コンバインの排出オーガの遠隔操作装置
【課題】排出位置を変更する必要があるときには、作業者は運転席に戻って操作する必要があった。
【解決手段】グレンタンク内の穀物を取り出す排出オーガを旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガを無線で遠隔操作を行うリモートコントローラ100を備え、該リモートコントローラ100には排出オーガの上昇操作と下降操作と、左回り旋回操作と右回り旋回操作の四方向のオーガ操作スイッチ57と、オーガクラッチ入スイッチ58aとオーガクラッチ切スイッチ58bと、オートセットスイッチと、オートリターンスイッチを設けた。
【解決手段】グレンタンク内の穀物を取り出す排出オーガを旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガを無線で遠隔操作を行うリモートコントローラ100を備え、該リモートコントローラ100には排出オーガの上昇操作と下降操作と、左回り旋回操作と右回り旋回操作の四方向のオーガ操作スイッチ57と、オーガクラッチ入スイッチ58aとオーガクラッチ切スイッチ58bと、オートセットスイッチと、オートリターンスイッチを設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンバインの排出オーガの遠隔操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のグレンタンク仕様のコンバインでは、排出オーガの先端に配置される排出口は固定されて、下方にのみ開口されていた。また、排出オーガ先端に該排出オーガの上下昇降及び左右旋回操作のための操作部材が配設されているタイプのものも存在していた。したがって作業者は運転席で操作するか、あるいは排出オーガ先端近傍にて、排出オーガの上下昇降、左右昇降操作を行っていた。
【特許文献1】実公平8−6432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、排出オーガの先端近傍でトラック等への荷台への排出作業を確認しながら排出オーガの操作を行う場合は、排出オーガ先端の移動範囲が作業者の手の到達可能範囲に限定されていた。積載を均一化したり、満載された荷台から別の荷台へ排出を変更するなど排出位置を変更する必要があるときには、排出オーガ先端の移動範囲が手の到達範囲を越えることがあり、このような場合は作業者は運転席に戻って操作する必要があった。また、運転操作部での操作では排出口からの落下位置が殆ど見えず、積載の均一化が困難であり、作業能率は低下していた。そこで、本発明では排出オーガの操作を無線または有線にてできるようにして、その遠隔操作装置をコンバイン本体と排出オーガに設けて、適切な位置に容易回動して作業能率の向上を図ろうとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。即ち、請求項1においては、グレンタンク(13)内の穀物を取り出す排出オーガ(15)を旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガ(15)を無線で遠隔操作を行うリモートコントローラ(100)を備え、該リモートコントローラ(100)には排出オーガ(15)の上昇操作と下降操作と、左回り旋回操作と右回り旋回操作の四方向のオーガ操作スイッチ(57)と、オーガクラッチ入スイッチ(58a)とオーガクラッチ切スイッチ(58b)と、オートセットスイッチと、オートリターンスイッチを設けたものである。
【発明の効果】
【0005】
排出オーガの操作を無線できるようになり、排出オーガを適切な位置に容易回動して作業能率の向上が図れる。また、コンバイン本体より離れて操作でき、安心して籾排出作業を行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に本発明の実施例を説明する。図1はコンバインの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は穀物タンク部の平面説明図、図4は縦送りオーガ部の説明図、図5は排出オーガ先端部の側面断面図、図6は排出オーガ先端部の正面断面図、図7は排出オーガ先端部の側面図、図8は第一実施例のリモートコントローラを示す斜視図、図9はリモートコントローラの載置個所及び電波受信装置配置個所を示す第一実施例のコンバインの斜視図、図10はリモートコントローラの載置個所及び電波受信装置配置個所を示す第二実施例のコンバインの斜視図、図11は第二実施例のリモートコントローラを示す斜視図、図12は第三実施例のリモートコントローラを示す斜視図、図13は第一実施例の排出オーガ制御回路図、図14は第二実施例の排出オーガ制御回路図である。
【0007】
1は走行クローラ2を装設するトラックフレーム、3は前記トラックフレーム1に架設する機台、4はフィードチェン5を左側に張架し扱胴6及び処理胴7を内蔵している脱穀部、8は刈刃9及び穀稈搬送機構10などを備える刈取部、11は排藁チェン12終端を臨ませる排藁処理部、13は脱穀部4からの穀粒を楊穀筒14を介して搬入する穀物タンク、15は前記タンク13内の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、16は運転操作部17及び運転席18を備える運転キャビン、19は運転キャビン16下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0008】
