説明

コンテンツ入替えシステム、コンテンツ入替え方法、及びコンテンツ入替えプログラム

【課題】分散拠点サーバでのキャッシュヒット率を低下させることなく迅速に分散拠点サーバ内のコンテンツを入替えるコンテンツ入替えシステムを提供する。
【解決手段】複数のコンテンツを所持する中央拠点サーバ30と、この中央拠点サーバ30からのコンテンツをユーザ端末へ送る分散拠点サーバ20と、分散拠点サーバ20から複数の削除候補コンテンツを、中央拠点サーバ30から分散拠点サーバ20に導入する複数の格納候補コンテンツを抽出する配置−人気度抽出部11Aを有し、この抽出された削除候補コンテンツと格納候補コンテンツからそれぞれ任意の一のコンテンツを抽出して一組のコンテンツを特定し、この各コンテンツの人気度の推移を現在までの人気度の変化に基づいて予測する入替え影響計算部11Bを設け、これに基づいて、当該格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへの導入用として決定する導入コンテンツ決定部11Cを備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットでのコンテンツを配信するシステムに係り、特に、中央拠点サーバの負荷を削減するためにユーザの近傍に設置された分散拠点サーバ内のコンテンツの入替えを行うコンテンツ入替えシステム、コンテンツ入替え方法、及びコンテンツ入替えプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの高性能化やネットワークの広帯域化に伴い、ユーザが自分の視聴したいときに高品質な映像コンテンツを取得して視聴できるVoD(Video on Demand)サービスが広まってきている。
【0003】
ここで、全てのユーザからの配信要求に対してデータセンタなどの中央拠点サーバから配信を行うと、前記中央拠点サーバから各ユーザ端末までの経路全てに大容量の映像トラヒック(情報の流れ)が発生し、結果として広範囲のネットワークに高負荷を与えて他の通信に悪影響を与えてしまう。また、インターネットのようなベストエフォートな(能力を超えた情報量が入力された場合に超過分が廃棄される)ネットワークを長距離にわたって使用するため、通信経路上の輻輳によるスループット(単位時間当たりの通信回線のデータ転送量)の著しい低下や遅延時間の上昇などの影響を受けやすく、視聴開始までの多大な待ち時間や視聴の途絶が発生してユーザの体感品質を著しく損ねる恐れがある。
【0004】
これに対し、一部のコンテンツを格納可能なプロキシサーバやエッジサーバといった分散拠点サーバをユーザの近傍に設置して、前記分散拠点サーバに人気度の高いコンテンツを配置することでトラヒックをユーザ近傍に集約する階層的なコンテンツ配信システムを形成し、これによって、前記課題の緩和が図られてきた。そして、刻一刻と変動する各コンテンツの人気度に対し、分散拠点サーバに無いコンテンツのへの配信要求を受け取ったとき或いは一定時間ごとに適宜分散拠点サーバに格納するコンテンツを入替えることで、ユーザが配信要求したコンテンツを分散拠点サーバから配信できる確率(キャッシュヒット率)の維持・向上が図られてきた。
【0005】
前記キャッシュヒット率を向上させるコンテンツ入替え方法の関連技術として、特許文献1に示される方法が知られている。この特許文献1に記載されたコンテンツ入替え方法は、ユーザと同一のアクセスネットワークに接続されたVISPユニット(Vertual Internet Sevice Provider:仮想インターネットサービスプロバイダー)にアクセス頻度の高いコンテンツを保存することで、ユーザによる遠方のアクセスサーバへの接続負担を削減している。そして、人気度の変動に対して、変動後の人気度の順位と分散拠点サーバにあるコンテンツを比較し、人気度の上位から順に分散拠点サーバに格納されるように現在との差分を入替えることで、人気度の高いコンテンツが分散拠点サーバに格納されている状態を維持している。これにより、キャッシュヒット率を維持・向上することができ、ユーザまでの通信距離を確率的に短縮して映像トラヒックによるネットワーク負荷や輻輳によるスループット低下の影響を軽減することができる。
【0006】
また、上記コンテンツの入れ替えに関する関連した技術としては、下記の特許文献2乃至特許文献4が知られている。
【0007】
特許文献2には、コンテンツ配置管理に要するコストを大きく削減できる技術が開示されている。
特許文献3には、システム全体の通信負荷を抑制しつつ複製を作成することができる技術が開示されている。
特許文献4には、受け付けた視聴要求に応じてコンテンツデータの配信指示を外部装置へ送信する配信制御装置が、後から視聴要求した視聴者の待ち時間が無用に長くなることを防止できる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−8664
【特許文献2】特開2005−31987
【特許文献3】特開2007−141103
【特許文献4】特開2009−89019
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述したコンテンツを入れ替える技術にあっては、次のような課題がある。前記コンテンツ入替え方法は、人気度の変動に対して変動後の人気度の順位と分散拠点サーバにあるコンテンツとの差分を入替えることにより、キャッシュヒット率を維持・向上し、映像トラヒックによるネットワーク負荷や輻輳によるスループット低下の影響を軽減しているが、コンテンツの入替えに伴う一時的なキャッシュヒット率の低下を考慮していない。ユーザ端末に配信中のコンテンツは削除できないため、分散拠点サーバのコンテンツを入替える手順は以下のようになる。まず、分散拠点サーバ内の入替え前(削除対象)のコンテンツへの配信要求に対し、分散拠点サーバからは配信せず、中央拠点サーバから配信する(以下、この状態を「コンテンツの閉塞」と呼ぶ)。そして、分散拠点サーバからの前記削除対象コンテンツの配信が全て終了した後、コンテンツの入替えを行う。
【0010】
つまり、コンテンツの閉塞中は入替え前(削除対象)と入替え後(複製対象)の両方のコンテンツが中央拠点サーバから配信されることになり、一時的にキャッシュヒット率が大幅に低下する。そのため、人気度の差が少ないコンテンツを入替えると、入替えによる長期的なキャッシュヒット率向上の累計が前記一時的なキャッシュヒット率低下量の累計を下回ることがあり、通算のキャッシュヒット率が却って低下する可能性がある。
【0011】
又、分散拠点サーバのコンテンツを入替えると、このようなキャッシュヒット率が低下するという課題を、上記特許文献1乃至特許文献4に記載の技術では、何ら解消されてはいない。
【0012】
(発明の目的)
本発明は、分散拠点サーバでのキャッシュヒット率を低下させることなく迅速に分散拠点サーバ内のコンテンツを入替えることのできるコンテンツ入替えシステム、コンテンツ入替え方法、及びコンテンツ入替えプログラムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明にかかるコンテンツ入替えシステムは、
複数のコンテンツを所持する中央拠点サーバと、この中央拠点サーバから配信される一又は二以上のコンテンツをユーザ端末へ送信する分散拠点サーバと、前記中央拠点サーバが備えているコンテンツの人気度に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツを削除すると共に前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するコンテンツ入替え手段とを備え、前記分散拠点サーバ内に記録されている複数のコンテンツの中から複数の削除候補コンテンツを、並びに前記中央拠点サーバ内に記憶されている複数のコンテンツの中から前記分散拠点サーバ内に導入する候補である複数の格納候補コンテンツを、それぞれ抽出する配置−人気度抽出部を有し、この抽出された前記削除候補コンテンツと前記格納候補コンテンツの中からそれぞれ任意の一のコンテンツを抽出し一組のコンテンツを特定すると共にこの組み合わされた各コンテンツの人気度の推移を現在までの人気度の変化に基づいて予測する入替え影響計算部を設け、前記一組のコンテンツの人気度が相互に近づいた時点で一定時間後の前記各コンテンツの人気度を前記入替え影響計算部が予測すると共に、前記格納候補コンテンツの人気度が前記削除候補コンテンツの人気度よりも大きい場合に当該格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへの導入用として決定する導入コンテンツ決定部を備えたことを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明にかかるコンテンツ入替え方法は、
