説明

コンバイン

【課題】給油作業時には給油タンクが載置可能な使用位置をとり且つ非給油時には格納位置をとり得るタンク載置台を備えたコンバインであって、格納位置に位置された際における前記タンク載置台の機体外方への張り出しを可及的に防止し得るコンバインを提供する。
【解決手段】タンク載置台8は、機体幅方向一方側Y1へ突出した状態で補給用の給油タンク9を載置可能な使用位置P1と、排出通路600の前壁910及び第1側壁620と選別室400の機体幅方向一方側Y1の側壁55を後方に延長した仮想延長面55aとで画される空間Sを利用して、前記タンク載置台8のアーム部82が基端部から先端部へ行くに従って機体幅方向内方に位置するような傾斜状に格納される格納位置P2とをとり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動選別装置が収容される選別室と、前記選別室の後端部に設けられた選別排出口に連通され、前記選別排出口を介して送られてくる不要物を機外に案内する排出通路と、機体長手方向に関し前記選別室及び前記排出通路の間において機体幅方向一方側に配置された燃料タンクとを備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインに収納姿勢及び倒伏姿勢をとり得るタンク載置台を備えることが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
詳しくは、前記特許文献1には、機体フレームにブラケットを立設し、グレンタンクに沿うように起立された収納姿勢及び前記グレンタンクから略水平に外方へ延在された倒伏姿勢をとり得るように前記ブラケットにタンク載置台を揺動可能に支持させる構成が開示されている。
【0003】
前記特許文献1に記載の構成は、前記タンク載置台を倒伏姿勢とすることで燃料タンクへの給油作業時に給油タンクを前記燃料タンクの近傍に位置させることができるとともに、前記タンク載置台を収納姿勢とすることで非給油作業時に前記タンク載置台が邪魔になることをある程度は防止することができる。
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に記載の構成においては、収納姿勢に位置させたとしても前記タンク載置台の全体が、選別室及び排出通路等を形成する機枠体やグレンタンクより機体外方に位置することになり、非給油時における前記タンク載置台の張り出しを十分には解消しきれていない。
即ち、前記機体フレームには前記機枠体や前記グレンタンクが載置されるが、前記特許文献1に記載の構成においては、前記機体フレームに前記機枠体及びグレンタンクを支持する領域から外方へ延在された延在領域が設けられており、前記延在領域に前記ブラケットが立設されている。
従って、前記タンク載置台を収納姿勢に位置させたとしても、前記機体フレームの前記延在領域、前記ブラケット及び前記タンク載置台が前記機枠体及び前記グレンタンクに対して機体外方に位置することになる。
【特許文献1】特開2000−238543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、給油作業時には給油タンクが載置可能な使用位置をとり且つ非給油時には格納位置をとり得るタンク載置台を備えたコンバインであって、格納位置に位置された際における前記タンク載置台の機体外方への張り出しを可及的に防止し得るコンバインの提供を一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンバインは、扱胴が収容される扱室と、前記扱室の下方に配設され、揺動選別装置が収容される選別室と、前記選別室の後端部に設けられた選別排出口に連通され、前記選別排出口を介して送られてくる不要物を機外に案内する排出通路と、機体長手方向に関し前記選別室及び前記排出通路の間において機体幅方向一方側に配置された燃料タンクとを備えている。
前記排出通路は、前壁と、機体幅方向一方側の第1側壁と、機体幅方向他方側の第2側壁とを有している。
さらに、前記第1側壁は、上端側から下端側へ向かうに従って機体幅方向内方側へ位置するように傾斜されている。
前記コンバインは、前記燃料タンクの後方において機体に直接又は間接的に支持されたタンク載置台であって、軸線回り回転可能に支持される回動部と、前記回動部から該回動部の軸線を基準にして径方向外方へ延びるアーム部とを有するタンク載置台を備えている。
そして、前記タンク載置台は、機体幅方向一方側へ突出した状態で補給用の給油タンクを載置可能な使用位置と、前記排出通路の前壁及び第1側壁と前記選別室の機体幅方向一方側の側壁を後方に延長した仮想延長面とで画される空間を利用して、前記アーム部が基端部から先端部へ行くに従って機体幅方向内方に位置するような傾斜状に格納される格納位置とをとり得るように構成される。
【0007】
好ましくは、前記回動部の軸線と略平行な揺動軸線回りに揺動可能に支持された保持部材をさらに備えている。
また、前記アーム部には、前記回動部の軸線に略平行に突設された係合ピンが設けられる。
さらに、前記保持部材には、前記係合ピンが係入されることにより前記タンク載置台を前記使用位置に保持する使用時係合孔と、前記係合ピンが係入されることにより前記タンク載置台を前記格納位置に保持する格納時係合孔とが形成されている。
【0008】
好ましくは、前記排出通路の前記第1側壁は、上端部が機体長手方向に沿った軸線回りに揺動可能に支持されている。
また、前記タンク載置台は、前記格納位置において、前記第1側壁を所定傾斜角度に保持するように前記第1側壁に当接している。
【0009】
好ましくは、前記タンク載置台は、前記アーム部の先端部が前記使用位置より下方且つ機体幅方向外方に位置するステップ位置をとり得るように構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るコンバインによれば、給油タンクによる燃料タンクへの給油時には、前記タンク載置台が燃料タンクの近傍にて機体幅方向外方へ突出されるため、前記タンク載置台に給油タンクを載置することで給油タンクから燃料タンクへの給油を容易に行いつつ、前記給油時以外には、前記排出通路の前壁及び第1側壁と前記選別室の機体幅方向一方側の側壁を後方に延長した仮想延長面とで画される空間を利用して前記タンク載置台が機体幅方向内方へ格納されるため、機体幅方向外方へのタンク載置台の張り出しを可及的に防止することができる。従って、刈取作業時において未刈り穀稈が前記タンク載置台に引っ掛かって傷付くことを有効に防止することができる。
さらに、コンバインの移動時には、前記タンク載置台を前記空間を利用して機体幅方向内方へ格納することができるため、前記タンク載置台が外部の物体に干渉することを有効に防止することができ、これにより、前記タンク載置台の変形又は破損を有効に防止することができる。
【0011】
また、前記タンク載置台に設けられた係合ピンと前記係合ピンが係入される使用時係合孔及び格納時係合孔が形成された保持部材とを備えた場合には、簡単な構成でありながら、前記タンク載置台を前記使用位置及び前記格納位置のそれぞれに確実に保持させることができる。
【0012】
また、前記タンク載置台が、前記格納位置において、前記第1側壁を所定傾斜角度に保持するように前記第1側壁に当接する場合には、前記タンク載置台を前記格納位置に位置させることで前記第1側壁が所定傾斜角度に保持されるため、前記第1側壁の傾斜角を保持する部材を別途要することなく前記第1側壁の傾斜角度を確実に保持させることができる。
【0013】
また、前記タンク載置台が前記アーム部の先端部が前記使用位置より下方且つ機体幅方向外方に位置するステップ位置を取り得る場合には、前記タンク載置台をステップ位置に位置させることにより、前記タンク載置台を足載せ台として利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係るコンバインの好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1から図3は、それぞれ、本発明の第1実施形態に係るコンバイン1を示す斜視図、側面図及び正面図である。なお、図1から図3において、後述するタンク載置台100は、図示を省略してある。
