説明

コンバイン

【課題】従来の遮風プレートは上側プレートを下側プレートに対して屈曲させるため、構成が複雑であり、屈曲を繰り返すため、耐久性が低下する課題がある。
【解決手段】ラジエーター14の外側の防塵ネット30を有するラジエーターカバー20を設ける。防塵ネット30の内側には遮風プレート35を設ける。遮風プレート35は、前記中間上横枠26より上方の上側プレート部40Aと中間上横枠26より下方の下側プレート部40Bとにより一枚板状に形成すると共に、上側プレート部40Aは上方に至るに従い幅狭に形成し、側面視で前側縁が前下がりに傾斜する三角形状に形成したことを特徴とするコンバイン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの外側に冷却用ファンを設け、該冷却用ファンの外側にラジエーターを設け、該ラジエーターの外側には略矩形の開口部を有する枠体と前記開口部に設けた防塵ネットを有するラジエーターカバーを設け、防塵ネットの内側に縦長の遮風プレートを往復移動自在に設け、開口部のうち枠体の中間上横枠より上方の開口部部分は、枠体の上部斜め枠により上方至るに従い後退するように傾斜させて形成した構成は公知である(特許文献1)。
前記公知例の遮風プレートは、上側プレートと下側プレートとに分割形成し、上側プレートと下側プレートとの取付部分で屈曲自在に構成し、上部斜め枠に上側プレートが近づくと、上側プレートは先端が下側プレートに対して屈曲移動させる構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−195212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、上側プレートの先端を下側プレートに対して屈曲させる構成のため、遮風プレートの構成が複雑になるという課題がある。
また、上側プレートが屈曲を繰り返すため、耐久性が低下する課題がある。
本願は、遮風プレートについて工夫し、簡素な耐久性の高い構成で防塵効果を向上させるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、走行装置2の前方に刈取装置4を設け、走行装置2の上方に脱穀装置3とエンジン12を設け、該エンジン12の外側には冷却用ファン13を設け、該冷却用ファン13の外側にラジエーター14を設け、該ラジエーター14の外側には略矩形の開口部28を有する枠体21と前記開口部28に設けた防塵ネット30を有するラジエーターカバー20を設け、前記防塵ネット30の内側には所定の幅を有する縦長の遮風プレート35を前記ラジエーターカバー20の幅方向に往復移動自在に設け、前記遮風プレート35がラジエーターカバー20の幅方向に移動する行程において、冷却用ファン13の吸引作用で防塵ネット30の外側面に付着している付着物を、遮風プレート35により冷却用ファン13の吸引風を遮断することで付着力を低下させ、この付着物を防塵ネット30の他の部分を通過する吸引風よりも流速の高い吸引風が通る遮風プレート35の端縁付近の防塵ネット30の外側面の部位に付着させたまま遮風プレート35と一緒に連れて移動させる構成とし、前記開口部28のうち前記枠体21の中間上横枠26より上方の開口部28部分は、枠体21の上部斜め枠33により上方至るに従い後退するように傾斜させて形成し、前記遮風プレート35は、前記中間上横枠26より上方の上側プレート部40Aと中間上横枠26より下方の下側プレート部40Bとにより一枚板状に形成すると共に、上側プレート部40Aは上方に至るに従い幅狭に形成し、側面視で前側縁が前下がりに傾斜する三角形状に形成したことを特徴とするコンバインとしたものであり、遮風プレート35は一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断することで防塵ネット30の外側面に付着している付着物の付着力を低下させ、遮風プレート35の端縁付近に防塵ネット30の他の部分を通過する吸引風よりも流速が高く強い吸引力の吸引風が通り、この部分の付着物を防塵ネット30に付着させたまま遮風プレート35と一緒に連れ動ごかす。
ラジエーターカバー20の開口部28のうち枠体21の中間上横枠26より上方の開口部28部分は、枠体21の上部斜め枠33により上方至るに従い後退するように傾斜させて形成しているが、遮風プレート35は、中間上横枠26より上方の上側プレート部40Aと中間上横枠26より下方の下側プレート40部Bとにより一枚板状に形成すると共に、上側プレート部40Aは上方に至るに従い幅狭に形成し、側面視、前側が傾斜した三角形状に形成しているので、上側プレート部40Aは斜め枠33まで接近して防塵ネット30の付着物を除去する。
請求項2の発明は、前記遮風プレート35には移動部材46を取付け、移動部材46はモーターにより駆動回転する伝動軸45に該伝動軸45の回転により軸心方向に移動自在に取付け、前記伝動軸45は前記中間上横枠26に軸装し、前記枠体21の中間下横枠27には案内レール51を設け、案内レール51に遮風プレート35に取付けた案内ローラー52を当接させたことを特徴とするコンバインとしたものであり、遮風プレート35は枠体21に取り付けられた伝動軸45に取付けた移動部材46の移動により往復移動し、このとき、遮風プレート35に設けた案内ローラー52を枠体21の案内レール51に当接させながら移動させる。
