説明

コンクリート構造物のアンカー接合構造及び接合工法

【課題】 この発明は、コンクリート構造の接合に当たり、2種類の充填材を使用して、アンカー鉄筋の固定部と可とう部を設けることにより、地震時終局荷重に対して回転能、変形性能を高めヒンジ機能の向上を図る、コンクリート構造物の接合構造及び接合工法に関するものである。
【解決手段】 本発明は、従来法の欠点を除いて、接合面における鉄筋の付着に可とう性を付加するために、従来の無収縮モルタルなどの充填・固着材(弾性係数E1)に比べて粘弾性効果の強い第2充填材(E2)、つまり可とう性樹脂(弾性係数比E1/E2=10~100)を使い、引張応力側の鉄筋の抜出し及び圧縮応力側の鉄筋の押込みにそれぞれ追随し易くし、等価粘性減衰効果及びヒンジ回転能を向上させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設のコンクリート構造物と新設のコンクリート構造物との間、既設のコンクリート同士、新設のコンクリート構造物同士を、アンカー鉄筋により接合するアンカー接合構造及び接合工法に関するものである。特には、地震時の荷重に対する耐力、または繰り返し変形に対する耐久性を向上させたアンカー接合構造及び接合工法に関するものである。つまり、この発明は、2種類の弾性係数の異なる充填・固着材を組み合わせることにより、接合部の連結鉄筋とグラウトとの付着に弾性係数減少により可とう性を与え、動的荷重に対し等価粘性減衰効果等の粘弾性効果による変形性能及びエネルギー吸収能を高め、地震時終局変形性能及び耐力の向上を付加するアンカ−工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンクリート構造物同士をアンカー鉄筋により接合することが広く行われている。ここで、アンカー鉄筋をコンクリート構造物に定着するに当たっては、モルタル等の充填・固着材を介して行われている。例えば、非特許文献1では、橋脚の耐震補強鉄筋のフーチングへのアンカーに当たり、充填・固着材として無収縮モルタルなど1種類による定着固化が行われているが、接合部における鉄筋の付着応力度の卓越及び鉄筋の抜出し、押込みの拘束に伴う鉄筋のはらみ出しが生じ、部材回転能・変形性能ひいては終局耐力に影響を及ぼすことが考えられる。非特許文献2では、持続荷重下の鉄筋の押込み量を計測した実験結果をみると、高応力度(降伏点付近)レベルでは載荷端の付着すべりクリープ比は自由端の値の方が大きくなっている。ここに、載荷直後の鉄筋の付着すべり量(So)に対する時間依存すべり量増分(dSt)の比(dSt/So)をクリープ比(Ct)と呼んでいる。接合面に曲げモーメントが作用した状態を考えると、引張側で鉄筋の抜出しが、圧縮側で鉄筋の押込みが生ずる。この押込みに対する付着すべりのクリープ量は、鉄筋からコンクリートへの持続応力の伝達を表すものであり、応力集中を緩和し、圧縮降伏側の鉄筋のはらみ出し、かぶりコンクリートの剥離に安全側の影響を及ぼすことになる。アンカー鉄筋に沿った付着応力の分布及びその疲労性状については、非特許文献3に示されるように、載荷荷重の大きさによって接合面から奥の方へピークが移動することが分かっている。
【0003】
【非特許文献1】日本道路協会:既設道路橋の耐震補強に関する参考資料 H9年8月 愛知県建設部:橋梁設計の手引き H15年4月
【非特許文献2】鉄筋とコンクリートとの付着に及ぼす時間効果に関する実験的研究 名古屋大学卒業研究 1976年2月 中川治
