説明

コンテンツ配信方法及び中継装置

【課題】電話番号に付加されて利用されるサブアドレスを用いて電話機に配信すべきコンテンツを指定する場合において、コンテンツの種類ないし数が増えたとしても、サブアドレスの桁数の増加ないし構成の複雑化を抑制することを可能にする。
【解決手段】中継装置30は、携帯電話機10a,10bがコンテンツをCPサーバ装置20a,20bに要求したタイミング、つまりサブアドレスが必要とされるタイミングで新たなサブアドレスを発行する。そして、そのサブアドレスによって指定されるコンテンツがCPサーバ装置20a,20bから中継装置30を介して携帯電話機10a,10bに配信される。よって、同一のサブアドレスを異なるコンテンツに対して何度も利用することが可能となり、コンテンツの種類ないし数が増えたとしても、サブアドレスの桁数の増加ないし構成の複雑化を抑制することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像や音声からなるコンテンツをサーバ装置から中継装置を介して電話機に配信するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像や音声からなるコンテンツをストリーミング形式で携帯電話機に配信するサービスが提供されている(例えば特許文献1)。ストリーミング形式とは、クライアントである携帯電話機がコンテンツを受信すると同時に再生することができるような配信形式である。このストリーミング形式によれば、クライアント側で受信と同時に再生が行われるので、コンテンツのダウンロードが全て完了するまでユーザが待機する必要がないという利点がある。
【0003】
既に実施されているサービスにおいては、次のような手順でストリーミング形式のコンテンツ配信がなされるようになっている。
図13において、携帯電話網1aに収容される携帯電話機1bは、テレビ電話プロトコルを用いることによってテレビ電話を実現することができる。ユーザはこの携帯電話機1bを操作して、中継装置1cに割り当てられた電話番号に続けて、コンテンツを指定するための数桁の文字列を入力する。この文字列は「サブアドレス」と呼ばれている。中継装置1cには、このサブアドレスとコンテンツIDとが予め対応付けられて記憶されている。例えば図13に例示しているようにサブアドレス「90001」によって、コンテンツID「C0001」が割り当てられたコンテンツが指定されるといった具合である。
【0004】
ここで、携帯電話機1bから例えば「*8608*90001」という番号を含む呼接続信号が発信された場合を想定する。この「*8608*90001」のうち、最初の「*」が所定の接頭子であり、次の「8608」は「特番」と呼ばれる短縮された電話番号であり、次の「*」は区切子と呼ばれるものであり、最後の「90001」がサブアドレスである。携帯電話機1bから発せられた電話番号(特番)「8608」に基づいて携帯電話機1bと中継装置1cとの間の電話回線が接続されるとともに、サブアドレス「90001」が中継装置1cに通知される。中継装置1cは通知されたサブアドレス「90001」に対応するコンテンツID「C0001」をCPサーバ装置1dに通知し、そのIDに対応するコンテンツをCPサーバ装置1dから取得する。そして、中継装置1cは、取得したコンテンツをテレビ電話プロトコルによって携帯電話機1bへと送信する。携帯電話機1bは、このコンテンツを受信すると、順次再生する。
【特許文献1】特開2003−037836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したサブアドレスとコンテンツIDとの対応関係は、CPサーバ装置1dの管理者であるコンテンツ提供者と、携帯電話網1aや中継装置1cの管理者である通信事業者との間の契約によって予め決定されるものである。つまり、サブアドレスとコンテンツIDとの対応関係は両者の取り決めにより固定的に決まってしまうので、コンテンツ提供者の数が増えてコンテンツの種類が増加すると、その増加分と同じだけサブアドレスの数も増やさなければならない。例えば、図13の例では、5桁のサブアドレス「9××××」(×は任意の数字)のうち有効なアドレスとして4桁の数字列「××××」しか想定していないので、このサブアドレスの体系によって指定可能なコンテンツの数は最高で9999個ということになる。
【0006】
従って、コンテンツの種類をさらに増やそうとする場合には、サブアドレスの桁数を増やしたり或いはサブアドレスの構成を複雑化するなどして対応しなければならない。しかし、サブアドレスはできるだけ短く簡易な文字列であった方がユーザの操作負担が少ないので、コンテンツの数が増加したとしても、サブアドレスの桁数を増加させたりその構成を複雑化させたくないという要望がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、電話番号に付加されて利用されるサブアドレスを用いることにより電話機に配信すべきコンテンツを指定する場合において、コンテンツの種類ないし数が増えたとしても、サブアドレスの桁数の増加ないし構成の複雑化を抑制することが可能な仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明は、電話機と、中継装置と、サーバ装置とを備えたシステムにおけるコンテンツ配信方法であって、前記電話機が、前記電話網及び前記通信網を介して、画像または音声の少なくとも一方を含むコンテンツを前記サーバ装置に要求するステップと、前記サーバ装置が、前記コンテンツの格納位置を示す通信アドレスを前記中継装置に通知するステップと、前記中継装置が、コンテンツを指定するためのサブアドレスを発行し、当該サブアドレスを通知された前記通信アドレスに対応付けて記憶するステップと、前記中継装置が、発行したサブアドレスを前記サーバ装置に通知するステップと、前記サーバ装置が、前記サーバ装置から通知されてきた前記サブアドレスを前記電話機に通知するステップと、前記電話機が、前記中継装置に割り当てられた電話番号と、前記サーバ装置から通知されてきたサブアドレスとを含む呼接続信号を、画像と音声とを同期させて送受信するためのテレビ電話プロトコルを用いて発信するステップと、前記中継装置が、前記呼接続信号を受信し、当該呼接続信号に含まれているサブアドレスに対応付けて記憶されている通信アドレスを用いて前記サーバ装置からコンテンツを取得するステップと、前記中継装置が、取得したコンテンツをテレビ電話プロトコルによって前記電話機に送信するステップとを具備するコンテンツ配信方法を提供する。このコンテンツ配信方法によれば、電話機がコンテンツをサーバ装置に要求したタイミング、つまりサブアドレスが必要とされるタイミングで新たなサブアドレスを発行し、そのサブアドレスによって指定されるコンテンツを配信する、というサイクルでコンテンツ配信サービスが実施される。このように、全てのコンテンツに対してサブアドレスを予め固定的に割り当てておくのではなく、コンテンツが要求されるたびにサブアドレスを発行するようにしているので、電話機のユーザにとって必要性の高いと思われるコンテンツだけを処理の対象とすることができる。これにより、サブアドレスを全体として有効に活用することができ、コンテンツの種類ないし数が増えたとしても、サブアドレスの桁数の増加ないし構成の複雑化を抑制することが可能となる。
