説明

コンパクトな照射スキームの生成及び一体化に対する装置、システム及び方法

コンパクトな照明スキームの生成及び一体化に対する装置、システム及び方法が提供される。より具体的には、開示される実施例は、光音響波が目標サンプルにおいて誘発される、高度にコンパクトな照射スキームの生成に対する装置/システム及び方法に関する。加えて、開示される装置/システム及び方法は、コンパクトかつポータブルな一体化されたトランスデューサ−照射アレイを生成するのに効果的である。開示される装置は、一般に、少なくとも1つの光源及びビーム分割アセンブリを含む。開示されるシステムは、一般に、前記コンパクトな照明スキームの生成に対する1以上の装置と、超音波トランスデューサアセンブリと、前記1以上の装置及びUSトランスデューサアセンブリを目標サンプルと結合する手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、光音響(PA)撮像の分野に向けられる。より具体的には、本開示の典型的な実施例は、PA波が誘発される高度にコンパクトな照射スキームの生成に対する装置、システム及び方法に向けられる。本開示の典型的な実施例は、コンパクトかつポータブルな一体化されたトランスデューサ−照射アレイ(TIA)の生成に対する装置、システム及び方法にも向けられる。
【背景技術】
【0002】
光音響(PA)撮像は、血管系及び皮膚の病気、例えば、皮膚がん及び乳がんを検出するのに使用されることができる非侵襲的な医用撮像技術である。PA効果(A.G. Bellにより1880年に最初に報告された)が生じ、目標サンプルが、光の吸収により加熱され、材料及び周囲の圧力及び/又は体積の増加を生じる。前記光の強度を変調することにより、結果として生じる圧力及び/又は体積の周期的な変化は、超音波(US)として検出されることができる。US波は、最終的に、様々な数式を使用して前記目標サンプルのリアルタイムに近い2次元又は3次元画像に変換されることができる。したがって、PA撮像は、前記目標サンプルに対する比較的少ない危険で比較的安価かつ効果的なリアルタイムに近い高コントラスト撮像を提供する。
【0003】
PA撮像に対する従来の装置、システム及び方法は、一般に、単一のUSトランスデューサを使用して前記目標サンプルを照射するのに単一低エネルギ近赤外レーザを使用する。例えば、"Optoacoustic Tomography," Oraevsky and Karabutov, Biomedical Photonics Handbook, P 34-1, 2003, CRC Press LLC, "Ultrasound-mediated biophotonic imaging: A review of acousto-optical tomography and photo-acoustic tomography," Disease Makers 19, P. 123-138 (2003-2004); Rosencwaigに対する米国特許4255971, "Thermoacoustic Microscopy;" Nagata及びKodaに対する米国特許5070733, "Photoacoustic Imaging Method;" Oraevsky他に対する米国特許5840023, "Optoacoustic Imaging for Medical Diagnosis;" Vo-Dinh他に対する米国特許6212421, Method and Apparatus of Spectro-Acoustically Enhanced Ultrasonic Detection for Diagnostics;" Unger及びWuに対する米国特許5977538, "Optoacoustic Imaging System;" Kanayama他に対する米国特許6979292, "Method and Apparatus for Forming an Image that shows information about a subject;" MacKenzie他に対する米国特許6833540, "System for measuring a biological parameter by means of photoacoustic interaction;"及びNagata他に対する米国特許6846288, "Photoacoustic Assay and Imaging System"を参照されたい。
【0004】
