に示されたコネクタのガイド凹部の一定部内に図24に示されたガイドリブの先端が侵入した状態の断面図である。
【図34】図26に示されたコネクタのガイド凹部の一定部の奥に図24に示されたガイドリブの先端が侵入した状態の断面図である。
【図35】図22に示されたコネクタモジュールの要部の正面図である。
【図36】図35に示されたコネクタモジュールの他の要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の第1の実施形態にかかるコネクタモジュールを、図1ないし図17を参照して説明する。
【0023】
本発明の第1の実施形態にかかるコネクタモジュール1は、図1及び図2に示すように、自動車の車体としてのボディパネル2に取り付けられる電子機器としての複数のソレノイド3のコネクタ部4に嵌合するコネクタ5を複数備えている。
【0024】
複数のソレノイド3は、図1及び図2に示すように、前述したボディパネル2に互いに間隔をあけて配置されるとともに、前述した自動車のトランスミッションの電磁弁を駆動するために用いられる。ソレノイド3は、外観が円柱状に形成され、互いに平行に間隔をあけて配置されている。ソレノイド3には、電磁弁と接続するケーブル6が接続している。
【0025】
コネクタモジュール1は、図1及び図2に示すように、一対の位置決め部7と、複数のコネクタ部4と、複数のコネクタ5と、案内部8と、ガイドフレーム9と、ガイド支持フレーム10と、移動支持部11と、を備えている。
【0026】
位置決め部7は、図示例では、自動車のボディパネル2に一対設けられ、互いの間に前述した複数のソレノイド3を位置付けている。位置決め部7は、ボディパネル2に重ねられるガイドフレーム9を当該ボディパネル2に位置決めする。
【0027】
コネクタ部4は、それぞれ、ソレノイド3の外周面に設けられている。コネクタ部4は、筒状のハウジング12と、このハウジング12内に収容された棒状の端子13とを備えている。ハウジング12は、絶縁性の合成樹脂で構成され、かつその開口が位置決め部7に位置決めされたガイドフレーム9と相対するように、ソレノイド3と同軸に配置されている。端子13は、導電性の金属で構成され、その長手方向がハウジング12の軸芯と平行に配置されている。端子13は、前述したケーブル6などに接続している。
【0028】
コネクタ5は、コネクタ部4と同数設けられている。コネクタ5は、コネクタ部4と1対1で対応している。コネクタ5は、それぞれ、図3乃至図5に示すように、絶縁性の合成樹脂で構成されたハウジング14と、このハウジング14内に収容された図示しない端子とを備えている。ハウジング14は、四角筒状に形成され、かつ、ハウジング12内に侵入して当該ハウジング12に嵌合する。端子は、ハウジング14内に収容されている。端子には、電線が取り付けられ、ハウジング12,14同士が嵌合すると、前述した端子13と接続する。コネクタ5は、図1中の矢印Kに沿ってハウジング14がハウジング12内に侵入することで、コネクタ部4に嵌合する。なお、矢印Kは、特許請求の範囲などに記載された嵌合方向をなしているために、以下、嵌合方向Kと呼ぶ。この嵌合方向Kは、コネクタ5がコネクタ部4に嵌合する際に、当該コネクタ5がコネクタ部4に近づく方向をなしている。
【0029】
案内部8は、コネクタ5と同数設けられかつコネクタ5と1対1で対応している。案内部8は、コネクタ5に設けられたガイドリブ15(図3乃至図5に示す)と、コネクタ部4に連なったガイドレール部16(図6乃至図8に示す)とを備えている。ガイドリブ15は、コネクタ5のハウジング14のソレノイド3の外周面と相対する底面から凸に設けられている。ガイドリブ15は、嵌合方向Kに沿って直線状に延在し、かつ、前述した嵌合方向Kの全長に亘ってコネクタ5のハウジング14の底面に設けられている。ガイドリブ15は、その全長に亘って幅及びハウジング14の底面からの突出量が一定に形成されている。
【0030】
ガイドレール部16は、底板部17と、一対のレール部18とを備えている。底板部17は、ソレノイド3の外周面から凸でかつコネクタ部4のハウジング12に連なっている。底板部17即ちガイドレール部16は、コネクタ部4に連なりかつ当該コネクタ部4よりもガイド支持フレーム10に支持されたコネクタ5寄りに設けられている。
【0031】
