説明

コンテンツ表示システムおよびコンテンツ用注釈生成装置

【課題】 表示処理環境,入力操作,ユーザ属性などに応じてコンテンツ上に注釈を効果的に表示するコンテンツ表示システムを提供する。
【解決手段】 注釈管理装置2は,コンテンツ用注釈生成装置1でのコンテンツ6の表示領域111,コンテンツ6への注釈71,注釈71の表示位置113を含む注釈情報7を保管する。コンテンツ表示処理装置3は,注釈管理装置2へ,コンテンツ提供装置4から取得したコンテンツ6に対する注釈情報7を取得し,コンテンツ6を表示装置310に表示し,コンテンツ6のページサイズに対応する注釈表示画面320を生成し,注釈情報7の表示領域111および表示位置113をもとに注釈表示画面320上の注釈71の表示位置330を計算し,注釈71を描画した注釈表示画面320をコンテンツ6にオーバレイ表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,ネットワークを介して提供されるコンテンツ上に注釈を表示するコンテンツ表示システム,およびコンテンツ表示システムで用いられる情報を生成するコンテンツ用注釈生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Web(World Wide Web)サイトから提供されるコンテンツ上の文書,画像などの表示内容について,Webサイトの閲覧者に対して必要に応じて注釈,解説などの注釈表示を行うことによって,コンテンツの内容に対する補充情報,例えば解説,注意,コメントなどを閲覧者へ提供し,閲覧者のコンテンツに対する理解をサポートする支援技術が存在する。
【0003】
コンテンツに注釈表示を付加する場合には,注釈がわずかなものであっても,提供するコンテンツのHTML(Hyper Text Markup Language)を修正しなければならず,HTML等の知識を有するコンテンツ作成者による作業が必要であった。
【0004】
HTML作成,修正を簡易に行うためのWebオーサリングツールが知られているが,HTML自体を修正することは必要であった。
【0005】
コンテンツに注釈を付加する従来技術として,注釈オーバレイを供給するためのプロクシ・サーバを用いたシステムが提案されている(例えば,特許文献1)。具体的には,ユーザのウェブ・ブラウザとウェブ・サーバとの間で,ウェブ・ブラウザによって検索された全ドキュメントをインターセプトし,ユーザ指定のソースからの検索ドキュメントに注釈をマージする注釈プロクシをオープンし,注釈プロクシが,ユーザ指定のソースから,注釈オーバレイのローカル注釈ディレクトリを生成し,次いでユーザがドキュメントを要求したときに,注釈ディレクトリからの要求ドキュメントだけにマージ動作を実行し,代替的に,注釈プロクシが,ウェブ・サーバから直接注釈ディレクトリを引き寄せることによって,オン・ザ・フライでマージ動作を実行することが提案されている。
【0006】
また,文書表示領域を補足情報の表示領域と共に描出する方法が提案されている(例えば,特許文献2)。具体的には,文書を表示する文書表示領域(文書欄)を描出し,クライアントの補足情報の表示要求を受け付けると,クライアント側で,表示領域に余白領域を設定して,文書表示領域を再描出し,余白領域に補足情報を描出する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−27143号公報
【特許文献2】特表2010−511939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
コンテンツに注釈を付加的に表示する際に,特定の箇所に対する注釈を一定期間だけ表示する場合には,コンテンツに相当するHTMLの該箇所を編集して注釈を付加する編集を行い,一定期間経過後には,再び,HTMLから注釈を除外又は非表示とする編集を行う必要があった。
【0009】
しかし,注釈の表示期間が比較的短期間であり,注釈表示が頻繁に繰り返されるような場合には,人手によるHTML編集作業が頻繁に必要となるため,コンテンツの管理コストの上昇,編集忘れや編集ミスによる不具合等の問題が発生する場合があった。
【0010】
コンテンツ自体の編集を行わずにコンテンツに注釈表示を行う処理技術として,注釈表示機能を備えた専用コンテンツ表示ツールを使用することが可能である。しかし,この場合には,ユーザが予め専用コンテンツ表示ツールをインストールしておく必要があった。しかし,ユーザが専用コンテンツ表示ツールを用いてコンテンツを閲覧しない限り,コンテンツ上に注釈が表示されず,ユーザが,注釈および専用コンテンツ表示ツールの存在に気づかないケースも多いという問題があった。
【0011】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり,その目的は,コンテンツ自体の編集を行うことなく,ユーザの表示処理環境,入力操作,権限などのユーザ属性または注釈の目的・用途に応じて,コンテンツ上に注釈を表示するコンテンツ表示システムを提供することである。
【0012】
また,本発明の別の目的は,ユーザ自身がバージョンを意識することなく,専用コンテンツ表示ツールのバージョン状態を管理するコンテンツ表示システムを提供することである。
【0013】
さらに,本発明の別の目的は,上記システムで用いられる情報を生成するコンテンツ用注釈生成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様として開示されるコンテンツ表示システムは,注釈管理装置とコンテンツ表示処理装置とを備えて,コンテンツ上に注釈を表示させるコンテンツ表示システムである。
【0015】
前記注釈管理装置は,1)注釈ごとに,該注釈を表示するコンテンツの参照情報,該注釈の作成時に前記コンテンツが描画された表示領域を示すベース画像解像度および前記ベース画像解像度において描画された前記コンテンツ上での該注釈の表示位置を示すベース表示位置を含む注釈情報,ならびに前記注釈情報に対応付けられた対象者とその通知先を含む対象者情報を格納する記憶部と,2)前記コンテンツ表示処理装置から,コンテンツの参照情報および対象者を特定した注釈情報の要求を受け付け,前記要求されたコンテンツに対応付けられた注釈情報を前記要求したコンテンツ表示処理装置に送信する注釈情報送信部とを備える。
【0016】
前記コンテンツ表示処理装置は,1)前記コンテンツおよび注釈を表示する表示装置と,2)コンテンツ提供装置からコンテンツを取得するコンテンツ取得部と,3)前記取得したコンテンツのページサイズを特定し,前記表示装置におけるコンテンツの表示領域に前記コンテンツを描画するコンテンツ表示部と,4)前記注釈管理装置に,前記コンテンツの参照情報および対象者を特定した注釈情報の要求を送信して,該当する参照情報を取得する注釈情報取得部と,5)前記コンテンツ表示部から,前記表示装置におけるコンテンツの表示領域を示す表示画面解像度を取得し,前記コンテンツのページサイズに対応する注釈表示画面を生成し,前記注釈情報のベース画像解像度に対する前記表示画面解像度の比率を求め,該比率をもとに前記ベース表示位置の前記注釈表示画面における表示位置を計算し,前記注釈表示画面の該計算した表示位置に前記注釈情報に含まれる注釈を描画し,前記表示装置において,前記コンテンツの描画と前記注釈表示画面とをオーバレイ表示する注釈情報表示部とを備える。
【0017】
さらに,前記コンテンツ表示システムでは,前記注釈管理装置は,前記記憶部に,前記コンテンツ表示処理装置が備える前記注釈情報取得部および前記注釈情報表示部の有無または更新状態を示す注釈表示ツール管理情報を,前記対象者に対応付けて記憶すると共に,コンテンツ表示装置から受け付けた前記注釈情報の要求をした対象者に対応付けられた注釈表示ツール管理情報をもとに,該コンテンツ表示処理装置に前記注釈情報取得部および前記注釈情報表示部が存在しない状態または最新の更新状態ではないと判断したときは,前記注釈情報取得部および前記注釈情報表示部に相当するプログラムを,前記コンテンツ表示処理装置に送信する注釈表示ツール管理部を備え,前記コンテンツ表示処理装置は,前記注釈管理装置から取得した前記プログラムをインストールして,前記注釈情報取得部および前記注釈情報表示部を構築,または,前記注釈情報取得部および前記注釈情報表示部を最新状態に更新するツール取得部を備える。
【0018】
さらに,前記コンテンツ表示システムは,コンテンツ用注釈生成装置を備える。
【0019】
前記コンテンツ用注釈生成装置は,1)入力装置と,2)コンテンツおよび注釈を表示する表示装置と,3)コンテンツ提供装置からコンテンツを取得するコンテンツ取得部と,4)前記取得したコンテンツのページサイズを特定し,前記表示装置におけるコンテンツの表示領域に前記コンテンツを描画するコンテンツ表示部と,5)前記入力装置から,前記表示装置において前記コンテンツが描画される表示領域に描画されたコンテンツ上で注釈の表示位置として指定された位置,および該注釈の内容を受け付ける注釈入力受付部と,6)前記入力装置から,前記注釈を表示させる対象者を示す情報を受け付ける表示対象者受付部と,7)前記表示装置において前記コンテンツが描画される表示領域を示すベース画像解像度を取得し,前記表示領域における前記注釈の表示位置として指定された位置をベース表示位置とし,前記注釈について,前記コンテンツの参照情報,該注釈の内容,前記ベース画像解像度,および前記ベース表示位置を含む注釈情報を生成し,前記注釈について,該注釈を表示させる対象者とその通知先を含む対象者情報を生成する注釈情報生成部と,8)前記注釈情報および対応付けられた対象者情報を記憶する記憶部を前記注釈管理装置へ送信する注釈情報送信部とを有する。
【0020】
また,本発明の別の態様として開示するコンテンツ用注釈生成装置は,コンテンツ上に注釈を表示させるコンテンツ表示システムで用いる情報を生成する装置であって,1)入力装置と,2)コンテンツおよび注釈を表示する表示装置と,3)コンテンツ提供装置からコンテンツを取得するコンテンツ取得部と,4)前記取得したコンテンツのページサイズを特定し,前記表示装置におけるコンテンツの表示領域に前記コンテンツを描画するコンテンツ表示部と,5)前記表示装置において前記コンテンツが描画される表示領域に描画されたコンテンツ上で注釈の表示位置として指定された位置,および該注釈の内容を受け付ける注釈入力受付部と,6)前記注釈を表示させる対象者を示す情報を受け付ける表示対象者受付部と,7)前記表示装置において前記コンテンツが描画される表示領域を示すベース画像解像度を取得し,前記表示領域における前記注釈の表示位置として指定された位置をベース表示位置とし,前記注釈について,前記コンテンツの参照情報,該注釈の内容,前記ベース画像解像度,および前記ベース表示位置を含む注釈情報を生成し,前記注釈について,該注釈を表示させる対象者とその通知先を含む対象者情報を生成する注釈情報生成部とを備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば,Webサーバから提供されるコンテンツ自体に変更や修正を行うことなく,コンテンツ上の適切な表示位置に注釈を表示することができる。
【0022】
また,コンテンツがアクセスされた場合に,ユーザの表示処理環境,入力操作,権限などのユーザ属性に応じて,コンテンツ上に注釈を効果的に表示することができる。
【0023】
さらに,ユーザごとに専用コンテンツ表示ツールのインストール状態を管理するため,ユーザが予めインストール状態を把握していなくても,インストールするようにユーザに注意喚起することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の概要を説明するためのコンテンツ表示システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態における各装置の構成例を示す図である。
【図3】コンテンツ用注釈生成装置で表示される入力画面の例を示す図である。
【図4】注釈情報記憶部に記憶される情報の構成例を示す図である。
【図5】注釈データテーブルのデータ構成例を示す図である。
【図6】書式データテーブルおよび注釈添付データテーブルのデータ構成例を示す図である。
【図7】ユーザデータテーブル,グループデータテーブルおよびグループ構成印データテーブルのデータ構成例を示す図である。
【図8】対象者別注釈管理テーブルおよび表示期間管理テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図9】通知禁止条件管理テーブルおよびインストール管理テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図10】対象者別レイヤ管理テーブル,レイヤ管理テーブルおよび表示状態遷移テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図11】通知メールの例を示す図である。
【図12】コンテンツ上に注釈をオーバレイ表示する動作をより詳細に説明するための図である。
【図13】コンテンツの画面解像度と注釈描画領域との関係を説明する図である。
【図14】コンテンツ表示画面の縮小および拡大に伴う注釈表示を説明する図である。
【図15】注釈生成時および注釈表示時のコンテンツと注釈との表示例およびを示す図である。
【図16】コンテンツ用注釈生成装置における注釈情報などの生成処理フロー例を示す図である。
