コネクタ装置
【課題】コネクタ本体とコネクタ接続体の離脱を確実に防ぎ、これに起因する種々の不都合を回避する。
【解決手段】押さえ板300が案内溝301を摺動して、案内カバー303に挿入される(ロック機構)。これにより雄側コネクタ1の係止体304の弾性変形を許容する空間が塞がれ、係止体304に係合している雌側コネクタ9の突起93の移動を防ぎ(第一の係合機構)、雄側コネクタ1と雌側コネクタ9が接続しているとき、係止体304と突起93の係合が不用意に解除されない。さらに、押さえ板300の係止孔307と案内カバー303の突起303bとが係合する(第二の係合機構)。これにより、押さえ板300が固定され、上記ロック機構が不用意に解除される可能性をさらに低くし、雄側コネクタ1と雌側コネクタ9の離脱を確実に防ぐ。
【解決手段】押さえ板300が案内溝301を摺動して、案内カバー303に挿入される(ロック機構)。これにより雄側コネクタ1の係止体304の弾性変形を許容する空間が塞がれ、係止体304に係合している雌側コネクタ9の突起93の移動を防ぎ(第一の係合機構)、雄側コネクタ1と雌側コネクタ9が接続しているとき、係止体304と突起93の係合が不用意に解除されない。さらに、押さえ板300の係止孔307と案内カバー303の突起303bとが係合する(第二の係合機構)。これにより、押さえ板300が固定され、上記ロック機構が不用意に解除される可能性をさらに低くし、雄側コネクタ1と雌側コネクタ9の離脱を確実に防ぐ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路や機器などの相互間を、電気的に接続したり、切り離したりするのに用いられるコネクタ装置(電線接続器)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コネクタ装置の多くのものは、突状のコンタクト(以下コネクタピンという)を有する雄側コネクタと、このコネクタピンに接触して電気的に接続されるコンタクトを有する雌側コネクタとから構成され、雄側コネクタのコネクタピンを雌側コネクタの凹部に差し込むようにして使用される。
【0003】
一方、エレクトロニクスの発達にともなって、電子機器の複雑化、小型化等が図られ、コネクタ装置に関しても、取り扱う電線(信号)数が増加するとともに、装置の小型化が図られている。したがって、例えば、特許文献1に記載されているように、雄側コネクタには、細いコネクタピンが密集して多数使用されるようになってきている。
【0004】
さらに最近では、電子機器の小型化や当該電子機器接続の無線化が進んだことにより、車体内部のコンピュータに電子機器を接続して、車体の走行データを蓄積したり、蓄積された電子的情報を無線電波で取り出されたりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−74663号公報
【特許文献2】特開2005−276708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このため、このようなコネクタ装置では、常時接続していることが多くなり、雄側コネクタと雌側コネクタが、突発的な振動や衝突が起きた場合に、安易に離脱して通信エラーを生じたり、内部のコネクタピンが破損したりするという問題があった。
【0007】
また、車が故障したり不具合が生じたときには試行運転が行われ走行データを取り出して分析がなされるが、より正確な診断をするためには、車が正常に走行している状態のデータも含むできるだけ多くの走行データを蓄積しておき、これらの情報に基づいて修理や点検に役立てたいというニーズがあった。
【0008】
そこで本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、雄側コネクタと雌側コネクタの安易な離脱を確実に防ぐことを目的とする。また、これに起因する通信エラーなど種々の不都合を回避できるコネクタ装置を提供することを目的とする。また、コネクタ装置とこれに接続される装置とによって車内のスペースを確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、コネクタ本体とコネクタ接続体の接続を支える係合機構の上部に押さえ板をスライドして、押さえ板と案内カバーとで、係止体と被係止体からなる第一係合機構の動きをロック、押止または付勢する、ロック機構を設けた。
【0010】
さらに本発明では、案内溝に案内カバーを設け、この案内カバーと押さえ板とはいずれか一方には凹型の第二係止体が設けられ、他方には凸型の第二被係止体が設けられ、当該凹型第二係止体と当該凸型第二被係止体とが係合する第二の係合機構を設けた。これにより、上記ロック機構の意図しない解除を防ぐことができる。この第二係合機構は、上記ロック機構の作用とともに作用し、当該ロック機構が解除されるとともに、当該第二係合機構も係合が解除される。
【0011】
上記のように、係合しやすく解除しやすい係合機構に、ロック機構が加わったことにより、ケーブルでコネクタ本体とコネクタ接続体をつないで、さらにケーブル、コネクタ本体、コネクタ接続体のいずれかと電子情報取り出し装置をつないだコネクタ装置を、自動車内のコンピュータ側と常時接続することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、コネクタ本体とコネクタ接続体の一方を他方に押し込めば、コネクタ本体とコネクタ接続体は、接続可能となる。コネクタ本体とコネクタ接続体を接続した際、ロックをしなくても接続は維持されるが、ロックをすることで、突発的な衝突や衝撃による離脱を確実に防ぐことができる。また逆に、接続していないコネクタ本体にロックを施せば、意図しない接続を防ぐことができる。
【0013】
また、上述の第二の係合機構のはたらきにより、コネクタ本体とコネクタ接続体が容易に離脱しない効果をさらに高めることができる。
【0014】
また、差し込みやすくはずしやすい係合機構に、意図しない接続解除を防ぐロック機構を加えたことにより、コネクタに、分岐ケーブルとつなげた電子的情報取り出し装置などを設けることが可能になり、しかも接続解除が防がれるので、情報取り出しが途中で中断されてエラーになることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(1)第一実施例
以下、第一実施例について、図1〜図5に基づき、説明する。図1および図2は、この発明の一実施の形態にかかるコネクタ装置の全体構成を示している。このコネクタ装置Aは、雄側コネクタ1と雌側コネクタ9とからなる自動車用のものであり、自動車修理業者が自動車内のコンピュータ側の作動チェック等を行う場合に用いるものである。このコネクタ装置Aのコネクタ接続体となっている雌側コネクタ9は、例えば、車内インパネ下部内または、ボンネット内に設置されていて、自動車内のコンピュータ側と電気的に接続されている。
【0016】
図3は雄側コネクタ1の外観および構成部品の詳細を示している。雄側コネクタ1は、ハウジング305と、雄側コネクタ1の本体であるピン保持部3と、16本のコネクタピン4と、ガイド部33と、押さえ板300とからなる。
【0017】
上記ハウジング305は、電気絶縁性を有する樹脂材で成形されており、図3で示されるように、前後が開放された中空状で、断面台形状をしている。ハウジング305は、底面から側面、上面へと連続して形成されるが、上面の中央で上面の幅の約3分の1を残して途切れ、切り欠き部313を形成する。この切り欠き部313の内側には、係止板304(第一係止体)が設けられる。
【0018】
上記係止板304は、上記切り欠き部313よりやや少ない幅のやや長い板体で、本コネクタの連結方向に沿って前後方向にのび、左右両側は上記ハウジング305と連続してはおらず切り離されている。この係止板304は、ハウジング後部の段部311において、ハウジング305およびピン保持部3と、ハウジング305の上面よりわずかに高い位置で一体化あるいは連結されている。
【0019】
このため、当該係止板304の前面は、弾性的に上下に揺動させて変形させることができる。この係止板304の左右両端縁の上面は一段高く形成され、当該係止板304のほぼ中央には矩形状の係止孔304bが形成される。この係止孔304bは雌側コネクタの突起93(第一被係止体)と係合して第一の係合機構として機能し、雌側コネクタ9と雄側コネクタ1の連結または接続固定が可能となる。
【0020】
上記ハウジング305の上面には、上記切り欠き部313を覆うように、案内カバー303が形成されている。この案内カバー303は、上記切り欠き部313および係止板304の左右両側でハウジング305の上面から垂直に立ち上がって、中央側へ互いに屈曲し、水平方向へのびて一体に連結され上面が水平なトンネル状に形成されている。この案内カバー303内の上記係止板304の左右両側および上方は空間Sおよび案内孔303cとなっている。
【0021】
上記案内カバー303の後端から中央やや先端よりの位置にかけては、スリット314、314が2か所形成されている。このため、案内カバー303上面の後部は3つに分かれ、真ん中の部分の板状の係止板(第二係止体)303dが弾性的に変形可能となっている。図2に示されるように、案内カバー303後部の両端の内側には突起303a、303aが、案内カバー303の後部中央下面、すなわち係止板303dの下面先端には突起303b(第二係止体)が形成される。
【0022】
図5(b)は、コネクタピン4、ガイド部33、押さえ板300(固定体、ロック機構、第二被係止体)が装着された雄側コネクタ1の断面図を示す。図3および図5(b)に示されるように、ピン保持部3は、平行な複数のコネクタピン4…を、所定距離だけ前方に突出させて保持する。
【0023】
この場合、8本ずつのコネクタピン4…が、上下2段で、かつ、左右に一定のピッチで支持される。このピン保持部3には、図3で示されるように、断面矩形状の基部30の前方側に、段部31を介してこれよりやや大きいサイズの断面台形状の挿入部32が形成される。
【0024】
また、この挿入部32のさらに前面の中央には、前方および左右水平方向に伸びる1枚の板状のガイド部33が、取り付けられている。基部30および挿入部32において、ガイド部33の上方と下方には、コネクタピン4差し込み用の挿通孔34が、前後に貫通するように形成される。
【0025】
ガイド部33は、上記雄側コネクタ1を上記雌側コネクタ9に位置ずれなく差し込めるように案内し、雌側コネクタ9を上記ハウジング305に対して位置ずれなく前後に案内する。当該ガイド部33は、上記コネクタピン4より強度の大きい材料で形成されていて、上記コネクタピン4を保護する働きも有している。
【0026】
当該ガイド部33は、コネクタピン4差し込み用の挿通孔34…の上下2段の中間に位置し、挿入部32の左右幅一杯に設けられた差込孔36に差し込んで位置決めされる。なおピン保持部3は、電気絶縁性を有する樹脂材によってハウジング305とともに一体的に形成されているが、このガイド部33は、別の高強度材から形成され、挿入部32に固定されもよいし、ハウジング305とともに一体形成されてもよい。
【0027】
コネクタピン4は、薄くて細長い電性材料から形成されている。このコネクタピン4は、図3で示されるように、前端の先端部40がやや尖っているとともに、中間よりやや前方よりの位置の、上下左右が後方に向かって漸次広がって、固定用の拡幅部41が形成されている。このコネクタピン4は、ピン保持部3の挿通孔34内に後方から差し込まれるが、前部が所定の長さだけピン保持部3の挿入部32から突き出た状態で、拡幅部41が挿通孔34内に圧入されて、このピン保持部3に固定される。このコネクタピン4の断面形状と挿通孔34の断面形状とは同じ四角形であり、一方は他方の断面形状に一致していて、余分な隙間ができない。
【0028】
この場合、上下2段計16本のコネクタピン4…の内、下段の中央2つのコネクタピン4A、4Aは、他のものよりやや長く形成されているので、他のものより挿入部32から多めに突出している。なお、このコネクタピン4は、ピン保持部3内の部材にカシメられたり、嵌合されたり、嵌着されたり、はめ込み固定されたり、半田付けされたりしてもよい。
【0029】
案内溝301は、図3で示されるように、ピン保持部3の上面中央にある取付部302の左右両側に断面鉤型状に前後に長く延びて形成される。
【0030】
押さえ板300は、図3で示されるように、前後に長い板体である。この押さえ板300の後部上面は、後端にかけて傾斜して徐々に高くなって操作部306が形成される。この操作部306の表面は凹凸状の滑り止めが形成され、左右両側下方には、外方に向けて凸状に突き出した突片310、310が形成される。さらに、当該押さえ板300の中央には、左右に長い矩形状の係止孔307が開けられ、この係止孔307内の前方側の一辺は傾斜している。
【0031】
上記押さえ板300の前端面には、上下を貫く切り欠き部315、315が前端より係止孔307の手前まで前後方向に2か所形成されている。このため、当該押さえ板の前端部には3つからなる脚部308、308、309が形成される。両側の脚部308、308は、左右対称の形状で、上面から前端面にかけて傾斜し、両外側には、突起316、316が形成されている。中央の脚部309は、両側の脚部308よりやや短く太い形状で、上面から前端面にかけて傾斜している。
【0032】
上記押さえ板300をハウジング305上面の取付部302に取り付けるには、押さえ板300の脚部308、308の突起316、316を案内溝に差し込み、押さえ板300全体を前方へ押しこんで、脚部308、308、309を案内カバー303の案内孔303c内へと挿通させる。
【0033】
さらに押さえ板300を押し込むと、押さえ板300後部の突片310、310が案内溝へと挿通される。さらに押さえ板300を前方へ移動させると脚部308、308の両外側の突起316、316と案内カバー303の後部に下向きに設けられた突起303a、303aとが係合する。これにより、押さえ板300は、案内孔303cから離脱不能となり、押さえ板300の操作部306を強く押したり引いたりすると、取付部302と案内カバー303の間の前後方向を摺動自在に動くことができる。
【0034】
上記押さえ板300、案内溝301、301、案内カバー303、案内孔303cはロック機構を構成する。このロック機構は、上記第一係合機構をロック、押止または付勢する。上記押さえ板300の係止孔307は第二被係止体として、上記案内カバー303の突起303bは第二係止体として機能し、第二の係合機構を構成する。
【0035】
図4は雌側コネクタ9の外観を示している。雌側コネクタ9は、雄側コネクタ1内に挿入される本体部90と、本体部90の後方に形成されている取付部100とから構成されている。本体部90は、雄側コネクタ1のハウジング305内へ移動できるように、断面がハウジング305の前部に沿った台形状に形成されている。
【0036】