一対のレール部18は、嵌合方向Kに対して交差(直交)し、かつ図1中矢印Nで示すソレノイド3即ちコネクタ5同士が並ぶ方向に互いに間隔をあけて配置されている。一対のレール部18は、前述した底板部17の互いに離れた側の外縁から立設している。レール部18が、底板部17の互いに離れた側の外縁から立設しているために、当該レール部18の内側に底板部17の上面が位置付けられている(露出している)。なお、底板部17の上面は、平坦に形成されている。また、一対のレール部18は、コネクタ部4のハウジング12に連なりかつ当該ハウジング12から離れるのにしたがって互いに徐々に離れる方向に傾斜した傾斜部19と、当該傾斜部19に連なりかつ互いに平行な平行部20を設けている。
【0032】
また、案内部8は、底板部17に前述した嵌合方向Kに沿って直線状に延在したガイド溝21を設けている。このガイド溝21は、図8乃至図11に示すように、底板部17に設けられかつ幅がガイドリブ15の幅と略等しい幅でかつ嵌合方向Kに一定に形成された幅狭部22と、この幅狭部22に連なりかつハウジング12から離れるのにしたがって幅が徐々に広く形成された幅傾斜部23と、この幅傾斜部23に連なりかつ幅がガイドリブ15の幅よりも広い幅でかつ嵌合方向Kに一定に形成された幅広部24と、を設けている。コネクタ5がコネクタ部4に嵌合する際には、ガイド溝21内にガイドリブ15が侵入する。なお、ガイド溝21の幅狭部22内にガイドリブ15が位置付けられると、コネクタ5がコネクタ部4に嵌合できる位置に位置付けられる。
【0033】
案内部8は、ガイド溝21内にガイドリブ15が侵入して、ガイドリブ15がガイド溝21の内面上を摺動することにより、コネクタ5がコネクタ部4に近づくのにしたがってコネクタ5がコネクタ部4に嵌合できる位置に当該コネクタ5を案内する。
【0034】
ガイドフレーム9は、図1及び図2に示すように、互いに平行な一対の長尺部材25と、これら長尺部材25の両端同士を連結しかつ互いに平行に配置されているとともに長尺部材25よりも短い短尺部材26と、短尺部材26と平行でかつ互いに間隔をあけて配置されているとともに長尺部材25同士を連結した連結梁27とを備えた枠状に形成されている。短尺部材26は、位置決め部7上に重ねられて、当該位置決め部7により位置決めされる。即ち、ガイドフレーム9は、短尺部材26が位置決め部7に位置決めされることで、前述したボディパネル2に重ねられる。また、一対の短尺部材26には、互いに相対する面から凹でかつ嵌合方向Kに沿って直線状に延在したスライド溝28が設けられている。
【0035】
さらに、一対の長尺部材25のうちのコネクタ部4から離れた側の長尺部材25には、位置ずれ規制部としての位置決め溝29が複数設けられている。位置決め溝29は、コネクタ5と同数設けられかつ当該コネクタ5と1対1で対応している。互いに隣り合う位置決め溝29間の間隔は、互いに隣り合うコネクタ部4の中心軸間の間隔と略等しく形成されている。位置決め溝29は、その内側に後述する移動支持部11の立設部35を通した際に、ガイドリブ15をガイド溝21内に位置付けることができる位置に配置されている。
【0036】
位置決め溝29は、長尺部材25のコネクタ部4と相対する外縁部から凹に形成されかつ嵌合方向Kに沿って直線状に延在している。また、位置決め溝29は内側に後述する移動支持部11の立設部35を通すことができる。位置決め溝29の幅は、移動支持部11の立設部35の幅H1と等しく形成されている。位置決め溝29は、その内側に立設部35を通すことで、位置決め部7に短尺部材26を位置決めした際に、ガイドリブ15がガイド溝21に侵入する位置にコネクタ5を位置決めして、これらのコネクタ5が、嵌合方向Kに対して交差(直交)する当該コネクタ5同士が並ぶ方向Nに位置ずれすることを規制する。
【0037】
ガイド支持フレーム10は、図1及び図2に示すように、長尺部材25と長さが略等しいフレーム本体30と、このフレーム本体30から立設した固定片31とを備えている。フレーム本体30は、その両端部がスライド溝28内に挿入されて、当該スライド溝28内を移動自在となる。即ちガイド支持フレーム10は、ガイドフレーム9に嵌合方向Kに沿って移動自在に設けられる。固定片31には、ガイド支持フレーム10をボディパネル2に固定するためのボルト32を通すボルト通し孔33が設けられている。ガイド支持フレーム10は、移動支持部11の後述する貫通孔34内に立設部35を通すことで、コネクタ5を支持する。また、ガイド支持フレーム10は、貫通孔34内に立設部35を通した状態で、コネクタ部4から最も離れた位置に位置付けられると、位置決め溝29内に侵入する。
【0038】
