コンバイン
【課題】オイルクーラーのメンテナンス作業が面倒であり、オイルクーラの破損やパイプの損傷あるいは耐久性が低下。
【解決手段】走行装置2の上方に脱穀装置3および穀粒袋詰め用ホッパー5を夫々設け、前記ホッパー5の前側に操縦部7を設け、該操縦部7の座席10の下方にはエンジン15を設け、該エンジン15の冷却用ファン68の外側にはラジエーター16を設け、ラジエーター16の外側には枠体20を設け、該枠体20内にはオイルクーラー21を設け、該オイルクーラー21は剛性を有する支持体27を介して枠体20の下側部分の取付軸26中心に外側回動自在に構成すると共に、前記オイルクーラー21は、回動規制機構Kにより回動を規制する構成としたことを特徴とするコンバイン。
【解決手段】走行装置2の上方に脱穀装置3および穀粒袋詰め用ホッパー5を夫々設け、前記ホッパー5の前側に操縦部7を設け、該操縦部7の座席10の下方にはエンジン15を設け、該エンジン15の冷却用ファン68の外側にはラジエーター16を設け、ラジエーター16の外側には枠体20を設け、該枠体20内にはオイルクーラー21を設け、該オイルクーラー21は剛性を有する支持体27を介して枠体20の下側部分の取付軸26中心に外側回動自在に構成すると共に、前記オイルクーラー21は、回動規制機構Kにより回動を規制する構成としたことを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの外側にラジエーターを設け、ラジエーターの側方にオイルクーラを設け、オイルクーラーはラジエーターに着脱自在に取付けた構成は、公知である(特許文献1)。
【特許文献1】実開昭62−114825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例のオイルクーラーはラジエーターに着脱自在に取付けているので、オイルクーラーを外してラジエーターのメンテナンスが行えるが、単にオイルクーラを外せるだけであり、外したオイルクーラはパイプにぶら下がらせて支持している。
したがって、作業中にオイルクーラの破損やパイプの損傷あるいは耐久性が低下するという課題がある。
本願は、オイルクーラの移動を容易にして、ラジエーターとオイルクーラのメンテナンス作業全体を容易にしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、走行装置2の前方に刈取部4を、走行装置2の上方に脱穀装置3および穀粒袋詰め用ホッパー5を、夫々設け、前記穀粒袋詰め用ホッパー5の前側に操縦部7を設け、該操縦部7の座席10の下方にはエンジン15を設け、該エンジン15の冷却用ファン68の外側にはラジエーター16を設け、ラジエーター16の外側には枠体20を設け、該枠体20内にはオイルクーラー21を設け、該オイルクーラー21は剛性を有する支持体27を介して枠体20の下側部分の取付軸26中心に外側回動自在に構成すると共に、前記オイルクーラー21は、回動規制機構Kにより回動を規制する構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、エンジン15を始動すると、ファン68が回転し、外気を吸引し、吸引した外気はオイルクーラー21およびラジエーター16を通過して油圧機器作動用のオイルおよびエンジン15の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン15の外周を冷却しながら吹き抜ける。
エンジンカバーを開放すると、オイルクーラー21は露出し、オイルクーラー21と枠体20との取付を外すと、オイルクーラー21は取付軸26中心に外側へ回動する。
したがって、オイルクーラー21の内外両面およびラジエーター16の外面周辺を開放し、メンテナンス作業を行う。
本発明は、前記回動規制機構Kは、オイルクーラー21と固定側との何れか一方に前記オイルクーラー21の回動を規制する回動規制ストッパ32を設け、オイルクーラー21と固定側との何れか他方に回動規制ストッパ32が係合する係合部34を設けて構成したことを特徴とするコンバインとしたものであり、オイルクーラー21は、回動規制機構Kにより回動を規制するように構成しているので、オイルクーラー21を枠体20との固定状態を外して外側させても、所定位置で停止する。
そのため、メンテナンス作業は、オイルクーラー21を作業者の手により支持しなくても行え、作業を容易にする。
本発明は、前記オイルクーラー21は、支持部材23の上部に固定状態に取付け、該支持部材23の下部は前後方向の横軸24に固定し、該横軸24の前後両側には取付部材25の上部を固定し、取付部材25の下部は枠体20に取付軸26により外側へ回動自在に取付け、前記取付部材25に凹部33を形成し、凹部33の両側に係合部34を設け、前記凹部33内に回動規制ストッパ32を位置させて前記回動規制機構Kを構成したことを特徴とするコンバインとしたものであり、オイルクーラー21を外側回動させると、支持部材23および取付部材25は一体的に取付軸26中心に外側回動し、取付部材25の凹部33内の回動規制ストッパ32に凹部33の内側の係合部34が当接し、オイルクーラー21の外側回動を規制する。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、エンジン15の冷却ファン68の外側にラジエーター16を設け、ラジエーター16の外側にオイルクーラー21を設けているので、空間を有効利用してオイルクーラー21を配置することができ、コンバインの全長を短くでき、また、オイルクーラー21は外側へ回動自在に取り付けているので、オイルクーラー21およびラジエーター16のメンテナンスを容易に行うことができる。また、オイルクーラー21の回動を規制しているので、オイルクーラー21を支持しながらメンテナンス作業を行う必要がなく、作業を容易にすることができる。
請求項2の発明では、上記請求項1の効果に加えて、オイルクーラー21の回動規制機構を簡素に構成して安価に提供することができる。
