説明

コンタクト及びコネクタ

【課題】小型でありつつ、ハウジングへの衝撃及び回路基板の位置ずれを吸収することができるコンタクトを得る。
【解決手段】リセプタクルコンタクト22は、リセプタクルハウジングに固定される固定部221と、固定部221から下方に延在した延在部224と、回路基板にハンダ接合される端子部225とを有する。延在部224は、固定部221と端子部225との間に位置している。延在部224には、前方に向けて開口するように形成された貫通孔226が形成されている。貫通孔226は、細幅の縁227に囲まれている。延在部224は、上下方向に沿った軸の周りに回転する方向及びその延在方向と垂直な平面内における少なくとも一方向に弾性変形可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向する2枚の基板を電気的に接続するコネクタ及びそれに用いられるコンタクトに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化にともなって、電子機器に用いられるコネクタの小型化が進められている。また、これにともなって、コネクタに用いられるコンタクトの細線化が進んでいる(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示されたコンタクトは、基板にハンダ接合される接続部と、ハウジングに固定される固定部と、相手方コンタクトと接触する接触部とを有しており、ハウジングの寸法安定性を確保するため、接続部と固定部とが近接している。
【0003】
また、電子機器内部にコネクタを搭載した際、電子機器内部において、コネクタにより電気的に接続された2枚の回路基板は、回路基板間で位置ずれを起こすことがある。この位置ずれにより、コンタクトのハンダ接合部(はんだ付け部)に負荷が掛かり、ハンダクラックが生じたり、コンタクトが回路基板から外れ電気的な接続不良を引き起こしたりすることがある。そこで、特許文献2には、対向する2枚の回路基板のずれを吸収することを目的として、回路基板に固定される固定ハウジングと、固定ハウジングに対して相対変位する可動ハウジングと、これら2つのハウジングに固定される1つのコンタクトとを有したコネクタが開示されている。上記コンタクトは、固定ハウジングに結合する結合部と、可動ハウジングに結合する結合部と、これら2つの結合部を連結する蛇行状の連結部とを有しており、可動ハウジングの変位を連結部によって吸収することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−259675号公報
【特許文献2】特開2004−214090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたコンタクトは、ハウジングに固定される固定部と、基板にハンダ接合される接続部とが近接しているため、ハウジングが衝撃を受けたときに、それによる応力が接続部に集中する。そのため、基板と接続部とを接合するハンダにクラックが生じることがある。また、特許文献1に開示されたコンタクトは、対向する2枚の回路基板の位置ずれが生じたとき、その位置ずれを吸収する部分(特許文献2の連結部に相当)を備えていないことから、位置ずれにより生じる応力が接続部に集中する。そのため、回路基板の位置ずれが生じたとき、ハウジングが衝撃を受けたときと同様に、基板と接続部とを接合するハンダにクラックが生じることがある。接続部にかかる応力が大きくなれば、接続部が回路基板から剥離し、電気的な接続不良を引き起こす。よって、特許文献1に開示されたコネクタは、ハウジングへの衝撃及び回路基板の位置ずれを十分に吸収することができないと考えられる。
【0006】
また、特許文献2のコネクタは2つのハウジングを有するため、コネクタ自体の大きさが大きくなる。したがって、携帯電話などの小型の電子機器に、上記コネクタを採用することは難しい。
【0007】
そこで、本発明は、小型でありつつ、ハウジングへの衝撃を吸収することができるコネクタ及びそれに用いられるコンタクトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のコンタクトは、ハウジングに固定されるとともに相手側コンタクトと電気的に接続されるコンタクトであって、ハウジングに固定される固定部と、前記固定部から相手側コンタクトに向かって突出するとともに、相手側コネクタと接触する突出部と、回路基板にハンダ接合される端子部と、前記固定部と前記端子部との間に位置するとともに、前記固定部から前記突出部の突出方向と反対方向に延在した延在部とを有している。また、前記延在部に、その延在方向と交差する方向に向けて開口するように形成された貫通孔が少なくとも1個形成されており、前記延在部が、その延在方向に沿った軸の周りに回転する方向に弾性変形可能である。
【0009】
本発明によると、固定部と端子部との間に位置する延在部がその延在方向に沿った軸の周りに回転する方向に弾性変形する。そのため、延在部の延在方向に沿った軸の周りに回転する方向へかかる応力を、延在部により吸収することができる。よって、上記応力がコンタクトの端子部へ集中することを防ぐことができることから、端子部と回路基板とを接合するハンダへのクラックの発生及び回路基板からの端子部の剥離を防ぐことができる。
【0010】
また、本発明において、前記延在部が、その延在方向と垂直な平面内における少なくとも一方向に弾性変形可能である。上記構成によると、固定部と端子部との間に位置する延在部が、その延在方向と垂直な平面内における少なくとも1方向に弾性変形する。これにより、延在部の延在方向と垂直な平面内における少なくとも1方向に生じる応力を、延在部によって吸収することができる。したがって、上記応力がコンタクトの端子部へ集中することを防ぐことができるため、端子部と回路基板とを接合するハンダへのクラックの発生及び回路基板からの端子部の剥離を防ぐことができる。よって、例えば、互いに対向する2枚の回路基板の位置ずれが生じたときやコンタクトを保持するハウジングが衝撃を受けたときに、位置ずれ及び衝撃による応力を延在部によって吸収することができるため、端子部を回路基板に接合したハンダにクラックが発生したり、回路基板から端子部が剥離したりすることを防ぐことができる。
