コネクタ構造
【課題】コンテナ側と給電側の端子間の接続不良や短絡などを起こり難くする。
【解決手段】給電手段に繋がった給電側端子50を有する給電側コネクタ30と、冷却用コンテナ20に設けられた電気式冷却機と電気的に接続されるコンテナ側端子4を有するとともに冷却用コンテナ20に取付けられるコンテナ側コネクタ1とが、給電側端子50とコンテナ側端子4とを嵌合させることにより電気的に接続されるコネクタ構造において、コンテナ側コネクタ1が給電側コネクタ30に対して上方から接続され、その上方側に位置するコンテナ側コネクタ1に設けられたコンテナ側端子4が鉛直方向下向きに開口した凹状に形成され、逆に給電側コネクタ30に設けられた給電側端子50が凹状のコンテナ側端子4に嵌合される上向きに突出した凸状に形成されている。
【解決手段】給電手段に繋がった給電側端子50を有する給電側コネクタ30と、冷却用コンテナ20に設けられた電気式冷却機と電気的に接続されるコンテナ側端子4を有するとともに冷却用コンテナ20に取付けられるコンテナ側コネクタ1とが、給電側端子50とコンテナ側端子4とを嵌合させることにより電気的に接続されるコネクタ構造において、コンテナ側コネクタ1が給電側コネクタ30に対して上方から接続され、その上方側に位置するコンテナ側コネクタ1に設けられたコンテナ側端子4が鉛直方向下向きに開口した凹状に形成され、逆に給電側コネクタ30に設けられた給電側端子50が凹状のコンテナ側端子4に嵌合される上向きに突出した凸状に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば国際貨物コンテナ等の冷却用コンテナに着脱可能に取付けられるコンテナ側コネクタと、冷却用コンテナが配置される所定箇所に設けられた給電側コネクタとが電気的に接続されるコネクタ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上述したコンテナ側コネクタとして、例えば冷却用コンテナの底脚部に、床板の下面よりも上方に向けて窪ませた凹部を設け、その凹部に受電器が設けられた構成のものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
このような構成のコンテナ側コネクタに対し、コンテナが配置されるコンテナラック側には給電側コネクタが設けられ、コンテナをコンテナラックに載せることで、上記給電側コネクタにコンテナ側コネクタが電気的に接続され、これにより冷却用コンテナに内蔵された電気式の冷却機を作動させ得る状態とされる。
【特許文献1】特開平8−198383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、冷却用コンテナは、臨海において一時的に保管されることが一般的であり、このような雰囲気下では塵や塩分が多く、コンテナ側コネクタ及び給電側コネクタを含むコネクタ構造に塵や塩分が溜まると、端子間の接続不良や短絡などが起こり易くなる。特に、コネクタ構造でも上方に向けて窪んだ凹状となっている箇所では塵や塩分が溜まり易く、端子間の接続不良や短絡などがより一層起こり易くなるという不都合がある。なお、塩分は、金属を腐食させる原因となる。
【0005】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、コンテナ側と給電側の端子間の接続不良や短絡などを起こり難くすることができるコネクタ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係るコネクタ構造は、給電手段に繋がった給電側端子を有する給電側コネクタと、冷却用コンテナに設けられた電気式冷却機と電気的に接続されるコンテナ側端子を有するとともに前記冷却用コンテナに取付けられるコンテナ側コネクタとが、前記給電側端子と前記コンテナ側端子とを嵌合させることにより電気的に接続されるコネクタ構造において、前記コンテナ側コネクタが前記給電側コネクタに対して上方から接続され、その上方側に位置する前記コンテナ側コネクタに設けられたコンテナ側端子が鉛直方向下向きに開口した凹状に形成され、逆に前記給電側コネクタに設けられた前記給電側端子が凹状のコンテナ側端子に嵌合される上向きに突出した凸状に形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係るコネクタ構造は、請求項1に記載のコネクタ構造において、前記給電側端子を有する前記給電側コネクタに、前記給電側端子の水没を防止する水抜き孔が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係るコネクタ構造は、請求項1または2に記載のコネクタ構造において、前記給電側コネクタに、前記給電側端子の上方を覆うカバーが設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4に係るコネクタ構造は、請求項3に記載のコネクタ構造において、前記カバーは、水平方向に移動して開閉するとともに弾性手段により開状態から閉状態へ戻されるように構成され、高さ調整された前記コンテナ側コネクタの水平移動により閉状態のカバーが開状態にされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明による場合には、凹状に形成されたコンテナ側端子が、その凹状端子の開口側を鉛直方向下向きとしているので、凹状端子に塵や塩分が溜まり難くすることができ、これによりコンテナ側と給電側の端子間の接続不良や短絡などを起こり難くすることができる。
【0011】
請求項2の発明による場合には、給電側コネクタに水抜き孔を設けているので、給電側端子からの漏電を抑制することができる。
【0012】
請求項3による場合には、給電側端子に塵や塩分が付着するのを、カバーによっても防止することが可能になる。
【0013】
請求項4による場合には、コンテナ側コネクタの高さをカバーに対応させ、その後コンテナ側コネクタを水平移動させることによりカバーを閉状態から開状態にすることができる。また、コンテナ側コネクタを給電側コネクタから外すと、カバーが弾性手段により開状態から閉状態へ戻される。よって、手動操作を必要とせず、機能的かつ安全的にカバーの開閉が可能となるとともに閉め忘れを防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0015】
図1は、湾岸近くの臨海地域に設けられた自動コンテナ倉庫40を示す斜視図である。この自動コンテナ倉庫40は、冷却用コンテナ20を格納するためのコンテナラック41と、冷却用コンテナ20をコンテナラック41に自動的に搬送するための自動搬送装置42とを有する。
【0016】
コンテナラック41は、水平方向及び鉛直方向に多数のコンテナ格納部43を有するもので、各コンテナ格納部43の下部には、それぞれ給電側コネクタ30が配置されている。この給電側コネクタ30の内部には、図示しない給電手段と電気的に接続された後述する給電側端子31が設けられている。このコンテナラック41の近傍には、コンテナ載置台44が設けられ、このコンテナ載置台44には外部から送られてきた格納前の冷却用コンテナ20や、コンテナ格納部43から払い出した格納後の冷却用コンテナ20が載置される。
【0017】
自動搬送装置42は、コンテナラック41の長手方向Bに沿ってスライドする本体部42aを有する。この本体部42aは、冷却用コンテナ20を昇降させる昇降手段(図示せず)と、冷却用コンテナ20を掬い上げる2つのアーム(図示せず)を、本体部42aとコンテナ載置台44との間、及び本体部42aとコンテナ格納部43との間においてC方向に水平移動させ、かつ少しだけ昇降させる移動手段(図示せず)とを有する。
【0018】
この自動搬送装置42による冷却用コンテナ20の移動は、以下のように行われる。すなわち、外部からコンテナ載置台44に載置された冷却用コンテナ20を、移動手段がC方向に水平移動した後に上昇させてコンテナ載置台44から掬い上げ、その後、C方向とは逆の方向に水平移動して本体部42aに移動させて降下させ、本体部42aに載せる。次に、本体部42aは、スライド動作と、昇降手段による昇降動作とにより該当するコンテナ格納部43の前に冷却用コンテナ20を移動させ、再度移動手段により冷却用コンテナ20をC方向に水平移動した後に降下させて該当するコンテナ格納部43に格納させる。払出しタイミングになると、自動搬送装置42は移動手段を該当するコンテナ格納部43に移動させ、その移動手段はC方向に水平移動した後に上昇させてコンテナ格納部43に格納された冷却用コンテナ20を掬い上げ、その後、C方向とは逆の方向に水平移動して本体部42aに移動させて降下させ、本体部42aに載せる。次に、本体部42aは、スライド動作と、昇降手段による昇降動作とによりコンテナ載置台44の前に冷却用コンテナ20を移動させ、再度移動手段により冷却用コンテナ20をC方向に水平移動した後に降下させてコンテナ載置台44に載置する。なお、以上の冷却用コンテナ20の移動は基本パターンであり、コンテナ載置台44からコンテナ格納部43へ冷却用コンテナ20を複数回移動させた後に、コンテナ格納部43からコンテナ載置台44へ冷却用コンテナ20を1回、或いは複数回戻すパターンなども含まれる。
