説明

コンピュータシステム及びプログラム

【課題】キャラクタの収集の程度の差に拘わらず和気藹々に対戦プレイを楽しむことができるようにすること。
【解決手段】リーグ毎に「ドラフト」レギュレーションが設定されている場合、リーグに参加する各プレーヤチームのオリジナルチームに編成されている選手を、一旦全てプールする。そして、各プレーヤチームの順繰りに、プールされた選手から一人ずつ選択して、当該リーグで限定的に適用される特別なチームを編成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対戦ゲームを実行するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
チーム対戦型スポーツゲームのジャンルに、プレーヤがチームオーナの立場になって、選手を集めて編成した自分のチームが他プレーヤのチームと自動的に試合する様子を観戦するシミュレーションタイプのゲームが知られている。例えば、野球ゲームに関して非特許文献1に開示されている。
【0003】
プレーヤは、保有する選手の中からスタメン(先発選手)(例えばスターティングメンバー11人)などの編成をする。そして、プレーヤは、自分が編成したチームがどれだけ強いかを他プレーヤとの試合を通じて競って楽しむ。試合中は、各選手の行動はもちろん選手交代やどういった戦術で戦うかも自動で行われるため、プレーヤが試合前の準備で如何に試合状況を予測して編成をするかが腕のみせどころとなる。
【0004】
また、この種のジャンルのゲームでは、選手集めをトレーディングカードの収集により行わせるものもある。このトレーディングカードには、それぞれゲーム内で使用できる選手が対応づけられており、プレーヤが所定のウェブサイト等でトレーディングカードの使用登録手続きをすることで自チームの編成に使える選手を登録することができる。こうしたゲームは、例えば、非特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】株式会社セガ製オンラインゲーム「プロ野球チームをつくろう!ONLINE2」、[online]、2008年5月27日運用開始、インターネット<URL:http://www.yakyutsuku-online.com/>
【非特許文献2】株式会社バンダイ製オンラインゲーム「プロ野球オーナーズリーグ」、[online]、2010年3月9日β版公開開始、2010年3月20日カード販売開始、インターネット<URL:http://ownersleague.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、非特許文献2のようにトレーディングカードの取得をその基本にしたゲームの場合、当然その取得ペースは各プレーヤで異なり、必ずしも同じとは言えない。そのため、友人同士で一緒にゲームを始めたとしても、それぞれが取得しているトレーディングカードの種類や数がバラバラでプレーヤ間での手駒の差、つまりは実力差が大きくなるケースが散見される。こうした場合、せっかくその友人同士で対戦プレイを楽しもうとしても、実力差がありすぎて友人同士で和気藹々と楽しむには不適当であった。
尚、トレーディングカードは実店舗で販売されるリアルなカードに限らず、電子的な仮想のカードであっても同様である。また、媒体は、トレーディングカードに限らず、例えば小型玩具等であっても同様である。
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、キャラクタの収集の程度の差に拘わらず和気藹々に対戦プレイを楽しむことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するための第1の形態は、複数のキャラクタで構成されたプレーヤチーム同士で対戦するゲームを実行するコンピュータシステムであって、
各キャラクタそれぞれに対応づけて、当該キャラクタに関するオブジェクト(例えば、図1のトレーディングカード3)に付与されたオブジェクト固有のID(以下「オブジェクトID」という。)を記憶するID記憶手段(例えば、図11のサーバ記憶部502、図12のゲーム関連データ516、カード登録データ518)と、
プレーヤ端末からの操作入力に従って前記オブジェクトIDの使用登録要求を受け付ける使用登録受付手段(例えば、図11のサーバ記憶部502、ゲーム管理部220、カード登録処理部222、通信部372、図18のステップS4〜S10)と、
前記使用登録受付手段により受け付けられたオブジェクトIDが、既に登録済みであった場合には使用登録を不許可とし、未登録であった場合には使用登録を許可として、各オブジェクトIDの使用登録の有無を管理する登録管理手段(例えば、図11のサーバ処理部202、ゲーム管理部220、カード登録処理部222、図18のステップS8、S10)と、
各プレーヤチームを構成するキャラクタを記憶する記憶手段(例えば、図11のサーバ記憶部502、図12のゲーム関連データ516、図17のオリジナルチーム編成データ612)に、前記登録管理手段により使用登録されたオブジェクトIDに対応するキャラクタを、対応するプレーヤチームの所属キャラクタとして記憶させる登録構成手段(例えば、図11のサーバ処理部202、ゲーム管理部220、カード登録処理部222、図17の登録選手リスト610、図18のステップS8、S10)と、
前記記憶手段に記憶された各プレーヤチームを構成するキャラクタを一時的にプールするプール手段(例えば、図11のサーバ処理部202、ゲーム管理部220、ドラフト制御部236、図14のリーグ設定データ550、選手プールデータ582、図20のステップS76)と、
前記プール手段によりプールされたキャラクタの中から、順番にキャラクタを選択していくことで各プレーヤチームを新たに構成するチーム構成更新手段(例えば、図11のサーバ処理部202、ゲーム管理部220、ドラフト制御部236、図21のステップS104〜S132)と、
前記新たに構成されたプレーヤチームの各キャラクタの能力値を、前記オブジェクトIDの使用登録不要のキャラクタ(例えば実施形態のレンタル選手)の能力値として予め定められた能力値に変更した上で、当該新たなプレーヤチームを用いてゲーム進行を制御する進行制御手段と、
を備えたコンピュータシステムである。
【0009】
別形態としては、コンピュータに、複数のキャラクタで構成されたプレーヤチーム同士で対戦するゲームを実行させるためのプログラムであって、各キャラクタそれぞれに対応づけて、当該キャラクタに関するオブジェクトに付与されたオブジェクトIDを記憶するID記憶手段、プレーヤ端末からの操作入力に従って前記オブジェクトIDの使用登録要求を受け付ける使用登録受付手段、前記使用登録受付手段により受け付けられたオブジェクトIDが、既に登録済みであった場合には使用登録を不許可とし、未登録であった場合には使用登録を許可として、各オブジェクトIDの使用登録の有無を管理する登録管理手段、各プレーヤチームを構成するキャラクタを記憶する記憶手段に、前記登録管理手段により使用登録されたオブジェクトIDに対応するキャラクタを、対応するプレーヤチームの所属キャラクタとして記憶させる登録構成手段、前記記憶手段に記憶された各プレーヤチームを構成するキャラクタを一時的にプールするプール手段、前記プール手段によりプールされたキャラクタの中から、順番にキャラクタを選択していくことで各プレーヤチームを新たに構成するチーム構成更新手段、前記新たに構成されたプレーヤチームの各キャラクタの能力値を、前記オブジェクトIDの使用登録不要のキャラクタの能力値として予め定められた能力値に変更した上で、当該新たなプレーヤチームを用いてゲーム進行を制御する進行制御手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムとすることができる。
【0010】
ここで言う「オブジェクト」とは、トレーディングカードや、ボトルキャップ、キャラクタフィギア、筆記具など、現物としてのアイテムを含み、また電子的に扱う仮想物も含む。
第1の形態によれば、プレーヤが収集したオブジェクトの重複使用登録を防ぎ、唯一無二の扱いとすることができる。そして、そもそも各プレーヤのオリジナルのプレーヤチームを構成しているキャラクタを一元的にプールし、プールされた中から各プレーヤチームを新たに構成することができる。つまり、もともとプレーヤ間でトレーディングカードの収集状態に差があったとしても、ゲームプレイ前に全プレーヤの全キャラクタを皆で使えるようにできる。よって、対戦するプレーヤ間のトレーディングカードの収集程度の差に拘わらず和気藹々に対戦プレイを楽しむことができる。
【0011】
第2の形態は、前記チーム構成更新手段が、キャラクタの選択権を、一巡ごとに順番を変更して前記各プレーヤチームに巡回的に付与する選択権付与手段(例えば、図11のサーバ処理部202、ゲーム管理部220、ドラフト制御部236、図21のステップS136〜S140)と、
前記選択権付与手段により選択権が付与されたプレーヤチームのプレーヤの選択指示に従ってキャラクタを選択する選択手段(例えば、図11のサーバ処理部202、ゲーム管理部220、ドラフト制御部236、図21のステップS104のYES〜S120のYES〜S132)と、を有する第1の形態のコンピュータシステムである。
【0012】
第2の形態によれば、第1の形態と同様の効果を奏するとともに、キャラクタの選択権を一巡毎に変えることにより、選択権の付与にあたって特定のプレーヤが有利になることがないようにできる。
【0013】
第3の形態は、各プレーヤのプレーヤ端末と通信する通信手段(例えば、図11の通信部372)を更に備え、
前記選択手段は、対応するプレーヤ端末から送信された選択指示信号に従ってキャラクタを選択し、所定の制限時間以内に選択指示信号を受信しなかった場合には、当該選択権に係るキャラクタの選択を自動的に行う第2の形態のコンピュータシステムである。
【0014】
各プレーヤがプレーヤ端末を用いて選択指示をする構成であるため、必ずしも皆で同時に選択指示できるとは限らない。選択を手動のみの構成とすると、あるプレーヤが選択指示することを忘れていると、いつまでたっても全員の選択が終わらないと言った事態になる。しかし、第3の形態によれば、第2の形態と同様の効果を奏するとともに、選択権が付与されて制限時間以内に選択が為されない場合には、当該選択権が付与されたプレーヤに代わって自動制御で選手を選択し、選択権を次に回すことができる。よって、スムーズな進行を実現できる。
【0015】
第4の形態は、前記プレーヤ端末から自動選択指示信号を受信する自動選択指示受信手段(例えば、図11の通信部372、ゲーム管理部220、ドラフト制御部236、図21のステップS98)を更に備え、
前記選択手段は、前記自動選択指示受信手段により前記自動選択指示信号を受信したプレーヤについてはキャラクタの選択を自動的に行う、第3の形態のコンピュータシステムである。
【0016】
第4の形態によれば、第3の形態と同様の効果を奏するとともに、プレーヤは手動によるキャラクタ選択と、自動によるキャラクタ選択との何れかを選ぶことができる。
【0017】
第5の形態は、各キャラクタに属性が定められ、前記属性毎に1つのプレーヤチームに所属可能なキャラクタ数条件が定められており、
前記選択手段は、前記キャラクタ数条件を満足しないキャラクタの選択を抑止する選択抑止手段(例えば、図11のゲーム管理部220、ドラフト制御部236、図21のステップS120〜S122)を有する、第2〜第4の何れかの形態のコンピュータシステムである。
【0018】
第5の形態によれば、第2〜第4の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、プレーヤのキャラクタ選択を補助することができる。
【0019】
第6の形態は、前記プール手段が、複数のプレーヤチームに共通するキャラクタが所属していた場合には、当該キャラクタを異なるキャラクタとしてプールする、第1〜第5の何れかの形態のコンピュータシステムである。
【0020】