【非特許文献3】田政範 島田静雄:鉄筋とコンクリートとの付着に関する基礎的研究、土木学会論文報告集 第217号、pp87〜98、1973年9月 この改善策として、2種類の弾性係数の異なる充填・固着材を組み合わせることにより、接合部の連結鉄筋とグラウトとの付着に弾性係数減少により可とう性を与え、動的荷重に対し等価粘性減衰効果等の粘弾性効果による変形性能及びエネルギー吸収能を高め、地震時終局変形性能及び耐力の向上を付加するアンカ−工法に関するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、地震時の終局変形に対する耐力、及び繰り返し変形に対する耐久性の向上が求められている。地震時の荷重により、接合部における鉄筋の付着応力度の卓越、及び鉄筋の抜け出し、押し込みの拘束に伴う鉄筋のはらみだしが生じ、部材回転能や変形性能、ひいては終局耐力に影響を及ぼすことが考えられる。そこで、本発明は、コンクリート構造物のアンカー接合構造及び接合工法において、動的荷重を受けた際の変形性能及びエネルギー吸収能を高め、地震時等の終局変形性能及び耐力を向上させようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、従来法の欠点を除いて、接合面における鉄筋の付着に可とう性を付加するために、従来の無収縮モルタルなどの充填・固着材(弾性係数E1)に比べて粘弾性効果の強い第2充填材(E2)、つまり可とう性樹脂(弾性係数比E1/E2=10~100)を使い、引張応力側の鉄筋の抜出し及び圧縮応力側の鉄筋の押込みにそれぞれ追随し易くし、等価粘性減衰効果及びヒンジ回転能を向上させるものである。
既設コンクリート部1を削孔し、アンカー鉄筋 3を建込み,固定ボンド(第1充填・固着) 4、可とうボンド(第2充填・固着) 5を形成する。次に、既設部 2を削孔するか、新設部 2にケーシングを設置し、可とうボンド 6、固定ボンド 7を形成する。あるいは、新設部 1、2にケーシングを設置し、固定ボンド4、7及び可とうボンド5,6を順次形成する。または、あらかじめ、製作されたコンクリート構造物の接合ユニットを、既設コンクリート構造物の削孔内にケミカルアンカーするか、新設コンクリート構造物の所定の位置に埋め込み、コンクリート構造物の接合構造を形成する。その際、コンクリート構造接合ユニットの中間部には、上下部工の間隙がある場合にはこれを満たすように、ゴムパッド(あるいはゴム沓)を配置するものとし、シースとの取付け溝部は積層ゴム板 1枚分とする。一方、コンクリート構造物の接合面の漏水防止を必要とする場合には、コイル巻きバネにより、目地板ゴムに圧縮力を作用させることを目的とした形式のアンカーユニットを用い、コイル巻きバネを外管と内管の間に挿入した二重管型(aタイプ)、あるいはコイル巻きバネを外管と鋼棒との間に挿入した外管・鋼棒型(bタイプ)を選択する。
なお、上記の(a)、(b)タイプにおいて、定着長の短縮を図るための工作として、外管のエンドプレートの外周に沿って鍔状の突起を設け、定着強度の向上を図るアンカー構造とする。
【発明の効果】
【0006】
2種類の弾性係数の異なる充填材を組み合わせることで、第2充填材の粘弾性効果により、ボンドレスの場合と比較して等価粘性減衰定数(he)は,層間変形角(R)に比例して小さくなり、接合面の鉄筋の軸方向変位及び直角方向変位の安定性が保証され、ヒンジ回転能が向上する。ちなみに、PC圧着工法の場合、heとRの比例定数は2.5〜4.15が提案されており、一体型と比べてheは小さくなると言われている。また、従来の定着の場合と比較して、接合面の付着応力度の卓越は減少し、コンクリートの軸方向応力度及びせん断応力度の集中度は低下する。一方、柱基部のアンカーを想定すると、ヒンジ中心が接合面に近づきヒンジ間長が幾分長くなり、地震時終局変形性能・回転性能及び耐力を向上させようとするものである。
発明の効果を評価する等価粘性減衰係数の方程式を以下に示す。
減衰自由振動の理論式(非特許文献4)
Ce=4Co/(3.14aw)=4F/(3.14aw) n=0 F:摩擦力
Ce=8C2aw/(3×3.14) n=2 速度の二乗に比例する減衰
フレーム解析の提案式(非特許文献5)
he=4.15R R:層間変形角(ラジアン)
he=2.5R+0.03
等価粘性減衰係数下限値と付着指標(非特許文献6)
表1 塑性率、周期、付着指標と等価粘性減衰係数
塑性率 下限値hea(%) 付着指標
塑性率 周期T<0.4 ≧0.4sec ub/fB0.5
2 9 7.5 3〜8
4 14 10 3〜7

非特許文献4〜6に示される関係式によると、等価粘性減衰は、剛性の低い第2充填・固着材の使用により、従来の第1充填・固着材のみの使用の場合より大きくなり、層間変形角(R)及び終局変位が大きくなる。

