説明

コンピュータを使用して商取引を実施するときにユーザを認証するための方法およびシステム

【課題】コンピュータシステムを介してオークションを実施しながらユーザを認証するための方法およびシステムにおいて、以前にオークションシステムに登録しており自動認証をイネーブルにしたユーザを自動認証することを可能とする。
【解決手段】ユーザが登録されるとき、認証情報をクッキーとしてユーザのコンピュータにストアする。認証が必要な取引の実施(例えば商品オークションの出品や商品への入札)をユーザが決定したとき、ストアされた認証情報を取り出す。自動認証がイネーブルになっている場合は、手動認証なしで取引を継続する。しかし、自動認証がイネーブルになっていない場合またはストアされた認証情報を認識しない場合は、手動認証を要求する。自動認証を用いることにより、ユーザはどんな識別情報も手動入力せずに取引に関係する情報を入力することができる。また、取引を継続する準備ができるまで手動認証を延期する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、電子商取引の実施に関し、より詳細には、コンピュータネットワーク上で商取引を実施するユーザの認証に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットはベンダと購買者との間の電子通信を容易にするので、「電子商取引」の実施にますます使用されている。インターネットは、通信チャネルを介して相互接続された膨大な数のコンピュータおよびコンピュータネットワークを含む。電子商取引は、少なくとも一部が取引当事者のコンピュータシステムを使用して実施される商取引を一般的に指す。例えば、購買者はパーソナルコンピュータを使用して、インターネットを介してベンダのコンピュータに接続することができる。次いで購買者は、ベンダのコンピュータと対話して取引を実施することができる。今日行われている多くの商取引は電子商取引を介して行うことができるものの、電子商取引が受け入れられて広く利用されるか否かは、主にこのような電子商取引実施の利用のしやすさによって決まる。電子商取引が容易に実施できれば、初心者のコンピュータユーザでも電子商取引に参加することを選ぶであろう。したがって、電子商取引の実施を容易にする技術を開発することが重要である。
【0003】
インターネットは電子商取引の実施を容易にするが、これは一部には、インターネットが標準化された情報交換技術を用いるからである。Eメール、ゴーファ(Gopher)、ワールドワイドウェブ(「WWW」)など、インターネットを介して情報を交換するための多くの規格が確立されている。WWWサービスでは、サーバコンピュータシステム(すなわちウェブサーバまたはウェブサイト)が、情報のグラフィカルウェブページをリモートクライアントコンピュータシステムに送信することができる。次いでリモートクライアントコンピュータシステムはウェブページを表示することができる。WWWの各リソース(例えばコンピュータやウェブページ)は、「URL」(Uniform Resource Locator)によって一意的に識別可能である。特定のウェブページを閲覧するには、クライアントコンピュータシステムは、要求(例えば「HTTP」(HyperText Transfer Protocol)要求)の中でそのウェブページに対するURLを指定する。この要求は、そのウェブページをサポートするウェブサーバに転送される。このウェブサーバは要求を受信すると、要求されたウェブページをクライアントコンピュータシステムに送信する。クライアントコンピュータシステムは、そのウェブページを受信すると、通常はブラウザを使用してそのウェブページを表示する。ブラウザは通常、ウェブページの要求およびウェブページの表示を行う専用アプリケーションプログラムである。
【0004】
現在、ウェブページは一般に、「HTML」(HyperText Markup Language)を使用して定義される。HTMLは、どのようにウェブページが表示されるかを定義するタグの標準的なセットを提供する。ウェブページを表示するようにユーザがブラウザに指示すると、ブラウザは、そのウェブページを定義するHTML文書をクライアントコンピュータに転送するようにサーバコンピュータシステムに要求を送信する。要求されたHTML文書がクライアントコンピュータシステムによって受信されると、ブラウザは、HTML文書によって定義される通りにウェブページを表示する。HTML文書は、テキスト、グラフィックス、制御、およびその他の機能の表示を制御する種々のタグを含む。HTML文書は、そのサーバコンピュータシステム上または他のサーバコンピュータシステム上で利用可能な他のウェブページのURLを含む場合もある。
【0005】
インターネットのワールドワイドウェブ部分は、電子商取引を実施するのに特に役立つ。ベンダが製品の宣伝および販売に使用することのできる多くのウェブサーバが開発されている。製品には、インターネットを介して電子的に購買者に届けられる商品(例えば音楽)と、従来型の流通経路(例えば一般輸送業者)を介して届けられる商品(例えば本)とを含めることができる。サーバコンピュータシステムは、入手可能な商品をリストした電子版カタログを提供することができる。潜在的な購買者であるユーザは、ブラウザを使用してカタログを閲覧し、購入しようとする種々の商品を選択することができる。購入する商品の選択をユーザが完了すると、サーバコンピュータシステムは、商品の注文を完了するための情報を入力するようにユーザを促す。この購買者特有の注文情報は、購買者の名前、購買者のクレジットカード番号、および注文に対する配送先住所を含む場合がある。次いでサーバコンピュータシステムは、通常、確認ウェブページをクライアントコンピュータシステムに送信して注文を確認し、商品の配送を計画する。
【0006】
