説明

コネクタ位置保証装置

【課題】コネクタ組立体が提供され、このコネクタ組立体は、第1のコネクタ、第2のコネクタおよびCPA装置を有する。
【解決手段】第1のコネクタは、ストッパ要素、第1の端部、および、第1の端部の概して反対側にある第2の端部を有する。ストッパ要素は、その中に設けられる凹部、および、ストッパ表面を有する。第2のコネクタは第1のコネクタによって受けられる。第2のコネクタは、第1のコネクタの第1の端部の上を第1の方向に摺動するシュラウドを有する。CPA装置は、第1の方向に対して概して垂直である第2の方向で第1のコネクタの第2の端部に摺動可能に係合される。CPA装置は選択的に変形可能な可撓性アームを有する。プレステージ位置では、可撓性アームは、ストッパ表面に当接し、CPA装置が第2の方向に相対的に移動するのを制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明はコネクタ組立体に関し、より詳細には、コネクタ位置保証(connector position assurance/CPA)装置および噛み合いコネクタを有するコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]電気コネクタ組立体は、一般に、噛み合う雄コネクタおよび雌コネクタを有する。起こり得る1つの問題は、雄コネクタおよび雌コネクタが誤って互いに分離し切断される場合があることである。したがって、雄コネクタおよび雌コネクタが互いに切断されるのを防止しようとして、CPA装置に電気コネクタ組立体が設けられる。
【0003】
[0003]1つの例では、雌コネクタは、接続されているときに雄コネクタおよび雌コネクタを定位置にロックするのに使用される可撓性アームを有する。CPA装置は雌コネクタの本体内に設けられ、可撓性アームを定位置でロックし、また、プレステージ位置(pre−stage position)およびフルステージ位置(full−stage position)にある雌コネクタ内では移動可能である。CPA装置は、プレステージ位置にあるとき、雌コネクタの可撓性アームが相対的に移動するのを可能にする。CPAは、フルステージ位置にあるとき、雄コネクタと雌コネクタとの切断を減少または防止するように可撓性アームを定位置でロックする。CPA装置は、雄コネクタと雌コネクタとが接続されるまで、CPA装置がフルステージ位置に係合されるのを防止するために一般に使用される噛み合い検知要素を備える。
【0004】
[0004]電気コネクタの組み立ての際、最初の作業で雄コネクタが雌コネクタに接続される。最初の作業後は、CPA装置はプレステージ位置に留まるべきである。さらに次の作業で、CPA装置がフルステージ位置でロックされる。雄コネクタと雌コネクタが接続されていることを作業者が確認することができるので、次の作業でCPA装置がフルステージ位置でロックされることは有利である。
【0005】
[0005]現在のCPA装置の1つの欠点は、雄コネクタと雌コネクタとが互いに接続されるときに、最初の作業でCPA装置がフルステージ位置でロックされやすいことである。これは、最初の作業において雌コネクタに加えられる力が、CPA装置をフルステージ位置でロックするためにCPA装置に加えられる力と同じ方向であるからである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]本発明は、雄コネクタと雌コネクタとが互いに接続されるときに誤ってフルステージ位置でロックされにくいCPA装置を提供する。第1のコネクタ、第2のコネクタおよびCPA装置を有するコネクタ組立体が提供される。第1のコネクタは、ストッパ要素と、第1の端部と、第1の端部の概して反対側にある第2の端部とを有する。ストッパ要素には凹部が設けられ、ストッパ要素はストッパ表面を有する。第2のコネクタは第1のコネクタによって受けられ、また、第1のコネクタの第1の端部の上を第1の方向に摺動するシュラウドを有する。コネクタ位置保証(CPA)装置は、第1の方向に対して概して垂直である第2の方向で第1のコネクタの第2の端部に摺動可能に係合される。CPA装置は、選択的に変形可能である可撓性アームを有する。可撓性アームは、ストッパ表面に当接し、プレステージ位置においてCPA装置が第2の方向に相対的に移動するのを制限する。可撓性アームは、中間位置ではストッパ要素の凹部内に位置する。シュラウドは、可撓性アームをプレステージ位置から中間位置に付勢するように、第1の方向で可撓性アームに選択的に接触するように位置決めされる。