非特許文献4 土木設計便覧 丸善 H10年8月
非特許文献5 田邊恵三 他:都市を構築する耐震技術の損失評価設計と国際化、第31回安全工学シンポジュウム 講演予稿集 OS3-5 p91
非特許文献6 北山和宏:鉄筋コンクリート柱・はり接合部における通し主筋の付着性状
コンクリート工学Vol.33、No5、1995.5
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、従来法の欠点を除いて、接合面における鉄筋の付着に可とう性を付加するために、従来の無収縮モルタルなどの充填・固着材(弾性係数E1)に比べて粘弾性効果の強い第2充填材(E2)、つまり可とう性樹脂(弾性係数比E1/E2=10~100)を使い、引張応力側の鉄筋の抜出し及び圧縮応力側の鉄筋の押込みにそれぞれ追随し易くし、等価粘性減衰効果及びヒンジ回転能を向上させるものである。
接合面に曲げモーメントが作用した状態を考えると、引張側で鉄筋の抜出しが、圧縮側で鉄筋の押込みが生ずる。この押込みに対する付着すべりのクリープ量は、鉄筋からコンクリートへの持続応力の伝達を表すものであり、応力集中を緩和し、圧縮降伏側の鉄筋のはらみ出し、かぶりコンクリートの剥離に安全側の影響を及ぼすことになる。本発明は、このような鉄筋の付着すべりのメカニズムを利用し、エネルギー吸収能を向上し、鉄筋の抜け出し及び押し込み部を保護し、ヒンジ回転能を高めるものである。
第2充填材の粘弾性効果により、ボンドレスの場合と比較して等価粘性減衰定数(he)は,層間変形角(R)に比例して小さくなり、接合面の鉄筋の軸方向変位及び直角方向変位の安定性が保証され、ヒンジ回転能が向上する。
また、従来の定着の場合と比較して、接合面の付着応力度の卓越は減少し、コンクリートの軸方向応力度及びせん断応力度の集中度は低下する。
すなわち、非特許文献4〜6に示される関係式によると、等価粘性減衰は、剛性の低い第2充填・固着材の使用により、従来の第1充填・固着材のみの使用の場合より大きくなり、層間変形角(R)及び終局変位が大きくなる。
本発明の適用対象としては次のケースが考えられる。(1)橋脚のRC巻き立て耐震補強の軸方向鉄筋のアンカー、(2)ラーメン構造の梁柱の新旧接合部のアンカー、(3)橋梁上部工の支点上あるいは拡幅部の連結鉄筋のアンカー、(4)コンクリートカルバートあるいは擁壁の耐震連結鉄筋のアンカー、(5)落橋防止システム・装置等のアンカー
(1)、(2)ケースは、既設コンクリートと新設コンクリートの組み合わせ、(3)、(4)ケースは、既設と新設及び新設同士の組み合わせ、(5)ケースは、既設コンクリートと鋼製ブラケット、既設と新設コンクリートの組み合わせとなる。
第1及び第2充填・固着材としては、例えば、無収縮モルタルとエポキシ・アクリレート樹脂、それらの組み合わせなどが挙げられる。第1充填・固着材は、コンクリートそのものであっても良い。
以下に、本発明の好ましい実施形態について説明する。
図1(a)には、新設と既設コンクリート構造物を接合する場合、図1(b)には既設コンクリート構造物同士を接合する場合、図1(c)には新設コンクリート構造物同士を接合する場合をそれぞれ示す。
第1充填・固着材1−1の定着長La1は、次式(1)を満たす。また、第2充填・固着材1−2の定着長La2は、次式(2)及び(3)を満たす。
La1 ≧ Pt/(3.14Dta)−Lh= Dfa/(4ta)−Lh (1)
La2 ≧ 0.2d (2)
La2 ≧ 10.0 cm (3)
ただし、
Pt:アンカー鉄筋の許容引張力(KN)
a : 鉄筋の許容引張応力度 (KN/cm2)
D:アンカー鉄筋の径(cm)
a: 鉄筋の許容付着応力度(KN/cm2)
d:定着部の有効高(cm)
Lh:= Sh/(3.14Dta)
Sh:突起のせん断強度(KN/cm2
図1(a),図1(b)においては、既設コンクリート構造物1を削孔して孔4を設けている。また、図1(a),図1(c)においては,新設コンクリート構造物5,6の打設前に、ケーシング8を建て込んでいる。
