説明

コンテンツへのアクセスをコントロールする方法および装置

本発明は、コンテンツへのアクセスコントロール方法であって、コンテンツへのアクセスをコントロールするためにそのコンテンツと関連付けられた第1のコンテンツ格付けを有する、コンテンツを受け取る工程と、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするために、第2のコンテンツ格付けを、そのコンテンツの属性と関連付ける要求を受け取る工程と、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするために、その第2のコンテンツ格付けを、そのコンテンツの属性と関連付けられるようにして保存する工程とを、含む方法に関する。この方法は、コンテンツの再生を可能とするすべてのディスクプレーヤー、たとえばHD−DVDディスクプレーヤーまたはブルーレイディスクプレーヤーにおいて有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツへのアクセスをコントロールする方法に関するものである。
【0002】
本発明はまた、コンテンツへのアクセスをコントロールするための装置にも関するものである。
【0003】
本発明はさらに、コンテンツへのアクセスをコントロールするためのソフトウェアプログラムにも関するものである。
【背景技術】
【0004】
性的なコンテンツや、暴力的なコンテンツや、粗野な言葉といった不適切な素材に、子供たちが曝されることは、大きな心配事となってきている。近年の技術発展は、子供たちが曝されるコンテンツへのアクセスコントロールを可能としている。基本的な思想は、子供たちが親の同意なしに成人向けコンテンツを閲覧することを防止しつつ、成人がチャイルドセーフコンテンツを閲覧することは可能とするという思想である。たとえば、DVDプレーヤーは、ペアレンタルコントロール機能を有している。このペアレンタルコントロール機能の目的は、子供たちに不適切と思われるDVDディスクの再生を、不能化することである。この目的のため、一部のディスクは、特定のペアレンタルコントロールレベルを用いて符号化されている。そのDVDディスクのペアレンタルコントロールレベルが、DVDプレーヤーのペアレンタルコントロールレベルよりも高い場合には、プレーヤーはそのDVDディスクを再生しない。このペアレンタルコントロール機能は、親たちが、そのプレーヤー上で再生できるDVDコンテンツのタイプを制限することを可能とする。コンテンツへのアクセスをコントロールする方法の1つの形態が、米国特許出願公開2005/0028191号に開示されている。その方法は、
− そのコンテンツへのアクセスをコントロールするためにそのコンテンツと関連付けられた第1のコンテンツ格付けを有する、コンテンツを受け取る工程と、
− そのコンテンツと、関連付けられた第1のコンテンツ格付けとを保存する工程と、
− 第1のコンテンツ格付けを、第2のコンテンツ格付けに変更する要求を受け取る工程と、
− そのコンテンツへのアクセスをコントロールするために、第2のコンテンツ格付けを、上記のコンテンツと関連付けられるようにして保存する工程とを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
米国特許出願公開2005/0028191号に記載されている解決策は、1つの問題点を有する。第2のコンテンツ格付けがコンテンツと関連付けられ、コンテンツ全体が、たとえばハードディスクのような記憶媒体上に物理的に保存される。異なるソース由来の同一コンテンツ(たとえば別のDVDディスク、または別のブルーレイディスク、または別の遠隔サーバーからの同一コンテンツ)へのその後のアクセスについては、コンテンツ全体が物理的に再保存され、第2のコンテンツ格付けが再割当てされなくてはならない。この処理は、コンテンツ全体が記憶媒体(たとえばハードディスク)に保存される必要があるため、時間のかかる処理である。コンテンツが既に保存されており、そのコンテンツに関連付けられている第2のコンテンツ格付けが入手可能である場合でさえも、異なるソースから入手可能となった同一コンテンツへのアクセスをコントロールするために、コンテンツ全体が物理的に再保存され、第2のコンテンツ格付けが再割当てされなくてはならない。第2のコンテンツ格付けを再割当てする処理は、プレーヤーメニューのナビゲーションを必要とし、このナビゲーションは、反復的で、時間を要し、冗長で、すぐにユーザを苛立たせかねない。米国特許出願公開2005/0028191号に記載されている解決策は、第2のコンテンツ格付けを1回のみ割り当て、異なるソース由来の同一コンテンツへのその後のアクセスに際し、コンテンツ全体をたとえばハードディスク上に再保存せずに、第2のコンテンツ格付けの再割当ての義務を免除するような、柔軟性を与えるものではない。
【0006】
したがって、本発明の1つの目的は、冒頭の段落で述べたような方法であって、第2のコンテンツ格付けを1回のみ割り当て、異なるソース由来の同一コンテンツへのその後のアクセスに際し、コンテンツ全体を保存せずに、その第2のコンテンツ格付けを利用する柔軟性を与える方法を、提供することである。
【0007】
本発明の第2の目的は、冒頭の段落で述べたような装置であって、第2のコンテンツ格付けを1回のみ割り当て、異なるソース由来の同一コンテンツへのその後のアクセスに際し、コンテンツ全体を保存せずに、その第2のコンテンツ格付けを利用する柔軟性を与える装置を、提供することである。
【0008】
本発明の第3の目的は、冒頭の段落で述べたようなソフトウェアプログラムであって、第2のコンテンツ格付けを1回のみ割り当て、異なるソース由来の同一コンテンツへのその後のアクセスに際し、コンテンツ全体を保存せずに、その第2のコンテンツ格付けを利用する柔軟性を与えるソフトウェアプログラムを、提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の目的は、コンテンツへのアクセスコントロール方法であって、
− コンテンツへのアクセスをコントロールするためにそのコンテンツと関連付けられた第1のコンテンツ格付けを有する、コンテンツを受け取る工程と、
− そのコンテンツへのアクセスをコントロールするために、第2のコンテンツ格付けを、そのコンテンツの属性と関連付ける要求を受け取る工程と、
− そのコンテンツへのアクセスをコントロールするために、上記の第2のコンテンツ格付けを、そのコンテンツの上記属性と関連付けられるようにして保存する工程と
を含むことを特徴とする方法を、提供することによって達成される。
【0010】