【図17】注釈管理装置における注釈情報などの登録,管理,および抽出処理フロー例を示す図である。
【図18】コンテンツ表示処理装置におけるコンテンツ表示処理フロー例を示す図である。
【図19】コンテンツ表示処理装置における注釈のオーバレイ表示処理フロー例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下,図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0026】
図1は,本発明の概要を説明するためのコンテンツ表示システムの構成例を示す図である。
【0027】
図1に示すコンテンツ表示システムは,コンテンツ用注釈生成装置1,注釈管理装置2,コンテンツ表示処理装置3,およびコンテンツ提供装置4を備え,それらが,各々,ネットワーク5を介して接続され,互いに通信可能となっている。
【0028】
コンテンツ表示システムでは,コンテンツ提供装置4から提供されるコンテンツ6について,テキストや画像などの注釈をコンテンツ上にオーバレイ表示する処理を行う。
【0029】
コンテンツ用注釈生成装置(サーバ)1は,コンテンツ6に対して付加される注釈71を入力または編集処理,コンテンツ6上での注釈およびその表示位置を含む注釈情報7を生成して注釈管理装置2に送信する。
【0030】
注釈情報7は,コンテンツ6への参照情報であるURL,コメントや画像などである注釈および注釈の表示位置を含む。注釈情報7は,注釈を一意に定める識別情報である注釈ID(identification)が付与され,各注釈の,コンテンツ用注釈生成装置1の表示装置のコンテンツ表示領域(ベースコンテンツ表示領域)においてコンテンツ6を表示させた場合に指定された注釈の表示位置(ベース表示位置),内容,書式,表示条件などの情報含む。また,各注釈に,公開する対象者(ユーザ)が対応付けられる。
【0031】
注釈管理装置(サーバ)2は,1または複数のコンテンツ用注釈生成装置1から送信された注釈情報7を記憶部(図1に図示しない)に格納して一元的に管理する。
【0032】
コンテンツ表示処理装置(クライアント)3は,URLを特定したコンテンツ表示要求をコンテンツ提供装置4へ送信してコンテンツ6を受信し,注釈管理装置2へ同じURLを送信してコンテンツ6に対応付けられた注釈情報7の一部を含むユーザ注釈情報75を受信する。コンテンツ表示処理装置3は,接続する表示装置310におけるコンテンツ表示領域311にコンテンツ6を描画し,描画したコンテンツ6のページサイズに対応する注釈表示画面320を生成して,ユーザ注釈情報75にもとづいて注釈71の表示位置330を計算し,注釈表示画面320の表示位置330に注釈71を描画し,コンテンツ6に注釈表示画面320をオーバレイ表示して表示装置310に出力する。
【0033】
オーバレイ表示とは,コンテンツ表示処理装置3の表示装置310に表示されるコンテンツ6上に注釈71を重ねて表示させるために,コンテンツ6のページサイズに対応させた注釈表示画面320で,その原点から求めた注釈71の描画の基点座標である表示位置330に注釈71を描出し,注釈71を含む注釈表示画面320を,コンテンツ6を描画するコンテンツ表示領域311にシームレスに重ね合わせる表示をいう。
【0034】
コンテンツ提供装置4は,複数のコンテンツを保持し,クライアントからの要求に応じてコンテンツ6を提供する。コンテンツ提供装置4は,コンテンツ6を参照情報であるURL(Uniform Resource Locator)に対応付けて記憶する。コンテンツは,HTML,画像ファイル,その他のデータ形式などである。コンテンツ提供装置4は,クライアントであるコンテンツ表示処理装置3からURL61を特定したコンテンツ表示要求を受け付けると,該当するコンテンツ6を,ネットワーク5を介してコンテンツ表示処理装置3へ提供(送信)する。
【0035】
ネットワーク5は,有線LAN,無線LAN,またはそれらを含んだネットワーク等であり,パケットが送受信可能な通信網である。図1に示すコンテンツ用注釈生成装置1,注釈管理装置2,コンテンツ表示処理装置3およびコンテンツ提供装置4は,所定の通信プロトコル(例えば,HTTP:Hyper Text Transfer Protocol)をもとにネットワーク5を介してパケット通信を行う。
【0036】
図2は,本発明の実施形態における各装置の構成例を示す図である。図2を参照しながら,コンテンツ用注釈生成装置1,注釈管理装置2およびコンテンツ表示処理装置3の各々の構成例について説明する。
【0037】
〔コンテンツ用注釈生成装置の実施例〕
コンテンツ用注釈生成装置1は,図2に示すように,注釈入力受付部11,表示書式受付部12,表示期間受付部13,表示対象者受付部14,注釈情報生成部15,注釈情報送信部16,コンテンツ取得部17,コンテンツ表示部18,入力装置19,および表示装置110を備える。
【0038】
図3は,コンテンツ用注釈生成装置1で表示される入力画面の例を示す図である。
【0039】
注釈入力受付部11は,入力装置19を介して,注釈情報7の入力または編集を受け付ける。より詳しくは,注釈入力受付部11は,表示装置110でコンテンツ6を描画するベースコンテンツ表示領域111のサイズを示す画像解像度(ベース画面解像度)を取得する。さらに,注釈入力受付部11は,コンテンツ6のページサイズに対応して注釈71をオーバレイするためのベース注釈表示領域112を設定し,ベースコンテンツ表示領域111に描画したコンテンツ6に対して入力または編集された注釈71が描画された表示位置(ベース表示位置)113を算出する。
【0040】
ベース注釈表示領域112は,注釈71を描画する有限な面積を有する仮想平面の領域であり,ベース表示位置113は,ベース注釈表示領域112の基点からの注釈71の描画基点を示す位置である。
【0041】
ベースコンテンツ表示領域111のサイズを示すベース画面解像度および注釈71のベース表示位置113は,第1の表示処理条件であり注釈情報7に含まれる。
【0042】
表示書式受付部12は,入力装置19を介して,注釈71の表示に関する書式の入力または編集を受け付ける。
【0043】
表示期間受付部13は,入力装置19を介して,コンテンツ6上で注釈71を対象者に公開する期間である表示期間,表示条件などの管理情報となる情報の入力を受け付ける。表示条件とは,例えば,注釈71の表示をどのような周期,閲覧回数等で定めるかという条件である。
【0044】
表示対象者受付部14は,入力装置19を介して,注釈71を公開する対象者が特定するための対象者またはグループなどを示す情報の入力または編集を受け付ける。
【0045】
対象者は,コンテンツ表示処理装置3から注釈管理装置2にアクセス可能なコンテンツ表示システムのユーザであり,コンテンツ6の閲覧者である。グループは,1または複数の対象者の集合であって,対象者の属性または注釈71の属性にもとづいて分類されるものである。
【0046】
注釈情報生成部15は,注釈入力受付部11から,ベース画面解像度(第1の画面解像度)およびベース表示位置(第1の表示位置)を取得し,さらに,注釈入力受付部11,表示書式受付部12,表示期間受付部13ならびに表示対象者受付部14で入力または編集された情報をもとに注釈情報7および対応する対象者情報などの注釈71の表示に必要な情報を生成する。
【0047】
注釈情報送信部16は,注釈情報生成部15によって生成された注釈情報7などを,ネットワーク5を介して注釈管理装置2に送信する。
【0048】
コンテンツ取得部17は,指定されたURLのコンテンツ6をコンテンツ提供装置4から取得する。
【0049】
コンテンツ表示部18は,取得されたコンテンツ6のHTMLのCSS(Cascading Style Sheet),スクリプトなどを解析してコンテンツ6のページサイズを特定し,ベースコンテンツ表示領域111にもとづいてコンテンツ6を表示装置110に出力する。さらに,コンテンツ表示部18は,注釈入力受付部11によって注釈71が入力された場合に,コンテンツ6のページサイズに対応するベース注釈表示領域112を設定し,ベースコンテンツ表示領域111のコンテンツ6上で指定された注釈71の座標を検出してベース表示位置113とする。さらに,ベースコンテンツ表示領域111に描画されたコンテンツ6上でベース表示位置113に注釈71を描画して,コンテンツ6と注釈71のオーバレイ表示を行う。
【0050】
入力装置19は,例えばキーボード,マウスなどの入力デバイスである。表示装置110は,液晶モニタ,CRTモニタなどの表示デバイスである。
【0051】
図3に示す,表示装置110に表示される入力画面120は,コンテンツ用注釈生成装置1において,入力装置19を介してメニュー画面(図示しない)から注釈情報7の生成・編集メニューが選択されば場合に,注釈入力受付部11により表示される。
【0052】
入力画面120は,ベースコンテンツ表示領域111,URL入力欄121,対象者入力欄125,表示期間入力欄126,書式入力欄127,保存ボタン128等を含む。
【0053】
ベースコンテンツ表示領域111は,URL入力欄121に入力されたURL61に対応するコンテンツ6が表示される領域である。
【0054】
ベースコンテンツ表示領域111上には,ベース注釈表示領域112が設定され,入力された注釈71が表示される。
【0055】
URL入力欄121は,注釈を付加したいコンテンツ6への参照情報であるURL61が入力される領域である。
【0056】
対象者入力欄125は,注釈71を公開するユーザである対象者の識別情報が入力される領域である。
【0057】
表示期間入力欄126は,注釈71を公開する期間が入力される領域である。
【0058】
書式入力欄127は,注釈71の書式が入力される領域である。
【0059】
保存ボタン128は,入力画面120で入力または編集された情報から注釈情報7の生成および保存を要求する表示コンポーネントである。
【0060】
図3を用いて,コンテンツ用注釈生成装置3の動作を説明する。
【0061】
注釈作成者によって,URL入力欄121に,URL61(例えば,http://xxx.yyy.zzz.com)が入力されると,コンテンツ取得部17は,コンテンツ提供装置4へ入力されたURLを送信してコンテンツ6を取得し,取得したコンテンツ6のHTMLを解析してコンテンツ6のページサイズを特定し,ベースコンテンツ表示領域111のサイズに応じてコンテンツ6を表示する。
【0062】
その後,注釈作成者によって,ベースコンテンツ表示領域111に描画されたコンテンツ6上で,注釈71を表示させるベース表示位置113が指定され,注釈71となる内容(テキスト,イメージなど)が入力されると,注釈入力受付部11は,注釈71とそのベース表示位置113とを取得する。例えば,注釈作成者が,ベースコンテンツ表示領域111のコンテンツ6上でのマウス操作により注釈71を表示させたい位置を指定すると,注釈入力受付部11は,マウス位置の座標を検出して,ベース注釈表示領域112での注釈71のベース表示位置113を特定する。
【0063】
さらに,注釈入力受付部11は,コメントと共に,文書ファイル,画像ファイル等の注釈添付ファイルを取得することができる。
【0064】
表示書式受付部12が,書式入力欄127に入力された,文字のフォントの種類,サイズ,文字色などの注釈71に関する書式を取得する。また,表示期間受付部13が,表示期間入力欄126に入力された,注釈71の表示期間(公開開始日時,公開終了日時など)を取得する。
【0065】
また,表示対象者受付部14が,対象者入力欄125に入力された,注釈71を提供する対象者,グループの名称または識別情報を取得する。対象者入力欄125に入力される対象者,グループの名称または識別情報は,予め注釈管理装置2に対象者となりうるユーザやグループの名前や識別番号を記憶しておき,入力または編集の際に,表示対象者受付部14が,注釈管理装置2から取得したユーザまたはグループの名前,識別情報の一覧から選択されたものを対象者入力欄125に入力させるようにしてもよい。
【0066】
入力画面120の保存ボタン128が押下されると,注釈情報生成部15は,ベースコンテンツ表示領域111のサイズを示すベース画面解像度,入力または編集された注釈71およびベース表示位置113,ならびに対象者入力欄125,表示期間入力欄126,書式入力欄127などに入力された情報をもとに,注釈情報7などを生成して記憶装置(図3に図示しない)に保存する。
【0067】
より詳しくは,注釈情報生成部15は,コンテンツ6のURL61,ベースコンテンツ表示領域111のベース画面解像度,注釈71,ベース表示位置113,表示期間などの注釈表示条件,注釈の文字色,背景色などの書式を含む注釈情報7,注釈情報7に対応付けられた対象者またはグループの識別情報を含む対象者情報を生成する。
【0068】
注釈情報7などが生成されると,注釈情報送信部16は,生成された注釈情報7および対象者情報を注釈管理装置2へ送信する。なお,送信された注釈情報等は,注釈管理装置2により登録または更新されて,注釈情報記憶部27に格納される。
【0069】
〔注釈管理装置の実施例〕
注釈管理装置2は,図2に示すように,注釈情報登録部21,注釈情報要求受付部22,注釈情報送信部23,メール通知部24,対象者管理部25,注釈表示ツール管理部26,および注釈情報記憶部27を備える。
【0070】