【0019】
図2は、冷却用コンテナ20を示す外観斜視図である。
【0020】
この冷却用コンテナ20は、六面体状をした箱体21と、箱体21の内部を冷却する電気式冷却機22とを有する公知のものである。なお、冷却機22の温度設定、或いは冷却機22の能力などによって、冷凍用のものや冷蔵用のものが選択使用される。
【0021】
箱体21の8箇所にある角部には、規格部品としてのすみ金具23が固着されている。すみ金具23は、JIS Z1616−1995に規定されているもので、箱体21の角部を構成する3つの面に平行な3面を有し、その3面のそれぞれに長孔24が設けられている。
【0022】
そして、後述する本実施形態のコンテナ側コネクタ1は、コンテナ20の下側の4つのすみ金具23のうちの1つに形成された長孔24であって、コンテナ20の側面のものに取付けられる。
【0023】
図3に、長孔24の形状を示す。
【0024】
長孔24は、縦方向の長径部24aと横方向の短径部24bとを有する楕円形状であって、例えば長径部24aの長さL1は79.5ミリ、短径部24bの長さL2は51.0ミリ、深さDは20.5ミリにそれぞれ設定されている。
【0025】
図4は、コンテナ側コネクタをコンテナに取付けた状態を示す正面図(部分断面図)であり、図5は図4を底面側から見た部分断面図である。また、図6はコンテナ側コネクタの一部(取付部)を示す分解斜視図である。図4中の6gは奥側のカム面を示し、同7も奥側のローラーを示す。
【0026】
このコンテナ側コネクタ1は、本体部2と、この本体部2に基端側が繋がっている取付部3とを備える。
【0027】
本体部2は、内部に雌型のコンテナ側端子4を複数本、例えば4本有し、各コンテナ側端子4は凹部4aの開口側を下向きにして設けられている。本体部2におけるコンテナ側端子4の下側には円筒状の装着穴部4bが形成され、更に装着穴部4bの下側には下側になる程に大径となるように形成された傾斜した環状のガイド穴部4cが形成されている。また、本体部2の上端部には、前記冷却機22に配線(図示せず)を介して接続されたレセプタクル(図示せず)が接続される。
【0028】
取付部3は、軸部材5と、ローラーガイド6と、軸部材5の外周に取付けられる2つのローラー7と、スペーサー8と、外側挟持部9と、軸部材5と外側挟持部9との間で両端が挟み込まれる、弾性押圧手段としてのコイルばね10と、軸部材5の先端にナット11及びピン12により固定された内側挟持部13とを備える(図6参照)。
【0029】
軸部材5は、基端側(左側)が外径大で、先端側(右側)になる程に外径を段階的に順に小さく形成されていて、基端側から先端側に向かって特大径部5aと大径部5bと中径部5cと小径部5dとを有する。大径部5bには半径方向に1又は2以上、例えば2つのローラー取付穴5eが軸対称に形成され、また中径部5cには軸心を通るピン取付穴5fが形成され、更に小径部5dの先端部には雄ねじ部5gが形成されている。
【0030】
図7(a)はローラーガイドを軸心方向の右側から見た図であり、同(b)はその左側面図、同(c)はその右側面図、同(d)はその平面図、同(e)はその底面図である。
【0031】
このローラーガイド6は、概略円環状に形成されていて、軸心方向に大径部6aと小径部6bとを有する。大径部6aは厚み一定であって、この大径部6aには周方向に沿って複数、この図示例では8つのボルト固定穴6hが形成されている。ボルト固定穴6hは、ローラーガイド6の軸心方向に対し平行となっている。また、大径部6aと小径部6bの内側には、一定の内径寸法の軸部材通し孔6iが形成されている。
【0032】
一方、小径部6bは周方向に3つの異なる厚み部分6c、6d、6eを有し、これら3つの厚み部分6c、6d、6eを1組として、2組分形成されている。例えば、厚み部分6cは、図7(a)の左上部に厚肉部6cとして形成され、厚み部分6dは厚肉部6cの右回り方向(周方向)の隣にカム部6dとして形成され、厚み部分6eはカム部6dの右回り方向の隣に薄肉部6eとして形成され、これと同一の構成がもう半周分形成されて一周分が構成される。
【0033】
カム部6dは、前記周方向における厚肉部6cと薄肉部6eとの間に形成され、厚肉部6cから薄肉部6eに向かって徐々に薄肉になっていき、厚肉部6cと薄肉部6eとの中間部で最も薄い最薄部(厚み無しに等しい)6fとなり、最薄部6fを過ぎると少しずつ厚肉になって薄肉部6eと同じ厚みに達するようになっている。このカム部6dの外表面はカム面6gを構成する。なお、厚肉部6cとカム部6dとの境界は、厚みが急峻に変化した段差部となっていて、カム部6dはその段差部から上述のように薄肉部6eに向かって徐々に薄肉になっていき最薄部6fに達している。
【0034】
このローラーガイド6の内側の軸部材通し孔6iは、前記軸部材5の大径部5bの外径よりも少し大きい内径に形成されていて、ローラーガイド6の内側に軸部材6を挿通させると、軸部材通し孔6iに大径部5bが嵌り込む。また、その大径部5bの先端側の部分、中径部5c及び小径部5dはローラーガイド6を抜け出る状態になる。そして、この状態において、ローラーガイド6から抜け出た大径部5b部分に設けられた前記ローラー取付穴5eのそれぞれにローラー7が取付けられる。ローラー7は、軸部7bと正逆方向に回転可能な回転部7aとを有し、その軸部7bが前記ローラー取付穴5eに取付けられていて(C−D、E−F参照)、回転部7aが回転中心を軸部7bに一致させて回転するようになっている。
【0035】
上記大径部6aの小径部6b側には、スペーサー8を介して外側挟持部9が取付けられている。この取付けは、スペーサー8及び外側挟持部9に、前記ボルト固定穴6hと対応させてボルト挿通孔8a、9aを設け、ボルト固定穴6hとボルト挿通孔8aとボルト挿通孔9aとを一致させてボルト14を通し、ボルト14の先端部をボルト固定穴6hに螺着させることで行われる。
【0036】
外側挟持部9は、概略矩形板状の本体部9hを有し、この本体部9hのスペーサー8とは反対側に回動防止部9bと円筒部9cとが形成されており、回動防止部9bは、その断面形状を長孔24の形状にほぼ一致させていて、長孔24に嵌り込むようになっている。なお、本体部9hは、長孔24よりも十分に大きい寸法を有し、長孔24の周縁部の外表面に当接されるようになっている。
【0037】
回動防止部9b及び円筒部9cの軸心部には、軸部材挿通孔9dが形成されている。軸部材挿通孔9dは、外側挟持部9のスペーサー8側の端面から円筒部9cの途中までを大径孔部9eとし、円筒部9cの途中から外側挟持部9のスペーサー8とは反対側の端面までを小径孔部9fとして形成されている。この大径孔部9eの内側には、前記コイルばね10が配設されていて、そのコイルばね10の内部には前記軸部材5の中径部5cが通る。コイルばね10は、前記大径孔部9eと小径孔部9fとの境界の段差部9gと、前記軸部材5の大径部5bと中径部5cとの境界の段差部5hとの間で、両端が挟み込まれていて、コイルばね10は外側挟持部9と段差部5hとにこれらが相互に離れる方向へ押圧付勢する。
【0038】
小径孔部9fは、軸部材5の小径部5dの外径よりも少し大きい寸法の内径を有し、軸部材5の小径部5dは小径孔部9fを通って円筒部9cの外側に抜け出ていて、小径部5dの抜け出た部分に前記内側挟持部13が取付けられる。
【0039】
内側挟持部13は、軸部材5の軸方向から見て、長孔24に挿入可能な概略楕円形に形成されていて、長径部13fと短径部13gとを有し、軸心部には貫通孔13aが設けられている。この貫通孔13aは、外側挟持部9側に大径孔部13bを、外側挟持部9とは反対側に小径孔部13cを有する。
【0040】
大径孔部13bには、前記円筒部9cの先端側が挿入され、小径孔部13cには、軸部材5の小径部5dが挿通される。このとき、小径孔部13cと大径孔部13bとの段差部13eには、軸部材5の中径部5cと小径部5dとの段差部5iが当接する。そして、内側挟持部13に設けたピン取付孔13dと軸部材5の中径部5cに設けた前記ピン取付穴5fとを一致させ、その一致した状態で前記ピン12をピン取付孔13dとピン取付穴5fとに挿入し(A−A'−B−B' を参照)固定する。このとき、小径部5dの雄ねじ部5gは内側挟持部13から外側に突出していて、その突出した部分にナット11が取付けられ、これにより内側挟持部13が軸部材5に固定される。