図3に示す如く、前記楊穀筒14の楊穀コンベア20下端を中継コンベア21を介し脱穀部4の1番コンベア22に連動連結させて、脱穀部4で脱穀された穀粒を楊穀コンベア20を介しグレンタンク13内に投入して貯留する一方、前記グレンタンク13底部に設ける前後方向の底部横送りコンベア23によってグレンタンク13内底部の穀粒を後部に横送りし縦送りオーガ24に受継いでタンク13上方位置まで搬送した後、排出オーガ15に受継いで先端の排出口25より機外に穀物を取出すように構成している。
【0009】
なお、26は横送りコンベア23、縦送りオーガ24、排出オーガ15の駆動及び駆動停止を行うオーガクラッチである。
【0010】
図4に示す如く、前記排出オーガ15は後部を中心として水平方向に旋回自在に設けるもので、前記排出オーガ15の後側基部を中心に前側先端部を昇降させる油圧昇降シリンダ27を設け、前記縦送りオーガ24上端部に排出オーガ15基部を水平軸芯回りに上下回動自在に連結させると共に、縦送りオーガ24の上半分を一対のギヤ28・29を介し軸芯回りに回転させる旋回モータ30を設け、縦送りオーガ24の略垂直な軸芯回りに縦送りオーガ24上半分及び排出オーガ15を一体回転させるもので、前記昇降シリンダ27の伸縮によって排出オーガ15を昇降させると共に、前記旋回モータ30の駆動によって排出オーガ15を左右に旋回させるように構成している。
【0011】
図5、図6に示す如く、前記排出口25は、排出オーガ15のオーガ筒34先端下側に横方向の回動支点軸35を介して回動自在に取付ける側面視略逆L形状の排出部材36と、排出部材36の先端外周に縦長の筒部である排出筒38とを備えている。排出筒38は透明の合成樹脂で構成され、軽量化と組立容易化とコスト低減化を図っている。
【0012】
前記オーガ筒34の先端外周上面に軸受部材41を取外し自在に固設させ、排出オーガ15のオーガ軸15a先端を軸受部材41に回転自在に支持させると共に、軸受部材41より基端側のオーガ筒34下部外側に回動ベース板42を固設させ、前記回動支点軸35を回転自在に支持する筒軸43を回動ベース板42下面にボルト44を介し取外し自在に固定させている。
【0013】
また、回動駆動部材である排出口回動モータ45を前記回動ベース板42に固定すると共に、排出口回動モータ45のモータ軸48に取付ける小径のギヤ49を前記回動支点軸35の固定大径ギヤであるギヤ50に結合させて、排出口回動モータ45の駆動で回動支点軸35を回動させるとき回動支点軸35と一体に排出部材36及び排出筒38もオーガ軸15aの軸芯方向となる前後方向に回動させるように構成している。
【0014】
さらに、前記排出部材36は、オーガ筒34の先端開口部を臨ませる外周壁を前記回動支点軸35を中心とした円弧部36aに形成すると共に、該円弧部36aより一定寸法内側で円弧部36aに沿う外周面53aを有する排出口カバー53をオーガ筒34と連結固定させている。排出部材36をオーガ筒34に近接してオーガ筒34と略平行に折畳む排出口25の収納状態のとき、円弧部36aより開放させるオーガ筒34の先端上方域をカバー53で覆って、排出口25に塵埃や雨水などが浸入するのを防止するように構成している。
【0015】
さらに、前記排出口25を回動する回動機構である排出口回動モータ45及びギヤ49・50は、オーガ筒34と排出口カバー53の左側板間に配設され、排出口回動モータ45の長手方向を排出オーガ15の軸芯方向に一致させて、排出口カバー53の左側板で常に排出口回動モータ45を覆って、ギヤ49・50の露出を防止しギヤ49・50を保護するように構成している。
【0016】
図5、図6に示すように、オーガ筒34下方には前記排出口カバー53下端部を橋架する形でステー91が配設されている。ステー91は平面視コ字形状に構成されており、該コ字を形成する平行な二面である端部91a・91aと、排出口カバー53の下端部とをボルト94によって固定している。またステー91下部後方には、排出口25回動時における籾の脱落防止のためのガイドゴム95が配設されている。
【0017】
これより本発明の第一実施例について説明する。まず、排出オーガ15の上下昇降、左右旋回、及び排出口25の前後回動を無線で遠隔操作を行うリモートコントローラ100について説明する。図8に示すように、リモートコントローラ100は、送信回路やバッテリー等を収納するボックス100aに、図示せぬ電源スイッチ及び、排出オーガ15を操作するオーガ操作スイッチ57、排出口25を操作するスイングスイッチ80、オーガクラッチ入スイッチ58a・オーガクラッチ切スイッチ58b、及びアンテナ70をボックス100a外側面に配設している。オーガ操作スイッチ57は四方向のスイッチであり、上・下・左・右・中立の五段階の選択を可能としている。作業者が該オーガ操作スイッチ57の上部を押すことで排出オーガ15は上昇操作され、同じく下部を押すときは下降操作、また左部を押すときは左回り旋回操作され、右部を押すときは右回り旋回操作を受けるのである。作業者が該オーガ操作スイッチ57より手を離すときは該スイッチは中立位置であり、排出オーガ15は停止する。
【0018】