本発明の第1の目的は、コンテンツへのアクセスをコントロールするために、第2のコンテンツ格付けを、そのコンテンツの様々な属性と関連付けることにより達成される。第2のコンテンツ格付けをコンテンツの属性と関連付けるというこの特徴は、関心のある属性を保存し、その属性を第2のコンテンツ格付けと関連付けるという、柔軟性を提供する。コンテンツ全体ではなく、コンテンツの属性が、保存され、第2のコンテンツ格付けと関連付けられる。このことは、異なるソースまたは同一ソースからの同一コンテンツへの、その後のアクセス時において、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするのに、保存された第2のコンテンツ格付けを使用することができるという柔軟性を提供する。同一コンテンツへの将来のアクセス時には、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするため、そのコンテンツの対応の属性と照合させて、保存された第2のコンテンツ格付けが確認される。したがって、異なるソースからの同一コンテンツへのその後のアクセスにおいても、第2のコンテンツ格付けを、第2のコンテンツ格付けの再割当てまたはコンテンツ全体の再保存を要さずに、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするのに使用することができる。
【0011】
本発明に係る方法の1つの実施形態では、上記のコンテンツの属性が、そのコンテンツのタイトルを含むものとされ、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするために、第2のコンテンツ格付けが、コンテンツのタイトルと関連付けられる。この実施形態は、第2のコンテンツ格付けを、関心のある特定のタイトルと関連付けることを可能とする。この第2のコンテンツ格付けは、将来における同一コンテンツの再ロード時に、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするのに使用される。DVDディスクまたはブルーレイディスク上において、映画のタイトルを含むコンテンツが利用可能とされている場合には、第2のコンテンツ格付けを、関心のある特定のタイトルと関連付けることができる。たとえば、第2のコンテンツ格付けが「タイタニック」というタイトルと関連付けられた場合には、映画「タイタニック」の全体ではなく、「タイタニック」というタイトルのみが保存される。コンテンツのソースに関係なく、すなわち「タイタニック」という映画タイトルを含むそのコンテンツが、同一のDVDディスク/ブルーレイディスク由来のものであろうと、あるいは異なるDVDディスク/ブルーレイディスク由来のものであろうと、あるいは遠隔サーバー由来のものであろうと、依然として、第2のコンテンツ格付けを用いて、映画タイトル「タイタニック」を含むコンテンツへのアクセスをコントロールすることができる。
【0012】
本発明に係る方法のさらなる実施形態では、この方法は、単一のタイトルのための第2のコンテンツ格付けを、その単一のタイトルの複数回の再生中において保持することができるものとされる。この実施形態は、単一のタイトルがアンロードされた後に再ロードされた場合においても、その単一のタイトルのその後のすべての再生について、第2のコンテンツ格付けを使用することを可能とする。たとえば、あるユーザが、映画タイトル「タイタニック」を含むブルーレイディスクを友人から受け取り、その映画タイトル「タイタニック」に第2のコンテンツ格付けを割り当て、その映画「タイタニック」を再生したとする。そのユーザが、同じ映画タイトル「タイタニック」をもう一度見たいと思ったときに、別の友人から、映画タイトル「タイタニック」を含む別のブルーレイディスクを借りたとする。そのようなシナリオにおいては、映画タイトル「タイタニック」について保存された第2のコンテンツ格付けが、映画タイトル「タイタニック」へのアクセスをコントロールするのに使用される。
【0013】
本発明に係る方法のさらなる実施形態では、この方法は、タイトルの1回のロードについて、第2のコンテンツ格付けを保持することを可能とする。このシナリオでは、第2のコンテンツ格付けは、映画タイトル「タイタニック」の1回の再生についてのみ有効である。映画「タイタニック」が再生された後、第2のコンテンツ格付けは消去される。タイトル「タイタニック」のその後の再生に対しては、第2のコンテンツ格付けが再割当てされなくてはならない。この形態は、成人であるユーザが、自身は成人向けコンテンツを視聴したいが、成人向けコンテンツを視聴するための認証されていないアクセス権限を誰かが取得してしまうかもしれないので、第2のコンテンツ格付けを保存はしたくないようなシナリオにおいて、有用である。
【0014】
本発明に係る方法のさらに別の実施形態では、上記のコンテンツの属性が、そのコンテンツの作成者を含むものとされ、コンテンツへのアクセスをコントロールするために、第2のコンテンツ格付けが、コンテンツの作成者と関連付けられる。この実施形態は、第2のコンテンツ格付けを、関心のある特定の作成者と関連付けることを可能とする。第2のコンテンツ格付けは、その作成者によるすべてのコンテンツへのアクセスをコントロールする。たとえば、あるユーザが、20世紀フォックスにより作成された、映画タイトル「タイタニック」を含むブルーレイディスクを、友人から受け取り、そのコンテンツの作成者(たとえば20世紀フォックス)に第2のコンテンツ格付けを割り当てたとする。そのユーザが、異なるソース(たとえば別のDVDディスク、または別のブルーレイディスク、または遠隔サーバー)由来の、20世紀フォックスにより作成された任意のコンテンツにアクセスした際には、割り当てられている第2のコンテンツ格付けを用いて、そのコンテンツへのアクセスがコントロールされる。第2のコンテンツ格付けを一度設定すれば、その作成者によるコンテンツへのその後のすべてのアクセスにおいて、その第2のコンテンツ格付けの使用が保証される。この実施形態は、第2のコンテンツ格付けが、その作成者(たとえば20世紀フォックス)によるすべてのコンテンツへのアクセスをコントロールするために、そのコンテンツの複数回の再生中において使用されることを可能とする。
【0015】
本発明に係る方法のさらに別の実施形態では、この方法は、コンテンツへのアクセスをコントロールするため、第1のコンテンツ格付けまたは第2のコンテンツ格付けに、リセットするオプションを提供する。この形態は、成人の視聴者が、そのコンテンツが子供たちにより視聴されるであろう場合には第1のコンテンツ格付けにリセットし、成人により視聴されるであろう場合には第2のコンテンツ格付けにリセットすることを可能とする。コンテンツと関連付けられている第1のコンテンツ格付けは、変更されない。
【0016】