複数のコンテンツを所持する中央拠点サーバと、この中央拠点サーバから配信される一又は二以上のコンテンツをユーザ端末へ送信する分散拠点サーバと、前記中央拠点サーバが備えているコンテンツの人気度に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツを削除すると共に前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するコンテンツ入替えシステムにあって、前記分散拠点サーバ内に格納されている複数のコンテンツの中から複数の削除候補コンテンツを、並びに前記中央拠点サーバ内に記憶されている複数のコンテンツの中から前記分散拠点サーバ内に導入する候補である複数の格納候補コンテンツを、配置−人気度抽出部がそれぞれ抽出し、この抽出された前記削除候補コンテンツと前記格納候補コンテンツの中からそれぞれ任意の一のコンテンツを抽出し一組のコンテンツを特定すると共にこの組み合わされた各コンテンツの人気度の推移を現在までの人気度の変化に基づいて入替え影響計算部が予測し、前記一組のコンテンツの人気度が相互に近づいた時点で一定時間後の前記各コンテンツの人気度を前記入替え影響計算部が予測すると共に、前記格納候補コンテンツの人気度が前記削除候補コンテンツの人気度よりも大きい場合に当該格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへの導入用として導入コンテンツ決定部が決定し、その決定に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツをコンテンツ入替え手段が削除し、前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへコンテンツ入替え手段が導入することを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明にかかるコンテンツ入替えプログラムは、
複数のコンテンツを所持する中央拠点サーバと、この中央拠点サーバから配信される一又は二以上のコンテンツをユーザ端末へ送信する分散拠点サーバと、前記中央拠点サーバが備えているコンテンツの人気度に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツを削除すると共に前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するコンテンツ入替えシステムにあって、前記分散拠点サーバ内に記録されている複数のコンテンツの中から複数の削除候補コンテンツを、並びに前記中央拠点サーバ内に記憶されている複数のコンテンツの中から前記分散拠点サーバ内に導入する候補である複数の格納候補コンテンツを、それぞれ抽出するコンテンツ抽出機能、この抽出された前記削除候補コンテンツと前記格納候補コンテンツの中からそれぞれ任意の一のコンテンツを抽出し一組のコンテンツを特定すると共にこの組み合わされた各コンテンツの人気度の推移を現在までの人気度の変化に基づいて予測する人気度推移予測機能、前記一組のコンテンツの人気度が相互に近づいた時点で一定時間後の前記各コンテンツの人気度を予測すると共に、前記格納候補コンテンツの人気度が前記削除候補コンテンツの人気度よりも大きいと判断された場合に当該格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへの導入用として決定する導入コンテンツ決定機能、及び、前記コンテンツの人気度に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツをコンテンツ入替え手段が削除し、前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するコンテンツ導入機能を、コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、上述したように人気度が高いコンテンツを予測してこれを事前に導入する構成としたので、これによると、コンテンツ入替えによって分散拠点サーバのキャッシュヒット率が低下するという可能性を有効に排除し、キャッシュヒット率をより向上させることができるという優れた効果を有するコンテンツ入替えシステム、コンテンツ入替え方法、及びコンテンツ入替えプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るコンテンツ入替えシステムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に開示した一実施形態におけるコンテンツ入替えシステムのユーザ端末への配信の動作を示すフローチャートである。
【図3】図1に開示した一実施形態におけるコンテンツ入替えシステムのコンテンツの配置更新の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、インターネットを利用してコンテンツを配信するコンテンツ配信システムにあって、中央拠点サーバの負荷軽減を意図してユーザの近傍に分散拠点サーバを設置するようにしたものに関し、特に、この分散拠点サーバ内のコンテンツの入替えを行う際に、長期的なキャッシュヒット率向上量と一時的なキャッシュヒット率低下量を比較し、長期的なキャッシュヒット率向上量の方が大きい場合にのみコンテンツの入替えを行うようにしたもので、このコンテンツ入替えによって累計のキャッシュヒット率が却って低下してしまう不都合を排除し得ることを特徴としている。
【0019】
以下、本発明にかかるコンテンツ入替えシステムの一実施形態を、図1乃至図3に基づいて説明する。
(全体の構成)
【0020】
図1は、本発明のコンテンツ入替えシステムの一実施形態を示すブロック図である。
この図において、コンテンツ入替えシステムは、コンテンツの送受信及びキャッシュ領域への複製、及び定められたコンテンツ配信スケジュールに従ってコンテンツの入替えを行う1つまたは複数の分散拠点サーバ20と、すべてのコンテンツを所持し、前記分散拠点サーバ20またはユーザ端末50からの要求に応じたコンテンツの送信、及び定められたコンテンツ配信スケジュールに従ってコンテンツの事前配信を行う中央拠点サーバ30と、ユーザに対してコンテンツ及びコンテンツリストの表示を行うと共にユーザの操作に応じて前記分散拠点サーバ20或いは前記中央拠点サーバ30にコンテンツの要求を行う一又は複数のユーザ端末50と、コンテンツの人気度に基づいて分散拠点サーバ20に配置するコンテンツを決定し前記分散拠点サーバ20にコンテンツの入替えを指示するコンテンツ配置管理装置10と、ユーザ端末50からの要求に応じて前記コンテンツ配置管理装置10へコンテンツの配置状況を確認し、前記配置状況をEPG(Electronic Program Guide)やECG(Electronic Content Guide)等の番組ガイドや検索結果のコンテンツ一覧(以下、コンテンツリストと呼ぶ)の形に加工してユーザ端末50へ通知するポータルサイト40と、ネットワーク60とにより構成されている。
【0021】
分散拠点サーバ20は、コンテンツ配置管理装置10からのコンテンツの入替え指示を受けて、中央拠点サーバ30に該当コンテンツを要求する。また、分散拠点サーバ20は、中央拠点サーバ30から受信したコンテンツを格納するコンテンツ記憶手段23と、コンテンツ記憶手段23に対してコンテンツの入替えを行うコンテンツ入替え手段21と、ユーザ端末50からの要求に応じてコンテンツを送信するコンテンツ送受信手段22とを備えている。
