説明

コネクタ

【課題】 嵌合状態を保持すると共に、衝突音を2回発生させて嵌合作業の完了を確認する。
【解決手段】 可撓部13,21と係止突起15,23をそれぞれ有するロックアーム9,11が雌型ハウジング3に設けられ、係止突起15,23を係止させて嵌合状態を保つ係止部7が雄型ハウジング5に設けられ、係止突起15,23が係止部7に係止すると雄型ハウジング5に衝突して衝突音を2回発生させるコネクタ1であって、係止突起15,23を、ハウジング3,5の嵌合操作方向の異なった位置に設けることによって衝突音に所定の時間差を与えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雌型と雄型の端子金具を収容し嵌合させるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に「コネクタ」が記載されている。
【0003】
図5のように、このコネクタ201は、雄型の端子金具203を収容するコネクタハウジング205と、雌型の端子金具207を収容するコネクタハウジング209から構成されており、コネクタハウジング209をコネクタハウジング205のフード部211に装着すると、端子金具207と端子金具203が嵌合して電気的に接続される。
【0004】
フード部211にはロック孔213が設けられ、コネクタハウジング209にはロック孔213に係止して端子金具203,207を嵌合状態に維持するロック突部215が設けられている。このロック突部215はロックアーム本体217に設けられており、ロックアーム本体217の両側には一対の撓み片219が設けられ、ロックアーム本体217と各撓み片219は同一の可撓部221を共有している。
【0005】
各撓み片219には打撃突部223が設けられており、各打撃突部223と上記のロック突部215は嵌合方向の異なった位置に設けられ、図5(b)のように、各打撃突部223の上面はロックアーム本体217の上面225より丈高に形成されている。ロック突部215がロック孔213に係止し、端子金具203と端子金具207の嵌合が正常に行われると、丈高の各打撃突部223がフード部211の内壁227と衝突して最初の打撃音を発生させ、次いで、ロックアーム本体217の上面225が内壁227と衝突して次の打撃音を発生させる。
【0006】
このように打撃音を2回発生させることによって、騒がしい環境の中でも、作業者はコネクタ201(端子金具203,207)が嵌合したことを検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−196227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記の従来例では、ロックアーム本体217と各撓み片219が同一の可撓部221を共有しており、一方に働く力はこの可撓部221を介して他方に影響する。また、打撃突部223は、ロック突部215がロック孔213と係止した状態で、その上面がフード部211の内壁227に接している上に、上記のようにその上面がロックアーム本体217の上面225より高くなっているから、その高さの差だけ各撓み片219(可撓部221)が撓んでおり、これらの撓みによる弾発力がロックアーム本体217を介してロック突部215をロック孔213との係止を解除させる方向に働く。
【0009】
従って、車両の走行中などに振動を受けると、ロック突部215とロック孔213との係止(ロック)が解除され易く、その結果、コネクタ201を嵌合状態に保持することができず、端子金具203,207の接続が外れる恐れが生じる。
【0010】
また、上記の2回の打撃音は、同一の可撓部221上に形成された各撓み片219の打撃突部223と、ロックアーム本体217の上面225とによってそれぞれ発生するものであり、従って、打撃音と打撃音との時間間隔が極めて短く、作業者には1回の打撃音として聞こえる恐れがあり、コネクタ201の嵌合が正常に行われたことを確認することはそれだけ難しい。
【0011】
また、打撃音の時間間隔を長くするためには、各打撃突部223を丈高にする必要があるが、それに伴ってロック突部215とロック孔213との係止を解除する上記のような力が大きくなり、ロックがさらに解除され易くなる恐れがある。
【0012】
そこで、この発明は、嵌合状態を保持すると共に、所定のタイミングで衝突音を2回発生させ、嵌合作業が完了したことを明確に確認することができるコネクタの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1のコネクタは、雌型端子金具を収容する雌型ハウジングと雄型端子金具を収容する雄型ハウジングとからなり、前記両ハウジングの一方に可撓部を有するロックアームが設けられ、両ハウジングの他方に前記ロックアームを係止させて前記両端子金具を嵌合状態に保つ係止部が設けられたコネクタであって、前記ロックアームが、第1ロックアームと第2ロックアームからなり、第1ロックアームは、前記両ハウジングが嵌合操作されるとき、前記可撓部を撓ませた後、前記係止部に係止する