説明

コンテンツ配信サーバ及びコンテンツ配信方法

【課題】ディジタルコンテンツを配信する際に、サンプルとして無料で配信されるコンテンツの利用し易さを周知度に応じて変化させて、有料のコンテンツの購入を促進する。
【解決手段】コンテンツ配信サーバは、コンテンツを検索クエリ及びアドレスに対応付けて格納するデータベース格納手段と、検索クエリを受け付け、受け付けた検索クエリに基づいてデータベース格納手段を検索して、該検索クエリに対応するコンテンツを配信する検索クエリ処理手段と、アドレスを受け付け、受け付けたアドレスに対応するコンテンツをデータベース格納手段から読み出して、該アドレスに対応するコンテンツを配信するアドレス処理手段と、データベース格納手段に格納されているそれぞれのコンテンツの利用回数を計測する利用回数計測手段と、計測された利用回数に基づいてアドレスを変更するアドレス変更手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトウェア(プログラム)、動画、静止画、音声、テキスト等のディジタルコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバに関し、さらに、そのようなコンテンツ配信サーバにおいて用いられるコンテンツ配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ソフトウェアを配信するウェブサイトにおいて、初めは無料の試用版ソフトウェアをサンプルとして配信し、その後も長期的にそのソフトウェアを使用するユーザに対しては、ソフトウェアの使用を有料に切り換えるというサービスが普及している。また、近年においては、ブログ(ウェブログ)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等のように、個人が情報を発信する機会が増加しており、あるソフトウェアが多くのユーザに周知となったときに、そのソフトウェアを既にダウンロードしているアクティブなユーザから、そのソフトウェアを未だダウンロードしていないノンアクティブなユーザに対して、ソフトウェアの紹介が行われるという現象が、活発になってきている。
【0003】
その際に、無料の試用版ソフトウェア又は有料の製品版ソフトウェアを配信するウェブサイトをノンアクティブなユーザに紹介する方法として、そのウェブサイトのURI(ユニフォーム・リソース・アイデンティファイア)をEメールやインターネット掲示板に記載することによって周知化することが行われている。これに類するものとして、CGM(コンシューマ・ジェネレーティド・メディア)と呼ばれるサービスが存在する。特に、ロングテールと言われる小規模ビジネスへの新規算入においては、このような手法が利用されることが多い。
【0004】
同様に、動画等のコンテンツのサンプルを閲覧できるウェブサイトにおいて、そのコンテンツの製品版の広告を掲載し、製品版の販売を行うことが普及している。例えば、DVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)メディアの販売において、そのコンテンツそのものを閲覧することができれば、DVDメディアを購入する動機付けが与えられることが知られている。そのような場合においても、URIが周知化されるという状況が生じている。
【0005】
しかしながら、ソフトウェアや動画等のサンプルがいつまでも簡単に無料で使用できる状況が続くと、有料の製品が売れ難くなってしまう。そこで、インターネットを介してディジタルコンテンツを配信するコンテンツ配信システムにおいて、ディジタルコンテンツの利用に何らかの制限を設けたサンプルを配信することが広く行われている。ディジタルコンテンツの利用の制限としては、ディジタルコンテンツの一部の内容のみを利用可能とする場合もあるし、ディジタルコンテンツを利用できる期間を制限する場合もある。
【0006】
関連する技術として、特許文献1には、複数のユーザにコンテンツを提供する場合に、特定のユーザにのみ閲覧を許可したり、同一のコンテンツであっても、あるユーザに限っては全ての部分を閲覧可能にするといったきめ細かい制御を可能とするコンテンツ配信システムが開示されている。このコンテンツ配信システムは、制作装置と、デリバリシステムと、閲覧装置とから構成されており、制作装置のチケット設定手段が、コンテンツIDと未承認タイムアウトと提示制御情報とからなるチケットを生成し、閲覧装置のチケット解釈手段が、最後に認証に成功した時刻からの経過時間が未承認タイムアウトを超えた場合にはデリバリシステムを通じて制作装置のチケット管理手段から必要に応じてチケットを受け取り、チケットに基づいてコンテンツの提示を制御する。しかしながら、特許文献1によれば、コンテンツの利用時間や利用内容を制限するために、コンテンツに対応してチケットを生成する必要があり、さらに、個々の利用者に配布したチケットを管理する必要があるので、システムの負担が大きくなるという問題がある。