この本体部90には、前面側に、雄側コネクタ1のコネクタピン4…が差し込まれる差込孔91…と、雄側コネクタ1のガイド部33とが差し込まれるスリット状のガイド孔92とが形成されている。なお、差込孔91内方には、雄側コネクタ1のコネクタピン4…と電気的に接触して接続されるコンタクト(図示せず)が配置されている。
【0037】
また、上記本体部90の上面には、中央前部に突起93(第一被係止体)が形成され、この突起93は、雄側コネクタ1の係止板304(第一被係止体)と係脱可能となっている。この突起93の上面は平らで、前端面が上向きに傾斜して形成された挿入面93aとなっており、この挿入面93aと突起93の上面からなる角は面取りされている。当該突起93の後端面は上向きに傾斜して形成された係止面93bとなっている。この突起93は、本体部90上面の中央よりやや前方に設けられている。
【0038】
取付部100は、自動車の車内インパネ下部内またはボンネット内の所定位置に取り付けられる。この場合、自動車のコンピュータ側配線と本体部90内の上記コンタクトとが電気的に接続される。
【0039】
(2)第一実施例におけるコネクタ装置の作用および効果
まず、雄側コネクタ1を雌側コネクタ9に接続する場合について図1〜図8に基づき説明する。図6〜図8は、雄側コネクタ1を雌側コネクタ9に完全に差し込んだ(接続した)状態の外観図を示しており、図6および図8は雄側コネクタ1と雌側コネクタ9とを接続した状態に、さらにロック機構を作用させた場合の外観図で、図8は図6の一部断面図を示している。図7は、図6のロック機構を解除した状態の一部断面図を示している。
【0040】
雄側コネクタ1が雌側コネクタ9の方に移動されて、雌側コネクタ9の本体部90が雄側コネクタ1の空間Vに挿入されると、ガイド部33が雌側コネクタ9のガイド孔92に差し込まれる。
【0041】
そして、雄側コネクタ1が、ガイド孔92に案内されつつ、さらに雌側コネクタ9の方へ移動すると、雌側コネクタ9の突起93の傾斜した挿入面93aが雄側コネクタ1の係止板304の下に入り込み、係止板304を傾斜に沿って徐々に押し上あげ、この係止板304を弾性的に変形させて持ち上げる。同時にコネクタピン4、4Aが雌側コネクタ9の差込孔91、91に差し込まれる。
【0042】
つづいて、雄側コネクタ1側の係止板304(第一係止体)の係止部304aが、雌側コネクタ9の突起93(第一被係止体)の上面を移動する。そして、係止板304の係止部304aが雌側コネクタ9の突起93の後端の係止面93bから滑り下りると、残りのコネクタピン4…が雌側コネクタ9の差込孔91…に差し込まれるとともに、雄側コネクタ1のコネクタピン4と雌側コネクタ9のコンタクトとの電気的接触が完了し、両コネクタ1、9の接続が完了する。この場合、雄側コネクタ1の係止部304aと、雌側コネクタ9の係止面93bとが係合している。
【0043】
接続を解除する場合は、雄側コネクタ1を雌側コネクタ9から引き抜くだけで、係止部304aは雌側コネクタの突起の係止面93bの斜面を乗り上げて、突起93の上面を移動し、突起93aの斜面を下りて、接続が解除される。
【0044】
上述のように、第一実施例におけるコネクタ装置Aでは、雄側コネクタ1の雌側コネクタ9側への移動に当たり、両コネクタ1、9は不都合なく容易に接続され、また容易に接続解除される。
【0045】
しかし、容易な接続および接続解除が可能なコネクタ装置は利便性が高いものの、意図しない接続および接続解除も生じやすい。そこで本実施例では、そのような課題を克服するために、上記第一係合機構をロック、押止または付勢して、意図しない接続解除を防ぐロック機構を備えた。以下、当該ロック機構について説明する。
【0046】
上記ロック機構は、図7および図8に示されるように、上記雄側コネクタ1と上記雌側コネクタ9とが接続された場合に、これらの接続が無用に解除されるのを防ぐもので、押さえ板300と案内溝301、301と案内カバー303と案内孔303cとから構成される。
【0047】
コネクタ装置Aにおいて、雄側コネクタ1と雌側コネクタ9とが接続されたのち、ロック機構を作用させる場合、まず、ピン保持部3の上面の取付部302に取り付けられた押さえ板300を、後端面から前方へ向けて押してスライドさせ、押さえ板300を案内カバー303の内部の案内孔303cへと押し込む。すると、案内溝301、301の内部にある、押さえ板300の突片310、310がスライドする。
【0048】
さらに押さえ板300を前方へスライドさせると、案内溝301の内部をスライドする突片310、310が段部31に突き当たって、スライドが止まる。このとき、押さえ板300の前部に形成された脚部308、308、309が、案内カバー303の下面と係止板304の上面の間の空間Sを移動して案内カバー303の前端面まで達し、案内カバー303の下面と係止板304上面の間の案内孔303cの空間Sを押さえ板300が塞ぐ。
【0049】
上記により、接続解除に必要不可欠な空間Sが塞がれ、この空間Sによって雄側コネクタ1の係止板304が、雌側コネクタの突起93bの斜面を乗り上げて突起93上面を移動し、突起93aの斜面を滑り降りることができなくなる。つまり、雄側コネクタ1の雌側コネクタ9からの離脱に必要で、この離脱時に係止板304の弾性変形を許容する空間Sが塞がれるため、両コネクタ1、9の意図しない接続解除が防がれる。
【0050】
本実施例では、上記ロック機能が不用意に解除されないように、さらに第二の係合機構を設けた。以下、第二の係合機構について、図7および図8に基づき説明する。
【0051】
上記ロック機構を作用させるため、上記のように押さえ板300を案内カバー303の内部の案内孔303cの空間Sへと移動させると、案内カバー303の下面の突起303bが押さえ板300の中央の脚部309の斜面を乗り上がる。さらに押さえ板300を前方へ移動させると、突起303bは押さえ板300の上面をスライドし、押さえ板300が案内カバー303内部へと入り込む。
【0052】
さらに押さえ板300を前方へ押すと、突起303bが、押さえ板300のやや後方の位置に形成された係止孔307の内側の斜面を滑り下り、案内カバー303の突起303bが係止孔307の内に入って、第二の係合機構が係合し、ロック機構がロック、押止または付勢される。これにより、押さえ板300が大きな振動などで不用意に後方の取付部302へ復帰する可能性はなくなり、押さえ板300と案内カバー303および案内孔303cによってロック機構の意図しない解除が防がれ、ロック機構の効果をさらに高めることができる。
【0053】
次に、上記ロック機構を解除する場合について図7および図8に基づき説明する。まず、上記押さえ板300の操作部306に対し後方へ移動するよう強く力を加えると、案内カバー303の中央下面の突起303bが係止孔307の内斜面を乗り上げて、第二係合機構が解除される。
【0054】
さらに操作部306を後方へとスライドさせると図7に示すように、案内孔303cの空間Sを塞いでいた押さえ板300の脚部308、308、309が案内カバー303の後部へと移動する。このため、空間Sが開放され、雄側コネクタ1の係止板304の弾性変化が許容され、押さえ板300は取付部302に復帰する。これにより、当該ロック機構のロック、押止または付勢が解除される。当該ロック機構が解除されると、雄側コネクタ1を雌側コネクタ9から再び容易に引き抜いて接続解除することができる。
【0055】
上記のようにロック機構を解除し、押さえ板300が取付部302に復帰したのち、さらに後方へ押した場合、押さえ板303の脚部308、308の外側に形成された突片316、316と案内カバー303後部の突起303a、303aが係合するため、押さえ板300がさらに後方へ移動して取付部302から抜け落ちることはない。
【0056】
上記ロック機構は、図2に示されるように、押さえ板300の脚部308、308と、案内カバー303の案内孔303cの側面内側との接触面に大きな摩擦を有するようにきつく圧入されることにより、取付部302と案内カバー303の間のどの位置でも停止可能にスライドする。
【0057】
このため、上記第二係合機構が設けられていない場合でも、強い力が加わらないかぎり、上記ロック機構が解除されることはない。しかし本実施例では、車の走行時に大きな振動などが生じたときにもコネクタ装置Aの無用な接続解除が確実に防がれるよう、上記ロック機構に加えて当該第二係合機構を設けて、さらに接続解除防止効果を高めている。
【0058】
また、上記の第二係合機構は、ロック機構を構成する押さえ板300と案内カバー304とを共用しているため、追加の部品や操作をまったく必要としないで、上記ロック機構の効果を高め、構造も簡単となる。
【0059】
次に、コネクタ装置が接続していない状態におけるロック機構の作用・効果について説明する。両コネクタ1、9が接続していないときに、雄側コネクタ1にロック機構を作用させると、上述の通り、押さえ板300により案内カバー303の案内孔303cの空間Sが塞がれる。このため、雌側コネクタ9の突起93が雄側コネクタ1の係止板304の下に入る余地がなくなり、両コネクタ1、9の意図しない接続を防ぐことができる。
【0060】
このコネクタ装置Aでは、ピン保持部3のガイド部33の強度がコネクタピン4…のそれより大きいため、コネクタピン4…に比べてガイド部33が変形しにくい。したがって、このコネクタ装置Aでは、ガイド部33の保護によって、コネクタピン4…全体または一部曲げられるのを防止できる。
【0061】
(3)第二実施例
以下、本発明の第二実施例を、図1〜図4、図9、図10に基づいて説明する。
図9および図10は、第二実施例の全体構成を示している。このコネクタ装置A1は、雄側コネクタ1Aと雌側コネクタ9Aと、ケーブル400および401と、電子データ取り出し装置500とからなる自動車用のものである。
【0062】
上記コネクタ装置A1のコネクタ接続体となる雌側コネクタ9Aは、その取付部100を車両のハンドル下のカバー(ダッシュボードまたはインパネ)の設置孔に内側から脱着可能に取り付けられ、本体部90を露出させ、車体外側の外部コンピュータや計器に取り付けられた雄側コネクタ1と接続できるようになっている。
【0063】
上記雄側コネクタ1Aおよび雌側コネクタ9Aは、上述の(1)第一実施例で説明した雄側コネクタ1および雌側コネクタ9と同一のコネクタ装置で、上記第一係合機構により双方が接続固定され、この第一係合機構をロックする上記ロック機構を備え、このロック機構を補助する上記第二係合機構を備える。
【0064】
上記車体のカバー内部において、上記雌側コネクタ9Aは、同コネクタ9A後方の取付部100から後方にのびたケーブル401…を介して雄側コネクタ1Aと電気的に接続されている。
【0065】
さらに、上記雌側コネクタ9Aは、取付部100から分岐してのびたケーブル400…を介して上記電子データ取り出し装置500と電気的に接続されている。すなわち、コネクタ装置A1は、雌側コネクタ9Aの取付部100から、ケーブル400…とケーブル401…とが、二方向へ分岐して、雄側コネクタ1Aおよび電子データ取り出し装置500と電気的に接続されている。
【0066】
上記電子データ取り出し装置500は、電気絶縁性を有する樹脂材のケースで、矩形状をしており上下に分かれている。この装置500の内部には、ICチップ、メモリカードなどの記憶媒体(図示せず)が備えられ、このICチップ等には速度や加速度、ステアリング、故障歴、メンテナンス歴などECUと関連するすべての走行データが蓄積される。
【0067】
上記コネクタ装置A1のケーブル400およびケーブル401の両端は、両コネクタ1A、9Aおよび電子データ取り出し装置500の内部の部材にカシメられたり、嵌合されたり、嵌着されたり、はめ込み固定されたり、半田付けされたりして脱着不能に固定されている。
【0068】
上記装置500に接続されるケーブル400の本数は、ケーブル401と同じ本数を設けることができる。ケーブル400および401の本数は、雄側コネクタ1Aのコネクタピンの数を上限とする範囲で、増減することができる。
【0069】
(4)第二実施例におけるコネクタ装置の作用および効果
第二実施例を用いた場合の作用および効果を説明する。
上記コネクタ装置A1の雄側コネクタ1Aを、第一実施例における、自動車内のコンピュータ側と電気的に接続した雌側コネクタ9と接続させる。これにより、車両内部に電子データ取り出し装置500を搭載して、走行距離、速度、加速度、ステアリング、メンテナンス状況、故障歴などECUに関連するすべての情報を、電子データ取り出し装置500に取り出して常時蓄積することが可能となる。
【0070】
しかし、上記の雄側コネクタ1Aと雌側コネクタ9の接続は、第一係合機構という脱着可能な方法でコネクタ装置の接続が行われているため、常に車を走行させている状況では、車への衝撃や振動によって不用意に接続が解除される可能性があった。そのため、第一実施例で詳述したように、雄側コネクタ1Aと車体のコンピュータとつながった雌側コネクタ1に上記ロック機構でロックをかけて、ロック機構を機能させることで、走行時に大きな振動が生じたときにも、コネクタ装置の意図しない接続が防がれる。
【0071】
第一実施例では、走行データを蓄積して取り出すことができるのは、自動車側コンピュータとつながった雌側コネクタ9に、車両のパネルの外側から自動車修理用計器とつながった雄側コネクタ1を接続させた場合に限られていた。しかし、車室内からコネクタをつなぐと、ケーブルがハンドル下から伸びて車内の空間が狭くなり、パソコンや計器を置くスペースも取られていた。
【0072】
第二実施例では、第一実施例のコネクタ装置Aにケーブルでつないだコネクタ装置A1を、コネクタ装置Aの雄側コネクタ1と雌側コネクタ9の間に接続させ、ロック機構を機能させることによって、電子データ蓄積装置500を車内のパネルの内部に設置して、常時走行データを蓄積することが可能になった。これにより、車に故障や不具合が生じたときなどの診断が必要な時に応じて、随時、電子データを取り出すことができる。
【0073】
常時コネクタを接続させている場合には、車に生じた突発的な大きな振動や衝撃によって、コネクタの接続が不用意に解除され、接続されている電子機器にエラーが生じる恐れがあったが、ロック機構とロック機構を補助する第二係合機構によって、不用意な接続解除を防いで、安全確実に接続を維持することができる。
【0074】
また、上記電子データ蓄積装置500に無線装置、例えばブルートゥースを搭載して、無線電波で蓄積された走行データを車外、例えば自動車修理店内で取り出すことも可能である。また、ECUを電子データ取り出し装置500の中に収納させてもよいし、ETCやカーナビゲーション機能も搭載させてもよく、これらのデータも取り出し可能となる。
【0075】
上記電子データ取り出し装置500は、雌側コネクタ9Aとだけではなく、雄側コネクタ1Aまたはケーブル401を介して電気的に接続されてもよい。
【0076】
(5)第三実施例
