説明

コンテンツ情報取得装置、コンテンツ再生装置及びコンテンツ再生システム

【課題】コンテンツ情報を外部のサーバから取得して表示することが可能なコンテンツ再生システムのコストを削減し、サーバに接続できない環境下での利便性を向上させる。
【解決手段】コンテンツを再生するホスト装置110に着脱可能に接続されるとともに、インターネット200を介してCDDBサーバ300に接続されるコンテンツ情報取得カード120において、コンテンツ情報制御回路123は、コンテンツ識別情報をホスト装置110から受信し、受信されたコンテンツ識別情報をCDDBサーバ300に送信し、送信したコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報をCDDBサーバ300から受信し、受信された対応するコンテンツ情報をホスト装置110に送信するとともに、ホスト装置110から受信されたコンテンツ識別情報と、CDDBサーバ300から受信された対応するコンテンツ情報との組をコンテンツ情報メモリ125に記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽、映像ならびに動画等のコンテンツを再生するコンテンツ再生装置と、コンテンツ情報を格納したネットワーク上のサーバからコンテンツ情報を取得してこのコンテンツ再生装置に提供するコンテンツ情報取得装置と、コンテンツ再生装置ならびにコンテンツ情報取得装置を備えたコンテンツ再生システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CDドライブを有するパーソナルコンピュータ等の再生装置により音楽CDを再生する際に、インターネット上のCDDB(登録商標)サーバなどのデータベースから、再生するCDのタイトル及び曲名などのコンテンツ情報をダウンロードして再生装置上に表示することができるコンテンツ情報(例えばCDDB情報)取得機能が利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、遠隔データベースと通信することによって、再生しようとする記録媒体のタイトルを入手して表示し、そのタイトルをメモリに記憶することができるオーディオ再生装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−215653号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、コンテンツ情報取得機能を備えた従来のオーディオ再生装置は、通信網と接続するための通信装置や、タイトルデータ等を記憶するメモリ等が必要となり、コストが高くなってしまうという問題点があった。また、複数のオーディオ再生装置を使用する環境において、1つのオーディオ再生装置でCDを再生中に当該CDのタイトルや曲名などの情報をダウンロードした場合、CDDBサーバからダウンロードされた情報が別のオーディオ再生装置のメモリに反映されることがないので、他のオーディオ再生装置で同じCDを再生するときは再びCDDBサーバから情報をダウンロードする必要があった。さらに、従来のオーディオ再生装置では、CDDBサーバに接続できない環境下での利便性が不十分であった。
【0006】
本発明の目的は、以上の課題を解決し、コンテンツ情報を外部のサーバから取得することが可能なコンテンツ再生装置において、装置のコストを削減し、またサーバに接続できない環境下での利便性を向上させるようなコンテンツ情報取得装置、コンテンツ再生装置及びコンテンツ再生システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るコンテンツ情報取得装置は、コンテンツ再生装置に着脱可能に接続されるとともに、通信ネットワークを介してコンテンツ情報サーバに接続され、
上記コンテンツ再生装置は、コンテンツと、上記コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報とを記録した記録媒体から、上記コンテンツ及び上記コンテンツ識別情報を読み出すコンテンツ読み出し手段を備え、
上記コンテンツ情報サーバは、複数の記録媒体について、当該記録媒体に記録されたコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報と、上記記録されたコンテンツに関連付けられた情報を含むコンテンツ情報との組を記憶し、
上記コンテンツ情報取得装置は、
少なくとも1つの記録媒体に記録されたコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報と、上記コンテンツに関連付けられた情報を含むコンテンツ情報との組を記憶するためのコンテンツ情報メモリと、