第1係止突起と、前記第1係止突起が前記係止部に係止する際に、撓んだ前記可撓部の弾発力により相手側ハウジングに衝突して衝突音を発生させる第1衝突部とを有し、第2ロックアームは、前記両ハウジングが嵌合操作されるとき、前記可撓部を撓ませた後、前記係止部に係止する第2係止突起と、前記第2係止突起が前記係止部に係止する際に、撓んだ前記可撓部の弾発力により相手側ハウジングに衝突して衝突音を発生させる第2衝突部とを有し、前記第1及び第2の係止突起を、前記両ハウジングの嵌合操作方向の異なった位置に設けたことにより、前記両衝突音の発生タイミングに所定の時間差が与えられていることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1に記載されたコネクタであって、前記第1ロックアームと第2ロックアームの内、2度目の衝突音を発生させるロックアームの前記嵌合操作方向と直交する幅が、他方のロックアームの幅より広いことを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載されたコネクタであって、前記第1ロックアームに、前記両ハウジングの嵌合を解除する際に押圧操作される第1操作部が設けられ、前記第2ロックアームに、前記両ハウジングの嵌合を解除する際に押圧操作される第2操作部が設けられ、前記第1操作部と第2操作部の操作方向の高さが、同一であることを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1または請求項2に記載されたコネクタであって、前記第1ロックアームと第2ロックアームの一方に、前記両ハウジングの嵌合を解除する際に押圧操作される操作部が設けられ、前記第1ロックアームと第2ロックアームの間に、前記両ハウジングの嵌合を解除する際、前記操作部を押圧操作するときは他方のロックアームを押圧して連動操作するが、前記第1ロックアームと第2ロックアームの他方が押圧されるときは一方のロックアームから離間して連動しない押圧連動部が設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明は、請求項4に記載されたコネクタであって、前記押圧連動部が、前記一方のロックアーム側に設けられた切り欠き部と、前記他方のロックアーム側に設けられ、前記切り欠き部に貫入する凸部とからなり、一方のロックアームの前記操作部を押圧操作するときは、前記切り欠き部が前記凸部と接触し、前記他方のロックアームを押圧操作するときは、前記凸部が前記切り欠き部から離間することを特徴とする。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載されたコネクタであって、前記第1ロックアームと第2ロックアームに、前記第1ロックアームの第1係止突起が前記係止部に係止し、前記第2ロックアームの第2係止突起が前記係止部に係止すると、互いの位置が一致する合いマークが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1のコネクタは、相手側ハウジングの係止部に係止突起が係止すると 衝突音を発生させる衝突部を第1ロックアームと第2ロックアームに設けると共に、各係止突起を両ハウジングの嵌合操作方向の異なった位置に設けたことによって衝突音と衝突音との発生タイミングに所定の時間差を与えたので、作業者は、騒がしい環境の中でも2回の衝突音を明確に検知し、嵌合が正常に行われたことを確認できる。
【0020】
また、衝突音の時間差は、各係止突起の位置(間隔)を変えることによって随意に調整可能であり、所望の時間差を与えることができる上に、従来例と異なって、時間差を長くしても係止(ロック)が解除され易くなる恐れはない。
【0021】
また、第1と第2のロックアームの間で、他方の係止を解除させる力が生じないから、従来例と異なって、車両の走行中などに振動を受けてもロック状態(端子金具の嵌合状態)を保持することができる。
【0022】
請求項2のコネクタは、請求項1の構成と同等の効果が得られる。
【0023】
また、コネクタが嵌合状態にあるときは、2度目の衝突音を発生させるロックアームの係止突起が係止部に係止して嵌合状態を保持しているから、このロックアーム(係止突起)の幅を広くしたことによってコネクタのロック機能が強化され、振動などによるロック解除の恐れがさらに低減される。
【0024】
請求項3のコネクタは、請求項1または請求項2の構成と同等の効果が得られる。
【0025】
また、第1ロックアームの第1操作部と第2ロックアームの第2操作部は、その操作方向位置が揃っていればコネクタの嵌合が完了したことを、揃っていなければ嵌合が未完了であることを示しており、このように、各操作部は嵌合が完了したか否かを示すインジケータとしても利用できるから、第1操作部と第2操作部の高さを操作方向に同一にしたことによって、このインジケータ機能が向上し、嵌合が完了したか否かをさらに検知し易くなる。
【0026】
請求項4のコネクタは、請求項1または請求項2の構成と同等の効果が得られる。
【0027】