移動支持部11は、コネクタ5と同数設けられかつ当該コネクタ5と1対1で対応している。移動支持部11は、貫通孔34と、立設部35と、ストッパ部36とを備えている。貫通孔34は、ガイド支持フレーム10を貫通しており、その平面形状が矩形状に形成されている。移動支持部11の貫通孔34は、ガイド支持フレーム10のフレーム本体30の長手方向に沿って互いに間隔をあけて配置されている。互いに隣り合う移動支持部11の貫通孔34の中央間の間隔は、互いに隣り合うコネクタ部4の中心軸間の間隔と略等しく形成されている。また、貫通孔34とフレーム本体30のコネクタ部4に相対する外縁とに亘って、幅が後述する立設部35の幅H1と略等しい切欠き37が設けられている。
【0039】
立設部35は、コネクタ5のコネクタ部4から離れた側の端部から立設した四角柱状に形成されている。立設部35は、前記フレーム本体30の長手方向即ちコネクタ5同士が並ぶ方向の幅H1(図4に示す)が、貫通孔34のフレーム本体30の長手方向即ちコネクタ5同士が並ぶ方向Nの幅H2(図12に示す)よりも狭く形成されている。また、立設部35は、その長さがガイドフレーム9のフレーム本体30の厚みよりも長く形成されている。
【0040】
ストッパ部36は、厚手の平板状に形成されており、立設部35のコネクタ5から離れた側の先端部に連なっている。ストッパ部36は、コネクタ5の立設部35が設けられた表面から間隔をあけて平行に配置されている。ストッパ部36は、前述した嵌合方向Kの長さH4(図12に示す)が、貫通孔34の嵌合方向Kの幅H3(図12に示す)よりも長く形成されている。
【0041】
前述した構成により移動支持部11は、立設部35が切欠き37を通して貫通孔34内に通され、かつストッパ部36がコネクタ5との間にフレーム本体30を位置付けることで、コネクタ5を、嵌合方向Kに交差(直交)するフレーム本体30の長手方向即ちコネクタ5同士が並ぶ方向Nと、嵌合方向Kに交差(直交)するフレーム本体30の厚み方向Zと、嵌合方向Kを中心とした回転方向T(図2中に矢印で示す)に移動自在にガイド支持フレーム10のフレーム本体30に支持する。なお、コネクタ5同士が並ぶ方向Nとフレーム本体30の厚み方向Zは、嵌合方向Kに対して交差(直交)する二方向をなしている。
【0042】
前述した構成によれば、コネクタモジュール1は、ガイド支持フレーム10のフレーム本体30の両端部をスライド溝28内に挿入して、当該ガイド支持フレーム10をガイドフレーム9に取り付け、各コネクタ5に設けられた立設部35を切欠き37を通して貫通孔34内に挿入して組み立てられる。そして、コネクタモジュール1は、図2及び図12に示すように、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4から最も離れた位置に位置付けて、各立設部35を位置決め溝29内に挿入して、コネクタ5をガイド支持フレーム10に対して位置決めする。
【0043】
そして、コネクタモジュール1をボディパネル2に重ねて、ガイドフレーム9を位置決め部7により位置決めして、コネクタモジュール1をボディパネル2に位置決めする。すると、図12に示すように、ガイドリブ15が、ガイド溝21の幅狭部22と嵌合方向Kに間隔をあけて相対するとともに、図13に示すように、各コネクタ5のガイドリブ15が、各案内部8の一対のレール部18の平行部20間に配置される。
【0044】
その後、図14に示すように、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4に向かって移動させると、各コネクタ5に設けられた立設部35が一度に位置決め溝29から抜け出る。すると、各コネクタ5が前述した二方向N,Z及び回転方向Tに移動自在となる。そして、図15に示すように、各コネクタ5の底面が底板部17に密に重なる。さらに、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4に向かって移動させると、各コネクタ5に設けられたガイドリブ15がガイド溝21の幅傾斜部23の内面上などを摺動して、各コネクタ5に設けられたガイドリブ15が、一度に、図10に示すように、ガイド溝21の幅狭部22内に侵入する。
【0045】