【0007】
また、非特許文献1には、不特定多数を対象とする参加型システムにおいて、URIを免疫化することによって、トラックバックスパム等のウェブスパムからシステムを防御することが開示されている。このシステムにおいては、URIを定常領域と可変領域との連結として表現し、可変領域が時間と共に変化することにより、スパム攻撃を失敗させることができる。しかしながら、情報を提供するユーザが参照するインポートURIを免疫化することはできても、情報の提供を受けるユーザが参照するエクスポートURIはパーマネントリンクにするしかなく、ウェブリンクやブックマークをデッドリンク化することはできない。
【特許文献1】特開2004−310579号公報(第1−2頁、図1)
【非特許文献1】北本 朝展「URI免疫化:参加型システムにおけるスパム避けの一手法」、社団法人電子情報通信学会、第二種研究会試料、IEICE SIG Notes、WI2−2006−73、2006年11月、pp.45−50
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、例えばインターネットを介してユーザ端末にディジタルコンテンツを配信する際に、サンプルとして無料で配信されるディジタルコンテンツの利用し易さをその周知度に応じて変化させて、有料のディジタルコンテンツの購入を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係るコンテンツ配信サーバは、ディジタルコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバであって、少なくとも1つのディジタルコンテンツを検索クエリ及びアドレスに対応付けて格納するデータベース格納手段と、検索クエリを受け付け、受け付けた検索クエリに基づいてデータベース格納手段を検索して、該検索クエリに対応するディジタルコンテンツを配信する検索クエリ処理手段と、アドレスを受け付け、受け付けたアドレスに対応するディジタルコンテンツをデータベース格納手段から読み出して、該アドレスに対応するディジタルコンテンツを配信するアドレス処理手段と、データベース格納手段に格納されているそれぞれのディジタルコンテンツの利用回数を計測する利用回数計測手段と、利用回数計測手段によって計測された利用回数に基づいて、それぞれのディジタルコンテンツに対応してデータベース格納手段に格納されているアドレスを変更するアドレス変更手段とを具備する。
【0010】
また、本発明の1つの観点に係るコンテンツ配信方法は、ディジタルコンテンツを配信するコンテンツ配信方法であって、検索クエリを受け付け、受け付けた検索クエリに基づいて、少なくとも1つのディジタルコンテンツを検索クエリ及びアドレスに対応付けて格納するデータベース格納手段を検索して、該検索クエリに対応するディジタルコンテンツを配信するステップ(a)と、アドレスを受け付け、受け付けたアドレスに対応するディジタルコンテンツをデータベース格納手段から読み出して、該アドレスに対応するディジタルコンテンツを配信するステップ(b)と、データベース格納手段に格納されているそれぞれのディジタルコンテンツの利用回数を計測するステップ(c)と、ステップ(c)において計測された利用回数に基づいて、それぞれのディジタルコンテンツに対応してデータベース格納手段に格納されているアドレスを変更するステップ(d)とを具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、データベース格納手段に格納されているそれぞれのディジタルコンテンツの利用回数を計測し、計測された利用回数に基づいて、それぞれのディジタルコンテンツに対応してデータベース格納手段に格納されているアドレスを変更することにより、サンプルとして無料で配信されるディジタルコンテンツの利用し易さをその周知度に応じて変化させて、有料のディジタルコンテンツの購入を促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信サーバを含むコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、このコンテンツ配信システムは、ユーザ端末11、12、・・・と、それらのユーザ端末11、12、・・・にインターネットを介して接続され、ユーザ端末11、12、・・・からの要求に応じてディジタルコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ20とによって構成される。
