説明

コンバイン

【課題】刈取支持構成の剛性不足、刈取作業の不安定化。
【解決手段】コンバインの刈取装置6の刈取フレーム20は、基部を機体側に回動自在に取付けた刈取フレーム20の先端に左右方向の下部横伝動ケース21を取付ける。下部横伝動ケース21の左右一方側に側部伝動ケース27を設け、下部横伝動ケース21の左右他方側に側部フレーム28を設ける。側部伝動ケース27と側部フレーム28の上端部間に上部横伝動ケース29を設ける。側部フレーム28の上下方向中間部と分草杆35の前後方向中間部または前端部との間に、前後方向の側部補強横フレーム40を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の分草体および引起装置の後側に刈刃を設け、刈刃の後側に左右の前記分草体からの複数の搬送通路を通る穀稈を夫々搬送する株元搬送装置を設けて構成した刈取装置の構成は、公知である(例えば、特許文献1参照)。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−136190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知のものは、左右方向に分草体および引起装置を6条並設した多条刈りの刈取装置であり、刈取装置の左右幅は大きくなっているが、その刈取フレームの構成は不明であり、刈取フレームの剛性が確保できないという課題がある。
本願は、刈取装置の刈取フレームの構成を工夫し、刈取装置全体の剛性を向上させたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、走行装置2の上方に脱穀装置3を設け、該脱穀装置3の横側にグレンタンク4を設け、該グレンタンク4の前側に操縦部5を設け、該操縦部5の前方に刈取装置6を設け、該刈取装置6には、少なくとも、複数の分草体10および引起装置11の後側に刈刃15を設け、該刈刃15の後側に前記複数の分草体10間に形成される複数の搬送通路Hを通る穀稈を夫々搬送する左右の前側株元搬送装置14を刈取フレーム20に取り付けて構成し、該刈取フレーム20は、基部を機体側に回動自在に取付けた縦支持フレーム22の先端に左右方向の下部横伝動ケース21を取付け、該下部横伝動ケース21の左右一方側に側部伝動ケース27を設け、下部横伝動ケース21の左右他方側に側部フレーム28を設け、前記側部伝動ケース27と側部フレーム28の上端部間に上部横伝動ケース29を設け、該上部横伝動ケース29には前記複数の引起装置11に回転伝達する引起伝動筒30の上部を夫々取付け、該引起伝動筒30には前記引起装置11の引起フレーム32の上部を取付け、該引起フレーム32の下部は前記分草体10を先端に設けた分草杆35に前部に固定し、前記側部フレーム28の上下方向中間部と前記分草杆35の前後方向中間部または前端部との間に、前後方向の側部補強横フレーム40を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、コンバインを前進させて、各分草体10により分草し、分草体10により分草された穀稈は引起装置11により引起され、刈刃15により切断され、切断された穀稈は各前側株元搬送装置14により搬送される。
刈取装置6の下部横伝動ケース21の側部に設けた側部フレーム28の上下方向中間部と分草杆35の前後方向中間部または前端部との間に前後方向の側部補強横フレーム40を設けているので、側部補強横フレーム40により刈取装置6の左右側部が補強される。
本発明は、前記刈取装置6は、引起装置11の後方にラグ式掻込装置12と該ラグ式掻込装置12の基部側下方位置に設けたスターホイル13を設け、前記側部補強横フレーム40の前後方向中間部に前記ラグ式掻込装置12とスターホイル13を支持したことを特徴とするコンバインとしたものであり、刈取装置6のラグ式掻込装置12とスターホイル13は側部補強横フレーム40により強固に支持されながら、引起装置11が引き起こした穀稈を掻込搬送する。