注釈情報登録部21は,コンテンツ用注釈生成装置1の注釈情報送信部16から送信される注釈情報7および対象者情報を受信し,注釈情報記憶部27に格納または注釈情報記憶部27に記憶されている情報を更新する。
【0071】
注釈情報要求受付部22は,コンテンツ表示処理装置3からURL61を含む注釈要求(注釈情報の要求)を受け付け,対象者管理部25により注釈要求の送信者が対象者であれば,注釈情報記憶部27に記憶された情報から,該当する注釈情報7および関連する情報を抽出する。
【0072】
注釈情報送信部23は,注釈情報要求受付部22により抽出された注釈情報7などを,ネットワーク5を介して,要求元のコンテンツ表示処理装置3へ送信する。
【0073】
メール通知部24は,コンテンツ用注釈生成装置1から送信された注釈情報7の登録または更新を行った場合に,注釈情報7に対応付けられた対象者情報に設定されている各ユーザに対し,注釈情報生成を通知する通知メール130を送信する。なお,通知メール130については後述する。
【0074】
対象者管理部25は,注釈情報7の要求者が,対応する対象者情報に設定されているユーザであるかおよび注釈71の表示条件に該当するかを判定する。
【0075】
さらに,対象者管理部25は,ユーザからの注釈情報7の要求を閲覧回数(履歴情報)として蓄積,管理する。また,対象者管理部25は,コンテンツ表示処理装置3でのコンテンツ6の表示領域であるコンテンツ表示領域311のサイズを示す画面解像度(第2の画面解像度),およびコンテンツ6のページサイズに対応する注釈表示領域320での注釈71の表示位置を示す表示位置(第2の表示位置)330を取得,管理する。
【0076】
注釈表示ツール管理部26は,コンテンツ表示処理装置3の注釈表示ツール30のインストール状態を管理し,注釈表示ツール30の送信要求を受けた場合に,注釈表示ツール30を要求したコンテンツ表示処理装置3に送信する。なお,注釈表示ツール30については後述する。
【0077】
注釈情報記憶部27は,注釈情報7,対象者情報など,図1に示すコンテンツ表示システムで必要な情報を記憶する。
【0078】
図4は,注釈情報記憶部27に記憶される情報の構成例を示す図である。
【0079】
注釈情報記憶部27に記憶される情報は,データテーブルとして実施されているものとする。
【0080】
注釈情報記憶部27は,注釈データテーブル271,書式データテーブル272,注釈添付データテーブル273,ユーザデータテーブル274,グループデータテーブル275,グループ構成員データテーブル276,対象者別注釈管理テーブル277,表示期間管理テーブル278,通知禁止条件管理テーブル279,インストール管理テーブル280,対象者別レイヤ管理テーブル281,レイヤ管理テーブル282,および表示状態遷移テーブル283を備える。
【0081】
以下,図5〜図10を用いて,注釈情報記憶部27に備えられるテーブルの詳細について説明する。
【0082】
図5は,注釈データテーブル271のデータ構成例を示す図である。
【0083】
注釈データテーブル271は,注釈情報7の一例である。注釈データテーブル271は,「注釈ID」,「URL」,「コンテンツタイプ」,「注釈」,「注釈タイプ」,「検索タグ」,「書式ID」,「ベース画面解像度」,「ベース表示位置」,「公開状態」,「公開レベル」,「公開開始日時」,「公開終了日時」,「優先度」,「選択状態」,「投稿者ID」,「投稿日時」,「作成日時」,「作成者ID」などのデータ項目を有する。
【0084】
なお,以降の説明では,各テーブルのデータ項目を「 」で示し,データ項目の格納値を“ ”で示すものとする。例えば,注釈データテーブル271のテーブル項目「注釈ID」に,その格納値は“NOTE0001”である。
【0085】
「注釈ID」には,注釈71を一意に識別する情報,例えば,“NOTE0001”のような符号または値が格納される。
【0086】
「URL」には,注釈71が付与されるコンテンツ6への参照情報であるURL,例えば,“http://xxx.yyy.zzz.com/info.html”が格納される。
【0087】
「コンテンツタイプ」には,コンテンツ6の属性を示す情報が格納される。例えば,HTMLで記載されたコンテンツの属性では“HTML”が格納される。
【0088】
「注釈」には,表示される注釈71の内容を表すデータ,例えば,内容を記載するHTML,テキスト,イメージなどのデータが格納される。
【0089】
「注釈タイプ」には,注釈71のデータ属性,“HTML”,“TEXT”等が格納される。
【0090】
「検索タグ」には,注釈71の内容の分類を示し,検索キーとなる文字列が格納される。例えば,“特売,パソコン,秋モデル”などのキーワードである。
【0091】
「書式ID」には,注釈71の書式が設定された書式データを一意に識別する情報,例えば,“FMT0001”のような符号または値が格納される。
【0092】
「ベース画面解像度」には,表示装置110のベースコンテンツ表示領域111のサイズを示す画面解像度が格納される。ベース画面解像度は,例えば(1280,1024)のように,領域の横(幅)と縦(高さ)をピクセル単位で示す。
【0093】
「ベース表示位置」には,表示装置110で表示されたコンテンツ6のページサイズに対応するベース注釈表示領域112での注釈71のベース表示位置113を示す座標が格納される。ベース表示位置113は,ベース注釈表示領域112の基準原点からの座標位置であり,例えば,(100,200)のように,ピクセル単位のX座標,Y座標で表される注釈71の描画の起点が格納される。
【0094】
「公開状態」には,注釈71の状態を示す情報が格納される。例えば,注釈71が,登録前の入力または編集の作業中であることを示す状態,登録後の公開または非公開の状態を示す情報が格納される。「公開状態」の“編集中”は,その注釈が入力または編集中であり,登録が確定していない状態であることを示す。また,“公開”は,その注釈の公開が許可されている状態であることを,“公開中止”は,その注釈が非公開となっている状態であることを示す。
【0095】
「公開レベル」には,注釈71をどの範囲のユーザ(またはグループ)に対して公開を許可するかを示す条件が格納される。例えば,「公開レベル」の“一般”は,登録された全対象者に対して注釈71を公開する条件であることを示す。また,“関係者外秘”は,注釈71を特定した対象者またはグループのみに公開し,公開対象となっている対象者が他者に注釈情報7を送信することを禁止する条件であることを示す。“グループ”は,注釈71を設定されたグループのみに公開する条件であることを示す。
【0096】
「公開開始日時」には,注釈71の公開を開始する日時を示す情報が格納され,「公開終了日時」には,注釈71の公開を終了する日時を示す情報が格納される。
【0097】
「優先度」には,注釈71の表示に関する優先順位を示す情報が格納される。例えば,“高”は,優先度が高く,他の注釈71より優先的に表示されることを示す。“低”は,優先度が低く,他の注釈71の優先度に応じて表示がされない場合があることを示す。
【0098】
「選択状態」には,コンテンツ用注釈生成装置1において,注釈71が編集中に編集対象として最後に選択されていた状態の場合に,“選択”が格納される。
【0099】
「投稿者ID」には,注釈情報7を登録した注釈作成者の対象者ID,または注釈情報7の管理者の対象者IDなどが格納される。例えば,注釈情報7を登録する権限を有しない者が作成した注釈情報7を仮登録し,登録の権限者が仮登録された注釈情報7を承認した場合に,承認した登録の権限者の対象者IDが格納される。また,「公開状態」が“編集中”である場合に,注釈情報7が承認前であるため,「投稿者ID」は“ ”(値なし)となる。
【0100】
「投稿日時」には,投稿者が注釈情報7を承認した日時を示す情報が格納される。「作成日時」には,注釈情報7の登録または投稿(承認)された日時を示す情報が格納される。「作成者ID」には,注釈作成者の対象者IDが格納される。
【0101】
なお,上記の注釈データテーブル271のデータ項目のうち,「注釈ID」,「URL」,「コンテンツタイプ」,「注釈」,「注釈タイプ」,「タグ」,「書式ID」,「ベース画面解像度」,「ベース表示位置」等の各情報(値)が,注釈情報7の取得要求に応じてコンテンツ表示処理装置3へ送信されるユーザ注釈情報75に含まれる情報である。また,他のデータ項目については,管理者または権限者であるユーザのみがアクセス可能な項目と設定されるようにしてもよい。
【0102】
図6(A)は,書式データテーブル272のデータ構成例を示す図である。
【0103】
書式データテーブル272は,注釈情報7の一部である書式の一例である。
【0104】
書式データテーブル272は,「書式ID」,「CSS」,「スタイルID」,「文字色」,「背景色」,「背景データ」,「文字サイズ」,「文字フォント」,「文字修飾子」,「文字配置」などのデータ項目を有する。
【0105】
「書式ID」には,書式を一意に定める識別情報,例えば“FMT0001”のような識別番号が格納される。
【0106】
「CSS」には,所定のレイアウトなどが定義されるCSS(Cascading Style Sheet)を示す情報(書式として採用されるCSSのファイル名,例えば“default.css”)が格納される。CSSファイル自体は,注釈情報記憶部27に格納されていてもよい。
【0107】
「スタイルID」には,CSSのスタイルを識別する識別子が格納される。例えば,CSSのスタイル定義がファイル内で“#info”などにより定義される。
【0108】
その他,注釈の文字に関して,「文字色」には文字色を示す情報,「背景色」には注釈の背景色を示す情報が格納される。「背景データ」には,注釈表示部分の表示背景データがある場合に,そのデータを示す情報,例えば“吹き出し.jpg”などの画像ファイル名が格納される。「文字サイズ」には,注釈で使用される文字のサイズを示す情報,例えば“9”が格納される。「文字フォント」には,注釈で使用される文字フォントを示す情報,例えば“ゴシック”が格納される。「文字修飾子」には,注釈で使用される文字修飾子,例えば“イタリック”が格納される。「文字配置」には,注釈表示内の文字の配置を示す情報,例えば“中央”が格納される。
【0109】
なお,この他にも,文字などの注釈が描画される注釈の起点から領域を定める領域データ(幅と高さ)が格納されてもよい。この場合に,定められた領域内に前述の文字,背景色,文字配置等により注釈が描画されることになる。
【0110】
図6(B)は,注釈添付データテーブル273のデータ構成例を示す図である。
【0111】
注釈添付データテーブル273は,注釈情報7に含まれる情報の一例である。注釈添付データテーブル273は,「添付ID」,「注釈ID」,「注釈添付データタイプ」,「注釈添付データ」,「注釈添付データ保存先」,「読取制限」,「ダウンロード制限」,「表示期間制限」などのデータ項目を有する。
【0112】
注釈添付データテーブル273は,注釈71に注釈添付データが添付される場合にのみデータが格納される。
【0113】
「添付ID」には,注釈添付データごとに一意に定められる識別情報が格納される。「注釈ID」は,注釈添付データが,どの注釈71に紐付けされるかを示すための注釈IDである。例えば,「添付ID」:“TMP0001”の注釈添付データは,「注釈ID」:“NOTE0002”の注釈71に添付される。
【0114】
「注釈添付データタイプ」には,注釈添付データの種類(属性)を示す情報が格納される。例えば,注釈添付データがPDFファイルの場合に“PDF”であり,JPGファイルの場合に“JPG”のようにファイル種別が格納される。
【0115】
「注釈添付データ」には,注釈添付データのファイル名が格納される。例えば,“参考価格表.pdf”などである。
【0116】
「注釈添付データ保存先」には,注釈添付データのファイルの保存先を示す情報が格納される。例えば,“C:\DataFolder\”のように記憶装置のドライブのディレクトリ名が格納される。
【0117】
「読取制限」には,注釈71と共に注釈添付データがコンテンツ表示処理装置3に読み込まれた場合に,注釈添付データの読取制限を示す設定が格納される。例えば,ダウンロード後に注釈添付データが印刷可能ならば“なし”が格納され,ダウンロード後に注釈添付データが印刷不可ならば“ダウンロードのみ”が格納される。
【0118】
「ダウンロード制限」には,注釈添付データがコンテンツ表示処理装置3に読み込み可能か否かを示す設定が格納される。例えば,制限がない場合に“なし”とされ,注釈添付データをダウンロードできないが表示可能である場合に“閲覧のみ”とされる。
【0119】
「表示期間制限」には,ユーザが注釈添付データを閲覧できる期間制限の日付が格納される。例えば,“2010/10/31まで”の場合に,ユーザは注釈添付データを2010年10月31日までは閲覧でき,“なし”の場合に表示期限は設けられない。
【0120】
図7(A)は,ユーザデータテーブル274のデータ構成例を示す図である。
【0121】
ユーザデータテーブル274は,管理情報の一例である。ユーザデータテーブル274は,「対象者ID」,「名前」,「メールアドレス」,「アクティベート」,「登録権限」,「承認権限」などのデータ項目を有する。
【0122】