【0013】
ここで、ディジタルコンテンツとしては、ソフトウェア(プログラム)、動画、静止画、音声、テキスト等が該当する。
【0014】
コンテンツ配信サーバ20は、少なくとも1つのディジタルコンテンツを検索クエリ及びアドレスに対応付けることによって作成されたコンテンツ管理DB(データベース)を格納するデータベース格納部21と、コンテンツ配信用のウェブサイトを管理するウェブサイト管理部22と、検索クエリに基づいてデータベース格納部21を検索する検索クエリ処理部23と、アドレスに基づいてデータベース格納部21を検索するアドレス処理部24と、データベース格納部21に格納されているそれぞれのディジタルコンテンツの利用回数を計測する利用回数計測部25と、利用回数計測部25によって計測された利用回数に基づいて、それぞれのディジタルコンテンツに対応してデータベース格納部21に格納されているアドレスを変更するアドレス変更部26とを有している。なお、検索クエリ変更部27に関しては、後で説明する。
【0015】
データベース格納部21は、ハードディスク又はメモリ等によって構成され、コンテンツ管理DBを格納する。図2に示すように、コンテンツ管理DBにおいては、ディジタルコンテンツを検索クエリ及びアドレスに対応付けることによって、データセットが構成されている。データセットの数は、1つでも良いし複数でも良い。なお、図1に示すデータベース格納部21においては、それぞれのディジタルコンテンツが、コンテンツ配信用のウェブサイトに関連付けられている。
【0016】
ここで、クエリ(query)とは、データベース管理システムに対する処理要求を文字列として表したものであり、データの検索、更新、削除等の命令をデータベース管理システムに発行するために用いられる。検索クエリとしては、例えば、任意に設定できるキーワードや、予め定められた複数の検索タグや、管理番号(整理番号)が用いられる。
【0017】
また、アドレスとしては、図3に示すように、不変部と可変部とを含む動的URIが用いられる。URI(uniform resource identifier)とは、インターネット上に存在する情報資源の場所を指し示す記述方式であり、インターネットにおける情報のアドレスに相当する。なお、一般的に良く用いられるURL(uniform resource locator)も、URIの一種である。図3に示す動的URIにおいて、可変部は、ランダムな文字列を形成していても良いし、特にランダムな文字列を形成していなくても良い。
【0018】
図1に示すウェブサイト管理部22、検索クエリ処理部23、アドレス処理部24、利用回数計測部25、アドレス変更部26、及び、検索クエリ変更部27は、中央演算装置(CPU)と、CPUに各種の処理を行わせるためのソフトウェア(コンテンツ配信プログラム)を記録した記録媒体とによって構成されている。記録媒体としては、ハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、CD−ROM、又は、DVD−ROM等を用いることができる。
【0019】
ウェブサイト管理部22は、コンテンツ配信用のウェブサイトをユーザ端末に表示させるためのプログラムに基づいて、コンテンツ配信用のウェブサイトをユーザ端末11、12、・・・に表示させると共に、ユーザ端末11、12、・・・から有料の製品版コンテンツの購入申込みがあった場合には、製品版コンテンツの販売手続きを行う。
【0020】
図4は、コンテンツ配信用のウェブサイトの例を示す図である。このウェブサイトは、コンテンツとして動画を配信するものであり、図4に示すように、試用版コンテンツをAjaxによって配信するコンテンツ配信部31と、検索クエリ入力部32a及びサーチボタン(search)32bを含む検索操作部32と、動的URI表示部33と、製品版コンテンツの広告欄34とを含んでいる。製品版コンテンツの広告欄34においては、製品版コンテンツを購入するためのウェブサイトに対してリンクが張られており、広告欄34をクリックすることによって購入ページを画面に表示させることができる。
【0021】
ここで、Ajaxとは、「Asynchronous JavaScript XML」の略であり、ウェブブラウザに操作性の高いプログラムを組み込み、サーバと連携して動作させることによって、体感的・視覚的なインタラクションを与えるウェブサイト開発手法である。コンテンツ配信部31は、配信された画像が表示される画像表示部31aと、スライドショー再生等を行うための画像操作部31bと、音量調節を行うための音量操作部31cと、画像の拡大縮小や表示指定を行うための処理ボタン31dとを有している。