本発明は、前記側部補強横フレーム40の前端は前記分草杆35の前端側に設けたステー41に固定し、該ステー41に前記引起装置11の引起フレーム32の下部を取付けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、引起装置11は、上部を引起伝動筒30により支持され、その下部を分草杆35と側部補強横フレーム40により支持されながら、穀稈を引き起こす。
本発明は、前記側部補強横フレーム40の基部は取付部材57を介して前記側部フレーム28に取付け、前記取付部材57には左右方向の支持フレーム58の基部を固定し、該支持フレーム58に前記前側株元搬送装置14の駆動歯車52および前記複数の前側株元搬送装置14により搬送した穀稈を搬送する後側搬送装置16の駆動歯車53を備えた回転軸54を軸装したことを特徴とするコンバインとしたものであり、前側株元搬送装置14と後側搬送装置16は支持フレーム58を介して側部補強横フレーム40により支持されながら、穀稈を搬送する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、刈取装置6の左右側部に設けた側部フレーム28の上下方向中間部と分草杆35との間に前後方向の側部補強横フレーム40を設けているので、側部補強横フレーム40により刈取装置6の左右側部を補強することができ、刈取装置6全体の剛性を向上させ、刈取作業を安定して行うことができる。
請求項2の発明では、前記請求項1の効果に加え、刈取装置6のラグ式掻込装置12とスターホイル13を強固に支持でき、刈取装置6の振動発生を抑制して、刈取装置6の刈取作業を円滑行うことができる。
請求項3の発明では、前記各請求項の効果に加え、引起装置11の支持を強固にできるので、倒伏穀稈等の引起抵抗の大きな条件でも引起性能を充分に発揮させることができ、刈取装置6の刈取作業を円滑行うことができる。
請求項4の発明では、前記各請求項の効果に加え、前側株元搬送装置14と後側搬送装置16の支持を強固にでき、刈取装置6の振動発生を抑制して、刈取装置6の刈取作業を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】刈取装置の一部省略平面図。
【図3】刈取装置のフレームの概略図。
【図4】刈取装置の側面図。
【図5】同平面図。
【図6】刈取装置の側面図。
【図7】刈取装置の概略図。
【図8】案内ガイドの概略斜視図。
【図9】刈取装置のスターホイル部分の側面図。
【図10】刈取装置の一部省略平面図。
【図11】刈取装置の一部省略平面図。
【図12】移動チエンレールの移動状態平面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は走行装置、3は走行装置2の上方位置に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク、5はグレンタンク4の前側に設けた操縦部、6は前記脱穀装置3および前記操縦部5の前方位置に設けた刈取装置である。
刈取装置6は、分草体10と、各分草体10の後方の引起装置11等を有して構成する。12は引起装置11の後方のラグ式掻込装置、13はラグ式掻込装置12の基部側下方位置に設けたスターホイル、14は左右のスターホイル13の上方に設けた前側株元搬送装置14、15は刈刃である。
左右に複数並設した分草体10により分草されて引起装置11により引起された穀稈は、並行状態のまま刈刃15により根元が切断され、そのまま複数並設された各分草体10から続く搬送通路Hを通って前側株元搬送装置14により搬送され、この夫々の搬送通路Hを搬送された穀稈は各前側株元搬送装置14の後方に設けた後側搬送装置16により搬送され、右側の搬送通路Hを前側株元搬送装置14により搬送された穀稈と合流点Gで合流し、前記脱穀装置3に供給する穀稈供給搬送装置17に引継ぐ株元引継搬送装置18と穂先引継搬送装置19に受け渡すように構成している。
