説明

コンテンツ送信システム、コンテンツ送信方法及びプログラム

【課題】コンテンツを容易に閲覧できるとともに、コンテンツ提供者の作業負荷を低減しつつ違法な複製を抑制できるプログラム。
【解決手段】プログラム200は、コンテンツをコンピュータであるタブレット端末10に表示させる。プログラム200は、タブレット端末10を操作するユーザを識別する識別情報に基づいた電子透かし205を埋め込んだ透かし画像203を作成するステップと、コンテンツである画像データ201上に透かし画像203を重ねて表示するステップと、をタブレット端末10に実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツをコンピュータに表示させるプログラム、表示方法、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子文書、画像データ等の電子著作物であるコンテンツについて、知的所有権の保護を目的とした方法が広く知られている。
【0003】
例えば、ネットワーク上に保存されたコンテンツをユーザが、自身のコンピュータにダウンロードし、閲覧する場合、コンテンツを作成する著作者は、コンテンツを暗号化することにより、コンテンツを保護する。また、ユーザは、暗号化されたコンテンツを復号するための暗号鍵を用いることにより、ダウンロードしたコンテンツを復号する方法が知られている(例えば、特許文献1)。このようなコンテンツの保護方法によれば、コンテンツをダウンロードしたコンピュータでは、コンテンツと、暗号鍵とを用いない限り、コンテンツを閲覧、編集することができないため、違法なコンテンツの複製、編集を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−77136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のコンテンツの保護方法には、次のような問題があった。すなわち、上述したコンテンツの保護方法では、コンテンツを暗号化するという、コンテンツ提供者に作業負荷をかけるとともに、ユーザは、コンテンツを各コンピュータにダウンロードし、暗号鍵を用いない限り、コンテンツを閲覧できないため、コンテンツを確認し、ダウンロードする必要性の有無を判断することができないという問題がある。従って、コンテンツを送信するコンテンツ提供者や、サーバ運営者等は、コンテンツの長所をユーザにアピールできなくなる。
【0006】
また、上述した従来のコンテンツの保護方法では、コンテンツをダウンロードしたコンピュータにおいて、例えば、プリントスクリーンや、スクリーンショットなどのディスプレイ上の表示を画像として保存する機能を用いることで、コンテンツを構成する各ページを新たな静止画像として保存することにより、実質的にコンテンツの複製をされてしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、コンテンツを容易に閲覧できるとともに、コンテンツ提供者の作業負荷を低減しつつ違法な複製を抑制できるプログラム、方法、情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した問題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、コンテンツ(コンテンツ260又はコンテンツ270)をコンピュータ(例えば、タブレット端末10)に表示させるプログラム(プログラム200)であって、前記コンピュータを操作するユーザを識別する識別情報(識別情報207)に基づいた電子透かし(電子透かし205)を埋め込んだ透かし画像(透かし画像203)を作成するステップ(ステップS300)と、前記コンテンツである画像データ(画像データ201)上に前記透かし画像を重ねて表示するステップ(ステップS400)と、を前記コンピュータに実行させることを要旨とする。
【0009】
このようなプログラムによれば、コンテンツである画像データ上に透かし画像を重ねて表示する。このため、コンテンツを提供するコンテンツ提供者は、コンテンツに対して、違法な複製を抑制するための編集をする必要がない。すなわち、コンテンツ提供者の作業負荷を低減できる。
【0010】
一方、コンテンツを閲覧するユーザは、暗号鍵等を用いるなど、コンテンツを閲覧するための準備処理をする必要がなく、プログラムを起動させるだけで、コンテンツを容易に閲覧することができる。
【0011】
また、プログラムによれば、画像データ上に透かし画像を重ねて表示するため、例えば、プリントスクリーンや、スクリーンショットなどのディスプレイ上の表示を画像として保存する機能を用いた場合、上記機能により作成された静止画像には、透かし画像が記憶される。透かし画像は、ユーザを識別する識別情報に基づいた電子透かしを埋め込んでいる。このため、透かし画像に埋め込まれた電子透かしを分析することにより、識別情報に基づいて、ディスプレイ上の表示を画像として保存する機能を用いたユーザを特定することができる。すなわち、プログラムによれば、透かし画像に埋め込まれた電子透かしを分析することにより、違法に画像データを複製したユーザを特定することができる。
【0012】
従って、プログラムによれば、コンテンツを容易に閲覧できるとともに、コンテンツ提供者の作業負荷を低減しつつ違法な複製を抑制できる。