【0022】
最初は、例えば、ユーザ端末11のユーザが、図4に示すウェブサイトにおいて、検索クエリ入力部32aに検索クエリを入力してサーチボタン32bをクリックすると、ユーザ端末11が、検索クエリをコンテンツ配信サーバ20に送信する。コンテンツ配信サーバ20の検索クエリ処理部23は、ユーザ端末11から送信された検索クエリに基づいてデータベース格納部21を検索し、その検索クエリに対応するコンテンツをサンプルとしてユーザ端末11に配信する。その結果、例えば、所望の画像サンプルが画像表示部31aに表示されて、ユーザは、所望の画像サンプルを閲覧することができる。
【0023】
その後は、ユーザが、所望のコンテンツに対応するアドレス(動的URI)を入手することにより、その動的URIを用いて、所望のコンテンツのサンプルを利用することができるようになる。例えば、ウェブブラウザに任意のウェブサイトのURLを登録する「ブックマーク(bookmark)」又は「お気に入り(favorite)」と呼ばれる機能を利用することにより、ユーザが、登録された動的URIをマウスを用いてクリックするだけで、ユーザ端末11が、動的URIをコンテンツ配信サーバ20に送信する。
【0024】
コンテンツ配信サーバ20のアドレス処理部24は、ユーザ端末11から送信された動的URLに基づいてデータベース格納部21を検索し、その動的URLに対応するコンテンツをサンプルとしてユーザ端末11に配信する。その結果、例えば、所望の画像サンプルが画像表示部31aに表示されて、ユーザは、所望の画像サンプルを閲覧することができる。
【0025】
しかしながら、無料の試用版コンテンツがいつまでも簡単に無料で利用できる状況が続くと、有料の製品版コンテンツが売れなくなってしまう。そこで、本実施形態においては、利用回数計測部25が、それぞれのディジタルコンテンツがインターネット上でどの程度周知となっているかを知るために、それぞれのディジタルコンテンツの利用回数を計測し、アドレス変更部26が、利用回数計測部25によって計測された利用回数に基づいて、それぞれのディジタルコンテンツに対応してデータベース格納部21に格納されている動的URIの可変部を変更するようにしている。
【0026】
具体的には、利用回数計測部25が、それぞれのディジタルコンテンツのサンプルがダウンロードされた回数を計測し、アドレス変更部26が、利用回数計測部25によって計測されたダウンロード回数が所定の値を超えたときに、それぞれのディジタルコンテンツに対応する動的URIの可変部を変更するようにしても良い。
【0027】
それにより、上記ディジタルコンテンツがインターネット上である程度周知となった場合には、ユーザが動的URIを用いて無料の試用版コンテンツを利用することができなくなり、最初と同じように検索クエリを入力する必要が生じる。このことは、ユーザにとって有料の製品版コンテンツを購入するための動機付けとなる。
【0028】
次に、図1に示すコンテンツ配信システムにおいて実施される本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信方法について、図1及び図5を参照しながら説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信方法を示すフローチャートである。ステップS11において、ユーザAが、例えば、ユーザ端末11を用いて検索サイトで検索を行うことによって、ステップS31において、コンテンツ配信サーバ20が、コンテンツ配信用のウェブサイトをユーザ端末11に表示させる。
【0029】
ステップS12において、ユーザAが、所望のコンテンツのサンプルを入手するために検索クエリをユーザ端末11に入力することによって、ユーザ端末11は、検索クエリをコンテンツ配信サーバ20に送信する。ステップS32において、コンテンツ配信サーバ20の検索クエリ処理部23は、ユーザ端末11から送信された検索クエリに基づいてデータベース格納部21を検索し、その検索クエリに対応するコンテンツをサンプルとしてユーザ端末11に配信する。ステップS33において、コンテンツ配信サーバ20の利用回数計測部25は、そのコンテンツの利用回数を計測する。例えば、利用回数計測部25は、そのコンテンツがデータベース格納部21から読み出されたことを検出し、あるいは、そのコンテンツが検索クエリ処理部23又はアドレス処理部24によってサンプルとして配信されたことを検出することにより、そのコンテンツの利用回数を表すカウント値をインクリメントする。
【0030】