【0009】
刈取装置6は、前記分草体10や引起装置11等を取付けた刈取フレーム20を有して構成し、刈取フレーム20の下部横伝動ケース21に、前後方向の縦支持フレーム22の先端を取付け、縦支持フレーム22の基部に設けた基部側横伝動ケース23を、機体フレーム1の支持台に回動自在に取付け、刈取上下シリンダ(図示省略)により刈取装置6を上下動自在に構成している。
前記刈取フレーム20は、図3のように、下部横伝動ケース21の左右側のうちの一方側に側部伝動ケース27を設け、下部横伝動ケース21の左右側のうちの他方側に側部フレーム28を設け、側部伝動ケース27と側部フレーム28の間に上部横伝動ケース29を設ける。上部横伝動ケース29には縦軸筒形状の引起伝動筒30の上部を取付け、引起伝動筒30は引起装置11の駆動歯車31に回転伝達する。引起装置11の駆動歯車31は引起フレーム32に取付ける(なお、図3は刈取フレーム20の概略図であり、他の図と必ずしも一致していない)。24は伝動軸、25は伝動ギヤ、33は引起ケースである。
【0010】
引起フレーム32は上部を前記引起伝動筒30側に連結固定し、引起フレーム32の下部は分草杆35に固定する。分草杆35は前後方向に形成し、分草杆35の先端に前記分草体10を取付け、分草杆35の基部は前記刈刃15を取付けた刈刃フレーム36に取付け、刈刃フレーム36は左右に並設した前後杆37により前記下部横伝動ケース21に固定する(図4)。
前記側部フレーム28の上部は前記上部横伝動ケース29側に取付け、側部フレーム28の上下方向中間部に前方に突き出る側部補強横フレーム40の基部を固定し、側部補強横フレーム40の先端は前記分草杆35側の前後方向中間部または前端部に固定し、側部補強横フレーム40の前後方向中間部には前記スターホイル13を設ける。
【0011】
そのため、刈取フレーム20の他方側(右側)は、分草杆35と引起フレーム32と側部フレーム28の他に側部補強横フレーム40により支持されるので、強固に支持する。
側部補強横フレーム40の先端は分草杆35の先端側に設けたステー41に固定し、ステー41には先端縦支持部材42の基部を固定し、先端縦支持部材42の先端に前記引起フレーム32の下部を取付ける。また、先端縦支持部材42にはラグ式掻込装置12の掻込フレーム43の先端を取付ける。掻込フレーム43の先端側にはローラー44を取付け、ローラー44にはラグ式掻込装置12のベルト45を掛け回している。ベルト45を駆動させるラグ駆動プーリ46に掛け回し、ラグ駆動プーリ46は回転軸50の上部に取付け、回転軸50の下部には前記スターホイル13を取付け、回転軸50の上下方向中間部分を前記側部補強横フレーム40に軸装する。
【0012】
また、回転軸50には複数並設した前側株元搬送装置14のうちの右前側株元搬送装置14Aの従動歯車51を設ける。52は前側株元搬送装置14の駆動歯車であり、前記後側搬送装置16の従動歯車53と同軸上に設け、従動歯車53は回転軸54に取付ける。
そのため、側部補強横フレーム40は、ラグ式掻込装置12とスターホイル13と前側株元搬送装置14の取付支持フレームを兼用する。
また、前記側部補強横フレーム40の基部は取付部材57を介して側部フレーム28に取付け、取付部材57には左右方向の支持フレーム58の基部を固定し、支持フレーム58に前記従動歯車53を軸装する。
なお、後側搬送装置16の駆動歯車53Aの回転により回転する従動歯車53の回転が左側の前側株元搬送装置14Aの駆動歯車52に回転伝達される(図2)。
【0013】
しかして、左右に複数並設した分草体10により分草されて引起装置11により引起された穀稈は、並行状態のまま刈刃15により根元が切断され、そのまま複数並設された各分草体10から続く搬送通路Hを通り、この夫々の搬送通路Hを搬送された穀稈は合流点Gで合流して(図2)、前記脱穀装置3に供給する穀稈供給搬送装置17に引継ぐ株元引継搬送装置18と穂先引継搬送装置19に受け渡すように構成し、株元引継搬送装置18および穂先引継搬送装置19の搬送通路を搬送中の搬送穀稈を案内する案内ガイド60を株元引継搬送装置18および穂先引継搬送装置19に対して遠近自在に設ける(図7,図8)。