請求項3の発明では、上記請求項2の効果に加えて、オイルクーラー21の回動中心が下方となるので、オイルクーラー21の回動規制機構Kがメンテナンス作業の邪魔にならず、合理的な構成にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は該機体フレーム1の下方位置に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方位置に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取部、5は穀粒袋詰め用ホッパー、7は操縦部である。
しかして、操縦部7の運転座席10の下方には、エンジン15を設ける。エンジン15の外側(右側)にはラジエーター16を設ける。ラジエーター16は前記機体フレーム1に固定した縦フレーム17に固定状態に取付ける。ラジエーター16の外側には枠体20を設ける。枠体20はラジエーター16と略同じ大きさの四角枠に形成する。枠体20は左右に所定幅有して形成する。
枠体20内にはオイルクーラー21を設ける(図2)。オイルクーラー21の下部には下側取付枠22を取付ける(図6)。下側取付枠22には支持部材23の上部を固定状態に取付ける。支持部材23は棒形状に形成する。支持部材23の下部は前後方向の横軸24に固定する。横軸24の前後両側には取付部材25の上部を固定する。取付部材25の下部は枠体20に取付軸26により外側へ回動自在に取付ける。
即ち、オイルクーラー21は剛性を有する支持体27により枠体20に回動自在に取付け、支持体27は一例を示すと前記下側取付枠22と支持部材23と横軸24と取付部材25により構成している。
【0007】
オイルクーラー21の上側取付枠30は前記枠体20の上部に蝶ナットやノブボルトと言った固定用部材31により固定する。
そのため、固定用部材31を外すと、オイルクーラー21と支持部材23と横軸24は取付軸26中心に横軸回動し、オイルクーラー21とラジエーター16の間に広い空間ができるので、オイルクーラー21のみならず、ラジエター16のメンテナンスが容易にできる。
32は、オイルクーラー21の回動を規制する回動規制機構Kの回動規制ストッパ(ピン)であり、前記取付部材25に設けた凹部33内に位置させ、取付部材25の係合部34に係合させて回動を規制する。
即ち、凹部33の両側に係合部34を設け、オイルクーラー21を外側回動させると、内側係合部34が回動規制ストッパ32に当接し、オイルクーラー21の外側回動を規制する。
【0008】
また、オイルクーラー21を内側回動させると、外側係合部34が回動規制ストッパ32に当接し、オイルクーラー21の内側回動を規制し、オイルクーラー21がラジエーター16に当たるのを防止する。
35は接続ホースである。
しかして、枠体20の外面側には、防塵ネット45を設ける(図2)。防塵ネット45は、ネット枠体46に網体47を張って構成する。ネット枠体46の上部には、係合部(取付部)48を設け、係合部48を前記枠体20の固定側係合部49に着脱自在に係合させて取付ける。
実施例では、係合部48は下向きに開口した鈎型形状に形成し、固定側係合部49に上方から係合させて着脱自在に取付けている。
したがって、特別な工具を用いることなく、簡単に防塵ネット45を着脱でき、メンテナンスを容易にすることができる。
【0009】
この場合、内側枠体20とネット枠体46とは、係合部48および固定側係合部49とにより係合係止させるように構成し、所謂嵌合溝とレールといった嵌め合いの取付構成を廃止する。
そのため、ネット枠体46(防塵ネット45)は、係合部48を固定側係合部49から外せれば、枠体20から外すことができる。また、後述するエンジン側部カバー55を完全に開かなくても、防塵ネット45の着脱は可能になる。
また、内側枠体20とネット枠体46とは、「面接触」により当接するように構成する。例えば、図10のように、枠体20とネット枠体46とは夫々板状の平面部57を形成し、それぞれの平面部57が隙間なく当接するように構成する。
そのため、エンジン側部カバー55を閉じると、防塵ネット45はネット枠体46が枠体20に密着し、ゴミや藁屑の進入を防止する。
【0010】
また、図11のように、枠体20とネット枠体46の夫々の平面部57の何れか一方に弾性部材により形成した当接部材58を設け、枠体20とネット枠体46とを当接部材58を介し隙間なく密着するように構成しても良い。
【0011】
しかして、防塵ネット45の外側には、前記エンジン側部カバー55を設け、エンジン側部カバー55の構成は任意であるが、実施例のエンジン側部カバー55は、前記縦フレーム17に取付軸60により縦軸外側回動するように取付ける。
この場合、エンジン側部カバー55は、閉じたとき、防塵ネット45のネット枠体46を枠体20に押し付けるように構成すると(図3)、防塵ネット45と枠体20との間の隙間を無くして、防塵効果を向上させる。
また、エンジン側部カバー55には防塵スクリーン65を設けている。そのため、藁屑等は防塵スクリーン65により除去され、防塵ネット45による防塵効果が高くしつつ目詰まりを抑制し、簡単に防塵ネット45をメンテナンスすることにより、エンジン15への風の通りを良好にする。
【0012】
しかして、エンジン15のファン68の上方を包囲するシュラウド70の一部または全部は、エンジン15の上方に位置するように内側(左側)に延長する(図3)。
そのため、ファン68による風の流れを乱流から層流に整えて、エンジン側部カバー55から操縦部7への熱気の吹き出しを防ぎ、操縦部7が熱くならないようにして、作業環境を良好にする。
また、シュラウド70によりエンジン15への冷却風が安定して流れ、エンジン15のオーバーヒートを防止する。
シュラウド70は、その一端は自由端とし、その他端をラジエーター16を取付けるラジエターフレーム71に着脱自在に片持ち状態に取付ける。
図5、図12,図13の前記シュラウド70は、前側部72をゴム板等の弾性部材により形成する。前側部72はエンジン15の前側の上下中間より下方まで包囲する。そのため、操縦部7への熱気の吹き出しを防ぐことができる。また、前側部72は弾性を有するので、外さなくても、エンジン15のオイル等の点検・補充、あるいは、ベルト73の交換、発電機74の点検等のメンテナンスの障害になるのを回避できる。また、75はオイル点検用ゲージである。
【0013】
しかして、エンジン15の上方にはエンジン15が吸気する空気を清浄にするメインアエクリーナー80を設ける。81は接続ホースである。
