説明

コントローラ

【課題】機種の設定間違いを回避できるコントローラを提供する。
【解決手段】コントローラ10は、製氷機が冷凍機における凝縮器の温度を検知する温度検知手段Tを有しているか否かを判定し、この判定結果と設定手段32の機種設定により制御手段36に設定された運転条件との照合に基づき、該制御手段36の機種設定を有効または無効にするよう構成される。コントローラ10は、設定手段32により設定された機種が温度検知手段Tを備えない機種であれば、製氷機において温度検知手段Tの有りを判定すると制御手段36の機種設定を無効にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、蒸気圧縮式の冷凍機を備えた装置に配設され、該装置における運転条件の異なる複数の機種で共用されるコントローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
製氷機、冷蔵庫、飲料ディスペンサ等の蒸気圧縮式冷凍機を備えた装置は、コントローラに設定された運転条件に基づいて、該コントローラによって圧縮機や凝縮器を空冷する凝縮器ファン等の構成機器が作動制御されている。例えば製氷機では、製氷能力や氷の形状等の違いに応じて複数種類の機種がラインアップされており、機種毎に専用のコントローラを用意するのではなく、コントローラが複数の機種で共用されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示のコントローラは、複数種類の機種の運転条件が記憶されており、機種のモデル番号を入力することで、モデル番号に対応した運転条件が設定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−255060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記冷凍機には、回路内に循環する冷媒量が多い大型機種の場合に、凝縮器の温度を監視するサーミスタが設けられ、凝縮器ファンの故障等の異常時にサーミスタにより検知される凝縮器温度が所定温度を越えると、運転を停止して高圧側圧力の上昇による構成機器の破損を防止するよう構成されている。一方、回路内に循環する冷媒量が少ない小型の冷凍機では、異常時における高圧側圧力の上昇レベルが大型機種と比べて低いので、サーミスタによる保護制御が必要とされず、小型機種では凝縮器にサーミスタが配設されていない。そして、大型機種および小型機種で共用されるコントローラは、大型機種のモデル番号が入力されると、サーミスタの温度検知に基づく保護制御を有効とする運転条件が設定され、小型機種のモデル番号が入力されると、保護制御が働かない運転条件が設定される。このため、実際には大型機種であるにもかかわらず、コントローラに小型機種のモデル番号が誤って入力されて当該小型機種の運転条件が設定されると、サーミスタによる保護制御が働かず、圧力異常による不具合を回避することができない。
【0005】
すなわち本発明は、従来の技術に係るコントローラに内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、機種設定の誤りを回避できるコントローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明のコントローラは、
蒸気圧縮式の冷凍機を備えた装置に配設され、該装置における運転条件の異なる複数の機種で共用されるコントローラであって、
前記装置の機種を設定する設定手段と、
機種に応じた運転条件を記憶する記憶手段と、
前記設定手段による機種設定に応じた運転条件を前記記憶手段から設定し、該運転条件に基づき前記装置の構成機器を制御する制御手段とを備え、
前記装置が前記冷凍機における凝縮器の温度を検知する温度検知手段を有しているか否かを判定し、この判定結果と前記設定手段の機種設定により前記制御手段に設定された運転条件との照合に基づき、該制御手段の機種設定を有効または無効にするよう構成したことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、装置が温度検知手段を有しているか否かを判定し、この判定結果と設定手段の機種設定により制御手段に設定された運転条件とを照合することで、実際の装置と機種設定との正誤を確認することができる。そして、機種設定が実際の装置と合っていない場合に、制御手段の機種設定を無効にすれば、機種設定の間違いによる不具合を回避できる。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記設定手段により設定された機種が前記温度検知手段を備えない機種であれば、前記温度検知手段を有しているか否かを判定し、該装置における温度検知手段の有りを判定すると前記制御手段の機種設定を無効にするよう構成したことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、凝縮器に温度検知手段を備える比較的大型の機種において、温度検知手段による制御を行わない小型の機種設定が行われることを回避できる。