即ち、案内ガイド60の基部を前記複数の前側株元搬送装置14うちの左側に設けた前側株元搬送装置14Bの上方に設けた前側穂先搬送装置61のケース等の任意の固定部62にボルト63により回動自在に取付ける。
そのため、穀稈の詰まり時には、案内ガイド60を外さずに外側オープンさせ(図7)、詰まり穀稈を除去し、作業復帰を簡単・容易にする。
【0014】
前記前側穂先搬送装置61の固定部62に案内ガイド60の回動支点を設けているので、詰まる頻度の高い刈取装置6と脱穀装置3との引継部分を大きくオープンできる。
案内ガイド60は、上側ガイド杆65の基部を中間ガイド杆66の搬送方向の前後方向中間部分に固定し、中間ガイド杆66の基部を左側の前側株元搬送装置14の上方に設けた前側穂先搬送装置61のケース等の任意の固定部62にボルト63により回動自在に取付ける(図8)。
また、上側ガイド杆65および中間ガイド杆66とは別体に形成した下側ガイド杆67の基部を前記ボルト63に回動自在に取付ける。
そのため、例えば、上側ガイド杆65および中間ガイド杆66のオープン作業を、ボルト63を弛めると行うとすると、下側ガイド杆67も回動自在となって、下側ガイド杆67を外さずに外側オープンさせられ、上側ガイド杆65および中間ガイド杆66のオープン作業と同時に下側ガイド杆67のオープン作業を行え、上側ガイド杆65と中間ガイド杆66と下側ガイド杆67により穀稈を三カ所で案内する構成でありながら、オープン作業全般を簡単・容易にする。
【0015】
前記上側ガイド杆65と中間ガイド杆66の搬送方向の前後方向中間部分には両者を連結固定する連結部68を固定し、連結部68に前記下側ガイド杆67のステー69をボルト70により着脱自在に取付ける。
そのため、下側ガイド杆67の支持構成において、連結部68を上側ガイド杆65および中間ガイド杆66と兼用でき、部品点数を削減し、案内ガイド60の支持構成を簡素にする。
連結部68には取付部材73をボルト74により着脱自在に取付け、取付部材73は取付フレーム75のステー76にボルト77により取付ける。
この場合、ボルト77を装着する部分の取付部材73は、長孔等により案内ガイド60の位置を遠近調節自在に構成すると、搬送穀稈の性状や搬送量により案内ガイド60を最適位置に配置でき、詰まり穀稈の発生をを抑制する。
【0016】
実施例では、取付部材73に係合溝80を形成し、係合溝80を案内ガイド60の回動支点となるボルト63を中心とする円弧形状に形成し、係合溝80を前記ボルト77に係合させて固定する。
そのため、係合溝80とボルト77の係合により、案内ガイド60の固定作業を容易にできるだけでなく、遠近調節構成も兼用でき、合理的な構成となる。
また、案内ガイド60を移動させて搬送通路を広狭に調節できるので、収量の多少の地域、あるいは、年等に対応範囲を広げられ、適応範囲を広がられる。
取付フレーム75は補強フレーム81に取付け、補強フレーム81は刈取フレーム20側に固定する。
【0017】
なお、前記取付フレーム75は逆さU型形状に形成し、取付フレーム75の先端に穂先引継搬送装置19を取り付けている。また、図示は省略するが、株元引継搬送装置18は先端が上下するように基部を取付けて扱き深さ調節可能に構成している。
ボルト77の取付位置より取付フレーム75側のステー76には、取付部材73の移動を規制するストッパ82を設ける。ストッパ82はボルト83により形成し、取付フレーム75に設けた長孔84に移動自在に挿通して固定する。
そのため、案内ガイド60を所定位置に保持させられ、穀稈の案内を円滑に行える。
また、取付部材73には、弾性部材により形成した弾性ガイド87を取付け、弾性ガイド87を案内ガイド60と共に一体的に移動するように構成する。
