説明

コロイド粒子の沈殿・浮遊方法及びその方法を利用した処理装置

【課題】本発明は、超音波を水溶液に照射することで、生成する硝酸等を利用して酸性化剤等のpH調整剤や凝集剤を使用せずに、もしくは、削減して溶液中の微粒子を沈殿させるものである。
【解決手段】水溶液への超音波照射により、水溶液中に定常波を発生させ、その力や急激な圧力変化で、さまざまな化学反応を得る。また、空気雰囲気においては水と空気が反応し亜硝酸、硝酸等の強酸が水溶液中に合成される。アルゴン雰囲気中では、これら強酸は合成されず過酸化水素のみ生成する。まず、ゼータ電位を測定することで、各pHにおける粒子の電位を算出でき、沈殿させることのできるpH値(等電点)を見つける。沈殿させたい場合はゼータ電位の等電点のpH値になるよう超音波を照射する。また、場合により反応雰囲気を変更する。逆に浮遊させたい場合はゼータ電位の等電点のpH値を避けるように超音波を照射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微粒子に関し、特にコロイド粒子の沈殿・浮遊方法及びその方法を利用した処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コロイド溶液中の粒子は、プラスか、マイナスに帯電しており、反発によって拡散している状態を保つ。粒子の帯電量がゼロになると、沈殿が起こる。これらの現象はゼータ電位の値によって、拡散、沈殿の起こりやすさを知ることができる。この値は、粒子の種類、形状、サイズおよび溶液のpH、濃度に起因するところが多い。コロイド溶液は、使用目的によって、溶液内のコロイド粒子を沈殿させたいか拡散させたいか異なる。たとえば泥水や微粉末金属溶液等の不要な微粉末を含有する溶液処理の場合はコロイド粒子の沈殿が望まれる。特に、鉱物等を採取した後は成形に水を利用するため石粉末のコロイド溶液が多量に生じる。その処理は、粒子の帯電量(ゼータ電位)をゼロにし、沈殿させる方法が利用され、pH調整剤や無機凝集剤を用いる。そのために、沈殿物は純粋な鉱石のみだけでなく、投入薬剤由来の化学元素が混合することとなり、廃棄や再利用に悪影響を及ぼす。沈殿させたくない場合とは、化粧水等が挙げられる。化学薬品やpH調整剤が利用され、使用時に有効成分であるコロイド粒子が均一に取り出せるよう、溶液内での均一分散が望まれる。
従来、超音波は主に物理的作用である振動、攪拌や粉砕等の効果を狙った利用が多く、汚泥等を超音波で破壊し、そのあと、酸性化剤を加えて沈殿させているケースがある(非特許文献1)。本発明はそれらと性質が異なり、超音波の高周波数域を水溶液に照射することで、キャビティ(高温高圧場)、ラジカル、過酸化水素、亜硝酸、硝酸といった化学反応を選択的に引き起こし、それ、もしくはそれらを利用して安定なコロイド溶液(懸濁液)を作成もしくは懸濁液中の浮遊物を沈殿させる方法である。また、化学的作用の補助として、高周波数により微粒子に微細振動を与える物理的作用による力が、ゼータ電位による粒子間の反発力に勝った場合は粒子が結合し、粒子塊となり沈殿をより起こしやすい状態にする。逆にコロイド溶液や懸濁液を作成する場合は、微細振動による攪拌作用が補助となり、均一に分散しやすい状態とする。
なお、公知技術として、水溶性有機物や微生物等のコロイド粒子を含む処理水に対して、高周波分離手段により高周波をかけて高周波電界による誘導プラズマを発生させて処理水を最適に共振させることで、水溶性有機物の吸着性を促進させるようになっており、この高周波電界による誘導プラズマによって水溶性有機物は水分子に再び溶け込むことがなくなり完全分離させるようになっていることが知られている(特許文献1,2を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−263056
【特許文献2】特開2003−112186
【非特許文献1】第15回ソノケミストリー討論会講演論文集(2006) 汚染土壌中VOCの洗浄・無害化プロセス 香田忍ら pp31‐32