【0007】
[0007]CPA装置を使用して第1のコネクタを第2のコネクタに接続する方法が提供される。この方法は、第1のコネクタと、第2のコネクタと、CPA装置とを用意することを含む。第1のコネクタは、第1の端部と、第1の端部の概して反対側にある第2の端部と、ストッパ要素とを有する。第2のコネクタは、第1の方向で第2の端部に向かうように、第1のコネクタ上で摺動可能に係合されるシュラウドを有する。最初に、CPA装置が第2の方向で第1のコネクタの第2の端部に摺動可能に係合され、第2の方向でCPA装置が相対的に移動することが制限される。CPA装置をプレステージ位置に配置するために、CPA装置の可撓性アームがストッパ要素のストッパ表面に当接し、第2の方向での相対的な移動を制限する。次いで、第2のコネクタが第1のコネクタ上で第1の方向に摺動する。第2のコネクタが第1の方向に摺動されるとき、可撓性アームに接触する。このとき、可撓性アームがプレステージ位置から外れて中間位置に付勢される。中間位置では、可撓性アームはストッパ要素内に配置される凹部内に位置する。
【0008】
[0008]図面と併せた以下の説明より、これらのおよび他の利点および特徴がより明確となる。
[0009]本発明とみなされる主題が詳細に示され、本明細書の最後の特許請求の範囲で明確に請求される。添付図面と併せた以下の詳細な説明により、本発明の上述の、および他の特徴ならびに利点が明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】[0010]本発明の一態様によるコネクタ組立体を示す斜視図である。
【図2】[0011]プレステージ位置にある第1のコネクタを示す斜視図である。
【図3A】[0012]図1に示されるコネクタ組立体の一態様を示す斜視図である。
【図3B】[0013]図1に示されるコネクタ組立体の別の態様を示す斜視図である。
【図4】[0014]図1のコネクタ組立体の別の態様を示す斜視図である。
【図5A】[0015]プレステージ位置にあるコネクタ組立体を示す別の斜視図である。
【図5B】[0016]プレステージ位置にあるコネクタ組立体を示す別の斜視図である。
【図5C】[0017]プレステージ位置にあるコネクタ組立体を示す底面図である。
【図6A】[0018]コネクタ組立体を示す拡大上面図である。
【図6B】[0019]プレステージ位置にあるコネクタ組立体を示す拡大図である。
【図7A】[0020]中間位置にあるコネクタ組立体を示す底面図である。
【図7B】[0021]フルステージ位置にあるコネクタ組立体を示す底面図である。
【図8】[0022]プレステージ位置にあるコネクタ組立体を示す正面図である。
【図9】[0023]プレステージ位置にあるコネクタ組立体を示す上面図である。
【図10】[0024]コネクタ組立体の断面を示す斜視図である。
【図11】[0025]本発明の一態様によるコネクタ組立体を組み立てるための工程流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0026]次に、本発明を限定しない特定の実施形態を参照して本発明を説明する図を参照すると、図1が、本発明によるコネクタ組立体10を示している。示される例示の実施形態では、コネクタ組立体10は、電気導体、光ファイバ導体(fiber optic conductor)、または、別の種類の導体を支持するための電気コネクタ組立体である。本開示を通して同様の要素は同様の符号で説明されることを理解されたい。同様の要素の代替の実施形態が示される場合、代替の実施形態の要素を区別するために、前置の(prefix)数字が追加されてよい。
【0011】
[0027]コネクタ組立体10は、第1のコネクタ20と、第2のコネクタ22と、コネクタ位置保証(CPA)装置24とを有する。図1に示されるように、第1のコネクタ20は雌コネクタであり、第2のコネクタ22は雄コネクタである。第2のコネクタ22は第1のコネクタ20によって受け入れられる。第2のコネクタ22は、第1のコネクタ20の外側表面30上を摺動するカバーまたはシュラウド28を有する。具体的には、シュラウド28は、第1のコネクタ20上を第1の方向D1に摺動する。次に図2を参照すると、第1のコネクタ20およびCPA装置24の図が示されている。第1のコネクタ20は第1の端部32および第2の端部34を有する。CPA装置は第2の方向D2において第1のコネクタ20の第2の端部34に摺動可能に係合される。図1〜2の両方を参照すると、第1の方向D1は第2の方向D2に対して概して垂直である。シュラウド28は、第1のコネクタ20上を、第1のコネクタ20の第2の端部34に向かって摺動される。