【0041】
そして、このように構成された取付部3は、図4に示すように本体部2に設けた板状取付部2aに、環状蓋部2bをボルト2cで取付け、取付部2aと環状蓋部2bとの間で、軸部材5の特大径部5aの周縁部を挟持することにより、本体部2に固定される。
【0042】
したがって、例えば本体部2を把持し、図8の二点鎖線に示すように内側挟持部13が長孔24に挿脱可能な角度、例えば第1角度に軸部材5(本体部2)を保持し、つまり本体部2の軸心を水平方向に保持し、長孔24に向けて前進させると、図9に示すように内側挟持部13が長孔24に挿入される。なお、図9は平面図(断面図)であり、図中の6eは奥側の薄肉部を示し、同じく7は奥側のローラーを示す。
【0043】
その後、図8に実線で示すように、軸部材5(本体部2)を第2角度、例えば第1角度と90゜だけ異なる角度に回動させる(ガイド穴部4cを下向きに位置させる)と、図4及び図5に示すように内側挟持部13が長孔24に対し挿脱不可になる。つまり、軸部材5が第1角度では本体部2は端子4が水平に、軸部材5が第2角度では本体部2は端子4が下向きになる。なお、コネクタ1の取外しは、上記とは逆の方向に第2角度から第1角度へと回転させ、長孔24から引き抜くことにより行われる。
【0044】
ここで、第1角度としては、長径部13fが長孔24の長径部24aに、短径部13gが長孔24の短径部24bにそれぞれ一致する角度とされる。第2角度としては、第1角度と90゜だけ異なる角度であって、長径部13fが長孔24の短径部24bに、短径部13gが長孔24の長径部24aにそれぞれ一致する角度とされる。なお、第2角度としては、第1角度と90゜だけ異なる角度にする必要はなく、長径部13fが長孔24から抜け出ることがない任意の角度が選ばれる。
【0045】
そして、本体部2(軸部材5)が第1角度のとき、軸部材5に取付けたローラー7の回転部7aは、薄肉部6eに当接している。その後、この第1角度から第2角度に本体部2を回動させると、回転部7aが本体部2の回動に伴って回動(公転)するとともに、回転部7aの当接箇所が薄肉部6eからカム面6gへと変化してカム面6gにより自転する。このローラー7の自転に伴ってローラー7とカム面6gとの相対位置が変化し、これを受けてローラー7が設けられた軸部材5とカム面6gが設けられたローラーガイド6との相対位置が、軸部材5の軸方向において変わることにより、内側挟持部13と、回動防止部9bを長孔24に挿入した外側挟持部9とが互いに接近する。これにより、内側挟持部13及び外側挟持部9が長孔24の周縁部を挟持することになる。
【0046】
したがって、上述したように、例えば本体部2を把持し、第1角度で内側挟持部13を長孔24に挿入し、その後、第2角度に本体部2を回動させると、内側挟持部13と外側挟持部9とが互いに接近し、これにより取付部3が長孔24に固定され、コンテナ側コネクタ1はコネクタ側端子4を下向きにしてコンテナ20に取付けられる。
【0047】
このコネクタ1の取付けは、例えば本実施形態においては載置台44にコンテナ20を載置した状態で行われ、コンテナ20の下側のすみ金具23に取付けられる。
【0048】
そして、コネクタ1が取付けられたコンテナ20は、自動搬送装置42により載置台44からコンテナラック41の所望の格納部43に搬送されて格納される。この格納に際してコンテナ20が降下されるが、この降下により格納部43に設けられた前記給電側コネクタ30にコンテナ側コネクタ1が連結される。例えば、図10に示すように、一定高さ位置に固定された給電側コネクタ30から外れた位置において自動搬送装置42によりコンテナ側コネクタ1の高さを調整し、その後、前記C方向に水平移動させて給電側コネクタ30に備わった後述するカバー35をスライドさせて給電側端子50の上方を開口させるとともに、給電側端子50の上方へコンテナ側端子4が位置するように配置し、コンテナ20を降下させることで、両コネクタ1、30を備える本発明の一実施形態に係るコネクタ構造が連結される。なお、コネクタ構造を連結状態から分離させる場合は、自動搬送装置42により、コネクタ1を有するコンテナ20を上方に持ち上げることで行われる。
【0049】
次に、給電側コネクタ30につき説明する。
【0050】
図11は、給電側コネクタを示す正面図(断面図)であり、図12はその平面図である。
【0051】
給電側コネクタ30は、上構成部31と中構成部32と下構成部33とを備える。上構成部31は、ガイド部材34と、カバー35と、コイルばね36と、コイルばね36を覆うばねカバー37とを有する。この上構成部31は、支柱30aを介して下構成部33に支持されている(図15参照)。
【0052】
ガイド部材34は、前記支柱30aに取付けられ、ほぼ水平に配されている。このガイド部材34は、コンテナ側コネクタ1の下端部を案内するもので、平面視で概略コの字状に形成されており、右側に開口34aを、前後方向にガイド片34h、34iを有する。各ガイド片34h、34iの内側には、開口34aの近傍部分に、開口34aとは反対側の内奥側に寄る程に互いに狭くなるテーパー状のガイド縁34bが形成され、そのガイド縁34bの内奥側には互いにより間隔が狭くなるコネクタセット部34cが設けられ、コネクタセット部34cの内奥側には更に間隔が狭くなる平行縁を有する凹部34dが設けられている。
【0053】
各コネクタセット部34cには、コネクタ1が丁度嵌り込む円弧部34eがそれぞれ形成されている。また、ガイド部材34の前後方向の両側には、ガイド部材34と一部重なる状態で長尺のばねカバー37が、その長手方向を左右方向に一致させて設けられている。このばねカバー37は、コイルばね36の上方を覆うためのものであり、伸長した状態でも覆うことができる長さ寸法を有する。
【0054】
図13(a)はカバー35を示す平面図、同(b)はその正面図である。
【0055】
カバー35は、概略矩形状のカバー本体部35aと、カバー本体部35aの右側にあって上方に折り曲げられたコネクタ受部35bと、カバー本体部35aの左側にあって上方に折り曲げられた部分の前後両端に設けられた一対のばね係止部35cと、カバー本体部35aの下側に、下方に向けて突出しかつ湾曲した被案内片35dとを有する。なお、各ばね係止部35cのそれぞれには、係止孔35eが設けられている。また、コネクタ受部35bの幅Wは、前記凹部34dの平行縁間の離隔距離よりも短い寸法に設定されている。
【0056】
このカバー35には、シャフト38が取付けられている。このシャフト38は、ガイド部材34に固定された図示しないブッシュを有するブッシュハウジング39を貫通している(図11、図15参照)。これによりこのカバー35は、ガイド部材34の下側であって両ばねカバー37の間に、左右方向へのスライドを可能にして設けられ、カバー35は、左方向(A方向)へのスライドによりガイド部材34の一対のコネクタセット部34cの間を開口させる、つまり開状態になるように構成されている。前記係止孔35eには、弾性手段としてのコイルばね36の一端36aが係止され、コイルばね36の他端36bは上構成部31に設けられた固定片31aに形成した係止孔31bに係止されている。
【0057】
前記コネクタ受部35bは、両コネクタ1、30を連結する際に、前記自動搬送装置42によりA方向へ水平移動されるコネクタ1の下端部を受けるもので、この下端部を受けるとコネクタ受部35bがA方向に移動してカバー35が開く。また、自動搬送装置42によりコンテナ20がA方向と反対方向に移動すると、これに伴ってコイルばね36の引っ張り付勢力によりカバー35がA方向とは反対側へ水平移動し、これによりガイド部材34のガイド片34h、34iの間が閉じる。なお、カバー35の水平移動に際し、被案内片35dは中構成部32の上部により案内される。
【0058】
上記ガイド片34h、34iの間の下側には、複数本、図示例では4本の給電側端子50が配置されている。これら給電側端子50は、図示しない給電用電源に接続されるとともに前記中構成部32の内部に配されていて、ピン50aを上向きにして基台51に取付けられている。また、中構成部32の底板32aには、中構成部32の内部に、例えば雨水等が溜まって給電側端子50が水没するのを防止するために水抜き孔32bが設けられている。この水抜き孔32bを通った雨水等は、下構成部33の天井板33aに沿って外部へ排水される。なお、天井板33aの上側に中構成部32の側板32cが設けられているが、その側板32cの下端部には天井板33aに沿って流れる水を通す切欠部32dが形成されている(図11参照)。
【0059】