ステップS13において、ユーザ端末11が、所望のコンテンツのサンプルを受信する。ユーザAは、所望のコンテンツのサンプルを利用(閲覧等)すると共に、ブックマーク等の機能を用いて、所望のコンテンツに対応する動的URIをユーザ端末11に保存する。その結果、ユーザAは、動的URIをクリック等することによって、いつでも所望のコンテンツのサンプルを利用することができるようになる。
【0031】
ステップS14において、ユーザAが、上記コンテンツをユーザBに紹介するために、ユーザ端末11を用いてユーザ端末12に動的URIを知らせる。そのためには、Eメールを用いても良いし、インターネット掲示板、ブログ(ウェブログ)、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等のフォーラムを利用しても良い。また、他のユーザに動的URIを知らせる際に、ウェブサイトにリンクを張っておいても良い。
【0032】
ステップS21において、ユーザBが、動的URIをクリック等することによって、ユーザ端末12は、動的URIをコンテンツ配信サーバ20に送信する。ステップS34において、コンテンツ配信サーバ20のアドレス処理部24は、ユーザ端末11から送信された動的URIに基づいてデータベース格納部21を検索し、その動的URIに対応するコンテンツを読み出して、読み出されたコンテンツをサンプルとしてユーザ端末12に配信する。ステップS35において、コンテンツ配信サーバ20の利用回数計測部25は、そのコンテンツの利用回数を計測する。
【0033】
ステップS22において、ユーザ端末12は、所望のコンテンツのサンプルを受信する。ユーザBは、所望のコンテンツのサンプルを利用(閲覧等)すると共に、ブックマーク等の機能を用いて、所望のコンテンツに対応する動的URIをユーザ端末12に保存する。その結果、ユーザBは、動的URIをクリック等することによって、いつでも所望のコンテンツのサンプルを利用することができるようになる。さらに、ユーザBは、別のユーザに所望のコンテンツを紹介するために動的URIを知らせることもできる。
【0034】
ステップS36において、そのコンテンツについて計測された利用回数が所定の値を超えると、アドレス変更部26が、そのコンテンツに対応してデータベース格納部21に格納されている動的URIの可変部を変更する。
【0035】
ステップS37において、利用回数計測部25が、そのコンテンツの利用回数を表すカウント値をゼロにリセットする。即ち、コンテンツの利用回数の計測は、最初は、そのコンテンツがデータベース格納部21に格納されてからの利用回数が計測され、2回目からは、そのコンテンツについて動的URIが変更されてからの利用回数が計測される。
【0036】
動的URIが変更されると、ユーザ端末11から以前の動的URIが送信されても(ステップS15)、ユーザ端末12から以前の動的URIが送信されても(ステップS23)、ブックマークやウェブリンクがデッドリンク化されているので、コンテンツ配信サーバ20は、コンテンツを配信することがない。従って、ユーザは、動的URIを用いて簡単に無料の試用版コンテンツを利用することができなくなる。
【0037】
その替わりに、ステップS38において、コンテンツ配信サーバ20のウェブサイト管理部22は、動的URIの可変部を変更した旨の信号をアドレス変更部26から受けて、以前の動的URIによるリンクが途絶えた旨の警告(デッドリンク警告)を含むウェブサイト(警告用ウェブサイト)を、ユーザ端末11及び12に表示させる。さらに、警告用ウェブサイトには、デッドリンク警告と共に、変更されていない検索クエリ、及び、検索操作部を含めるようにしても良い。
【0038】
それにより、ユーザは、手間をかければ不可変の検索クエリを用いて無料の試用版コンテンツを再度利用することができるものの、この機会に有料の製品版コンテンツを購入することを検討する必要に迫られる。さらに一定の期間が経過すると、警告用ウェブサイトから、検索クエリ及び検索操作部を削除することが望ましい。その結果、警告用ウェブサイトへのブックマークやウェブリンクも無効となるので、無料の試用版コンテンツの利用をさらに抑制することができる。
【0039】
図6は、アドレス変更の手順を示すフローチャートである。
ステップS41において、アドレス変更部26が、動的URI(2)の可変部の文字列を生成する。ステップS42において、アドレス変更部26は、動的URI(2)の不変部と可変部の文字列を合成する。
【0040】
ステップS43において、アドレス変更部26は、動的URI(1)が指し示すウェブサイトのコピーを生成する。そのために、例えば、以下のようなコマンドが用いられる。
copy Dynamic_URI_1.html Dynamic_URI_2.html