【0009】
また、本発明は、電話機と、中継装置と、サーバ装置とを備えたシステムにおけるコンテンツ配信方法であって、前記電話機が、画像または音声の少なくとも一方を含むコンテンツを要求するステップと、前記中継装置が、コンテンツを指定するためのサブアドレスを発行し、当該サブアドレスを前記コンテンツの格納位置を示す通信アドレスに対応付けて記憶するステップと、前記中継装置が、発行したサブアドレスを前記電話機に通知するステップと、前記電話機が、前記中継装置に割り当てられた電話番号と、前記中継装置から通知されてきたサブアドレスとを含む呼接続信号を、画像と音声とを同期させて送受信するためのテレビ電話プロトコルを用いて発信するステップと、前記中継装置が、前記呼接続信号を受信し、当該呼接続信号に含まれているサブアドレスに対応付けて記憶されている通信アドレスを用いて前記サーバ装置からコンテンツを取得するステップと、前記中継装置が、取得したコンテンツをテレビ電話プロトコルによって前記電話機に送信するステップとを具備するコンテンツ配信方法を提供する。このコンテンツ配信方法によれば、電話機がコンテンツをサーバ装置に要求したタイミング、つまりサブアドレスが必要とされるタイミングで新たなサブアドレスを発行し、そのサブアドレスによって指定されるコンテンツを配信する、というサイクルでコンテンツ配信サービスが実施される。このように、全てのコンテンツに対してサブアドレスを予め固定的に割り当てておくのではなく、コンテンツが要求されるたびにサブアドレスを発行するようにしているので、電話機のユーザにとって必要性の高いと思われるコンテンツだけを処理の対象とすることができる。これにより、サブアドレスを全体として有効に活用することができ、コンテンツの種類ないし数が増えたとしても、サブアドレスの桁数の増加ないし構成の複雑化を抑制することが可能となる。
【0010】
また、本発明は、画像と音声とを同期させて送受信するためのテレビ電話プロトコルを用いて電話機と通信を行うテレビ電話手段と、画像または音声の少なくとも一方を含むコンテンツを記憶したサーバ装置とデータ通信を行う通信手段と、前記コンテンツを指定するためのサブアドレスを発行するサブアドレス発行手段と、前記通信手段が前記サーバ装置から通信アドレスを受信すると、前記サブアドレス発行手段によって発行されたサブアドレスを受信した通信アドレスと対応付けて記憶する記憶手段と、前記サブアドレス発行手段によって発行されたサブアドレスを前記通信手段によって前記サーバ装置に通知する通知手段と、前記テレビ電話手段が前記サブアドレスを含む呼接続信号を受信すると、当該サブアドレスに対応付けられて記憶されている通信アドレスを用いて、前記通信手段に前記サーバ装置へアクセスさせるアクセス制御手段と、前記通信手段が前記サーバ装置から受信したコンテンツを前記テレビ電話手段によって前記電話機に送信する送信制御手段とを備えた中継装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、画像と音声とを同期させて送受信するためのテレビ電話プロトコルを用いて電話機と通信を行うテレビ電話手段と、画像または音声の少なくとも一方を含むコンテンツを記憶したサーバ装置とデータ通信を行う通信手段と、前記コンテンツを指定するためのサブアドレスを発行するサブアドレス発行手段と、前記通信手段が前記電話機からコンテンツの要求を受信すると、前記サブアドレス発行手段によって発行されたサブアドレスを前記コンテンツの格納位置を示す通信アドレスと対応付けて記憶する記憶手段と、前記サブアドレス発行手段によって発行されたサブアドレスを前記通信手段によって前記電話機に通知する通知手段と、前記テレビ電話手段が前記サブアドレスを含む呼接続信号を受信すると、当該サブアドレスに対応付けられて記憶されている通信アドレスを用いて、前記通信手段に前記サーバ装置へアクセスさせるアクセス制御手段と、前記通信手段が前記サーバ装置から受信したコンテンツを前記テレビ電話手段によって前記電話機に送信する送信制御手段とを備えた中継装置を提供する。
【0012】
本発明の好ましい態様においては、前記テレビ電話手段が受信した呼接続信号に含まれているサブアドレスが有効期間内か否かを判断する判断手段を備え、前記アクセス制御手段は、前記サブアドレスが有効期間内であれば、当該サブアドレスに対応付けられて記憶されている通信アドレスを用いて、前記通信手段に前記サーバ装置へアクセスさせるようにしてもよい。このようにすれば、同一のサブアドレスを異なるコンテンツに対して何度も利用し得ることが可能となる。よって、コンテンツの種類ないし数が増えたとしても、サブアドレスの桁数の増加ないし構成の複雑化を抑制することができる。
【0013】
また、1つの通信アドレスに対して発行可能なサブアドレスの上限値を記憶した上限値記憶手段を備え、前記サブアドレス発行手段は、前記上限値記憶手段に記憶されている上限値の範囲内でサブアドレスを発行するようにしてもよい。このようにすれば、1つの通信アドレスに集中してサブアドレスが発行されるような事態を防止することができる。
【0014】
さらに、各々の通信アドレスに対するアクセス数をカウントするカウント手段と、前記上限値記憶手段によって通信アドレス毎に記憶されている上限値を前記カウントされたアクセス数に応じて更新する上限値更新手段とを備えるようにしてもよい。このようにすれば、例えばアクセスの数が多い通信アドレスについては上限値を上げる一方、アクセスの数が少ない通信アドレスについては上限値を下げるといったように、アクセスの状況に応じてサブアドレスを発行するということが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