【0015】
<全体構成>
本実施の形態に係る前記コンバイン1は、図1から図3に示すように、機体フレーム2と、前記機体フレーム2に支持された駆動源(図示せず)と、前記機体フレーム2に連結された左右一対のクローラ式走行装置10と、前記駆動源からの回転動力を変速して前記左右一対のクローラ式走行装置10へ出力するトランスミッション(図示せず)と、前記機体フレーム2の機体長手方向(矢符X方向)一方側X1(本実施の形態においては前方側)において前記機体フレーム2に対して昇降可能に支持された刈取・搬送装置30と、前記刈取・搬送装置30によって刈り取られた穀稈を前記機体フレームの機体幅方向(矢符Y方向)一方側Y1(本実施の形態においては左方側)において後方へ搬送するフィードチェーン装置20とを備えている。
さらに、前記コンバイン1は、機体長手方向Xに沿った回転軸線回りに回転する扱胴(図示せず)を有し、前記フィードチェーン装置20によって搬送される穀稈に対して脱穀処理を行うように、機体幅方向一方側Y1に配設された脱穀装置40と、前記脱穀装置40により脱穀された脱穀物に対し揺動選別を行う揺動選別装置50とを備えている。
さらに、前記コンバイン1は、前記揺動選別装置50によって選別された穀粒を収容するグレンタンク6を備えている。前記グレンタンク6は、機体幅方向他方側Y2に位置する運転席5の後方に配設されている。
【0016】
前記刈取・搬送装置30は、穀桿を刈り取る刈取部31と、前記刈取部31によって刈り取られた穀桿を前記フィードチェーン装置20へ搬送する搬送部36とを備えている。
前記刈取部31は、引起ケース及び引起タインを含む引起機構32と、前記引起ケースの下端部から前方へ突出された分草板33と、前記引起ケースの後方に配設された刈刃34とを有している。
また、前記グレンタンク6には、貯留された穀粒を外部に搬出させる穀粒排出機構が設けられている。
前記穀粒排出機構は、前記グレンタンク6の底部に設けられた排出コンベア(図示せず)と、該排出コンベアからの穀粒を上方へ搬送する縦排出オーガ6bと、基端部が前記縦搬出オーガ6bの上端部に連通された横排出オーガ6cとを備えており、前記横排出オーガ6cの先端部に設けられた排出口を介して前記グレンタンク6内の穀粒を外部に排出させるように構成されている。
【0017】
<扱室及び選別室>
図4に、図1から図3に示す前記コンバイン1の内部側面図を示す。
前記コンバイン1は、図4に示すように、前記扱胴が収容される扱室400と、前記扱室400の下方に配設され、揺動選別装置50が収容される選別室500と、前記選別室500の後端部に設けられた選別排出口510に連通され、前記選別排出口510を介して送られてくる不要物を機外に案内する排出通路600とを備えている。
本実施の形態において、前記扱室400及び前記選別室500は、機体幅方向一方側Y1に設けられている。
【0018】
前記扱室400は、前記扱胴を支持する脱穀機枠を有している。
前記脱穀機枠は、前壁401、後壁402、機体幅方向他方側Y2の側壁(右側壁)403を有し、前記前壁401及び前記後壁402に前記扱胴の回動軸が支持される。前記扱室400には、前記脱穀機枠の上方を閉塞する扱室カバー404(図1から図3参照)が設けられている。
前記扱室カバー404は、前記脱穀機枠の機体幅方向一方側端部から下方へ延出されており、前記脱穀機枠の機体幅方向一方側の上方部分も前記扱室カバー404により閉塞される。
前記脱穀機枠の機体幅方向一方側の下方部分は、前記フィードチェーン装置20の内側カバー(図示せず)により閉塞される。
さらに、前記脱穀機枠の下方は、前記選別室500と連通された下方開口405を有している。
前記脱穀機枠には、前記扱胴で脱穀された脱穀物を前記下方開口405を通じて前記選別室500に漏下可能な受網41が設けられている。
以上のように、前記扱室400は、前記脱穀機枠の前記前壁401、前記後壁402及び前記側壁403、並びに前記下方開口405、前記扱室カバー404、及び前記フィードチェーン装置20の内側カバーにより画されている。
【0019】
前記選別室500は、前壁501、左右一対の側壁502(図4においては左側壁は図示を省略している)、底壁503を有している。前記選別室500の上方は、前記扱室400の前記下方開口405と連通する上方開口504を有している。
このように、前記選別室500は、前記前壁501、前記左右一対の側壁502、前記底壁503、前記上方開口504及び前記選別排出口510により画されている。
【0020】
なお、本実施の形態において、前記扱室400の前記前壁401及び前記選別室500の前記前壁501は、機体長手方向略同じ位置に位置されている。さらに、前記扱室400の前記前壁401及び前記選別室500の前記前壁501は、一体的に形成され得る。
また、本実施の形態において、前記扱室400の前記側壁403及び前記選別室500の前記左右一対の側壁502のうち機体幅方向他方側の側壁は、機体幅方向略同じ位置に位置されている。さらに、前記扱室400の前記側壁403及び前記選別室500の前記左右一対の側壁502のうち機体幅方向他方側の側壁は、一体的に形成され得る。
本実施の形態において、前記選別室500の底壁503が前記機体フレーム2に連結される。前記扱室400は、前記選別室500を介して前記機体フレーム2に連結されている。
【0021】
また、本実施の形態において、前記選別室500の選別排出口510は、前記扱室400の前記後壁402に比べて機体長手方向他方側(後方側)X2に位置している。即ち、前記選別室500の上方且つ前記扱室400の後方に空間が設けられている。前記空間には、後述する吸引ファン560が設けられる。さらに、前記空間は、前記フィードチェーン装置20により搬送される穀稈の通路としても利用される。
【0022】
<揺動選別装置>
前記揺動選別装置50は、前記脱穀装置40によって脱穀された脱穀物から一番物及び二番物を選別する揺動選別機構51と、前記揺動選別機構に対して選別風を創出する風選別機構52と、前記揺動選別機構51及び前記風選別機構52によって選別された一番物及び二番物をそれぞれ集約するように機体長手方向に並列配置された一番樋53及び二番樋54とを備えている。
【0023】
前記揺動選別機構51は、さらに、前記扱室400から漏下される脱穀物を受け止めるフィードパン520と、前記扱室400から漏下する脱穀物及び前記フィードパン520から送られてくる脱穀物を受け、該脱穀物を揺動選別するチャフシーブ機構530と、前記チャフシーブ機構530の穀稈搬送方向下流側において前記チャフシーブ機構530と一体的に機体長手方向に揺動するように設けられた再選別機構540とを有している。
【0024】
前記フィードパン520は、前記扱室400から前記受網41を介して漏下する脱穀物を受け止めるとともに、該脱穀物を機体幅方向に拡散させながら前記チャフシーブ機構530へ向けて機体後方側へ搬送するように構成されている。
具体的には、前記フィードパン520は上面が波状に形成された板体とされている。
【0025】
前記チャフシーブ機構530は、前記扱室400から前記受網41を介して漏下する脱穀物及び前記フィードパン520から送られてくる脱穀物に対して比重選別を行い、該脱穀物の一部を下方に位置する前記一番樋53に一番物として漏下させるように構成されている。
【0026】
具体的には、図4に示すように、前記チャフシーブ機構530は、機体幅方向に延びる複数のチャフフィン531であって、間隔を存しつつ機体長手方向に並設された複数のチャフフィン531を有しており、比重選別される脱穀物が前記間隔を通って、下方に配置される前記一番樋53へ漏下するようになっている。
なお、前記複数のチャフフィン531は、下端部が上端部よりも機体長手方向一方側(前方側)X1に位置する後傾斜状態で、それぞれ機体幅方向に沿った枢支軸回りに一体的に揺動可能とされており、駆動機構(図示せず)によって傾斜角を変更することで、前記間隔の開口幅が調整可能とされている。
