コンバイン
【課題】刈取搬送装置の株元搬送チェンの下側の空間を拡大し、藁屑や泥土の溜まり場をなくして穀稈を円滑に搬送できるものとする。
【解決手段】走行フレーム(2)の前部に設けた刈取懸架台(3)に、刈取支持フレーム(1)の基部を上下回動自在に枢着し、該刈取支持フレーム(1)の先端側を斜め前方下方に向けて延出させて先端部に横向きの伝動ケース(4)を連結して刈取フレーム(5)を構成し、該刈取フレーム(5)には、前側から穀稈引起し装置(6)と刈取装置(7)と穀稈搬送装置(8)を夫々取付けて刈取搬送装置(9)を構成し、刈取支持フレーム(1)の長手方向の中間位置に基部を固着して穀稈搬送通路側に向けて延出させた支持杆(10)の先端部に、株元搬送チェン(11)を巻き掛けたチェン支持装置(12)を吊下状態に支持する。
【解決手段】走行フレーム(2)の前部に設けた刈取懸架台(3)に、刈取支持フレーム(1)の基部を上下回動自在に枢着し、該刈取支持フレーム(1)の先端側を斜め前方下方に向けて延出させて先端部に横向きの伝動ケース(4)を連結して刈取フレーム(5)を構成し、該刈取フレーム(5)には、前側から穀稈引起し装置(6)と刈取装置(7)と穀稈搬送装置(8)を夫々取付けて刈取搬送装置(9)を構成し、刈取支持フレーム(1)の長手方向の中間位置に基部を固着して穀稈搬送通路側に向けて延出させた支持杆(10)の先端部に、株元搬送チェン(11)を巻き掛けたチェン支持装置(12)を吊下状態に支持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からコンバインの刈取搬送装置は、前部に設ける掻込み用スターホイルや
掻込みラグベルト、更には、株元搬送チェン、穂先搬送装置等を取付け支持する
場合、下側に配置した刈取フレームに支持アームなどを設けて取付け、支持する
構成が一般的であった。
【0003】
例えば、特開平4−365416号公開特許公報(特許文献1参照)に開示さ
れている公知の技術は、明細書と、図面につぎのように記載されている。
「最前方位置に設けた分草杆17の後方に引起し装置18を設け、該引起し装置18の後方に掻込ベルト装置21、及びスターホイル22を設け、スターホイル22の下方に刈刃23を設け、切断した穀稈を搬送する株元側搬送チェン24を設ける。左右側に設けられた掻込ベルト装置21、スターホイル22及び株元側搬送チェン24はブロック構成とし、これらのブロックは、下部は刈取部フレーム7の下部伝動筒10固定され上部は前記引起し装置18を支持する縦状の支持部材12に着脱自在に取り付ける」
上記公知技術は、搬送装置等の取付構成を示した一例であるが、通常、下側のフレームから支持杆を上側に伸ばして連結して支持する構成が一般的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−365416号公開特許公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来からこの種のコンバインにおける刈取搬送装置は、刈取支持フレームと、その先端部に連結した横向きの伝動ケースとから構成された刈取フレームに、株元搬送チェンを取付ける場合、前記刈取フレームから支持アームを上方に立ち上げ、その支持アームにチェンレールやスプロケット等のチェン支持装置を取付け、このチェン支持装置に株元搬送チェンを巻き掛けて支持する構成が一般的であった。
【0006】
そのため、従来の刈取搬送装置は、特に、株元搬送チェンを、下側の刈取支持フレームに支える前記支持アームに、搬送中の穀稈やその切れ端、更には、搬送穀稈に絡んだり、もつれて付着し、移送されてきた雑草、泥土等がひっかかって絡み付き、溜まり部となって、円滑な搬送が阻害されたり、コンバイン作業を中断して清掃を行なう必要があるから、作業能率が阻害される等の課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を解決するために、つぎの如き技術手段を講じている。
まず、請求項1記載の発明は、走行フレーム(2)の前部に設けた刈取懸架台(3)に、刈取支持フレーム(1)の基部を上下回動自在に枢着し、該刈取支持フレーム(1)の先端側を斜め前方下方に向けて延出させて先端部に横向きの伝動ケース(4)を連結して刈取フレーム(5)を構成し、該刈取フレーム(5)には、前側から穀稈引起し装置(6)と刈取装置(7)と穀稈搬送装置(8)を夫々取付けて刈取搬送装置(9)を構成し、前記刈取支持フレーム(1)の長手方向の中間位置に基部を固着して穀稈搬送通路側に向けて延出させた支持杆(10)の先端部に、株元搬送チェン(11)を巻き掛けたチェン支持装置(12)を吊下状態に支持したことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0008】
これにより、株元搬送チェン(11)を刈取支持フレーム(1)に設けた吊下げ用支持杆(10)を利用して吊下げて支持したから、従来装置と異なり、株元搬送チェン(11)の下側部分において、穀稈の通路と、その脇に穀稈の搬送障害になる部材がなくなって広い空間部になった。
【0009】
したがって、搬送穀稈は、株元搬送チェン(11)の下側部分に絡みつく部材がなくなったから、巻付き、絡み付きが起こらず、清掃の必要もなくなり、コンバインの作業能率を高めることが可能となった。この場合、従来から搬送穀稈に絡まったり、もつれて移送されてくる稈切れや雑草、泥土等の付着物の巻き付きがなくなり、清掃の回数も大幅に少なくなり、作業能率が向上した。
【0010】
つぎに、請求項2記載の発明は、前記刈取支持フレーム(1)に内装した刈取伝動軸(13)を二段切替変速装置(14)を介して伝動ケース(4)側に伝動する構成とし、該伝動ケース(4)から前記刈取搬送装置(9)の穀稈引起し装置(6)や株元搬送チェン(11)に回転動力を分配して伝動する構成とし、前記走行フレーム(2)に搭載した走行ミッション装置(15)には副変速装置(16)を装備して走行速度を二段階に変速可能な構成とし、前記刈取搬送装置(9)の穀稈引起し装置(6)は、前記二段切替変速装置(14)と副変速装置(16)による各二段階変速の走行速度との組み合わせによる変速操作によって、植立穀稈に対して四段階の速度に変速可能な構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとしたものである。
【0011】
これにより、穀稈引起し装置(6)や株元搬送チェン(11)の穀稈に対して四つの変速速度に基づく作業を可能とし、特に、圃場の穀稈の倒伏度合いに応じてきめ細かく対応することができるものとなった。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によると、株元搬送チェン(11)を刈取支持フレーム(1)に設けた吊下げ用支持杆(10)を利用して吊下げて支持したから、従来技術と異なり、株元搬送チェン(11)の下側において、穀稈の通路は勿論のこと、通路の脇にも従来の支持アームがなくなって広い空間となった。
【0013】