「対象者ID」には,各対象者であるユーザを一意に定める識別情報が格納されている。「名前」には,ユーザの氏名が格納されている。「メールアドレス」には,ユーザが有する電子メールのアカウントが格納されている。例えば,図7(A)に示すように,「対象者ID」:“USER0001”であるユーザの「名前」:“○村○尾”であり,「メールアドレス」:“USER0001@jp.mail.xxx.xxx”が格納される。
【0123】
「アクティベート」には,対象者(対象者ID)の,注釈活用に関する状態が格納される。例えば,対象者が注釈情報7を活用可能である場合には“有効”が,対象者が承認待ちの状態で活用可能でない場合には“承認待ち”が,対象者が単に活用可能でない場合には“無効”が格納される。なお,“承認待ち”は,承認後に“有効”と更新される。
【0124】
「登録権限」には,対象者がコンテンツに対する注釈情報7を登録する権限を有するかを示す情報が格納される。例えば,対象者が注釈登録の権限を有する場合には“有”が格納され,注釈登録に対して承認権限者の承認を要する場合には“要承認”が格納され,注釈登録の権限がない場合には“無”が格納される。
【0125】
「承認権限」には,対象者が,注釈情報7の登録の承認権限を有するか否かを示す情報が格納される。例えば,他の対象者の「アクティベート」の承認権限を有する場合には“有”が格納され,有さない場合には“ ”(値なし)となる。
【0126】
図7(A)に示す例では,「対象者ID」:“USER0001”である対象者に対して,「登録権限」および「承認権限」が“有”と設定されている。すなわち,この対象者は,自ら注釈情報7を登録することができ,また,他の対象者に対して注釈情報7の登録を承認する権限を有する。
【0127】
なお,ユーザデータテーブル274は,注釈情報7の登録処理の前に予め注釈情報記憶部27に格納され,適宜更新されるものである。
【0128】
図7(B)は,グループデータテーブル275のデータ構成例を示す図である。
【0129】
グループデータテーブル275は,管理情報の一例である。グループデータテーブル275は,「グループID」,「グループ名」などのデータ項目を有する。
【0130】
「グループID」には,グループを一意に定める識別情報が格納され,「グループ名」には,グループIDに対応するグループの名称が格納される。例えば,図7(B)に示す「グループID」:“GRP0001”は,「グループ名」:“人事グループ”であることを表している。
【0131】
グループデータテーブル275は,注釈情報7の登録処理の前に予め用意され,注釈情報記憶部27に格納され,適宜更新されるものである。
【0132】
図7(C)は,グループ構成員データテーブル276のデータ構成例を示す図である。
【0133】
グループ構成員データテーブル276は,「グループID」,「対象者ID」のデータ項目を有する。グループ構成員データテーブル276では,グループデータテーブル275に定義される「グループID」に属する「対象者ID」が登録される。例えば,「グループID」:“GRP0001”は,「対象者ID」:“USER0001”,“USER0004”の対象者が所属していることを表す。
【0134】
図8(A)は,対象者別注釈管理テーブル277のデータ構成例を示す図である。
【0135】
対象者別注釈管理テーブル277は,対象者情報の一例である。対象者別注釈管理テーブル277は,「対象者ID」,「注釈ID」,「期間ID」,「通知日時」,「確認日時」,「閲覧回数」,「個別表示開始日時」,「個別表示終了日時」,「削除フラグ」,「状態フラグ」,「画面解像度」,「表示位置」などのデータ項目を含む。
【0136】
「対象者ID」は,ユーザデータテーブル274に格納された対象者IDと同一である。この「対象者ID」によりユーザデータテーブル274と対象者別注釈管理テーブル277とが紐付けされる。
【0137】
「注釈ID」は,注釈データテーブル271に格納された注釈IDと同一である。この「注釈ID」により注釈データテーブル271と対象者別注釈管理テーブル277とが紐付けされる。
【0138】
「期間ID」は,表示期間管理テーブル278に格納された期間IDと同一である。この「期間ID」により,この期間IDにより表示期間管理テーブル278と対象者別注釈管理テーブル277とが紐付けされる。
【0139】
「通知日時」には,注釈管理装置2が対象者に当該注釈IDに係る注釈情報7について通知(注釈情報生成の通知)した日時が格納される。「確認日時」には,注釈管理装置2から送信した当該注釈IDに係る注釈情報7について対象者から確認通知を受信した日時が格納される。
【0140】
「閲覧回数」には,当該注釈IDに係る注釈71を閲覧した回数,すなわち,注釈71の表示履歴である情報が格納される。「個別表示開始日時」には,対象者のコンテンツ表示処理装置3に,注釈71の表示を開始させる日時が格納される。「個別表示終了日時」は,対象者のコンテンツ表示処理装置3に,注釈71の表示を終了させる日時が格納される。
【0141】
「削除フラグ」には,対象者に公開される注釈71を,対象者別注釈管理テーブル277から削除するか否かを指定するフラグが格納される。例えば,対象者に対応付けられた注釈71を削除する場合には,「削除フラグ」に“削除”を設定し,削除しない場合には,“ ”(値なし)のままとなる。
【0142】
「状態フラグ」には,注釈71の公開に関する状態を示す情報が格納される。例えば,「状態フラグ」の“承認待ち”は,承認権限者である対象者からの注釈表示についての承認を待機している状態を示す。“承認済み”は,承認権限者である対象者からの注釈表示が承認された状態を示す。“未読”は,表示期間中に対象者が注釈71を一度も表示させてない状態を,“非表示”は,注釈71が非表示とされている(「削除フラグ」が“削除”の場合も含む)状態を示す。
【0143】
「画面解像度」には,コンテンツ表示処理装置3に接続する表示装置310におけるコンテンツ表示領域311のサイズを示す画面解像度が格納される。画面解像度は,例えば,(1280,1024)に示すように,コンテンツ表示領域311のサイズを示す横(幅)と縦(高さ)をピクセル単位で示す。
【0144】
「表示位置」には,コンテンツ6のページサイズに対応する注釈表示画面320における注釈71の表示位置330が格納される。表示位置330は,注釈表示画面320の基準原点からの座標位置である。例えば,(100,200)に示すように,注釈が描画される起点が,ピクセル単位のX座標,Y座標で表される。
【0145】
なお,対象者別注釈管理テーブル277の「画面解像度」および「表示位置」は,注釈管理装置2からのコンテンツ表示処理装置3に対する使用状態の問合せ結果に応じて登録または更新される。
【0146】
図8(B)は,表示期間管理テーブル278のデータ構成例を示す図である。
【0147】
表示期間管理テーブル278は,管理情報の一例である。表示期間管理テーブル278は,「期間ID」,「期間制限計算根拠」,「表示制限回数」,「リサイクル条件」などのデータ項目を有する。
【0148】
「期間ID」には,表示期間を定める条件を一意に定める識別情報が格納され,対象者別注釈管理テーブル277の「期間ID」に紐付けられる。これにより,対象者ごとの表示期間を決定することができる。
【0149】
「期間制限計算根拠」には,表示期間の制限をどのような期間で計算するかを示す条件が格納される。
【0150】
「表示制限回数」には,「期間制限計算根拠」で定められた期間に注釈表示を何回まで実施するかを示す情報が格納される。
【0151】
「リサイクル条件」には,「期間制限計算根拠」および「表示制限回数」の条件を,繰り返す周期を示す情報が格納される。
【0152】
例えば,図8(B)に示すように,「期間ID」:“DATE0001”における表示期間は,1週間に指定されたコンテンツ6に対する注釈71の表示は1回のみ実施される。これにより,対象者が,この表示期間条件が指定されたコンテンツ6を閲覧した場合には,1度注釈71を表示させると,次の1週間の期間までは,そのコンテンツ6に注釈71を表示させることができない。
【0153】
図9(A)は,通知禁止条件管理テーブル279のデータ構成例を示す図である。
【0154】
通知禁止条件管理テーブル279は,管理情報の一例であり,「禁止条件ID」,「禁止条件」などのデータ項目を有する。
【0155】
「禁止条件ID」には,登録する禁止条件を一意に定める識別情報が格納される。
【0156】
「禁止条件」には,禁止条件の内容,すなわち,注釈管理装置2が対象者に対して注釈71に係る通知メールを送信しないと判定する条件が格納される。
【0157】
例えば,図9(A)に示す“KID0010”の禁止条件では,注釈71の内容に『社外秘』の文字列が含まれている場合に,メール通知部24は,対象者に対する通知メール130の送信を抑止する。また,“KID0011”の禁止条件では,注釈添付データのファイルサイズが100MBを超えている場合に,また,KID0012”の禁止条件では,注釈の公開期間が1年以上ある場合に,同様に,メール通知部24は,対象者への通知メール130の送信を抑止する。
【0158】
図9(B)は,インストール管理テーブル280のデータ構成例を示す図である。
【0159】
インストール管理テーブル280は,管理情報の一例であり,「対象者ID」,「進行状況」,「バージョン」,「導入フラグ」,「通知日時」,「最新導入日時」などのデータ項目を有する。
【0160】
「対象者ID」は,ユーザデータテーブル274に格納された対象者IDと同一であり,この対象者IDによりユーザデータテーブル274とインストール管理テーブル280とが紐付けされ,対象者ごとの注釈表示ツール30のインストールを管理することが可能となる。
【0161】
「進行状況」には,を通知メール130で,対象者のコンテンツ表示処理装置3に,注釈表示ツール30を案内済みか否か,もしくは,導入済みか否かなどの状況を示す情報が格納される。例えば,「進行状況」の“案内済み+未導入”は,注釈表示ツール30を案内する通知メール130が送信済みであるが,該当する注釈表示ツール30のダウンロードが未実行であることを示す。
【0162】
「バージョン」には,注釈表示ツール30のバージョン,例えば,“1.0”,“1.2”等が格納される。なお,未導入の場合に,“ ”(値なし)である。
【0163】
「導入フラグ」には,注釈表示ツール30が対象者のコンテンツ表示処理装置3にインストールされているか否かを示すフラグが格納される。“未”は,注釈表示ツール30のインストールが未実行であり,“済”は,インストールが実行済みであることを表す。
【0164】
「通知日時」には,前述の通知メール130による案内が行われた日時が格納される。
【0165】
「最新導入日時」には,前述の「バージョン」に示される注釈表示ツール30のバージョンのダウンロードが実行された日時が格納される。
【0166】
例えば,図9(B)に示す例では,「対象者ID」:“USER0002”のユーザが,2010年8月24日の10:00に注釈表示ツール30のバージョン“1.2”をダウンロードしたことを表す。
【0167】
注釈表示ツール管理部26は,インストール管理テーブル280を参照することによりコンテンツ表示処理装置3での注釈表示ツール30のインストール状態を把握することができる。インストール管理テーブル280の「導入フラグ」が“未”の場合または「バージョン」が最新バージョンではない場合には,対象者に注釈表示ツール30のインストール案内を通知することができる。
【0168】
図10(A)は,対象者別レイヤ管理テーブル281のデータ構成例を示す図である。
【0169】
対象者別レイヤ管理テーブル281は,管理情報の一例であり,「対象者ID」,「レイヤグループID」などのデータ項目を有する。対象者別レイヤ管理テーブル281により,同じコンテンツ6上に対象者ごとに異なる1または複数の注釈71を表示させることが可能となる。
【0170】
「対象者ID」は,ユーザデータテーブル274に格納された対象者IDと同一であり,かつ,レイヤグループを有する対象者に対応するものである。「対象者ID」には,ユーザデータテーブル274の中のレイヤグループを有する対象者に対応した「対象者ID」が紐付けされて格納される。
【0171】
「レイヤグループID」には,1または複数のレイヤを1つのレイヤグループを一意に定める識別情報が格納される。「レイヤグループID」は,各対象者(対象者ID)に対応付けられるが,レイヤグループに対応付けられない対象者があってもよい。例えば,図10(A)に示すユーザデータテーブル274では,「対象者ID」:“USER0001”の対象者に「レイヤグループID」:“RG0001”が対応付けられている。
【0172】
図10(B)は,レイヤ管理テーブル282のデータ構成例を示す図である。
【0173】
レイヤ管理テーブル282は,管理情報の一例であり,「レイヤグループID」,「レイヤID」,「レイヤ」,「注釈ID」,「表示順」等のデータ項目を有する。
【0174】
「レイヤグループID」は,対象者別レイヤ管理テーブル281に格納されたレイヤグループIDと同一であり,このレイヤグループIDによりレイヤ管理テーブル282と対象者別レイヤ管理テーブル281とが紐付けられる。
【0175】
レイヤグループに,1または複数のレイヤを属させることができる。例えば,図10(B)に示すように,レイヤグループID“RG0001”に,レイヤID“RAY0010”,“RAY0020”および“RAY0030”のレイヤを属させている。これにより,対象者の属性や注釈の用途や属性などにもとづいて,複数の注釈71をまとめて管理することができる。
【0176】