図11および図12は、第三実施例にかかるコネクタ装置A2の全体構成を示している。このコネクタ装置A2は雄側コネクタ1Bと電子データ取り出し装置500Aとからなる自動車用のものであり、第一および第二実施例同様、自動車修理業者またはその他の業者が自動車内のコンピュータ側の作動チェック等を行う場合に用いるものである。また、この雄側コネクタ1Bは、第一実施例、第二実施例の雄側コネクタ1および1Aと同一のものである。
【0077】
図11(a)は雄側コネクタ1Bを構成するハウジング305、ピン保持部3、ガイド部33、押さえ板300と、固定具505、505を示している。この固定具505、505は、雄側コネクタ1Bのピン保持部3の左右両側面と、この左右両側面の上下の角を覆って取り付けられる。ピン保持部3の上面には固定溝506、506が形成され、この固定溝は、深さが約1mmで、ピン保持部3上面の案内溝301、301を挟んで外側にて、案内溝301、301に対し平行に伸び、段部311に突き当たる。この固定溝506、506には、固定具505の突片(図示せず)が嵌着されて、固定具505、505が雄側コネクタ1Bに取り付けられる。
【0078】
図12(a)および(b)は、上記固定具505、505を装着した上記雄側コネクタ1Bに、さらに電子データ取り出し装置500Aを取り付けた状態を示している。この電子データ取り出し装置500Aは、電気絶縁性を有する素材で成形される矩形型のケースで、上ケース503と、下ケース504からなり、内部にブルートゥースなどの無線装置を搭載したICチップやメモリカードなどの記憶媒体(図示せず)を収納する。
【0079】
図12(a)に示されるように、上記電子データ取り出し装置500Aの上ケース503および下ケース504の前面には、ともにU字状で下向きの切り欠き部503aおよび同じく上向きの504aが設けられる。この切り欠き部503aおよび504aは、図12(a)に示されるように、上記固定具505、505を装着した雄側コネクタ1Bを内に挟んで嵌合して装着される。
【0080】
(6)第三実施例におけるコネクタ装置の作用および効果
上述のように、上記コネクタ装置A2は、雄側コネクタ1Bの周囲に電子データ取り出し装置500Aが取り付けられたものである。このコネクタ装置A2の雄側コネクタ1Bを第一実施例における、自動車側のコンピュータと電気的に接続した雌側コネクタ9と接続させる。
【0081】
これにより、車両内部に電子データ取り出し装置500Aを搭載して、走行距離、速度、加速度、ステアリング、メンテナンス状況、故障歴などECUに関連するすべての情報を、電子データ取り出し装置500Aに取り出して常時蓄積することが可能となる。
【0082】
上記雌側コネクタ9と上記雄側コネクタ1Bは、第一係合機構という着脱の容易な方法で連結または接続されているため、自動車の走行時に大きな振動が生じた場合には、接続が解除され、エラーが生じる恐れがあった。しかし、第一実施例で詳述したロック機構で第一係合機構が接続した状態をロック、押止または付勢することで、走行時のコネクタ装置の意図しない接続解除が防がれる。
【0083】
第一実施例で詳述したように、上記ロック機構は、その内部に第二係合機構を設けているため、ロック機構が機能すると同時にロック機構に第二係合機構がはたらいて、ロック機構の意図しない解除が防がれる。
【0084】
上記電子データ取り出し装置500Aの内部にはブルートゥースなどの無線装置が搭載されているため、自動車と、自動車から離れた場所にある修理用コンピュータなどが無線でつながり、修理用コンピュータや計器内部に電子データ取り出し装置500Aに蓄積された電子情報を取り出すことができる。このため、第一実施例や第二実施例のように、修理用コンピュータとつながった雄側コネクタ1を自動車側コンピュータとつながった雌側コネクタ9につなぐ必要はない。
【0085】
(7)第四実施例
図14は第四実施例におけるコネクタ装置A3の全体構成を示している。このコネクタ装置A3は、雄側コネクタ1Cと、雌側コネクタ9Bおよび9Cと、ケーブル400および401とからなる自動車用のものである。
【0086】
上記コネクタ装置A3は、上記第二実施例で詳述したコネクタ装置A1の電子データ取り出し装置500が雌側コネクタ9Cに置き換えられたものである。上記第二実施例では、雌側コネクタ9Aの取付部100に16本のケーブル401の一端が接続され、多端が雄側コネクタ1Aのピン保持部3と接続される。さらに、雌側コネクタ9Aの取り付け部100に16本のケーブル400の一端が接続され、多端が電子データ取り出し装置500に接続されている。
【0087】
上記のようなコネクタ装置A1の構成に対し、この第四実施例におけるコネクタ装置A3では、雌側コネクタ9Bの取付部100に16本のケーブル401の一端が接続され、多端が雄側コネクタ1Cのピン保持部3に接続される。さらに、雌側コネクタ9Bの取付部100に同じく16本のケーブル400の一端が接続され、多端が雌側コネクタ9Cの取付部100に接続されている。
【0088】
(8)第四実施例におけるコネクタ装置の作用および効果
上記のように、雌側コネクタを二股に分岐することにより、複数の機器を同時に接続して、多岐にわたり情報を収集し解析等を実施することが可能になる。
【0089】
なお、上記ケーブル400、401の本数は同数でもよいし、異なっていてもよい。また、ケーブル400は雌側コネクタ9Bからの分岐に限らず、ケーブル401あるいは雄側コネクタ1Cから分岐してもよい。
【0090】
これら第二、第三、第四実施例の他の構成、作用、効果は、上記第一実施例と同じであり、これらの説明は本実施例でも記載されているものとし、本実施例の記載内容も上記第一実施例に記載されているものとする。第二、第三実、第四施例で記載されていないことは、第二、第三、第四実施例以外の実施例が参照されるし、第一実施例で記載されていないことは、当該第一実施例以外の実施例が参照される。
【0091】
(9)他の実施の形態
コネクタピン4、4A、ケーブル400、401の本数、配列、長さ、形状、材質は、その機能を達成できるものであればどのようなものでもよい。例えば、コネクタピン4、4A、ケーブル400、401は8本×2列ではなく、2本または6本×3列、10本×3列、4本または3本×4列などどのように1本乃至10数本×1列乃至10数列または複数本×複数列(但し1本×1列は除くまたは除かない)でよく、どのような配列、本数であってもよい。コネクタピン4、4A、ケーブル400、401の長さは異なる2種類のほか、異なる3種類、4種類、5種類、…でもよいし、なくてもよい。
【0092】
コネクタピンの材質は、導電性を有する銅や鉄などの金属のほか、その機能を達成できるものであればどのようなものでもよい。
【0093】
また、コネクタピン4、4Aの形状は、先端が尖っていない棒状のもの、先端、中央または根元が太くなっているまたは細くなっていてもよいし、根元から先端まで同じ太さでもよい。コネクタピン4、4Aの断面形状は、円、環、方形、方形環、多角形、多角形環などでもよく、これに応じて挿通孔34の断面形状も円、方形、多角形となる。コネクタピン4の表面に根元から先端まで1本または複数本の溝が形成されてもよい。
【0094】
1つの挿通孔34に1本のコネクタピン4が挿通されていたが、1つの挿通孔34に2本以上のコネクタピン4が挿通されてもよい。この場合、上記挿通孔34どうしが連結して繋がり、1つのコネクタピン4に対して1つの挿通孔34の大きさが大きくなる。これにより、1つの挿通孔34にコネクタピン4が2本ずつ、3本ずつ、4本ずつ、…、挿通される。
【0095】
ガイド部33は、一枚の板状のほか、図13のように二枚の板状でもよいし、十字の板状、L字の板状、V字の板状、S字の板状、T字の板状、U字の板状、W字の板状、ロ字の板状などでもよい。
【0096】
ガイド部33は、ハウジング305の中心を貫通するほか、コネクタピン4の周囲を取り囲むように配置されたり、ハウジング305の側面に沿って収納されたりしてもよい。ガイド部33は、雄側コネクタ1とは別の部品として成形されてもよいし、雄側コネクタ1に一体的に成形されてもよい。または、ガイド部33はなくてもよい。
【0097】
ガイド部33が雄側コネクタ1とは別の部品として成形されている場合は、容易に取り変えることができる。このため、コネクタ装置Aの使用電圧を、種々に設けた場合(例えば一枚の板状のガイド部を使用した場合には12Vにしたり、二枚の板状のガイド部を使用した場合には、24Vにする等)でも、使用電圧毎にコネクタ装置Aの違いを一目で識別することができる。
【0098】
ハウジング305の形状は、台形柱状のほか、円柱状、だ円柱状、方形柱状、ひょうたん形柱状、L字形柱状、T字形柱状、V字形柱状、U字形柱状、W字形柱状など、その機能を達成できるものであれば、どのようなものでもよい。この場合、雌側コネクタ9本体の形状もハウジング305に沿うように同一形状に変えてもよい。
【0099】
ハウジング305の材質は、電気絶縁性を有する樹脂材でなくとも、木材やプラスチックなどその機能を達成できるものであれば、どのような材質でもよい。また、電気絶縁性を有する素材で表面をコーティングされてもよい。
【0100】
雄側コネクタ1の係止板304と、雌側コネクタ9の突起93からなる第一係合機構は、雄側コネクタ1の係止板304側を動きのない突起とし、雌側コネクタ9の動きのない突起側を雄側コネクタ1の係止板304のような動きのある係止体としてもよい。
【0101】
すなわち、第一係合機構の係止板304(第一係止体)は、雄側コネクタ1ではなく雌側コネクタ9に設けられ、突起93(第一被係止体)は雌側コネクタ9ではなく、雄側コネクタ1に設けられてもよい。また、雌側コネクタ9の突起93をバネで弾性的に出没自在とし、この突起93が係止板304の係止孔304bに弾性的に圧入されてもよい。
【0102】
また、雄側コネクタ1の係止板304または雌側コネクタ9の突起93の両方または突起93のみが変形可能で、この変形によって係合機構が機能してもよい。この場合、上記の変形は押さえ板300が取付部302に復帰するときは許容され、当該押さえ板300がスライドされたときには禁止される。
【0103】
上記突起93の挿入面93aと突起93上面からなる角は、面取りされてなくともよく、挿入面93aは平坦な斜面でもよい。また、当該突起93の位置は、本体部90の前端面に接してもよいし、前端面よりやや奥に配置されてもよい。
【0104】
また、案内カバー303の係止板303d(突起303b)または押さえ板300(係止孔307)の両方または押さえ板300のみが変形可能で、この変形によってロック機構および第二係止機構が機能してもよい。この場合、上記の変形は押さえ板300が復帰するときは許容され、当該押さえ板300がスライドされたときには禁止される。
【0105】
押さえ板300(固定体)は、板体のほか、球体、立方体、直方体、円錐体、角錐体などでもよく、移動はスライド、回転、回転スライド、スピン、スピンスライド、押し出し、引き抜きなどどのような移動でもよい。ロック機構は、雄側コネクタ1、1A雌側コネクタ9、9Aとの接続を固定できればどのような形状でもよい。
【0106】
案内カバー303は、案内溝301、301に代えてもよい。この場合、案内カバー303は係止板304や押さえ板300を覆わない。そのため、押さえ板300や係止板304の弾性を押さえるロック機構が作用するように、案内溝301をハウジング305先端まで延長させ、押さえ板脚部308、308の両外側に突片310のような突片を設けて、その突片が突片310同様に案内溝301内部を摺動し、案内溝301、301によって押さえ板300の脚部308、308の弾性を押さえつけるようにする。案内カバー303及び案内孔303cは、断面方形状のほか、半円形、正方形、多角形、台形でもよい。
【0107】
ロック機構、第一係合機構および第二係合機構は、スライド式に限られず、ボタン式、スイッチ式、バネ式、ねじ込み式、フック式など、コネクタ装置の接続解除を禁止して、第一係合機構の意図しない接続解除を防ぐ機能を有すればよい。
【0108】
雄側コネクタ1、1A、1B、1Cと雌側コネクタ9、9A、9B、9Cを接続させる係止体または被係止体はなくてもよい。すなわち第一係合機構はなくてもよい。
【0109】
コネクタ装置A、A1、A2、A3のうち、コネクタ本体である雄側コネクタ1、1A、1B、1Cと、コネクタ接続体である雌側コネクタ9、9A、9B、9Cのどちらかあるいは両方はなくてもよい。
【0110】
第二係合機構は、第一〜第三実施例のようにロック機構と一体型でなくてもよく、別の構成部品から設けられてもよい。また、第二係合機構は、ロック機構が極めて高性能で無用なロック解除の可能性がなければ、設けなくてもよい。
【0111】
また、第一〜第三実施例では、第二係合機構の第二係止体は雄側コネクタ1の案内カバー303の突起303bに設けられ、第二被係止体は固定体である押さえ板300の係止孔307に設けられているが、これを逆にしてもよい。すなわち、第二係止体は、固定体に設け、第二被係止体は雄側コネクタ1に設けてもよい。また、第一係止体を雌側コネクタ9に設け、第二被係止体を固定体に設けてもよいし、その逆でもよい。
【0112】
なお、第一〜第三実施例では、ロック機構を構成する押さえ板300(固定体)や案内カバー303などを雄側コネクタ1側につけ、これに係脱する突起93を雌側コネクタ9側につけたが、これらのつけ方を逆にしてもよい。
【0113】
すなわち、雌側コネクタ9側にロック機構を構成する押さえ板300(固定体)や案内カバー303などをつけ、これに係脱する突起93を雄側コネクタ1側につけてもよい。また、ロック機構はコネクタ本体とコネクタ接続体の双方あるいは一方に複数設けられてもよい。また、ロック機構はなくてもよい。
【0114】
第二実施例のコネクタ装置A1では、電子情報取り出し装置500はケーブル400を介して雌側コネクタ9Aとつながっているが、雌側コネクタ9Aに限られず、ケーブル401または雄側コネクタ1Aとつながれてもよい。
【0115】
第二実施例および第四実施例におけるケーブル400および401はなくてもよい。この場合、電子データ取り出し装置は直接雌側コネクタ9Aに合体されたり、雄側コネクタ1Aに直接合体されたりする。また、ケーブル401は分岐され、雌側コネクタ9A、雄側コネクタ1Aは複数並列に接続されてもよいし、ケーブル400は分岐され、電子データ取り出し装置500は複数並列に接続されてもよい。
【0116】
電子データ取り出し装置500および500Aは、矩形ではなく、円形、楕円形、球体、円錐体、角錐体、円筒体、直方体、ひょうたん型などでもよい。また、内蔵するICチップやICメモリ、電子基板などを車両内部に取り付けて、ケーブルで両コネクタ1A、9Aまたはケーブル401とつないでもよい。当該電子データ取り出し装置500、500Aには、ECUや、カーナビゲーションのハードディスク、ETC機能などを搭載してもよい。また、電子データ取り出し装置500および500Aはなくてもよい。
【0117】