上記基台51は、その上端部に、前記コンテナ側端子4の傾斜したガイド穴部4cによりガイドされる丸くなった角落部51aが形成されていて、基台51の下端は、前記下構成部33の内部に設けた調心機構52に、連結部材53を介して連結されている。前記角落部51aは、後述するように調心機構52を調心させる力を得るために設けられている。
【0060】
調心機構52は、図14(平面図)に示すように、基台51及び連結部材53を介し給電側端子50を支持する水平移動台54を有し、この水平移動台54を水平なX−Y面上と前記X−Y面に直交するZ方向(図11参照)とに移動可能に支持し、上側に位置する鉛直方向下向きの凹状をしたコンテナ側端子4と鉛直方向上向きに突出した凸状をした給電側端子50を嵌合させる際に、コンテナ側コネクタ1から受ける力に基づいて給電側端子50、具体的には基台51(又は水平移動台54)を調心させる機能を有する。
【0061】
調心機構52は、具体的には図14に示すように、X−Y面に沿って水平移動台54を移動させる互いに平行なXガイド対55と、該Xガイド対55とは直交し、互いに平行なYガイド対56と、Yガイド対56にそれぞれ移動可能に設けたスライド部材対57と、Yガイド対56を支持する一対の支持部材58と、図15(図11の左側面図)に示すように、各支持部材58をZ方向に弾性支持するコイルばね59と、各支持部材58に下側に突出するように取付けられ、コイルばね59の内側を通る棒状の案内部材60と、図11に示すように水平移動台54をY方向に移動させて、水平移動台54をX−Y面上の所定の水平位置に戻すための水平戻し用コイルばね61とを有する。コイルばね61は、一端に取付けた支持具63aを水平移動台54の下面に固定し、コイルばね61の他端に取付けた支持具63bを支持部材58に固定して設けられている。
【0062】
上記コイルばね59は、図15に示すように軸心方向を上下方向にして配されていて、下端を水平台62の上に当接し、上端を支持部材58の下に当接して設けられている。案内部材60は、その上端部が支持部材58の下部に取付けられ、下端側の頭部60aは、水平台62に形成した案内穴62aに入った状態に設けられている。案内穴62aは下側が大きく、上側が小さいもので、その段付部62bにより頭部60aが上方へ抜け出ないようになっている。また、段付部62bの下側は頭部60aを上下方向に案内する。
【0063】
上記Xガイド対55とYガイド対56とは同一水平面上に設けられており、Yガイド対56の間にXガイド対55が設けられ、Xガイド対55それぞれの両端部が、Yガイド対56にそれぞれ移動可能に設けたスライド部材対57に連結されている。また、Yガイド対56のそれぞれの両端部は支持部材58に連結されている。
【0064】
このように構成された調心機構52は、上述したように上側に位置するコンテナ側端子4が降下して給電側端子50に嵌合する際に、コンテナ側コネクタ1から受ける力に基づいて給電側端子50を、X方向、Y方向およびZ方向に調心させる。また、給電側端子50に嵌合したコンテナ側端子4を分離させるべくコンテナ側コネクタ1を上昇させると、水平戻し用コイルばね61が水平移動台54に支持された給電側端子50をX−Y面上の所定の水平位置に戻す。また、コイルばね59が給電側端子50をZ方向の所定の高さ位置に戻すようになっている。
【0065】
そして、このような給電側コネクタ30に対し、上述したように自動搬送装置42によりコンテナ20を該当するコネクタ格納部43に格納させるべく、コンテナ20を降下していくと、コンテナ側コネクタ1が下側の給電側コネクタ30に連結される。このとき、コンテナ側端子4と給電側端子50との間で偏心があると、コンテナ側コネクタ1のガイド穴部4cが、給電側コネクタ30の基台51に設けた角落部51aに当接し、この当接力により基台51(又は水平移動台54)が偏心方向とは反対方向に移動する。この移動によりコンテナ側コネクタ1のガイド穴部4cの軸心と基台51の軸心とが一致し、コンテナ側コネクタ1の前記装着穴部4bに基台51の上部が嵌合し、両端子、4、50が電気的に接続されるとともに、両コネクタ1、30が連結される。なお、この連結状態は、中構成部32に設けた近接スイッチ等のセンサ64により検出される(図11参照)。
【0066】
以上のようにして両コネクタ1、30が連結されることで、前記給電用電源と冷却器22とが電気的に接続可能な状態となり、給電用電源と冷却器22との間に設けた図示しないスイッチのオン・オフ操作により給電用電源からの電力が冷却器22へ送られ、或いは停止される。
【0067】
以上のように構成された本実施形態に係るコネクタ構造による場合には、凹部4aを有するコンテナ側端子4が、その凹部4aの開口側を鉛直方向下向きとしているので、凹部4aに塵や塩分が溜まり難くすることができ、これによりコンテナ側と給電側の端子4、50間の接続不良や短絡などを起こり難くすることができる。また、給電側コネクタ30に水抜き孔32bを設けているので、給電側端子50からの漏電を抑制することができる。更に、給電側端子50に塵や塩分が付着するのを、カバー35によっても防止することが可能になる。
【0068】
更にまた、本実施形態にあっては、コンテナ側コネクタ1の高さをカバー35に対応させ、その後コンテナ側コネクタ1を水平移動させることによりカバー35を閉状態から開状態にすることができる。また、コンテナ側コネクタ1を給電側コネクタ30から外すと、カバー35が弾性手段としてのコイルばね36により開状態から閉状態へ戻される。よって、手動操作を必要とせず、機能的かつ安全的にカバー35の開閉が可能となるとともに閉め忘れを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】湾岸近くの臨海地域に設けられた自動コンテナ倉庫を示す斜視図である。
【図2】冷却用コンテナを示す外観斜視図である。
【図3】長孔の形態の説明図である。
【図4】コンテナ側コネクタをコンテナに取付けた状態を示す正面図(部分断面図)である。
【図5】図4を底面側から見た部分断面図である。
【図6】コンテナ側コネクタの一部(取付部)を示す分解斜視図である。
【図7】(a)はローラーガイドを軸心方向の右側から見た図であり、(b)はその左側面図、(c)はその右側面図、(d)はその平面図、(e)はその底面図である。
【図8】二点鎖線は挿脱可能な第1角度に軸部材(本体部)を保持した状態、実線は挿脱不可な第2角度に軸部材(本体部)を回動させた状態を示す。
【図9】内側挟持部が長孔に挿入された状態を示す平面図(断面図)である。
【図10】本発明の一実施形態に係るコネクタ構造を構成するコンテナ側コネクタと給電側コネクタとを連結する説明図である。
【図11】給電側コネクタを示す正面図(断面図)である。
【図12】給電側コネクタを示す平面図である。
【図13】(a)はカバーを示す平面図、(b)はその正面図である。
【図14】調心機構を示す平面図である。
【図15】図11の左側面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 コンテナ側コネクタ
4 コンテナ側端子
4a 凹部
20 冷却用コンテナ
22 電気式冷却機
30 給電側コネクタ
32b 水抜き孔
35 カバー
36 コイルばね(弾性手段)
50 給電側端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば国際貨物コンテナ等の冷却用コンテナに着脱可能に取付けられるコンテナ側コネクタと、冷却用コンテナが配置される所定箇所に設けられた給電側コネクタとが電気的に接続されるコネクタ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上述したコンテナ側コネクタとして、例えば冷却用コンテナの底脚部に、床板の下面よりも上方に向けて窪ませた凹部を設け、その凹部に受電器が設けられた構成のものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
このような構成のコンテナ側コネクタに対し、コンテナが配置されるコンテナラック側には給電側コネクタが設けられ、コンテナをコンテナラックに載せることで、上記給電側コネクタにコンテナ側コネクタが電気的に接続され、これにより冷却用コンテナに内蔵された電気式の冷却機を作動させ得る状態とされる。
【特許文献1】特開平8−198383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、冷却用コンテナは、臨海において一時的に保管されることが一般的であり、このような雰囲気下では塵や塩分が多く、コンテナ側コネクタ及び給電側コネクタを含むコネクタ構造に塵や塩分が溜まると、端子間の接続不良や短絡などが起こり易くなる。特に、コネクタ構造でも上方に向けて窪んだ凹状となっている箇所では塵や塩分が溜まり易く、端子間の接続不良や短絡などがより一層起こり易くなるという不都合がある。なお、塩分は、金属を腐食させる原因となる。