第6の形態によれば、第1〜第5の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、オリジナルのプレーヤチームを構成していたキャラクタに、同じキャラクタがあってもそれらを個別に扱うことができる。よって、キャラクタをプールすることによりキャラクタが不足すると言ったことがない。また、皆でキャラクタを持ちよって遊ぶ感じが醸成される。
【0021】
第7の形態は、前記プール手段及び前記チーム構成更新手段が、前記登録構成手段によって各プレーヤチームが構成された後に実行される手段である、第1〜第6の何れかの形態のコンピュータシステムである。
【0022】
第7の形態は、第1〜第6の形態と同様の効果を奏するとともに、キャラクタに対応づけられるオブジェクトを収集する動機付けを高めることができる。
【0023】
第8の形態は、前記登録構成手段が、前記チーム構成更新手段によって新たに構成されたプレーヤチームに、前記使用登録されたオブジェクトIDに対応するキャラクタを追加所属させる追加登録手段(例えば、図11のサーバ処理部202、ゲーム管理部220、カード登録処理部222、図17のドラフト後追加登録選手リスト632、図18のステップS6の「0」、S10)を有する、第1〜第7の何れかの形態のコンピュータシステムである。
【0024】
第8の形態によれば、第1〜第7の形態と同様の効果を奏するとともに、プールされたキャラクタから新たなチームを構成した後に、別のキャラクタを追加所属させる機能を追加できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ゲームシステムの構成例を示す図。
【図2】ユーザ端末である携帯型ゲーム装置の構成例を説明するための外観図。
【図3】メニュー画面の表示の一例を示す図。
【図4】選手登録画面の表示の一例を示す図。
【図5】チーム編成画面の表示の一例を示す図。
【図6】リーグ作成画面の表示の一例を示す図。
【図7】参加リーグ設定画面の表示の一例を示す図。
【図8】ドラフト画面の表示の一例を示す図。
【図9】ドラフト画面の表示の一例を示す図。
【図10】試合シミュレーション画面の表示の一例を示す図。
【図11】ユーザ端末である携帯型ゲーム装置と、サーバシステムとの機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図12】ゲーム関連データのデータ構成の一例を示す図。
【図13】選手設定データのデータ構成の一例を示す図。
【図14】リーグ設定データのデータ構成の一例を示す図。
【図15】選手プールデータのデータ構成の一例を示す図。
【図16】ドラフト結果データのデータ構成の一例を示す図。
【図17】チーム設定データのデータ構成の一例を示す図。
【図18】サーバシステムにおける本発明に関する主たる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図19】試合シミュレーション処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図20】ドラフト処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図21】図20から続くフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔第1実施形態〕
本発明を適用した第1実施形態として、トレーディングカードを用いて選手登録をするシミュレーションタイプの対戦野球ゲームを、個別の行動傾向や能力値が定められたキャラクタを複数組み合わせたグループを構成してグループの行動を自動制御するゲームとして実行する例について説明する。尚、以下の説明における「プレーヤ」とは、実在するユーザと、コンピュータのAI制御等の自動制御により実現される仮想のプレーヤとが含まれる意である。
【0027】
[ゲームシステムの構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの構成の一例を示す図である。本実施形態は、パソコン1200や、スマートフォン1300、携帯型ゲーム装置1400と言ったユーザ端末が、通信回線1を介してサーバシステム1100と接続し、ゲーム実行に必要なデータを送受し合うシステムで実現される。
【0028】
通信回線1は、データ授受が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線1とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0029】
サーバシステム1100は、複数のブレードサーバ1102を備えた筐体1104と、ブレードサーバ1102の管理操作に用いるキーボード1106及びディスプレイモニタ1108とを備える。ブレードサーバ1102は、CPUやI/Oモジュール、ICメモリ、ハードディスク等のストレージなどを備え、一台のサーバコンピュータとして機能する。筐体1104には、各ブレードサーバ1102や、それらに電力を供給する電源モジュール、通信回線1に接続するための通信装置等を搭載する。
【0030】
そして、本実施形態におけるサーバシステム1100は、例えばCGI(Common gateway interface)プログラム実装言語をシステムサポートし、ユーザ登録手続きや、登録ユーザの認証(所謂ログイン処理)、野球ゲーム、チャットなどのユーザ間のコミュニケーション、といった各種機能をCGIの仕組みを利用して提供する。
【0031】
尚、サーバシステム1100は、単独のサーバコンピュータにより実現される構成であっても良いのは勿論である。或いは、据え置き型の家庭用ゲーム装置がサーバ装置としての機能を実現する構成であっても良い。
【0032】
パソコン1200や、スマートフォン1300、携帯型ゲーム装置1400は、いずれもゲーム画面表示プログラムを実行させることのできるコンピュータである。ゲーム画面表示プログラムとは、サーバシステム1100から受信した表示情報に基づいて、各種画面を表示する機能や、操作入力に応じたリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信する機能を実現するためのプログラムである。
【0033】
ゲーム画面表示プログラムは、サーバシステム1100で生成される表示情報を専用のデータ形式とするならば専用のクライアントプログラムにより実現される。表示情報が、HTMLやAdobe Flash(Adobeは登録商標)などを用いてインタラクティブに画像や音声を制御する形式とするならば、汎用のウェブブラウザのプログラムなどでも実現できる。
【0034】
プレーヤ2は、本実施形態における野球ゲームをプレイするために、事前に野球選手や監督の意匠を有した専用のトレーディングカード3を購入する必要がある。トレーディングカード3は、所定枚数を1パッケージとして市販される。
【0035】
トレーディングカード3そのものは、監督カード3aと、投手・捕手・野手を含む選手カード3bとの2種類から構成されており、ゲームに登場する監督や選手と同種類(同一選手に対して複数種類としてもよい。但し、本実施形態では説明を簡略化するために同種類とする。)予め用意されている。そして、各々にはゲームに登場する監督や選手に対応づけられた固有のカード情報が付与されている。本実施形態では、カード情報としてカード番号が印刷されているものとするが、バーコードやQRコードなどにより実現しても良い。
【0036】
プレーヤ2は、取得したトレーディングカード3を、ユーザ端末を使って登録し、カードに対応する選手を使用可能にする。そして、使用可能にした選手を使って自分のチームを編成して他プレーヤのチームとリーグ戦を戦う野球ゲームを楽しむ。
【0037】
[ユーザ端末の構成]
次に、ユーザ端末の代表として、携帯型ゲーム装置1400の構成例について説明する。図2は、本実施形態におけるユーザ端末である携帯型ゲーム装置1400の構成の一例を説明するための外観図である。
【0038】
携帯型ゲーム装置1400は、方向入力キー1402と、プッシュスイッチ1404と、第1液晶ディスプレイ1406と、第2液晶ディスプレイ1408と、スピーカ1410と、イメージセンサ1430と、制御ユニット1450とを、ヒンジ1414で開閉自在な折り畳み型の装置本体1401に備えている。そして、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示面上には、スタイラスペン1416などで触れることによって表示画面の任意位置を接触入力することのできるタッチパネル1407、1409がそれぞれ装着されている。
【0039】
また、装置本体1401には、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1440からデータを読み込んだりデータを書き込みできるメモリカード読取装置1418が備えられている。メモリカード1440には、携帯型ゲーム装置1400の制御ユニット1450がゲームプレイに係る各種演算処理を実行するために必要なプログラムや各種設定データが記憶されている。その他、装置本体1401には図示されていない内蔵バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0040】
タッチパネル1407、1409は、表示画面を遮蔽することなくそれぞれ第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示画面のほぼ全域を被い、プレーヤがスタイラスペン1416(或いは指など)で触れる接触操作を行うと、左上を原点とする直交座標系における接触位置座標を制御ユニット1450へ出力することができる。
【0041】
イメージセンサ1430は、CCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)などの撮像素子である。トレーディングカード3のカード情報をバーコードやQRコードで付与する構成では、これを読み取るための撮影に使用される。
【0042】
制御ユニット1450は、ゲーム装置の制御基板に相当し、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor
)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリを搭載する。
【0043】
また、制御ユニット1450は、無線通信モジュール1412や、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408のドライバ回路、タッチパネル1407及びタッチパネル1409のドライバ回路、方向入力キー1402及びプッシュスイッチ1404からの信号を受信する回路、スピーカ1410へ音声信号を出力するためのアンプ回路、メモリカード読取装置1418への信号入出力回路といった所謂I/F回路(インターフェース回路)を搭載する。これら制御ユニット1450に搭載されている各要素は、それぞれバス回路を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0044】
そして制御ユニット1450は、メモリカード読取装置1418によってメモリカード1440に格納されているプログラムやデータを読み出して、搭載するICメモリにこれらを一時記憶する。そして、読み出したプログラムを実行して演算処理を実行し、方向入力キー1402やプッシュスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409からの操作入力に応じて携帯型ゲーム装置1400の各部を制御する。
【0045】
尚、本実施形態では、携帯型ゲーム装置1400は必要なプログラムや各種設定データをメモリカード1440から読み出す構成としているが、制御ユニット1450に搭載されている主要なプログラムやデータをICメモリに予め記憶している構成とすることができる。或いは、無線通信モジュール1412を介して、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの有線/無線の通信回線1に接続し
て外部装置からダウンロードして取得する構成としても良い。
【0046】
[ゲームの概要]