また、スイングスイッチ80は二方向のシーソスイッチであり、上・下・中立の三段階の選択を可能としている。作業者が該スイングスイッチ80の上部を押すときは排出口25が前方回動を行い、下部を押すときは後方回動を行い、手を離すときは中立位置となり排出口25は停止する。オーガクラッチ入スイッチ58a・オーガクラッチ切スイッチ58bはそれぞれ押しスイッチであり、択一式のスイッチ群を構成している。両スイッチの何れか一方が作業者に選択されて「押し」操作を受けるとき該スイッチは「入」状態となり、他方のスイッチは自動的に「切」状態となる。両スイッチは同時に「入」「入」あるいは「切」「切」の状態となることはない。オーガクラッチ入スイッチ58aが「入」状態のとき前記オーガクラッチ26が切断されて、排出オーガ15、前記底部横送りオーガ23、縦送りオーガ24の駆動が停止される。なお、図示しないが、オートセットスイッチやオートリターンスイッチを設けることもできる。そしてこれらの操作部材が配設されている面を、リモートコントローラ100の前面とする。
こうして、グレンタンク13内の穀物を取り出す排出オーガ15を旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガ15を無線で遠隔操作を行うリモートコントローラ100を備え、該リモートコントローラ100には排出オーガ15の上昇操作と下降操作と、左回り旋回操作と右回り旋回操作の四方向のオーガ操作スイッチ57と、オーガクラッチ入スイッチ58aとオーガクラッチ切スイッチ58bと、オートセットスイッチと、オートリターンスイッチを設けたので、排出オーガの操作を無線できるようになり、排出オーガを適切な位置に容易回動して作業能率の向上が図れる。また、コンバイン本体より離れて操作でき、安心して籾排出作業を行うことが出来る。
【0019】
図13に示すように、オーガクラッチ入スイッチ58a・オーガクラッチ切スイッチ58bはコントローラ74と接続されて、該コントローラ74の制御によりオーガクラッチ26を断接するのである。同様にオーガ操作スイッチ57の上下操作により電磁昇降バルブ75が駆動されて前記油圧昇降シリンダ27を伸縮させ、排出オーガ15を上下動させるのである。また、左右旋回操作が行われると旋回モータ30が駆動されて排出オーガ15は左右旋回を行う。さらに、スイングスイッチ80の操作により前記排出口回動モータ45を駆動させて排出口25を前後回動させるのである。
【0020】
リモートコントローラ100の載置個所は二箇所あり、一つは排出オーガ15先端部であり、もう一つは運転席18近傍である。なお、本実施例では排出部材36の左側面と運転キャビン16内の運転席18左側に配置している。但し、該リモートコントローラ100は一つとして、何れか一方にのみ装着しておくこともできる。
【0021】
排出部材36左側面には、図6、図7に示すように、正面視「L」字形状の固定金具56が配設されており、リモートコントローラ100を着脱自在に載置し、かつ支持固定を可能としている。固定金具56は「L」字底辺56aの一端部にて排出部材36と固着し、該底辺に対して垂直に折曲している背面56bは排出部材36に対して平行な位置関係を維持している。リモートコントローラ100のボックス100aは、後面に挿入孔100を穿設しており、該背面56c全体を挿入可能としている。背面56cは付勢ばね等を利用した図示せぬ固定機構によりボックス100aと背面56cとを支持固定することが可能である。ボックス100aの側面にはロックレバー71が突設されており、該ロックレバー71の操作により、該固定機構による「ロック」「アンロック」状態が選択される。ロックレバー71は上・下の二箇所の択一式のスイッチであり、上方位置にロックレバー71が操作されるとき該固定機構が作動してリモートコントローラ100がコンバイン本体に支持固定され、下方位置にロックレバー71が操作されるとき該固定機構は解除されて、リモートコントローラ100をコンバイン本体より取り外すことが出来るのである。
【0022】
以上構成により、作業者の必要に応じてリモートコントローラ100をコンバイン本体より着脱することが可能である。また、リモートコントローラ100を載置しながら排出オーガ15の上下昇降、左右旋回、及び排出口25の前後回動を行う場合でも、該リモートコントローラ100が脱落することもないのである。さらに載置状態のままでも前記操作部材がすべて露出しているため、作業者はリモートコントローラ100を取り外すことなく、排出オーガ15及び排出口25の操作を行うことが可能なのである。
【0023】
運転席18左方には載置スペース62が設けられており、載置スペース62にリモートコントローラ100を載置することを可能としている。載置スペース62は図2に示すように、コンバインの各種操作部材を配設している運転操作部17の運転席18左方後部に設けられている。載置スペース62にも前記固定金具56が固着しており、リモートコントローラ100の着脱を可能としている。
【0024】
リモートコントローラ100から発信される電波を受信する電波受信装置101は、図2、図9に示すように、縦送りオーガ24の上部位置、言い換えれば、排出オーガ15の基部位置に配置されている。このようにコンバイン本体の中での高い部分に該電波受信装置101が配設されているので、良好に電波を受信することができる。
【0025】
次いで、第二実施例について説明する。第二実施例においては、排出口が回動するコンバインに代えて、排出口が回動しない従来通りのコンバインを用いている。第二実施例では図10に示すように、排出オーガ15に代えて排出オーガ90が配設されており、排出側先端部での構造が異なっている。排出オーガ90の排出側先端部には、該排出オーガ90の延出方向に対して垂直方向に排出口90aが延設されており、排出口90a先端は籾排出を行うべく開口している。また、該排出口90a先端にはビニール製の排出筒91が配設されている。