注目すべきことに、先行技術の教示は、USトランスデューサアレイの下で目標サンプルを選択的に照射する十分な手段を提供しない。例えば、Niederhauser他は、十分にコンパクト及び/又はポータブルでなく、したがってフィールド内PA撮像アプリケーションに対してあまり実際的ではないUSトランスデューサアレイに対するガラスプリズム照射スキームを開示する。[Niederhauser et al., IEEE Transactions on Medical Imaging, Vol. 24, No. 4, Pages 436, Apr. 2005を参照されたい。]加えて、既存の照射スキームは、照射パターン又は幾何形状の制御、及び/又は異なる照射パターン及び幾何形状を市場の様々なトランスデューサ/トランスデューサアレイと一致させることを可能にしない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、コンパクトな照射スキームを生成/提供する装置、システム及び方法が必要とされる。更に、制御可能なパターン及び/又は幾何形状のコンパクトな照射スキームを生成/提供する装置、システム及び方法が必要とされる。実際に、動的に制御可能な照射スキームの生成は、特に有利である。加えて、このような照射スキームを1以上の超音波トランスデューサ/超音波トランスデューサアレイとコンパクトに一体化する装置、システム及び方法に対する必要性が存在する。
【0006】
これら及び他の必要性は、ここに記載される開示される装置、システム及び方法により満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
コンパクトな照射スキームの生成及び一体化に対する有利な装置、システム及び方法が、本開示によって提供される。開示される装置、システム及び方法の典型的な実施例は、光音響(PA)撮像目的で目標サンプルを制御可能に照射するシンプルな効果的かつコンパクトな手段を提供する。しかしながら、本開示の典型的な実施例及び実施態様が、一般に、PA撮像に関するが、開示される装置、システム及び方法は、コンパクトな照射スキームが使用されることができる如何なる分野にも適用されることが、特に意図される。
【0008】
ここに開示される装置/システムの典型的な実施例は、一般に、少なくとも1つの光源及びビーム分割アセンブリを含む。前記少なくとも1つの光源は、一般に、所望の強度及び波長の電磁波(例えば、可視又は赤外光)の集中ビームを生成するように光学的に構成されるレーザを含む。PA撮像目的で、近赤外範囲内の波長が、しばしば望ましい。前記近赤外波長は、より少ない吸収、及び目標サンプル内へのより深い増大された浸透を受け、結果としてより大きな照射面積及び最終的により大きな深度をもたらす。前記レーザビームの強度は、公定基準により設定された所要の限度(ANSI限度)内に良好に保たれる。前記開示される装置/システムと一般に関連付けられる偏光ビームスプリッタを参照すると、ソースビーム(例えば、均質化及び偏光解消光)の偏光の度合いは、その動作に大きなインパクトを持ちうる。本開示の典型的な実施例において、前記ビーム分割アセンブリは、一般に、1以上のビームスプリッタ、例えば、ビームスプリッタキューブ、二色性ミラードプリズム(dichroic mirrored prism)、半透鏡、誘電性光学コーティング鏡及び/又はウォラストンプリズムのような偏光子のシーケンスを含む。前記1以上のビームスプリッタのシーケンスは、典型的には、後のビームスプリッタに対するソースビームが先のビームスプリッタから結果として生じるビームの1つであるように構成される。
【0009】
前記1以上のビームスプリッタのシーケンスは、典型的には、(i)前記後のビームスプリッタに対するソースビーム及び(ii)照射ビームを生成する各中間ビームスプリッタで分岐されない。しかしながら、分岐構成が同様に採用されうることが特に意図され、すなわち、ビームスプリッタが1より多い後のビームスプリッタに対してソースビームを生成する。したがって、一般に、各開示されたビームスプリッタは、(i)後のビームスプリッタに対する1以上のソースビーム及び/又は(ii)1以上の照射ビームの如何なる組み合わせをも含む少なくとも2つの結果のビームを生成する。
【0010】