以下の説明において、テレビ電話とは、送信側のユーザと受信側のユーザとが互いの画像を見ながらリアルタイムに通話を行うサービスないし機能である。そして、テレビ電話に用いられるテレビ電話プロトコルとは、画像と音声とを同期させて通話先と送受信するための通信プロトコルである。
【0016】
(1)第1実施形態
(1−1)構成
図1は、第1実施形態に係るコンテンツ配信システムの全体構成を示すブロック図である。図1において、携帯電話網100は、例えばIMT−2000(International Mobile Telecommunications-2000)方式の通信設備である。IMT−2000方式はおおよそ数百kbps〜数Mbps程度の高速データ通信を実現し得る。このように高速データ通信が可能であるから、携帯電話網100に収容される携帯電話機10a,10bは、テレビ電話プロトコルを用いることによってテレビ電話を実現することができる。また、携帯電話機10a,10bは、WWWブラウザプログラムを記憶しており、これを実行することによって、WWW(World Wide Web)から取得したHTML(HyperText Markup Language)形式の画面データを解釈して各種の対話画面を表示部に表示することができるようになっている。
【0017】
CP(Contents Provider)サーバ装置20a,20bは、インターネット200に接続されている。CPサーバ装置20aは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)を用いてストリーミング配信が可能なWWW(World Wide Web)サーバ装置であり、CPサーバ装置20bは、RTSP(Real Time Streaming Protocol)を用いてストリーミング配信を行うストリーミングサーバ装置である。これらのCPサーバ装置20a,20bはいずれも、画像や音声からなるコンテンツを疑似ストリーミング形式で携帯電話機10a,10bへと配信する機能を備えている。
【0018】
中継装置30は、携帯電話網100とインターネット200の双方に接続されている。この中継装置30は、携帯電話機10a,10bとCPサーバ装置20a,20bとの間のデータ通信を中継する機能を備えている。また、中継装置30は、コンテンツを指定するためのサブアドレスと、コンテンツの格納位置を示すインターネット上の通信アドレス(URL:Uniform Resource Locator)とを対応付けて記憶している。中継装置30は、携帯電話機10a,10bから発信された呼接続信号に含まれるサブアドレスをURLに変換し、そのURLを用いてCPサーバ装置20a,20bからHTTPによってコンテンツを取得する。そして、中継装置30は、取得したコンテンツを、テレビ電話プロトコルを用いて携帯電話機10a,10bに送信する。つまり、携帯電話機10a,10bは、中継装置30を介してCPサーバ装置20a,20bからコンテンツを取得するようになっている。
以上がシステム全体の構成である。なお、図1においては図面が繁雑になるのを避けるために、携帯電話機及びCPサーバ装置をそれぞれ2つしか図示していないが、実際にはこれらは複数存在する。
【0019】
次に、図2を参照しながら、中継装置30の構成について説明する。図2に示す制御部31は、例えばCPUなど演算装置や、ROMやRAMなどの各種メモリを備えている。制御部31は、これらのメモリや不揮発性記憶部33に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、中継装置30の各部を制御する。通信部32は、携帯電話網100とインターネット200とのそれぞれに接続されており、制御部31による制御の下で、携帯電話機10a,10bとCPサーバ装置20a,20bとの間のデータ通信を中継する。テレビ電話部34は、携帯電話網100に接続されており、テレビ電話プロトコルを用いて携帯電話機10a,10bと通信を行う。
【0020】
不揮発性記憶部33は、例えばハードディスクなどの大容量の記憶装置である。この不揮発性記憶部33には、コンテンツ配信中継プログラムやアドレス管理プログラム等の各種コンピュータプログラムや、サブアドレスをURLに変換するためのアドレス変換テーブルが記憶されている。また、不揮発性記憶部33には、HTMLで記述された各種の画面データが記憶されている。これらの画面データは、サブアドレスを発行する際に用いられる画面データであり、CGI(Common Gateway Interface)によってその都度生成される画面データなどを含んでいる。
【0021】
ここで、図3は、アドレス変換テーブルに記述された内容の一例を表す図である。図3に示す例では、例えばURL「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」に格納されたコンテンツに対し、複数のサブアドレス「91111」、「91212」、「91555」、「91900」、・・・が割り当てられている場合を意味している。単一のURLに対して複数のサブアドレスが割り当てられているのは、複数の携帯電話機10a,10bから或るURLに対してコンテンツの要求がある度に、新たなサブアドレスが割り当てられるからである。例えば、携帯電話機10aからURL「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」のコンテンツへの配信要求があると、制御部31によってサブアドレス「91111」が割り当てられ、別の携帯電話機10bから上記URL「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」のコンテンツへの配信要求があると、制御部31によって上記「91111」とは別の新たなサブアドレス「91212」が割り当てられる、といった具合である。また、図3において、例えばURL「http://www.xxx.co.jp/actionC.mp4」に格納されたコンテンツに対してはサブアドレスが1つも割り当てられていない例が示されている。
【0022】
また、アドレス変換テーブルには、制御部31によってサブアドレスが発行された日時も記述されている。各々のサブアドレスには有効期間が設けられており、本実施形態では、発行日時から10分間が有効期間である。この有効期間は不揮発性記憶部33に予め記憶されている。サブアドレスが有効期間内であれば、中継装置30はそのサブアドレスに対応付けられているURLを用いてコンテンツを取得するが、有効期間をすぎると、コンテンツを取得せず、その旨を携帯電話機に通知する。また、1つのURLに対して発行可能なサブアドレスの上限値も予め決められており、本実施形態ではその上限値は100個である。この上限値は不揮発性記憶部33に予め記憶されており、この上限値の範囲内で制御部31によってサブアドレスが発行されることになる。