そして、さらに、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4に向かって移動させると、図15に示すように、各コネクタ5の底面が底板部17に密に重なった状態で、ガイドリブ15がガイド溝21の幅狭部22内を移動して、コネクタ5がコネクタ部4内に侵入する。そして、各コネクタ5に設けられたガイドリブ15が、図11に示すように、ガイド溝21の幅狭部22の奥に侵入し、各ストッパ部36が、図16に示すように、ガイドフレーム9のコネクタ部4寄りの長尺部材25の近傍に位置付けられて、図17に示すように、コネクタ5がコネクタ部4に嵌合する。その後、ガイド支持フレーム10の固定片31のボルト通し孔33内にボルト32を通して、当該ボルト32によりガイド支持フレーム10を車体に固定する。こうして、複数のコネクタ5が、一度に、対応するコネクタ部4に嵌合し、コネクタモジュール1がボディパネル2に取り付けられる。
【0046】
本実施形態によれば、ボディパネル2に重ねられるガイドフレーム9に嵌合方向Kに沿って移動自在に設けられたガイド支持フレーム10に、ソレノイド3のコネクタ部4に嵌合するコネクタ5を嵌合方向Kに対して交差する二方向N,Zと回転方向Tに移動自在に支持している。このために、ガイド支持フレーム10を、コネクタ5のコネクタ部4への嵌合方向Kに移動させると、コネクタ5がコネクタ部4に嵌合するように、コネクタ5がガイド支持フレーム10に対して移動することとなる。したがって、ガイド支持フレーム10を、コネクタ5のコネクタ部4への嵌合方向Kに移動させるだけで、複数のコネクタ5を一度にコネクタ部4に嵌合させることができる。したがって、各コネクタ部4に前述したコネクタ5を嵌合するための作業が煩雑となることを防止でき、前述したコネクタ部4にコネクタ5を嵌合させることが困難となることを防止できて、よって、コネクタ部4にコネクタ5を容易に嵌合させることができる。
【0047】
コネクタ5がコネクタ部4から最も離れた位置に位置付けられると、ガイドフレーム9がコネクタ5の位置ずれを規制する位置決め溝29を備えている。このため、コネクタ5をコネクタ部4に嵌合させる作業の前に、当該コネクタ5が不意に位置ずれすることを防止できる。よって、コネクタ5の嵌合前に、当該コネクタ5がコネクタ部4に嵌合できない程、位置ずれすることを防止できるので、コネクタ5をコネクタ部4に嵌合させる際に、当該コネクタ5をコネクタ部4に確実に嵌合させることができる。
【0048】
ガイドフレーム9をボディパネル2に位置決めする位置決め部7を備えているので、コネクタ5をコネクタ部4に嵌合させる作業中にコネクタモジュール1が位置ずれすることを防止できる。よって、コネクタ部4にコネクタ5を確実に嵌合させることができる。
【0049】
コネクタ5がコネクタ部4に嵌合する位置に案内する案内部8を備えているので、ガイド支持フレーム10により複数のコネクタ5をコネクタ部4に近づけるだけで、複数のコネクタ5を一度にコネクタ部4に嵌合させることができる。
【0050】
案内部8は、ガイドリブ15とガイド溝21とを備えているので、コネクタ5がコネクタ部4に嵌合する位置に当該コネクタ5を確実に案内することができる。
【0051】
移動支持部11が、ガイド支持フレーム10のフレーム本体30の厚みよりも長く当該ガイド支持フレーム10に設けられた貫通孔34の幅H2よりも幅H1が狭く形成されて、当該貫通孔34内に通されるコネクタ5から立設した立設部35を備えているので、移動支持部11がコネクタ5を嵌合方向Kに対して交差するニ方向N,Zと、当該嵌合方向Kを中心とした回転方向Tに移動自在に支持することができる。このため、コネクタ5をコネクタ部4即ちソレノイド3の位置に応じて、コネクタ部4に嵌合できる位置に位置付けることができる。よって、ガイド支持フレーム10をコネクタ5のコネクタ部4への嵌合方向Kに移動させるだけで、複数のコネクタ5を一度にコネクタ部4に嵌合させることができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態にかかるコネクタモジュール1を、図18乃至図21を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。また、図18乃至図21では、ソレノイド3、コネクタ5及びコネクタ部4を各1つのみ図示し、他を省略している。
【0053】
本実施形態では、コネクタモジュール1は、図18乃至図21に示すように、ガイドフレーム9に回転中心ピン38を設け、ガイド支持フレーム10にカムピン39を設け、カムレバー40を更に備えている。回転中心ピン38は、ガイドフレーム9の長手方向の両端から当該ガイドフレーム9の長手方向即ち前述したコネクタ5同士が並ぶ方向Nに沿って外方向に突出している。回転中心ピン38は、円柱状に形成され、その軸芯が前述したコネクタ5同士が並ぶ方向Nと平行である。