【0027】
前記再選別機構540は、前記チャフシーブ機構530から送られてくる脱穀物に対して比重選別を行い、前記脱穀物の一部を下方に位置する前記二番樋54に二番物として漏下させるとともに、前記脱穀物のうち排藁等の不要物を機外に搬送するように構成されている。
【0028】
本実施の形態においては、前記再選別機構540としてストローラック機構が採用されている。
具体的には、前記ストローラック機構540は、板面が略垂直に沿った状態で機体長手方向に延びる複数の板状部材541であって、間隔を存しつつ機体幅方向に並設された複数の板状部材541を有しており、前記間隔を介して、前記脱穀物のうち枝梗付き穀粒や穀粒を含む穂切れ物等の比重の大きな脱穀物を二番物として前記二番樋54へ漏下させるようになっている。
なお、前記複数の板状部材541は、それぞれ、上面に搬送用の波形部が形成されており、これにより、排藁等の不要物の後方への搬送を促進させている。
また、前記再選別機構540として、前記ストローラック機構に代えて篩い式選別機構を採用することも可能である。
【0029】
前記風選別機構52は、前記揺動選別機構51に対して選別風を送出するように構成されており、選別風によって前記揺動選別機構51による穀粒の選別を促進させ得るようになっている。
具体的には、前記風選別機構52は、図4に示すように、前記揺動選別機構51に対して前下方から後上方へ抜ける選別風を送出する唐箕ファン550を備えている。
前記唐箕ファン550は、前記チャフシーブ機構530の前方且つ下方において、機体幅方向に沿った唐箕ファン用駆動軸551によって回転駆動される。
【0030】
さらに、本実施の形態においては、図4に示すように、前記風選別機構52は、前記唐箕ファン550からの選別風を吸引して機外に排出させるように、前記扱室400の後方且つ前記選別室500の上方に配置された吸引ファン560を備えている。
前記吸引ファン560は、機体幅方向に沿った回転軸561によって回転駆動される。
【0031】
前記一番樋53は、図4に示すように、前記揺動選別機構51及び前記風選別機構52によって選別された一番物を集約し得るように前記チャフシーブ機構530の下方に配設された側面視凹状とされている。
前記一番樋53に集約された一番物は、機体幅方向に沿うように配設された一番コンベアと、前記一番コンベアの搬送方向下流端部に作動連結された状態で揚穀筒に内挿された揚穀コンベア(何れも図示せず)とを介して、前記グレンタンク6内に収容される。
前記二番樋54は、図4に示すように、前記揺動選別機構51及び前記風選別機構52によって選別された二番物を集約し得るように、前記一番樋53より機体後方側に配設された側面視凹状とされている。
【0032】
前記再選別機構540により前記二番樋54へ漏下せず残留した比重の軽い穀稈等の不要物は、前記選別排出口510を介して前記排出通路600へ導入される。
本実施の形態においては、前記吸引ファン560にて吸引された不要物も前記選別排出口510を介して前記排出通路600へ導入される。
本実施の形態においては、前記選別排出口510は、前記二番樋54の機体長手方向他方側X2の傾斜壁54aより上方に設けられている。
【0033】
<排出通路>
図5に、図1から図3に示す前記コンバイン1の部分後方斜視図を示す。
本実施形態において、前記排出通路600は、図4及び図5に示すように、前壁610と、機体幅方向一方側Y1の第1側壁620と、機体幅方向他方側Y2の第2側壁630とを有している。
本実施の形態において、前記前壁610は、前記選別排出口510の下端部から下方に延びている。
また、前記第1側壁620は、上端側から下端側へ向かうに従って機体幅方向内方側へ位置するように傾斜されている。これにより、前記選別排出口510から排出される不要物が機体幅方向一方側Y1へ広がることを可及的に防止することができる。即ち、前記コンバイン1の機体幅方向一方側Y1の外側方に未刈り穀稈が存在する状態において刈取作業を行う場合であっても前記不要物が未刈り穀稈にかかることが防止されるため、次回以降に前記未刈り穀稈を刈り取る際に前記不要物が前記刈取・搬送装置30に入り込んで詰まり等を生じさせることを防止することができる。
【0034】
<燃料タンク>
本実施の形態において、前記コンバイン1は、図4及び図5に示すように、機体長手方向に関し前記選別室500及び前記排出通路600の間において機体幅方向一方側Y1に配置された燃料タンク7を備えている。
詳しくは、前記燃料タンク7は、前記二番樋54の前記傾斜側壁54aと、前記排出通路600の前記前壁610と、前記選別室500の前記底壁503とで画された空間を利用して配設されている。
前記燃料タンク7には、機体幅方向一方側Y1に給油口70が設けられている。
詳しくは、前記燃料タンク7は、燃料タンク本体71と、基端部が前記燃料タンク本体71に連結され、先端部が前記燃料タンク本体71より上方且つ機体幅方向一方側Y1に位置するように配設された給油筒72と、前記給油筒72の先端部に設けられた前記給油口70とを有している。
【0035】
本実施の形態においては、前記コンバイン1は、前記フィードチェーン装置20の機体幅方向一方側Y1を覆うフィードチェーンカバー21を有している。さらに、前記コンバイン1は、前記選別室500の前記左右一対の側壁502のうち機体幅方向一方側Y1の側壁の外方を覆う下部カバー55を有している。即ち、前記下部カバー55は、前記選別室500の機体幅方向一方側Y1の外側壁を構成している。
詳しくは、前記下部カバー55は、前記揺動選別機構51を駆動する伝動機構を覆う選別伝動カバーとされている。前記下部カバー55は、前記燃料タンク7を基準にして機体長手方向一方側X1に配置されている。
【0036】
前記フィードチェーンカバー21は、前記下部カバー55より機体幅方向一方側Y1に位置する。詳しくは、前記フィードチェーンカバー21は、前記コンバイン1の機体幅方向に関し最も一方側Y1に位置する。
本実施の形態において、前記給油口70は、前記フィードチェーンカバー21の下方且つ前記下部カバー55より機体幅方向一方側Y1に位置している。
【0037】
<タンク載置台>
図6及び図7に、本実施の形態に係る前記コンバイン1におけるタンク載置台近傍の部分背面図及び部分側面図を示す。
本実施の形態において、前記コンバイン1は、図2及び図4から図7に示すように、前記燃料タンク7の後方において機体に直接又は間接的に支持されたタンク載置台8を備えている。
前記タンク載置台8は、図6に示すように、軸線回り回転可能に支持される回動部81と、前記回動部81から該回動部81の軸線を基準にして径方向外方へ延びるアーム部82とを有している。
【0038】
前記タンク載置台8は、図6及び図7に示すように、機体幅方向一方側Y1へ突出した状態で補給用の給油タンク9を載置可能な使用位置P1と、前記排出通路600の前壁610及び第1側壁620と前記選別室500の機体幅方向一方側Y1の側壁(本実施の形態においては、前記下部カバー55)を後方に延長した仮想延長面55aとで画される空間Sを利用して、前記アーム部82が基端部から先端部へ行くに従って機体幅方向内方に位置するような傾斜状に格納される格納位置P2とをとり得るように構成されている。
なお、図6及び図7においては、前記使用位置P1における前記タンク載置台8を実線で示し、前記格納位置P2における前記タンク載置台8を二点鎖線で示す。
【0039】
上記構成を備えた前記コンバイン1によれば、給油タンク9による前記燃料タンク7への給油時には、前記タンク載置台8を前記使用位置P1に位置させることで、前記タンク載置台8が燃料タンク7の近傍にて機体幅方向外方へ突出されるため、前記タンク載置台8に給油タンク9を載置することで給油タンク9から前記燃料タンク7への給油を容易に行いつつ、前記給油時以外には、前記タンク載置台8を前記格納位置P2に位置させることで、前記排出通路600の前壁610及び第1側壁620と前記選別室500の前記下部カバー55を後方に延長した仮想延長面55aとで画される空間Sを利用して前記タンク載置台8が機体幅方向内方へ格納されるため、機体幅方向外方へのタンク載置台8の張り出しを可及的に減少させることができ、刈取作業時において未刈り穀稈が前記タンク載置台8に引っ掛かって傷付くことを防止することができる。