請求項3の発明は、前記遮風プレート35の移動行程の終端の何れか一方側または両側の枠体21には、遮風プレート35の端縁が移動させた付着物を吸引する塵埃吸引口55を設け、前記ラジエーターカバー20は前記ラジエーター14に対して外側回動自在の構成とし、前記塵埃吸引口55からの吸引風の吸引風路Fは、固定側の固定側吸引風路61と移動側の吸引風路58とに分割形成し、固定側の固定側吸引風路61と移動側の吸引風路58との分割位置を、前記ラジエーターカバー20と前記ラジエーター14との分割面と略一致する構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、ラジエーターカバー20をラジエーター14に対して外側回動させてラジエーター14のメンテナンス作業を行う。
また、枠体21に設けた塵埃吸引口55からの吸引風の吸引風路Fは、固定側の固定側吸引風路61と移動側の吸引風路58とに分割形成し、固定側の固定側吸引風路61と移動側の吸引風路58との分割位置を、前記ラジエーターカバー20と前記ラジエーター14との分割面と略一致させているので、ラジエーターカバー20を閉めると、固定側の固定側吸引風路61と移動側の吸引風路58とが連通して、吸引風路58からの外気を固定側吸引風路61を通過させて、エンジンルーム11に吹き抜けてエンジン12を冷却する。
請求項4の発明は、前記塵埃吸引口55は、前記遮風プレート35を移動させる伝動軸45より下方に配置したことを特徴とするコンバインとしたものであり、塵埃吸引口55は遮風プレート35を移動させる伝動軸45より下方に配置されているので、伝動軸45や移動部材46の存在に影響されずに、防塵ネット30に付着している塵埃を吸引する。
請求項5の発明は、前記防塵ネット30の内側の枠体21には中間防塵網80を設け、中間防塵網80とラジエーター14との間にインタークーラー81を配置し、中間防塵網80の外側下部にはオイルクーラー82を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、防塵ネット30を通った外気はオイルクーラー82を冷却し、次に、インタークーラー81を冷却し、次に、ラジエーター14を冷却して吹き抜ける。
請求項6の発明は、前記防塵ネット30と前記枠体21とは別体に形成し、前記防塵ネット30は前記枠体21にボルト87により着脱自在に取付けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、防塵ネット30と枠体21とは別体に形成しているので、防塵ネット30は枠体21にボルト87により着脱自在に取付ける。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、上方に至るに従い幅狭の前側が傾斜した三角形状に形成した上側プレート部40Aにより枠体21の斜め枠33まで接近して防塵ネット30の付着物を除去でき、非常に簡素な耐久性の高い構成で効率よく防塵することができる。。
請求項2の発明では、前記請求項1の発明の効果に加えて、遮風プレート35を、伝動軸45に取付けた移動部材46と、案内レール51に当接する案内ローラー52との二カ所で支持案内しながら移動させることができ、遮風プレート35の移動を安定させて防塵効果を向上させることができ、また、防塵ネット30に対して遮風プレート35は常時同じ間隔で移動させることができ、安定して遮風プレート35を移動させるので、遮風プレート35および防塵ネット30の耐久性を向上させることができる。
請求項3の発明では、前記請求項2の発明の効果に加えて、ラジエーターカバー20をラジエーター14に対して外側回動させてメンテナンス作業の容易化を図りながら、固定側の固定側吸引風路61と移動側の吸引風路58との連通を簡単な構成で達成でき、塵埃吸引口55からの吸引風路Fの吸引風の流れを円滑かつ効率よく行え、防塵効果を向上させることができる。
請求項4の発明では、前記請求項3の発明の効果に加えて、塵埃吸引口55は遮風プレート35を移動させる伝動軸45より下方に配置されているので、塵埃吸引口55付近に吸引する際の抵抗となる抵抗物(障害物)を少なくして、効率よく防塵することができる。また、伝動軸45をラジエーターカバー20の枠体21の前後長さいっぱいに配置することができ、遮風プレート35の移動距離を長くでき、効率よく防塵することができる。
請求項5の発明では、前記請求項4の発明の効果に加えて、ラジエーターカバー20内にオイルクーラー82を設けているので、ラジエーターカバー20の防塵ネット30により防塵された外気によりオイルクーラー82を冷却でき、ラジエーターカバー20内の空間を有効利用してオイルクーラー82を設置できると共に、オイルクーラー82とラジエーター14とインタークーラー81の冷却用フィンの清掃頻度を低減し、メンテナンスを容易にすることができる。
請求項6の発明では、前記請求項5の発明の効果に加えて、防塵ネット30と枠体21とが別体でボルト87により着脱自在に取付けるので、製造工場における組立工程中に、塗装を別々に行えて、製造作業を容易にすることができ、また、不具合が発生したときの交換対象部品を最低限とすることができ、安価に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの左側面図。