「レイヤID」には,複数の注釈描画領域を仮想層(レイヤ)として識別するための一意に定められた識別番号,例えば前述の“RAY0010”などが格納される。
【0177】
「レイヤ」には,コンテンツ6にオーバレイ表示するために複数の一連の仮想層(レイヤ)のうちどの層であるかを示す情報が格納される。例えば,3層のレイヤは,レイヤ“1”“2”,“3”のように番号が付与されて区別される。なお,以降の説明では,レイヤ“1”等を“レイヤ1”等と記す。
【0178】
「注釈ID」は,注釈添付データテーブル273に格納された注釈IDと同一であり,この注釈IDによりレイヤ管理テーブル282と注釈添付データテーブル273とが紐付けられる。図10(B)の例では,“レイヤ1”に,注釈ID“NOTE0001”と“NOTE0002”とが対応付けられる。すなわち,オーバレイ表示として“レイヤ1”が選択された場合に,指定コンテンツ上に“NOTE0001”および“NOTE0002”に対応する注釈71が表示される。
【0179】
「表示順」には,オーバレイ表示の対象となる「レイヤ」の表示順が格納される。図10(B)の例では,“レイヤ2”が1番目,“レイヤ1”が2番目,“レイヤ3”が3番目の順序で表示されることを示す。なお,レイヤIDと注釈IDとの組み合わせは限定されない。
【0180】
図10(C)は,表示状態遷移テーブル283のデータ構成例を示す図である。
【0181】
表示状態遷移テーブル283は,管理情報の一例であり,「レイヤID」,「切替タイミング」などのデータ項目を有する。
【0182】
「レイヤID」は,レイヤ管理テーブル282に格納される「レイヤID」に紐付けされたものである。
【0183】
「切替タイミング」には,レイヤを切り替えるタイミング条件が格納される。例えば,図10(C)に示すように,図10(B)に示すレイヤ管理テーブル282の「レイヤID」:“RAY0020”である“レイヤ2”の切替タイミングでは,現在の“レイヤ3”の状態から10秒経過時に“レイヤ2”に切り替えられる。また,「レイヤID」:“RAY0010”である“レイヤ1”の切替タイミングでは,マウスのクリック操作により“レイヤ2”から“レイヤ1”に切り替えられる。また,「レイヤID」:“RAY0030”である“レイヤ3”の切替タイミングでは,キー入力操作により“レイヤ1”から“レイヤ3”に切り替えられる。この順序で,“レイヤ2”に戻って以降の切り替えが繰り返される。
【0184】
なお,これらの切り替えの操作を操作履歴として蓄積するデータ項目を対象者別注釈管理テーブル277に設けて,コンテンツ表示処理装置3から注釈管理装置2に当該操作を通知して,対象者管理部25が,その通知に応じて操作履歴を更新するようにしてもよい。また,対象者管理部25は,この操作履歴を用いて,注釈管理装置2が対象者の習熟度などを判断してもよい。
【0185】
上記の各テーブル271〜283は,注釈情報登録部21が,コンテンツ用注釈生成装置1から受信した注釈情報7および対応する対象者情報にもとづいて生成または更新される。登録される一部の情報,例えば対象者別注釈管理テーブル277に格納される履歴情報(表示履歴,操作履歴等)は,コンテンツ表示処理装置3から通知される情報をもとに更新される。
【0186】
図11は,注釈情報7の生成,変更により生成される通知メールの例を示す図である。
【0187】
通知メール130は,注釈管理装置2が注釈情報7を登録または更新した場合に,メール通知部24により生成され,注釈情報7に対応付けられた対象者のメールアドレス宛へ送信される。これにより,注釈71が提供されるユーザに,注釈情報7の登録または変更があったことを通知することができる。
【0188】
通知メール130は,通知内容131を含む。図11に示す通知メール130において,“http://kanriserver?URL=http://xxx.yyy.zzz.com&sid=495345”として例示される通知内容131は,注釈管理装置2に指定コンテンツ“http://xxx.yyy.zzz.com”の注釈情報7が登録されていることを示す情報である。
【0189】
なお,コンテンツ用注釈生成装置1の注釈情報送信部16が,メール通知部24の代わりに,対象者情報を用いて対象者に通知メール130を直接送信するように構成してもよい。
【0190】
〔コンテンツ表示装置の実施例〕
コンテンツ表示処理装置3は,コンテンツ表示におけるコンテンツ提供装置4のクライアント,また,注釈表示における注釈管理装置2のクライアントでもある。
【0191】
コンテンツ表示処理装置3は,ネットワーク5を介して,コンテンツ提供装置4からコンテンツ6を取得すると共に,注釈管理装置2から注釈情報7を取得し,専用ブラウザである注釈表示ツール30を用いて,コンテンツ6上に注釈71をオーバレイして表示装置310に表示する。
【0192】
コンテンツ表示処理装置3は,図2に示すように,コンテンツ取得部31,注釈情報取得部32,コンテンツ表示部33,注釈表示部34,メール受信部35,ツール取得部36,ユーザ注釈情報記憶部37,注釈状態変更部38,入力装置39,および表示装置310を備える。
【0193】
コンテンツ取得部31は,コンテンツ提供装置4から,指定されたURL61のコンテンツ6を取得する。
【0194】
注釈情報取得部32は,コンテンツ取得部31が取得したコンテンツ6に対応付けられた注釈情報7を注釈管理装置2に要求し,注釈管理装置2から,コンテンツ6に対応付けられた注釈情報7,表示条件などの管理情報を含むユーザ注釈情報75を取得する。
【0195】
注釈情報取得部32が取得するユーザ注釈情報75は,例えば,注釈データテーブル271の一部(例えば「注釈ID」,「URL」,「コンテンツタイプ」,「注釈」,「注釈タイプ」,「検索タグ」,「書式ID」,「ベース画面解像度」,「ベース表示位置」,「公開状態」,「公開レベル」,「公開開始日時」および「公開終了日時」のデータ),書式データテーブル272,注釈添付データテーブル273,レイヤ管理テーブル282,表示状態遷移テーブル283に格納されている情報である。
【0196】
コンテンツ表示部33は,取得したコンテンツ6について,例えばHTMLに記述されている文字コードや文字セット,レイアウトなどが定義されるCSS(Cascading Style Sheet),スクリプトなどを解析してコンテンツ6のページサイズを特定し,コンテンツ表示領域311に描画して表示装置310に表示する。
【0197】
注釈表示部34は,注釈情報取得部32によりコンテンツ6に対応付けられた注釈情報7をもとに注釈71をコンテンツ6上にオーバレイ表示する。
【0198】
注釈表示部34は,コンテンツ表示部33が特定したコンテンツ6のページサイズに対応する注釈表示画面320を生成する。そして,ユーザ注釈情報75に格納されているベース画像解像度と表示装置310のコンテンツ表示領域311の表示解像度とをもとに,2つの領域の縦および横それぞれの拡縮の比率を計算し,ユーザ注釈情報75に格納されているベース表示位置113を計算した比率で補正して,注釈表示領域320での注釈71の表示位置330を計算する。さらに,注釈表示部34は,注釈表示領域320上で表示位置330に注釈71を描画し,コンテンツ表示領域311に表示されたコンテンツ6に,注釈71を含む注釈表示画面320をオーバレイ表示する。
【0199】
メール受信部35は,ネットワーク5を介して,設定されたメールアドレスにもとづいて,注釈管理装置2からの通知メール130を受信し,電子メールを送受信する。なお,メール受信部35は,例えば周知のメールクライアントプログラムで実施される。
【0200】
ツール取得部36は,ユーザから注釈表示ツール30の取得要求を受け付けて,注釈表示ツール30を注釈管理装置2から取得してコンテンツ表示処理装置3にインストールする。
【0201】
注釈表示ツール30は,コンテンツ上に注釈をオーバレイ表示する機能を実現する専用ブラウザであり,注釈情報取得部32,注釈表示部34および注釈状態変更部38に相当する機能を実行するプログラム,スクリプトなどとして実施される。
【0202】
ユーザ注釈情報記憶部37は,注釈管理装置2から受信したユーザ注釈情報75を記憶する。ユーザ注釈情報記憶部37のユーザ注釈情報75は,注釈情報取得部32によって,必要に応じて更新される。更新のタイミングは,例えば,注釈管理装置2からの通知メール130を受信した場合,コンテンツ取得部31がコンテンツ6を取得した場合などである。
【0203】
注釈状態変更部38は,入力装置39を介して,ユーザの入力操作により注釈71の表示位置330が移動した場合に,移動後の表示位置330を注釈管理装置2へ送信する。注釈管理装置2では,注釈情報記憶部27の対象者別注釈管理テーブル277の「表示位置」に移動後の表示位置330が登録される。これにより,その注釈71の次回表示時に,移動後の表示位置330に注釈71が表示される。
【0204】
また,ユーザが注釈71の“非表示”を選択すると,コンテンツ表示部33がその注釈71を非表示にし,
注釈状態変更部38が,“非表示”を注釈管理装置2に送信する。注釈管理装置2では,注釈情報記憶部27の対象者別注釈管理テーブル277の「削除フラグ」に“非表示”が登録される。
【0205】
また,ユーザが注釈71の“表示”を選択すると,コンテンツ表示部33がその注釈71の非表示を取り消し,注釈状態変更部38が,注釈71の“表示”を注釈管理装置2に送信する。注釈管理装置2では,注釈情報記憶部27の対象者別注釈管理テーブル277の「削除フラグ」の“非表示”が削除され,次回の表示時に注釈71が表示される。
【0206】
入力装置39は,例えばキーボード,マウスなどの入力デバイスである。表示装置310は,コンテンツ6および注釈71などを表示する注釈表示画面320を有する出力装置であり,例えば液晶モニタ,CRTモニタなどである。
【0207】
次に,注釈表示ツールのインストール,およびコンテンツと注釈の表示処理を説明する。
【0208】
ステップST1: 注釈管理装置2の注釈情報登録部21が,コンテンツ用注釈生成装置1から注釈情報7を受信すると,メール通知部24は,注釈情報7に対応付けられた対象者をユーザデータテーブル274から抽出し,抽出した対象者に,注釈情報生成の通知メール130を送信する。
【0209】
ステップST2: コンテンツ表示処理装置3のメール受信部35が,通知メール130を受信し,ユーザ操作によって,通知メール130に含まれる通知内容131(“http://kanriserver?URL=http://xxx.yyy.zzz.com&sid=495345”)がクリックされると,ツール取得部36が起動し,URL=“http://kanriserver”である注釈管理装置2にアクセスする。
【0210】
ステップST3: 注釈管理装置2の注釈表示ツール管理部26は,コンテンツ表示処理装置3から送信される対象者ID(またはメールアドレス)とユーザデータテーブル274とにもとづいて対象者を特定し,インストール管理テーブル280を参照して,特定した対象者の注釈表示ツール30のインストール状態を確認する。
【0211】
ステップST4: 注釈表示ツール30が未インストールの場合に,注釈表示ツール管理部26は,コンテンツ表示処理装置3に通知した未インストールに対するインストール要求を受け付け,注釈表示ツール30(注釈情報取得部32,注釈表示部34,注釈状態変更部38の機能を実現するプログラム)を生成して,コンテンツ表示処理装置3に送信する。なお,注釈表示ツール30がインストール済みの場合に,ステップST4の処理は省略される。
【0212】
ステップST5: コンテンツ表示処理装置3では,注釈表示ツール30をダウンロードし,注釈表示ツール30として,注釈情報取得部32,注釈表示部34および注釈状態変更部38がそれぞれ起動される。
【0213】
ステップST6: コンテンツ取得部31が,コンテンツ提供装置4からURL61に対応したコンテンツ6をダウンロードする。
【0214】
ステップST7: 注釈情報取得部32が,注釈管理装置2に対してコンテンツ6に対応付けられた注釈情報7を要求する。
【0215】
ステップST8: 注釈情報要求受付部22は,注釈情報7の要求を受けると,注釈データテーブル271などを参照して,コンテンツ6に対応付けた注釈情報7等を抽出し,対象者に対するユーザ注釈情報75を生成して要求元のコンテンツ表示処理装置3に送信する。注釈情報取得部32は,受信したユーザ注釈情報75をユーザ注釈情報記憶部37に格納する。
【0216】
ステップST9: コンテンツ表示部33は,コンテンツ6(URL61=“http://xxx.yyy.zzz.com”)のHTMLを解析して,描画するコンテンツ6のページサイズを特定する。
【0217】
ステップST10: 注釈表示部34は,コンテンツ6のページサイズに対応する注釈表示画面320を生成し,ユーザ注釈情報75に格納されたベース画面解像度と表示装置310の画面解像度との比率をもとに,表示装置110での注釈71のベース表示位置113から注釈表示画面320での注釈71の表示位置330を計算し,注釈表示画面320の表示位置330に注釈71を描画する。
【0218】
ステップST11: コンテンツ表示部33は,コンテンツ6をコンテンツ表示領域311に描画し,注釈表示部34は,描画されたコンテンツ6に対応する注釈表示画面320で注釈71を描画して,コンテンツ6上に注釈71のオーバレイ表示を行う。
【0219】