【0011】
さらに、本発明において、前記延在部が、少なくとも1段の階段状に屈曲していることが好ましい。また、前記延在部が、1段の階段を形成する第1屈曲部及び第2屈曲部を有しており、前記貫通孔が、第1屈曲部から第2屈曲部にかけて形成されていることが好ましい。これによると、延在部がその延在方向に弾性変形しやすくなる。よって、上記延在部の延在方向に対してコンタクトにかかる応力を、延在部によって吸収することができる。
【0012】
加えて、本発明において、前記貫通孔は、その幅が前記幅に直交する高さよりも長くなるように形成されており、前記幅が前記高さより長い貫通孔が、前記延在部の延在方向に複数配列されていることが好ましい。これによると、延在部が、その延在方向に沿った軸の周りに回転する方向、及び、その延在方向と垂直な平面内における少なくとも1方向に弾性変形する。
【0013】
また、本発明において、前記延在部が、その延在方向について、前記延在部の中央を挟んで互いに反対側に位置する上部及び下部と、前記上部及び前記下部とを連結した連結部とを有しており、前記上部及び前記下部が、前記連結部より幅広であり、前記貫通孔が、前記上部に形成された第1貫通孔と、前記下部に形成された第2貫通孔と、前記連結部に形成された第3貫通孔とを有しており、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが、前記第3貫通孔より幅広であることが好ましい。上記形状の延在部および貫通孔により、延在部が、その延在方向に沿った軸の周りに回転する方向に弾性変形しやすくなる。よって、延在部の延在方向に沿った軸の周りに回転する方向への応力を延在部によって確実に吸収することができる。
【0014】
本発明のコネクタは、第1ハウジングと、前記第1ハウジングに固定された導電部材である第1コンタクトとを有する第1コネクタと、第2ハウジングと、前記第2ハウジングに固定された導電部材である第2コンタクトとを有する第2コネクタとを備えたコネクタであって、前記第2コンタクトは、前記第2ハウジングに固定される固定部と、前記固定部から前記第1コンタクトに向かって突出するとともに前記第1コンタクトと接触する突出部と、回路基板にハンダ接合される端子部と、前記固定部と前記端子部との間に位置するとともに、前記固定部から前記突出部の突出方向と反対方向に延在した延在部とを有している。そして、前記延在部に、その延在方向と交差する方向に向けて開口するように形成された貫通孔が少なくとも1個形成されており、前記延在部が、その延在方向に沿った軸の周りに回転する方向に弾性変形可能である。
【0015】
これによると、固定部と端子部との間に位置する延在部がその延在方向に沿った軸の周りに回転する方向に弾性変形する。これにより、第2コンタクトの延在部の延在方向に沿った軸の周りに回転する方向へかかる応力を、延在部により吸収することができる。したがって、上記応力が第2コンタクトの端子部へ集中することを防ぐことができるため、端子部と回路基板とを接合するハンダへのクラックの発生及び回路基板からの端子部の剥離を防ぐことができる。
【0016】
本発明のコネクタにおいて、前記延在部が、その延在方向と垂直な平面内における少なくとも一方向に弾性変形可能であることが好ましい。これによると、固定部と端子部との間に位置する延在部が、その延在方向と垂直な平面内における少なくとも1方向に弾性変形する。これにより、延在部の延在方向と垂直な平面内における少なくとも1方向に生じる応力を、延在部によって吸収することができる。したがって、上記応力が第2コンタクトの端子部へ集中することを防ぐことができるため、端子部と回路基板とを接合するハンダへのクラックの発生及び回路基板からの端子部の剥離を防ぐことができる。よって、互いに対向する2枚の回路基板の位置ずれが生じたときや第1ハウジング及び第2ハウジングが衝撃を受けたときに、位置ずれ及び衝撃による応力を延在部によって吸収することができるため、端子部を回路基板に接合したハンダにクラックが発生したり、回路基板から端子部が剥離したりすることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のコンタクトによると、ハウジングに固定される固定部と回路基板にハンダ接合される端子部との間に位置する延在部がその延在方向に沿った軸の周りに回転する方向に弾性変形する。これにより、延在部の延在方向に沿った軸の周りに回転する方向へかかる応力を、延在部により吸収することができる。したがって、上記応力がコンタクトの端子部へ集中することを防ぐことができるため、端子部と回路基板とを接合するハンダへのクラックの発生及び回路基板からの端子部の剥離を防ぐことができる。
また、本発明のコネクタによると、第2コンタクトの、固定部と端子部との間に位置する延在部が、その延在方向に沿った軸の周りに回転する方向に弾性変形する。これにより、第2コンタクトの延在部の延在方向に沿った軸の周りに回転する方向へかかる応力を、延在部により吸収することができる。よって、上記応力が第2コンタクトの端子部へ集中することを防ぐことができるため、第2コンタクトの端子部と回路基板とを接合するハンダへのクラックの発生及び回路基板からの端子部の剥離を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係るコネクタの外観斜視図であり、(a)は、プラグコネクタをリセプタクルコネクタへ嵌合した時を示しており、(b)は、プラグコネクタをリセプタクルコネクタへ嵌合する直前を示している。