【0026】
第二実施例においては、リモートコントローラ102を用いて無線遠隔操作が行われる。リモートコントローラ102は、図11に示すように、排出オーガ15を操作するオーガ操作スイッチ57、オーガクラッチ入スイッチ58a・オーガクラッチ切スイッチ58b、及びアンテナ70をボックス102a外側面に配設している。これらのスイッチは第一実施例の場合と同様の構成であり、排出口の回動に関わるスイングスイッチ80を配設しない点のみがリモートコントローラ100と異なっている。またリモートコントローラ102に配設される操作部材による操作も、図14に示すようにコントローラ74とそれぞれ接続されて、前記同様に各操作によりオーガクラッチ26の断接、油圧昇降シリンダ27の伸縮、旋回モータ30の可逆駆動が行われる。排出口25の前後回動を除いて、第一実施例の場合と同様の構成となる。
【0027】
図10に示すように、リモートコントローラ102も第一実施例の場合と同様に排出オーガ90排出側先端部左側面に配設される固定金具56及び、運転席18左方後部の載置スペース102に設けられている固定金具56に載置可能な構成である。また、電波受信装置101も第一実施例の場合と同じく、排出オーガ90の吸入側先端部の左側面に配設されている。
【0028】
第三実施例について説明する。リモートコントローラ100・101による遠隔操作のための信号伝達手段は無線通信に限定されるものではなく、ケーブル等をコンバイン本体と接続し、有線通信による信号伝達手段を用いてもよい。第三実施例は、第一実施例の信号伝達手段を変更して、無線の換わりに有線にて行う場合のものである。第三実施例の場合は、図12に示すように、アンテナ70の代わりにコンバイン本体と接続するケーブル72を配設するリモートコントローラ103を用いて排出オーガ15及び排出口25の操作を行うのである。
【0029】
上記のように、グレンタンク内の穀物を取り出す排出オーガをグレンタンク上方に旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガの上下昇降、左右旋回、オーガクラッチの入切操作を行う遠隔操作装置を設けたので、コンバイン本体より離れても籾排出作業を行うことが出来る。したがって、作業者は排出作業が確認可能な位置に立ち、しかも排出オーガ先端の移動によって自らの位置を変更する必要を強いられることもなく、排出作業を能率よく継続することが出来るのである。また、籾排出時に埃等が飛散するが、この埃が舞う位置から離れた位置で作業することもできる。
【0030】
また、グレンタンク内の穀物を取り出す排出オーガをグレンタンク上方に旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガの排出側先端部に回動可能な排出口を設け、排出オーガの上下昇降、左右旋回、オーガクラッチの入切操作、及び排出口の回動操作を行う遠隔操作装置を設けたので、排出口近傍で操作すると、オペレーター側に向かって回動して当たる可能性があるが、コンバイン本体より離れて操作できるので、安心して籾排出作業を行うことが出来る。また、排出口の回動角度を側面から容易に確認できる。
【0031】
また、前記遠隔操作装置を、コンバイン本体または排出オーガの少なくとも一方に着脱自在に設けたので、運転席また排出オーガ排出側先端側近傍に作業者が位置しているときに、遠隔操作装置を外して排出作業を行うことを可能としている。また、排出オーガを操作するユニットが一つに纏められるため部品点数を減らすことが出来、メンテナンスの省力化や生産性の向上が実現されるのである。
【0032】
また、前記遠隔操作装置の受信装置を縦送りオーガ上端部に設けたので、コンバイン本体中では電波受信部が高い位置に配設されることになり、電波受信状態を良好なものとすることが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】穀物タンク部の平面説明図。
【図4】縦送りオーガ部の説明図。
【図5】排出オーガ先端部の側面断面図。
【図6】排出オーガ先端部の正面断面図。
【図7】排出オーガ先端部の側面図。
【図8】第一実施例のリモートコントローラを示す斜視図。
【図9】リモートコントローラの載置個所及び電波受信装置配置個所を示す第一実施例のコンバインの斜視図。
【図10】リモートコントローラの載置個所及び電波受信装置配置個所を示す第二実施例のコンバインの斜視図。
【図11】第二実施例のリモートコントローラを示す斜視図。
【図12】第三実施例のリモートコントローラを示す斜視図。
【図13】第一実施例の排出オーガ制御回路図。
【図14】第二実施例の排出オーガ制御回路図。
【符号の説明】
【0034】
15 排出オーガ
17 運転操作部
90 排出オーガ
100・102・103 リモートコントローラ
101 電波受信装置
【技術分野】
【0001】
本発明はコンバインの排出オーガの遠隔操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のグレンタンク仕様のコンバインでは、排出オーガの先端に配置される排出口は固定されて、下方にのみ開口されていた。また、排出オーガ先端に該排出オーガの上下昇降及び左右旋回操作のための操作部材が配設されているタイプのものも存在していた。したがって作業者は運転席で操作するか、あるいは排出オーガ先端近傍にて、排出オーガの上下昇降、左右昇降操作を行っていた。