上記コンテンツ再生装置のコンテンツ読み出し手段により読み出されたコンテンツ識別情報を上記コンテンツ再生装置から受信し、上記受信されたコンテンツ識別情報を上記コンテンツ情報サーバに送信し、上記送信したコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報を上記コンテンツ情報サーバから受信し、上記受信された対応するコンテンツ情報を上記コンテンツ再生装置に送信するとともに、上記コンテンツ再生装置から受信されたコンテンツ識別情報と、上記コンテンツ情報サーバから受信された対応するコンテンツ情報との組を上記コンテンツ情報メモリに記憶するコンテンツ情報制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
上記コンテンツ情報取得装置において、上記コンテンツ情報制御手段は、
上記コンテンツ再生装置から受信されたコンテンツ識別情報に基づいて上記コンテンツ情報メモリを検索し、
上記受信されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報が上記コンテンツ情報メモリに記憶されている場合には、上記コンテンツ情報メモリ上のコンテンツ情報を上記コンテンツ再生装置に送信し、
上記受信されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報が上記コンテンツ情報メモリに記憶されていない場合には、上記受信されたコンテンツ識別情報を上記コンテンツ情報サーバに送信し、上記送信したコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報を上記コンテンツ情報サーバから受信し、上記受信された対応するコンテンツ情報を上記コンテンツ再生装置に送信するとともに、上記コンテンツ再生装置から受信されたコンテンツ識別情報と、上記コンテンツ情報サーバから受信された対応するコンテンツ情報との組を上記コンテンツ情報メモリに記憶することを特徴とする。
【0009】
また、上記コンテンツ情報取得装置において、
上記通信ネットワークの少なくとも一部は無線通信ネットワークであり、
上記コンテンツ情報制御手段は、上記無線通信ネットワークを介して、上記コンテンツ再生装置から受信されたコンテンツ識別情報を上記コンテンツ情報サーバに送信するとともに、上記送信したコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報を上記コンテンツ情報サーバから受信することを特徴とする。
【0010】
さらに、上記コンテンツ情報取得装置において、上記コンテンツ情報制御手段は、対応するコンテンツ情報を持たないコンテンツ識別情報が上記コンテンツ情報メモリに記憶されているとき、このコンテンツ識別情報を上記コンテンツ情報サーバに送信し、上記送信したコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報を上記コンテンツ情報サーバから受信し、上記受信されたコンテンツ情報を、上記対応するコンテンツ情報を持たないコンテンツ識別情報に対応させるように上記コンテンツ情報メモリに記憶することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第2の態様に係るコンテンツ再生装置は、コンテンツ情報取得装置に着脱可能に接続され、
コンテンツと、上記コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報とを記録した記録媒体から、上記コンテンツ及び上記コンテンツ識別情報を読み出すコンテンツ読み出し手段と、
上記コンテンツ読み出し手段から読み出されたコンテンツを再生するコンテンツ再生手段と、
上記コンテンツ読み出し手段により読み出されたコンテンツ識別情報を上記コンテンツ情報取得装置に送信し、上記送信したコンテンツ識別情報によって識別されるコンテンツに関連付けられた情報を含むコンテンツ情報を上記コンテンツ情報取得装置から受信するコンテンツ情報取得手段と、
上記コンテンツ情報取得手段により取得されたコンテンツ情報を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の第3の態様に係るコンテンツ再生システムは、本発明の第1の態様に係るコンテンツ情報取得装置と、本発明の第2の態様に係るコンテンツ再生装置とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のコンテンツ再生システムによれば、コンテンツ再生装置と、コンテンツ情報取得機能を有するコンテンツ情報取得装置とを組み合わせることにより、コンテンツ情報取得機能を備えたコンテンツ再生システムのコストを最低限に抑えることができ、また、複数のコンテンツ再生装置にコンテンツ情報取得機能を付加することができる。本発明によればさらに、取得されたコンテンツ情報をコンテンツ情報メモリに蓄積することができるので、CDDBサーバ等のコンテンツ情報サーバへのアクセスを繰り返すほど(例えば、数多くの回数使えば使うほど、あるいは多くのコンテンツ再生装置で使えば使うほど)多くのコンテンツ情報が蓄積され、従ってCDDBサーバに接続できない環境下での利便性が向上する。