【0054】
カムピン39は、ガイド支持フレーム10の長手方向の両端から当該ガイド支持フレーム10の長手方向即ち前述したコネクタ5同士が並ぶ方向Nに沿って外方向に突出している。カムピン39は、円柱状に形成され、その軸芯が前述したコネクタ5同士が並ぶ方向Nと平行である。
【0055】
カムレバー40は、一対のカム部材41と、一つの連結部42とを一体に備えている。カム部材41は、厚手の平板状に形成されかつガイドフレーム9の長手方向の両端部に重ねられて、互いに間隔をあけて平行に配置されている。カム部材41は、その一端部に回転中心ピン38を通す丸孔43を設け、他端部にカムピン39を通すカム44を設けている。丸孔43は、内側に回転中心ピン38を通して、当該回転中心ピン38を中心として、カム部材41即ちカムレバー40を回転自在にガイドフレーム9に取り付けている。カム44は、弧状に形成されており、他端部から一端部に向うにしたがって徐々に丸孔43に近づく方向に湾曲している。連結部42は、一対のカム部材41の他端部同士を連結した帯板状に形成されている。
【0056】
本実施形態のコネクタモジュール1は、ガイド支持フレーム10がコネクタ部4から最も離れた状態即ちコネクタ5がコネクタ部4に嵌合する前には、図18及び図19に示すように、カムレバー40がカム44の丸孔43寄りの端部にカムピン39を位置付けている。そして、カムレバー40がガイドフレーム9から立設した格好となっている。そして、コネクタモジュール1は、位置決め部7にガイドフレーム9が位置決めされて、コネクタ5をコネクタ部4に嵌合させる際に、カムレバー40のカム部材41の他端部即ち連結部42がソレノイド3に近づくように、回転中心ピン38を中心としてカムレバー40が回転される。
【0057】
すると、カム44が前述したように湾曲しているので、カムレバー40が回転するのにしたがって、カムピン39がカム44の丸孔43から離れた側の端部に向って移動する。すると、コネクタ5がコネクタ部4に徐々に近づいて、当該コネクタ部4に嵌合する。コネクタ5がコネクタ部4に完全に嵌合すると、図20及び図21に示すように、カムレバー40の連結部42がガイドフレーム9上に重なり、カム44の丸孔43から離れた側の端部にカムピン39を位置付ける。
【0058】
本実施形態の場合においても、前述した実施形態と同様に、一度に、複数のコネクタ5をコネクタ部4に嵌合できるので、コネクタ部4にコネクタ5を容易に嵌合させることができる。また、本実施形態では、カムレバー40を回転させるだけで、複数のコネクタ5を一度にコネクタ部4に嵌合できるので、コネクタ部4にコネクタ5をより容易に嵌合させることができる。
【0059】
次に、本発明の第3の実施形態にかかるコネクタモジュール1を、図22乃至図36を参照して説明する。なお、前述した第1及び第2の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
本実施形態では、移動支持部11が、図22及び図23に示すように、コネクタ5に連なった被支持部60から凸の移動凸部50と、ガイド支持フレーム10に設けられた切欠き部51と、このガイド支持フレーム10に設けられたスリット52と、ガイド支持フレーム10に設けられた係合片53と、を備えている。
【0061】
被支持部60は、図26乃至図28に示すように、コネクタ5のコネクタ部4から離れた側の端部に連なっている。被支持部60は、嵌合方向Kに沿って、ソレノイド3と間隔をあけて相対する。被支持部60は、断面台形状の本体部54と、この本体部54のコネクタ部4から離れた側の端に連なった円盤部55とを一体に備えている。
【0062】
移動凸部50は、円盤部55の表面から凸の円形に形成されている。移動凸部50は、円盤部55からソレノイド3から離れる方向に凸に形成されている。
【0063】
切欠き部51は、嵌合方向Kに沿って、ガイドフレーム9のフレーム本体30の一部が切り欠かれて形成されている。互いに隣り合う移動支持部11の切欠き部51は、ガイド支持フレーム10のフレーム本体30の長手方向即ちコネクタ5同士が並ぶ方向Nに沿って互いに間隔をあけて配置されている。互いに隣り合う切欠き部51の中心間の間隔は、互いに隣り合うソレノイド3の中心間の間隔と略等しく形成されている。切欠き部51は、その内側に被支持部60の本体部54を通している。切欠き部51は、図36に示すように、その内縁の形状が本体部54の外縁の形状と略等しく形成されている。
【0064】