さらに、前記コンバイン1の移動時には、前記タンク載置台8を前記空間Sを利用して機体幅方向内方へ格納することができるため、前記タンク載置台8が外部の物体に干渉することを有効に防止することができ、これにより、前記タンク載置台8の変形又は破損を有効に防止することができる。
【0040】
本実施の形態において、前記タンク載置台8は、機体長手方向Xに沿った軸線回りに回動可能に支持されている。
前記タンク載置台8は、前記使用位置P1から前記アーム部82を前記回動部81の軸線回り下方側へ回動させることにより、前記格納位置P2に位置し得る。
本実施の形態において、前記コンバイン1は、基端部が機体幅方向一方側Y1において機体に直接又は間接的に固定される固定フレーム80を有する。そして、前記タンク載置台8は、前記固定フレーム80に前記回動部81の軸線回りに回動可能に支持されている。
なお、本実施の形態においては、前記タンク載置台8が機体長手方向Xに沿った軸線回りに回動可能に支持された構成について説明するが、使用位置において前記給油タンク9が載置可能であり且つ格納位置において前記空間Sを利用して前記タンク載置台8が格納される限り、これに限られない。
即ち、例えば、前記タンク載置台8は、平面視において機体長手方向一方側X1から他方側X2へ行くに従って機体幅方向一方側Y1又は他方側Y2に位置するような軸線回りに回動可能に支持されてもよい。
【0041】
本実施の形態において、前記タンク載置台8は、図7に示すように、一対のアーム部82F,82Rを有している。さらに、前記タンク載置台8は、前記一対のアーム部82F,82Rをそれぞれ回動可能に支持する一対の回動部81F,81Rを有する。
前記一対のアーム部82F,82Rは、前記タンク載置台8の前記使用位置P1において、前記給油タンク9の載置面を形成する。
このように、前記タンク載置台8のタンク載置面が前記一対のアーム部82F,82Rにより形成されているため、図7に仮想線で示すように、前記一対のアーム部82F,82Rの間に給油タンク9の角を位置させることにより、前記タンク載置台8に給油タンク9を傾けて載置させることも可能である。これにより、給油タンク9内の燃料が残り少なくなった場合でも前記燃料タンク7へ供給し易くすることができる。
【0042】
さらに、前記タンク載置台8は、図7に示すように、前記一対のアーム部82F,82Rの間を連結する第1連結部83を有している。
詳しくは、前記第1連結部83は、前記一対のアーム部82F,82Rの先端部同士を連結している。
本実施の形態においては、前記一対のアーム部82F,82R及び前記第1連結部83が一体的に成形されている。
前記タンク載置台8は、前記使用位置P1において前記一対のアーム部82F,82Rの先端側領域82dが基端側領域82pより上方へ位置するように、折曲されている。これにより、前記使用位置P1において給油タンク9を安定保持することができる。
さらに、前記タンク載置台8は、前記使用位置P1において、前記一対のアーム部82F,82Rが基端部より先端部に行くに従ってわずかに高い位置に位置するように構成されており、これによっても前記使用位置P1において給油タンク9を安定保持することができる。
【0043】
前記タンク載置台8は、図6及び図7に示すように、前記使用位置P1において給油タンク載置面高さが前記燃料タンク7の上面高さより高くなるように位置される。より好ましくは、前記給油口70の高さより高くなるように位置される。
この構成により、給油タンク9を前記タンク載置台8に載置した際、前記給油タンク9内の燃料の液面が常に前記燃料タンク7内の燃料の液面より高くなるため、サイフォン式手動ポンプ等を用いることにより、サイフォンの原理を有効に利用して前記給油タンク9内の燃料を前記燃料タンク7へ簡単に供給することができる。
さらに、前記タンク載置台8は、前記格納位置P2において前記クローラ式走行装置10の上端部より上側に位置される。これにより、泥等の付着を防止することができ、また、前記タンク載置台8が外部の物体に干渉することを有効に防止することができ、これにより、前記タンク載置台8の変形又は破損を有効に防止することができる。
本実施の形態において、前記タンク載置台8は、図2及び図7に示すように、前記燃料タンク7より向かって右側に配置されるため、右利きの作業者が給油タンク9を右手で作業することができるため、給油作業をより容易に行うことができる。
【0044】
<排藁処理装置>
本実施の形態において、前記コンバイン1は、図4から図7に示すように、前記扱室400の後方且つ前記排出通路600の上方に配設された排藁処理装置11を有し得る。本実施の形態において、前記排藁処理装置11は、前記フィードチェーン装置20により搬送された脱穀済みの穀稈を所定の長さに裁断する排藁カッタとされている。
なお、前記排藁処理装置11は、前記排藁カッタに替えて又は加えて、例えば、排藁排出装置(ドロッパ)、及び/又は結束装置としてもよい。
【0045】
前記排藁カッタ11は、図4に示すように、上方から脱穀済み穀稈を導入する導入口111と、裁断後の藁屑を排出する排出口112とを有している。
前記排藁カッタ11は、機体幅方向Yに沿った第1回転軸回りに回転可能な第1カッタであって、機体幅方向に沿って所定間隔毎に配設された複数の回転刃を有する第1カッタと、前記第1回転軸に略平行な第2回転軸回りに回転可能な第2カッタであって、機体幅方向に沿って所定間隔毎に配設された複数の回転刃を有する第2カッタとを備えている。
前記第1カッタの複数の回転刃と前記第2カッタの複数の回転刃とは、側面視において互いにオーバラップした状態で機体幅方向に交互に配置されている。さらに、前記第1及び第2カッタは、互いに異なる周速度で回転するように構成されている。
【0046】
本実施の形態において、前記排出通路600は、前記選別室500の前記選別排出口510に加えて前記排藁処理装置11の排出口112にも連通されている。
前記排藁処理装置11は、機体に対し機体幅方向他方側Y2に位置された垂直軸(図示せず)回りに揺動可能に支持されている。
【0047】
<載置台取付構造>
本実施の形態において、前記タンク載置台8は、図6及び図7に示すように、前記排藁処理装置11を介して間接的に機体に支持されている。
詳しくは、前記タンク載置台8は、前記固定フレーム80を介して前記排藁処理装置11に支持されている。
本実施の形態において、前記固定フレーム80は、前記選別室500の機体幅方向一方側Y1の外側壁(前記下部カバー55)より機体内方に配置された状態で前記排藁処理装置11に吊り下げ支持される。
詳しくは、前記固定フレーム80は、上端部が前記排藁処理装置11を構成するフレーム110の機体幅方向一方側Y1の端部且つ前記フレーム110の下端部に固定される。
また、本実施の形態において、前記第1側壁620は、図6及び図7に示すように、前記排藁処理装置11のフレーム110の下端部に前記固定フレーム80と共締め固定されている。
前述のように、前記固定フレーム80は、前記選別室500の機体幅方向一方側Y1の外側壁より機体内方且つ前記第1側壁620の上端部より下方に位置している。従って、前記固定フレーム80は、背面視において前記空間S内に位置している。
さらに、前記固定フレーム80は、前記排藁処理装置11の機体長手方向両端部より内方に配設されている。従って、前記固定フレーム80は、側面視においても前記空間S内に位置している。
【0048】
前記固定フレーム80は、図7に示すように、前記排藁処理装置11のフレーム110の下端部に固定される機体長手方向に沿った固定部801と、前記固定部801から下方に延出される一対の支持部802F,802Rであって、前記一対のアーム部82F,82Rが前記回動部81F,81Rの軸線回りに回動可能に支持される一対の支持部802F,802Rとを有している。
