説明

コネクタ装置

【課題】ハウジングに配線板状部材が差し込まれるコネクタ装置であって、製造コスト及び厚み寸法の低減を図れるもとで、配線板状部材に対するハウジングからの不所望な抜脱を阻止するための係止及びその係止の解除を確実に行えるものを提供する。
【解決手段】板状部材差込み部12が設けられるとともに複数のコンタクトが配列配置されたハウジング11と、ハウジングを覆うシェル部材14とを備え、シェル部材14に形成されたロック手段20Aが板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40を係止したもとで、ハウジングに一体的に設けられたロック解除手段30の操作部32を、ハウジングに対するフレキシブル印刷配線基板の板状部材差込み部を通じた差込み方向に沿う方向(P方向)に押圧操作することにより、ロック手段20Aにフレキシブル印刷配線基板に対する係止を解除させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、フレキシブル印刷配線基板(FPC)やフレキシブル平板状ケーブル(FFC)等の配線板状部材が装着されるもとで、装着された配線板状部材に設けられた接続端子部に接触接続されるコンタクトが配列配置され、装着された配線板状部材をその抜脱を阻止すべく係止するロック部及びロック部による配線板状部材に対する係止を解除するロック解除部を備えたコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の電子機器に実装される比較的小型なフレキシブル印刷配線基板やフレキシブル平板状ケーブル等の配線板状部材は、各種の電気部品が取り付けられる主配線基板との連結が、当該主配線基板に電気的接続がなされて固定されるコネクタ装置が用いられて行われることが多いものとされる。このような配線板状部材の主配線基板との連結にあたって用いられるコネクタ装置は、配線板状部材に設けられた接続端子部に接触接続される導電性のコンタクトを有していて、そのコンタクトを介して、配線板状部材に設けられた接続端子部を主配線基板に設けられた配線端子に電気的に接続する。
【0003】
従来提案されている、例えば、フレキシブル印刷配線基板とされる配線板状部材の主配線基板との連結に用いられるコネクタ装置は、配線板状部材が差し込まれる差込み部が設けられたものとされて、主配線基板に配される、例えば、絶縁材料によって形成されたハウジングを有したものとされる。そして、そのハウジング内に配列配置されて設けられて主配線基板に設けられた配線端子に接続され、配線板状部材が差込み部を通じてハウジングに差し込まれるとき、その配線板状部材に設けられた複数の接続端子部に夫々対応するものとなる複数のコンタクトと、外部からの電磁波ノイズ対策のため、即ち、外部からの電磁波ノイズに対するシールド効果を得るため、ハウジングを部分的もしくは全体的に覆うものとして配されて主配線基板に設けられた接地端子に接続される導電性シェルと、ハウジングに対して回動可能に設けられ、複数のコンタクトの夫々に係合して、回動せしめられるとき複数のコンタクトの夫々における作動部を変位させ、それにより、複数のコンタクトに、複数の信号接続端子部に夫々接触接続された状態、あるいは、複数の信号接続端子部との接触接続から解放された状態をとらせるアクチュエータとが備えられる。そして、複数のコンタクトが配線板状部材に設けられた複数の接続端子部に夫々接触接続された状態におかれることにより、配線板状部材が主配線基板との電気的連結状態におかれる。
【0004】
さらに、従来提案されている配線板状部材の主配線基板との連結に用いられるコネクタ装置の中には、上述のようなハウジングを有し、上述のような複数のコンタクトと導電性シェルとを備えているが、ハウジングに対して回動可能に設けられるアクチュエータは備えていず、配線板状部材が差込み部を通じてハウジングに差し込まれたとき、自動的に、ハウジング内に設けられた複数のコンタクトが差し込まれた配線板状部材に設けられた複数の接続端子部に夫々接触接続されるものもある。斯かるものにあっては、配線板状部材が差込み部を通じてハウジングに適正に差し込まれるだけで、配線板状部材が主配線基板との電気的連結状態におかれる。
【0005】
このような従来提案されているコネクタ装置にあっては、ハウジングに対して回動可能に設けられるアクチュエータを備えたもの及び斯かるアクチュエータを備えていないもののいずれの場合にも、例えば、フレキシブル印刷配線基板とされる配線板状部材が、主配線基板に配されたハウジングに差込み部を通じて差し込まれて、ハウジング内に配された複数のコンタクトが、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続され、それにより、配線板状部材が主配線基板との電気的連結状態におかれるにあたり、配線板状部材がハウジングから不所望に抜脱するような事態が回避されなくてはならない。当然のことながら、ハウジング内に配された複数のコンタクトがハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続された状態が適正に維持されるためには、ハウジングに差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材が、その状態を安定に維持することができ、ハウジングから不所望に抜脱されるような事態をまねかないものとされることが必要とされるのである。
【0006】
そのため、上述のような、ハウジングを有し、複数のコンタクトと導電性シェルとハウジングに対して回動可能とされるアクチュエータとが備えられたコネクタ装置に属するものであって、ハウジングに差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に係合して、当該配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱を阻止する係止手段を備えたコネクタ装置が従来提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、上述のような、ハウジングを有し、複数のコンタクトと導電性シェルとを備えているが、ハウジングに対して回動可能とされるアクチュエータは備えていないコネクタ装置に属するものであって、ハウジングに差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に係合して、当該配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱を阻止する係止手段を備えたコネクタ装置も従来提案されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照。)。
【0007】
特許文献1に示されるコネクタ装置にあっては、導電性シェル(シールドプレート11)の一部にシーソーのように変位することができる係止手段(ロック部11c )が形成されており、この係止手段には、導電性シェルの内側に向かって屈曲した係止端部(爪部11d )が設けられている。そして、係止手段は、ハウジング(ハウジング3 )に対して回動可能とされたアクチュエータ(アクチュエータ9 )の回動操作に応じて変位する。
【0008】
このようなもとで、配線板状部材(FPC21)がハウジング内の受容空間(FPC受容空間34)に差し込まれた後に、アクチュエータの第1の方向への回動操作が行われると、ハウジング内に配された複数のコンタクト(第1コンタクト5 ,第2コンタクト6 )が、アクチュエータに形成されたカム(カム部92, 93)によって変位せしめられ、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続されるとともに、係止手段が、アクチュエータに形成されたカム(カム部94)によって変位せしめられ、それに設けられた係止端部をハウジング内に差し込まれた配線板状部材に設けられた係合部(切欠21a )に係合させる。それにより、ハウジングに差し込まれた配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱が阻止される。
【0009】
その後、係止手段に設けられた係止端部がハウジングに差し込まれた配線板状部材に設けられた係合部に係合したもとで、アクチュエータの第1の方向とは逆の第2の方向への回動操作が行われると、アクチュエータに形成されたカム(カム部94)が、係止手段に、それに設けられた係止端部の配線板状部材に設けられた係合部との係合を解除する状態をとることを許す。それにより、ハウジングに差し込まれた配線板状部材が、ハウジングから抜脱され得る状態におかれる。