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、超音波を水溶液に照射することで、生成する硝酸等を利用して酸性化剤等のpH調整剤や凝集剤を使用せずに、もしくは、削減して溶液中の微粒子を沈殿させるものである。また、超音波を水溶液に照射することで、pH調整剤を使用せずに、もしくは、削減して溶液中の微粒子をコロイド溶液として維持もしくは浮遊させるものである。泥水、切削粉末水、金属含有水からコロイドを沈殿採取できると共に、水の浄化が期待できる。超音波を水溶液へ照射することで硝酸が連続的に発生する。そのため、硝酸の連続添加作用が期待できる。外部から薬品投入する場合と違い、超音波照射時間で添加量をコントロールできる。また、高周波数特有の微粒子の微細振動による物理的作用が、ゼータ電位による粒子間の反発力に勝った場合は粒子の結着による沈殿を引き起こしやすい状態にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるコロイド粒子の沈殿・浮遊方法は、pHコントロールにより沈殿、浮遊が可能なコロイド溶液において、該溶液に超音波を照射し、化学反応を引き起こすことにより、水と空気を反応させ硝酸、亜硝酸、過酸化水素を生成し、pHコントロールするものである。
前記超音波照射による反応工程における超音波の周波数は50kHz 1,000kHzとする。
前記超音波照射による反応工程における溶液のpHの値は超音波照射時間により容易に制御できる。
超音波を水溶液中に照射することで連続的に硝酸、亜硝酸、過酸化水素およびラジカルを生成させ添加すること、また、その化学反応を利用すること、時間によって添加量を制御可能である。
溶液中の粒子は超音波の出力および周波数を変えることで、微細化が可能であること、また、出力および周波数を調整することで、粒子を砕かずに、微細化せずに沈殿回収できる。
雰囲気をアルゴンガスや空気といったように制御することで、生成する硝酸、亜硝酸、過酸化水素、各種ラジカルを選択でき、また、生成量を制御できる。
超音波照射により、水のHラジカルとOHラジカルへの分解、および空気のNラジカルとOラジカルへの分解、およびそれらにより酸化還元剤が生成するので、これらラジカルや酸化還元剤が溶液中の浮遊微細粒子と酸化還元やイオン交換反応などの化学反応を行わせ、またそれら反応により粒子の表面電荷を小さくもしくは大きくする。
本発明による上記方法を利用した処理装置は、コロイド粒子の沈殿、浮遊方法を利用した貯留池又は沈殿池における沈殿処理装置もしくは浮遊分散処理装置を設けたものである。
前記沈殿処理装置及び浮遊分散処理装置の振動子は、槽、池下のみならず、周囲にも備え付けており、効率よく超音波が照射できるよう設置している。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、超音波を水溶液に照射することで得られる化学反応を利用するもので、pH調整剤や凝集剤を使用せずにもしくは、削減して溶液中の微粒子を沈殿させるものである。工業的利用、水溶液の浄化方法および、沈殿物の再利用を提供するものである。特に沈殿物の再利用においては、沈殿物や溶液に、凝集剤成分や酸化剤・還元剤の成分が残留することがなくなるため、沈殿物や溶液の再利用が容易になる。超音波による水の化学反応の利用以外にも、高周波数域における水溶液中での粒子の微細振動による物理的な力が粒子間に働くゼータ電位の反発力に勝ることで粒子結着がおき、沈殿をひき起こしやすい状態にする。
本発明は、超音波を水溶液に照射することで、水溶液中において水に化学反応を引き起こすことで、水溶液中のpHを変化させ、pH調整剤を使用せずにもしくは、削減して溶液中の微粉末を均一分散させるものである。
さらに超音波の水溶液中への照射時間、出力を変化させることで、微粒子(コロイド)をより細かくすることも可能で、微細化、安定分散化した溶液を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の超音波による水溶液中の微粒子の沈殿方法の実施例について説明するが、本発明はこれらの記述により限定されるものではない。
また、以下の実施例に記載された微粒子の種類、形状、溶液種類、超音波の種類および反応容器とその形態などに限定されるものではない。