本発明の方法の別の実施形態では、
− ユーザにより設定可能な予め決められた期間の経過、および
− 最も古いエントリの削除
という基準の少なくとも一方に基づいて、第2のコンテンツ格付けが削除される。
【0017】
ユーザは、予め決められた期間を規定することができ、この予め決められた期間の後、第2のコンテンツ格付けは自動的に消去される。この形態は、たとえば休み中の1週間、子供たちが家を離れており、その週の間は、成人が、コンテンツへのアクセスコントロールに第2のコンテンツ格付けを利用する場合といったような、特定のシナリオにおいては有利である。成人の視聴者が、1週間後に第2のコンテンツ格付けをリセットするのを忘れてしまっても、第2のコンテンツ格付けは、1週間という予め決められた期間の後に自動的にリセットされる。子供たちが休みから帰ってくれば第2のコンテンツ格付けは自動的にリセットされるので、成人の視聴者が、第2のコンテンツ格付けをトラッキングしておくことを心配する必要はない。別の実施形態では、本発明の方法は、新規なエントリに場所を譲るため、最も古いエントリを削除することを可能とする。
【0018】
受け取られるコンテンツは、記憶媒体(とりわけブルーレイディスクまたはHD−DVDディスク)に保存されているか、遠隔サーバー上に存在している。コンテンツは、双方向性のコンテンツであってもよい。
【0019】
本発明の第2の目的は、
− コンテンツへのアクセスをコントロールするためにそのコンテンツと関連付けられた第1のコンテンツ格付けを有する、コンテンツを受け取るように構成された受取手段と、
− そのコンテンツへのアクセスをコントロールするために、第2のコンテンツ格付けを、そのコンテンツの属性と関連付ける要求を受け取るように構成された要求手段と、
− そのコンテンツへのアクセスをコントロールするために、上記の第2のコンテンツ格付けを、そのコンテンツの上記属性と関連付けられるようにして保存するように構成された保存手段と
を含むことを特徴とする装置、とりわけブルーレイディスクプレーヤーまたはHD−DVDディスクプレーヤーを提供することにより達成される。
【0020】
上記の本発明に係る装置の1つの実施形態では、この装置は、第2のコンテンツ格付けを保存するためのレジスタを含むものとされる。このレジスタは、装置のメモリ、たとえばブルーレイディスクプレーヤーのメモリにマッピングされる。この形態は、ユーザが選択したシナリオに応じて、装置のメモリに第2のコンテンツ格付けを保存し、同メモリから第2のコンテンツ格付けを再呼出しすることを手助けするので、有利である。
【0021】
本発明に係る装置のさらなる実施形態では、上記のレジスタは、タイトルレジスタ、作成者レジスタ、汎用レジスタ、ダウンロードコンテンツ・レジスタ、ダウンロード作成者レジスタ、またはダウンロード汎用レジスタの、少なくとも1つを含むものとされる。タイトルレジスタは、1つのタイトルについての第2のコンテンツ格付けが、そのタイトルが複数回に亘って再ロードされる間中、保持されることを保証する。作成者レジスタは、たとえタイトルが後にアンロードおよび再ロードされた場合においても、その作成者によるすべてのタイトルの、その後のすべての実行について、第2のコンテンツ格付けが使用されることを保証する。汎用レジスタは、第2のコンテンツ格付けが、現在のタイトルについてのみ有効であることを保証する。そのタイトルが一旦再生されると、第2のコンテンツ格付けは消去される。ダウンロードコンテンツ・レジスタは、インターネットからダウンロードされるコンテンツが複数回ダウンロードされる間中、第2のコンテンツ格付けが使用されることを保証する。ダウンロード作成者レジスタは、たとえダウンロードされたコンテンツが後にアンロードおよび再ロードされた場合においても、その作成者によるすべてのダウンロードされたコンテンツの、その後のすべての実行について、第2のコンテンツ格付けが使用されることを保証する。ダウンロード汎用レジスタは、第2のコンテンツ格付けが、現在のダウンロードされたコンテンツについてのみ有効であることを保証する。そのダウンロードされたコンテンツが一旦再生されると、第2のコンテンツ格付けは消去される。
【0022】
本発明の第3の目的は、前出のいくつかの段落で述べたようなコンテンツへのアクセスコントロール方法を実行するための、実行可能なコードを含むソフトウェアプログラムを提供することにより、達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の上記およびその他の目的を、添付の図面を参照しながら、さらに明らかにし説明する。この説明は例示にすぎない。
【0024】
図1に示したステップ102では、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするための第1のコンテンツ格付けが関連付けられた、コンテンツが受け取られる。このコンテンツは、ブルーレイディスクもしくはHD−DVDディスクといった記録媒体から受け取られるか、遠隔サーバーからコンテンツをダウンロードすることにより受け取られる。受け取られたコンテンツと関連付けられている第1のコンテンツ格付けは、引用により本明細書に組み込まれているものとする国際公開WO2004/059942号に開示されている、Motion Picture Association of America(MPAA)の格付けシステムに基づいている。この格付けシステムでは、8が最も制限の高いレベル(成人限定)で、1が最も制限の低いレベル(全年齢)である。受け取られるコンテンツは、TVコンテンツ、オーディオコンテンツ、ビデオコンテンツ、映画、コンピュータゲーム、ウェブサイト、ネットワーク中のサイト、または歌曲の編集アルバムであってもよい。ここでは、説明の目的で、MPAA格付けを考えたが、本発明は、いずれの特定の格付けシステムにも限定されるものではない。他の格付け方式(たとえばDVD格付け)や、電子プログラムガイド格付け(たとえばTel starやEcho star)も、用いることができる。ステップ104では、コンテンツへのアクセスをコントロールするべく、第2のコンテンツ格付けを、そのコンテンツの属性と関連付けるユーザ要求が受け取られる。このコンテンツの属性は、コンテンツのタイトル、またはコンテンツの作成者のうちの、少なくとも一方を含むものとされる。ステップ106では、ユーザの権限を特定するための確認が行われる。ここで、a)ユーザが第2のコンテンツ格付けをそのコンテンツの属性と関連付けることを許されているか否かを、特定するように構成された手段(この手段は、たとえば、ブルーレイプレーヤーもしくはHD−DVDプレーヤー内のペアレンタルコントロール用常駐アプリケーションによって実現され得る)、およびb)リモートコントローラのキーパッドを用いて視聴者が入力できるようなパスワードまたはアクセスコード(たとえば4桁の数字コード)を入力するように、ユーザを促すことにより、ユーザの権利を認証する手段が存在してもよい。