【0022】
中央拠点サーバ30は、すべてのコンテンツを所持しているコンテンツ記憶手段32と、分散拠点サーバ20とユーザ端末50からの要求に応じコンテンツを送信すると共に定められたコンテンツ配信スケジュールに従ったコンテンツの送信または事前配信を行うコンテンツ送受信手段31とで構成されている。
【0023】
この内、コンテンツ送受信手段31は、分散拠点サーバ20のコンテンツ入替え手段21からコンテンツ要求を受信した際に、コンテンツ記憶手段32から前記要求されたコンテンツを読み出して前記コンテンツ入替え手段21に送信する。また、ユーザ端末50からコンテンツ要求を受信した際に、前記コンテンツ記憶手段32から前記要求されたコンテンツを読み出して前記ユーザ端末50に送信する。
【0024】
コンテンツ配置管理装置10は、分割拠点20内に格納されているコンテンツを配置管理する。このコンテンツ配置管理装置10は、コンテンツの人気度に基づいて前記分散拠点サーバ20に配置するコンテンツを決定し、前記分散拠点サーバ20にコンテンツの入替えを指示する。
【0025】
また、コンテンツ配置管理装置10は、分散拠点サーバ20に現在格納されているコンテンツの情報を格納するコンテンツ配置記憶手段12と、各コンテンツの人気度に係る情報を格納するコンテンツ人気度記憶手段13と、予め各コンテンツの閉塞時間及び滞留時間を記憶している閉塞・滞留時間記憶手段14と、コンテンツ配置記憶手段12から取得した分散拠点2に現在格納されているコンテンツの情報とコンテンツ人気度記憶手段13から取得したコンテンツの人気度と閉塞・滞留時間記憶手段14から取得したコンテンツ入替えの際の各コンテンツの閉塞時間及びあるコンテンツが分散拠点サーバ20に格納されてから削除されるまでの滞留時間をもとに分散拠点サーバ20に格納するコンテンツを決定すると共に分散拠点サーバ20にコンテンツの入替えを指示する入替えコンテンツ決定手段11とで構成されている。ここで、前記閉塞時間は、コンテンツ入替えの際の各コンテンツの閉塞にかかる時間と定義する。前記滞留時間は、あるコンテンツが分散拠点サーバ20に格納されてから削除されるまでの時間と定義する。
【0026】
入替えコンテンツ決定手段11は、コンテンツ配置記憶手段12から取得した分散拠点サーバ20に現在格納されているコンテンツの情報と、コンテンツ人気度記憶手段13から取得したコンテンツの人気度に基づいて、分散拠点サーバ20から削除する可能性のあるコンテンツ(以下、削除候補コンテンツと呼ぶ)のリストと、前記削除候補コンテンツの代わりに分散拠点サーバ20に格納する可能性のあるコンテンツ(以下、格納候補コンテンツと呼ぶ)のリストを作成するコンテンツ配置−人気度抽出部11Aとを備えている。又、このコンテンツ配置−人気度抽出部11Aは、コンテンツ人気度記憶手段13から取得したコンテンツの人気度と閉塞・滞留時間記憶手段14から取得した閉塞時間及び滞留時間をもとに前記削除候補コンテンツと前記格納候補コンテンツを比較してこれらのコンテンツを入替えた場合の影響を算定する入替え影響計算部11Bと、前記コンテンツを入れ替えた場合の影響に基づいて入替えるコンテンツを決定する導入コンテンツ決定部11Cとを備えている。
【0027】
この内、配置−人気度抽出部11Aは、コンテンツ配信システムの運用者などによって設定されたコンテンツ配信スケジュールにおいてコンテンツの入替えタイミングとなった際に、コンテンツ配置記憶手段12から分散拠点サーバ20のコンテンツ記憶手段23に現在格納されているコンテンツの情報を取得し、コンテンツ人気度記憶手段13からコンテンツの人気度を取得する。そして、前記コンテンツの人気度の上位から順に前記コンテンツ記憶手段23に格納可能な分量だけ抽出したコンテンツ(以下、理想配置と呼ぶ)と前記現在格納されているコンテンツとを比較し、前記理想配置にあって前記現在格納されているコンテンツに無いコンテンツを格納候補コンテンツとしてリスト化し、前記理想配置に無くて前記現在格納されているコンテンツにあるコンテンツを削除候補コンテンツとしてリスト化する。そして、前記格納候補コンテンツのリストと前記削除候補コンテンツのリストを入替え影響計算部11Bに通知する。この各リストにより、削除候補コンテンツと格納候補コンテンツが明示される。
【0028】
入替え影響計算部11Bは、配置−人気度抽出手部11Aから格納候補コンテンツのリストと削除候補コンテンツのリストを受信した際に、コンテンツ人気度記憶手段13からコンテンツの人気度を取得し、閉塞・滞留時間記憶手段14から閉塞時間及び滞留時間を取得する。そして、前記コンテンツの人気度と前記閉塞時間及び滞留時間に基づいて、前記削除候補コンテンツと前記格納候補コンテンツの組み合わせの中の一組のコンテンツの組み合わを比較してこれらのコンテンツを入替えた場合の影響を算定する。
【0029】
ここで、比較するコンテンツの組合せは、前記格納候補コンテンツのリスト及び前記削除候補コンテンツのリストの中から任意にコンテンツを1つずつ選出して比較する組合せでもよい。なお、前記組合せに限らず、例えば前記格納候補コンテンツのリストの中で人気度の低いコンテンツから順に取出し、これを前記削除候補コンテンツのリストの中で人気度の高い順に取出したコンテンツと比較する組合せがある。また、前記格納候補コンテンツのリストの中で人気度の高いコンテンツから順に取出し、これを前記削除候補コンテンツのリストの中で人気度の高い順に取出したコンテンツと比較する組合せもある。様々な方法の選択枝を用意することにより、状況にあった方法を選択することができる。
【0030】
尚、上記各コンテンツの比較の方法を以下に示す。まず、比較を行う格納候補コンテンツと削除候補コンテンツのそれぞれに対し、コンテンツ人気度記憶手段13から取得したコンテンツの人気度をもとに将来の人気度の推移を予測する。
【0031】
ここで、人気度推移の予測の手法としては、下記の3つの手法がある。
まず第一は、人気度が一定の速度で減衰していくと仮定した直線近似である。人気度の減衰速度は、コンテンツの人気度の推移速度の統計値をから得たもの、もしくはコンテンツ配信システムの運用者が設定したものを用いる。そして、前記格納候補コンテンツと前記削除候補コンテンツのそれぞれの現在の人気度から前記減衰速度で人気度が減衰していくと仮定する。
【0032】
次に、人気度がべき乗則に従って減衰していくと仮定する予測法である。コンテンツの人気度の分布は、べき乗則に従う傾向があると知られている。そのため、現在の人気度の分布を、べき乗則で近似し、前記人気度の分布上で徐々に人気順位が落ちていくと仮定して予測する方法である。
【0033】
三番目は、人気度がランダムな推移をすると仮定する予測法である。前記格納候補コンテンツと前記削除候補コンテンツのそれぞれの現在の人気度を開始値とし、シミュレーションで乱数を振って値を推移させた結果を将来の人気度と仮定する法である。
【0034】
そして、前記の予測の一手法で予測した人気度推移に基づいて、コンテンツ入替えによる長期的なキャッシュヒット率向上量と一時的なキャッシュヒット率低下量を演算し算定する。
長期的なキャッシュヒット率向上量の値(merit)と、一時的なキャッシュヒット率低下量の値(demerit)とを、以下の式で定義する。前記格納候補の人気度の推移をf_in(t)、前記削除候補の人気度の推移をf_out(t)、閉塞・滞留時間記憶手段14から取得した閉塞時間をt_rep、滞留時間をt_expとする。
【数1】

【0035】
そして、導入コンテンツ決定部11Cは、前記一組のコンテンツの人気度が相互に近づいたと判断した時点で前記予測された前記格納候補コンテンツの一定時間後の前記予測された人気度の方が大きいと判断された場合に当該格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへの導入用として決定し、分散拠点サーバ20のコンテンツ入替え手段21にコンテンツの入替えを指示する。
【0036】