電子データ取り出し装置500、500Aにはコネクタが1つではなく、複数取り付けられてもよい。この場合、例えば、電子データ取り出し装置500、500Aの一方の端面には、雄側コネクタ1、1A、1B(コネクタ本体)が取り付けられ、他方の端面には、雌側コネクタ9、9A、9B(コネクタ接続体)が取り付けられてもよい。
【0118】
第三実施例における上記電子データ取り出し装置500Aは、図12に示すように、雄側コネクタ1Bに取り付けてもよいし、雌側コネクタ9Bに取り付けてもよい。また、電子データ取り出し装置500Aを複数並列に取り付けてもよいし、電子データ取り出し装置500はなくてもよい。
【0119】
第一〜第四実施例では雌側コネクタ9を自動車の本体側に固定し、雄側コネクタ1を、自動車の修理業者の計器側につけたが、これを逆にしてもよい。また、このコネクタ装置A、A1、A2、A3は、自動車用以外に、一般のパソコン用や、電気器具、通信器具、計装器具、計器用に用いられるものであってもよい。
【0120】
本コネクタ装置は、車両/自動車内のコンピュータと外部のコンピュータ/ノートパソコンとを接続する為のものであるが、これ以外のコンピュータ間の接続、コンピュータ本体とディスプレイとの接続、コンピュータ以外の種々の電子機器間の接続、通信機器間の接続などに用いられてもよい。
【0121】
本コネクタ装置は、コネクタピンではない形式または無い形式、例えばUSBケーブルのようなコネクタ、パソコンの種々の形式の接続コネクタ、オーディオ・映像のピンジャックのようなコネクタ、電話回線のジャックのようなコネクタ、電気コンセントのようなコネクタなど、回転ねじ込み式など、どのようなスタイルでもよい。
【0122】
上述の各実施例において、当該実施例で記載されていないことは、他の実施例の記載されている内容が参照及び引用される。本願明細書においては、上記複数の実施例にわたって、各部または一部を入れ替えた実施例も、上記各実施例として記載されているものである。
【0123】
(10)他の発明の効果
[1] コネクタ本体から平行に突出した複数のコネクタピンと、上記コネクタピンに電気的に接触する接触端を複数有し、コネクタ本体に連結されるコネクタ接続体を備えたコネクタ装置において、上記コネクタ本体及び上記コネクタ接続体のいずれか一方には第一係止体が設けられ、他方には第一被係止体が設けられ、上記凹型第一係止体と第一被係止体とが係合する第一の係合機構を備えたことを特徴とするコネクタ装置。これにより、互いに接続されたコネクタ本体とコネクタ接続体とが容易に接続でき、かつはずれにくくなる。係止体と被係止体とはコネクタ本体とコネクタ接続体とに対して逆に設けられてもよい。
【0124】
[2] 上記コネクタ本体または上記コネクタ接続体において、固定体を移動させて、上記第一係止体と上記第一被係止体の係合をロック、押止または付勢し、当該固定体を復帰させて、上記第一係合機構の係合のロック、押止または付勢を解除するロック機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。これにより、コネクタ本体とコネクタ接続体が接続されている場合において、突発的な振動や衝突などが生じた場合にも、意図しない接続解除を防ぐことができる。
【0125】
[3] 上記第一の係止体及び第一の被係止体は、上記ロック機構のロックが解除されるときまたは上記固定体が復帰されるとき、上記第一の係止体または第一の被係止体の変形を許容する空間を有し、上記ロック機構がロックされるときまたは上記固定体が移動されるとき、上記ロック機構または上記固定体はこの空間を塞いで、上記第一の係止体または第一の被係止体の変形を禁止して、当該ロックの解除または当該固定体の移動を禁止することを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ装置。これにより、コネクタ本体とコネクタ接続体を接続させる第一の係合機構の意図しない接続解除を防ぐ。
【0126】
[4] 上記固定体とこの固定体が設けられる上記コネクタ本体または上記コネクタ接続体との、いずれか一方には凹型の第二係止体が設けられ、他方には第二被係止体が設けられ、当該第二係止体と当該第二被係止体とが係合する第二の係合機構を備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載のコネクタ装置。 これにより、コネクタ本体とコネクタ接続体を接続させる第一の係合機構の、意図しない接続解除を防ぎ、さらにロック機構の意図しない接続解除をも防ぐことができる。
【0127】
[5] 上記第一係止体または第一被係止体の少なくとも一方は、若しくは上記第二係止体または上記第二被係止体の少なくとも一方は変形可能であり、この変形によって第一係止体と第一被係止体若しくは第二係止体と第二被係止体とは係合しまたは係合が解除され、この変形は、上記固定体が復帰されるときには許容され、上記固定体が移動されたときには禁止されるロック機構を備えたことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のコネクタ装置。これにより、第一係合機構の意図しない解除を防ぐことができる。
【0128】
[6]上記コネクタ本体が、上記第一係止体と上記被係止体の動きをロック、押止または付勢する上記ロック機構を備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載のコネクタ装置。これにより、第一係合機構の意図しない解除を防ぐことができる。
【0129】
[7]上記コネクタ接続体が、上記第一係止体と上記第一被係止体の動きをロック、押止または付勢する、上記ロック機構を備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載のコネクタ装置。これにより第一係合機構の意図しない解除を防ぐことができる。
【0130】
[8]上記コネクタ本体と上記コネクタ接続体とが電気的に接続されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7に記載のコネクタ装置。これにより、電子情報の伝達や蓄積が可能になる。
【0131】
[9]運転席のカバーの内部にて、上記コネクタ本体と上記コネクタ接続体とが電気的に接続されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載のコネクタ装置。これにより、コネクタが車体内部に収納され、車内空間に余分なものがなくなる。
【0132】
[10]上記コネクタ本体と上記コネクタ接続体とが電気的に接続され、コネクタ本体、またはコネクタ接続体またはケーブルのいずれかに電子データ取り出し装置が接続される請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載のコネクタ装置。これにより、両コネクタおよび電子データ取り出し装置が車体内部に収納され、常時両コネクタが接続されていても、意図しない接続解除を防ぎながら、走行データを蓄積することが可能となる。
【0133】
[11]上記コネクタ本体の上記コネクタピン付近からはガイド体が突出しており、当該ガイド体は上記コネクタピンより強度が強いことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載のコネクタ装置。これにより、ガイド体がコネクタ本体に対してずれるのが防止されるし、ガイド体そのものがゆがんでコネクタピン全体または一部を曲げてしまうことがなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
コネクタ本体とコネクタ接続体の離脱を確実に防ぎ、これに起因する種々の不都合を回避する。押さえ板300が案内溝301を摺動して、案内カバー303に挿入される(ロック機構)。これにより雄側コネクタ1の係止体304の弾性変形を許容する空間が塞がれ、係止体304に係合している雌側コネクタ9の突起93の移動を防ぎ(第一の係合機構)、雄側コネクタ1と雌側コネクタ9が接続しているとき、係止体304と突起93の係合が不用意に解除されない。
【0135】
さらに、押さえ板300の係止孔307と案内カバー303の突起303bとが係合する(第二の係合機構)。これにより、押さえ板300が固定され、上記ロック機構が不用意に解除される可能性をさらに低くし、雄側コネクタ1と雌側コネクタ9の離脱を確実に防ぐ。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】第一実施例の形態に係るコネクタ装置の外観斜視図を示す。
【図2】図1の一部断面図を示す。
【図3】雄側コネクタを構成する、ハウジング、ピン保持部、コネクタピン、ガイド部、押さえ板の外観斜視図である。
【図4】図1で示されるコネクタ装置の雌側コネクタの外観斜視図である。
【図5】図1で示されるコネクタ装置の雄側コネクタを示し、(a)は平面図を、(b)は断面図を示す。
【図6】雄側コネクタと雌側コネクタを接続させ、さらにロックをかけた状態の外観斜視図である。
【図7】雄側コネクタと雌側コネクタを接続させ、ロックを解除した状態の雄側コネクタを一部断面した外観斜視図である。
【図8】図6で示される雄側コネクタを一部断面した外観斜視図である。
【図9】第二実施例に係るコネクタ装置の構成を示す外観斜視図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】第三実施例に係る雄側コネクタを示し、(a)は雄側コネクタ1Bおよび固定具を示し、(b)は(a)の固定具を雄側コネクタに装着した状態を示す。
【図12】第三実施例に係る雄側コネクタを示し、(a)は、雄側コネクタに取り付ける収納ケースの上面と下面を示し、(b)は、(a)に収納ケースを装着した状態を示す。
【図13】ガイド部の変更実施例を示す。
【図14】第四実施例に係るコネクタ装置の構成を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
【0137】
1、1A、1B、1C…雄側コネクタ(コネクタ本体)3…ピン保持部、
4、4A…コネクタピン、
9、9A、9B、9C…雌側コネクタ(コネクタ接続体)、
30…基部、31…段部、32…挿入部、
33、38…ガイド部、34…挿通孔、
36…差込孔、37…固定部、
40…先端部、41…拡幅部、
90…本体部、91…差込孔、
92…ガイド孔、93…突起(第一被係止体)、
93a…挿入面、93b…係止面、100…取付部、
300…押さえ板(ロック機構、第二被係止体)、
301…案内溝(ロック機構)、302…取付部、
303…案内カバー(ロック機構)、
303a…突起、303b…突起(第二係止体)、
303c…案内孔(ロック機構)、303d…係止板(第二係止体)、
304…係止板(第一係止体)、
304a…係止部、304b…係止孔(第一係止体)、
305…ハウジング、306…操作部、
307…係止孔(第二係止体)、
308、309…脚部、310…突片、311…段部、
313、314、315…切り欠き部、316…突起、
400、401…ケーブル、500、500A…電子データ取り出し装置、
501、503…上ケース、502、504…下ケース、
503a、504a…切り欠き部、
505…固定具、506…固定溝、
A、A1、A2、A3…コネクタ装置、V、S…空間。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路や機器などの相互間を、電気的に接続したり、切り離したりするのに用いられるコネクタ装置(電線接続器)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コネクタ装置の多くのものは、突状のコンタクト(以下コネクタピンという)を有する雄側コネクタと、このコネクタピンに接触して電気的に接続されるコンタクトを有する雌側コネクタとから構成され、雄側コネクタのコネクタピンを雌側コネクタの凹部に差し込むようにして使用される。
【0003】
一方、エレクトロニクスの発達にともなって、電子機器の複雑化、小型化等が図られ、コネクタ装置に関しても、取り扱う電線(信号)数が増加するとともに、装置の小型化が図られている。したがって、例えば、特許文献1に記載されているように、雄側コネクタには、細いコネクタピンが密集して多数使用されるようになってきている。
【0004】
さらに最近では、電子機器の小型化や当該電子機器接続の無線化が進んだことにより、車体内部のコンピュータに電子機器を接続して、車体の走行データを蓄積したり、蓄積された電子的情報を無線電波で取り出されたりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−74663号公報
【特許文献2】特開2005−276708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このため、このようなコネクタ装置では、常時接続していることが多くなり、雄側コネクタと雌側コネクタが、突発的な振動や衝突が起きた場合に、安易に離脱して通信エラーを生じたり、内部のコネクタピンが破損したりするという問題があった。
【0007】
また、車が故障したり不具合が生じたときには試行運転が行われ走行データを取り出して分析がなされるが、より正確な診断をするためには、車が正常に走行している状態のデータも含むできるだけ多くの走行データを蓄積しておき、これらの情報に基づいて修理や点検に役立てたいというニーズがあった。
【0008】
そこで本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、雄側コネクタと雌側コネクタの安易な離脱を確実に防ぐことを目的とする。また、これに起因する通信エラーなど種々の不都合を回避できるコネクタ装置を提供することを目的とする。また、コネクタ装置とこれに接続される装置とによって車内のスペースを確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、コネクタ本体とコネクタ接続体の接続を支える係合機構の上部に押さえ板をスライドして、押さえ板と案内カバーとで、係止体と被係止体からなる第一係合機構の動きをロック、押止または付勢する、ロック機構を設けた。
【0010】
さらに本発明では、案内溝に案内カバーを設け、この案内カバーと押さえ板とはいずれか一方には凹型の第二係止体が設けられ、他方には凸型の第二被係止体が設けられ、当該凹型第二係止体と当該凸型第二被係止体とが係合する第二の係合機構を設けた。これにより、上記ロック機構の意図しない解除を防ぐことができる。この第二係合機構は、上記ロック機構の作用とともに作用し、当該ロック機構が解除されるとともに、当該第二係合機構も係合が解除される。
【0011】