本開示の典型的な実施例において、透過/反射比(T/R)が、各ビームスプリッタに割り当てられる。透過/反射比は、強度の相対的な尺度であり、本開示の目的に対して、結果として生じるソースビームの強度を反射される光の強度により除算したもの(すなわち、結果として生じるソースビームの強度を結果として生じる照射ビームの強度により除算したもの)として定義される。2より多い結果として生じるビームを生成する/もたらすビームスプリッタに対して、前記透過/反射比は、各結果ビームに対して、特定の結果ビームの強度を残りの結果ビームの合計強度により除算したものとして計算される。一般に、透過/反射比は、本開示によると、1以上のビームスプリッタのシーケンス全体における各照射ビームに対する相対的強度を計算するのに使用されることができる。
【0011】
本開示の典型的な実施例において、前記ビーム分割アセンブリは、少なくとも1つの偏光ビームスプリッタを含む。前記少なくとも1つの偏光ビームスプリッタ(例えば、ウォラストンプリズム)は、一般に、特定の偏光の波を反射するとともに反対の偏光の波を透過するのに効果的である。したがって、結果ビームの強度及び偏光は、前記偏光ビームスプリッタを適切に構成することにより予測可能に制御されることができる。偏光ビームスプリッタに対して、前記ソースビームの偏光の度合いが、前記結果ビームの相対的強度を決定する本質的な要素であることに注意する。例えば、非偏光光源が特定の偏光ビームスプリッタを通される場合、結果として生じるS及びP偏光ビームは、前記T/R比が単一である場合に等しい強度を持つことができる。これに反して、S優勢偏光光源は、結果として生じるPビームより大きな強度を持つ結果として生じるSビームを生成する。本開示の典型的な実施例において、前記ビーム分割アセンブリは、結果として生じるビーム強度及び/又は偏光の動的制御をサポート及び/又は容易化する動的に切り替え可能な偏光材料を含む少なくとも1つの偏光ビームスプリッタを含む。
【0012】
本開示の典型的な実施例において、前記1以上のビームスプリッタのシーケンス構成及び/又は透過/反射比は、結果として生じる照射ビームが、所望の強度を持つ、及び/又は所望のパターン/幾何形状、例えば、一列に配置された増加する強度の4つの照射ビームを持つように選択及び/又は設計される。偏光ビーム分割実施例/実施態様において、特定の照射ビームの偏光は、同様に制御されることができる。更に、前記少なくとも1つの偏光ビームスプリッタが、動的に制御可能である場合、前記結果として生じるビーム強度、幾何構成及び/又は偏光の度合いは、同様に動的に制御されることができる。
【0013】
結果として、本開示の装置、システム及び方法は、特定の画像要件、例えば、スキャン深度、サンプル材料等に対してリアルタイムに近く構成されることができる適合可能な撮像システムを有利に提供する。方向変更鏡アセンブリは、ビームの経路を変更するためにビーム分割プロセスの前、間又は後に使用されることもでき、このようにして特定のパターン/幾何形状に作用し、及び/又は前記装置/システム全体をコンパクトにすることを助けることができる。
【0014】
コンパクトな照射スキームの生成及び/又は一体化に対する有利なシステム及び方法も、本開示によって提供される。典型的な実施例は、一般に、(1)コンパクトな照明スキームの生成に対する1以上の構成要素/装置(すなわち、照射構成要素)、(2)超音波(US)トランスデューサアセンブリ、及び(3)前記照射構成要素及びUSトランスデューサアセンブリを目標サンプルと結合する手段を含む。結合手段/技術は、(i)USゲルパッド、例えば、透明な超音波結合パッド、(ii)前記トランスデューサアセンブリ及び照射構成要素を結合流体に入れるコンテナ、及び/又は(iii)US結合ゲルの使用を含むことができるが、これらに限定されない。
【0015】
一般に、開示される照射装置は、PA効果について所望の関心領域を探査する前記目標サンプルの特定の領域を照射するように機能する。前記目標サンプルから発する結果のUS波は、この場合、前記開示されるトランスデューサアセンブリを使用して検出される。典型的な実施例において、前記開示される装置/システムは、より大きなシステム内に一体化されることができ、例えば、これにより、前記トランスデューサアセンブリからのデータが、前記目標サンプルの2又は3次元画像を作成するのに使用されることができる。注目すべきことに、追加のフィードバックループは、例えば、動的制御が提供及び/又は容易化される実施例/実施態様において、照明を最適化するように画像データを使用して追加されることができる。
【0016】