図2−1においては既設コンクリート構造物1に削孔する際の様子を示す。まず、(a)ダイヤモンドコアビットにより削孔を行い、次いで、(b)目粗し処理用切削ビットにより目粗し処理を行う。
【実施例1】
【0008】
図2−2においては、アンカー鉄筋3から延長鉄筋9が延びる場合について示す。コンクリート床版などの延長鉄筋は、(a)既設部でははつり出されたものであったり、(b)新設部では新しく配置されたものである。
【実施例2】
【0009】
図2−3においては、既設と新設のコンクリート構造物の組み合わせを問わず、あらかじめケーシング内にアンカー鉄筋を挿入し、前記第1及び第2充填・固着材の充填及び固化を行い、ユニット化されたアンカー接合構造体を示す。ケーシングは薄厚の鋼製のシース等を用い、そのケーシングをコンクリート孔内に固着する方法としては、従来のケミカルアンカー工法を応用することで良い。コンクリート構造接合ユニットの中間部には、上下部工の間隙がある場合にはこれを満たすように、ゴム板(あるいはゴムパッド)を配置するものとし、シースとの取付け溝部は積層ゴム板1枚分とする。
【実施例3】
【0010】
図2−4には、請求項 5のユニット化されたアンカー接合構造体において、漏水性を考慮してコイル巻きバネにより、目地板ゴムに圧縮力を作用させることを目的とした形式のアンカー構造体で、コイル巻きバネを外管と内管の間に挿入した二重管型(a)、及びコイル巻きバネを外管と鋼棒との間に挿入した外管・鋼棒型(b)を示す。
【実施例4】
【0011】
図3−1には、ボックスカルバート10に用いた場合について示す。ボックスカルバート10の四隅のアンカー接合部11において、削孔(削溝)あるいは孔抜き部に図1(a)〜(c)あるいは、図2−3を形成する。第1充填・固着材は無収縮モルタル(E1、ta=150KN/m2)を、第2充填・固着材はエポキシ樹脂(E2=E1/100〜E1/10, ta>150KN/m2)を用いる。図2−3のユニットを埋め込む場合は、中間部のゴムパッドのないシースの連続したものを用いるものとする。また、接合目地部の漏水性が問題となる場合には、前記図2−4に示したアンカーユニット(a)二重管型あるいは(b)外管・鋼棒型を四隅以外にも設置箇所を増やすことで対応することができる。
【実施例5】
【0012】
図3−2には、落橋防止装置20に用いた場合について示す。橋脚21に拡幅用ブラケット22をアンカーボルト23によりアンカーする様子を示す。アンカーボルト長を短くしたい場合には、充填・固着材の付着強度の高いものを選ぶことも出来る。
また、定着先端付近に突起を設けることにより、引張強度を高めることで、定着長を短縮することも可能である。その際、コンクリートのせん断破壊が起きないようなかぶりを決定するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のアンカー接合構造の正面図を示す。
【図2−1】本発明の削孔の様子を示す。
【図2−2】長尺鉄筋を使用した場合の正面図を示す。
【図2−3】コンクリート構造物接合用アンカーユニットの正面図を示す。
【図2−4】漏水防止型アンカーユニット、(a)二重管型、(b)外管・鋼棒型、そ
【図3−1】ボックスカルバートの実施例の概観を示す。
【図3−2】落橋防止装置の実施例の三面図を示す。
【符号の説明】
【0014】
1:既設部、 2:新設部、 3:アンカー鉄筋、
4:既設部固定ボンド 7:新設部固定ボンド、 5:既設部可とうボンド
6:新設部可とうボンド、 8:ケーシング、
9:長尺鉄筋、 10:ボックスカルバート、
11:コンクリート接合部アンカー鉄筋、 12:アンカーユニット内アンカー鉄筋、
13:ゴム板、 14:シース、 15:キャップ、
16:スプリング、 17:外管、 18:内管、
19:突起, 20:落橋防止装置、 21:橋脚天端、
22:鋼製ブラケット、 23:アンカーボルト、 24:ケミカル固着