【0005】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、コンテナ側と給電側の端子間の接続不良や短絡などを起こり難くすることができるコネクタ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係るコネクタ構造は、給電手段に繋がった給電側端子を有する給電側コネクタと、冷却用コンテナに設けられた電気式冷却機と電気的に接続されるコンテナ側端子を有するとともに前記冷却用コンテナに取付けられるコンテナ側コネクタとが、前記給電側端子と前記コンテナ側端子とを嵌合させることにより電気的に接続されるコネクタ構造において、前記コンテナ側コネクタが前記給電側コネクタに対して上方から接続され、その上方側に位置する前記コンテナ側コネクタに設けられたコンテナ側端子が鉛直方向下向きに開口した凹状に形成され、逆に前記給電側コネクタに設けられた前記給電側端子が凹状のコンテナ側端子に嵌合される上向きに突出した凸状に形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係るコネクタ構造は、請求項1に記載のコネクタ構造において、前記給電側端子を有する前記給電側コネクタに、前記給電側端子の水没を防止する水抜き孔が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係るコネクタ構造は、請求項1または2に記載のコネクタ構造において、前記給電側コネクタに、前記給電側端子の上方を覆うカバーが設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4に係るコネクタ構造は、請求項3に記載のコネクタ構造において、前記カバーは、水平方向に移動して開閉するとともに弾性手段により開状態から閉状態へ戻されるように構成され、高さ調整された前記コンテナ側コネクタの水平移動により閉状態のカバーが開状態にされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明による場合には、凹状に形成されたコンテナ側端子が、その凹状端子の開口側を鉛直方向下向きとしているので、凹状端子に塵や塩分が溜まり難くすることができ、これによりコンテナ側と給電側の端子間の接続不良や短絡などを起こり難くすることができる。
【0011】
請求項2の発明による場合には、給電側コネクタに水抜き孔を設けているので、給電側端子からの漏電を抑制することができる。
【0012】
請求項3による場合には、給電側端子に塵や塩分が付着するのを、カバーによっても防止することが可能になる。
【0013】
請求項4による場合には、コンテナ側コネクタの高さをカバーに対応させ、その後コンテナ側コネクタを水平移動させることによりカバーを閉状態から開状態にすることができる。また、コンテナ側コネクタを給電側コネクタから外すと、カバーが弾性手段により開状態から閉状態へ戻される。よって、手動操作を必要とせず、機能的かつ安全的にカバーの開閉が可能となるとともに閉め忘れを防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0015】
図1は、湾岸近くの臨海地域に設けられた自動コンテナ倉庫40を示す斜視図である。この自動コンテナ倉庫40は、冷却用コンテナ20を格納するためのコンテナラック41と、冷却用コンテナ20をコンテナラック41に自動的に搬送するための自動搬送装置42とを有する。
【0016】
コンテナラック41は、水平方向及び鉛直方向に多数のコンテナ格納部43を有するもので、各コンテナ格納部43の下部には、それぞれ給電側コネクタ30が配置されている。この給電側コネクタ30の内部には、図示しない給電手段と電気的に接続された後述する給電側端子31が設けられている。このコンテナラック41の近傍には、コンテナ載置台44が設けられ、このコンテナ載置台44には外部から送られてきた格納前の冷却用コンテナ20や、コンテナ格納部43から払い出した格納後の冷却用コンテナ20が載置される。
【0017】
自動搬送装置42は、コンテナラック41の長手方向Bに沿ってスライドする本体部42aを有する。この本体部42aは、冷却用コンテナ20を昇降させる昇降手段(図示せず)と、冷却用コンテナ20を掬い上げる2つのアーム(図示せず)を、本体部42aとコンテナ載置台44との間、及び本体部42aとコンテナ格納部43との間においてC方向に水平移動させ、かつ少しだけ昇降させる移動手段(図示せず)とを有する。
【0018】
この自動搬送装置42による冷却用コンテナ20の移動は、以下のように行われる。すなわち、外部からコンテナ載置台44に載置された冷却用コンテナ20を、移動手段がC方向に水平移動した後に上昇させてコンテナ載置台44から掬い上げ、その後、C方向とは逆の方向に水平移動して本体部42aに移動させて降下させ、本体部42aに載せる。次に、本体部42aは、スライド動作と、昇降手段による昇降動作とにより該当するコンテナ格納部43の前に冷却用コンテナ20を移動させ、再度移動手段により冷却用コンテナ20をC方向に水平移動した後に降下させて該当するコンテナ格納部43に格納させる。払出しタイミングになると、自動搬送装置42は移動手段を該当するコンテナ格納部43に移動させ、その移動手段はC方向に水平移動した後に上昇させてコンテナ格納部43に格納された冷却用コンテナ20を掬い上げ、その後、C方向とは逆の方向に水平移動して本体部42aに移動させて降下させ、本体部42aに載せる。次に、本体部42aは、スライド動作と、昇降手段による昇降動作とによりコンテナ載置台44の前に冷却用コンテナ20を移動させ、再度移動手段により冷却用コンテナ20をC方向に水平移動した後に降下させてコンテナ載置台44に載置する。なお、以上の冷却用コンテナ20の移動は基本パターンであり、コンテナ載置台44からコンテナ格納部43へ冷却用コンテナ20を複数回移動させた後に、コンテナ格納部43からコンテナ載置台44へ冷却用コンテナ20を1回、或いは複数回戻すパターンなども含まれる。
【0019】
図2は、冷却用コンテナ20を示す外観斜視図である。
【0020】
この冷却用コンテナ20は、六面体状をした箱体21と、箱体21の内部を冷却する電気式冷却機22とを有する公知のものである。なお、冷却機22の温度設定、或いは冷却機22の能力などによって、冷凍用のものや冷蔵用のものが選択使用される。
【0021】
箱体21の8箇所にある角部には、規格部品としてのすみ金具23が固着されている。すみ金具23は、JIS Z1616−1995に規定されているもので、箱体21の角部を構成する3つの面に平行な3面を有し、その3面のそれぞれに長孔24が設けられている。
【0022】
そして、後述する本実施形態のコンテナ側コネクタ1は、コンテナ20の下側の4つのすみ金具23のうちの1つに形成された長孔24であって、コンテナ20の側面のものに取付けられる。
【0023】
図3に、長孔24の形状を示す。
【0024】
長孔24は、縦方向の長径部24aと横方向の短径部24bとを有する楕円形状であって、例えば長径部24aの長さL1は79.5ミリ、短径部24bの長さL2は51.0ミリ、深さDは20.5ミリにそれぞれ設定されている。
【0025】
図4は、コンテナ側コネクタをコンテナに取付けた状態を示す正面図(部分断面図)であり、図5は図4を底面側から見た部分断面図である。また、図6はコンテナ側コネクタの一部(取付部)を示す分解斜視図である。図4中の6gは奥側のカム面を示し、同7も奥側のローラーを示す。
【0026】
このコンテナ側コネクタ1は、本体部2と、この本体部2に基端側が繋がっている取付部3とを備える。
【0027】
本体部2は、内部に雌型のコンテナ側端子4を複数本、例えば4本有し、各コンテナ側端子4は凹部4aの開口側を下向きにして設けられている。本体部2におけるコンテナ側端子4の下側には円筒状の装着穴部4bが形成され、更に装着穴部4bの下側には下側になる程に大径となるように形成された傾斜した環状のガイド穴部4cが形成されている。また、本体部2の上端部には、前記冷却機22に配線(図示せず)を介して接続されたレセプタクル(図示せず)が接続される。
【0028】
取付部3は、軸部材5と、ローラーガイド6と、軸部材5の外周に取付けられる2つのローラー7と、スペーサー8と、外側挟持部9と、軸部材5と外側挟持部9との間で両端が挟み込まれる、弾性押圧手段としてのコイルばね10と、軸部材5の先端にナット11及びピン12により固定された内側挟持部13とを備える(図6参照)。