また、ハウジングの嵌合を解除する際に押圧操作される操作部を一方のロックアームに設けると共に、上記の操作部を押圧すると他方のロックアーム側と接触し、連動して係止を解除させるが、他方のロックアーム側を押圧すると一方のロックアームから離間して連動しない押圧連動部を第1と第2のロックアームの間に設けたことにより、一方の操作部を押圧操作するだけで係止を簡単に解除することができる。
【0028】
また、他方のロックアームで操作部を省略することが可能になり、それだけコストが低減される。
【0029】
請求項5のコネクタは、一方のロックアームに設けた切り欠き部と、他方のロックアームに設けられこの切り欠き部に貫入する凸部とによって押圧連動部が構成されており、操作部(一方のロックアーム)を押圧操作するときは切り欠き部が凸部を押圧し、他方のロックアームを押圧操作するときはこの凸部が切り欠き部から離間することによって、請求項4の構成と同等の効果が得られる。
【0030】
請求項6のコネクタは、請求項1〜請求項5の構成と同等の効果が得られる。
【0031】
また、第1と第2のロックアームに、それぞれの係止突起が係止部に係止すると互いの位置が一致する合いマーク(例えば、位置が一致すると1本の直線になるスリット)を設けたので、嵌合が完了したか否かを容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】コネクタ1の構成を示す斜視図である。
【図2】コネクタ1を構成する雌型ハウジング3を示す斜視図である。
【図3】雌型ハウジング3と雄型ハウジング5とを嵌合させた状態を示すコネクタ1の断面図である。
【図4】コネクタ101を示す斜視図である。
【図5】(a)は従来のコネクタ201を構成するコネクタハウジング205の断面図で、(b)は従来のコネクタ201を構成するコネクタハウジング209の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係るコネクタの実施例について説明する。
【実施例1】
【0034】
図1〜図3によってコネクタ1の説明をする。
【0035】
本実施形態のコネクタ1は、雌型端子金具を収容する雌型ハウジング3と雄型端子金具を収容する雄型ハウジング5とからなり、雌型ハウジング3(ハウジング3,5の一方)に可撓部を有する下記のロックアームが設けられ、雄型ハウジング5(ハウジング3,5の他方)にロックアームを係止させて両端子金具を嵌合状態に保つ係止孔7(係止部)が設けられている。
【0036】
ロックアームが、第1のロックアーム9と第2のロックアーム11からなり、ロックアーム9は、ハウジング3,5が嵌合操作されるとき、その可撓部13を撓ませた後、係止孔7に係止するロックビーク15(第1係止突起)と、ロックビーク15が係止孔7に係止する際に、撓んだ可撓部13の弾発力によって、雄型ハウジング5に設けられた嵌合フード17(相手側ハウジング)の内壁面に衝突して衝突音を発生させる上面19(第1衝突部)とを有している。
【0037】
ロックアーム11は、ハウジング3,5が嵌合操作されるとき、可撓部21を撓ませた後、係止孔7に係止するロックビーク23(第2係止突起)と、ロックビーク23が係止孔7に係止する際に、撓んだ可撓部21の弾発力により嵌合フード17(相手側ハウジング)の内壁面に衝突して衝突音を発生させる上面25(第2衝突部)とを有し、ロックビーク15,23を、ハウジング3,5の嵌合操作方向27(図2)の異なった位置29,31(図3)に設けたことにより、両衝突音の発生タイミングに所定の時間差が与えられている。
【0038】
また、ロックアーム9には、ハウジング3,5の嵌合を解除する際に押圧操作される第1操作部33が設けられ、ロックアーム11には、ハウジング3,5の嵌合を解除する際に押圧操作される第2操作部35が設けられ、第1操作部33と第2操作部35は操作方向の高さ37(図3)を同一にされている。
【0039】
雌型ハウジング3は2箇の収容部39に雌型端子金具を収容し、雄型ハウジング5は2箇の収容部に雄型端子金具を収容しており、ロックアーム9,11のロックビーク15,23には嵌合操作方向27側に斜面41,43(図2)がそれぞれ形成されている。
【0040】
図3のように、雌型ハウジング3を雄型ハウジング5の嵌合フード17に装着すると、ロックビーク15,23の斜面41,43が嵌合フード17の内周に当たり、ロックアーム9,11の可撓部13,21を撓ませた後、先ず、嵌合操作方向27に先行形成されたロックビーク15が係止孔7に係止し、雌型端子金具と雄型端子金具とが導通すると共に、撓んだ可撓部13の弾発力により上面19が嵌合フード17の内壁面に衝突して最初の衝突音を発生させ、次いで、嵌合操作方向27に後行形成されたロックビーク23が係止孔7に係止し、ハウジング3,5の嵌合が完了すると共に、撓んだ可撓部21の弾発力により上面25が嵌合フード17の内壁面に衝突して2回目の衝突音を発生させる。
【0041】