メインアエクリーナー80の上手側には、プレエアクリーナ82を設ける。プレエアクリーナ82は支持筒83の上部に固定状態に取付ける。支持筒83は穀粒袋詰め用ホッパー5に脱穀装置3で脱穀した穀粒を揚穀する一番揚穀装置84にステー85を介して固定する。
一番揚穀装置84は、それ自体に高い剛性が持たせてあるので、プレエアクリーナ82は強固に支持される。
また、プレエアクリーナ82は穀粒袋詰め用ホッパー5の上面より上方に突出させて設け、清浄な空気を吸入するようにしている。
【0014】
しかして、前記機体フレーム1は、左右方向の横枠86と前後方向の縦枠87を有し、縦枠87の下方にメインビーム88を設けて構成する。メインビーム88には前後にフレームフット89を設け、フレームフット89には走行装置2の転輪フレーム90を取付ける。91は転輪フレーム90の前側に設けたホイルパイプ支持ステーである。
前記左右のメインビーム88のうち左側のメインビーム88の前側部分には刈取上下シリンダステー92を設ける。刈取上下シリンダステー92には刈取部4を上下させる刈取上下シリンダ93の基部を取付ける。
この場合、刈取上下シリンダステー92はホイルパイプ支持ステー91の上方内側に配置しているので、刈取上下シリンダステー92の下方は開放された空間に形成でき、刈取上下シリンダステー92による泥だまりや藁だまりの発生を防止する。
しかして、機体フレーム1には、作業者が搭乗して袋詰め作業等を行うキャリア94を設ける。キャリア94は、その前後面の内側部分を機体フレーム1に設けたキャリア支点部95に取付回動軸96により回動自在に取付ける。キャリア94の取付回動軸96の近傍にはキャリア張り出し部97を設ける。
【0015】
キャリア張り出し部97は、機体前後方向においてキャリア支点部95と略同じ前後位置に位置させるように配置する。
即ち、キャリア張り出し部97は、キャリア94を略水平の作業位置から起立させた格納位置に回動させたとき、キャリア支点部95と平面視重なるように設け、キャリア94が作業位置と格納位置の夫々に位置するとき、キャリア張り出し部97がキャリア支点部95に当接して、キャリア94の回動を停止させるように構成する。
したがって、キャリア張り出し部97により作業位置と格納位置の両方のストッパ機構を兼用でき、安価にできる。
この場合、キャリア張り出し部97は、キャリア94に位置調節自在に取付け、キャリア張り出し部97のキャリア支点部95に対する位置を変更調節可能に構成する。
【0016】
即ち、キャリア張り出し部97は、例えば、ボルト等の取付具98により左右上下に取付位置を変更可能にして、キャリア支点部95との当たる位置を変更し、作業位置の傾斜状態や格納位置の起立状態の角度を変更調節する。
したがって、キャリア94の製造精度や組付状態のバラツキに対して、調整により対応が可能となる。また、キャリア94が格納位置で倒れたきた場合の再調整が可能となる。また、キャリア94の開閉角度の調節も可能となって、作業性を向上させる。
また、前記キャリア支点部95は機体フレーム1の横枠86の側面および下面に当接して取付ける。したがって、キャリア支点部95は強固にキャリア94を支持する。
この場合、キャリア支点部95の上面(上縁)は、横枠86の上面より上方に突出しないように構成する。
【0017】
したがって、袋詰めした穀粒袋がキャリア支点部95に引っ掛かるのを防止して、穀粒袋の損傷を防止する。
同様に、キャリア張り出し部97の上面(上縁)は、キャリア94の上面より上方に突出しないように構成する。
したがって、袋詰めした穀粒袋がキャリア支点部95に引っ掛かるのを防止して、穀粒袋の損傷を防止する。
【0018】
(実施例の作用)
エンジン15を始動して、走行装置2により走行し、走行中に刈取部4で刈取った穀稈を脱穀装置3で脱穀する。
エンジン15を始動すると、ファン68が回転し、エンジン側部カバー55および防塵ネット45から外気を吸引し、吸引した外気はラジエーター16を通過してエンジン15の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン15の外周を冷却しながら吹き抜ける。
この場合、防塵ネット45は、ネット枠体46の上部の係合部48を設け、係合部48を枠体20の固定側係合部49に係合させているだけであるから、エンジン側部カバー55を完全に開かなくても、作業者の手が入る分だけ、開ければ手を差し入れて、次に、防塵ネット45を係合部48が固定側係合部49から外れるだけわずかに上動させると、防塵ネット45は枠体20から外れ、取り出して、防塵ネット45のメンテナンスを行うことができる。
【0019】
即ち、係合部48は下向きに開口した鈎型形状に形成しているから、横方向の動きについては係合保持するが、上方移動させると係合が外れる。
したがって、特別な工具を用いることなく、簡単に防塵ネット45を着脱でき、メンテナンスを容易にすることができる。
また、内側枠体20とネット枠体46とは、係合部48および固定側係合部49とにより係合係止させるように構成し、所謂嵌合溝とレールといった嵌め合いの取付構成を廃止しているから、取付構成を安価にできる。
【0020】
しかして、防塵ネット45のネット枠体46と枠体20とは、夫々板状の平面部57を形成し、それぞれの平面部57が隙間なく当接するように構成しているから、エンジン側部カバー55を閉じると、防塵ネット45のネット枠体46が枠体20に密着し、ゴミや藁屑の進入を防止して、防塵効果を向上させる。
また、図11のように、枠体20とネット枠体46の夫々の平面部57の何れか一方に弾性部材により形成した当接部材58を設けると、一層、枠体20とネット枠体46との隙間が少なくなって密着し、防塵効果を向上させる。
しかして、防塵ネット45の外側にエンジン側部カバー55を設け、エンジン側部カバー55は回動自在に取付け、閉じたとき、防塵ネット45のネット枠体46を枠体20に押し付けるように構成すると、防塵ネット45と枠体20との間の隙間を無くして、一層、防塵効果を向上させる。
【0021】
しかして、オイルクーラー21は、ラジエーター15に支持体27により回動自在に取付けているから、固定用部材31を外すと、オイルクーラー21は支持体27と一体に取付軸26中心に外側回動し、オイルクーラー21とラジエーター16の両者の周囲の広い空間を形成でき、オイルクーラー21のみならず、ラジエター16のメンテナンスが容易にできる。