【0029】
軸部材5は、基端側(左側)が外径大で、先端側(右側)になる程に外径を段階的に順に小さく形成されていて、基端側から先端側に向かって特大径部5aと大径部5bと中径部5cと小径部5dとを有する。大径部5bには半径方向に1又は2以上、例えば2つのローラー取付穴5eが軸対称に形成され、また中径部5cには軸心を通るピン取付穴5fが形成され、更に小径部5dの先端部には雄ねじ部5gが形成されている。
【0030】
図7(a)はローラーガイドを軸心方向の右側から見た図であり、同(b)はその左側面図、同(c)はその右側面図、同(d)はその平面図、同(e)はその底面図である。
【0031】
このローラーガイド6は、概略円環状に形成されていて、軸心方向に大径部6aと小径部6bとを有する。大径部6aは厚み一定であって、この大径部6aには周方向に沿って複数、この図示例では8つのボルト固定穴6hが形成されている。ボルト固定穴6hは、ローラーガイド6の軸心方向に対し平行となっている。また、大径部6aと小径部6bの内側には、一定の内径寸法の軸部材通し孔6iが形成されている。
【0032】
一方、小径部6bは周方向に3つの異なる厚み部分6c、6d、6eを有し、これら3つの厚み部分6c、6d、6eを1組として、2組分形成されている。例えば、厚み部分6cは、図7(a)の左上部に厚肉部6cとして形成され、厚み部分6dは厚肉部6cの右回り方向(周方向)の隣にカム部6dとして形成され、厚み部分6eはカム部6dの右回り方向の隣に薄肉部6eとして形成され、これと同一の構成がもう半周分形成されて一周分が構成される。
【0033】
カム部6dは、前記周方向における厚肉部6cと薄肉部6eとの間に形成され、厚肉部6cから薄肉部6eに向かって徐々に薄肉になっていき、厚肉部6cと薄肉部6eとの中間部で最も薄い最薄部(厚み無しに等しい)6fとなり、最薄部6fを過ぎると少しずつ厚肉になって薄肉部6eと同じ厚みに達するようになっている。このカム部6dの外表面はカム面6gを構成する。なお、厚肉部6cとカム部6dとの境界は、厚みが急峻に変化した段差部となっていて、カム部6dはその段差部から上述のように薄肉部6eに向かって徐々に薄肉になっていき最薄部6fに達している。
【0034】
このローラーガイド6の内側の軸部材通し孔6iは、前記軸部材5の大径部5bの外径よりも少し大きい内径に形成されていて、ローラーガイド6の内側に軸部材6を挿通させると、軸部材通し孔6iに大径部5bが嵌り込む。また、その大径部5bの先端側の部分、中径部5c及び小径部5dはローラーガイド6を抜け出る状態になる。そして、この状態において、ローラーガイド6から抜け出た大径部5b部分に設けられた前記ローラー取付穴5eのそれぞれにローラー7が取付けられる。ローラー7は、軸部7bと正逆方向に回転可能な回転部7aとを有し、その軸部7bが前記ローラー取付穴5eに取付けられていて(C−D、E−F参照)、回転部7aが回転中心を軸部7bに一致させて回転するようになっている。
【0035】
上記大径部6aの小径部6b側には、スペーサー8を介して外側挟持部9が取付けられている。この取付けは、スペーサー8及び外側挟持部9に、前記ボルト固定穴6hと対応させてボルト挿通孔8a、9aを設け、ボルト固定穴6hとボルト挿通孔8aとボルト挿通孔9aとを一致させてボルト14を通し、ボルト14の先端部をボルト固定穴6hに螺着させることで行われる。
【0036】
外側挟持部9は、概略矩形板状の本体部9hを有し、この本体部9hのスペーサー8とは反対側に回動防止部9bと円筒部9cとが形成されており、回動防止部9bは、その断面形状を長孔24の形状にほぼ一致させていて、長孔24に嵌り込むようになっている。なお、本体部9hは、長孔24よりも十分に大きい寸法を有し、長孔24の周縁部の外表面に当接されるようになっている。
【0037】
回動防止部9b及び円筒部9cの軸心部には、軸部材挿通孔9dが形成されている。軸部材挿通孔9dは、外側挟持部9のスペーサー8側の端面から円筒部9cの途中までを大径孔部9eとし、円筒部9cの途中から外側挟持部9のスペーサー8とは反対側の端面までを小径孔部9fとして形成されている。この大径孔部9eの内側には、前記コイルばね10が配設されていて、そのコイルばね10の内部には前記軸部材5の中径部5cが通る。コイルばね10は、前記大径孔部9eと小径孔部9fとの境界の段差部9gと、前記軸部材5の大径部5bと中径部5cとの境界の段差部5hとの間で、両端が挟み込まれていて、コイルばね10は外側挟持部9と段差部5hとにこれらが相互に離れる方向へ押圧付勢する。
【0038】
小径孔部9fは、軸部材5の小径部5dの外径よりも少し大きい寸法の内径を有し、軸部材5の小径部5dは小径孔部9fを通って円筒部9cの外側に抜け出ていて、小径部5dの抜け出た部分に前記内側挟持部13が取付けられる。
【0039】
内側挟持部13は、軸部材5の軸方向から見て、長孔24に挿入可能な概略楕円形に形成されていて、長径部13fと短径部13gとを有し、軸心部には貫通孔13aが設けられている。この貫通孔13aは、外側挟持部9側に大径孔部13bを、外側挟持部9とは反対側に小径孔部13cを有する。
【0040】
大径孔部13bには、前記円筒部9cの先端側が挿入され、小径孔部13cには、軸部材5の小径部5dが挿通される。このとき、小径孔部13cと大径孔部13bとの段差部13eには、軸部材5の中径部5cと小径部5dとの段差部5iが当接する。そして、内側挟持部13に設けたピン取付孔13dと軸部材5の中径部5cに設けた前記ピン取付穴5fとを一致させ、その一致した状態で前記ピン12をピン取付孔13dとピン取付穴5fとに挿入し(A−A'−B−B' を参照)固定する。このとき、小径部5dの雄ねじ部5gは内側挟持部13から外側に突出していて、その突出した部分にナット11が取付けられ、これにより内側挟持部13が軸部材5に固定される。
【0041】
そして、このように構成された取付部3は、図4に示すように本体部2に設けた板状取付部2aに、環状蓋部2bをボルト2cで取付け、取付部2aと環状蓋部2bとの間で、軸部材5の特大径部5aの周縁部を挟持することにより、本体部2に固定される。
【0042】
したがって、例えば本体部2を把持し、図8の二点鎖線に示すように内側挟持部13が長孔24に挿脱可能な角度、例えば第1角度に軸部材5(本体部2)を保持し、つまり本体部2の軸心を水平方向に保持し、長孔24に向けて前進させると、図9に示すように内側挟持部13が長孔24に挿入される。なお、図9は平面図(断面図)であり、図中の6eは奥側の薄肉部を示し、同じく7は奥側のローラーを示す。
【0043】
その後、図8に実線で示すように、軸部材5(本体部2)を第2角度、例えば第1角度と90゜だけ異なる角度に回動させる(ガイド穴部4cを下向きに位置させる)と、図4及び図5に示すように内側挟持部13が長孔24に対し挿脱不可になる。つまり、軸部材5が第1角度では本体部2は端子4が水平に、軸部材5が第2角度では本体部2は端子4が下向きになる。なお、コネクタ1の取外しは、上記とは逆の方向に第2角度から第1角度へと回転させ、長孔24から引き抜くことにより行われる。
【0044】
ここで、第1角度としては、長径部13fが長孔24の長径部24aに、短径部13gが長孔24の短径部24bにそれぞれ一致する角度とされる。第2角度としては、第1角度と90゜だけ異なる角度であって、長径部13fが長孔24の短径部24bに、短径部13gが長孔24の長径部24aにそれぞれ一致する角度とされる。なお、第2角度としては、第1角度と90゜だけ異なる角度にする必要はなく、長径部13fが長孔24から抜け出ることがない任意の角度が選ばれる。
【0045】
そして、本体部2(軸部材5)が第1角度のとき、軸部材5に取付けたローラー7の回転部7aは、薄肉部6eに当接している。その後、この第1角度から第2角度に本体部2を回動させると、回転部7aが本体部2の回動に伴って回動(公転)するとともに、回転部7aの当接箇所が薄肉部6eからカム面6gへと変化してカム面6gにより自転する。このローラー7の自転に伴ってローラー7とカム面6gとの相対位置が変化し、これを受けてローラー7が設けられた軸部材5とカム面6gが設けられたローラーガイド6との相対位置が、軸部材5の軸方向において変わることにより、内側挟持部13と、回動防止部9bを長孔24に挿入した外側挟持部9とが互いに接近する。これにより、内側挟持部13及び外側挟持部9が長孔24の周縁部を挟持することになる。
【0046】