権限を有さないアクセスを防止する特定の機能を含めることにより、そのコンテンツに対する権限を有さないアクセスを得るような不正介入を克服することができる(たとえば、認証方法は、正しくないパスワードがある回数入力されたら、コンテンツへのアクセスを不能化するような命令を受けてもよい)。権限を有するユーザに対しては、ステップ108において、第2のコンテンツ格付けが、ユーザにより指定されたコンテンツの属性と関連付けられる。次に、ステップ110において、コンテンツへのアクセスをコントロールするために、第2のコンテンツ格付けが、ユーザにより指定されたコンテンツ属性と関連付けられるようにして保存される。(ステップ106において)ユーザの認証が成功しなかった場合には、ステップ112において、第1のコンテンツ格付けを伴うコンテンツが、ユーザに対して利用可能とされる。第2のコンテンツ格付けをコンテンツ属性と関連付けることは、ユーザが関心を有する属性を保存し、その属性を第2のコンテンツ格付けと関連付けるという柔軟性を提供する。第2のコンテンツ格付けは、異なるソースまたは同一ソース由来の同一コンテンツへのその後のアクセス時において、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするのに利用される。同一コンテンツへの将来のアクセス時には、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするため、対応のコンテンツ属性と照合させて、保存されている第2のコンテンツ格付けが確認される。異なるソースまたは同一ソース由来の同一コンテンツへのその後のアクセス時において、第2のコンテンツ格付けは、第2のコンテンツ格付けの再割当てまたはコンテンツ全体の再保存を行わずに、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするために用いられる。
【0025】
本発明に係る方法の1つの実施形態では、コンテンツの属性はそのコンテンツのタイトルを含んでおり、第2のコンテンツ格付けは、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするため、そのコンテンツのタイトルと関連付けられる。この実施形態は、第2のコンテンツ格付けを、関心のある特定のタイトルと関連付けることを可能とする。以下、この形態を、例を用いて説明する。受け取られたコンテンツは、映画「タイタニック」を含んでおり、このコンテンツには、コンテンツへのアクセスをコントロールするための第1のコンテンツ格付けが関連付けられている。ここで、第2のコンテンツ格付けを、映画タイトル「タイタニック」と関連付けるためのユーザ要求が受け取られる。第2のコンテンツ格付けは、コンテンツのタイトル、具体的には「タイタニック」というタイトルと関連付けられ、保存される。映画「タイタニック」を含むコンテンツ全体には、その「タイタニック」というタイトルと関連付けられた第2のコンテンツ格付けを用いて、アクセスすることができる。第2のコンテンツ格付けを、コンテンツのタイトルと関連付けることは、映画「タイタニック」を含むコンテンツ全体に代えて、タイトルを保存するという柔軟性を提供する。この第2のコンテンツ格付けは、対応のタイトル「タイタニック」に関して記憶される。将来において「タイタニック」という映画タイトルを含むコンテンツが再ロードされたときは、そのコンテンツのソースに関係なく、その映画「タイタニック」を含むコンテンツへのアクセスを制御するために、第2のコンテンツ格付けが用いられる。システム仕様書 ブルーレイディスク読出専用フォーマット パート3 オーディオビジュアル規格(System description Blu−ray Disc read only format part 3 audiovisual specifications)は、プレーヤー状態レジスタPSR13を、ペアレンタルコントロールのためのものとして特定している。しかしながら、格付けをコンテンツの様々な特性と関連付ける柔軟性を提供するためには、より多くのレジスタが必要とされる。そこで、本発明は、複数のプレーヤーレジスタへのマッピングを行う、iHD−DVD規格に従うレジスタ・ネームスペースの組を提案する。タイトルレジスタと名付けられた新たなレジスタが、タイトルごとの第2のコンテンツ格付値を記憶するために用いられる。このタイトルレジスタは、タイトルの起動時において、プレーヤーメモリから初期設定される。この値は、そのタイトルがアンロードされた際に、プレーヤーメモリに保存される。この値は、現在のタイトルに限定されている。このシナリオに基づいて、X個の異なるレジスタを追加することができる(Xは、たとえば0から10の範囲内の整数)。
【0026】
本発明に係る方法の別の実施形態では、単一タイトルの複数回の再生時において、その単一タイトルへのアクセスをコントロールするために、第2のコンテンツ格付けが利用される。前段落で説明したように、第1のコンテンツ格付けが関連付けられた、映画「タイタニック」を含むコンテンツが受け取られるものとする。ユーザは、第2のコンテンツ格付けを、コンテンツのタイトル、具体的には「タイタニック」と関連付ける。この第2のコンテンツ格付けは、タイトルレジスタ内に保存される。そのコンテンツ(すなわち映画「タイタニック」)を再生し終わった後も、第2のコンテンツ格付けは、依然としてタイトルレジスタ内に保持される。映画「タイタニック」を含むコンテンツへの、プレーヤーによる将来のアクセス時において、タイトルレジスタが確認される。タイトル「タイタニック」へのマッピングが存在する場合には、タイトルレジスタ内に存在する最後に保存された第2のコンテンツ格付けが、そのコンテンツへのアクセスコントロールのために利用される。任意のソース由来(たとえばブルーレイディスクやHD−DVDディスクといったような記録媒体由来、または遠隔サーバー由来)の映画「タイタニック」を含むコンテンツへの、将来のアクセスに対し、既に保存されている第2のコンテンツ格付けが、その映画「タイタニック」の再生をコントロールするために利用される。対応のタイトルを確認することにより、第2のコンテンツ格付けが、そのコンテンツへのアクセスをコントロールする。本質的に、この実施形態は、第2のコンテンツ格付けをタイトルレジスタ内に保存し、この値をプレーヤーメモリから回復することにより、単一のタイトルが現時点でアンロードされ将来において再ロードされる場合においても、その単一タイトルのその後のすべての再生に、上記の第2のコンテンツ格付けを利用することを可能とする。