代替的な典型的な実施例において、及び比較目的で、ここに開示される前記少なくとも1つの光源は、実際のトランスデューサアセンブリ/照射装置複合体の一部である必要が無い。むしろ、前記少なくとも1つの光源、例えばレーザは、どこでも、すなわち、前記トランスデューサ/照射複合体から離れて、収容されることができ、前記ソースビームは、光ファイバ又は他の電磁波伝導機構を介して前記照射装置内に導入される。導波ファイバは、有利には、前記ビーム分割アセンブリ内に先細になり、前記ビーム分割アセンブリ内に入れられるか又はそうでなければ前記ビーム分割アセンブリに対して結合されることができる。
【0017】
前記開示される照射装置は、前記トランスデューサアセンブリに対して、前記トランスデューサアセンブリの直下に配置された領域及び/又は目標サンプルが照射されるように配置されることができる。光反射層、例えば、鏡又はフォイルは、前記トランスデューサアセンブリと前記目標サンプルとの間に配置されることができる。このような実施例/実施態様において、前記反射層は、一般に、前記サンプルからの電磁波消失を最小化し、前記トランスデューサを照射するように機能する。加えて、前記反射層は、前記トランスデューサアセンブリと前記目標サンプルとの間の距離最小化し、及び/又は前記システムをコンパクトにするために、1以上の方向変更鏡アセンブリに結合されることができる。例えば、前記照射装置から発する照射ビームは、前記照射装置の直下に配置された鏡に反射されることができ、例えば、前記鏡は、前記照射ビームが、この場合に、前記トランスデューサアセンブリの直下の前記目標サンプルの領域に向けて第2の鏡及び/又は反射層に反射されるように角度付けされる。
【0018】
前記開示される装置、システム及び方法に関連した追加の有利なフィーチャ、機能及び利益は、特に添付の図面と併せて読む場合に、以下の記載から明らかである。
【0019】
当業者が対象を作成及び使用するのを援助するために、添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】異なる透過/反射比を持つ4つの非偏光ビームスプリッタを含む典型的なビーム分割装置を示す。
【図2】一定強度照明スキームが得られるように非偏光ビームスプリッタの透過/反射比が構成される、図1の典型的なビーム分割装置を示す。
【図3】中央集中照明スキームが得られるように非偏光ビームスプリッタの透過/反射比が構成される、図1の典型的なビーム分割装置を示す。
【図4】段階的強度照明スキームが得られるように非偏光ビームスプリッタの透過/反射比が構成される、図1の典型的なビーム分割装置を示す。
【図5】異なる偏光係数を持つ動的偏光ビームスプリッタを含む典型的なビーム分割装置を示す。
【図6】動的偏光ビームスプリッタが二段偏光ビームスプリッタであり、これにより均質化及び偏光解消された電磁放射(すなわち光)が等しい強度のS偏光ビーム及びP偏光ビームに分割される、図5の典型的なビーム分割装置を示す。
【図7】USゲルパッド及び反射フォイルを含む典型的な一体化された照射−トランスデューサシステムを示す。
【図8】ビーム分割装置がトランスデューサ/トランスデューサアレイと一緒にコンテナに入れられる、典型的な一体化された照射−トランスデューサシステムを示す。
【図9】トランスデューサ/トランスデューサアレイと目標サンプルとの間の分離を最小化するのにコンパクトなハウジングスキームが使用される、典型的な一体化された照射−トランスデューサシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
前記開示される装置、システム及び方法は、コンパクトな照明スキームを生成及び/又は一体化する手段を提供する。実際に、本開示の典型的な実施例は、動的に制御可能な強度、偏光、パターン及び/又は幾何形状のコンパクトな照射スキームを生成し、このような照射スキームを1以上の超音波(US)トランスデューサ/超音波トランスデューサアレイと一体化する。
【0022】
最初に図1を参照すると、単一の光源20及び異なる透過反射(T/R)係数を持つ4つの非偏光ビームスプリッタ32a、32b、32c及び32dのビーム分割アセンブリ30を含むコンパクトな照明スキーム(照射装置)10の生成に対する典型的な装置が描かれる。光源20は、単一の角度付けされた鏡22を含む方向変更鏡アセンブリ24を使用してビーム分割アセンブリ30内に向けられる。結果として生じる照射ビーム34a、34b、34c及び34dの強度は、前記T/R係数により決定される。
【0023】