【特許文献1】実公平8−6432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、排出オーガの先端近傍でトラック等への荷台への排出作業を確認しながら排出オーガの操作を行う場合は、排出オーガ先端の移動範囲が作業者の手の到達可能範囲に限定されていた。積載を均一化したり、満載された荷台から別の荷台へ排出を変更するなど排出位置を変更する必要があるときには、排出オーガ先端の移動範囲が手の到達範囲を越えることがあり、このような場合は作業者は運転席に戻って操作する必要があった。また、運転操作部での操作では排出口からの落下位置が殆ど見えず、積載の均一化が困難であり、作業能率は低下していた。そこで、本発明では排出オーガの操作を無線または有線にてできるようにして、その遠隔操作装置をコンバイン本体と排出オーガに設けて、適切な位置に容易回動して作業能率の向上を図ろうとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。即ち、請求項1においては、グレンタンク(13)内の穀物を取り出す排出オーガ(15)を旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガ(15)を無線で遠隔操作を行うリモートコントローラ(100)を備え、該リモートコントローラ(100)には排出オーガ(15)の上昇操作と下降操作と、左回り旋回操作と右回り旋回操作の四方向のオーガ操作スイッチ(57)と、オーガクラッチ入スイッチ(58a)とオーガクラッチ切スイッチ(58b)と、オートセットスイッチと、オートリターンスイッチを設けたものである。
【発明の効果】
【0005】
排出オーガの操作を無線できるようになり、排出オーガを適切な位置に容易回動して作業能率の向上が図れる。また、コンバイン本体より離れて操作でき、安心して籾排出作業を行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に本発明の実施例を説明する。図1はコンバインの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は穀物タンク部の平面説明図、図4は縦送りオーガ部の説明図、図5は排出オーガ先端部の側面断面図、図6は排出オーガ先端部の正面断面図、図7は排出オーガ先端部の側面図、図8は第一実施例のリモートコントローラを示す斜視図、図9はリモートコントローラの載置個所及び電波受信装置配置個所を示す第一実施例のコンバインの斜視図、図10はリモートコントローラの載置個所及び電波受信装置配置個所を示す第二実施例のコンバインの斜視図、図11は第二実施例のリモートコントローラを示す斜視図、図12は第三実施例のリモートコントローラを示す斜視図、図13は第一実施例の排出オーガ制御回路図、図14は第二実施例の排出オーガ制御回路図である。
【0007】
1は走行クローラ2を装設するトラックフレーム、3は前記トラックフレーム1に架設する機台、4はフィードチェン5を左側に張架し扱胴6及び処理胴7を内蔵している脱穀部、8は刈刃9及び穀稈搬送機構10などを備える刈取部、11は排藁チェン12終端を臨ませる排藁処理部、13は脱穀部4からの穀粒を楊穀筒14を介して搬入する穀物タンク、15は前記タンク13内の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、16は運転操作部17及び運転席18を備える運転キャビン、19は運転キャビン16下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0008】
図3に示す如く、前記楊穀筒14の楊穀コンベア20下端を中継コンベア21を介し脱穀部4の1番コンベア22に連動連結させて、脱穀部4で脱穀された穀粒を楊穀コンベア20を介しグレンタンク13内に投入して貯留する一方、前記グレンタンク13底部に設ける前後方向の底部横送りコンベア23によってグレンタンク13内底部の穀粒を後部に横送りし縦送りオーガ24に受継いでタンク13上方位置まで搬送した後、排出オーガ15に受継いで先端の排出口25より機外に穀物を取出すように構成している。
【0009】
なお、26は横送りコンベア23、縦送りオーガ24、排出オーガ15の駆動及び駆動停止を行うオーガクラッチである。
【0010】
図4に示す如く、前記排出オーガ15は後部を中心として水平方向に旋回自在に設けるもので、前記排出オーガ15の後側基部を中心に前側先端部を昇降させる油圧昇降シリンダ27を設け、前記縦送りオーガ24上端部に排出オーガ15基部を水平軸芯回りに上下回動自在に連結させると共に、縦送りオーガ24の上半分を一対のギヤ28・29を介し軸芯回りに回転させる旋回モータ30を設け、縦送りオーガ24の略垂直な軸芯回りに縦送りオーガ24上半分及び排出オーガ15を一体回転させるもので、前記昇降シリンダ27の伸縮によって排出オーガ15を昇降させると共に、前記旋回モータ30の駆動によって排出オーガ15を左右に旋回させるように構成している。
【0011】
図5、図6に示す如く、前記排出口25は、排出オーガ15のオーガ筒34先端下側に横方向の回動支点軸35を介して回動自在に取付ける側面視略逆L形状の排出部材36と、排出部材36の先端外周に縦長の筒部である排出筒38とを備えている。排出筒38は透明の合成樹脂で構成され、軽量化と組立容易化とコスト低減化を図っている。
【0012】