【0013】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記透かし画像は、前記画像データの全域に渡って重ねて表示されることを要旨とする。
【0014】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1及び第2の特徴に係り、前記電子透かしは、前記透かし画像の全域に渡って連続的に複数埋め込まれることを要旨とする。
【0015】
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至第3の特徴に係り、前記識別情報は、前記コンピュータが有する固有の識別番号に基づく情報であることを要旨とする。
【0016】
本発明の第5の特徴は、本発明の第1乃至第4の特徴に係り、前記透かし画像は、視認されないことを要旨とする。
【0017】
本発明の第6の特徴は、コンテンツ(コンテンツ260又はコンテンツ270)をコンピュータ(例えば、タブレット端末10)に表示させる表示方法であって、前記コンピュータを操作するユーザを識別する識別情報(識別情報207)に基づいた電子透かし(電子透かし205)を埋め込んだ透かし画像(透かし画像203)を作成するステップと、前記コンテンツである画像データ(画像データ201)上に前記透かし画像を重ねて表示するステップと、を備えることを要旨とする。
【0018】
本発明の第7の特徴は、本発明の第1乃至5の特徴に記載のプログラムを送信する情報処理装置であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、コンテンツを容易に閲覧できるとともに、コンテンツ提供者の作業負荷を低減しつつ違法な複製を抑制できるプログラム、表示方法、情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係るコンテンツ送信システム1の全体概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプログラム送信サーバ100の機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るプログラム送信サーバ100の記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るタブレット端末10の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係るタブレット端末10においてプログラム200を起動した際のタブレット端末10の動作を説明するための概念図である。
【図6】本発明の実施形態に係るタブレット端末10においてプログラム200を起動した際のタブレット端末10の動作を説明するための概念図である。
【図7】本発明の実施形態に係るタブレット端末10においてプログラム200を起動した際に示される電子透かし205の一例を説明するための概念図である。
【図8】本発明の実施形態に係るプログラム200の起動に基づく、タブレット端末10の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる。
【0022】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すればよく、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0023】
以下の実施形態においては、(1)コンテンツ送信システム1の全体構成、(2)プログラム送信サーバ100の詳細構成、(3)タブレット端末10の詳細構成、(4)プログラム200によるタブレット端末10の詳細動作、(5)プログラム200の動作手順、(6)作用・効果、(7)その他の実施形態について説明する。
【0024】
(1)コンテンツ送信システム1の全体構成
図1は、本実施形態に係るコンテンツ送信システム1の全体概略構成図である。
【0025】
図1に示すコンテンツ送信システム1は、タブレット端末10、携帯通信端末20、クライアント端末30、プログラム送信サーバ100、コンテンツ送信サーバ150を含む。
【0026】
本実施形態では、タブレット端末10、携帯通信端末20、クライアント端末30、プログラム送信サーバ100、コンテンツ送信サーバ150が、通信ネットワーク50(インターネットなど)を介して接続されている。
【0027】
コンテンツ送信システム1では、プログラム送信サーバ100から、タブレット端末10、携帯通信端末20、クライアント端末30に対してプログラム200の配布が行われる。また、コンテンツ送信システム1では、コンテンツ送信サーバ150から、タブレット端末10、携帯通信端末20、クライアント端末30に対してコンテンツの配布が行われる。具体的には、コンテンツ送信サーバ160は、タブレット端末10、携帯通信端末20、クライアント端末30に対してコンテンツ260を配布する。同様にして、コンテンツ送信サーバ170は、タブレット端末10、携帯通信端末20、クライアント端末30に対してコンテンツ270を配布する。
【0028】