図2ないし4は、図1に描かれた典型的な装置10に対する照射ビーム34a、34b、34c及び34dの典型的な強度構成を描く。より具体的には、図2は、一様な強度スキームを描き、図3は、中心集束強度スキームを描き、図4は、段階的強度スキームを描く。各スキームは、各ビームスプリッタ32a、32b、32c及び32dに対する正しいT/R比を使用することにより生成される。例えば、図2に描かれる一様な強度スキームは、(強度100のソースビーム20を仮定して)以下のT/R比、すなわち、ビームスプリッタ32aに対するT/R=75/25、ビームスプリッタ32bに対するT/R=50/25、ビームスプリッタ32cに対するT/R=25/25、及びビームスプリッタ32dに対するT/R=0/25を使用して生成される。これらの係数の物理的効果は、例えば、ビームスプリッタ32aが、25の強度を持つ結果の照射ビーム及び75の強度を持つビームスプリッタ32bに対する結果のソースビームを生成することである。同様に、図3及び図4に描かれた照射スキームに対するT/R比は、(もう一度100の強度を持つソースビーム20を仮定して)以下のように計算されることができ、すなわち、(前記比が、それぞれ、ビームスプリッタ32aに対するT/R、ビームスプリッタ32bに対するT/R、ビームスプリッタ32cに対するT/R、ビームスプリッタ32dに対するT/Rとして示される場合)前記中心集束強度スキームに対して(90/10、50/40、10/40、0/10)及び前記段階強度スキームに対して(90/10、70/20、40/30、0/40)である。注目すべきことに、最後のビームスプリッタ32dは、全ての残りの光を反射する完全鏡として効果的に機能するので、このようなビームスプリッタ32dは、ここに描かれた典型的な実施例によると鏡アセンブリと交換されることができる。
【0024】
図5を参照すると、単一の光源20と、異なる偏光効果を持つ2つの偏光ビームスプリッタ40a及び40bを含むビーム分割アセンブリ30とを含む典型的な照射装置15が描かれる。本開示の典型的な実施例において、光源20は、均質の非偏光レーザであり、しかしながら、代替的な光源/偏光が使用されてもよい。前述のように、少なくとも1つの偏光ビームスプリッタを含むここに開示される装置/システムに対して、ソース光20の偏光は、結果として生じる照射ビーム42a及び42bの強度及び/又は偏光を決定する本質的な要素である。代替的には、ソース光20の偏光は、結果として生じる照明スキームに動的に及び制御可能に変化をもたらすように変更されることができる。
【0025】
図5に描かれる典型的な実施例において、第2の偏光ビームスプリッタ40bは、全ての残りの光を反射する完全鏡として効果的に機能し、したがって、鏡アセンブリと交換されてもよい。図6は、結果として生じる等しい強度のS偏光照射ビーム及びP偏光照射ビームを生成するために非偏光光源20が偏光ビームスプリッタ40a及び40bを通される、図5に描かれた照射装置15の典型的な実施例を描く。
【0026】
図7ないし9は、本開示のコンパクトな照明スキームをトランスデューサ/トランスデューサアレイと一体化するシステムの様々な実施例を描く。注目すべきことに、前記開示されるシステムは、(1)コンパクトな照明スキーム(すなわち、照射構成要素/装置)56の生成に対する1以上の装置と、(2)超音波(US)トランスデューサアセンブリ50と、(3)前記1以上の照射構成要素56及びUSトランスデューサアセンブリ50を目標サンプル70と結合する手段とを含む。ここで描かれた典型的な実施例において、目標サンプル70は、生きている患者の真皮層であり、表面下の血管72が血管系の病気に対して調査される。図7ないし9に描かれた典型的な実施例に描かれるように、前記照射装置に対するソースビームは、光ファイバライン52を介して前記システムに導入される。導波ファイバ52は、照射装置56内に先細にされ、前記装置に入れられる。また、図7ないし9に描かれる典型的な実施例において、開示されるシステム2、4及び6は、それぞれ、より大きなシステム内に一体化され、これにより、トランスデューサアセンブリ50からのデータが、処理装置54、例えば、コンピュータに送信され、目標サンプル70の2又は3次元画像を作成するのに使用される。
【0027】