この場合、支持体27はオイルクーラー21を支持しうる剛性を有して構成しているから、外側回動したオイルクーラー21をそのまま支持する。
したがって、メンテナンス作業中にオイルクーラー21を所定位置に位置させることができ、不用意な破損を防止でき、また、オイルクーラー21に接続した接続ホース35の変形も最小限ですみ、耐久性を低下させない。
【0022】
しかして、オイルクーラー21の下部には下側取付枠22を取付け、下側取付枠22には支持部材23の上部を固定状態に取付け、支持部材23の下部は前後方向の横軸24に固定し、横軸24の前後両側には取付部材25の上部を固定し、取付部材25の下部は枠体20に取付軸26により外側へ回動自在に取付け、支持体27は下側取付枠22と支持部材23と横軸24と取付部材25により構成しているから、簡素に構成でき、ラジエーター15への通風の抵抗とならない。
また、オイルクーラー21の上側取付枠30は枠体20の上部に蝶ナットやノブボルトと言った一つの固定用部材31により固定しているから、一つの固定用部材31を外すと、オイルクーラー21を外側回動させることができる。
しかして、前記支持体27には回動規制機構Kを設けているから、外側回動したオイルクーラー21は回動規制機構Kによりそのままの傾倒角度で保持される。
そのため、オイルクーラー21を保持するのが不要になって、オイルクーラー21とラジエーター16のメンテナンス作業を容易にする。
【0023】
回動規制機構Kは、オイルクーラー21とラジエーター16(枠体20)側との何れか一方にオイルクーラー21の回動を規制する回動規制ストッパ32を設け、オイルクーラー21とラジエーター16(枠体20)側との何れか他方に回動規制ストッパ32が係合する係合部34を設けて構成しているから、オイルクーラー21を回動させると、係合部34と回動規制ストッパ32とが当接し、オイルクーラー21の回動を規制する。
実施例では、取付部材25に凹部33を形成し、凹部33の両側に係合部34を設け、前記凹部33内に回動規制ストッパ32を位置させ、回動規制ストッパ32は枠体20に固定しているから、簡素に構成できる。
そして、オイルクーラー21を外側回動させると、内側係合部34が回動規制ストッパ32に当接し、オイルクーラー21の外側回動を規制する。
また、オイルクーラー21を内側回動させると、外側係合部34が回動規制ストッパ32に当接し、オイルクーラー21の内側回動を規制し、オイルクーラー21がラジエーター16に衝撃的に当たるのを防止する。
【0024】
また、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】オイルクーラー付近の斜視図。
【図3】エンジン付近の背面図。
【図4】同一部拡大図。
【図5】同側面図。
【図6】オイルクーラー付近の側面図。
【図7】同背面図。
【図8】回動規制ストッパの正面図。
【図9】回動規制ストッパの作動状態図。
【図10】防塵ネットの他の実施例断面図。
【図11】防塵ネットの他の実施例断面図。
【図12】エンジン付近の平面図。
【図13】エンジン付近の側面図。
【図14】エンジン付近の正面図。
【図15】エンジン付近の側面図。
【図16】エアクリーナー付近の側面図。
【図17】同正面図。
【図18】機体フレームの側面図。
【図19】同正面図。
【図20】同平面図。
【図21】キャリア付近の背面図。
【図22】同平面図。
【図23】同拡大背面図。
【符号の説明】
【0026】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取部4、5…穀粒袋詰め用ホッパー、7…操縦部、10…座席、15…エンジン、16…ラジエーター、17…縦フレーム、20…枠体、21…オイルクーラー、22…下側取付枠、23…支持部材、24…横軸、25…取付部材、26…取付軸、30…上側取付枠、31…固定用部材、32…回動規制ストッパ、33…凹部、34…係合部、45…防塵ネット、46…ネット枠体、47…網体、48…係合部、49…固定側係合部、55…エンジン側部カバー、57…平面部、58…当接部材、60…取付軸、65…防塵スクリーン、68…ファン、70…シュラウド、71…ラジエターフレーム、73…ベルト、74…発電機、82…プレエアクリーナ、83…支持筒、84…一番揚穀装置、85…ステー、86…横枠、87…縦枠、88…メインビーム、89…フレームフット、90…転輪フレーム、92…刈取上下シリンダステー、93…刈取上下シリンダ、91…ホイルパイプ支持ステー、94…キャリア、95…キャリア支点部、96…取付回動軸、97…キャリア張り出し部、98…取付具。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの外側にラジエーターを設け、ラジエーターの側方にオイルクーラを設け、オイルクーラーはラジエーターに着脱自在に取付けた構成は、公知である(特許文献1)。
【特許文献1】実開昭62−114825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例のオイルクーラーはラジエーターに着脱自在に取付けているので、オイルクーラーを外してラジエーターのメンテナンスが行えるが、単にオイルクーラを外せるだけであり、外したオイルクーラはパイプにぶら下がらせて支持している。
したがって、作業中にオイルクーラの破損やパイプの損傷あるいは耐久性が低下するという課題がある。
本願は、オイルクーラの移動を容易にして、ラジエーターとオイルクーラのメンテナンス作業全体を容易にしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、走行装置2の前方に刈取部4を、走行装置2の上方に脱穀装置3および穀粒袋詰め用ホッパー5を、夫々設け、前記穀粒袋詰め用ホッパー5の前側に操縦部7を設け、該操縦部7の座席10の下方にはエンジン15を設け、該エンジン15の冷却用ファン68の外側にはラジエーター16を設け、ラジエーター16の外側には枠体20を設け、該枠体20内にはオイルクーラー21を設け、該オイルクーラー21は剛性を有する支持体27を介して枠体20の下側部分の取付軸26中心に外側回動自在に構成すると共に、前記オイルクーラー21は、回動規制機構Kにより回動を規制する構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、エンジン15を始動すると、ファン68が回転し、外気を吸引し、吸引した外気はオイルクーラー21およびラジエーター16を通過して油圧機器作動用のオイルおよびエンジン15の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン15の外周を冷却しながら吹き抜ける。