【0010】
また、特許文献2に示されるコネクタ装置にあっては、ハウジング(ハウジング本体2 )にそれに対して回動可能に設けられた導電性シェル(シェル4 )が備えられている。そして、導電性シェルの一部に板ばね状の係止手段(足部46)が形成されており、この係止手段の先端部に導電性シェルの内側に向かう係止突起(係止突起44)が設けられている。
【0011】
このようなハウジングに対して回動可能とされた導電性シェルが、その全体がハウジングに近接することになる、ハウジングに対して伏した位置をとるもとで、配線板状部材(FPC)がハウジングに差込み部(挿入口21)を通じて差し込まれると、ハウジング内に配された複数のコンタクト(コンタクト3(上部コンタクト31,下部コンタクト32))が、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続されるとともに、係止手段に設けられた係止突起が、ハウジングに差し込まれた配線板状部材に設けられた係合部(FPC係合孔FPC2)に係合する。それにより、ハウジングに差し込まれた配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱が阻止される。
【0012】
その後、係止手段に設けられた係止突起がハウジングに差し込まれた配線板状部材に設けられた係合部に係合したもとで、ハウジングに対して回動可能とされた導電性シェルが、ハウジングに対して起き上がった位置をとるべく回動操作されると、導電性シェルに形成された係止手段も導電性シェルに伴って変位し、それに設けられた係止突起が配線板状部材に設けられた係合部との係合を解除する。それにより、ハウジングに差し込まれた配線板状部材が、ハウジングから抜脱され得る状態におかれる。
【0013】
特許文献1に示されるもののような、係止手段がハウジングに対して回動可能とされたアクチュエータの回動操作に応じて変位するものとされた従来のコネクタ装置の場合には、ハウジングに対して回動可能とされたアクチュエータを備えることが必要とされ、そのことが、コネクタ装置の製造コストを嵩ませる要因となる。それに加えて、係止手段に配線板状部材に対する係止状態あるいは係止解除状態をとらせるにあたっては、アクチュエータをハウジングに対して回動させる操作が不可欠とされ、斯かる操作を行うための不所望なスペースをコネクタ装置の周囲に設けることが必要とされる。さらに、導電性シェルが、ハウジングの上面(主配線基板に対接する面に対向する他の面)と複数のコンタクトの配列方向における側端面のみを覆うものとされていて、外部からの電磁波ノイズに対するシールド効果を効果的に得ることが困難とされる虞がある。
【0014】
また、特許文献2に示されるもののような、ハウジングに対して回動可能とされた導電性シェルが備えられ、その導電性シェルの一部に係止手段が形成された従来のコネクタ装置の場合には、導電性シェルがハウジングに対して回動可能とされるので、コネクタ装置の主配線基板への固定のために導電性シェルを利用することができず、別途、コネクタ装置を主配線基板に固定するための部材(ホールドダウン部材)を備えることが必要とされ、そのことが、コネクタ装置の製造コストを嵩ませる要因となる。さらに、斯かるコネクタ装置にあっても、導電性シェルが、ハウジングの上面(主配線基板に対接する面に対向する他の面)と複数のコンタクトの配列方向における側端面のみを覆うものとされていて、外部からの電磁波ノイズに対するシールド効果を効果的に得ることが困難とされる虞がある。
【0015】
これに対して、特許文献3に示されるコネクタ装置にあっては、ハウジング(11)の外面部を部分的に覆うものとして配された導電性シェル(14)に、ハウジング内に伸びて、ハウジングにそれに設けられた板状部材差込み部(12)を通じて差し込まれた配線板状部材であるフレキシブル印刷配線基板(40)を係止する状態をとる係止手段(ロック部(20)) が形成されている。また、ハウジングには、それと一体的に形成されて移動可能とされ、一端部が導電性シェルの外方に突出するとともに、他端部が係止手段に係合する係止解除手段(ロック解除部(30)) が設けられている。
【0016】
係止手段は、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における係合部(43,44) に係合して配線板状部材を係止する係止部(23)と係止部を変位可能に支持する弾性ア−ム部(22)とを備えており、弾性ア−ム部に係止解除手段の他端部が係合する。
【0017】
係止解除手段の一端部は、ハウジングの上面(コネクタ装置が固定される主配線基板に対面する面である下面に対向する面)側において、ハウジングの内部からハウジングの上面を覆う導電性シェルの外部へと突出するのである。
【0018】
そして、配線板状部材がハウジングに板状部材差込み部を通じて差し込まれたとき、配線板状部材における係合部に係止手段における係止部が係合して配線板状部材を係止し、それにより、ハウジングに差し込まれた配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱が阻止される。
【0019】
その後、ハウジングの上面側から導電性シェルの外部へと突出した係止解除手段の一端部をハウジング内に向けて、即ち、ハウジングの下面に向けて押圧する押圧操作が行われると、係止解除手段の他端部が係止手段における弾性ア−ム部に係合してその弾性ア−ム部を変位させ、それに伴って、弾性ア−ム部により支持された係止部が配線板状部材における係合部との係合を解除する位置へと変位せしめられる。それにより、係止手段に形成された係止部が配線板状部材における係合部との係合から解放され、ハウジングに差し込まれた配線板状部材がハウジングから抜脱され得る状態におかれる。
【0020】
このような特許文献3に示されるもののような、導電性シェルにハウジング内に伸びて配線板状部材を係止する状態をとる係止手段が形成されるとともに、ハウジングにそれと一体的に形成されて移動可能とされた係止解除手段が設けられる従来のコネクタ装置によれば、上述の特許文献1に示されるもののような、ハウジングに対して回動可能とされたアクチュエータが備えられ、導電性シェルの一部に係止手段が形成された従来のコネクタ装置、あるいは、上述の特許文献2に示されるもののような、ハウジングに対して回動可能とされた導電性シェルが備えられ、その導電性シェルの一部に係止手段が形成された従来のコネクタ装置が、夫々伴う不都合あるいは問題点は解消される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2008−52993号公報 (段落0016,0017,0033〜0043、図1,図5,6)
【特許文献2】特開2008−192574号公報 (段落0026,0027,0031〜0034、図1〜6)
【特許文献3】特開2011−40246号公報(11〜16頁、図5〜11,15〜17)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上述のような、フレキシブル印刷配線基板等の配線板状部材の主配線基板への取付けに用いられるコネクタ装置であって、導電性シェルに、それからハウジング内に伸びて、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材を係止する状態をとる係止手段が形成されるとともに、ハウジングにそれと一体的に形成されて移動可能とされた係止解除手段が設けられる従来のコネクタ装置にあっては、ハウジングにそれと一体的に形成された係止解除手段の一端部が、ハウジングの上面側からその外部へと突出することになり、係止手段による配線板状部材に対する係止を解除するにあたっては、ハウジングの上面側からその外部に突出した係止解除手段の一端部に、ハウジングの下面に向けた押圧操作、換言すれば、ハウジングの上面及び下面を貫く方向、即ち、厚み方向の押圧操作を加えることが必要とされる。そのため、コネクタ装置についての、係止解除手段の一端部をも含めた厚み方向の寸法を十分に低減させることに困難性が生じ、主配線基板に取り付けられる各種電子部品の薄型化に支障を来す虞がある。
【0023】