【0008】
請求項3に係る発明では、前記設定手段で設定された機種が前記温度検知手段を備える機種であれば、前記装置が前記温度検知手段を有しているか否かの判定を行わずに前記制御手段の機種設定を有効にするよう構成したことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、機種設定された機種が凝縮器に温度検知手段を備える比較的大型の機種である場合に、実際の装置との照合を省くことができる。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記設定手段により設定された機種が前記温度検知手段を備えない機種であれば、前記装置が前記温度検知手段を有しているか否かを判定し、該装置における温度検知手段の無しを判定すると前記制御手段の機種設定を有効にするよう構成したことを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、設定された機種と実際の装置とが合致した状態で装置を制御することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るコントローラによれば、機種設定の誤りを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好適な実施例に係る製氷機を示す説明図である。
【図2】実施例の製氷機の制御ブロック図である。
【図3】実施例の温度検知手段周辺の回路図である。
【図4】実施例のコントローラによる機種設定の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係るコントローラにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、コントローラが設けられる装置として、製氷機を例に挙げて説明する。
【実施例】
【0013】
実施例に係るコントローラ10を備えた製氷機12は、図1に示すように、所謂クローズドセルタイプの製氷機構14と、この製氷機構14を冷却する蒸気圧縮式の冷凍機16とを備えている。製氷機12は、製氷能力等の相違に応じて複数の機種がラインナップされる装置であって、コントローラ10は、製氷機12における複数の機種で共通して用いられる。
【0014】
前記製氷機構14は、下方に開口する製氷小室18aを多数備えた製氷室18と、一側部が回転可能に支持されて、製氷室18の下面を開閉可能な水皿20と、この水皿20の下方に一体的に形成された製氷水タンク22とを備えている。また、製氷機構14は、水皿20を製氷室18に対し接離するように傾動させる水皿開閉機構24と、製氷水タンク22に貯留した製氷水を水皿20から各製氷小室18aに向けて噴射させる製氷水ポンプPMと、製氷水を水皿20に供給する給水手段26とを備えている。更に、製氷室18の上面には、冷凍機16を構成する蒸発器EPが蛇行配置されている。
【0015】
図1に示すように、冷凍機16は、圧縮機CM、ファンFMにより冷却される凝縮器CD、減圧手段としての膨張弁EV、蒸発器EPを冷媒配管28で接続して構成されている。また、冷凍機16は、凝縮器CDおよび膨張弁EVを介さず圧縮機CMからホットガスを蒸発器EPに直接供給するバイパス管30を備えている。バイパス管30には、ホットガス弁HVが介挿されている。
【0016】
前記製氷機12は、製氷水ポンプPM、給水手段26の給水弁WV、水皿開閉機構24の開閉モータAM、冷凍機16の圧縮機CM、ファンFMおよびホットガス弁HV等の構成機器が、コントローラ10の制御手段36に設定された機種に応じた運転条件に基づいて制御されて、製氷運転および除氷運転を交互に繰り返して連続的に氷を生成するようになっている。製氷機12は、製氷運転において、ホットガス弁HVでバイパス管30を閉じたもとで、冷凍機16の圧縮機CMおよびファンFMが駆動され、蒸発器EPによって製氷室18が冷却される。また、製氷機構14は、製氷運転において、水皿20が製氷小室18aの下方を塞いだ閉成姿勢に保持され、製氷水ポンプPMを駆動することで、製氷水タンク22に貯留された製氷水が水皿20を介して製氷小室18aに噴射供給される。そして、製氷機12は、蒸発器EPによって冷却された製氷小室18aに氷が成長し、製氷室18に配設された運転切替手段Sとしてのサーミスタが製氷完了温度を検知することで、製氷運転を終了するようになっている。
【0017】
前記製氷機12は、除氷運転において、ファンFMを停止すると共にホットガス弁HVを開放してバイパス管30を開いたもとで、圧縮機CMが駆動され、圧縮機CMから蒸発器EPへホットガスを供給することで、蒸発器EPを介して製氷室18が加熱される。また、製氷機構14は、除氷運転において、水皿開閉機構24の開閉モータAMが駆動されることで、水皿20が製氷小室18aの下方を開放した開放姿勢に傾動される。そして、製氷機12は、蒸発器EPによって加熱された製氷小室18aから氷が離脱するようになっている。製氷機12は、運転切替手段Sが除氷完了温度を検知することで、ホットガス弁HVを閉じて除氷運転を終了し、開閉モータAMを駆動して水皿20を開放姿勢から閉成姿勢に戻し、給水弁WVを開放することで給水手段26から製氷水を製氷水タンク22に供給するよう構成される。
