コンテンツ記録装置および方法、撮像装置、並びにコンピュータ・プログラム
【課題】第1の記録媒体に対して循環記録動作を行い、第2の記録媒体に対して通常記録動作を行うものとして、第1の記録媒体に第2の記録媒体と同時に同一コンテンツが記録可能とされているとき、第1の記録媒体に記録されたコンテンツの管理を容易に行うことできるようにする。
【解決手段】制御部130は、循環記録メディア141にコンテンツを循環的に記録する。操作部148でコンテンツの記録開始操作と記録終了操作が行われたとき、制御部130は、記録開始操作から記録終了操作までのコンテンツを、通常記録メディア142に同時に記録する。制御部130は、メディア141のコンテンツにおけるメディア142に記録されたコンテンツ部分の開始点と終了点を管理する。このため、メディア142に記録されたコンテンツがメディア141のいずれに記録されているか容易に把握できるようになる。
【解決手段】制御部130は、循環記録メディア141にコンテンツを循環的に記録する。操作部148でコンテンツの記録開始操作と記録終了操作が行われたとき、制御部130は、記録開始操作から記録終了操作までのコンテンツを、通常記録メディア142に同時に記録する。制御部130は、メディア141のコンテンツにおけるメディア142に記録されたコンテンツ部分の開始点と終了点を管理する。このため、メディア142に記録されたコンテンツがメディア141のいずれに記録されているか容易に把握できるようになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテンツ記録装置および方法、撮像装置、並びにコンピュータ・プログラムに関する。詳しくは、第1の記録媒体にコンテンツを循環的に記録し、この第1の記録媒体に第2の記録媒体と同時に同一コンテンツが記録されるとき、第1の記録媒体に記録されたコンテンツの管理を容易に行えるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の記録媒体(例えばHDD:Hard Disk Drive)を有する機器のコンテンツ記録方法として、例えば特許文献1のように同じコンテンツを複数のハードディスクドライブに同時に記録するミラー記録(シンクロ記録ともいう)や、コンテンツをストライピングして複数のハードディスクドライブのループ記憶領域に記録することで、耐障害性を高めることが行われている。
【0003】
また、特許文献2の発明では、循環記録領域の有効活用や循環記録領域へのアクセス効率を向上させるため、特許文献2の発明では入力データを複数のサブブロックからなる所定サイズのデータブロックに編集してディスク装置に記録し、サブブロック単位でデータの読み出しが行われている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−149298号公報
【特許文献2】特開2004−355724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ミラー記録によって例えば2つの記録媒体にコンテンツを同時に記録するだけでなく、記録媒体にコンテンツを循環的に記録するループ記録を用いて一方の記録媒体にコンテンツを記録すれば、記録媒体を有効活用して所望のコンテンツを容易に得ることができる。
【0006】
このような記録を行えば、ユーザ操作が遅れてしまい、所望のタイミングでコンテンツの記録を行うことができなかった場合でも、このときのコンテンツがループ記録によって記録媒体に記録されていることから、撮り逃しを防止できる。また、ユーザ操作に応じて記録されたコンテンツの記録ファイルが破損しても、このコンテンツと等しいコンテンツがループ記録によって記録媒体に記録されるので、ループ記録に用いた記録媒体から所望のコンテンツを読み出すことができる。
【0007】
しかし、コンテンツをループ記録によって記録媒体に単に循環的に記録するものでは、ループ記録に用いた記録媒体にどのようなコンテンツが記録されているか等の管理をユーザは容易に行うことができない。
【0008】
そこで、この発明では、第1の記録媒体に対して循環記録動作を行い、第2の記録媒体に対して通常記録動作を行うものとして、第1の記録媒体に第2の記録媒体と同時に同一コンテンツが記録可能とされているとき、第1の記録媒体に記録されたコンテンツの管理を容易に行うことできるコンテンツ記録装置および方法、撮像装置、並びにコンピュータ・プログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の第1の側面は、第1および第2の記録媒体と、前記第1および第2の記録媒体へのコンテンツの記録動作を制御する制御部を有し、前記制御部は、前記第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する循環記録動作を行い、前記第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行い、前記第1の記録媒体における前記第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理するコンテンツ記録装置にある。
【0010】
この発明において、第1の記録媒体には、コンテンツが循環的に記録される。また、所望の部分を記録するため、ユーザによって通常記録開始操作と通常記録終了操作が行われたとき、通常記録開始操作が行われてから通常記録終了操作が行われるまでのコンテンツが第2の記録媒体に記録される。第1の記録媒体と同時に第2の記録媒体に同一コンテンツが記録されると、第1の記録媒体に記録されるコンテンツは、第2の記録媒体に同時記録されているコンテンツ部分である記録コンテンツと第2の記録媒体に記録されていないコンテンツ部分である補間コンテンツにファイルが分割されて、第2の記録媒体に記録されたコンテンツ部分の開始点と終了点が管理される。または、第1の記録媒体に記録されたコンテンツのファイルにおける該ファイル先頭からの第2の記録媒体に記録されたコンテンツの位置情報を用いて、第2の記録媒体に記録されたコンテンツの開始点と終了点が管理される。
【0011】
第1の記録媒体に記録されるコンテンツが記録コンテンツのファイルと補間コンテンツのファイルに分割される場合、記録コンテンツのファイルに対しては、第2の記録媒体に記録するコンテンツのファイルと等しいファイル名が設定される。また補間コンテンツのファイルに対しては、補間コンテンツのファイルであることを識別可能とするファイル名が設定される。さらに、第1の記録媒体にコンテンツを記録する際に、記録したコンテンツのデータ量が所定量に達する毎にコンテンツのファイルが分割される。
【0012】
さらに、この発明においては、コンテンツの画像表示を行うための画像表示信号を生成する表示処理部が設けられて、第1の記録媒体における記録可能な空き領域が所定量未満となったとき、第1の記録媒体に記録されているコンテンツから例えば時間的に最も古いコンテンツが削除コンテンツとされる。また、削除コンテンツの再生が行われて、第1の記録媒体に記録するコンテンツの画像を親画面表示、再生された削除コンテンツの画像を子画面表示とした画像表示信号が生成される。その後、第1の記録媒体へのコンテンツ記録時に空き領域がなくなると削除コンテンツが削除されて、空き領域が確保される。
【0013】
この発明の第2の側面は、被写体を撮像して動画像のコンテンツを生成する撮像部と、
第1および第2の記録媒体と、前記第1および第2の記録媒体への前記コンテンツの記録動作を制御する制御部を有し、前記制御部は、前記第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する循環記録動作を行い、前記第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行い、前記第1の記録媒体における前記第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理する撮像装置にある。
【0014】
この発明では、被写体を撮像して得た動画像のコンテンツが、第1の記録媒体に循環的に記録される。また、所望の被写体を記録するため、ユーザによって録画スタート操作と録画ストップ操作が行われたとき、録画スタート操作が行われてから録画ストップ操作が行われるまでの動画像コンテンツが第2の記録媒体に記録される。第2の記録媒体に動画像のコンテンツが記録されると、第1の記録媒体に記録されるコンテンツは、第2の記録媒体に記録されているコンテンツ部分である記録コンテンツと第2の記録媒体に記録されていなコンテンツ部分である補間コンテンツにファイルが分割されて、第2の記録媒体に記録されたコンテンツ部分の開始点と終了点の管理が行われる。または、第1の記録媒体に記録されたコンテンツのファイルにおける該ファイルの先頭からの第2の記録媒体に記録されたコンテンツの位置情報を用いて、第2の記録媒体に記録されたコンテンツの開始点と終了点が管理される。
【0015】
この発明の第3の側面は、コンピュータを、第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録させる循環記録動作を行い、第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行う記録制御手段と、前記第1の記録媒体における前記第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理する記録管理手段として動作させるコンピュータ・プログラムにある。
【0016】
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する循環記録動作が行われて、第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作が行われる。さらに、第1の記録媒体における第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点が管理される。このため、第1の記録媒体に記録されているコンテンツの管理を容易に行うことが可能となり、例えば第2の記録媒体に記録されたコンテンツが破損しても、破損する前のコンテンツを第1の記録媒体から容易に読み出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する動作を循環記録動作(以下「ループ記録」という)、記録媒体にコンテンツを非循環的に記録する動作すなわち記録可能な空き領域がなくなったときに記録を終了する動作を非循環記録動作(通常記録動作)として以下の説明を行う。また、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(ループ記録時にコンテンツ分割処理を行う場合)
2.第2の実施の形態(ループ記録時に削除されるコンテンツの画像表示を行う場合)
【0019】
<1.第1の実施の形態>
[コンテンツ記録装置の構成]
図1は、コンテンツ記録装置の構成を示している。なお、図1に示すコンテンツ記録装置は、例えば撮像画像を記録する撮像装置の場合である。
【0020】
撮像装置10は、撮像部101、前処理部111、カメラ信号処理部112、圧縮符号化処理部113、伸張復号化処理部122、画素数変換部123、表示処理部125、制御部130、循環的にコンテンツが記録される記録媒体(以下「循環記録メディア」という)141、所望のコンテンツが記録される記録媒体(以下「通常記録メディア」という)142、表示部145、操作部148等を備えている。
【0021】
撮像装置10の撮像部101は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型や、CCD(Charge Coupled Device)型の撮像素子が用いられている。撮像部101は、レンズユニット(図示せず)等を介して撮像装置に取り込まれた入射光の光電変換を行い、画像信号を生成する。撮像部101は、例えばNTSC方式の仕様である60fps(フィールド/秒)以上のレートで信号を読み出すことができる。
【0022】
コンテンツ処理部110の前処理部111は、撮像部101から出力された画像信号に対して、AGC(Auto Gain Control)処理により利得を制御する。また、前処理部111は、A/D変換を行い、利得の制御が行われた画像信号をデジタルの画像信号に変換してカメラ信号処理部112に出力する。
【0023】
カメラ信号処理部112は、前処理部111から供給された画像信号に対して、ホワイトバランス調整処理や色補正処理、YC変換処理などのカメラ信号処理を施す。カメラ信号処理部112は、カメラ信号処理を施した画像信号を、圧縮符号化処理部113と表示処理部125に出力する。
【0024】
圧縮符号化処理部113は、カメラ信号処理部112から供給された画像信号に対して、圧縮符号化処理例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)などの画像符号化方式を用いた圧縮符号化処理を行う。また、圧縮符号化処理部113は、圧縮符号化処理を行うことにより得られた符号化データを、バッファメモリ114に出力する。
【0025】
バッファメモリ114は、符号化データを一時的に蓄積するFIFO(First In First Out)方式のメモリであり、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)などが用いられている。このバッファメモリ114に蓄積された符号化データは、後述するメディア制御部131によって読み出されて、循環記録メディア141や通常記録メディア142に記録される。
【0026】
バッファメモリ121は、バッファメモリ114と同様に符号化データを一時的に蓄積するFIFO(First In First Out)方式のメモリであり、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)などが用いられている。このバッファメモリ121には、後述するメディア制御部131によって循環記録メディア141または通常記録メディア142から読み出された符号化データが蓄積される
伸張復号化処理部122は、バッファメモリ121に蓄積されている符号化データを読み出して伸張復号化処理を行い、圧縮符号化処理が行われる前の画像信号に戻して画素数変換部123と信号選択部124に出力する。
【0027】
画素数変換部123は、伸張復号化処理部122から供給された画像信号の画素数変換処理を行う。画素数変換部123は、伸張復号化処理部122から供給された画像信号に基づく画像を、後述する表示部145の画面上に子画面(ピクチャーインピクチャー)として表示できるように画像を縮小する処理を行い、画素数変換処理後の画像信号を信号選択部124に供給する。
【0028】
信号選択部124は、伸張復号化処理部122から供給された画像信号、または画素数変換部123から供給された画像信号のいずれかを選択して表示処理部125に供給する。信号選択部124は、後述する制御部130からの制御信号に基づき、循環記録メディア141あるいは通常記録メディア142に記録された画像を表示部145に表示させるとき、伸張復号化処理部122から供給された画像信号を選択して表示処理部125に供給する。また、信号選択部124は、循環記録メディア141あるいは通常記録メディア142に記録された画像を子画面で表示部145に表示させるとき、画素数変換部123から供給された画像信号を選択して表示処理部125に供給する。
【0029】
表示処理部125は、カメラ信号処理部112から供給された画像信号や信号選択部124から供給された画像信号を用いて、表示部145で画像表示を行うための画像表示信号を生成する。表示処理部125は、撮像装置で取り込まれている被写体の画像を表示部145で表示するとき、カメラ信号処理部112から供給された画像信号を画像表示信号として表示部145に供給する。また、表示処理部125は、循環記録メディア141あるいは通常記録メディア142に記録されている画像を表示部145で表示するとき、信号選択部124から供給された画像信号を画像表示信号として表示部145に供給する。また、表示処理部125は、カメラ信号処理部112から供給された画像信号に、信号選択部124から供給された子画面の画像信号を重畳して画像表示信号を生成することで、撮像装置で取り込まれている被写体の画像を親画面、循環記録メディア141あるいは通常記録メディア142に記録されている画像を子画面として表示部145で表示させる処理も行う。さらに、表示処理部125は、キャラクタジェネレータを内蔵しており、表示処理部125に入力された画像信号に対して、アイコン、エラーメッセージ、GUIメニューなどの文字および画像データを重畳して画像表示信号を生成することで、表示部145にオンスクリーンディスプレイすることができるようになされている。
【0030】
制御部130は、循環記録メディア141に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する循環記録動作を行い、通常記録メディア142に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行う。また、制御部130は循環記録メディア141における通常記録メディア142と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理する。
【0031】
制御部130は、メディア制御部131とシステム制御部132で構成されている。メディア制御部131は、循環記録メディア141や通常記録メディア142に対する符号化データの書き込みおよび読み出しの制御を行う。メディア制御部131は、バッファメモリ114に蓄積されている符号化データを読み出して循環記録メディア141や通常記録メディア142に書き込む処理を行う。また、メディア制御部131は、循環記録メディア141や通常記録メディア142に書き込まれている符号化データを読み出して、バッファメモリ121に蓄積させる処理を行う。
【0032】
循環記録メディア141および通常記録メディア142としては、例えばフラッシュメモリなどの半導体メモリ、DVDなどの光学ディスク、さらにHDDなどを用いるものとする。この循環記録メディア141と通常記録メディア142は、基本的には脱着可能なものが適用されるが、循環記録メディア141と通常記録メディア142を脱着不能として、記録したデータを、通信インタフェースを介して外部に出力できるようにしてもよい。また、循環記録メディア141が脱着不能であり、通常記録メディア142が脱着可能である構成としてもよい。
【0033】
システム制御部132は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などから構成されるマイクロコントローラである。システム制御部132は、ROMなどに記憶されたプログラムを実行して、操作部148からの操作信号に基づき撮像装置の各部を統括的に制御することにより、ユーザ操作に応じて撮像装置を動作させる。また、メディア制御部131の動作を制御して、符号化データの書き込みおよび読み出しの制御を行わせる。さらに、循環記録メディア141や通常記録メディア142に記録されたコンテンツの管理を行う。
【0034】
操作部148は、操作スイッチや操作ボタン等が設けられており、ユーザ操作に応じて操作信号を生成してシステム制御部132に供給する。また、操作部148は、循環記録メディア141への録画操作ボタンと、通常記録メディア142への録画操作ボタンは、それぞれ個別に設けるようにし、各々の記録メディアが独立してコンテンツの録画操作ができるようにする。
【0035】
表示部145は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)等の表示素子を用いて構成されており、表示処理部125から供給された画像表示信号に基づいて、撮像中のカメラスルー画像や循環記録メディア141あるいは通常記録メディア142に記録されているデータの再生画像等を表示する。
【0036】
[記録時のシグナルフロー]
図2は、記録時におけるシグナルフローを示している。なお、図2では、記録時における画像信号と符号化信号の経路を実線の矢印で示している。
【0037】
撮像部101から出力された画像信号は、前処理部111とカメラ信号処理部112を経由して、圧縮符号化処理部113と表示処理部125に伝送される。
【0038】
圧縮符号化処理部113は、カメラ信号処理部112から供給された画像信号に対して圧縮符号化処理を行い、得られた符号化データをバッファメモリ114に蓄積する。
【0039】
メディア制御部131は、バッファメモリ114に、例えば1GOP(Group of picture)の整数倍単位である画像分の符号化データが蓄積されたところで、この蓄積されている符号化データをバッファメモリ114から読み出して循環記録メディア141と通常記録メディア142のそれぞれに、またはどちらか一方にのみに記録する。なお、圧縮符号化処理部113の圧縮符号化処理が、固定ビットレート(CBR:Constant Bit rate)で行われていれば、符号化データのデータ量で、1GOPの整数倍単位である画像分の符号化データが蓄積されたか否かを判別できる。また、圧縮符号化処理部113の圧縮符号化処理が、可変ビットレート(VBR:Variable Bit rate)で行われていれば、圧縮符号化処理部113で圧縮符号化処理したフレームから1GOPの整数倍単位である画像分の符号化データが蓄積されたか否かを判別できる。
【0040】
表示処理部125は、カメラ信号処理部112から供給された画像信号を画像表示信号として表示部145に供給することで、撮影中のカメラスルー画像を表示部145に表示させる。
【0041】
[再生時のシグナルフロー]
図3は、再生時におけるシグナルフローを示している。なお、図3では、再生時における符号化信号と画像信号の経路を実線の矢印で示している。
【0042】
メディア制御部131は、循環記録メディア141または通常記録メディア142から符号化データを読み出してバッファメモリ121に蓄積させる。
【0043】
伸張復号化処理部122は、バッファメモリ121に蓄積された符号化データを読み出して伸張復号化処理を行い、得られた画像信号を信号選択部124に供給する。信号選択部124は、伸張復号化処理部122から供給された画像信号を選択して表示処理部125に供給する。
【0044】
表示処理部125は、伸張復号化処理部122から信号選択部124を介して供給された画像信号を画像表示信号として表示部145に供給することで、循環記録メディア141または通常記録メディア142に記録されているデータの再生画像を表示部145で表示させる。
【0045】
[コンテンツのファイル生成イメージ]
図4は、コンテンツのファイル生成イメージを示している。なお、図4の(A)は、通常記録メディア142の記録領域421におけるファイル生成イメージ、図4の(B)は、循環記録メディア141の記録領域411におけるファイル生成イメージを示している。
【0046】
循環記録メディア141の記録領域411には、ループ記録により作成されるコンテンツのファイルイメージが格納される。通常記録メディア142の記録領域421には、通常記録により作成されるコンテンツのファイルイメージが格納される。
【0047】