したがって、穀稈を搬送する株元搬送チェン(11)の下側部分に絡みつく部材がなくなったから、巻付き、絡み付き等による藁屑や泥土の溜まり場がなくなって、円滑な穀稈搬送ができる。このように、搬送穀稈に絡まったり、もつれて移送されてくる稈切れや雑草、泥土等が付着したり、巻き付きがなくなったから、清掃作業もほとんど不要となって、コンバイン作業の能率を大幅に向上させることができる。
【0014】
つぎに、請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果を奏するものでありながら、穀稈引起し装置(6)や株元搬送チェン(11)が、圃場の穀稈に対して四つの変速速度に基づく作業を可能とし、特に、圃場の穀稈の倒伏度合いに応じて、穀稈引起し作用(走行速度に関連する引起し速度)、搬送作用をきめ細かく対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】刈取搬送装置の側面図
【図2】刈取搬送装置の平面図
【図3】コンバインの側面図
【図4】コンバインの正面図
【図5】刈取支持フレームの一部を破断した平面図
【図6】二段切替変速装置の平面図
【図7】挟持杆の作用を示す刈取搬送装置の平面図
【図8】走行速度と穀稈引起し速度との組み合わせによる変速態様のグラフ
【図9】株元搬送チェンの手動調節装置の平面図
【図10】株元搬送チェンの調節状態を示すコンバインの正面図
【図11】株元搬送チェンの調節位置を示した作用側面図
【図12】株元搬送チェンの調節機構を示す平面図
【図13】前図12の調節位置を示す作用側面図
【図14】株元搬送チェンの調節状態を示すコンバインの正面図
【図15】コンバインの平面図
【図16】刈取搬送装置の側面図
【図17】刈取搬送装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を具体的に説明する。
まず、コンバインは、図3、及び図4に示すように、クローラ18,18を装備した走行フレーム2上に、脱穀装置19を搭載し、その前側に本件出願の主要部となる刈取搬送装置9を設けて連続的に刈取脱穀作業ができる構成としている。
【0017】
そして、グレンタンク20は、前記脱穀装置19の右側に隣接して設け、脱穀・選別処理後の一番穀粒を一番揚穀機21によって揚穀し、貯留する構成としている。22は運転席である。
【0018】
つぎに、刈取搬送装置9について説明する。
まず、刈取支持フレーム1は、図1、乃至図3に示すように、前記走行フレーム2の前部、すなわち、前記脱穀装置19の前方に設けた刈取懸架台3に、基部を上下回動自在に枢着して支持した構成としている。そして、刈取支持フレーム1は、図面に示すように、その先端側を、斜め前方下方に向けて延長して先端部に横向きの伝動ケース4を連結して刈取フレーム5を構成している。そして、前記刈取支持フレーム1は、図5、及び図6に示すように、刈取伝動軸13を内装して軸架し、実施例では、該刈取伝動軸13の上手側にノークラッチ式の二段切替変速装置14を装備して刈取動力を二段階に変速できる構成にしている。なお、前記二段切替変速装置14は、刈取支持フレーム1の先端部(刈取伝動軸13の下手側)に装備するのは自由である。
【0019】
ここで、刈取支持フレーム1の内部に設けた伝動構成、ノークラッチ式の二段切替変速装置14と刈取伝動軸13とについて、関連構成を、図5、及び図6に基づいて具体的に説明する。
【0020】
まず、刈取支持フレーム1は、基部(最上部)に横向きの刈取入力軸25を軸架して、既に述べたとおり、刈取懸架台3に回動自由に枢着して支持し、この刈取入力軸25の外側端部に軸架した刈取入力プーリ26を介して動力が入力され、一対のベベルギヤ27,28を介して刈取伝動軸13に遊嵌しているパイプ軸29に伝動する構成としている。そして、二段切替変速装置14は、前記パイプ軸29の下手側に軸着した原動側変速ギヤ(小径)30と、刈取伝動軸13の、更に下手側に遊嵌状態に設けた従動側変速ギヤ(大径)31と、これら二つの原動側変速ギヤ(小径)30と従動側変速ギヤ(大径)31とを、大径変速ギヤ32と小径変速ギヤ33とによって伝動可能に接続して一連の伝動構成としている。そして、係合爪35は、前記原動側変速ギヤ(小径)30と従動側変速ギヤ(大径)31との間において、前記刈取伝動軸13上に形成したスプライン上を軸方向にシフター36による変速操作によって切替移動して両ギヤ30,31に係・脱して刈取伝動軸13を標準速度と高速とに切替できる構成としている。
【0021】
具体的には、二段切替変速装置14は、シフター36の切替操作によって、係合爪35を、原動側変速ギヤ30に係合すると、パイプ軸29から原動側変速ギヤ30に伝動されている回転動力が、係合爪35からスプライン係合している刈取伝動軸13に伝動されることになって高速伝動となる。そして、二段切替変速装置14は、係合爪35をシフター36の切替操作によって、従動側変速ギヤ(大径)31に係合すると、前記原動側変速ギヤ30から大径変速ギヤ32、小径変速ギヤ33を経由して従動側変速ギヤ(大径)31に達した回転動力が、前記係合爪35を介して刈取伝動軸13に伝達され、標準速度を伝動ケース4側に伝動する構成としている。
【0022】
そして、刈取伝動軸13は、図5、及び図6に示すように、三個の軸受装置38,38,38によって軸受・支持するが、まず、二個を、前記二段切替変速装置14の上手側でベベルギヤ28と従動側変速ギヤ31を介して軸受けし、他の一個を先端部の伝動ケース4側で軸受け支持した構成としている。そして、刈取伝動軸13は、遊嵌状態で嵌合する部位の3箇所(ベベルギヤ28、パイプ軸29、従動側変速ギヤ31)に銅製のブッシュ39を嵌め込んで設け、磨耗軽減を図る構成としている。
【0023】
以上のように、刈取伝動軸13、及び二段切替変速装置14は、軸受装置38,38,38を配置して支持したから、伝動中における軸のたわみや振れ幅が小さくなって、シフター36による変速操作が、円滑に行えるものとなった。特に、刈取伝動軸13は、実施例の場合、二段切替変速装置14を構成している従動側変速ギヤ31を介して軸受けしたから、シフター36の操作によって係合爪35が、スプライン溝に沿ってスムースに摺動し、高負荷の下で低回転時の切替がスムースにできる特徴がある。
【0024】
つぎに、刈取搬送装置9は、図1、乃至図4に示すように、前記刈取支持フレーム1と伝動ケース4とから構成した刈取フレーム5の前部低位置に分草杆40を配置し、その背後に穀稈引起し装置6を設け、その下方に刈取装置7を横方向に配置して4条刈りの構成としている。そして、穀稈掻込み装置41は、図面に示すように、掻込みラグベルト42と掻込みスターホイル43とから構成し、前記刈取装置7の上側前方位置に配置して構成している。
【0025】
そして、穀稈搬送装置8は、株元搬送チェン11や穂先搬送ラグ44からなり、刈取穀稈の株元側を挟持し、穂先側を係合して搬送する構成としている。
そして、刈取搬送装置9は、穀稈引起し装置6を始として、掻込みラグベルト42、及び掻込みスターホイル43からなる穀稈掻込み装置41、更には、穀稈搬送装置8等は、前記二段切替変速装置14を経由して変速された回転動力が刈取伝動軸13を介して伝動されて駆動される構成となっている。
【0026】