また、上述の従来のコネクタ装置にあっては、それが主配線基板に固定されたもとで、係止手段による配線板状部材に対する係止を解除するための、係止解除手段の一端部に対する厚み方向における押圧操作が要求されるので、その外部に、係止解除手段の一端部に対する装置の厚み方向における押圧操作のためのスペースが確保されることが必要とされる。従って、主配線基板に固定されたときその外部に厚み方向における必要なスペースを得ることができないことになる状況のもとにおいては、当該コネクタ装置を使用することができない。
【0024】
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、フレキシブル印刷配線基板やフレキシブル平板状ケーブル等とされる配線板状部材の他の配線基板との連結に用いられる、板状部材差込み部が設けられたハウジングと、ハウジングに配列配置されて設けられる複数のコンタクトと、ハウジングを部分的に覆うシェル部材とを備えたコネクタ装置であって、ハウジングに対して回動可能とされるアクチュエータ等が不要とされ、また、導電性シェルをハウジングに対して回動可能とする必要がなく、それにより、部品点数を比較的少として製造コストの低減を図ることができ、さらに、厚み方向の寸法の低減を十分に図ることができ、しかも、他の配線基板に固定されたもとで、その厚み方向における押圧操作のためのスペースの確保を必要とすることなく、ハウジングに板状部材差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に対するハウジングからの不所望な抜脱を阻止するための係止及びその係止の解除を、確実に行えることになるものを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明(以下、本願発明という。)に係るコネクタ装置は、板状部材差込み部が設けられたハウジングと、ハウジングに配列配置され、配線板状部材が板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれたとき、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に接触接続される複数のコンタクトと、ハウジングにおける板状部材差込み部が設けられた部分及びその周囲に位置する差込み部周囲部分を除く他の部分の表面の大部分もしくは一部分を覆うものとして配されて、ハウジングにおける複数のコンタクトの配列方向の両端部分の内部においてハウジングに板状部材差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に対する係止を行う一対のロック手段が形成されたシェル部材と、ハウジングに一体的に設けられ、ロック手段に配線板状部材に対する係止を解除させるべく操作されるロック解除手段とを備えて成り、一対のロック手段の夫々が、配線板状部材に係合してそれを係止する係止部とその係止部を支持する弾性支持部とを有して構成され、ロック解除手段が、ハウジングの差込み部周囲部分における複数のコンタクトの配列方向の両端の一方側から他方側に亙って伸びて変位可能とされる操作部と、その操作部から伸びて一対のロック手段の弾性支持部に夫々係合する一対の押圧部と、操作部をハウジングの差込み部周囲部分における複数のコンタクトの配列方向の両端部に夫々連結する一対の連結部とを有して構成され、操作部がハウジングに対する配線板状部材の板状部材差込み部を通じた差込み方向に沿う方向に押圧操作されて変位するとき、一対の押圧部の夫々が弾性支持部を押圧して係止部を伴って変位させることを特徴とするものとされる。
【0026】
特に、本願の特許請求の範囲における請求項2に記載された本願発明に係るコネクタ装置にあっては、ロック解除手段における一対の連結部の夫々が、ハウジングの差込み部周囲部分における複数のコンタクトの配列方向の端部から屈曲してハウジングの内部に向かって弾性変位可能に伸び、ロック解除手段の操作部における押圧部の近傍となる部分に連なるものとされ、ロック解除手段における操作部がハウジングに対する配線板状部材の板状部材差込み部を通じた差込み方向に沿う方向に押圧操作されるとき、弾性変位を生じて、一対の押圧部の夫々に、一対のロック手段の夫々における弾性支持部を押圧して係止部を伴って変位させる状態をとらせる。
【0027】
上述のような本願発明に係るコネクタ装置にあっては、配線板状部材がハウジングにそれに設けられた板状部材差込み部を通じて差し込まれると、ハウジングに配列配置された複数のコンタクトが、差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に接触接続されるとともに、シェル部材に形成された一対のロック手段が、ハウジング内において、差し込まれた配線板状部材に対する係止を行う。斯かる一対のロック手段による配線板状部材に対する係止は、一対のロック手段の夫々における弾性支持部により支持された係止部が、配線板状部材に係合してそれを係止することにより行われ、それにより、配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱が阻止される。
【0028】
そして、一対のロック手段の夫々における係止部が配線板状部材を係止したもとで、ハウジングと一体的に形成されたロック解除手段における、ハウジングの差込み部周囲部分における複数のコンタクトの配列方向の両端の一方側から他方側に亙って伸びて変位可能とされた操作部が、ハウジングに対する配線板状部材の板状部材差込み部を通じた差込み方向に沿う方向に押圧操作されて変位せしめられると、操作部から伸びる一対の押圧部の夫々が、一対のロック手段の夫々における弾性支持部を押圧してそれが支持する係止部を伴って変位させる。それにより、一対のロック手段の夫々における係止部が配線板状部材に対する係合を解いてそれに対する係止を解除し、配線板状部材がハウジングから適正に抜脱され得る状態におかれる。
【0029】
斯かるもとで、ロック解除手段は、例えば、本願の特許請求の範囲における請求項2に記載された本願発明に係るコネクタ装置の場合のように、それにおける一対の連結部の夫々が、ハウジングの差込み部周囲部分における複数のコンタクトの配列方向の端部から屈曲してハウジングの内部に向かって弾性変位可能に伸び、ロック解除手段の操作部における押圧部の近傍となる部分に連なるものとされる。そして、ロック解除手段における操作部が、ハウジングに対する配線板状部材の板状部材差込み部を通じた差込み方向に沿う方向に押圧操作されたときには、一対の連結部の夫々が弾性変位を生じて、一対の押圧部の夫々に、一対のロック手段の夫々における弾性支持部を押圧して係止部を伴って変位させる状態をとらせる。
【発明の効果】
【0030】
本願発明に係るコネクタ装置においては、上述のように、ハウジングにそれに設けられた板状部材差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に対しての、ハウジングの表面を部分的に覆うシェル部材に形成されたロック手段による係止、及び、ハウジングに一体的に設けられたロック解除手段によってロック手段による係止の解除をなすにあたり、例えば、ハウジングに対して回動可能とされるアクチュエータを設けることが不要とされ、それに加えて、シェル部材をハウジングに対して回動可能とする必要がなく、ハウジングに対して固定されたシェル部材をコネクタ装置の配線基板への固定のために利用することができて、別途、コネクタ装置を配線基板に固定するための部材を備えることが不要とされる。その結果、本発明に係るコネクタ装置は、部品点数を比較的少として製造コストの低減を効果的に図ることができるものとなる。
【0031】
また、配線板状部材をハウジングにそれに設けられた板状部材差込み部を通じて差し込むだけで、シェル部材に形成されたロック手段による配線板状部材に対する係止を行うことができ、それとともに、ロック手段による配線板状部材に対する係止の解除を、ハウジングに一体的に設けられたロック解除手段における、ハウジングにおける差込み部周囲部分における複数のコンタクトの配列方向の両端の一方から他方に亙って伸びる操作部を、ハウジングに対する配線板状部材の板状部材差込み部を通じた差込み方向に沿う方向に押圧操作するだけで行うことができるので、ロック手段による配線板状部材に対する係止を極めて簡単な操作によって解除することができる。
【0032】
斯かるもとで、ハウジングに一体的に設けられたロック解除手段の操作部は、ハウジングにおける差込み部周囲部分における複数のコンタクトの配列方向の両端の一方から他方に亙って伸びるものとされていて、例えば、コネクタ装置の厚み方向においてハウジングからその外部に突出するものではなく、それゆえ、コネクタ装置の厚み方向の寸法には影響を及ぼさない。従って、本願発明に係るコネクタ装置は、その厚み方向の寸法の低減を十分に図ることができるものとなる。