エンジンカバーを開放すると、オイルクーラー21は露出し、オイルクーラー21と枠体20との取付を外すと、オイルクーラー21は取付軸26中心に外側へ回動する。
したがって、オイルクーラー21の内外両面およびラジエーター16の外面周辺を開放し、メンテナンス作業を行う。
本発明は、前記回動規制機構Kは、オイルクーラー21と固定側との何れか一方に前記オイルクーラー21の回動を規制する回動規制ストッパ32を設け、オイルクーラー21と固定側との何れか他方に回動規制ストッパ32が係合する係合部34を設けて構成したことを特徴とするコンバインとしたものであり、オイルクーラー21は、回動規制機構Kにより回動を規制するように構成しているので、オイルクーラー21を枠体20との固定状態を外して外側させても、所定位置で停止する。
そのため、メンテナンス作業は、オイルクーラー21を作業者の手により支持しなくても行え、作業を容易にする。
本発明は、前記オイルクーラー21は、支持部材23の上部に固定状態に取付け、該支持部材23の下部は前後方向の横軸24に固定し、該横軸24の前後両側には取付部材25の上部を固定し、取付部材25の下部は枠体20に取付軸26により外側へ回動自在に取付け、前記取付部材25に凹部33を形成し、凹部33の両側に係合部34を設け、前記凹部33内に回動規制ストッパ32を位置させて前記回動規制機構Kを構成したことを特徴とするコンバインとしたものであり、オイルクーラー21を外側回動させると、支持部材23および取付部材25は一体的に取付軸26中心に外側回動し、取付部材25の凹部33内の回動規制ストッパ32に凹部33の内側の係合部34が当接し、オイルクーラー21の外側回動を規制する。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、エンジン15の冷却ファン68の外側にラジエーター16を設け、ラジエーター16の外側にオイルクーラー21を設けているので、空間を有効利用してオイルクーラー21を配置することができ、コンバインの全長を短くでき、また、オイルクーラー21は外側へ回動自在に取り付けているので、オイルクーラー21およびラジエーター16のメンテナンスを容易に行うことができる。また、オイルクーラー21の回動を規制しているので、オイルクーラー21を支持しながらメンテナンス作業を行う必要がなく、作業を容易にすることができる。
請求項2の発明では、上記請求項1の効果に加えて、オイルクーラー21の回動規制機構を簡素に構成して安価に提供することができる。
請求項3の発明では、上記請求項2の効果に加えて、オイルクーラー21の回動中心が下方となるので、オイルクーラー21の回動規制機構Kがメンテナンス作業の邪魔にならず、合理的な構成にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は該機体フレーム1の下方位置に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方位置に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取部、5は穀粒袋詰め用ホッパー、7は操縦部である。
しかして、操縦部7の運転座席10の下方には、エンジン15を設ける。エンジン15の外側(右側)にはラジエーター16を設ける。ラジエーター16は前記機体フレーム1に固定した縦フレーム17に固定状態に取付ける。ラジエーター16の外側には枠体20を設ける。枠体20はラジエーター16と略同じ大きさの四角枠に形成する。枠体20は左右に所定幅有して形成する。
枠体20内にはオイルクーラー21を設ける(図2)。オイルクーラー21の下部には下側取付枠22を取付ける(図6)。下側取付枠22には支持部材23の上部を固定状態に取付ける。支持部材23は棒形状に形成する。支持部材23の下部は前後方向の横軸24に固定する。横軸24の前後両側には取付部材25の上部を固定する。取付部材25の下部は枠体20に取付軸26により外側へ回動自在に取付ける。
即ち、オイルクーラー21は剛性を有する支持体27により枠体20に回動自在に取付け、支持体27は一例を示すと前記下側取付枠22と支持部材23と横軸24と取付部材25により構成している。
【0007】
オイルクーラー21の上側取付枠30は前記枠体20の上部に蝶ナットやノブボルトと言った固定用部材31により固定する。
そのため、固定用部材31を外すと、オイルクーラー21と支持部材23と横軸24は取付軸26中心に横軸回動し、オイルクーラー21とラジエーター16の間に広い空間ができるので、オイルクーラー21のみならず、ラジエター16のメンテナンスが容易にできる。
32は、オイルクーラー21の回動を規制する回動規制機構Kの回動規制ストッパ(ピン)であり、前記取付部材25に設けた凹部33内に位置させ、取付部材25の係合部34に係合させて回動を規制する。
即ち、凹部33の両側に係合部34を設け、オイルクーラー21を外側回動させると、内側係合部34が回動規制ストッパ32に当接し、オイルクーラー21の外側回動を規制する。
【0008】
また、オイルクーラー21を内側回動させると、外側係合部34が回動規制ストッパ32に当接し、オイルクーラー21の内側回動を規制し、オイルクーラー21がラジエーター16に当たるのを防止する。
35は接続ホースである。
しかして、枠体20の外面側には、防塵ネット45を設ける(図2)。防塵ネット45は、ネット枠体46に網体47を張って構成する。ネット枠体46の上部には、係合部(取付部)48を設け、係合部48を前記枠体20の固定側係合部49に着脱自在に係合させて取付ける。
実施例では、係合部48は下向きに開口した鈎型形状に形成し、固定側係合部49に上方から係合させて着脱自在に取付けている。