これにより,コンテンツ6のHTMLを編集することなく,コンテンツ用注釈生成装置の表示装置110で表示されたコンテンツ6上で特定の位置に指定されて入力された注釈71が,コンテンツ表示処理装置3の表示装置310に表示されたコンテンツ6上においてもほぼ同様の位置に表示させることができる。
【0220】
図12は,コンテンツ上に注釈をオーバレイ表示する動作をより詳細に説明するための図である。図12では,2次元表示におけるオーバレイ表示をわかり易く説明するために,便宜的に斜視図を用いて示している。
【0221】
図12に示すように,コンテンツ表示部33は,ユーザ注釈情報記憶部37に格納された表示状態遷移テーブル283およびレイヤ管理テーブル282を参照して,例えばレイヤグループRG#1のレイヤRAY#1〜#3の中から「表示順」に従って指定レイヤを選択する。例えば,図12に示すレイヤの「表示順」をレイヤRAY#1,#2,#3の順とする。
【0222】
注釈表示部34は,コンテンツ取得部31により取得されたコンテンツ6に応じて,指定レイヤに対応する注釈表示画面320を生成する。なお,図12に示す注釈表示画面320a,320b,320cは,各々,レイヤRAY#1,RAY#2,RAY#3に対応し,その各々の原点はOa,Ob,Ocに対応する。
【0223】
注釈表示部34は,レイヤ管理テーブル282からレイヤRAY#1の「レイヤID」に対応付けられた「注釈ID」:“注釈ID#11”を取得して,取得した“注釈ID#11”の注釈データを注釈データテーブル271から抽出する。さらに,抽出した注釈データの「ベース画面解像度」および「ベース表示位置」と,表示装置310の「画面解像度」とにもとづいて,コンテンツ6(横サイズWX’,縦サイズWY’)に合わせた注釈表示画面320aを調整する。
【0224】
さらに,注釈表示部34は,“注釈ID#11”の注釈データの「ベース表示位置」にもとづいて,注釈表示画面320aにおける注釈71の表示位置Pos#11を算出する。そして,注釈表示画面320aの原点Oaからクライアント表示位置Pos#11に,注釈データテーブル271および書式データテーブル272にもとづいて“注釈ID#11”の描画範囲を定め,当該注釈の内容と文字等の書式に従って描画する。
【0225】
この結果,表示装置310に,コンテンツ取得部31により表示されたコンテンツ6に対して,注釈表示画面320が調整され,例えば原点Oaから表示位置Pos#11,…,Pos#1L(Lは整数)に注釈ID#11,…,ID#1Lが描画される。
【0226】
さらに,レイヤRAY#1からレイヤRAY#2に切り替えられた場合に,注釈表示部34は,同様に,レイヤRAY#2に対応付けられた“注釈ID#21”を取得し,取得した“注釈ID#21”の注釈データを注釈データテーブル271から抽出する。この結果,表示装置310に,コンテンツ6に対して注釈表示画面320bが調整され,原点Obから表示位置Pos#21,…,Pos#2M(Mは整数)に注釈ID#21,…,ID#2Mがオーバレイ表示される。レイヤRAY#3に対応付けられた“注釈ID#31”,クライアント表示位置Pos#31,…,Pos#3N(Nは整数)についても同様に処理される。
【0227】
表示装置310において注釈71を表示する注釈表示画面320での表示位置330は,コンテンツ用注釈生成装置1の表示装置110のコンテンツ表示領域111と,コンテンツ表示処理装置3の表示装置310のコンテンツ表示領域311との関係により補正が必要な場合がある。
【0228】
以下に,コンテンツ表示処理装置3における注釈表示画面320における表示位置330の算出方法を説明する。
【0229】
第1の算出例
第1の算出例として,コンテンツ6の構成要素が固定値で設定され,コンテンツ6のページサイズがコンテンツ表示領域を超える場合にスクロール表示により表示切り替えを行う場合の例を説明する。
【0230】
図13は,コンテンツの画面解像度と注釈描画領域との関係を説明する図である。
【0231】
図13(A)および図13(B)において,表示装置310において,コンテンツ6を描画するコンテンツ表示領域311を点塗りの矩形四角形a’で表し,画面解像度=(X2,Y2)とする。コンテンツ6の全領域に対応する注釈表示画面320を白塗り四角形b’で表す。ここで,コンテンツ6の全領域および注釈表示画面320のサイズ(横X1および縦Y1)は,それぞれ,コンテンツ表示領域311のサイズ(X2およびY2)よりも大きいものとして説明する。
【0232】
なお,図13に示すX1,Y1,X2,Y2,PosX1,PosY1,PosX2,PosY2はピクセル単位の数値とする。
【0233】
図13(A)では,コンテンツ表示領域311の原点Ohと注釈表示画面320の原点Obとが一致している場合の例を示している。
【0234】
コンテンツ表示領域311(a’)の原点Ohは,注釈表示画面320(b’)の原点Obと一致するため,注釈表示画面320(b’)の原点Obから横軸方向にPosX1,縦軸方向にPosY1の座標位置Pos#1にある注釈#1は,コンテンツ表示領域311に描画される。一方,原点Obから横軸方向にPosX2,縦軸方向にPosY2の座標位置Pos#2にある注釈#2は,コンテンツ表示領域311に描画されない。
【0235】
図13(B)では,コンテンツ表示領域311(a’)の原点Ohと注釈表示画面320(b’)の原点Obとが一致しない場合の例を示している。例えば,スクロール操作などによって,コンテンツ表示領域311の原点Ohが,注釈表示画面320(b’)の原点Obと一致しなくなる場合である。
【0236】
その場合に,表示位置Pos#1にある注釈#1は,コンテンツ表示領域311(a’)から外れるため描画されない。一方,注釈表示画面320(b’)の座標位置Pos#2にある注釈#2は,コンテンツ表示領域311(a’)に入るため描画される。すなわち,コンテンツ表示領域311に表示される注釈71の範囲は,ベース画面解像度a’と注釈描画領域b’との関係により決定される。
【0237】
しかし,注釈情報7の作成処理において,コンテンツ6のページサイズにベース注釈表示領域112を対応させておき,コンテンツ表示処理時に,注釈表示画面320(b’)をコンテンツ6の全領域に対応させておくことにより,表示装置310では,一般的なスクロール表示処理によって,注釈71の表示位置330を補正することなく注釈#1および#2を描画することができる。
【0238】
第2の算出例
第2の算出例として,注釈の生成処理時と表示処理時で表示装置のコンテンツ表示領域のサイズが異なっている場合の算出例を説明する。
【0239】
図14は,コンテンツ表示画面の縮小および拡大に伴う注釈表示を説明する図である。
【0240】
コンテンツ用注釈生成装置1の表示装置110でのベースコンテンツ表示領域111(ベース画面解像度a)に比べて,コンテンツ表示処理装置3の表示装置310でのコンテンツ表示領域311(画面解像度a’)が小さい場合には,注釈表示部34は,注釈データテーブル271のベース画面解像度aと,画面解像度a’との比率(縮小率)を求める。そして,コンテンツ表示領域311(画面解像度a’)に表示されたクライアント6の領域に応じた注釈描画領域(b’)を生成する。
【0241】
さらに,注釈表示部34は,求めた比率にもとづいて,ベース画面解像度aにおけるベース表示位置Posから,注釈表示画面320(b’)における表示位置330(Pos’)を算出する。
【0242】
図14に示すように,コンテンツ用注釈生成装置1の表示装置110において,ベース画面解像度a(X1,Y1)=(1024,768),注釈Aのベース表示位置Pos=(PosX,PosY)=(900,600)とする。
【0243】
コンテンツ表示処理装置3の表示装置310において,画面解像度a’(X2s,Y2s)=(800,640)であって,注釈表示画面b’=(800,640)であるとする。
【0244】
したがって,
PosX’=X2s/X1×PosX=800/1024×900=703
PosY’=Y2s/Y1×PosY=600/768×600=469
となる。図14のsに示す注釈A’は,
表示位置Pos’=(Pos’X,Pos’Y)=(703,469)
に描画されることになる。
【0245】
逆に,コンテンツ用注釈生成装置1の表示装置110のベースコンテンツ表示領域111(ベース画面解像度a)に比べて,コンテンツ表示処理装置3の表示装置310のコンテンツ表示領域311(画面解像度a’)が大きい場合には,注釈表示部34は,注釈データテーブル271のベース画面解像度aと,画面解像度a’との比率(拡大率)を求め,同様に,コンテンツ表示領域311(画面解像度a’)に表示されたクライアント6の領域に応じた注釈表示領域320(b’),表示位置330(Pos’)を算出する。
【0246】
図14に示すように,表示装置310において,画面解像度a’(X2d,Y2d)=(1280,800)である場合に,
PosX’=X2d/X1×PosX=1280/1024×900=1125
PosY’=Y2d/Y1×PosY=800/768×600=625
となる。図14のdに示す注釈A’は,表示位置Pos’(1125,625)に描画されることになる。
【0247】
なお,「注釈A’」71について,文字の大きさ,画像ファイルの描画サイズを,上記の比率(縮小率/拡大率)に応じて縮小または拡大して描画するようにしてもよい。
【0248】
または,注釈データテーブル271に「縮小拡大禁止フラグ」のデータ項目を設けるようにして,注釈71の描画を縮小/拡大するか否かを設定し,この設定に応じて注釈71の文字サイズ,配置位置などの書式データについての補正の有無を決定するようにしてもよい。例えば,注釈表示部34は,図14のsおよびdに示すように,書式データを補正して,拡縮比率に応じて注釈A’の文字サイズなどを変更して描画する。
【0249】
第3の算出例
第3の算出例として,コンテンツ6が相対的値で設定されている場合の算出例を説明する。
【0250】
図15(A)は,注釈71の生成時の表示装置110でのコンテンツ6と注釈71との表示例を示す図であり,図15(B)は,注釈71の表示時の表示装置310でのコンテンツ6と注釈71の表示例を示す図である。
【0251】
図15に示す例では,コンテンツ6の構成要素が相対値で設定されている場合であって,表示装置110でのベースコンテンツ表示領域111のベース画面解像度aに比べて,表示装置310でのコンテンツ表示領域311の画面解像度a’が小さいとする。
【0252】
図15(A)において,表示装置110では,ベースコンテンツ表示領域111のベース画面解像度a=(1024,768)であり,注釈Aのベース表示位置をPosとする。図15(A)に示すように,注釈Aのベース表示位置Posは,コンテンツ6内の一段目に横に配置されている構成部品c1〜c3のうち構成部品c3が描画された領域または周辺領域に位置することが分かる。
【0253】
図15(B)において,表示装置310のコンテンツ表示領域311がベースコンテンツ表示領域111に比べて小さいため,コンテンツ表示部33は,コンテンツ6のHTMLを解析してコンテンツ6の構成部品c1,c2を並べた次の列に構成部品c3を配置する。
【0254】
注釈表示部34は,注釈データテーブル271の「ベース解像度」にもとづいてコンテンツ6のページサイズおよび構成部品の配置を特定し,「ベース表示位置」Posが構成部品c3の描画領域(またはその周辺領域)に属することを特定する。さらに,コンテンツ表示部33から,コンテンツ表示領域311において描画されるコンテンツ6の構成部品c3の描画領域の座標を得て,注釈71の表示位置330を,構成部品c3の描画領域内の位置に補正する。
【0255】
これにより,コンテンツ6が相対的な値で指定されている場合でも,コンテンツ用注釈生成装置1で注釈生成時に指定された位置に関連するコンテンツ6の構成部品に近い位置に注釈71を描画することが可能となる。
【0256】
図16は,コンテンツ用注釈生成装置1における注釈情報7などの生成処理フロー例を示す図である。
【0257】
コンテンツ用注釈生成装置1のコンテンツ取得部17が,コンテンツ提供装置4から,注釈作成者により指定されたURL61のコンテンツ6を取得する(ステップS1)。コンテンツ表示部18が,取得したコンテンツ6を表示装置110に表示する(ステップS2)。
【0258】
注釈入力受付部11は,入力装置19を介して,注釈71の入力または編集を受け付ける(ステップS3)。さらに,注釈入力受付部11,表示書式受付部12,表示期間受付部13,表示対象者受付部14は,注釈71の内容,注釈についての表示書式,表示期間,表示対象者などの注釈情報7の入力または編集を実施する。注釈71に対する注釈添付データがある場合には,注釈入力受付部11は,注釈添付データ(データファイル)の入力を実施する(ステップS4)。
【0259】
注釈入力受付部11,表示書式受付部12,表示期間受付部13,表示対象者受付部14は,それぞれ,表示装置110に入力または編集された内容を表示する(ステップS5)。
【0260】
次に,注釈入力受付部11は,メニュー選択などから注釈71の入力または編集が終了したかを判断する(ステップS6)。入力または編集が継続する場合に(ステップS6の継続),ステップS4に処理を戻し,ステップS4以降を繰り返す。一方,入力または編集が終了する場合に(ステップS6の終了),本処理を終了する。
【0261】