【0014】
本発明のコンテンツ情報取得装置によれば、簡単な構成のコンテンツ再生装置に、外部のサーバ上のコンテンツ情報を取得して表示する機能を付加することができ、しかも、本発明のコンテンツ情報取得装置は複数の同様のコンテンツ再生装置で共用できるので、コスト効率がよいという優れた効果を実現することができる。またコンテンツ情報取得装置は、一度取得したコンテンツ情報を記憶する機能を有しているので、記憶したコンテンツ情報を複数のコンテンツ再生装置で共用することができ、また、コンテンツ情報サーバと接続できない環境にあっても、以前に他のコンテンツ再生装置での利用中にコンテンツ情報取得装置内に蓄積されたコンテンツ情報を、現在利用中のコンテンツ再生装置でも共有でき、従って、コンテンツ情報サーバと接続できない環境での使い勝手が向上するという優れた効果を発揮するものである。
【0015】
さらに本発明のコンテンツ情報取得装置は、コンテンツ再生装置から受信されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報がコンテンツ情報取得装置に存在しない場合、コンテンツ情報サーバとの接続ができない環境下では、そのコンテンツ識別情報をコンテンツ情報メモリに記憶しておき、CDDBサーバと接続が可能になったときに、コンテンツ情報サーバから当該コンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報を取得し、その後、コンテンツ情報取得装置が装着されたコンテンツ再生装置で当該コンテンツ識別情報を持つコンテンツが再生されるとき、コンテンツ情報サーバに接続がすることなくコンテンツ情報をコンテンツ再生装置に提供できるように構成されている。これにより、コンテンツ情報取得装置がコンテンツ情報サーバに接続できない環境で、ある記録媒体のコンテンツ情報を表示できなかった場合でも、その後の時点でコンテンツ情報サーバと接続できたときにコンテンツ情報を取得しておき、次に同じ記録媒体をコンテンツ再生装置で再生したときには、コンテンツ情報サーバに接続することを必要とせずにコンテンツ情報を表示することができるという、優れた効果を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を具体的に示した実施例について説明する。
【0017】
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ再生システムの構成を示すブロック図である。このコンテンツ再生システムは、音楽CD等のコンテンツを再生するコンテンツ再生装置としてのホスト装置110と、ホスト装置110に装着され、ホスト装置110で再生される音楽CDのタイトルや曲名などのコンテンツ情報をホスト装置110に提供するコンテンツ情報制御装置としてのコンテンツ情報取得カード120とを備えて構成される。コンテンツ情報取得カード120は、インターネット200に接続された無線アクセスポイント装置130に無線媒体を介してアクセスし、無線アクセスポイント装置130からさらにインターネット200上のCDDBサーバ300にアクセスして、CDDBサーバ300上に格納されたコンテンツ情報を取得することができる。
【0018】
ホスト装置110の構成について詳述する。ホスト装置110は、音楽CDから音楽データ等のコンテンツを読み出すとともに、当該コンテンツのコンテンツ識別情報を読み出すCDドライブ111と、CDドライブから読み出された音楽データを再生する音声再生回路112及びスピーカ113と、コンテンツ情報取得カード120に接続して、コンテンツ情報取得カード120とのデータの送受信を行うするためのカードインターフェース(IF)回路114と、CDドライブから読み出されたコンテンツ識別情報をカードインターフェース回路114を介してコンテンツ情報取得カード120に送信し、このコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報をコンテンツ情報取得カード120からカードインターフェース回路114を介して取得するコンテンツ情報取得回路115と、コンテンツ情報取得回路115によってコンテンツ情報取得カード120から取得されたコンテンツ情報を表示する表示装置116とを備えて構成される。