ワールドワイドウェブはまた、他のタイプの商取引を実施するのにも用いられている。例えば、サーバコンピュータシステムの中には、電子的にオークションを実施することをサポートするように開発されたものもある。電子的にオークションを実施するために、商品の売り手は、ウェブページを介してサーバコンピュータシステムにオークションの定義を提供する。この定義は、商品についての記述、オークション期間、および任意選択で最低付け値を含む。次いでサーバコンピュータシステムは、指定の期間にわたってオークションを実施する。潜在的な買い手は、関心をひくオークションを求めてサーバコンピュータシステムを探索することができる。そのようなオークションが見つかったとき、潜在的な買い手は、そのオークションについての入札履歴を閲覧し、商品に対する入札額を入力することができる。オークションが終了したとき、サーバコンピュータシステムは(例えばEメールを介して)落札者および売り手に通知し、それにより彼らは取引を完了することができる。
【0007】
商取引は、買い手から売り手に機密情報(例えばクレジットカード番号)を送信することを伴う場合がある。この情報は、インターネットを介して送信されるときに最終宛先までの途中で種々の中間コンピュータシステムを通過する場合があるので、安全性が懸念される。売り手は、自分の顧客の機密情報が安全であることを保証する助けとなる種々の技術を用いる。例えば売り手は、このような機密情報を送信するときに種々の暗号化技術を用いてその安全性を保証する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
機密情報の暗号化は妥当な安全性をもたらすものの、商取引のたびに買い手がこのような機密情報を再入力するのは非常に時間がかかり不便である。ウェブサイトの中には、買い手が次に商取引を実施するときには機密情報を再入力しなくてもいいように、買い手に対して機密情報をストアしておくものもある。買い手が次に商取引を実施するとき、買い手はユーザ識別およびパスワードで自分を識別することができ、次いでウェブサイトは、その買い手に対してストアしておいた機密情報を取り出すことができる。このようにして、機密情報は、インターネットを介して送信されることもなく、買い手によって再入力されることもない。買い手が一度に複数の商取引を実施する場合は、買い手は商取引ごとにユーザ識別およびパスワードを再入力することが必要な場合がある。こうしたユーザ識別およびパスワードの入力は「手動認証」と呼ばれ、煩わしいものであることがある。
【0009】
ウェブサイトの中には、この手動認証を完全に回避するものもある。このようなウェブサイトは、買い手の識別を買い手のコンピュータに例えばクッキーとしてストアする。買い手が次にそのウェブサイトにアクセスしたとき、ウェブサイトは、買い手のコンピュータにストアされた買い手の識別を取り出すことにより自動的に買い手を識別することができる。次いでウェブサイトは、手動認証を必要とせずに買い手の機密情報を取り出して使用することができる。しかしこの手法は、許可されていない人間が買い手のコンピュータにアクセスすることができないと買い手に分かっているときだけしか役に立たない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は、コンピュータシステムを使用して商取引を実施するための方法およびシステムを提供する。一実施形態では、このシステムは、商取引に関係する情報をユーザが入力するための表示記述(例えばウェブページ)をユーザのコンピュータに提供する。ユーザのコンピュータは、この表示記述に従ってユーザに表示を提示する。次いでユーザは、商取引に関係する情報を入力することができる。例えば、商取引がオークションにかけられている商品への入札である場合、表示記述はオークションにかけられている商品について記述し、入札額を入力することおよびボタンを選択して入札をサブミットすることをユーザに要求する。次いでユーザのコンピュータは、入力された情報をシステムに送信する。システムは、ユーザによって入力された情報を受信すると、そのユーザを自動認証できるか否かを判定する。自動認証できる場合は、システムは商取引を継続できるようにする。しかし、システムがユーザを自動認証できない場合は、システムは、認証情報を入力するための別の表示記述をユーザのコンピュータに提供する。入力された認証情報をユーザのコンピュータから受信したとき、システムがユーザの認証を承認できる場合は、システムは商取引を継続できるようにする。このようにしてシステムは、認証情報が必要であると決定するまでそのような情報の入力を先に延ばす。
【0011】
別の実施形態では、システムは、オークションにかけられている商品に入札する。入札するために、システムは、入札額を入力するためおよび入札額の入力後に単一動作(シングル・アクション)を行って入札をサブミットするための表示記述をユーザのコンピュータに提供する。シングル・アクションが行われると、ユーザのコンピュータは、入力された入札額をシステムに送信する。次いでシステムは、サブミットされた商品への入札を入力された入札額で行う。別法としてシステムは、提案入札額と、サブミットされた商品への入札を提案入札額で行うために行うシングル・アクションの指示とを、表示記述に含めることもできる。この場合、ユーザはその動作を行って、どんな入札額も入力せずに提案入札額で入札をサブミットすることができる。システムがユーザを認証できない場合は、システムは、ユーザを認証するための別の表示記述をユーザのコンピュータに提供する。システムはまた、サブミットされた入札をユーザのために行う前に、サブミットされた入札を確認するための表示記述を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】入札をサブミットするための表示を示す図である。
【図2】買い手の認証を要求するための表示を示す図である。
【図3】入札額を買い手に提案するための表示を示す図である。
【図4】半自動認証の有効期限によって認証に対する条件を確定するための表示を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるオークションシステムのコンポーネントを示すブロック図である。
【図6】入札サブミットコンポーネントを実装する入札サブミットルーチンの例示的な実施の流れ図である。