前記タンク載置台8の前記回動部81F,81Rは、前記固定フレーム80の前記一対の支持部802F,802Rに支持されるため、前記タンク載置台8の前記回動部81F,81Rも前記空間S内に配設されている。
【0049】
前記排出通路600は、図4、図6及び図7に示すように、前記排藁処理装置11の機体長手方向他方側X2の端部から下方に延びる後壁640を有している。前記排出通路600の後壁640は、可撓性部材により形成された一般的なゴム垂れとされている。
なお、図5においては、前記後壁640は、図示を省略している。
また、本実施の形態において、前記排出通路600の前記第1側壁620は、可撓性部材により形成されている。
さらに、前記第1側壁620は、機体長手方向他方側X2の端部においてブラケット650を介して前記後壁640と連結されている。
詳しくは、前記後壁640には、図6に示すように、固定孔641が設けられており、ボルト等の締結部材642が前記固定孔641を通じて前記ブラケット650に固定されることにより、前記第1側壁620と前記後壁640とが連結される。
なお、本実施の形態において、前記後壁640には、前記第1側壁620の傾斜角度を変更可能とするための複数の固定孔641a,641b,641cが設けられている。
【0050】
<保持構造>
本実施の形態において、前記コンバイン1は、前記タンク載置台8の前記回動部81の軸線と略平行な揺動軸線(後述する揺動軸120)回りに揺動可能に支持された保持部材12をさらに備えている。
また、前記タンク載置台8の前記アーム部82には、前記回動部81の軸線に略平行に突設された係合ピン84が設けられている。
さらに、前記保持部材12には、前記係合ピン84が係入されることにより前記タンク載置台8を前記使用位置P1に保持する使用時係合孔121と、前記係合ピン84が係入されることにより前記タンク載置台8を前記格納位置P2に保持する格納時係合孔122とが形成されている。
【0051】
詳しく説明すると、前記保持部材12の前記揺動軸120は、前記回動部81の軸線に対して偏心された位置で、前記回動部81の軸線に対して平行とされ、これにより、前記保持部材12の揺動軌跡(前記使用時係合孔121の揺動軌跡E1及び前記格納時係合孔122の揺動軌跡E2)と前記タンク載置台8の揺動軌跡E8(前記係合ピン84の揺動軌跡E4)とが異なるようになっている。
前記保持部材12は、前記揺動軸120(及び前記回動部81の軸線)に沿って視た際に(図6に示すように)、少なくとも前記使用位置P1及び前記格納位置P2に位置された前記タンク載置台8とオーバーラップし得るように前記揺動軸120回り回動可能とされている。
そして、前記使用時係合孔121は、前記タンク載置台8が前記使用位置P1に位置された状態において前記揺動軸120に沿って視た際に前記係合ピン84とオーバーラップする位置に設けられ、前記格納時係合孔122は、前記タンク載置台8が前記格納位置P2に位置された状態において前記揺動軸120に沿って視た際に前記係合ピン84とオーバーラップする位置に設けられている。
【0052】
前述の通り、前記タンク載置台8及び前記保持部材12の揺動軌跡が異なっているため、前記係合ピン84が前記使用時係合孔121又は前記格納時係合孔122に係入されると、前記タンク載置台8及び前記保持部材12はその位置に保持される。
従って、上記構成を有することにより、簡単な構成でありながら、前記タンク載置台8を前記使用位置P1及び前記格納位置P2のそれぞれに確実に保持させることができる。
【0053】
本実施の形態において、前記係合ピン84は、前記一対のアーム部82F,82Rのうち機体長手方向他方側X2のアーム部82Rに設けられている。さらに、前記係合ピン84は、前記アーム部82Rより機体長手方向他方側X2に延びている。
また、前記使用時係合孔121及び前記格納時係合孔122は、前記タンク載置台8の前記回動部81の軸線に略直交する面に形成されている。
【0054】
好ましくは、前記保持部材12は、前記固定フレーム80とは別に前記排藁処理装置11のフレーム110に直接支持される(前記保持部材12は、前記固定フレーム80には支持されない)こととしてもよい。これにより、前記タンク載置台8は、前記固定フレーム80及び前記保持部材12の双方を介して前記排藁処理装置11のフレーム110に支持される。従って、前記保持部材12が前記固定フレーム80に支持される構成に比べて、前記排藁処理装置11に前記タンク載置台8をより強固に支持させることができる。
また、前記タンク載置台8及び前記保持部材12が何れも前記排藁処理装置11に支持されるため、メンテナンス時等において、前記排藁処理装置11を前記垂直軸回りに回動させる際に、前記タンク載置台8及び/又は前記保持部材12を取り外す必要がなく、作業性が低下することを防止することができる。
さらに、前記排藁処理装置11を前記垂直軸回りに回動させた際に、前記タンク載置台8を前記第1連結部83が下方を向くように位置させることにより、前記タンク載置台8を前記排藁処理装置11の機体幅方向一方側Y1を支えるスタンドとすることも可能である。
【0055】
本実施の形態において、前記保持部材12は、前記揺動軸線方向移動可能且つ前記アーム部82に近接する方向に付勢されるように構成されている。
好ましくは、前記保持部材12は、図7に示すように、前記排藁処理装置11の機体長手方向他方側X2から前記排藁処理装置11のフレーム110へ向けて付勢された状態で支持される。
詳しくは、前記保持部材12は、前記排藁処理装置11のフレーム110の後端部に機体長手方向Xに沿った状態で支持された前記揺動軸120と、前記使用時係合孔121及び前記格納時係合孔122を有し、前記揺動軸120回り揺動可能に支持された保持部材本体123と、機体長手方向他方側X2の端部が前記揺動軸120の機体長手方向他方側X2の端部に固定され且つ機体長手方向一方側X1の端部が保持部材本体123に係合された状態で、前記揺動軸120に外挿された付勢部材(コイルスプリング)124とを有している。
前記使用時係合孔121及び前記格納時係合孔122は、前記保持部材本体123の長手方向に沿って形成されている。
【0056】
本実施の形態において、前記揺動軸120は、前記排藁処理装置11のフレーム110にブラケット125を介して支持されている。
本実施の形態において、前記ブラケット125は、基端部が前記フレーム110の機体長手方向他方側X2の端部(後端部)に固定され、先端部が機体幅方向一方側Y1に延びており、前記先端部が前記揺動軸120を支持するように構成されている。
前記ブラケット125は、図6に示すように、前記固定フレーム80より上方且つ前記フィードチェーンカバー21の機体幅方向一方側Y1の外側面より機体幅方向内方に位置している。
また、前記ブラケット125に基端部が支持される前記保持部材12は、図2に示すように、先端部が前記機体フレーム2より上方に位置される。従って、前記タンク載置台8が前記格納位置P2に位置した際には、前記保持部材12は、前記空間S又は前記フィードチェーンカバー21より機体幅方向内方に位置されるため、前記保持部材12についても機体幅方向外方への張り出しを可及的に防止することができる。
なお、前記付勢部材124を用いる代わりに、前記保持部材本体123自身が板ばね等の弾性を有する材料で形成されてもよい。
【0057】
上記構成によれば、前記係合ピン84を前記使用時係合孔121又は前記格納時係合孔122に係入させる際、前記保持部材本体123を前記付勢部材124の付勢力に抗して前記係合ピン84の先端部(後端部)より機体長手方向他方側X2へ位置させつつ、前記タンク載置台8を前記回動部81F,81Rの軸線回りに回動させることにより、背面視において前記係合ピン84上に前記使用時係合孔121又は前記格納時係合孔122を位置させることができる。
また、前記係合ピン84が前記使用時係合孔121又は前記格納時係合孔122に係入された状態においては、前記付勢部材124の付勢力によって前記保持部材12が前記アーム部82Rへ向けて付勢されるため、前記係合ピン84の係入状態を確実に保持することができる。