そのため、位置不動状態の案内ガイド60の他に弾性変形する弾性ガイド87により穀稈を円滑・確実に案内すると共に、案内ガイド60と一緒にオープンできるので、穀稈の詰まり除去作業を簡単にして、作業復帰を簡単・容易にする。
【0018】
実施例では、軸部材のバネ材で弾性ガイド87を形成し、弾性ガイド87の基部にリング部88を形成し、リング部88をボルト89により連結部68の下面に取付ける。
そのため、連結部68の外面にステー69と取付部材73を取付け、連結部68の下面に弾性ガイド87を取り付けているので、狭いスペースを有効利用して、案内ガイド60と弾性ガイド87とを設けられる。
しかして、図9は、左側の前側株元搬送装置14と、該左前側株元搬送装置14の右側に設けた右中間前側株元搬送装置14との間に設けた中間ラグ式掻込装置12および中間スターホイル13の支持構成に関するものであり、前記上部横伝動ケース29と分草杆35との間に中間支持フレーム90を設け、中間支持フレーム90は前記分草杆35側に固定する下側フレーム部91と上部横伝動ケース29側に固定する上側フレーム92により構成し、下側フレーム部91と上側フレーム92の連結固定部93を、側面視において、ラグ式掻込装置12の掻込ラグ94の後側移動軌跡あるいはスターホイル13の後側移動軌跡近傍に位置させ、かつ、前記左前側株元搬送装置14の挾扼杆95のホルダ96の内側に配置する。
【0019】
そのため、左前側株元搬送装置14の穀稈搬送通路を広くでき、左前側株元搬送装置14の穀稈搬送を円滑にする。
しかして、図10〜図12は、左側の前側株元搬送装置14の実施例であり、前側株元搬送装置14の終端に移動チエンレール97と案内ローラー98を回動アーム99に取付け、回動アーム99は取付軸100によりフレーム101に前側株元搬送装置14の搬送チエン104を張った作業位置と搬送チエン104を弛める非作業位置との間回動自在に取付ける。
前記移動チエンレール97は、図10において、平面視(正面視)において、フレーム101に設けた固定側チエンレール105の終端と幅方向において一部重ね、移動チエンレール97が非作業位置に移動しても、フレーム101の始端と固定側チエンレール105の終端との間に隙間ができないように構成する。
したがって、メンテナンス等で移動チエンレール97を非作業位置に移動させて、前側株元搬送装置14を駆動させても、搬送チエン104はフレーム101と固定側チエンレール105により円滑に案内される。
【0020】
この場合、前記取付軸100は、フレーム101と固定側チエンレール105の内側に配置し、固定側チエンレール105により案内される搬送チエン104より離すようにする。
そのため、取付軸100の存在が穀稈の搬送阻害の原因となるのを防止する。
また、回動アーム99は弾性体107により搬送チエン104を緊張させるように構成し、弾性体107は前側株元搬送装置14の駆動力による搬送チエン104を緊張させる張力より強く設定する。
したがって、通常作業では、搬送チエン104は弾性体107により緊張させられて、穀稈を確実に搬送し、穀稈量が増えると、移動チエンレール97および案内ローラー98は移動し、詰まりを防止する。
通路幅が拡大しても、なお、詰まりそうな場合は、搬送チエン104の周長が短くなり、テンションが弛むため、駆動歯車108で歯飛びして過負荷を防止し、この歯飛び音が作業者に詰まり発生を予測させる報知となる。
【0021】
(実施例の作用)
左右に複数並設した分草体10により分草されて引起装置11により引起された穀稈は、並行状態のまま刈刃15により根元が切断され、そのまま複数並設された各分草体10から続く搬送通路Hを通り、この夫々の搬送通路Hを搬送された穀稈は合流して、株元引継搬送装置18と穂先引継搬送装置19に受け渡し、その後、株元引継搬送装置18と穂先引継搬送装置19から脱穀装置3の穀稈供給搬送装置17に引継ぎ、脱穀装置3で脱穀される。