【0023】
次に、図4は、CPサーバ装置20aの構成を示すブロック図である。制御部21aは、例えばCPUなど演算装置や、ROMやRAMなどの各種メモリを備えている。制御部21aは、これらのメモリや不揮発性記憶部23aに記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、CPサーバ装置20aの各部を制御する。通信部22aは、インターネット200に接続されており、制御部21aによる制御の下で通信を行う。不揮発性記憶部23aは、例えばハードディスクなどの大容量の記憶装置である。この不揮発性記憶部23aには、コンテンツとコンテンツ配信プログラムとが記憶されており、さらに、自身のコンテンツに割り当てられたサブアドレスを記憶するためのサブアドレス格納領域が設けられている。さらに、不揮発性記憶部23aには、HTMLで記述された各種の画面データが記憶されている。
なお、CPサーバ装置20bの構成も上記とほぼ同様であるための詳細な説明は省略する。
【0024】
(1−2)動作
次に、図5に示すシーケンスを参照しながら、携帯電話機10aからCPサーバ装置20aに対してコンテンツを要求する場合の動作例について説明する。以下の説明においては、中継装置30のテレビ電話部34に割り当てられた電話番号(特番)を「8608」とし、サブアドレスとURLとの対応関係は図3に示したとおりの内容とする。
図5において、ユーザは、携帯電話機10aの操作部を用いてURLを指定するための所定の操作を行うと、携帯電話機10aはこの操作を受け付けてWWWブラウザプログラムを起動させ(ステップS1)、上記URLを含むHTTPリクエストを送信する(ステップS2)。このURLはCPサーバ装置20aが記憶しているメニュー画面データの格納位置を示すURLである。CPサーバ装置20aの制御部21aは、通信部22aが上記HTTPリクエストを中継装置30経由で受信すると、HTML形式のメニュー画面データを不揮発性記憶部23aから読み出し(ステップS3)、これをHTTPレスポンスとして携帯電話機10aに送信する(ステップS4)。
【0025】
携帯電話機10aは、メニュー画面データを受信すると、この内容を解釈して表示部に表示する。図6は、この表示例であり、図中の「アクションA」、「アクションB」、「アクションC」という文字列には、HTMLのアンカータグによってそれぞれのコンテンツの格納位置を示すURLが関連づけられている。携帯電話機10aのユーザが、図6に示した「アクションA」という文字列を選択する操作を行うと、携帯電話機10aは、この操作をコンテンツの要求操作として受け付け(ステップS5)、関連づけられているURL(ここでは「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」とする)を含むHTTPリクエストをサブアドレス発行要求として送信する(ステップS6)。
【0026】
CPサーバ装置20aの通信部22aがこのHTTPリクエストを受信すると、制御部21aは、サブアドレスの発行を依頼するための発行依頼メッセージを中継装置30に送信する(ステップS7)。この発行依頼メッセージには、上記のURL「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」が含まれている。中継装置30の制御部31は、通信部32が発行依頼メッセージを受信すると、そのメッセージに含まれているURL「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」をアドレス変換テーブルに書き込み、所定のアルゴリズムに従って発行したサブアドレス「91111」を発行日時「2004/10/10 10:00」と共に、上記URLに対応付けてアドレス変換テーブルに書き込む(ステップS8)。
【0027】
なお、既にURL「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」がアドレス変換テーブルに書き込まれている場合は、制御部31は、発行したサブアドレスと発行日時とをURLに対応付けて記述するだけでよい。
また、この場合、有効期間が過ぎているサブアドレスがあれば、制御部31は、そのサブアドレスをアドレス変換テーブルから消去する。消去されたサブアドレスは未発行サブアドレスとして他のURLに対して使用可能な状態になる。ただし、制御部31は、サブアドレスの有効期間が経過すると直ちにそのサブアドレスを消去するのではなく、接続処理の遅延発生の可能性を考慮し、アドレス変換テーブルからサブアドレスを消去した後、例えば5分経過してからそのサブアドレスを未発行状態へと遷移させるようにしてもよい。
なお、URL「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」に対して上限値の100個のサブアドレスが既に発行されており、かつ、それらのサブアドレスが全て有効期間内ならば、制御部31は、サブアドレスを発行することができない旨をCPサーバ装置20aに通知する。
【0028】
そして、中継装置30の制御部31は、発行したサブアドレスを通信部32からCPサーバ装置20aに通知する(ステップS9)。CPサーバ装置20aの制御部21aは、サブアドレスが通知されてくると、そのサブアドレスをサブアドレス格納領域に書き込む。次いで、制御部21aは、そのサブアドレスを含むサブアドレス通知画面データを生成し(ステップS10)、これを通信部22aからHTTPレスポンスとして携帯電話機10aに送信する(ステップS11)。
【0029】
携帯電話機10aは、サブアドレス通知画面データを受信すると、この内容を解釈して表示部に表示する。図7は、この表示例であり、図7に示した「視聴する」という文字列には「*8608*91111」という電話番号及びサブアドレスが関連づけられている。携帯電話機10aのユーザが、「視聴する」という文字列を選択する操作を行うと、携帯電話機10aは「*8608*91111」への発信を行うか否かの判断を促す、図8に示すような電話発信画面を表示する。携帯電話機10aのユーザが、図8に示した「発信」という文字列を選択する操作を行うと、携帯電話機10aはこの発呼操作を受け付け(ステップS12)、関連づけられている「*8608*91111」を含む呼接続信号を送信する(ステップS13)。
【0030】