通常記録では、ユーザが操作部148の録画スタート/ストップボタンを操作したことにより、記録を開始または停止して、コンテンツを通常記録メディア142に記録する。また、ループ記録では、循環記録開始イベントの発生から循環記録終了イベントの発生まで、循環記録メディア141にコンテンツを循環的に(リングバッファ的に)記録する。循環記録開始イベントとは、前述の録画スタートボタン操作とは異なる方法、例えば通常記録の録画スタートボタンとは別に設けた録画ボタンの録画スタート操作や、電源のオン動作などである。また、循環記録終了イベントとは、前述の録画ストップボタン操作とは異なる方法、例えば通常記録の録画ストップボタンとは別に設けた録画ボタンの録画ストップ操作や、電源のオフ動作やスタンバイ動作などである。
【0048】
記録領域411、421は、例えば循環記録メディア141および通常記録メディア142としてフラッシュメモリを用いた場合、フラッシュメモリの全記録領域、または、フラッシュメモリの全記録領域のうち、固定長サイズで区切った領域(例えばファイルシステムで規定された上限サイズの領域)を指す。また、あるフォルダ内でループ記録ファイルを作成するようにし、そのフォルダ内に記録されるコンテンツデータの合計サイズに上限値Mを設けるような管理の方法でもよい。
【0049】
本発明では、論理的に記録領域を管理することを想定して説明するが、物理的に記録領域を管理するようにしてもよい。なお、論理的に記録領域を管理する場合は、ユーザが書き換え可能な記録領域411、421以外に、例えばFAT16、FAT32などのファイルデータ(クラスタ)のチェーン構造を管理するFAT(File Allocation Table)領域や、コンテンツのファイルイメージが格納されているアドレス(クラスタ)、ファイルネーム、ファイル属性などのディレクトリエントリ情報を管理する領域などが存在する。また、記録動作により記録領域411、421のファイルイメージの内容が更新される場合は、これらのFAT領域やディレクトリエントリ領域の内容も更新される。
【0050】
ユーザの録画スタート/ストップ操作により作成されたコンテンツのファイルネームは、コンテンツのファイルイメージを作成した時刻情報である年(yyyy)、月(m1)、日(dd)、時(hh)、分(m2)、秒(ss)、フレームカウント(ff)、および同一時刻の重複を避けるための通し番号(nn)をもとに、第1の書式例えば「yyyym1dd_hhm2ssff_nn.MPG」で示す書式を用いたファイルネームとしている。例えば2008年3月11日10時50分10秒00フレームに録画を開始した通し番号01番のコンテンツPGcaは、「20080311_10501000_01.MPG」で示すファイルネームになる。また、2008年3月11日10時55分59秒00フレームに録画を開始した通し番号01番のコンテンツPGcbは、「20080311_10555900_01.MPG」で示すファイルネームになる。なお、「.MPG」は、MPEG方式を用いて圧縮符号化を行った符号化データの記録ファイルであることを示す拡張子である。
【0051】
ループ記録で生成されるファイルイメージは、ループ記録を行っているときにユーザの録画スタート/ストップ操作に応じてファイルを分割したイメージとする。すなわち、ループ記録で生成されるファイルイメージは、循環記録メディア411における通常記録メディア412と同時に記録された同一コンテンツ部分(以下「記録コンテンツ」という)と、記録コンテンツ間を補間するコンテンツ部分(以下「補間コンテンツ」という)で構成される。なお、記録コンテンツとは、ユーザの録画スタート操作から録画ストップ操作までの期間の画像を示すコンテンツである。また、補間コンテンツとは、ユーザの録画ストップ操作から次にユーザの録画スタート操作が行われるまでの期間の画像を示すコンテンツである。
【0052】
ここで、循環記録メディア141に記録された記録コンテンツは、通常記録メディア142に記録されたコンテンツと同一であることから、通常記録メディア142に記録されたコンテンツとファイル名を等しくする。また、ユーザの録画スタート/ストップ操作により作成された記録コンテンツと、記録コンテンツ間を補間した補間コンテンツを区別できるように、補間コンテンツは、記録コンテンツと異なる第2の書式を用いたファイルネームとする。例えば、コンテンツのファイルイメージを作成した時刻情報である年(yyyy)、月(m1)、日(dd)、時(hh)、分(m2)、秒(ss)、フレームカウント(ff)、および同一時刻の重複を避けるための通し番号(nn)に、補間コンテンツであることを示す情報(LOOP)を付加して、第2の書式例えば「yyyym1dd_hhm2ssff_nn_LOOP.MPG」で示す書式を用いたファイルネームとする。
【0053】
なお、ファイルサイズの上限値Mが規定されている場合、コンテンツの符号化データを複数のファイルに分割して、分割されたファイルを通し番号(nn)で管理する。
【0054】
例えば、2008年3月11日10時50分10秒00フレームに録画を開始すると、記録コンテンツであるコンテンツPGcaのファイル「20080311_10501000_01.MPG」が記録領域411、421に生成される。なお、コンテンツの録画が開始されると、補間コンテンツであるコンテンツPGdaのファイル「20080311_10440000_01_LOOP.MPG」が完結される。また、2008年3月11日10時51分00秒00フレームでコンテンツPGcaの録画を終了すると、ファイル「20080311_10501000_01.MPG」が完結して、記録領域411には、補間コンテンツであるコンテンツPGdbのファイル「20080311_10510000_01_LOOP.MPG」が生成される。このファイル「20080311_10510000_01_LOOP.MPG」がファイルサイズの上限値Mに達するときは、コンテンツPGdbの新たなファイルとして、ファイル「20080311_10510000_02_LOOP.MPG」が生成される。その後、2008年3月11日10時55分59秒00フレームでコンテンツPGcbの録画を開始すると、ファイル「20080311_10555900_01.MPG」が記録領域411、421に生成される。
【0055】
[コンテンツの記録動作]
図5は、コンテンツの記録動作を示すフローチャートである。ステップST1で制御部130は、操作部148からの操作信号に基づき録画操作を検出してステップST2に進む。
【0056】
ステップST2で制御部130は、録画トリガーを決定する。制御部130は、録画操作が通常記録の記録開始操作、通常記録の記録終了操作、ループ記録の記録開始操作、ループ記録の記録終了操作のいずれであるか判別する。さらに、制御部130は、判別したユーザ操作および記録メディアが記録中であるか否の判別結果、記録メディアに符号化データを記録できる空き領域がある状態(記録可能状態)か否かの判別結果等を録画トリガーとしてステップST3に進む。
【0057】
通常記録では、ユーザが操作部148の録画スタート/ストップボタンを操作したことにより、記録を開始または停止して、コンテンツを通常記録メディア142に記録する。また、ループ記録では、循環記録開始イベントの発生から循環記録終了イベントの発生まで、循環記録メディア141にコンテンツを循環的に記録する。
【0058】
制御部130は、例えば循環記録メディア141が記録可能状態で通常記録メディア142が記録停止中である場合、録画スタート/ストップボタンが操作されたときは、通常記録メディア142への録画動作をスタートさせる。また、制御部130は、例えば通常記録メディア142が記録中である場合に録画スタート/ストップボタンが操作されたとき、通常記録メディア142への録画動作をストップさせる。このように、制御部130は、記録メディアの記録状態がトグル動作するよう録画トリガーを決定する。
【0059】
ステップST3で制御部130は、録画トリガーに応じて録画制御を行いステップST1に戻る。なお、ステップST1からステップST3の処理は、例えば撮像装置が撮影可能な状態にあるとき、1フレーム(または1フィールド)に1回、定常的に実行する。
【0060】
[録画制御]
図6は、録画制御を示すフローチャートである。ステップST11で制御部130は、通常記録メディア142に対する録画スタートを行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき通常記録メディア142に対する録画スタート動作を行うと判別したときステップST12に進み、ステップST12で通常記録開始処理を行ったのちステップST13に進む。また、制御部130は、通常記録メディア142に対する録画スタート動作を行わないと判別したときステップST13に進む。なお、ステップST12の通常記録開始処理については後述する。
【0061】
ステップST13で制御部130は、通常記録メディア142に対する録画ストップ動作を行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき通常記録メディア142に対する録画ストップ動作を行うと判別したときステップST14に進み、ステップST14で通常記録停止処理を行ったのちステップST15に進む。また、制御部130は、通常記録メディア142に対する録画ストップ動作を行わないと判別したときステップST15に進む。なお、ステップST14の通常記録停止処理については後述する。
【0062】
ステップST15で制御部130は、循環記録メディア141に対する録画スタート動作を行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき循環記録メディア141に対する録画スタート動作を行うと判別したときステップST16に進み、ステップST16でループ記録開始処理を行ったのちステップST17に進む。また、制御部130は、循環記録メディア141に対する録画スタート動作を行わないと判別したときステップST17に進む。なお、ステップST16のループ記録開始処理については後述する。
【0063】
ステップST17で制御部130は、循環記録メディア141に対する録画ストップ動作を行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき循環記録メディア141に対する録画ストップ動作を行うと判別したときステップST18に進み、ステップST18でループ記録停止処理を行ったのちステップST19に進む。また、制御部130は、循環記録メディア141に対する録画ストップ動作を行わないと判別したときステップST19に進む。なお、ステップST18のループ記録停止処理については後述する。
【0064】
ステップST19で制御部130は、通常記録メディア142が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき通常記録メディア142が記録中であると判別したときステップST20に進み、ステップST20で通常記録制御処理を行ったのちステップST21に進む。また、制御部130は、通常記録メディア142が記録中でないと判別したときステップST21に進む。なお、ステップST20の通常記録制御処理については後述する。
【0065】
ステップST21で制御部130は、循環記録メディア141が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき循環記録メディア141が記録中であると判別したときステップST22に進み、ステップST22でループ記録制御処理を行ったのち録画制御のループを終了する。また、制御部130は、循環記録メディア141が記録中でないと判別したとき録画制御のループを終了する。なお、ステップST22のループ記録制御処理については後述する。
【0066】
なお、図6に示す録画制御のフローチャートでは、循環記録メディア141の録画トリガーとして、循環記録メディア141に対する録画スタート操作が行われたとき、ループ記録を開始するものとしたが、撮像装置が電源オン状態で撮影が可能な状態となったことを録画トリガーとして、常時ループ記録を行うようにしてもよい。
【0067】
[通常記録開始処理]
図7は、通常記録開始処理を示すフローチャートである。通常記録メディア142への録画スタート指示のトリガーを受けたとき、ステップST121で制御部130は、通常記録メディア142の記録ファイルネーム設定を行う。制御部130は、通常記録で通常記録メディア142に記録するコンテンツのファイルネームを設定する。具体的には、コンテンツのファイルイメージを作成した時刻情報および同一時刻の重複を避けるための通し番号をもとに、第1の書式例えば「yyyym1dd_hhm2ssff_nn.MPG」で示す書式を用いたファイルネームを設定してステップST122に進む。
【0068】
ステップST122で制御部130は、循環記録メディア141が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、圧縮符号化処理部113で生成された符号化データを循環記録メディア141に記録する処理が行われていないときステップST123に進み、記録する処理が行われているときステップST124に進む。
【0069】
ステップST123で制御部130は、圧縮符号化処理を開始させてステップST125に進む。例えば、符号化データを循環記録メディアや通常記録メディアに記録する処理が行われていないとき、符号化データを生成する必要がないことから圧縮符号化処理部113の動作を停止することで消費電力を削減できる。このような場合、ステップST123の処理を行うときには、圧縮符号化処理部113の動作が停止された状態となっている。したがって、制御部130は、圧縮符号化処理部113の動作を開始させて、バッファメモリ114に符号化データを蓄積されてステップST125に進む。
【0070】
ステップST124で制御部130は、循環記録メディア141の記録ファイルネーム設定を行う。制御部130は、ユーザの録画スタート/ストップ操作により新たに作成されるコンテンツのファイルネームを設定する。具体的には、コンテンツのファイルイメージを作成した時刻情報および同一時刻の重複を避けるための通し番号をもとに、第1の書式例えば「yyyym1dd_hhm2ssff_nn.MPG」で示す書式を用いたファイルネームを設定してステップST125に進む。
【0071】
ステップST125で制御部130は、通常記録メディア142への符号化データの記録を開始して、通常記録開始処理を終了する。
【0072】
なお、通常記録メディア142への符号化データの記録を開始したとき、制御部130は、設定された記録ファイルネームのファイルに、バッファメモリ114に所定量の符号化データが蓄積されるタイミングで、この蓄積された符号化データを記録する。
【0073】
[通常記録停止処理]
図8は、通常記録停止処理を示すフローチャートである。通常記録メディア142への録画ストップ指示のトリガーを受けたとき、ステップST141で制御部130は、通常記録メディア142への符号化データの記録を終了してステップST142に進む。
【0074】
ステップST142で制御部130は、循環記録メディア141が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、圧縮符号化処理部113で生成された符号化データを循環記録メディア141に記録する処理が行われていないときステップST143に進み、記録する処理が行われているときステップST144に進む。
【0075】
ステップST143で制御部130は、圧縮符号化処理を終了させて通常記録停止処理を終了する。ここで、ステップST143の処理を行うときには、符号化データを生成する必要がなく、圧縮符号化処理部113の動作を停止することが可能な状態となっている。したがって、制御部130は、圧縮符号化処理部113の動作を停止させる。このように、圧縮符号化処理部113の動作を停止させることで、上述のように消費電力を削減できる。また、バッファメモリ114は、符号化データを蓄積しておく必要がないことから、バッファメモリ114を開放して、他の信号処理で利用可能としてもよい。
【0076】
ステップST144で制御部130は、循環記録メディア141のファイルネーム設定を行う。制御部130は、コンテンツ間を補間する補間コンテンツのファイルネームを設定する。具体的には、コンテンツのファイルイメージを作成した時刻情報および同一時刻の重複を避けるための通し番号と補間コンテンツであることを示す情報をもとに、第2の書式例えば「yyyym1dd_hhm2ssff_nn_LOOP.MPG」で示す書式を用いたファイルネームを設定して通常記録停止処理を終了する。
【0077】
[ループ記録開始処理]
図9は、ループ記録開始処理を示すフローチャートである。循環記録メディア141への録画スタート指示のトリガーを受けたとき、ステップST161で制御部130は、通常記録メディア142が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、圧縮符号化処理部113で生成された符号化データを通常記録メディア142に記録する処理が行われていないときステップST162に進み、記録する処理が行われているときステップST164に進む。
【0078】
ステップST162で制御部130は、圧縮符号化処理を開始させてステップST165に進む。例えば、符号化データを生成する必要がないとき圧縮符号化処理部113の動作を停止する場合、ステップST162の処理を行うときには、圧縮符号化処理部113の動作が停止された状態となっている。したがって、制御部130は、圧縮符号化処理部113の動作を開始させて、バッファメモリ114に符号化データを蓄積されてステップST163に進む。
【0079】
ステップST163で制御部130は、循環記録メディア141の記録ファイルネーム設定を行う。制御部130は、通常記録メディア142が記録中でないことから、補間コンテンツのファイルネーム、例えば「yyyym1dd_hhm2ssff_nn_LOOP.MPG」で示す書式を用いたファイルネームを設定してステップST165に進む。
【0080】
ステップST161からステップST164に進むと、ステップST164で制御部130は、循環記録メディア141の記録ファイルネーム設定を行う。制御部130は、通常記録メディア142が記録中であることから、ユーザの録画スタート/ストップ操作により作成される記録コンテンツのファイルネーム、例えば「yyyym1dd_hhm2ssff_nn.MPG」で示す書式を用いたファイルネームを設定してステップST165に進む。
【0081】
ステップST165で制御部130は、循環記録メディア141への符号化データの記録を開始して、ループ記録開始処理を終了する。
【0082】
なお、循環記録メディア141への符号化データの記録を開始したとき、制御部130は設定された記録ファイルネームのファイルに、バッファメモリ114に所定量の符号化データが蓄積されるタイミングで、この蓄積された符号化データを記録する。
【0083】
[ループ記録停止処理]
図10は、ループ記録停止処理を示すフローチャートである。循環記録メディア141への録画ストップ指示のトリガーを受けたとき、ステップST181で制御部130は、循環記録メディア141への符号化データの記録を終了してステップST182に進む。
【0084】
ステップST182で制御部130は、通常記録メディア142が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、圧縮符号化処理部113で生成された符号化データを通常記録メディア142に記録する処理が行われていないときステップST183に進み、記録する処理が行われているときループ記録停止処理を終了する。
【0085】
ステップST183で制御部130は、圧縮符号化処理を終了させてループ記録停止処理を終了する。ここで、ステップST183の処理を行うときには、符号化データを生成する必要がなく、圧縮符号化処理部113の動作を停止することが可能な状態となっている。したがって、制御部130は、圧縮符号化処理部113の動作を停止させる。また、バッファメモリ114の開放を行う。
【0086】
[通常記録制御処理]
図11は、通常記録制御処理を示すフローチャートである。通常記録制御処理において、制御部130は、バッファメモリ114に蓄積された符号化データを通常記録メディア142に順次記録する処理を行う。また、制御部130は、通常記録メディア142に記録可能な空き領域がなくなったときエラー報知を行う。
【0087】
ステップST201で制御部130は、所定量の符号化データが蓄積されたか否かを判別する。制御部130は、バッファメモリ114に所定量の符号化データが蓄積されたとき、例えば1GOP(Group of picture)の整数倍単位である画像分の符号化データが蓄積されたときステップST202に進み、所定量の符号化データが蓄積されていないときは、通常記録制御処理を終了する。
【0088】
ステップST202で制御部130は、通常記録メディア142に空き領域があるか否かを判別する。制御部130は、所定量の符号化データを記録できる空き領域が通常記録メディア142にあるときステップST203に進み、所定量の符号化データを記録できる空き領域がないときステップST206に進む。
【0089】
ステップST203で制御部130は、通常記録メディア142の記録ファイルをオープンしてステップST204に進む。制御部130は、通常記録メディア142の記録ファイル、すなわち符号化データの記録中であるファイル(最も作成日時の新しいファイル)をオープンしてステップST204に進む。
【0090】
ステップST204で制御部130は、記録ファイルに符号化データを書き込む。制御部130は、所定量の符号化データをバッファメモリ114から読み出して、通常記録メディア142の記録ファイルに書き込んでステップST205に進む。
【0091】
ステップST205で制御部130は、オープンしている通常記録メディア142の記録ファイルをクローズして通常記録制御処理を終了する。
【0092】
制御部130は、ステップST201からステップST205の処理を、通常記録停止処理が行われるまで繰り返し継続する。したがって、例えばMPEG方式を用いて1GOPが15フレーム分のピクチャーデータから構成される場合、15フレームに1回、通常記録メディア142への符号化データの書き込み処理が繰り返し行われることになる。
【0093】
ステップST202からステップST206に進むと、ステップST206で制御部130は、エラー報知を行う。制御部130は、エラー報知として例えば表示処理部125のオンスクリーンディスプレイ機能を利用して、通常記録メディア142に符号化データを記録できる空き領域が残っていないことを示す表示を行う。
【0094】
図12は、表示部を用いて行われるエラー報知の表示画像を例示している。制御部130は、表示処理部125のオンスクリーンディスプレイ機能を利用して、図12の(A)に示すように、エラー報知画像「通常記録メディアの記録残量がありません」をカメラスルー画像に重畳させて表示させる。このように、エラー報知を行うことで、ユーザは、コンテンツが記録できなくなったことを把握できる。
【0095】
ステップST207で制御部130は、通常記録メディア142への符号化データの記録を終了して、通常記録制御処理を終了する。
【0096】
[ループ記録制御処理]
図13は、ループ記録制御処理を示すフローチャートである。循環記録メディア141に対してループ記録を行う場合に、図14に示すように、循環記録メディア141の記録領域411の記録容量Nを、所定の分割数n(2以上)で分割したサイズを、1つのファイルサイズの上限値M(=N/n)として、ファイルの生成を行う。例えば32ギガバイトの記録領域が記録可能な空き領域であり、分割数が8のとき、ループ記録を停止せずに記録を続けた場合におけるファイルサイズの上限値Mは、4ギガバイトとなる。なお、分割数nは、ファイルサイズが所定の上限値Mを超えないように、使用するメディアの記録容量に応じて分割数nを決めてもよいし、1つのファイルの記録時間が所定の上限値Mを超えないよう分割数nを決めてもよい。また、GUIメニューなどのインタフェースを設けて、ユーザが分割数nを決めるようにしてもよい。