【0019】
コンテンツ情報取得カード120の構成について詳述する。コンテンツ情報取得カード120は、無線媒体を介して無線アクセスポイント装置130に接続するための無線変復調回路122及びアンテナ121を備えている。無線アクセスポイント装置130もまた、対応するアンテナ131を備えている。コンテンツ情報取得カード120はさらに、ホスト装置110に接続して、ホスト装置110とのデータの送受信を行うするためのホストインターフェース(IF)回路124と、無線変復調回路122及びホストインターフェース回路124に接続され、ホスト装置110からホストインターフェース回路124を介してコンテンツ識別情報を受信したとき、後述するコンテンツ情報制御処理を実行することにより、受信されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報をホストインターフェース(IF)回路124を介してホスト装置110に提供するコンテンツ情報制御回路123と、コンテンツ情報制御回路123に提供すべきコンテンツ情報を、コンテンツ識別情報に関連付けて記憶するコンテンツ情報メモリ125とを備えて構成される。
【0020】
カードインターフェース回路114及びホストインターフェース回路124には、例えばPCMCIA、SDIO又はUSBのような標準化されたインターフェース仕様を適用することが望ましい。そうすることにより、1つのカードを様々なホスト装置で利用することができる。また、コンテンツ情報取得カード120は、FMチューナなどの他の機能をさらに備えていてもよい。
【0021】
CDDBサーバ300は、CDを識別するコンテンツ識別情報と、CDのタイトルや曲名等のコンテンツ情報との組が蓄積されたコンテンツ情報サーバ(データベース)であり、これらの情報はインターネット200を介して利用可能である。
【0022】
ホスト装置110と、コンテンツ情報取得カード120と、無線アクセスポイント装置130とは、ユーザの宅内通信ネットワーク100を構成している。
【0023】
次に、コンテンツ情報メモリ125の記録フォーマットについて説明する。図2は、図1のコンテンツ情報メモリ125に格納されるコンテンツ情報テーブルの一例を示す表である。図2において、アドレスA0乃至A1023はそれぞれ、コンテンツ識別情報とコンテンツ情報の組を格納する領域を示す。コンテンツ識別情報は、CD等に記録されているコンテンツの識別情報を格納する領域であり、図2の実施例では、最大で1024個分の情報を格納することができる。コンテンツ情報は、CD等に記録されたコンテンツのタイトル及び格納されている曲名に関する情報を格納する領域であり、1つのコンテンツ識別情報に対して、1つのタイトルと、1つ又は複数の曲名情報とのセットを格納することができる。図2の実施例では、アドレスA0乃至A767の領域に768個のコンテンツ識別情報とコンテンツ情報の組が格納され、アドレスA768乃至A1023の領域はまだ空白の状態にある。コンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報が不明の場合は、タイトルの部分に「0」を記憶させる。従って、タイトルが「0」のコンテンツ識別情報に対するコンテンツ情報は取得できていないことがわかる。
【0024】
次に、以上のように構成されたコンテンツ再生システムの動作について詳述する。概略的に説明すると、コンテンツ再生システムにおいて、コンテンツ情報制御回路123は、ホスト装置110からホストインターフェース回路124を介してコンテンツ識別情報を受信したとき、受信されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報がコンテンツ情報メモリ125に格納されているか否かを判断し、格納されていればコンテンツ情報を読み出してホスト装置110に提供し、さもなければ、無線変復調回路122、無線アクセスポイント装置130及びインターネット200を介してCDDBサーバ300にアクセスし、CDDBサーバ300上に格納されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報を取得して、取得されたコンテンツ情報をホスト装置110に提供する。
【0025】
最初に、ホスト装置110のCDドライブ111に音楽CDが挿入されると、CDドライブ111は音楽CDのコンテンツ識別情報を読み出し、コンテンツ情報取得回路115は、読み出されたコンテンツ識別情報をカードインターフェース回路114を介してコンテンツ情報取得カード120に送信する。一方、コンテンツ情報取得カード120のコンテンツ情報制御回路123は、コンテンツ情報制御処理を実行する。
【0026】