本発明のコロイド溶液は、自然界のもの人工のものどちらでもかまわない。
本発明の超音波照射による微粒子の沈殿は、超音波を水溶液中に照射することにより生成される化学反応場を利用するものである。
超音波発生装置は50kHz‐1,000kHzの周波数で、出力は50‐1,000W程度を用いる。
水溶液への超音波照射により、水溶液中に定常波を発生させ、その力や急激な圧力変化で、さまざまな化学反応を得る。たとえば水が分解され過酸化酸素等の酸化還元剤を生成する。また、空気雰囲気においては水と空気が反応し亜硝酸、硝酸等の強酸が水溶液中に合成される。アルゴン雰囲気中では、これら強酸は合成されず過酸化水素のみ生成する。
まず、ゼータ電位を測定することで、各pHにおける粒子の電位を算出でき、沈殿させることのできるpH値(等電点)を見つける。
沈殿させたい場合はゼータ電位の等電点のpH値になるよう超音波を照射する。また、場合により反応雰囲気を変更する。逆に浮遊させたい場合はゼータ電位の等電点のpH値を避けるように超音波を照射する。
【実施例1】
【0008】
図1はゼータ電位測定装置の概略図を示し、1はU字管、2は白金黒付き白金板、3は直流電源、4は電圧計、5は電流計、6はコロイド溶液、7は透析外液である。
採石場における、水処理を仮定して、コロイドとして0.5マイクロメートルの超微細な緑色凝灰岩を用いた。ゼータ電位は、界面移動法により測定した。U字管1に緑色凝灰岩のコロイド溶液6と透析外液7を入れ、一定の直流電圧を印加し、界面の移動速度よりコロイド粒子の時間に対する移動距離を求めた。また電流値、導電率も測定を行った。それら値をsmoluchowskiの式に代入し、ゼータ電位を算出した。
図2は、図1の実験装置を用いて、緑色凝灰岩のpHに対するゼータ電位の関係を求めたグラフ図である。(a)は試料1、(b)は試料2、(c)は試料3で、試料1,2,3は緑色凝灰岩コロイド溶液である。pH4付近でコロイドは反発力を失い、沈殿することがわかった。このコロイド溶液の沈殿処理を行うためには、pHを4付近にする操作が必要である。
【実施例2】
【0009】
図3は超音波合成装置の概略図を示し、8は多周波超音波発生装置、9は振動子、10はナス型フラスコ、11は撹拌器、12はガス注入口、13は水槽である。
図4は、本実験条件で純水に超音波を照射した時の、時間に対するpH変化と過酸化水素発生量を示したグラフ図である。(a)はpH変化、(b)はH2O2発生量である。
1マイクロメートル以下の超微細な緑色凝灰岩のコロイド溶液50ml(濃度が高いもの、濃度が低いもの)を、ナス型フラスコ10に入れ、大気中(もしくはガス注入口12から空気を注入し)、場合により撹拌器11で攪拌しながら、多周波超音波発生装置8に接続されている振動子9により200kHz, 200Wの超音波を2時間照射し、その後2時間静置することで、緑色凝灰岩の沈殿を得た。
図5は、本発明条件で緑色凝灰岩コロイド溶液(高濃度、低濃度)に超音波を照射したときの、時間に対するpH変化と導電率変化を示したグラフ図である。(a)はpH変化(高濃度)、(b)はpH変化(低濃度)、 (c) は導電率変化(高濃度)、 (d)は導電率変化(低濃度)である。沈殿させることができた理由として、図5に見られるように、pHは照射前のサンプルが8.4‐8.9であり、照射後のサンプルはpH4.0以下になることで、緑色凝灰岩の等電点のpH(図1によるゼータ電位測定においてpH4程度)に達した為と考えられる。
本発明は超音波の水への化学作用により発生する過酸化水素、硝酸、亜硝酸によるpHコントロールを主に利用して溶液内の浮遊微粒子を沈殿させることが可能である。
また本発明で沈殿させた微粒子は粒径1μm以下であったのでナノテクノロジー分野においても新しい手法として利用が可能であると考えられる。
超音波照射により、水と空気から過酸化水素、硝酸、亜硝酸が生成するので、pH操作により沈殿させることが可能な溶液中の浮遊微粒子に対して、凝集剤やpH調整剤の添加量をゼロもしくは減量できるため、コストや手間の削減につながる。また、超音波照射による過酸化水素、硝酸、亜硝酸は主に水と空気の反応から生成されるものであるため、化学凝集剤、pH調整剤や酸化還元剤を使用した場合、溶液中や沈殿物中にそれら化学薬品の成分が残留する問題がなく、溶液や沈殿物の再利用や処理を容易にする。