【0097】
ループ記録制御処理において、制御部130は、バッファメモリ114に蓄積された符号化データを循環記録メディア141に順次記録する処理を行う。また、制御部130は、循環記録メディア141に記録可能な空き領域がなくなったとき記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保する処理、またはエラー報知を行う。
【0098】
ステップST221で制御部130は、所定量の符号化データが蓄積されたか否かを判別する。制御部130は、バッファメモリ114に所定量の符号化データが蓄積されたときステップST222に進み、所定量の符号化データが蓄積されていないときは、ループ記録制御処理を終了する。
【0099】
ステップST222で制御部130は、循環記録メディア141に空き領域があるか否かを判別する。制御部130は、所定量の符号化データを記録できる空き領域が循環記録メディア141にあるときステップST226に進み、所定量の符号化データを記録できる空き領域がないときステップST223に進む。
【0100】
ステップST223で制御部130は、削除ファイルの検索を行う。制御部130は、循環記録メディア141に記録されているコンテンツから例えば更新履歴の古い順に削除してよいファイルであるか否かを判別してステップST224に進む。
【0101】
ステップST224で制御部130は、削除可能なファイルが検索されているか否かを判別する。制御部130は削除可能なファイルが検索されているときステップST225に進み、削除可能なファイルが検索されていないときステップST231に進む。例えば、削除可能なファイルを検索した結果、ユーザがファイルプロテクトしたり、記録ファイルネームを変更する等により、削除可能なファイルが見つからなかった場合は、ステップST231に進む。
【0102】
ステップST225で制御部130は、検索された記録ファイルを循環記録メディア141から削除してステップST226に進む。
【0103】
ステップST226で制御部130は、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達したか否か判別する。制御部130は、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達したときステップST227に進み、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達していないときステップST228に進む。
【0104】
ステップST227で制御部130は、記録ファイルネーム設定を行う。制御部130は、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達したため、コンテンツの符号化データを複数ファイルとして記録するとき、この複数の記録ファイルが連続したファイルであることを識別できるように、例えば通し番号(nn)のインクリメントのみを行ったファイルネームを用いて新たな記録ファイルを設けてステップST228に進む。
【0105】
ステップST228で制御部130は、循環記録メディア141の記録ファイルをオープンしてステップST229に進む。制御部130は、循環記録メディア141の記録ファイル、すなわち符号化データの記録中であるファイル(最も作成日時の新しいファイル)をオープンしてステップST229に進む。
【0106】
ステップST229で制御部130は、記録ファイルに符号化データを書き込む。制御部130は、所定量の符号化データをバッファメモリ114から読み出して、循環記録メディア141の記録ファイルに書き込んでステップST230に進む。
【0107】
ステップST230で制御部130は、オープンしている循環記録メディア141の記録ファイルをクローズする。
【0108】
ステップST224からステップST231に進むと、ステップST231で制御部130は、エラー報知を行う。制御部130は、エラー報知として例えば表示処理部125のオンスクリーンディスプレイ機能を利用して、循環記録メディア141に符号化データを記録できる空き領域が残っていないことを示す表示を行う。
【0109】
制御部130は、表示処理部125のオンスクリーンディスプレイ機能を利用して、図12の(B)に示すように、エラー報知画像「循環記録メディアの記録残量がありません」をカメラスルー画像に重畳させて表示させる。このように、エラー報知を行うことで、ユーザは、コンテンツが記録できなくなったことを把握できる。
【0110】
ステップST232で制御部130は、循環記録メディア141への記録を終了させる。
【0111】
このように、制御部130は、更新履歴の古いコンテンツのファイルを削除しながらループ記録を行う。また、制御部130は、ループ記録停止処理が行われるまで繰り返し継続する。
【0112】
図15は、ループ記録を行ったときの循環記録メディア141のファイル生成イメージを示している。なお、図15において、図15の(A)は記録開始前のファイルイメージ、図15の(B)は記録開始時のファイルイメージ、図15の(C)は、空き領域の折り返しが生じたときのファイルイメージ、図15の(D)は記録ファイルのサイズが上限値Mに達したときのファイルイメージをそれぞれ示している。
【0113】
例えば2008年4月3日13時45分00秒00フレームでループ記録を開始すると、循環記録メディア141の記録領域411の空き領域に記録ファイル「20080403_13450000_01_LOOP.MPG」が生成されて、この記録ファイルに符号化データが記録される。また、空き領域がなくなると、更新履歴の古いファイル「20080311_10440000_01_LOOP.MPG」が削除されて、図15の(C)に示すように、空き領域の折り返しが生じて、この領域に符号化データが引き続き記録される。その後、空き領域がなくなると、更新履歴の古いファイル「20080311_10510000_01_LOOP.MPG」が削除されて、図15の(D)に示すように、この領域に符号化データが記録される。その後、記録ファイル「20080403_13450000_01_LOOP.MPG」のファイルサイズが上限値Mに達すると、新たに記録ファイル「20080403_13450000_02_LOOP.MPG」が生成されて、新たな記録ファイルに符号化データが引き続き記録される。
【0114】
また、ユーザの録画スタート/ストップ操作が行われたときには、図15に示されているように、ユーザの録画スタート/ストップ操作に応じた記録コンテンツのファイル「20080311_10555900_01.MPG」、「20080311_11105600_01.MPG」、「20080311_12593000_01.MPG」等が生成される。また、補間コンテンツのファイル「20080311_11000000_01_LOOP.MPG」、「20080311_11120000_01_LOOP.MPG」等が生成される。
【0115】
なお、上述のループ記録では、例えばFAT方式でフォーマットされたメディアに対して、MPEG等の圧縮符号化方式で画像データを記録することを想定している。このため、ループ記録領域を所定の分割数で分割したサイズを、画像データのファイルサイズの上限値Mとし、ループ記録領域内に記録ファイルが複数存在するようにし、ファイル単位で古い画像データを順次削除することにより、GOPのデータ量が一定でないことに起因する問題、すなわちGOPデータ量が異なる古い画像データを新しい画像データで書き換えた際に、古い画像データが残ってしまうという問題を回避できる。
【0116】
また、GOPデータ量調整を行い各GOPデータの先頭が記録メディアのクラスタの先頭に記録されるような記録方法を適用することで、GOPデータ単位での画像データの書き換え制御を行うものとしてもよい。この場合は、ファイルシステム等によってファイルサイズの上限値Mの制約がない限り1つのファイル内でループ記録を行うことが可能になる。
【0117】
さらに、本発明では、ループ記録ファイルをユーザの録画操作のタイミングで分割するようにしたが、ファイルを分割せずに通常記録の録画スタートと録画ストップのタイミングをIN/OUT点情報として、循環記録メディア141またはコンテンツ記録装置に、IN/OUT点情報を保持するようにしてもよい。このIN点情報は、通常記録の録画スタートのタイミングを、ループ記録ファイルにおける先頭からの位置によって示した情報である。また、OUT点情報は、通常記録の録画ストップのタイミングを、ループ記録ファイルにおける先頭からの位置で示した情報である。
【0118】
このように、少なくとも2つ以上の記録媒体にコンテンツを記録可能として、制御部130は、コンテンツの通常記録とループ記録を同時に(並列的)行い、ループ記録で循環記録メディアに記録されたコンテンツにおける通常記録メディアに通常記録されたコンテンツの開始点と終了点が管理する。このため、ループ記録で撮り逃しをなくしつつ、ミラー記録でユーザの意図するタイミングでコンテンツデータの多重化ができるようになる。
【0119】
また、制御部130は、第2の記録媒体に記録されるコンテンツ部分である記録コンテンツと第2の記録媒体に記録されないコンテンツ部分である補間コンテンツのファイルに分割することで、第1の記録媒体におけるコンテンツの管理が容易となる。
【0120】
さらに、制御部130は、第1の記録媒体における記録コンテンツのファイルに対して、第2の記録媒体に記録するコンテンツのファイルと等しいファイル名を設定し、第1の記録媒体における補間コンテンツのファイルに対して、補間コンテンツのファイルであることを識別可能とするファイル名を設定する。このため、第2の記録媒体に何らかの障害が発生して、ユーザの撮影した所望の動画像を示す記録ファイルが破損してしまった場合でも、この所望の動画像を第1の記録媒体から容易に読み出すことができるようになる。
【0121】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態では、循環記録メディア141に符号化データを記録する空き領域がなくなったときに、既に記録されているコンテンツの内容を確認しながらコンテンツを削除して空き領域を確保する動作について説明する。
【0122】
ループ記録で循環記録メディア141に例えば撮り直しができないブライダルや報道現場等の動画像を示すコンテンツが記録されている場合、このコンテンツが削除されて新たなコンテンツが書き込まれないようにするためには、コンテンツファイルの属性を上書き禁止モードに設定する必要がある。しかし、上書き禁止モードに設定する作業を忘れると、撮り直しができないコンテンツが失われて新たなコンテンツが書き込まれてしまう。
【0123】
そこで、コンテンツに新たなコンテンツを上書きする前に、すなわち削除コンテンツを決定して削除する前に、削除コンテンツを再生して内容をユーザに提示することで、重要度の高いコンテンツが過って失われることなく、空き領域を確保できるようにする。
【0124】
この場合、コンテンツ記録装置の構成は、図1に示す構成と同一である。また、コンテンツ記録時のシグナルフローは図16に示すものであり、コンテンツ再生時のシグナルフローは図3に示すシグナルフローと同一である。
【0125】
[記録時のシグナルフロー]
図16は、記録時におけるシグナルフローを示している。なお、図16では、記録時における画像信号と符号化信号の経路を実線の矢印で示している。
【0126】
撮像部101から出力された画像信号は、前処理部111とカメラ信号処理部112を経由して、圧縮符号化処理部113と表示処理部125に伝送される。
【0127】
圧縮符号化処理部113は、カメラ信号処理部112から供給された画像信号に対して圧縮符号化処理を行い、得られた符号化データをバッファメモリ114に蓄積する。
【0128】
メディア制御部131は、バッファメモリ114に、例えば1GOP(Group of picture)の整数倍単位である画像分の符号化データが蓄積されたところで、この蓄積されている符号化データをバッファメモリ114から読み出して循環記録メディア141と通常記録メディア142のそれぞれに、またはどちらか一方にのみに記録する。
【0129】
また、メディア制御部131は、循環記録メディア141における記録可能な空き領域が所定量未満となったとき、削除コンテンツの符号化データを循環記録メディア141から読み出してバッファメモリ121に蓄積させる。
【0130】
伸張復号化処理部122は、バッファメモリ121に蓄積された符号化データを読み出して伸張復号化処理を行い、得られた画像信号を画素数変換部123に供給する。
【0131】
画素数変換部123は、伸張復号化処理部122から供給された画像信号の画素数変換処理を行い、子画面として表示できるように縮小した画像の画像信号を生成して信号選択部124に供給する。
【0132】
信号選択部124は、画素数変換部123から供給された画像信号を選択して表示処理部125に供給する。
【0133】
表示処理部125は、カメラ信号処理部112から供給された画像信号と画素数変換部123から信号選択部124を介して供給された画像信号を用いて画像表示信号を生成して表示部145に供給する。表示処理部125は、画像表示信号として、撮影中のカメラスルー画像と削除コンテンツの画像を合わせて表示する。例えば撮影中のカメラスルー画像と削除コンテンツの画像を2画面表示と表示画像の信号を生成する。また、撮影中のカメラスルー画像を示す親画面に対して、削除コンテンツの画像を示す子画面を設けた表示画像の信号を生成するものとしてもよい。
【0134】
[コンテンツの記録動作と録画制御]
コンテンツの記録動作では、図5および図17の処理を行う。図17の録画制御は、図6に示す録画制御に対応するものである。なお、図17において、図6の処理と一致する処理は同一のステップ番号を付している。
【0135】
図17のステップST11で制御部130は、通常記録メディア142に対する録画スタートを行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき通常記録メディア142に対する録画スタート動作を行うと判別したときステップST12に進み、ステップST12で図7に示す通常記録開始処理を行ったのちステップST13に進む。また、制御部130は、通常記録メディア142に対する録画スタート動作を行わないと判別したときステップST13に進む。
【0136】
ステップST13で制御部130は、通常記録メディア142に対する録画ストップ動作を行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき通常記録メディア142に対する録画ストップ動作を行うと判別したときステップST14に進み、ステップST14で図8に示す通常記録停止処理を行ったのちステップST15に進む。また、制御部130は、通常記録メディア142に対する録画ストップ動作を行わないと判別したときステップST15に進む。
【0137】
ステップST15で制御部130は、循環記録メディア141に対する録画スタート動作を行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき循環記録メディア141に対する録画スタート動作を行うと判別したときステップST16に進み、ステップST16で図9に示すループ記録開始処理を行ったのちステップST17に進む。また、制御部130は、循環記録メディア141に対する録画スタート動作を行わないと判別したときステップST17に進む。
【0138】
ステップST17で制御部130は、循環記録メディア141に対する録画ストップ動作を行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき循環記録メディア141に対する録画ストップ動作を行うと判別したときステップST18に進み、ステップST18で図10に示すループ記録停止処理を行ったのちステップST19に進む。また、制御部130は、循環記録メディア141に対する録画ストップ動作を行わないと判別したときステップST19に進む。
【0139】
ステップST19で制御部130は、通常記録メディア142が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき通常記録メディア142が記録中であると判別したときステップST20に進み、ステップST20で図11に示す通常記録制御処理を行ったのちステップST21に進む。また、制御部130は、通常記録メディア142が記録中でないと判別したときステップST21に進む。
【0140】
ステップST21で制御部130は、循環記録メディア141が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき循環記録メディア141が記録中であると判別したときステップST24に進み、ステップST24でループ記録制御処理を行ったのち録画制御のループを終了する。また、制御部130は、循環記録メディア141が記録中でないと判別したとき録画制御のループを終了する。ステップST24のループ記録制御処理は、図6におけるステップST22のループ記録制御処理とは異なり、削除コンテンツの内容を表示して、その後削除コンテンツの削除を行うものである。
【0141】
[ループ記録制御処理]
次に、削除コンテンツの内容を表示して、その後削除コンテンツの削除を行うループ記録制御処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。
【0142】
ループ記録制御処理において、制御部130は、バッファメモリ114に蓄積された符号化データを循環記録メディア141に順次記録する処理を行う。また、制御部130は、削除ファイル情報表示処理を行い、循環記録メディア141における記録可能な空き領域が所定量未満となったとき、削除可能なコンテンツのファイル内容を示す画像の表示や、削除可能なファイルを削除して空き領域を確保する処理等を行う。
【0143】
ステップST241で制御部130は、削除ファイル情報表示の処理を行う。制御部130は、削除ファイル情報表示処理において、循環記録メディア141における記録可能な空き領域が所定量未満となったとき、削除可能なファイルを抽出して、この抽出したファイルを示す削除ファイル情報を生成する。さらに、制御部130は、生成した削除ファイル情報に従い、削除するコンテンツの画像や情報等を表示部145に表示させる処理を行う。なお、削除ファイル情報表示処理の詳細については後述する。
【0144】
ステップST242で制御部130は、所定量の符号化データが蓄積されたか否かを判別する。制御部130は、バッファメモリ114に所定量の符号化データが蓄積されたときステップST243に進み、所定量の符号化データが蓄積されていないときは、ループ記録制御処理を終了する。
【0145】
ステップST243で制御部130は、循環記録メディア141に空き領域があるか否かを判別する。制御部130は、符号化データを記録できる空き領域が循環記録メディア141にあるときステップST246に進み、空き領域が循環記録メディア141にないときステップST244に進む。
【0146】
ステップST244で制御部130は、削除可能なファイルがあるか否かを判別する。制御部130は削除可能なファイルがあるときステップST245に進み、削除可能なファイルがないときステップST251に進む。
【0147】
ステップST245で制御部130は、削除可能なファイルを循環記録メディア141から削除してステップST246に進む。
【0148】
ステップST246で制御部130は、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達したか否か判別する。制御部130は、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達したときステップST247に進み、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達していないときステップST248に進む。
【0149】
ステップST247で制御部130は、記録ファイルネーム設定を行う。制御部130は、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達したため、コンテンツの符号化データを複数ファイルとして記録するとき、この複数の記録ファイルが連続した記録ファイルであることを識別できるように、例えば通し番号(nn)のインクリメントのみを行ったファイルネームを用いて新たな記録ファイルを設けてステップST248に進む。
【0150】
ステップST248で制御部130は、循環記録メディア141の記録ファイルをオープンしてステップST229に進む。制御部130は、循環記録メディア141の記録ファイル、すなわち符号化データの記録中であるファイル(最も作成日時の新しいファイル)をオープンしてステップST249に進む。
【0151】
ステップST249で制御部130は、記録ファイルに符号化データを書き込む。制御部130は、所定量の符号化データをバッファメモリ114から読み出して、循環記録メディア141の記録ファイルに書き込んでステップST250に進む。
【0152】
ステップST250で制御部130は、オープンしている循環記録メディア141の記録ファイルをクローズする。
【0153】
ステップST244からステップST251に進むと、ステップST251で制御部130は、エラー報知を行う。制御部130は、エラー報知として例えば表示処理部125のオンスクリーンディスプレイ機能を利用して、循環記録メディア141に符号化データを記録できる空き領域が残っていないことを示す表示を行う。
【0154】
制御部130は、表示処理部125のオンスクリーンディスプレイ機能を利用して、図12の(B)に示すように、エラー報知画像「循環記録メディアの記録残量がありません」をカメラスルー画像に重畳させて表示させる。
【0155】
ステップST252で制御部130は、循環記録メディア141への符号化データの記録を終了させる。
【0156】
[削除ファイル情報表示処理]
図19は、削除ファイル情報表示処理を示すフローチャートである。ステップST2411で制御部130は、循環記録メディア141における記録可能な空き領域が所定量未満となったか否かを判別する。ここで、所定量は予め設定しておくものとしてもよく、ユーザによって設定可能としてもよい。所定量は、例えば空き領域がMPEG方式における5秒間のGOP数に相当する符号化データが記録できる領域とする。制御部130は、記録可能な空き領域が所定量未満となったときステップST2412に進み、所定量未満となっていないときステップST3100に進む。
【0157】
ステップST2412で制御部130は、削除候補リストを作成する。制御部130は、循環記録メディア141に記録されている記録ファイルを、更新履歴の古い順にリストアップして削除候補リストを生成してステップST2413に進む。
【0158】
ステップST2413で制御部130は、削除候補リストの先頭ファイルを選択してステップST2414に進む。
【0159】