図3は、コンテンツ情報制御回路123によって実行されるコンテンツ情報制御処理を示すフローチャートである。図3のステップS1において、コンテンツ情報制御回路123は、ホストインターフェース回路124を介してホスト装置110からコンテンツ識別情報が受信されたか否かを判断し、YESのときはステップS2に進み、NOのときはステップS1を繰り返してコンテンツ識別情報の受信を待機する。ステップS2において、コンテンツ情報メモリ125を検索し、ホスト装置110から受信されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報がコンテンツ情報メモリ125に格納されているか否かを判断し、YESのときはステップS3に進み、NOのときはステップS4に進む。ステップS3では、格納されていたコンテンツ情報をホストインターフェース回路124を介してホスト装置110に送信してステップS1に戻り、別のコンテンツ識別情報の受信を待機する。ステップS4において、無線媒体及びインターネット200を介してCDDBサーバ300に接続可能であるか否かを判断し、YESのときはステップS5に進み、NOのときはステップS7に進む。ステップS5において、コンテンツ情報制御回路123は、ホスト装置110から受信されたコンテンツ識別情報を無線変復調回路122、無線アクセスポイント装置130及びインターネット200を介してCDDBサーバ300に送信し、CDDBサーバ300は、コンテンツ情報取得カード120から受信されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報を保持していれば、そのコンテンツ情報をコンテンツ情報取得カード120に返信し、そのようなコンテンツ情報を保持していなければ返信を行わない。ステップS5では最終的に、コンテンツ情報制御回路123は、ホスト装置110から受信されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報がCDDBサーバ300に格納されていて、当該コンテンツ情報がCDDBサーバ300から返信されたか否かを判断し、YESのときはステップS6に進み、NOのときはステップS7に進む。ステップS6では、CDDBサーバ300から返信されたコンテンツ情報をホスト装置110に送信するとともに、コンテンツ識別情報とコンテンツ情報の組をコンテンツ情報メモリ125に格納してステップS1に戻り、別のコンテンツ識別情報の受信を待機する。ステップS7では、ホスト装置110から受信されたコンテンツ識別情報をコンテンツ情報メモリに格納することのみを行い、ホスト装置110へのコンテンツ情報の返信は実行せず、次いでステップS1に戻り、別のコンテンツ識別情報の受信を待機する。
【0027】
一方、ホスト装置110内のコンテンツ情報取得回路115は、コンテンツ情報取得カード120からコンテンツ情報が返信された場合にはそれを表示装置116に転送し、表示装置116は、CDのタイトルや曲名リスト等のコンテンツ情報を表示させる。一方、コンテンツ情報が返信されなかった場合には、コンテンツ情報取得回路115は、表示装置116にコンテンツ情報を転送しない。
【0028】
本実施形態のコンテンツ再生システムは、以上のような構成を備えたことにより、簡単な構成のコンテンツ再生機能を持つホスト装置110にコンテンツ情報取得カード120を装着して、外部のCDDBサーバ300上のコンテンツ情報を取得して表示する機能をホスト装置110に付加することができ、しかも、このコンテンツ情報取得カード120は複数の同様のホスト装置で共用できるので、コスト効率がよいという優れた効果を実現することができる。
【0029】
カードインターフェース回路114及びホストインターフェース回路124に、例えばPCMCIA、SDIO又はUSBのような標準化されたインターフェース仕様を適用すれば、1つのカードを様々なホスト装置で利用することができるので、本発明の効果をよりよく発揮させることができる。
【0030】
さらに、本実施形態のコンテンツ情報取得カード120は、一度取得したコンテンツ情報をコンテンツ情報メモリ125に記憶する機能を有しているので、記憶したコンテンツ情報を複数のホスト装置110で共用することができ、また、CDDBサーバ300と接続できない環境にあっても、他のホスト装置110での利用中にコンテンツ情報メモリ125内に蓄積されたコンテンツ情報を、現在利用中のホスト装置110でも共有できる。従って、CDDBサーバ300へのアクセスを繰り返すほど(例えば、数多くの回数使えば使うほど、あるいは多くのホスト装置110で使えば使うほど)多くのコンテンツ情報が蓄積され、CDDBサーバ300と接続できない環境での使い勝手が向上するという優れた効果を発揮するものである。
【0031】
第2の実施形態.