携帯電話網100の交換機は、呼接続信号に含まれている電話番号(特番)「8608」を正規の電話番号に変換し、これを用いて中継装置30のテレビ電話部34を呼び出す。この呼出の際には、交換機からサブアドレス「91111」が中継装置30に通知される。そして、中継装置30の制御部31は、不揮発性記憶部33のアドレス変換テーブルをサーチして、通知されたサブアドレス「91111」に対応するURL「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」を取得する(ステップS14)。次に、制御部31は、サブアドレス「91111」が有効期間内か否かを判断し、有効期間内ならば(つまり、発行日時から10分以内ならば)、取得したURLを用いてCPサーバ装置20aにアクセスする(ステップS15)。なお、制御部31は、サブアドレスが有効期間を経過していると判断すると(つまり、発行日時から10分が経過していれば)、図9に示すようなエラー通知画面データを携帯電話機10aに送信する。
【0031】
CPサーバ装置20aの制御部21aは、上記URL「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」が示す格納位置からコンテンツを読み出し、これを中継装置30に送信する(ステップS16)。このコンテンツは中継装置30からテレビ電話プロトコルを用いて携帯電話機10aに送信される(ステップS17)。携帯電話機10aは、このコンテンツを受信すると同時に順次再生する(ステップS18)。
以上のようにして、CPサーバ装置20aから中継装置30を経由して携帯電話機10aにコンテンツをストリーミング形式で配信することができる。
【0032】
以上説明した第1実施形態によれば、携帯電話機がCPサーバ装置にコンテンツを要求したタイミングで、つまりサブアドレスが必要とされるタイミングで、新たなサブアドレスを発行し、それによって指定されるコンテンツを携帯電話機に配信する。以降、このようなサイクルが、コンテンツが要求されるたびに繰り返されることになる。よって、同一のサブアドレスを異なるコンテンツに対して何度も利用することが可能となり、コンテンツの種類ないし数が増えたとしても、サブアドレスの桁数の増加ないし構成の複雑化を抑制することが可能となる。
【0033】
また、第1実施形態では、サブアドレスに有効期間を設けている。これにより、有効期間を過ぎているサブアドレスを用いたコンテンツ要求を排除し、携帯電話機のユーザにとって必要性の高いと思われるコンテンツ要求だけを処理の対象とすることができる。また、1つのURLに対して発行可能なサブアドレスの上限値を設けているので、1つのURLに集中してサブアドレスが発行されるような事態を防止することができる。これにより、例えば特定のCPサーバ装置に対して不正なアクセスを集中的に繰り返すスパム攻撃などが発生した場合であっても、無駄なサブアドレスを発行せずに済む。
【0034】
(2)第2実施形態
次に述べる第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、図5に示したステップS6〜S11に代えて、図10に示すステップS16〜S19が実行されるところである。
以下、図10を用いて第2実施形態の動作を説明する。
携帯電話機10aは、図6に示すようなメニュー画面データを表示部に表示する。ここで、携帯電話機10aのユーザが、図6に示した「アクションA」という文字列を選択する操作を行うと、携帯電話機10aは、この操作をコンテンツの要求操作として受け付け(ステップS5)、関連づけられているURLを含むHTTPリクエストをサブアドレス発行要求として送信する(ステップS16)。このURLは、中継装置30に割り当てられたURLであり、さらにそのURL内にはCGIパラメータとして、コンテンツの格納位置を示すURL「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」が記述されている。
【0035】
中継装置30の通信部32がこのHTTPリクエストを受信すると、制御部31は、CGIパラメータであるURL「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」をアドレス変換テーブルに書き込み、所定のアルゴリズムに従って発行したサブアドレス「91111」を発行日時「2004/10/10 10:00」と共に、上記URLに対応付けてアドレス変換テーブルに書き込む(ステップS17)。なお、既にURL「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」がアドレス変換テーブルに書き込まれている場合は、制御部31は、発行したサブアドレスと発行日時とをURLに対応付けて記述するだけでよい。この場合、有効期間が過ぎているサブアドレスがあれば、そのサブアドレス及び発行日時に対して、新たに発行したサブアドレスとその発行日時を上書きすればよい。また、URL「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」に対して上限値の100個のサブアドレスが既に発行されており、かつ、それらのサブアドレスが全て有効期間内ならば、制御部31は、サブアドレスを発行することができない旨を携帯電話機10aに通知する。
【0036】
そして、制御部31は、発行したサブアドレスを含むサブアドレス通知画面データ(図7参照)を生成し(ステップS18)、これを通信部32からHTTPレスポンスとして携帯電話機10aに送信する(ステップS19)。以降の処理は、図5と同じである。
この第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、図5と図10とを比較すると容易に理解できるように、中継装置30とCPサーバ装置20a,20bとの間の通信トラヒックを低減させることが可能となる。
【0037】
(3)変形例
本発明は上述した実施形態に限定されず、次のような変形が可能である。
(3−1)変形例1
コンテンツに対するアクセス頻度に応じて、そのコンテンツのURLに対して発行可能なサブアドレスの上限値を変化させてもよい。つまり、中継装置30の不揮発性記憶部33にはURL毎に上限値を記憶させておき、制御部31は各々のURLに対するアクセス数をカウントしつつ、カウントしたアクセス数に応じて上記上限値をURL毎に更新するようにすればよい。このようにすれば、例えばアクセスの数が多いURL(コンテンツ)については上限値を上げることで、多数のユーザがそのコンテンツにアクセスしたいというニーズに応える一方、アクセスの数が少ないURLについては上限値を下げることで、サブアドレスの有効活用を図るといったように、アクセスの状況に応じてサブアドレスを発行するということが可能となる。