また、導入コンテンツ決定部11Cは、下記のような基準でコンテンツの入れ替えの判断をしても良い。導入コンテンツ決定部11Cは、前記長期的なキャッシュヒット率向上量の方が前記一時的なキャッシュヒット率の低下量より大きい前記格納候補コンテンツと前記削除候補コンテンツの組合せのみコンテンツの入替えを行うことを決定し、分散拠点サーバ20のコンテンツ入替え手段21にコンテンツの入替えを指示する。
【0037】
コンテンツ入替え手段21は、コンテンツ配置管理装置10からのコンテンツの入替え指示を受けて、中央拠点サーバ30に該当コンテンツを要求し、コンテンツ記憶手段23へコンテンツの入替えを行う。
【0038】
又、コンテンツ入替え手段21は、コンテンツ配置管理装置10の入替えコンテンツ決定手段11からコンテンツの入替え指示を受信した際に、入替え対象となる削除候補コンテンツ及び格納候補コンテンツを記憶しておく。そして、各々の削除候補コンテンツの閉塞が終了するごとに、中央拠点サーバ30のコンテンツ送受信手段31に1つの格納候補コンテンツを要求する。そして、前記コンテンツ送受信手段31から前記格納候補コンテンツを受信した際に、コンテンツ記憶部23に格納されている前記閉塞が終了した削除候補コンテンツを削除し、前記格納候補コンテンツを前記コンテンツ記憶手段23に書込む。
【0039】
コンテンツ送受信手段22は、中央拠点サーバ30からコンテンツを受信しコンテンツ記憶手段23に格納する。また、コンテンツ送受信手段22は、ユーザ端末50からコンテンツ要求を受信した際に、コンテンツ記憶手段23から前記要求されたコンテンツを読み出して前記ユーザ端末50に送信する。
【0040】
一方、中央拠点サーバ30側のコンテンツ送受信手段31は、分散拠点サーバ20のコンテンツ入替え手段21からコンテンツ要求を受信した際に、コンテンツ記憶手段32から前記要求されたコンテンツを読み出して前記コンテンツ入替え手段21に送信する。また、ユーザ端末50からコンテンツ要求を受信した際には、前記コンテンツ記憶手段32から前記要求されたコンテンツを読み出して、前記ユーザ端末50に送信する。
【0041】
ポータルサイト40は、コンテンツ一覧(以下、コンテンツリストと呼ぶ)を作成するコンテンツリスト作成手段41と、各コンテンツの人気度を集計する人気度集計手段42とから構成されている。
【0042】
この内、コンテンツリスト作成手段41は、コンテンツ配置管理装置1のコンテンツ配置記憶部12に格納されている配置情報が書換えられる度に、又、ユーザ端末5から要求がある度に、前記コンテンツ配置記憶手段12から前記現在格納されているコンテンツの配置情報を取得する。この前記配置情報は、分散拠点2に現在格納されているコンテンツの配置情報である。また、ユーザ端末50からコンテンツリストの要求がある度に、前記コンテンツリストを前記ユーザ端末50へ送信する。
【0043】
又、コンテンツリスト作成手段41は、前記ユーザ端末50からコンテンツの要求を受信した際に、前記現在格納されているコンテンツの情報を参照し、前記要求コンテンツが分散拠点サーバ20のコンテンツ記憶手段23に格納されている場合は分散拠点サーバ20のコンテンツ送受信手段22をコンテンツの取得先として通知し、前記要求コンテンツが前記コンテンツ記憶手段23に格納されていない場合は中央拠点サーバ30のコンテンツ送受信手段31をコンテンツの取得先として通知する。
【0044】
人気度集計手段42は、前記要求コンテンツの人気度を更新し、コンテンツ配置管理装置10のコンテンツ人気度記憶手段13に書込む。
【0045】
ユーザ端末50は、ユーザからコンテンツリストの要求があった際に、ポータルサイト40から前記コンテンツリストを取得し、ユーザに提示する。また、ユーザからコンテンツの要求があった際に、前記ポータルサイト40に前記要求コンテンツの所在を確認し、前記要求コンテンツの所在に応じて分散拠点サーバ20のコンテンツ送受信手段22または中央拠点サーバ30のコンテンツ送受信手段31に前記要求コンテンツを要求する。そして、前記コンテンツ送受信手段22または前記コンテンツ送受信手段31から前記要求コンテンツを受信した際に、ユーザに前記要求コンテンツを提示する。
【0046】
ネットワーク60は、上記構成を繋いでいるインターネットを構成しているネットワークである。
【0047】
(全体の動作)
次に、上記実施形態の全体的な動作を、図2と図3に基づいて説明する。ここで、図2は、図1に開示した本実施形態におけるコンテンツの要求から配信までの動作を示すフローチャートである。
最初に、ユーザからのコンテンツの要求と前記要求コンテンツの配信について説明する。
【0048】
まず、システム全体の稼動状態下においては、ポータルサイト40は、コンテンツ配置管理装置10のコンテンツ配置記憶手段12に格納されている分散拠点サーバ20のコンテンツ記憶手段23に現在格納されているコンテンツの情報が書換えられる度に、又はユーザ端末50から要求がある度に、前記コンテンツ配置記憶手段12から前記現在格納されているコンテンツの情報を取得する(ステップS101/コンテンツ情報取得工程)。
【0049】
次に、ユーザからコンテンツリストの要求が入力されると、ユーザ端末50は、ポータルサイト40に前記コンテンツリストを要求し、前記ポータルサイト40は、前記コンテンツリストの要求を受けて、前記コンテンツリストを前記ユーザ端末50へ送信する。そして、このユーザ端末50は、前記コンテンツリストを受信した際に、このコンテンツリストをユーザに提示する(ステップS102/コンテンツリスト提示工程)。
【0050】
ここで、ユーザからコンテンツの要求があった際にユーザ端末50は、ポータルサイト40に対して前記要求コンテンツの所在を確認する。これに応じて、前記ポータルサイト40は、ステップS11で取得した現在格納されているコンテンツの情報を参照し、前記要求コンテンツが分散拠点サーバ20のコンテンツ記憶手段23に格納されている場合は分散拠点サーバ20のコンテンツ送受信手段22をコンテンツの取得先として通知し、前記要求コンテンツが前記コンテンツ記憶手段23に格納されていない場合は中央拠点サーバ30のコンテンツ送受信手段31をコンテンツの取得先として通知する。そして、前記要求コンテンツの人気度を更新し、コンテンツ配置管理装置10のコンテンツ人気度記憶手段13に書込む(ステップS103/コンテンツ所在確認工程)。
【0051】
この場合は、ユーザ端末50は、要求されたコンテンツの所在に応じて分散拠点サーバ20のコンテンツ送受信手段22または中央拠点サーバ30のコンテンツ送受信手段31に前記要求コンテンツを要求する。そして、前記コンテンツ送受信手段22または前記コンテンツ送受信手段31は、前記コンテンツ要求を受信した際に、コンテンツ記憶手段23またはコンテンツ記憶手段32から前記要求されたコンテンツを読み出して前記ユーザ端末50に送信する。そして、このコンテンツを受信した前記ユーザ端末50は、当該要求コンテンツを受信した際に、ユーザに対して前記要求コンテンツを提示する(ステップS104/要求コンテンツ提示工程)。
以降、ユーザからの要求に応じて、S101からS104のステップを繰り返す。
【0052】
次に、コンテンツ配信システムにおけるコンテンツの配置更新の動作を、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
コンテンツ配信システムが稼動され、その運用者などによって設定されたコンテンツ配信スケジュールにおいてコンテンツの入替えタイミングとなると、配置−人気度抽出部11Aは、コンテンツ配置記憶手段12から分散拠点サーバ20のコンテンツ記憶手段23に現在格納されているコンテンツの情報を取得し、コンテンツ人気度記憶手段13からコンテンツの人気度を取得する。続いて配置−人気度抽出部11Aは、、理想配置のコンテンツと前記現在格納されているコンテンツを比較し、格納候補コンテンツと削除候補コンテンツのリストを作成し、これを入替え影響計算部11Bに送信する(ステップS201/格納候補及び削除候補コンテンツリスト作成工程)。
【0053】