【0027】
本発明に係る方法のさらに別の実施形態では、第2のコンテンツ格付けは、単一タイトルの1回の再生のみに関して、その単一タイトルへのアクセスをコントロールするのに用いられる。このシナリオでは、保存された第2のコンテンツ格付けは、そのタイトルの1回の再生に関してのみ有効である。先の段落で説明したように、ユーザは、第2のコンテンツ格付けをタイトル「タイタニック」と関連付けるものとする。この第2のコンテンツ格付けは、汎用レジスタ内に記憶される。汎用レジスタは、タイトルのマークアップから初期設定される。この値は、このタイトルの現在の実行中においてのみ利用可能とされる。このシナリオに基づいて、X個の異なるレジスタを追加することができる(Xは、たとえば0から10の範囲内の整数)。映画タイトル「タイタニック」を含むコンテンツを再生した後、汎用レジスタは、フラッシュまたは消去される。映画タイトル「タイタニック」へのその後のアクセスに関しては、そのコンテンツと関連付けられた第1のコンテンツ格付けが、コンテンツへのアクセスをコントロールするために利用される。汎用レジスタに記憶された第2のコンテンツ格付けは、映画タイトル「タイタニック」の1回の再生のみに対して利用可能とされる。この形態は、成人の視聴者が成人向けコンテンツを視聴したいが、誰かが成人向けコンテンツを視聴するための権限のないアクセスを取得するかもしれないので、第2のコンテンツ格付けを保存したくはないような場合に有利である。
【0028】
本発明に係る方法のさらに別の実施形態では、コンテンツの属性はそのコンテンツの作成者を含み、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするため、第2のコンテンツ格付けは、そのコンテンツの作成者と関連付けられる。以下、先の段落で考えた例を用いて、この形態を説明する。受け取られたコンテンツは、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするための第1のコンテンツ格付けが関連付けられた、映画「タイタニック」を含んでいるものとする。ユーザは、第2のコンテンツ格付けを、映画「タイタニック」を含むコンテンツの作成者、たとえば20世紀フォックスと関連付ける。映画「タイタニック」を含むコンテンツ全体は、作成者(たとえば20世紀フォックス)と関連付けられた第2のコンテンツ格付けを用いて、アクセス可能とされる。ユーザが、異なるソース由来の(たとえばブルーレイディスク、またはHD−DVDディスク、または遠隔サーバー由来の)20世紀フォックスにより作成された任意のコンテンツにアクセスすると、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするのに、上記の第2のコンテンツ格付けが用いられる。第2のコンテンツ格付けをそのコンテンツの作成者と関連付けることは、コンテンツ全体に代えて、そのコンテンツの作成者を保存するという柔軟性を提供する。作成者レジスタと名付けられる新たなレジスタが、作成者ごとの第2のコンテンツ格付けを記憶するために用いられる。この作成者レジスタは、タイトルの起動時において、プレーヤーメモリから初期設定される。そのタイトルがアンロードされた際に、プレーヤーメモリに値が保存される。値は、その特定の作成者に由来するすべてのタイトルに対して利用可能な値である。このシナリオに基づいて、X個の異なるレジスタを、作成者レジスタ内に追加することができる(Xは、たとえば0から10の範囲内の整数)。第2のコンテンツ格付けは、対応の作成者(たとえば20世紀フォックス)に関して記憶される。コンテンツのソースにかかわらず、将来におけるその作成者(たとえば20世紀フォックス)由来のすべてのコンテンツの再ロード時には、コンテンツへのアクセスをコントロールするため、この第2のコンテンツ格付けが用いられる。
【0029】
本発明に係る方法のさらに別の実施形態では、たとえ将来においてコンテンツがアンロードおよび再ロードされた場合であっても、コンテンツの複数回の再生中において、その作成者(たとえば20世紀フォックス)由来のすべてのコンテンツへのアクセスをコントロールするために、第2のコンテンツ格付けが利用される。先の段落で説明したように、第1のコンテンツ格付けと関連付けられた、映画「タイタニック」を含むコンテンツが受け取られるものとする。ユーザは、第2のコンテンツ格付けを、そのコンテンツの作成者(すなわち20世紀フォックス)と関連付ける。第2のコンテンツ格付けは、作成者レジスタに保存される。コンテンツ(すなわち映画「タイタニック」)の再生後も、第2のコンテンツ格付けは、作成者レジスタ内に保持される。映画「タイタニック」を含むコンテンツへの将来のアクセス時において、この作成者レジスタが確認される。作成者(たとえば20世紀フォックス)へのマッピングが存在する場合には、最後に保存された第2のコンテンツ格付けが、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするために用いられる。20世紀フォックスにより作成された任意のソース由来の(たとえばブルーレイディスク由来の、またはHD−DVDディスク由来の、または遠隔サーバーからダウンロードされた)、映画「タイタニック」を含むコンテンツへのその後のアクセスに対しては、既に保存されている第2のコンテンツ格付けが、映画「タイタニック」の再生をコントロールするために用いられる。そのコンテンツに対応する作成者(たとえば20世紀フォックス)を確認することにより、第2のコンテンツ格付けが、コンテンツへのアクセスをコントロールする。本質的に、この実施形態は、第2のコンテンツ格付けを作成者レジスタ内に保存し、保存された値をプレーヤーメモリから回復することにより、コンテンツが現時点でアンロードされ将来において再ロードされる場合においても、その作成者によるコンテンツのその後のすべての再生に、上記の第2のコンテンツ格付けを利用することを可能とする。
【0030】
先のいくつかの段落で説明した実施形態では、コンテンツは、たとえばHD−DVDディスクまたはブルーレイディスクといったような記録媒体から受け取られるか、遠隔サーバーからダウンロードされていた。コンテンツが遠隔サーバーからダウンロードされるシナリオでは、第2のコンテンツ格付けを、ダウンロードされたコンテンツの属性と関連付けること、および、ダウンロードされたコンテンツへのアクセスをコントロールするために、第2のコンテンツ格付けを、そのダウンロードされたコンテンツの属性と関連付けられるようにして保存することが可能である。ユーザのシナリオに基づけば、第2のコンテンツ格付けを保存し、その第2のコンテンツ格付けを再呼出しすることが可能である。ユーザのシナリオは、以下のように説明される。