【図2】図1に示したコネクタのプラグコネクタを示しており、(a)はプラグコネクタを内側からみた外観斜視図であり、(b)はプラグコネクタを外側からみた外観斜視図であり、(c)は図2(b)のIIC‐IIC線に沿った断面図である。
【図3】(a)は図1に示したコネクタのリセプタクルコネクタの外観斜視図であり、(b)は、図3(a)のIIIB‐IIIB線に沿った断面図である。
【図4】図3(b)に示したリセプタクルコネクタのリセプタクルコンタクトの正面図である。
【図5】(a),(b)は、図1に示すコネクタの断面図であり、(a)は、図1に示すVA‐VA線に沿った断面図であり、(b)は、プラグコネクタのリセプタクルコネクタからの嵌合解除動作時を示している。
【図6】変形例1に係るコネクタのリセプタクルコンタクトを示す図である。
【図7】変形例2に係るコネクタのリセプタクルコンタクトを示す図である。
【図8】変形例3に係るコネクタのリセプタクルコンタクトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図1(a),(b)に示すように、コネクタ100は、プラグコネクタ10と、プラグコネクタ10が嵌合するリセプタクルコネクタ20とを備えている。また、リセプタクルコネクタ20は、回路基板P2に実装されている。なお、プラグコネクタ10は、回路基板P2と異なる他の回路基板(図5に示す回路基板P1)に実装されるが、図1においては、回路基板P1を省略している。
【0021】
(プラグコネクタ)
図2(a),(b)に示すように、プラグコネクタ(第1コネクタ)10は、プラグハウジング(第1ハウジング)11と、プラグハウジング11に固定された複数のプラグコンタクト(第1コンタクト)12とを有している。複数のプラグコンタクト12は、前後方向に、所定のピッチで配列されている。
【0022】
プラグハウジング11は、絶縁性の樹脂からなるものであって、その周縁に沿って形成された略矩形状の環状壁15と、環状壁15の内部に形成された底壁16とを有している。環状壁15は、底壁16の右端から立設した右側壁15aと、底壁16の左端から立設した左側壁15bと、底壁16の前端から立設した前壁15cと、底壁16の後端から立設した後壁15dとを有している。そして、環状壁15及び底壁16により、環状壁15の内方に凹部17が形成されている。右側壁15a及び左側壁15bには、それぞれ、その側面に沿って、略U字状の複数の溝18が形成されている。複数の溝18は、右側壁15a及び左側壁15bのそれぞれの長手方向に沿って(図2(a)に示す前後方向に)、所定の間隔で配列されている。
【0023】
図2(c)に示すように、プラグコンタクト12は、所定の厚みを有する金属の帯状導電部材であって、その長手方向に互いに異なる箇所で屈曲することにより形成されている。プラグコンタクト12は、回路基板(図5に示す回路基板P1)にハンダ接合されるプラグ端子部121と、プラグ端子部121の一端から略U字状に屈曲したプラグ湾曲部122とを有している。プラグ湾曲部122は、左右方向に互いに対向する側部122a,122bを有している。側部122aは、プラグ端子部121に連接されている。側部122aの外側面には、側部122aの長手方向に延びた凹部122sが形成されている。凹部122sは、プラグコンタクト12に、その厚み方向に圧潰加工を施すことにより形成されたものである。また、側部122bの外側面は、凹凸のない平坦面となっている。側部122aの外側面と側部122bの外側面とは、左右方向に互いに反対方向を向いている。
【0024】
プラグコンタクト12をプラグハウジング11に装着するときは、プラグコンタクト12(プラグ湾曲部122)をプラグハウジング11の溝18に嵌め込み、圧入する。これにより、プラグコンタクト12がプラグハウジング11に固定される。このとき、プラグ湾曲部122は、右側壁15a又は左側壁15bにより内側から支持される(図2(c)参照)。
【0025】
(リセプタクルコネクタ)
図3(a)に示すように、リセプタクルコネクタ(第2コネクタ)20は、リセプタクルハウジング(第2ハウジング)21と、リセプタクルハウジング21に固定された複数のリセプタクルコンタクト(第2コンタクト)22とを有している。複数のリセプタクルコンタクト22は、前後方向に、プラグコンタクト12と略同じ所定のピッチで配列されている。
【0026】
図3(a),(b)では、リセプタクルコネクタ20が回路基板P2に実装されている。図3(a),(b)に示すように、リセプタクルハウジング21は、絶縁性の樹脂からなるものであって、その周縁に沿って連続的に形成された略矩形状の環状の環状壁25と、環状壁25の内部に形成されるとともに前後方向に延在した中間壁26とを有している。環状壁25は、右側壁25aと、左側壁25bと、前側壁25cと、後側壁25dとを有している。前側壁25c及び後側壁25dは、右側壁25a及び左側壁25bよりも上下方向に長く、前側壁25c及び後側壁25dが、右側壁25a及び左側壁25bよりも若干下方に延在している。また、中間壁26は、右側壁25a及び左側壁25bと、上下方向について略同じ高さとなっている。中間壁26は、その前端及び後端が、それぞれ、前側壁25c及び後側壁25dに固定されることによって、環状壁25と一体となっている。また、中間壁26は、その上端が環状壁25の上端と略一致するように、環状壁25に固定されている。そして、中間壁26と右側壁25aとの間、及び中間壁26と左側壁25bとの間には、リセプタクルコンタクト22を挿入可能な隙間が形成されている。また、リセプタクルハウジング21を回路基板P2に取り付けたとき、右側壁25aと回路基板P2との間、左側壁25bと回路基板P2との間、及び、中間壁26と回路基板P2との間には、それぞれ、隙間が形成される。この隙間から、リセプタクルコンタクト22の端子部225が引き出される。