前記オーガ筒34の先端外周上面に軸受部材41を取外し自在に固設させ、排出オーガ15のオーガ軸15a先端を軸受部材41に回転自在に支持させると共に、軸受部材41より基端側のオーガ筒34下部外側に回動ベース板42を固設させ、前記回動支点軸35を回転自在に支持する筒軸43を回動ベース板42下面にボルト44を介し取外し自在に固定させている。
【0013】
また、回動駆動部材である排出口回動モータ45を前記回動ベース板42に固定すると共に、排出口回動モータ45のモータ軸48に取付ける小径のギヤ49を前記回動支点軸35の固定大径ギヤであるギヤ50に結合させて、排出口回動モータ45の駆動で回動支点軸35を回動させるとき回動支点軸35と一体に排出部材36及び排出筒38もオーガ軸15aの軸芯方向となる前後方向に回動させるように構成している。
【0014】
さらに、前記排出部材36は、オーガ筒34の先端開口部を臨ませる外周壁を前記回動支点軸35を中心とした円弧部36aに形成すると共に、該円弧部36aより一定寸法内側で円弧部36aに沿う外周面53aを有する排出口カバー53をオーガ筒34と連結固定させている。排出部材36をオーガ筒34に近接してオーガ筒34と略平行に折畳む排出口25の収納状態のとき、円弧部36aより開放させるオーガ筒34の先端上方域をカバー53で覆って、排出口25に塵埃や雨水などが浸入するのを防止するように構成している。
【0015】
さらに、前記排出口25を回動する回動機構である排出口回動モータ45及びギヤ49・50は、オーガ筒34と排出口カバー53の左側板間に配設され、排出口回動モータ45の長手方向を排出オーガ15の軸芯方向に一致させて、排出口カバー53の左側板で常に排出口回動モータ45を覆って、ギヤ49・50の露出を防止しギヤ49・50を保護するように構成している。
【0016】
図5、図6に示すように、オーガ筒34下方には前記排出口カバー53下端部を橋架する形でステー91が配設されている。ステー91は平面視コ字形状に構成されており、該コ字を形成する平行な二面である端部91a・91aと、排出口カバー53の下端部とをボルト94によって固定している。またステー91下部後方には、排出口25回動時における籾の脱落防止のためのガイドゴム95が配設されている。
【0017】
これより本発明の第一実施例について説明する。まず、排出オーガ15の上下昇降、左右旋回、及び排出口25の前後回動を無線で遠隔操作を行うリモートコントローラ100について説明する。図8に示すように、リモートコントローラ100は、送信回路やバッテリー等を収納するボックス100aに、図示せぬ電源スイッチ及び、排出オーガ15を操作するオーガ操作スイッチ57、排出口25を操作するスイングスイッチ80、オーガクラッチ入スイッチ58a・オーガクラッチ切スイッチ58b、及びアンテナ70をボックス100a外側面に配設している。オーガ操作スイッチ57は四方向のスイッチであり、上・下・左・右・中立の五段階の選択を可能としている。作業者が該オーガ操作スイッチ57の上部を押すことで排出オーガ15は上昇操作され、同じく下部を押すときは下降操作、また左部を押すときは左回り旋回操作され、右部を押すときは右回り旋回操作を受けるのである。作業者が該オーガ操作スイッチ57より手を離すときは該スイッチは中立位置であり、排出オーガ15は停止する。
【0018】
また、スイングスイッチ80は二方向のシーソスイッチであり、上・下・中立の三段階の選択を可能としている。作業者が該スイングスイッチ80の上部を押すときは排出口25が前方回動を行い、下部を押すときは後方回動を行い、手を離すときは中立位置となり排出口25は停止する。オーガクラッチ入スイッチ58a・オーガクラッチ切スイッチ58bはそれぞれ押しスイッチであり、択一式のスイッチ群を構成している。両スイッチの何れか一方が作業者に選択されて「押し」操作を受けるとき該スイッチは「入」状態となり、他方のスイッチは自動的に「切」状態となる。両スイッチは同時に「入」「入」あるいは「切」「切」の状態となることはない。オーガクラッチ入スイッチ58aが「入」状態のとき前記オーガクラッチ26が切断されて、排出オーガ15、前記底部横送りオーガ23、縦送りオーガ24の駆動が停止される。なお、図示しないが、オートセットスイッチやオートリターンスイッチを設けることもできる。そしてこれらの操作部材が配設されている面を、リモートコントローラ100の前面とする。
こうして、グレンタンク13内の穀物を取り出す排出オーガ15を旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガ15を無線で遠隔操作を行うリモートコントローラ100を備え、該リモートコントローラ100には排出オーガ15の上昇操作と下降操作と、左回り旋回操作と右回り旋回操作の四方向のオーガ操作スイッチ57と、オーガクラッチ入スイッチ58aとオーガクラッチ切スイッチ58bと、オートセットスイッチと、オートリターンスイッチを設けたので、排出オーガの操作を無線できるようになり、排出オーガを適切な位置に容易回動して作業能率の向上が図れる。また、コンバイン本体より離れて操作でき、安心して籾排出作業を行うことが出来る。
【0019】
図13に示すように、オーガクラッチ入スイッチ58a・オーガクラッチ切スイッチ58bはコントローラ74と接続されて、該コントローラ74の制御によりオーガクラッチ26を断接するのである。同様にオーガ操作スイッチ57の上下操作により電磁昇降バルブ75が駆動されて前記油圧昇降シリンダ27を伸縮させ、排出オーガ15を上下動させるのである。また、左右旋回操作が行われると旋回モータ30が駆動されて排出オーガ15は左右旋回を行う。さらに、スイングスイッチ80の操作により前記排出口回動モータ45を駆動させて排出口25を前後回動させるのである。