【0031】
シナリオ1:ユーザは、第2のコンテンツ格付けを、単一のダウンロードされたコンテンツと関連付ける。第2のコンテンツ格付けは、ダウンロードコンテンツ・レジスタに保存される。このことは、その単一のダウンロードされたコンテンツに対してその第2のコンテンツ格付けが記憶され、その単一のダウンロードされたコンテンツのその後のすべてのダウンロードに対して、その第2のコンテンツ格付けが、その単一のダウンロードされたコンテンツへのアクセスをコントロールするために用いられることを保証する。ダウンロードコンテンツ・レジスタは、ダウンロードされたコンテンツの再生に際して、プレーヤーメモリから初期設定される。値は、ダウンロードされたコンテンツの再生が停止させられた際に、プレーヤーメモリに保存される。このシナリオに基づいて、X個の異なるレジスタを追加することができる(Xは、たとえば0から10の範囲内の整数)。
【0032】
シナリオ2:ユーザは、第2のコンテンツ格付けを、ダウンロードされたコンテンツの作成者と関連付ける。第2のコンテンツ格付けは、ダウンロード作成者レジスタに保存される。このことは、そのダウンロードされたコンテンツの作成者に対して、その第2のコンテンツ格付けが記憶されることを保証する。将来においてコンテンツがダウンロードされると、その作成者由来のすべてのダウンロードされたコンテンツの、その後のすべての実行に対して、その第2のコンテンツ格付けが用いられる。ダウンロード作成者レジスタは、ダウンロードされたコンテンツの再生に際して、プレーヤーメモリから初期設定される。値は、ダウンロードされたコンテンツの再生が停止させられた際に、プレーヤーメモリに保存される。これらの値は、同一の作成者由来のすべてのダウンロードされたコンテンツに対して、利用可能である。このシナリオに基づいて、X個の異なるレジスタを追加することができる(Xは、たとえば0から10の範囲内の整数)。
【0033】
シナリオ3:ユーザは、アクセスをコントロールするための第2のコンテンツ格付けを、単一のダウンロードされたコンテンツの1回のみの再生について、その単一のダウンロードされたコンテンツと関連付ける。このシナリオでは、第2のコンテンツ格付けは、ダウンロード汎用レジスタに保存される。ダウンロード汎用レジスタに保存された第2のコンテンツ格付けは、ダウンロードされたコンテンツの現在の再生動作に対してのみ、利用可能である。ダウンロードされたコンテンツが再生された後は、ダウンロード汎用レジスタは、フラッシュまたは消去される。このシナリオでは、ダウンロードされたコンテンツの現在の再生動作中のみ、上記の値が利用可能である。このシナリオに基づいて、X個の異なるレジスタを追加することができる(Xは、たとえば0から10の範囲内の整数)。
【0034】
本質的には、a)ダウンロードされたコンテンツに関するシナリオと、b)ディスク由来のタイトルに関するシナリオとの、2つの異なるシナリオが存在する。ダウンロードされたコンテンツに関するシナリオは、アップグレードや新規タイトルを頻繁に購入することができるインターネットへの接続機能を有する、接続された装置に関するシナリオであり、ブルーレイプレーヤー/HD−DVDプレーヤー内にコンテンツが存在する必要はない。ディスク由来のタイトルに関するシナリオは、インターネットへの接続機能を有さないブルーレイプレーヤーやHD−DVDプレーヤーのような装置に関するシナリオであり、タイトルは、プレーヤー装置にロードされるディスク(たとえばブルーレイディスクまたはHD−DVDディスク)上に存在しなくてはならない。
【0035】
本発明に係る方法のさらに別の実施形態では、本発明の方法は、コンテンツへのアクセスをコントロールするため、第1のコンテンツ格付けまたは第2のコンテンツ格付けにリセットするというオプションを提供する。このオプションは、成人の視聴者が、そのコンテンツが子供たちにより視聴されるであろう場合には第1のコンテンツ格付けにリセットし、そのコンテンツが成人により視聴されるであろう場合には第2のコンテンツ格付けにリセットすることを可能とする。コンテンツと関連付けられている第1のコンテンツ格付けは、変更されない。
【0036】
本発明に係る方法のさらに別の実施形態では、
− ユーザにより設定可能な予め決められた期間の経過
− 最も古いエントリの削除
という基準のうちの少なくとも一方に基づいて、第2のコンテンツ格付けを削除することができる。
【0037】
ユーザは、予め決められた期間を規定することができ、そうすれば、第2のコンテンツ格付けは、その予め決められた期間の後に自動的に削除される。この形態は、たとえば休み中の1週間、子供たちが家を離れており、その週の間は、成人が、コンテンツへのアクセスのコントロールに第2のコンテンツ格付けを利用する場合といったような、特定のシナリオにおいては有利である。成人の視聴者が、1週間後に第2のコンテンツ格付けをリセットするのを忘れてしまっても、第2のコンテンツ格付けは、1週間という予め決められた期間の後に自動的にリセットされる。子供たちが休みから帰ってくれば第2のコンテンツ格付けは自動的にリセットされるので、成人の視聴者が、第2のコンテンツ格付けをトラッキングしておくことを心配する必要はない。別の実施形態では、本発明の方法は、新規なエントリに場所を譲るため、最も古いエントリを削除することを可能とする。
【0038】
上記の実施形態において説明してきたコンテンツへのアクセスコントロール方法は、装置内に実装することができ、とりわけブルーレイディスクプレーヤー装置またはHD−DVDディスクプレーヤー装置内に実装することができる。図2は、本発明が適用されたプレーヤー装置の一例、とりわけブルーレイディスクプレーヤーを示したブロック図である。図2において、参照番号202はブルーレイディスクプレーヤーを指し、参照番号204はリモートコントローラを指し、参照番号206はTVモニタを指す。ブルーレイディスクプレーヤー202は、トレー部208、リモートコントローラ受光部210、ピックアップ212、ディスク読出制御部214、マイクロコンピュータ216、ビデオ外部出力端子218、音声外部出力端子220、およびプレーヤーメモリ222から構成されている。参照番号224は、トレー部208に挿入されたブルーレイディスクを示している。図2を参照すると、ブルーレイディスク224がスピンドルモーター(図示せず)により回転させられている間に、ピックアップ212により、第1のコンテンツ格付けと関連付けられた記録コンテンツが受け取られ、読み出される。ピックアップは、トラッキングモーター(図示せず)により、ブルーレイディスクの半径方向へと移動させられる。トラッキングモーターおよびスピンドルモーターは、サーボ制御機構によって循環制御されている。