次に、図3〜図10を参照しながら、本実施形態における野球ゲームの概要について説明する。プレーヤは、先ずユーザ端末である携帯型ゲーム装置1400を起動させて、ゲーム画面表示プログラムを実行させる。次いで、通信回線1を介してサーバシステム1100に接続して所定のログイン手続きを済ませると、図3に示すようなメニュー画面W2が表示される。
【0047】
本実施形態の携帯型ゲーム装置1400はデュアルディスプレイなので、第1液晶ディスプレイ1406にタイトル表示部4、アカウント表示部6が表示され、第2液晶ディスプレイ1408にメニュー選択アイコンが複数並ぶメニュー選択アイコン表示部8が表示される。プレーヤは、スタイラスペン1416で所望するメニュー選択アイコンをタッチして選択操作するか、方向入力キー1402とプッシュスイッチ1404を用いて何れかのメニュー選択アイコンを選択操作する。
【0048】
本実施形態の野球ゲームを楽しむためには、プレーヤは自身が取得したトレーディングカード3の選手カード3bを登録してゲーム内で使えるようにしなければならない。これを「選手登録」と呼ぶ。
【0049】
メニュー選択アイコン表示部8から「選手登録」のアイコンを選択すると、当該操作に対応するリクエスト情報が携帯型ゲーム装置1400からサーバシステム1100に送信される。サーバシステム1100は、「選手登録」のリクエスト情報を受信すると、当該情報の送信元である携帯型ゲーム装置1400へ選手登録画面を表示させるための表示情報を返信する。
以下同様に、携帯型ゲーム装置1400で何らかの操作入力をすると、それに対応するリクエスト情報がサーバシステム1100に送信される。そして、サーバシステム1100が、受信したリクエスト情報に対応するゲーム管理処理を実行し、新たな表示情報等を携帯型ゲーム装置1400へ返信するものとする。
【0050】
図4は、本実施形態における選手登録画面W4の一例を示すゲーム画面図であり、同図上が上画面、下が下画面を示す。以降の各画面を示す図面も同様である。
選手登録画面W4では、新規に登録するカードのカード番号を入力するカード番号入力欄10と、カード番号を入力するためのソフトウェアキーボード12と、入力されたカード番号に対応する選手についての説明文や能力値などを表示する選手情報表示部14と、登録済の選手の選手アイコンが表示される登録選手一覧16と、操作案内表示18とが表示される。プレーヤは、選手情報表示部14の内容を確認して、この選手を登録したければ操作案内表示18に従って所定の登録操作をする。所望する選手カード3bの登録をすませ、メニュー画面に戻るメニュー復帰操作をすると、再びメニュー画面W2に戻る。
【0051】
同様に、メニュー画面W2のメニュー選択アイコン表示部8から「監督登録」を選択操作すると、「選手登録」と同様にして監督カード3aを登録し、チーム監督に就任させることができる。
【0052】
選手登録及び監督登録を行ったならば、プレーヤは使用可能に登録した選手の中からスタメン(スターティングメンバーの略)、交代要員、控え投手を設定して、自チームの一軍を編成する。チーム編成をするためには、メニュー画面W2のメニュー選択アイコン表示部8から「チーム編成」を選択操作する(図3参照)。
【0053】
「チーム編成」を選択操作すると、携帯型ゲーム装置1400では、例えば図5に示すようなチーム編成画面W6が表示される。チーム編成画面W6には、スタメンの編成用画面を切換表示させるためのスタメン編成タグ20、交代要員の編成用画面を切換表示させるための交代要員編成タグ22、控え投手の編成用画面を切換表示させるための控え投手編成タグ24が表示される。プレーヤは、編成したい部門に応じたタグを選択する。
【0054】
スタメン編成タグ20を選択すると、スタメン設定状態表示部26が表示される。同表示部では、グラウンドを俯瞰視した略図を背景にして、各守備ポジションに現在登録されている選手の選手アイコン30が表示される。選手が未登録の守備ポジションについてはブランクのアイコン32が表示される。
これらのアイコンは、スタイラスペン1416によるタッチ操作、又は方向入力キー1402及びプッシュスイッチ1404により選択操作することができる(図2参照)。そして、スタメン設定状態表示部26で何れかのアイコンが選択操作されると、当該守備ポジションに登録されている選手の情報が選手情報表示部34に表示される。
【0055】
プレーヤが、選択した守備ポジションに現在登録されている選手を外したければ、操作内表示38に従って所定の「はずす」操作をする。また、選択した守備ポジションに選手を登録したければ、登録選手一覧36から所望する選手の選手アイコンをタッチして選択する。選手情報表示部34に表示されている選手の打順は、打順指定欄35で設定できる。
【0056】
交代要員編成タグ22を選択すると、設定対象が交代要員となるが、基本的にはスタメンの編成と同様に編成作業ができるものとする。具体的には、例えば、スタメン設定状態表示部26に代えて交代要員を設定するための枠が表示される。交代要員設定の枠内には、当該枠に設定されている選手の選手アイコン30又はブランクのアイコン32が表示される。そして、何れかの交代要員枠をスタイラスペン1416でタッチ操作するなどの操作で編集対象とし、登録選手一覧36から編集対象の交代要員枠に設定したい選手を選択すると、選手情報表示部34に選択された選手の情報が表示される。
【0057】
また同様に、控え投手編成タグ24を選択すると、設定対象が控え投手となるが、交代要員の編成と同様に編成作業ができるものとする。具体的には、例えばスタメン設定状態表示部26に代えて「中継ぎ」「抑え」の2区分の控え投手の設定枠が画面表示される。そして、スタイラスペン1416等で変更対象の枠を選択してから登録選手一覧36から何れかの選手を選択することで設定を編集できる。
【0058】
尚、登録選手一覧36に登録されている選手が、スタメン、交代要員、控え投手の各設定数に満たない場合には、自動的に仮想の選手が割り当てられる。これを「レンタル選手」と呼ぶ。レンタル選手は、カード番号(ID)の使用登録が不要のキャラクタであり、仮想トレーディングカードに割り当てられた選手である。本物のトレーディングカード3に割り当てられる選手に比べて能力が低く設定されている。
【0059】
チームの編成が完了したならば、プレーヤは自分が編成したチームをどのリーグに参加させるかを決める。参加できるリーグは、自身で作る事もできるし、他プレーヤが既に作成してある中から選ぶこともできる。
【0060】
メニュー画面W2(図3参照)のメニュー選択アイコン表示部8において、「リーグ作成」を選択すると、携帯型ゲーム装置1400では、例えば図6に示すようなリーグ作成画面W10が表示される。同画面には、リーグ名を設定するリーグID設定欄60と、そのリーグに参加するために必要なパスワードを設定する参加パスワード設定欄62と、リーグ名やパスワードの文字や数字を入力するためのソフトウェアキーボード64と、レギュレーション設定部66と、操作案内表示68とが表示される。
【0061】
レギュレーション設定部66には、当該リーグにおけるレギュレーションの項目と、当該項目の設定内容をプルダウン形式で選択できる項目選択欄との組み合わせが複数表示される。例えば、本実施形態では(1)リーグに参加できるチームの上限を設定する「球団数」、(2)リーグで各チームが消化すべき「試合数」、(3)リーグに参加するチームのスタメン・交代要員・控え投手に登録されている全選手を選択対象選手とし、リーグ開始前にプレーヤが順番に一人ずつ選手をその選択対象選手から選択して各プレーヤチームを再編成する機能の有無を選択する「ドラフト」、(4)ドラフトで編成されたチームをドラフト後にチームを編集可能にするかを選択する「ドラフト後チーム編集」、(5)試合中に交代可能な控え投手の数を規定する「控え投手」、などを設定できる。これらのレギュレーションの項目や設定できる内容は、現実のスポーツルールに何ら縛られるものではなく適宜設定することができる。
【0062】
リーグ作成画面W10において、プレーヤは、リーグ名・参加パスワード・レギュレーションを自由に設定できる。そして、操作案内表示68に従って所定の「登録する」操作をすると、新しいリーグが登録される。尚、リーグ名とその参加パスワードは、別途、プレーヤが親しい友人に教えることで広めるものとする。つまり、親しい友人同士でリーグを組んでゲームを楽しむ事ができるのである。しかも、レギュレーションの設定次第で現実ではあり得ないようなルールを適用して楽しむことができる。
【0063】
メニュー画面W2(図3参照)のメニュー選択アイコン表示部8において「リーグ参加」を選択すると、携帯型ゲーム装置1400では、例えば図7に示すような参加リーグ設定画面W12が表示される。同画面には、参加を希望するリーグIDを入力するためのリーグID入力欄70と、参加に必要なパスワードを入力する為のパスワード入力欄72と、リーグIDやパスワードの文字や数字を入力するためのソフトウェアキーボード74と、登録済のリーグの情報を表示するリーグ一覧表示76と、操作案内表示78とが表示される。
【0064】
プレーヤは、参加希望するリーグ名(本実施形態におけるリーグID)を、リーグ一覧表示76で表示されるリーグ名をタッチ操作するなどして選択するか、ソフトウェアキーボード74を用いて入力する。そして、予め入手しておいたそのリーグの参加パスワードを、ソフトウェアキーボード74を用いて入力し、操作案内表示78に従って所定の登録操作をすると、入力したリーグにプレーヤのチームが参加するように設定がなされる。
【0065】
チームの編成と参加するリーグの登録を済ませると、プレーヤは自分のチームを他プレーヤのチームと試合させることができるようになる。
【0066】
メニュー画面W2(図3参照)のメニュー選択アイコン表示部8において、「試合」を選択すると、サーバシステム1100では、リーグ開始に必要な事前操作の為の処理や、当該プレーヤのプレーヤチームと同じリーグの他プレーヤのプレーヤチームとの試合シミュレーション処理(すなわち、試合の自動制御)などを実行し、その結果を随時携帯型ゲーム装置1400へ送信する。
【0067】
リーグのレギュレーション設定において、「ドラフト」が「有り」に設定されていると、携帯型ゲーム装置1400では、試合シミュレーション処理を開始する事前操作のための画面として、図8や図9に示すようなドラフト画面W16が表示される。
【0068】
ドラフト画面W16では、リーグに参加する全チームのチーム編成を一旦すべて白紙に戻し、全チームのキャラクタ(スタメン、交代要員、控え投手)を共通で選択できる選手として一旦プールする。そして、各プレーヤが順繰りにプールされた選手の中から1回一人ずつ選択して、リーグに適用される各自のプレーヤチームを再編成する事前操作をする。プレーヤが順繰りに選手を選択する内容から、現実のプロ野球におけるドラフト会議を模して「ドラフト」と呼称しているが、現実のドラフト会議を再現するのではないので、名称も適宜変更して構わない。
【0069】
さて、ドラフト画面W16には、選手設定欄40と、選択方法設定欄42と、選択可能時間43と、コメント表示欄44と、ドラフト対象選手一覧45と、操作案内表示48とが含まれる。
【0070】
選手設定欄40は、リーグに適用される自分のチーム、つまり再編成されたプレーヤチームの設定内容を示す部分であり、スタメン、交代要員、控え投手の各分野毎に設定可能な選手の枠を配列表示する。各枠には、初期状態ではブランクアイコン32が表示されるが、何れかの選手を設定するとブランクアイコン32に代えて、設定された選手の選手アイコン30が表示される。
【0071】
選択方法設定欄42は、選手の選択方法をプレーヤ自身が選択する(手動)か、コンピュータに選択を任せるか(自動)を設定することができる。例えば、「手動」「自動」の選択ボタンを表示して、択一的に選択させる。
【0072】
選択方法設定欄42で「手動」を設定している場合、プレーヤは、ドラフト対象選手一覧45の選手アイコン30をスタイラスペン1416等でタッチして選択し、選手設定枠40の何れかのブランクアイコン32へドラック・アンド・ドロップ操作することにより選手の選択・設定を行うことができる。但し、選手には投手と野手の分類が存在し、控え投手には投手の選手しか選択できないし、野手には内野手や外野手の選手しか設定できない。