したがって、特別な工具を用いることなく、簡単に防塵ネット45を着脱でき、メンテナンスを容易にすることができる。
【0009】
この場合、内側枠体20とネット枠体46とは、係合部48および固定側係合部49とにより係合係止させるように構成し、所謂嵌合溝とレールといった嵌め合いの取付構成を廃止する。
そのため、ネット枠体46(防塵ネット45)は、係合部48を固定側係合部49から外せれば、枠体20から外すことができる。また、後述するエンジン側部カバー55を完全に開かなくても、防塵ネット45の着脱は可能になる。
また、内側枠体20とネット枠体46とは、「面接触」により当接するように構成する。例えば、図10のように、枠体20とネット枠体46とは夫々板状の平面部57を形成し、それぞれの平面部57が隙間なく当接するように構成する。
そのため、エンジン側部カバー55を閉じると、防塵ネット45はネット枠体46が枠体20に密着し、ゴミや藁屑の進入を防止する。
【0010】
また、図11のように、枠体20とネット枠体46の夫々の平面部57の何れか一方に弾性部材により形成した当接部材58を設け、枠体20とネット枠体46とを当接部材58を介し隙間なく密着するように構成しても良い。
【0011】
しかして、防塵ネット45の外側には、前記エンジン側部カバー55を設け、エンジン側部カバー55の構成は任意であるが、実施例のエンジン側部カバー55は、前記縦フレーム17に取付軸60により縦軸外側回動するように取付ける。
この場合、エンジン側部カバー55は、閉じたとき、防塵ネット45のネット枠体46を枠体20に押し付けるように構成すると(図3)、防塵ネット45と枠体20との間の隙間を無くして、防塵効果を向上させる。
また、エンジン側部カバー55には防塵スクリーン65を設けている。そのため、藁屑等は防塵スクリーン65により除去され、防塵ネット45による防塵効果が高くしつつ目詰まりを抑制し、簡単に防塵ネット45をメンテナンスすることにより、エンジン15への風の通りを良好にする。
【0012】
しかして、エンジン15のファン68の上方を包囲するシュラウド70の一部または全部は、エンジン15の上方に位置するように内側(左側)に延長する(図3)。
そのため、ファン68による風の流れを乱流から層流に整えて、エンジン側部カバー55から操縦部7への熱気の吹き出しを防ぎ、操縦部7が熱くならないようにして、作業環境を良好にする。
また、シュラウド70によりエンジン15への冷却風が安定して流れ、エンジン15のオーバーヒートを防止する。
シュラウド70は、その一端は自由端とし、その他端をラジエーター16を取付けるラジエターフレーム71に着脱自在に片持ち状態に取付ける。
図5、図12,図13の前記シュラウド70は、前側部72をゴム板等の弾性部材により形成する。前側部72はエンジン15の前側の上下中間より下方まで包囲する。そのため、操縦部7への熱気の吹き出しを防ぐことができる。また、前側部72は弾性を有するので、外さなくても、エンジン15のオイル等の点検・補充、あるいは、ベルト73の交換、発電機74の点検等のメンテナンスの障害になるのを回避できる。また、75はオイル点検用ゲージである。
【0013】
しかして、エンジン15の上方にはエンジン15が吸気する空気を清浄にするメインアエクリーナー80を設ける。81は接続ホースである。
メインアエクリーナー80の上手側には、プレエアクリーナ82を設ける。プレエアクリーナ82は支持筒83の上部に固定状態に取付ける。支持筒83は穀粒袋詰め用ホッパー5に脱穀装置3で脱穀した穀粒を揚穀する一番揚穀装置84にステー85を介して固定する。
一番揚穀装置84は、それ自体に高い剛性が持たせてあるので、プレエアクリーナ82は強固に支持される。
また、プレエアクリーナ82は穀粒袋詰め用ホッパー5の上面より上方に突出させて設け、清浄な空気を吸入するようにしている。
【0014】
しかして、前記機体フレーム1は、左右方向の横枠86と前後方向の縦枠87を有し、縦枠87の下方にメインビーム88を設けて構成する。メインビーム88には前後にフレームフット89を設け、フレームフット89には走行装置2の転輪フレーム90を取付ける。91は転輪フレーム90の前側に設けたホイルパイプ支持ステーである。
前記左右のメインビーム88のうち左側のメインビーム88の前側部分には刈取上下シリンダステー92を設ける。刈取上下シリンダステー92には刈取部4を上下させる刈取上下シリンダ93の基部を取付ける。
この場合、刈取上下シリンダステー92はホイルパイプ支持ステー91の上方内側に配置しているので、刈取上下シリンダステー92の下方は開放された空間に形成でき、刈取上下シリンダステー92による泥だまりや藁だまりの発生を防止する。
しかして、機体フレーム1には、作業者が搭乗して袋詰め作業等を行うキャリア94を設ける。キャリア94は、その前後面の内側部分を機体フレーム1に設けたキャリア支点部95に取付回動軸96により回動自在に取付ける。キャリア94の取付回動軸96の近傍にはキャリア張り出し部97を設ける。
【0015】
キャリア張り出し部97は、機体前後方向においてキャリア支点部95と略同じ前後位置に位置させるように配置する。
即ち、キャリア張り出し部97は、キャリア94を略水平の作業位置から起立させた格納位置に回動させたとき、キャリア支点部95と平面視重なるように設け、キャリア94が作業位置と格納位置の夫々に位置するとき、キャリア張り出し部97がキャリア支点部95に当接して、キャリア94の回動を停止させるように構成する。
したがって、キャリア張り出し部97により作業位置と格納位置の両方のストッパ機構を兼用でき、安価にできる。
この場合、キャリア張り出し部97は、キャリア94に位置調節自在に取付け、キャリア張り出し部97のキャリア支点部95に対する位置を変更調節可能に構成する。
【0016】
即ち、キャリア張り出し部97は、例えば、ボルト等の取付具98により左右上下に取付位置を変更可能にして、キャリア支点部95との当たる位置を変更し、作業位置の傾斜状態や格納位置の起立状態の角度を変更調節する。
したがって、キャリア94の製造精度や組付状態のバラツキに対して、調整により対応が可能となる。また、キャリア94が格納位置で倒れたきた場合の再調整が可能となる。また、キャリア94の開閉角度の調節も可能となって、作業性を向上させる。