25:コンクリート縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2コンクリート構造物が、これらに定着されたアンカー鉄筋により互いに接合された接合構造において、アンカー鉄筋がコンクリート構造物中に定着される各定着部のうち、一部の長さ領域にて樹脂ベースの第2充填・固着材が用いられ、この第2充填・固着材の剛性は、他の長さ領域で用いられる第1充填・固着材の剛性の1/10〜1/100であることを特徴とするコンクリート構造物のアンカー接合構造。
【請求項2】
前記他の長さ領域の長さ寸法(La1)が、次式(1)を満足し、かつ、前記一部の長さ寸法(La2)が次式(2)及び(3)を満足することを特徴とする請求項1記載アンカー接合構造。
La1 ≧ Pt/(3.14Dta)−Lh = Dfa/(4ta)−Lh (1)
La2 ≧ 0.2d (2)
La2 ≧ 10.0 cm (3)
ただし、Pt:アンカー鉄筋の許容引張力(KN)
a : 鉄筋の許容引張応力度 (KN/cm2)
D:アンカー鉄筋の径(cm)
a : 鉄筋の許容付着応力度(KN/cm2)
d:接合部の小断面の有効高(cm)
Lh:= Sh/(3.14Dta)
Sh:突起のせん断強度(KN/cm2
【請求項3】
前記一部の長さ領域が、コンクリート構造物同士の接合面の所定長さ寸法(La2)の領域であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンカー接合構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のアンカー接合構造を製造する工法において、既設のコンクリート構造物については、一定長の削孔(溝)後にアンカー鉄筋の挿入と前記第1及び第2充填・固着材の充填及び固化を行い、新設のコンクリート構造物については、アンカー鉄筋を覆うケーシングを配置した上で、各ケーシングと各アンカー鉄筋の間に前記第1及び第2充填・固着材を充填して固化させることを特徴とするアンカー接合工法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のアンカー接合構造を製造する工法において、既設と新設のコンクリート構造物の組み合わせを問わず、あらかじめケーシング内にアンカー鉄筋を挿入し、前記第1及び第2充填・固着材の充填及び固化を行い、ユニット化されたアンカー接合構造体を、既設のコンクリート構造物については、削孔内にケミカルアンカーにより固着させ、一方、新設のコンクリート構造物についは、対象とするコンクリート構造物の所定の位置に設置し、周辺コンクリートの打設を行い定着させることを特徴とするアンカー接合工法
【請求項6】
請求項 5のユニット化されたアンカー接合構造体において、漏水性を考慮してコイル
巻きバネにより、目地板ゴムに圧縮力を作用させることを目的とした形式のアンカー構造体で、コイル巻きバネを外管と内管の間に挿入した二重管型
【請求項7】
請求項 5のユニット化されたアンカー接合構造体において、漏水性を考慮してコイル巻きバネにより、目地板ゴムに圧縮力を作用させることを目的とした形式のアンカー構造体で、コイル巻きバネを外管と鋼棒との間に挿入した外管・鋼棒型
【請求項8】
請求項 5のユニット化されたアンカー接合構造体において、その定着長を短縮するこ
とを可能にするための工夫として、鋼棒の両端部にそれぞれ突起を設け、その受け部を鞘管側に設けて、両者の噛み合わせによって、アンカー引張強度を満足させる構造形式、および、請求項6、請求項7のユニット化されたアンカー接合構造体において、外管のエンドプレートの外周に沿って鍔状の突起を設け、定着長の短縮を可能とするアンカー接合構造

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【公開番号】特開2006−16844(P2006−16844A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195205(P2004−195205)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(304032974)
【Fターム(参考)】