上記のように、係合しやすく解除しやすい係合機構に、ロック機構が加わったことにより、ケーブルでコネクタ本体とコネクタ接続体をつないで、さらにケーブル、コネクタ本体、コネクタ接続体のいずれかと電子情報取り出し装置をつないだコネクタ装置を、自動車内のコンピュータ側と常時接続することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、コネクタ本体とコネクタ接続体の一方を他方に押し込めば、コネクタ本体とコネクタ接続体は、接続可能となる。コネクタ本体とコネクタ接続体を接続した際、ロックをしなくても接続は維持されるが、ロックをすることで、突発的な衝突や衝撃による離脱を確実に防ぐことができる。また逆に、接続していないコネクタ本体にロックを施せば、意図しない接続を防ぐことができる。
【0013】
また、上述の第二の係合機構のはたらきにより、コネクタ本体とコネクタ接続体が容易に離脱しない効果をさらに高めることができる。
【0014】
また、差し込みやすくはずしやすい係合機構に、意図しない接続解除を防ぐロック機構を加えたことにより、コネクタに、分岐ケーブルとつなげた電子的情報取り出し装置などを設けることが可能になり、しかも接続解除が防がれるので、情報取り出しが途中で中断されてエラーになることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(1)第一実施例
以下、第一実施例について、図1〜図5に基づき、説明する。図1および図2は、この発明の一実施の形態にかかるコネクタ装置の全体構成を示している。このコネクタ装置Aは、雄側コネクタ1と雌側コネクタ9とからなる自動車用のものであり、自動車修理業者が自動車内のコンピュータ側の作動チェック等を行う場合に用いるものである。このコネクタ装置Aのコネクタ接続体となっている雌側コネクタ9は、例えば、車内インパネ下部内または、ボンネット内に設置されていて、自動車内のコンピュータ側と電気的に接続されている。
【0016】
図3は雄側コネクタ1の外観および構成部品の詳細を示している。雄側コネクタ1は、ハウジング305と、雄側コネクタ1の本体であるピン保持部3と、16本のコネクタピン4と、ガイド部33と、押さえ板300とからなる。
【0017】
上記ハウジング305は、電気絶縁性を有する樹脂材で成形されており、図3で示されるように、前後が開放された中空状で、断面台形状をしている。ハウジング305は、底面から側面、上面へと連続して形成されるが、上面の中央で上面の幅の約3分の1を残して途切れ、切り欠き部313を形成する。この切り欠き部313の内側には、係止板304(第一係止体)が設けられる。
【0018】
上記係止板304は、上記切り欠き部313よりやや少ない幅のやや長い板体で、本コネクタの連結方向に沿って前後方向にのび、左右両側は上記ハウジング305と連続してはおらず切り離されている。この係止板304は、ハウジング後部の段部311において、ハウジング305およびピン保持部3と、ハウジング305の上面よりわずかに高い位置で一体化あるいは連結されている。
【0019】
このため、当該係止板304の前面は、弾性的に上下に揺動させて変形させることができる。この係止板304の左右両端縁の上面は一段高く形成され、当該係止板304のほぼ中央には矩形状の係止孔304bが形成される。この係止孔304bは雌側コネクタの突起93(第一被係止体)と係合して第一の係合機構として機能し、雌側コネクタ9と雄側コネクタ1の連結または接続固定が可能となる。
【0020】
上記ハウジング305の上面には、上記切り欠き部313を覆うように、案内カバー303が形成されている。この案内カバー303は、上記切り欠き部313および係止板304の左右両側でハウジング305の上面から垂直に立ち上がって、中央側へ互いに屈曲し、水平方向へのびて一体に連結され上面が水平なトンネル状に形成されている。この案内カバー303内の上記係止板304の左右両側および上方は空間Sおよび案内孔303cとなっている。
【0021】
上記案内カバー303の後端から中央やや先端よりの位置にかけては、スリット314、314が2か所形成されている。このため、案内カバー303上面の後部は3つに分かれ、真ん中の部分の板状の係止板(第二係止体)303dが弾性的に変形可能となっている。図2に示されるように、案内カバー303後部の両端の内側には突起303a、303aが、案内カバー303の後部中央下面、すなわち係止板303dの下面先端には突起303b(第二係止体)が形成される。
【0022】
図5(b)は、コネクタピン4、ガイド部33、押さえ板300(固定体、ロック機構、第二被係止体)が装着された雄側コネクタ1の断面図を示す。図3および図5(b)に示されるように、ピン保持部3は、平行な複数のコネクタピン4…を、所定距離だけ前方に突出させて保持する。
【0023】
この場合、8本ずつのコネクタピン4…が、上下2段で、かつ、左右に一定のピッチで支持される。このピン保持部3には、図3で示されるように、断面矩形状の基部30の前方側に、段部31を介してこれよりやや大きいサイズの断面台形状の挿入部32が形成される。
【0024】
また、この挿入部32のさらに前面の中央には、前方および左右水平方向に伸びる1枚の板状のガイド部33が、取り付けられている。基部30および挿入部32において、ガイド部33の上方と下方には、コネクタピン4差し込み用の挿通孔34が、前後に貫通するように形成される。
【0025】
ガイド部33は、上記雄側コネクタ1を上記雌側コネクタ9に位置ずれなく差し込めるように案内し、雌側コネクタ9を上記ハウジング305に対して位置ずれなく前後に案内する。当該ガイド部33は、上記コネクタピン4より強度の大きい材料で形成されていて、上記コネクタピン4を保護する働きも有している。
【0026】
当該ガイド部33は、コネクタピン4差し込み用の挿通孔34…の上下2段の中間に位置し、挿入部32の左右幅一杯に設けられた差込孔36に差し込んで位置決めされる。なおピン保持部3は、電気絶縁性を有する樹脂材によってハウジング305とともに一体的に形成されているが、このガイド部33は、別の高強度材から形成され、挿入部32に固定されもよいし、ハウジング305とともに一体形成されてもよい。
【0027】
コネクタピン4は、薄くて細長い電性材料から形成されている。このコネクタピン4は、図3で示されるように、前端の先端部40がやや尖っているとともに、中間よりやや前方よりの位置の、上下左右が後方に向かって漸次広がって、固定用の拡幅部41が形成されている。このコネクタピン4は、ピン保持部3の挿通孔34内に後方から差し込まれるが、前部が所定の長さだけピン保持部3の挿入部32から突き出た状態で、拡幅部41が挿通孔34内に圧入されて、このピン保持部3に固定される。このコネクタピン4の断面形状と挿通孔34の断面形状とは同じ四角形であり、一方は他方の断面形状に一致していて、余分な隙間ができない。
【0028】
この場合、上下2段計16本のコネクタピン4…の内、下段の中央2つのコネクタピン4A、4Aは、他のものよりやや長く形成されているので、他のものより挿入部32から多めに突出している。なお、このコネクタピン4は、ピン保持部3内の部材にカシメられたり、嵌合されたり、嵌着されたり、はめ込み固定されたり、半田付けされたりしてもよい。
【0029】
案内溝301は、図3で示されるように、ピン保持部3の上面中央にある取付部302の左右両側に断面鉤型状に前後に長く延びて形成される。
【0030】
押さえ板300は、図3で示されるように、前後に長い板体である。この押さえ板300の後部上面は、後端にかけて傾斜して徐々に高くなって操作部306が形成される。この操作部306の表面は凹凸状の滑り止めが形成され、左右両側下方には、外方に向けて凸状に突き出した突片310、310が形成される。さらに、当該押さえ板300の中央には、左右に長い矩形状の係止孔307が開けられ、この係止孔307内の前方側の一辺は傾斜している。
【0031】
上記押さえ板300の前端面には、上下を貫く切り欠き部315、315が前端より係止孔307の手前まで前後方向に2か所形成されている。このため、当該押さえ板の前端部には3つからなる脚部308、308、309が形成される。両側の脚部308、308は、左右対称の形状で、上面から前端面にかけて傾斜し、両外側には、突起316、316が形成されている。中央の脚部309は、両側の脚部308よりやや短く太い形状で、上面から前端面にかけて傾斜している。
【0032】
上記押さえ板300をハウジング305上面の取付部302に取り付けるには、押さえ板300の脚部308、308の突起316、316を案内溝に差し込み、押さえ板300全体を前方へ押しこんで、脚部308、308、309を案内カバー303の案内孔303c内へと挿通させる。
【0033】
さらに押さえ板300を押し込むと、押さえ板300後部の突片310、310が案内溝へと挿通される。さらに押さえ板300を前方へ移動させると脚部308、308の両外側の突起316、316と案内カバー303の後部に下向きに設けられた突起303a、303aとが係合する。これにより、押さえ板300は、案内孔303cから離脱不能となり、押さえ板300の操作部306を強く押したり引いたりすると、取付部302と案内カバー303の間の前後方向を摺動自在に動くことができる。
【0034】
上記押さえ板300、案内溝301、301、案内カバー303、案内孔303cはロック機構を構成する。このロック機構は、上記第一係合機構をロック、押止または付勢する。上記押さえ板300の係止孔307は第二被係止体として、上記案内カバー303の突起303bは第二係止体として機能し、第二の係合機構を構成する。
【0035】
図4は雌側コネクタ9の外観を示している。雌側コネクタ9は、雄側コネクタ1内に挿入される本体部90と、本体部90の後方に形成されている取付部100とから構成されている。本体部90は、雄側コネクタ1のハウジング305内へ移動できるように、断面がハウジング305の前部に沿った台形状に形成されている。
【0036】
この本体部90には、前面側に、雄側コネクタ1のコネクタピン4…が差し込まれる差込孔91…と、雄側コネクタ1のガイド部33とが差し込まれるスリット状のガイド孔92とが形成されている。なお、差込孔91内方には、雄側コネクタ1のコネクタピン4…と電気的に接触して接続されるコンタクト(図示せず)が配置されている。
【0037】
また、上記本体部90の上面には、中央前部に突起93(第一被係止体)が形成され、この突起93は、雄側コネクタ1の係止板304(第一被係止体)と係脱可能となっている。この突起93の上面は平らで、前端面が上向きに傾斜して形成された挿入面93aとなっており、この挿入面93aと突起93の上面からなる角は面取りされている。当該突起93の後端面は上向きに傾斜して形成された係止面93bとなっている。この突起93は、本体部90上面の中央よりやや前方に設けられている。
【0038】
取付部100は、自動車の車内インパネ下部内またはボンネット内の所定位置に取り付けられる。この場合、自動車のコンピュータ側配線と本体部90内の上記コンタクトとが電気的に接続される。
【0039】
(2)第一実施例におけるコネクタ装置の作用および効果
まず、雄側コネクタ1を雌側コネクタ9に接続する場合について図1〜図8に基づき説明する。図6〜図8は、雄側コネクタ1を雌側コネクタ9に完全に差し込んだ(接続した)状態の外観図を示しており、図6および図8は雄側コネクタ1と雌側コネクタ9とを接続した状態に、さらにロック機構を作用させた場合の外観図で、図8は図6の一部断面図を示している。図7は、図6のロック機構を解除した状態の一部断面図を示している。
【0040】
雄側コネクタ1が雌側コネクタ9の方に移動されて、雌側コネクタ9の本体部90が雄側コネクタ1の空間Vに挿入されると、ガイド部33が雌側コネクタ9のガイド孔92に差し込まれる。
【0041】
そして、雄側コネクタ1が、ガイド孔92に案内されつつ、さらに雌側コネクタ9の方へ移動すると、雌側コネクタ9の突起93の傾斜した挿入面93aが雄側コネクタ1の係止板304の下に入り込み、係止板304を傾斜に沿って徐々に押し上あげ、この係止板304を弾性的に変形させて持ち上げる。同時にコネクタピン4、4Aが雌側コネクタ9の差込孔91、91に差し込まれる。
【0042】
つづいて、雄側コネクタ1側の係止板304(第一係止体)の係止部304aが、雌側コネクタ9の突起93(第一被係止体)の上面を移動する。そして、係止板304の係止部304aが雌側コネクタ9の突起93の後端の係止面93bから滑り下りると、残りのコネクタピン4…が雌側コネクタ9の差込孔91…に差し込まれるとともに、雄側コネクタ1のコネクタピン4と雌側コネクタ9のコンタクトとの電気的接触が完了し、両コネクタ1、9の接続が完了する。この場合、雄側コネクタ1の係止部304aと、雌側コネクタ9の係止面93bとが係合している。
【0043】
接続を解除する場合は、雄側コネクタ1を雌側コネクタ9から引き抜くだけで、係止部304aは雌側コネクタの突起の係止面93bの斜面を乗り上げて、突起93の上面を移動し、突起93aの斜面を下りて、接続が解除される。
【0044】
上述のように、第一実施例におけるコネクタ装置Aでは、雄側コネクタ1の雌側コネクタ9側への移動に当たり、両コネクタ1、9は不都合なく容易に接続され、また容易に接続解除される。
【0045】
しかし、容易な接続および接続解除が可能なコネクタ装置は利便性が高いものの、意図しない接続および接続解除も生じやすい。そこで本実施例では、そのような課題を克服するために、上記第一係合機構をロック、押止または付勢して、意図しない接続解除を防ぐロック機構を備えた。以下、当該ロック機構について説明する。
【0046】
上記ロック機構は、図7および図8に示されるように、上記雄側コネクタ1と上記雌側コネクタ9とが接続された場合に、これらの接続が無用に解除されるのを防ぐもので、押さえ板300と案内溝301、301と案内カバー303と案内孔303cとから構成される。
【0047】
コネクタ装置Aにおいて、雄側コネクタ1と雌側コネクタ9とが接続されたのち、ロック機構を作用させる場合、まず、ピン保持部3の上面の取付部302に取り付けられた押さえ板300を、後端面から前方へ向けて押してスライドさせ、押さえ板300を案内カバー303の内部の案内孔303cへと押し込む。すると、案内溝301、301の内部にある、押さえ板300の突片310、310がスライドする。
【0048】
さらに押さえ板300を前方へスライドさせると、案内溝301の内部をスライドする突片310、310が段部31に突き当たって、スライドが止まる。このとき、押さえ板300の前部に形成された脚部308、308、309が、案内カバー303の下面と係止板304の上面の間の空間Sを移動して案内カバー303の前端面まで達し、案内カバー303の下面と係止板304上面の間の案内孔303cの空間Sを押さえ板300が塞ぐ。
【0049】
上記により、接続解除に必要不可欠な空間Sが塞がれ、この空間Sによって雄側コネクタ1の係止板304が、雌側コネクタの突起93bの斜面を乗り上げて突起93上面を移動し、突起93aの斜面を滑り降りることができなくなる。つまり、雄側コネクタ1の雌側コネクタ9からの離脱に必要で、この離脱時に係止板304の弾性変形を許容する空間Sが塞がれるため、両コネクタ1、9の意図しない接続解除が防がれる。