【0020】
リモートコントローラ100の載置個所は二箇所あり、一つは排出オーガ15先端部であり、もう一つは運転席18近傍である。なお、本実施例では排出部材36の左側面と運転キャビン16内の運転席18左側に配置している。但し、該リモートコントローラ100は一つとして、何れか一方にのみ装着しておくこともできる。
【0021】
排出部材36左側面には、図6、図7に示すように、正面視「L」字形状の固定金具56が配設されており、リモートコントローラ100を着脱自在に載置し、かつ支持固定を可能としている。固定金具56は「L」字底辺56aの一端部にて排出部材36と固着し、該底辺に対して垂直に折曲している背面56bは排出部材36に対して平行な位置関係を維持している。リモートコントローラ100のボックス100aは、後面に挿入孔100を穿設しており、該背面56c全体を挿入可能としている。背面56cは付勢ばね等を利用した図示せぬ固定機構によりボックス100aと背面56cとを支持固定することが可能である。ボックス100aの側面にはロックレバー71が突設されており、該ロックレバー71の操作により、該固定機構による「ロック」「アンロック」状態が選択される。ロックレバー71は上・下の二箇所の択一式のスイッチであり、上方位置にロックレバー71が操作されるとき該固定機構が作動してリモートコントローラ100がコンバイン本体に支持固定され、下方位置にロックレバー71が操作されるとき該固定機構は解除されて、リモートコントローラ100をコンバイン本体より取り外すことが出来るのである。
【0022】
以上構成により、作業者の必要に応じてリモートコントローラ100をコンバイン本体より着脱することが可能である。また、リモートコントローラ100を載置しながら排出オーガ15の上下昇降、左右旋回、及び排出口25の前後回動を行う場合でも、該リモートコントローラ100が脱落することもないのである。さらに載置状態のままでも前記操作部材がすべて露出しているため、作業者はリモートコントローラ100を取り外すことなく、排出オーガ15及び排出口25の操作を行うことが可能なのである。
【0023】
運転席18左方には載置スペース62が設けられており、載置スペース62にリモートコントローラ100を載置することを可能としている。載置スペース62は図2に示すように、コンバインの各種操作部材を配設している運転操作部17の運転席18左方後部に設けられている。載置スペース62にも前記固定金具56が固着しており、リモートコントローラ100の着脱を可能としている。
【0024】
リモートコントローラ100から発信される電波を受信する電波受信装置101は、図2、図9に示すように、縦送りオーガ24の上部位置、言い換えれば、排出オーガ15の基部位置に配置されている。このようにコンバイン本体の中での高い部分に該電波受信装置101が配設されているので、良好に電波を受信することができる。
【0025】
次いで、第二実施例について説明する。第二実施例においては、排出口が回動するコンバインに代えて、排出口が回動しない従来通りのコンバインを用いている。第二実施例では図10に示すように、排出オーガ15に代えて排出オーガ90が配設されており、排出側先端部での構造が異なっている。排出オーガ90の排出側先端部には、該排出オーガ90の延出方向に対して垂直方向に排出口90aが延設されており、排出口90a先端は籾排出を行うべく開口している。また、該排出口90a先端にはビニール製の排出筒91が配設されている。
【0026】
第二実施例においては、リモートコントローラ102を用いて無線遠隔操作が行われる。リモートコントローラ102は、図11に示すように、排出オーガ15を操作するオーガ操作スイッチ57、オーガクラッチ入スイッチ58a・オーガクラッチ切スイッチ58b、及びアンテナ70をボックス102a外側面に配設している。これらのスイッチは第一実施例の場合と同様の構成であり、排出口の回動に関わるスイングスイッチ80を配設しない点のみがリモートコントローラ100と異なっている。またリモートコントローラ102に配設される操作部材による操作も、図14に示すようにコントローラ74とそれぞれ接続されて、前記同様に各操作によりオーガクラッチ26の断接、油圧昇降シリンダ27の伸縮、旋回モータ30の可逆駆動が行われる。排出口25の前後回動を除いて、第一実施例の場合と同様の構成となる。
【0027】
図10に示すように、リモートコントローラ102も第一実施例の場合と同様に排出オーガ90排出側先端部左側面に配設される固定金具56及び、運転席18左方後部の載置スペース102に設けられている固定金具56に載置可能な構成である。また、電波受信装置101も第一実施例の場合と同じく、排出オーガ90の吸入側先端部の左側面に配設されている。
【0028】
第三実施例について説明する。リモートコントローラ100・101による遠隔操作のための信号伝達手段は無線通信に限定されるものではなく、ケーブル等をコンバイン本体と接続し、有線通信による信号伝達手段を用いてもよい。第三実施例は、第一実施例の信号伝達手段を変更して、無線の換わりに有線にて行う場合のものである。第三実施例の場合は、図12に示すように、アンテナ70の代わりにコンバイン本体と接続するケーブル72を配設するリモートコントローラ103を用いて排出オーガ15及び排出口25の操作を行うのである。