スリット52は、ガイド支持フレーム10のフレーム本体30の長手方向に沿って互いに間隔をあけて複数設けられかつガイド支持フレーム10のフレーム本体30の幅方向の中央に設けられている。スリット52は、の内側に被支持部60の円盤部55を位置付ける。
【0065】
係合片53は、切欠き部51内に設けられかつガイドフレーム9のフレーム本体30と一体に形成されている。係合片53は、図35に示すように、切欠き部51の底面から立設しており、両端が切欠き部51の内面に連なったコ字状に形成されている。係合片53は、図35に示すように、その内側に移動凸部50を位置付けて(遊挿して)、当該移動凸部50に係合する。
【0066】
移動支持部11は、係合片53に移動凸部50が係合した状態で、図35に示すように、移動凸部50が最も切欠き部51の底面から離されて係合片53の内面に接触すると、図36に示すように、被支持部60の外面が切欠き部51の内面と間隔をあける。このために、移動支持部11は、スリット52内に円盤部55を挿入しかつ切欠き部51内に被支持部60を位置付けて移動凸部50を係合片53内に遊挿することで、ガイド支持フレーム10に被支持部60即ちコネクタ5を前述した二方向N,Zと回転方向Tに移動自在に支持している。
【0067】
また、本実施形態の案内部8は、ガイドリブ56と、ガイド凹部57とを備えている。ガイドリブ15は、図24及び図25に示すように、ソレノイド3の端面から被支持部60に向かって直線状に延在しており、当該ソレノイド3の端面の中央に設けられている。ガイド凹部57は、図26乃至図28に示すように、被支持部60のソレノイド3と相対する端面から凹に形成されており、互いに連通した縮小部58と一定部59とを備えている。縮小部58は、被支持部60の前述した端面から凹に形成されており、この端面から離れる即ちソレノイド3から離れるのにしたがって徐々に断面形状が縮小するように形成されている。一定部59は、その断面形状がガイドリブ15の断面形状と略等しく形成されている。
【0068】
前述した構成の案内部8は、コネクタ5がコネクタ部4に近づく際に、ガイド凹部57内にガイドリブ15が侵入して、ガイドリブ15がガイド凹部57の縮小部58の内面上を摺動することにより、コネクタ5がコネクタ部4に近づくのにしたがってコネクタ5がコネクタ部4に嵌合できる位置に当該コネクタ5を案内する。
【0069】
前述した構成によれば、本実施形態のコネクタモジュール1は、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4から最も離れた位置に位置付けて、ガイドフレーム9が位置決め部7により位置決めされて、ボディパネル2に位置決めされる。すると、図32に示すように、ガイドリブ15がガイド凹部57と嵌合方向Kに沿って間隔をあけて相対するとともに、各コネクタ5がコネクタ部4と嵌合方向Kに沿って間隔をあけて相対する。
【0070】
そして、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4に向かって移動させると、図29乃至図31に示すように、各コネクタ5に設けられた被支持部60に開口したガイド凹部57の縮小部58内にガイドリブ15が侵入する。さらに、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4に向かって移動させると、各ソレノイド3に設けられたガイドリブ15の先端がガイド凹部57の縮小部58の内面を摺動した後、図33に示すように、一定部59内に侵入する。そして、さらに、ガイド支持フレーム10をコネクタ部4に向かって移動させると、コネクタ5がコネクタ部4内に侵入する。そして、各ソレノイド3に設けられたガイドリブ15が、図34に示すように、ガイド凹部57の一定部59の奥に侵入し、コネクタ5がコネクタ部4に嵌合する。その後、ガイド支持フレーム10の固定片31のボルト通し孔33内にボルト32を通して、当該ボルト32によりガイド支持フレーム10を車体に固定する。こうして、複数のコネクタ5が、一度に、対応するコネクタ部4に嵌合し、コネクタモジュール1がボディパネル2に取り付けられる。
【0071】
本実施形態によれば、前述した実施形態と同様に、一度に、複数のコネクタ5をコネクタ部4に嵌合できるので、コネクタ部4にコネクタ5を容易に嵌合させることができる。また、本実施形態によれば、案内部8がガイドリブ15とガイド凹部57とを備えているので、コネクタ5がコネクタ部4に嵌合する位置に当該コネクタ5を確実に案内することができる。また、ガイドリブ15がソレノイド3のコネクタ5に相対する端面の中央に設けられている。このために、ソレノイド3が嵌合方向Kを中心とした回転方向Tに位置ずれしていても、コネクタ5をコネクタ部4に近づけることにより、案内部8が、これらが互いに嵌合する位置にコネクタ5を案内することができる。