【0058】
本実施の形態において、機体長手方向一方側X1の前記アーム部82Fは、機体長手方向一方側X1の前記支持部802Fと、ボルト等により互いに摩擦が生じた状態で回動可能に支持される一方、機体長手方向他方側X2の前記アーム部82Rは、機体長手方向他方側X2の前記支持部802Rと、ピン等により互いに滑らかに回動可能に支持される。
これにより、前記回動部81F及び前記保持部材12により、前記タンク載置台8が両端側から保持されることになるため、前記タンク載置台8を前記使用位置P1又は前記格納位置P2に確実に保持しつつ、前記回動部81Rにおいては前記アーム部82Rが滑らかに回動可能であるため、前記タンク載置台8の位置変更をスムーズに行うことができる。
【0059】
<ステップ位置>
前述の通り、前記タンク載置台8は、前記使用位置P1から前記アーム部82を前記回動部81の軸線回り下方側へ回動させることにより、前記格納位置P2に位置し得る。
このため、前記タンク載置台8を前記アーム部82の先端部が前記使用位置P1より下方且つ機体幅方向外方に位置した状態とすることにより、前記タンク載置台8を足載せ台としても利用することができる。
【0060】
この点を鑑みて、本実施の形態においては、前記タンク載置台8は、図6に示すように、前記アーム部82の先端部が前記使用位置P1より下方且つ機体幅方向外方(本実施の形態においては、機体幅方向一方側Y1)に位置するステップ位置P3をもとり得る。
上記構成によれば、前記タンク載置台8を前記ステップ位置P3に位置させることにより、前記タンク載置台8を足載せ台として利用することができる。
【0061】
好ましくは、前記格納時係合孔122は、図6に示すように、前記タンク載置台8を前記ステップ位置P3に位置したときに前記係合ピン84と係合されることにより、ステップ時係合孔としても作用する。
これにより、別途保持構造を設けることなく、前記タンク載置台8を前記ステップ位置に確実に保持することができる。
【0062】
前記タンク載置台が前記ステップ位置を取り得る構成においては、前記アーム部82の先端側領域82dにステップ部を設けることとしてもよい。
図8に、本発明に係るコンバインに適用されるタンク載置台のアーム部の先端側領域における変形態様を示す部分斜視図を示す。
図8(a)に示すタンク載置台8Aは、前記一対のアーム部82F,82Rの変曲点において前記第1連結部83と略平行に配設され、前記一対のアーム部82F,82Rの間を連結する第2連結部86を有し得る。即ち、ステップ部85Aは、前記第1及び第2連結部83,86により構成される。
なお、前記第2連結部86は、前記一対のアーム部82F,82Rの先端側領域82dにおいて前記一対のアーム部82F,82R間を連結するように配設されてもよい。
また、前記第1連結部83は、前記一対のアーム部82F,82Rの先端側領域82dに配設される限り、先端部同士を連結するものでなくてもよい。
即ち、前記一対のアーム部82F,82Rの変曲点より先端側において前記一対のアーム部82F,82R間を連結する複数の連結部を設けることにより、ステップ部を構成することとしてもよい。
【0063】
好ましくは、前記タンク載置台8Aは、前記ステップ位置P3において前記ステップ部85Aが略水平となるように構成される。
つまり、前記タンク載置台8Aは、前記ステップ位置P3において前記第1連結部83及び前記第2連結部86がともに含まれる平面が略水平となるように構成される。
【0064】
また、図8(b)に示すタンク載置台8Bは、前記ステップ部85Bとして、前記一対のアーム部82F,82Rの先端側領域82d間に設けられた板状部87を有し得る。
前記タンク載置台8Bにおいても、好ましくは、前記タンク載置台8Bが前記ステップ位置P3に位置した際、前記ステップ部85Bは、略水平とされる。
以上のように、前記タンク載置台に前記ステップ部85A,85Bを設けることにより、足を載せ易くすることができる。
【0065】
<保持構造変形例>
次に、本発明に係るコンバインにおける前記タンク載置台の保持構造について、他の例を示す。なお、以下に示す実施の形態において前記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付し説明を省略する。
図9に、本発明に係るコンバインの第2実施形態におけるタンク載置台の構成図を示す。図9(a)は、前記タンク載置台の側面図であり、図9(b)は、前記タンク載置台の保持構造が設けられた回動部近傍の背面図である。
本実施の形態における前記タンク載置台8Cは、図9に示すように、軸線回り回転可能且つ軸線方向移動可能に支持される一対の回動部81CF,81CRと、前記一対の回動部81CF,81CRから前記一対の回動部81CF,81CRの軸線を基準にしてそれぞれ径方向外方へ延びる一対のアーム部82CF,82CRとを有している。
本実施の形態においても、前記回動部81CF,81CRの軸線は、機体長手方向Xに沿っている。
また、前記固定フレーム80の前記一対の支持部802F,802Rの少なくとも何れか一方には、前記タンク載置台8Cの位置を保持するための保持部材12Cが設けられている。
本実施の形態においては、機体長手方向他方側X2の前記支持部802Rの先端部(下端部)に、前記保持部材12Cが固定されている。
【0066】
前記一対のアーム部82CF,82CRは、図9(a)に示すように、前記回動部81CF,81CRの軸線方向一方側又は他方側(本実施の形態においては、機体長手方向一方側X1)に向けて付勢されるように構成されている。
本実施の形態においては、前記固定フレーム80の前記一対の支持部802F,802Rのそれぞれを基準にして、機体長手方向他方側X2に前記一対のアーム部82CF,82CRが配設され、機体長手方向一方側X1に前記一対の回動部81CF,81CRに外挿された付勢部材126F,126Rが配設されている。
機体長手方向他方側X2の前記付勢部材126Rは、一端部が前記回動部81CRに係合され、他端部が前記保持部材12Cを介して前記支持部802Rに係合された状態で、前記回動部81CRに外挿されている。また、機体長手方向一方側X1の前記付勢部材126Fは、一端部が前記回動部81CFに係合され、他端部が前記支持部802Fに係合された状態で、前記回動部81CFに外挿されている。
【0067】
前記一対のアーム部82CF,82CRの少なくとも何れか一方(本実施の形態においては機体長手方向他方側X2の前記アーム部82CR)には、図9(a)に示すように、前記回動部81CF,81CRの軸線に略平行に突設された係合ピン128が設けられている。前記係合ピン128は、前記付勢部材126F,126Rにより付勢される方向に向かって突設されている。詳しくは、前記係合ピン128は、基端部が前記アーム部82CRの機体長手方向一方側X1に取り付けられ、先端部が機体長手方向一方側X1に延びているように構成されている。
前記保持部材12Cは、図9に示すように、前記回動部81CF,81CRの軸線に垂直な平面を有するプレート部材127を有している。
前記プレート部材127には、前記係合ピン128が係入されることにより前記タンク載置台8Cを前記使用位置P1に保持する使用時係合孔1291と、前記係合ピン128が係入されることにより前記タンク載置台8Cを前記格納位置P2に保持する格納時係合ピン1292とが形成されている。
【0068】
上記構成によれば、前記係合ピン128を前記使用時係合孔1291又は前記格納時係合孔1292に係入させる際、前記タンク載置台8Cを前記付勢部材126F,126Rの付勢力に抗して前記係合ピン128の先端部(後端部)より機体長手方向他方側X2へ位置させつつ、前記タンク載置台8Cを前記回動部81CF,81CRの軸線回りに回動させることにより、背面視において前記係合ピン128上に前記使用時係合孔1291又は前記格納時係合孔1292を位置させることができる。