ステップST2414で制御部130は、ファイルネームが不正であるか否かを判別する。制御部130は、ファイルネームの書式が、ユーザの録画スタート/ストップ操作により作成された記録コンテンツを示す第1の書式、またはコンテンツ間を補間した補間コンテンツを示す第2の書式であるとき、不正なファイルでないとしてステップST2415に進む。また、制御部130は、ファイルネームの書式が、第1の書式および第2の書式のいずれでもないとき、不正なファイルとしてステップST2416に進む。なお、第1の書式とは上述した「yyyym1dd_hhm2ssff_nn.MPG」の書式、第2の書式とは上述した「yyyym1dd_hhm2ssff_nnn_LOOP.MPG」の書式である。
【0160】
ステップST2415で制御部130は、読み取り専用ファイルか否か判別する。制御部130は、読み取り専用ファイルであることを判別したときステップST2416に進む。また、読み取り専用ファイルでないときステップST2420に進む。
【0161】
ステップST2416で制御部130は、削除候補リストの全ファイルが選択済みとなったか否か判別する。制御部130は、全ての記録ファイルの選択が完了していないときステップST2417に進み、全ての記録ファイルの選択が完了したときステップST2421に進む。
【0162】
ステップST2417で制御部130は、次のファイルを選択する。制御部130は、削除候補リストにおいて選択されていない記録ファイルから更新履歴の最も古い記録ファイルを次のファイルとして選択してステップST2414に戻る。
【0163】
ステップST2420で制御部130は、削除ファイル登録を行う。制御部130は、選択されているファイルを削除ファイルとしてステップST3000に進む。
【0164】
ステップST2421で制御部130は、削除ファイルがないとして削除ファイル情報表示処理を終了する。
【0165】
このように、ステップST2412からステップST2421までの処理を行うものとすると、循環記録メディア141に記録されている記録ファイルのなかで、ユーザの録画スタート/ストップ操作により作成された記録コンテンツ、または補間コンテンツの記録ファイルであって、最も更新履歴が古い記録ファイルが、削除ファイルとして登録されることになる。
【0166】
また、ステップST2412からステップST2421までの処理結果を削除ファイル情報とする。すなわち、削除ファイル情報では、削除ファイルが登録されたときには、削除ファイルとして登録されたファイルの情報、例えばファイルネーム等が示される。また、削除ファイルが指定されなかったときは「削除可能なファイルなし」の情報が示される。
【0167】
ステップST3000で制御部130は、削除ファイル情報表示の開始処理を行う。また、ステップST3100で制御部130は、削除ファイル情報表示の終了処理を行う。
【0168】
[削除ファイル情報表示の開始・終了処理]
図20は、削除ファイル情報表示の開始処理を示すフローチャート、図21は、削除ファイル情報表示の終了処理を示すフローチャートである。
【0169】
図20において、ステップST3001で制御部130は、所定量の符号化データが蓄積されたか否かを判別する。制御部130は、バッファメモリ114に所定量の符号化データが蓄積されていないときステップST3001に進み、所定量の符号化データが蓄積されたときステップST3005に進む。
【0170】
ステップST3002で制御部130は、削除ファイルをオープンする。制御部130は、図19のステップST2420において削除ファイルとして登録されたファイルをオープンしてステップST3003に進む。
【0171】
ステップST3003で制御部130は、削除ファイルのデータをバッファメモリ121に書き込んでステップST3004に進む。
【0172】
ステップST3004で制御部130は、オープンしている循環記録メディア141の削除ファイルをクローズしてステップST3005に進む。
【0173】
ステップST3005で制御部130は、削除ファイル子画面再生中であるか否か判別する。制御部130は、バッファメモリ121に書き込まれた符号化データに基づく画像を子画面で再生しているとき、削除ファイル情報表示の開始処理を終了する。また、制御部130は、子画面再生が行われていないとき、ステップST3006に進む。
【0174】
ステップST3006で制御部130は、伸張復号化処理を開始させてステップST3007に進む。例えば、循環記録メディア141や通常記録メディア142に記録されているコンテンツの再生が行われていないとき、伸張復号化処理を行う必要がないことから伸張復号化処理部122の動作を停止することで消費電力を削減できる。このような場合、ステップST3006の処理を行うときには、伸張復号化処理部122の動作が停止された状態となっている。したがって、制御部130は、伸張復号化処理部122の動作を開始して、画像信号を画素数変換部123に供給させる。
【0175】
ステップST3007で制御部130は、画素数変換処理を開始させてステップST3008に進む。例えば、子画面表示が行われていないとき、画素数変換処理を行う必要がないことから画素数変換部123の動作が停止される。この場合、ステップST3007の処理を行うときには、画素数変換部123の動作が停止された状態となっている。したがって、制御部130は、画素数変換部123の動作を開始して、子画面表示用の画像信号を生成して信号選択部124に供給させる。
【0176】
ステップST308で制御部130は、子画面再生を開始させる。制御部130は、画素数変換部123で生成された画像信号を信号選択部124で選択させる。また、制御部130は、表示処理部125を制御して、カメラ信号処理部112から供給された画像信号と信号選択部124で選択された画素数変換部123からの画像信号を用いて、カメラスルー画像を親画面表示、削除コンテンツの画像を子画面表示とした画像表示信号の生成を開始して削除ファイル情報表示を終了する。
【0177】
なお、制御部130は、表示する削除ファイル情報として、削除コンテンツの画像だけでなく、表示処理部125のオンスクリーンディスプレイ機能を利用して、削除コンテンツのファイルネームや、ファイルが削除されるまでの時間、ファイルの撮影日時、などの情報を表示してもよい。
【0178】
次に、削除ファイル情報表示の終了処理を示す図21において、ステップST3101で制御部130は、削除ファイル子画面再生中であるか否か判別する。制御部130は、削除ファイル子画面再生中であるときステップST3102に進む。
【0179】
ステップST3102で制御部130は、伸張復号化処理を終了させる。制御部130は、削除コンテンツの画像を再生する必要がないことから、伸張復号化処理部122の動作を終了させてステップST3103に進む。
【0180】
ステップST3103で制御部130は、画素数変換処理を終了させる。制御部130は、子画面表示を行う必要がないことから、画素数変換部123の動作を終了させてステップST3104に進む。
【0181】
ステップST3104で制御部130は、子画面再生処理を終了させる。制御部130は、子画面表示を行う必要がないことから、表示部145の動作を制御して、子画面表示を終了して例えばカメラスルー画像のみを表示する画像表示信号を表示部145に供給させる。
【0182】
これらの処理を、循環記録メディア141に対しての録画ストップ指示があるまで繰り返し継続する。このように、更新履歴の古いコンテンツのファイルを削除しながら記録を継続することにより、ループ記録を行う。
【0183】
制御部130は、更新履歴の古いコンテンツのファイルを削除しながらループ記録を行う。また、制御部130は、循環記録メディア141に対しての録画ストップ指示があるまで記録を継続させる。
【0184】
このような処理を行うものとすれば、ユーザは、表示された削除ファイル情報に基づき削除コンテンツが重要であると判別したとき循環記録メディア141に対しての録画ストップ指示を行うことで、重要なコンテンツが削除されて新たなコンテンツが書き込まれてしまうことを防止できる。また、循環記録メディア141に対しての録画ストップ指示を行っても、通常記録メディア142に対しての録画動作を継続させておくことで、循環記録メディア141に対しての録画が停止されている期間中はミラー記録が行われないものとなるが、この期間中のコンテンツを通常記録メディア142に録画できる。
【0185】
また、図18に示すフローチャートでは、循環記録メディア141に記録可能な空き領域がなくなるときに自動的にファイル削除を行うものとしたが、ファイル削除を行う前に、ファイル削除を実行してよいか否かをユーザによって選択させる削除選択画面を表示して、ファイル削除の許可があったときにファイル削除を実行するものとしてもよい。この場合、重要なコンテンツが削除されて新たなコンテンツが書き込まれてしまうことを、より確実に防止できる。さらに、削除選択画面で上書きを禁止するプロテクトの設定を行えるようにすれば、例えば同じファイルに対して繰り返し削除選択画面が表示されることも防止できる。
【0186】
図22は、ループ記録を行ったときの循環記録メディア141のファイル生成イメージを示している。なお、図22において、図22の(A)は記録開始前のファイルイメージ、図22の(B)は記録開始時のファイルイメージ、図22の(C)は記録可能な空き領域が所定量よりも少なくなったときのファイルイメージ、図22の(D)は空き領域が確保されたときのファイルイメージ、図22の(E)は記録ファイルのサイズが上限値Mに達したときのファイルイメージをそれぞれ示している。
【0187】
例えば2008年4月3日13時45分00秒00フレームでループ記録を開始すると、図22の(B)に示すように、循環記録メディア141の記録領域411における空き領域に記録ファイル「20080403_13450000_01_LOOP.MPG」が生成されて、この記録ファイルに符号化データが記録される。また、記録可能な空き領域が所定量よりも少なくなると、図22の(C)に示すように、更新履歴の古いファイル「20080311_09300000_01_LOOP.MPG」が所定時間だけ子画面で再生される。その後、更新履歴の古いファイル「20080311_09300000_01_LOOP.MPG」が削除されて図22の(D)に示すように空き領域が確保されると、図22の(E)に示すように、空き領域に符号化データが記録される。さらに、記録ファイル「20080403_13450000_01_LOOP.MPG」のファイルサイズが上限値Mに達すると、新たに記録ファイル「20080403_13450000_02_LOOP.MPG」が生成されて、新たな記録ファイルに符号化データが引き続き記録される。
【0188】
なお、図22に示されているように、ユーザの録画スタート/ストップ操作が行われたときには、ユーザの録画スタート/ストップ操作に応じた記録コンテンツのファイル「20080311_10555900_01.MPG」、「20080311_11105600_01.MPG」、「20080311_12593000_01.MPG」等が生成される。また、補間コンテンツのファイル「20080311_10400000_01_LOOP.MPG」、「20080311_11000000_01_LOOP.MPG」等が生成される。
【0189】
図23は、記録動作中の表示画像を示している。図23の(A)は循環記録メディア141と通常記録メディア142を用いて録画をしているとき、例えば録画モード状態を画面上に表示した場合を例示している。図23の(B)は、空き容量が所定量よりも少なくなったとき、削除ファイルの情報と削除ファイルのコンテンツ画像を表示した場合を例示している。例えば、更新履歴の最も古い記録ファイルがファイル「20080311_09300000_01_LOOP.MPG」であるとき、このファイルを削除する場合は、ファイル「20080311_09300000_01_LOOP.MPG」の画像を子画面表示する。また、ファイル名をオンスクリーン表示する。
【0190】
このように、ループ記録中に削除(上書き)されるコンテンツの画像や、削除されるコンテンツに関連する情報を、削除するに前に報知することで、重要なコンテンツか否かを判断できるため、必要に応じてループ記録を停止させてコンテンツの重要な部分が削除されて新たなコンテンツが書き込まれてしまうことを防ぐことができる。また、少なくとも2つ以上の記録媒体にコンテンツを記録可能として、コンテンツの通常記録とループ記録を同時に(並列的に)行うようにしているため、ループ記録を停止させたとしても通常記録によるコンテンツの記録を継続することができるため、コンテンツを撮影できない期間が発生することはない。
【0191】
さらに、記録中のコンテンツと記録済みコンテンツの再生が同時にできるので、撮影済みコンテンツの内容確認のための煩雑な操作が省略できるため、例えばコンテンツ記録装置を撮像装置に適用した場合、過去に記録されたコンテンツの内容を確認するために、一度、撮影を中断して撮像装置を再生状態(モード)に切り替えて確認する必要がなく、撮影を中断したことにより、撮影チャンスを逃すといった不都合を解消することができる。
【0192】
また、上述の第1および第2の実施の形態に示した一連の処理は、ハードウェアまたはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0193】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
【0194】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0195】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載にしたがって時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。
【0196】
また、上述の実施の形態では、コンテンツ記録装置が例えば撮像装置の場合について説明したが、コンテンツ記録装置は、音声データ等を記録するレコーダ等であってもよい。音声データを上述のように循環記録メディア141や通常記録メディア142に記録するものとした場合、循環記録メディア141における記録可能な空き領域が所定量未満となったときは、削除するファイルの音声コンテンツに関する属性情報、例えばタイトルや演奏者等の情報を表示するものとすれば、削除してよいファイルであるか否かが判別可能となり、録り直しがきかない音声コンテンツが削除されてしまうことを防止できる。
【0197】
本発明は、上述した発明の実施の形態に限定して解釈されるべきではない。この発明の実施の形態は、例示という形態で本発明を開示したものであり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施の形態の修正や代用をなし得ることは自明である。すなわち、本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0198】
この発明では、第1の記録媒体に対して循環記録動作が行われて、第2の記録媒体に対して通常記録動作が行われる。また、第1の記録媒体に第2の記録媒体と同時に同一コンテンツが記録可能とされており、第1の記録媒体における第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点が管理される。このため、例えば撮像画像を記録媒体に記録するとき、所望の撮像画像がミラー記録されるだけでなく、所望の部分に含まれていない撮像画像も第1の記録媒体から読み出すことが可能となり、撮像装置等に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】コンテンツ記録装置の構成を示す図である。
【図2】記録時におけるシグナルフローを示す図である。
【図3】再生時におけるシグナルフローを示す図である。
【図4】コンテンツのファイル生成イメージを示す図である。
【図5】コンテンツ記録動作を示すフローチャートである。
【図6】録画制御を示すフローチャートである。
【図7】通常記録開始処理を示すフローチャートである。
【図8】通常記録停止処理を示すフローチャートである。
【図9】ループ記録開始処理を示すフローチャートである。
【図10】ループ記録停止処理を示すフローチャートである。
【図11】通常記録制御処理を示すフローチャートである。
【図12】エラー報知の表示画像を例示した図である。
【図13】ループ記録制御動作を示すフローチャートである。
【図14】ファイルサイズの上限値を説明するための図である。
【図15】ループ記録を行ったときのファイル生成イメージを示す図である。
【図16】記録時におけるシグナルフローを示す図である。
【図17】録画制御を示すフローチャートである。
【図18】削除コンテンツの内容を表示したのち削除コンテンツの削除を行う場合のループ記録制御処理を示すフローチャートである。
【図19】削除ファイル情報表示処理を示すフローチャートである。
【図20】削除ファイル情報表示の開始処理を示すフローチャートである。
【図21】削除ファイル情報表示の終了処理を示すフローチャートである。
【図22】ループ記録を行ったときのファイル生成イメージを示している。
【図23】記録動作中の表示画像を示している。
【符号の説明】
【0200】
10・・・コンテンツ記録装置(撮像装置)、101・・・撮像部、110・・・コンテンツ処理部、111・・・前処理部、112・・・カメラ信号処理部、113・・・圧縮符号化処理部、114、121・・・バッファメモリ、122・・・伸張復号化処理部、123・・・画素数変換部、124・・・信号選択部、125・・・表示処理部、130・・・制御部、131・・・メディア制御部、132・・・システム制御部、141・・・循環記録メディア、142・・・通常記録メディア、145・・・表示部、148・・・操作部、411,421・・・記録領域
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテンツ記録装置および方法、撮像装置、並びにコンピュータ・プログラムに関する。詳しくは、第1の記録媒体にコンテンツを循環的に記録し、この第1の記録媒体に第2の記録媒体と同時に同一コンテンツが記録されるとき、第1の記録媒体に記録されたコンテンツの管理を容易に行えるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の記録媒体(例えばHDD:Hard Disk Drive)を有する機器のコンテンツ記録方法として、例えば特許文献1のように同じコンテンツを複数のハードディスクドライブに同時に記録するミラー記録(シンクロ記録ともいう)や、コンテンツをストライピングして複数のハードディスクドライブのループ記憶領域に記録することで、耐障害性を高めることが行われている。
【0003】
また、特許文献2の発明では、循環記録領域の有効活用や循環記録領域へのアクセス効率を向上させるため、特許文献2の発明では入力データを複数のサブブロックからなる所定サイズのデータブロックに編集してディスク装置に記録し、サブブロック単位でデータの読み出しが行われている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−149298号公報
【特許文献2】特開2004−355724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ミラー記録によって例えば2つの記録媒体にコンテンツを同時に記録するだけでなく、記録媒体にコンテンツを循環的に記録するループ記録を用いて一方の記録媒体にコンテンツを記録すれば、記録媒体を有効活用して所望のコンテンツを容易に得ることができる。
【0006】
このような記録を行えば、ユーザ操作が遅れてしまい、所望のタイミングでコンテンツの記録を行うことができなかった場合でも、このときのコンテンツがループ記録によって記録媒体に記録されていることから、撮り逃しを防止できる。また、ユーザ操作に応じて記録されたコンテンツの記録ファイルが破損しても、このコンテンツと等しいコンテンツがループ記録によって記録媒体に記録されるので、ループ記録に用いた記録媒体から所望のコンテンツを読み出すことができる。
【0007】
しかし、コンテンツをループ記録によって記録媒体に単に循環的に記録するものでは、ループ記録に用いた記録媒体にどのようなコンテンツが記録されているか等の管理をユーザは容易に行うことができない。
【0008】
そこで、この発明では、第1の記録媒体に対して循環記録動作を行い、第2の記録媒体に対して通常記録動作を行うものとして、第1の記録媒体に第2の記録媒体と同時に同一コンテンツが記録可能とされているとき、第1の記録媒体に記録されたコンテンツの管理を容易に行うことできるコンテンツ記録装置および方法、撮像装置、並びにコンピュータ・プログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の第1の側面は、第1および第2の記録媒体と、前記第1および第2の記録媒体へのコンテンツの記録動作を制御する制御部を有し、前記制御部は、前記第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する循環記録動作を行い、前記第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行い、前記第1の記録媒体における前記第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理するコンテンツ記録装置にある。
【0010】
この発明において、第1の記録媒体には、コンテンツが循環的に記録される。また、所望の部分を記録するため、ユーザによって通常記録開始操作と通常記録終了操作が行われたとき、通常記録開始操作が行われてから通常記録終了操作が行われるまでのコンテンツが第2の記録媒体に記録される。第1の記録媒体と同時に第2の記録媒体に同一コンテンツが記録されると、第1の記録媒体に記録されるコンテンツは、第2の記録媒体に同時記録されているコンテンツ部分である記録コンテンツと第2の記録媒体に記録されていないコンテンツ部分である補間コンテンツにファイルが分割されて、第2の記録媒体に記録されたコンテンツ部分の開始点と終了点が管理される。または、第1の記録媒体に記録されたコンテンツのファイルにおける該ファイル先頭からの第2の記録媒体に記録されたコンテンツの位置情報を用いて、第2の記録媒体に記録されたコンテンツの開始点と終了点が管理される。
【0011】
第1の記録媒体に記録されるコンテンツが記録コンテンツのファイルと補間コンテンツのファイルに分割される場合、記録コンテンツのファイルに対しては、第2の記録媒体に記録するコンテンツのファイルと等しいファイル名が設定される。また補間コンテンツのファイルに対しては、補間コンテンツのファイルであることを識別可能とするファイル名が設定される。さらに、第1の記録媒体にコンテンツを記録する際に、記録したコンテンツのデータ量が所定量に達する毎にコンテンツのファイルが分割される。
【0012】
さらに、この発明においては、コンテンツの画像表示を行うための画像表示信号を生成する表示処理部が設けられて、第1の記録媒体における記録可能な空き領域が所定量未満となったとき、第1の記録媒体に記録されているコンテンツから例えば時間的に最も古いコンテンツが削除コンテンツとされる。また、削除コンテンツの再生が行われて、第1の記録媒体に記録するコンテンツの画像を親画面表示、再生された削除コンテンツの画像を子画面表示とした画像表示信号が生成される。その後、第1の記録媒体へのコンテンツ記録時に空き領域がなくなると削除コンテンツが削除されて、空き領域が確保される。
【0013】
この発明の第2の側面は、被写体を撮像して動画像のコンテンツを生成する撮像部と、