プログラム送信サーバ100及びコンテンツ送信サーバ150は、CPU等の制御装置、メモリやHDD等の記憶装置、通信ネットワーク50と通信する通信I/F等の通信装置といったハードウェア資源を有するコンピュータ(単一或いは複数)により構成される。プログラム送信サーバ100、コンテンツ送信サーバ150が備える下記の各ブロックは、前述したコンピュータの制御装置等のハードウェア資源を用いてコンピュータプログラムを実行することによって実現されるものである。なお、これらの各ブロック、手段は、単一のコンピュータ上に配置される必要はなく、必要に応じて分散される構成を採用しても良い。
【0029】
タブレット端末10、携帯通信端末20、クライアント端末30は、タブレット型のPC(Personal Computer)、携帯通信端末装置(携帯電話機やスマートフォン)、ユーザが利用するPC、カーナビゲーションシステム等であり、無線LANや、近傍無線通信(Bluetooth(登録商標)や赤外線通信等)或いは有線通信(USB(Universal Serial Bus)ケーブル接続等)によって、通信ネットワーク50を介してプログラム送信サーバ100及びコンテンツ送信サーバ150に接続されている。タブレット端末10、携帯通信端末20、クライアント端末30は、プログラム送信サーバ100が有するハードウェア資源に加えて、キーボタンやタッチパネル等の入力装置、液晶ディスプレイ等の出力装置、一般的なブラウザを備える。ブラウザは、インターネットの標準プロトコルであるHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)等に従い、HTML(Hyper Text Markup Language)等の言語で記述されたページデータの要求、取得及び表示、フォームデータの送信等を行う機能を有している。
【0030】
なお、タブレット端末10、携帯通信端末20、クライアント端末30は、同一の機能を有しており、以下の記載においては、主にタブレット端末10について、記載する。従って、携帯通信端末20、クライアント端末30についてもタブレット端末10と同様の機能を有しているが、詳細の記載は、適宜省略する。
【0031】
(2)プログラム送信サーバ100の詳細構成
図2は、プログラム送信サーバ100の機能ブロック図である。図3は、プログラム送信サーバ100のユーザDB105に記憶される情報の一例を示す図である。
【0032】
プログラム送信サーバ100は、通信ネットワーク50を介して、タブレット端末10、携帯通信端末20、クライアント端末30と通信可能であり、プログラム200を送信する制御を行うとともに、プログラム200を送信した各端末の情報、プログラム200を利用するユーザの情報等を管理する。
具体的には、プログラム送信サーバ100は、制御部101と、通信部103と、ユーザDB105と、プログラムDB107とを備える。
【0033】
なお、以下のプログラム送信サーバ100の機能については、プログラム200を取得したタブレット端末10について管理する場合を例に挙げて説明する。プログラム200を取得するのは、携帯通信端末20、クライアント端末30であってもよく、従って、タブレット端末10の代わりに携帯通信端末20、クライアント端末30の少なくとも何れかを管理する場合においても同様である。
【0034】
制御部101は、プログラム送信サーバ100を構成する各機能部を制御する。例えば、制御部101は、タブレット端末10を介して通信部103が取得したタブレット端末10を操作するユーザを識別する識別情報207をユーザDB105に記憶させる。また、タブレット端末10からの要求に応じて、プログラムDB107からプログラム200を呼び出し、通信部103を介して、タブレット端末10にプログラム200を送信させる。
【0035】
通信部103は、タブレット端末10との通信を行う。具体的には、通信部103は、通信ネットワーク50を介して、タブレット端末10を操作するユーザを識別する識別情報207を受信する。また、通信部103は、通信ネットワーク50を介して、タブレット端末10にプログラム200を送信する。
【0036】
図3に示すように、ユーザDB105は、プログラムDB107を取得したユーザを識別する識別情報207を記憶する。具体的には、ユーザDB105は、識別情報207として、ユーザID、ユーザ情報、端末の識別情報等を記憶する。ユーザIDは、tarou等のユーザが任意に指定した文字列である。ユーザIDは、プログラム送信サーバ100により指定された乱数等であってもよい。ユーザ情報は、ユーザの氏名、居住地等の個人に関連する情報である。端末の識別情報は、端末固有の情報であり、端末を所有するユーザを特定できる。
【0037】
これらの識別情報207は、タブレット端末10と、プログラム送信サーバ100との間で暗号化されて送受信されてもよい。また、タブレット端末10及びプログラム送信サーバ100が、ユーザID、ユーザ情報、端末の識別情報等の少なくとも何れかに基づく情報をそれぞれ記憶し、共有してもよい。この場合、識別情報207は、タブレット端末10及びプログラム送信サーバ100でそれぞれ記憶し、共有した情報であり、ユーザID、ユーザ情報、端末の識別情報等の少なくとも何れかに基づく情報である。
【0038】
ユーザDB105は、各ユーザがプログラム送信サーバ100から取得したプログラムを記憶する。また、ユーザDB105は、タブレット端末、携帯通信端末、PC等、ユーザが利用する端末の種類を示すクライアント端末の種類等を記憶してもよく、他にもプログラムを取得した際の日時等を記録してもよい。