【0027】
右側壁25a及び左側壁25bには、それぞれ、それらの内側面に沿って、複数の溝28が形成されている。複数の溝28は、前後方向に所定のピッチで配列されている。また、中間壁26には、それらの右側面及び左側面に沿って、複数の溝29が形成されている。複数の溝29は、前後方向に所定のピッチで配列されている。溝28のピッチ及び溝29のピッチは、溝18(図2(a))のピッチと略同じピッチとなっている。
【0028】
次に、図4を参照しつつ、リセプタクルコンタクト22について説明する。図4に示すように、リセプタクルコンタクト22は、所定の厚みを有する金属の板状導電部材であって、リセプタクルハウジング21に固定される固定部221と、固定部221の上端から上方に向けて突出した1対の突出部222,223と、固定部221から下方に向けて(突出部222,223の突出方向と反対の方向に)延在した略矩形状の延在部224と、延在部224の下端から突出するとともに、回路基板(図3に示す回路基板P2)にハンダ接合される端子部225とを有している。延在部224は、固定部221と端子部225との間に位置している。そして、固定部221の上端と、1対の突出部222,223とにより、プラグコンタクト12(プラグ湾曲部12b)が嵌合可能な凹部が形成されている。延在部224には、リセプタクルコンタクト22の厚み方向に貫通した矩形状の貫通孔226が形成されている。貫通孔226は、前方及び後方に向けて開口している。言い換えると、貫通孔226は、上下方向(延在部224の延在方向)と交差する方向、詳細には、上下方向に直交する方向に開口している。
【0029】
固定部221の一方の側面には、外側に向けて(図4に示す左方向に)突出した2つの突起221a,221bが形成されている。突起221a,221bは、リセプタクルハウジング21の右側壁25a又は左側壁25bに形成された図示しない溝に係合する。
【0030】
一対の突出部222,223は、左右方向(突出部222,223の突出方向と直交する方向)に互いに対向しているとともに、突出部222,223の先端に近づくにつれて先端同士が近づくように、僅かに屈曲している。また、突出部222,223の先端部には、それぞれ、対向する他方の突出部223,222に向けて突出した接触部222a,223aが形成されている。接触部222a,223aは、プラグコネクタ10をリセプタクルコネクタ20に嵌合したときに、プラグコンタクト12(凹部122s,側部122b)と接触する(図5参照)。
【0031】
図4に示すように、貫通孔226の外形は、延在部224の外形に略相似している。したがって、延在部224には、貫通孔226の周囲に、貫通孔226を連続して取り囲む細幅の縁227が形成されている。縁227は、貫通孔226の右側部を覆う右側縁227aと、貫通孔226の左側部を覆う左側縁227bと、貫通孔226の底部を覆う底縁227cとを有する。右側縁227aと左側縁227bとは、細幅であるため、延在部224は、上下方向(延在部224の延在方向)に沿った軸の周りに回転する方向(図4に示す矢印R)、及び上下方向(延在部224の延在方向)と垂直な平面内、言い換えると、図3に示す回路基板P2平面内における少なくとも一方向(例えば、図3(a)に示す前方向、後ろ方向、右方向、左方向など)に弾性変形可能なものとなっている。
【0032】
延在部224の平面積に対する貫通孔226の平面積が、20%以上である場合は、延在部224(特に、右側縁227a及び左側縁227b)が、上下方向に沿った軸の周りに回転する方向(図4に示す矢印R)、及び上下方向と垂直な平面(図3に示す回路基板P2平面)内における少なくとも一方向へ、より一層弾性変形しやすくなる。したがって、上下方向に沿った軸の周りに回転する方向(図4に示す矢印R)にかかる応力、及び上下方向と垂直な平面(図3に示す回路基板P2平面)内において少なくとも一方向にかかる応力を、延在部224によって確実に吸収することができる。同様に、延在部224の幅(図4に示すW)に対する貫通孔226の幅(図4に示すw)が、40%以上である場合、及び上下方向(延在部224の延在方向)について、延在部224の長さ(図4に示すH)に対する貫通孔226の長さ(図4に示すh)が、40%以上である場合も、上述と同様に、上下方向に沿った軸の周りに回転する方向(図4に示す矢印R)、及び上下方向と垂直な平面(図3に示す回路基板P2平面)内における少なくとも一方向へ、より一層弾性変形しやすくなる。これにより、上下方向に沿った軸の周りに回転する方向(図4に示す矢印R)にかかる応力、及び上下方向と垂直な平面(図3に示す回路基板P2平面)内において少なくとも一方向にかかる応力を、延在部224によって確実に吸収することができる。
【0033】
図4に示すように、延在部224の平面積に対する貫通孔226の平面積は、20%以上となっている。また、左右方向について、延在部224の幅(図4に示すW)に対する貫通孔226の幅(図4に示すw)は、40%以上となっている。さらに、上下方向(延在部224の延在方向)について、延在部224の長さ(図4に示すH)に対する貫通孔226の長さ(図4に示すh)は、40%以上となっている。したがって、上下方向に沿った軸の周りに回転する方向(図4に示す矢印R)にかかる応力、及び上下方向と垂直な平面(図3に示す回路基板P2平面)内において少なくとも一方向にかかる応力を、延在部224によって、より一層確実に吸収することが可能となる。
【0034】