一方、選択方法設定欄42で「自動」を設定している場合、当該プレーヤに選択順が回ってくると、コンピュータが自動で選手を選択・設定する。自動設定であっても、守備ポジション(投手・野手)が合致する選手のみが設定可能とされることは手動の時と同じである。
【0073】
選択可能時間43は、一回の選択にかけられる持ち時間の残りを示す。選択可能時間の長さは適宜設定することができる。本実施形態では、選択方法設定欄42で「手動」を設定していても持ち時間が「0」になると、強制的に自動で選手の選択が行われる。
【0074】
コメント表示欄44は、プレーヤへ状況通知や操作案内の情報を表示する部分である。図8の例は、選択方法設定欄42にて「手動」が設定されていて、当該プレーヤが選手を選択できる順番であるときのゲーム画面の一例を示しており、コメント表示欄44には、選択を促す内容が表示される。反対に、図9の例は、他プレーヤによる選手選択を待っている状態のゲーム画面の一例を示している。コメント表示欄44には他プレーヤの選択待ちであって操作できないことを通知する内容が表示される。尚、図9のように、選択待ちの状態では、ドラフト対象選手一覧45を閲覧と、メニュー画面W2への復帰操作は入力できるが、選手の選択操作はできないようになる。
【0075】
ドラフト対象選手一覧45は、プレーヤが選択できる選手の一覧であって、本実施形態ではスクロールバーを操作することで対象となる全選手の選手アイコンをスクロール表示できるようにデザインされている。
ここで表示される選手は、もともとはリーグに参加するために設定された各チームの選手である。トレーディングカード3の登録により使用可能になった選手も、レンタル選手も同じに扱われる。また、異なるチームで同じ種類の選手(同一の選手)が含まれる場合には、それぞれ異なる選手として扱うものとする。図8では選手30aと選手30bがそれに該当する。選択済の選手については、一覧から削除又は専用の選択済アイコン30cに置き換えると好適である。
【0076】
操作案内表示48には、選択操作の為のガイドが表示される。本実施形態では、今回分(つまり選手一人分)の選択終了を入力する「選択終了」と、選択操作を「もとにもどす」、メニュー画面への復帰操作を入力する「メニューに戻る」のガイドが表示される。勿論、このほかのガイドも適宜設定することができる。
【0077】
リーグに参加する全プレーヤチームの再編成が終了すると、リーグでの試合が可能になる。メニュー画面W2(図3参照)のメニュー選択アイコン表示部8において、「試合」を選択すると、サーバシステム1100では当該プレーヤのチームと、同じリーグの他のチームとの試合のシミュレーション処理(すなわち、試合の自動制御)が行われ、その結果が随時携帯型ゲーム装置1400へ送信される。携帯型ゲーム装置1400では、例えば図10に示すような試合シミュレーション画面が表示される。
【0078】
試合シミュレーション画面W14には、スコアボード80と、試合画面表示部82と、カウント表示部84と、進塁状況表示部86と、操作案内表示88とが表示される。
【0079】
試合画面表示部82は、試合の様子を示す画像を表示する。この試合画像は、サーバシステム1100が試合のシミュレーションを実行して出した試合の進行状況を再現する画像である。試合画像を表示させるための表示情報の生成、及びその表示情報に基づく携帯型ゲーム装置1400における試合画面の表示に関する処理は、公知のCGIゲームにおけるゲームプレイの画面の表示と同様に実現できる。
【0080】
プレーヤは、この試合シミュレーション画面W14を見て、自分が編成したチームの試合ぶりを観戦し、同じリーグに参加する友人とチームの勝敗を競って楽しむ。
【0081】
[機能ブロックの説明]
次に、本実施形態の機能構成について説明する。
図11は、本実施形態におけるユーザ端末である携帯型ゲーム装置1400と、サーバシステム1100との機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0082】
携帯型ゲーム装置1400は、操作入力部100と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0083】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、2軸以上の検出軸を有する多軸検出型加速度センサ又は検出軸方向を違えて組み合わされた単軸検出型加速度センサユニット、少なくとも2方向以上の検出方向を可能にする多方向検出型傾斜センサまたは検出方向を違えて組み合わされた単方向検出型傾斜センサユニット、などによって実現できる。図2の方向入力キー1402や、プッシュスイッチ1404、3軸加速度センサ1422はこれに該当する。
【0084】
そして、操作入力部100は、接触位置検出部104と撮像部106とを含む。
接触位置検出部104は、表示画面範囲への接触位置を検出することのできるデバイスで実現される。図2のタッチパネル1407,1409がこれに該当する。
撮像部106は、画像情報を取得する手段であって、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサによって実現される。図2のイメージセンサ1430がこれに当る。監督カード3(3a)や選手カード3(3b)のカード情報としてバーコードやQRコードを付与する構成では、それらのコードを撮像部106で読ませると好適である。
【0085】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、携帯型ゲーム装置1400の動作を制御する。図2の制御ユニット1450が処理部200に該当する。そして、本実施形態における処理部200は、ゲーム画面表示制御部210と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270とを備える。
【0086】
ゲーム画面表示制御部210は、サーバシステム1100から表示情報を受信して、メニュー画面W2や、選手登録画面W4、チーム編成画面W6、リーグ作成画面W10、参加リーグ設定画面W12、ドラフト画面W16及び試合シミュレーション画面W14と言った各種ゲーム画面を表示させ、それらのゲーム画面において操作入力部100へ為された操作に応じてリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための各種処理を実行する。
具体的には、ウェブブラウザをベースとして、HTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術や、Adobe Flash(Adobeは登録商標)などの能動的なプラグインを用いて実現できるが、その他の方法でもかまわない。
【0087】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、ゲーム画面表示制御部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0088】
音出力部350は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図2のスピーカ1410がこれに該当する。
【0089】
画像生成部260は、例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、ゲーム画面表示制御部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部360に出力する。
【0090】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
本実施形態では、図2の第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408がこれに該当する。
【0091】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0092】
通信部370は、通信回線1と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図2の無線通信モジュール1412がこれに該当する。
【0093】
記憶部500は、処理部200に携帯型ゲーム装置1400を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームプレイに必要なプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図2の制御ユニット1450が搭載するICメモリやメモリカード1440がこれに該当する。
【0094】
本実施形態では、記憶部500はシステムプログラム504と、ゲーム画面表示制御プログラム506とを記憶している。システムプログラム504は、携帯型ゲーム装置1400のコンピュータとしての入出力の基本機能を実現するためのプログラムである。ゲーム画面表示制御プログラム506は、処理部200が読み出して実行することによってゲーム画面表示制御部210としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトであるが、システムプログラム504の一部として組み込まれた構成であっても良い。
【0095】
本実施形態におけるサーバシステム1100は、操作入力部102と、サーバ処理部202と、画像表示部362と、通信部372と、サーバ記憶部502とを備える。
【0096】
操作入力部102は、サーバの管理のための各種操作を入力するための手段であり、携帯型ゲーム装置1400の操作入力部100と同様に実現される。図1のキーボード1106がこれに該当する。
【0097】
サーバ処理部202は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部102やサーバ記憶部502を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部102からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1100の動作を統合的に制御する。そして、本実施形態では、ゲーム管理部220と、画像生成部262と、通信制御部272とを含む。
【0098】
ゲーム管理部220は、各種ゲーム画面をユーザ端末で表示させるための表示情報の生成、野球チームシミュレーションゲームへ参加するプレーヤの情報管理、チームの設定情報の管理、チーム戦術の設定とそれに伴う選手の能力変更、シミュレーションなどに関する処理を実行する。
より具体的には、ゲーム管理部220は、カード登録処理部222と、チーム編成処理部224と、リーグ作成処理部230と、リーグ参加設定処理部232と、ゲーム進行制御部234と、を含む。ゲーム進行制御部234は更にドラフト制御部236を含む。
【0099】
カード登録処理部222は、トレーディングカード3(監督カード3a及び選手カード3b;図1参照)を登録し、プレーヤがゲーム中で使用可能にするための処理を実行する。例えば、選手登録画面W4(図4参照)の表示情報の生成、カード番号の照合、登録済みカードの選手のリスト化などを行う。
【0100】
チーム編成処理部224は、チーム編成画面W6(図5参照)をユーザ端末で表示させるための表示情報を生成し、チーム編成画面W6におけるユーザ端末での操作入力に従ってプレーヤのチームを構成する処理、すなわちスタメン編成に関する処理と、交代要員編成に関する処理と、控え投手編成に関する処理とを実行する。交代要員編成に関する処理では、交代要員選手それぞれの交代目的を設定する処理を実行する。
【0101】
また、チーム編成処理部224は、カード登録処理部222により使用可能に登録された選手を守備ポジションの分類を守って編成に使用しても、スタメン、交代要員、控え投手の設定枠が埋まらない場合、つまり試合するのに十分な選手が使用可能に登録されていない場合、「レンタル選手」を埋まっていない枠に自動的に設定する処理を実行する。これにより、十分なトレーディングカード3を所有していなくとも、ゲームが楽しめるように考慮されている。