刈取装置6は、分草体分草体10と各分草体10の後方の引起装置引起装置11等を有して構成し、分草体10や引起装置11等は刈取フレーム20に取付け、刈取フレーム20は、基部を機体側に回動自在に取付けた刈取フレーム20の先端に取付けた左右方向の下部横伝動ケース21の一方側に側部伝動ケース27を設け、下部横伝動ケース21の左右側のうちの他方側に側部フレーム28を設け、側部伝動ケース27と側部フレーム28の間に上部横伝動ケース29を設け、上部横伝動ケース29には前記引起装置11に回転伝達する引起伝動筒30の上部を取付け、引起伝動筒30には引起装置11の引起フレーム32の上部を取付け、引起フレーム32の下部は前記分草体10を先端に設けた分草杆35に固定し、前記側部フレーム28の上下方向中間部と前記分草杆35の前後方向中間部または前端部との間に、前後方向の側部補強横フレーム40を設けているので、側部補強横フレーム40を設けた刈取フレーム20の部分の支持剛性を向上させられる。
【0022】
側部補強横フレーム40の前後方向中間部にはスターホイル13を設けているので、側部補強横フレーム40はスターホイル13の取付部材を兼用すると共に、スターホイル13の支持強度も向上させる。
また、側部補強横フレーム40の先端は分草杆35の先端側に設けたステー41に固定し、ステー41には先端縦支持部材42の基部を固定し、先端縦支持部材42の先端に前記引起フレーム32の下部を取付けているので、先端縦支持部材42とステー41と分草杆35とは互いに連結固定されて、支持強度を向上させる。
即ち、側部補強横フレーム40は単に分草杆35に固定されるのでなく、ステー41により引起装置11の引起フレーム32側とも連結されて、支持強度を向上させる。
【0023】
また側部補強横フレーム40の前後方向中間部分には回転軸50を軸装し、側部補強横フレーム40の上側の回転軸50にはラグ式掻込装置12のラグ駆動プーリ46を設け、側部補強横フレーム40の下側の回転軸50にはスターホイル13および前側株元搬送装置14Aの従動歯車51を設けているので、側部補強横フレーム40は、ラグ式掻込装置12とスターホイル13と前側株元搬送装置14Aの取付支持フレームを兼用させられる。
また、側部補強横フレーム40の基部は取付部材57を介して側部フレーム28に取付け、取付部材57には左右方向の支持フレーム58の基部を固定し、支持フレーム58に後側搬送装置16の駆動歯車52および前側株元搬送装置14の従動歯車53を取付けた回転軸54を軸装しているので、側部補強横フレーム40は後側搬送装置16の支持部材の一部も構成しており、右側の刈取フレーム20の剛性を向上させられる。
【0024】
しかして、株元引継搬送装置18と穂先引継搬送装置19の搬送穀稈を案内する案内ガイド60を株元引継搬送装置18および穂先引継搬送装置19に対して遠近自在に設け、案内ガイド60の基部を任意の固定部62にボルト63により回動自在に取付けているので、穀稈の詰まり時には、案内ガイド60を外さずにボルト63中心に外側回動させてオープンさせ、詰まり穀稈を除去する。
したがって、案内ガイド60は、外さずに詰まり穀稈を除去できるので、作業復帰を簡単・容易にする。
実施例では前側穂先搬送装置61の固定部62に案内ガイド60の回動支点を設けているので、詰まる頻度の高い刈取装置6と脱穀装置3との引継部分を大きくオープンできる。
案内ガイド60は、上側ガイド杆65の基部を中間ガイド杆66の搬送方向の前後方向中間部分に固定し、中間ガイド杆66の基部を左側の前側株元搬送装置14の上方に設けた前側穂先搬送装置61のケース等の任意の固定部62にボルト63により回動自在に取付けているので、上側ガイド杆65と中間ガイド杆66を一体回動させられ、案内ガイド60の外側オープンさせて行う詰まり穀稈の除去、および、除去後の案内ガイド60の装着を容易にする。
【0025】
また、上側ガイド杆65および中間ガイド杆66とは別体に形成した下側ガイド杆下側ガイド杆67の基部を前記ボルト63に回動自在に取付ける。