また、前記係合ピン128が前記使用時係合孔1291又は前記格納時係合孔1292に係入された状態においては、前記付勢部材126F,126Rの付勢力によって前記タンク載置台8Cが前記保持部材12Cへ向けて付勢されるため、前記係合ピン128の係入状態を確実に保持することができる。
【0069】
上記のような保持構造を有することによっても、簡単な構成でありながら、前記タンク載置台8Cを前記使用位置P1及び前記格納位置P2のそれぞれに確実に保持させることができる。
【0070】
図10に、本発明に係るコンバインの第3実施形態におけるタンク載置台の構成図を示す。図10(a)は、前記タンク載置台の側面図であり、図10(b)は、前記タンク載置台の保持構造が設けられた回動部近傍の背面図であり、図10(c)は、図10(b)に示す回動部近傍の下面図である。
本実施の形態における前記タンク載置台8Dは、第2実施形態における前記タンク載置台8Cの前記保持部材12C及び前記アーム部82CRの前記係合ピン128に代えて、カム構造を有する保持部材12Dが設けられている。
即ち、前記保持部材12Dは、図10に示すように、前記固定フレーム80の前記一対の支持部802F,802Rの少なくとも何れか一方に設けられている。本実施の形態においては、機体長手方向他方側X2の前記支持部802Rの先端部(下端部)に、前記保持部材12Dが固定されている。
本実施の形態においても、一対のアーム部82DF,82DRは、図10(a)に示すように、前記付勢部材126F,126Rによって前記回動部81DF,81DRの軸線方向一方側(本実施の形態においては、機体長手方向一方側X1)に向けて付勢されるように構成されている。
【0071】
前記保持部材12Dは、図10に示すように、前記回動部81DF,81DRの軸線方向他方側(本実施の形態においては機体長手方向他方側X2)に前記一対のアーム部82DF,82DRの何れか一方(本実施の形態においては機体長手方向他方側X2の前記アーム部82DR)が係合する係止カム部材130を有している。
前記係止カム部材130には、前記タンク載置台8Dが前記使用位置P1に位置した際に、前記アーム部82DRが前記回動部81DF,81DRの軸線方向一方側に係入される使用時係入溝1311と、前記タンク載置台8Dが前記格納位置P2に位置した際に、前記アーム部82DRが係入される格納時係入溝1312と、前記使用時係入溝1311及び前記格納時係入溝1312間に設けられたカム面132とを有している。
即ち、前記タンク載置台8Dを前記使用位置P1又は前記格納位置P2の一方から他方へ移動させる際、前記タンク載置台8Dの前記アーム部82DRは、前記カム面132上を摺接可能に構成されている。
【0072】
上記構成によれば、前記アーム部82DRを前記使用時係入溝1311又は前記格納時係入溝1312に係入させる際、前記タンク載置台8Dを前記付勢部材126F,126Rの付勢力に抗して前記アーム部82DRを前記カム面132に摺接させつつ、前記タンク載置台8Dを前記回動部81DF,81DRの軸線回りに回動させることにより、前記アーム部82DRを背面視において前記使用時係入溝1311又は前記格納時係入溝1312上に位置させることができる。
また、前記アーム部82DRが前記使用時係入溝1311又は前記格納時係入溝1312に係入された状態においては、前記付勢部材126F,126Rの付勢力によって前記タンク載置台8Dが前記保持部材12Dへ向けて付勢されるため、前記アーム部82DRの係入状態を確実に保持することができる。
【0073】
上記のような保持構造を有することによっても、簡単な構成でありながら、前記タンク載置台8Dを前記使用位置P1及び前記格納位置P2のそれぞれに確実に保持させることができる。
【0074】
なお、前記カム面132を備える代わりに、前記タンク載置台8Dを前記回動部81DF,81DRの軸線回り一方側(例えば、前記格納位置P2に近接する方向)に付勢し、且つ、前記タンク載置台8Dが前記回動部81DF,81DRの軸線回り他方側(例えば、前記使用位置P1)へ向かうに従って前記回動部91DF,81DRの軸線方向他方側に位置するようなカム面と、前記カム面の前記回動部81DF,81DRの軸線回り他方側に設けられ、前記タンク載置台8Dを前記使用位置P1又は前記格納位置P2の何れか一方(例えば、前記使用位置P1)に位置させた際、前記アーム部82DRが係入される係入溝を備えることとしてもよい。
【0075】
図11に、本発明に係るコンバインの第4実施形態におけるタンク載置台の構成図を示す。図11(a)は、前記タンク載置台の側面図であり、図11(b)は、前記タンク載置台の保持構造が設けられた回動部近傍の背面図である。
本実施の形態における保持構造12Eは、図11に示すように、一端部がタンク載置台8Eに支持され、他端部が当該他端部と前記タンク載置台8Eの回動部81F,81Rの軸線とを含む仮想平面12Eaの一方側Ea1において前記タンク載置台8Eが前記使用位置P1に位置し、且つ、前記仮想平面12Eaの他方側Ea2において前記タンク載置台8Eが前記格納位置P2に位置するように機体に直接又は間接的に支持される弾性部材133を有している。
さらに、前記保持構造12Eは、図11(b)に示すように、前記タンク載置台8Eを前記弾性部材12Eの弾性力に抗して前記使用位置P1及び前記格納位置P2に保持する第1及び第2ストッパ1361,1362を有している。前記第1及び第2ストッパ1361,1362は、図示しないが、機体に直接又は間接的に支持されている。
【0076】
上記構成によれば、前記タンク載置台8Eは、前記弾性部材133の弾性力により、前記仮想平面12Eaの一方側Ea1においては、前記使用位置P1に近接する方向に付勢され、前記仮想平面12Eaの他方側Ea2においては、前記格納位置P2に近接する方向に付勢される。
従って、前記弾性部材133により付勢された前記タンク載置台8Eが前記第1ストッパ1361に当接することにより、前記タンク載置台8Eが前記使用位置P1に保持され、前記タンク載置台8Eが前記第2ストッパ1362に当接することにより、前記タンク載置台8Eが前記格納位置P2に保持される。
また、前記使用位置P1又は前記格納位置P2に位置する前記タンク載置台8Eを前記弾性部材133の付勢力に抗して、前記使用位置P1又は前記格納位置P2の何れか一方から何れか他方へ向けて移動させた際、前記タンク載置台8Eの位置が前記仮想平面12Eaを越えると、前記弾性部材133の付勢力によって前記タンク載置台8Eが前記使用位置P1又は前記格納位置P2の何れか他方へ位置される。
即ち、前記タンク載置台8Eの位置が前記仮想平面12Eaを越えると、前記弾性部材133による前記タンク載置台8Eの付勢方向が変化する。
上記のような保持構造を有することによっても、簡単な構成でありながら、前記タンク載置台8Eを前記使用位置P1及び前記格納位置P2のそれぞれに確実に保持させることができる。
【0077】
本実施の形態において、前記タンク載置台8Eは、図11に示すように、前記弾性部材133の一端部を支持する第1支持部134を有している。
詳しくは、前記第1支持部134は、前記回動部81F,81Rの軸線方向に沿った方向に延びている。前記第1支持部134は、一対のアーム部82EF,82ERのうち、機体長手方向他方側X2のアーム部82ERに設けられている。
前記弾性部材133の他端部を支持する第2支持部135も前記回動部81F,81Rの軸線方向に沿った方向に延びている。
本実施の形態において、前記第2支持部材135は、図11に示すように、前記固定フレーム80に設けられている。
詳しくは、前記第2支持部材135は、一対の支持部802EF,802ERのうち、機体長手方向他方側X2の支持部802ERに設けられている。
【0078】
前記第1ストッパ1361は、前記タンク載置台8Eの前記使用位置P1において前記アーム部82EF,82ERの上側に位置し、前記第2ストッパ1362は、前記タンク載置台8Eの前記格納位置P2において前記アーム部82EF,82ERの上側に位置している。
【0079】