第1および第2の記録媒体と、前記第1および第2の記録媒体への前記コンテンツの記録動作を制御する制御部を有し、前記制御部は、前記第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する循環記録動作を行い、前記第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行い、前記第1の記録媒体における前記第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理する撮像装置にある。
【0014】
この発明では、被写体を撮像して得た動画像のコンテンツが、第1の記録媒体に循環的に記録される。また、所望の被写体を記録するため、ユーザによって録画スタート操作と録画ストップ操作が行われたとき、録画スタート操作が行われてから録画ストップ操作が行われるまでの動画像コンテンツが第2の記録媒体に記録される。第2の記録媒体に動画像のコンテンツが記録されると、第1の記録媒体に記録されるコンテンツは、第2の記録媒体に記録されているコンテンツ部分である記録コンテンツと第2の記録媒体に記録されていなコンテンツ部分である補間コンテンツにファイルが分割されて、第2の記録媒体に記録されたコンテンツ部分の開始点と終了点の管理が行われる。または、第1の記録媒体に記録されたコンテンツのファイルにおける該ファイルの先頭からの第2の記録媒体に記録されたコンテンツの位置情報を用いて、第2の記録媒体に記録されたコンテンツの開始点と終了点が管理される。
【0015】
この発明の第3の側面は、コンピュータを、第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録させる循環記録動作を行い、第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行う記録制御手段と、前記第1の記録媒体における前記第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理する記録管理手段として動作させるコンピュータ・プログラムにある。
【0016】
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する循環記録動作が行われて、第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作が行われる。さらに、第1の記録媒体における第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点が管理される。このため、第1の記録媒体に記録されているコンテンツの管理を容易に行うことが可能となり、例えば第2の記録媒体に記録されたコンテンツが破損しても、破損する前のコンテンツを第1の記録媒体から容易に読み出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する動作を循環記録動作(以下「ループ記録」という)、記録媒体にコンテンツを非循環的に記録する動作すなわち記録可能な空き領域がなくなったときに記録を終了する動作を非循環記録動作(通常記録動作)として以下の説明を行う。また、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(ループ記録時にコンテンツ分割処理を行う場合)
2.第2の実施の形態(ループ記録時に削除されるコンテンツの画像表示を行う場合)
【0019】
<1.第1の実施の形態>
[コンテンツ記録装置の構成]
図1は、コンテンツ記録装置の構成を示している。なお、図1に示すコンテンツ記録装置は、例えば撮像画像を記録する撮像装置の場合である。
【0020】
撮像装置10は、撮像部101、前処理部111、カメラ信号処理部112、圧縮符号化処理部113、伸張復号化処理部122、画素数変換部123、表示処理部125、制御部130、循環的にコンテンツが記録される記録媒体(以下「循環記録メディア」という)141、所望のコンテンツが記録される記録媒体(以下「通常記録メディア」という)142、表示部145、操作部148等を備えている。
【0021】
撮像装置10の撮像部101は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型や、CCD(Charge Coupled Device)型の撮像素子が用いられている。撮像部101は、レンズユニット(図示せず)等を介して撮像装置に取り込まれた入射光の光電変換を行い、画像信号を生成する。撮像部101は、例えばNTSC方式の仕様である60fps(フィールド/秒)以上のレートで信号を読み出すことができる。
【0022】
コンテンツ処理部110の前処理部111は、撮像部101から出力された画像信号に対して、AGC(Auto Gain Control)処理により利得を制御する。また、前処理部111は、A/D変換を行い、利得の制御が行われた画像信号をデジタルの画像信号に変換してカメラ信号処理部112に出力する。
【0023】
カメラ信号処理部112は、前処理部111から供給された画像信号に対して、ホワイトバランス調整処理や色補正処理、YC変換処理などのカメラ信号処理を施す。カメラ信号処理部112は、カメラ信号処理を施した画像信号を、圧縮符号化処理部113と表示処理部125に出力する。
【0024】
圧縮符号化処理部113は、カメラ信号処理部112から供給された画像信号に対して、圧縮符号化処理例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)などの画像符号化方式を用いた圧縮符号化処理を行う。また、圧縮符号化処理部113は、圧縮符号化処理を行うことにより得られた符号化データを、バッファメモリ114に出力する。
【0025】
バッファメモリ114は、符号化データを一時的に蓄積するFIFO(First In First Out)方式のメモリであり、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)などが用いられている。このバッファメモリ114に蓄積された符号化データは、後述するメディア制御部131によって読み出されて、循環記録メディア141や通常記録メディア142に記録される。
【0026】
バッファメモリ121は、バッファメモリ114と同様に符号化データを一時的に蓄積するFIFO(First In First Out)方式のメモリであり、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)などが用いられている。このバッファメモリ121には、後述するメディア制御部131によって循環記録メディア141または通常記録メディア142から読み出された符号化データが蓄積される
伸張復号化処理部122は、バッファメモリ121に蓄積されている符号化データを読み出して伸張復号化処理を行い、圧縮符号化処理が行われる前の画像信号に戻して画素数変換部123と信号選択部124に出力する。
【0027】
画素数変換部123は、伸張復号化処理部122から供給された画像信号の画素数変換処理を行う。画素数変換部123は、伸張復号化処理部122から供給された画像信号に基づく画像を、後述する表示部145の画面上に子画面(ピクチャーインピクチャー)として表示できるように画像を縮小する処理を行い、画素数変換処理後の画像信号を信号選択部124に供給する。
【0028】
信号選択部124は、伸張復号化処理部122から供給された画像信号、または画素数変換部123から供給された画像信号のいずれかを選択して表示処理部125に供給する。信号選択部124は、後述する制御部130からの制御信号に基づき、循環記録メディア141あるいは通常記録メディア142に記録された画像を表示部145に表示させるとき、伸張復号化処理部122から供給された画像信号を選択して表示処理部125に供給する。また、信号選択部124は、循環記録メディア141あるいは通常記録メディア142に記録された画像を子画面で表示部145に表示させるとき、画素数変換部123から供給された画像信号を選択して表示処理部125に供給する。
【0029】
表示処理部125は、カメラ信号処理部112から供給された画像信号や信号選択部124から供給された画像信号を用いて、表示部145で画像表示を行うための画像表示信号を生成する。表示処理部125は、撮像装置で取り込まれている被写体の画像を表示部145で表示するとき、カメラ信号処理部112から供給された画像信号を画像表示信号として表示部145に供給する。また、表示処理部125は、循環記録メディア141あるいは通常記録メディア142に記録されている画像を表示部145で表示するとき、信号選択部124から供給された画像信号を画像表示信号として表示部145に供給する。また、表示処理部125は、カメラ信号処理部112から供給された画像信号に、信号選択部124から供給された子画面の画像信号を重畳して画像表示信号を生成することで、撮像装置で取り込まれている被写体の画像を親画面、循環記録メディア141あるいは通常記録メディア142に記録されている画像を子画面として表示部145で表示させる処理も行う。さらに、表示処理部125は、キャラクタジェネレータを内蔵しており、表示処理部125に入力された画像信号に対して、アイコン、エラーメッセージ、GUIメニューなどの文字および画像データを重畳して画像表示信号を生成することで、表示部145にオンスクリーンディスプレイすることができるようになされている。
【0030】
制御部130は、循環記録メディア141に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する循環記録動作を行い、通常記録メディア142に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行う。また、制御部130は循環記録メディア141における通常記録メディア142と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理する。
【0031】
制御部130は、メディア制御部131とシステム制御部132で構成されている。メディア制御部131は、循環記録メディア141や通常記録メディア142に対する符号化データの書き込みおよび読み出しの制御を行う。メディア制御部131は、バッファメモリ114に蓄積されている符号化データを読み出して循環記録メディア141や通常記録メディア142に書き込む処理を行う。また、メディア制御部131は、循環記録メディア141や通常記録メディア142に書き込まれている符号化データを読み出して、バッファメモリ121に蓄積させる処理を行う。
【0032】
循環記録メディア141および通常記録メディア142としては、例えばフラッシュメモリなどの半導体メモリ、DVDなどの光学ディスク、さらにHDDなどを用いるものとする。この循環記録メディア141と通常記録メディア142は、基本的には脱着可能なものが適用されるが、循環記録メディア141と通常記録メディア142を脱着不能として、記録したデータを、通信インタフェースを介して外部に出力できるようにしてもよい。また、循環記録メディア141が脱着不能であり、通常記録メディア142が脱着可能である構成としてもよい。
【0033】
システム制御部132は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などから構成されるマイクロコントローラである。システム制御部132は、ROMなどに記憶されたプログラムを実行して、操作部148からの操作信号に基づき撮像装置の各部を統括的に制御することにより、ユーザ操作に応じて撮像装置を動作させる。また、メディア制御部131の動作を制御して、符号化データの書き込みおよび読み出しの制御を行わせる。さらに、循環記録メディア141や通常記録メディア142に記録されたコンテンツの管理を行う。
【0034】
操作部148は、操作スイッチや操作ボタン等が設けられており、ユーザ操作に応じて操作信号を生成してシステム制御部132に供給する。また、操作部148は、循環記録メディア141への録画操作ボタンと、通常記録メディア142への録画操作ボタンは、それぞれ個別に設けるようにし、各々の記録メディアが独立してコンテンツの録画操作ができるようにする。
【0035】
表示部145は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)等の表示素子を用いて構成されており、表示処理部125から供給された画像表示信号に基づいて、撮像中のカメラスルー画像や循環記録メディア141あるいは通常記録メディア142に記録されているデータの再生画像等を表示する。
【0036】
[記録時のシグナルフロー]
図2は、記録時におけるシグナルフローを示している。なお、図2では、記録時における画像信号と符号化信号の経路を実線の矢印で示している。
【0037】
撮像部101から出力された画像信号は、前処理部111とカメラ信号処理部112を経由して、圧縮符号化処理部113と表示処理部125に伝送される。
【0038】
圧縮符号化処理部113は、カメラ信号処理部112から供給された画像信号に対して圧縮符号化処理を行い、得られた符号化データをバッファメモリ114に蓄積する。
【0039】
メディア制御部131は、バッファメモリ114に、例えば1GOP(Group of picture)の整数倍単位である画像分の符号化データが蓄積されたところで、この蓄積されている符号化データをバッファメモリ114から読み出して循環記録メディア141と通常記録メディア142のそれぞれに、またはどちらか一方にのみに記録する。なお、圧縮符号化処理部113の圧縮符号化処理が、固定ビットレート(CBR:Constant Bit rate)で行われていれば、符号化データのデータ量で、1GOPの整数倍単位である画像分の符号化データが蓄積されたか否かを判別できる。また、圧縮符号化処理部113の圧縮符号化処理が、可変ビットレート(VBR:Variable Bit rate)で行われていれば、圧縮符号化処理部113で圧縮符号化処理したフレームから1GOPの整数倍単位である画像分の符号化データが蓄積されたか否かを判別できる。
【0040】
表示処理部125は、カメラ信号処理部112から供給された画像信号を画像表示信号として表示部145に供給することで、撮影中のカメラスルー画像を表示部145に表示させる。
【0041】
[再生時のシグナルフロー]
図3は、再生時におけるシグナルフローを示している。なお、図3では、再生時における符号化信号と画像信号の経路を実線の矢印で示している。
【0042】
メディア制御部131は、循環記録メディア141または通常記録メディア142から符号化データを読み出してバッファメモリ121に蓄積させる。
【0043】
伸張復号化処理部122は、バッファメモリ121に蓄積された符号化データを読み出して伸張復号化処理を行い、得られた画像信号を信号選択部124に供給する。信号選択部124は、伸張復号化処理部122から供給された画像信号を選択して表示処理部125に供給する。
【0044】
表示処理部125は、伸張復号化処理部122から信号選択部124を介して供給された画像信号を画像表示信号として表示部145に供給することで、循環記録メディア141または通常記録メディア142に記録されているデータの再生画像を表示部145で表示させる。
【0045】
[コンテンツのファイル生成イメージ]
図4は、コンテンツのファイル生成イメージを示している。なお、図4の(A)は、通常記録メディア142の記録領域421におけるファイル生成イメージ、図4の(B)は、循環記録メディア141の記録領域411におけるファイル生成イメージを示している。
【0046】
循環記録メディア141の記録領域411には、ループ記録により作成されるコンテンツのファイルイメージが格納される。通常記録メディア142の記録領域421には、通常記録により作成されるコンテンツのファイルイメージが格納される。
【0047】
通常記録では、ユーザが操作部148の録画スタート/ストップボタンを操作したことにより、記録を開始または停止して、コンテンツを通常記録メディア142に記録する。また、ループ記録では、循環記録開始イベントの発生から循環記録終了イベントの発生まで、循環記録メディア141にコンテンツを循環的に(リングバッファ的に)記録する。循環記録開始イベントとは、前述の録画スタートボタン操作とは異なる方法、例えば通常記録の録画スタートボタンとは別に設けた録画ボタンの録画スタート操作や、電源のオン動作などである。また、循環記録終了イベントとは、前述の録画ストップボタン操作とは異なる方法、例えば通常記録の録画ストップボタンとは別に設けた録画ボタンの録画ストップ操作や、電源のオフ動作やスタンバイ動作などである。
【0048】
記録領域411、421は、例えば循環記録メディア141および通常記録メディア142としてフラッシュメモリを用いた場合、フラッシュメモリの全記録領域、または、フラッシュメモリの全記録領域のうち、固定長サイズで区切った領域(例えばファイルシステムで規定された上限サイズの領域)を指す。また、あるフォルダ内でループ記録ファイルを作成するようにし、そのフォルダ内に記録されるコンテンツデータの合計サイズに上限値Mを設けるような管理の方法でもよい。
【0049】
本発明では、論理的に記録領域を管理することを想定して説明するが、物理的に記録領域を管理するようにしてもよい。なお、論理的に記録領域を管理する場合は、ユーザが書き換え可能な記録領域411、421以外に、例えばFAT16、FAT32などのファイルデータ(クラスタ)のチェーン構造を管理するFAT(File Allocation Table)領域や、コンテンツのファイルイメージが格納されているアドレス(クラスタ)、ファイルネーム、ファイル属性などのディレクトリエントリ情報を管理する領域などが存在する。また、記録動作により記録領域411、421のファイルイメージの内容が更新される場合は、これらのFAT領域やディレクトリエントリ領域の内容も更新される。
【0050】
ユーザの録画スタート/ストップ操作により作成されたコンテンツのファイルネームは、コンテンツのファイルイメージを作成した時刻情報である年(yyyy)、月(m1)、日(dd)、時(hh)、分(m2)、秒(ss)、フレームカウント(ff)、および同一時刻の重複を避けるための通し番号(nn)をもとに、第1の書式例えば「yyyym1dd_hhm2ssff_nn.MPG」で示す書式を用いたファイルネームとしている。例えば2008年3月11日10時50分10秒00フレームに録画を開始した通し番号01番のコンテンツPGcaは、「20080311_10501000_01.MPG」で示すファイルネームになる。また、2008年3月11日10時55分59秒00フレームに録画を開始した通し番号01番のコンテンツPGcbは、「20080311_10555900_01.MPG」で示すファイルネームになる。なお、「.MPG」は、MPEG方式を用いて圧縮符号化を行った符号化データの記録ファイルであることを示す拡張子である。
【0051】
ループ記録で生成されるファイルイメージは、ループ記録を行っているときにユーザの録画スタート/ストップ操作に応じてファイルを分割したイメージとする。すなわち、ループ記録で生成されるファイルイメージは、循環記録メディア411における通常記録メディア412と同時に記録された同一コンテンツ部分(以下「記録コンテンツ」という)と、記録コンテンツ間を補間するコンテンツ部分(以下「補間コンテンツ」という)で構成される。なお、記録コンテンツとは、ユーザの録画スタート操作から録画ストップ操作までの期間の画像を示すコンテンツである。また、補間コンテンツとは、ユーザの録画ストップ操作から次にユーザの録画スタート操作が行われるまでの期間の画像を示すコンテンツである。
【0052】
ここで、循環記録メディア141に記録された記録コンテンツは、通常記録メディア142に記録されたコンテンツと同一であることから、通常記録メディア142に記録されたコンテンツとファイル名を等しくする。また、ユーザの録画スタート/ストップ操作により作成された記録コンテンツと、記録コンテンツ間を補間した補間コンテンツを区別できるように、補間コンテンツは、記録コンテンツと異なる第2の書式を用いたファイルネームとする。例えば、コンテンツのファイルイメージを作成した時刻情報である年(yyyy)、月(m1)、日(dd)、時(hh)、分(m2)、秒(ss)、フレームカウント(ff)、および同一時刻の重複を避けるための通し番号(nn)に、補間コンテンツであることを示す情報(LOOP)を付加して、第2の書式例えば「yyyym1dd_hhm2ssff_nn_LOOP.MPG」で示す書式を用いたファイルネームとする。
【0053】
なお、ファイルサイズの上限値Mが規定されている場合、コンテンツの符号化データを複数のファイルに分割して、分割されたファイルを通し番号(nn)で管理する。
【0054】
例えば、2008年3月11日10時50分10秒00フレームに録画を開始すると、記録コンテンツであるコンテンツPGcaのファイル「20080311_10501000_01.MPG」が記録領域411、421に生成される。なお、コンテンツの録画が開始されると、補間コンテンツであるコンテンツPGdaのファイル「20080311_10440000_01_LOOP.MPG」が完結される。また、2008年3月11日10時51分00秒00フレームでコンテンツPGcaの録画を終了すると、ファイル「20080311_10501000_01.MPG」が完結して、記録領域411には、補間コンテンツであるコンテンツPGdbのファイル「20080311_10510000_01_LOOP.MPG」が生成される。このファイル「20080311_10510000_01_LOOP.MPG」がファイルサイズの上限値Mに達するときは、コンテンツPGdbの新たなファイルとして、ファイル「20080311_10510000_02_LOOP.MPG」が生成される。その後、2008年3月11日10時55分59秒00フレームでコンテンツPGcbの録画を開始すると、ファイル「20080311_10555900_01.MPG」が記録領域411、421に生成される。
【0055】
[コンテンツの記録動作]
図5は、コンテンツの記録動作を示すフローチャートである。ステップST1で制御部130は、操作部148からの操作信号に基づき録画操作を検出してステップST2に進む。
【0056】
ステップST2で制御部130は、録画トリガーを決定する。制御部130は、録画操作が通常記録の記録開始操作、通常記録の記録終了操作、ループ記録の記録開始操作、ループ記録の記録終了操作のいずれであるか判別する。さらに、制御部130は、判別したユーザ操作および記録メディアが記録中であるか否の判別結果、記録メディアに符号化データを記録できる空き領域がある状態(記録可能状態)か否かの判別結果等を録画トリガーとしてステップST3に進む。
【0057】
通常記録では、ユーザが操作部148の録画スタート/ストップボタンを操作したことにより、記録を開始または停止して、コンテンツを通常記録メディア142に記録する。また、ループ記録では、循環記録開始イベントの発生から循環記録終了イベントの発生まで、循環記録メディア141にコンテンツを循環的に記録する。
【0058】
制御部130は、例えば循環記録メディア141が記録可能状態で通常記録メディア142が記録停止中である場合、録画スタート/ストップボタンが操作されたときは、通常記録メディア142への録画動作をスタートさせる。また、制御部130は、例えば通常記録メディア142が記録中である場合に録画スタート/ストップボタンが操作されたとき、通常記録メディア142への録画動作をストップさせる。このように、制御部130は、記録メディアの記録状態がトグル動作するよう録画トリガーを決定する。