リセプタクルコンタクト22をリセプタクルハウジング21に装着するときは、リセプタクルコンタクト22をリセプタクルハウジング21の下方から嵌め込み、圧入する。これにより、突起221a,221bが右側壁25a又は左側壁25bに係止し、固定部221がリセプタクルハウジング21に保持される(図3(b)参照)。端子部225は、リセプタクルハウジング21の右側壁25a又は左側壁25bの下方からリセプタクルハウジング21の外側へ引き出され(図3(a),(b)参照)。
【0035】
次に、図5を参照しつつ、プラグコネクタ10のリセプタクルコネクタ20への嵌合時及び嵌合解除時について説明する。
【0036】
図5(a)には、プラグコネクタ10をリセプタクルコネクタ20へ挿入する時(嵌合動作時)の状態が示されている。図5(b)には、プラグコネクタ10をリセプタクルコネクタ20から引き抜く時(嵌合解除時)の状態が示されている。
【0037】
図5(a)に示すように、プラグコネクタ10をリセプタクルコネクタ20へ嵌合した際、接触部222aと、凹部122sの底面とが接触するとともに、接触部223aと、側部122bの外側面とが接触する。このように、プラグコンタクト12とリセプタクルコンタクト22とは、2箇所で接触する。これにより、プラグコンタクト12とリセプタクルコンタクト22との電気的接続が達成されるとともに、回路基板P1,P2に設置された回路が電気的に接続される。
【0038】
図5(b)に示すように、プラグコネクタ10のリセプタクルコネクタ20からの嵌合解除時に、凹部122sの下端部に形成された段差部と、接触部222aとが係合する。これにより、プラグコンタクト12とリセプタクルコンタクト22とが係合する。このように、凹部122sと接触部222aとの係合部は、プラグコンタクト12とリセプタクルコンタクト22との係合(ロック機構)、及びプラグコンタクト12とリセプタクルコンタクト22との電気的接続の2つの機能を兼ね備えている。
【0039】
なお、プラグコンタクト12には、凹部122sを形成するために、圧潰加工が施されている。圧潰加工は、帯状導電部材を屈曲する前に、一直線状となった帯状導電部材に施される。そして、圧潰加工により凹部122sが形成された一直線状の帯状導電部材を、その長手方向に互いに異なる複数個所で屈曲させることにより、プラグコンタクト12が得られる。また、リセプタクルコンタクト22は、例えば、金属薄板に打ち抜き加工を施すことにより得られる。
【0040】
以上に述べたように、本実施形態のコネクタ100によると以下の効果を奏する。固定部221と端子部225との間に位置する延在部224に貫通孔226が形成されているため、延在部224が上下方向に沿った軸の周りに回転する方向、及び前後方向と垂直な平面内(回路基板P2)における少なくとも1方向に弾性変形することから、リセプタクルコンタクト22に対して、上下方向に沿った軸の周りに回転する方向にかかる応力、及び前後方向と垂直な平面内(回路基板P2)における少なくとも1方向にかかる応力を、延在部224(右側縁227a及び左側縁227b)により吸収することができる。よって、上記応力がリセプタクルコンタクト22の端子部225へ集中することを防ぐことができるため、端子部225を回路基板P2に接合したハンダへのクラックの発生及び回路基板P2からの端子部の剥離を防ぐことができる。
【0041】
詳細には、延在部224が、上下方向に沿った軸の周りに回転する方向にかかる応力を吸収することができることから、プラグハウジング11及びリセプタクルハウジング21の少なくとも一方が左右方向から衝撃を受けたときの衝撃による応力を延在部224によって吸収することができる。また、延在部224が、前後方向と垂直な平面内(回路基板P2)における少なくとも1方向にかかる応力を吸収することができることから、互いに対向する2枚の回路基板P1,P2の位置ずれが生じたときに、その位置ずれによる応力を延在部224によって吸収することができる。よって、上記衝撃が生じたとき及び位置ずれが生じたときに、応力がリセプタクルコンタクト22の端子部225へ集中することを防ぐことができるため、端子部225を回路基板P2に接合したハンダへのクラックの発生及び回路基板P2からの端子部225の剥離を防ぐことができる。
【0042】
次に、図6〜8を参照しつつ、本発明に係るコネクタの変形例を説明する。
【0043】
〔変形例1〕
変形例1に係るコネクタは、リセプタクルコンタクトの延在部において、第1実施形態に係るコネクタと異なる。なお、変形例1に係るコネクタのその他の構成は、第1実施形態に係るコネクタの構成と同様であるため、説明を省略する。
【0044】
(リセプタクルコンタクト)
図6に示すように、本実施形態のコネクタでは、リセプタクルコンタクト622の延在部624が、1段の階段状に屈曲しており、リセプタクルコンタクト622のその他の構成は、第1実施形態のリセプタクルコンタクト22と同様である。延在部624は、その上端から下方へ延在した第1延在部624aと、第1延在部624aから前方へ屈曲した第1屈曲部624bと、第1屈曲部624bから前方へ延在した第2延在部624cと、第2延在部624cから下方へ屈曲した第2屈曲部624dと、第2屈曲部624dから下方へ延在した第3延在部624eとを有する。
【0045】
延在部624には、貫通孔626が形成されている。貫通孔626は、第1延在部624aに形成された第1貫通孔626aと、第1屈曲部624bから第2屈曲部624dにかけての領域に形成された第2貫通孔626bと、第3延在部624eに形成された第3貫通孔626cとを有している。また、第1貫通孔626aと第2貫通孔626bと第3貫通孔626cとは連通している。第1貫通孔626a及び第3貫通孔626cは、前方(後方)に向けて(延在部624の延在方向と直交する方向に)開口している。第2貫通孔626bは、上方(下方)に向けて(延在部624の延在方向に)開口している。
【0046】