本開示の典型的な実施例において、前記開示された照射構成要素及びUSトランスデューサアセンブリを結合する手段は、USゲルパッドの使用、前記トランスデューサアセンブリ及び前記照射装置を結合流体内に入れるコンテナ及び/又はUS結合ゲルの使用を含むことができるが、これらに限定されない。図7は、照射装置56及びトランスデューサアセンブリ50を目標サンプル70と結合する手段としての透明な超音波ゲル結合パッド60の使用を描く。代替的に、図8及び図9は、典型的なシステム4を目標サンプル70と結合する手段として結合流体62のコンテナ及びUS結合ゲル64の層の組み合わせた使用を描く。図8及び図9に描かれた特定の実施例において、照射装置56及びトランスデューサアセンブリ50の一部は、コンテナ62に入れられる。
【0028】
図7ないし9に示された特定の実施例に対して、照射装置56は、トランスデューサアセンブリ50に対して、トランスデューサアセンブリ50の直下に配置された目標サンプル70及び/又は領域が照射されるように配置される。図9に描かれた特定の実施例に対して、反射層68は、トランスデューサアセンブリ50と目標サンプル70との間の距離を最小化し、したがってシステム6をコンパクトにするために、方向変更鏡66と結合される。照射装置56から発する照射ビームは、第一に鏡66に反射され、次いでトランスデューサアセンブリ50の直下の目標サンプル70の領域に向けて反射層68に反射される。反射層は、図7に描かれるように前記サンプルからの電磁波の消失に対抗するように使用されることもできる。典型的なシステム2において、照射装置56から発する照射ビームは、更に、トランスデューサアセンブリ50の下に及び隣接して配置された反射層58を用いて目標サンプル70上に集中される。
【0029】
本開示は、典型的な実施例及び実施態様を参照して記載されているが、本開示は、このような典型的な実施例及び/又は実施態様により又はこれらに限定されるべきでない。むしろ、本開示の装置、システム及び方法は、本開示の精神又は範囲を逸脱することなしに、様々な修正、変更及び/又は強化を受け入れることができる。したがって、本開示は、全てのこのような修正、変更及び強化をその範囲内に明確に含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンパクトな照明スキームの生成に対する装置において、前記装置が、
少なくとも1つの光源と、
異なる透過/反射比の1以上のビームスプリッタのシーケンスを含むビーム分割アセンブリと、
を有し、
前記少なくとも1つの光源が、前記ビーム分割アセンブリを通され、前記ビーム分割アセンブリが、前記少なくとも1つの光源を所望の強度の1以上のビームに分割する、
装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光源が、前記ビーム分割プロセスの前、間又は後に1以上の方向変更鏡アセンブリを通される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1以上のビームスプリッタのシーケンスが、少なくとも1つの偏光ビームスプリッタを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの偏光ビームスプリッタが、前記少なくとも1つの光源をS偏光ビーム及びP偏光ビームに分割する二段変更ビームスプリッタである、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの偏光ビームスプリッタが、結果として生じるビーム強度及び/又は偏光が動的に制御可能であるような動的に切り替え可能な偏光材料を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記ビームが、光音響撮像に使用される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
照射装置を超音波トランスデューサアセンブリとコンパクトに一体化するシステムにおいて、
コンパクトな照明スキームの生成に対する1以上の装置であって、前記1以上の装置が、(i)少なくとも1つの光源、及び(ii)異なる透過/反射比の1以上のビームスプリッタのシーケンスを含むビーム分割アセンブリを含み、前記少なくとも1つの光源が、前記ビーム分割アセンブリを通され、前記ビーム分割アセンブリが、ビームを目標サンプルに対して送る前に前記少なくとも1つの光源を所望の強度の1以上のビームに分割する、当該1以上の装置と、
少なくとも1つの超音波トランスデューサを含み、前記目標サンプルに対して発する超音波を検出する超音波トランスデューサアセンブリと、
前記コンパクトな照明スキームの生成に対する1以上の装置及び前記超音波トランスデューサアセンブリを目標サンプルと結合する手段と、
を有するシステム。
【請求項8】