【0102】
但し、チーム編成処理部224は、リーグのレギュレーション項目「トレード後のチーム編集」が「不許可」の場合、リーグが開始からリーグ終了条件(たとえば、設定された試合数を消化)を満たすまでは、リーグ参加チームのチーム編集を無効にする。反対に、当該項目が「許可」の場合には、トレード後に新たに使用登録された選手を、登録済みの選手と置き換えたり、追加登録する等するチーム編成を許可する。
【0103】
リーグ作成処理部230は、プレーヤの操作入力に基づいて、対戦するチームを選択するための母集団の枠組みの作成に関する処理を実行する。具体的には、リーグの名称などのIDと、当該母集団へ参加するための条件(パスワードを含む)と、その母集団から選ばれたチームの対戦に適用されるレギュレーションとを設定するための処理を実行する。より具体的には、リーグ作成画面W10の表示情報の生成、同画面における操作入力に基づいて、リーグ設定情報をサーバ記憶部502に記憶させる処理を行う。尚、対戦形式がリーグ方式ではなく、トーナメント方式の場合には、母集団はトーナメントとする。
【0104】
リーグ参加設定処理部232は、プレーヤが作成したチームをリーグ作成処理部230で作成された母集団へ参加させるための手続き処理を行う。具体的には、参加リーグ設定画面W12をユーザ端末で表示させるための表示情報を生成し、同画面における操作入力に基づいて参加登録の処理をする。
【0105】
ゲーム進行制御部234は、対戦の自動制御を実現する機能部の一つであって、本実施形態では野球の試合のシミュレーション処理を実行する。すなわち、プレーヤのチームと、同じリーグの他チームそれぞれを構成する選手を所定のプログラムで制御(例えば、いわゆるAI制御)してそれぞれの行動を決定し、野球の試合をシミュレーションする。そして、シミュレーションした試合画像をユーザ端末で表示させるための表示情報を生成する。そして、本実施形態におけるゲーム進行制御部234は、ドラフト制御部236を含む。
【0106】
ドラフト制御部236は、リーグのレギュレーション項目「ドラフト」が「有り」に設定されている場合、リーグの開始前の処理として、リーグ参加中に限定的に適用されるプレーヤチームを編成する。
【0107】
より具体的には、リーグに参加登録したプレーヤチームを構成する選手をドラフト対象選手として一時的にプールする。この際、複数のプレーヤチームに共通する選手が所属していた場合には、当該選手を異なる選手として識別する。
【0108】
また、選手選択に関しては、選択権を一巡ごとに順番を変更してリーグ参加チームのプレーヤに巡回的に付与し、選択権が付与されたプレーヤチームのプレーヤの選択指示に従って選択された選手を当該プレーヤチームに組み込む。
この時、選択方法が「手動」に設定されている場合には、選択権が付与されてからプレーヤの携帯型ゲーム装置1400から所定の制限時間以内に選択指示信号を受信しなかった場合には、当該プレーヤに代わって選手の選択を自動的に行う。また、選択方法が「自動」に設定されている場合には、当該プレーヤに選択権が付与されると自動的に選手選択を行う。
【0109】
尚、「ドラフト」を経て編集されたチームで選手が試合中に発揮できる能力は、トレーディングカード3に基づいて使用登録された選手であっても、「レンタル選手」と同等の能力に調整される。こうすることで「ドラフト」を「有り」にして自分が持っていない他人のカードを借りて遊ぶことに慣れてしまい、自身で希望の選手のトレーディングカード3を入手したいと思わなくなることがないように考慮する。
【0110】
画像生成部262は、サーバシステム1100の保守に関する画像を生成し、画像表示部362へ出力する。試合画面の表示情報として静止画や動画の情報を送信する場合には、それらを生成する機能を持たせても良い。
【0111】
画像表示部362は、画像生成部262から入力される画像信号に基づいてシステム管理のための各種画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1のディスプレイモニタ1108がこれに該当する。
【0112】
通信制御部272は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部372を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0113】
通信部372は、通信回線1と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
【0114】
サーバ記憶部502は、サーバ処理部202にサーバシステム1100を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを管理するために必要なプログラム、各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部202の作業領域として用いられ、サーバ処理部202が各種プログラムに従って実行した演算結果など一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1ではブレードサーバ1102が搭載するICメモリやハードディスクなどの情報記憶媒体がこれに該当する。
そして、本実施形態のサーバ記憶部502は、サーバシステムプログラム512と、ゲーム管理プログラム514と、ゲーム関連データ516とを記憶する。
【0115】
サーバシステムプログラム512は、サーバ処理部202が読み出して実行することでサーバシステム1100に必要な基本的な入出力機能を実現する為のシステムプログラムである。ゲーム管理プログラム514は、サーバ処理部202が読み出して実行することで、ゲーム管理部220としての機能を実現させる為のプログラムである。
【0116】
図12は、ゲーム関連データ516の一例を示す図である。ゲーム関連データ516は、カードの登録及びゲーム内に登場するキャラクタの設定に関する情報として、カード登録データ518と、複数の選手設定データ520と、複数のレンタル選手設定データ536と、複数の監督設定データ540と、を記憶する。
【0117】
また、リーグに関する情報として、リーグ設定データ550と、リーグ登録リスト551とを記憶する。
【0118】
また、プレーヤが設定したチームに関する情報を格納するチーム設定データ600と、ゲームプレイに伴って随時生成・更新される情報を格納するプレイデータ650とを記憶する。その他、ゲームの管理制御に必要な、タイマ、カウンタ、フラグ、ログインしている携帯型ゲーム装置1400のIPアドレスなどのデータ通信に必要な各種情報を適宜記憶するものとする。
【0119】
では、各データについて個別に詳細な説明をする。
カード登録データ518は、トレーディングカード3それぞれに付与されているカード番号と、当該番号に対応づけられる選手の識別情報(選手ID)或いは監督の識別情報(監督ID)と、使用/未使用を示すフラグとを対応付けて記憶する。例えば、トレーディングカードを用いてビデオゲーム内にキャラクタを登場させる公知のゲームにおける、トレーディングカードの種類とキャラクタの種類との対応づけ情報と同様に実現される。
「選手登録」や「監督登録」などのカードの使用登録処理を行うと初期状態が「未使用」のカードは「使用」状態に変更され、他のプレーヤが重複して使用登録できないようになっている。
【0120】
選手設定データ520は、各種選手の野手・捕手・投手といった種類や能力を定義する情報及びグラフィック表示するための情報を格納する。選手設定データ520は、本実施形態の野球ゲームに登場する選手の種類だけ予め用意されている。
【0121】
一つの選手設定データ520は、例えば、図13に示すように、選手の名前などの識別情報を格納する選手ID520aと、チーム編成画面W6などで表示される選手アイコン30を表示するための選手アイコンデータ520bと、試合シミュレーション画面W14の試合画面表示部82(図11参照)で野球をプレイする選手を表示させるための選手モデルデータ520cや選手テクスチャデータ520d及び選手モーションデータ520eと、選手説明文520gとを記憶する。
【0122】
選手説明文520gは、選手登録画面W4や、チーム編成画面W6の選手情報表示部14,34に表示されるテキスト情報を格納する(図4〜図5参照)。
【0123】
選手設定データ520はまた、当該選手固有の能力や適性、行動傾向に関する情報として、攻撃関連能力パラメータ522と、守備関連能力パラメータ524と、守備適性データ526とを記憶する。
【0124】
攻撃関連能力パラメータ522は、当該選手の打撃や走塁などの攻撃時の能力を定義する。例えば、安打率、長打力、ミート力、走力などの能力パラメータの初期設定値を格納する。守備関連能力パラメータ524は、当該選手の投球や守備などの守備時の能力を定義する。例えば、肩の強さ、制球力、最大球速、勝負球種(所謂決め球)などの能力パラメータの設定値を格納する。
【0125】
守備適性データ526は、当該選手が守備ポジションの何処に適性が有るかを示す情報であって、守備ポジション毎に守備適性値(0:適性無し〜100:適性最大)を対応づけて格納する。
【0126】
レンタル選手設定データ536は、プレーヤが取得したカードが出場メンバー数に満たない場合に、自動的に貸し付けられる選手の設定データを格納する。データ構成は、基本的に選手設定データ520と同様に実現できるが、レンタル選手は各種能力において選手設定データ520で設定される正規の選手より明らかに劣るように設定されている。
【0127】
監督設定データ540は、選手についての選手設定データ520に相当するデータであって、監督についての各種設定情報を格納する。そして、ゲーム中に登場する監督の種類だけ予め用意される。
監督設定データ540は、基本的には選手設定データ520と同様のデータ構成により実現される。すなわち、監督の名前などの識別情報を格納する監督IDと、監督のカード登録のための画面などで表示される監督アイコンデータと、監督説明文と、が格納されている。本実施形態では、試合シミュレーション中に監督キャラクタは姿を見せないので、モデルデータやテクスチャデータ等は省略される。
【0128】
リーグ設定データ550は、ユーザが作成したリーグの設定情報を格納するデータであり、作成されたリーグ毎に用意される。本実施形態では、例えば図14に示すように、リーグの名称などの識別情報を格納するリーグID550aと、参加パスワード550bと、レギュレーション設定データ550cと、リーグ参加チームリスト552と、ドラフトデータ580と、リーグ戦績データ589とを含む。
【0129】
レギュレーション設定データ550cは、レギュレーションの項目毎に設定内容を対応付けて格納する。本実施形態のレギュレーションには「ドラフト」の設定の有り/無しと、「ドラフト後チーム編集」の許可/不許可が含まれる。
【0130】
リーグ参加チームリスト552は、当該リーグに参加登録したチーム識別情報を登録順に格納する。登録順最初は、当該リーグを作成したプレーヤのプレーヤチームとなる。
【0131】
ドラフトデータ580は、レギュレーションの「ドラフト」が「有り」に設定された場合に生成され、本リーグ限定のチーム編成に関する情報として、選手プールデータ582と、ドラフト結果データ584と、選択権付与順番586と、選択権付与チームID588とを格納する。
【0132】
選手プールデータ582は、ドラフト対象の選手を登録するデータである。例えば、図15に示すように、選手ID582aと対応づけてプール数582bを格納する。本実施形態では、異なるチームに所属する同じ選手は、異なる選手として扱われる。プール数582bの初期設定値は「1」であり、ドラフトで何れかのプレーヤにより選択されると「0」とされ、以降選択対象から除外されることとなる。
【0133】
ドラフト結果データ584は、例えば図16に示すように、リーグへ参加するチームのチームID584aと対応づけて、選択方法設定584bと、選択権付与日時584cと、選択回数584dと、ドラフト済チーム編成データ584eとを格納する。
【0134】