【図2】コンバインの右側面図。
【図3】エンジン付近の概略平面図。
【図4】ラジエーターカバーの側面図。
【図5】同横断平面図。
【図6】同正面図。
【図7】同断面図。
【図8】同断面図。
【図9】伝動経路概略図。
【図10】グレンタンクの排出螺旋へ回転伝達するプーリの背面図。
【図11】同側面図。
【図12】コンバインの平面図。
【図13】同側面図。
【図14】ラジエーターカバーとインタークーラーとオイルクーラーを示した正面図。
【図15】同側面図。
【図16】ラジエーターカバーの側面図。
【図17】エアークリーナーの仕切壁を示す正面図。
【図18】機体フレームの概略平面図。
【図19】同側面図。
【図20】刈取装置の移動機構の平面図。
【図21】同平面図。
【図22】規制部材付近の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は該機体フレーム1の下方位置に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方位置に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取装置、5は脱穀装置3で脱穀および選別した穀粒を一次貯留するグレンタンク、6は穀粒排出オーガ、7は操縦部である(図1)。
操縦部7の運転座席10の下方(後側)付近には周囲を包囲されたエンジンルーム11を形成し、エンジンルーム11内にエンジン12を設ける。エンジン12の外側(右側)にはエンジン冷却用ファン13を設ける(図3)。冷却用ファン13の外側にはラジエーター14を設ける。
前記ラジエーター14の外側にはラジエーターカバー20を設ける。ラジエーターカバー20は枠体21を有する。枠体21は、前枠22および後枠23と、前枠22および後枠23を連結する上横枠24と下横枠25と、上横枠24と下横枠25との間の中間上横枠26と中間下横枠27を設け、前枠22および後枠23と各横枠上横枠24〜中間下横枠27により包囲された空間に開口部28を形成し、該開口部28に防塵ネット30を設ける(図4)。
【0009】
前記中間上横枠26の下方の開口部28は略矩形形状に形成するが、中間上横枠26より上方の開口部28部分は、枠体21の上部斜め枠33により上方至るに従い後退するように傾斜させる。
防塵ネット30は、前記冷却用ファン13の吸引作用によって吸引される外気を、除塵しながら通過させてエンジンルーム11内に冷気を供給する。
枠体21は任意の固定部に回動自在に取付ける。具体的には、前記ラジエーター14を支持する取付ける縦フレーム31に取付軸32中心に回動自在に取付ける(図3)。縦フレーム31は機体フレーム1に固定する。
33は前枠22の上部の斜め枠を示す(図4)。
しかして、防塵ネット30の内側には所定の幅(前後幅)を有して縦長の遮風プレート35をラジエーターカバー20の幅方向(機体進行方向・前後方向)に往復移動自在に設ける。遮風プレート35は、ラジエーターカバー20の幅方向に移動する行程において、冷却用ファン13の吸引作用で防塵ネット30に付着している付着物のうちの一部は遮風プレート35により一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断することで付着力を失わせて(低下させて)落下させると共に、その余の付着物は他の防塵ネット30の部分を通過する吸引風よりも流速が高く(速く)強い吸引力の吸引風が通る遮風プレート35の端縁付近の防塵ネット30部分に付着させたまま遮風プレート35と一緒に移動(連れ動ごか)させて防塵ネット30の目詰まりを除去する。
【0010】
したがって、遮風プレート35は防塵ネット30に付着している付着物の一部はその付着力を失って落下させられるように冷却用ファン13の吸引風を遮断しうる幅に形成すると共に、遮風プレート35の端縁付近に他の防塵ネット30を通過する外気より吸引力の強い吸引風が通りうる幅に形成する。
即ち、遮風プレート35は一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断して防塵ネット30に付着している付着物のうちの一部の付着力を低下させて落下させるが、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁付近に他の防塵ネット30を通過する外気より吸引力の強い吸引風を積極的に通して、遮風プレート35の端縁と一緒に防塵ネット30の付着物を移動させて防塵ネット30の目詰まりを除去する。
前記遮風プレート35は、中間上横枠26より上方の上側プレート部40Aと中間上横枠26より下方の下側プレート40部Bとにより一枚板状に形成する。上側プレート部40Aは上方に至るに従い幅狭に形成し、側面視、前側が傾斜した三角形状に形成する。
【0011】
そのため、斜め枠33まで上側プレート部40Aを移動させられ、防塵ネット30の付着物を除去し、効率よく防塵する。
下側プレート40部Bは長さ方向に終始略同幅に形成する。
そのため、所定幅の下側プレート40部Bを移動させて、防塵ネット30の付着物を除去し、効率よく防塵する。
遮風プレート35の移動構成は任意であるが、枠体21の中間上横枠26に伝動軸(リードカム軸)45を回転自在に軸装し、伝動軸45に伝動軸45の回転により軸心方向に移動する移動部材46を取付け、移動部材46は遮風プレート35に取付ける(図4)。