前記コンパクトな照明スキームの生成に対する1以上の装置及び前記超音波トランスデューサアセンブリを目標サンプルと結合する手段が、超音波ゲルパッドを有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記コンパクトな照明スキームの生成に対する1以上の装置及び前記超音波トランスデューサアセンブリを目標サンプルと結合する手段が、結合流体を持つコンテナ及び超音波ゲルの層を有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンパクトな照明スキームの生成に対する1以上の装置及び前記超音波トランスデューサアセンブリを目標サンプルと結合する手段が、コンパクトなハウジング及び超音波ゲルの層を有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンパクトなハウジングが、前記ビーム分割プロセスの前、間又は後に前記光源の方向を変更する1以上の鏡アセンブリを有する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記超音波トランスデューサアセンブリと前記目標サンプルとの間に反射層を有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記コンパクトな照明スキームの生成に対する1以上の装置が、前記トランスデューサアセンブリの真下の前記目標サンプルの領域を照射するように前記超音波トランスデューサアセンブリに対して配置される、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記超音波トランスデューサアセンブリが、トランスデューサアレイを有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項15】
前記コンパクトな照明スキームの生成に対する1以上の装置が、各トランスデューサの真下の前記目標サンプルの領域を所望の強度及び/又は偏光で照射するように前記超音波トランスデューサアセンブリに対して配置される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記1以上のビームスプリッタのシーケンスの1以上が、結果として生じるビーム強度及び/又は偏光が動的に制御可能であるような動的に切り替え可能な偏光材料からなる少なくとも1つの偏光ビームスプリッタを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記コンパクトな照明スキームの生成に対する1以上の装置が、各トランスデューサの真下の前記目標サンプルの領域を動的に制御可能な強度及び/又は偏光で照射するように前記超音波トランスデューサアセンブリに対して配置される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
目標サンプルを撮像する方法において、
コンパクトな照明スキームの生成に対する1以上の装置を提供するステップであって、前記1以上の装置が、(i)少なくとも1つの光源、及び(ii)異なる透過/反射比の1以上のビームスプリッタのシーケンスを含むビーム分割アセンブリを含み、前記少なくとも1つの光源が、前記ビーム分割アセンブリを通され、前記ビーム分割アセンブリが、ビームを目標サンプルに対して送る前に、前記少なくとも1つの光源を所望の強度の1以上のビームに分割する、当該1以上の装置を提供するステップと、
少なくとも1つの超音波トランスデューサを含み、前記目標サンプルに対して発する超音波を検出する超音波トランスデューサアセンブリを提供するステップと、
前記コンパクトな照明スキームの生成に対する1以上の装置及び前記超音波トランスデューサアセンブリを目標サンプルと結合するステップと、
を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−501150(P2011−501150A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529479(P2010−529479)
【出願日】平成20年10月13日(2008.10.13)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054194
【国際公開番号】WO2009/050632
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】