【図7】手動認証を実現する認証/登録ルーチンの例示的な実施の流れ図である。
【図8】商品リストオークションルーチンの例示的な実施の流れ図である。
【図9】提案額での入札サブミットルーチンの例示的な実施の流れ図である。
【図10】満了選択処理ルーチンの半自動認証の例示的な実施の流れ図である。
【図11】満了時間枠リスタートルーチンの例示的な実施の流れ図である。
【図12】認証必要ルーチンの例示的な実施の流れ図である。
【図13】自動認証使用可能/不能ルーチンの例示的な実施の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、オークション中に商品に入札するのを制御するための方法およびシステムを提供する。このオークションシステムは、オークション中に潜在的な買い手が入札するのを容易にする。アイテム「商品」は任意の製品、サービス、または製品とサービスの組合せを指し、あるいはより一般的に、交換可能なエンティティを指す。一実施形態では、このオークションシステムは、買い手が入札するために行う必要のある動作を減らす。この実施形態では、サーバコンピュータで実行されているオークションシステムがクライアントコンピュータにウェブページを提供するが、このウェブページは、オークションにかけられている商品を識別し、買い手が入札額を入力するためのフィールドを備え、入札額の入力後に入札をサブミットするために行うシングル・アクションの指示を提供する。クライアントコンピュータがこのウェブページを買い手に表示すると、買い手は入札額を入力し、オークションシステムに通知するためにシングル・アクション(例えばボタンのクリック)を行う。シングル・アクションの実施に応答して、クライアントコンピュータは、入札がサブミットされていることをオークションシステムに通知する。この通知を受信するとオークションシステムは、オークションシステムが買い手を自動認証できる場合には、入札額を最高付け値として記録することによって買い手のために入札する。その商品に対するオークションが終了したとき、オークションシステムは、売り手と最高付け値を付けた買い手とに通知する。そして、この売り手と買い手は、その商品の販売を完了することができる。入札額の入力およびシングル・アクションの実施しか必要としないウェブページを使用することにより、入札のサブミットが容易になり、したがって買い手がオークションに参加することが奨励される。
【0014】
オークションシステムは、例えばユーザのコンピュータにストアされたクッキーおよび誰がオークションに参加可能とされているかに基づいて、オークションシステムが認識するユーザを自動認証する。自動認証が可能(イネーブル)になっているとき、買い手は入札をサブミットすることができ、売り手は認証情報(例えばユーザ識別およびパスワード)を入力することなく商品を出品することができる。自動認証がイネーブルになっているときは、オークションシステムは認証情報を手動入力するようユーザを促さないので、自動認証をシングル・アクション(例えばボタンのクリック)オークション参加と呼ぶ。一実施形態では、自動認証がイネーブルになっていないとき、オークションシステムは、ユーザが手動で認証情報を提供した後のある期間にわたり自動認証を提供する。例えば買い手が入札をサブミットする場合、オークションシステムは、自動認証がイネーブルになっていないときは手動認証を促すことになる。次いでその買い手が一定期間内に別の入札をサブミットする場合、オークションシステムはその買い手を自動認証する。手動認証後の一定期間中はユーザを自動認証するこのプロセスを、「半自動認証(semi-automatic authentication)」と呼ぶ。というのは、ユーザは一連の商取引のために一度だけ手動認証すれば済むからである。
【0015】
手動認証が必要なとき、オークションシステムは、その認証(および後で論じる新規ユーザ登録)を入札前のできるだけ先に延ばすことができる。オークションシステムは、オークションにかけられている商品を識別するウェブページであって買い手が入札額を入力するためのフィールドを備えるウェブページを提供する。クライアントコンピュータがこのウェブページを表示すると、買い手は入札額を入力し、例えばエンターキーを押すことによって入札をサブミットする。次いでクライアントコンピュータは、買い手が入札をサブミットしようとしていることをオークションシステムに通知する。オークションシステムは、この通知を受信すると、入札が確実に受け入れられるようにチェックする。入札額が低すぎる場合、またはオークションが最近終了した場合は、入札が受け入れられないことがある。入札が受け入れられる場合、オークションシステムは、認証情報を買い手に要求するウェブページを提供する(ユーザがまだオークションシステムに登録していない場合、あるいは登録しているがまだオークションに参加するのに十分な情報を提供していない場合、オークションシステムはそのような登録または追加情報を要求する)。オークションシステムは、認証情報をクライアントコンピュータから受信すると、認証情報を検証し、買い手に代わって商品に入札する。入札額と認証情報を収集する際に2つのウェブページによるプロセスを使用することは、入札額が受け入れられると判定されるまで認証(または登録)を延期するという利点を有する。このプロセスはまた、買い手がオークションに参加することを奨励する。というのは、この2つのウェブページによるプロセスのうち最初のウェブページは、入札額と認証情報の両方の入力を単一のウェブページ上に組み合わせた単一ウェブページプロセスよりも威圧感が少ないからである。この延期式の認証カード(または登録)は、種々の商取引および非商取引で特に有用である。例えば、買い手が固定価格の商品を購入しているときや、アクセス制約があるリソースまたはアクセス制約はないがリソース供給側がアクセスを監視したいリソースへのアクセスをユーザが要求しているときに、延期式の認証を用いることができる。
【0016】