ブルーレイディスクから反射された光の強さに基づいてピックアップ212により読み出された記録コンテンツであるRF信号は、RF増幅器(図示せず)によってデジタルデータへと変換された後、マイクロコンピュータ216のデジタル信号処理ユニット(図示せず)に供給される。デジタル信号処理ユニットは、受け取ったデジタルデータを処理にかけ、そうして処理された信号をTVモニタに出力する。説明のためTVモニタを用いているが、任意の適切な形式のディスプレイが使用可能である点に留意されたい。さらに、ブルーレイディスクプレーヤー202は、コンテンツ格付けに基づいてブルーレイディスクの再生を不能化する、ペアレンタルコントロール機能を含んでいる。ブルーレイディスクのコンテンツ格付けが、ブルーレイディスクプレーヤー202のペアレンタルコントロールレベルよりも高い場合には、プレーヤーはそのブルーレイディスクを再生しない。これは、ダウンロードされたコンテンツについても同様である。図2に示した構成は、ブルーレイディスクプレーヤーの動作原理に関係する部分と、第1のコンテンツ格付けを有するコンテンツを受け取る手段と、コンテンツへのアクセスをコントロールする手段とのみを図示している。ピックアップ212をサーボ制御するためのサーボ回路、スピンドルモーター、スライダーモーター、デジタル処理ユニット等は、従来技術と同様に構成されるものであるので、これらの要素に関する記述および詳細説明は省略する。さらに、ブルーレイディスクプレーヤー202は、インターネット280を介したインターネット接続機能を有していてもよい。ブルーレイディスクプレーヤー202は、遠隔サーバー上で入手可能な、第1のコンテンツ格付けと関連付けられたコンテンツに、インターネット280経由でアクセスし、そのコンテンツを処理し、TVモニタ206上に表示してもよい。そのようなシナリオでは、ダウンロードされたコンテンツがデジタル信号処理ユニットにより処理され、処理された信号がTVモニタ206に出力される。ブルーレイプレーヤー202は、コンテンツへのアクセスをコントロールするため、第2のコンテンツ格付けをそのコンテンツの属性と関連付ける要求を、受け取るように構成された手段240をさらに含んでいる。これは、たとえばリモートコントローラ機能と一体化されたユーザインターフェースによって実装することができる。この要求は、権限を有するユーザに対してのみ許可されてもよく、パスワードまたはアクセスコードを入力するようユーザを促すことにより、ユーザの権限を認証するように構成された手段が存在していてもよい。ブルーレイプレーヤー202はさらに、コンテンツへのアクセスをコントロールするため、第2のコンテンツ格付けを、そのコンテンツの属性と関連付けられるようにして保存するよう構成された手段242を含んでいる。この手段242は、iHD−DVD規格に従うレジスタ・ネームスペースの組を用いている。この目的のため、ブルーレイプレーヤー202は、コンテンツの属性を表示するように構成された手段と、第2のコンテンツ格付けの選択および保存を行うナビゲーション手段とを含んでいる。ブルーレイプレーヤー202の1つの実施形態では、第2のコンテンツ格付けは、レジスタ242にマッピングされる。このシナリオに基づくと、第2のコンテンツ格付けはレジスタ242にマッピングされ、プレーヤーメモリ222内に保存される。マッピングは、タイトルレジスタ、作成者レジスタ、汎用レジスタ、ダウンロードコンテンツ・レジスタ、ダウンロード作成者レジスタ、またはダウンロード汎用レジスタのうちの1つに行うことができる。これらのレジスタの各々の詳細、特徴、およびプレーヤーメモリ222へのマッピング挙動は、以下の表1に示されている。これらのレジスタの詳細な動作モードは、本発明の方法の実施形態が説明された先のいくつかの段落で説明済みであるので、ここでは省略する。
【表1−1】

【表1−2】

【0039】
本発明に係るコンテンツへのアクセスコントロール方法は、上記で説明したようなブルーレイディスクプレーヤーやHD−DVDディスクプレーヤーといったプレーヤー装置内で実行されてもよいし、たとえばPDAや携帯電話といったような、プレーヤー装置を含む任意の携帯型機器内で実行されてもよい。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態においては、上記で開示したコンテンツへのアクセスコントロール方法は、ブルーレイディスクプレーヤーやHD−DVDディスクプレーヤーといったコンテンツ処理装置により実行される実行可能なコードを含む、ソフトウェアプログラムとして実装されてもよい。このソフトウェアプログラムは、実行されると、コンテンツへのアクセスをコントロールするために、上記の実施形態で説明された方法の各工程を、コンテンツ処理装置に実行させる。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態では、第1のコンテンツ格付けを有するコンテンツが受け取られ、そのコンテンツの属性と関連付けられた第2のコンテンツ格付けが保存される。受け取られたコンテンツにいかなる格付けも関連付けられていない場合、すなわち格付けされていないコンテンツの場合に、第2のコンテンツ格付けを設定することも可能である。このシナリオでは、アクセスされたコンテンツは何ら格付けを有さず、成人の視聴者によって、コンテンツ格付けが設定され保存される。保存されたコンテンツ格付けは、そのコンテンツへのアクセスをコントロールするために使用される。
【0042】
以上、本発明の実施形態を、成人によるコントロールに関して説明してきた。ここで、本明細書でいう成人とは、成人に加えて、何らかの人間(特に子供たち)が不適切なコンテンツにアクセスするのを防止したいと考えている他の任意の人物を含む意図である点に、留意されたい。そのような人物には、たとえば、公共図書館、教会組織の環境または小売業の環境等におけるような、公に利用可能なネットワークまたはコンピュータの管理者、または、子供たちがいるかもしれない場所でコンテンツ(たとえば飛行機内で表示される映画)を表示する人物が含まれ得る。さらに、本願でいう第2のコンテンツ格付けは、優先して有効とされる格付値を指す。加えて、格付けを優先して有効とさせることは、異なる複数の階級のユーザによる第2の格付けまたはそれより多くの格付けの存在を暗に示す。たとえば、母親は姉妹に優先することができるが、その逆は許されないといった具合である。
【0043】