【0072】
さらに、本実施形態によれば、移動支持部11がコネクタ5に連なった被支持部60から凸の移動凸部50とこの移動凸部50を遊挿する係合片53とを備えているので、移動凸部50と係合片53とのがたにより被支持部60即ちコネクタ5を嵌合方向Kに対して交差(直交)するニ方向N,Zと嵌合方向Kを中心とした回転方向Tに移動自在とすることができる。このため、コネクタ5をコネクタ部4即ちソレノイド3の位置に応じて、コネクタ部4に嵌合できる位置に位置付けることができる。よって、ガイド支持フレーム10を、コネクタ5のコネクタ部4への嵌合方向Kに移動させるだけで、複数のコネクタ5を一度にコネクタ部4に嵌合させることができる。
【0073】
前述した実施形態では、電子機器としてのソレノイド3を示しているが、本発明では、ソレノイド3に限定されることなく種々の電子機器に設けられたコネクタ部4にコネクタ5を嵌合させてもよい。また、前述した実施形態では、車体としてのボディパネル2にガイドフレーム9を直接取り付ける構成としたが、本発明では、車体とはボディパネルなどの車体パネル以外にも当該車体パネルに取り付けられるトランスミッションなどの各種の補機なども含むものとする即ち、本発明では、ガイドフレーム9を、車体パネルに取り付けられるトランスミッションなどの各種の補機などに取り付けるようにしてもよい。
【0074】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 コネクタモジュール
2 ボディパネル(車体)
3 ソレノイド(電子機器)
4 コネクタ部
5 コネクタ
7 位置決め部
8 案内部
9 ガイドフレーム
10 ガイド支持フレーム
11 移動支持部
15 ガイドリブ
21 ガイド溝
29 位置決め溝(位置ずれ規制部)
34 貫通孔
35 立設部
36 ストッパ部
50 移動凸部
53 係合片
56 ガイドリブ
57 ガイド凹部
60 被支持部
K 嵌合方向
T 回転方向
N 並ぶ方向
Z 厚み方向
H1 立設部の幅
H2 貫通孔の幅
H3 貫通孔の幅
H4 ストッパ部の長さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔をあけて車体に配置される複数の電子機器に設けられたコネクタ部と、
各々が前記コネクタ部に嵌合するとともに互いに間隔をあけて複数並べられたコネクタと、
前記車体に重ねられるガイドフレームと、
前記ガイドフレームに前記コネクタと前記コネクタ部との嵌合方向に沿って移動自在に設けられたガイド支持フレームと、
前記ガイド支持フレームに前記コネクタを前記嵌合方向に対して交差する二方向と前記嵌合方向を中心とした回転方向に移動自在に支持する移動支持部と、
を備えたことを特徴とするコネクタモジュール。
【請求項2】
前記ガイドフレームは、前記コネクタが前記コネクタ部から最も離れた位置で、コネクタが当該コネクタ同士に並ぶ方向に位置ずれすることを規制する位置ずれ規制部を備えたことを特徴とする請求項1記載のコネクタモジュール。
【請求項3】
前記ガイドフレームを前記車体に位置決めする位置決め部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタモジュール。
【請求項4】
前記コネクタが前記コネクタ部に近づくのにしたがって、これらが互いに嵌合する位置に前記コネクタを案内する案内部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のコネクタモジュール。
【請求項5】
前記案内部が、
前記コネクタから立設しかつ前記嵌合方向に沿って直線状に延在したガイドリブと、
前記コネクタ部よりも前記コネクタ寄りに設けられかつ前記ガイドリブが侵入するとともに前記コネクタ部に近づくのにしたがって幅が狭く形成されたガイド溝と、を備えたことを特徴とする請求項4記載のコネクタモジュール。
【請求項6】
前記案内部が、
前記コネクタに連なりかつ前記電子機器と前記嵌合方向に間隔をあけて相対した被支持部に向って前記電子機器から直線状に延在したガイドリブと、
前記被支持部に設けられかつ前記ガイドリブが侵入するとともに前記ソレノイドから離れるのにしたがって徐々に断面形状が縮小するように形成されたガイド凹部と、を備えたことを特徴とする請求項4記載のコネクタモジュール。