オークションシステムは延期式の登録プロセスを提供し、この登録プロセスにより、新規ユーザ(例えば買い手および売り手)がオークションシステムに登録することができる。入札をサブミットした買い手をオークションシステムが認識しない場合、オークションシステムは、登録するように買い手に要求する。登録中にユーザは、ユーザ識別(例えばEメールアドレス)、住所、電話番号、請求情報(例えばクレジットカード番号)、パスワードなどの情報をオークションシステムに提供する。オークションシステムはまた、例えば以前にオークションシステムに関連するウェブサイトを介して小売り購入を行った、何人かのユーザの登録情報へのアクセス権も有する場合がある。ユーザが登録されると、オークションシステムは、認証情報をユーザのコンピュータシステムに例えばクッキーとしてストアすることができる。このユーザが次にオークションシステムにアクセスしたとき、(自動認証がイネーブルになっていると仮定して)オークションシステムは、ストアされた認証情報に基づいて自動的にこのユーザを認識することができる。ユーザがオークションシステムに登録されていても、オークションシステムは、ユーザを買い手または売り手としてオークションに参加できるようにする前にユーザからの追加情報を必要とする場合がある。オークションシステムは、入札の完了時、またはオークションにかける商品のリスト作成の完了時に、この追加情報を収集する。こうした登録の延期はまた、前述たように他のタイプの取引を実施するときにも有用である。オークションシステムはまた、ユーザが自動認証(例えばシングル・アクションによる参加)をイネーブルまたはディセーブルにできるようにもする。自動認証がイネーブルになっていれば、認識されてオークションに参加できるようにされたユーザは、シングル・アクション(例えばボタンのクリック)を行って、手動認証なしで入札をサブミットし商品を出品することができる。
【0017】
このオークションシステムにより、買い手は、入札額を入力せずに入札を申し込むことが可能となる。オークションシステムは、クライアントコンピュータに、オークションされる商品を識別し、事前定義された入札額を含み、その事前定義された入札額での入札のサブミットを実行する単一アクションの指示を提供するウェブページを提供する。クライアントコンピュータがそのウェブページを表示したとき、買い手は、入札をサブミットするその単一アクションを実行し、次いでクライアントコンピュータは、オークションシステムに通知する。オークションシステムが通知を受信したとき、オークションシステムは、オークションシステムが自動的にその買い手を認証することができる場合はその時点で入札を申し込むこと、または入札を申し込む前に買い手に手動認証を要求することのいずれかを行う。オークションシステムは、事前定義された入札額を種々の方式で計算することができる。例えば、事前定義された入札額は、最高の入札額と入札額増分との和にすることができる。あるいは、オークションシステムは、入札額を提案するために、オークションされる商品、あるいはオークションされたことがあるか、またはオークションされている類似の商品の入札履歴を統計的に解析することができる。
【0018】
前述のように、このオークションシステムは、買い手が認証情報を入力することによって手動認証を最近実行したときに、買い手を自動的に認証することができる。例えば、買い手が入札額を入力し、オークションシステムによって要求されたときに手動で認証情報を提供したとき、オークションシステムは、買い手のコンピュータシステムからの、ある時間枠の間のすべての入札サブミットを自動的に認証することができる。その時間枠の間、買い手は、オークションシステムによって手動認証を再要求されることなく、追加の入札をサブミットすることができる。その時間枠の満了後、オークションシステムは、買い手が次に入札額を入力したときに買い手の手動認証を要求することになる。オークションシステムは、買い手がまだ実際にオークションシステムにアクセスしていることを検出したときに、まだ満了していない時間枠をリスタートすることができる。例えば、オークションシステムは、買い手がオークションシステムの何らかのウェブページにアクセスするときに時間枠をリスタートすることができる。あるいは、オークションシステムは、買い手が認証を要求する(例えば入札をサブミットする)活動(アクティビティ)を実行するときはいつでも時間枠をリスタートすることができる。このオークションシステムは、任意選択で買い手が時間枠を指定することを可能にすることもできる。時間枠をリスタートすることができる時を決定するために、異なる条件を使用することができることを当業者は理解されよう。例えば、このオークションシステムは、買い手とオークションシステムとの間の対話を解析し、適切なリスタート条件および時間枠の両方を決定することができる。買い手が一般に入札を直ちに入力する場合、オークションシステムは、買い手が入札を停止するときに自動的認証が直ちに満了することができるように、時間枠を相対的に短い期間に設定することができる。それとは対照的に、買い手が遅いペースで入札をサブミットする場合、オークションシステムは、買い手が手動認証の実行を不必要に再要求しないように、時間枠を相対的に長い期間に設定することができる。
【0019】
本発明の技法を、主に商品に対して入札する状況の下で説明するが、この技法は、売り手がオークションすべき商品をリストするときなどの他のオークション関連の状況や、オークションに関連しない他の状況の下で使用することもできる。多くの商取引、さらには非商取引(例えばワールドワイドウェブを介して所有権情報にアクセスすること)も認証および登録を必要とする。例えば、オークションが終了したとき、オークションシステムは、売り手に買い手のEメールアドレスを提供することができ、逆も同様である。Eメールアドレスは取り扱いに注意を要する情報であるので、オークションシステムは、別のパーティのEメールアドレスを要求するパーティに認証を要求することができる。この認証は、例えば要求するパーティが最近手動認証を提供した場合、自動にすることができる。売り手が商品をリストするためにオークションをセットアップしたとき、買い手が購入希望通知を出すとき、売り手が販売広告を出すとき、および売り手または買い手が取り扱いに注意を要する情報(例えばそのEメールアドレスまたはクレジットカード情報)を変更するときなどに、自動または手動の認証を要求することができる。商業的または非商業的取引システムも、自動認証を続行するある活動と、常に手動認証を必要とする他の活動とを可能にすることができる。例えば、一ユーザのEメールアドレスを別のユーザに供給することは、特にデリケートである。したがって取引システムは、常に手動認証を要求することができる。