そのため、例えば、上側ガイド杆65および中間ガイド杆66のオープン作業を、ボルト63を弛めると行うとすると、下側ガイド杆67も回動自在となって、下側ガイド杆67を外さずに外側オープンさせられことができるので、上側ガイド杆65および中間ガイド杆66のオープン作業と同時に下側ガイド杆67のオープン作業を行え、上側ガイド杆65と中間ガイド杆66と下側ガイド杆67により穀稈を三カ所で案内する構成でありながら、オープン作業全般を簡単・容易にする。
この場合、上側ガイド杆65と中間ガイド杆66の搬送方向の前後方向中間部分には両者を連結固定する連結部68を固定し、連結部68に下側ガイド杆67のステー69をボルト70により着脱自在に取付けているので、上側ガイド杆65および中間ガイド杆66とは別体に形成した下側ガイド杆67も、上側ガイド杆65および中間ガイド杆66と一緒に移動させることができ、詰まり穀稈の除去作業を容易にする。
【0026】
また、連結部68は、上側ガイド杆65および中間ガイド杆66の取付部材と下側ガイド杆67の取付部材として兼用でき、部品点数を削減し、案内ガイド60の支持構成を簡素にする。
連結部68には取付部材73をボルト74により着脱自在に取付け、取付部材73は取付フレーム取付フレーム75のステー76にボルト77により取付けているので、案内ガイド60の位置を遠近調節自在構成を簡単に構成でき、搬送穀稈の性状や搬送量により案内ガイド60を最適位置に配置でき、詰まり穀稈の発生をを抑制する。
実施例では、取付部材73に係合溝係合溝80を形成し、係合溝80を案内ガイド60の回動支点となるボルト63を中心とする円弧形状に形成し、係合溝80を前記ボルト77に係合させて固定しているので、係合溝80とボルト77の係合により、案内ガイド60の固定作業を容易にできるだけでなく、遠近調節構成も兼用でき、合理的な構成となる。
【0027】
また、案内ガイド60を移動させて搬送通路を広狭に調節できるので、収量の多少の地域、あるいは、年等に対応範囲を広げられ、適応範囲を広がられる。
また、取付部材73には、弾性部材により形成した弾性ガイド87を取付けているので、弾性ガイド87を案内ガイド60と共に一体的に移動させられる。
そのため、位置不動状態の案内ガイド60の他に弾性変形する弾性ガイド87により穀稈を円滑・確実に案内すると共に、案内ガイド60と一緒にオープンできるので、穀稈の詰まり除去作業を簡単にして、作業復帰を簡単・容易にする。
実施例では、軸部材のバネ材で弾性ガイド87を形成し、弾性ガイド87の基部にリング部88を形成し、リング部88をボルト89により連結部68の下面に取付ける。
そのため、連結部68の外面にステー69と取付部材73を取付け、連結部68の下面に弾性ガイド87を取り付けているので、狭い
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの実施例は夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0028】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…グレンタンク、5…操縦部、6…刈取装置、10…分草体、11…引起装置、12…ラグ式掻込装置、13…スターホイル、14…前側株元搬送装置、16…後側搬送装置、17…穀稈供給搬送装置、18…株元引継搬送装置、19…穂先引継搬送装置、20…刈取フレーム、21…下部横伝動ケース、22…縦支持フレーム、23…基部側横伝動ケース、27…側部伝動ケース、28…側部フレーム、29…上部横伝動ケース、30…引起伝動筒、32…引起フレーム、35…分草杆、40…側部補強横フレーム、36…刈刃フレーム、37…前後杆、41…ステー、42…先端縦支持部材、44…ローラー、45…ベルト、46…ラグ駆動プーリ、50…回転軸、51…従動歯車、52…駆動歯車、53…従動歯車、54…回転軸、57…取付部材、58…支持フレーム、60…案内ガイド、61…前側穂先搬送装置、62…固定部、63…ボルト、65…上側ガイド杆、66…中間ガイド杆