【0050】
本実施例では、上記ロック機能が不用意に解除されないように、さらに第二の係合機構を設けた。以下、第二の係合機構について、図7および図8に基づき説明する。
【0051】
上記ロック機構を作用させるため、上記のように押さえ板300を案内カバー303の内部の案内孔303cの空間Sへと移動させると、案内カバー303の下面の突起303bが押さえ板300の中央の脚部309の斜面を乗り上がる。さらに押さえ板300を前方へ移動させると、突起303bは押さえ板300の上面をスライドし、押さえ板300が案内カバー303内部へと入り込む。
【0052】
さらに押さえ板300を前方へ押すと、突起303bが、押さえ板300のやや後方の位置に形成された係止孔307の内側の斜面を滑り下り、案内カバー303の突起303bが係止孔307の内に入って、第二の係合機構が係合し、ロック機構がロック、押止または付勢される。これにより、押さえ板300が大きな振動などで不用意に後方の取付部302へ復帰する可能性はなくなり、押さえ板300と案内カバー303および案内孔303cによってロック機構の意図しない解除が防がれ、ロック機構の効果をさらに高めることができる。
【0053】
次に、上記ロック機構を解除する場合について図7および図8に基づき説明する。まず、上記押さえ板300の操作部306に対し後方へ移動するよう強く力を加えると、案内カバー303の中央下面の突起303bが係止孔307の内斜面を乗り上げて、第二係合機構が解除される。
【0054】
さらに操作部306を後方へとスライドさせると図7に示すように、案内孔303cの空間Sを塞いでいた押さえ板300の脚部308、308、309が案内カバー303の後部へと移動する。このため、空間Sが開放され、雄側コネクタ1の係止板304の弾性変化が許容され、押さえ板300は取付部302に復帰する。これにより、当該ロック機構のロック、押止または付勢が解除される。当該ロック機構が解除されると、雄側コネクタ1を雌側コネクタ9から再び容易に引き抜いて接続解除することができる。
【0055】
上記のようにロック機構を解除し、押さえ板300が取付部302に復帰したのち、さらに後方へ押した場合、押さえ板303の脚部308、308の外側に形成された突片316、316と案内カバー303後部の突起303a、303aが係合するため、押さえ板300がさらに後方へ移動して取付部302から抜け落ちることはない。
【0056】
上記ロック機構は、図2に示されるように、押さえ板300の脚部308、308と、案内カバー303の案内孔303cの側面内側との接触面に大きな摩擦を有するようにきつく圧入されることにより、取付部302と案内カバー303の間のどの位置でも停止可能にスライドする。
【0057】
このため、上記第二係合機構が設けられていない場合でも、強い力が加わらないかぎり、上記ロック機構が解除されることはない。しかし本実施例では、車の走行時に大きな振動などが生じたときにもコネクタ装置Aの無用な接続解除が確実に防がれるよう、上記ロック機構に加えて当該第二係合機構を設けて、さらに接続解除防止効果を高めている。
【0058】
また、上記の第二係合機構は、ロック機構を構成する押さえ板300と案内カバー304とを共用しているため、追加の部品や操作をまったく必要としないで、上記ロック機構の効果を高め、構造も簡単となる。
【0059】
次に、コネクタ装置が接続していない状態におけるロック機構の作用・効果について説明する。両コネクタ1、9が接続していないときに、雄側コネクタ1にロック機構を作用させると、上述の通り、押さえ板300により案内カバー303の案内孔303cの空間Sが塞がれる。このため、雌側コネクタ9の突起93が雄側コネクタ1の係止板304の下に入る余地がなくなり、両コネクタ1、9の意図しない接続を防ぐことができる。
【0060】
このコネクタ装置Aでは、ピン保持部3のガイド部33の強度がコネクタピン4…のそれより大きいため、コネクタピン4…に比べてガイド部33が変形しにくい。したがって、このコネクタ装置Aでは、ガイド部33の保護によって、コネクタピン4…全体または一部曲げられるのを防止できる。
【0061】
(3)第二実施例
以下、本発明の第二実施例を、図1〜図4、図9、図10に基づいて説明する。
図9および図10は、第二実施例の全体構成を示している。このコネクタ装置A1は、雄側コネクタ1Aと雌側コネクタ9Aと、ケーブル400および401と、電子データ取り出し装置500とからなる自動車用のものである。
【0062】
上記コネクタ装置A1のコネクタ接続体となる雌側コネクタ9Aは、その取付部100を車両のハンドル下のカバー(ダッシュボードまたはインパネ)の設置孔に内側から脱着可能に取り付けられ、本体部90を露出させ、車体外側の外部コンピュータや計器に取り付けられた雄側コネクタ1と接続できるようになっている。
【0063】
上記雄側コネクタ1Aおよび雌側コネクタ9Aは、上述の(1)第一実施例で説明した雄側コネクタ1および雌側コネクタ9と同一のコネクタ装置で、上記第一係合機構により双方が接続固定され、この第一係合機構をロックする上記ロック機構を備え、このロック機構を補助する上記第二係合機構を備える。
【0064】
上記車体のカバー内部において、上記雌側コネクタ9Aは、同コネクタ9A後方の取付部100から後方にのびたケーブル401…を介して雄側コネクタ1Aと電気的に接続されている。
【0065】
さらに、上記雌側コネクタ9Aは、取付部100から分岐してのびたケーブル400…を介して上記電子データ取り出し装置500と電気的に接続されている。すなわち、コネクタ装置A1は、雌側コネクタ9Aの取付部100から、ケーブル400…とケーブル401…とが、二方向へ分岐して、雄側コネクタ1Aおよび電子データ取り出し装置500と電気的に接続されている。
【0066】
上記電子データ取り出し装置500は、電気絶縁性を有する樹脂材のケースで、矩形状をしており上下に分かれている。この装置500の内部には、ICチップ、メモリカードなどの記憶媒体(図示せず)が備えられ、このICチップ等には速度や加速度、ステアリング、故障歴、メンテナンス歴などECUと関連するすべての走行データが蓄積される。
【0067】
上記コネクタ装置A1のケーブル400およびケーブル401の両端は、両コネクタ1A、9Aおよび電子データ取り出し装置500の内部の部材にカシメられたり、嵌合されたり、嵌着されたり、はめ込み固定されたり、半田付けされたりして脱着不能に固定されている。
【0068】
上記装置500に接続されるケーブル400の本数は、ケーブル401と同じ本数を設けることができる。ケーブル400および401の本数は、雄側コネクタ1Aのコネクタピンの数を上限とする範囲で、増減することができる。
【0069】
(4)第二実施例におけるコネクタ装置の作用および効果
第二実施例を用いた場合の作用および効果を説明する。
上記コネクタ装置A1の雄側コネクタ1Aを、第一実施例における、自動車内のコンピュータ側と電気的に接続した雌側コネクタ9と接続させる。これにより、車両内部に電子データ取り出し装置500を搭載して、走行距離、速度、加速度、ステアリング、メンテナンス状況、故障歴などECUに関連するすべての情報を、電子データ取り出し装置500に取り出して常時蓄積することが可能となる。
【0070】
しかし、上記の雄側コネクタ1Aと雌側コネクタ9の接続は、第一係合機構という脱着可能な方法でコネクタ装置の接続が行われているため、常に車を走行させている状況では、車への衝撃や振動によって不用意に接続が解除される可能性があった。そのため、第一実施例で詳述したように、雄側コネクタ1Aと車体のコンピュータとつながった雌側コネクタ1に上記ロック機構でロックをかけて、ロック機構を機能させることで、走行時に大きな振動が生じたときにも、コネクタ装置の意図しない接続が防がれる。
【0071】
第一実施例では、走行データを蓄積して取り出すことができるのは、自動車側コンピュータとつながった雌側コネクタ9に、車両のパネルの外側から自動車修理用計器とつながった雄側コネクタ1を接続させた場合に限られていた。しかし、車室内からコネクタをつなぐと、ケーブルがハンドル下から伸びて車内の空間が狭くなり、パソコンや計器を置くスペースも取られていた。
【0072】
第二実施例では、第一実施例のコネクタ装置Aにケーブルでつないだコネクタ装置A1を、コネクタ装置Aの雄側コネクタ1と雌側コネクタ9の間に接続させ、ロック機構を機能させることによって、電子データ蓄積装置500を車内のパネルの内部に設置して、常時走行データを蓄積することが可能になった。これにより、車に故障や不具合が生じたときなどの診断が必要な時に応じて、随時、電子データを取り出すことができる。
【0073】
常時コネクタを接続させている場合には、車に生じた突発的な大きな振動や衝撃によって、コネクタの接続が不用意に解除され、接続されている電子機器にエラーが生じる恐れがあったが、ロック機構とロック機構を補助する第二係合機構によって、不用意な接続解除を防いで、安全確実に接続を維持することができる。
【0074】
また、上記電子データ蓄積装置500に無線装置、例えばブルートゥースを搭載して、無線電波で蓄積された走行データを車外、例えば自動車修理店内で取り出すことも可能である。また、ECUを電子データ取り出し装置500の中に収納させてもよいし、ETCやカーナビゲーション機能も搭載させてもよく、これらのデータも取り出し可能となる。
【0075】
上記電子データ取り出し装置500は、雌側コネクタ9Aとだけではなく、雄側コネクタ1Aまたはケーブル401を介して電気的に接続されてもよい。
【0076】
(5)第三実施例
図11および図12は、第三実施例にかかるコネクタ装置A2の全体構成を示している。このコネクタ装置A2は雄側コネクタ1Bと電子データ取り出し装置500Aとからなる自動車用のものであり、第一および第二実施例同様、自動車修理業者またはその他の業者が自動車内のコンピュータ側の作動チェック等を行う場合に用いるものである。また、この雄側コネクタ1Bは、第一実施例、第二実施例の雄側コネクタ1および1Aと同一のものである。
【0077】
図11(a)は雄側コネクタ1Bを構成するハウジング305、ピン保持部3、ガイド部33、押さえ板300と、固定具505、505を示している。この固定具505、505は、雄側コネクタ1Bのピン保持部3の左右両側面と、この左右両側面の上下の角を覆って取り付けられる。ピン保持部3の上面には固定溝506、506が形成され、この固定溝は、深さが約1mmで、ピン保持部3上面の案内溝301、301を挟んで外側にて、案内溝301、301に対し平行に伸び、段部311に突き当たる。この固定溝506、506には、固定具505の突片(図示せず)が嵌着されて、固定具505、505が雄側コネクタ1Bに取り付けられる。
【0078】
図12(a)および(b)は、上記固定具505、505を装着した上記雄側コネクタ1Bに、さらに電子データ取り出し装置500Aを取り付けた状態を示している。この電子データ取り出し装置500Aは、電気絶縁性を有する素材で成形される矩形型のケースで、上ケース503と、下ケース504からなり、内部にブルートゥースなどの無線装置を搭載したICチップやメモリカードなどの記憶媒体(図示せず)を収納する。
【0079】
図12(a)に示されるように、上記電子データ取り出し装置500Aの上ケース503および下ケース504の前面には、ともにU字状で下向きの切り欠き部503aおよび同じく上向きの504aが設けられる。この切り欠き部503aおよび504aは、図12(a)に示されるように、上記固定具505、505を装着した雄側コネクタ1Bを内に挟んで嵌合して装着される。
【0080】
(6)第三実施例におけるコネクタ装置の作用および効果
上述のように、上記コネクタ装置A2は、雄側コネクタ1Bの周囲に電子データ取り出し装置500Aが取り付けられたものである。このコネクタ装置A2の雄側コネクタ1Bを第一実施例における、自動車側のコンピュータと電気的に接続した雌側コネクタ9と接続させる。
【0081】
これにより、車両内部に電子データ取り出し装置500Aを搭載して、走行距離、速度、加速度、ステアリング、メンテナンス状況、故障歴などECUに関連するすべての情報を、電子データ取り出し装置500Aに取り出して常時蓄積することが可能となる。
【0082】
上記雌側コネクタ9と上記雄側コネクタ1Bは、第一係合機構という着脱の容易な方法で連結または接続されているため、自動車の走行時に大きな振動が生じた場合には、接続が解除され、エラーが生じる恐れがあった。しかし、第一実施例で詳述したロック機構で第一係合機構が接続した状態をロック、押止または付勢することで、走行時のコネクタ装置の意図しない接続解除が防がれる。
【0083】
第一実施例で詳述したように、上記ロック機構は、その内部に第二係合機構を設けているため、ロック機構が機能すると同時にロック機構に第二係合機構がはたらいて、ロック機構の意図しない解除が防がれる。
【0084】
上記電子データ取り出し装置500Aの内部にはブルートゥースなどの無線装置が搭載されているため、自動車と、自動車から離れた場所にある修理用コンピュータなどが無線でつながり、修理用コンピュータや計器内部に電子データ取り出し装置500Aに蓄積された電子情報を取り出すことができる。このため、第一実施例や第二実施例のように、修理用コンピュータとつながった雄側コネクタ1を自動車側コンピュータとつながった雌側コネクタ9につなぐ必要はない。
【0085】
(7)第四実施例
図14は第四実施例におけるコネクタ装置A3の全体構成を示している。このコネクタ装置A3は、雄側コネクタ1Cと、雌側コネクタ9Bおよび9Cと、ケーブル400および401とからなる自動車用のものである。
【0086】
上記コネクタ装置A3は、上記第二実施例で詳述したコネクタ装置A1の電子データ取り出し装置500が雌側コネクタ9Cに置き換えられたものである。上記第二実施例では、雌側コネクタ9Aの取付部100に16本のケーブル401の一端が接続され、多端が雄側コネクタ1Aのピン保持部3と接続される。さらに、雌側コネクタ9Aの取り付け部100に16本のケーブル400の一端が接続され、多端が電子データ取り出し装置500に接続されている。
【0087】
上記のようなコネクタ装置A1の構成に対し、この第四実施例におけるコネクタ装置A3では、雌側コネクタ9Bの取付部100に16本のケーブル401の一端が接続され、多端が雄側コネクタ1Cのピン保持部3に接続される。さらに、雌側コネクタ9Bの取付部100に同じく16本のケーブル400の一端が接続され、多端が雌側コネクタ9Cの取付部100に接続されている。
【0088】
(8)第四実施例におけるコネクタ装置の作用および効果
上記のように、雌側コネクタを二股に分岐することにより、複数の機器を同時に接続して、多岐にわたり情報を収集し解析等を実施することが可能になる。
【0089】