【0033】
また、本願発明に係るコネクタ装置によれば、ロック手段による配線板状部材に対する係止を解除するにあたっては、ロック解除手段における操作部をハウジングに対する配線板状部材の板状部材差込み部を通じた差込み方向に沿う方向に押圧操作することで足り、例えば、ロック解除手段における操作部をコネクタ装置の厚み方向において押圧するような操作は不要とされるので、シェル部材により表面が部分的に包囲されたハウジングの外部にコネクタ装置の厚み方向における操作スペースを確保することが必要とされないもとで、ハウジングに板状部材差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に対するハウジングからの不所望な抜脱を阻止するための係止及びその係止の解除を、確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本願発明に係るコネクタ装置の一例を示す正面側から見た斜視図である。
【図2】本願発明に係るコネクタ装置の一例を示す背面側から見た斜視図である。
【図3】本願発明に係るコネクタ装置の一例を示す平面図である。
【図4】本願発明に係るコネクタ装置の一例を示す正面図である。
【図5】図4における V−V 線断面を示す断面図である。
【図6】本願発明に係るコネクタ装置の一例に備えられるシェル部材の一部を示す部分斜視図である。
【図7】図4における VII−VII 線断面を示す断面図である。
【図8】図4におけるVIII−VIII線断面を示す断面図である。
【図9】本願発明に係るコネクタ装置の一例におけるそれに備えられたロック手段及びロック解除手段の相互配置関係を示す一部断面を含んだ部分斜視図である。
【図10】本願発明に係るコネクタ装置の一例におけるそれに備えられたロック手段及びロック解除手段の相互配置関係を示す断面図である。
【図11】本願発明に係るコネクタ装置の一例に差し込まれるフレキシブル印刷配線基板を示す斜視図である。
【図12】本願発明に係るコネクタ装置の一例にフレキシブル印刷配線基板が差し込まれた状態を示す一部断面を含ん部分斜視図である。
【図13】本願発明に係るコネクタ装置の一例に対するフレキシブル印刷配線基板の差込みが開始された状態を示す一部断面を含んだ部分斜視図である。
【図14】本願発明に係るコネクタ装置の一例に対してフレキシブル印刷配線基板が差込み途中にある状態を示す一部断面を含んだ部分斜視図である。
【図15】本願発明に係るコネクタ装置の一例に対するフレキシブル印刷配線基板の差込みが完了し、当該一例に備えられたロック手段の係止部によってフレキシブル印刷配線基板が係止された状態を示す一部断面を含んだ部分斜視図である。
【図16】本願発明に係るコネクタ装置の一例においてロック手段の係止部によってフレキシブル印刷配線基板が係止されたもとにおいて、当該一例に備えられたロック解除手段の操作部に押圧操作が加えられた状態を示す一部断面を含んだ部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本願発明を実施するための形態は、以下に述べられる本願発明についての実施例をもって説明される。
【実施例】
【0036】
図1(正面側から見た斜視図),図2(背面側から見た斜視図),図3(平面図)及び図4(正面図)は、本願発明に係るコネクタ装置の一例を示す。
【0037】
図1〜図4において、本願発明に係るコネクタ装置の一例を成すコネクタ装置10は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたハウジング11を備えている。ハウジング11には、図4に示されるように、その正面側端面部に板状部材差込み部12が設けられており、板状部材差込み部12からハウジング11の内部へと板状部材収容空間が伸びている。ハウジング11における正面側端面部は、板状部材差込み部12が設けられた部分とその周囲に位置する差込み部周囲部分とからなっている。
【0038】
ハウジング11は、例えば、図示されていない配線基板の面上に配され、それにより、コネクタ装置10の全体が配線基板に取り付けられたものとされる。その際、ハウジング11における正面側端面部とそれに対向する背面側端面部とに挟まれた一対の対向端面部のうちの一方が配線基板の面に対面する端面部とされて他方が解放された端面部とされる。以下においては、配線基板の面に対面するハウジング11の一端面部を下方端面部といい、それに対向するハウジングの他端面部を上方端面部という。そして、板状部材差込み部12を通じて、例えば、後述されるフレキシブル印刷配線基板が、配線板状部材を成すものとして、ハウジング11に差し込まれる。
【0039】
ハウジング11には、各々が弾性導電材料で形成された複数のコンタクト13が、図3に示されるように、ハウジング11が配される配線基板の面に沿うことになる方向である、ハウジング11の長手方向(矢印Lにより示される方向)に沿って配列配置されて設けられている。以下、矢印Lにより示される方向をL方向ということとし、従って、複数のコンタクト13の配列方向は、L方向であることになる。
【0040】
複数のコンタクト13は、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板における複数の接続端子部に接触接続される信号用コンタクトとして設けられているが、フレキシブル印刷配線基板における複数の信号接続端子部及び接地接続部に接触接続される信号用及び接地用コンタクトとして用いられても良い。複数のコンタクト13の夫々には、図2に示されるように、ハウジング11の背面側端面部分からその外部に導出される部分に接続端子部13aが設けられており、接続端子部13aは、ハウジング11が配された配線基板に設けられた配線端子に接続される。そして、複数のコンタクト13は、例えば、図2に示されるハウジング11の背面側端面部分側から、ハウジング11の内部へと押圧挿入される。
【0041】
これらの複数のコンタクト13は、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板が板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれたとき、ハウジング11内において、差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における複数の接続端子部に夫々接触接続される。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における複数の接続端子部が、複数のコンタクト13を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた配線端子に電気的に接続される。
【0042】
また、コネクタ装置10は、ハウジング11における正面側端面部、即ち、板状部材差込み部12が設けられた部分及び差込み部周囲部分を除く他の部分、即ち、上方端面部,左側端面部,下方端面部,右側端面部及び背面側端面部の表面の大部分もしくは一部分を覆う導電性のシェル部材14を備えている。このシェル部材14は、例えば、金属板が加工成形されて構成されており、主としてコネクタ装置10についての外部からの電磁波ノイズ対策のため、即ち、コネクタ装置10における外部からの電磁波ノイズに対するシールド効果を得ることを主たる役割とするものとして、備えられている。
【0043】
図2に示されるように、シェル部材14は、ハウジング11における正面側端面部と、上方端面部の背面側端面部との境界部分の一部及び背面側端面部における複数のコンタクト13が外部に導出される部分については、それらの表面を覆っていないが、ハウジング11における上方端面部の背面側端面部との境界部分の一部以外の部分,左側端面部及び右側端面部については、それらの表面を略全体的に覆っている。また、シェル部材14には、複数の接地接続端子部14aが設けられていて、これらの接地接続端子部14aの夫々は、ハウジング11が配される配線基板に設けられた接地端子に、例えば、半田付けにより連結される。
【0044】
このように、導電性のシェル部材14が、ハウジング11における上方端面部の背面側端面部との境界部分の一部以外の部分,左側端面部及び右側端面部の夫々の表面を略全体的に覆い、それに設けられた複数の接地接続端子部14aが、配線基板に設けられた接地端子に、例えば、半田付けにより連結されるものとされることにより、コネクタ装置10における外部からの電磁波ノイズに対するシールド効果が効果的に得られることになるとともに、シェル部材14をコネクタ装置10の配線基板への固定に利用できることになる。