【0012】
[0028]図3A〜3BはCPA装置24の後面40を示す。CPA装置24の後面40は、可撓性アーム42、レール44およびリップ部46を有する。図3Aを参照すると、CPA装置24が、可撓性アーム42が変形可能となりそれにより枢動点を中心に方向D1’およびD2’に前後に曲げられるのを可能にする材料から構成されている。非限定の一実施形態では、CPA装置24は例えばナイロンなどの重合体から構成される。可撓性アーム42は、可撓性アーム42の外側表面49に沿って位置する噛み合い検知要素48を有する。図3A〜3Bに示される実施形態では、噛み合い検知要素48は、外側表面49から突出する隆起表面すなわち突起部である。レール44およびリップ部46は、第2の方向D2においてCPA装置24を第1のコネクタ20に摺動可能に係合させるのに使用される構造部材である。示される非限定の実施形態では、レール44は細長い隆起部分50および細長い空洞52を有する。細長い空洞52は隆起部分50によって画定される。図3Bは外側表面54を有するリップ部46を示している。
【0013】
[0029]図3Aを詳細に参照すると、CPA装置24の頂面56が、一対の隆起した突出部58、さらには、CPA装置24の側方縁部62に沿って位置する突起部60を有する。隆起した突出部58は各々が頂面66を有する。突起部60は面取りされた縁部64を有する。
【0014】
[0030]図4は第1のコネクタ20の前面70の図であり、前面70はCPA装置24の後面40に摺動可能に係合される。図3A〜図4を参照すると、第1のコネクタ20の前面がガイド部74およびスロット76を有している。CPA装置24のレール44はガイド部74を受け入れるように構成され、スロット76は、CPA装置24が第1のコネクタ20と共に作動されるときにCPA装置24のリップ部46を受け入れるように構成される。具体的には、レール44の空洞52(図3A)は第1のコネクタ20のガイド部74を受け入れる。第1のコネクタ20のスロット76は、細長い隆起部分78、および、隆起部分78によって形成される細長い空洞80を有する。スロット76の空洞80は第1のコネクタ20のリップ部46を受け入れる。ガイド部74とレール44との係合およびスロット76とリップ部46との係合により、コネクタ組立体10に強度および安定性がもたらされる。図4を参照すると、第1のコネクタ20の前面70がストッパ要素84をさらに有している。ストッパ要素84は、CPA装置24が第1のコネクタ20に組み付けられる際に選択的に可撓性アーム42に係合されるように構成される。
【0015】
[0031]図5A〜5Cは、第1のコネクタ20に摺動可能に係合されているCPA装置24を示している。図5Aは、第1のコネクタ20の後面82に沿った斜視図である。図5Bは、CPA装置24の前面85に沿った斜視図である。図5Cは、第1のコネクタ20の底面86およびCPA装置24の底面88の図である。図5A〜5Cに示される非限定の実施形態では、CPA装置24はプレステージ位置に位置している。プレステージ位置では、第1のコネクタ20および第2のコネクタ24は互いに噛み合わされて接続され得る。
【0016】
[0032]図5Aを参照すると、プレステージ位置においてストッパ要素84が可撓性アーム42に係合されており、それにより、第2の方向D2においてCPA装置24が相対的に移動することが制限される。具体的には、図5Cを参照すると、ストッパ要素84はストッパ表面90および凹部92を有している。可撓性アーム42の外側表面49がストッパ表面90に当接し、それにより第2の方向D2においてCPA装置24が移動することが制限される。図5Cに示される非限定の実施形態では、ストッパ表面90は、可撓性アーム42の外側表面49の一部分94に概して平行である。ストッパ表面90は、CPA装置24をプレステージ位置で保持するために可撓性アーム42の外側表面49に当接する。可撓性アーム42の噛み合い検知要素48は、第1のコネクタ20を第2のコネクタ22に組み付ける際にシュラウド28に接触するように構成された隆起した突起部である。
【0017】