【0029】
上記のように、グレンタンク内の穀物を取り出す排出オーガをグレンタンク上方に旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガの上下昇降、左右旋回、オーガクラッチの入切操作を行う遠隔操作装置を設けたので、コンバイン本体より離れても籾排出作業を行うことが出来る。したがって、作業者は排出作業が確認可能な位置に立ち、しかも排出オーガ先端の移動によって自らの位置を変更する必要を強いられることもなく、排出作業を能率よく継続することが出来るのである。また、籾排出時に埃等が飛散するが、この埃が舞う位置から離れた位置で作業することもできる。
【0030】
また、グレンタンク内の穀物を取り出す排出オーガをグレンタンク上方に旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガの排出側先端部に回動可能な排出口を設け、排出オーガの上下昇降、左右旋回、オーガクラッチの入切操作、及び排出口の回動操作を行う遠隔操作装置を設けたので、排出口近傍で操作すると、オペレーター側に向かって回動して当たる可能性があるが、コンバイン本体より離れて操作できるので、安心して籾排出作業を行うことが出来る。また、排出口の回動角度を側面から容易に確認できる。
【0031】
また、前記遠隔操作装置を、コンバイン本体または排出オーガの少なくとも一方に着脱自在に設けたので、運転席また排出オーガ排出側先端側近傍に作業者が位置しているときに、遠隔操作装置を外して排出作業を行うことを可能としている。また、排出オーガを操作するユニットが一つに纏められるため部品点数を減らすことが出来、メンテナンスの省力化や生産性の向上が実現されるのである。
【0032】
また、前記遠隔操作装置の受信装置を縦送りオーガ上端部に設けたので、コンバイン本体中では電波受信部が高い位置に配設されることになり、電波受信状態を良好なものとすることが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】穀物タンク部の平面説明図。
【図4】縦送りオーガ部の説明図。
【図5】排出オーガ先端部の側面断面図。
【図6】排出オーガ先端部の正面断面図。
【図7】排出オーガ先端部の側面図。
【図8】第一実施例のリモートコントローラを示す斜視図。
【図9】リモートコントローラの載置個所及び電波受信装置配置個所を示す第一実施例のコンバインの斜視図。
【図10】リモートコントローラの載置個所及び電波受信装置配置個所を示す第二実施例のコンバインの斜視図。
【図11】第二実施例のリモートコントローラを示す斜視図。
【図12】第三実施例のリモートコントローラを示す斜視図。
【図13】第一実施例の排出オーガ制御回路図。
【図14】第二実施例の排出オーガ制御回路図。
【符号の説明】
【0034】
15 排出オーガ
17 運転操作部
90 排出オーガ
100・102・103 リモートコントローラ
101 電波受信装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グレンタンク(13)内の穀物を取り出す排出オーガ(15)を旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガ(15)を無線で遠隔操作を行うリモートコントローラ(100)を備え、該リモートコントローラ(100)には排出オーガ(15)の上昇操作と下降操作と、左回り旋回操作と右回り旋回操作の四方向のオーガ操作スイッチ(57)と、オーガクラッチ入スイッチ(58a)とオーガクラッチ切スイッチ(58b)と、オートセットスイッチと、オートリターンスイッチを設けたことを特徴とするコンバインの排出オーガの遠隔操作装置。
【請求項1】
グレンタンク(13)内の穀物を取り出す排出オーガ(15)を旋回自在に備えたコンバインにおいて、排出オーガ(15)を無線で遠隔操作を行うリモートコントローラ(100)を備え、該リモートコントローラ(100)には排出オーガ(15)の上昇操作と下降操作と、左回り旋回操作と右回り旋回操作の四方向のオーガ操作スイッチ(57)と、オーガクラッチ入スイッチ(58a)とオーガクラッチ切スイッチ(58b)と、オートセットスイッチと、オートリターンスイッチを設けたことを特徴とするコンバインの排出オーガの遠隔操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−185194(P2007−185194A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57918(P2007−57918)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【分割の表示】特願2000−45916(P2000−45916)の分割
【原出願日】平成12年2月23日(2000.2.23)
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【分割の表示】特願2000−45916(P2000−45916)の分割
【原出願日】平成12年2月23日(2000.2.23)
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
【Fターム(参考)】
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