前記伝動軸45は、枠体21の防塵ネット30の存在しない部分に設ける。具体的には伝動軸45は中間上横枠26の内側に配置する。
そのため、伝動軸45と移動部材46により枠体21の幅方向の長い距離であっても遮風プレート35を安定して一定速度で移動させることができる。また、枠体21の中間上横枠26の内側は防塵ネット30が存在しないので、冷却用ファン13による吸気の抵抗とならず、エンジンルーム11の冷却効果を低下させない。
【0012】
伝動軸45の後部には従動ギヤ47を設け、従動ギヤ47にモーター48の駆動ギヤ49を噛み合わせる。
即ち、伝動軸45はモーター48により直接駆動回転させずに、従動ギヤ47を介在させて回転させるので、従動ギヤ47と駆動ギヤ49の部分で急な応力を逃がすことができ、モーター48の負荷を軽減させて耐久性を向上させる。
前記モーター48は中間上横枠26より上方の後枠23と重なるように設ける。
したがって、モーター48が防塵ネット30を塞ぐ範囲を狭くして、防塵ネット30による外気導入面積を広くし、ラジエーターカバー20による冷却効果を低下させない。
この場合、モーター48の駆動ギヤ49は枠体21の外側(後側)に向けて配置すると、駆動ギヤ49は後枠23と重なり、駆動ギヤ49は防塵ネット30を塞ぐのを防止して、防塵ネット30による外気導入面積を狭くさせず、ラジエーターカバー20による冷却効果を低下させない。
【0013】
また、駆動ギヤ49および従動ギヤ47が後枠23と重なり、遮風プレート35の移動機構の駆動部が手の届かない範囲に配置できる。
また、枠体21の中間下横枠27には案内レール51を設け、案内レール51に案内ローラー52を当接させる。案内ローラー52は遮風プレート35に取付ける(図4)。
そのため、案内ローラー52が案内レール51に当接しながら回転し、防塵ネット30に対して遮風プレート35は常時同じ間隔で移動させることができ、遮風プレート35の移動による付着物の吸引除去効果を向上させられる。
そして、遮風プレート35は、伝動軸45に取付けた移動部材46と、案内レール51に当接する案内ローラー52との二カ所で支持案内されるので、安定した駆動を行うことができ、しいては耐久性を向上させられる。
【0014】
しかして、遮風プレート35の移動行程の終端の何れか一方側または両側の枠体21には、遮風プレート35の端縁が移動させた付着物を吸引する塵埃吸引口55を設ける(図5)。
したがって、塵埃吸引口55は、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁付近の防塵ネット30に付着して遮風プレート35に連れ動かされた付着物を、通常の防塵ネット30を通過する外気よりも流速の高い塵埃吸引口55を通る強い吸引風により吸引除去する。
防塵ネット30の付着物は、遮風プレート35に連れ動かされて塵埃吸引口55により強制的に除去されるので、常時、ラジエーターカバー20の防塵ネット30を綺麗にして、エンジンルーム11内の冷却効果を安定して維持する。
塵埃吸引口55の構成は任意であるが、具体的には枠体21の前枠22および後枠後枠23の何れか一方側または両側に風洞カバー56を取付け、風洞カバー56と防塵ネット30との間に形成する(図5)。
【0015】
即ち、塵埃吸引口55は、遮風プレート35の前後移動方向の前後何れか一方または両側に設け、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁によって、防塵ネット30に付着している付着物(塵埃等)を連れて行き、動かされた付着物を塵埃吸引口55により吸引除去する。
前記塵埃吸引口55は、ラジエーター14の後方に配置し、後述する吸引風路Fの接続分割面を、ラジエーターカバー20とラジエーター14との分割面と左右方向において一致させて、同じ面に設ける。
塵埃吸引口55は枠体21の前後両側の所定位置に形成し、塵埃吸引口55に続く吸引用風路Fは枠体21の内部を通すように構成する。
塵埃吸引口55の吸引用風路Fは、移動側の吸引風路58と固定側の固定側吸引風路61とに分割形成し、固定側吸引風路61は縦フレーム31の内側の冷却用ファン13およびエンジン12の外側部分の周囲を包囲するシュラウド64内のエンジンルーム11と連通して、吸引風路58からの外気を固定側吸引風路61を通過させて、エンジンルーム11に通るように構成する。
【0016】
したがって、吸引用風路Fは、移動側吸引風路58と固定側吸引風路61とがラジエーターカバー20を閉じると連通してシュラウド64の内側のエンジンルーム11に吸引風が通るように構成する。
この移動側吸引風路58と固定側吸引風路61との境界を、ラジエーターカバー20とラジエーター14との分割面と同じ面にする。
そのため、ラジエーターカバー20の外側オープンさせる場合の構成を簡略化でき、加えて、シール性も向上する。
62は移動側吸引風路58の出口、63は固定側吸引風路61の入り口、65は枠体21に設けたシール部材であり、シール部材65はラジエーターカバー20を閉じると縦フレーム31に密着し、固定側吸引風路58と固定側吸引風路61を連通させて塵埃吸引口55からの吸引用風路Fを形成する。