[0033]図5Bを参照すると、CPA装置24の隆起した突出部58の1つが第1のコネクタ20の壁102の内側表面100に係合されている。さらに、隆起した突出部58と第1のコネクタ20の内側表面100との係合により、CPA装置24がプレステージ位置で固定される。次に図6A〜6Bを参照すると、隆起した突出部58の1つと第1のコネクタ20との間の係合部の拡大図が示されている。図6Aは、CPA装置24が第2の方向D2に摺動されてプレステージ位置に入る前の、CPA装置24および第1のコネクタ20の図である。図6Bは、プレステージ位置にあるCPA装置24および第1のコネクタ20の図である。
【0018】
[0034]図6Aを参照すると、隆起した突出部58の少なくとも1つがタブ110を有している。タブ110は、面取りされた縁部112および係合表面114を有する。CPA装置24が第2の方向D2に摺動されるとき、タブ110が弾性的にわずかに変形し、第1のコネクタ20の壁102上に押される。面取りされた縁部112により、タブ110が壁102上で変形することが促進される。図6Bは、第1のコネクタ20の壁102の内側表面110に係合されたタブ110の係合表面114を示している。タブ110と壁102の内部表面100とが係合されることにより、CPA装置24がプレステージ位置に位置決めされる。
【0019】
[0035]図7A〜7Bは、第1のコネクタ20と第2のコネクタ22とを接続させるために第1のコネクタ20上を第1の方向D1に摺動される第2のコネクタ22を示している。図7Aはコネクタ組立体10の図であり、第2のコネクタ22が第1の方向D1に作動されることにより、CPA装置24がプレステージ位置から外れるように押圧されて中間位置に入る。図7Bはコネクタ組立体10の図であり、CPA装置24はフルステージ位置でロックされている。
【0020】
[0036]図7Aは、第2のコネクタ22が第1のコネクタ20上で第1の方向D1に摺動されているときのコネクタ組立体を示している。図7Aに示される中間位置では、第2のコネクタ22のシュラウド28が、CPA装置24の可撓性アーム42上に位置する噛み合い検知要素48に接触する。シュラウド28は、第1の方向D1において可撓性アーム42に選択的に接触するように位置決めされており、それにより、可撓性アーム42をプレステージ位置(図5Cに示される)から押し出し、図7Aに示される中間位置に入れる。具体的には、シュラウド28は、可撓性アーム42上に第1の方向D1の力を加え、それにより可撓性アーム42の外側表面49がストッパ要素84のストッパ表面90から外れて摺動する。この時点で、可撓性アーム42は中間位置にあり、ここでは可撓性アーム42がストッパ要素84の凹部92内に位置する。示される非限定の実施形態では、可撓性アーム42の外側表面92は傾斜表面120を有する。傾斜表面120は可撓性アーム42がストッパ表面90から外れて摺動することを促進する。中間位置では、CPA装置24が第2の方向D2に移動することがもはや制限されない。
【0021】
[0037]CPA装置24が、さらに、図7Aに示される中間位置から移動されることにより第2の方向D2に作動され、図7Bに示されるフルステージ位置に入る。フルステージ位置では、第1のコネクタ20および第2のコネクタ22が一体に接続される。図7Bを参照すると、可撓性アーム42がストッパ要素84の凹部92内にさらに押圧されてフルステージ位置に入る。
【0022】
[0038]CPA装置24は、一部の別の種類のコネクタ組立体と比較して、プレステージ位置からフルステージ位置に誤って摺動されるおそれが少なく、第2の方向D2に作動される。すなわち、一部の別の種類のコネクタ組立体は、コネクタを一体に噛み合わせるのに必要な作動方向と同じ方向でCPA装置をフルステージ位置に作動させる。これにより、CPA装置が早期に誤ってフルステージ位置でロックされる場合がある。対照的に、CPA装置24は、第1および第2のコネクタ20、22を一体に接続する第1の方向D1に対して概して垂直である第2の方向D2に作動される。結果として、CPA装置24がフルステージ位置に誤って摺動されるおそれが低減または排除される。
【0023】
[0039]図8は、フルステージ位置にあるコネクタ組立体10の正面図である。CPA装置24は、突起部60の面取りされた縁部64がフルステージ位置においてシュラウド28の内部表面128に当接するまで、プレステージ位置からフルステージ位置へ摺動される。面取りされた縁部64とシュラウド28の内部表面128とが接触することにより、CPA装置24がフルステージ位置に位置決めされる。
【0024】