そして、株元搬送チェン11は、図1、及び図2に示すように、刈取支持フレーム1の上下の略中間部位に基部を固着した吊下げ用の支持杆10を、前側の穀稈搬送通路側に向けて延長して、その先端部をチェン支持装置12の支持枠45に連結して構成している。そして、チェン支持装置12は、回転輪46とスプリングで張圧したテンションローラ47、及び連結ロット48を連結して枠組みして株元搬送チェン11を巻き掛けて支持する構成としている。なお、駆動は、搬送始端側から入力して駆動する構成としている。
【0027】
このように、株元搬送チェン11は、搬送終端側が吊下げ用の支持杆10に連結したチェン支持装置12に支持され、始端部方向に向けて連結ロット48を延長して搬送始端側を支持し、上述の駆動スプロケットによって駆動される構成となっている。そして、実施例の場合、株元搬送チェン11は、図7に示すように、搬送側に挟持杆50を張圧力で押し当てて設け、搬送穀稈を弾性力で挟持するが、その挟持杆50は、始端部を穀稈掻込み装置41の前側機枠51に取付けて搬送通路に沿わせて湾曲し、チェン11の搬送面に押し当てて配置している。この場合、挟持杆50は、図面に示すように、中間部に一回巻き付けたスプリング部52を設けて、後半部50aの弾性スプリング力を強く保持させた構成とし、最後まで穀稈株元を確実に挟持する構成としている。
【0028】
このように、挟持杆50は、中間部に一回巻き付けたスプリング部52を形成すると、後半部50aの張圧力が衰えず強くなって穀稈の保持ができる特徴がある。従来、挟持杆50は、前半部と後半部とを別々に2本の挟持杆を使っていたが、1本の構成にすることが可能となった。
【0029】
以上説明したように、実施例は、従来装置と異なり、株元搬送チェン11の下側において、穀稈の通路は勿論のこと、穀稈通路の脇にも従来の支持アームがなくなって比較的広い空間となった。
【0030】
そのために、実施例は、穀稈を搬送する株元搬送チェン11の下側部分には、従来のように、絡みつく部材がなくなって巻付き、絡み付きが発生せず、円滑な穀稈搬送ができるものとなった。そして、搬送中の穀稈は、稈切れや雑草、泥土等が穀稈に絡まったり、穀稈にもつれて一緒に移送されてくる場合があるが、これらは巻き付く部材がないために、溜まり部とならず、途中で落下するから、清掃作業もほとんど不要となって、コンバイン作業の能率を大幅に向上することができた。
【0031】
なお、支持杆10は、実施例のように構成すれば、図1に示すように、株元搬送チェン11の搬送終端部から受継ぐ背後の扱深さ調節装置53の下限ストッパーとすることも可能である。
【0032】
つぎに、前述した二段切替変速装置14と、コンバインに装備している走行ミッション装置15の副変速装置16による走行速度の二段階変速との関連について説明する。
実施例のコンバインは、走行ミッション装置15に副変速装置16を装備し、走行速度を標準速度と倒伏速度(圃場に倒伏穀稈が多いとき、標準速度より減速して走行する)との二段階の変速ができる構成となっている。一方、前記二段切替変速装置14は、既に説明したように、高速伝動と標準速度との二速に変速できる構成としている。そして、穀稈引起し装置6の引起し速度と、コンバインの走行速度とは、コンバイン作業中に、穀稈の倒伏度に密接な関係があって、穀稈の倒伏度が大きいときには、低速走行を続けながら低速で引起し作用を行うことによって、引起し時の穀稈の折損や脱粒を防止し、適確な引起し作用が可能となる。
【0033】
そこで、図8のグラフ〔横軸が走行速度(作業速度)・縦軸が引起し速度〕に示した四つの変速態様は、一方の二段切替変速装置14による穀稈引起し装置6の標準速度と高速と、他方の副変速装置16による走行速度の標準速度と倒伏速度とを組み合わせて、圃場の穀稈に対する引起し時の速度を示している。
【0034】
このように、実施例は、圃場における穀稈の倒伏度合いに応じて、二つの速度を組み合わせて変速しながら、四つの変速態様に基づく作業を可能にできるものであって、倒伏穀稈への適応性が拡大した特徴がある。そして、穀稈引起し装置6や株元搬送チェン11は、圃場の穀稈に対して上述の各変速態様に基づく作業を可能とし、特に、圃場の穀稈の倒伏度合いに応じて、穀稈引起し作用、搬送作用をきめ細かく対応することができる点で優れている。
【0035】
そして、実施例の場合、同一作業速における引起し速度の増速幅を、略5割増しに設定して、取扱いの明確化を図っている。
つぎに、株元搬送チェン11の搬送終端部の高さ調節に関する実施例を説明する。
【0036】
まず、図9に示すように、株元搬送チェン11は、左株元搬送チェン55に比較して搬送径路が長く、搬送終端部分では上記左株元搬送チェン55が搬送してきた穀稈と合流させてまとめた状態の搬送穀稈を、後部に配置している扱深さ調節装置53に受継がせる構成としている。そして、吊下げ用支持アーム10は、図9、及び図11に示すように、基部を刈取支持フレーム1に固着し、先端部には上下方向に調節溝を設けた上下調節板56を設け、チェン11側の支持枠45を上下高さ調節自在にノブボルト57によって固定する構成としている。そして、実施例の株元搬送チェン11は、搬送始端側が上下に回動出来るように枢着状態に支持し、後部の前記支持枠45を、図11に示すように、吊下げ用支持アーム10の先端部に設けた上下調節板56に対して上下に高さ調節をしてノブボルト57を利用して固定できる構成としている。
【0037】
つぎに、株元搬送チェン11は、図12、及び図13に示すように、刈取支持フレーム1上に装備した制御モータ58を利用して運転席22から自動によって上下調節ができる構成としている。この実施例の場合、制御モータ58は、駆動回転できるように減速装置を介して回動調節アーム60を連結し、この回動調節アーム60を、株元搬送チェン11に連結している支持杆61に連結して上下に調節できる構成としている。
【0038】
この場合、株元搬送チェン11は、前記実施例がノブボルト57を利用した手動調節であるのに対して、運転席22からオペレーターがスイッチのON,OFFによって遠隔操作をする自動調節となっている。実施例は、図13に示すように、株元搬送チェン11を、制御モータ58の正・逆転操作によって、自動的に高さ位置を上下に調節ができる。
【0039】
つぎに、図14に示した実施例は、扱深さ制御用の稈長検出センサ63の検出情報を図外のコントローラで処理し、前記制御モータ58に制御信号として入力して制御する構成としている。
【0040】
まず、扱深さ調節装置53は、既に周知の構成であるから詳細な説明は省略するが、株元側チェン53aと穂先側ラグベルト53bとをU字杆53cで一体に枠組みして連結し、搬送終端部を脱穀装置19のフィードチェン64に対して稈身方向に自動制御調節する構成となっている。この場合、前記扱深さ調節装置53は、図14に示すように、前記稈長検出センサ63の検出情報に基づき稈長に対応して制御され、短稈であれば深扱ぎ側へ、逆に、長稈であれば浅扱ぎ側に移動調節しながら適正な扱ぎ位置に供給する構成となっている。
【0041】
しかしながら、例えば、稲の場合、稈長が極端に長い場合、又は、逆に、極端に短い場合、上記扱深さ調節装置53の調節範囲を越えて、対応できない場合が発生する。このような場合に、既に説明した株元搬送チェン11を、前記扱深さ調節装置53の前工程において、予め、大まかな扱深さ調節(予備調節)をしておけば、前記扱深さ調節装置53による調節で充分に対応することができる。