【0020】
図1は、入札のサブミットに関する表示を示す。表示100は、商品の説明101、オークション情報102、最低入札額103、入札入力フィールド104、および入札サブミットボタン105を含む。買い手は、商品説明から商品を識別し、オークション情報を検討することができる。このオークション情報により、オークションの入札履歴を提供し、オークションが終了(クローズ)する時を示すことができる。最低入札額は、その商品に対して申し込むことができる最低入札額を示す。最低入札額は、一般に、最高の入札額と、オークションがセットアップされたときに確立された入札額増分との和である。買い手は、入札入力フィールド中に入札額を入力し、次いで入札サブミットボタンを選択して入札をサブミットする。入札サブミットボタンが選択されたとき、クライアントコンピュータは、買い手が入札をサブミットしようとしていることをオークションシステムに通知する。(例えば、オークションシステムが買い手を認識し、自動または半自動認証認証が可能であるために)認証が自動である場合、オークションシステムはその買い手に関して入札を申し込む。そうでない場合、オークションシステムは、入札を申し込む前に手動認証を要求する。一実施形態では、オークションシステムは、認証が自動のときは特に、別々のウェブページを介して入札の確認を要求することができる。
【0021】
図2は、買い手に認証を要求することに関する表示を示す。表示200は、入札額フィールド201、商品説明フィールド202、ユーザ識別フィールド203、パスワードフィールド204、および入札サブミットボタン205を含む。買い手は、自分のユーザ識別およびパスワードを入力し、次いで入札サブミットボタンを選択することによって認証を手動で実行する。買い手が入札サブミットボタンを選択したとき、クライアントコンピュータは、ユーザ識別およびパスワードをオークションシステムに通知する。次いでオークションシステムは、パスワードがユーザ識別とマッチするか否かを検証する。承認された場合、認証システムはその買い手に関する入札を申し込む。オークションシステムは、認証の満了に関する時間枠をリスタートすることもできる。
【0022】
図3は、買い手に入札額を提案するための表示を示す。表示300は、商品の説明301、オークション情報302、最低入札額フィールド303、入札額入力フィールド304、および入札サブミットボタン305を含む。各機能は図1に対して説明したものと同様である。しかしこの表示は、提案入札フィールド306と、提案入札額での入札サブミットボタン307も含む。提案入札フィールドは、提案された入札額を含む。オークションシステムは、入札額増分に基づいて、または入札履歴の統計的解析によって、提案入札額を計算することができる。買い手は、提案入札額での入札サブミットボタンをクリックすることによって、提案額で入札をサブミットすることができる。買い手がそのボタンを選択したとき、クライアントコンピュータは、買い手が提案額で入札をサブミットしていることをオークションシステムに通知する。次いでオークションシステムは、自動または手動認証の後にその買い手に対して提案された額に関して入札を申し込む。オークションシステムは、買い手に提案される価格を多くの異なる方式でサブミットすることができる。例えば、オークションシステムは、図1の入札入力フィールドを、提案入札額で事前に埋めておくことができ、このときユーザは、提案入札額での入札をサブミットするために入札サブミットボタンを選択するだけでよい。あるいは、オークションシステムは、提案された入札額を表示することができ、買い手は、入札入力フィールド中に、提案された入札額を望み通りに入力することができる。
【0023】
図4は、半自動認証満了を伴う認証に関する条件を確立するための表示を示す。商取引をサポートする典型的なシステムでは、ユーザがそのユーザの認証満了条件および時間枠を確立するオプションは可能ではない。むしろ、このシステムでは、固定の条件および時間枠を使用できるか、またはシステムの管理者はすべてのユーザに対する条件および時間枠を設定可能である。しかし、ユーザが自身の条件および時間枠をカスタマイズしているかのようにこの表示を説明する。表示400は、各満了条件のための5つのラジオボタン401〜405を含む。条件401は、買い手が認証を要求するアクションが実行されるときはいつでも認証されることを示す。言い換えれば、どの認証も直ちに満了することを示す。したがってこの第1条件により手動認証が可能となる。次の3つの条件により半自動認証が可能となる。条件402により、最後の手動認証の後のある時間枠の満了が可能となる。すなわちその時間枠は、各手動認証の後にリスタートする。条件403により、認証を要求する最後の活動の後のある時間枠の満了が可能となる。すなわちこの時間枠は、買い手が認証を要求する活動を実行するときはいつでもリスタートする。条件404により、買い手による最後の活動の後のある時間枠の満了が可能となる。すなわちこの時間枠は、買い手がオークションシステムにアクセスするときはいつでもリスタートする。条件405は、例えばオークションシステムがクライアントシステム上に認証情報をストアしており、その情報を自動的に取り出し、認証するために、買い手が再認証を受ける必要が決してないことを示す。この最後の条件は、自動認証を可能にすることと同等である。買い手は、条件のうちの1つを選択し、時間枠の長さを入力した後に、満了設定ボタン406を選択する。時間枠の長さは、事前定義された時間枠に省略することができる。もちろんオークションシステムは、まだ満了していない時間枠のみをリスタートする。
【0024】