図6は、本発明装置で純水に超音波を照射したときの、空気雰囲気下における時間に対する硝酸発生量とアルゴン雰囲気下における時間に対する硝酸発生量を示したグラフ図である。(a)は空気雰囲気下、(b)はアルゴン雰囲気下である。図6に示すように雰囲気制御により、水溶液中の硝酸、亜硝酸の生成量を容易に制御できる為、過酸化水素やOHラジカル、Hラジカルの生成のみを望み、硝酸が不必要な反応にも効果的である。
【実施例3】
【0010】
化粧液で用いられる成分を仮定したコロイド粒子として酸化チタンTiO2を用いた。ゼータ電位は、大塚電子製ELS‐8000を用いて測定した。
図7は、酸化チタンのpHに対するゼータ電位の関係を求めたグラフ図である。(a)は▲TiO2溶液に対して超音波3時間照射後のゼータ電位を示す。(b)は◆TiO2溶液のpHを化学薬品で変化させた時のゼータ電位の値を示す。比較的中性付近であるpH5付近でコロイドは反発力を失い、沈殿することがわかった。また、pH4でゼータ電位の絶対値が大きな値を示していることから、この値に近づけることで粒子の沈殿を抑制し、粒子を溶液中に安定に保つことができるといえる。また、ゼータ電位測定結果よりアルカリ性側でも、コロイドを安定に保つことができるが、人間の肌は弱酸性であることから、pHを弱酸性側にして安定なコロイド溶液を得たほうが望ましいと考えられる。
【実施例4】
【0011】
酸化チタンのコロイド溶液50mlを、ナス型フラスコ10に入れ、大気中(もしくはガス注入口12から空気を注入し)、場合により撹拌器11で攪拌しながら、多周波超音波発生装置8に接続された振動子9により200kHz, 200Wの超音波を2時間照射することで、pHは4以下、ゼータ電位の値は約20mVとなり、TiO2コロイド粒子の沈殿を抑制した溶液を得た。溶液内のコロイド粒子は均一分散を維持した。
【0012】
本発明は超音波により発生する化学反応場を利用して溶液内の微粉末を沈殿もしくは浮遊させることが可能である。
また本発明は、コロイドがpHコントロールで沈殿するものであれば、粒子の種類を問わないため、科学技術分野やナノテクノロジー分野においても新しい手法として利用できると考えられる。
超音波照射により、水のHラジカルとOHラジカルへの分解により酸化還元剤(主にH2O2)が生成するので、これらラジカルと溶液中の浮遊微細粒子が酸化還元、イオン交換などの化学反応を行い、ゼータ電位が小さくもしくは大きくなることが期待できる。また、超音波照射による硝酸、亜硝酸は水と空気の反応から生成されるものであるため、H,O,N以外の元素が溶液中や沈殿物中に残ることがなく、化学凝集剤や酸化還元剤に比べメリットが多く、溶液や沈殿物の再利用や処理を容易にする。
薬品の添加剤が不可能な工業過程において、利用メリットは大きい。
また、一般に高周波数超音波は物理的作用が弱く、微細粒子は砕かないため、粒子サイズが低下しないため沈殿後の処理が困難になることはない。
図8は、超音波(200kHz 200W)照射前後のコロイドの粉末X線回折結果のグラフ図である。(a)は照射前、(b)は照射後である。図8の粉末X線測定結果に示すように超音波照射前後により粒子の構造、成分に大きな変化が見られないことから、純粋なコロイド粒子をそのまま回収できる。
【実施例5】
【0013】
図9は本発明を利用した沈殿池の概略図を示し、14は池、15は振動子、16は超音波発振装置である。振動子15は池の中に投げ込んでも、池の淵に備え付けてもかまわない。振動子15は池下のみならず、周囲にも備え付けており、効率よく超音波が照射できるよう設置している。
池下から沈殿物を取り除ける構造で、池は連続してもかまわない。また、沈殿池を連続させることで処理がより効果的に行える。
また、沈殿とは逆に分散が必要なコロイド溶液の作成にこの装置を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に用いた緑色凝灰岩のゼータ電位を測定する為に用いた電気泳動測定装置の構成図である。