【0039】
プログラムDB107は、プログラム送信サーバ100が送信する複数のプログラムを記憶する。具体的には、プログラムDB107は、複数のプログラムのみでなく、各プログラムに関する情報として、プログラムを利用可能な端末の種類、プログラムの値段、プログラムの説明、各プログラムの開発者、開発者の連絡先等の開発者に関係する情報、プログラムをユーザに送信した合計回数、所定時間におけるユーザへの送信回数等を記憶する。
【0040】
(3)タブレット端末10の詳細構成
図4は、本実施形態に係るタブレット端末10の機能ブロック図である。タブレット端末10は、制御部11と、通信部13と、記憶部15と、画像作成部17、表示部19と、入力部21とを備える。
【0041】
制御部11は、タブレット端末10を構成する各機能部を制御する。例えば、制御部11は、プログラム送信サーバ100を介して取得したプログラム200を起動するとともに、コンテンツ送信サーバ150を介して取得したコンテンツ260又はコンテンツ270の少なくともいずれか(以下、適宜、コンテンツと省略して示す)を記憶部15から読み込んで、表示部19に出力する。
【0042】
通信部13は、通信ネットワーク50を介して、プログラム送信サーバ100から取得したプログラム200を記憶部15に記憶する。通信部13は、通信ネットワーク50を介して、コンテンツ送信サーバ150から取得したコンテンツを記憶部15に記憶する。
【0043】
記憶部15は、タブレット端末10を起動するためのプログラムや、入力部21からのユーザの指示に伴い生じた情報を記憶する。具体的には、記憶部15は、通信部13を介して、通信ネットワーク50から取得したプログラム200、コンテンツ260、コンテンツ270等を記憶する。また、記憶部15は、プログラム200を起動する際の識別情報207を記憶する。
【0044】
画像作成部17は、識別情報207に基づいた電子透かし205を埋め込んだ透かし画像203を作成する。
【0045】
表示部19は、ユーザに情報を表示する。表示部19は、コンテンツである画像データ201上に画像作成部17が作成した透かし画像203を重ねて表示する。また、表示部19は、プログラム200を起動した際のユーザ認証画面や、コンテンツを表示する。
【0046】
入力部21は、キーボタンやタッチパネル等であり、ユーザの操作に伴い、ユーザからの指示を入力する、或いは、情報を入力する際に用いられる。
【0047】
(4)プログラム200によるタブレット端末10の詳細動作
図5は、本実施形態に係るタブレット端末10においてプログラム200を起動した際のタブレット端末10の動作を説明するための概念図である。図5に示すように、プログラム200は、小説、コラム、イラスト、漫画、写真等の静止画像や、映像、映画、アニメーション等の動画などからなるコンテンツ260又はコンテンツ270をコンピュータであるタブレット端末10に表示させる、いわゆるビューアーアプリとして機能する。
【0048】
具体的には、タブレット端末10では、コンテンツ260又はコンテンツ270である画像データ201上に透かし画像203を重ねて表示する。透かし画像203は、画像データ201の全域に渡って重ねて表示される。
【0049】
図6は、本実施形態に係るタブレット端末10においてプログラム200を起動した際のタブレット端末10の動作を説明するための概念図である。
【0050】
透かし画像203は、タブレット端末10を操作するユーザを識別する識別情報207に基づいた電子透かし205を埋め込んでいる。
【0051】
電子透かし205は、透かし画像203の全域に渡って連続的に複数埋め込まれる。電子透かし205は、文字、記号などを構成するドットとして、透かし画像203に埋め込まれる。電子透かし205は、識別情報207そのものであってもよいし、識別情報207をASCII(American Standard Code for Information Interchange)に基づいて、2進数、10進数、16進数等で表示してもよい。
【0052】
透かし画像203は、ユーザに視認されないため、タブレット端末10では、外観上、画像データ201のみが表示される。
【0053】
なお、ユーザに視認されない透かし画像203とは、ユーザに肉眼では見えない程度であることを示し、透かし画像203を何らかの方法により拡大した場合に見える場合も含む。例えば、透かし画像203は、透明な領域からなる背景部に、電子透かし205を埋め込むことにより作成される。
【0054】
図7は、本発明の実施形態に係るタブレット端末10においてプログラム200を起動した際に示される電子透かし205の一例を説明するための概念図である。具体的には、図7(a)は、2×2のドット表示を用いて、2進数を表示する際の一例である。図7(b)は、(a)を用いて、識別情報207の一部を示す一例である。
【0055】