図5は、本発明の一実施形態でのオークションシステムの構成要素を示すブロック図である。クライアントコンピュータ501およびサーバコンピュータ503は、インターネット502を介して相互接続される。これらのコンピュータは、中央演算処理装置、メモリ、入力装置(例えばキーボードおよびポインティングデバイス)、出力装置(例えば表示装置)、および記憶装置(例えばディスクドライブ)を含むことができる。メモリおよび記憶装置は、本発明のオークションシステムを実装するコンピュータ命令を含むことができるコンピュータ可読媒体である。クライアントコンピュータは、ブラウザを使用して、インターネットを介して種々のウェブページにアクセスすることができる。サーバコンピュータは、本発明のオークションシステムを実装する。オークションシステムは、サーバエンジン504、入札サブミット構成要素505、提案額での入札サブミット構成要素506、認証必要構成要素507、満了選択処理構成要素508、満了時間枠リスタート構成要素509、ユーザデータベース510、オークションデータベース511、およびこの図には図示していない他の構成要素を含む。サーバエンジンは、インターネットを介してリソース(例えばウェブページ)を求める要求を受信し、そのリソースの生成および伝送を調整する。入札サブミット構成要素は、買い手による入札のサブミットを制御する。提案額での入札サブミット構成要素は、買い手によって提案された価格での入札のサブミットを制御する。認証必要構成要素は、本発明の一実施形態で手動認証が必要か否かを判定する。満了選択処理構成要素は、ユーザまたは管理者のいずれかによる、満了条件および時間枠の設定を制御する。満了リスタート構成要素は、適切に時間枠をリスタートする。ユーザデータベースは、各買い手および売り手に関する情報を含む。この情報は、ユーザの名前、別名、自宅住所、Eメールアドレス、請求情報、配達情報などを含むことができる。オークションデータベースは、売り手の識別、オークションされる商品の説明、最低入札額、入札額増分、オークションが終了する時間、および入札履歴を含む、各オークションに関する情報を含む。入札履歴は、申し込まれた各入札ごとに、入札者の別名、入札額、および入札が申し込まれた時間を含むことができる。
【0025】
本発明の概念を、インターネット以外の種々の環境で使用できることを当業者は理解されよう。例えばこの概念を、Eメールメッセージにオークションまたはセールを記載することができるEメール環境でも使用することができる。一般に、表示の記述は、HTMLフォーマット、Eメールフォーマット、または表示情報に適した他のフォーマットでよい。また、インターネットの代わりに、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ポイントツーポイントダイアルアップ接続などの種々の通信チャネルを使用することもできる。商取引をクライアント/サーバ環境ではなく、単一コンピュータ環境内で実施することもできる。また、サーバシステムは、これらの概念をサポートすることができるハードウェアまたはソフトウェアのどんな組み合わせも有することができる。具体的には、ウェブサーバは、実際に複数のコンピュータを含むことができる。クライアントシステムは、サーバシステムと対話するハードウェアまたはソフトウェアのどんな組み合わせも有することができる。これらのクライアントシステムは、商取引または非商取引をそれを介して実施することができる、テレビジョンベースのシステムおよび他の種々のコンシューマ製品を含むことができる。
【0026】
図6〜9は、オークションシステムの入札サブミット構成要素、提案額での入札サブミット構成要素、商品リスト構成要素の例示的な実施の流れ図である。構成要素の処理を示すために、各構成要素をコンピュータ上に実装される単一ルーチンとして説明する。これらの各構成要素が一般にいくつかの別々のルーチンとして実装されることを当業者は理解されよう。図6は、入札サブミット構成要素を実装する入札サブミットルーチンの例示的な実施の流れ図である。このルーチンは、オークションされる商品と、入札履歴とを説明し、買い手に入札額を入力し、入札をサブミットするよう要求するウェブページを買い手のコンピュータに提供する。このルーチンが、買い手が入札をサブミットしたという指示を受信したとき、このルーチンは、オークションシステムがその買い手を認識することができるか否かを判定する。オークションシステムは、例えば認証情報がサブミットされた入札を備えるときに、買い手を認識する。クライアントコンピュータは、オークションシステムによってクライアントコンピュータにストアされるクッキーから、認証情報を取り出すことができる。オークションシステムが買い手を認識し、その買い手に対するオークションの参加および自動認証が可能である場合、ルーチンは、買い手に関する入札を申し込む。そうでない場合、ルーチンは、買い手が以前にそのオークションシステムに登録したか否かに応じて、買い手の認証または登録を要求する。ステップ601では、ルーチンは、オークションされる商品および入札履歴を説明する入札ウェブページを生成し、買い手に入札額を入力し、入札をサブミットするよう要求する。ステップ602では、ルーチンは、クライアントコンピュータにこの生成されたウェブページを送信する。最終的に、省略記号によって示すように、オークションシステムは、ステップ603で入札サブミットウェブページへの応答を受信する。ステップ604では、ルーチンが買い手を認識し、オークションの参加および自動認証(例えば「単一アクション入札使用可能」)が可能な場合、ルーチンは、ステップ606に進み、そうでない場合はステップ605に進む。ルーチンは、買い手がオークションに参加することが可能であるか否か、自動認証を可能にしているか否かを判定するためにルーチンをチェックする。ステップ605では、ルーチンは、認証/登録ルーチンを起動し、買い手を認証または登録する。ステップ606では、ルーチンは買い手に関して入札を申し込み、終了する。
【0027】