なお、上記ケーブル400、401の本数は同数でもよいし、異なっていてもよい。また、ケーブル400は雌側コネクタ9Bからの分岐に限らず、ケーブル401あるいは雄側コネクタ1Cから分岐してもよい。
【0090】
これら第二、第三、第四実施例の他の構成、作用、効果は、上記第一実施例と同じであり、これらの説明は本実施例でも記載されているものとし、本実施例の記載内容も上記第一実施例に記載されているものとする。第二、第三実、第四施例で記載されていないことは、第二、第三、第四実施例以外の実施例が参照されるし、第一実施例で記載されていないことは、当該第一実施例以外の実施例が参照される。
【0091】
(9)他の実施の形態
コネクタピン4、4A、ケーブル400、401の本数、配列、長さ、形状、材質は、その機能を達成できるものであればどのようなものでもよい。例えば、コネクタピン4、4A、ケーブル400、401は8本×2列ではなく、2本または6本×3列、10本×3列、4本または3本×4列などどのように1本乃至10数本×1列乃至10数列または複数本×複数列(但し1本×1列は除くまたは除かない)でよく、どのような配列、本数であってもよい。コネクタピン4、4A、ケーブル400、401の長さは異なる2種類のほか、異なる3種類、4種類、5種類、…でもよいし、なくてもよい。
【0092】
コネクタピンの材質は、導電性を有する銅や鉄などの金属のほか、その機能を達成できるものであればどのようなものでもよい。
【0093】
また、コネクタピン4、4Aの形状は、先端が尖っていない棒状のもの、先端、中央または根元が太くなっているまたは細くなっていてもよいし、根元から先端まで同じ太さでもよい。コネクタピン4、4Aの断面形状は、円、環、方形、方形環、多角形、多角形環などでもよく、これに応じて挿通孔34の断面形状も円、方形、多角形となる。コネクタピン4の表面に根元から先端まで1本または複数本の溝が形成されてもよい。
【0094】
1つの挿通孔34に1本のコネクタピン4が挿通されていたが、1つの挿通孔34に2本以上のコネクタピン4が挿通されてもよい。この場合、上記挿通孔34どうしが連結して繋がり、1つのコネクタピン4に対して1つの挿通孔34の大きさが大きくなる。これにより、1つの挿通孔34にコネクタピン4が2本ずつ、3本ずつ、4本ずつ、…、挿通される。
【0095】
ガイド部33は、一枚の板状のほか、図13のように二枚の板状でもよいし、十字の板状、L字の板状、V字の板状、S字の板状、T字の板状、U字の板状、W字の板状、ロ字の板状などでもよい。
【0096】
ガイド部33は、ハウジング305の中心を貫通するほか、コネクタピン4の周囲を取り囲むように配置されたり、ハウジング305の側面に沿って収納されたりしてもよい。ガイド部33は、雄側コネクタ1とは別の部品として成形されてもよいし、雄側コネクタ1に一体的に成形されてもよい。または、ガイド部33はなくてもよい。
【0097】
ガイド部33が雄側コネクタ1とは別の部品として成形されている場合は、容易に取り変えることができる。このため、コネクタ装置Aの使用電圧を、種々に設けた場合(例えば一枚の板状のガイド部を使用した場合には12Vにしたり、二枚の板状のガイド部を使用した場合には、24Vにする等)でも、使用電圧毎にコネクタ装置Aの違いを一目で識別することができる。
【0098】
ハウジング305の形状は、台形柱状のほか、円柱状、だ円柱状、方形柱状、ひょうたん形柱状、L字形柱状、T字形柱状、V字形柱状、U字形柱状、W字形柱状など、その機能を達成できるものであれば、どのようなものでもよい。この場合、雌側コネクタ9本体の形状もハウジング305に沿うように同一形状に変えてもよい。
【0099】
ハウジング305の材質は、電気絶縁性を有する樹脂材でなくとも、木材やプラスチックなどその機能を達成できるものであれば、どのような材質でもよい。また、電気絶縁性を有する素材で表面をコーティングされてもよい。
【0100】
雄側コネクタ1の係止板304と、雌側コネクタ9の突起93からなる第一係合機構は、雄側コネクタ1の係止板304側を動きのない突起とし、雌側コネクタ9の動きのない突起側を雄側コネクタ1の係止板304のような動きのある係止体としてもよい。
【0101】
すなわち、第一係合機構の係止板304(第一係止体)は、雄側コネクタ1ではなく雌側コネクタ9に設けられ、突起93(第一被係止体)は雌側コネクタ9ではなく、雄側コネクタ1に設けられてもよい。また、雌側コネクタ9の突起93をバネで弾性的に出没自在とし、この突起93が係止板304の係止孔304bに弾性的に圧入されてもよい。
【0102】
また、雄側コネクタ1の係止板304または雌側コネクタ9の突起93の両方または突起93のみが変形可能で、この変形によって係合機構が機能してもよい。この場合、上記の変形は押さえ板300が取付部302に復帰するときは許容され、当該押さえ板300がスライドされたときには禁止される。
【0103】
上記突起93の挿入面93aと突起93上面からなる角は、面取りされてなくともよく、挿入面93aは平坦な斜面でもよい。また、当該突起93の位置は、本体部90の前端面に接してもよいし、前端面よりやや奥に配置されてもよい。
【0104】
また、案内カバー303の係止板303d(突起303b)または押さえ板300(係止孔307)の両方または押さえ板300のみが変形可能で、この変形によってロック機構および第二係止機構が機能してもよい。この場合、上記の変形は押さえ板300が復帰するときは許容され、当該押さえ板300がスライドされたときには禁止される。
【0105】
押さえ板300(固定体)は、板体のほか、球体、立方体、直方体、円錐体、角錐体などでもよく、移動はスライド、回転、回転スライド、スピン、スピンスライド、押し出し、引き抜きなどどのような移動でもよい。ロック機構は、雄側コネクタ1、1A雌側コネクタ9、9Aとの接続を固定できればどのような形状でもよい。
【0106】
案内カバー303は、案内溝301、301に代えてもよい。この場合、案内カバー303は係止板304や押さえ板300を覆わない。そのため、押さえ板300や係止板304の弾性を押さえるロック機構が作用するように、案内溝301をハウジング305先端まで延長させ、押さえ板脚部308、308の両外側に突片310のような突片を設けて、その突片が突片310同様に案内溝301内部を摺動し、案内溝301、301によって押さえ板300の脚部308、308の弾性を押さえつけるようにする。案内カバー303及び案内孔303cは、断面方形状のほか、半円形、正方形、多角形、台形でもよい。
【0107】
ロック機構、第一係合機構および第二係合機構は、スライド式に限られず、ボタン式、スイッチ式、バネ式、ねじ込み式、フック式など、コネクタ装置の接続解除を禁止して、第一係合機構の意図しない接続解除を防ぐ機能を有すればよい。
【0108】
雄側コネクタ1、1A、1B、1Cと雌側コネクタ9、9A、9B、9Cを接続させる係止体または被係止体はなくてもよい。すなわち第一係合機構はなくてもよい。
【0109】
コネクタ装置A、A1、A2、A3のうち、コネクタ本体である雄側コネクタ1、1A、1B、1Cと、コネクタ接続体である雌側コネクタ9、9A、9B、9Cのどちらかあるいは両方はなくてもよい。
【0110】
第二係合機構は、第一〜第三実施例のようにロック機構と一体型でなくてもよく、別の構成部品から設けられてもよい。また、第二係合機構は、ロック機構が極めて高性能で無用なロック解除の可能性がなければ、設けなくてもよい。
【0111】
また、第一〜第三実施例では、第二係合機構の第二係止体は雄側コネクタ1の案内カバー303の突起303bに設けられ、第二被係止体は固定体である押さえ板300の係止孔307に設けられているが、これを逆にしてもよい。すなわち、第二係止体は、固定体に設け、第二被係止体は雄側コネクタ1に設けてもよい。また、第一係止体を雌側コネクタ9に設け、第二被係止体を固定体に設けてもよいし、その逆でもよい。
【0112】
なお、第一〜第三実施例では、ロック機構を構成する押さえ板300(固定体)や案内カバー303などを雄側コネクタ1側につけ、これに係脱する突起93を雌側コネクタ9側につけたが、これらのつけ方を逆にしてもよい。
【0113】
すなわち、雌側コネクタ9側にロック機構を構成する押さえ板300(固定体)や案内カバー303などをつけ、これに係脱する突起93を雄側コネクタ1側につけてもよい。また、ロック機構はコネクタ本体とコネクタ接続体の双方あるいは一方に複数設けられてもよい。また、ロック機構はなくてもよい。
【0114】
第二実施例のコネクタ装置A1では、電子情報取り出し装置500はケーブル400を介して雌側コネクタ9Aとつながっているが、雌側コネクタ9Aに限られず、ケーブル401または雄側コネクタ1Aとつながれてもよい。
【0115】
第二実施例および第四実施例におけるケーブル400および401はなくてもよい。この場合、電子データ取り出し装置は直接雌側コネクタ9Aに合体されたり、雄側コネクタ1Aに直接合体されたりする。また、ケーブル401は分岐され、雌側コネクタ9A、雄側コネクタ1Aは複数並列に接続されてもよいし、ケーブル400は分岐され、電子データ取り出し装置500は複数並列に接続されてもよい。
【0116】
電子データ取り出し装置500および500Aは、矩形ではなく、円形、楕円形、球体、円錐体、角錐体、円筒体、直方体、ひょうたん型などでもよい。また、内蔵するICチップやICメモリ、電子基板などを車両内部に取り付けて、ケーブルで両コネクタ1A、9Aまたはケーブル401とつないでもよい。当該電子データ取り出し装置500、500Aには、ECUや、カーナビゲーションのハードディスク、ETC機能などを搭載してもよい。また、電子データ取り出し装置500および500Aはなくてもよい。
【0117】
電子データ取り出し装置500、500Aにはコネクタが1つではなく、複数取り付けられてもよい。この場合、例えば、電子データ取り出し装置500、500Aの一方の端面には、雄側コネクタ1、1A、1B(コネクタ本体)が取り付けられ、他方の端面には、雌側コネクタ9、9A、9B(コネクタ接続体)が取り付けられてもよい。
【0118】
第三実施例における上記電子データ取り出し装置500Aは、図12に示すように、雄側コネクタ1Bに取り付けてもよいし、雌側コネクタ9Bに取り付けてもよい。また、電子データ取り出し装置500Aを複数並列に取り付けてもよいし、電子データ取り出し装置500はなくてもよい。
【0119】
第一〜第四実施例では雌側コネクタ9を自動車の本体側に固定し、雄側コネクタ1を、自動車の修理業者の計器側につけたが、これを逆にしてもよい。また、このコネクタ装置A、A1、A2、A3は、自動車用以外に、一般のパソコン用や、電気器具、通信器具、計装器具、計器用に用いられるものであってもよい。
【0120】
本コネクタ装置は、車両/自動車内のコンピュータと外部のコンピュータ/ノートパソコンとを接続する為のものであるが、これ以外のコンピュータ間の接続、コンピュータ本体とディスプレイとの接続、コンピュータ以外の種々の電子機器間の接続、通信機器間の接続などに用いられてもよい。
【0121】
本コネクタ装置は、コネクタピンではない形式または無い形式、例えばUSBケーブルのようなコネクタ、パソコンの種々の形式の接続コネクタ、オーディオ・映像のピンジャックのようなコネクタ、電話回線のジャックのようなコネクタ、電気コンセントのようなコネクタなど、回転ねじ込み式など、どのようなスタイルでもよい。
【0122】
上述の各実施例において、当該実施例で記載されていないことは、他の実施例の記載されている内容が参照及び引用される。本願明細書においては、上記複数の実施例にわたって、各部または一部を入れ替えた実施例も、上記各実施例として記載されているものである。
【0123】
(10)他の発明の効果
[1] コネクタ本体から平行に突出した複数のコネクタピンと、上記コネクタピンに電気的に接触する接触端を複数有し、コネクタ本体に連結されるコネクタ接続体を備えたコネクタ装置において、上記コネクタ本体及び上記コネクタ接続体のいずれか一方には第一係止体が設けられ、他方には第一被係止体が設けられ、上記凹型第一係止体と第一被係止体とが係合する第一の係合機構を備えたことを特徴とするコネクタ装置。これにより、互いに接続されたコネクタ本体とコネクタ接続体とが容易に接続でき、かつはずれにくくなる。係止体と被係止体とはコネクタ本体とコネクタ接続体とに対して逆に設けられてもよい。
【0124】
[2] 上記コネクタ本体または上記コネクタ接続体において、固定体を移動させて、上記第一係止体と上記第一被係止体の係合をロック、押止または付勢し、当該固定体を復帰させて、上記第一係合機構の係合のロック、押止または付勢を解除するロック機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。これにより、コネクタ本体とコネクタ接続体が接続されている場合において、突発的な振動や衝突などが生じた場合にも、意図しない接続解除を防ぐことができる。
【0125】
[3] 上記第一の係止体及び第一の被係止体は、上記ロック機構のロックが解除されるときまたは上記固定体が復帰されるとき、上記第一の係止体または第一の被係止体の変形を許容する空間を有し、上記ロック機構がロックされるときまたは上記固定体が移動されるとき、上記ロック機構または上記固定体はこの空間を塞いで、上記第一の係止体または第一の被係止体の変形を禁止して、当該ロックの解除または当該固定体の移動を禁止することを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ装置。これにより、コネクタ本体とコネクタ接続体を接続させる第一の係合機構の意図しない接続解除を防ぐ。
【0126】
[4] 上記固定体とこの固定体が設けられる上記コネクタ本体または上記コネクタ接続体との、いずれか一方には凹型の第二係止体が設けられ、他方には第二被係止体が設けられ、当該第二係止体と当該第二被係止体とが係合する第二の係合機構を備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載のコネクタ装置。 これにより、コネクタ本体とコネクタ接続体を接続させる第一の係合機構の、意図しない接続解除を防ぎ、さらにロック機構の意図しない接続解除をも防ぐことができる。
【0127】
[5] 上記第一係止体または第一被係止体の少なくとも一方は、若しくは上記第二係止体または上記第二被係止体の少なくとも一方は変形可能であり、この変形によって第一係止体と第一被係止体若しくは第二係止体と第二被係止体とは係合しまたは係合が解除され、この変形は、上記固定体が復帰されるときには許容され、上記固定体が移動されたときには禁止されるロック機構を備えたことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のコネクタ装置。これにより、第一係合機構の意図しない解除を防ぐことができる。
【0128】