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
【0032】
本発明の第1の実施形態では、所定のコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報がコンテンツ情報メモリ125に存在せず、かつCDDBサーバ300にアクセスすることもできない場合には、コンテンツ情報取得カード120はホスト装置110にコンテンツ情報を返信することができなかった。これに対して、本発明の第2の実施形態では、コンテンツ情報取得カード120は、ホスト装置110から受信されたコンテンツ識別情報がコンテンツ情報メモリ125に存在しない場合、CDDBサーバ300との接続ができない環境下では、そのコンテンツ識別情報をコンテンツ情報メモリ125に記憶しておき、CDDBサーバ300と接続が可能になったときに、CDDBサーバ300から当該コンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報を取得してコンテンツ情報メモリ125に格納し、その後、コンテンツ情報取得カード120が装着されたホスト装置110で当該コンテンツ識別情報を持つコンテンツが再生されるとき、CDDBサーバ300に接続することなくコンテンツ情報をホスト装置110に提供できるようにするものである。
【0033】
コンテンツ再生システムの構成は第1の実施形態と同様であり、コンテンツ情報取得カード120のコンテンツ情報制御回路123の機能が異なるだけであるので、第1の実施形態にはない、コンテンツ情報制御回路123に追加される機能について、以下に説明する。
【0034】
図4は、コンテンツ情報制御回路123によって実行される、本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ情報取得処理を示すフローチャートである。図4のステップS11において、コンテンツ情報制御回路123は、コンテンツ情報取得カード120がホスト装置110に装着されたとき、コンテンツ情報メモリ125のコンテンツ識別情報とコンテンツ情報の組を検索し、対応するコンテンツ情報を持たないコンテンツ識別情報(すなわち、前述のように、対応するコンテンツ情報のタイトルの部分が「0」であるコンテンツ識別情報)がコンテンツ情報メモリ125に格納されているか否かを判断し、YESのときはステップS12に進み、NOのときはステップS11に戻って待機する。ステップS12において、無線媒体及びインターネット200を介してCDDBサーバ300に接続可能であるか否かを判断し、YESのときはステップS13に進み、NOのときはステップS11に戻る。ステップS13において、ステップS11で発見されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報を無線変復調回路122、無線アクセスポイント装置130及びインターネット200を介してCDDBサーバ300に送信し、CDDBサーバ300は、コンテンツ情報取得カード120から受信されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報を保持していれば、そのコンテンツ情報をコンテンツ情報取得カード120に返信し、そのようなコンテンツ情報を保持していなければ返信を行わない。ステップS13では最終的に、コンテンツ情報制御回路123は、ステップS11で発見されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報がCDDBサーバ300に格納されていて、当該コンテンツ情報がCDDBサーバ300から返信されたか否かを判断し、YESのときはステップS14に進み、NOのときはステップS11に戻る。ステップS14では、CDDBサーバ300から返信されたコンテンツ情報をコンテンツ情報メモリ125に格納して、ステップS11に戻る。
【0035】
コンテンツ情報取得処理を実行するタイミングは、コンテンツ情報取得カード120をホスト装置110に装着したときではなく、所定時間毎に実行するように設定してもよい。また、図4のステップS11及びS12は、説明したものとは逆の順序で実行されてもよい。さらに、第1及び第2の実施形態を通じて、コンテンツ情報取得カード120はホスト装置110から電力供給を受け、従ってホスト装置110に装着されたときのみ動作可能になってもよく、それに代わって、ホスト装置110以外の別の電源を備えてもよい。第2の実施形態において、コンテンツ情報取得カード120がホスト装置110とは別の電源を備えた場合、コンテンツ情報制御装置123は、ホスト装置110に装着されていないときに単独で図4のコンテンツ情報取得処理を実行することが可能である。
【0036】
本実施形態のコンテンツ再生システムは、以上のような構成を備えたことにより、コンテンツ情報取得カード120がCDDBサーバ300に接続できない環境で、あるCDのコンテンツ情報をホスト装置110の表示装置116に表示できなかった場合でも、その後の時点でCDDBサーバ300と接続できたときにコンテンツ情報を取得してコンテンツ情報メモリ125に格納し、次に同じCDをホスト装置110で再生したときには、CDDBサーバ300に接続することを必要とせずにコンテンツ情報を表示することができるという、顕著な効果が実現できる。
【0037】
変形例.