【0042】
更に、実施例の刈取搬送装置9は、株元搬送チェン11の上下調節と刈取フレーム5の上下調節とを制御的に連動させる構成にすることも可能である。すなわち、株元搬送チェン11は、図12、及び図13に示した前記制御モータ58を、刈取フレーム5の上下検出センサと連動する構成とすれば、脱穀装置19に供給する最終の扱深さの調節を、第一段階で刈取上げで行い、つぎに株元搬送チェン上下で行い、最終的に扱深さ調節装置53で行なうことができる。そして、株元搬送チェン11は、上下検出センサの検出に基づいて、刈取搬送装置8が自動停止する構成の場合には、上昇によって稈こぼれを未然に防止できる効果がある。
【0043】
更に、前記株元搬送チェン11は、これを前記制御モータ58によって自動的に上昇する機構を、湿田作業時に利用することができる。すなわち、コンバインに装備されている湿田走行モードスイッチを、前記株元搬送チェン11の制御モータ58にも接続して構成する。そして、コンバインを湿田作業に移行すると、前記株元搬送チェン11は、制御モータ58によって自動的に上方に持ち上げられて、下方の機枠、特に、刈取支持フレーム1との間隔が広く開き、空間が形成され、湿田面から飛び散ったり、持ち上げられる泥土や雑草の溜まり場ができることがない特徴がある。
【0044】
つぎに、前記株元搬送チェン11の制御モータ58を、副変速装置16の変速操作に連動する構成とした実施例について説明する。
既に説明した副変速装置16は、コンバインの走行速度を標準速度と倒伏速度との二段に変速できる構成となっているが、実施例の構成は、倒伏速度に変速すると、制御モータ58を連動して株元搬送チェン11を上昇する構成としている。
【0045】
すると、前記株元搬送チェン11は、走行速度が倒伏速度になると、後部が上昇して刈取支持フレーム1との間隔が広がって、株元スペースが拡大し、藁屑溜りが発生しない利点がある。
【0046】
つぎに、前記二段切替変速装置14と前記株元搬送チェン11の制御モータ58とを連動する構成にした実施例を説明する。
この場合、実施例は、二段切替変速装置14を高速伝動に切り替えると、株元搬送チェン11の制御モータ58を連動して上昇する構成としている。したがって、株元搬送チェン11は、刈取伝動が高速になると、上昇して下側の刈取支持フレーム1等との間隔が広くなって、泥溜まりや藁屑の溜まり場所がなくなり、障害なく穀稈搬送ができる特徴がある。
【0047】
つぎに、図15、及び図16に示す実施例について説明する。
まず、刈取搬送装置9は、実施例の場合、図15に示すように、右側の長い株元搬送チェン11に対して、短い左株元搬送チェン55を設けて平面視ハ字状に配置し、刈取幅の左右両側から刈取穀稈を集めながら搬送して上部で合流し、後方側の供給チェン67に受継がせる構成としている。そして、実施例は、株元搬送チェン11と左株元搬送チェン55との両方の搬送通路に臨ませて、それぞれ株元検出センサ68,68を設置して搬送穀稈の株元位置(高さ)を検出できる構成としている。そして、図外のコントローラは、前記両方の株元検出センサ68,68から入力された検出情報に基づいて、左右の搬送穀稈列の株元位置(高さ)の差異を算出して、前記株元搬送チェン11の制御モータ58に制御信号を出力する構成としている。すると、制御モータ58は、一方側の前記株元搬送チェン11を、高さが固定されている左株元搬送チェン55に対して、株元位置の差異分だけ、上方、又は下方に昇降移動して、左右株元搬送チェン11,55の高さを合わせ、搬送穀稈の株元の上下位置を揃えることができるものとしている。
【0048】
このように、前記図外のコントローラは、自動的に両方の株元搬送チェン11,55が搬送している穀稈の株元位置の差だけ、制御モータ58を制御して修正移動させるから、両搬送チェン11,55が搬送する株元の位置を搬送終端部(穀稈合流位置)で揃えることができる特徴がある。したがって、後続の供給チェン67は、株元の揃った合流穀稈列を順次受継いで扱深さ調節をしながら脱穀装置19に穂部の位置を揃えて供給できる特徴がある。
【0049】
つぎに、図17に基づいて、既に、説明している株元搬送チェン11の上下調節機構に関し、搬送始端部側の伝動構成と、併せて、枢着・支持構成について一例を述べる。
まず、株元搬送チェン11は、図17に示すように、下側の伝動ケース4に下端部を連結して上方の穀稈引起し装置6へ動力を取出す引起しパイプ69の中間部から回転動力が取出され、下側の掻込みスターホイル43と同軸のスプロケット70によって伝動される構成としている。この場合、スプロケット70と下側の掻込みスターホイル43とは、上側の伝動ボックス71に支持され、伝動軸を介して一体の状態に支持されている。
【0050】
そして、前記伝動ボックス71は、引起しパイプ69に横軸(入力軸)73を回動支点にして支持され、その横軸73から回転動力が入力される構成としている。そして、株元搬送チェン11は、搬送始端部分が前記引起しパイプ69に枢着支持された前記横軸73によって伝動ボックス71や掻込みスターホイル43と一体の状態で上下に回動自在に取付けた構成となっている。そして、株元搬送チェン11は、既に説明しているように刈取支持フレーム1上に設置している制御モータ58と回動調節アーム60によって搬送終端部側が上下調節できる構成となっている。
【0051】
以上の構成によって、株元搬送チェン11は、搬送始端側を回動支点にして、搬送終端側を、手動調節(図9、図11参照)、制御モータ58を利用した自動調節(図12、図13参照)、更には、他の制御機構と関連させた自動制御に基づく制御調節ができる優れた特徴がある。
【符号の説明】
【0052】
1 刈取支持フレーム
2 走行フレーム
3 刈取懸架台
4 伝動ケース
5 刈取フレーム
6 穀稈引起し装置
7 刈取装置
8 穀稈搬送装置
9 刈取搬送装置
10 吊下げ用支持杆
11 株元搬送チェン
12 チェン支持装置
13 刈取伝動軸
14 二段切替変速装置
15 走行ミッション装置
16 副変速装置
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からコンバインの刈取搬送装置は、前部に設ける掻込み用スターホイルや
掻込みラグベルト、更には、株元搬送チェン、穂先搬送装置等を取付け支持する
場合、下側に配置した刈取フレームに支持アームなどを設けて取付け、支持する
構成が一般的であった。
【0003】
例えば、特開平4−365416号公開特許公報(特許文献1参照)に開示さ
れている公知の技術は、明細書と、図面につぎのように記載されている。
「最前方位置に設けた分草杆17の後方に引起し装置18を設け、該引起し装置18の後方に掻込ベルト装置21、及びスターホイル22を設け、スターホイル22の下方に刈刃23を設け、切断した穀稈を搬送する株元側搬送チェン24を設ける。左右側に設けられた掻込ベルト装置21、スターホイル22及び株元側搬送チェン24はブロック構成とし、これらのブロックは、下部は刈取部フレーム7の下部伝動筒10固定され上部は前記引起し装置18を支持する縦状の支持部材12に着脱自在に取り付ける」