貫通孔626の外形は、延在部624の外形に略相似している。したがって、延在部624には、第1実施形態における延在部224と同様に、貫通孔626を連続して取り囲んだ細幅の縁627が形成されている。縁627は、第1貫通孔626aの右側部及び左側部を覆った第1縁部627aと、第2貫通孔626bの右側部及び左側部を覆った第2縁部627bと、第3貫通孔626cの右側部及び左側部を覆った第3縁部627cとを有している。第1縁部627a及び第3縁部627cは、上下方向に延在している。第2縁部627bは、第1屈曲部624bから第2屈曲部624dにかけての領域に形成されているとともに、前方に延在している。
【0047】
また、第1実施形態と同様に、延在部624の平面積に対する貫通孔626の平面積は、20%以上となっている。また、延在部624の幅に対する貫通孔626の幅が、40%以上となっている。さらに、上下方向(延在部624の延在方向)について、延在部624の長さに対する貫通孔626の長さが、40%以上となっている。
【0048】
延在部624は、第1縁部627aと第3縁部627cとにより、上下方向(延在部624の延在方向)に沿った軸の周りに回転する方向(図3(a),(b)に示す矢印R)、及び上下方向(延在部624の延在方向)と垂直な平面内(図3(a),(b)に示す回路基板P2平面内)における少なくとも一方向(例えば、前方向、後ろ方向、右方向、左方向など)に弾性変形可能となっているとともに、第2縁部627bにより、上下方向(延在部624の延在方向)に弾性変形可能となっている。
【0049】
以上に述べたように、本変形例に係るコネクタにおいても、第1実施形態に係るコネクタと同様な効果を得ることができる。また、延在部624が、上下方向(延在部624の延在方向)に弾性変形可能となっていることから、上下方向に生じる応力を、延在部624によって吸収することができる。
【0050】
〔変形例2〕
変形例2に係るコネクタは、リセプタクルコンタクトの延在部において、第1実施形態に係るコネクタと異なる。なお、変形例1に係るコネクタのその他の構成は、第1実施形態に係るコネクタの構成と同様であるため、説明を省略する。
【0051】
(リセプタクルコンタクト)
図7に示すように、本実施形態のコネクタでは、リセプタクルコンタクト722の延在部724に、上下方向に配列された4つの貫通孔726a,726b,726c,726dが形成されている。左右方向について、貫通孔726aの幅(図7に示すw)、貫通孔726bの幅(図7に示すw)、貫通孔726cの幅(図7に示すw)、及び貫通孔726dの幅は、それぞれ、上下方向(幅に直交する方向)についての、貫通孔726aの高さ(図7においてhと示す),貫通孔726bの高さ、貫通孔726cの高さ、及び貫通孔726dの高さよりも長い。なお、図7では、貫通孔726bの高さを示す符号、貫通孔726cの高さを示す符号及び貫通孔726dの高さを示す符号を省略している。また、貫通孔726a,726b,726c,726dは、下方に向けて(延在部724の延在方向に向けて)、これらの順に配列されている。
【0052】
延在部724には、貫通孔726a,726b,726c,726dの右側及び左側に、それぞれ、上下方向に延在した細幅の縁727a,727bが形成されている。また、貫通孔726aと貫通孔726bとの間、貫通孔726bと貫通孔726cとの間、及び貫通孔726cと貫通孔726dとの間には、それぞれ、左右方向に延在した細幅の縁727c,727d,727eが形成されている。
【0053】
また、図7に示すように、延在部724の平面積に対する、貫通孔726aの平面積、貫通孔726bの平面積、貫通孔726cの平面積及び貫通孔726dの平面積の合計が、20%以上となっている。また、延在部724の幅(図7に示すW)に対する貫通孔726aの幅(図7(a)に示すw)、延在部724の幅(図7に示すW)に対する貫通孔726bの幅(図7に示すw)、延在部724の幅(図7に示すW)に対する貫通孔726cの幅(図7に示すw)、及び延在部224の幅(図7に示すW)に対する貫通孔726dの幅が、それぞれ、40%以上となっている。さらに、上下方向(延在部724の延在方向)について、延在部724の長さに対する、貫通孔726aの長さ(図7に示すh)、貫通孔726bの長さ、貫通孔726cの長さ及び貫通孔726dの長さの合計が、40%以上となっている。
【0054】
本変形例に係るコネクタにおいても、第1実施形態に係るコネクタと同様な効果を得ることができる。
【0055】
〔変形例3〕
変形例3に係るコネクタは、リセプタクルコンタクトの延在部において、第1実施形態に係るコネクタと異なる。なお、変形例1に係るコネクタのその他の構成は、第1実施形態に係るコネクタの構成と同様であるため、説明を省略する。
【0056】
(リセプタクルコンタクト)
図8(a)に示すように、本実施形態のコネクタでは、リセプタクルコンタクト822の延在部824が、その上部と下部とが中央付近よりも幅広になるように形成されている。詳細には、延在部824は、上部824aと、下部824bと、上部824aと下部824bとを連結した矩形状の連結部824cとを有している。上部824aと、下部824bとは、延在部824の中央を挟んで上下方向(延在部824の延在方向)に互いに反対側に配置されている。上部824aは、その幅が下方に向けて狭くなるテーパー状に形成されている。下部824bは、その幅が上方に向けて狭くなるテーパー状に形成されている。上部824aの上端の幅と、下部824bの下端の幅とは、略同幅となっている。
【0057】