配置−人気度抽出部11Aから格納候補コンテンツのリストと削除候補コンテンツのリストを受信すると、入替え影響計算部11Bは、更に、コンテンツ人気度記憶手段13からコンテンツの人気度を取得し、閉塞・滞留時間記憶手段14から予め記憶されている対応する各コンテンツの閉塞時間及び滞留時間を取得する。そして、削除候補コンテンツと前記格納候補コンテンツの組み合わせの中の任意の一組のコンテンツの組み合わせを抽出する。続いて、導入コンテンツ決定部11Cは、前記一組のコンテンツの人気度が相互に近づいたと判断した時点で、前記予測された前記格納候補コンテンツの一定時間後の前記予測された人気度の方が大きいと判断された場合に、当該格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへの導入用として決定し、分散拠点サーバ20のコンテンツ入替え手段21にコンテンツの入替えを指示する。
【0054】
また、入替えコンテンツ決定手段11は、下記のような基準でコンテンツの入れ替えの判断をしても良い。前記格納候補コンテンツと前記削除候補コンテンツの組合せに対して長期的なキャッシュヒット率向上量と一時的なキャッシュヒット率の低下量を前述のように算定し、これらを比較して前記長期的なキャッシュヒット率向上量の方が大きい前記格納候補コンテンツと前記削除候補コンテンツの組合せのみコンテンツの入替えを行うと判断し、分散拠点サーバ20のコンテンツ入替え手段21に、コンテンツの入替えを指示する(ステップS202/入替えコンテンツ決定工程)。
【0055】
この場合、コンテンツ入替え手段21は、コンテンツ配置管理装置10の入替えコンテンツ決定手段11からコンテンツの入替え指示を受信した際に、入替え対象となる削除候補コンテンツ及び格納候補コンテンツを記憶しておく。そして、前記削除候補コンテンツを閉塞するようにコンテンツ送受信手段22に指示する(ステップS203/入れ替えコンテンツ閉塞工程)。
【0056】
そして、削除候補コンテンツが閉塞状態になると、コンテンツ入替え手段21は、中央拠点サーバ30のコンテンツ送受信手段31に1つの格納候補コンテンツを要求する。続いて、前記コンテンツ送受信手段31から前記格納候補コンテンツを受信した際に、コンテンツ入替え手段21は、コンテンツ記憶手段23に格納されている前記閉塞状態になった削除候補コンテンツを削除し、前記格納候補コンテンツを前記コンテンツ記憶手段23に書込む。このように、前記削除候補コンテンツと前記格納候補コンテンツの入替えが終了するごとに、コンテンツ配置管理装置10のコンテンツ配置記憶手段12に格納されている前記コンテンツ記憶手段23に現在格納されているコンテンツの情報を入れ替える(ステップS204/コンテンツ入替工程)。
以降、ステップS202に戻り、前記削除候補コンテンツのリスト内の残りのコンテンツに対してステップS202以降のステップを繰り返していく(ステップS205/残コンテンツ確認工程)。
【0057】
(実施形態の効果)
本実施形態は、上述したように構成され機能するので、これによると、人気度が高いコンテンツを予測してこれを事前に導入する構成としたので、コンテンツ入替えによって分散拠点サーバのキャッシュヒット率が低下するという可能性を有効に排除し、キャッシュヒット率をより向上させることができるという優れた効果を有するコンテンツ入替えシステムを提供できる。
更に、コンテンツ入替えによる長期的なキャッシュヒット率向上量と一時的なキャッシュヒット率の低下量とを比較し、長期的なキャッシュヒット率向上量の方が大きい場合にのみコンテンツの入替えを行うことにより、コンテンツ入替えによって累計のキャッシュヒット率が却って低下してしまう可能性を排除し、キャッシュヒット率をより向上させることができる。
以上のように、本実施形態では、コンテンツ入替えによって、キャッシュヒット率をより向上させることができるという優れた効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によれば、ユーザ近傍に分散拠点サーバを有する階層的なコンテンツ配信システムにおいて、分散拠点サーバ内のコンテンツの入替えを決定する配置管理装置や、コンテンツを入替えた場合に配信システムにかかる配信負荷の見積り装置といった用途に適用できる。
【0059】
以上のように、本発明に係るコンテンツ入替えシステムの一実施形態を、その構成および作用効果について詳述した。ここで、その構成上の重要な要点を、以下の如くまとめたので、付記として列記する。
【0060】
(付記1)
複数のコンテンツを所持する中央拠点サーバと、この中央拠点サーバから配信される一又は二以上のコンテンツをユーザ端末へ送信する分散拠点サーバと、前記中央拠点サーバが備えているコンテンツの人気度に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツを削除すると共に前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するコンテンツ入替え手段とを備え、
前記分散拠点サーバ内に記録されている複数のコンテンツの中から複数の削除候補コンテンツを、並びに前記中央拠点サーバ内に記憶されている複数のコンテンツの中から前記分散拠点サーバ内に導入する候補である複数の格納候補コンテンツを、それぞれ抽出する配置−人気度抽出部を有し、
この抽出された前記削除候補コンテンツと前記格納候補コンテンツの中からそれぞれ任意の一のコンテンツを抽出し一組のコンテンツを特定すると共にこの組み合わされた各コンテンツの人気度の推移を現在までの人気度の変化に基づいて予測する入替え影響計算部を設け、
前記一組のコンテンツの人気度が相互に近づいた時点で一定時間後の前記各コンテンツの人気度を前記入替え影響計算部が予測すると共に、前記格納候補コンテンツの人気度が前記削除候補コンテンツの人気度よりも大きい場合に当該格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへの導入用として決定する導入コンテンツ決定部を備えたことを特徴とするコンテンツ入替えシステム。
【0061】
(付記2)
付記1に記載のコンテンツ入替えシステムにおいて、
前記入替え影響計算部は、前記一組の内の前記削除候補コンテンツを前記分散拠点サーバから削除して前記格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへ導入した場合を想定すると共に長期的なキャッシュヒット率向上量と一時的なキャッシュヒット率低下量とを前記人気度の推移に基づいて算出するキャッシュヒット率算出機能を有し、
前期導入コンテンツ決定部が、前記キャッシュヒット率向上量の方が前記キャシュヒット率低下量より大きい場合に前記一組のコンテンツの組み合わせを前記分散拠点サーバへの導入用として決定する導入コンテンツ決定機能を有することを特徴とするコンテンツ入替えシステム。
【0062】
(付記3)
付記2に記載のコンテンツ入替えシステムにおいて、
前記配置−人気度抽出部が、前記複数の削除候補コンテンツと前記複数の格納候補コンテンツの中から一組のコンテンツの組み合わせを抽出するに際し、前記格納候補コンテンツのリストの中で人気度の低い順に取り出したコンテンツと前記削除候補コンテンツのリストの中で人気度の高い順に取出したコンテンツとを組合せて一組のコンテンツを特定するコンテンツ特定機能を有することを特徴とするコンテンツ入替えシステム。
【0063】
(付記4)
付記2に記載のコンテンツ入替えシステムにおいて、
前記配置−人気度抽出部が、前記複数の削除候補コンテンツと前記複数の格納候補コンテンツの中から一組のコンテンツの組み合わせを抽出するに際し、前記格納候補コンテンツのリストの中で人気度の高い順に取り出したコンテンツと前記削除候補コンテンツのリストの中で人気度の高い順に取出したコンテンツとを組合せて一組のコンテンツを特定するコンテンツ特定機能を有することを特徴とするコンテンツ入替えシステム。
【0064】
(付記5)
付記2に記載のコンテンツ入替えシステムにおいて、
前記入替え影響計算部が、前記格納候補の人気度の推移をf_in(t)、前記削除候補の人気度の推移をf_out(t)、コンテンツ入替えの際の各コンテンツの閉塞にかかる時間をt_rep、コンテンツが分散拠点サーバに格納されてから削除されるまでの時間をt_expとしたとき、長期的なキャッシュヒット率向上量(merit)と一時的なキャッシュヒット率低下量(demerit)とを以下の式に基づいて演算し算定することを特徴とするコンテンツ入替えシステム。