図7は、手動認証を提供する認証/登録の例示的な実施の流れ図である。このルーチンは、あるレベルの認証または登録がユーザに対して必要なときに起動する。オークションシステムがこのユーザを認識する場合、オークションシステムは、手動認証を要求する。オークションシステムがユーザを認識しない場合、オークションシステムは、ユーザに自身のユーザ識別(例えばEメールアドレス)を入力するように要求する。ユーザ識別に基づいて、オークションシステムは、ユーザが既に登録されているか否かを判定する。ユーザが既に登録されている場合、オークションシステムは手動認証を要求する。オークションシステムが自動供給認証情報(例えばクッキー)を認識しなかったか、それともユーザが自動認証を可能にしなかったかのいずれかであるからである。登録ユーザがオークションに参加することを可能にしない場合、オークションシステムは、ユーザがオークションに参加することができるように、ユーザに追加の情報を要求する。ステップ701では、ルーチンがユーザを認識する場合、ルーチンはステップ702に進み、そうでない場合、ルーチンはステップ704に進む。ステップ702では、ルーチンは、ユーザのユーザ識別およびパスワードを要求し、それを取り出し、妥当性を検査する。ルーチンは、認証ウェブページを生成し、生成したウェブページをクライアントコンピュータに送信し、ユーザ識別およびパスワードを含む応答を受信し、次いでユーザデータベースをチェックすることによってそのユーザ識別に対するパスワードの妥当性を検査する。ステップ703では、ユーザデータベースがそのユーザに関する請求情報(例えばクレジットカード番号)を含まない場合、ルーチンは、ステップ704でユーザに請求情報を要求する。ステップ705〜707では、ルーチンは、オークションシステムによって認識されないユーザについての処理を実行する。ステップ705では、ルーチンは、ユーザにユーザ識別を要求し、それを受信する。ステップ707では、受信したユーザ識別がユーザデータベース中にない場合、ルーチンはステップ707に進み、そうでない場合、ルーチンはステップ702に進む。ステップ707では、ルーチンは、ユーザを登録するのに必要な情報(例えば自宅アドレス、電話番号、クレジットカード番号、およびパスワード)を要求し、それを受信する。ユーザ識別がデータベース中にある場合、ステップ702では、ルーチンは、ユーザに、自身のパスワードをプロンプト指示するだけで良いことになる。ステップ708では、ユーザがオークションに参加することが可能である場合、ルーチンは完了し、そうでない場合、ルーチンは、ユーザがオークションに参加することが可能となるように、ユーザに情報を入力するようプロンプト指示する。ステップ709では、ルーチンは、ユーザがオークションに参加しているときに使用することを望む別名またはニックネームを求めて、ユーザにプロンプト指示する。ステップ710では、ルーチンは、オークションに参加することに関する使用条件をユーザに提供する。ステップ711では、ルーチンは、買い手がオークションに参加することが可能であることを示すフラグを、ユーザデータベース中にストアする。そして、ルーチンは完了する。半自動認証をサポートするように認証/登録ルーチンを修正することもできる。具体的には、ユーザがステップ701で認識される場合、ルーチンは、半自動認証が可能か否か、認証満了期間が満了したか否かを判定することができる。半自動認証が可能であり、認証満了期間が満了していない場合、ルーチンはステップ702をスキップすることができる。このルーチンは、以下で説明する必要な認証ルーチンを起動することによって、この決定を行う。
【0028】
図8は、商品リストオークションルーチンの例示的な実施の流れ図である。このルーチンは、オークションすべき商品を説明する情報と、どのようにオークションを実施するかを定義する情報とを求めて、売り手にプロンプト指示する。例えば、どのようにオークションを実施するかを定義する情報には、オークションのタイプ、最低入札額、入札額増分、およびオークションの期間を含めることができる。オークションシステムが売り手を認識しない場合、売り手がオークションに参加することが可能でない場合、または買い手が自動認証を可能にしていない場合、ルーチンは、オークションをセットアップする前に認証または登録を要求する。ステップ801では、ルーチンは、商品リストオークションウェブページを生成する。ステップ802では、ルーチンは、生成したウェブページを売り手のクライアントコンピュータに送信する。ステップ803では、ルーチンは、送信したウェブページからの応答を受信する。ステップ804では、オークションシステムが売り手を認識可能にしている場合、売り手がオークションに参加することを可能にしている場合、および売り手が自動認証を可能にしている場合、ルーチンはステップ806に進み、そうでない場合ルーチンはステップ805に進む。ステップ805では、ルーチンは認証/登録ルーチンを起動する。ステップ806では、ルーチンは、オークションを説明する情報をオークションデータベース中にストアすることによって、オークションをセットアップする。そして、ルーチンは完了する。
【0029】
図9は、提案額での入札サブミットルーチンの例示的な実施の流れ図である。このルーチンは、提案額での入札サブミットボタンが選択されたか否かを判定することを除いて、入札サブミットルーチンと同様に機能する。ステップ901では、ルーチンは、提案入札額および提案金額での入札サブミットボタンと共に、入札サブミットウェブページの情報を含む、提案金額での入札サブミットウェブページを生成する。ステップ902では、ルーチンは、生成したウェブページをクライアントコンピュータに送信する。前述と同様に、オークションシステムは、提案額を種々の方式で決定することができる。最終的に、オークションシステムは、ステップ903で、提案金額での入札サブミットウェブページへの応答を受信する。ステップ904では、ルーチンは、買い手が入札サブミットボタン選択したか否か、または提案額での入札サブミットボタンを選択したか否かを判定する。買い手が入札サブミットボタンを選択した場合、ルーチンは図6のステップ604での処理に進む。買い手が提案額での入札サブミットボタンを選択した場合、ルーチンはステップ905に進む。ステップ905では、ルーチンは入札額を提案額に設定し、図6のステップ604に進む。