【0059】
ステップST3で制御部130は、録画トリガーに応じて録画制御を行いステップST1に戻る。なお、ステップST1からステップST3の処理は、例えば撮像装置が撮影可能な状態にあるとき、1フレーム(または1フィールド)に1回、定常的に実行する。
【0060】
[録画制御]
図6は、録画制御を示すフローチャートである。ステップST11で制御部130は、通常記録メディア142に対する録画スタートを行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき通常記録メディア142に対する録画スタート動作を行うと判別したときステップST12に進み、ステップST12で通常記録開始処理を行ったのちステップST13に進む。また、制御部130は、通常記録メディア142に対する録画スタート動作を行わないと判別したときステップST13に進む。なお、ステップST12の通常記録開始処理については後述する。
【0061】
ステップST13で制御部130は、通常記録メディア142に対する録画ストップ動作を行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき通常記録メディア142に対する録画ストップ動作を行うと判別したときステップST14に進み、ステップST14で通常記録停止処理を行ったのちステップST15に進む。また、制御部130は、通常記録メディア142に対する録画ストップ動作を行わないと判別したときステップST15に進む。なお、ステップST14の通常記録停止処理については後述する。
【0062】
ステップST15で制御部130は、循環記録メディア141に対する録画スタート動作を行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき循環記録メディア141に対する録画スタート動作を行うと判別したときステップST16に進み、ステップST16でループ記録開始処理を行ったのちステップST17に進む。また、制御部130は、循環記録メディア141に対する録画スタート動作を行わないと判別したときステップST17に進む。なお、ステップST16のループ記録開始処理については後述する。
【0063】
ステップST17で制御部130は、循環記録メディア141に対する録画ストップ動作を行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき循環記録メディア141に対する録画ストップ動作を行うと判別したときステップST18に進み、ステップST18でループ記録停止処理を行ったのちステップST19に進む。また、制御部130は、循環記録メディア141に対する録画ストップ動作を行わないと判別したときステップST19に進む。なお、ステップST18のループ記録停止処理については後述する。
【0064】
ステップST19で制御部130は、通常記録メディア142が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき通常記録メディア142が記録中であると判別したときステップST20に進み、ステップST20で通常記録制御処理を行ったのちステップST21に進む。また、制御部130は、通常記録メディア142が記録中でないと判別したときステップST21に進む。なお、ステップST20の通常記録制御処理については後述する。
【0065】
ステップST21で制御部130は、循環記録メディア141が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき循環記録メディア141が記録中であると判別したときステップST22に進み、ステップST22でループ記録制御処理を行ったのち録画制御のループを終了する。また、制御部130は、循環記録メディア141が記録中でないと判別したとき録画制御のループを終了する。なお、ステップST22のループ記録制御処理については後述する。
【0066】
なお、図6に示す録画制御のフローチャートでは、循環記録メディア141の録画トリガーとして、循環記録メディア141に対する録画スタート操作が行われたとき、ループ記録を開始するものとしたが、撮像装置が電源オン状態で撮影が可能な状態となったことを録画トリガーとして、常時ループ記録を行うようにしてもよい。
【0067】
[通常記録開始処理]
図7は、通常記録開始処理を示すフローチャートである。通常記録メディア142への録画スタート指示のトリガーを受けたとき、ステップST121で制御部130は、通常記録メディア142の記録ファイルネーム設定を行う。制御部130は、通常記録で通常記録メディア142に記録するコンテンツのファイルネームを設定する。具体的には、コンテンツのファイルイメージを作成した時刻情報および同一時刻の重複を避けるための通し番号をもとに、第1の書式例えば「yyyym1dd_hhm2ssff_nn.MPG」で示す書式を用いたファイルネームを設定してステップST122に進む。
【0068】
ステップST122で制御部130は、循環記録メディア141が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、圧縮符号化処理部113で生成された符号化データを循環記録メディア141に記録する処理が行われていないときステップST123に進み、記録する処理が行われているときステップST124に進む。
【0069】
ステップST123で制御部130は、圧縮符号化処理を開始させてステップST125に進む。例えば、符号化データを循環記録メディアや通常記録メディアに記録する処理が行われていないとき、符号化データを生成する必要がないことから圧縮符号化処理部113の動作を停止することで消費電力を削減できる。このような場合、ステップST123の処理を行うときには、圧縮符号化処理部113の動作が停止された状態となっている。したがって、制御部130は、圧縮符号化処理部113の動作を開始させて、バッファメモリ114に符号化データを蓄積されてステップST125に進む。
【0070】
ステップST124で制御部130は、循環記録メディア141の記録ファイルネーム設定を行う。制御部130は、ユーザの録画スタート/ストップ操作により新たに作成されるコンテンツのファイルネームを設定する。具体的には、コンテンツのファイルイメージを作成した時刻情報および同一時刻の重複を避けるための通し番号をもとに、第1の書式例えば「yyyym1dd_hhm2ssff_nn.MPG」で示す書式を用いたファイルネームを設定してステップST125に進む。
【0071】
ステップST125で制御部130は、通常記録メディア142への符号化データの記録を開始して、通常記録開始処理を終了する。
【0072】
なお、通常記録メディア142への符号化データの記録を開始したとき、制御部130は、設定された記録ファイルネームのファイルに、バッファメモリ114に所定量の符号化データが蓄積されるタイミングで、この蓄積された符号化データを記録する。
【0073】
[通常記録停止処理]
図8は、通常記録停止処理を示すフローチャートである。通常記録メディア142への録画ストップ指示のトリガーを受けたとき、ステップST141で制御部130は、通常記録メディア142への符号化データの記録を終了してステップST142に進む。
【0074】
ステップST142で制御部130は、循環記録メディア141が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、圧縮符号化処理部113で生成された符号化データを循環記録メディア141に記録する処理が行われていないときステップST143に進み、記録する処理が行われているときステップST144に進む。
【0075】
ステップST143で制御部130は、圧縮符号化処理を終了させて通常記録停止処理を終了する。ここで、ステップST143の処理を行うときには、符号化データを生成する必要がなく、圧縮符号化処理部113の動作を停止することが可能な状態となっている。したがって、制御部130は、圧縮符号化処理部113の動作を停止させる。このように、圧縮符号化処理部113の動作を停止させることで、上述のように消費電力を削減できる。また、バッファメモリ114は、符号化データを蓄積しておく必要がないことから、バッファメモリ114を開放して、他の信号処理で利用可能としてもよい。
【0076】
ステップST144で制御部130は、循環記録メディア141のファイルネーム設定を行う。制御部130は、コンテンツ間を補間する補間コンテンツのファイルネームを設定する。具体的には、コンテンツのファイルイメージを作成した時刻情報および同一時刻の重複を避けるための通し番号と補間コンテンツであることを示す情報をもとに、第2の書式例えば「yyyym1dd_hhm2ssff_nn_LOOP.MPG」で示す書式を用いたファイルネームを設定して通常記録停止処理を終了する。
【0077】
[ループ記録開始処理]
図9は、ループ記録開始処理を示すフローチャートである。循環記録メディア141への録画スタート指示のトリガーを受けたとき、ステップST161で制御部130は、通常記録メディア142が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、圧縮符号化処理部113で生成された符号化データを通常記録メディア142に記録する処理が行われていないときステップST162に進み、記録する処理が行われているときステップST164に進む。
【0078】
ステップST162で制御部130は、圧縮符号化処理を開始させてステップST165に進む。例えば、符号化データを生成する必要がないとき圧縮符号化処理部113の動作を停止する場合、ステップST162の処理を行うときには、圧縮符号化処理部113の動作が停止された状態となっている。したがって、制御部130は、圧縮符号化処理部113の動作を開始させて、バッファメモリ114に符号化データを蓄積されてステップST163に進む。
【0079】
ステップST163で制御部130は、循環記録メディア141の記録ファイルネーム設定を行う。制御部130は、通常記録メディア142が記録中でないことから、補間コンテンツのファイルネーム、例えば「yyyym1dd_hhm2ssff_nn_LOOP.MPG」で示す書式を用いたファイルネームを設定してステップST165に進む。
【0080】
ステップST161からステップST164に進むと、ステップST164で制御部130は、循環記録メディア141の記録ファイルネーム設定を行う。制御部130は、通常記録メディア142が記録中であることから、ユーザの録画スタート/ストップ操作により作成される記録コンテンツのファイルネーム、例えば「yyyym1dd_hhm2ssff_nn.MPG」で示す書式を用いたファイルネームを設定してステップST165に進む。
【0081】
ステップST165で制御部130は、循環記録メディア141への符号化データの記録を開始して、ループ記録開始処理を終了する。
【0082】
なお、循環記録メディア141への符号化データの記録を開始したとき、制御部130は設定された記録ファイルネームのファイルに、バッファメモリ114に所定量の符号化データが蓄積されるタイミングで、この蓄積された符号化データを記録する。
【0083】
[ループ記録停止処理]
図10は、ループ記録停止処理を示すフローチャートである。循環記録メディア141への録画ストップ指示のトリガーを受けたとき、ステップST181で制御部130は、循環記録メディア141への符号化データの記録を終了してステップST182に進む。
【0084】
ステップST182で制御部130は、通常記録メディア142が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、圧縮符号化処理部113で生成された符号化データを通常記録メディア142に記録する処理が行われていないときステップST183に進み、記録する処理が行われているときループ記録停止処理を終了する。
【0085】
ステップST183で制御部130は、圧縮符号化処理を終了させてループ記録停止処理を終了する。ここで、ステップST183の処理を行うときには、符号化データを生成する必要がなく、圧縮符号化処理部113の動作を停止することが可能な状態となっている。したがって、制御部130は、圧縮符号化処理部113の動作を停止させる。また、バッファメモリ114の開放を行う。
【0086】
[通常記録制御処理]
図11は、通常記録制御処理を示すフローチャートである。通常記録制御処理において、制御部130は、バッファメモリ114に蓄積された符号化データを通常記録メディア142に順次記録する処理を行う。また、制御部130は、通常記録メディア142に記録可能な空き領域がなくなったときエラー報知を行う。
【0087】
ステップST201で制御部130は、所定量の符号化データが蓄積されたか否かを判別する。制御部130は、バッファメモリ114に所定量の符号化データが蓄積されたとき、例えば1GOP(Group of picture)の整数倍単位である画像分の符号化データが蓄積されたときステップST202に進み、所定量の符号化データが蓄積されていないときは、通常記録制御処理を終了する。
【0088】
ステップST202で制御部130は、通常記録メディア142に空き領域があるか否かを判別する。制御部130は、所定量の符号化データを記録できる空き領域が通常記録メディア142にあるときステップST203に進み、所定量の符号化データを記録できる空き領域がないときステップST206に進む。
【0089】
ステップST203で制御部130は、通常記録メディア142の記録ファイルをオープンしてステップST204に進む。制御部130は、通常記録メディア142の記録ファイル、すなわち符号化データの記録中であるファイル(最も作成日時の新しいファイル)をオープンしてステップST204に進む。
【0090】
ステップST204で制御部130は、記録ファイルに符号化データを書き込む。制御部130は、所定量の符号化データをバッファメモリ114から読み出して、通常記録メディア142の記録ファイルに書き込んでステップST205に進む。
【0091】
ステップST205で制御部130は、オープンしている通常記録メディア142の記録ファイルをクローズして通常記録制御処理を終了する。
【0092】
制御部130は、ステップST201からステップST205の処理を、通常記録停止処理が行われるまで繰り返し継続する。したがって、例えばMPEG方式を用いて1GOPが15フレーム分のピクチャーデータから構成される場合、15フレームに1回、通常記録メディア142への符号化データの書き込み処理が繰り返し行われることになる。
【0093】
ステップST202からステップST206に進むと、ステップST206で制御部130は、エラー報知を行う。制御部130は、エラー報知として例えば表示処理部125のオンスクリーンディスプレイ機能を利用して、通常記録メディア142に符号化データを記録できる空き領域が残っていないことを示す表示を行う。
【0094】
図12は、表示部を用いて行われるエラー報知の表示画像を例示している。制御部130は、表示処理部125のオンスクリーンディスプレイ機能を利用して、図12の(A)に示すように、エラー報知画像「通常記録メディアの記録残量がありません」をカメラスルー画像に重畳させて表示させる。このように、エラー報知を行うことで、ユーザは、コンテンツが記録できなくなったことを把握できる。
【0095】
ステップST207で制御部130は、通常記録メディア142への符号化データの記録を終了して、通常記録制御処理を終了する。
【0096】
[ループ記録制御処理]
図13は、ループ記録制御処理を示すフローチャートである。循環記録メディア141に対してループ記録を行う場合に、図14に示すように、循環記録メディア141の記録領域411の記録容量Nを、所定の分割数n(2以上)で分割したサイズを、1つのファイルサイズの上限値M(=N/n)として、ファイルの生成を行う。例えば32ギガバイトの記録領域が記録可能な空き領域であり、分割数が8のとき、ループ記録を停止せずに記録を続けた場合におけるファイルサイズの上限値Mは、4ギガバイトとなる。なお、分割数nは、ファイルサイズが所定の上限値Mを超えないように、使用するメディアの記録容量に応じて分割数nを決めてもよいし、1つのファイルの記録時間が所定の上限値Mを超えないよう分割数nを決めてもよい。また、GUIメニューなどのインタフェースを設けて、ユーザが分割数nを決めるようにしてもよい。
【0097】
ループ記録制御処理において、制御部130は、バッファメモリ114に蓄積された符号化データを循環記録メディア141に順次記録する処理を行う。また、制御部130は、循環記録メディア141に記録可能な空き領域がなくなったとき記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保する処理、またはエラー報知を行う。
【0098】
ステップST221で制御部130は、所定量の符号化データが蓄積されたか否かを判別する。制御部130は、バッファメモリ114に所定量の符号化データが蓄積されたときステップST222に進み、所定量の符号化データが蓄積されていないときは、ループ記録制御処理を終了する。
【0099】
ステップST222で制御部130は、循環記録メディア141に空き領域があるか否かを判別する。制御部130は、所定量の符号化データを記録できる空き領域が循環記録メディア141にあるときステップST226に進み、所定量の符号化データを記録できる空き領域がないときステップST223に進む。
【0100】
ステップST223で制御部130は、削除ファイルの検索を行う。制御部130は、循環記録メディア141に記録されているコンテンツから例えば更新履歴の古い順に削除してよいファイルであるか否かを判別してステップST224に進む。
【0101】
ステップST224で制御部130は、削除可能なファイルが検索されているか否かを判別する。制御部130は削除可能なファイルが検索されているときステップST225に進み、削除可能なファイルが検索されていないときステップST231に進む。例えば、削除可能なファイルを検索した結果、ユーザがファイルプロテクトしたり、記録ファイルネームを変更する等により、削除可能なファイルが見つからなかった場合は、ステップST231に進む。
【0102】
ステップST225で制御部130は、検索された記録ファイルを循環記録メディア141から削除してステップST226に進む。
【0103】
ステップST226で制御部130は、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達したか否か判別する。制御部130は、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達したときステップST227に進み、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達していないときステップST228に進む。
【0104】
ステップST227で制御部130は、記録ファイルネーム設定を行う。制御部130は、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達したため、コンテンツの符号化データを複数ファイルとして記録するとき、この複数の記録ファイルが連続したファイルであることを識別できるように、例えば通し番号(nn)のインクリメントのみを行ったファイルネームを用いて新たな記録ファイルを設けてステップST228に進む。
【0105】
ステップST228で制御部130は、循環記録メディア141の記録ファイルをオープンしてステップST229に進む。制御部130は、循環記録メディア141の記録ファイル、すなわち符号化データの記録中であるファイル(最も作成日時の新しいファイル)をオープンしてステップST229に進む。
【0106】
ステップST229で制御部130は、記録ファイルに符号化データを書き込む。制御部130は、所定量の符号化データをバッファメモリ114から読み出して、循環記録メディア141の記録ファイルに書き込んでステップST230に進む。
【0107】
ステップST230で制御部130は、オープンしている循環記録メディア141の記録ファイルをクローズする。
【0108】
ステップST224からステップST231に進むと、ステップST231で制御部130は、エラー報知を行う。制御部130は、エラー報知として例えば表示処理部125のオンスクリーンディスプレイ機能を利用して、循環記録メディア141に符号化データを記録できる空き領域が残っていないことを示す表示を行う。
【0109】
制御部130は、表示処理部125のオンスクリーンディスプレイ機能を利用して、図12の(B)に示すように、エラー報知画像「循環記録メディアの記録残量がありません」をカメラスルー画像に重畳させて表示させる。このように、エラー報知を行うことで、ユーザは、コンテンツが記録できなくなったことを把握できる。
【0110】
ステップST232で制御部130は、循環記録メディア141への記録を終了させる。
【0111】
このように、制御部130は、更新履歴の古いコンテンツのファイルを削除しながらループ記録を行う。また、制御部130は、ループ記録停止処理が行われるまで繰り返し継続する。
【0112】
図15は、ループ記録を行ったときの循環記録メディア141のファイル生成イメージを示している。なお、図15において、図15の(A)は記録開始前のファイルイメージ、図15の(B)は記録開始時のファイルイメージ、図15の(C)は、空き領域の折り返しが生じたときのファイルイメージ、図15の(D)は記録ファイルのサイズが上限値Mに達したときのファイルイメージをそれぞれ示している。
【0113】
例えば2008年4月3日13時45分00秒00フレームでループ記録を開始すると、循環記録メディア141の記録領域411の空き領域に記録ファイル「20080403_13450000_01_LOOP.MPG」が生成されて、この記録ファイルに符号化データが記録される。また、空き領域がなくなると、更新履歴の古いファイル「20080311_10440000_01_LOOP.MPG」が削除されて、図15の(C)に示すように、空き領域の折り返しが生じて、この領域に符号化データが引き続き記録される。その後、空き領域がなくなると、更新履歴の古いファイル「20080311_10510000_01_LOOP.MPG」が削除されて、図15の(D)に示すように、この領域に符号化データが記録される。その後、記録ファイル「20080403_13450000_01_LOOP.MPG」のファイルサイズが上限値Mに達すると、新たに記録ファイル「20080403_13450000_02_LOOP.MPG」が生成されて、新たな記録ファイルに符号化データが引き続き記録される。
【0114】
また、ユーザの録画スタート/ストップ操作が行われたときには、図15に示されているように、ユーザの録画スタート/ストップ操作に応じた記録コンテンツのファイル「20080311_10555900_01.MPG」、「20080311_11105600_01.MPG」、「20080311_12593000_01.MPG」等が生成される。また、補間コンテンツのファイル「20080311_11000000_01_LOOP.MPG」、「20080311_11120000_01_LOOP.MPG」等が生成される。
【0115】