【0045】
そして、シェル部材14には、L方向の両端部においてハウジング11の背面側端面部における両端部を夫々覆う左背面部15A及び右背面部15Bが設けられており、さらに、左背面部15Aと右背面部15Bとを相互に連結する帯状背面部16が、ハウジング11の上方端面部の表面を覆う上面部17から切り離されたものとして設けられている。そして、図4における V−V 線断面をあらわす図5に示されるように、帯状背面部16からは、複数の接地用コンタクト18が、各々が板状部材差込み部12に向かうものとされてハウジング11内へと伸びている。複数の接地用コンタクト18の夫々は、ハウジング11内において、複数のコンタクト13のうちの一つに対向して配され、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板がハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたとき、その配線板状部材に設けられた接地接続部に接触接続される。
【0046】
また、シェル部材14には、図6に示されるように、左背面部15Aに対向する左正面側部分に、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれた配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板を係止する状態をとるロック手段20Aが形成されている。ロック手段20Aは、ハウジング11の下方端面部の表面を覆うシェル部材14の下面部21における左端部から、一旦ハウジング11の正面側端面部に向かって伸びた後折り返して左背面部15Aに向かって伸びる枠状体を成す弾性支持部22Aと、弾性支持部22Aによって変位可能に支持された係止部23Aとを備えて構成されており、弾性支持部22Aと係止部23Aとは、シェル部材14と一体に形成されている。
【0047】
ロック手段20Aにおける係止部23Aは、弾性支持部22Aからシェル部材14の上面部17に向かって立ち上がった突起を成しており、その端面部を、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板の板状部材差込み部12を通じたハウジング11への差込み方向に沿って上昇傾斜する傾斜面24Aを形成するものとしている。そして、係止部23Aは、その傾斜面24Aを形成する部分を、板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれた配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板に設けられた係合部に係合させて、当該フレキシブル印刷配線基板を係止する。それにより、ロック手段20Aによる配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板に対する係止が行われた状態が得られる。
【0048】
図4における VII−VII 線断面をあらわす図7に示されるように、ハウジング11の左側端部において、ロック手段20Aにおける係止部23Aは、ハウジング11内において、その傾斜面24Aを形成する部分における最上方部が、ハウジング11の一部に近接するとともに、それにおけるハウジング11に設けられた板状部材差込み部12側の端部25Aが、ハウジング11における板状部材差込み部12が設けられた部分に近接することになる位置をとるものとされる。
【0049】
また、ハウジング11の左側端面部を覆うシェル部材14の左側面部26Aには、ハウジング11の正面側端面部を形成する部分に設けられたスリットに差し込まれる差込み係合突起部27Aが形成されている。
【0050】
図示は省略されているが、シェル部材14にあっては、その右背面部15Bに対向する部分にも、上述のシェル部材14における左背面部15Aに対向する部分に形成されたロック手段20Aと同様に構成されるロック手段20Bが形成されている。このシェル部材14における右背面部15Bに対向する部分に形成されたロック手段20Bも、シェル部材14の下面部21における右端部から、一旦ハウジング11の正面側端面部に向かって伸びた後折り返して右背面部15Bに向かって伸びる枠状体を成す弾性支持部22Bと、弾性支持部22Bによって変位可能に支持された係止部23Bとを備えて構成されており、弾性支持部22Bと係止部23Bとは、シェル部材14と一体に形成されている。
【0051】
そして、ハウジング11の右側端部において、ロック手段20Bにおける係止部23Bは、弾性支持部22Bからシェル部材14の上面部17に向かって立ち上がった突起を成しており、その端面部を、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板の板状部材差込み部12を通じたハウジング11への差込み方向に沿って上昇傾斜する傾斜面24Bを形成するものとしている。そして、係止部23Bは、その傾斜面24Bを形成する部分を、板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれた配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板に設けられた係合部に係合させて、当該フレキシブル印刷配線基板を係止する。それにより、ロック手段20Bによる配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板に対する係止が行われた状態が得られる。
【0052】
そして、ロック手段20Bにおける係止部23Bは、ハウジング11内において、その傾斜面24Bを形成する部分における最上方部が、ハウジング11の一部に近接するとともに、それにおけるハウジング11に設けられた板状部材差込み部12側の端部25Bが、ハウジング11における板状部材差込み部12が設けられた部分に近接することになる位置をとるものとされる。
【0053】
また、ハウジング11の右側端面部を覆うシェル部材14の右側面部26Bには、ハウジング11の正面側端面部を形成する部分に設けられたスリットに差し込まれる差込み係合突起部27Bが形成されている。
【0054】
一方、ハウジング11には、ロック解除手段30が一体的に設けられており、このロック解除手段30には、シェル部材14に一体形成されたロック手段20A及び20Bの夫々に、板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれた配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板に対する係止を解除させるための操作が、必要に応じて加えられる。
【0055】
ロック解除手段30は、ハウジング11の差込み部周囲部分におけるL方向の両端である左端部31A及び右端部31Bのうちの一方側から他方側に亙って正面側端面部側に突出する状態で伸びて変位可能とされる操作部32と、操作部32をハウジング11の差込み部周囲部分における左端部31A及び右端部31Bに夫々連結する連結部33A及び33Bを有している。斯かるロック解除手段30にあっては、ハウジング11の差込み部周囲部分における左端部31A及び右端部31Bのうちの一方側から他方側に亙ってL方向に伸びる操作部32が、ハウジング11の差込み部周囲部分における左端部31A及び右端部31Bから夫々伸びる連結部33A及び33Bによって、変位可能に支持されていることになる。
【0056】
ロック解除手段30にあっては、図4におけるVIII−VIII線断面をあらわす図8に示されるように、L方向に伸びる操作部32におけるハウジング11内に配される端縁部の一部分である、シェル部材14に一体形成されたロック手段20Aに対応する部分から、押圧部34Aが伸びている。この押圧部34Aは、図9にも示されるように、ロック手段20Aにおける弾性支持部22Aに、その上方から、ハウジング11に対する配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板の板状部材差込み部を通じた差込み方向に沿う方向(図7において矢印Pにより示される方向。以下、P方向という。)において係止部23Aと並ぶようにして当接している。また、操作部32を支持する連結部33Aが、ロック手段20Aに対応するハウジング11の差込み部周囲部分における左端部31Aから、屈曲してハウジング11の内部に向かって上昇傾斜し弾性変位可能に伸び、操作部32における押圧部34Aの近傍となる部分に連なるものとされている。