また、前記キャリア支点部95は機体フレーム1の横枠86の側面および下面に当接して取付ける。したがって、キャリア支点部95は強固にキャリア94を支持する。
この場合、キャリア支点部95の上面(上縁)は、横枠86の上面より上方に突出しないように構成する。
【0017】
したがって、袋詰めした穀粒袋がキャリア支点部95に引っ掛かるのを防止して、穀粒袋の損傷を防止する。
同様に、キャリア張り出し部97の上面(上縁)は、キャリア94の上面より上方に突出しないように構成する。
したがって、袋詰めした穀粒袋がキャリア支点部95に引っ掛かるのを防止して、穀粒袋の損傷を防止する。
【0018】
(実施例の作用)
エンジン15を始動して、走行装置2により走行し、走行中に刈取部4で刈取った穀稈を脱穀装置3で脱穀する。
エンジン15を始動すると、ファン68が回転し、エンジン側部カバー55および防塵ネット45から外気を吸引し、吸引した外気はラジエーター16を通過してエンジン15の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン15の外周を冷却しながら吹き抜ける。
この場合、防塵ネット45は、ネット枠体46の上部の係合部48を設け、係合部48を枠体20の固定側係合部49に係合させているだけであるから、エンジン側部カバー55を完全に開かなくても、作業者の手が入る分だけ、開ければ手を差し入れて、次に、防塵ネット45を係合部48が固定側係合部49から外れるだけわずかに上動させると、防塵ネット45は枠体20から外れ、取り出して、防塵ネット45のメンテナンスを行うことができる。
【0019】
即ち、係合部48は下向きに開口した鈎型形状に形成しているから、横方向の動きについては係合保持するが、上方移動させると係合が外れる。
したがって、特別な工具を用いることなく、簡単に防塵ネット45を着脱でき、メンテナンスを容易にすることができる。
また、内側枠体20とネット枠体46とは、係合部48および固定側係合部49とにより係合係止させるように構成し、所謂嵌合溝とレールといった嵌め合いの取付構成を廃止しているから、取付構成を安価にできる。
【0020】
しかして、防塵ネット45のネット枠体46と枠体20とは、夫々板状の平面部57を形成し、それぞれの平面部57が隙間なく当接するように構成しているから、エンジン側部カバー55を閉じると、防塵ネット45のネット枠体46が枠体20に密着し、ゴミや藁屑の進入を防止して、防塵効果を向上させる。
また、図11のように、枠体20とネット枠体46の夫々の平面部57の何れか一方に弾性部材により形成した当接部材58を設けると、一層、枠体20とネット枠体46との隙間が少なくなって密着し、防塵効果を向上させる。
しかして、防塵ネット45の外側にエンジン側部カバー55を設け、エンジン側部カバー55は回動自在に取付け、閉じたとき、防塵ネット45のネット枠体46を枠体20に押し付けるように構成すると、防塵ネット45と枠体20との間の隙間を無くして、一層、防塵効果を向上させる。
【0021】
しかして、オイルクーラー21は、ラジエーター15に支持体27により回動自在に取付けているから、固定用部材31を外すと、オイルクーラー21は支持体27と一体に取付軸26中心に外側回動し、オイルクーラー21とラジエーター16の両者の周囲の広い空間を形成でき、オイルクーラー21のみならず、ラジエター16のメンテナンスが容易にできる。
この場合、支持体27はオイルクーラー21を支持しうる剛性を有して構成しているから、外側回動したオイルクーラー21をそのまま支持する。
したがって、メンテナンス作業中にオイルクーラー21を所定位置に位置させることができ、不用意な破損を防止でき、また、オイルクーラー21に接続した接続ホース35の変形も最小限ですみ、耐久性を低下させない。
【0022】
しかして、オイルクーラー21の下部には下側取付枠22を取付け、下側取付枠22には支持部材23の上部を固定状態に取付け、支持部材23の下部は前後方向の横軸24に固定し、横軸24の前後両側には取付部材25の上部を固定し、取付部材25の下部は枠体20に取付軸26により外側へ回動自在に取付け、支持体27は下側取付枠22と支持部材23と横軸24と取付部材25により構成しているから、簡素に構成でき、ラジエーター15への通風の抵抗とならない。
また、オイルクーラー21の上側取付枠30は枠体20の上部に蝶ナットやノブボルトと言った一つの固定用部材31により固定しているから、一つの固定用部材31を外すと、オイルクーラー21を外側回動させることができる。
しかして、前記支持体27には回動規制機構Kを設けているから、外側回動したオイルクーラー21は回動規制機構Kによりそのままの傾倒角度で保持される。
そのため、オイルクーラー21を保持するのが不要になって、オイルクーラー21とラジエーター16のメンテナンス作業を容易にする。
【0023】
回動規制機構Kは、オイルクーラー21とラジエーター16(枠体20)側との何れか一方にオイルクーラー21の回動を規制する回動規制ストッパ32を設け、オイルクーラー21とラジエーター16(枠体20)側との何れか他方に回動規制ストッパ32が係合する係合部34を設けて構成しているから、オイルクーラー21を回動させると、係合部34と回動規制ストッパ32とが当接し、オイルクーラー21の回動を規制する。
実施例では、取付部材25に凹部33を形成し、凹部33の両側に係合部34を設け、前記凹部33内に回動規制ストッパ32を位置させ、回動規制ストッパ32は枠体20に固定しているから、簡素に構成できる。
そして、オイルクーラー21を外側回動させると、内側係合部34が回動規制ストッパ32に当接し、オイルクーラー21の外側回動を規制する。
また、オイルクーラー21を内側回動させると、外側係合部34が回動規制ストッパ32に当接し、オイルクーラー21の内側回動を規制し、オイルクーラー21がラジエーター16に衝撃的に当たるのを防止する。
【0024】
また、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】オイルクーラー付近の斜視図。
【図3】エンジン付近の背面図。
【図4】同一部拡大図。
【図5】同側面図。
【図6】オイルクーラー付近の側面図。
【図7】同背面図。
【図8】回動規制ストッパの正面図。
【図9】回動規制ストッパの作動状態図。