このコマンドは、「Dynamic_URI_1.html」というファイルのウェブサイトの内容を、「Dynamic_URI_2.html」というファイルにコピーすることを表している。これにより、同じ内容のウェブサイトのファイルが2つ存在することになる。
【0041】
ステップS44において、アドレス変更部26は、デッドリンクを警告するウェブサイトの内容を、動的URI(1)が指し示すファイルにコピーする。そのために、例えば、以下のようなコマンドが用いられる。
copy DeadLinkCaution.html Dynamic_URI_1.html
このコマンドは、「DeadLinkCaution.html」というファイルのウェブサイトの内容を、「Dynamic_URI_1.html」というファイルにコピーすることを表している。これにより、動的URI(1)が指し示すウェブサイトの内容が警告用ウェブサイトの内容に置き換わる。
【0042】
図7は、デッドリンクを警告するウェブサイトの内容を示す図である。図7に示すように、この警告用ウェブサイトには、動的URI(1)がデッドリンクになった旨を表す警告の表示41と、所望のコンテンツを検索するための不可変な検索クエリの表示42と、検索クエリ入力部43a及びサーチボタン(search)43bを含む検索操作部43とが含まれている。
【0043】
再び図5を参照すると、ステップS24において、ユーザBが、不可変な検索クエリをユーザ端末12に入力することによって、ユーザ端末12が、検索クエリをコンテンツ配信サーバ20に送信する。ステップS39において、コンテンツ配信サーバ20の検索クエリ処理部23は、その検索クエリに対応するコンテンツをサンプルとしてユーザ端末12に配信する。
【0044】
ステップS25において、ユーザ端末12は、所望のコンテンツのサンプルを受信する。ユーザBは、所望のコンテンツのサンプルを利用(閲覧等)することができるが、いずれまた動的URIが変更された時には、簡単な操作によっては所望のコンテンツのサンプルを利用することができなくなるので、製品版コンテンツの購入を検討するようになる。
【0045】
以上の実施形態においては、検索クエリを不可変としたが、検索クエリ変更部27(図1)をさらに設けることにより、検索クエリを可変としても良い。検索クエリ変更部27は、アドレス変更部26がアドレスを変更したときに、データベース格納部21に格納されている検索クエリを変更する。その場合には、警告用ウェブサイトに、デッドリンク警告と共に、変更された検索クエリ、及び、検索操作部を含めるようにする。
【0046】
それにより、ユーザは、最初と同じ検索クエリを用いて無料の試用版コンテンツを利用することができなくなり、最初と異なる検索クエリを探して入力する必要が生じる。ユーザは、かなりの手間をかけなればならないので、この機会に有料の製品版コンテンツを購入する可能性がさらに高くなる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、ディジタルコンテンツをインターネットを介してユーザ端末に配信するコンテンツ配信サーバにおいて利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信サーバを含むコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すコンテンツ管理DBにおけるデータ構造を示す図である。
【図3】図2に示す動的URIの例を示す図である。
【図4】コンテンツ配信用のウェブサイトの例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信方法を示すフローチャートである。
【図6】アドレス変更の手順を示すフローチャートである。
【図7】デッドリンクを警告するウェブサイトの内容を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
11、12、・・・ ユーザ端末
20 コンテンツ配信サーバ
21 データベース格納部
22 ウェブサイト管理部
23 検索クエリ処理部
24 アドレス処理部
25 利用回数計測部
26 アドレス変更部
27 検索クエリ変更部
31 コンテンツ配信部
32 検索操作部
32a 検索クエリ入力部
32b サーチボタン
33 動的URI表示部
34 広告欄
41 警告の表示
42 検索クエリの表示
43 検索操作部
43a 検索クエリ入力部
43b サーチボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタルコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバであって、