コネクタ1は、ロックアーム9,11のロックビーク15,23を異なった位置29,31に設けたことによって衝突音の発生タイミングに所定の時間差を与えたので、作業者は、騒がしい環境の中でも2回の衝突音を明確に検知し、嵌合が正常に行われたことを確認することができる。
【0042】
また、従来例と異なって、ロックアーム9,11の間に他方の係止を解除させる力が生じないから、車両の走行中などに振動を受けてもロック状態(端子金具の嵌合状態)を保持することができる。
【0043】
また、衝突音の時間差は、ロックビーク15,23の位置を変えることによって随意に調整可能であり、最適な間隔にすることができる上に、従来例と異なって、時間差を長くしてもロックが解除され易くなる恐れはない。
【実施例2】
【0044】
図4によってコネクタ101の説明をする。以下、実施例1と同一の機能部及び機能部材には同一の符号を付して説明し、重複する説明文は省略する。
【0045】
コネクタ101は、雌型端子金具を収容する雌型ハウジング103と雄型端子金具を収容する雄型ハウジング5とからなり、雌型ハウジング103(ハウジング103,5の一方)に可撓部を有する下記のロックアームが設けられ、雄型ハウジング5(ハウジング103,5の他方)にロックアームを係止させて両端子金具を嵌合状態に保つ係止孔7(係止部)が設けられている。
【0046】
ロックアームが、第1のロックアーム105と第2のロックアーム107からなり、ロックアーム105は、ハウジング103,5が嵌合操作されるとき、その可撓部109を撓ませた後、係止孔7に係止するロックビーク111(第1係止突起)と、ロックビーク111が係止孔7に係止する際に、撓んだ可撓部109の弾発力によって、雄型ハウジング5に設けられた嵌合フード17(相手側ハウジング)の内壁面に衝突して衝突音を発生させる上面113(第1衝突部)とを有している。
【0047】
ロックアーム107は、ハウジング103,5が嵌合操作されるとき、可撓部115を撓ませた後、係止孔7に係止するロックビーク117(第2係止突起)と、ロックビーク117が係止孔7に係止する際に、撓んだ可撓部115の弾発力により嵌合フード17(相手側ハウジング)の内壁面に衝突して衝突音を発生させる上面119(第2衝突部)とを有し、ロックビーク111,117を、ハウジング103,5の嵌合操作方向27の異なった位置に設けたことにより、両衝突音の発生タイミングに所定の時間差が与えられている。
【0048】
また、ロックアーム105(一方のロックアーム)には、ハウジング103,5の嵌合を解除する際に押圧操作される操作部121と、切り欠き部123(押圧連動部)が設けられ、ロックアーム107(他方のロックアーム)には切り欠き部123に貫入する凸部125(押圧連動部)が設けられており、操作部121を押圧操作すると切り欠き部123が凸部125と接触し、ロックアーム105,107が連動で押下されてロックが解除されるが、ロックアーム107を押圧するときは凸部125が切り欠き部123から離間するので連動押下は行われない。
【0049】
雌型ハウジング103は2箇の収容部39に雌型端子金具を収容しており、ロックビーク111,117には嵌合操作方向27側に斜面が形成されている。
【0050】
雌型ハウジング103を雄型ハウジング5の嵌合フード17に装着すると、ロックビーク111,117の上記各斜面が嵌合フード17の内周に当たり、ロックアーム105,107の可撓部109,115を撓ませた後、先ず、嵌合操作方向27に先行形成されたロックビーク111が係止孔7に係止し、雌型端子金具と雄型端子金具とが導通すると共に、撓んだ可撓部109の弾発力により上面113が嵌合フード17の内壁面に衝突して最初の衝突音を発生させ、次いで、嵌合操作方向27に後行形成されたロックビーク117が係止孔7に係止し、ハウジング103,5の嵌合が完了すると共に、撓んだ可撓部115の弾発力により上面119が嵌合フード17の内壁面に衝突して2回目の衝突音を発生させる。
【0051】
コネクタ101は、ロックアーム105,107に切り欠き部123と凸部125からなる押圧連動部を設けたことにより、操作部121を押圧するだけで簡単にロックを解除できる。
【0052】
また、ロックアーム107側で操作部が不要になるから、それだけコストが低減される。
【実施例3】
【0053】
図4のコネクタ101では、ロックアーム105の幅131(嵌合操作方向27に直交する幅)がロックアーム107の幅133より広くなっているが、ロックアーム105のロックビーク111を、ロックアーム107のロックビーク117より嵌合操作方向27に後行形成すれば、ロックアーム105が2度目の衝突音を発生させる(雄型ハウジング5の係止部7に係止する)ロックアームになるから、ロックアーム105(ロックビーク111)を幅広にしたことにより、ロック機能が強化され、振動などによるロック解除の恐れがさらに低減される。
【実施例4】
【0054】
図4において、ロックアーム105,107の端部に破線で描いたように、ロックビーク111,117が雄型ハウジング5の係止部7に係止すると互いの位置が一致するスリット151,153(合いマーク)を設ければ、端子金具の嵌合が完了したか否かを容易に知ることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 コネクタ