【0018】
実施例の製氷機12は、冷凍機16の凝縮器CDの温度を検知する温度検知手段Tを備えた大型の機種であり、温度検知手段Tの温度検知に基づく冷凍機16における高圧側の保護制御が働くように構成される。これに対して、大型の機種である製氷機12に装備される前記コントローラ10を共用する小型の機種は、温度検知手段Tを備えず、温度検知手段Tの温度検知に基づく冷凍機16における高圧側の保護制御が必要とされない。製氷機12の保護制御は、温度検知手段Tが所定温度(例えば冷凍機16の設計圧力における飽和温度)を検知した際に、圧縮機CMを停止するようになっており、ファンFMの故障時等の異常発生時に冷凍機16の高圧側の圧力が過剰に上昇するのを防止している。なお、温度検知手段としては、サーミスタが用いられている。
【0019】
前記コントローラ10は、機種固有の運転条件に基づいて構成機器PM,WV,AM,CM,FM,HVを制御手段36により制御するよう構成されており、運転条件としては、製氷完了温度、除氷完了温度、温度検知手段Tの温度検知に基づく保護制御の有無およびその他の種々のパラメータが設定される。具体的には、コントローラ10は、製氷機12の機種を設定する設定手段32と、機種に応じた運転条件を記憶する記憶手段34と、設定手段32による機種設定に応じた運転条件を記憶手段34から設定し、該運転条件に基づき製氷機12の構成機器PM,WV,AM,CM,FM,HVを制御する制御手段36とを備えている。また、コントローラ10は、設定手段32による機器設定時に、製氷機12が温度検知手段Tを有しているか否かを判定する判定手段38を有している。設定手段32は、製氷機12における機種固有の識別番号を使用者が入力または選択するものであって、テンキー、タッチパネルやダイヤルスイッチ等を用いることができる。記憶手段34は、メモリや、ハードディスクのストレージ等が用いられ、製氷完了温度、除氷完了温度、温度検知手段Tの温度検知に基づく保護制御の有無およびその他の種々のパラメータからなる運転条件が機種固有の識別番号と関連付けて記憶されている。また、記憶手段34には、コントローラ10が共用される複数の機種に対応して、複数の運転条件が記憶されている。そして、コントローラ10は、設定手段32によって機種設定を行うことで、設定された機種に係る全ての運転条件を一括して制御手段36に設定することができるようになっている。なお、設定手段32によって機種設定された際に設定される運転条件は、機種毎に一般化された初期パラメータであり、製氷機12の設置環境等に合わせて各パラメータを設定変更して最適化することも可能である。
【0020】
前記判定手段38は、所定電圧をかけた条件で製氷機12の回路の電圧を測定し、この測定電圧を予め設定された閾値と比較することで温度検知手段Tの有無を判定するようになっている。図3(a)に示す回路では、温度検知手段Tが取り付けられている場合に、測定電圧が所定電圧よりも低くなり、仮に温度検知手段Tが取り付けられていないと、測定電圧が所定電圧近傍となる。例えば5Vの所定電圧をかけると、温度検知手段Tがある場合の測定電圧は1〜4Vとなると共に温度検知手段Tがない場合の測定電圧は5V近傍となるので、判定手段38は、例えば閾値を4.5Vに設定し、測定電圧が4.5V未満であれば温度検知手段Tの「有り」を判定し、4.5V以上であれば温度検知手段Tの「無し」を判定する。また図3(b)に示す回路では、温度検知手段Tが取り付けられている場合に、測定電圧が所定電圧に近くなり、仮に温度検知手段Tが取り付けられていないと、測定電圧が0V近傍となる。例えば5Vの所定電圧をかけると、温度検知手段Tがある場合の測定電圧は1〜5Vとなると共に温度検知手段Tがない場合の測定電圧は0V近傍となるので、判定手段38は、例えば閾値を0.5Vに設定し、測定電圧が0.5V以上であれば温度検知手段Tの「有り」を判定し、0.5V未満であれば温度検知手段Tの「無し」を判定する。なお、図3において符号Rは抵抗である。
【0021】
前記コントローラ10は、判定手段38による判定結果と設定手段32により設定された機種とを照合することで、設定手段32による機種設定の正誤を確認するよう構成されている。コントローラ10は、設定手段32により設定された機種が温度検知手段Tを備えない小型の機種であれば、判定手段38で該温度検知手段Tの有りを判定すると機種設定を無効にするよう構成される。また、コントローラ10は、設定手段32により設定された機種が温度検知手段Tを備えない小型の機種であれば、判定手段38で該温度検知手段Tの無しを判定すると機種設定を有効にするよう構成される。更に、コントローラ10は、設定手段32で設定された機種が温度検知手段Tを備える大型の機種であれば、判定手段38による判定を行わずに機種設定を有効にするよう構成される。