チームID584aは、当該リーグ設定データ550に参加登録した順にチーム識別情報を格納する。従って、登録順最初には、当該リーグを作成したプレーヤのチーム識別情報が格納される。
【0135】
選択方法設定584bは、ドラフト画面W16の選択方法設定欄42における設定情報が格納されている。初期値は「手動」である。
【0136】
選択権付与日時584cは、選手選択権が付与された日時を格納する。生成時の初期値は「NULL」である。格納されている日時から現在日時までの差が選手選択にかかっている所要時間であり、所定の選択可能時間から所要時間の差が、選択にかかる残り持ち時間となる。
選択回数584dは、当該チーム向けにドラフト対象選手を選択した回数を格納する。初期値は「0」である。
ドラフト済チーム編成データ584eは、当該リーグで使用される限定的なチーム編成データである。基本的なデータ構成は、チーム編成画面W6での操作に基づいて作成されるオリジナルのチーム編成の定義データと同様である。
【0137】
選択権付与順番586は、次の選択権を設定するチームを、当該リーグの参加登録順の昇順/降順何れのチームから選択するかを設定する。本実施形態では、初期状態は「昇順」とし、選択権が参加登録順の最後のチームに達すると「降順」に変更され、選択権が参加登録順の最初のチームに達すると「昇順」に戻されることを繰り返す。これにより、選択権を一方向に循環させた場合よりも公平な選択権付与が実現される。
【0138】
選択権付与チームID588は、現在ドラフトでの選手選択権が付与されているチームの識別情報を格納する。初期状態は当該リーグへの参加登録順である。つまり、実質的にはリーグを作成したプレーヤのチームとなる。
リーグ戦績データ589は、リーグ開始と共に生成されリーグ戦の結果を示す情報を格納する。
【0139】
リーグ登録リスト551(図12参照)は、ユーザにより作成された全てのリーグのリストであって、リーグIDと参加パスワードとを対応づけて格納する。
【0140】
リーグ参加チームリスト552(図14参照)は、各リーグに現在参加しているチームの情報を格納するデータセットであって、対応するリーグ毎に用意される。例えば、対応するリーグIDを格納する対応リーグIDと、参加チームIDに対応付けられたチーム成績とが含まれる。
【0141】
チーム設定データ600は、ユーザつまりプレーヤ毎に用意され、ユーザが作成したチームの情報を格納する。例えば、図17に示すように、ユーザID602と、パスワード604と、チームID606と、登録監督データ608と、登録選手リスト610と、オリジナルチーム編成データ612と、参加リーグID618と、ドラフト済チーム使用フラグ630と、ドラフト後追加登録選手リスト632とを含む。
【0142】
登録監督データ608は、監督登録処理によりチーム監督に設定されたキャラクタのIDを格納する。
登録選手リスト610は、トレーディングカード3の使用登録に伴い使用可能になった選手の選手IDを格納する。
【0143】
オリジナルチーム編成データ612は、チーム編成画面W6でプレーヤが作成したチーム編成データを格納する。具体的には、スタメンリスト612aと、交代要員リスト612bと、控え投手リスト612cとを含む。
【0144】
スタメンリスト612aは、スターティングメンバーとした登録した選手の守備ポジションと、打順などの情報を格納する。例えば、守備のポジション毎に、当該ポジションに割り当てられた選手の選手IDと、打順とを対応付けて格納する。本実施形態は野球ゲームなので、登録可能数は「9」である。
【0145】
交代要員リスト612bは、交代要員として登録した選手と、交代目的の設定情報を格納する。例えば、交代要員枠と対応づけて各枠に設定された選手の選手IDを格納する。本実施形態では、当該リストにおける登録可能数は「8」とするが適宜変更できる。
【0146】
控え投手リスト612cは、控え投手として登録された選手の選手IDと対応づけて、「中継ぎ」や「抑え」といった交代目的を示す情報が格納されている。本実施形態では、当該リストにおける登録可能数は「8」とするが適宜変更できる。
【0147】
参加リーグID618は、当該チームが現在参加しているリーグIDを格納する。 ドラフト済チーム使用フラグ630は、レギュレーション「ドラフト」が「有り」のリーグに参加中であって、ドラフト画面W16で編集したドラフト済チーム編成データ584eを試合シミュレーションに使用する事を示すフラグである。初期値は「0」であり、「0」は試合シミュレーションにオリジナルチーム編成データ612が使用されることを示す。
【0148】
ドラフト後追加登録選手リスト632は、ドラフトが終了してからリーグ終了までの間に新たに使用登録されたトレーディングカード3に対応する選手IDを格納する。
【0149】
プレイデータ650は、試合毎に生成され、試合状況を示す情報や、試合を制御する為の各種情報を格納する。例えば、図12に示すように、(1)試合する2チームのチームID等を格納する対戦チーム情報652と、(2)現在のイニング数とその表裏の識別情報を格納するイニング情報654と、(3)試合に参加している全選手の各種パラメータを選手IDと対応づけて格納する適用選手パラメータデータ656と、(4)交代要員や控え投手の内すでに交代が行われた選手の選手IDを格納する交代済選手リスト658と、を格納する。
【0150】
適用選手パラメータデータ656には、リーグに「ドラフト」の設定が無ければ、試合開始前に選手設定データ520の攻撃関連能力パラメータ522及び守備関連能力パラメータ524の初期設定値そのままが複製される。リーグに「ドラフト」の設定が有れば、対戦する両チームのドラフト済チーム編成データ584e(図16参照)で登録されている全選手の能力パラメータの初期設定値を、能力が低下するように調整してから格納される。
そして、試合中に選手の能力パラメータが変更される場合には、この適用選手パラメータデータ656に格納されている値が適宜変更される。
【0151】
[動作の説明]
次に、本実施形態におけるサーバシステム1100の動作について説明する。尚、既にユーザ登録を済ませたプレーヤが、適宜携帯型ゲーム装置1400を使ってログインした状態にあるものとする。
【0152】
図18は、本実施形態におけるサーバシステム1100における本発明に関する主たる処理の流れを説明するためのフローチャートである。
サーバシステム1100のサーバ処理部202は、先ず携帯型ゲーム装置1400へタイトルとメニューを表示させるための表示情報を送信する(ステップS2)。表示情報は、例えば携帯型ゲーム装置1400の画像表示に用いるプログラムがウェブブラウザであれば、HTML情報などであり、例えば図3の様なメニュー画面W2が表示される。携帯型ゲーム装置1400にてなんらかの操作入力が行われると、サーバシステム1100へ操作入力に応じたリクエスト情報が送信される。
【0153】
受信したリクエスト情報から野手及び投手を登録するための「選手登録」が選択されたと判定される場合(ステップS4のYES)、サーバ処理部202は「選手登録」対象のチーム設定データ600のドラフト済チーム使用フラグ630を参照する。
当該フラグが「1」であれば(ステップS6の「1」)、当該チームは現在ドラフトの設定が有るリーグに参加中であると判断して、選手登録処理を実行し、新たに登録された選手の情報をドラフト後追加登録選手リスト632に格納する(ステップS8;図17参照)。
一方、ドラフト済チーム使用フラグ630が「0」の場合、(ステップS6の「0」)、サーバ処理部202は選手登録処理を実行し、登録選手リスト610を更新する(ステップS10)。
【0154】
選手登録処理としては、例えば、携帯型ゲーム装置1400へ、図4で示すように、カード番号入力欄10と、番号入力用のソフトウェアキーボード12とを表示させるための表示情報やJava(登録商標)プログラム、及び当該プレーヤが登録している登録選手一覧16等を表示させる為のCGIソースなどを携帯型ゲーム装置1400へ送信するための処理が行われる。
【0155】
携帯型ゲーム装置1400からはソフトウェアキーボード12への操作入力情報に基づいたカード番号の情報が送信される。
サーバ処理部202は受信した番号をカード登録データ518と照合し、登録情報と合致し、且つ該当するカードが未使用であれば、カード番号に対応するキャラクタの情報を選手情報表示部14に表示させるための表示情報を送信する。そして、携帯型ゲーム装置1400から「登録する」操作入力に対応するリクエスト情報を受信すると、ドラフト済チーム使用フラグ630の設定状況に応じてドラフト後追加登録選手リスト632又はプレーヤのチーム設定データ600の登録選手リスト610に当該キャラクタを登録する。加えて、当該登録したキャラクタに対応するカード登録データ518の使用/未使用を示すフラグを「使用」状態に変更して、同じカードが重複使用されないようにする。そして、携帯型ゲーム装置1400にて「メニューに戻る」操作が入力され、携帯型ゲーム装置1400から「メニューに戻る」に対応するリクエスト情報を受信すると選手登録処理を終了してステップS2に戻る。
【0156】
同様に、受信したリクエスト情報からメニュー画面W2においてカードのキャラクタを自チームの監督に登録するための「監督登録」が選択されたと判定される場合(ステップS12のYES)、サーバ処理部202は選手登録処理と同様にして監督登録処理を実行する(ステップS14)。
【0157】
監督登録処理は、カードに対応するキャラクタが監督であるだけで、基本的には選手登録処理と同じである。但し、登録できる監督は一人なので、当該プレーヤのチーム設定データ600の登録監督データ608が新たに登録される監督のIDに更新される(図17参照)。
【0158】
受信したリクエスト情報からメニュー画面W2において「チーム編成」のメニュー選択アイコンが選択されたと判定される場合(ステップS20のYES)、サーバ処理部202は当該チームのチーム設定データ600のドラフト済チーム使用フラグ630を参照する。当該フラグが「0」の場合には(ステップS22の「0」)、登録選手リスト610に登録されている全選手を対象としてチーム編成処理を実行する(ステップS24)。
【0159】
チーム編成処理では、サーバ処理部202は、チーム編成画面W6(図5参照)を表示させるための表示情報を携帯型ゲーム装置1400へ送信する。チーム編成画面W6には、更に専用の編成画面を呼び出すためのスタメン編成タグ20と、交代要員編成タグ22と、控え投手編成タグ24とが表示される。携帯型ゲーム装置1400で何れかのタグの選択操作やメニュー画面への復帰操作が入力されると、選択操作に応じたリクエスト情報がサーバシステム1100へ送信される。
受信したリクエスト情報からチーム編成画面W6においてスタメン編成タグ20が選択操作されたと判断される場合、サーバ処理部202はスタメン編成処理を実行する。同様に、交代要員編成タグ22が選択操作されたと判断される場合には交代要員編成処理を実行し、控え投手編成タグ24が選択操作されたと判断される場合には交代要員編成処理を実行する。
受信したリクエスト情報がチーム編成画面W6において「メニューに戻る」操作が入力されたと判断される場合には、サーバ処理部202はチーム編成処理を終了してステップS2に移行する。
【0160】
一方、ドラフト済チーム使用フラグ630が「1」の場合(ステップS22の「1」)、サーバ処理部202は編成対象のチームが、ドラフト設定有りのリーグに参加中と判断し、当該チームが参加しているリーグ設定データ550のレギュレーション設定データ550cの「ドラフト後チーム編集」の設定内容を参照する。
【0161】
もし、「ドラフト後チーム編集」のレギュレーション項目が「許可」に設定されていれば(ステップS26の「許可」)、サーバ処理部202はドラフト後追加登録選手リスト632に登録されている選手を編集可能な対象に限定してチーム編成処理を実行する(ステップS28)。つまり、チーム編成画面W6の登録選手一覧36にはドラフト後追加登録選手リスト632に登録されている選手のみが表示されることとなる。
【0162】