当業者においては、コンテンツへのアクセスコントロール方法の上記の実施形態を、ソフトウェアの形態で実装することも、ハードウェアおよびソフトウェアの両方の形態で実装することも可能である。しかしながら、特許請求の範囲で規定される、より広い本発明の技術的範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更が可能であることは明らかである。「含む」および「備える」との語は、請求項または上記の説明中に列挙された以外の要素の存在を排除するものではない。ある要素の前に置かれた「1つの」との語は、そのような要素が複数存在することを排除するものではない。図面および上記の説明は、純粋に説明目的のものであると捉えられるべきであり、本発明を限定解釈するために利用されるべきではない。
【0044】
本発明は、コンテンツへのアクセスコントロール方法であって、
− コンテンツへのアクセスをコントロールするためにそのコンテンツと関連付けられた第1のコンテンツ格付けを有する、コンテンツを受け取る工程と、
− そのコンテンツへのアクセスをコントロールするために、第2のコンテンツ格付けを、そのコンテンツの属性と関連付ける要求を受け取る工程と、
− そのコンテンツへのアクセスをコントロールするために、上記の第2のコンテンツ格付けを、そのコンテンツの上記属性と関連付けられるようにして保存する工程と
を含む方法を提供することにより要約される。
【0045】
これは、コンテンツの再生を可能とするすべてのディスクプレーヤー、たとえばHD−DVDディスクプレーヤーまたはブルーレイディスクプレーヤーにおいて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の例示的な実施形態に係るコンテンツへのアクセスコントロール方法を示したフローチャート
【図2】本発明が適用されたプレーヤー装置の一例、とりわけブルーレイディスクプレーヤーを示したブロック図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツへのアクセスコントロール方法であって、
− 前記コンテンツへのアクセスをコントロールするために該コンテンツと関連付けられた第1のコンテンツ格付けを有する、該コンテンツを受け取る工程と、
− 前記コンテンツへのアクセスをコントロールするために、第2のコンテンツ格付けを、該コンテンツの属性と関連付ける要求を受け取る工程と、
− 前記コンテンツへのアクセスをコントロールするために、前記第2のコンテンツ格付けを、前記コンテンツの前記属性と関連付けられるようにして保存する工程と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記コンテンツの前記属性が、該コンテンツのタイトルを含んでいることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第2のコンテンツ格付けが、単一のタイトルの複数回の再生中において、該単一のタイトルへのアクセスをコントロールするために使用されることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記第2のコンテンツ格付けが、単一のタイトルの1回のみの再生について、該単一のタイトルへのアクセスをコントロールするために使用されることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記コンテンツの前記属性が、該コンテンツの作成者を含んでいることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第2のコンテンツ格付けが、前記作成者によるすべてのコンテンツへのアクセスをコントロールするために、前記コンテンツの複数回の再生中において使用されることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記第2のコンテンツ格付け、または
前記コンテンツへのアクセスをコントロールするための前記第1のコンテンツ格付けに、
リセットするオプションを含むことを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の方法。
【請求項8】
ユーザにより設定可能な予め決められた期間の経過、および
最も古いエントリの削除
という基準の少なくとも一方に基づいて、保存された前記第2のコンテンツ格付けが削除されることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記コンテンツが、記憶媒体とりわけブルーレイディスクに保存されているか、遠隔サーバー上に存在することを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の方法。
【請求項10】
コンテンツへのアクセスをコントロールするための装置であって、
− 前記コンテンツへのアクセスをコントロールするために該コンテンツと関連付けられた第1のコンテンツ格付けを有する、該コンテンツを受け取るように構成された受取手段と、
− 前記コンテンツへのアクセスをコントロールするために、第2のコンテンツ格付けを、該コンテンツの属性と関連付ける要求を受け取るように構成された要求手段と、
− 前記コンテンツへのアクセスをコントロールするために、前記第2のコンテンツ格付けを、前記コンテンツの前記属性と関連付けられるようにして保存するように構成された保存手段と
を含むことを特徴とする装置。
【請求項11】
ブルーレイディスクプレーヤーであることを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項12】
HD−DVDディスクプレーヤーであることを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項13】
前記第2のコンテンツ格付けを保存するためのレジスタを、さらに含むことを特徴とする請求項10から12いずれか1項記載の装置。
【請求項14】
前記レジスタが、タイトルレジスタ、作成者レジスタ、汎用レジスタ、ダウンロードコンテンツ・レジスタ、ダウンロード作成者レジスタ、またはダウンロード汎用レジスタの少なくとも1つであることを特徴とする請求項13記載の装置。
【請求項15】
請求項1記載の方法を実行するための実行可能なコードを含むことを特徴とするソフトウェアプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−527806(P2009−527806A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551945(P2008−551945)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050314
【国際公開番号】WO2007/088511
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】