【0057】
また、図示は省略されているが、L方向に伸びる操作部32におけるハウジング11内に配される端縁部の一部分である、シェル部材14に一体形成されたロック手段20Bに対応する部分からは、押圧部34Bが伸びている。この押圧部34Bは、ロック手段20Bにおける弾性支持部22Bに、その上方から、P方向において係止部23Bと並ぶようにして当接している。また、操作部32を支持する連結部33Bが、ロック手段20Bに対応するハウジング11の差込み部周囲部分における右端部31Bから、屈曲してハウジング11の内部に向かって上昇傾斜し弾性変位可能に伸び、操作部32における押圧部34Bの近傍となる部分に連なるものとされている。
【0058】
斯かるもとで、ロック解除手段30における操作部32は、図7に示されるように、その端部32aがP方向においてハウジング11の端部11aに当接するものとされており、それにより、P方向における位置規制を受ける。また、図8に示されるように、その上端面部32bがシェル部材14における上面部17の内面17aに当接するものとされており、それにより、即ち、ハウジング11における下方端面部から上方端面部に向かう方向における位置規制を受ける。
【0059】
このように構成されたロック解除手段30にあっては、図10に示されるように、L方向に伸びる操作部32におけるハウジング11外に配された端縁部に、P方向に押圧する押圧操作が加えられると、連結部33Aが弾性変位を生じて、操作部32にそれから伸びる押圧部34Aを下方、即ち、シェル部材14の下面部21に向かう方向に変位させる姿勢をとらせる。それにより、押圧部34Aが、ロック手段20Aにおける弾性支持部22Aを、シェル部材14の下面部21に向けて押圧し、係止部23Aを伴って下方に変位させる。
【0060】
その後、操作部32におけるハウジング11外に配された端縁部に押圧操作が加えられなくなると、連結部33Aが、弾性復元変形を生じて元の位置に戻り、それに伴って、操作部32及び押圧部34Aも元の位置に戻される。
【0061】
斯かる際、操作部32におけるハウジング11外に配された端縁部に加えられるP方向の押圧操作が過度とされた場合にも、操作部32の端部32aがP方向においてハウジング11の端部11aに当接して、操作部32がP方向における位置規制を受けることになり、それにより、ロック解除手段30における不所望な変形や破損等が生じる事態が回避される。また、誤操作により、操作部32におけるハウジング11外に配された端縁部に下方への押圧操作、即ち、ハウジング11における上方端面部から下方端面部に向かう方向の押圧操作が加えられた場合にも、操作部32の上端面部32bがシェル部材14における上面部17の内面17aに当接して、操作部32がハウジング11における下方端面部から上方端面部に向かう方向における位置規制を受けることになり、ロック解除手段30における不所望な変形や破損等が生じる事態が回避される。
【0062】
図11は、コネクタ装置10におけるハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれる、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板の一例であるフレキシブル印刷配線基板40を示す。図11には、フレキシブル印刷配線基板40の裏側の面が示されている。
【0063】
図11に示されるフレキシブル印刷配線基板40の裏側の面には、その一端部に各々が細い短冊状に形成された複数の接続端子部41が配列配置されて設けられている。また、斯かるフレキシブル印刷配線基板40の表側の面には、例えば、裏側の面における複数の接続端子部41が配列配置されて設けられた一端部に基板本体を挟んで対向する一端部に、接地接続部42(図13〜図15)が配されている。このような表側の面及び裏側の面を有したフレキシブル印刷配線基板40には、裏側の面に配列配置された複数の接続端子部41を挟んで相互対向する一対の側縁部に係合部43A及び係合部43Bが夫々形成されていて、一対の側縁部の一方における係合部43Aより先端側の部分が先端平板部44Aとされるとともに、一対の側縁部の他方における係合部43Bより先端側の部分が先端平板部44Bとされている。
【0064】
一対の係合部43A及び43Bは、各々が切欠きを形成するものとされているが、これらの切欠に代えて、フレキシブル印刷配線基板40の一対の側縁部に夫々配される一対の係合孔を形成するものとされてもよい。そして、フレキシブル印刷配線基板40においては、裏側の面に配列配置された複数の接続端子部41,表側の面に配された接地接続部42、及び、一対の係合部43A及び43Bまたは一対の係合孔が形成された部分を残して、それら以外の部分がカバーフィルム45によって覆われている。
【0065】
図12は、図11に示されるフレキシブル印刷配線基板40が、コネクタ装置10におけるハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれた状態を示す。図12において、フレキシブル印刷配線基板40にあっては、接地接続部42が設けられるとともにカバーフィルム45によって覆われた表側の面が上側の面とされている。
【0066】
フレキシブル印刷配線基板40がハウジング11に板状部材差込み部12を通じて適正に差し込まれたもとにあっては、ロック手段20Aにおける係止部23Aの傾斜面24Aを形成する部分が、フレキシブル印刷配線基板40に形成された係合部43Aに係合するとともに、ロック手段20Bにおける係止部23Bの傾斜面24Bを形成する部分が、フレキシブル印刷配線基板40に形成された係合部43Bに係合し、フレキシブル印刷配線基板40がロック手段20A及び20Bによって係止された状態におかれる。それにより、フレキシブル印刷配線基板40のハウジング11からの不所望な抜脱が防止される。
【0067】
フレキシブル印刷配線基板40がコネクタ装置10におけるハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれて、図12に示される状態がとられるときには、先ず、図13に示されるように、コネクタ装置10におけるハウジング11の左側端部において、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における係合部43Aより先端側の先端平板部44Aが、ロック手段20Aにおける係止部23Aの傾斜面24Aを形成する部分に向かって進み、それとともに、図示は省略されているが、コネクタ装置10におけるハウジング11の右側端部において、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における係合部43Bより先端側の先端平板部44Bが、ロック手段20Bにおける係止部23Bの傾斜面24Bを形成する部分に向かって進む状態がとられる。
【0068】
続いて、図14に示されるように、コネクタ装置10におけるハウジング11の左側端部において、ロック手段20Aにおける係止部23Aの傾斜面24Aを形成する部分が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における係合部43Aより先端側の先端平板部44Aに、シェル部材14の下面部21側から当接する。その際、係止部23Aは、フレキシブル印刷配線基板40における先端平板部44Aによってシェル部材14の下面部21に向かって押圧され、ロック手段20Aにおける弾性支持部22Aの弾性変形を伴って、シェル部材14の下面部21に近付く位置に変位せしめられる。
【0069】
また、図示は省略されているが、コネクタ装置10におけるハウジング11の右側端部において、ロック手段20Bにおける係止部23Bの傾斜面24Bを形成する部分が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における係合部43Bより先端側の先端平板部44Bに、シェル部材14の下面部21側から当接する。その際、係止部23Bは、フレキシブル印刷配線基板40における先端平板部44Bによってシェル部材14の下面部21に向かって押圧され、ロック手段20Bにおける弾性支持部22Bの弾性変形を伴って、シェル部材14の下面部21に近付 く位置に変位せしめられる。
【0070】