延在部824に形成された貫通孔826は、上部824aに形成された第1貫通孔826aと、下部824bに形成された第2貫通孔826bと、連結部824cに形成された第3貫通孔826cとを有している。第1貫通孔826aと第2貫通孔826bと第3貫通孔826cとは連通している。第1貫通孔826aと、第2貫通孔826bとは、延在部824の中央を挟んで上下方向(延在部824の延在方向)に互いに反対側に配置されている。第1貫通孔826aは、その幅が下方に向けて狭くなるテーパー状に形成されている。第2貫通孔826bは、その幅が上方に向けて狭くなるテーパー状に形成されている。第1貫通孔826aの下端の幅と、第2貫通孔826bの上端の幅とは、略同幅となっている。また、第1貫通孔826a及び第2貫通孔826bは、第3貫通孔826cより幅広となっている。
【0058】
第1貫通孔826aの外形は、上部824aの外形に略相似している。また、第2貫通孔826bの外形は、下部824bの外形に略相似している。また、第3貫通孔826cの外形は、連結部824cの外形に略相似している。したがって、延在部824には、貫通孔826を連続して取り囲んだ細幅の縁827が形成されている。縁827は、その上部及び下部が中央部より外側に広がるように形成されている。
【0059】
延在部824の平面積に対する貫通孔826の平面積は、20%以上となっている。また、上部824aの幅(図8(a)に示す、例えばW)に対する第1貫通孔826aの幅(図8(a)に示す、例えばw)、下部824bの幅(図8(a)に示す、例えばW)に対する第2貫通孔826bの幅(図8(a)に示す、例えばw)、及び連結部824cの幅(図8(a)に示す、例えばW)に対する第3貫通孔826cの幅(図8(a)に示す、例えばw)は、それぞれ、40%以上となっている。さらに、上下方向(延在部824の延在方向)について、延在部824の長さ(図8(a)に示すH)に対する、第1貫通孔826aの長さ、第2貫通孔826bの長さ及び第3貫通孔826cの長さの合計(図8(a)に示すh)は、40%以上となっている。加えて、縁827を構成する右側縁827aの、その幅と直行する方向についての長さ(図8(b)に示す、XとXとXとの合計)に対する、それと同じ方向についての、第1貫通孔826aの長さ(図8(b)に示すx)、第2貫通孔826bの長さ(図8(b)に示すx)及び第3貫通孔826cの長さ(図8(b)に示すx)の合計が、40%以上となっている。また、同様に、縁827を構成する左側縁827bの、その幅と直行する方向についての長さに対する、それと同じ方向についての、第1貫通孔826aの長さ、第2貫通孔826bの長さ及び第3貫通孔826cの長さの合計が、40%以上となっている。なお、図8(a)に示したリセプタクルコンタクト822と、図8(b)に示したリセプタクルコンタクト822とは同じであり、図8(b)においては、縁827の幅と直行する方向についての長さを主に示しており、その他の符号を一部省略している。
【0060】
なお、延在部824の上下方向についての高さ(図8(a)に示すH)は、第1実施形態の延在部224の上下方向についての高さ(図4に示すH)と同じ高さである。
【0061】
以上に述べたように、本変形例に係るコネクタにおいても、第1実施形態に係るコネクタと同様な効果を得ることができる。また、右側縁827aの、その幅と直交する方向についての長さ(図8(b)に示す、XとXとXとの合計)が、第1実施形態のリセプタクルコンタクトの右側縁227aの、その幅と直交する方向についての長さ(図4に示すH)より長い。同様に、左側縁827bの、その幅と直交する方向についての長さが、第1実施形態のリセプタクルコンタクトの左側縁227bの、その幅と直交する方向についての長さ(図4に示すH)より長い。これにより、リセプタクルコンタクト822が、上下方向に沿った軸の周りに回転する方向(図4に示すR方向)に、より一層弾性変形しやすくなる。したがって、本変形例によると、コネクタの低背化を図りつつ、上下方向に沿った軸の周りに回転する方向にかかる応力を、延在部824(特に、縁827)によって、より一層確実に吸収することができる。
【0062】
以上、本発明の好適な実施形態及び変形例について説明したが、本発明は上述の実施形態及び変形例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、本実施形態では、延在部224に1つの貫通孔226が形成されているが、延在部224に2つ以上の貫通孔が形成されていてもよい。
【0063】
また、本実施形態及び本変形例では、貫通孔(変形例1では、第1貫通孔626a及び第3貫通孔626c)が、延在部の延在方向に直交する方向に開口するように形成されているが、延在部の延在方向(上下方向)に公差する方向に開口するように形成されていれば、延在部の延在方向に直交する方向に開口するように形成されていなくてもよい。例えば、貫通孔が、斜め上方又は斜め下方に向けて開口するように形成されていてもよい。また、本実施形態及び本変形例では、延在部(変形例1では、第1延在部624a及び第3延在部624e)が、上下方向に延在しているが、前後方向に延在しなければ、上下方向に延在していなくてもよい。例えば、変形例1において、延在部(第1延在部624a)が、固定部221から斜め下方に延在していてもよい。
【0064】
また、変形例1では、延在部624が、1段の階段状に屈曲しているが、2段以上の階段状に屈曲していてもよい。
【0065】
また、変形例1では、第2延在部624cが前方へ延在しているが、第2延在部624cが斜め下方へ向けて延在していてもよい。また、変形例1では、第1貫通孔626aと第2貫通孔626bと第3貫通孔626cとは連通しているが、これらが連通していなくてもよい。
【0066】
また、変形例2では、複数の貫通孔726a,726b,726c,726dの形状が、略同様な形状であるが、異なっていてもよい。例えば、変形例2では、複数の貫通孔726a,726b,726c,726dは、それらの幅が、略同じ幅に形成されているが、異なる幅となるように形成されていてもよい。同様に、変形例2では、複数の貫通孔726a,726b,726c,726dは、それらの高さが、略同じ高さに形成されているが、それらの高さが異なるように形成されていてもよい。