インターネット上のコンテンツ情報サーバとしては、CDDBサーバ300に代えて、国際標準レコーディングコード(ISRC)に準拠したコンテンツ情報サーバや、その他の任意のコンテンツ情報サーバを使用可能であり、さらに複数のコンテンツ情報サーバの組み合わせを用いてもよい。
【0038】
コンテンツ情報メモリ125のコンテンツ情報テーブルは、その初期状態ではすべて空白であってもよく、それに代えて、人気のあるCDのコンテンツ識別情報とコンテンツ情報の組が予め格納されていたり、又は所定のジャンルのCDのコンテンツ識別情報とコンテンツ情報の組が予め格納されていたりしてもよい。さらに、コンテンツ情報メモリ125は、コンテンツ情報取得カード120に着脱可能であるように設けられ、異なるコンテンツ識別情報とコンテンツ情報の組が格納された複数のコンテンツ情報取得カード120を所望に応じて差し替えるように構成してもよい。
【0039】
また、コンテンツ情報としては、CDのタイトル及び曲名だけではなく、他の任意の情報を含んでもよい。
【0040】
以上説明した実施形態では、ホスト装置110は、CDドライブ111を備えた音楽CDの再生装置として構成されていたが、CDドライブ111に代えて、一般には、任意のコンテンツ読み出しドライブを備えていてもよい。例えば、ホスト装置110はDVDドライブを備え、コンテンツ再生システムは、DVDのコンテンツ情報に係る追加データや更新データをインターネット上のサーバからダウンロードするように構成されていてもよい。
【0041】
また、以上説明した実施形態では、コンテンツ情報取得カード120は、無線媒体を介してインターネット200に接続されていたが、有線回線によりインターネット200に接続されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ再生システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のコンテンツ情報メモリ125に格納されるコンテンツ情報テーブルの一例を示す表である。
【図3】図1のコンテンツ情報制御回路123によって実行されるコンテンツ情報制御処理を示すフローチャートである。
【図4】図1のコンテンツ情報制御回路123によって実行される、本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ情報取得処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
100…宅内通信ネットワーク、
110…ホスト装置、
111…CDドライブ、
112…音声再生回路、
113…スピーカ、
114…カードインターフェース回路、
115…コンテンツ情報取得回路、
116…表示装置、
120…コンテンツ情報取得カード、
121,131…アンテナ、
122…無線変復調回路、
123…コンテンツ情報制御回路、
124…ホストインターフェース回路、
125…コンテンツ情報メモリ、
130…無線アクセスポイント装置、
200…インターネット、
300…CDDBサーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ再生装置に着脱可能に接続されるとともに、通信ネットワークを介してコンテンツ情報サーバに接続されるコンテンツ情報取得装置であって、
上記コンテンツ再生装置は、コンテンツと、上記コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報とを記録した記録媒体から、上記コンテンツ及び上記コンテンツ識別情報を読み出すコンテンツ読み出し手段を備え、
上記コンテンツ情報サーバは、複数の記録媒体について、当該記録媒体に記録されたコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報と、上記記録されたコンテンツに関連付けられた情報を含むコンテンツ情報との組を記憶し、
上記コンテンツ情報取得装置は、
少なくとも1つの記録媒体に記録されたコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報と、上記コンテンツに関連付けられた情報を含むコンテンツ情報との組を記憶するためのコンテンツ情報メモリと、