【図10】防塵ネットの他の実施例断面図。
【図11】防塵ネットの他の実施例断面図。
【図12】エンジン付近の平面図。
【図13】エンジン付近の側面図。
【図14】エンジン付近の正面図。
【図15】エンジン付近の側面図。
【図16】エアクリーナー付近の側面図。
【図17】同正面図。
【図18】機体フレームの側面図。
【図19】同正面図。
【図20】同平面図。
【図21】キャリア付近の背面図。
【図22】同平面図。
【図23】同拡大背面図。
【符号の説明】
【0026】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取部4、5…穀粒袋詰め用ホッパー、7…操縦部、10…座席、15…エンジン、16…ラジエーター、17…縦フレーム、20…枠体、21…オイルクーラー、22…下側取付枠、23…支持部材、24…横軸、25…取付部材、26…取付軸、30…上側取付枠、31…固定用部材、32…回動規制ストッパ、33…凹部、34…係合部、45…防塵ネット、46…ネット枠体、47…網体、48…係合部、49…固定側係合部、55…エンジン側部カバー、57…平面部、58…当接部材、60…取付軸、65…防塵スクリーン、68…ファン、70…シュラウド、71…ラジエターフレーム、73…ベルト、74…発電機、82…プレエアクリーナ、83…支持筒、84…一番揚穀装置、85…ステー、86…横枠、87…縦枠、88…メインビーム、89…フレームフット、90…転輪フレーム、92…刈取上下シリンダステー、93…刈取上下シリンダ、91…ホイルパイプ支持ステー、94…キャリア、95…キャリア支点部、96…取付回動軸、97…キャリア張り出し部、98…取付具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)の前方に刈取部(4)を、走行装置(2)の上方に脱穀装置(3)および穀粒袋詰め用ホッパー(5)を、夫々設け、前記穀粒袋詰め用ホッパー(5)の前側に操縦部(7)を設け、該操縦部(7)の座席(10)の下方にはエンジン(15)を設け、該エンジン(15)の冷却用ファン(68)の外側にはラジエーター(16)を設け、ラジエーター(16)の外側には枠体(20)を設け、該枠体(20)内にはオイルクーラー(21)を設け、該オイルクーラー(21)は剛性を有する支持体(27)を介して枠体(20)の下側部分の取付軸(26)中心に外側回動自在に構成すると共に、前記オイルクーラー(21)は、回動規制機構(K)により回動を規制する構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記回動規制機構(K)は、オイルクーラー(21)と固定側との何れか一方に前記オイルクーラー(21)の回動を規制する回動規制ストッパ(32)を設け、オイルクーラー(21)と固定側との何れか他方に回動規制ストッパ(32)が係合する係合部(34)を設けて構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項2において、前記オイルクーラー(21)は、支持部材(23)の上部に固定状態に取付け、該支持部材(23)の下部は前後方向の横軸(24)に固定し、該横軸(24)の前後両側には取付部材(25)の上部を固定し、取付部材(25)の下部は枠体(20)に取付軸(26)により外側へ回動自在に取付け、前記取付部材(25)に凹部(33)を形成し、凹部(33)の両側に係合部(34)を設け、前記凹部(33)内に回動規制ストッパ(32)を位置させて前記回動規制機構(K)を構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項1】
走行装置(2)の前方に刈取部(4)を、走行装置(2)の上方に脱穀装置(3)および穀粒袋詰め用ホッパー(5)を、夫々設け、前記穀粒袋詰め用ホッパー(5)の前側に操縦部(7)を設け、該操縦部(7)の座席(10)の下方にはエンジン(15)を設け、該エンジン(15)の冷却用ファン(68)の外側にはラジエーター(16)を設け、ラジエーター(16)の外側には枠体(20)を設け、該枠体(20)内にはオイルクーラー(21)を設け、該オイルクーラー(21)は剛性を有する支持体(27)を介して枠体(20)の下側部分の取付軸(26)中心に外側回動自在に構成すると共に、前記オイルクーラー(21)は、回動規制機構(K)により回動を規制する構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記回動規制機構(K)は、オイルクーラー(21)と固定側との何れか一方に前記オイルクーラー(21)の回動を規制する回動規制ストッパ(32)を設け、オイルクーラー(21)と固定側との何れか他方に回動規制ストッパ(32)が係合する係合部(34)を設けて構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項2において、前記オイルクーラー(21)は、支持部材(23)の上部に固定状態に取付け、該支持部材(23)の下部は前後方向の横軸(24)に固定し、該横軸(24)の前後両側には取付部材(25)の上部を固定し、取付部材(25)の下部は枠体(20)に取付軸(26)により外側へ回動自在に取付け、前記取付部材(25)に凹部(33)を形成し、凹部(33)の両側に係合部(34)を設け、前記凹部(33)内に回動規制ストッパ(32)を位置させて前記回動規制機構(K)を構成したことを特徴とするコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
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【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2009−13794(P2009−13794A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173220(P2007−173220)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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