【0067】
また、変形例2では、貫通孔726a,726b,726c,726dは、それらの幅がそれらの高さよりも長くなるように形成されているが、貫通孔の幅と高さとが略同長さになるように形成されていたり、貫通孔の高さが幅より長くなるように形成されていたりしてもよい。さらに、変形例2では、4つの貫通孔726a,726b,726c,726dが、延在部724の延在方向に配列されているが、複数の貫通孔が、延在部724の延在方向に配列されていなくてもよい。たとえば、複数の貫通孔が、延在部724の延在方向に直行する方向(延在部724の幅方向)又は延在部724の延在方向に交差する方向に配列されていてもよい。
【0068】
また、変形例3では、延在部724は、その上部及び下部が中央付近より幅広になるように形成されているが、延在部724の上部及び下部の一方が中央付近より幅広になるように形成されていたり、延在部724の中央付近が上部及び下部より幅広になるように形成されていたりしてもよい。また、変形例3では、延在部724の上部及び下部がテーパー状に形成されているが、矩形状に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10 プラグコネクタ(第1コネクタ)
11 プラグハウジング(第1ハウジング)
12 プラグコンタクト(第1コンタクト)
20 リセプタクルコネクタ(第2コネクタ)
21 リセプタクルハウジング(第2ハウジング)
22,622,722,822 リセプタクルコンタクト(第2コンタクト)
221 固定部
222,223 突出部
224,624,724,824 延在部
225 端子部
226,626,826,726a,726b,726c,726d 貫通孔
624a 第1延在部
624b 第1屈曲部
624c 第2延在部
624d 第2屈曲部
624e 第3延在部
824a 上部
824b 下部
824c 連結部
100 コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに固定されるとともに相手側コンタクトと電気的に接続されるコンタクトであって、
ハウジングに固定される固定部と、
前記固定部から相手側コンタクトに向かって突出するとともに、相手側コネクタと接触する突出部と、
回路基板にハンダ接合される端子部と、
前記固定部と前記端子部との間に位置するとともに、前記固定部から前記突出部の突出方向と反対方向に延在した延在部とを有しており、
前記延在部に、その延在方向と交差する方向に向けて開口するように形成された貫通孔が少なくとも1個形成されており、
前記延在部が、その延在方向に沿った軸の周りに回転する方向に弾性変形可能であることを特徴とするコンタクト。
【請求項2】
前記延在部が、その延在方向と垂直な平面内における少なくとも一方向に弾性変形可能であることを特徴とする請求項1に記載のコンタクト。
【請求項3】
前記延在部が、少なくとも1段の階段状に屈曲していることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンタクト。
【請求項4】
前記延在部が、1段の階段を形成する第1屈曲部及び第2屈曲部を有しており、
前記貫通孔が、第1屈曲部から第2屈曲部にかけて形成されていることを特徴とする請求項3に記載のコンタクト。
【請求項5】
前記貫通孔は、その幅が前記幅に直交する高さよりも長くなるように形成されており、
前記幅が前記高さより長い貫通孔が、前記延在部の延在方向に複数配列されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンタクト。
【請求項6】
前記延在部が、その延在方向について、前記延在部の中央を挟んで互いに反対側に位置する上部及び下部と、前記上部及び前記下部とを連結した連結部とを有しており、
前記上部及び前記下部が、前記連結部より幅広であり、
前記貫通孔が、前記上部に形成された第1貫通孔と、前記下部に形成された第2貫通孔と、前記連結部に形成された第3貫通孔とを有しており、
前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが、前記第3貫通孔より幅広であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンタクト。
【請求項7】
第1ハウジングと、前記第1ハウジングに固定された導電部材である第1コンタクトとを有する第1コネクタと、
第2ハウジングと、前記第2ハウジングに固定された導電部材である第2コンタクトとを有する第2コネクタとを備えたコネクタであって、
前記第2コンタクトは、
前記第2ハウジングに固定される固定部と、
前記固定部から前記第1コンタクトに向かって突出するとともに前記第1コンタクトと接触する突出部と、
回路基板にハンダ接合される端子部と、
前記固定部と前記端子部との間に位置するとともに、前記固定部から前記突出部の突出方向と反対方向に延在した延在部とを有しており、
前記延在部に、その延在方向と交差する方向に向けて開口するように形成された貫通孔が少なくとも1個形成されており、
前記延在部が、その延在方向に沿った軸の周りに回転する方向に弾性変形可能であることを特徴とするコネクタ。
【請求項8】
前記延在部が、その延在方向と垂直な平面内における少なくとも一方向に弾性変形可能であることを特徴とする請求項7に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−43587(P2012−43587A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182566(P2010−182566)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】