[0040]図9は、フルステージ位置にあるコネクタ組立体10の上面図である。CPA装置24および第1のコネクタ20は共に、組み立ての際にCPA装置24がフルステージ位置にあるかどうかを作業者に示すための視覚フィードバック表示部を有する。示される非限定の実施形態では、CPA装置24は、CPA装置24内に形成される切欠部である第1のCPA表示部150、さらには、半円形の窪みである第2のCPA表示部154を有する。第1のコネクタ20は、第1のコネクタ20内に形成される切欠部である第1のコネクタ表示部160、さらには、半円形の窪みである第2のコネクタ表示部164を有する。CPA装置24が方向D2に摺動されてフルステージ位置に入るとき、第1のCPA表示部150が軸方向で第1のコネクタ表示部160に対して整合させられる。第2のCPA表示部154が第2のコネクタ表示部164に整合させられ、それによりCPA装置24と第1のコネクタ20との間に円形の窪みが形成される。
【0025】
[0041]CPA装置24は、フルステージ位置にあるコネクタ20、22が分離されるのを減少させるか防止する。図10は、フルステージ位置にあるコネクタ組立体10の断面図である。CPA装置24の隆起した突出部58の頂面66が第1のコネクタ20上に位置するコネクタロック表面166に接触する。CPA装置24の頂面66とコネクタロック表面166とが接触することにより、概して、第1のコネクタ20上に位置する第1のコネクタロック168が第2のコネクタ22上に位置するオーバーロック(over−lock)要素170を解放することが防止される。具体的には、第1のコネクタ20を第2のコネクタ22上のオーバーロック要素170から解放するために、第1のコネクタロック168に下方向の力Fが加えられる。CPA装置24の頂面66が第1のコネクタロック168を定位置で保持することから、下方向の力Fが加えられても、第1のコネクタロック168がオーバーロック要素から解放されることがない。
【0026】
[0042]次に、コネクタ組立体10を組み立てる方法を説明する。図11を参照すると、コネクタ組立体10を組み立てる例示の工程を示す例示の工程流れ図の全体が符号200で示されている。工程200はステップ202で始まり、第1のコネクタ20、第2のコネクタ22およびCPA装置24が用意される。概して図1〜2を参照すると、第2のコネクタ22が、第1のコネクタ20上を第1の方向D1に摺動するシュラウド28を有する。第1のコネクタ20は第1の端部32および第2の端部34を有し、CPA装置が第2の方向D2において第1のコネクタ20の第2の端部34に摺動可能に係合される。方法200は次にステップ204に進むことができる。
【0027】
[0043]ステップ204では、CPA装置24は第2の方向D2において第1のコネクタ20の第1の端部34に摺動可能に係合される。図3A〜3Bは、第1のコネクタ20に係合されたCPA装置24の後面40を示している。CPA装置24の後面40はレール44およびリップ部46を有する。レール44およびリップ部46は、第2の方向D2においてCPA24を第1のコネクタ20に摺動可能に係合するのに使用される構造部材である。図4は第1のコネクタ20の前面70を示しており、前面70がCPA装置24の後面40に摺動可能に係合されている。第1のコネクタ20の前面はガイド部74およびスロット76を有する。CPA装置24のレール44はガイド部74を受け入れるように構成され、スロット76はCPA装置のリップ部46を受け入れるように構成される。方法200は次にステップ206に進むことができる。
【0028】
[0044]ステップ206では、第2の方向D2においてCPA装置24が第1のコネクタ20に対して相対的に移動することが制限される。具体的には、図5Cを参照すると、CPA装置24の可撓性アーム42が第1のコネクタ20のストッパ要素84のストッパ表面90に当接する。ストッパ表面90が、可撓性アーム42の外側表面49に当接し、CPA装置24をプレステージ位置で保持する。CPA装置24がプレステージ位置にあるとき、第1のコネクタ20および第2のコネクタ24が互いに噛み合わされて接続され得る。方法200は次にステップ208に進むことができる。
【0029】
[0045]ステップ208では、第2のコネクタ22が第1のコネクタ20上を第1の方向に摺動される。図1〜2を参照すると、第1の方向D1は第2の方向D2に対して概して垂直である。方法200は次にステップ210に進むことができる。
【0030】
[0046]ステップ210では、第2のコネクタ22のシュラウド28がCPA装置24の可撓性アーム42に接触する。図7Aを参照すると、第2のコネクタ22が第1の方向D1に作動されるとき、シュラウド28が、CPA装置24の可撓性アーム42上に位置する噛み合い検知要素48に接触する。方法200は次にステップ212に進むことができる。