【0022】
次に、実施例に係るコントローラ10による機種設定について、図4を参照して説明する。 製氷機12の電源を投入すると(電源ON:ステップ1)、コントローラ10において機種設定が行われているか否かが判定される(ステップS2)。例えばコントローラ10を交換した際の最初の電源投入時などは、機種設定が行われていないので(ステップS2:NO)、機種設定モードに移行する。製氷機12の機種に対応した固有の識別番号を設定手段32で入力設定すると(ステップS4:YES)、当該識別番号に対応した機種の運転条件が記憶手段34から読み出される。そして、運転条件に含まれる温度検知手段Tによる制御の有無によって、設定手段32で設定された機種が、冷凍機16における高圧側圧力の監視(高圧側監視)が必要な機種であるか否かが判定される(ステップS5)。ここで、高圧側監視の必要な大型の機種は、温度検知手段Tによる制御が設定手段32の機種設定に応じて記憶手段34から読み出された運転条件に含まれ、高圧側監視の必要がない小型の機種は、温度検知手段Tによる制御が設定手段32の機種設定に応じて記憶手段34から読み出された運転条件に含まれていない。なお、機種設定モードにおいて機種設定しないと(ステップS4:NO)、製氷機を運転することはできない。また、ステップS2で機種設定済みであれば(ステップS2:YES)、機種設定モードに移行せずにステップS5に移行する。
【0023】
前記ステップS5において、設定手段32で設定された機種が、高圧側監視が必要のない小型機種であれば(ステップS5:NO)、判定手段38によってコントローラ10が配設された製氷機12が温度検知手段Tを有しているか否かが判定される(ステップS6)。そして、ステップS6において、設定手段32により設定された機種が温度検知手段Tを備えない小型の機種であるにもかかわらず、判定手段38で温度検知手段Tの「有り」を判定した場合は、機種設定を無効とし(ステップS6:YES)、ステップS3の機種設定モードに戻る。すなわち、温度検知手段Tを備えているのは、高圧側監視が必要である大型の機種である筈なので、小型の機種が設定された機種設定が誤りであることが分かる。前述したように、小型の機種の運転条件には温度検知手段Tによる高圧側監視が入っていないので、大型の機種において小型の機種の運転条件が仮に設定されてしまうと、異常時に冷凍機16の圧力上昇による不具合を回避できない。このように、コントローラ10は、大型の機種である場合に小型の機種の機種設定を無効にできるので、機種設定ミスに起因して大型の機種で高圧側監視が行われない事態を回避でき、温度検知手段Tの温度検知に基づいて冷凍機16を適切に保護することができる。なお、ステップS6で機種設定が無効にされた際に、機種設定のエラーを音や画面等で報知するようにしてもよい。
【0024】
前記ステップS6において、設定手段32により設定された機種が温度検知手段Tを備えない機種である場合に、判定手段38で温度検知手段Tの無しを判定すると(ステップS6:NO)、機種設定が正常に行われたものとして、当該機種設定を制御手段36において有効にすると共に、機種設定に応じて設定された運転条件に基づいて運転を開始する(ステップS7)。すなわち、設定された機種と実際の製氷機12とが合致した状態で、該製氷機12を制御手段36により制御することができる。
【0025】
前記ステップS5において、設定手段32で設定された機種が、高圧側監視が必要のある大型の機種であれば(ステップS5:YES)、ステップS6の判定手段38による判定を行うことなく、当該機種設定を制御手段36において有効にすると共に、機種設定に応じて設定された運転条件に基づいて運転を開始する(ステップS7)。ここで、機種設定を大型の機種とした場合に実際の製氷機12が大型の機種であればよいが、機種設定を大型の機種とした場合に実際の製氷機が小型機種である誤設定である可能性がある。しかし、小型の機種は、冷凍機16の高圧側圧力を監視する必要がないから温度検知手段Tを備えていないのであり、大型の機種に設定されることによって、冷凍機16の高圧側圧力の上昇による不具合の発生が引き起こされるものではない。すなわち、製氷機12が大型の機種である場合だけに、判定手段38による温度検知手段Tの有無との照合により機種設定の正誤を確認すれば、機器設定の誤りに起因する圧力異常を最小限回避できる。このように、コントローラ10によれば、機種設定の誤りによる影響が大きい大型の機種について、機種設定の誤りを防ぐことができる。
【0026】
(変更例)
前述した実施例に限定されず、例えば以下のように変更してもよい。