次に、フレキシブル印刷配線基板40がさらにハウジング11の内部へと差し込まれると、図15に示されるように、コネクタ装置10におけるハウジング11の左側端部において、ロック手段20Aにおける係止部23Aの傾斜面24Aを形成する部分が、フレキシブル印刷配線基板40における先端平板部44Aから外れ、ロック手段20Aにおける弾性支持部22Aの弾性復元によりシェル部材14の下面部21から遠ざかる位置(元の位置)へと変位せしめられて、フレキシブル印刷配線基板40における係合部43Aに係合し、フレキシブル印刷配線基板40を係止する。
【0071】
また、図示は省略されているが、コネクタ装置10におけるハウジング11の右側端部において、ロック手段20Bにおける係止部23Bの傾斜面24Bを形成する部分が、フレキシブル印刷配線基板40における先端平板部44Bから外れ、ロック手段20Bにおける弾性支持部22Bの弾性復元によりシェル部材14の下面部21から遠ざかる位置(元の位置)へと変位せしめられて、フレキシブル印刷配線基板40における係合部43Bに係合し、フレキシブル印刷配線基板40を係止する。
【0072】
このとき、フレキシブル印刷配線基板40は、ハウジング11への板状部材差込み部12を通じての差込みを完了して、図12に示される正規の差込み位置をとっており、シェル部材14に形成された一対のロック手段20A及び20Bにより係止されて、ハウジング11からの不所望な抜脱が阻止される状態におかれる。即ち、フレキシブル印刷配線基板40は、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて適正に差し込まれるだけで、シェル部材14に形成された一対のロック手段20A及び20Bによりハウジング11からの不所望な抜脱が阻止される状態におかれることになる。
【0073】
このようにして、フレキシブル印刷配線基板40がハウジング11への板状部材差込み部12を通じての差込を完了して正規の差込み位置をとるもとにおいては、シェル部材14の帯状背面部16からハウジング11内に伸びる複数の接地用コンタクト18が、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40の表側の面に配された接地接続部42に、シェル部材14の上面部17側から弾性当接して接触接続される。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における接地接続部42が、複数の接地用コンタクト18を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた接地端子に電気的に接続される。
【0074】
また、それとともに、ハウジング11内に配列配置された複数のコンタクト13が、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40の裏側の面に配列配置された複数の接続端子部41に、シェル部材14の下面部21側から夫々弾性当接して接触接続される。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41が、複数のコンタクト13を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた配線端子に電気的に接続される。
【0075】
その後、ハウジング11に一体的に設けられたロック解除手段30におけるL方向に伸びる操作部32のハウジング11外に配された端縁部に、それをP方向に押圧する押圧操作が加えられると、コネクタ装置10におけるハウジング11の左側端部において、ロック解除手段30における連結部33Aが弾性変位を生じて、操作部32にそれから伸びる押圧部34Aを下方、即ち、シェル部材14の下面部21に向かう方向に変位させる姿勢をとらせ、押圧部34Aが、ロック手段20Aにおける弾性支持部22Aを、シェル部材14の下面部21に向けて押圧する。それにより、図16に示されるように、ロック手段20Aにおける弾性支持部22Aが、係止部23Aを伴って下方に弾性変位し、係止部23Aの傾斜面24Aを形成する部分が、フレキシブル印刷配線基板40における係合部43Aに係合しなくなり、フレキシブル印刷配線基板40に対する係止を解除する。このとき、連結部33Aは、ハウジング11の左端部31Aからハウジング11内部に向かって上昇傾斜状態から略水平あるいは小さな下降傾斜状態へと変位するが、押圧部34Aはロック手段20Aにおける弾性支持部22AにP方向において係止部23Aと並ぶ位置を押圧する形になるので係止部23Aの下方への弾性変位が効率的に行われる。
【0076】
それとともに、ロック解除手段30における操作部32のハウジング11外に配された端縁部にそれをP方向に押圧する押圧操作が加えられたことにより、コネクタ装置10におけるハウジング11の右側端部において、ロック解除手段30における連結部33Bが弾性変位を生じて、操作部32にそれから伸びる押圧部34Bを下方、即ち、シェル部材14の下面部21に向かう方向に変位させる姿勢をとらせ、押圧部34Bが、ロック手段20Bにおける弾性支持部22Bを、シェル部材14の下面部21に向けて押圧する。それにより、図示は省略されているが、ロック手段20Bにおける弾性支持部22Bが、係止部23Bを伴って下方に弾性変位し、係止部23Bの傾斜面24Bを形成する部分が、フレキシブル印刷配線基板40における係合部43Bに係合しなくなり、フレキシブル印刷配線基板40に対する係止を解除する。このとき、連結部33Bは、ハウジング11の右端部31Bからハウジング11内部に向かって上昇傾斜状態から略水平あるいは小さな下降傾斜状態へと変位するが、押圧部34Bはロック手段20Bにおける弾性支持部22BにP方向において係止部23Bと並ぶ位置を押圧する形になるので係止部23Bの下方への弾性変位が効率的に行われる。
【0077】
その結果、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40は、シェル部材14に形成された一対のロック手段20A及び20Bによる係止から解放されて、ハウジング11から適正に抜脱され得る状態におかれる。
【0078】
なお、ロック解除手段30における操作部32のハウジング11外に配された端縁部に押圧操作が加えられなくなると、ロック解除手段30における連結部33A及び33Bの夫々が、弾性復元変形を生じて元の位置に戻り、それに伴って、操作部32及び押圧部34A及び34Bの夫々も元の位置に戻される。
【0079】
フレキシブル印刷配線基板40における一対の係合部43A及び43Bが、一対の切欠き部に代えて、一対の係合孔を形成するものとされる場合にも、上述と同様にして、フレキシブル印刷配線基板40に対するロック手段20A及び20Bによる係止、及び、ロック解除手段30A及び30Bを用いてのロック手段20A及び20Bによる係止の解除が行われる。
【0080】
上述のようなコネクタ装置10が用いられてそれにおけるハウジング11に配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板40が差し込まれるもとにあっては、フレキシブル印刷配線基板40をコネクタ装置10におけるハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込むだけで、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41が、複数のコンタクト13を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた配線端子に電気的に接続され、さらに、当該フレキシブル印刷配線基板40における接地接続部42が、複数の接地用コンタクト18を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた接地端子に電気的に接続されるとともに、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40が、シェル部材14に一体的に形成された一対のロック手段20A及び20Bによって適正に係止される状態を得ることができる。
【0081】
それに加えて、フレキシブル印刷配線基板40に対してのロック手段20A及び20Bによる係止の解除を、ハウジング11に一体的に設けられたロック解除手段30における操作部32を、ハウジング11に対するフレキシブル印刷配線基板40の板状部材差込み部12を通じた差込み方向に沿う方向(P方向)に押圧操作するだけで行うことができるので、ロック手段20A及び20Bによるフレキシブル印刷配線基板40に対する係止を極めて簡単な操作によって解除することができる。
【0082】