【0031】
[0047]ステップ212では、可撓性アーム42がプレステージ位置(図5Cに示される)から外れるように押圧されて中間位置(図7Aに示される)に入る。図5Cを参照すると、シュラウド28が可撓性アーム42に第1の方向の力D1を加え、それにより可撓性アーム42の外側表面94がストッパ要素84のストッパ表面90から外れて摺動する。図7Aを参照すると、この時点では可撓性アーム42が中間位置にあり、可撓性アーム42はストッパ要素84の凹部92内に位置する。中間位置では、CPA装置24が第2の方向D2に移動することがもはや制限されない。方法200は次にステップ214に進むことができる。
【0032】
[0048]ステップ214では、次いで、CPA装置24の突起部60の面取りされた縁部64がシュラウド28の内部表面128に当接するまで、CPA装置24が第2の方向D2に摺動される。図8に示されるように、面取りされた縁部64が止め具として機能し、突起部60の面取りされた縁部64がフルステージ位置(図8)においてシュラウド28の内部表面128に当接するまで、CPA装置24がプレステージ位置からフルステージ位置(図8)まで摺動される。方法200は次にステップ216に進むことができる。
【0033】
[0049]ステップ216では、突起部60の面取りされた縁部64がシュラウドの内部表面に当接することにより、CPA装置24がフルステージ位置に位置決めされる。CPA装置24は、フルステージ位置にあるときにコネクタ20、22が切断されるのを減少させるか防止する。方法200はここで終了してよい。
【0034】
[0050]制限された数の実施形態のみに関連させて本発明を詳細に説明してきたが、本発明がそれらの開示された実施形態のみ限定されないことは容易に理解されよう。むしろ、本発明は、本明細書で説明されないが本発明の精神および範囲に対応する任意の数の変形形態、変更形態、代替形態、または、同等の配置構成を組み込むように修正され得る。また、本発明の種々の実施形態を説明してきたが、本発明の態様が説明した実施形態の一部のみを含んでよいことを理解されたい。したがって、本発明は上述の記述によって限定されるものとしてみなされない。
【符号の説明】
【0035】
10 コネクタ組立体
20 第1のコネクタ
22 第2のコネクタ
24 コネクタ位置保証装置
28 シュラウド
30 第1のコネクタの外側表面
32 第1のコネクタの第1の端部
34 第1のコネクタの第2の端部
40 コネクタ位置保証装置の後面
42 可撓性アーム
44 レール
46 リップ部
48 噛み合い検知要素
49 可撓性アームの外側表面
50 レールの隆起部分
52 レールの細長い空洞
54 リップ部の外側表面
56 CPA装置の頂面
58 突出部58
60 突起部
62 CPA装置の側方縁部
64 面取りされた縁部
66 突出部の頂面
70 第1のコネクタの前面
74 ガイド部
76 スロット
78 細長い隆起部
80 空洞
82 第1のコネクタの後面
84 ストッパ要素
85 CPA装置の前面
86 第1のコネクタの底面
88 CPA装置の底面
90 ストッパ表面
92 凹部
94 可撓性アームの外側表面の一部分
100 第1のコネクタの壁の内側表面
102 第1のコネクタの壁
110 タブ
112 タブの面取りされた縁部
114 タブの係合表面
120 傾斜表面
128 シュラウドの内部表面
150 第1のCPA表示部
154 第2のCPA表示部
160 第1のコネクタ表示部
164 第2のコネクタ表示部
166 コネクタロック表面
168 第1のコネクタロック
170 オーバーロック要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストッパ要素、第1の端部、および、前記第1の端部に概ね対向する第2の端部を有する第1のコネクタであって、前記ストッパ要素には凹部が設けられ、前記ストッパ要素がストッパ表面を有する、第1のコネクタと、
前記第1のコネクタの前記第1の端部上を第1の方向に摺動するシュラウドを有する、前記第1のコネクタによって受け入れられる第2のコネクタと、