なお、塵埃吸引口55の吸引用風路Fうちの枠体21内を通る吸引風路58は、ラジエーター14やオイルクーラー15およびインタークーラー16等を冷却する冷却用風路59とは分離して形成するように構成する。
【0017】
そのため、塵埃吸引口55に続く吸引用風路Fとラジエーター14等を冷却する冷却用風路59とは分離しているので、塵埃吸引口55により吸引した塵埃が冷却用風路59に入るのを防止してラジエーター14等に付着するのが避けられる。
吸引風路58と冷却用風路59との分離構成は任意であるが、一例を示すと、吸引風路58は、平面視枠体21の前枠22の内側板60と前記風洞カバー56により包囲された空間により形成され、内側板60の内端側が縦フレーム31と密着し、内側板60が隔壁となって吸引風路58と冷却用風路59とを遮断している。
したがって、内側板60により吸引風路58は冷却用風路59と分離させることができ、そのため、塵埃をラジエーター14やオイルクーラー15のある冷却用風路59を流れることなく吸引風路58により吸い込んで、排出させることができ、ラジエーターカバー20による外気の取り入れ効率を向上させて冷却効果を向上させると共に、塵埃の堆積・滞留(付着)を防止する。
風洞カバー56は前枠22に一体状に形成あるいは取り付けて構成する。
したがって、部品点数を減らして製造コストを抑制し、安価にできる。
【0018】
前記塵埃吸引口55は、遮風プレート35を移動させる伝動軸45より下方に配置する。
そのため、伝動軸45をラジエーターカバー20の枠体21の前後長さいっぱいに配置することができ、遮風プレート35の移動距離を長くでき、効率よく防塵することができる。
また、遮風プレート35の移動駆動機構を塵埃吸引口55よりも上方に配置することで、塵埃吸引口55付近に吸引する際の抵抗となる抵抗物(障害物)を少なくして、効率よく防塵することができる。
しかして、エンジンルーム11の後壁となるカバー70を機体外側に引き出すようにして着脱自在に構成する(図10,図11)。
そのため、カバー70を手前に引き抜くようにして、外せるので、グレンタンク5を外側オープンさせることなく、カバー70を外せて、ベルト72の交換を行える。
また、カバー70は、例えば、機体外側から操作可能位置の前記縦フレーム31等の固定部に、工具不要で着脱できるボルト71により固定するので、着脱が容易となる。
【0019】
73Aはエンジン12の出力プーリー、73Cは出力プーリー73Aの回転が伝達されるプーリー、73Dはプーリー73Cの回転が伝達されるプーリー、73Eはプーリー73Dの回転が伝達されるプーリーであり、前記プーリー73Eにより伝達される回転がグレンタンク5の排出螺旋73Fを駆動させる(図9)。
前記ベルト72はプーリー73Dとプーリー73Eの間に掛け回される。
したがって、カバー70を手前に引き抜くようにして外すと、グレンタンク5を外側オープンさせることなく、ベルト72の交換を行える。
前記脱穀装置3の奥側側面と、一番揚穀筒75との間の位置にプレクリーナ76を配置する(図12,図13)。
したがって、プレクリーナ76は脱穀装置3の奥側側面と一番揚穀筒75との間の空間を有効利用できて、グレンタンク5の容積を拡大できる。
しかして、前記防塵ネット30の奥側(内側)には、中間防塵網80を設け、中間防塵網80とラジエーター14との間にインタークーラー81を配置し、中間防塵網80の外側下部にはオイルクーラー82を設ける(図14)。オイルクーラー82の内側にはミッションオイルクーラー83を設ける。
【0020】
そのため、ラジエーター14とインタークーラー81とオイルクーラー82のうち、最も外側にオイルクーラー82を配置するので、ラジエーターカバー20内のスペースを有効利用できる。
オイルクーラー82はラジエーター14側に取付け、ラジエーターカバー20はオイルクーラー82とは別体で着脱する。
また、清掃の困難なラジエーター14とインタークーラー81の冷却風の通過方向を基準とする前側には、中間防塵網80を設けているので、ラジエーター14とインタークーラー81の冷却用フィン(図示省略)の清掃頻度を低減し、メンテナンスを容易にする。
しかして、前記防塵ネット30と前記枠体21とは別体に形成し、防塵ネット30は枠体21にボルト87により着脱自在に取付ける(図16)。
そのため、製造工場における組立工程中に、塗装を別々に行えて、製造が容易となり、また、不良品が発生したときの対応が容易となる。
また、販売後に、部品交換を容易にする共に、交換対象部品を最低限とすることができ、安価に行える。
【0021】
エンジン12の上方にエアクリーナー89を設け、エアクリーナー89とエンジン12の上方との間に仕切壁90を設ける(図17)。
そのため、エアクリーナー89から排出される塵埃がエンジンルーム11へ流れる冷却風に塵埃が混入するのを防止する。
したがって、ラジエーター14の目詰まりを低減させ、メンテナンスの頻度を低減させられる。
前記刈取装置4は、移動機構100により外側オープン自在に構成する(図18〜図22)。
移動機構100は、一対の前アーム101と後アーム102の夫々の基部を取付軸103と取付軸104により機体フレーム1に回動自在に取付ける。前アーム101の先端は図示は省略するが刈取装置4の刈取フレーム(図示省略)に取付軸105により軸着する。