[6]上記コネクタ本体が、上記第一係止体と上記被係止体の動きをロック、押止または付勢する上記ロック機構を備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載のコネクタ装置。これにより、第一係合機構の意図しない解除を防ぐことができる。
【0129】
[7]上記コネクタ接続体が、上記第一係止体と上記第一被係止体の動きをロック、押止または付勢する、上記ロック機構を備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載のコネクタ装置。これにより第一係合機構の意図しない解除を防ぐことができる。
【0130】
[8]上記コネクタ本体と上記コネクタ接続体とが電気的に接続されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7に記載のコネクタ装置。これにより、電子情報の伝達や蓄積が可能になる。
【0131】
[9]運転席のカバーの内部にて、上記コネクタ本体と上記コネクタ接続体とが電気的に接続されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載のコネクタ装置。これにより、コネクタが車体内部に収納され、車内空間に余分なものがなくなる。
【0132】
[10]上記コネクタ本体と上記コネクタ接続体とが電気的に接続され、コネクタ本体、またはコネクタ接続体またはケーブルのいずれかに電子データ取り出し装置が接続される請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載のコネクタ装置。これにより、両コネクタおよび電子データ取り出し装置が車体内部に収納され、常時両コネクタが接続されていても、意図しない接続解除を防ぎながら、走行データを蓄積することが可能となる。
【0133】
[11]上記コネクタ本体の上記コネクタピン付近からはガイド体が突出しており、当該ガイド体は上記コネクタピンより強度が強いことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載のコネクタ装置。これにより、ガイド体がコネクタ本体に対してずれるのが防止されるし、ガイド体そのものがゆがんでコネクタピン全体または一部を曲げてしまうことがなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
コネクタ本体とコネクタ接続体の離脱を確実に防ぎ、これに起因する種々の不都合を回避する。押さえ板300が案内溝301を摺動して、案内カバー303に挿入される(ロック機構)。これにより雄側コネクタ1の係止体304の弾性変形を許容する空間が塞がれ、係止体304に係合している雌側コネクタ9の突起93の移動を防ぎ(第一の係合機構)、雄側コネクタ1と雌側コネクタ9が接続しているとき、係止体304と突起93の係合が不用意に解除されない。
【0135】
さらに、押さえ板300の係止孔307と案内カバー303の突起303bとが係合する(第二の係合機構)。これにより、押さえ板300が固定され、上記ロック機構が不用意に解除される可能性をさらに低くし、雄側コネクタ1と雌側コネクタ9の離脱を確実に防ぐ。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】第一実施例の形態に係るコネクタ装置の外観斜視図を示す。
【図2】図1の一部断面図を示す。
【図3】雄側コネクタを構成する、ハウジング、ピン保持部、コネクタピン、ガイド部、押さえ板の外観斜視図である。
【図4】図1で示されるコネクタ装置の雌側コネクタの外観斜視図である。
【図5】図1で示されるコネクタ装置の雄側コネクタを示し、(a)は平面図を、(b)は断面図を示す。
【図6】雄側コネクタと雌側コネクタを接続させ、さらにロックをかけた状態の外観斜視図である。
【図7】雄側コネクタと雌側コネクタを接続させ、ロックを解除した状態の雄側コネクタを一部断面した外観斜視図である。
【図8】図6で示される雄側コネクタを一部断面した外観斜視図である。
【図9】第二実施例に係るコネクタ装置の構成を示す外観斜視図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】第三実施例に係る雄側コネクタを示し、(a)は雄側コネクタ1Bおよび固定具を示し、(b)は(a)の固定具を雄側コネクタに装着した状態を示す。
【図12】第三実施例に係る雄側コネクタを示し、(a)は、雄側コネクタに取り付ける収納ケースの上面と下面を示し、(b)は、(a)に収納ケースを装着した状態を示す。
【図13】ガイド部の変更実施例を示す。
【図14】第四実施例に係るコネクタ装置の構成を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
【0137】
1、1A、1B、1C…雄側コネクタ(コネクタ本体)3…ピン保持部、
4、4A…コネクタピン、
9、9A、9B、9C…雌側コネクタ(コネクタ接続体)、
30…基部、31…段部、32…挿入部、
33、38…ガイド部、34…挿通孔、
36…差込孔、37…固定部、
40…先端部、41…拡幅部、
90…本体部、91…差込孔、
92…ガイド孔、93…突起(第一被係止体)、
93a…挿入面、93b…係止面、100…取付部、
300…押さえ板(ロック機構、第二被係止体)、
301…案内溝(ロック機構)、302…取付部、
303…案内カバー(ロック機構)、
303a…突起、303b…突起(第二係止体)、
303c…案内孔(ロック機構)、303d…係止板(第二係止体)、
304…係止板(第一係止体)、
304a…係止部、304b…係止孔(第一係止体)、
305…ハウジング、306…操作部、
307…係止孔(第二係止体)、
308、309…脚部、310…突片、311…段部、
313、314、315…切り欠き部、316…突起、
400、401…ケーブル、500、500A…電子データ取り出し装置、
501、503…上ケース、502、504…下ケース、
503a、504a…切り欠き部、
505…固定具、506…固定溝、
A、A1、A2、A3…コネクタ装置、V、S…空間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ本体から平行に突出した複数のコネクタピンと、上記コネクタピンに電気的に接触する接触端を複数有し、コネクタ本体に連結されるコネクタ接続体を備えたコネクタ装置において、
上記コネクタ本体及び上記コネクタ接続体のいずれか一方には第一係止体が設けられ、他方には第一被係止体が設けられ、上記第一係止体と第一被係止体とが係合する第一の係合機構を備えたことを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
上記コネクタ本体または上記コネクタ接続体において、固定体を移動させて、上記第一係止体と上記第一被係止体の係合をロック、押止または付勢し、当該固定体を復帰させて、上記第一係合機構の係合のロック、押止または付勢を解除するロック機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
上記第一の係止体及び第一の被係止体は、上記ロック機構のロックが解除されるときまたは上記固定体が復帰されるとき、上記第一の係止体または第一の被係止体の変形を許容する空間を有し、
上記ロック機構がロックされるときまたは上記固定体が移動されるとき、上記ロック機構または上記固定体はこの空間を塞いで、上記第一の係止体または第一の被係止体の変形を禁止して、当該ロックの解除または当該固定体の移動を禁止することを特徴とする請求項1または2記載のコネクタ装置。
【請求項4】
上記固定体とこの固定体が設けられる上記コネクタ本体または上記コネクタ接続体との、いずれか一方には第二係止体が設けられ、他方には第二被係止体が設けられ、当該第二係止体と当該第二被係止体とが係合する第二の係合機構を備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
上記第一係止体または第一被係止体の少なくとも一方は、若しくは上記第二係止体または上記第二被係止体の少なくとも一方は変形可能であり、この変形によって第一係止体と第一被係止体若しくは第二係止体と第二被係止体とは係合しまたは係合が解除され、
この変形は、上記固定体が復帰されるときには許容され、上記固定体が移動されたときには禁止されるロック機構を備えたことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のコネクタ装置。
【請求項6】
上記コネクタ本体が、上記第一係止体と上記第一被係止体の動きをロック、押止または付勢する上記ロック機構を備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載のコネクタ装置。
【請求項7】
上記コネクタ接続体が、上記第一係止体と上記第一被係止体の動きをロック、押止または付勢する、上記ロック機構を備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載のコネクタ装置。
【請求項8】
コネクタ本体とコネクタ接続体とが電気的に接続されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7に記載のコネクタ装置。
【請求項9】
運転席のカバーの内部にて、上記コネクタ本体と上記コネクタ接続体とが電気的に接続されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載のコネクタ装置。
【請求項10】
上記コネクタ本体と上記コネクタ接続体とが電気的に接続され、コネクタ本体、またはコネクタ接続体またはケーブルのいずれかに電子データ取り出し装置が接続されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載のコネクタ装置。
【請求項11】
上記コネクタ本体の上記コネクタピン付近からはガイド体が突出しており、当該ガイド体は上記コネクタピンより強度が強いことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載のコネクタ装置。
【請求項1】
コネクタ本体から平行に突出した複数のコネクタピンと、上記コネクタピンに電気的に接触する接触端を複数有し、コネクタ本体に連結されるコネクタ接続体を備えたコネクタ装置において、
上記コネクタ本体及び上記コネクタ接続体のいずれか一方には第一係止体が設けられ、他方には第一被係止体が設けられ、上記第一係止体と第一被係止体とが係合する第一の係合機構を備えたことを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
上記コネクタ本体または上記コネクタ接続体において、固定体を移動させて、上記第一係止体と上記第一被係止体の係合をロック、押止または付勢し、当該固定体を復帰させて、上記第一係合機構の係合のロック、押止または付勢を解除するロック機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
上記第一の係止体及び第一の被係止体は、上記ロック機構のロックが解除されるときまたは上記固定体が復帰されるとき、上記第一の係止体または第一の被係止体の変形を許容する空間を有し、
上記ロック機構がロックされるときまたは上記固定体が移動されるとき、上記ロック機構または上記固定体はこの空間を塞いで、上記第一の係止体または第一の被係止体の変形を禁止して、当該ロックの解除または当該固定体の移動を禁止することを特徴とする請求項1または2記載のコネクタ装置。
【請求項4】
上記固定体とこの固定体が設けられる上記コネクタ本体または上記コネクタ接続体との、いずれか一方には第二係止体が設けられ、他方には第二被係止体が設けられ、当該第二係止体と当該第二被係止体とが係合する第二の係合機構を備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
上記第一係止体または第一被係止体の少なくとも一方は、若しくは上記第二係止体または上記第二被係止体の少なくとも一方は変形可能であり、この変形によって第一係止体と第一被係止体若しくは第二係止体と第二被係止体とは係合しまたは係合が解除され、
この変形は、上記固定体が復帰されるときには許容され、上記固定体が移動されたときには禁止されるロック機構を備えたことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のコネクタ装置。
【請求項6】
上記コネクタ本体が、上記第一係止体と上記第一被係止体の動きをロック、押止または付勢する上記ロック機構を備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載のコネクタ装置。
【請求項7】
上記コネクタ接続体が、上記第一係止体と上記第一被係止体の動きをロック、押止または付勢する、上記ロック機構を備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載のコネクタ装置。
【請求項8】
コネクタ本体とコネクタ接続体とが電気的に接続されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7に記載のコネクタ装置。
【請求項9】
運転席のカバーの内部にて、上記コネクタ本体と上記コネクタ接続体とが電気的に接続されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載のコネクタ装置。
【請求項10】
上記コネクタ本体と上記コネクタ接続体とが電気的に接続され、コネクタ本体、またはコネクタ接続体またはケーブルのいずれかに電子データ取り出し装置が接続されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載のコネクタ装置。
【請求項11】
上記コネクタ本体の上記コネクタピン付近からはガイド体が突出しており、当該ガイド体は上記コネクタピンより強度が強いことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載のコネクタ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−49074(P2011−49074A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197407(P2009−197407)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(304001992)株式会社クリエイト・プロ (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(304001992)株式会社クリエイト・プロ (3)
【Fターム(参考)】
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