上記公知技術は、搬送装置等の取付構成を示した一例であるが、通常、下側のフレームから支持杆を上側に伸ばして連結して支持する構成が一般的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−365416号公開特許公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来からこの種のコンバインにおける刈取搬送装置は、刈取支持フレームと、その先端部に連結した横向きの伝動ケースとから構成された刈取フレームに、株元搬送チェンを取付ける場合、前記刈取フレームから支持アームを上方に立ち上げ、その支持アームにチェンレールやスプロケット等のチェン支持装置を取付け、このチェン支持装置に株元搬送チェンを巻き掛けて支持する構成が一般的であった。
【0006】
そのため、従来の刈取搬送装置は、特に、株元搬送チェンを、下側の刈取支持フレームに支える前記支持アームに、搬送中の穀稈やその切れ端、更には、搬送穀稈に絡んだり、もつれて付着し、移送されてきた雑草、泥土等がひっかかって絡み付き、溜まり部となって、円滑な搬送が阻害されたり、コンバイン作業を中断して清掃を行なう必要があるから、作業能率が阻害される等の課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を解決するために、つぎの如き技術手段を講じている。
まず、請求項1記載の発明は、走行フレーム(2)の前部に設けた刈取懸架台(3)に、刈取支持フレーム(1)の基部を上下回動自在に枢着し、該刈取支持フレーム(1)の先端側を斜め前方下方に向けて延出させて先端部に横向きの伝動ケース(4)を連結して刈取フレーム(5)を構成し、該刈取フレーム(5)には、前側から穀稈引起し装置(6)と刈取装置(7)と穀稈搬送装置(8)を夫々取付けて刈取搬送装置(9)を構成し、前記刈取支持フレーム(1)の長手方向の中間位置に基部を固着して穀稈搬送通路側に向けて延出させた支持杆(10)の先端部に、株元搬送チェン(11)を巻き掛けたチェン支持装置(12)を吊下状態に支持したことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0008】
これにより、株元搬送チェン(11)を刈取支持フレーム(1)に設けた吊下げ用支持杆(10)を利用して吊下げて支持したから、従来装置と異なり、株元搬送チェン(11)の下側部分において、穀稈の通路と、その脇に穀稈の搬送障害になる部材がなくなって広い空間部になった。
【0009】
したがって、搬送穀稈は、株元搬送チェン(11)の下側部分に絡みつく部材がなくなったから、巻付き、絡み付きが起こらず、清掃の必要もなくなり、コンバインの作業能率を高めることが可能となった。この場合、従来から搬送穀稈に絡まったり、もつれて移送されてくる稈切れや雑草、泥土等の付着物の巻き付きがなくなり、清掃の回数も大幅に少なくなり、作業能率が向上した。
【0010】
つぎに、請求項2記載の発明は、前記刈取支持フレーム(1)に内装した刈取伝動軸(13)を二段切替変速装置(14)を介して伝動ケース(4)側に伝動する構成とし、該伝動ケース(4)から前記刈取搬送装置(9)の穀稈引起し装置(6)や株元搬送チェン(11)に回転動力を分配して伝動する構成とし、前記走行フレーム(2)に搭載した走行ミッション装置(15)には副変速装置(16)を装備して走行速度を二段階に変速可能な構成とし、前記刈取搬送装置(9)の穀稈引起し装置(6)は、前記二段切替変速装置(14)と副変速装置(16)による各二段階変速の走行速度との組み合わせによる変速操作によって、植立穀稈に対して四段階の速度に変速可能な構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとしたものである。
【0011】
これにより、穀稈引起し装置(6)や株元搬送チェン(11)の穀稈に対して四つの変速速度に基づく作業を可能とし、特に、圃場の穀稈の倒伏度合いに応じてきめ細かく対応することができるものとなった。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によると、株元搬送チェン(11)を刈取支持フレーム(1)に設けた吊下げ用支持杆(10)を利用して吊下げて支持したから、従来技術と異なり、株元搬送チェン(11)の下側において、穀稈の通路は勿論のこと、通路の脇にも従来の支持アームがなくなって広い空間となった。
【0013】
したがって、穀稈を搬送する株元搬送チェン(11)の下側部分に絡みつく部材がなくなったから、巻付き、絡み付き等による藁屑や泥土の溜まり場がなくなって、円滑な穀稈搬送ができる。このように、搬送穀稈に絡まったり、もつれて移送されてくる稈切れや雑草、泥土等が付着したり、巻き付きがなくなったから、清掃作業もほとんど不要となって、コンバイン作業の能率を大幅に向上させることができる。
【0014】
つぎに、請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果を奏するものでありながら、穀稈引起し装置(6)や株元搬送チェン(11)が、圃場の穀稈に対して四つの変速速度に基づく作業を可能とし、特に、圃場の穀稈の倒伏度合いに応じて、穀稈引起し作用(走行速度に関連する引起し速度)、搬送作用をきめ細かく対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】刈取搬送装置の側面図
【図2】刈取搬送装置の平面図
【図3】コンバインの側面図
【図4】コンバインの正面図
【図5】刈取支持フレームの一部を破断した平面図
【図6】二段切替変速装置の平面図
【図7】挟持杆の作用を示す刈取搬送装置の平面図
【図8】走行速度と穀稈引起し速度との組み合わせによる変速態様のグラフ
【図9】株元搬送チェンの手動調節装置の平面図
【図10】株元搬送チェンの調節状態を示すコンバインの正面図
【図11】株元搬送チェンの調節位置を示した作用側面図
【図12】株元搬送チェンの調節機構を示す平面図
【図13】前図12の調節位置を示す作用側面図
【図14】株元搬送チェンの調節状態を示すコンバインの正面図
【図15】コンバインの平面図
【図16】刈取搬送装置の側面図
【図17】刈取搬送装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を具体的に説明する。
まず、コンバインは、図3、及び図4に示すように、クローラ18,18を装備した走行フレーム2上に、脱穀装置19を搭載し、その前側に本件出願の主要部となる刈取搬送装置9を設けて連続的に刈取脱穀作業ができる構成としている。
【0017】
そして、グレンタンク20は、前記脱穀装置19の右側に隣接して設け、脱穀・選別処理後の一番穀粒を一番揚穀機21によって揚穀し、貯留する構成としている。22は運転席である。
【0018】
つぎに、刈取搬送装置9について説明する。