【請求項7】
前記移動支持部は、
前記ガイド支持フレームに設けられた貫通孔と、
前記コネクタから立設しかつ前記ガイドフレームに設けられた貫通孔内に通されるととともに、幅が前記貫通孔の幅よりも狭く長さが前記ガイドフレームの厚みよりも長い立設部と、
前記立設部の先端に連なり前記嵌合方向の長さが前記貫通孔の前記嵌合方向の幅よりも長いストッパ部と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載のコネクタモジュール。
【請求項8】
前記移動支持部は、
前記コネクタに連なりかつ電子機器と前記嵌合方向に間隔をあけて相対した被支持部から前記電子機器から離れる方向に凸の移動凸部と、
前記移動凸部を内側に遊挿して当該移動凸部に係合する係合片と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載のコネクタモジュール。
【請求項1】
互いに間隔をあけて車体に配置される複数の電子機器に設けられたコネクタ部と、
各々が前記コネクタ部に嵌合するとともに互いに間隔をあけて複数並べられたコネクタと、
前記車体に重ねられるガイドフレームと、
前記ガイドフレームに前記コネクタと前記コネクタ部との嵌合方向に沿って移動自在に設けられたガイド支持フレームと、
前記ガイド支持フレームに前記コネクタを前記嵌合方向に対して交差する二方向と前記嵌合方向を中心とした回転方向に移動自在に支持する移動支持部と、
を備えたことを特徴とするコネクタモジュール。
【請求項2】
前記ガイドフレームは、前記コネクタが前記コネクタ部から最も離れた位置で、コネクタが当該コネクタ同士に並ぶ方向に位置ずれすることを規制する位置ずれ規制部を備えたことを特徴とする請求項1記載のコネクタモジュール。
【請求項3】
前記ガイドフレームを前記車体に位置決めする位置決め部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタモジュール。
【請求項4】
前記コネクタが前記コネクタ部に近づくのにしたがって、これらが互いに嵌合する位置に前記コネクタを案内する案内部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のコネクタモジュール。
【請求項5】
前記案内部が、
前記コネクタから立設しかつ前記嵌合方向に沿って直線状に延在したガイドリブと、
前記コネクタ部よりも前記コネクタ寄りに設けられかつ前記ガイドリブが侵入するとともに前記コネクタ部に近づくのにしたがって幅が狭く形成されたガイド溝と、を備えたことを特徴とする請求項4記載のコネクタモジュール。
【請求項6】
前記案内部が、
前記コネクタに連なりかつ前記電子機器と前記嵌合方向に間隔をあけて相対した被支持部に向って前記電子機器から直線状に延在したガイドリブと、
前記被支持部に設けられかつ前記ガイドリブが侵入するとともに前記ソレノイドから離れるのにしたがって徐々に断面形状が縮小するように形成されたガイド凹部と、を備えたことを特徴とする請求項4記載のコネクタモジュール。
【請求項7】
前記移動支持部は、
前記ガイド支持フレームに設けられた貫通孔と、
前記コネクタから立設しかつ前記ガイドフレームに設けられた貫通孔内に通されるととともに、幅が前記貫通孔の幅よりも狭く長さが前記ガイドフレームの厚みよりも長い立設部と、
前記立設部の先端に連なり前記嵌合方向の長さが前記貫通孔の前記嵌合方向の幅よりも長いストッパ部と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載のコネクタモジュール。
【請求項8】
前記移動支持部は、
前記コネクタに連なりかつ電子機器と前記嵌合方向に間隔をあけて相対した被支持部から前記電子機器から離れる方向に凸の移動凸部と、
前記移動凸部を内側に遊挿して当該移動凸部に係合する係合片と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載のコネクタモジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公開番号】特開2010−267488(P2010−267488A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117821(P2009−117821)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]