入力画面120による入力または編集が終了した後は,注釈入力受付部11が受け付けた注釈データ,表示書式受付部12が受け付けた書式データ,表示期間受付部13が受け付けた,注釈71の表示期間および表示条件などをもとに,注釈情報生成部15は,注釈情報7を生成する。
【0262】
図17は,注釈管理装置2における注釈情報7等の登録,管理,および抽出処理フロー例を示す図である。
【0263】
注釈管理装置2は,コンテンツ用注釈生成装置1またはコンテンツ表示処理装置3からの通知を待機する(ステップS21)。通知がない場合に(ステップS21のNo),通知の受信を待機し,通知を受信した場合に(ステップS21のYes),さらに,注釈情報登録部21は,どの通知を受信したかを判断する(ステップS22)。
【0264】
注釈情報7の生成通知である場合に(ステップS22のYes),注釈情報登録部21は,注釈情報7等を受信し(ステップS23),受信した注釈情報7等から注釈データテーブル271,書式データテーブル272等を注釈情報記憶部27に登録する(ステップS24)。メール通知部24は,注釈情報記憶部27に格納された対象者情報をもとに,注釈情報7に対応付けられた対象者に通知メール130を送信する(ステップS25)。通知メールの送信後に,ステップS21に処理を戻してステップS21以降を繰り返す。
【0265】
一方,注釈情報7の生成通知でない場合に(ステップS22のNo),注釈表示ツール管理部26が,注釈表示ツール30の送信要求であるか判断する(ステップS26)。
【0266】
ステップS26において注釈表示ツール30の送信要求である場合に,注釈表示ツール管理部26は,要求のクライアントに注釈表示ツール30を送信する(ステップS27)。
【0267】
送信後に,対象者管理部25は,インストール管理テーブル280の注釈表示ツール30のインストール状態を更新する(ステップS28)。更新後,ステップS21に処理を戻してステップS21以降を繰り返す。
【0268】
ステップS26において,注釈情報7の送信要求である場合に,注釈情報要求受付部22は,注釈情報記憶部27から,コンテンツ6に対応付けられた注釈データ,書式データ,レイヤ管理データ等のテーブルから提供可能な情報を抽出する(ステップS29)。
【0269】
次に,注釈情報送信部23は,抽出された情報(注釈情報7等)からユーザ注釈情報75を生成してコンテンツ表示処理装置3に送信する。注釈情報送信部23は,注釈情報7で注釈添付データが設定されている場合には,ユーザ注釈情報75とともに注釈添付データをコンテンツ表示処理装置3に送信する(ステップS210)。
【0270】
送信後に,対象者管理部25は,対象者別注釈管理テーブル277の対象者の閲覧回数を更新する(ステップS211)。更新後,ステップS21に処理を戻してステップS21以降を繰り返す。
【0271】
ステップS26において,注釈情報の生成通知,注釈表示ツールの要求,注釈情報の要求以外の通知(その他)である場合に,ステップS21に処理を戻してステップS21以降を繰り返す。
【0272】
図18は,コンテンツ表示処理装置3におけるコンテンツ表示処理フロー例を示す図である。
【0273】
コンテンツ表示処理装置3のメール受信部35が,注釈管理装置2から送信された通知メール130を受信する(ステップS31)。通知メール130を見たユーザの操作により,ツール取得部36は,通知メール130の通知内容131を用いて注釈管理装置2に接続する(ステップS32)。接続後,注釈管理装置2の注釈表示ツール管理部26が,対象者の注釈表示ツール30のインストール状態を調べ,インストール済みか否か判断する(ステップS33)。
【0274】
注釈表示ツール30がインストール済みでない場合に(ステップS33のNo),ツール取得部36は,ユーザの指示に応じて注釈管理装置2から注釈表示ツール30をダウンロードして,インストール処理を実施する(ステップS34)。一方,注釈表示ツール30がインストール済みである場合に(ステップS33のYes),注釈表示ツール30が起動される(ステップS35)。
【0275】
コンテンツ取得部31は,指定されたURLのコンテンツ6をコンテンツ提供装置4から取得する(ステップS36)。コンテンツ表示部33は,取得したコンテンツ6を表示装置310に表示する(ステップS37)。
【0276】
注釈情報取得部32は,注釈管理装置2へ注釈要求を送信してコンテンツ6に対応付けられたユーザ注釈情報75を取得し,ユーザ注釈情報記憶部37に記憶する(ステップS38)。注釈表示部34は,ユーザ注釈情報記憶部37に格納されたユーザ注釈情報75を用いて表示装置310に表示されたコンテンツ6上に注釈71をオーバレイ表示する(ステップS39)。
【0277】
次に,コンテンツ取得部31は,新たなコンテンツ6を取得するか否か判断する(ステップS310)。新たなコンテンツ6を取得する場合に(ステップS310のYes),コンテンツ取得部31は,コンテンツ提供装置4から新たなコンテンツ6に対応するURLを指定して,ステップS36に処理を戻して,ステップS36以降の処理を繰り返す。
【0278】
新たなコンテンツ6を取得しない場合に(ステップS310のNo),コンテンツ表示部33が,注釈表示ツール30の処理を終了するか否か判断する(ステップS311)。
【0279】
注釈表示ツール30の処理を終了しない場合に(ステップS311のNo),コンテンツ表示部33は,ステップS39に処理を戻し,ステップS39以降を繰り返す。注釈表示ツール30の処理を終了する場合に(ステップS311のYes),コンテンツ表示部33は,注釈表示ツール30の処理を終了する(ステップS312)。コンテンツ表示処理装置3は,コンテンツ表示の処理を終了する。
【0280】
図19は,コンテンツ表示処理装置3における注釈のオーバレイ表示処理フロー例を示す図であり,図18に示すステップS39の詳細な処理を示す。
【0281】
注釈表示部34は,コンテンツ6にオーバレイ表示する注釈71についての注釈情報をユーザ注釈情報記憶部37のユーザ注釈情報75から読み込む(ステップS391)。
【0282】
注釈表示部34は,読み込んだユーザ注釈情報75から表示期間等の表示確認を行う(ステップS392)。注釈表示部34は,ユーザ注釈情報75をもとに,注釈情報の要求をした日時が表示期間内であるか,要求された注釈71に設定されている公開レベル,閲覧回数などの制限に該当しないかなどを判定して,注釈71の公開可否を確認する。確認後に,注釈表示部34は,公開可能な注釈71については,コンテンツ6上に表示させ,公開不可とされた注釈71については表示させない設定として,注釈表示画面320に注釈71を描画する。
【0283】
注釈表示部34は,注釈表示画面320を生成し,読み込んだ注釈情報7をもとにオーバレイ表示のレイヤ切替条件を設定する(ステップS393)。
【0284】
次に,注釈表示部34は,表示状態遷移テーブル283を参照して,オーバレイ表示の指定レイヤ(注釈表示画面320)を切り替えるか否か判断する(ステップS394)。ステップS394においてオーバレイ表示を切り替える場合に,注釈表示部34は,次の指定レイヤのオーバレイ表示に切り替える(ステップS395)。オーバレイ表示の指定レイヤ切り替え後に,ステップS396に処理を進める。一方,ステップS394においてオーバレイ表示の指定レイヤを切り替えない場合に,注釈表示部34は,オーバレイ表示の指定レイヤをそのままとしてステップS396に処理を進める。
【0285】
次に,注釈表示部34は,オーバレイ表示を表示または非表示か否かを判断する(ステップS396)。例えば,選択メニューや特定キーの操作などによりユーザが注釈を非表示として選択すると,注釈表示部34は,オーバレイ表示を非表示とする。また,表示についても,同様に操作可能とされる。
【0286】
なお,ユーザの選択に応じて,注釈状態変更部38が対象者別注釈管理テーブル277の「状態フラグ」を“非表示”として登録し,以降は表示されないようにしてもよい。
【0287】
ステップS396においてオーバレイ表示を表示する場合に,注釈表示部34は,注釈データテーブル341の「ベース画面解像度」および「ベース表示位置」を用いて,指定レイヤに対応する注釈71の表示位置330を決定する(ステップS397)。
【0288】
次に,注釈表示部34は,指定レイヤのオーバレイ表示を行う(ステップS398)。オーバレイ表示後に,注釈表示部34は,ステップS399に処理を進める。ステップS396においてオーバレイ表示を非表示とする場合にも,ステップS399に処理を進める。
【0289】
次に,注釈表示部34は,オーバレイ表示を終了するか否か判断する(ステップS399)。オーバレイ表示を終了しない場合に(ステップS399のNo),注釈表示部34は,ステップS394に戻して,ステップS394以降の処理を繰り返す。オーバレイ表示を終了する場合に(ステップS399のYes),注釈表示部34は,処理を終了する。
【0290】
以下に,前述した処理フローにおいて説明していない実施例について説明する。
【0291】
〔第1の実施例〕
第1の実施例として,注釈71の登録および表示に関するユーザの権限に伴う,注釈表示のワークフローの一例を説明する。
【0292】
(1) 注釈管理装置2は,図7(A)に示すユーザデータテーブル274の「登録権限」が“要承認”であるユーザにおいて,当該ユーザにより注釈登録(仮登録)が行われる場合に,直ぐには注釈71は表示(または送信)されず,ユーザデータテーブル274の「承認権限」が“有”であるユーザ(承認権限者)の承認後に,注釈71が表示(または送信)される。例えば図5に示す注釈データテーブル271において,承認権限者の承認前には「公開状態」=“公開中止”とされ,承認権限者の承認後に「公開状態」=“公開”とされる。
【0293】
(2) 注釈データテーブル271に登録された注釈71が,図9(A)に示す通知禁止条件管理テーブル279の「禁止条件」に該当する場合に,注釈管理装置2の注釈情報登録部21は,図5に示す注釈データテーブル271の「公開状態」を“公開中止”とする。なお,該当する注釈71を“公開”とするために承認権限者の承認を必要とする。
【0294】
(3) 注釈71を登録するユーザがグループデータテーブル275のいずれかのグループに所属している場合に,当該グループに属する承認権限者の承認を必要としてもよい。なお,この場合に,承認権限者の承認が得られるまでの間は,対象者別注釈管理テーブル277の「状態フラグ」が“承認待”で登録(仮登録)される。
【0295】
(4) 上記(3)について,承認権限者が承認を行った後に,注釈情報登録部21は,対象者別注釈管理テーブル277の「状態フラグ」を“承認済”とし,注釈情報送信部23が当該承認後の注釈についての注釈情報7をユーザ(対象者)に送信する。
【0296】
以上説明したように,注釈管理装置2は,コンテンツ表示処理装置3に送信する注釈情報7を抽出する際に,注釈データテーブル271(注釈情報),ユーザデータテーブル274(対象者情報)および対象者別注釈管理テーブル277(これらの対応関係)を参照して,対象者ごとおよび注釈ごとに当該注釈表示を承認されたか(「状態フラグ」=“承認済”)否かを判断する。
【0297】
これにより,注釈管理装置2は,対象者ごとおよび注釈ごとに注釈表示が承認された注釈情報だけを抽出してコンテンツ表示処理装置3へ送信することができる。したがって,承認権限者である対象者からの承認の有無を調べて,注釈作成者が作成した注釈71について,公開する表示期間,公開対象者,グループ等が誤って登録されていた場合においても,また,誤った内容の注釈71が登録された場合においても,当該注釈71に係る注釈情報7をユーザに送信することを防止できる。
【0298】
〔第2の実施例〕
第2の実施例として,以下に,注釈71を閲覧したユーザが,表示した注釈71を他のユーザに転送するワークフローの例について説明する。
【0299】
(1) ユーザがコンテンツ表示処理装置3のコンテンツ表示画面に表示されている注釈71を選択し,注釈管理装置2へ接続して,ユーザデータテーブル274で「承認権限」を有するユーザが対象者一覧を用いて送信対象者を選択すると,表示している注釈71についての注釈情報7が,対象者別注釈管理テーブル277に登録される。これにより,注釈管理装置2が対象者ごとに通知メール130を送信するため,注釈情報7を他のユーザに転送することができる。
【0300】
(2) 図5に示す注釈データテーブル271の「公開レベル」が“不可”であれば,他のユーザに注釈情報7を転送できないようにしてもよい。また,注釈データテーブル271の「公開レベル」が“グループ”である場合に,当該ユーザの属するグループの他のユーザに限定して,注釈情報7を転送するようにしてもよい。
【0301】
(3) 最初に注釈71を登録したユーザが,他の特定のユーザまたはグループ以外に注釈情報7を送ることを制限したい場合には,注釈データテーブル271の「公開レベル」を“関係社外秘”または“グループ”などとして登録することができる。例えば,「公開レベル」が“関係者外秘”となっている場合に,他のユーザに注釈情報7を送ることを禁止する。「公開レベル」が“グループ”となっている場合は,最初に注釈71を登録したユーザと同じグループ以外に注釈情報7を送信することを禁止する。
【0302】
以上説明したように,本発明のコンテンツ表示システムによれば,以下の効果を奏する。
【0303】
・ コンテンツ6自体を変更することなく,コンテンツ6の任意な位置に注釈71を簡単に追加することができる。