【数2】

【0065】
(付記6)
付記5に記載のコンテンツ入替えシステムにおいて、
前記入替え影響計算部が、前記人気度が一定の速度で減衰するとした直線近似によって、前記格納候補コンテンツと前記削除候補コンテンツとの人気度の推移を予測することを特徴とするコンテンツ入替えシステム。
【0066】
(付記7)
付記5に記載のコンテンツ入替えシステムにおいて、
前記入替え影響計算部が、前記人気度がべき乗則に従って減衰するとして、前記格納候補コンテンツと前記削除候補コンテンツとの人気度の推移を予測することを特徴とするコンテンツ入替えシステム。
【0067】
(付記8)
付記5に記載のコンテンツ入替えシステムにおいて、
前記入替え影響計算部が、前記人気度がランダムに推移するとして、前記格納候補コンテンツと前記削除候補コンテンツとの人気度の推移を予測することを特徴とするコンテンツ入替えシステム。
【0068】
(付記9)
複数のコンテンツを所持する中央拠点サーバと、この中央拠点サーバから配信される一又は二以上のコンテンツをユーザ端末へ送信する分散拠点サーバと、前記中央拠点サーバが備えているコンテンツの人気度に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツを削除すると共に前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するコンテンツ入替えシステムにあって、
前記分散拠点サーバ内に格納されている複数のコンテンツの中から複数の削除候補コンテンツを、並びに前記中央拠点サーバ内に記憶されている複数のコンテンツの中から前記分散拠点サーバ内に導入する候補である複数の格納候補コンテンツを、配置−人気度抽出部がそれぞれ抽出し、
この抽出された前記削除候補コンテンツと前記格納候補コンテンツの中からそれぞれ任意の一のコンテンツを抽出し一組のコンテンツを特定すると共にこの組み合わされた各コンテンツの人気度の推移を現在までの人気度の変化に基づいて入替え影響計算部が予測し、
前記一組のコンテンツの人気度が相互に近づいた時点で一定時間後の前記各コンテンツの人気度を前記入替え影響計算部が予測すると共に、前記格納候補コンテンツの人気度が前記削除候補コンテンツの人気度よりも大きい場合に当該格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへの導入用として導入コンテンツ決定部が決定し、
その決定に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツをコンテンツ入替え手段が削除し、前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへコンテンツ入替え手段が導入することを特徴とするコンテンツ入替え方法。
【0069】
(付記10)
付記9に記載のコンテンツ入替え方法において、
前記分散拠点サーバ内のコンテンツを削除し、前記中央拠点サーバ内のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するに際して、
前記一組の内の前記削除候補コンテンツを前記分散拠点サーバから削除して前記格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへ導入した場合を想定すると共に長期的なキャッシュヒット率向上量と一時的なキャッシュヒット率低下量とを前記入替え影響計算部が前記予測した人気度の推移に基づいて算出し、
前記キャッシュヒット率向上量の方が前記キャシュヒット率低下量より大きい場合に前記導入コンテンツ決定部が前記一組のコンテンツの組み合わせを前記分散拠点サーバへの導入用として決定することを特徴とするコンテンツ入替え方法。
【0070】
(付記11)
付記9に記載のコンテンツ入替え方法において、
前記複数の削除候補コンテンツと前記複数の格納候補コンテンツの中から一組のコンテンツの組み合わせを抽出するに際しては、前記配置−人気度抽出部が前記格納候補コンテンツのリストの中で人気度の低い順に取り出したコンテンツと前記削除候補コンテンツのリストの中で人気度の高い順に取出したコンテンツとを組合せて一組のコンテンツを特定することを特徴とするコンテンツ入替え方法。
【0071】
(付記12)
付記9に記載のコンテンツ入替え方法において、
前記複数の削除候補コンテンツと前記複数の格納候補コンテンツの中から一組のコンテンツの組み合わせを抽出するに際しては、前記配置−人気度抽出部が前記格納候補コンテンツのリストの中で人気度の高い順に取り出したコンテンツと前記削除候補コンテンツのリストの中で人気度の高い順に取出したコンテンツとを組合せて一組のコンテンツを特定することを特徴とするコンテンツ入替え方法。
【0072】
(付記13)
付記10に記載のコンテンツ入替え方法において、
前記格納候補の人気度の推移を前記入替え影響計算部が計算する際に、前記格納候補の人気度の推移をf_in(t)、前記削除候補の人気度の推移をf_out(t)、コンテンツ入替えの際の各コンテンツの閉塞にかかる時間をt_rep、コンテンツが分散拠点サーバに格納されてから削除されるまでの時間をt_expとしたとき、長期的なキャッシュヒット率向上量(merit)と一時的なキャッシュヒット率の低下量(demerit)とを以下の式に基づいて前記入替え影響計算部が、演算し算定することを特徴とするコンテンツ入替え方法。
【数3】

【0073】
(付記14)
付記13に記載のコンテンツ入替え方法において、
前記格納候補の人気度の推移を前記入替え影響計算部が計算する際に、前記人気度が一定の速度で減衰するとした直線近似によって、前記入替え影響計算部が前記格納候補コンテンツと前記削除候補コンテンツとの人気度の推移を予測することを特徴とするコンテンツ入替え方法。
【0074】
(付記15)
付記13に記載のコンテンツ入替え方法において、
前記格納候補の人気度の推移を前記入替え影響計算部が計算する際に、前記人気度がべき乗則に従って減衰するとして、前記入替え影響計算部が前記格納候補コンテンツと前記削除候補コンテンツとの人気度の推移を予測することを特徴とするコンテンツ入替え方法。
【0075】
(付記16)
付記13に記載のコンテンツ入替え方法において、
前記格納候補の前記人気度の推移を前記入替え影響計算部が計算する際に、前記人気度がランダムに推移するとして、前記入替え影響計算部が前記格納候補コンテンツと前記削除候補コンテンツとの人気度の推移を予測することを特徴とするコンテンツ入替え方法。
【0076】
(付記17)
複数のコンテンツを所持する中央拠点サーバと、この中央拠点サーバから配信される一又は二以上のコンテンツをユーザ端末へ送信する分散拠点サーバと、前記中央拠点サーバが備えているコンテンツの人気度に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツを削除すると共に前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するコンテンツ入替えシステムにあって、
前記分散拠点サーバ内に記録されている複数のコンテンツの中から複数の削除候補コンテンツを、並びに前記中央拠点サーバ内に記憶されている複数のコンテンツの中から前記分散拠点サーバ内に導入する候補である複数の格納候補コンテンツを、それぞれ抽出するコンテンツ抽出機能、
この抽出された前記削除候補コンテンツと前記格納候補コンテンツの中からそれぞれ任意の一のコンテンツを抽出し一組のコンテンツを特定すると共にこの組み合わされた各コンテンツの人気度の推移を現在までの人気度の変化に基づいて予測する人気度推移予測機能、
前記一組のコンテンツの人気度が相互に近づいた時点で一定時間後の前記各コンテンツの人気度を予測すると共に、前記格納候補コンテンツの人気度が前記削除候補コンテンツの人気度よりも大きいと判断された場合に当該格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへの導入用として決定する導入コンテンツ決定機能、