電子透かし205は、2×2のドットの領域を一つの単位として、何れか1マスを塗りつぶすことにより、2進数で、識別情報207を示すことができる。例えば、ASCIIに基づいて、tは、「01110100」、aは、「01100001」という2進数でそれぞれ示すことができる。これを用いることにより、「tarou」というユーザIDを2進数で示すことができ、電子透かし205に用いることができる。このような2×2のドットの領域を一つの単位として、何れか1マスを塗りつぶし、他の3マスを透明にすることにより、電子透かし205をユーザに視認できない程度に作成できる。2×2のドットの領域を一つの単位とし、隣り合う2×2のドットの領域の間に、ドットが塗りつぶされていない透明なドット領域を適宜設けることにより、ユーザから更に視認されにくい電子透かし205を作成することができる。このような、電子透かし205を埋め込むことにより、ユーザに視認されない透かし画像203を作成できる。
【0056】
また、例えば、電子透かし205は、塗りつぶされたドットの色調を、重ねて表示される画像データ201のドットの色調と近くすることにより、ユーザに視認されない程度に変更した色調からなるものとすることができる。
【0057】
(5)プログラム200の動作手順
図8は、本発明の実施形態に係るプログラム200の起動に基づく、タブレット端末10の動作手順を示すフローチャートである。なお、以下の動作については、コンテンツをタブレット端末10に表示させる際の手順について説明する。
【0058】
ステップS100において、入力部21からのユーザの指示等に基づいて、制御部11は、記憶部15からプログラム200を読み出し、起動させる。
【0059】
ステップS200において、画像作成部17は、プログラム200を使用するユーザを識別する識別情報207を取得する。具体的には、画像作成部17は、入力部21を介して、ユーザから識別情報207を取得する。又は、画像作成部17は、記憶部15から識別情報207を取得する。
【0060】
ステップS300において、画像作成部17は、識別情報207に基づいた電子透かし205を埋め込んだ透かし画像203を作成する。
【0061】
ステップS400において、表示部19は、コンテンツである画像データ201上に透かし画像203を重ねて表示する。なお、コンテンツは、ユーザの指示に基づいて、記憶部15から読み出してもよいし、通信ネットワーク50を介して、プログラム送信サーバ100から直接取得してもよい。
【0062】
(6)作用・効果
以上説明したように、本実施形態によれば、プログラム200によれば、コンテンツである画像データ201上に透かし画像203を重ねて表示する。このため、コンテンツを提供するコンテンツ提供者は、コンテンツに対して、違法な複製を抑制するための編集をする必要がない。すなわち、コンテンツ提供者の作業負荷を低減できる。
【0063】
一方、コンテンツを閲覧するユーザは、暗号鍵等を用いるなど、コンテンツを閲覧するための準備処理をする必要がなく、プログラム200を起動させるだけで、コンテンツを容易に閲覧することができる。
【0064】
また、プログラム200によれば、画像データ201上に透かし画像203を重ねて表示するため、例えば、プリントスクリーンや、スクリーンショットなどのディスプレイ上の表示を画像として保存する機能を用いた場合、上記機能により作成された静止画像には、透かし画像203が記憶される。透かし画像203は、ユーザを識別する識別情報207に基づいた電子透かし205を埋め込んでいる。このため、透かし画像203に埋め込まれた電子透かし205を分析することにより、識別情報207に基づいて、ディスプレイ上の表示を画像として保存する機能を用いたユーザを特定することができる。すなわち、プログラム200によれば、透かし画像203に埋め込まれた電子透かし205を分析することにより、違法に画像データ201を複製したユーザを特定することができる。
【0065】
従って、プログラム200によれば、コンテンツを容易に閲覧できるとともに、コンテンツ提供者の作業負荷を低減しつつ違法な複製を抑制できる。
【0066】
実施形態では、透かし画像203は、画像データ201の全域に渡って重ねて表示される。このため、プログラム200によれば、画像データ201の一部のみを抽出して編集した場合においても、画像データ201上には、透かし画像203が重ねられている。このため、違法に画像データ201を複製したユーザが、画像データ201の一部のみを抽出して編集した場合においても、編集した静止画像には、透かし画像203を含むため、違法に画像データ201を複製したユーザを確実に特定することができる。
【0067】
実施形態では、電子透かし205は、透かし画像203の全域に渡って連続的に複数埋め込まれる。このため、プログラム200によれば、画像データ201の一部のみを抽出して編集した場合においても、画像データ201上には、透かし画像203が重ねられている。このため、違法に画像データ201を複製したユーザが、画像データ201の一部のみを抽出して編集した場合においても、編集した静止画像には、透かし画像203を含むため、違法に画像データ201を複製したユーザを確実に特定することができる。
【0068】
実施形態では、識別情報207は、タブレット端末10が有する固有の識別番号である。このため、プログラム200によれば、タブレット端末10を識別することにより、タブレット端末10を所有するユーザを特定することができ、画像データ201を編集したユーザを更に特定しやすくなる。従って、プログラム200によれば、ユーザによる違法な複製を更に抑制できる。