【0030】
図10〜12は、オークションシステムの構成要素の例示的な実施を示す流れ図である。図10は、満了選択処理ルーチンの半自動認証の例示的な実施の流れ図である。この構成要素は、満了条件を示すために満了ステータスを設定し、適切に、時間枠を設定し、時間枠の開始を示すように活動時間を現在時間に初期設定する。ルーチンは、図4の選択を処理する。ステップ1001〜1005では、ルーチンは、買い手によって選択されたラジオボタンを判定する。買い手が満了を即時行うべきことを示した場合(すなわち手動認証)、ルーチンは、ステップ1006で満了ステータスを即時に設定する。満了が最後の認証に基づくべきことを買い手が示した場合、ルーチンは、ステップ1007で、最後の認証以降を示すように満了ステータスを設定し、買い手によって入力されたように時間枠を設定し、最後の認証時間を現在時間に初期設定する。満了が、認証を必要とする最後の活動に基づくことを買い手が示した場合、ルーチンは、ステップ1008で、満了ステータスを最後の認証された活動を示すように設定し、時間枠を買い手によって入力されたように設定し、最後に認証された活動の時間を、現在時間に初期設定する。満了が最後の活動に基づくべきことを買い手が示した場合、ルーチンは、ステップ1009で、最後の活動を示すように満了ステータスを設定し、時間枠をユーザが入力したように設定し、最後の活動時間を現在時間に初期設定する。満了が決してあるべきではないことを買い手が示した場合(すなわち自動認証)、ルーチンは、ステップ1010で満了ステータスをネバー(never)に設定する。そして、ルーチンは完了する。
【0031】
図11は、満了時間枠リスタートルーチンの例示的な実施の流れ図である。このルーチンは、ユーザによって実行された活動の指示を渡され、適切に認証満了時間枠をリスタートする。ステップ1101では、現在時間枠がまだ満了していないか否かは、認証必要ルーチン(以下で説明)を起動することによって判定することができるが、それがまだ満了していない場合、ルーチンはリターンし、そうでない場合はルーチンはステップ1102に進む。ステップ1102では、ルーチンは、最後の活動時間を現在時間に設定する。ステップ1103では、渡された活動が認証を必要とする場合、ルーチンはステップ1104に進み、そうでない場合、ルーチンはステップ1105に進む。ステップ1104では、ルーチンは、最後の認証された活動時間を現在時間に設定する。ステップ1105では、渡された活動が認証である場合、ルーチンはステップ1105に進む。そうでない場合ルーチンは完了する。ステップ1106では、ルーチンは、最後の認証時間を現在時間に設定し、完了する。
【0032】
図12は、認証必要ルーチンの例示的な実施の流れ図である。このルーチンは、認証が手動か、半自動か、それとも自動であるかを判定する。ステップ1201〜1205では、ルーチンは現満了ステータスを判定する。満了ステータスが即時である場合、ルーチンは手動認証が必要であるという指示を返す。満了ステータスがネバーである場合、ルーチンは、手動認証は必要ではないという指示を返す。ステップ1206では、満了ステータスが最後の活動以降である場合、ルーチンはステップ1206で継続する。ステップ1206〜1208では、時間枠が現満了ステータスに基づいて満了した場合、ルーチンは手動認証が必要であるという指示を返し、そうでない場合、ルーチンは、手動認証は必要ではないという指示を返す。
【0033】
図13は、自動認証使用可能/不能ルーチンの例示的な実施の流れ図である。このルーチンにより、ユーザについての自動認証が可能であるか、それとも不可能であるかをユーザに示すことが可能となる。ステップ1301では、ルーチンは、現設定を変更するためのウェブページを生成する。ウェブページを生成するために、ルーチンは、ユーザの現設定をユーザデータベースから取り出す。ステップ1302では、ルーチンは、生成したウェブページをユーザのコンピュータに送信する。ステップ1303では、ルーチンは、ユーザのコンピュータから送信したウェブページへの応答を受信する。この応答は、ユーザが現設定を変更したいか否かを示す。ステップ1304でこの応答が、ユーザが設定を変更したいことを示す場合、ルーチンはステップ1305に進み、そうでない場合、ルーチンは完了する。ステップ1305では、ルーチンは、ユーザデータベース中の設定を変更し、完了する。
【0034】
前述より、例示の目的で本発明の特定の実施形態を本明細書で説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の修正を行うことができることを理解されよう。したがって本発明は添付の特許請求の範囲以外によっては制限されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オークションにかけられている商品に入札するためのコンピュータシステムにおける方法であって、
入札額を入力するため、および前記入札額の入力後にシングル・アクションだけを行って入札をサブミットするための表示記述を提供し、
前記シングル・アクションが行われたことの指示を受け取るのに応答して、サブミットされた前記商品への入札を入力された入札額で行うことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−18350(P2011−18350A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178142(P2010−178142)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【分割の表示】特願2000−608317(P2000−608317)の分割
【原出願日】平成12年3月29日(2000.3.29)
【出願人】(598126069)アマゾン コム インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】Amazon.com,Inc.
【Fターム(参考)】