及び、前記コンテンツの人気度に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツをコンテンツ入替え手段が削除し、前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するコンテンツ導入機能を、
コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするコンテンツ入替えプログラム。
【0077】
(付記18)
付記17に記載のコンテンツ入替えプログラムにおいて、
前記分散拠点サーバ内のコンテンツを削除して、前記中央拠点サーバ内のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するに際しては、
前記一組の内の前記削除候補コンテンツを前記分散拠点サーバから削除して前記格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへ導入した場合を想定すると共に長期的なキャッシュヒット率向上量と一時的なキャッシュヒット率低下量とを前記予測した人気度の推移に基づいて算出する人気度推移算出機能、
前記キャッシュヒット率向上量の方が前記キャシュヒット率低下量より大きい場合に前記一組のコンテンツの組み合わせを前記分散拠点サーバへの導入用として決定する導入コンテンツ決定機能を、
前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするコンテンツ入替えプログラム。
【0078】
(付記19)
付記17に記載のコンテンツ入替えプログラムにおいて、
前記複数の削除候補コンテンツと前記複数の格納候補コンテンツの中から一組のコンテンツの組み合わせを抽出するに際しては、前記格納候補コンテンツのリストの中で人気度の低い順に取り出したコンテンツと前記削除候補コンテンツのリストの中で人気度の高い順に取出したコンテンツとを組合せて一組のコンテンツを特定するコンテンツ特定機能を、
前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするコンテンツ入替えプログラム。
【0079】
(付記20)
付記17に記載のコンテンツ入替えプログラムにおいて、
前記複数の削除候補コンテンツと前記複数の格納候補コンテンツの中から一組のコンテンツの組み合わせを抽出するに際しては、前記格納候補コンテンツのリストの中で人気度の高い順に取り出したコンテンツと前記削除候補コンテンツのリストの中で人気度の高い順に取出したコンテンツとを組合せて一組のコンテンツを特定するコンテンツ特定機能を、
前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするコンテンツ入替えプログラム。
【0080】
(付記21)
付記18に記載のコンテンツ入替えプログラムにおいて、
前記格納候補の人気度の推移をf_in(t)、前記削除候補の人気度の推移をf_out(t)、コンテンツ入替えの際の各コンテンツの閉塞にかかる時間をt_rep、コンテンツが分散拠点サーバに格納されてから削除されるまでの時間をt_expとする機能、長期的なキャッシュヒット率向上量(merit)と一時的なキャッシュヒット率の低下量(demerit)とを以下の式に基づいて演算し算定する機能を、前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするコンテンツ入替えプログラム。
【数4】

【0081】
(付記22)
付記18に記載のコンテンツ入替えプログラムにおいて、
前記人気度が一定の速度で減衰するとした直線近似によって、前記格納候補コンテンツと前記削除候補コンテンツとの人気度の推移を予測する機能を、
前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするコンテンツ入替えプログラム。
【0082】
(付記23)
付記18に記載のコンテンツ入替えプログラムにおいて、
前記人気度がべき乗則に従って減衰するとして、前記格納候補コンテンツと前記削除候補コンテンツとの人気度の推移を予測するる人気度推移予測機能を、
前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするコンテンツ入替えプログラム。
【0083】
(付記24)
付記18に記載のコンテンツ入替えプログラムにおいて、
前記人気度がランダムに推移するとして、前記格納候補コンテンツと前記削除候補コンテンツとの人気度の推移を予測するる人気度推移予測機能を、
前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするコンテンツ入替えプログラム。
【符号の説明】
【0084】
10 コンテンツ配置管理装置
11 入替えコンテンツ決定手段
11A 配置−人気度抽出部
11B 入替え影響計算部
11C 導入コンテンツ決定部
12 コンテンツ配置記憶手段
13 コンテンツ人気度記憶手段
14 閉塞・滞留時間記憶手段
20 分散拠点サーバ
21 コンテンツ入替え手段
22 コンテンツ送受信手段
23 コンテンツ記憶手段
30 中央拠点サーバ
31 コンテンツ送受信手段
32 コンテンツ記憶手段
40 ポータルサイト
41 コンテンツリスト作成手段
42 人気度集計手段
50 ユーザ端末
60 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツを所持する中央拠点サーバと、この中央拠点サーバから配信される一又は二以上のコンテンツをユーザ端末へ送信する分散拠点サーバと、前記中央拠点サーバが備えているコンテンツの人気度に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツを削除すると共に前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するコンテンツ入替え手段とを備え、
前記分散拠点サーバ内に記録されている複数のコンテンツの中から複数の削除候補コンテンツを、並びに前記中央拠点サーバ内に記憶されている複数のコンテンツの中から前記分散拠点サーバ内に導入する候補である複数の格納候補コンテンツを、それぞれ抽出する配置−人気度抽出部を有し、
この抽出された前記削除候補コンテンツと前記格納候補コンテンツの中からそれぞれ任意の一のコンテンツを抽出し一組のコンテンツを特定すると共にこの組み合わされた各コンテンツの人気度の推移を現在までの人気度の変化に基づいて予測する入替え影響計算部を設け、
前記一組のコンテンツの人気度が相互に近づいた時点で一定時間後の前記各コンテンツの人気度を前記入替え影響計算部が予測すると共に、前記格納候補コンテンツの人気度が前記削除候補コンテンツの人気度よりも大きい場合に当該格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへの導入用として決定する導入コンテンツ決定部を備えたことを特徴とするコンテンツ入替えシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ入替えシステムにおいて、
前記入替え影響計算部は、前記一組の内の前記削除候補コンテンツを前記分散拠点サーバから削除して前記格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへ導入した場合を想定すると共に長期的なキャッシュヒット率向上量と一時的なキャッシュヒット率低下量とを前記人気度の推移に基づいて算出するキャッシュヒット率算出機能を有し、
前期導入コンテンツ決定部が、前記キャッシュヒット率向上量の方が前記キャシュヒット率低下量より大きい場合に前記一組のコンテンツの組み合わせを前記分散拠点サーバへの導入用として決定する導入コンテンツ決定機能を有することを特徴とするコンテンツ入替えシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のコンテンツ入替えシステムにおいて、