後アーム102の先端は刈取フレームに取付軸107により軸着する。後アーム102の先端には縦板状の取付プレート110を設け、取付プレート110には案内ローラー111を取付ける。案内ローラー111の移動路の機体フレーム1には案内ローラー111を誘導する誘導板112を設ける。誘導板112は先端を機体フレーム1の上面より低く、誘導板112の基部は機体フレーム1の上面に固定する。案内ローラー111は誘導板112により案内されて機体フレーム1の上に移動する。
【0022】
前記案内ローラー111を取付ける取付軸115は操縦部7側に突出させ、取付軸115の移動路の機体フレーム1には取付軸115に当接して案内ローラー111の移動を停止させる規制部材117を設ける。
即ち、移動機構100の操縦部7側に案内ローラー111および取付軸115を設け、案内ローラー111および取付軸115の移動路中に規制部材117を設ける。
そのため、刈取オープン関係部品の操縦部7側に移動機構100の後方への移動を規制する規制部材117を設けているので、刈取装置4の重量を支持しながら、この刈取装置4を円滑にオープンさせることができる。
また、刈取装置4をオープンできるストロークが大きいため、メンテナンス空間を大きく確保でき、作業性が向上する。
【0023】
また、移動機構100の操縦部7側に案内ローラー111および取付軸115と規制部材117を設けているので、刈取オープンおよび刈取格納操作時に、案内ローラー111および取付軸115と規制部材117が邪魔にならず、操作性を向上させられる。
また、機体フレーム1側の規制部材117に当接する部材を案内ローラー111の取付軸115としたので、低い位置で取付軸115を規制部材117に当接させられ、刈取装置4の後方回動規制機構の構成を簡素にする。
前記規制部材117は縦板部材により形成し、規制部材117の下部には横板部120を設け、横板部120を機体フレーム1にボルト121により着脱自在および位置調節自在に取付ける。
そのため、規制部材117の取付が容易であり、また、規制部材117の取付位置を調節できるので、規制部材117の作動制動を向上させられる。
【0024】
(実施例の作用)
エンジン12を始動して、走行装置2により走行し、走行中に刈取装置4で刈取った穀稈を脱穀装置3で脱穀する。
エンジン12を始動すると、冷却用ファン13が回転し、ラジエーターカバー20の防塵ネット30から外気を吸引し、吸引した外気はラジエーター14を通過してエンジン12の冷却用の冷却水を冷却すると共に、エンジン12の外周を冷却しながら吹き抜ける。
防塵ネット30の内側には所定の幅(前後幅)を有して縦長の遮風プレート35をラジエーターカバー20の幅方向(機体進行方向・前後方向)に往復移動自在に設けているから、遮風プレート35は、一時的に冷却用ファン13の吸引風を遮断して冷却用ファン13の吸引作用で防塵ネット30に付着している付着物のうちの一部の付着力を低下させ、その余の付着物は他の防塵ネット30の部分を通過する外気より吸引力の強い吸引風が通る遮風プレート35の端縁付近の防塵ネット30の部分に付着させたまま遮風プレート35と一緒に移動させ、これにより遮風プレート35が通過した部分の付着物は除去され、防塵ネット30の目詰まりを抑制する。
【0025】
この場合、遮風プレート35は矩形状の開口部28の防塵ネット30に対して前後に移動するから、防塵ネット30の隅々まで除塵する。
また、ラジエーターカバー20の開口部28はデザイン状の要請により一部枠体21に斜め枠33を形成しており、これに伴って開口部28には斜め部分が存在するが、遮風プレート35は、中間上横枠26より上方の上側プレート部40Aと中間上横枠26より下方の下側プレート40部Bとにより一枚板状に形成し、上側プレート部40Aは上方に至るに従い幅狭に形成し、側面視、前側が傾斜した三角形状に形成すしているので、斜め枠33まで上側プレート部40Aを移動させられ、防塵ネット30の付着物を除去し、効率よく防塵する。
遮風プレート35の移動構成は任意であるが、枠体21の中間上横枠26に伝動軸(リードカム軸)45を回転自在に軸装し、伝動軸45に伝動軸45の回転により軸心方向に移動する移動部材46を取付け、移動部材46は遮風プレート35に取付け、伝動軸45は、枠体21の防塵ネット30の存在しない中間上横枠26の内側に配置しているので、伝動軸45と移動部材46により枠体21の幅方向の長い距離であっても遮風プレート35を安定して一定速度で移動させることができる。また、枠体21の中間上横枠26の内側は防塵ネット30が存在しないので、冷却用ファン13による吸気の抵抗とならず、エンジンルーム11の冷却効果を低下させない。
【0026】
伝動軸45の後部には従動ギヤ47を設け、従動ギヤ47にモーター48の駆動ギヤ49を噛み合わせているから、伝動軸45を駆動すると、遮風プレート35はラジエーターカバー20に対して略往復直線移動する。
枠体21の中間下横枠27には案内レール51を設け、案内レール51に案内ローラー52を当接させ、案内ローラー52は遮風プレート35に取付けているので、案内ローラー52が案内レール51に当接しながら回転し、防塵ネット30に対して遮風プレート35は常時同じ間隔で移動させることができ、遮風プレート35の移動による付着物の吸引除去効果を向上させられる。