したがって、上述したように、例えば本体部2を把持し、第1角度で内側挟持部13を長孔24に挿入し、その後、第2角度に本体部2を回動させると、内側挟持部13と外側挟持部9とが互いに接近し、これにより取付部3が長孔24に固定され、コンテナ側コネクタ1はコネクタ側端子4を下向きにしてコンテナ20に取付けられる。
【0047】
このコネクタ1の取付けは、例えば本実施形態においては載置台44にコンテナ20を載置した状態で行われ、コンテナ20の下側のすみ金具23に取付けられる。
【0048】
そして、コネクタ1が取付けられたコンテナ20は、自動搬送装置42により載置台44からコンテナラック41の所望の格納部43に搬送されて格納される。この格納に際してコンテナ20が降下されるが、この降下により格納部43に設けられた前記給電側コネクタ30にコンテナ側コネクタ1が連結される。例えば、図10に示すように、一定高さ位置に固定された給電側コネクタ30から外れた位置において自動搬送装置42によりコンテナ側コネクタ1の高さを調整し、その後、前記C方向に水平移動させて給電側コネクタ30に備わった後述するカバー35をスライドさせて給電側端子50の上方を開口させるとともに、給電側端子50の上方へコンテナ側端子4が位置するように配置し、コンテナ20を降下させることで、両コネクタ1、30を備える本発明の一実施形態に係るコネクタ構造が連結される。なお、コネクタ構造を連結状態から分離させる場合は、自動搬送装置42により、コネクタ1を有するコンテナ20を上方に持ち上げることで行われる。
【0049】
次に、給電側コネクタ30につき説明する。
【0050】
図11は、給電側コネクタを示す正面図(断面図)であり、図12はその平面図である。
【0051】
給電側コネクタ30は、上構成部31と中構成部32と下構成部33とを備える。上構成部31は、ガイド部材34と、カバー35と、コイルばね36と、コイルばね36を覆うばねカバー37とを有する。この上構成部31は、支柱30aを介して下構成部33に支持されている(図15参照)。
【0052】
ガイド部材34は、前記支柱30aに取付けられ、ほぼ水平に配されている。このガイド部材34は、コンテナ側コネクタ1の下端部を案内するもので、平面視で概略コの字状に形成されており、右側に開口34aを、前後方向にガイド片34h、34iを有する。各ガイド片34h、34iの内側には、開口34aの近傍部分に、開口34aとは反対側の内奥側に寄る程に互いに狭くなるテーパー状のガイド縁34bが形成され、そのガイド縁34bの内奥側には互いにより間隔が狭くなるコネクタセット部34cが設けられ、コネクタセット部34cの内奥側には更に間隔が狭くなる平行縁を有する凹部34dが設けられている。
【0053】
各コネクタセット部34cには、コネクタ1が丁度嵌り込む円弧部34eがそれぞれ形成されている。また、ガイド部材34の前後方向の両側には、ガイド部材34と一部重なる状態で長尺のばねカバー37が、その長手方向を左右方向に一致させて設けられている。このばねカバー37は、コイルばね36の上方を覆うためのものであり、伸長した状態でも覆うことができる長さ寸法を有する。
【0054】
図13(a)はカバー35を示す平面図、同(b)はその正面図である。
【0055】
カバー35は、概略矩形状のカバー本体部35aと、カバー本体部35aの右側にあって上方に折り曲げられたコネクタ受部35bと、カバー本体部35aの左側にあって上方に折り曲げられた部分の前後両端に設けられた一対のばね係止部35cと、カバー本体部35aの下側に、下方に向けて突出しかつ湾曲した被案内片35dとを有する。なお、各ばね係止部35cのそれぞれには、係止孔35eが設けられている。また、コネクタ受部35bの幅Wは、前記凹部34dの平行縁間の離隔距離よりも短い寸法に設定されている。
【0056】
このカバー35には、シャフト38が取付けられている。このシャフト38は、ガイド部材34に固定された図示しないブッシュを有するブッシュハウジング39を貫通している(図11、図15参照)。これによりこのカバー35は、ガイド部材34の下側であって両ばねカバー37の間に、左右方向へのスライドを可能にして設けられ、カバー35は、左方向(A方向)へのスライドによりガイド部材34の一対のコネクタセット部34cの間を開口させる、つまり開状態になるように構成されている。前記係止孔35eには、弾性手段としてのコイルばね36の一端36aが係止され、コイルばね36の他端36bは上構成部31に設けられた固定片31aに形成した係止孔31bに係止されている。
【0057】
前記コネクタ受部35bは、両コネクタ1、30を連結する際に、前記自動搬送装置42によりA方向へ水平移動されるコネクタ1の下端部を受けるもので、この下端部を受けるとコネクタ受部35bがA方向に移動してカバー35が開く。また、自動搬送装置42によりコンテナ20がA方向と反対方向に移動すると、これに伴ってコイルばね36の引っ張り付勢力によりカバー35がA方向とは反対側へ水平移動し、これによりガイド部材34のガイド片34h、34iの間が閉じる。なお、カバー35の水平移動に際し、被案内片35dは中構成部32の上部により案内される。
【0058】
上記ガイド片34h、34iの間の下側には、複数本、図示例では4本の給電側端子50が配置されている。これら給電側端子50は、図示しない給電用電源に接続されるとともに前記中構成部32の内部に配されていて、ピン50aを上向きにして基台51に取付けられている。また、中構成部32の底板32aには、中構成部32の内部に、例えば雨水等が溜まって給電側端子50が水没するのを防止するために水抜き孔32bが設けられている。この水抜き孔32bを通った雨水等は、下構成部33の天井板33aに沿って外部へ排水される。なお、天井板33aの上側に中構成部32の側板32cが設けられているが、その側板32cの下端部には天井板33aに沿って流れる水を通す切欠部32dが形成されている(図11参照)。
【0059】
上記基台51は、その上端部に、前記コンテナ側端子4の傾斜したガイド穴部4cによりガイドされる丸くなった角落部51aが形成されていて、基台51の下端は、前記下構成部33の内部に設けた調心機構52に、連結部材53を介して連結されている。前記角落部51aは、後述するように調心機構52を調心させる力を得るために設けられている。
【0060】
調心機構52は、図14(平面図)に示すように、基台51及び連結部材53を介し給電側端子50を支持する水平移動台54を有し、この水平移動台54を水平なX−Y面上と前記X−Y面に直交するZ方向(図11参照)とに移動可能に支持し、上側に位置する鉛直方向下向きの凹状をしたコンテナ側端子4と鉛直方向上向きに突出した凸状をした給電側端子50を嵌合させる際に、コンテナ側コネクタ1から受ける力に基づいて給電側端子50、具体的には基台51(又は水平移動台54)を調心させる機能を有する。
【0061】
調心機構52は、具体的には図14に示すように、X−Y面に沿って水平移動台54を移動させる互いに平行なXガイド対55と、該Xガイド対55とは直交し、互いに平行なYガイド対56と、Yガイド対56にそれぞれ移動可能に設けたスライド部材対57と、Yガイド対56を支持する一対の支持部材58と、図15(図11の左側面図)に示すように、各支持部材58をZ方向に弾性支持するコイルばね59と、各支持部材58に下側に突出するように取付けられ、コイルばね59の内側を通る棒状の案内部材60と、図11に示すように水平移動台54をY方向に移動させて、水平移動台54をX−Y面上の所定の水平位置に戻すための水平戻し用コイルばね61とを有する。コイルばね61は、一端に取付けた支持具63aを水平移動台54の下面に固定し、コイルばね61の他端に取付けた支持具63bを支持部材58に固定して設けられている。
【0062】
上記コイルばね59は、図15に示すように軸心方向を上下方向にして配されていて、下端を水平台62の上に当接し、上端を支持部材58の下に当接して設けられている。案内部材60は、その上端部が支持部材58の下部に取付けられ、下端側の頭部60aは、水平台62に形成した案内穴62aに入った状態に設けられている。案内穴62aは下側が大きく、上側が小さいもので、その段付部62bにより頭部60aが上方へ抜け出ないようになっている。また、段付部62bの下側は頭部60aを上下方向に案内する。
【0063】
上記Xガイド対55とYガイド対56とは同一水平面上に設けられており、Yガイド対56の間にXガイド対55が設けられ、Xガイド対55それぞれの両端部が、Yガイド対56にそれぞれ移動可能に設けたスライド部材対57に連結されている。また、Yガイド対56のそれぞれの両端部は支持部材58に連結されている。
【0064】