なお、上述のループ記録では、例えばFAT方式でフォーマットされたメディアに対して、MPEG等の圧縮符号化方式で画像データを記録することを想定している。このため、ループ記録領域を所定の分割数で分割したサイズを、画像データのファイルサイズの上限値Mとし、ループ記録領域内に記録ファイルが複数存在するようにし、ファイル単位で古い画像データを順次削除することにより、GOPのデータ量が一定でないことに起因する問題、すなわちGOPデータ量が異なる古い画像データを新しい画像データで書き換えた際に、古い画像データが残ってしまうという問題を回避できる。
【0116】
また、GOPデータ量調整を行い各GOPデータの先頭が記録メディアのクラスタの先頭に記録されるような記録方法を適用することで、GOPデータ単位での画像データの書き換え制御を行うものとしてもよい。この場合は、ファイルシステム等によってファイルサイズの上限値Mの制約がない限り1つのファイル内でループ記録を行うことが可能になる。
【0117】
さらに、本発明では、ループ記録ファイルをユーザの録画操作のタイミングで分割するようにしたが、ファイルを分割せずに通常記録の録画スタートと録画ストップのタイミングをIN/OUT点情報として、循環記録メディア141またはコンテンツ記録装置に、IN/OUT点情報を保持するようにしてもよい。このIN点情報は、通常記録の録画スタートのタイミングを、ループ記録ファイルにおける先頭からの位置によって示した情報である。また、OUT点情報は、通常記録の録画ストップのタイミングを、ループ記録ファイルにおける先頭からの位置で示した情報である。
【0118】
このように、少なくとも2つ以上の記録媒体にコンテンツを記録可能として、制御部130は、コンテンツの通常記録とループ記録を同時に(並列的)行い、ループ記録で循環記録メディアに記録されたコンテンツにおける通常記録メディアに通常記録されたコンテンツの開始点と終了点が管理する。このため、ループ記録で撮り逃しをなくしつつ、ミラー記録でユーザの意図するタイミングでコンテンツデータの多重化ができるようになる。
【0119】
また、制御部130は、第2の記録媒体に記録されるコンテンツ部分である記録コンテンツと第2の記録媒体に記録されないコンテンツ部分である補間コンテンツのファイルに分割することで、第1の記録媒体におけるコンテンツの管理が容易となる。
【0120】
さらに、制御部130は、第1の記録媒体における記録コンテンツのファイルに対して、第2の記録媒体に記録するコンテンツのファイルと等しいファイル名を設定し、第1の記録媒体における補間コンテンツのファイルに対して、補間コンテンツのファイルであることを識別可能とするファイル名を設定する。このため、第2の記録媒体に何らかの障害が発生して、ユーザの撮影した所望の動画像を示す記録ファイルが破損してしまった場合でも、この所望の動画像を第1の記録媒体から容易に読み出すことができるようになる。
【0121】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態では、循環記録メディア141に符号化データを記録する空き領域がなくなったときに、既に記録されているコンテンツの内容を確認しながらコンテンツを削除して空き領域を確保する動作について説明する。
【0122】
ループ記録で循環記録メディア141に例えば撮り直しができないブライダルや報道現場等の動画像を示すコンテンツが記録されている場合、このコンテンツが削除されて新たなコンテンツが書き込まれないようにするためには、コンテンツファイルの属性を上書き禁止モードに設定する必要がある。しかし、上書き禁止モードに設定する作業を忘れると、撮り直しができないコンテンツが失われて新たなコンテンツが書き込まれてしまう。
【0123】
そこで、コンテンツに新たなコンテンツを上書きする前に、すなわち削除コンテンツを決定して削除する前に、削除コンテンツを再生して内容をユーザに提示することで、重要度の高いコンテンツが過って失われることなく、空き領域を確保できるようにする。
【0124】
この場合、コンテンツ記録装置の構成は、図1に示す構成と同一である。また、コンテンツ記録時のシグナルフローは図16に示すものであり、コンテンツ再生時のシグナルフローは図3に示すシグナルフローと同一である。
【0125】
[記録時のシグナルフロー]
図16は、記録時におけるシグナルフローを示している。なお、図16では、記録時における画像信号と符号化信号の経路を実線の矢印で示している。
【0126】
撮像部101から出力された画像信号は、前処理部111とカメラ信号処理部112を経由して、圧縮符号化処理部113と表示処理部125に伝送される。
【0127】
圧縮符号化処理部113は、カメラ信号処理部112から供給された画像信号に対して圧縮符号化処理を行い、得られた符号化データをバッファメモリ114に蓄積する。
【0128】
メディア制御部131は、バッファメモリ114に、例えば1GOP(Group of picture)の整数倍単位である画像分の符号化データが蓄積されたところで、この蓄積されている符号化データをバッファメモリ114から読み出して循環記録メディア141と通常記録メディア142のそれぞれに、またはどちらか一方にのみに記録する。
【0129】
また、メディア制御部131は、循環記録メディア141における記録可能な空き領域が所定量未満となったとき、削除コンテンツの符号化データを循環記録メディア141から読み出してバッファメモリ121に蓄積させる。
【0130】
伸張復号化処理部122は、バッファメモリ121に蓄積された符号化データを読み出して伸張復号化処理を行い、得られた画像信号を画素数変換部123に供給する。
【0131】
画素数変換部123は、伸張復号化処理部122から供給された画像信号の画素数変換処理を行い、子画面として表示できるように縮小した画像の画像信号を生成して信号選択部124に供給する。
【0132】
信号選択部124は、画素数変換部123から供給された画像信号を選択して表示処理部125に供給する。
【0133】
表示処理部125は、カメラ信号処理部112から供給された画像信号と画素数変換部123から信号選択部124を介して供給された画像信号を用いて画像表示信号を生成して表示部145に供給する。表示処理部125は、画像表示信号として、撮影中のカメラスルー画像と削除コンテンツの画像を合わせて表示する。例えば撮影中のカメラスルー画像と削除コンテンツの画像を2画面表示と表示画像の信号を生成する。また、撮影中のカメラスルー画像を示す親画面に対して、削除コンテンツの画像を示す子画面を設けた表示画像の信号を生成するものとしてもよい。
【0134】
[コンテンツの記録動作と録画制御]
コンテンツの記録動作では、図5および図17の処理を行う。図17の録画制御は、図6に示す録画制御に対応するものである。なお、図17において、図6の処理と一致する処理は同一のステップ番号を付している。
【0135】
図17のステップST11で制御部130は、通常記録メディア142に対する録画スタートを行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき通常記録メディア142に対する録画スタート動作を行うと判別したときステップST12に進み、ステップST12で図7に示す通常記録開始処理を行ったのちステップST13に進む。また、制御部130は、通常記録メディア142に対する録画スタート動作を行わないと判別したときステップST13に進む。
【0136】
ステップST13で制御部130は、通常記録メディア142に対する録画ストップ動作を行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき通常記録メディア142に対する録画ストップ動作を行うと判別したときステップST14に進み、ステップST14で図8に示す通常記録停止処理を行ったのちステップST15に進む。また、制御部130は、通常記録メディア142に対する録画ストップ動作を行わないと判別したときステップST15に進む。
【0137】
ステップST15で制御部130は、循環記録メディア141に対する録画スタート動作を行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき循環記録メディア141に対する録画スタート動作を行うと判別したときステップST16に進み、ステップST16で図9に示すループ記録開始処理を行ったのちステップST17に進む。また、制御部130は、循環記録メディア141に対する録画スタート動作を行わないと判別したときステップST17に進む。
【0138】
ステップST17で制御部130は、循環記録メディア141に対する録画ストップ動作を行うか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき循環記録メディア141に対する録画ストップ動作を行うと判別したときステップST18に進み、ステップST18で図10に示すループ記録停止処理を行ったのちステップST19に進む。また、制御部130は、循環記録メディア141に対する録画ストップ動作を行わないと判別したときステップST19に進む。
【0139】
ステップST19で制御部130は、通常記録メディア142が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき通常記録メディア142が記録中であると判別したときステップST20に進み、ステップST20で図11に示す通常記録制御処理を行ったのちステップST21に進む。また、制御部130は、通常記録メディア142が記録中でないと判別したときステップST21に進む。
【0140】
ステップST21で制御部130は、循環記録メディア141が記録中であるか否かを判別する。制御部130は、録画トリガーに基づき循環記録メディア141が記録中であると判別したときステップST24に進み、ステップST24でループ記録制御処理を行ったのち録画制御のループを終了する。また、制御部130は、循環記録メディア141が記録中でないと判別したとき録画制御のループを終了する。ステップST24のループ記録制御処理は、図6におけるステップST22のループ記録制御処理とは異なり、削除コンテンツの内容を表示して、その後削除コンテンツの削除を行うものである。
【0141】
[ループ記録制御処理]
次に、削除コンテンツの内容を表示して、その後削除コンテンツの削除を行うループ記録制御処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。
【0142】
ループ記録制御処理において、制御部130は、バッファメモリ114に蓄積された符号化データを循環記録メディア141に順次記録する処理を行う。また、制御部130は、削除ファイル情報表示処理を行い、循環記録メディア141における記録可能な空き領域が所定量未満となったとき、削除可能なコンテンツのファイル内容を示す画像の表示や、削除可能なファイルを削除して空き領域を確保する処理等を行う。
【0143】
ステップST241で制御部130は、削除ファイル情報表示の処理を行う。制御部130は、削除ファイル情報表示処理において、循環記録メディア141における記録可能な空き領域が所定量未満となったとき、削除可能なファイルを抽出して、この抽出したファイルを示す削除ファイル情報を生成する。さらに、制御部130は、生成した削除ファイル情報に従い、削除するコンテンツの画像や情報等を表示部145に表示させる処理を行う。なお、削除ファイル情報表示処理の詳細については後述する。
【0144】
ステップST242で制御部130は、所定量の符号化データが蓄積されたか否かを判別する。制御部130は、バッファメモリ114に所定量の符号化データが蓄積されたときステップST243に進み、所定量の符号化データが蓄積されていないときは、ループ記録制御処理を終了する。
【0145】
ステップST243で制御部130は、循環記録メディア141に空き領域があるか否かを判別する。制御部130は、符号化データを記録できる空き領域が循環記録メディア141にあるときステップST246に進み、空き領域が循環記録メディア141にないときステップST244に進む。
【0146】
ステップST244で制御部130は、削除可能なファイルがあるか否かを判別する。制御部130は削除可能なファイルがあるときステップST245に進み、削除可能なファイルがないときステップST251に進む。
【0147】
ステップST245で制御部130は、削除可能なファイルを循環記録メディア141から削除してステップST246に進む。
【0148】
ステップST246で制御部130は、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達したか否か判別する。制御部130は、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達したときステップST247に進み、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達していないときステップST248に進む。
【0149】
ステップST247で制御部130は、記録ファイルネーム設定を行う。制御部130は、記録ファイルのファイルサイズが上限値Mに達したため、コンテンツの符号化データを複数ファイルとして記録するとき、この複数の記録ファイルが連続した記録ファイルであることを識別できるように、例えば通し番号(nn)のインクリメントのみを行ったファイルネームを用いて新たな記録ファイルを設けてステップST248に進む。
【0150】
ステップST248で制御部130は、循環記録メディア141の記録ファイルをオープンしてステップST229に進む。制御部130は、循環記録メディア141の記録ファイル、すなわち符号化データの記録中であるファイル(最も作成日時の新しいファイル)をオープンしてステップST249に進む。
【0151】
ステップST249で制御部130は、記録ファイルに符号化データを書き込む。制御部130は、所定量の符号化データをバッファメモリ114から読み出して、循環記録メディア141の記録ファイルに書き込んでステップST250に進む。
【0152】
ステップST250で制御部130は、オープンしている循環記録メディア141の記録ファイルをクローズする。
【0153】
ステップST244からステップST251に進むと、ステップST251で制御部130は、エラー報知を行う。制御部130は、エラー報知として例えば表示処理部125のオンスクリーンディスプレイ機能を利用して、循環記録メディア141に符号化データを記録できる空き領域が残っていないことを示す表示を行う。
【0154】
制御部130は、表示処理部125のオンスクリーンディスプレイ機能を利用して、図12の(B)に示すように、エラー報知画像「循環記録メディアの記録残量がありません」をカメラスルー画像に重畳させて表示させる。
【0155】
ステップST252で制御部130は、循環記録メディア141への符号化データの記録を終了させる。
【0156】
[削除ファイル情報表示処理]
図19は、削除ファイル情報表示処理を示すフローチャートである。ステップST2411で制御部130は、循環記録メディア141における記録可能な空き領域が所定量未満となったか否かを判別する。ここで、所定量は予め設定しておくものとしてもよく、ユーザによって設定可能としてもよい。所定量は、例えば空き領域がMPEG方式における5秒間のGOP数に相当する符号化データが記録できる領域とする。制御部130は、記録可能な空き領域が所定量未満となったときステップST2412に進み、所定量未満となっていないときステップST3100に進む。
【0157】
ステップST2412で制御部130は、削除候補リストを作成する。制御部130は、循環記録メディア141に記録されている記録ファイルを、更新履歴の古い順にリストアップして削除候補リストを生成してステップST2413に進む。
【0158】
ステップST2413で制御部130は、削除候補リストの先頭ファイルを選択してステップST2414に進む。
【0159】
ステップST2414で制御部130は、ファイルネームが不正であるか否かを判別する。制御部130は、ファイルネームの書式が、ユーザの録画スタート/ストップ操作により作成された記録コンテンツを示す第1の書式、またはコンテンツ間を補間した補間コンテンツを示す第2の書式であるとき、不正なファイルでないとしてステップST2415に進む。また、制御部130は、ファイルネームの書式が、第1の書式および第2の書式のいずれでもないとき、不正なファイルとしてステップST2416に進む。なお、第1の書式とは上述した「yyyym1dd_hhm2ssff_nn.MPG」の書式、第2の書式とは上述した「yyyym1dd_hhm2ssff_nnn_LOOP.MPG」の書式である。
【0160】
ステップST2415で制御部130は、読み取り専用ファイルか否か判別する。制御部130は、読み取り専用ファイルであることを判別したときステップST2416に進む。また、読み取り専用ファイルでないときステップST2420に進む。
【0161】
ステップST2416で制御部130は、削除候補リストの全ファイルが選択済みとなったか否か判別する。制御部130は、全ての記録ファイルの選択が完了していないときステップST2417に進み、全ての記録ファイルの選択が完了したときステップST2421に進む。
【0162】
ステップST2417で制御部130は、次のファイルを選択する。制御部130は、削除候補リストにおいて選択されていない記録ファイルから更新履歴の最も古い記録ファイルを次のファイルとして選択してステップST2414に戻る。
【0163】
ステップST2420で制御部130は、削除ファイル登録を行う。制御部130は、選択されているファイルを削除ファイルとしてステップST3000に進む。
【0164】
ステップST2421で制御部130は、削除ファイルがないとして削除ファイル情報表示処理を終了する。
【0165】
このように、ステップST2412からステップST2421までの処理を行うものとすると、循環記録メディア141に記録されている記録ファイルのなかで、ユーザの録画スタート/ストップ操作により作成された記録コンテンツ、または補間コンテンツの記録ファイルであって、最も更新履歴が古い記録ファイルが、削除ファイルとして登録されることになる。
【0166】
また、ステップST2412からステップST2421までの処理結果を削除ファイル情報とする。すなわち、削除ファイル情報では、削除ファイルが登録されたときには、削除ファイルとして登録されたファイルの情報、例えばファイルネーム等が示される。また、削除ファイルが指定されなかったときは「削除可能なファイルなし」の情報が示される。
【0167】
ステップST3000で制御部130は、削除ファイル情報表示の開始処理を行う。また、ステップST3100で制御部130は、削除ファイル情報表示の終了処理を行う。
【0168】
[削除ファイル情報表示の開始・終了処理]
図20は、削除ファイル情報表示の開始処理を示すフローチャート、図21は、削除ファイル情報表示の終了処理を示すフローチャートである。
【0169】
図20において、ステップST3001で制御部130は、所定量の符号化データが蓄積されたか否かを判別する。制御部130は、バッファメモリ114に所定量の符号化データが蓄積されていないときステップST3001に進み、所定量の符号化データが蓄積されたときステップST3005に進む。
【0170】
ステップST3002で制御部130は、削除ファイルをオープンする。制御部130は、図19のステップST2420において削除ファイルとして登録されたファイルをオープンしてステップST3003に進む。
【0171】
ステップST3003で制御部130は、削除ファイルのデータをバッファメモリ121に書き込んでステップST3004に進む。
【0172】
ステップST3004で制御部130は、オープンしている循環記録メディア141の削除ファイルをクローズしてステップST3005に進む。
【0173】
ステップST3005で制御部130は、削除ファイル子画面再生中であるか否か判別する。制御部130は、バッファメモリ121に書き込まれた符号化データに基づく画像を子画面で再生しているとき、削除ファイル情報表示の開始処理を終了する。また、制御部130は、子画面再生が行われていないとき、ステップST3006に進む。
【0174】
ステップST3006で制御部130は、伸張復号化処理を開始させてステップST3007に進む。例えば、循環記録メディア141や通常記録メディア142に記録されているコンテンツの再生が行われていないとき、伸張復号化処理を行う必要がないことから伸張復号化処理部122の動作を停止することで消費電力を削減できる。このような場合、ステップST3006の処理を行うときには、伸張復号化処理部122の動作が停止された状態となっている。したがって、制御部130は、伸張復号化処理部122の動作を開始して、画像信号を画素数変換部123に供給させる。
【0175】
ステップST3007で制御部130は、画素数変換処理を開始させてステップST3008に進む。例えば、子画面表示が行われていないとき、画素数変換処理を行う必要がないことから画素数変換部123の動作が停止される。この場合、ステップST3007の処理を行うときには、画素数変換部123の動作が停止された状態となっている。したがって、制御部130は、画素数変換部123の動作を開始して、子画面表示用の画像信号を生成して信号選択部124に供給させる。
【0176】
ステップST308で制御部130は、子画面再生を開始させる。制御部130は、画素数変換部123で生成された画像信号を信号選択部124で選択させる。また、制御部130は、表示処理部125を制御して、カメラ信号処理部112から供給された画像信号と信号選択部124で選択された画素数変換部123からの画像信号を用いて、カメラスルー画像を親画面表示、削除コンテンツの画像を子画面表示とした画像表示信号の生成を開始して削除ファイル情報表示を終了する。
【0177】
なお、制御部130は、表示する削除ファイル情報として、削除コンテンツの画像だけでなく、表示処理部125のオンスクリーンディスプレイ機能を利用して、削除コンテンツのファイルネームや、ファイルが削除されるまでの時間、ファイルの撮影日時、などの情報を表示してもよい。
【0178】
次に、削除ファイル情報表示の終了処理を示す図21において、ステップST3101で制御部130は、削除ファイル子画面再生中であるか否か判別する。制御部130は、削除ファイル子画面再生中であるときステップST3102に進む。
【0179】
ステップST3102で制御部130は、伸張復号化処理を終了させる。制御部130は、削除コンテンツの画像を再生する必要がないことから、伸張復号化処理部122の動作を終了させてステップST3103に進む。
【0180】
ステップST3103で制御部130は、画素数変換処理を終了させる。制御部130は、子画面表示を行う必要がないことから、画素数変換部123の動作を終了させてステップST3104に進む。
【0181】
ステップST3104で制御部130は、子画面再生処理を終了させる。制御部130は、子画面表示を行う必要がないことから、表示部145の動作を制御して、子画面表示を終了して例えばカメラスルー画像のみを表示する画像表示信号を表示部145に供給させる。
【0182】
これらの処理を、循環記録メディア141に対しての録画ストップ指示があるまで繰り返し継続する。このように、更新履歴の古いコンテンツのファイルを削除しながら記録を継続することにより、ループ記録を行う。
【0183】
制御部130は、更新履歴の古いコンテンツのファイルを削除しながらループ記録を行う。また、制御部130は、循環記録メディア141に対しての録画ストップ指示があるまで記録を継続させる。
【0184】