まず、刈取支持フレーム1は、図1、乃至図3に示すように、前記走行フレーム2の前部、すなわち、前記脱穀装置19の前方に設けた刈取懸架台3に、基部を上下回動自在に枢着して支持した構成としている。そして、刈取支持フレーム1は、図面に示すように、その先端側を、斜め前方下方に向けて延長して先端部に横向きの伝動ケース4を連結して刈取フレーム5を構成している。そして、前記刈取支持フレーム1は、図5、及び図6に示すように、刈取伝動軸13を内装して軸架し、実施例では、該刈取伝動軸13の上手側にノークラッチ式の二段切替変速装置14を装備して刈取動力を二段階に変速できる構成にしている。なお、前記二段切替変速装置14は、刈取支持フレーム1の先端部(刈取伝動軸13の下手側)に装備するのは自由である。
【0019】
ここで、刈取支持フレーム1の内部に設けた伝動構成、ノークラッチ式の二段切替変速装置14と刈取伝動軸13とについて、関連構成を、図5、及び図6に基づいて具体的に説明する。
【0020】
まず、刈取支持フレーム1は、基部(最上部)に横向きの刈取入力軸25を軸架して、既に述べたとおり、刈取懸架台3に回動自由に枢着して支持し、この刈取入力軸25の外側端部に軸架した刈取入力プーリ26を介して動力が入力され、一対のベベルギヤ27,28を介して刈取伝動軸13に遊嵌しているパイプ軸29に伝動する構成としている。そして、二段切替変速装置14は、前記パイプ軸29の下手側に軸着した原動側変速ギヤ(小径)30と、刈取伝動軸13の、更に下手側に遊嵌状態に設けた従動側変速ギヤ(大径)31と、これら二つの原動側変速ギヤ(小径)30と従動側変速ギヤ(大径)31とを、大径変速ギヤ32と小径変速ギヤ33とによって伝動可能に接続して一連の伝動構成としている。そして、係合爪35は、前記原動側変速ギヤ(小径)30と従動側変速ギヤ(大径)31との間において、前記刈取伝動軸13上に形成したスプライン上を軸方向にシフター36による変速操作によって切替移動して両ギヤ30,31に係・脱して刈取伝動軸13を標準速度と高速とに切替できる構成としている。
【0021】
具体的には、二段切替変速装置14は、シフター36の切替操作によって、係合爪35を、原動側変速ギヤ30に係合すると、パイプ軸29から原動側変速ギヤ30に伝動されている回転動力が、係合爪35からスプライン係合している刈取伝動軸13に伝動されることになって高速伝動となる。そして、二段切替変速装置14は、係合爪35をシフター36の切替操作によって、従動側変速ギヤ(大径)31に係合すると、前記原動側変速ギヤ30から大径変速ギヤ32、小径変速ギヤ33を経由して従動側変速ギヤ(大径)31に達した回転動力が、前記係合爪35を介して刈取伝動軸13に伝達され、標準速度を伝動ケース4側に伝動する構成としている。
【0022】
そして、刈取伝動軸13は、図5、及び図6に示すように、三個の軸受装置38,38,38によって軸受・支持するが、まず、二個を、前記二段切替変速装置14の上手側でベベルギヤ28と従動側変速ギヤ31を介して軸受けし、他の一個を先端部の伝動ケース4側で軸受け支持した構成としている。そして、刈取伝動軸13は、遊嵌状態で嵌合する部位の3箇所(ベベルギヤ28、パイプ軸29、従動側変速ギヤ31)に銅製のブッシュ39を嵌め込んで設け、磨耗軽減を図る構成としている。
【0023】
以上のように、刈取伝動軸13、及び二段切替変速装置14は、軸受装置38,38,38を配置して支持したから、伝動中における軸のたわみや振れ幅が小さくなって、シフター36による変速操作が、円滑に行えるものとなった。特に、刈取伝動軸13は、実施例の場合、二段切替変速装置14を構成している従動側変速ギヤ31を介して軸受けしたから、シフター36の操作によって係合爪35が、スプライン溝に沿ってスムースに摺動し、高負荷の下で低回転時の切替がスムースにできる特徴がある。
【0024】
つぎに、刈取搬送装置9は、図1、乃至図4に示すように、前記刈取支持フレーム1と伝動ケース4とから構成した刈取フレーム5の前部低位置に分草杆40を配置し、その背後に穀稈引起し装置6を設け、その下方に刈取装置7を横方向に配置して4条刈りの構成としている。そして、穀稈掻込み装置41は、図面に示すように、掻込みラグベルト42と掻込みスターホイル43とから構成し、前記刈取装置7の上側前方位置に配置して構成している。
【0025】
そして、穀稈搬送装置8は、株元搬送チェン11や穂先搬送ラグ44からなり、刈取穀稈の株元側を挟持し、穂先側を係合して搬送する構成としている。
そして、刈取搬送装置9は、穀稈引起し装置6を始として、掻込みラグベルト42、及び掻込みスターホイル43からなる穀稈掻込み装置41、更には、穀稈搬送装置8等は、前記二段切替変速装置14を経由して変速された回転動力が刈取伝動軸13を介して伝動されて駆動される構成となっている。
【0026】
そして、株元搬送チェン11は、図1、及び図2に示すように、刈取支持フレーム1の上下の略中間部位に基部を固着した吊下げ用の支持杆10を、前側の穀稈搬送通路側に向けて延長して、その先端部をチェン支持装置12の支持枠45に連結して構成している。そして、チェン支持装置12は、回転輪46とスプリングで張圧したテンションローラ47、及び連結ロット48を連結して枠組みして株元搬送チェン11を巻き掛けて支持する構成としている。なお、駆動は、搬送始端側から入力して駆動する構成としている。
【0027】
このように、株元搬送チェン11は、搬送終端側が吊下げ用の支持杆10に連結したチェン支持装置12に支持され、始端部方向に向けて連結ロット48を延長して搬送始端側を支持し、上述の駆動スプロケットによって駆動される構成となっている。そして、実施例の場合、株元搬送チェン11は、図7に示すように、搬送側に挟持杆50を張圧力で押し当てて設け、搬送穀稈を弾性力で挟持するが、その挟持杆50は、始端部を穀稈掻込み装置41の前側機枠51に取付けて搬送通路に沿わせて湾曲し、チェン11の搬送面に押し当てて配置している。この場合、挟持杆50は、図面に示すように、中間部に一回巻き付けたスプリング部52を設けて、後半部50aの弾性スプリング力を強く保持させた構成とし、最後まで穀稈株元を確実に挟持する構成としている。
【0028】
このように、挟持杆50は、中間部に一回巻き付けたスプリング部52を形成すると、後半部50aの張圧力が衰えず強くなって穀稈の保持ができる特徴がある。従来、挟持杆50は、前半部と後半部とを別々に2本の挟持杆を使っていたが、1本の構成にすることが可能となった。
【0029】
以上説明したように、実施例は、従来装置と異なり、株元搬送チェン11の下側において、穀稈の通路は勿論のこと、穀稈通路の脇にも従来の支持アームがなくなって比較的広い空間となった。
【0030】
そのために、実施例は、穀稈を搬送する株元搬送チェン11の下側部分には、従来のように、絡みつく部材がなくなって巻付き、絡み付きが発生せず、円滑な穀稈搬送ができるものとなった。そして、搬送中の穀稈は、稈切れや雑草、泥土等が穀稈に絡まったり、穀稈にもつれて一緒に移送されてくる場合があるが、これらは巻き付く部材がないために、溜まり部とならず、途中で落下するから、清掃作業もほとんど不要となって、コンバイン作業の能率を大幅に向上することができた。
【0031】
なお、支持杆10は、実施例のように構成すれば、図1に示すように、株元搬送チェン11の搬送終端部から受継ぐ背後の扱深さ調節装置53の下限ストッパーとすることも可能である。
【0032】