前記入替え影響計算部が、前記格納候補の人気度の推移をf_in(t)、前記削除候補の人気度の推移をf_out(t)、コンテンツ入替えの際の各コンテンツの閉塞にかかる時間をt_rep、コンテンツが分散拠点サーバに格納されてから削除されるまでの時間をt_expとしたとき、長期的なキャッシュヒット率向上量(merit)と一時的なキャッシュヒット率低下量(demerit)とを以下の式に基づいて演算し算定することを特徴とするコンテンツ入替えシステム。
【数1】

【請求項4】
複数のコンテンツを所持する中央拠点サーバと、この中央拠点サーバから配信される一又は二以上のコンテンツをユーザ端末へ送信する分散拠点サーバと、前記中央拠点サーバが備えているコンテンツの人気度に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツを削除すると共に前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するコンテンツ入替えシステムにあって、
前記分散拠点サーバ内に格納されている複数のコンテンツの中から複数の削除候補コンテンツを、並びに前記中央拠点サーバ内に記憶されている複数のコンテンツの中から前記分散拠点サーバ内に導入する候補である複数の格納候補コンテンツを、配置−人気度抽出部がそれぞれ抽出し、
この抽出された前記削除候補コンテンツと前記格納候補コンテンツの中からそれぞれ任意の一のコンテンツを抽出し一組のコンテンツを特定すると共にこの組み合わされた各コンテンツの人気度の推移を現在までの人気度の変化に基づいて入替え影響計算部が予測し、
前記一組のコンテンツの人気度が相互に近づいた時点で一定時間後の前記各コンテンツの人気度を前記入替え影響計算部が予測すると共に、前記格納候補コンテンツの人気度が前記削除候補コンテンツの人気度よりも大きい場合に当該格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへの導入用として導入コンテンツ決定部が決定し、
その決定に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツをコンテンツ入替え手段が削除し、前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへコンテンツ入替え手段が導入することを特徴とするコンテンツ入替え方法。
【請求項5】
請求項4に記載のコンテンツ入替え方法において、
前記分散拠点サーバ内のコンテンツを削除し、前記中央拠点サーバ内のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するに際して、
前記一組の内の前記削除候補コンテンツを前記分散拠点サーバから削除して前記格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへ導入した場合を想定すると共に長期的なキャッシュヒット率向上量と一時的なキャッシュヒット率低下量とを前記入替え影響計算部が前記予測した人気度の推移に基づいて算出し、
前記キャッシュヒット率向上量の方が前記キャシュヒット率低下量より大きい場合に前記導入コンテンツ決定部が前記一組のコンテンツの組み合わせを前記分散拠点サーバへの導入用として決定することを特徴とするコンテンツ入替え方法。
【請求項6】
請求項5に記載のコンテンツ入替え方法において、
前記格納候補の人気度の推移を前記入替え影響計算部が計算する際に、前記格納候補の人気度の推移をf_in(t)、前記削除候補の人気度の推移をf_out(t)、コンテンツ入替えの際の各コンテンツの閉塞にかかる時間をt_rep、コンテンツが分散拠点サーバに格納されてから削除されるまでの時間をt_expとしたとき、長期的なキャッシュヒット率向上量(merit)と一時的なキャッシュヒット率の低下量(demerit)とを以下の式に基づいて前記入替え影響計算部が、演算し算定することを特徴とするコンテンツ入替え方法。
【数2】

【請求項7】
複数のコンテンツを所持する中央拠点サーバと、この中央拠点サーバから配信される一又は二以上のコンテンツをユーザ端末へ送信する分散拠点サーバと、前記中央拠点サーバが備えているコンテンツの人気度に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツを削除すると共に前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するコンテンツ入替えシステムにあって、
前記分散拠点サーバ内に記録されている複数のコンテンツの中から複数の削除候補コンテンツを、並びに前記中央拠点サーバ内に記憶されている複数のコンテンツの中から前記分散拠点サーバ内に導入する候補である複数の格納候補コンテンツを、それぞれ抽出するコンテンツ抽出機能、
この抽出された前記削除候補コンテンツと前記格納候補コンテンツの中からそれぞれ任意の一のコンテンツを抽出し一組のコンテンツを特定すると共にこの組み合わされた各コンテンツの人気度の推移を現在までの人気度の変化に基づいて予測する人気度推移予測機能、
前記一組のコンテンツの人気度が相互に近づいた時点で一定時間後の前記各コンテンツの人気度を予測すると共に、前記格納候補コンテンツの人気度が前記削除候補コンテンツの人気度よりも大きいと判断された場合に当該格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへの導入用として決定する導入コンテンツ決定機能、
及び、前記コンテンツの人気度に基づいて前記分散拠点サーバ内の一のコンテンツをコンテンツ入替え手段が削除し、前記中央拠点サーバ内の一のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するコンテンツ導入機能を、
コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするコンテンツ入替えプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のコンテンツ入替えプログラムにおいて、
前記分散拠点サーバ内のコンテンツを削除して、前記中央拠点サーバ内のコンテンツを前記分散拠点サーバへ導入するに際しては、
前記一組の内の前記削除候補コンテンツを前記分散拠点サーバから削除して前記格納候補コンテンツを前記分散拠点サーバへ導入した場合を想定すると共に長期的なキャッシュヒット率向上量と一時的なキャッシュヒット率低下量とを前記予測した人気度の推移に基づいて算出する人気度推移算出機能、
前記キャッシュヒット率向上量の方が前記キャシュヒット率低下量より大きい場合に前記一組のコンテンツの組み合わせを前記分散拠点サーバへの導入用として決定する導入コンテンツ決定機能を、
前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするコンテンツ入替えプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のコンテンツ入替えプログラムにおいて、
前記格納候補の人気度の推移をf_in(t)、前記削除候補の人気度の推移をf_out(t)、コンテンツ入替えの際の各コンテンツの閉塞にかかる時間をt_rep、コンテンツが分散拠点サーバに格納されてから削除されるまでの時間をt_expとする機能、長期的なキャッシュヒット率向上量(merit)と一時的なキャッシュヒット率の低下量(demerit)とを以下の式に基づいて演算し算定する機能を、前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするコンテンツ入替えプログラム。
【数3】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−134240(P2011−134240A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295172(P2009−295172)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】