【0304】
・ 注釈情報記憶部27に記憶された情報にもとづいて,コンテンツ6に対して注釈71をオーバレイ表示するレイヤを指定することができる。よって,複数のレイヤを切り替えまたは組み合わせて,様々な注釈71を組み合わせたオーバレイ表示を設定することができる。
【0305】
・ 注釈71ごとにレイヤを割り当ててレイヤ管理することができるため,注釈71の編集,変更などの管理も容易となる。例えば,複数の注釈71が対応付けられたレイヤをオーバレイ表示するかまたは非表示とするか,もしくは,レイヤを切り替えるかを,レイヤごとまたはレイヤグループごとに制御することができ,専用ツールの簡易な処理で,かつ高速に,複数の注釈を一括管理してコンテンツ上に表示にすることができる。
【0306】
・ 注釈71の表示を表示期間または対象者ごとに設定することができる。よって,注釈71の表示期間や対象者が変更される度に,注釈71を編集し直す手間や,コンテンツ6を編集し直す手間などを省くことができ,効率的かつ効果的に注釈71の提示が可能となる。
【0307】
・ コンテンツ6に対する注釈71を,ユーザ間で提供することができると共に,予め定められたグループ以外のユーザに不用意に転送することや,非公開対象に関する注釈71を転送することなどを防止することができる。
【0308】
・ 注釈情報記憶部27に,ユーザの表示履歴,操作履歴等を蓄積して管理できるため,対象者の表示履歴,操作履歴等のユーザ属性に応じて,対象者ごとに注釈71の表示または非表示の設定を行うことができる。特に,注釈71を,例えばマウスクリック,キーボードの特定キー押下等の対象者の入力操作に応じて,表示/非表示に設定することが可能である。例えば,上記特定キーの押下回数等により対象者が操作に習熟したと判断した場合に,操作ヘルプの内容を示す注釈71などは非表示に設定し,以降のコンテンツ6へのアクセス時には注釈71を非表示または小さく表示するように設定にすることができる。
【0309】
・ 注釈管理装置2は,対象者ごとに,専用ツールのインストール状態管理を管理しているため,コンテンツ表示処理装置3に注釈表示ツール30がインストールされているか,または,最新のバージョンに対応しているか等を管理し,対象者に通知することができる。そのため,対象者は注釈71が表示できない等のトラブルを事前に回避することができる。
【0310】
・ 注釈表示ツール30がインストールされている場合に,コンテンツ表示処理装置3では,簡易にコンテンツ6上に注釈71をオーバレイ表示することができる。
【0311】
・ ユーザが表示装置310に表示した後,一定時間経過したら注釈71を非表示または表示とすることができる。また,レイヤの切替表示をユーザの入力装置の操作に応じて表示または非表示を切り替えられるため,操作の流れに応じた注釈71の表示切替が可能となる。これにより,例えばコンテンツの内容を順序立て説明するために順を追って注釈を表示させるようなナビゲーションヘルプ機能,解説等の効果的な注釈表示をユーザに提供することができる。
【0312】
以上説明したコンテンツ用注釈生成装置1,注釈管理装置2およびコンテンツ表示処理装置3は,各々,専用のハードウェア,または,CPU,メモリ等から構成されるコンピュータからなり,これらのコンピュータとソフトウェアプログラムとによって,図2に示した各々の処理部の処理を実行する。これらのコンピュータに,予め前述した機能を実現するためのソフトウェアプログラムがインストールされる。これにより,図2に示す各処理部の処理が実現されて,コンピュータが備えるハードウェアと協働することによって,コンテンツ用注釈生成装置1,注釈管理装置2およびコンテンツ表示処理装置3として動作する。なお,これらのソフトウェアプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも,ネットワークを通して提供することも可能である。
【0313】
なお,図1および図2に示す構成では,コンテンツ用注釈生成装置1と注釈管理装置2とを別々の装置として示しているが,1つの装置として構成されていてもよい。また,コンテンツ用注釈生成装置1とコンテンツ表示処理装置3とが,1つの装置として構成されていてもよい。当然のことながら,これらの組み合わせは,図1および図2に示す実施例の構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0314】
1 コンテンツ用注釈生成装置
11 注釈入力受付部
12 表示書式受付部
13 表示期間受付部
14 表示対象者受付部
15 注釈情報生成部
16 注釈情報送信部
17 コンテンツ取得部
18 コンテンツ表示部
19 入力装置
110 表示装置
2 注釈管理装置
21 注釈情報登録部
22 注釈情報要求受付部
23 注釈情報送信部
24 メール通知部
25 対象者管理部
26 注釈表示ツール管理部
27 注釈情報記憶部
3 コンテンツ表示処理装置
30 注釈表示ツール
31 コンテンツ取得部
32 注釈情報取得部
33 コンテンツ表示部
34 注釈表示部
35 メール受信部
36 ツール取得部
37 ユーザ注釈情報記憶部
38 注釈状態変更部
39 入力装置
310 表示装置
4 コンテンツ提供装置
5 ネットワーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
注釈管理装置とコンテンツ表示処理装置とを備えて,コンテンツ上に注釈を表示させるコンテンツ表示システムであって,
前記注釈管理装置は,
注釈ごとに,該注釈を表示するコンテンツの参照情報,該注釈の作成時に前記コンテンツが描画された表示領域を示すベース画像解像度および前記ベース画像解像度において描画された前記コンテンツ上での該注釈の表示位置を示すベース表示位置を含む注釈情報,ならびに前記注釈情報に対応付けられた対象者とその通知先を含む対象者情報を格納する記憶部と,
前記コンテンツ表示処理装置から,コンテンツの参照情報および対象者を特定した注釈情報の要求を受け付け,前記要求されたコンテンツに対応付けられた注釈情報を前記要求したコンテンツ表示処理装置に送信する注釈情報送信部とを備え,
前記コンテンツ表示処理装置は,
前記コンテンツおよび注釈を表示する表示装置と,
コンテンツ提供装置からコンテンツを取得するコンテンツ取得部と,
前記取得したコンテンツのページサイズを特定し,前記表示装置におけるコンテンツの表示領域に前記コンテンツを描画するコンテンツ表示部と,
前記注釈管理装置に,前記コンテンツの参照情報および対象者を特定した注釈情報の要求を送信して,該当する参照情報を取得する注釈情報取得部と,
前記コンテンツ表示部から,前記表示装置におけるコンテンツの表示領域を示す表示画面解像度を取得し,前記コンテンツのページサイズに対応する注釈表示画面を生成し,前記注釈情報のベース画像解像度に対する前記表示画面解像度の比率を求め,該比率をもとに前記ベース表示位置の前記注釈表示画面における表示位置を計算し,前記注釈表示画面の該計算した表示位置に前記注釈情報に含まれる注釈を描画し,前記表示装置において,前記コンテンツの描画と前記注釈表示画面とをオーバレイ表示する注釈情報表示部とを備える
ことを特徴とするコンテンツ表示システム。
【請求項2】
前記注釈管理装置は,
前記記憶部に,前記コンテンツ表示処理装置が備える前記注釈情報取得部および前記注釈情報表示部の有無または更新状態を示す注釈表示ツール管理情報を,前記対象者に対応付けて記憶し,
前記コンテンツ表示処理装置から受け付けた前記注釈情報の要求をした対象者に対応付けられた注釈表示ツール管理情報をもとに,該コンテンツ表示処理装置に前記注釈情報取得部および前記注釈情報表示部が存在しない状態または最新の更新状態ではないと判断したときは,前記注釈情報取得部および前記注釈情報表示部に相当するプログラムを,該コンテンツ表示処理装置に送信する注釈表示ツール管理部を備え,
前記コンテンツ表示処理装置は,
前記注釈管理装置から取得した前記プログラムをインストールして,前記注釈情報取得部および前記注釈情報表示部を構築または前記注釈情報取得部および前記注釈情報表示部を最新状態に更新するツール取得部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ表示システム。
【請求項3】
前記注釈管理装置は,
前記記憶部は,注釈の表示または非表示を示す公開状態を含む前記注釈情報と,前記対象者ごとに各注釈の表示期間を示す管理情報を記憶し,
前記管理情報を参照して,前記コンテンツ表示装置から受け付けた注釈情報の要求の日時が,前記要求した対象者が対応付けられた各注釈の表示期間内であるかを判定し,前記注釈情報の要求の日時が前記表示期間内ではない注釈の注釈情報の前記公開状態を非表示に設定する対象者管理部を備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンテンツ表示システム。
【請求項4】
前記記憶部は,対象者ごとに各注釈の注釈情報の送信回数を該注釈の閲覧数として記録する前記管理情報を記憶し,
前記対象者管理部は,各対象者への注釈の注釈情報の送信回数を前記管理情報に記録し,前記管理情報を参照して,前記コンテンツ表示装置から受け付けた注釈情報の要求をした対象者のコンテンツに対する各注釈の閲覧回数が所定数を超えているかを判定し,該閲覧回数が所定数を超えている注釈の注釈情報の前記公開状態を非表示に設定する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコンテンツ表示システム。
【請求項5】
前記コンテンツ表示装置は,
前記表示装置で前記コンテンツおよび前記注釈が表示されている間に,前記表示されたコンテンツに関連する操作を検出して,前記注釈管理装置へ該操作の検出を通知する注釈情報変更部を備え,
前記注釈管理装置の前記記憶部は,対象者ごとに各注釈の表示中の操作の検出回数を記録する前記管理情報を記憶し,
前記対象者管理部は,前記操作の検出を受け付けて,前記管理情報に該操作の検出回数を登録し,前記管理情報の前記対象者の各注釈の表示中の操作の検出回数が所定数を超えているかを判定し,前記操作の検出回数が所定数を超えている注釈の注釈情報の前記公開状態を非表示に設定する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のコンテンツ表示システム。
【請求項6】
入力装置と,
コンテンツおよび注釈を表示する表示装置と,
コンテンツ提供装置からコンテンツを取得するコンテンツ取得部と,
前記取得したコンテンツのページサイズを特定し,前記表示装置におけるコンテンツの表示領域に前記コンテンツを描画するコンテンツ表示部と,
前記入力装置から,前記表示装置において前記コンテンツが描画される表示領域に描画されたコンテンツ上で注釈の表示位置として指定された位置,および該注釈の内容を受け付ける注釈入力受付部と,
前記入力装置から,前記注釈を表示させる対象者を示す情報を受け付ける表示対象者受付部と,
前記表示装置において前記コンテンツが描画される表示領域を示すベース画像解像度を取得し,前記表示領域における前記注釈の表示位置として指定された位置をベース表示位置とし,前記注釈について,前記コンテンツの参照情報,該注釈の内容,前記ベース画像解像度および前記ベース表示位置を含む注釈情報を生成し,前記注釈について,該注釈を表示させる対象者とその通知先を含む対象者情報を生成する注釈情報生成部と,
前記注釈情報および対応付けられた対象者情報を記憶する記憶部を前記注釈管理装置へ送信する注釈情報送信部とを有する
コンテンツ用注釈生成装置を備える
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のコンテンツ表示システム。
【請求項7】
コンテンツ上に注釈を表示させるコンテンツ表示システムで用いる情報を生成する装置であって,
入力装置と,
コンテンツおよび注釈を表示する表示装置と,
コンテンツ提供装置からコンテンツを取得するコンテンツ取得部と,
前記取得したコンテンツのページサイズを特定し,前記表示装置におけるコンテンツの表示領域に前記コンテンツを描画するコンテンツ表示部と,
前記表示装置において前記コンテンツが描画される表示領域に描画されたコンテンツ上で注釈の表示位置として指定された位置,および該注釈の内容を受け付ける注釈入力受付部と,
前記注釈を表示させる対象者を示す情報を受け付ける表示対象者受付部と,
前記表示装置において前記コンテンツが描画される表示領域を示すベース画像解像度を取得し,前記表示領域における前記注釈の表示位置として指定された位置をベース表示位置とし,前記注釈について,前記コンテンツの参照情報,該注釈の内容,前記ベース画像解像度および前記ベース表示位置を含む注釈情報を生成し,前記注釈について,該注釈を表示させる対象者とその通知先を含む対象者情報を生成する注釈情報生成部とを備える
ことを特徴とするコンテンツ用注釈生成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2012−164113(P2012−164113A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23738(P2011−23738)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(598097552)株式会社富士通マーケティング (30)
【Fターム(参考)】