【0069】
実施形態では、透かし画像203は、視認されない。このため、コンテンツを閲覧するユーザは、透かし画像203の有無を意識することなく、快適にコンテンツを閲覧できる。
【0070】
(7)その他の実施形態
上述した実施形態では、プログラム200は、タブレット端末10の記憶部15に記憶されるとしたが、本発明は、これに限られず、例えば、プログラム200を起動する毎に、通信ネットワーク50を介して、プログラム送信サーバ100から直接取得してもよい。
【0071】
上述した実施形態では、プログラム200を起動することにより、タブレット端末10の画像作成部17は、識別情報207に基づいた電子透かし205を埋め込んだ透かし画像203を作成する。また、表示部19は、コンテンツである画像データ201上に透かし画像203を重ねて表示する。本発明は、これに限られず、例えば、プログラム送信サーバ100において、識別情報207に基づいた電子透かし205を埋め込んだ透かし画像203を作成し、プログラム送信サーバ100で作成された透かし画像203をタブレット端末10が取得してもよい。この場合、プログラム送信サーバ100は、タブレット端末10からの要求、又は、タブレット端末10から識別情報207を受信した際に、識別情報207に基づいた電子透かし205を埋め込んだ透かし画像203を作成する。そして、プログラム送信サーバ100は、タブレット端末10からの要求に基づいて、透かし画像203をタブレット端末10に送信する。
【0072】
上述した実施形態では、ステップS200において、画像作成部17が、入力部21を介して、ユーザから識別情報207を取得する。又は、画像作成部17が、記憶部15から識別情報207を取得する。本発明は、これに限られず、例えば、ステップS200において、予め、タブレット端末10と、プログラム送信サーバ100との間で、認証が成立している場合に、画像作成部17は、プログラム送信サーバ100から、識別情報207を取得してもよい。また、プログラム送信サーバ100が、タブレット端末10にプログラム200を配信する際に、識別情報207をプログラム200に埋め込んでもよい。
【0073】
上述した実施形態では、タブレット端末10、プログラム送信サーバ100が備える各ブロックについて記載しているが、本発明は、これに限られず、例えば、上記の各ブロックの機能を実行するプログラムとしてもよく、また、このプログラムを配信する情報処理装置であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 コンテンツ送信システム
10 タブレット端末
11 制御部
13 通信部
15 記憶部
17 画像作成部
19 表示部
20 携帯通信端末
21 入力部
30 クライアント端末
50 通信ネットワーク
100 プログラム送信サーバ
101 制御部
103 通信部
105 ユーザDB
107 プログラムDB
150 コンテンツ送信サーバ
160 コンテンツ送信サーバ
170 コンテンツ送信サーバ
200 プログラム
201 画像データ
203 透かし画像
205 電子透かし
207 識別情報
260 コンテンツ
270 コンテンツ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツをコンピュータに表示させるプログラムであって、
前記コンピュータを操作するユーザを識別する識別情報に基づいた電子透かしを埋め込んだ透かし画像を作成するステップと、
前記コンテンツである画像データ上に前記透かし画像を重ねて表示するステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記透かし画像は、前記画像データの全域に渡って重ねて表示されることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記電子透かしは、前記透かし画像の全域に渡って連続的に複数埋め込まれることを特徴とする請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記識別情報は、前記コンピュータが有する固有の識別番号に基づく情報であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記透かし画像は、視認されないことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
コンテンツをコンピュータに表示させる表示方法であって、
前記コンピュータを操作するユーザを識別する識別情報に基づいた電子透かしを埋め込んだ透かし画像を作成するステップと、
前記コンテンツである画像データ上に前記透かし画像を重ねて表示するステップと、
を備えることを特徴とする表示方法。
【請求項7】
請求項1乃至5の何れか一項に記載のプログラムを送信する情報処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−250217(P2011−250217A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122156(P2010−122156)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】