このような処理を行うものとすれば、ユーザは、表示された削除ファイル情報に基づき削除コンテンツが重要であると判別したとき循環記録メディア141に対しての録画ストップ指示を行うことで、重要なコンテンツが削除されて新たなコンテンツが書き込まれてしまうことを防止できる。また、循環記録メディア141に対しての録画ストップ指示を行っても、通常記録メディア142に対しての録画動作を継続させておくことで、循環記録メディア141に対しての録画が停止されている期間中はミラー記録が行われないものとなるが、この期間中のコンテンツを通常記録メディア142に録画できる。
【0185】
また、図18に示すフローチャートでは、循環記録メディア141に記録可能な空き領域がなくなるときに自動的にファイル削除を行うものとしたが、ファイル削除を行う前に、ファイル削除を実行してよいか否かをユーザによって選択させる削除選択画面を表示して、ファイル削除の許可があったときにファイル削除を実行するものとしてもよい。この場合、重要なコンテンツが削除されて新たなコンテンツが書き込まれてしまうことを、より確実に防止できる。さらに、削除選択画面で上書きを禁止するプロテクトの設定を行えるようにすれば、例えば同じファイルに対して繰り返し削除選択画面が表示されることも防止できる。
【0186】
図22は、ループ記録を行ったときの循環記録メディア141のファイル生成イメージを示している。なお、図22において、図22の(A)は記録開始前のファイルイメージ、図22の(B)は記録開始時のファイルイメージ、図22の(C)は記録可能な空き領域が所定量よりも少なくなったときのファイルイメージ、図22の(D)は空き領域が確保されたときのファイルイメージ、図22の(E)は記録ファイルのサイズが上限値Mに達したときのファイルイメージをそれぞれ示している。
【0187】
例えば2008年4月3日13時45分00秒00フレームでループ記録を開始すると、図22の(B)に示すように、循環記録メディア141の記録領域411における空き領域に記録ファイル「20080403_13450000_01_LOOP.MPG」が生成されて、この記録ファイルに符号化データが記録される。また、記録可能な空き領域が所定量よりも少なくなると、図22の(C)に示すように、更新履歴の古いファイル「20080311_09300000_01_LOOP.MPG」が所定時間だけ子画面で再生される。その後、更新履歴の古いファイル「20080311_09300000_01_LOOP.MPG」が削除されて図22の(D)に示すように空き領域が確保されると、図22の(E)に示すように、空き領域に符号化データが記録される。さらに、記録ファイル「20080403_13450000_01_LOOP.MPG」のファイルサイズが上限値Mに達すると、新たに記録ファイル「20080403_13450000_02_LOOP.MPG」が生成されて、新たな記録ファイルに符号化データが引き続き記録される。
【0188】
なお、図22に示されているように、ユーザの録画スタート/ストップ操作が行われたときには、ユーザの録画スタート/ストップ操作に応じた記録コンテンツのファイル「20080311_10555900_01.MPG」、「20080311_11105600_01.MPG」、「20080311_12593000_01.MPG」等が生成される。また、補間コンテンツのファイル「20080311_10400000_01_LOOP.MPG」、「20080311_11000000_01_LOOP.MPG」等が生成される。
【0189】
図23は、記録動作中の表示画像を示している。図23の(A)は循環記録メディア141と通常記録メディア142を用いて録画をしているとき、例えば録画モード状態を画面上に表示した場合を例示している。図23の(B)は、空き容量が所定量よりも少なくなったとき、削除ファイルの情報と削除ファイルのコンテンツ画像を表示した場合を例示している。例えば、更新履歴の最も古い記録ファイルがファイル「20080311_09300000_01_LOOP.MPG」であるとき、このファイルを削除する場合は、ファイル「20080311_09300000_01_LOOP.MPG」の画像を子画面表示する。また、ファイル名をオンスクリーン表示する。
【0190】
このように、ループ記録中に削除(上書き)されるコンテンツの画像や、削除されるコンテンツに関連する情報を、削除するに前に報知することで、重要なコンテンツか否かを判断できるため、必要に応じてループ記録を停止させてコンテンツの重要な部分が削除されて新たなコンテンツが書き込まれてしまうことを防ぐことができる。また、少なくとも2つ以上の記録媒体にコンテンツを記録可能として、コンテンツの通常記録とループ記録を同時に(並列的に)行うようにしているため、ループ記録を停止させたとしても通常記録によるコンテンツの記録を継続することができるため、コンテンツを撮影できない期間が発生することはない。
【0191】
さらに、記録中のコンテンツと記録済みコンテンツの再生が同時にできるので、撮影済みコンテンツの内容確認のための煩雑な操作が省略できるため、例えばコンテンツ記録装置を撮像装置に適用した場合、過去に記録されたコンテンツの内容を確認するために、一度、撮影を中断して撮像装置を再生状態(モード)に切り替えて確認する必要がなく、撮影を中断したことにより、撮影チャンスを逃すといった不都合を解消することができる。
【0192】
また、上述の第1および第2の実施の形態に示した一連の処理は、ハードウェアまたはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0193】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
【0194】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0195】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載にしたがって時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。
【0196】
また、上述の実施の形態では、コンテンツ記録装置が例えば撮像装置の場合について説明したが、コンテンツ記録装置は、音声データ等を記録するレコーダ等であってもよい。音声データを上述のように循環記録メディア141や通常記録メディア142に記録するものとした場合、循環記録メディア141における記録可能な空き領域が所定量未満となったときは、削除するファイルの音声コンテンツに関する属性情報、例えばタイトルや演奏者等の情報を表示するものとすれば、削除してよいファイルであるか否かが判別可能となり、録り直しがきかない音声コンテンツが削除されてしまうことを防止できる。
【0197】
本発明は、上述した発明の実施の形態に限定して解釈されるべきではない。この発明の実施の形態は、例示という形態で本発明を開示したものであり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施の形態の修正や代用をなし得ることは自明である。すなわち、本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0198】
この発明では、第1の記録媒体に対して循環記録動作が行われて、第2の記録媒体に対して通常記録動作が行われる。また、第1の記録媒体に第2の記録媒体と同時に同一コンテンツが記録可能とされており、第1の記録媒体における第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点が管理される。このため、例えば撮像画像を記録媒体に記録するとき、所望の撮像画像がミラー記録されるだけでなく、所望の部分に含まれていない撮像画像も第1の記録媒体から読み出すことが可能となり、撮像装置等に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】コンテンツ記録装置の構成を示す図である。
【図2】記録時におけるシグナルフローを示す図である。
【図3】再生時におけるシグナルフローを示す図である。
【図4】コンテンツのファイル生成イメージを示す図である。
【図5】コンテンツ記録動作を示すフローチャートである。
【図6】録画制御を示すフローチャートである。
【図7】通常記録開始処理を示すフローチャートである。
【図8】通常記録停止処理を示すフローチャートである。
【図9】ループ記録開始処理を示すフローチャートである。
【図10】ループ記録停止処理を示すフローチャートである。
【図11】通常記録制御処理を示すフローチャートである。
【図12】エラー報知の表示画像を例示した図である。
【図13】ループ記録制御動作を示すフローチャートである。
【図14】ファイルサイズの上限値を説明するための図である。
【図15】ループ記録を行ったときのファイル生成イメージを示す図である。
【図16】記録時におけるシグナルフローを示す図である。
【図17】録画制御を示すフローチャートである。
【図18】削除コンテンツの内容を表示したのち削除コンテンツの削除を行う場合のループ記録制御処理を示すフローチャートである。
【図19】削除ファイル情報表示処理を示すフローチャートである。
【図20】削除ファイル情報表示の開始処理を示すフローチャートである。
【図21】削除ファイル情報表示の終了処理を示すフローチャートである。
【図22】ループ記録を行ったときのファイル生成イメージを示している。
【図23】記録動作中の表示画像を示している。
【符号の説明】
【0200】
10・・・コンテンツ記録装置(撮像装置)、101・・・撮像部、110・・・コンテンツ処理部、111・・・前処理部、112・・・カメラ信号処理部、113・・・圧縮符号化処理部、114、121・・・バッファメモリ、122・・・伸張復号化処理部、123・・・画素数変換部、124・・・信号選択部、125・・・表示処理部、130・・・制御部、131・・・メディア制御部、132・・・システム制御部、141・・・循環記録メディア、142・・・通常記録メディア、145・・・表示部、148・・・操作部、411,421・・・記録領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の記録媒体と、
前記第1および第2の記録媒体へのコンテンツの記録動作を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する循環記録動作を行い、前記第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行い、前記第1の記録媒体における前記第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理するコンテンツ記録装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の記録媒体にコンテンツを記録する際に、前記同一コンテンツ部分である記録コンテンツと、前記第2の記録媒体と同時に記録されていないコンテンツ部分である補間コンテンツにファイルを分割して、前記第2の記録媒体に記録された前記記録コンテンツの開始点と終了点を管理する
請求項1記載のコンテンツ記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の記録媒体における前記記録コンテンツのファイルに対して、前記第2の記録媒体に記録するコンテンツのファイルと等しいファイル名を設定し、前記第1の記録媒体における前記補間コンテンツのファイルに対して、補間コンテンツのファイルであることを識別可能とするファイル名を設定する
請求項2記載のコンテンツ記録装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の記録媒体に記録されたコンテンツのファイルにおける該ファイルの先頭からの前記第2の記録媒体に記録されたコンテンツの位置情報を用いて、前記同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理する
請求項1記載のコンテンツ記録装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の記録媒体にコンテンツを記録する際に、記録したコンテンツのデータ量が所定量に達する毎にファイルを分割する
請求項1記載のコンテンツ記録装置。
【請求項6】
ユーザがコンテンツ記録操作を行うための操作部をさらに有し、
前記制御部は、前記操作部で通常記録開始操作が行われてから通常記録終了操作が行われるまで、前記第2の記録媒体に対して前記コンテンツの記録を行う
請求項1記載のコンテンツ記録装置。
【請求項7】
前記制御部は、循環記録開始イベントの発生から循環記録終了イベントの発生まで、前記第2の記録媒体に対して前記コンテンツの記録を行う
請求項6記載のコンテンツ記録装置。
【請求項8】
コンテンツの画像表示を行うための画像表示信号を生成する表示処理部をさらに有し、
前記制御部は、前記第1の記録媒体における記録可能な空き領域が所定量未満となったとき、前記第1の記録媒体に記録されているコンテンツから削除コンテンツを決定したのち該削除コンテンツを再生して、該削除コンテンツの画像表示信号を前記表示処理部で生成させる
請求項1記載のコンテンツ記録装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1の記録媒体へのコンテンツ記録時に前記空き領域がないとき、前記削除コンテンツを削除する
請求項8記載のコンテンツ記録装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1の記録媒体に記録するコンテンツの画像と前記再生された削除コンテンツの画像とを合わせて表示する画像表示信号を前記表示処理部で生成させる
請求項8記載のコンテンツ記録装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1の記録媒体に記録するコンテンツの画像を親画面表示として、前記再生された削除コンテンツの画像を子画面表示とした画像表示信号を前記表示処理部で生成させる
請求項10記載のコンテンツ記録装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記再生された削除コンテンツの画像と合わせて前記削除コンテンツの属性情報を表示する画像表示信号を前記表示処理部で生成させる
請求項8記載のコンテンツ記録装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記第1の記録媒体に記録されたコンテンツのなかで時間的に最も古いコンテンツを前記削除コンテンツとする
請求項8記載のコンテンツ記録装置。
【請求項14】
記録媒体へのコンテンツの記録制御を行う制御部によって、第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する循環記録動作を行うステップと、
前記制御部によって、第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行うステップと、
前記制御部によって、前記第1の記録媒体における前記第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理するステップとを具備するコンテンツ記録方法。
【請求項15】
被写体を撮像して動画像のコンテンツを生成する撮像部と、
第1および第2の記録媒体と、
前記第1および第2の記録媒体への前記コンテンツの記録動作を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する循環記録動作を行い、前記第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行い、前記第1の記録媒体における前記第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理する撮像装置。
【請求項16】
コンピュータを、
第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録させる循環記録動作を行い、第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行う記録制御手段と、
前記第1の記録媒体における前記第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理する記録管理手段として動作させるコンピュータ・プログラム。
【請求項1】
第1および第2の記録媒体と、
前記第1および第2の記録媒体へのコンテンツの記録動作を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する循環記録動作を行い、前記第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行い、前記第1の記録媒体における前記第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理するコンテンツ記録装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の記録媒体にコンテンツを記録する際に、前記同一コンテンツ部分である記録コンテンツと、前記第2の記録媒体と同時に記録されていないコンテンツ部分である補間コンテンツにファイルを分割して、前記第2の記録媒体に記録された前記記録コンテンツの開始点と終了点を管理する
請求項1記載のコンテンツ記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の記録媒体における前記記録コンテンツのファイルに対して、前記第2の記録媒体に記録するコンテンツのファイルと等しいファイル名を設定し、前記第1の記録媒体における前記補間コンテンツのファイルに対して、補間コンテンツのファイルであることを識別可能とするファイル名を設定する
請求項2記載のコンテンツ記録装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の記録媒体に記録されたコンテンツのファイルにおける該ファイルの先頭からの前記第2の記録媒体に記録されたコンテンツの位置情報を用いて、前記同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理する
請求項1記載のコンテンツ記録装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の記録媒体にコンテンツを記録する際に、記録したコンテンツのデータ量が所定量に達する毎にファイルを分割する
請求項1記載のコンテンツ記録装置。
【請求項6】
ユーザがコンテンツ記録操作を行うための操作部をさらに有し、
前記制御部は、前記操作部で通常記録開始操作が行われてから通常記録終了操作が行われるまで、前記第2の記録媒体に対して前記コンテンツの記録を行う
請求項1記載のコンテンツ記録装置。
【請求項7】
前記制御部は、循環記録開始イベントの発生から循環記録終了イベントの発生まで、前記第2の記録媒体に対して前記コンテンツの記録を行う
請求項6記載のコンテンツ記録装置。
【請求項8】
コンテンツの画像表示を行うための画像表示信号を生成する表示処理部をさらに有し、
前記制御部は、前記第1の記録媒体における記録可能な空き領域が所定量未満となったとき、前記第1の記録媒体に記録されているコンテンツから削除コンテンツを決定したのち該削除コンテンツを再生して、該削除コンテンツの画像表示信号を前記表示処理部で生成させる
請求項1記載のコンテンツ記録装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1の記録媒体へのコンテンツ記録時に前記空き領域がないとき、前記削除コンテンツを削除する
請求項8記載のコンテンツ記録装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1の記録媒体に記録するコンテンツの画像と前記再生された削除コンテンツの画像とを合わせて表示する画像表示信号を前記表示処理部で生成させる
請求項8記載のコンテンツ記録装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1の記録媒体に記録するコンテンツの画像を親画面表示として、前記再生された削除コンテンツの画像を子画面表示とした画像表示信号を前記表示処理部で生成させる
請求項10記載のコンテンツ記録装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記再生された削除コンテンツの画像と合わせて前記削除コンテンツの属性情報を表示する画像表示信号を前記表示処理部で生成させる
請求項8記載のコンテンツ記録装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記第1の記録媒体に記録されたコンテンツのなかで時間的に最も古いコンテンツを前記削除コンテンツとする
請求項8記載のコンテンツ記録装置。
【請求項14】
記録媒体へのコンテンツの記録制御を行う制御部によって、第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する循環記録動作を行うステップと、
前記制御部によって、第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行うステップと、
前記制御部によって、前記第1の記録媒体における前記第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理するステップとを具備するコンテンツ記録方法。
【請求項15】
被写体を撮像して動画像のコンテンツを生成する撮像部と、
第1および第2の記録媒体と、
前記第1および第2の記録媒体への前記コンテンツの記録動作を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録する循環記録動作を行い、前記第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行い、前記第1の記録媒体における前記第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理する撮像装置。
【請求項16】
コンピュータを、
第1の記録媒体に対して、記録されているコンテンツを削除して空き領域を確保しながら新たなコンテンツを循環的に記録させる循環記録動作を行い、第2の記録媒体に対して、空き領域がなくなったときコンテンツの記録を終了する通常記録動作を行う記録制御手段と、
前記第1の記録媒体における前記第2の記録媒体と同時に記録された同一コンテンツ部分の開始点と終了点を管理する記録管理手段として動作させるコンピュータ・プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図4】
【図12】
【図23】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図4】
【図12】
【図23】
【公開番号】特開2010−61744(P2010−61744A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226933(P2008−226933)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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