、67…下側ガイド杆、68…連結部、69…ステー、70…ボルト、73…取付部材、74…ボルト、75…取付フレーム、76…ステー、77…ボルト、80…係合溝、81…補強フレーム、82…ストッパ、83…ボルト、84…長孔、87…弾性ガイド、88…リング部、89…ボルト、90…中間支持フレーム、91…下側フレーム部、92…上側フレーム、93…連結固定部、94…掻込ラグ、95…挾扼杆、96…ホルダ、97…移動チエンレール、98…案内ローラー、99…回動アーム、100…取付軸、101…フレーム、104…搬送チエン、105…固定側チエンレール、107…弾性体、108…駆動歯車。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)の上方に脱穀装置(3)を設け、該脱穀装置(3)の横側にグレンタンク(4)を設け、該グレンタンク(4)の前側に操縦部(5)を設け、該操縦部(5)の前方に刈取装置(6)を設け、該刈取装置(6)には、少なくとも、複数の分草体(10)および引起装置(11)の後側に刈刃(15)を設け、該刈刃(15)の後側に前記複数の分草体(10)間に形成される複数の搬送通路(H)を通る穀稈を夫々搬送する左右の前側株元搬送装置(14)を刈取フレーム(20)に取り付けて構成し、該刈取フレーム(20)は、基部を機体側に回動自在に取付けた縦支持フレーム(22)の先端に左右方向の下部横伝動ケース(21)を取付け、該下部横伝動ケース(21)の左右一方側に側部伝動ケース(27)を設け、下部横伝動ケース(21)の左右他方側に側部フレーム(28)を設け、前記側部伝動ケース(27)と側部フレーム(28)の上端部間に上部横伝動ケース(29)を設け、該上部横伝動ケース(29)には前記複数の引起装置(11)に回転伝達する引起伝動筒(30)の上部を夫々取付け、該引起伝動筒(30)には前記引起装置(11)の引起フレーム(32)の上部を取付け、該引起フレーム(32)の下部は前記分草体(10)を先端に設けた分草杆(35)に前部に固定し、前記側部フレーム(28)の上下方向中間部と前記分草杆(35)の前後方向中間部または前端部との間に、前後方向の側部補強横フレーム(40)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記刈取装置(6)は、引起装置(11)の後方にラグ式掻込装置(12)と該ラグ式掻込装置(12)の基部側下方位置に設けたスターホイル(13)を設け、前記側部補強横フレーム(40)の前後方向中間部に前記ラグ式掻込装置(12)とスターホイル(13)を支持したことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記側部補強横フレーム(40)の前端は前記分草杆(35)の前端側に設けたステー(41)に固定し、該ステー(41)に前記引起装置(11)の引起フレーム(32)の下部を取付けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項1または請求項2または請求項3において、前記側部補強横フレーム(40)の基部は取付部材(57)を介して前記側部フレーム(28)に取付け、前記取付部材(57)には左右方向の支持フレーム(58)の基部を固定し、該支持フレーム(58)に前記前側株元搬送装置(14)の駆動歯車(52)および前記複数の前側株元搬送装置(14)により搬送した穀稈を搬送する後側搬送装置(16)の駆動歯車(53)を備えた回転軸(54)を軸装したことを特徴とするコンバイン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−92051(P2011−92051A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247608(P2009−247608)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】