もし、「ドラフト後チーム編集」のレギュレーション項目が「不許可」に設定されていれば(ステップS26の「不許可」)、サーバ処理部202は参加中のリーグが終了するまでチーム編成の変更が不許可である旨の通知を表示させるための情報を生成して、携帯型ゲーム装置1400へ送信する処理を実行する。
【0163】
さて、受信したリクエスト情報からメニュー画面W2において「リーグ作成」のメニュー選択アイコンが選択されたと判断される場合(ステップS50のYES)、サーバ処理部202はリーグ作成処理を実行する(ステップS52)。
【0164】
同処理では、サーバ処理部202は、先ずリーグ設定画面表示処理を実行し、リーグ設定画面W10を表示させるための表示情報を携帯型ゲーム装置1400へ送信し、新たなリーグ設定データ550を作成する。この時、レギュレーション設定データ550cの各項目の設定内容は所定のデフォルトとされる。
【0165】
携帯型ゲーム装置1400でリーグ設定画面W10における操作入力がなされると、リーグID設定欄60、参加パスワード設定欄62、レギュレーション設定部66への各種操作入力に応じたリクエスト情報がサーバシステム1100へ送信される。
【0166】
サーバ処理部202は、リーグID設定欄60、参加パスワード設定欄62への操作入力に基づくリクエスト情報を受信して、先に生成したリーグ設定データ550のリーグID550a、参加パスワード550bを設定する。レギュレーション設定部66への操作入力に基づくリクエスト情報を受信すると、先に生成したリーグ設定データ550のレギュレーション設定データ550cの各項目の設定内容を受信したリクエスト情報に応じて変更する。
【0167】
そして、サーバ処理部202は、受信したリクエスト情報が設定終了操作に該当する場合、今回新たに生成したリーグのリーグIDと参加パスワードとを対応づけてリーグ登録リスト551に格納し、当該リーグに対応する新たなリーグ参加チームリスト552を生成し、新たなリーグを作成したプレーヤチームを第1の参加登録チームとして登録する。受信したリクエスト情報がメニュー画面への復帰操作に該当する場合、サーバ処理部202はリーグ作成処理を終了する。
【0168】
受信したリクエスト情報からメニュー画面W2において「リーグ参加」のメニュー選択アイコンが選択されたと判断される場合(ステップS54のYES)、サーバ処理部202はリーグ参加処理を実行する(ステップS56)。
【0169】
同処理では、サーバ処理部202は先ず、参加リーグ設定画面の表示処理として、携帯型ゲーム装置1400へ参加リーグ設定画面W12を表示させるための表示情報を送信する。携帯型ゲーム装置1400では、ソフトウェアキーボード74によりリーグID入力欄70と参加パスワード入力欄72への入力が可能になり、入力に応じたリクエスト情報がサーバシステム1100へ送信される。
【0170】
受信したリクエスト情報がリーグIDと参加パスワードに該当する場合には、サーバ処理部202はそれらをリーグ設定データ550と照合する。リーグID550aと参加パスワード550bとが合致する登録がなければ、サーバ処理部202は入力エラーを通知するための表示情報を携帯型ゲーム装置1400へ送信する。
【0171】
もし、合致する登録があれば、サーバ処理部202は、合致したリーグID550aを当該プレーヤのチーム設定データ600の参加リーグID618に設定し、当該リーグのリーグ参加チームリスト552に、当該プレーヤのチーム情報を登録・更新しリーグ参加処理を終了する。或いは、受信したリクエスト情報がメニュー画面への復帰操作に該当する場合にはサーバ処理部202はリーグ参加処理を終了する。
【0172】
受信したリクエスト情報からメニュー画面W2において「試合」のメニュー選択アイコンが選択されたと判断される場合(ステップS58のYES)、サーバ処理部202はプレーヤチームを対象とした試合シミュレーション処理を実行する(ステップS60)。
【0173】
図19は、試合シミュレーション処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、サーバ処理部202は先ず、リーグ開始条件を満たすか否かを判定する(ステップS62)。本実施形態では、参加チームが規定値(例えば「6」)に達するとリーグ開始条件を満たしたと判定する。勿論、リーグ開始条件はこれ以外にも適宜設定することができる。また、リーグの試合数が消化されている場合には開始条件は満たさないと判定される。
【0174】
そして、リーグ開始条件を満たさなければ(ステップS62のNO)、リーグが開始されない旨の通知を表示させるための情報を携帯型ゲーム装置1400へ送信して(ステップS64)、試合シミュレーション処理を終了してステップS2に移行する。
【0175】
一方、リーグ開始条件を満たしている場合(ステップS62のYES)、サーバ処理部202は、本リーグのリーグ設定データ550(図14参照)を参照し、レギュレーション項目「ドラフト」が「有り」に設定されていれば(ステップS66の「有り」)、全チームの選択回数584dが、規定値(ベンチ要員人数に同じ)に達しているかを判定する(ステップS68;図16参照)。
そして、もし規定値に達していなければ(ステップS68のNO)、ドラフトによる本リーグ限定のチーム編成がまだ完了していないと判断してドラフト処理を実行する(ステップS70)。
【0176】
図20〜図21は、ドラフト処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理では先ず、サーバ処理部202は次いで選手プールデータ582に選手が登録されているかを判定する(ステップS74)。
そして、選手プールデータ582に選手が登録されていなければ(ステップS74のNO)、これから初めてドラフトが行われると判断して、本リーグに参加する全チームのオリジナルチーム編成データ612にてスタメン、交代要員及び控え投手として登録されている全選手を選手プールデータ582に登録し(ステップS76)、次いで本リーグに参加する全チームのドラフト済チーム使用フラグ630に「1」に設定する(ステップS78;図17参照)。
【0177】
更に、当該リーグへの参加登録最初のチームのチーム識別情報を選択権付与チームID588に格納して当該チームに対して最初の選択権を付与するとともに、当該チームの選択権付与日時584cを現在日時に更新する(ステップS80)。
尚、この段階では、ドラフト結果データ584の各チームの選択方法設定584bは「手動」、選択回数584dは「0」、ドラフト済チーム編成データ584eは全ての選手設定枠がブランクの状態である。ステップS74〜S80により、ドラフトを行うための前準備が完了したことになる。
【0178】
ドラフトを行う準備が完了したならば、或いは既に完了しているならば、サーバ処理部202は、当該リーグのリーグ設定データ550の選択権付与チームID588を参照し、プレーヤチーム(今回「試合」リクエスト情報を発信してきた携帯型ゲーム装置1400を使用しているプレーヤのチーム)に選択権が付与されているかを判定する(ステップS88)。
【0179】
もし、選択権が付与されていなければ(ステップS88のNO)、他チームの選択待ち状態にあることを勧告する通知を表示させるための情報を生成して、携帯型ゲーム装置1400へ送信する(ステップS90)。そして、「メニューに戻る」操作のリクエスト情報を受信したら(ステップS92のYES)、ステップS2に移行する(図18参照)。
【0180】
一方、プレーヤチームに選択権が付与されている場合(ステップS88のYES)、サーバ処理部202はドラフト画面W16を表示させるための情報を生成し、携帯型ゲーム装置1400へ送信する(ステップS96)。
【0181】
携帯型ゲーム装置1400ではドラフト画面W16が表示され、各種操作に応じたリクエスト情報がサーバシステム1100へ送信される。
受信したリクエスト情報から選手設定方法の切り換え操作が為されたと判断される場合には(ステップS98のYES)、ドラフト結果データ584にてプレーヤチームに対応づけられている選択方法設定584bを切り換える(ステップS100)。尚、携帯型ゲーム装置1400では、ドラフト画面W16の選択方法設定欄42の設定表示が適宜切り換え可能に制御されるものとする。
【0182】
次に、サーバ処理部202はプレーヤチームの現在の選手選択方法の設定が「手動」である場合(ステップS102の「手動」)、選択結果を受信するまでの間(ステップS104のNO)、プレーヤチームの選択権付与時間584cから現在日時との差を、所定の選択可能時間の上限値から減算して、選択可能時間の残時間を算出する(ステップS110)。
【0183】
もし、選択可能時間の残りが「0」になるまで携帯型ゲーム装置1400から選択結果の受信が無ければ(ステップS112のYES)、サーバ処理部202は強制的に選手を自動選択する(ステップS114)。
具体的には、プレーヤチームのドラフト済チーム編成データ584eを参照し、選手が設定されていないスタメン、交代要員、控え投手の設定枠の中から何れかを選択し、選択した枠の守備ポジションに合致する選手を選手プールデータ582から選択する。
【0184】
もし、選択可能時間の残りが「0」になるまでに携帯型ゲーム装置1400から選択結果の受信が有れば(ステップS112のNO→ステップS104のYES)、サーバ処理部202は選択された選手の守備ポジションと、選択された選手を設定しようとした設定枠の守備ポジションとの適合を判断する。守備ポジションがマッチするように選択された場合には(ステップS120のYES)、選択結果がそのまま適用となるが、不適合の場合には(ステップS120のNO)、守備ポジションがマッチしていないので受理できない旨の通知を表示させるための情報を生成して、携帯型ゲーム装置1400へ送信する(ステップS122)。
【0185】
自動選択処理又は手動選択により何れかの選手が選択されたならば、サーバ処理部202は選択された選手のプール数582bを「1」減じて(ステップS130)、選択された選手をプレーヤチームのドラフト済チームに登録し(ステップS132)、プレーヤチームの選択回数584dを「1」加算する(ステップS134)。これで、選択された選手の登録と当該選手が以降重複して登録されないための処理が完了したことになる。
【0186】
次いで、サーバ処理部202は、選手登録したプレーヤチームの当該リーグへの登録順が最初または最後であるかを判定する。そして、該当する場合には(ステップS136のYES)、選択権付与順番586の昇順/降順の設定を反転切り換えする(ステップS138)。これにより、ドラフト対象選手の選択権を、環状一方向に付与するのではなく、一巡ごとに順番を変更して、登録順によって選択の有利が生じないように考慮している。
【0187】
次に、サーバ処理部202は、選択権付与順番586の昇順/降順に従ってプレーヤチームに参加登録順が昇順/降順の次チームを選択し、当該チームの識別情報を選択権付与チームID588に格納し(ステップS140)、新たに選択権が付与されたチームの選択権付与日時584cを現在日時に更新し(ステップS142)、ドラフト処理を終了する。
【0188】
ドラフト処理を終了すると、図19のフローチャートに戻ってステップS68に移行する。ここでもし、全チームの選択回数584dが規定値に達していると判断される場合には(ステップS68のYES)、サーバ処理部202は、いよいよ試合のシミュレーションに関する処理を実行する。
【0189】
試合のシミュレーションを行う前準備として、サーバ処理部202は先ずプレイデータ650を生成する(ステップS220)。
具体的には、リーグ参加チームリスト552に登録されている他チームからプレーヤチームと対戦するチームをランダムに選択し対戦チーム情報652に格納する。先攻後攻を自動抽選してイニング情報は654に反映させる。適用選手パラメータデータ656には、リーグに「ドラフト」の設定が無ければ、試合開始前に選手設定データ520の攻撃関連能力パラメータ522及び守備関連能力パラメータ524の初期設定値そのままが複製される。リーグに「ドラフト」の設定が有れば、対戦する両チームのドラフト済チーム編成データ584e(図16参照)で登録されている全選手の能力パラメータの初期設定値を、能力が低下するように調整してから格納される。
【0190】