【0038】
(3−2)変形例2
コンテンツ提供者は、より多くのユーザから自身のコンテンツにアクセスして欲しいが故に、中継装置30に対し、決められた上限値を超えてサブアドレスを発行させようとする行為に及ぶ可能性がある。上記実施形態ではサブアドレスの上限値はURL単位で決まるようになっているので、例えば、CPサーバ装置内においてコンテンツの格納位置を適宜変更すれば(つまりURLを変更すれば)、同一のコンテンツに対して実質的に上限値を超えるサブアドレスを発行させることができる。これに対処するため、通信アドレスとして、URLではなくIPアドレスを用いて上限値を決めるようにすればよい。このようにすれば、URLが変更されたコンテンツに対してサブアドレス発行要求があった場合であっても、IPアドレスが共通であるかぎり、中継装置30はそのコンテンツに対しては上限値を超えないでサブアドレスを発行することができる。これによって、上記のようにURLを変更することで上限値を超えてサブアドレスを発行させるような行為を防止することが可能になる。ただし、webサイトの構成上、IPアドレスは共通でありながら複数のコンテンツを提供するコンテンツ提供者が存在することも在り得る。このため、通信事業者とコンテンツ提供者との間でwebサイトの構成を確認するなどして、コンテンツのURLまたはIPアドレスのどちらを基準に上限値を定めるかということを決めるようにしてもよい。
【0039】
(3−3)変形例3
上記の例では、サブアドレスの有効期間として同じ期間を一律に設定する例を示したが、個々のURL毎に異なる有効期間を設定するようにしてもよい。例えばニュースなどのコンテンツの場合、時間が経過するに従ってそのコンテンツに対するアクセス頻度が低下することが予想されるから、あまり長期間の有効期間を設定したとしても十分に活用されない可能性がある。また、宣伝目的のコンテンツの場合には、できるだけ有効期間を長くしてほしいというコンテンツ提供者側のニーズも予想される。そこで、コンテンツの種類や内容に応じて適切だと考えられる有効期間をそれぞれ設定するようにすれば、上記のようなニーズに応えることが可能となる。
また、コンテンツ提供者毎に異なる有効期間を設定するようにしてもよい。例えばコンテンツに対して短期間にアクセスが集中するとCPサーバ装置において処理エラーが繰り返し発生するような場合がある。このように処理エラーが繰り返されている間にサブアドレスの有効期間が経過してしまい、結果として携帯電話機からコンテンツにアクセスできないというケースが生じ得る。そこで、上記のような処理エラーが発生する可能性が高い場合(例えばユーザからの人気が高くアクセスが集中するようなコンテンツをCPサーバ装置が保持しているような場合や、CPサーバ装置の処理能力が乏しく多数のアクセスに対処できない場合)には、そのようなCPサーバ装置が保持するコンテンツに対するサブアドレスの有効期間を長くすればよい。また、上記のようにCPサーバ装置における処理エラーで携帯電話機がコンテンツにアクセスできなかった場合には、その旨を通信事業者又はコンテンツ提供者のいずれかが申告するなどしてサブアドレスの有効期間を延長するようにしてもよい。
【0040】
(3−4)変形例4
例えば大人向けのコンテンツの中には、子供に対しては提供しない方が望ましいものもある。そこで、中継装置30の制御部31は、図5,10のステップS13において、携帯電話網100の発信者番号通知機能により携帯電話機の電話番号が通知されてくると、その電話番号を基に所定のユーザデータベースを参照してユーザの属性(例えば大人か子供か)を特定する。また、制御部31は、コンテンツの属性(例えば大人向けか否か)も予め記憶しており、ユーザの属性とコンテンツの属性がマッチしなければ、そのコンテンツ要求を拒否し、その旨を携帯電話機に通知する。このようにすれば、ユーザにとって不適切なコンテンツを提供するような事態を未然に防止することができる。
【0041】
(3−5)変形例5
コンテンツが配信される電話機は携帯電話機である必要はなく、テレビ電話プロトコルをサポートする電話機であれば固定電話機であってもよい。また、CPサーバ装置や中継装置は、単体の装置によって構成される必要はなく、複数の装置群によって構成されていてもよい。なお、コンテンツは画像と音声の双方を含むものが望ましいが、これに限らず、少なくともいずれか一方のみを含むものであってもよい。
【0042】
(3−6)変形例6
上述した中継装置やCPサーバ装置において実行されるコンピュータプログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光記録媒体、光磁気記録媒体、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、RAMなどの記録媒体に記録した状態で提供し得る。
【0043】
(3−7)変形例7
上記の実施形態においては、中継装置30が、不揮発性記憶部33に記憶されたアドレス管理プログラムを実行することでサブアドレスを発行するとともに、コンテンツ配信プログラムを実行することで、CPサーバ装置20a,20bから取得したコンテンツをテレビ電話プロトコルを用いて携帯電話機10a,10bに送信する。しかしながら、例えば中継装置30自身のシステムエラーや故障等の何らかの不具合によってコンテンツ配信プログラムが正常に実行されず、中継装置30がCPサーバ装置20a,20bから取得したコンテンツを携帯電話機10a,10bに送信することができない場合がある。このようにコンテンツを配信できない場合にまで、わざわざサブアドレスを発行して携帯電話機10a,10bに通知することは好ましくない。そこで、この変形例に係る中継装置は、CPサーバ装置20a,20bからコンテンツを取得してテレビ電話プロトコルによって携帯電話機10a,10bに送信するための処理を実行し得るか否かを判断し、その判断結果に基づいてサブアドレスの発行・通知処理を実行するようにしてもよい。つまり、中継装置は、コンテンツの送信処理を実行し得ないと判断した場合には、サブアドレスを発行しないようにする。或いは、中継装置は、サブアドレスを発行したとしても、それを携帯電話機10a,10bに通知しないようにする。以下、その仕組みについて具体的に説明する。
【0044】