つぎに、前述した二段切替変速装置14と、コンバインに装備している走行ミッション装置15の副変速装置16による走行速度の二段階変速との関連について説明する。
実施例のコンバインは、走行ミッション装置15に副変速装置16を装備し、走行速度を標準速度と倒伏速度(圃場に倒伏穀稈が多いとき、標準速度より減速して走行する)との二段階の変速ができる構成となっている。一方、前記二段切替変速装置14は、既に説明したように、高速伝動と標準速度との二速に変速できる構成としている。そして、穀稈引起し装置6の引起し速度と、コンバインの走行速度とは、コンバイン作業中に、穀稈の倒伏度に密接な関係があって、穀稈の倒伏度が大きいときには、低速走行を続けながら低速で引起し作用を行うことによって、引起し時の穀稈の折損や脱粒を防止し、適確な引起し作用が可能となる。
【0033】
そこで、図8のグラフ〔横軸が走行速度(作業速度)・縦軸が引起し速度〕に示した四つの変速態様は、一方の二段切替変速装置14による穀稈引起し装置6の標準速度と高速と、他方の副変速装置16による走行速度の標準速度と倒伏速度とを組み合わせて、圃場の穀稈に対する引起し時の速度を示している。
【0034】
このように、実施例は、圃場における穀稈の倒伏度合いに応じて、二つの速度を組み合わせて変速しながら、四つの変速態様に基づく作業を可能にできるものであって、倒伏穀稈への適応性が拡大した特徴がある。そして、穀稈引起し装置6や株元搬送チェン11は、圃場の穀稈に対して上述の各変速態様に基づく作業を可能とし、特に、圃場の穀稈の倒伏度合いに応じて、穀稈引起し作用、搬送作用をきめ細かく対応することができる点で優れている。
【0035】
そして、実施例の場合、同一作業速における引起し速度の増速幅を、略5割増しに設定して、取扱いの明確化を図っている。
つぎに、株元搬送チェン11の搬送終端部の高さ調節に関する実施例を説明する。
【0036】
まず、図9に示すように、株元搬送チェン11は、左株元搬送チェン55に比較して搬送径路が長く、搬送終端部分では上記左株元搬送チェン55が搬送してきた穀稈と合流させてまとめた状態の搬送穀稈を、後部に配置している扱深さ調節装置53に受継がせる構成としている。そして、吊下げ用支持アーム10は、図9、及び図11に示すように、基部を刈取支持フレーム1に固着し、先端部には上下方向に調節溝を設けた上下調節板56を設け、チェン11側の支持枠45を上下高さ調節自在にノブボルト57によって固定する構成としている。そして、実施例の株元搬送チェン11は、搬送始端側が上下に回動出来るように枢着状態に支持し、後部の前記支持枠45を、図11に示すように、吊下げ用支持アーム10の先端部に設けた上下調節板56に対して上下に高さ調節をしてノブボルト57を利用して固定できる構成としている。
【0037】
つぎに、株元搬送チェン11は、図12、及び図13に示すように、刈取支持フレーム1上に装備した制御モータ58を利用して運転席22から自動によって上下調節ができる構成としている。この実施例の場合、制御モータ58は、駆動回転できるように減速装置を介して回動調節アーム60を連結し、この回動調節アーム60を、株元搬送チェン11に連結している支持杆61に連結して上下に調節できる構成としている。
【0038】
この場合、株元搬送チェン11は、前記実施例がノブボルト57を利用した手動調節であるのに対して、運転席22からオペレーターがスイッチのON,OFFによって遠隔操作をする自動調節となっている。実施例は、図13に示すように、株元搬送チェン11を、制御モータ58の正・逆転操作によって、自動的に高さ位置を上下に調節ができる。
【0039】
つぎに、図14に示した実施例は、扱深さ制御用の稈長検出センサ63の検出情報を図外のコントローラで処理し、前記制御モータ58に制御信号として入力して制御する構成としている。
【0040】
まず、扱深さ調節装置53は、既に周知の構成であるから詳細な説明は省略するが、株元側チェン53aと穂先側ラグベルト53bとをU字杆53cで一体に枠組みして連結し、搬送終端部を脱穀装置19のフィードチェン64に対して稈身方向に自動制御調節する構成となっている。この場合、前記扱深さ調節装置53は、図14に示すように、前記稈長検出センサ63の検出情報に基づき稈長に対応して制御され、短稈であれば深扱ぎ側へ、逆に、長稈であれば浅扱ぎ側に移動調節しながら適正な扱ぎ位置に供給する構成となっている。
【0041】
しかしながら、例えば、稲の場合、稈長が極端に長い場合、又は、逆に、極端に短い場合、上記扱深さ調節装置53の調節範囲を越えて、対応できない場合が発生する。このような場合に、既に説明した株元搬送チェン11を、前記扱深さ調節装置53の前工程において、予め、大まかな扱深さ調節(予備調節)をしておけば、前記扱深さ調節装置53による調節で充分に対応することができる。
【0042】
更に、実施例の刈取搬送装置9は、株元搬送チェン11の上下調節と刈取フレーム5の上下調節とを制御的に連動させる構成にすることも可能である。すなわち、株元搬送チェン11は、図12、及び図13に示した前記制御モータ58を、刈取フレーム5の上下検出センサと連動する構成とすれば、脱穀装置19に供給する最終の扱深さの調節を、第一段階で刈取上げで行い、つぎに株元搬送チェン上下で行い、最終的に扱深さ調節装置53で行なうことができる。そして、株元搬送チェン11は、上下検出センサの検出に基づいて、刈取搬送装置8が自動停止する構成の場合には、上昇によって稈こぼれを未然に防止できる効果がある。
【0043】
更に、前記株元搬送チェン11は、これを前記制御モータ58によって自動的に上昇する機構を、湿田作業時に利用することができる。すなわち、コンバインに装備されている湿田走行モードスイッチを、前記株元搬送チェン11の制御モータ58にも接続して構成する。そして、コンバインを湿田作業に移行すると、前記株元搬送チェン11は、制御モータ58によって自動的に上方に持ち上げられて、下方の機枠、特に、刈取支持フレーム1との間隔が広く開き、空間が形成され、湿田面から飛び散ったり、持ち上げられる泥土や雑草の溜まり場ができることがない特徴がある。
【0044】
つぎに、前記株元搬送チェン11の制御モータ58を、副変速装置16の変速操作に連動する構成とした実施例について説明する。
既に説明した副変速装置16は、コンバインの走行速度を標準速度と倒伏速度との二段に変速できる構成となっているが、実施例の構成は、倒伏速度に変速すると、制御モータ58を連動して株元搬送チェン11を上昇する構成としている。
【0045】
すると、前記株元搬送チェン11は、走行速度が倒伏速度になると、後部が上昇して刈取支持フレーム1との間隔が広がって、株元スペースが拡大し、藁屑溜りが発生しない利点がある。
【0046】
つぎに、前記二段切替変速装置14と前記株元搬送チェン11の制御モータ58とを連動する構成にした実施例を説明する。
この場合、実施例は、二段切替変速装置14を高速伝動に切り替えると、株元搬送チェン11の制御モータ58を連動して上昇する構成としている。したがって、株元搬送チェン11は、刈取伝動が高速になると、上昇して下側の刈取支持フレーム1等との間隔が広くなって、泥溜まりや藁屑の溜まり場所がなくなり、障害なく穀稈搬送ができる特徴がある。
【0047】