次いでサーバ処理部202は、試合のシミュレーションを開始するとともに、シミュレーション結果に従った試合画像の生成を開始する(ステップS222)。今現在のイニングと裏/表の識別などの情報は、プレイデータ650にイニング情報654として記憶される。そして、サーバ処理部202は、携帯型ゲーム装置1400へ向けて試合画像とゲーム進行情報(例えば、カウント、進塁情報、得点情報など)とを表示させる為の表示情報の送信を開始する(ステップS224)。これに伴い、携帯型ゲーム装置1400では、試合シミュレーション画面W14が表示され、試合画面表示部82に試合の様子が映しだされ、スコアボード80やカウント表示部84、進塁状況表示部86の表示が開始される(図11参照)。尚、試合シミュレーションは、公知の野球の試合シミュレーションと同様に実現できる。
【0191】
試合が進行し、試合終了条件を満たすと(ステップS226のYES)、サーバ処理部202は試合画面とゲーム進行情報を携帯型ゲーム装置1400で表示させる為の表示情報の生成と送信を終了し(ステップS228)、今回の試合に応じてリーグ戦績データ589を更新する(ステップS230;図14参照)。
【0192】
ここで、サーバ処理部202は、リーグ終了条件を満たしているかを判定する。本実施形態では、リーグに設定されている試合数が全て消化されていれば条件を満たすと判定するなど、適宜設定することができる。
そして、リーグ終了条件を満たす場合(ステップS240のYES)、本リーグに参加する全チームのドラフト済チーム使用フラグ630を「0」に戻し(ステップS242)、ドラフト後追加登録選手リスト632に登録されていた選手を、登録選手リスト610に登録し直して(ステップS244)、試合シミュレーション処理を終了する。ステップS242及びS244により、リーグ参加中に適用されていたチーム編成の制限を解除されたことになる。
【0193】
図18において、試合シミュレーション処理が終了したならば、ステップS2に移行する。プレーヤは試合の結果をふまえて、チーム編成を修正して自チームを強化するなど、引き続きチーム運営を楽しむことができる。
【0194】
以上、本発明によれば、取得したトレーディングカードを登録して、当該トレーディングカードに対応づけられたキャラクタを用いてチームを編成しチーム対戦するゲームにおいて、対戦するプレーヤ間のトレーディングカードの収集程度の差があったとしても本明細書で言う所の「ドラフト」機能を用いることで、互いの持ちカードの選手を一時的に共有して和気藹々に対戦プレイを楽しむことができる。
【0195】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した第1実施形態について説明したが、本発明が適用される形態はこれに限られるものではなく、発明の主旨を逸脱しない限りに於いて、適宜ゲーム内容や、システムや機能の構成要素を追加・省略・変更を行うことができる。
【0196】
例えば、上記実施形態では、野球ゲームを例に挙げたが、トレーディングカードに対応づけられたキャラクタを用いてチームを編成しチーム対戦するゲームであれば他のジャンルのゲームでも構わない。例えば、サッカーやホッケー、ラグビー、アメリカンフットボール、バレーなどその他のスポーツでも同様に適用できる。また、戦闘グループを編成するRPGや、戦略シミュレーションゲームなどにも適用できる。
【0197】
また、上記実施形態では、ゲームシステムをサーバシステム1100とユーザ端末を含み、ゲーム管理の処理をサーバシステム1100で実行する構成としたが、サーバシステム1100とユーザ端末とを1台の据え置き型家庭用ゲーム装置或いは業務用ゲーム装置で実現したゲームシステムとしても良い。また、ゲームセンタなどの店舗で本発明のゲームシステムを使用する場合には、ユーザ端末として業務用ゲーム装置を用いるとしても良い。
【0198】
また、上記実施形態では試合する2チーム両方の行動を自動制御する例を挙げたが、守備側チーム及び攻撃側チームの一方のチームをコンピュータ制御させ、他方のチームをプレーヤ自身が制御する構成としても良い。
【0199】
また、上記実施形態の「ドラフト」機能では、プレーヤ自身が選択方法の設定を手動/自動に切り換えて利用できる構成とし、特に手動の場合にはプレーヤ自身が選手を選択できることとしたが、選択方法はそれらに限定されない。例えば、「ドラフト」機能を全自動のシャッフル機能とすることができる。つまり、ドラフト処理ではサーバ処理部202が、リーグ開始条件を満たしたならば、選手プールデータ582を生成し、全てのチームについて自動で選手選択を行うとしても良い。
【0200】
また、上記実施形態では、ドラフト画面W16のドラフト対象選手一覧45にて、対象選手の選手アイコン30を表示することで選手を識別できる構成としているが、所定数の選手について選手アイコン30にモザイク処理を施すなどして、選手が識別し難くする処理を追加すると、選手の選択にサプライズを仕込むことができるので、「ドラフト」機能を用いたゲームプレイの興趣を高めることができる。
【符号の説明】
【0201】
2…プレーヤ
3…トレーディングカード
8…メニュー選択アイコン表示部
30…選手アイコン
40…選手設定枠
42…選択方法設定欄
43…選択可能時間
45…ドラフト対象選手一覧
48…操作案内表示
202…サーバ処理部
220…ゲーム管理部
222…カード登録処理部
224…チーム編成処理部
234…ゲーム進行制御部
236…ドラフト制御部
500…記憶部
506…ゲーム画面表示制御プログラム
502…サーバ記憶部
512…サーバシステムプログラム
514…ゲーム管理プログラム
516…ゲーム関連データ
518…カード登録データ
520…選手設定データ
522…攻撃関連能力パラメータ
524…守備関連能力パラメータ
526…守備適性データ
550…リーグ設定データ
552…リーグ参加チームリスト
580…ドラフトデータ
582…選手プールデータ
584…ドラフト結果データ
586…選択権付与順番
588…選択権付与チームID
600…チーム設定データ
612…オリジナルチーム編成データ
630…ドラフト済チーム使用フラグ
632…ドラフト後追加登録選手リスト
650…プレイデータ
656…適用選手パラメータデータ
1100…サーバシステム
1400…携帯型ゲーム装置
1450…制御ユニット
W2…メニュー画面
W4…選手登録画面
W6…チーム編成画面
W12…参加リーグ設定画面
W14…試合シミュレーション画面
W16…ドラフト画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキャラクタで構成されたプレーヤチーム同士で対戦するゲームを実行するコンピュータシステムであって、
各キャラクタそれぞれに対応づけて、当該キャラクタに関するオブジェクトに付与されたオブジェクト固有のID(以下「オブジェクトID」という。)を記憶するID記憶手段と、
プレーヤ端末からの操作入力に従って前記オブジェクトIDの使用登録要求を受け付ける使用登録受付手段と、
前記使用登録受付手段により受け付けられたオブジェクトIDが、既に登録済みであった場合には使用登録を不許可とし、未登録であった場合には使用登録を許可として、各オブジェクトIDの使用登録の有無を管理する登録管理手段と、
各プレーヤチームを構成するキャラクタを記憶する記憶手段に、前記登録管理手段により使用登録されたオブジェクトIDに対応するキャラクタを、対応するプレーヤチームの所属キャラクタとして記憶させる登録構成手段と、
前記記憶手段に記憶された各プレーヤチームを構成するキャラクタを一時的にプールするプール手段と、
前記プール手段によりプールされたキャラクタの中から、順番にキャラクタを選択していくことで各プレーヤチームを新たに構成するチーム構成更新手段と、
前記新たに構成されたプレーヤチームの各キャラクタの能力値を、前記オブジェクトIDの使用登録不要のキャラクタの能力値として予め定められた能力値に変更した上で、当該新たなプレーヤチームを用いてゲーム進行を制御する進行制御手段と、
を備えたコンピュータシステム。
【請求項2】
前記チーム構成更新手段は、
キャラクタの選択権を、一巡ごとに順番を変更して前記各プレーヤチームに巡回的に付与する選択権付与手段と、
前記選択権付与手段により選択権が付与されたプレーヤチームのプレーヤの選択指示に従ってキャラクタを選択する選択手段と、
を有する請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
各プレーヤのプレーヤ端末と通信する通信手段を更に備え、
前記選択手段は、対応するプレーヤ端末から送信された選択指示信号に従ってキャラクタを選択し、所定の制限時間以内に選択指示信号を受信しなかった場合には、当該選択権に係るキャラクタの選択を自動的に行う、
請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記プレーヤ端末から自動選択指示信号を受信する自動選択指示受信手段を更に備え、
前記選択手段は、前記自動選択指示受信手段により前記自動選択指示信号を受信したプレーヤについてはキャラクタの選択を自動的に行う、
請求項3に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記プール手段は、複数のプレーヤチームに共通するキャラクタが所属していた場合には、当該キャラクタを異なるキャラクタとしてプールする、
請求項1〜4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記プール手段及び前記チーム構成更新手段は、前記登録構成手段によって各プレーヤチームが構成された後に実行される手段である、
請求項1〜5の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記登録構成手段は、前記チーム構成更新手段によって新たに構成されたプレーヤチームに、前記使用登録されたオブジェクトIDに対応するキャラクタを追加所属させる追加登録手段を有する、
請求項1〜6の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
各キャラクタそれぞれに対応づけて、当該キャラクタに関するオブジェクトに付与されたオブジェクトIDを記憶するID記憶手段を備えるコンピュータに、複数のキャラクタで構成されたプレーヤチーム同士で対戦するゲームを実行させるためのプログラムであって、
プレーヤ端末からの操作入力に従って前記オブジェクトIDの使用登録要求を受け付ける使用登録受付手段、
前記使用登録受付手段により受け付けられたオブジェクトIDが、既に登録済みであった場合には使用登録を不許可とし、未登録であった場合には使用登録を許可として、各オブジェクトIDの使用登録の有無を管理する登録管理手段、
各プレーヤチームを構成するキャラクタを記憶する記憶手段に、前記登録管理手段により使用登録されたオブジェクトIDに対応するキャラクタを、対応するプレーヤチームの所属キャラクタとして記憶させる登録構成手段、
前記記憶手段に記憶された各プレーヤチームを構成するキャラクタを一時的にプールするプール手段、
前記プール手段によりプールされたキャラクタの中から、順番にキャラクタを選択していくことで各プレーヤチームを新たに構成するチーム構成更新手段、
前記新たに構成されたプレーヤチームの各キャラクタの能力値を、前記オブジェクトIDの使用登録不要のキャラクタの能力値として予め定められた能力値に変更した上で、当該新たなプレーヤチームを用いてゲーム進行を制御する進行制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−447(P2012−447A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36177(P2011−36177)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【分割の表示】特願2010−137126(P2010−137126)の分割
【原出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】