図11は、この変形例に係る中継装置40の構成を示す図である。図11に示すように、中継装置40は、携帯電話機10a,10bからのサブアドレス発行要求を受け付ける機能を担う要求受付装置41と、サブアドレスの発行処理を担うアドレス管理装置42と、コンテンツの配信処理を担うコンテンツ配信装置43とを備えている。要求受付装置41とコンテンツ配信装置43はいずれも図1に示した携帯電話網100及びインターネット200に接続されている。また、図3に例示したアドレス変換テーブルはアドレス管理装置42によって記憶されている。
【0045】
次に、図12は、この変形例に係るシステム全体の動作を示すシーケンス図である。図10のステップS5の動作に続いて、この図12に示す動作が開始される。なお、図12において、図10と同じ動作については、同じ符号を付している。
携帯電話機10aは、図6に例示した画面においてユーザが選択した文字列「アクションA」に関連づけられているURL(ここでは「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」とする)を含むHTTPリクエストをサブアドレス発行要求として送信する(ステップS16)。このHTTPリクエストは携帯電話網100を介して、まず要求受付装置41によって受信される。要求受付装置41は、このHTTPリクエスト(サブアドレス発行要求)を受信すると、アドレス管理装置42に対して、URL「http://www.xxx.co.jp/actionA.mp4」を通知してサブアドレスの発行を依頼する(ステップS20)。アドレス管理装置42は、常時、又はアブアドレスの発行依頼がある度に、コンテンツ配信装置43の生存確認を行う(ステップS21)。より具体的には、アドレス管理装置42は、コンテンツ配信装置43に対して生存確認メッセージを送信し、コンテンツ配信装置43からそのメッセージに対する応答があればコンテンツ配信装置43が正常に動作している(つまりCPサーバ装置20a,20bからコンテンツを取得してテレビ電話プロトコルによって携帯電話機10a,10bに送信することが可能である)と判断する。一方、アドレス管理装置42は、コンテンツ配信装置43から生存確認メッセージに対する応答がない場合には、コンテンツ配信装置43が正常に動作していない(つまりCPサーバ装置20a,20bからコンテンツを取得してテレビ電話プロトコルによって携帯電話機10a,10bに送信することができない)と判断する。コンテンツ配信装置43が正常に動作していないと判断された場合、アドレス管理装置42はその旨を要求受付装置41に伝える。そして、要求受付装置41は、例えば“システムの不具合によってサブアドレスが発行できない”という旨のエラーメッセージを携帯電話機10aに送信する。ユーザはこのメッセージを見ることで、コンテンツを取得することができないことを知る。
【0046】
図12においては、アドレス管理装置42の生存確認によってコンテンツ配信装置43が正常に動作していることが確認済みと仮定する。このようにコンテンツ配信装置43が正常に動作していることが確認された場合、アドレス管理装置42は、サブアドレスを発行する(ステップS17)。つまり、アドレス管理装置42は、上記URLをアドレス変換テーブルに書き込み、さらに所定のアルゴリズムに従って発行したサブアドレスを発行日時と共に、上記URLに対応付けてアドレス変換テーブルに書き込む。なお、既に同じURLがアドレス変換テーブルに書き込まれている場合は、上述した実施形態と同様に、アドレス管理装置42は、発行したサブアドレスと発行日時とを、URLに対応付けて記述するだけでよい。また、有効期間が過ぎているサブアドレスがあれば、アドレス管理装置42は、そのサブアドレスをアドレス変換テーブルから消去すればよい。また、上記URLに対して上限値のサブアドレスが既に発行されており、かつ、それらのサブアドレスが全て有効期間内ならば、アドレス管理装置42はサブアドレスを発行することができない旨を要求受付装置41に伝え、要求受付装置41がその旨を携帯電話機10aに通知すればよい。
【0047】
そして、アドレス管理装置42は発行したサブアドレスを要求受付装置41に通知する(ステップS22)。要求受付装置41は、通知されたサブアドレスを含むサブアドレス通知画面データを生成し(ステップS18)、これをHTTPレスポンスとして携帯電話機10aに送信する(ステップS23)。この後、上述した図10のステップS12以降と同じ動作が行われる。
なお、上記の変形例の説明では、コンテンツ配信装置43が正常に動作していない場合には、サブアドレス自体を発行しない例について説明したが、そうではなくて、サブアドレスの発行は行うが、その発行したサブアドレスを携帯電話機に通知しないようにしてもよい。
以上の変形例によれば、CPサーバ装置20a,20bからコンテンツを取得してテレビ電話プロトコルによって携帯電話機10a,10bに送信する処理を実行し得ないような場合には、サブアドレスを発行したり、それを通知する手間を省くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における中継装置の構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態における中継装置によって記憶されているアドレス変換テーブルの一例を示す図である。
【図4】同実施形態におけるCPサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図5】同実施形態におけるシステム全体の動作を示すシーケンス図である。
【図6】同実施形態における携帯電話機によって表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
【図7】同実施形態における携帯電話機によって表示される画面の一例を示す図である。
【図8】同実施形態における携帯電話機によって表示される画面の一例を示す図である。
【図9】同実施形態における携帯電話機によって表示される画面の一例を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態におけるシステム全体の動作を示すシーケンス図である。
【図11】変形例における中継装置の構成を示すブロック図である。
【図12】同変形例におけるシステム全体の動作を示すシーケンス図である。
【図13】従来技術を説明する図である。
【符号の説明】
【0049】