そして、遮風プレート35は、伝動軸45に取付けた移動部材46と、案内レール51に当接する案内ローラー52との二カ所で支持案内されるので、安定した駆動を行うことができ、しいては耐久性を向上させられる。
【0027】
しかして、遮風プレート35の移動行程の終端の何れか一方側または両側の枠体21には、遮風プレート35の端縁が移動させた付着物を吸引する塵埃吸引口55を設けているので、塵埃吸引口55は、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁付近の防塵ネット30に付着して遮風プレート35に連れ動かされた付着物を、通常の防塵ネット30を通過する外気よりも流速の高い塵埃吸引口55を通る強い吸引風により吸引除去する。
即ち、塵埃吸引口55は、遮風プレート35の前後移動方向の前後何れか一方または両側に設けられ、遮風プレート35の移動方向上手側の端縁によって、防塵ネット30に付着している付着物(塵埃等)を連れて行き、動かされた付着物を塵埃吸引口55により吸引除去する。
塵埃吸引口55は、ラジエーター14の後方に配置し、後述する吸引風路Fの接続分割面を、ラジエーターカバー20とラジエーター14との分割面と左右方向において一致させて、同じ面に設けているので、ラジエーターカバー20の外側オープンさせる場合の構成を簡略化でき、加えて、シール性も向上する。
【0028】
即ち、塵埃吸引口55の吸引用風路Fは、固定側の固定側吸引風路61と移動側の吸引風路58とに分割形成し、固定側吸引風路61は縦フレーム31の内側の冷却用ファン13およびエンジン12の外側部分の周囲を包囲するシュラウド64内のエンジンルーム11と連通して、吸引風路58からの外気を固定側吸引風路61を通過させて、エンジンルーム11に通るように構成しているので、吸引用風路Fは、移動側吸引風路58と固定側吸引風路61とがラジエーターカバー20を閉じると連通してシュラウド64の内側のエンジンルーム11に吸引風が通る。
塵埃吸引口55は、遮風プレート35を移動させる伝動軸45より下方に配置させているので、伝動軸45をラジエーターカバー20の枠体21の前後長さいっぱいに配置することができ、遮風プレート35の移動距離を長くでき、効率よく防塵することができる。
また、遮風プレート35の移動駆動機構を塵埃吸引口55よりも上方に配置することで、塵埃吸引口55付近に吸引する際の抵抗となる抵抗物(障害物)を少なくして、効率よく防塵することができる。
【0029】
しかして、エンジンルーム11の後壁となるカバーカバー70を機体外側に引き出すようにして着脱自在に構成しているので、カバー70を手前に引き抜くように外せて、グレンタンク5を外側オープンさせることなく、カバー70を外せて、ベルトの交換を行える。
また、カバー70は、手前のボルト71により固定するので、着脱が容易となる。
前記脱穀装置3の奥側側面と、一番揚穀筒75との間の位置にプレクリーナ76を配置しているので、プレクリーナ76は脱穀装置3の奥側側面と一番揚穀筒75との間の空間を有効利用できて、グレンタンク5の容積を拡大できる。
しかして、前記防塵ネット30の奥側(内側)には、中間防塵網80を設け、中間防塵網80とラジエーター14との間にインタークーラー81を配置し、中間防塵網80の外側下部にはオイルクーラー82を設けているので、ラジエーター14とインタークーラー81とオイルクーラー82のうち、最も外側にオイルクーラー82を配置するので、ラジエーターカバー20内のスペースを有効利用できる。
【0030】
また、清掃の困難なラジエーター14とインタークーラー81の冷却風の通過方向を基準とする前側には、中間防塵網80を設けているので、ラジエーター14とインタークーラー81の冷却用フィン(図示省略)の清掃頻度を低減し、メンテナンスを容易にする。
しかして、前記防塵ネット30と前記枠体21とは別体に形成し、防塵ネット30は枠体21にボルト87により着脱自在に取付けているので、製造工場における組立工程中に、塗装を別々に行えて、製造が容易となり、また、不良品が発生したときの対応が容易となる。
また、販売後に、部品交換を容易にする共に、交換対象部品を最低限とすることができ、安価に行える。
エンジン12の上方にエアクリーナー89を設け、エアクリーナー89とラジエーターカバー20との間に仕切壁仕切壁90を設けているので、エアクリーナー89から排出される塵埃のラジエーターカバー20内への侵入を防止し、ラジエーターカバー20からエンジンルーム11へ流れる冷却風に塵埃が混入するのを防止する。
【0031】
したがって、ラジエーター14の目詰まりを低減させ、メンテナンスの頻度を低減させられる。