少なくとも1つのディジタルコンテンツを検索クエリ及びアドレスに対応付けて格納するデータベース格納手段と、
検索クエリを受け付け、受け付けた検索クエリに基づいて前記データベース格納手段を検索して、該検索クエリに対応するディジタルコンテンツを配信する検索クエリ処理手段と、
アドレスを受け付け、受け付けたアドレスに対応するディジタルコンテンツを前記データベース格納手段から読み出して、該アドレスに対応するディジタルコンテンツを配信するアドレス処理手段と、
前記データベース格納手段に格納されているそれぞれのディジタルコンテンツの利用回数を計測する利用回数計測手段と、
前記利用回数計測手段によって計測された利用回数に基づいて、それぞれのディジタルコンテンツに対応して前記データベース格納手段に格納されているアドレスを変更するアドレス変更手段と、
を具備するコンテンツ配信サーバ。
【請求項2】
前記データベース格納手段に格納されているディジタルコンテンツをインターネットを介してユーザ端末に配信するためのウェブサイトを管理するウェブサイト管理手段をさらに具備し、
前記データベース格納手段に格納されているアドレスが、前記アドレス変更手段によって変更される可変部を含む動的URI(ユニフォーム・リソース・アイデンティファイア)である、請求項1記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項3】
前記利用回数計測手段が、それぞれのディジタルコンテンツのサンプルがダウンロードされた回数を計測し、
前記アドレス変更手段が、前記利用回数計測手段によって計測されたダウンロード回数が所定の値を超えたときに、それぞれのディジタルコンテンツに対応するアドレスを変更する、
請求項1又は2記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項4】
前記アドレス変更手段がアドレスを変更したときに、前記ウェブサイト管理手段が、ユーザ端末から送信された以前のアドレスに応答して、以前のアドレスによる前記ウェブサイトへのリンクが途絶えた旨の警告を含むウェブサイトを前記ユーザ端末に表示させる、請求項2記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項5】
前記アドレス変更手段がアドレスを変更したときに、前記ウェブサイト管理手段が、ユーザ端末から送信された以前のアドレスに応答して、以前のアドレスによる前記ウェブサイトへのリンクが途絶えた旨の警告と、変更されていない検索クエリと、検索画面とを含むウェブサイトを前記ユーザ端末に表示させる、請求項4記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項6】
前記アドレス変更手段がアドレスを変更したときに、前記データベース格納手段に格納されている検索クエリを変更する検索クエリ変更手段をさらに具備する、請求項1〜4のいずれか1項記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項7】
ディジタルコンテンツを配信するコンテンツ配信方法であって、
検索クエリを受け付け、受け付けた検索クエリに基づいて、少なくとも1つのディジタルコンテンツを検索クエリ及びアドレスに対応付けて格納するデータベース格納手段を検索して、該検索クエリに対応するディジタルコンテンツを配信するステップ(a)と、
アドレスを受け付け、受け付けたアドレスに対応するディジタルコンテンツを前記データベース格納手段から読み出して、該アドレスに対応するディジタルコンテンツを配信するステップ(b)と、
前記データベース格納手段に格納されているそれぞれのディジタルコンテンツの利用回数を計測するステップ(c)と、
ステップ(c)において計測された利用回数に基づいて、それぞれのディジタルコンテンツに対応して前記データベース格納手段に格納されているアドレスを変更するステップ(d)と、
を具備するコンテンツ配信方法。
【請求項8】
前記データベース格納手段に格納されている少なくとも1つのディジタルコンテンツをインターネットを介してユーザ端末に配信するためのウェブサイトをユーザ端末に表示させるステップをさらに具備する、請求項7記載のコンテンツ配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−43064(P2009−43064A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207869(P2007−207869)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】