10a,10b・・・携帯電話機、100・・・携帯電話網、20a,20b・・・CPサーバ装置、21a・・・制御部、22a・・・通信部、23a・・・不揮発性記憶部、30,40・・・中継装置、31・・・制御部、32・・・通信部、33・・・不揮発性記憶部、34・・・テレビ電話部、41・・・要求受付装置、42・・・アドレス管理装置、43・・・コンテンツ配信装置、200・・・インターネット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話機と、中継装置と、サーバ装置とを備えたシステムにおけるコンテンツ配信方法であって、
前記電話機が、画像または音声の少なくとも一方を含むコンテンツを前記サーバ装置に要求するステップと、
前記サーバ装置が、前記コンテンツの格納位置を示す通信アドレスを前記中継装置に通知するステップと、
前記中継装置が、コンテンツを指定するためのサブアドレスを発行し、当該サブアドレスを通知された前記通信アドレスに対応付けて記憶するステップと、
前記中継装置が、発行したサブアドレスを前記サーバ装置に通知するステップと、
前記サーバ装置が、前記サーバ装置から通知されてきた前記サブアドレスを前記電話機に通知するステップと、
前記電話機が、前記中継装置に割り当てられた電話番号と、前記サーバ装置から通知されてきたサブアドレスとを含む呼接続信号を、画像と音声とを同期させて送受信するためのテレビ電話プロトコルを用いて発信するステップと、
前記中継装置が、前記呼接続信号を受信し、当該呼接続信号に含まれているサブアドレスに対応付けて記憶されている通信アドレスを用いて前記サーバ装置からコンテンツを取得するステップと、
前記中継装置が、取得したコンテンツをテレビ電話プロトコルによって前記電話機に送信するステップと
を具備するコンテンツ配信方法。
【請求項2】
電話機と、中継装置と、サーバ装置とを備えたシステムにおけるコンテンツ配信方法であって、
前記電話機が、画像または音声の少なくとも一方を含むコンテンツを要求するステップと、
前記中継装置が、コンテンツを指定するためのサブアドレスを発行し、当該サブアドレスを前記コンテンツの格納位置を示す通信アドレスに対応付けて記憶するステップと、
前記中継装置が、発行したサブアドレスを前記電話機に通知するステップと、
前記電話機が、前記中継装置に割り当てられた電話番号と、前記中継装置から通知されてきたサブアドレスとを含む呼接続信号を、画像と音声とを同期させて送受信するためのテレビ電話プロトコルを用いて発信するステップと、
前記中継装置が、前記呼接続信号を受信し、当該呼接続信号に含まれているサブアドレスに対応付けて記憶されている通信アドレスを用いて前記サーバ装置からコンテンツを取得するステップと、
前記中継装置が、取得したコンテンツをテレビ電話プロトコルによって前記電話機に送信するステップと
を具備するコンテンツ配信方法。
【請求項3】
前記中継装置が前記サーバ装置からコンテンツを取得し、これをテレビ電話プロトコルによって前記電話機に送信するための処理を実行し得るか否かを判断するステップを具備し、
当該処理を実行し得ないと判断された場合には、前記中継装置が前記コンテンツを指定するためのサブアドレスを発行し、当該サブアドレスを通知された前記通信アドレスに対応付けて記憶するステップ、又は、前記中継装置が発行したサブアドレスを前記電話機に通知するステップを行わない請求項2記載のコンテンツ配信方法。
【請求項4】
画像と音声とを同期させて送受信するためのテレビ電話プロトコルを用いて電話機と通信を行うテレビ電話手段と、
サーバ装置とデータ通信を行う通信手段と、
画像または音声の少なくとも一方を含むコンテンツを指定するためのサブアドレスを発行するサブアドレス発行手段と、
前記通信手段が前記サーバ装置から通信アドレスを受信すると、前記サブアドレス発行手段によって発行されたサブアドレスを受信した通信アドレスと対応付けて記憶する記憶手段と、
前記サブアドレス発行手段によって発行されたサブアドレスを前記通信手段によって前記サーバ装置に通知する通知手段と、
前記テレビ電話手段が前記サブアドレスを含む呼接続信号を受信すると、当該サブアドレスに対応付けられて記憶されている通信アドレスを用いて、前記通信手段に前記サーバ装置へアクセスさせるアクセス制御手段と、
前記通信手段が前記サーバ装置から受信したコンテンツを前記テレビ電話手段によって前記電話機に送信する送信制御手段と
を備えた中継装置。
【請求項5】
画像と音声とを同期させて送受信するためのテレビ電話プロトコルを用いて電話機と通信を行うテレビ電話手段と、
サーバ装置とデータ通信を行う通信手段と、
画像または音声の少なくとも一方を含むコンテンツを指定するためのサブアドレスを発行するサブアドレス発行手段と、
前記通信手段が前記電話機からコンテンツの要求を受信すると、前記サブアドレス発行手段によって発行されたサブアドレスを前記コンテンツの格納位置を示す通信アドレスと対応付けて記憶する記憶手段と、
前記サブアドレス発行手段によって発行されたサブアドレスを前記通信手段によって前記電話機に通知する通知手段と、
前記テレビ電話手段が前記サブアドレスを含む呼接続信号を受信すると、当該サブアドレスに対応付けられて記憶されている通信アドレスを用いて、前記通信手段に前記サーバ装置へアクセスさせるアクセス制御手段と、
前記通信手段が前記サーバ装置から受信したコンテンツを前記テレビ電話手段によって前記電話機に送信する送信制御手段と
を備えた中継装置。
【請求項6】
前記テレビ電話手段が受信した呼接続信号に含まれているサブアドレスが有効期間内か否かを判断する判断手段を備え、
前記アクセス制御手段は、前記サブアドレスが有効期間内であれば、当該サブアドレスに対応付けられて記憶されている通信アドレスを用いて、前記通信手段に前記サーバ装置へアクセスさせる請求項4または5記載の中継装置。
【請求項7】
1つの通信アドレスに対して発行可能なサブアドレスの上限値を記憶した上限値記憶手段を備え、
前記サブアドレス発行手段は、前記上限値記憶手段に記憶されている上限値の範囲内でサブアドレスを発行する請求項4または5記載の中継装置。
【請求項8】
各々の通信アドレスに対するアクセス数をカウントするカウント手段と、
前記上限値記憶手段によって通信アドレス毎に記憶されている上限値を前記カウントされたアクセス数に応じて更新する上限値更新手段と
を備えた請求項7記載の中継装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−246434(P2006−246434A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352453(P2005−352453)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】