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの実施例は夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0032】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置4、5…穀粒袋詰め用ホッパー、7…操縦部、10…座席、11…エンジンルーム、12…エンジン、13…冷却用ファン、14…ラジエーター、15…オイルクーラー、16…インタークーラー、20…ラジエーターカバー、21…枠体、22…前枠、23…後枠、24…上横枠、25…下横枠、26…中間上横枠、27…中間下横枠、28…開口部、30…防塵ネット、31…縦フレーム、32…取付軸、33…斜め枠、35…遮風プレート、40A…上側プレート部、40B…下側プレート部、41…長孔、42…ピン、44…バネ、45…伝動軸、46…移動部材、47…従動ギヤ、48…モーター、49…駆動ギヤ、51…案内レール、52…案内ローラー、55…塵埃吸引口、56…風洞カバー、58…吸引風路、59…冷却用風路、60…内側板、61…固定側吸引風路、64…シュラウド、70…カバー、71…ボルト、75…一番揚穀筒、76…プレクリーナ、80…中間防塵網、81…インタークーラー、82…オイルクーラー、87…ボルト、89…エアクリーナー、90…仕切壁、100…移動機構、101…前アーム、102…後アーム、103…取付軸、104…取付軸、105…取付軸、107…取付軸、110…取付プレート、111…案内ローラー、112…誘導板、115…取付軸、117…規制部材、120…横板部、121…ボルト121。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)の前方に刈取装置(4)を設け、走行装置(2)の上方に脱穀装置(3)とエンジン(12)を設け、該エンジン(12)の外側には冷却用ファン(13)を設け、該冷却用ファン(13)の外側にラジエーター(14)を設け、該ラジエーター(14)の外側には略矩形の開口部(28)を有する枠体(21)と前記開口部(28)に設けた防塵ネット(30)を有するラジエーターカバー(20)を設け、前記防塵ネット(30)の内側には所定の幅を有する縦長の遮風プレート(35)を前記ラジエーターカバー(20)の幅方向に往復移動自在に設け、前記遮風プレート(35)がラジエーターカバー(20)の幅方向に移動する行程において、冷却用ファン(13)の吸引作用で防塵ネット(30)の外側面に付着している付着物を、遮風プレート(35)により冷却用ファン(13)の吸引風を遮断することで付着力を低下させ、この付着物を防塵ネット(30)の他の部分を通過する吸引風よりも流速の高い吸引風が通る遮風プレート(35)の端縁付近の防塵ネット(30)の外側面の部位に付着させたまま遮風プレート(35)と一緒に連れて移動させる構成とし、前記開口部(28)のうち前記枠体(21)の中間上横枠(26)より上方の開口部(28)部分は、枠体(21)の上部斜め枠(33)により上方至るに従い後退するように傾斜させて形成し、前記遮風プレート35は、前記中間上横枠(26)より上方の上側プレート部(40A)と中間上横枠(26)より下方の下側プレート部(40B)とにより一枚板状に形成すると共に、上側プレート部(40A)は上方に至るに従い幅狭に形成し、側面視で前側縁が前下がりに傾斜する三角形状に形成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記遮風プレート(35)には移動部材(46)を取付け、移動部材(46)はモーター(48)により駆動回転する伝動軸(45)に該伝動軸(45)の回転により軸心方向に移動自在に取付け、前記伝動軸(45)は前記中間上横枠(26)に軸装し、前記枠体(21)の中間下横枠(27)には案内レール(51)を設け、案内レール(51)に遮風プレート(35)に取付けた案内ローラー(52)を当接させたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項2において、前記遮風プレート(35)の移動行程の終端の何れか一方側または両側の枠体(21)には、遮風プレート(35)の端縁が移動させた付着物を吸引する塵埃吸引口(55)を設け、前記ラジエーターカバー(20)は前記ラジエーター(14)に対して外側回動自在の構成とし、前記塵埃吸引口(55)からの吸引風の吸引風路(F)は、固定側の固定側吸引風路(61)と移動側の吸引風路(58)とに分割形成し、固定側の固定側吸引風路(61)と移動側の吸引風路(58)との分割位置を、前記ラジエーターカバー(20)と前記ラジエーター(14)との分割面と略一致する構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項3において、前記塵埃吸引口(55)は、前記遮風プレート(35)を移動させる伝動軸(45)より下方に配置したことを特徴とするコンバイン。
【請求項5】
請求項4において、前記防塵ネット(30)の内側の枠体(21)には中間防塵網(80)を設け、中間防塵網(80)とラジエーター(14)との間にインタークーラー(81)を配置し、中間防塵網(80)の外側下部にはオイルクーラー(82)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項6】
請求項5において、前記防塵ネット(30)と前記枠体(21)とは別体に形成し、前記防塵ネット(30)は前記枠体(21)にボルト(87)により着脱自在に取付けたことを特徴とするコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−182717(P2011−182717A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52259(P2010−52259)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】