【図2】緑色凝灰岩のゼータ電位測定結果を示したグラフ図である。
【図3】本発明で用いた超音波発生装置の概略図である。
【図4】本発明装置で純水に超音波を照射したときの、時間に対するpH変化と過酸化水素発生量を示したグラフ図である。
【図5】本発明条件で緑色凝灰岩コロイド溶液(高濃度、低濃度)に超音波を照射したときの、時間に対するpH変化と導電率変化を示したグラフ図である。
【図6】本発明装置で純水に超音波を照射したときの、空気雰囲気下における時間に対する硝酸発生量とアルゴン雰囲気下における時間に対する硝酸発生量を示したグラフ図である。
【図7】ゼータ電位測定装置(大塚電子製ELS‐8000)で測定した酸化チタンのゼータ電位結果を示したグラフ図である。
【図8】超音波(200kHz 200W)照射前後のコロイドの粉末X線回折結果を示したグラフ図である。
【図9】本発明を用いた沈殿処理池の概略図である。
【符号の説明】
【0015】
1 U字管
2 白金黒付き白金板
3 直流電源
4 電圧計
5 電流計
6 コロイド溶液
7 透析外液
8 多周波数超音波発生装置
9 振動子
10 ナス型フラスコ
11 攪拌器
12 ガス注入口
13 水槽
14 池
15 振動子
16 超音波発生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
pHコントロールにより沈殿、浮遊が可能なコロイド溶液において、該溶液に超音波を照射し、化学反応を引き起こすことにより、水と空気を反応させ硝酸、亜硝酸、過酸化水素を生成し、pHコントロールすることによるコロイド粒子の沈殿・浮遊方法。
【請求項2】
請求項1において、前記超音波照射による反応工程における超音波の周波数は50kHz 1,000kHzとすることを特徴とするコロイド粒子の沈殿、浮遊方法。
【請求項3】
請求項1において、前記超音波照射による反応工程における溶液のpHの値は超音波照射時間により容易に制御できることを特徴とするコロイド粒子の沈殿・浮遊方法。
【請求項4】
請求項1において、超音波を水溶液中に照射することで連続的に硝酸、亜硝酸、過酸化水素およびラジカルを生成させ添加すること、また、その化学反応を利用すること、時間によって添加量を制御可能なことを特徴とするコロイド粒子の沈殿・浮遊方法。
【請求項5】
請求項1において、溶液中の粒子は超音波の出力および周波数を変えることで、微細化が可能であること、また、出力および周波数を調整することで、粒子を砕かずに、微細化せずに沈殿回収することを特徴とするコロイド粒子の沈殿・浮遊方法。
【請求項6】
請求項1において、雰囲気をアルゴンガスや空気といったように制御することで、生成する硝酸、亜硝酸、過酸化水素、各種ラジカルを選択でき、また、生成量を制御できることを特徴とするコロイド粒子の沈殿・浮遊方法。
【請求項7】
請求項1において、超音波照射により、水のHラジカルとOHラジカルへの分解、および空気のNラジカルとOラジカルへの分解、およびそれらにより生成する酸化還元剤が生成するので、これらラジカルや酸化還元剤が溶液中の浮遊微細粒子と酸化還元やイオン交換反応などの化学反応を行わせ、またそれら反応により粒子の表面電荷を小さくもしくは大きくすることを特徴とするコロイド粒子の沈殿・浮遊方法。
【請求項8】
請求項1から7のコロイド粒子の沈殿、浮遊方法を利用した貯留池又は沈殿池における沈殿処理装置及び浮遊分散処理装置を設けたことを特徴とする処理装置。
【請求項9】
前記沈殿処理装置及び浮遊分散処理装置の振動子は、槽、池下のみならず、周囲にも備え付けており、効率よく超音波が照射できるよう設置していることを特徴とする請求項8記載の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−229427(P2008−229427A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69670(P2007−69670)
【出願日】平成19年3月17日(2007.3.17)
【出願人】(504409543)国立大学法人秋田大学 (210)
【Fターム(参考)】