(1)コントローラは、温度検知手段を備える大型の機種に設定された場合であっても、判定手段による判定結果と設定手段により設定された機種とを照合する構成であってもよい。すなわち、コントローラは、判定手段による判定結果と設定手段により設定された機種とを照合して、設定された機種が温度検知手段を備える構成である場合に判定手段で温度検知手段の有りを判定した際に、機種設定を有効とすると共に、設定された機種が温度検知手段を備えない構成である場合に判定手段で温度検知手段の無しを判定した際に、機種設定を有効とするよう構成される。また、コントローラは、判定手段による判定結果と設定手段により設定された機種とを照合して、設定された機種が温度検知手段を備える構成である場合に判定手段で温度検知手段の無しを判定した際に、機種設定を無効とすると共に、設定された機種が温度検知手段を備えない構成である場合に判定手段で温度検知手段の有りを判定した際に、機種設定を無効とするよう構成される。このように、設定された機種の全てについて、温度検知手段の有無を判断指標として機種設定の正誤を確認することで、より正確な機種設定を行うことができ、装置を効率よく運転することができる。
(2)前記(1)の変更例において、コントローラは、判定手段による判定結果と設定手段により設定された機種とを照合して、設定された機種が温度検知手段を備える構成である場合に判定手段で温度検知手段の無しを判定した際に、実施例と同様に機種設定を有効としてもよい。但しこの場合は、温度検知手段の断線等の不良が考えられるので、機種設定を有効とするが温度検知手段の異常を報知してもよい。
【0027】
(3)判定手段による温度検知手段の確認は、実施例に限られず、温度検知手段からの信号の入力の有無等その他の構成を採用してもよい。
(4)判定手段および記憶手段は、制御手段と別体に設けても、制御手段の機能の一部として設けてもよい。
(5)実施例では、凝縮器に設けた温度検知手段を冷凍機における高圧側の保護制御にだけに用いたが、温度検知手段の温度検知に基づいて凝縮器を冷却するファンの回転数制御を行ったり、凝縮器が設置された機械室に外気を取りこむ通気口に取り付けたフィルタの目詰まり検知等に用いてもよい。
(6)製氷機構としてクローズドセルを挙げたが、オープンセルや流下式、その他の製氷機構を備えた製氷機に適用可能である。
(7)装置の例として製氷機を挙げたが、冷蔵庫や飲料ディスペンサ、その他の冷凍機を備えた装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0028】
12 製氷機(装置),16 冷凍機,32 設定手段,34 記憶手段,
36 制御手段,PM 製氷水ポンプ(構成機器),WV 給水弁(構成機器),
AM 開閉モータ(構成機器),CM 圧縮機(構成機器),FM ファン(構成機器),
HV ホットガス弁(構成機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気圧縮式の冷凍機(16)を備えた装置(12)に配設され、該装置(12)における運転条件の異なる複数の機種で共用されるコントローラであって、
前記装置(12)の機種を設定する設定手段(32)と、
機種に応じた運転条件を記憶する記憶手段(34)と、
前記設定手段(32)による機種設定に応じた運転条件を前記記憶手段(34)から設定し、該運転条件に基づき前記装置(12)の構成機器(PM,WV,AM,CM,FM,HV)を制御する制御手段(36)とを備え、
前記装置(12)が前記冷凍機(16)における凝縮器(CD)の温度を検知する温度検知手段(T)を有しているか否かを判定し、この判定結果と前記設定手段(32)の機種設定により前記制御手段(36)に設定された運転条件との照合に基づき、該制御手段(36)の機種設定を有効または無効にするよう構成した
ことを特徴とするコントローラ。
【請求項2】
前記設定手段(32)により設定された機種が前記温度検知手段(T)を備えない機種であれば、前記温度検知手段(T)を有しているか否かを判定し、該装置(12)における温度検知手段(T)の有りを判定すると前記制御手段(36)の機種設定を無効にするよう構成した請求項1記載のコントローラ。
【請求項3】
前記設定手段(32)で設定された機種が前記温度検知手段(T)を備える機種であれば、前記装置(12)が前記温度検知手段(T)を有しているか否かの判定を行わずに前記制御手段(36)の機種設定を有効にするよう構成した請求項1または2記載のコントローラ。
【請求項4】
前記設定手段(32)により設定された機種が前記温度検知手段(T)を備えない機種であれば、前記装置(12)が前記温度検知手段(T)を有しているか否かを判定し、該装置(12)における温度検知手段(T)の無しを判定すると前記制御手段(36)の機種設定を有効にするよう構成した請求項1〜3の何れか一項に記載のコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−2793(P2013−2793A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137721(P2011−137721)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000194893)ホシザキ電機株式会社 (989)
【Fターム(参考)】