前記第1の方向に対して概して垂直である第2の方向で前記第1のコネクタの前記第2の端部に摺動可能に係合されるコネクタ位置保証(CPA)装置とを備え、前記CPA装置が選択的に変形可能な可撓性アームを有し、前記可撓性アームが前記ストッパ表面に当接し、プレステージ位置において前記第2の方向で前記CPA装置が相対的に移動することを制限し、前記可撓性アームが中間位置において前記ストッパ要素の前記凹部内に位置し、前記シュラウドが、前記可撓性アームを前記プレステージ位置から前記中間位置まで押圧するように前記第1の方向で前記可撓性アームに選択的に接触するように位置決めされる、コネクタ組立体。
【請求項2】
前記可撓性アームが、前記可撓性アームの外側表面に沿って位置する隆起した表面である噛み合い検知要素を有し、前記噛み合い検知要素が、前記中間位置において前記第2のコネクタの前記シュラウドに接触するように構成される、請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項3】
前記CPA装置が前記CPA装置の縁部に沿って位置する隆起した突起部を有し、前記隆起した突起部が前記シュラウドに当接することにより、フルステージ位置において前記CPA装置が前記第2の方向に移動するのを制限する、請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項4】
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタが前記フルステージ位置において互いに接続される、請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項5】
前記第1のコネクタが第1の視覚フィードバック表示部を有し、前記CPA装置がCPA視覚フィードバック表示部を有し、前記第1の視覚フィードバック表示部が、前記コネクタ組立体が前記フルステージ位置にあることを示すように前記CPA視覚フィードバック表示部に整合する、請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項6】
前記CPA装置がレールを有し、前記第1のコネクタが前記レールに対応するガイド部を有し、前記レールが前記第2の方向で摺動可能に前記ガイド部に係合可能である、請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項7】
前記CPA装置がリップ部を有し、前記第1のコネクタが前記リップ部に対応するスロットを有し、前記リップ部が前記第2の方向に摺動可能に前記スロットに係合可能である、請求項6に記載のコネクタ組立体。
【請求項8】
前記第1のコネクタが内部壁表面を有する壁を有し、前記CPA装置が前記CPAの頂面に沿って位置する隆起した突出部を有し、前記隆起した突出部が、前記CPA装置を前記プレステージ位置に位置決めするように前記第1のコネクタの前記内部壁表面に係合可能である、請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項9】
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタが、前記プレステージ位置において互いに噛み合って接続されるように構成可能である、請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項10】
前記第1のコネクタが雌コネクタであり、前記第2のコネクタが雄コネクタである、請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項11】
CPA装置を使用して第1のコネクタを第2のコネクタに接続する方法であって、
前記第1のコネクタ、前記第2のコネクタおよび前記CPA装置を用意するステップであって、前記第1のコネクタが、ストッパ要素、第1の端部、および、前記第1の端部に概ね対向する第2の端部を有し、前記第2のコネクタが、前記第1のコネクタ上を前記第2の端部に向かって第1の方向に摺動可能に係合されるシュラウドを有する、ステップと、
前記第1の方向に対して概して垂直である第2の方向で前記CPA装置を前記第1のコネクタの前記第2の端部に摺動可能に係合させるステップと、
前記CPA装置が前記第2の方向に相対的に移動するのを制限するステップであって、前記CPA装置の可撓性アームが前記ストッパ要素のストッパ表面に当接して前記CPA装置が前記第2の方向に相対的に移動するのを制限し、前記CPA装置がプレステージ位置にある、ステップと、
前記第2のコネクタを、前記第1のコネクタ上を前記第1の方向に摺動させるステップと、
前記第2のコネクタが前記第1の方向に摺動されるときに前記可撓性アームを前記シュラウドに接触させるステップと、