つぎに、図15、及び図16に示す実施例について説明する。
まず、刈取搬送装置9は、実施例の場合、図15に示すように、右側の長い株元搬送チェン11に対して、短い左株元搬送チェン55を設けて平面視ハ字状に配置し、刈取幅の左右両側から刈取穀稈を集めながら搬送して上部で合流し、後方側の供給チェン67に受継がせる構成としている。そして、実施例は、株元搬送チェン11と左株元搬送チェン55との両方の搬送通路に臨ませて、それぞれ株元検出センサ68,68を設置して搬送穀稈の株元位置(高さ)を検出できる構成としている。そして、図外のコントローラは、前記両方の株元検出センサ68,68から入力された検出情報に基づいて、左右の搬送穀稈列の株元位置(高さ)の差異を算出して、前記株元搬送チェン11の制御モータ58に制御信号を出力する構成としている。すると、制御モータ58は、一方側の前記株元搬送チェン11を、高さが固定されている左株元搬送チェン55に対して、株元位置の差異分だけ、上方、又は下方に昇降移動して、左右株元搬送チェン11,55の高さを合わせ、搬送穀稈の株元の上下位置を揃えることができるものとしている。
【0048】
このように、前記図外のコントローラは、自動的に両方の株元搬送チェン11,55が搬送している穀稈の株元位置の差だけ、制御モータ58を制御して修正移動させるから、両搬送チェン11,55が搬送する株元の位置を搬送終端部(穀稈合流位置)で揃えることができる特徴がある。したがって、後続の供給チェン67は、株元の揃った合流穀稈列を順次受継いで扱深さ調節をしながら脱穀装置19に穂部の位置を揃えて供給できる特徴がある。
【0049】
つぎに、図17に基づいて、既に、説明している株元搬送チェン11の上下調節機構に関し、搬送始端部側の伝動構成と、併せて、枢着・支持構成について一例を述べる。
まず、株元搬送チェン11は、図17に示すように、下側の伝動ケース4に下端部を連結して上方の穀稈引起し装置6へ動力を取出す引起しパイプ69の中間部から回転動力が取出され、下側の掻込みスターホイル43と同軸のスプロケット70によって伝動される構成としている。この場合、スプロケット70と下側の掻込みスターホイル43とは、上側の伝動ボックス71に支持され、伝動軸を介して一体の状態に支持されている。
【0050】
そして、前記伝動ボックス71は、引起しパイプ69に横軸(入力軸)73を回動支点にして支持され、その横軸73から回転動力が入力される構成としている。そして、株元搬送チェン11は、搬送始端部分が前記引起しパイプ69に枢着支持された前記横軸73によって伝動ボックス71や掻込みスターホイル43と一体の状態で上下に回動自在に取付けた構成となっている。そして、株元搬送チェン11は、既に説明しているように刈取支持フレーム1上に設置している制御モータ58と回動調節アーム60によって搬送終端部側が上下調節できる構成となっている。
【0051】
以上の構成によって、株元搬送チェン11は、搬送始端側を回動支点にして、搬送終端側を、手動調節(図9、図11参照)、制御モータ58を利用した自動調節(図12、図13参照)、更には、他の制御機構と関連させた自動制御に基づく制御調節ができる優れた特徴がある。
【符号の説明】
【0052】
1 刈取支持フレーム
2 走行フレーム
3 刈取懸架台
4 伝動ケース
5 刈取フレーム
6 穀稈引起し装置
7 刈取装置
8 穀稈搬送装置
9 刈取搬送装置
10 吊下げ用支持杆
11 株元搬送チェン
12 チェン支持装置
13 刈取伝動軸
14 二段切替変速装置
15 走行ミッション装置
16 副変速装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行フレーム(2)の前部に設けた刈取懸架台(3)に、刈取支持フレーム(1)の基部を上下回動自在に枢着し、該刈取支持フレーム(1)の先端側を斜め前方下方に向けて延出させて先端部に横向きの伝動ケース(4)を連結して刈取フレーム(5)を構成し、該刈取フレーム(5)には、前側から穀稈引起し装置(6)と刈取装置(7)と穀稈搬送装置(8)を夫々取付けて刈取搬送装置(9)を構成し、前記刈取支持フレーム(1)の長手方向の中間位置に基部を固着して穀稈搬送通路側に向けて延出させた支持杆(10)の先端部に、株元搬送チェン(11)を巻き掛けたチェン支持装置(12)を吊下状態に支持したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記刈取支持フレーム(1)に内装した刈取伝動軸(13)を二段切替変速装置(14)を介して伝動ケース(4)側に伝動する構成とし、該伝動ケース(4)から前記刈取搬送装置(9)の穀稈引起し装置(6)や株元搬送チェン(11)に回転動力を分配して伝動する構成とし、前記走行フレーム(2)に搭載した走行ミッション装置(15)には副変速装置(16)を装備して走行速度を二段階に変速可能な構成とし、前記刈取搬送装置(9)の穀稈引起し装置(6)は、前記二段切替変速装置(14)と副変速装置(16)による各二段階変速の走行速度との組み合わせによる変速操作によって、植立穀稈に対して四段階の速度に変速可能な構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項1】
走行フレーム(2)の前部に設けた刈取懸架台(3)に、刈取支持フレーム(1)の基部を上下回動自在に枢着し、該刈取支持フレーム(1)の先端側を斜め前方下方に向けて延出させて先端部に横向きの伝動ケース(4)を連結して刈取フレーム(5)を構成し、該刈取フレーム(5)には、前側から穀稈引起し装置(6)と刈取装置(7)と穀稈搬送装置(8)を夫々取付けて刈取搬送装置(9)を構成し、前記刈取支持フレーム(1)の長手方向の中間位置に基部を固着して穀稈搬送通路側に向けて延出させた支持杆(10)の先端部に、株元搬送チェン(11)を巻き掛けたチェン支持装置(12)を吊下状態に支持したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記刈取支持フレーム(1)に内装した刈取伝動軸(13)を二段切替変速装置(14)を介して伝動ケース(4)側に伝動する構成とし、該伝動ケース(4)から前記刈取搬送装置(9)の穀稈引起し装置(6)や株元搬送チェン(11)に回転動力を分配して伝動する構成とし、前記走行フレーム(2)に搭載した走行ミッション装置(15)には副変速装置(16)を装備して走行速度を二段階に変速可能な構成とし、前記刈取搬送装置(9)の穀稈引起し装置(6)は、前記二段切替変速装置(14)と副変速装置(16)による各二段階変速の走行速度との組み合わせによる変速操作によって、植立穀稈に対して四段階の速度に変速可能な構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−45309(P2011−45309A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197502(P2009−197502)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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