3 雌型ハウジング
5 雄型ハウジング
7 雄型ハウジング5の係止孔(係止部)
9 第1ロックアーム
11 第2ロックアーム
13,21 可撓部
15 ロックビーク(第1係止突起)
17 雄型ハウジング5の嵌合フード
19 上面(第1衝突部)
23 ロックビーク(第2係止突起)
25 上面(第2衝突部)
27 嵌合操作方向
33 第1操作部
35 第2操作部
37 第1操作部33と第2操作部35の高さ
101 コネクタ
103 雌型ハウジング
105 第1ロックアーム
107 第2ロックアーム
109,115 可撓部
111 ロックビーク(第1係止突起)
113 上面(第1衝突部)
117 ロックビーク(第2係止突起)
119 上面(第2衝突部)
121 ロックアーム105の操作部
123 ロックアーム105の切り欠き部(押圧連動部)
125 ロックアーム107の凸部(押圧連動部)
151,153 スリット(合いマーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌型端子金具を収容する雌型ハウジングと雄型端子金具を収容する雄型ハウジングとからなり、前記両ハウジングの一方に可撓部を有するロックアームが設けられ、両ハウジングの他方に前記ロックアームを係止させて前記両端子金具を嵌合状態に保つ係止部が設けられたコネクタであって、
前記ロックアームが、第1ロックアームと第2ロックアームからなり、
第1ロックアームは、前記両ハウジングが嵌合操作されるとき、前記可撓部を撓ませた後、前記係止部に係止する第1係止突起と、前記第1係止突起が前記係止部に係止する際に、撓んだ前記可撓部の弾発力により相手側ハウジングに衝突して衝突音を発生させる第1衝突部とを有し、
第2ロックアームは、前記両ハウジングが嵌合操作されるとき、前記可撓部を撓ませた後、前記係止部に係止する第2係止突起と、前記第2係止突起が前記係止部に係止する際に、撓んだ前記可撓部の弾発力により相手側ハウジングに衝突して衝突音を発生させる第2衝突部とを有し、
前記第1及び第2の係止突起を、前記両ハウジングの嵌合操作方向の異なった位置に設けたことにより、前記両衝突音の発生タイミングに所定の時間差が与えられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載された発明であって、
前記第1ロックアームと第2ロックアームの内、
2度目の衝突音を発生させるロックアームの前記嵌合操作方向と直交する幅が、他方のロックアームの幅より広いことを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載された発明であって、
前記第1ロックアームに、前記両ハウジングの嵌合を解除する際に押圧操作される第1操作部が設けられ、
前記第2ロックアームに、前記両ハウジングの嵌合を解除する際に押圧操作される第2操作部が設けられ、
前記第1操作部と第2操作部の操作方向の高さが、同一であることを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載された発明であって、
前記第1ロックアームと第2ロックアームの一方に、前記両ハウジングの嵌合を解除する際に押圧操作される操作部が設けられ、
前記第1ロックアームと第2ロックアームの間に、前記両ハウジングの嵌合を解除する際、前記操作部を押圧操作するときは他方のロックアームを押圧して連動操作するが、前記第1ロックアームと第2ロックアームの他方が押圧されるときは一方のロックアームから離間して連動しない押圧連動部が設けられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
請求項4に記載された発明であって、
前記押圧連動部が、前記一方のロックアーム側に設けられた切り欠き部と、前記他方のロックアーム側に設けられ、前記切り欠き部に貫入する凸部とからなり、
一方のロックアームの前記操作部を押圧操作するときは、前記切り欠き部が前記凸部と接触し、前記他方のロックアームを押圧操作するときは、前記凸部が前記切り欠き部から離間することを特徴とするコネクタ。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載された発明であって、
前記第1ロックアームと第2ロックアームとに、
前記第1ロックアームの第1係止突起が前記係止部に係止し、前記第2ロックアームの第2係止突起が前記係止部に係止すると、互いの位置が一致する合いマークが設けられていることを特徴とするコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−182513(P2010−182513A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24297(P2009−24297)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】