前記プレステージ位置から外れて中間位置に入るように前記可撓性アームを押圧するステップであって、前記中間位置において、前記ストッパ要素内に位置する凹部内に前記可撓性アームが配置される、ステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記可撓性アームが前記中間位置に押圧された後に前記CPA装置を前記第2の方向に摺動させるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記CPA装置の縁部に沿って配置される隆起した突起部を設けることにより、前記CPA装置が前記第2の方向に移動するのを制限するステップと、前記隆起した突起部を前記シュラウドの内部表面に当接させるステップとを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記隆起した突起部を前記シュラウドの前記内部表面に当接させることにより、前記CPA装置をフルステージ位置に位置決めするステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のコネクタが前記第1の方向に摺動されるときに、前記可撓性アーム上に位置する隆起した表面である噛み合い検知要素に前記シュラウドを接触させるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のコネクタの壁の内部壁表面を前記CPAの頂面に沿って位置する隆起した突出部に係合させることにより、前記CPA装置を前記プレステージ位置に位置決めするステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
ストッパ要素、第1の端部、および、前記第1の端部に概ね対向する第2の端部を有する第1のコネクタであって、前記ストッパ要素には凹部が設けられ、前記ストッパ要素がストッパ表面を有する、第1のコネクタと、
前記第1のコネクタによって受け入れられる第2のコネクタであって、前記第2のコネクタが内部表面を有するシュラウドを有し、前記シュラウドが前記第1のコネクタの前記第1の端部上を第1の方向に摺動可能である、第2のコネクタと、
前記第1の方向に対して概して垂直である第2の方向で前記第1のコネクタの前記第2の端部に摺動可能に係合されるコネクタ位置保証(CPA)装置であって、前記CPA装置が、縁部と、選択的に変形可能な可撓性アームと、隆起した突起部とを有し、前記隆起した突起部が前記CPA装置の前記縁部に沿って配置され、前記可撓性アームが、前記ストッパ表面に当接することにより、プレステージ位置において前記第2の方向で前記CPA装置が相対的に移動することを制限し、前記可撓性アームが中間位置において前記ストッパ要素の前記凹部内に配置され、前記シュラウドが、前記可撓性アームを前記プレステージ位置から前記中間位置まで押圧するために前記第1の方向で前記可撓性アームに選択的に接触するように位置決めされ、前記隆起した突起部が前記シュラウドに当接することにより、フルステージ位置において前記CPA装置が前記第2の方向に移動するのを制限する、コネクタ位置保証装置と
を有するコネクタ組立体。
【請求項18】
前記可撓性アームが、前記可撓性アームの外側表面に沿って位置する隆起した表面である噛み合い検知要素を有し、前記噛み合い検知要素が、前記中間位置において前記第2のコネクタの前記シュラウドに接触するように構成される、請求項17に記載のコネクタ組立体。
【請求項19】
前記第1のコネクタが内部壁表面を有する壁を有し、前記CPA装置が、前記CPAの頂面に沿って位置する隆起した突出部を有し、前記隆起した突出部が、前記CPA装置を前記プレステージ位置に位置決めするように前記第1のコネクタの前記内部壁表面に係合可能である、請求項17に記載のコネクタ組立体。
【請求項20】
前記第1のコネクタが雌コネクタであり、前記第2のコネクタが雄コネクタである、請求項17に記載のコネクタ組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−204340(P2012−204340A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−31313(P2012−31313)
【出願日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【出願人】(599023978)デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (281)
【Fターム(参考)】