なお、前記第2から第4実施形態における何れの保持構造においても、前記第1実施形態と同様に、前記タンク載置台8C,8D,8Eをステップ位置に位置した状態に保持させ得る。
【0080】
<タンク載置台による第1側壁保持構造>
続いて、本発明に係るタンク載置台の応用例について説明する。
図12に、本発明の第5実施形態に係るコンバインにおけるタンク載置台近傍の部分背面図を示す。
前記第1実施形態においては、前記排出通路600の前記第1側壁620は、上端部が前記排藁処理装置11のフレーム110に支持され、機体長手方向他方側X2の端部が前記ブラケット650を介して前記後壁640と連結されている構成を有していたが、図11に示す第5実施形態のように、タンク載置台8Fによって第1側壁620Fを支持させる構成としてもよい。
【0081】
本実施の形態に係るコンバインは、上端部が機体長手方向Xに沿った軸線回りに揺動可能に支持された第1側壁620Fを有する排出通路600Fを備えている。
また、本実施の形態のタンク載置台8Fは、前記格納位置P2において、前記第1側壁620Fを所定傾斜角度に保持するように前記第1側壁620Fに当接するように構成されている。本実施の形態においては、前記格納位置P2において前記アーム部82の機体幅方向他方側Y2が前記第1側壁620Fの機体幅方向一方側Y1に当接されるように構成されている。
【0082】
上記構成を有することにより、前記タンク載置台8Fを前記格納位置P2に位置させることで前記第1側壁620Fが所定傾斜角度に保持されるため、前記第1側壁620Fの傾斜角を保持する部材を別途要することなく前記第1側壁620Fの傾斜角度を確実に保持させることができる。
【0083】
本実施の形態において、前記タンク載置台8Fの位置を保持するための保持部材12Fには、前記タンク載置台8Fが複数の格納位置P2a,P2b,P2cに位置した状態で前記アーム部82の前記係合ピン84が係入可能な複数の格納時係合孔122a,122b,122cが形成されている。
前記複数の格納時係合孔122a,122b,122cは、保持部材本体123Fの長手方向に沿って形成されている。
上記構成によれば、前記係合ピン84が前記複数の格納時係合孔122a,122b,122cに選択的に係入されるため、前記タンク載置台8Fが前記複数の格納位置P2a,P2b,P2cで選択的に保持される。従って、前記タンク載置台8Fに支持される前記第1側壁620Fも複数の傾斜角度で選択的に保持され得る。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係るコンバインを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すコンバインの側面図である。
【図3】図3は、図1及び図2に示すコンバインの正面図である。
【図4】図4は、図1から図3に示すコンバインの内部側面図である。
【図5】図5は、図1から図3に示すコンバインの部分後方斜視図である。
【図6】図6は、本実施の形態に係るコンバインにおけるタンク載置台近傍の部分背面図である。
【図7】図7は、本実施の形態に係るコンバインにおけるタンク載置台近傍の部分側面図である。
【図8】図8は、本発明に係るコンバインに適用されるタンク載置台のアーム部の先端側領域における変形態様を示す部分斜視図である。
【図9】本発明に係るコンバインの第2実施形態におけるタンク載置台の構成図である。図9(a)は、前記タンク載置台の側面図であり、図9(b)は、前記タンク載置台の保持構造が設けられた回動部近傍の背面図である。
【図10】図10は、本発明に係るコンバインの第3実施形態におけるタンク載置台の構成図である。図10(a)は、前記タンク載置台の側面図であり、図10(b)は、前記タンク載置台の保持構造が設けられた回動部近傍の背面図であり、図10(c)は、図10(b)に示す回動部近傍の下面図である。
【図11】図11は、本発明に係るコンバインの第4実施形態におけるタンク載置台の構成図である。図11(a)は、前記タンク載置台の側面図であり、図11(b)は、前記タンク載置台の保持構造が設けられた回動部近傍の背面図である。
【図12】図12は、本発明の第5実施形態に係るコンバインにおけるタンク載置台近傍の部分背面図である。
【符号の説明】
【0085】
1…コンバイン
7…燃料タンク
8,8A,8B,8C,8D,8E,8F…タンク載置台
9…給油タンク
12,12C,12D…保持部材
50…揺動選別装置
55…下部カバー(選別室の機体幅方向一方側の側壁)
55a…仮想延長面
81,81F,81R,81CF,81CR,81DF,81DR…タンク載置台の回動部
82,82F,82R,82CF,82CR,82DF,82DR,82EF,82ER…タンク載置台のアーム部
84…係合ピン
121…使用時係合孔
122,122a,122b,122c…格納時係合孔
400…扱室
500…選別室
510…選別排出口
600…排出通路
610…排出通路の前壁
620…排出通路の第1側壁
630…排出通路の第2側壁
P1…タンク載置台の使用位置
P2…タンク載置台の格納位置
P3…タンク載置台のステップ位置
S…空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱胴が収容される扱室と、前記扱室の下方に配設され、揺動選別装置が収容される選別室と、前記選別室の後端部に設けられた選別排出口に連通され、前記選別排出口を介して送られてくる不要物を機外に案内する排出通路と、機体長手方向に関し前記選別室及び前記排出通路の間において機体幅方向一方側に配置された燃料タンクとを備えたコンバインであって、
前記排出通路は、前壁と、機体幅方向一方側の第1側壁と、機体幅方向他方側の第2側壁とを有し、
前記第1側壁は、上端側から下端側へ向かうに従って機体幅方向内方側へ位置するように傾斜されており、
前記コンバインは、前記燃料タンクの後方において機体に直接又は間接的に支持されたタンク載置台であって、軸線回り回転可能に支持される回動部と、前記回動部から該回動部の軸線を基準にして径方向外方へ延びるアーム部とを有するタンク載置台を備え、
前記タンク載置台は、機体幅方向一方側へ突出した状態で補給用の給油タンクを載置可能な使用位置と、前記排出通路の前壁及び第1側壁と前記選別室の機体幅方向一方側の側壁を後方に延長した仮想延長面とで画される空間を利用して、前記アーム部が基端部から先端部へ行くに従って機体幅方向内方に位置するような傾斜状に格納される格納位置とをとり得ることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記回動部の軸線と略平行な揺動軸線回りに揺動可能に支持された保持部材をさらに備え、
前記アーム部には、前記回動部の軸線に略平行に突設された係合ピンが設けられ、
前記保持部材には、前記係合ピンが係入されることにより前記タンク載置台を前記使用位置に保持する使用時係合孔と、前記係合ピンが係入されることにより前記タンク載置台を前記格納位置に保持する格納時係合孔とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記排出通路の前記第1側壁は、上端部が機体長手方向に沿った軸線回りに揺動可能に支持されており、
前記タンク載置台は、前記格納位置において、前記第1側壁を所定傾斜角度に保持するように前記第1側壁に当接することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記タンク載置台は、前記アーム部の先端部が前記使用位置より下方且つ機体幅方向外方に位置するステップ位置をとり得ることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−35426(P2010−35426A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198177(P2008−198177)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】