また、斯かるもとにあっては、ハウジング11にそれに設けられた板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40に対しての、シェル部材14に一体的に形成された一対のロック手段20A及び20Bによる係止、及び、ハウジング11に一体的に設けられたロック解除手段30を用いてのロック手段20A及び20Bによる係止の解除をなすにあたり、例えば、ハウジング11に対して回動可能とされるアクチュエータを設けることが不要とされ、それに加えて、シェル部材14をハウジング11に対して回動可能とする必要がなく、ハウジング11に対して固定されたシェル部材14をコネクタ装置10の配線基板への固定のために利用することができて、別途、コネクタ装置10を配線基板に固定するための部材を備えることが不要とされる。その結果、コネクタ装置10を用いる場合には、その部品点数を比較的少として製造コストの低減を効果的に図ることができる。
【0083】
そして、斯かるもとで、ハウジング11に一体的に設けられたロック解除手段30における操作部32は、ハウジング11における差込み部周囲部分における複数のコンタクト13の配列方向(L方向)の両端(左端部31A及び右端部31B)の一方から他方に亙って伸びるものとされていて、例えば、コネクタ装置10の厚み方向においてハウジング11からその外部に突出するものではなく、それゆえ、コネクタ装置10の厚み方向の寸法には影響を及ぼさない。従って、コネクタ装置10は、その厚み方向の寸法の低減を十分に図ることができるものとなる。
【0084】
さらに、コネクタ装置10によれば、ロック手段20A及び20Bによるフレキシブル印刷配線基板40に対する係止を解除するにあたっては、ロック解除手段30における操作部32をハウジング11に対するフレキシブル印刷配線基板40の板状部材差込み部12を通じた差込み方向に沿う方向(P方向)に押圧操作するだけで足り、例えば、ロック解除手段30における操作部32をコネクタ装置10の厚み方向において押圧するような操作は不要とされるので、シェル部材14により表面が部分的に包囲されたハウジング11の外部にコネクタ装置10の厚み方向における操作スペースを確保することが必要とされないもとで、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40に対するハウジング11からの不所望な抜脱を阻止するための係止及びその係止の解除を、確実に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上のような本願発明に係るコネクタ装置は、例えば、フレキシブル印刷配線基板等とされる配線板状部材の他の配線基板との連結に用いられる、板状部材差込み部が設けられたハウジングと、ハウジングに配列配置されて設けられる複数のコンタクトと、ハウジングを部分的に覆う導電性のシェル部材とを備えたコネクタ装置であって、部品点数を比較的少として製造コストの低減を図ることができ、さらに、厚み方向の寸法の低減を十分に図ることができ、しかも、他の配線基板に固定されたもとで、厚み方向における押圧操作のためのスペースの確保を必要とすることなく、ハウジングに板状部材差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に対するハウジングからの不所望な抜脱を阻止するための係止及びその係止の解除を、確実に行えるものとして、様々な電子機器等に広く適用され得るものである。
【符号の説明】
【0086】
10・・・コネクタ装置, 11・・・ハウジング, 12・・・板状部材差込み部, 13・・・コンタクト, 14・・・シェル部材, 15A・・・(シェル部材14の)左背面部, 15B・・・(シェル部材14の)右背面部, 16・・・(シェル部材14の)帯状背面部, 17・・・(シェル部材14の)上面部, 18・・・接地用コンタクト, 20A,20B・・・ロック手段, 21・・・(シェル部材14の)下面部, 22A,22B・・・弾性支持部, 23A,23B・・・係止部, 24A,24B・・・傾斜面, 30・・・ロック解除手段, 31A・・・(ハウジング11の差込み部周囲部分における)左端部, 31B・・・(ハウジング11の差込み部周囲部分における)右端部, 32・・・操作部, 33A,33B・・・連結部, 34A,34B・・・押圧部, 40・・・フレキシブル印刷配線基板, 41・・・接続端子部, 42・・・接地接続部, 43A,43B・・・係合部, 44A,44B・・・先端平板部, 45・・・カバーフィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状部材差込み部が設けられたハウジングと、
該ハウジングに配列配置され、配線板状部材が上記板状部材差込み部を通じて上記ハウジングに差し込まれたとき、該配線板状部材における複数の接続端子部に接触接続される複数のコンタクトと、
上記ハウジングにおける上記板状部材差込み部が設けられた部分及び該部分の周囲に位置する差込み部周囲部分を除く他の部分の表面の大部分もしくは一部分を覆うものとして配されて、上記ハウジングにおける上記複数のコンタクトの配列方向の両端部分の内部において上記ハウジングに上記板状部材差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に対する係止を行う一対のロック手段が形成されたシェル部材と、
上記ハウジングに一体的に設けられ、上記ロック手段に上記配線板状部材に対する係止を解除させるべく操作されるロック解除手段と、
を備えて成り、
上記一対のロック手段の夫々が、上記配線板状部材に係合して該配線板状部材を係止する係止部と該係止部を支持する弾性支持部とを有して構成され、上記ロック解除手段が、上記ハウジングの差込み部周囲部分における上記複数のコンタクトの配列方向の両端の一方側から他方側に亙って伸びて変位可能とされる操作部と、該操作部から伸びて上記一対のロック手段の弾性支持部に夫々係合する一対の押圧部と、上記操作部を上記ハウジングの差込み部周囲部分における上記複数のコンタクトの配列方向の両端部に夫々連結する一対の連結部とを有して構成され、上記操作部が上記ハウジングに対する配線板状部材の上記板状部材差込み部を通じた差込み方向に沿う方向に押圧操作されて変位するとき、上記一対の押圧部の夫々が上記弾性支持部を押圧して上記係止部を伴って変位させることを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
上記ロック解除手段における一対の連結部の夫々が、上記ハウジングの差込み部周囲部分における上記複数のコンタクトの配列方向の端部から屈曲して上記ハウジングの内部に向かって弾性変位可能に伸び、上記操作部における上記押圧部の近傍となる部分に連なるものとされ、上記ロック解除手段における操作部が上記ハウジングに対する配線板状部材の上記板状部材差込み部を通じた差込み方向に沿う方向に押圧操作されるとき、弾性変位を生じて、上記一対の押圧部の夫々に、上記弾性支持部を押圧して上記係止部を伴って変位させる状態をとらせることを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
【請求項3】
上記ロック解除手段が、上記操作部の一部が上記ハウジングに対する配線板状部材の上記板状部材差込み部を通じた差込み方向において上記ハウジングに当接することにより、上記ハウジングに対する配線板状部材の上記板状部材差込み部を通じた差込み方向における位置規制を受けることを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置
【請求項4】
上記ハウジングが配線基板に対面するものとされる第1の端面部と該第1の端面部に対向する第2の端面部とを有し、上記板状部材差込み部が上記第1の端面部と上記第2の端面部との間に設けられ、上記ロック解除手段が、上記操作部の一部が上記第2の端面部を覆う上記シェル部材に当接して、上記第1の端面部から上記第2の端面部に向かう方向における位置規制を受けることを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−45541(P2013−45541A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181266(P2011−181266)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(592028846)第一精工株式会社 (94)
【Fターム(参考)】