このように構成された調心機構52は、上述したように上側に位置するコンテナ側端子4が降下して給電側端子50に嵌合する際に、コンテナ側コネクタ1から受ける力に基づいて給電側端子50を、X方向、Y方向およびZ方向に調心させる。また、給電側端子50に嵌合したコンテナ側端子4を分離させるべくコンテナ側コネクタ1を上昇させると、水平戻し用コイルばね61が水平移動台54に支持された給電側端子50をX−Y面上の所定の水平位置に戻す。また、コイルばね59が給電側端子50をZ方向の所定の高さ位置に戻すようになっている。
【0065】
そして、このような給電側コネクタ30に対し、上述したように自動搬送装置42によりコンテナ20を該当するコネクタ格納部43に格納させるべく、コンテナ20を降下していくと、コンテナ側コネクタ1が下側の給電側コネクタ30に連結される。このとき、コンテナ側端子4と給電側端子50との間で偏心があると、コンテナ側コネクタ1のガイド穴部4cが、給電側コネクタ30の基台51に設けた角落部51aに当接し、この当接力により基台51(又は水平移動台54)が偏心方向とは反対方向に移動する。この移動によりコンテナ側コネクタ1のガイド穴部4cの軸心と基台51の軸心とが一致し、コンテナ側コネクタ1の前記装着穴部4bに基台51の上部が嵌合し、両端子、4、50が電気的に接続されるとともに、両コネクタ1、30が連結される。なお、この連結状態は、中構成部32に設けた近接スイッチ等のセンサ64により検出される(図11参照)。
【0066】
以上のようにして両コネクタ1、30が連結されることで、前記給電用電源と冷却器22とが電気的に接続可能な状態となり、給電用電源と冷却器22との間に設けた図示しないスイッチのオン・オフ操作により給電用電源からの電力が冷却器22へ送られ、或いは停止される。
【0067】
以上のように構成された本実施形態に係るコネクタ構造による場合には、凹部4aを有するコンテナ側端子4が、その凹部4aの開口側を鉛直方向下向きとしているので、凹部4aに塵や塩分が溜まり難くすることができ、これによりコンテナ側と給電側の端子4、50間の接続不良や短絡などを起こり難くすることができる。また、給電側コネクタ30に水抜き孔32bを設けているので、給電側端子50からの漏電を抑制することができる。更に、給電側端子50に塵や塩分が付着するのを、カバー35によっても防止することが可能になる。
【0068】
更にまた、本実施形態にあっては、コンテナ側コネクタ1の高さをカバー35に対応させ、その後コンテナ側コネクタ1を水平移動させることによりカバー35を閉状態から開状態にすることができる。また、コンテナ側コネクタ1を給電側コネクタ30から外すと、カバー35が弾性手段としてのコイルばね36により開状態から閉状態へ戻される。よって、手動操作を必要とせず、機能的かつ安全的にカバー35の開閉が可能となるとともに閉め忘れを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】湾岸近くの臨海地域に設けられた自動コンテナ倉庫を示す斜視図である。
【図2】冷却用コンテナを示す外観斜視図である。
【図3】長孔の形態の説明図である。
【図4】コンテナ側コネクタをコンテナに取付けた状態を示す正面図(部分断面図)である。
【図5】図4を底面側から見た部分断面図である。
【図6】コンテナ側コネクタの一部(取付部)を示す分解斜視図である。
【図7】(a)はローラーガイドを軸心方向の右側から見た図であり、(b)はその左側面図、(c)はその右側面図、(d)はその平面図、(e)はその底面図である。
【図8】二点鎖線は挿脱可能な第1角度に軸部材(本体部)を保持した状態、実線は挿脱不可な第2角度に軸部材(本体部)を回動させた状態を示す。
【図9】内側挟持部が長孔に挿入された状態を示す平面図(断面図)である。
【図10】本発明の一実施形態に係るコネクタ構造を構成するコンテナ側コネクタと給電側コネクタとを連結する説明図である。
【図11】給電側コネクタを示す正面図(断面図)である。
【図12】給電側コネクタを示す平面図である。
【図13】(a)はカバーを示す平面図、(b)はその正面図である。
【図14】調心機構を示す平面図である。
【図15】図11の左側面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 コンテナ側コネクタ
4 コンテナ側端子
4a 凹部
20 冷却用コンテナ
22 電気式冷却機
30 給電側コネクタ
32b 水抜き孔
35 カバー
36 コイルばね(弾性手段)
50 給電側端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電手段に繋がった給電側端子を有する給電側コネクタと、冷却用コンテナに設けられた電気式冷却機と電気的に接続されるコンテナ側端子を有するとともに前記冷却用コンテナに取付けられるコンテナ側コネクタとが、前記給電側端子と前記コンテナ側端子とを嵌合させることにより電気的に接続されるコネクタ構造において、
前記コンテナ側コネクタが前記給電側コネクタに対して上方から接続され、その上方側に位置する前記コンテナ側コネクタに設けられたコンテナ側端子が鉛直方向下向きに開口した凹状に形成され、逆に前記給電側コネクタに設けられた前記給電側端子が凹状のコンテナ側端子に嵌合される上向きに突出した凸状に形成されていることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタ構造において、
前記給電側端子を有する前記給電側コネクタに、前記給電側端子の水没を防止する水抜き孔が設けられていることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコネクタ構造において、
前記給電側コネクタに、前記給電側端子の上方を覆うカバーが設けられていることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項4】
請求項3に記載のコネクタ構造において、
前記カバーは、水平方向に移動して開閉するとともに弾性手段により開状態から閉状態へ戻されるように構成され、高さ調整された前記コンテナ側コネクタの水平移動により閉状態のカバーが開状態にされることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項1】
給電手段に繋がった給電側端子を有する給電側コネクタと、冷却用コンテナに設けられた電気式冷却機と電気的に接続されるコンテナ側端子を有するとともに前記冷却用コンテナに取付けられるコンテナ側コネクタとが、前記給電側端子と前記コンテナ側端子とを嵌合させることにより電気的に接続されるコネクタ構造において、
前記コンテナ側コネクタが前記給電側コネクタに対して上方から接続され、その上方側に位置する前記コンテナ側コネクタに設けられたコンテナ側端子が鉛直方向下向きに開口した凹状に形成され、逆に前記給電側コネクタに設けられた前記給電側端子が凹状のコンテナ側端子に嵌合される上向きに突出した凸状に形成されていることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタ構造において、
前記給電側端子を有する前記給電側コネクタに、前記給電側端子の水没を防止する水抜き孔が設けられていることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコネクタ構造において、
前記給電側コネクタに、前記給電側端子の上方を覆うカバーが設けられていることを特徴とするコネクタ構造。
【請求項4】
請求項3に記載のコネクタ構造において、
前記カバーは、水平方向に移動して開閉するとともに弾性手段により開状態から閉状態へ戻されるように構成され、高さ調整された前記コンテナ側コネクタの水平移動により閉状態のカバーが開状態にされることを特徴とするコネクタ構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−108713(P2010−108713A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278579(P2008−278579)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000232818)日本郵船株式会社 (61)
【出願人】(304035975)株式会社MTI (46)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000232818)日本郵船株式会社 (61)
【出願人】(304035975)株式会社MTI (46)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】
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