上記コンテンツ再生装置のコンテンツ読み出し手段により読み出されたコンテンツ識別情報を上記コンテンツ再生装置から受信し、上記受信されたコンテンツ識別情報を上記コンテンツ情報サーバに送信し、上記送信したコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報を上記コンテンツ情報サーバから受信し、上記受信された対応するコンテンツ情報を上記コンテンツ再生装置に送信するとともに、上記コンテンツ再生装置から受信されたコンテンツ識別情報と、上記コンテンツ情報サーバから受信された対応するコンテンツ情報との組を上記コンテンツ情報メモリに記憶するコンテンツ情報制御手段とを備えたことを特徴とするコンテンツ情報取得装置。
【請求項2】
上記コンテンツ情報制御手段は、
上記コンテンツ再生装置から受信されたコンテンツ識別情報に基づいて上記コンテンツ情報メモリを検索し、
上記受信されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報が上記コンテンツ情報メモリに記憶されている場合には、上記コンテンツ情報メモリ上のコンテンツ情報を上記コンテンツ再生装置に送信し、
上記受信されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報が上記コンテンツ情報メモリに記憶されていない場合には、上記受信されたコンテンツ識別情報を上記コンテンツ情報サーバに送信し、上記送信したコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報を上記コンテンツ情報サーバから受信し、上記受信された対応するコンテンツ情報を上記コンテンツ再生装置に送信するとともに、上記コンテンツ再生装置から受信されたコンテンツ識別情報と、上記コンテンツ情報サーバから受信された対応するコンテンツ情報との組を上記コンテンツ情報メモリに記憶することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ情報取得装置。
【請求項3】
上記通信ネットワークの少なくとも一部は無線通信ネットワークであり、
上記コンテンツ情報制御手段は、上記無線通信ネットワークを介して、上記コンテンツ再生装置から受信されたコンテンツ識別情報を上記コンテンツ情報サーバに送信するとともに、上記送信したコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報を上記コンテンツ情報サーバから受信することを特徴とする請求項1又は2記載のコンテンツ情報取得装置。
【請求項4】
上記コンテンツ情報制御手段は、対応するコンテンツ情報を持たないコンテンツ識別情報が上記コンテンツ情報メモリに記憶されているとき、このコンテンツ識別情報を上記コンテンツ情報サーバに送信し、上記送信したコンテンツ識別情報に対応するコンテンツ情報を上記コンテンツ情報サーバから受信し、上記受信されたコンテンツ情報を、上記対応するコンテンツ情報を持たないコンテンツ識別情報に対応させるように上記コンテンツ情報メモリに記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のコンテンツ情報取得装置。
【請求項5】
コンテンツ情報取得装置に着脱可能に接続されるコンテンツ再生装置であって、
コンテンツと、上記コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報とを記録した記録媒体から、上記コンテンツ及び上記コンテンツ識別情報を読み出すコンテンツ読み出し手段と、
上記コンテンツ読み出し手段から読み出されたコンテンツを再生するコンテンツ再生手段と、
上記コンテンツ読み出し手段により読み出されたコンテンツ識別情報を上記コンテンツ情報取得装置に送信し、上記送信したコンテンツ識別情報によって識別されるコンテンツに関連付けられた情報を含むコンテンツ情報を上記コンテンツ情報取得装置から受信するコンテンツ情報取得手段と、
上記コンテンツ情報取得手段により取得されたコンテンツ情報を表示する表示手段とを備えたことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のうちのいずれか1つに記載のコンテンツ情報取得装置と、請求項5記載のコンテンツ再生装置とを備えたことを特徴とするコンテンツ再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−146790(P2008−146790A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−335745(P2006−335745)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】